説明

帝王切開により出産された乳幼児における疾患の予防

本発明は、帝王切開により出産された乳幼児に経腸的に投与するための組成物の製造のための、非消化性オリゴ糖を含む組成物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帝王切開により出産された乳幼児における疾患の治療及び/又は予防のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人乳は非消化性オリゴ糖(non-digestible)を含んでおり、これは、ビフィドバクテリウム属及び乳酸桿菌属に属す種のような、乳酸産生細菌の増殖を特異的に刺激し、また、他の(病原性)細菌の増殖及び/又は腸壁への接着を防ぐ。それ故、乳幼児が人乳を受けると、その乳幼児の腸管内菌叢は乳酸産生細菌に富む健康な菌叢に発達する。健康な腸管内菌叢の存在は、腸バリアの成熟及び/又は腸バリアの完全性を改善し、粘液の形成を刺激し、病原性細菌を阻害し、免疫系を刺激する。
【0003】
WO0008984は、大腸の自然な菌叢に存在する健康な微生物の健康及び増強を刺激するための非消化性炭水化物の混合物に関している。
【0004】
出生前、乳幼児の腸管は、正常では無菌である。膣分娩の間、乳幼児の腸管は母体の膣及び/又は糞便の細菌を接種され、乳幼児の環境から生ずる細菌による乳幼児の消化管の定着(colonization)をもたらす。
【0005】
Natren(登録商標)は、乳幼児に特異的に設計され、帝王切開により出産された乳幼児に適した、プロバイオティック製品ライフスタート(Life Start)(登録商標)を生産している。ライフスタート(登録商標)は、ビフィドバクテリウム・インファンティスによって作られる。ライフスタート(登録商標)製品は唯一つの単体のビフィドバクテリウム種を含み、そのため、乳幼児への利益は極めて限定されている。
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、帝王切開により出産された乳幼児が、膣経路で出産された乳幼児の腸管内菌叢と異なる腸管内菌叢を有することを発見した。特に、帝王切開により出産された乳幼児は、ビフィドバクテリウム属による腸管の定着率が減少し、膣経路で出産された乳幼児よりも種に関して、多様性の少ないビフィドバクテリウム・腸管内菌叢を有し、特に、ビフィドバクテリウム・ブレーブ(breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(longum)、ビフィドバクテリウム・インファンティス(infantis)及びビフィドバクテリウム・ビフィダム(bifidum)を失っている。
【0007】
さらに、帝王切開により出産された乳幼児の腸管内菌叢が、膣分娩された乳幼児の腸管内菌叢と比較して、低含量のビフィドバクテリウム属を有することが発見された。加えて、帝王切開で出産された乳幼児の腸管内菌叢は、出産後6週間で、(望ましくない)大腸菌の高含量を有することが発見された。
【0008】
本発明者らは、乳幼児の腸管内菌叢におけるそれらの欠損が、帝王切開により出産された乳幼児に、好ましくは帝王切開により出産された乳幼児の栄養物に含まれる、非消化性オリゴ糖(non-digestible oligosaccharides)を投与することにより克服できることを発見した。特に、非消化性オリゴ糖の投与は、帝王切開により出産された乳幼児におけるビフィドバクテリウムの含量を増加させ、また、大腸菌の含量を減少させることが分かった。そのような欠損の克服は、改善された健康をもたらし、また、種々の疾患を予防及び/又は治療する。
【0009】
健康且つ完全に発達した胃腸管内菌叢は、重要な生理学的効果を有する。一つの重要な側面は、それが(胃腸管の)感染症の発生を減少させるということである。帝王切開により出産された乳幼児が健康な菌叢を欠いているために、感染症の予防はそれらの乳幼児にとって特に重要である。それらの乳幼児は普通、病因環境で出産されるが、これは、院内細菌の発生のために、病原体の感染症の危険がある。さらに、健康な腸管内菌叢の発達の障害は、乳幼児の腸管が母系性の細菌により接種される状況と比較して、病原性細菌のより速い定着をもたらす。
【0010】
本発明は、特に、(i) 有益な細菌、好ましくは乳酸産生細菌の増殖を刺激すること、(ii) 病原性細菌の増殖を減少させること;及び/又は(iii) 腸管の上皮細胞及び/又は腸管の粘液への病原性細菌の接着を減少させること、による帝王切開により出産された乳幼児における(胃腸管)感染症の数及び重篤度を減少することを目的とする。
【0011】
本発明者らは、(胃腸管)感染症が、非消化性オリゴ糖、特にガラクト-オリゴ糖によって予防及び治療できることを見出した。本発明の非消化性オリゴ糖は、経腸的な(特に経口)投与に適しており、それらを乳幼児の人工乳(milk formula)中に含ませることを容易にする。本発明の非消化性オリゴ糖は、感染症の発生を減少させ、並びに、病原、特に黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、溶血性連鎖球菌(Streptococcus haemolyticus)、連鎖球菌(Streptococcus)、クロストリジウム・デフィシレ(Clostridium difficile)、枯草菌(Bacilus subtilis)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)、クレブシエラ(Klebsiella)、アシネトバクター(Acinetobacter)、プロテウス(Proteus)、アエロモナス(Aeromonas)、及び大腸菌の腸管濃度の減少により感染症の重篤度を減少させる。
【0012】
