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希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラム
説明

希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラム

【課題】簡単な構成で低コスト化を実現し、希釈液を毎回同じ規定量に保つこと。
【解決手段】希釈部120は、希釈ポット1231に希釈液を供給する供給ノズル1214に希釈液を送出する供給ポンプ1212と、希釈ポット1231内の希釈液を吸引する吸引口を設け、希釈ポット1231内の希釈液が設定される規定水位となる高さに吸引口を配置した吸引ノズル1222と、吸引ノズル1222から希釈液を排出させる排出ポンプ1221と、吸引ノズル1222の吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられ、供給ノズル1214から供給された希釈ポット1231内の希釈液の水位を検知する検知センサ1215と、検知センサ1215によって希釈ポット1231内の希釈液が所定の位置に達したことが検知されると、供給ポンプ1212の動作の停止、および排出ポンプ1221の動作の開始を制御する希釈制御部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、尿や血清等の電解質濃度を測定する装置として、イオン選択性電極を使用した電解質分析装置が用いられている。このような電解質分析装置としては、希釈液を用いて試料を希釈することによって試料溶液を生成し、生成された試料溶液の起電力と、比較用の基準液の起電力とを計測し、これら試料溶液と基準液との計測データに基づいて、試料溶液に含まれる被測定成分の電解質濃度を測定するものが知られている。
【0003】
具体的な分析手順としては、まず、希釈装置にて、尿や血清等の試料を希釈液で希釈する。そして、この希釈した試料溶液を電極部(イオン選択性電極)に導き、計測部にて試料溶液の起電力を計測する。引き続き、基準液を電極部へ導き、計測部にて基準液の起電力を計測する。そして、測定処理部にて、上述した試料溶液の起電力と基準液の起電力との差から試料の電解質濃度を求めるようにしたものである。
【0004】
このような電解質分析装置の電解質濃度の測定に際しては、試料濃度が一定に保たれていなければ、測定誤差が生じてしまう。したがって、希釈装置は、濃度を一定に保った試料溶液を生成する必要がある。つまり、希釈装置では、希釈用容器内に毎回同じ規定量の希釈液を充填する必要がある。このような希釈精度が求められる装置としては、電解質分析装置のほかにも、グルコース分析装置などの生化学分析装置が挙げられる。そこで、液体を一定量供給する装置として、たとえば、内部の空気圧を測定する圧力センサと、内部の空気圧を調節する調節弁とを備えたエアバッファを用いて、薬液または洗浄液を一定量供給するようにした技術が提案されている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2007−51981号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1の技術を希釈装置に転用したとしても、特許文献1の技術では、シリンジポンプを用いて流路および液量を制御する構成であるため、電磁弁などの流路を切り替える構成となり、流体系が複雑になるといった問題がある。また、特許文献1の技術は、電磁弁を用いる構成であるため、高コスト化するほか、発熱による測定誤差の発生や、騒音の発生といった不具合が生じる。
【0007】
この発明は上述した従来技術による問題点を解消するため、簡単な構成で、低コスト化を実現し、希釈用容器内の希釈液を毎回同じ規定量に保つことができる希釈装置、および希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる希釈装置は、試料と希釈液とを混合して試料溶液を生成するための希釈用容器と、前記希釈用容器に前記希釈液を供給する供給部と、前記供給部に前記希釈液を送出する供給ポンプと、前記希釈用容器内の前記希釈液を吸引する吸引口を設け、前記希釈用容器内の前記希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに前記吸引口を配置した吸引ノズルと、前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させる排出ポンプと、前記吸引ノズルの前記吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられ、前記供給部から供給された前記希釈用容器内の前記希釈液の水位を検知する検知手段と、前記検知手段によって前記希釈用容器内の前記希釈液が前記所定の位置に達したことが検知されると、前記供給ポンプの動作の停止、および前記排出ポンプの動作の開始を制御する希釈制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、この発明にかかる希釈装置は、上記に記載の発明において、前記希釈液が収容される希釈液収容部から、前記供給ポンプを介して、前記供給部まで、分岐のない一本の直通路に形成された供給路と、前記吸引ノズルから、前記排出ポンプを介して、前記希釈液が排出される廃液収容部まで、分岐のない一本の直通路に形成された排出路と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