帝王切開により出産された乳幼児における感染症の発生及び重篤度は、構造及び/又は重合度(DP)の異なる少なくとも二つの非消化性オリゴ糖の混合物を提供することによりさらに減少させることができ、また、非消化性中性オリゴ糖に加えて酸性オリゴ糖、特にウロン酸オリゴ糖を提供することによってさらに減少させることができる。構造及び/又はDPが異なる非消化性オリゴ糖の混合物は、健康な胃腸管内菌叢の発達を相乗的に刺激する。ガラクト-オリゴ糖、及び/又はフルクト-オリゴ糖はそれらの特に適しており、B. longum, B. breve及び/又はB. infantis (実施例2)の増殖を刺激することが発見されている。ウロン酸オリゴ糖は、病原性細菌の腸管壁への接着を防ぎ、それによってさらに、病原体によって起こされる感染症を予防及び/又は治療する。
【0013】
感染症の発生の減少に加えて、本発明の方法により、帝王切開により出産された乳幼児において他の疾患が予防及び/又は治療される。特にアレルギー及び湿疹(eczema)のような疾患が、健康な腸管内菌叢を刺激することによって予防及び/又は治療される。
【0014】
さらなる側面において、本発明は、本発明の活性成分を栄養組成物に組み入れることによって、適切に実行されることができる。そのような組成物は、帝王切開により出産された乳幼児に重い負担を課すことなしに乳幼児に投与できる。
【好ましい態様の詳細な説明】
【0015】
本発明の方法は、(i) 帝王切開により出産された乳幼児における疾患の治療及び/又は予防及び/又は(ii) 帝王切開により出産された乳幼児における健康の促進(stimulation)のための組成物の製造のための、非消化性オリゴ糖を含む組成物の使用を提供する。
【0016】
さらなる側面において、本発明は、(i) 帝王切開により出産された乳幼児における疾患の治療及び/又は予防及び/又は(ii) 帝王切開により出産された乳幼児における健康の促進のための方法を提供する。該方法は、非消化性オリゴ糖を帝王切開により出産された乳幼児に投与することを含む。好ましくは、帝王切開により出産された乳幼児における、感染症予防及び/又は治療;及び/又はアレルギーの予防及び/又は治療のための方法を提供する。
【0017】
さらなる側面において、本発明は、工程a)I) 栄養的に又は薬剤的に許容される液体;及びII) 乾燥組成物を混合すること、ここで、該乾燥組成物IIは、非消化性オリゴ糖及びを含む、b)工程a)で得られた組成物を乳幼児に投与すること、を含む、帝王切開により出産された乳幼児において健康な腸管内菌叢の発達を刺激するため及び/又は腸管の病原体の発生を減少させるための方法を提供する。
【0018】
さらなる側面において、本発明は、帝王切開により出産された乳幼児において、健康な腸管内菌叢の発達を刺激する及び/又は腸管の病原体を減少させるための方法であって、非消化性オリゴ糖を含む組成物を該乳幼児に投与することを含む方法を提供する。
【0019】
さらなる側面において、本発明は、帝王切開により出産された乳幼児に栄養を提供するための方法を提供し、該方法は、工程a) 非消化性オリゴ糖を含む組成物を帝王切開により出産された乳幼児に投与されるべき栄養と混合すること;及びb)工程a)で得られた混合物を帝王切開により出産された乳幼児に投与することを含む。本発明はまた、該組成物の乾燥重量に基づいて少なくとも5 wt.%の非消化性オリゴ糖及び該組成物の乾燥重量に基づいて少なくとも1 wt.%のウロン酸オリゴ糖を含む組成物に関する。
【0020】
帝王切開
本発明は、帝王切開により出産された乳幼児への非消化性オリゴ糖を含む組成物の経腸的な投与に関する。帝王切開(c-セクション)は、乳幼児が母体の腹壁の切開を通して、そして子宮壁を通して出産される場合の外科的方法である。帝王切開は通常、膣出産よりも母体又は乳幼児のために安全である場合に行われる。或いは、女性が、乳幼児を膣出産するより帝王切開することを選択することもある。
【0021】
非消化性オリゴ糖
本発明の組成物は非消化性オリゴ糖を含み、これは好ましくは、腸管の乳酸産生細菌、特にビフィドバクテリウム属及び/又は乳酸桿菌の増殖を刺激する。
【0022】
本発明で用いられる「オリゴ糖(oligosaccharide)」という用語は、2〜250の重合度(DP)、好ましくはDP 2〜100、より好ましくは 2〜60、さらにより好ましくは 2〜10の重合度を有するサッカリドを指す。2〜100のDPのオリゴ糖が本発明の組成物に含まれる場合、これは、DP 2〜5、DP 50〜70及びDP 7〜60のオリゴ糖を含有する組成物を含む。本発明で用いられる「非消化性オリゴ糖”」という用語は、酸の作用又はヒトの上部消化管(小腸及び胃)に存在する消化酵素によって腸内で消化されないか又は部分的にのみ消化され、ヒトの腸管内菌叢によって発酵されるオリゴ糖を指す。例えば、スクロース、ラクトース、マルトース及びマルトデキストリンは消化できると見なされる。好ましくは、該非消化性オリゴ糖は、非消化性の中性オリゴ糖である。本発明で用いられる「中性オリゴ糖」という用語は、サッカリドユニットの75%超が、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、リボース、ラムノース、アラビノース、及びキシロースからなる群から選択され、好ましくは85%超、より好ましくは95%超、さらにより好ましくは99%超がそれから選択される、オリゴ糖を指す。好ましい中性オリゴ糖は、トランスガラクト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖である。
【0023】
好ましくは、本発明の非消化性オリゴ糖は、プレバイオティックオリゴ糖である。「プレバイオティックオリゴ糖(prebiotic oligosaccharide)」という用語は、一つ又は限られた数の大腸のプロバイオティック細菌種の増殖及び/又は活性を選択的に刺激することによって宿主に有益に影響する非消化性オリゴ糖を指す。
【0024】
好ましくは本発明の非消化性オリゴ糖は可溶性である。ここで「可溶性」という用語は、多糖体(polysaccharide)、繊維又はオリゴ糖については、その物質が少なくともL. Proskyら(J. Assoc. Off. Anal. Chem. 71, 1017-1023 (1988))によって開示された方法に従って可溶であるということを示す。