また、この発明にかかる希釈装置は、上記に記載の発明において、前記供給ポンプおよび/または前記排出ポンプは、送出量が不定量のポンプを用いることを特徴とする。
【0011】
また、この発明にかかる希釈装置は、上記に記載の発明において、前記供給路および前記供給部は、樹脂を用いて形成されたものであることを特徴とする。
【0012】
また、この発明にかかる希釈装置は、上記に記載の発明において、前記希釈用容器は、開口部と、錐体状または球状に形成された収容部とを備えたものであり、前記吸引ノズルは、前記吸引口を前記収容部の上方に位置づけられて固定配置されたものであることを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかる電解質分析装置または生化学分析装置は、上記に記載の希釈装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかる希釈液充填方法は、希釈用容器内の前記希釈液を吸引する吸引口を下面に設け、前記希釈用容器内の前記希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに前記吸引口を固定配置した吸引ノズルと、前記吸引ノズルの前記吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられた検知センサと、を備えた希釈装置の希釈液充填方法であって、前記希釈用容器に供給ポンプを用いて前記希釈液を供給する供給工程と、前記検知センサを用いて前記供給工程にて供給された前記希釈用容器内の前記希釈液の水位を検知する検知工程と、前記検知工程によって前記希釈用容器内の前記希釈液が前記所定の位置に達したことが検知されたあとに、前記供給ポンプの動作を停止させ、前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させるための排出ポンプの動作を開始させる制御をおこなう希釈制御工程と、前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させる排出工程と、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかる希釈液充填プログラムは、上記に記載の希釈液充填方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、簡単な構成で、低コスト化を実現しながら、希釈用容器内の希釈液を毎回同じ規定量に保つことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。以下の説明では、電解質分析装置を例に挙げて説明する。
【0018】
(電解質分析装置100の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる電解質分析装置の全体構成を示す説明図である。図1において、電解質分析装置100は、試料供給部110と、希釈装置としての希釈部120と、測定部130と、廃液部140とを備えて構成されている。
【0019】
試料供給部110は、図示外の移動機構により図中X方向に移動自在な可動式クレーン111と、可動式クレーン111に設けられた試料分注ノズル112とを備える。試料分注ノズル112は、分注配管113に接続され、図示外の試料用ポンプの動作により、試料を吸引吐出する。
【0020】
可動式クレーン111の移動途中には、試料容器115が設けられている。試料容器115には、例えば尿や血清等の試料116が収容されている。可動式クレーン111が移動し、試料用ポンプが吸入動作することにより、試料分注ノズル112は、試料容器115から一定量だけ試料116を分取する。さらに、可動式クレーン111が移動し、試料用ポンプが吐出動作することにより、試料分注ノズル112は、分取した試料116を希釈部120の希釈ポット1231に注出する。
【0021】
希釈部120は、希釈液供給部1210と、希釈液排出部1220と、試料希釈部1230とにより構成されている。希釈液供給部1210は、希釈液収容容器1211と、供給ポンプ1212と、供給路としての供給配管1213と、供給部としての供給ノズル1214と、検知センサ1215とにより構成されている。希釈液供給部1210は、供給ポンプ1212の動作により、供給配管1213を介して希釈液収容容器1211から希釈液を吸引し、供給ノズル1214から希釈液を、希釈用容器としての希釈ポット1231に注出する。
【0022】
供給ポンプ1212は、圧電素子ポンプであり、具体的には、圧電素子と逆止弁を内蔵しており、送液量に定量性のない簡易なポンプである。供給配管1213および供給ノズル1214は、非金属のものから形成されており、具体的には、たとえば、合成樹脂で形成されている。また、供給配管1213および供給ノズル1214は、錆びの発生やイオンの発生を抑止できるものであればよく、合成樹脂のほかに、ゴムなどの天然樹脂を用いてもよい。また、供給配管1213は、供給ポンプ1212を介して希釈液収容容器1211から希釈ポット1231までを、分岐のない一本の直通路に形成されている。
【0023】
検知センサ1215は、たとえば、フォトセンサであり、希釈ポット1231内に供給された希釈液の水位が所定の水位になったか否かを検知する。なお、検知センサ1215は、このようなフォトセンサのほかにも、希釈ポット1231内の水位が所定の水位になったか否かを検知できるものであればよく、たとえば、液面に接触するセンサであってもよい。また、希釈液には、例えばトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン水溶液、モノエタノールアミン水溶液、ジエタノールアミン水溶液、トリエタノールアミン水溶液の、硫酸、リン酸、硼酸緩衝液等などや、MOPS、HEPES等のグッド緩衝液が用いられる。
【0024】
希釈液排出部1220は、排出ポンプ1221と、吸引ノズル1222と、排出路としての排出配管1223と、廃液ボトル1224とにより構成されている。排出ポンプ1221は、圧電素子ポンプであり、具体的には、圧電素子と逆止弁を内蔵しており、送液量に定量性のない簡易なポンプである。
【0025】
吸引ノズル1222は、排出ポンプ1221の動作により、希釈液が規定水位になるまで希釈液を排出する。詳細については図3を用いて説明するが、吸引ノズル1222は、希釈ポット1231内の希釈液を吸引する吸引口を下面に設け、希釈ポット1231の希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに吸引口を固定配置している。そして、吸引ノズル1222は、希釈ポット1231内の希釈液の水面が規定水位となったときに、希釈液を吸引する吸引部が希釈液の水面に現れることにより吸引動作を停止するようになっている。
【0026】
排出配管1223は、排出ポンプ1221を介して希釈ポット1231から廃液ボトル1224までを、分岐のない一本の直通路に形成されている。このような構成により、希釈液排出部1220は、排出ポンプ1221の動作により、排出配管1223を介して希釈ポット1231から希釈液を吸引し、余分な希釈液を廃液ボトル1224に排出するようになっている。
【0027】
試料希釈部1230は、希釈用容器としての希釈ポット1231と、撹拌機構1232とを備えて構成される。希釈ポット1231は、詳細については図3を用いて説明するが、開口部と、球形状の収容部とを備えた容器である。上述した吸引ノズル1222は、吸引口を希釈ポット1231の上方に位置づけられて固定配置されている。なお、希釈ポット1231は、このほかにも、後述する図7に示すように、たとえば、円錐状の容器などを用いてもよい。なお、円柱状の容器を用いることも勿論可能である。
【0028】
撹拌機構1232は、希釈ポット1231の内部に設けられる。撹拌機構1232は、試料供給部110によって試料容器115から一定量だけ分注された試料116と、希釈液供給部1210によって規定量充填された希釈液とを混合し、たとえば、試料を30倍程度に希釈した均一な試料溶液を生成する。なお、本実施の形態では、基準液に希釈液を用いる構成としており、基準液(希釈液)の起電力が計測される場合には、希釈ポット1231には、希釈液のみが注入される。希釈ポット1231内で、撹拌された試料溶液または注入された基準液としての希釈液(以下、これらを測定液と称す)は、希釈ポット1231から測定部130に送り出される。
【0029】
測定部130は、測定配管131と、複数の電極部132(132a〜132d)と、起電力計測部133と、測定処理部134とを備えて構成される。測定配管131は、希釈ポット1231に接続され、希釈ポット1231内の測定液を電極部132へ導く。
【0030】
電極部132は、測定液が通過する経路上に設けられる。電極部132は、イオン選択性電極132a〜132cおよび比較電極132dを備えている。イオン選択性電極132a〜132cは、例えば、Na、K、Cl等の特定のイオンに感応した電位を出力する電極である。これらイオン選択性電極132a〜132cおよび比較電極132dは、希釈ポット1231から取り出されて測定配管131から送られた測定液のそれぞれの電位を検出する。より詳細に説明すると、イオン選択性電極132a〜132cおよび比較電極132dは、測定配管131から送られてきた測定液が電極部132を通過する際に、イオン選択性電極132a〜132cと比較電極132dとの間の電位差を検出する。
【0031】