【0025】
好ましくは本発明の組成物は、ガラクト-オリゴ糖、非消化性のデキストリン、キシロ-オリゴ糖、アラビノ-オリゴ糖、グルコ-オリゴ糖(ゲンチオ-オリゴ糖及びシクロデキストリンを含む)、キト-オリゴ糖、フコ-オリゴ糖、マンノ-オリゴ糖、イソマルト-オリゴ糖 フルクト-オリゴ糖(イヌリンを含む)、ガラクトマンノ-オリゴ糖、グルコマンノ-オリゴ糖、及びアラビノガラクト-オリゴ糖からなる群から選択される少なくとも一つの非消化性オリゴ糖を含み;より好ましくは少なくともガラクト-オリゴ糖及び/又はフルクト-オリゴ糖を含み、最も好ましくは少なくともガラクト-オリゴ糖を含む。
【0026】
ここで用いられる「フルクト-オリゴ糖」という用語は、2〜250のDP、好ましくは7〜100のDP、より好ましくは20〜60のDPを有する、少なくとも2β-結合フルクトースユニットの鎖を含む、非消化性多糖体の炭水化物を指す。好ましくはイヌリンが用いられる。イヌリンは、商標Raftilin HP(登録商標)(Orafti)の下に入手可能である。本発明のフルクト-オリゴ糖の平均DPは、好ましくは少なくとも7、より好ましくは少なくとも10、好ましくは100未満である。用いられるフルクト-オリゴ糖は、好ましくは、β(2→1)結合で結合した(大多数の)フルクトースユニットを有する。フルクトオリゴ糖についての他の用語は、イヌリン、フルクトポリサッカリド、ポリフルクトース、フルクタンス(fructans)及びオリゴフルクトースを含む。本発明の組成物は、好ましくは、2〜100のDPを有するフルクト-オリゴ糖を含む。
【0027】
非消化性のデキストリンは、好ましくは10〜50のDP、好ましくは10〜20のDPを有する、消化耐性の(マルト)デキストリン又は消化-耐性のポリデキストロースを指す。非消化性のデキストリンは、好ましくはα(1→4)、α(1→6)グルコシド性結合及び1→2及び1→3結合を含む。非消化性のデキストリンは例えば、商標「Fibersol 2(登録商標)」の下にMatsutami Industriesから、又はLitesse(登録商標)の下にDaniscoから入手可能である。
【0028】
本発明者らは、ガラクト-オリゴ糖が、それらのオリゴ糖が、ビフィドバクテリウム属の増殖の刺激に特に有効であるために、本発明の組成物中に有利に用いることができることを発見した。それ故、好ましい態様において、本発明の組成物は、ガラクト-オリゴ糖を含む。ここで「ガラクト-オリゴ糖」という用語は、非消化性オリゴ糖を指す。ここにおいて、サッカリドユニットの少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%がガラクトースユニットである。本発明の組成物は、好ましくは2-100のDP、より好ましくは2-10のDPを有するガラクト-オリゴ糖を含む。好ましくは、ガラクト-オリゴ糖のサッカリドは、人乳オリゴ糖における場合のようにβ-結合されている。
【0029】
好ましくは、本発明の組成物は、トランスガラクト-オリゴ糖、ラクト-N-テトラオース(LNT)及びラクト-N-ネオテトラオース(ネオ-LNT)からなる群から選択されるガラクト-オリゴ糖を含む。特に好ましい態様において、本発明の方法は、トランスガラクト-オリゴ糖([ガラクトース]n-グルコース;ここで、nは1〜60の整数、即ち、2, 3, 4, 5, 6, …, 59, 60である;好ましくはnは2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9及び/又は10である)の投与を含む。トランスガラクト-オリゴ糖(TOS)は例えば、商標Vivinal(商標)(Borculo Domo Ingredients, Netherlands)の下に販売されている。
【0030】
本発明の組成物は、好ましくは、乾燥重量100グラムあたり0.5〜75グラムの非消化性オリゴ糖を含み、好ましくは0.5〜50グラムを含む。本発明の組成物は、好ましくは、乾燥重量100グラムあたり0.1〜75グラムのガラクト-オリゴ糖を含み、好ましくは0.1〜50グラムを含む。
【0031】
本発明の方法は、好ましくは、0.05〜25グラム、好ましくは0.1〜5グラムの非消化性オリゴ糖を含有する1回分(a serving)の投与を含む。本発明の方法は、好ましくは、0.05〜25グラムのガラクト-オリゴ糖、好ましくは0.1〜5グラムのガラクト-オリゴ糖を含有する1回分の投与を含む。
【0032】
本発明者らはまた、長鎖の非消化性(中性)オリゴ糖及び短鎖の非消化性(中性)オリゴ糖の混合物が、健康な腸管内菌叢、特にビフィドバクテリウム属の増殖を相乗的に刺激し、帝王切開により出産された乳幼児における大腸菌の発生を減少させることを発見した。
【0033】
本発明の組成物は、従って、好ましくは平均重合度(DP)が異なる少なくとも二つの非消化性の(中性)オリゴ糖を含む。好ましくはその重量比は:
a.(DP 2〜5の非消化性の(中性)オリゴ糖):(DP 6, 7, 8,及び/又は9の非消化性の(中性)オリゴ糖)>1;及び/又は
b.(DP 10〜60の非消化性の(中性)オリゴ糖):(DP 6, 7, 8,及び/又は9の非消化性の(中性)オリゴ糖)>1
好ましくは、両者の重量比は2以上であり、さらにより好ましくは5以上である。
【0034】
さらなる改善のために、本発明の非消化性オリゴ糖は、好ましくは、ビフィドバクテリウム属の増殖を強く刺激するような、短鎖オリゴ糖を比較的に高含量で有する。それ故、好ましくは、本発明の組成物中の非消化性オリゴ糖の少なくとも10 wt.%は、2〜5(即ち、2, 3, 4,及び/又は5)のDPを有し、及び少なくとも5 wt.%は10〜60のDPを有する。好ましくは少なくとも50 wt.%、より好ましくは少なくとも75 wt.%の非消化性中性オリゴ糖が、2〜9(即ち、2, 3, 4, 5, 6, 7, 8,及び/又は9)のDPを有する。
【0035】