起電力計測部133は、電極部132を通じて測定配管131を通過する試料溶液および希釈液のそれぞれの起電力を計測する。具体的には、起電力計測部133は、測定配管131を介して試料溶液または基準液が送られてきたときに、それぞれに対して、イオン選択性電極132a〜132cが検出した電位と、比較電極132dが検出した電位とに基づいて、起電力を計測する。測定処理部134は、起電力計測部133によって計測された試料溶液と希釈液との計測結果を基に、試料溶液に含まれる被測定成分(Na、K、Cl)の電解質濃度を測定する。
【0032】
廃液部140は、廃液ポンプ141と、廃液配管142と、廃液ボトル143(廃液ボトル1224)とにより構成されている。廃液部140は、廃液ポンプ141の動作により、廃液配管142および測定配管131を介して希釈ポット1231から測定液を吸引し、当該測定液を廃液ボトル143に排出する。廃液ポンプ141は、圧電素子ポンプであり、具体的には、圧電素子と逆止弁を内蔵しており、送液量に定量性のない簡易なポンプである。
【0033】
(電解質分析装置100の機能的構成)
つぎに、本実施の形態にかかる電解質分析装置100の機能的構成について説明する。図2は、本実施の形態にかかる電解質分析装置の機能的構成を示す説明図である。
【0034】
図2において、本実施の形態にかかる電解質分析装置100の制御部200は、起電力計測部133と、測定処理部134と、希釈制御部201とを備えている。また、制御部200の入力側には、操作部210と、検知センサ1215とが接続される一方、制御部200の出力側には、可動式クレーン111(移動機構)と、試料用ポンプ230と、廃液ポンプ141と、表示部220と、供給ポンプ1212と、排出ポンプ1221とが接続されている。
【0035】
制御部200は、電解質分析装置100全体の制御を司る。具体的には、制御部200は、操作部210からの入力により、予め格納されるプログラムに基づき、可動式クレーン111と、試料用ポンプ230と、廃液ポンプ141と、表示部220と、供給ポンプ1212と、排出ポンプ1221とを制御する。
【0036】
また、制御部200は、希釈制御部201を備えている。希釈制御部201は、希釈部120の制御を司り、検知センサ1215の検知結果に基づいて、供給ポンプ1212と、排出ポンプ1221とを制御する。具体的には、希釈制御部201は、検知センサ1215によって希釈ポット1231内の希釈液が所定の水位となることが検知されるまで、供給ポンプ1212を動作させる制御をおこない、一方、検知センサ1215によって希釈ポット1231内の希釈液が所定の水位となることが検知されると、供給ポンプ1212の動作を停止させ、排出ポンプ1221の動作を開始させる制御をおこなう。
【0037】
操作部210は、たとえば、キーボードが用いられ、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーにより、操作入力がおこなえるものである。また、操作部210は、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。表示部220は、ディスプレイなどの表示画面であり、測定処理部134によって測定された結果を表示する。
【0038】
(希釈部120の構成の一例)
つぎに、図3を用いて、本実施の形態にかかる電解質分析装置100に用いられる希釈部120の構成の一例について説明する。図3は、本実施の形態にかかる電解質分析装置に用いられる希釈部の構成の一例を示す説明図である。
【0039】
図3において、希釈ポット1231は、球形状の収容部311と、把持部312と、開口部313とを備えて形成されている。希釈ポット1231は、フレーム301に固設されている。また、供給ノズル1214および吸引ノズル1222は、フレーム301に固定接続されるアーム302に固設されており、希釈ポット1231との高さ方向の位置関係において、ずれが生じないようになっている。
【0040】
供給ノズル1214は、把持部312に対応する高さの位置に配置されており、吸引ノズル1222よりも、高い位置に配置されている。なお、供給ノズル1214の配置位置は、このような構成に限らず、任意の位置(高さ)に配置してもよい。
【0041】
一方、吸引ノズル1222は、たとえば、筒状に形成されたものであり、希釈液を吸引する吸引口322を下面にして配置されている。特に、吸引ノズル1222は、希釈ポット1231に対して、一定の位置関係にある必要があり、高さ方向の位置がずれないようになっている。吸引口322の配置されている高さが規定水位となる。また、吸引口322は、収容部311の上方に位置づけられていることが望ましく、本実施の形態においては、希釈ポット1231の収容部311と把持部312との境界の高さに配置されている。
【0042】
また、検知センサ1215は、吸引口322が配置された規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられていればよく、本実施の形態においては、把持部312に対応する高さの位置に配置されており、具体的には、供給口321と吸引口322との間の高さに配置されている。吸引口322および検知センサ1215をこのような位置に配置したのは、希釈ポット1231の底部に比べて上方の径が小さく、希釈液の水面の面積が小さくなるため、吸引の精度および検知の精度を高めることができるためである。