生物多様性を改善し、複数の腸管生物の増殖を刺激するために、本発明の組成物は、好ましくは構造の異なる二つの非消化性オリゴ糖を含む。本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも二つの異なる非消化性(中性)オリゴ糖を含み、ここで、該オリゴ糖は、約90%未満、好ましくは50%未満、さらにより好ましくは25%未満、さらにより好ましくは5%未満のサッカリドユニットにおける相同性を有する。本発明で用いられる「相同性」という用語は、異なるオリゴ糖中の同じサッカリドユニットの割合の累積(cumulative)である。例えば、オリゴ糖1(OL1)が構造fruc-fruc-glu-galを有すると、50%のfruc (フルクトース)、25%のgal (ガラクトース)及び25%のglu (グルコース)を含む。オリゴ糖2(OL2)が構造fruc-fruc-gluを有すると、66%のfruc、33%のgluを含む。これら別のオリゴ糖は、従って、75%(50% fruc+25% glu)の相同性を有する。
【0036】
本発明の組成物は、好ましくは、ガラクト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖を含み、より好ましくは、2〜7のDPを有するトランスガラクト-オリゴサッカリド及び10〜100のDPを有するフルクト-オリゴ糖を含む。
【0037】
ウロン酸オリゴ糖
本発明の組成物は、好ましくは、ウロン酸オリゴ糖を含み、より好ましくは、非消化性中性オリゴ糖及びウロン酸オリゴ糖の組合せを含む。ウロン酸オリゴ糖は(さらに)腸管上皮への病原体の接着を減少させ、また、腸管内の病原体による定着を抑制する。
【0038】
本発明で用いられるウロン酸オリゴ糖という用語は、オリゴ糖中に存在するモノサッカリドユニットの好ましくは少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%が、グルロン酸、マンヌロン酸、イズロン酸、リブロン酸(riburonic acid)、ガラクツロン酸及びグルクロン酸からなる群から選択されるものであるオリゴ糖を指す。好ましい態様において、該ウロン酸オリゴ糖は、ウロン酸オリゴ糖中の総ウロン酸ユニットに基づいて少なくとも50%のガラクトウロン酸を含む。本発明で用いられるウロン酸オリゴ糖は、好ましくは、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、コンドロイチン、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン、細菌性炭水化物、シアログリカン、フコイダン、フコ-オリゴ糖及び/又はカラゲナンから調製され、より好ましくはペクチン及び/又はアルギン酸から調製され、さらにより好ましくはペクチンから調製され、最も好ましくはポリガラクツロン酸から調製される。本発明のウロン酸オリゴ糖は、好ましくはペクチン分解産物及び/又はアルギン酸分解産物である。好ましくは、該ペクチン分解産物は、ペクチン加水分解産物(加水分解によって調製される)及び/又はペクチン可溶化液(ベータ-脱離によって調製される)である。該ペクチン分解産物は、好ましくは、果実及び/又は野菜ペクチン、より好ましくはリンゴペクチン、柑橘類ペクチン及び/又は甜菜ペクチンから調製され、より好ましくはリンゴ、柑橘類及び/又は甜菜ペクチンから調製される。該ペクチン分解産物は、好ましくは、リアーゼによって及び/又は温度及び圧力の変動によって調製され、より好ましくはペクチン可溶化液によって、即ち、ベータ-脱離によって調製される。該ペクチン分解産物は、好ましくはペクチン可溶化液である。
【0039】
好ましくは本発明の組成物は、2〜250のDPを有するウロン酸オリゴ糖を含み、より好ましくは2〜100のDP、さらにより好ましくは2〜50のDP、最も好ましくは2〜20のDPを有するウロン酸オリゴ糖を含む。好ましくは本発明の組成物は、組成物中のウロン酸の総重量に基づいて25〜100 wt.%、より好ましくは50〜100 wt.%の、2〜250のDP、より好ましくは2〜100のDP、さらにより好ましくは2〜50のDP、最も好ましくは2〜20のDPを有するウロン酸オリゴ糖を含む。
【0040】
本発明のウロン酸オリゴ糖は、好ましくは、ペクチンリアーゼ、ペクチンのリアーゼ、エンドポリガラクツロナーゼ及び/又はペクチナーゼによるペクチンの酵素的消化によって得られる。
【0041】
好ましい態様において、ウロン酸オリゴ糖の少なくとも一つの末端ヘキサウロン酸ユニットは二重結合を有し、これは好ましくは、該末端ヘキサウロン酸ユニットのC4〜C5 位置に位置する。該二重結合は、病原体細菌の腸管上皮細胞への接着を効果的に防ぐ。好ましくは、末端ヘキサウロン酸ユニットの一つは二重結合を含む。該末端ヘキサウロン酸における二重結合は、例えば、リアーゼによるペクチンの酵素的加水分解によって得ることができる。
【0042】
さらなる態様において、ウロン酸オリゴ糖の混合物が用いられ、これは、異なるDPを有し及び/又は不飽和及び飽和の両方の末端ヘキサウロン酸ユニットを含む。ウロン酸オリゴ糖の好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも10%、さらにより好ましくは少なくとも25%の末端ヘキサウロン酸ユニットが、不飽和のヘキサウロン酸ユニットである。個々のウロン酸オリゴ糖は、好ましくはただ一つの不飽和末端ヘキサウロン酸ユニットを含み、好ましくは、末端ヘキサウロン酸ユニットの50%未満が不飽和のヘキサウロン酸ユニットである(即ち、二重結合を含む)。ウロン酸オリゴ糖の混合物は、末端ヘキサウロン酸ユニットの総量に基づいて、好ましくは2〜50%の不飽和末端ヘキサウロン酸ユニットを含み、好ましくは10〜40%を含む。
【0043】
ウロン酸オリゴ糖は誘導体化できる。ウロン酸オリゴ糖は、メトキシル化及び/又はアミド化され得る。一つの好ましい態様において、ウロン酸オリゴ糖は、20%以上のメトキシル化度、好ましくは30%以上、より好ましくは70%以上のメトキシル化度によって特徴付けられる。ここで用いられる「メトキシル化度」(DE又は「エステル化度」とも称される)は、ウロン酸オリゴ糖に含まれる遊離のカルボン酸基が(例えばメチル化によって)エステル化された程度を意味するように意図される。他の好ましい態様において、該ウロン酸オリゴ糖は20%以上、好ましくは30%以上、さらにより好ましくは70%以上のメチル化度を有する。
【0044】
本発明の組成物は、好ましくは、本発明の組成物の乾燥重量100グラムあたり、0.01〜10グラムの、2〜250のDPを有するウロン酸オリゴ糖を含み、乾燥重量100グラムあたりより好ましくは0.05〜6グラム、さらにより好ましくは0.2〜2グラムを含む。本発明の組成物は、好ましくは、本発明の組成物の乾燥重量100グラムあたり、0.01〜10グラムの、2〜250のDP(より好ましくは2〜100のDP)を有するガラクツロン酸オリゴ糖を含み、より好ましくは0.05〜6グラム、さらにより好ましくは0.2〜2グラムを含む。
【0045】
ウロン酸オリゴ糖は、好ましくは、上部ヒト腸管において非消化性であり、水溶性である(L. Prosky et al, J. Assoc. Anal. Chem 71: 1017-1023, 1988に開示された方法に従って)。ウロン酸オリゴ糖は、好ましくは、腸管内菌叢によって発酵可能である。本発明のウロン酸オリゴ糖は、病原性微生物の腸管上皮細胞への接着を有利に減少させ、それによって、帝王切開によって出産された乳幼児の大腸における(院内)病原性細菌の定着を減少させる。さらにその上、本発明のウロン酸オリゴ糖は、好ましくは、健康な腸管内菌叢の形成を刺激し、発酵され、結果として、腸管の有機酸の生成及び腸管のpHの減少をもたらし、これは(院内)病原性細菌の増殖を阻害する。
【0046】
乳酸産生細菌
本発明の組成物は、好ましくは、生きているか又は死んでいるかの何れかの乳酸産生細菌を含む。乳酸産生細菌は、好ましくは、単独であるか又は混合された、生きている微生物の培養物として提供される。本発明の組成物は、好ましくは、本発明の組成物の乾燥重量グラムあたり102〜1013コロニー形成ユニット(cfu)の乳酸産生細菌を含み、好ましくは102〜1012、より好ましくは105〜1010、最も好ましくは104〜5×109cfuを含む。
【0047】
好ましくは本発明の組成物は、乳酸桿菌属又はビフィドバクテリウム属の細菌を含む。好ましくは、該組成物は、B. longum、B. breve、B. infantis、B. catenulatum、B. pseudocatenulatum、B. adolescentis、B. animalis、B. gallicum、B. lactis及びB. bifidumからなる群から選択された少なくとも一つのBifidobacteriumを含み、より好ましくは B. breve、B. infantis、B. bifidum、B. catenulatum、B. longum、より好ましくは B. longum及びB. breve、最も好ましくはB. breveからなる群から選択された少なくとも一つのビフィドバクテリウムを含む。好ましくは、該組成物は、少なくとも二つの異なるビフィドバクテリウムの種、亜種又は菌株を含む。本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも一つの、より好ましくは少なくとも二つの、さらにより好ましくは少なくとも三つの、最も好ましくは少なくとも四つの、異なるビフィドバクテリウム種を含む。本発明の組成物は、好ましくは、少なくとも一つの、より好ましくは少なくとも二つの、さらにより好ましくは少なくとも三つの、最も好ましくは少なくとも四つの、異なるビフィドバクテリウム菌株を含む。好ましくは本発明の組成物は、少なくともB. longum及びB. breveを含む。上記の組合せは、通常、帝王切開で出産された乳幼児の腸における微生物の多様性及び/又は量を増大させることを目的とする。これは、乳幼児に有利に影響し、多くの健康的利点をもたらす。
【0048】
好ましくは本発明の組成物は、L. casei、L. reuteri、L paracasei、L. rhamnosus、L. acidophilus、L. johnsonii、L. lactis、L. salivarius、L. crispatus、L. gasseri、L. zeae、L. fermentum及びL. plantarumからなる群から選択された乳酸桿菌(Lactobacillus)を含み、より好ましくは L. casei、L. paracasei、L. rhamnosus、L. johnsonii、L. acidophilus、 L. fermentum及び最も好ましくは L. paracaseiからなる群から選択された乳酸桿菌を含む。さらにより好ましくは、本発明の組成物は、ビフィドバクテリウム・ブレーブ及び/又は乳酸桿菌パラカセイ(paracasei)を含み、これは、それらの細菌の増殖が、母乳で育てられた乳幼児と比較して、人工乳(formula)で育てられた乳幼児の腸管内で障害されるためである。さらに増大した生物多様性は、帝王切開によって出産された新生児の健康にを促進する影響を有するであろう。
【0049】
長鎖多価不飽和脂肪酸
本発明の組成物は、好ましくは、長鎖の多価不飽和の脂肪酸(LC-PUFA)を含む。LC-PUFAは、二以上の不飽和結合を含む、20〜24の炭素原子、好ましくは20又は22の炭素原子の長さを有する脂肪酸又は脂肪酸アシル鎖である。より好ましくは本発明の組成物は、エイコサペンタエン酸(EPA, n-3)、ドコサヘキサエン酸(DHA, n-3)及び/又はアラキドン酸(ARA, n-6)を含む。それらのLC-PUFAは、腸管の密着結合(tight junction)の浸透性を効果的に減少させる。腸管の密着結合の浸透性の減少は、感染症の発症を減少させ、及び/又は、アレルゲンの通過を減少させる。それ故、本発明の組成物中へのEPA、DHA及び/又はARAの組み込みは、腸管バリアの完全性を改善し、これは、それらの赤ん坊が、あまり発達していない腸管内菌叢を有し、それ故、腸バリアの成熟がより遅いために、帝王切開で出産された赤ん坊にとって最高度に重要である。それらのLC-PUFAの組み込みは、さらに、感染症及びアレルギーの発生及び重篤度を減少させるために(相乗的に)寄与する。