【0043】
なお、希釈ポット1231の開口部313は、ある程度の面積が必要である。ある程度の面積とは、可動式クレーン111によって試料分注ノズル112が開口部313に位置した際に、当該試料分注ノズル112による分注スペースを確保する面積である。したがって、開口部313は、供給ノズル1214と、吸引ノズル1222と、試料分注ノズル112とが位置するスペースを確保する程度の開口径を有するものである。このような形状の希釈ポット1231によれば、測定ごとの定量性を安定して得ることができる。
【0044】
(電解質分析装置100の電解質分析処理の一例)
つぎに、図4を用いて、本実施の形態にかかる電解質分析装置100の電解質分析処理の一例について説明する。図4は、本実施の形態にかかる電解質分析装置の電解質分析処理の一例を示すフローチャートである。
【0045】
図4において、電解質分析装置100は、操作部210からの測定開始の入力を受け付けるまで待機状態であり(ステップS401:Noのループ)、測定開始の入力を受け付けると(ステップS401:Yes)、希釈部120が希釈液収容容器1211の希釈液を希釈ポット1231に規定量充填する(ステップS402)。ステップS402における希釈液の充填の詳細については、後述する。そして、試料供給部110は、試料容器115の試料を希釈ポット1231に分注する(ステップS403)。具体的には、試料分注ノズル112が、可動式クレーン111の移動と試料用ポンプ230の動作とにより、試料容器115に収容された試料116を一定量だけ分取するとともに、この分取した試料を希釈ポット1231に注出する。
【0046】
このあと、試料希釈部1230は、撹拌機構1232により希釈ポット1231内の希釈液および試料を撹拌して試料溶液を生成する(ステップS404)。具体的には、撹拌機構1232が、希釈液および試料を撹拌することにより、試料と希釈液とが均一に混合された試料溶液を生成する。そして、起電力計測部133は、導かれた試料溶液の起電力を計測する(ステップS405)。具体的には、希釈ポット1231で生成された試料溶液が、排出ポンプ1221の動作により希釈ポット1231から取り出され、測定配管131へ導かれる。
【0047】
そして、測定配管131に導かれた試料溶液は、電極部132を通過する。このとき、起電力計測部133がイオン選択性電極132a〜132cおよび比較電極132dを通じて当該試料溶液の起電力を計測する。そして、廃液部140は、計測終了後の試料溶液を排出する(ステップS406)。このようにして、試料溶液の計測が完了する。
【0048】
つぎに、希釈液を用いた基準液の計測がおこなわれる。希釈部120は、希釈液収容容器1211の希釈液を希釈ポット1231に規定量供給する(ステップS407)。そして、起電力計測部133は、導かれた希釈液の起電力を計測する(ステップS408)。このあと、廃液部140は、計測終了後の希釈液を排出する(ステップS409)。このようにして、基準液としての希釈液の計測が完了する。
【0049】
そして、測定処理部134は、試料溶液と基準液との計測結果に基づき、試料溶液に含まれる被測定成分の電解質濃度を測定する(ステップS410)。そして、表示部220は、この測定結果を表示する(ステップS411)。このあと、可動式クレーン111を移動させ、図示外の洗浄位置にて試料分注ノズル112を洗浄する(ステップS412)。具体的には、たとえば、可動式クレーン111を移動させ、試料分注ノズル112を所定の洗浄位置に配置させ、純水を用いて、試料分注ノズル112を洗浄する。また、希釈ポット1231の洗浄については、希釈液の測定において希釈ポット1231に希釈液のみが満たされることにより、測定を兼ねて希釈ポット1231の洗浄がおこなわれることになる。
【0050】
そして、操作部210からの入力情報に基づき、つぎの試料の測定があるか否かを判断し(ステップS413)、次の試料の測定がない場合には(ステップS413:No)、一連の処理を終了する。一方、ステップS413において、つぎの試料の測定がある場合には(ステップS413:Yes)、ステップS402に移行する。
【0051】
(希釈部120による希釈液充填処理の一例)
つぎに、図5を用いて、本実施の形態にかかる電解質分析装置100において、希釈部120による希釈液充填処理の一例について説明する。図5は、本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈液充填処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すフローチャートは、図4に示したフローチャートのステップS402を詳細に示した処理である。
【0052】