【0050】
低濃度のARA、DHA及び/又はEPAが既に密着結合の浸透性を減少させるのに有効であるために、本発明の組成物中の20及び22の炭素原子を有するLC-PUFAの含有量は、好ましくは、総脂肪含量の15 wt.%を超えず、好ましくは10 wt.%を超えず、さらにより好ましくは総脂肪含量の5 wt.%を超えない。好ましくは、本発明の組成物は、総脂肪含量に基づいて、少なくとも0.1 wt.%、好ましくは少なくとも0.25 wt.%、より好ましくは少なくとも0.6 wt.%、さらにより好ましくは少なくとも0.75 wt.%の20及び22の炭素原子を有するLC-PUFAを含む。同じ理由のために、EPAの含量は、好ましくは、総脂肪の5 wt.%を超えず、より好ましくは1 wt.%を超えず、しかし、好ましくは、総脂肪の少なくとも0.03 wt.%、より好ましくは少なくとも0.05 wt.%である。DHAの含量は、好ましくは、5 wt.%を超えず、より好ましくは1 wt.%を超えず、しかし総脂肪の少なくとも0.1 wt.%である。ARAが密着結合の浸透性を減少させるのに特に有効であることが発見されたことにより、本発明の組成物は、比較的高い量、好ましくは総脂肪の少なくとも0.1 wt.%、さらにより好ましくは少なくとも0.25 wt.%、最も好ましくは少なくとも0.35 wt.%を含む。ARA含量は、好ましくは、総脂肪の5 wt.%を超えず、より好ましくは1 wt.%を超えない。本発明の経腸組成物がEPA及びDHAを含む場合、それらは、ARAの作用のバランスをとるため、例えば、ARA代謝産物の潜在的な炎症誘発性作用を減少させるために、都合よく加えられる。ARAの過剰な代謝産物は、炎症を引き起こし得る。それ故、本発明の組成物は、好ましくは、ARA、EPA及びDHAを含み、ここで、重量比ARA/DHAは、好ましくは0.25以上、好ましくは0.5以上、さらにより好ましくは1以上である。該比は、好ましくは25未満であり、より好ましくは15未満である。重量比ARA/EPAは、好ましくは1〜100、より好ましくは5〜20である。
【0051】
本発明の組成物は、好ましくは総脂肪に基づいて5〜75 wt.%の多価不飽和の脂肪酸を含み、好ましくは10〜50 wt.%を含む。
【0052】
LC-PUFAの含量、特に20及び22の炭素原子を有するLC-PUFAの含量は、好ましくは総脂肪含量の3 wt.%を超えず、人乳を可能な限り厳密に模倣することが望ましい。LC-PUFAは、遊離脂肪酸として、トリグリセリド形態で、ジグリセリド形態で、モノグリセリド形態で、リン酸脂質形態で、又は上記の一以上の混合物として提供され得る。本発明の組成物は、好ましくはリン酸脂質形体でARA及びDHAの少なくとも一つを含む。
【0053】
ヌクレオチド
好ましくは本発明の組成物は、ヌクレオチド及び/又はヌクレオシド、より好ましくはヌクレオチドを含む。好ましくは、該組成物は、シチジン5’-一リン酸、ウリジン5’-一リン酸、アデノシン5’-一リン酸、グアノシン5’-一リン酸、及び/又はイノシン5’-一リン酸を含み、より好ましくはシチジン5’-一リン酸、ウリジン5’-一リン酸、アデノシン5’-一リン酸、グアノシン5’-一リン酸、及びイノシン5’-一リン酸を含む。
【0054】
好ましくは、該組成物は、該組成物の乾燥重量100グラムあたり、5〜100、より好ましくは5〜50 mg、最も好ましくは10〜50 mgのヌクレオチド及び/又はヌクレオシドを含む。ヌクレオチド及び/又はヌクレオチドの存在は、乳幼児における腸の成長及び成熟を有利に増強し、これは帝王切開により出産された乳幼児において決定的に重要である。ヌクレオチド及び/又はヌクレオシドはさらに、免疫系を刺激し、それによって大腸菌のような腸管の病原体の高負荷に対する保護作用を増強する。ヌクレオチド及び/又はヌクレオシドは、本発明の組成物の他の成分と相乗的に作用すると考えられる。
【0055】
人工乳(Formulae)
本発明の組成物は、好ましくは、経腸的に投与され、より好ましくは経口的に投与される。
【0056】
本発明の組成物は、好ましくは栄養性の人工乳であり、好ましくは乳幼児人工乳である。本発明の組成物は、乳幼児のための完全栄養として都合よく適用されることができる。本発明の組成物は、好ましくは、脂質成分、タンパク質成分及び炭水化物成分を含み、好ましくは、液体形状で投与される。本発明は、乾燥食物(例えば粉末)を含み、前記乾燥食物を適切な液体(例えば水)と混合するようにとの指示を伴う。
【0057】
本発明は、脂質成分が総カロリーの5〜50%を提供し、タンパク質成分が総カロリーの5〜50%を提供し、及び炭水化物成分が総カロリーの15〜90%を提供する組成物に有利に提供される。好ましくは、本発明の組成物において、該脂質成分は総カロリーの35〜50%を提供し、タンパク質成分は総カロリーの7.5〜12.5%を提供し、炭水化物成分は総カロリーの40〜55%を提供する。タンパク質成分についての総カロリーの%の算出については、タンパク質、ペプチド及びアミノ酸によって提供されるエネルギーの総量を考慮することが必要である。
【0058】
本発明の組成物は、好ましくは、動物性脂質(ヒトの脂質を除く)及び植物性脂質からなる群から選択される少なくとも一つの脂質を含む。好ましくは本発明の組成物は、植物性脂質と、魚油、動物性油、藻類性油、真菌性油、及び細菌性油からなる群から選択される少なくとも一つの油との組合せを含む。本発明の組成物は、人乳を除く非消化性オリゴ糖を含む。
【0059】
栄養製剤に用いられるタンパク質成分は、好ましくは、非ヒト動物タンパク質(好ましくは乳性タンパク質)、植物タンパク質(好ましくはダイズタンパク質及び/又はコメタンパク質)、遊離アミノ酸及びそれらの混合物からなる群から選択される。牛乳は窒素源を誘導する。本発明の組成物は、好ましくはカゼイン、乳清、カゼイン加水分解産物及び/又は乳清タンパク質加水分解産物を含有する。好ましくは、タンパク質は無処置のタンパク質を含み、より好ましくは無処置のウシ乳清タンパク質及び/又は無処置のウシカゼインタンパク質を含む。本発明の組成物は、乳幼児におけるアレルギー性反応を減少させるために適切に用いられるため、そのタンパク質は、好ましくは、乳性タンパク質加水分解産物からなる群から選択される。好ましくは本発明の組成物は、カゼイン加水分解産物及び/又は乳清タンパク質加水分解産物、植物性タンパク質及び/又はアミノ酸を含む。それらのタンパク質の使用は、乳幼児のアレルギー性反応をさらに減少させる。それらのタンパク質加水分解産物の使用は、帝王切開によって出産された乳幼児の未成熟な腸による、飲食物のタンパク質成分の吸収を有利に改善する。
【0060】
本発明の組成物は、好ましくは、スクロース、ラクトース、グルコース、フルクトース、コーンシロップ固形物、スターチ及びマルトデキストリンからなる群から選択される消化できる炭水化物、より好ましくはラクトースを含有する。
【0061】
大便の不規則さ(例えば、硬い大便、不十分な大便容積、下痢)は、帝王切開で出産された赤ん坊には重大な問題である。これは、糞便中の大腸菌の高含有量によって引き起こされ得る。大便の問題は本発明の50〜500 mOsm/kg、より好ましくは100〜400 mOsm/kgの重量モル浸透圧濃度を有する液体食物中の非消化性オリゴ糖を投与することによって減少させることができることが見出された。大便の不規則さを減少させることは、健康な腸管内菌叢の定着及び発達を増強する。
【0062】
上記の観点において、液体食物は、過剰なカロリー密度を有しておらず、しかしそれでも被験者を養うために十分なカロリーを提供することも重要である。それ故、該液体食物は、好ましくは、0.1〜2.5 kcal/mlのカロリー密度を有し、さらにより好ましくは0.5〜1.5 kcal/ml、最も好ましくは0.6〜0.8 kcal/mlのカロリー密度を有する。
【0063】
濃縮された非消化性オリゴ糖
さらに好ましい態様に従って、本発明は、帝王切開により出産された乳幼児に栄養を与えるための方法を提供する。ここで、オリゴ糖を含有する組成物、好ましくは高含量のオリゴ糖を含有する濃縮された組成物が、帝王切開により出産された乳幼児に投与される栄養に混合される。濃縮された形態を提供することは、合成的な乳幼児人工乳のみならず母乳にも、本発明の非消化性オリゴ糖を添加することを可能にする。
【0064】
本発明は、従って、帝王切開により出産された乳幼児に栄養を与える方法を提供し、該方法は以下の工程を含む:
a)非消化性オリゴ糖を含む組成物を、帝王切開により出産された乳幼児に投与されるべき栄養と混合すること;及び、
b)工程a)で得られた混合物を、帝王切開により出産された乳幼児に投与すること。
【0065】
好ましくは、本方法の工程a)で言及された栄養は、乳幼児人工乳又はヒトの母乳である。工程a)で用いられる非消化性オリゴ糖を含む組成物は、非消化性オリゴ糖の濃縮組成物又は換言すれば高含有量で非消化性オリゴ糖を含む組成物である。
【0066】
上記の方法において工程a)で用いられる非消化性オリゴ糖を含む組成物は、該組成物の乾燥重量に基づいて、好ましくは少なくとも5 wt.%、好ましくは少なくとも10 wt.%、より好ましくは少なくとも25 wt.%の非消化性オリゴ糖を含む。ここで、該非消化性オリゴ糖は、好ましくは、ガラクト-オリゴ糖、非消化性のデキストリン、キシロ-オリゴ糖、アラビノ-オリゴ糖、グルコ-オリゴ糖(ゲンチオ-オリゴ糖及びシクロデキストリンを含む)、キト-オリゴ糖、フコ-オリゴ糖、マンノ-オリゴ糖、イソマルト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖(イヌリンを含む)からなる群から選択される。この組成物は、それを上記の成分の一以上と、好ましくはウロン酸オリゴ糖、LC-PUFA、ヌクレオチド及びプロバイオテッィク細菌の群から選択される一以上の又は全てと組み合わせることによって改良されることができる。
【0067】
本発明はまた、栄養に混合する本発明の方法で適切に用いることができる組成物、即ち、高濃度の非消化性の中性オリゴ糖を含む組成物を提供する。
【0068】
該組成物は、該組成物の乾燥重量に基づいて少なくとも5 wt.%(好ましくは少なくとも10 wt.%)の非消化性オリゴ糖を含み、ここで、該非消化性オリゴ糖は、好ましくは、ガラクト-オリゴ糖、非消化性のデキストリン、キシロ-オリゴ糖、アラビノ-オリゴ糖、グルコ-オリゴ糖(ゲンチオ-オリゴ糖及びシクロデキストリンを含む)、キト-オリゴ糖、フコ-オリゴ糖、マンノ-オリゴ糖、イソマルト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖(イヌリンを含む)からなる群から選択され;及び、好ましくは上記のように、該組成物の乾燥重量に基づいて、少なくとも1 wt.%(好ましくは少なくとも10 wt.%)のウロン酸オリゴ糖を含む。該組成物は好ましくはガラクトオリゴ糖及び/又はフルクトオリゴ糖を含有する。
【0069】
該組成物は、好ましくは、乳幼児栄養の単回供給で加えられるように設計される。本発明の組成物中の非消化性オリゴ糖の累積重量は、1回の供給につき、好ましくは0.1〜10 グラムであり、好ましくは0.2〜5グラムである。該組成物は好ましくは、供給あたり包装され、即ち、一回の供給の単回投与量、好ましくは包み(sachet)の形態で包装される。該組成物の供給は、好ましくは0.5〜25グラム、好ましくは1〜10グラムの乾燥重量を有する。
【0070】
施用