図5において、希釈部120は、希釈制御部201による制御に基づいて、供給ポンプ1212を動作させる(ステップS501)。そして、検知センサ1215によって、供給ノズル1214から供給された希釈液が所定の水位に達したことが検知されたか否かを判断する(ステップS502)。ステップS502において、検知センサ1215によって、供給ノズル1214から供給された希釈液が所定の水位に達したことが検知されるまで(ステップS502:No)、ステップS501に移行し、供給ポンプ1212を動作させる(ステップS501)。
【0053】
ステップS502において、検知センサ1215によって、供給ノズル1214から供給される希釈液が所定の水位に達したことが検知されると(ステップS502:Yes)、供給ポンプ1212の動作を停止させる(ステップS503)。そして、排出ポンプ1221の動作を開始させ(ステップS504)、一連の処理を終了する。このあと、希釈ポット1231内の希釈液は、排出ポンプ1221の動作により吸引口322が水面に現れるまで排出される。なお、排出ポンプ1221の動作の停止については、たとえば、予め設定される所定の時間が経過したときに停止するようにしてもよいし、希釈液が規定水位になったことを検知できるセンサを別途備えるようにし、当該センサの検知結果に基づいて停止するようにしてもよい。このような動作により、希釈ポット1231内の希釈液を毎回同じ規定量に保つことができる。
【0054】
(希釈部120がおこなう希釈動作例)
つぎに、図6−1〜図6−3を用いて、本実施の形態にかかる電解質分析装置100において、希釈部120がおこなう希釈動作例について説明する。図6−1〜図6−3は、本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈動作例を示す説明図である。
【0055】
図6−1に示すように、供給ポンプ1212の動作により、供給ノズル1214から希釈液が注出される。そして、図6−2に示すように、希釈ポット1231に注出される希釈液の水位が検知センサ1215によって検知される高さになると、供給ポンプ1212が動作を停止する。そして、排出ポンプ1221が動作を開始する。この排出ポンプ1221の動作により、吸引ノズル1222の吸引口322から希釈液が吸引される。なお、吸引された希釈液は、廃液ボトル1224に排出される。そして、吸引ノズル1222の吸引口322からの吸引により、希釈液の水位が吸引口322の高さになるまで吸引されると、吸引口322が水面に現れることにより、希釈液はそれ以上吸引されなくなる(図6−3参照)。このようにして、希釈液は、毎回同じ、規定水位となる。
【0056】
(希釈ポット1231の他の形状の一例)
つぎに、図7を用いて、本実施の形態にかかる電解質分析装置100に用いられる希釈ポット1231の他の形状の一例について説明する。図7は、本実施の形態にかかる電解質分析装置に用いられる希釈ポットの他の形状の一例を示す説明図である。
【0057】
図7に示す希釈ポット700は、円錐状の収容部701と、把持部702と、開口部703とを備えて形成されている。開口部703は、ある程度の面積が必要である。ある程度の面積とは、具体的には、可動式クレーン111によって試料分注ノズル112が開口部703に位置した際に、当該試料分注ノズル112による分注スペースを確保する面積である。したがって、開口部703は、供給ノズル1214と、吸引ノズル1222と、試料分注ノズル112とが位置するスペースを確保する程度の開口径を有するものである。なお、把持部702を設けない構成とすることは勿論可能である。
【0058】
また、検知センサ1215によって検知される水位の検知位置、および吸引ノズル1222を配置する位置は、希釈ポット700の上方に位置づけることが望ましい。これは、底面部に比べて上方の径が小さく、希釈液の水面の面積が小さくなるため、検知の精度および吸引の精度を高めることができるためである。このように、図7に示した希釈ポット700であっても、測定ごとの定量性を安定して得ることができる。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態に用いられる希釈部120は、供給ノズル1214から希釈液を供給するための供給ポンプ1212と、希釈ポット1231内の希釈液を吸引する吸引口322を下面に設け、希釈ポット1231内の希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに吸引口322を固定配置した吸引ノズル1222と、吸引ノズル1222から希釈液を排出させる排出ポンプ1221と、吸引ノズル1222の吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられ、供給ノズル1214から供給された希釈ポット1231内の希釈液の水位を検知する検知センサ1215と、検知センサ1215によって希釈ポット1231内の希釈液が所定の位置に達したことが検知されると、供給ポンプ1212の動作の停止、および排出ポンプ1221の動作の開始を制御する希釈制御部201と、を備えるようにした。したがって、簡単な構成で、希釈ポット1231内の希釈液を毎回同じ規定量に保つことができる。
【0060】
また、本実施の形態に用いられる希釈部120において、供給配管1213は、希釈液収容容器1211から希釈ポット1231までを、分岐のない一本の直通路に形成された経路とし、排出配管1223は、吸引ノズル1222から廃液ボトル1224までを、分岐のない一本の直通路に形成された経路とした。このような構成によれば、希釈液供給部1210および希釈液排出部1220には、電磁弁を用いる必要がなく、一本の直通路により形成されるので、流体系が簡素化でき、装置の小型化が実現できるとともに、低コスト化を図ることができる。また、電磁弁による騒音が発生することなく、環境に配慮した希釈部120を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態に用いられる希釈部120において、供給ポンプ1212および排出ポンプ1221には、送出量が不定量の圧電素子ポンプを用いるようにした。本構成によれば、安価な圧電素子ポンプを用いるので、低コスト化を実現することができる。
【0062】
また、本実施の形態に用いられる希釈部120において、供給配管1213および供給ノズル1214は、非金属のものから形成されており、樹脂を用いて形成されたものである。このような構成によれば、金属を用いた場合に懸念される通路の腐食やイオンの発生を防止することができる。
【0063】
また、本実施の形態に用いられる希釈部120において、希釈ポット1231(700)は、開口部313(703)と、球形状または錐体状に形成された収容部311(701)とを備えるようにし、吸引ノズル1222は、吸引口322を収容部311(701)の上方に位置づけられて固定配置するようにした。このような構成によれば、収容部311(701)の上方に行くほど、希釈液の水面の面積が小さくなるため、吸引の精度を高めることができ、測定ごとの定量性を安定して得ることができる。
【0064】
また、本実施の形態にかかる電解質分析装置100によれば、毎回同じ濃度で希釈された試料溶液の測定をおこなうことができるので、安定した測定をおこなうことができる。また、ポンプユニットに電磁弁を具備させない構成を実現できるので、発熱を抑えることができ、安定した測定結果を得ることができる。また、電磁弁による騒音を低減することができ、環境に配慮した電解質分析装置100を提供することができる。さらに、樹脂を用いて形成される供給配管1213および供給ノズル1214を備えたので、通路の腐食やイオンの発生などを抑止し、測定結果を安定させることができる。
【0065】
また、上述した説明では、電解質分析装置100に希釈部120を具備させた構成について説明したが、グルコース分析装置などの生化学分析装置に希釈部120を具備させることも可能である。このような希釈部120を備えた生化学分析装置によれば、上述した電解質分析装置100と同様に、安定した測定をおこなうことができる。
【0066】
以上説明したように、希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラムによれば、供給ノズル1214から供給された希釈ポット1231内の希釈液の水位を検知するようにし、希釈ポット1231内の希釈液があらかじめ設定された所定の水位に達したことが検知されると、供給ポンプ1212の動作の停止、および排出ポンプ1221の動作の開始を制御するようにしたので、簡単な構成で、希釈ポット1231内の希釈液を毎回同じ規定量に保つことができる。
【0067】
なお、本実施の形態で説明した希釈液充填方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD−ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明にかかる希釈装置、希釈装置を備えた電解質分析装置または生化学分析装置、希釈液充填方法、および希釈液充填プログラムは、尿や血清等の試料の電解質濃度を測定する電解質の分析、またはグルコース濃度の測定などの生化学分析に際し、試料を希釈液で希釈する希釈装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の実施の形態にかかる電解質分析装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】本実施の形態にかかる電解質分析装置の機能的構成を示す説明図である。
【図3】本実施の形態にかかる電解質分析装置に用いられる希釈部の構成の一例を示す説明図である。
【図4】本実施の形態にかかる電解質分析装置の電解質分析処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈液充填処理の一例を示すフローチャートである。
【図6−1】本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈動作例を示す説明図である。
【図6−2】本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈動作例を示す説明図である。
【図6−3】本実施の形態にかかる電解質分析装置において、希釈部がおこなう希釈動作例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態にかかる電解質分析装置に用いられる希釈ポットの他の形状の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0070】
100 電解質分析装置
110 試料供給部
111 可動式クレーン
112 試料分注ノズル
113 分注配管
120 希釈部
130 測定部
140 廃液部
200 制御部
201 希釈制御部
301 フレーム
302 アーム
311 収容部
312 把持部
313 開口部
321 供給口
322 吸引口
700 希釈ポット
701 収容部
702 把持部
703 開口部
1210 希釈液供給部
1211 希釈液収容容器
1212 供給ポンプ
1213 供給配管
1214 供給ノズル
1215 検知センサ
1220 希釈液排出部
1221 排出ポンプ
1222 吸引ノズル
1223 排出配管
1230 試料希釈部
1231 希釈ポット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料と希釈液とを混合して試料溶液を生成するための希釈用容器と、
前記希釈用容器に前記希釈液を供給する供給部と、
前記供給部に前記希釈液を送出する供給ポンプと、
前記希釈用容器内の前記希釈液を吸引する吸引口を設け、前記希釈用容器内の前記希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに前記吸引口を配置した吸引ノズルと、
前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させる排出ポンプと、
前記吸引ノズルの前記吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられ、前記供給部から供給された前記希釈用容器内の前記希釈液の水位を検知する検知手段と、
前記検知手段によって前記希釈用容器内の前記希釈液が前記所定の位置に達したことが検知されると、前記供給ポンプの動作の停止、および前記排出ポンプの動作の開始を制御する希釈制御手段と、を備えることを特徴とする希釈装置。
【請求項2】
前記希釈液が収容される希釈液収容部から、前記供給ポンプを介して、前記供給部まで、分岐のない一本の直通路に形成された供給路と、
前記吸引ノズルから、前記排出ポンプを介して、前記希釈液が排出される廃液収容部まで、分岐のない一本の直通路に形成された排出路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の希釈装置。
【請求項3】
前記供給ポンプおよび/または前記排出ポンプは、送出量が不定量のポンプを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の希釈装置。
【請求項4】
前記供給路および前記供給部は、樹脂を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項2または3に記載の希釈装置。
【請求項5】
前記希釈用容器は、開口部と、錐体状または球状に形成された収容部とを備えたものであり、
前記吸引ノズルは、前記吸引口を前記収容部の上方に位置づけられて固定配置されたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の希釈装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つに記載の希釈装置を備えることを特徴とする電解質分析装置または生化学分析装置。
【請求項7】
希釈用容器内の前記希釈液を吸引する吸引口を下面設け、前記希釈用容器内の前記希釈液があらかじめ設定される規定水位となる高さに前記吸引口を固定配置した吸引ノズルと、
前記吸引ノズルの前記吸引口が設けられた規定水位の高さよりも高い所定の位置に設けられた検知センサと、
を備えた希釈装置の希釈液充填方法であって、
前記希釈用容器に供給ポンプを用いて前記希釈液を供給する供給工程と、
前記検知センサを用いて前記供給工程にて供給された前記希釈用容器内の前記希釈液の水位を検知する検知工程と、
前記検知工程によって前記希釈用容器内の前記希釈液が前記所定の位置に達したことが検知されたあとに、前記供給ポンプの動作を停止させ、前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させるための排出ポンプの動作を開始させる制御をおこなう希釈制御工程と、
前記吸引ノズルから前記希釈液を排出させる排出工程と、
を含むことを特徴とする希釈液充填方法。
【請求項8】
請求項7に記載の希釈液充填方法をコンピュータに実行させることを特徴とする希釈液充填プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図6−3】
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【図7】
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