本発明は、(i) 帝王切開により出産された乳幼児における疾患の治療及び/又は予防、及び/又は(ii) 帝王切開により出産された乳幼児の健康の促進を提供する。該疾患は、好ましくは、ビフィドバクテリウム菌叢が低いことによって引き起こされる腸管の疾患からなる群から選択される。好ましくは、該疾患は、感染症及びアレルギーからなる群から選択される。本発明は、好ましくは、感染症及び/又は感染症疾患、特に胃腸管系の感染症の予防及び/又は治療のための方法を提供し、より好ましくは、ブドウ球菌(Staphylococcus)(特にS. aureus、S. epidermidis、S. haemolyticus)、連鎖球菌(Streptococcus)(特に連鎖球菌群B)、クロストリジウム属(Clostridium)(特にC. difficile)、バチルス(Bacillus)(特にB. subtilis)、シュードモナス属(特にP. aeruginosa)、エンテロバクター、クレブシエラ、アシネトバクター、プロテウス、アエロモナス、及び大腸菌からなる群から選択され、好ましくは大腸菌(E. coli)である、一以上の微生物によって引き起こされる感染症の治療及び/又は予防を提供する。好ましくは、本発明の組成物は、帝王切開によって出産された乳幼児における腸管感染症、尿路感染症、腸管炎症及び/又は下痢の治療及び/又は予防のための方法において用いられる。好ましくは本発明の組成物は、帝王切開によって出産された乳幼児における免疫系を調節するための方法において用いられる。好ましくは本発明の組成物は、免疫系の調節方法、好ましくは結果として乳幼児をアレルギーから保護する方法において用いられる。
【0071】
本発明の組成物は、好ましくは、生涯の最初の1年のうちに、好ましくは出生後3ヶ月以内、さらにより好ましくは出生後2週間以内、さらにより好ましくは出生後100時間以内、より好ましくは72時間以内、最も好ましくは48時間以内に、帝王切開により出産された乳幼児に投与される。
【0072】
本発明は、また、工程A:I)栄養的に又は薬剤的に許容される液体;及びII)乾燥組成物を混合すること、ここで、該乾燥組成物IIは非消化性オリゴ糖を含む;及び工程B)工程Aで得られた組成物を帝王切開によって出産された乳幼児に投与すること;を具備する、乳幼児における健康な腸管内菌叢の発達を刺激するための方法を提供する。
【0073】
本発明の組成物の投与は、改善された腸管内菌叢及び/又は微生発酵の代謝の最終産物として有機酸の形成をもたらす。有機酸の量の増大は、粘液産生を増大させ、腸の成熟を改善し、及び/又は腸のバリアを増大させる。それ故、さらなる側面において、本発明は帝王切開で出産された乳幼児におけるアレルギー(特に食物アレルギー)、アトピー性湿疹(例えばアトピー性皮膚炎)、喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎の治療及び/又は予防のための方法を提供し、該方法は、本発明の非消化性(中性)オリゴ糖を含む組成物を乳幼児に投与することを含む。
【0074】
さらにその上、本発明の組成物の投与は、免疫系を強化する。さらなる側面において、本発明はそれ故、帝王切開で出産された乳幼児における全身性の感染症、耳性の及び/又は呼吸器の感染症の治療及び/又は予防のための方法を提供する。
【実施例】
【0075】
実施例1:膣性出産による乳幼児対帝王切開出産による乳幼児における、腸管微生物叢の分子的な特徴づけ
本研究では、生後3日での腸管微生物組成における出産方法(帝王切開出産対膣性出産)の影響を、10種のビフィドバクテリウム、3種のルミノコッカス及び1種のバクテロイデスに種特異的プライマーによるPCR増幅を用いて調査した。
【0076】
「Favier et al, Environ Microbiol 2002; 68:219-226」及び「Satokari et al, Appl Environ Microbiol 2001; 67:504-513」;「Satorkari et al System Appl Microbiol 2003; 26:572-584」に従って、微生物のDNAを抽出し、分析した。
【0077】
生後3日目に得た帝王切開出産後の21人の新生児の糞便サンプル中に検出されたビフィドバクテリウム及び他の種の結果を表1に示す。表2は、生後3日目に得られた膣性出産後の21人の新生児の糞便サンプル中に検出されたビフィドバクテリウム及び他の種の結果である。B. dentium、B. angulatum、B. lactis、ルミノコッカス・ブロミイ(bromii)、ルミノコッカス・カリダス(callidus)及びルミノコッカス・オベウム(obeum)の種に特異的なシグナルは、帝王切開で出産された乳幼児の糞便並びに膣性出産された乳幼児の糞便中に観察されなかった。
【0078】
帝王切開により出産された乳幼児の微生物叢は、膣性出産された乳幼児のものとは異なると結論付けられる。ビフィドバクテリウム及び他の種の量が量的により低いだけでなく、帝王切開で出産された乳幼児の叢の種のレベルも多様性が少ない。ビフィドバクテリウムが乳幼児の叢において優勢な属であるために、それらの結果は、帝王切開で出産された乳幼児において腸管細菌が少ないこと及び腸管内菌叢の多様性が少ないことに一般化することもでき、それらは腸管を(院内)病原体による定着により感受性にする。
【0079】
それらの結果は、例えば、帝王切開で出産された赤ん坊に与える方法、腸管の病原体の減少、健康な腸管内菌叢の刺激及び結果としての感染症の予防、健康な免疫系の刺激、及び腸の成熟の刺激などの、本発明による組成物及び方法の有利な使用を示している。
【表1】

【表2】

【0080】
実施例2:帝王切開で出産された乳幼児における叢に及ぼす非消化性オリゴ糖の影響
0.8 g/100ml の2〜7の平均DPを有するガラクト-オリゴ糖(GOS)及び(FOS, Raftilin HP(登録商標))を有するフルクト-オリゴ糖を補充した乳幼児人工乳(GFSFグループ)又は非消化性オリゴ糖を有さない標準的な乳幼児人工乳(SFグループ)を乳幼児に投与した。
【0081】
糞便中に含まれるビフィドバクテリウム含量を測定した。第一週において、全体の細菌の割合としてのビフィドバクテリウム属の割合は、帝王切開で出産された乳幼児(n=44)で4.3%であり、対して、膣性出産された乳幼児(n=28)で19.8%であった。6週目において、ビフィドバクテリウムの割合は、帝王切開で出産された乳幼児のSFグループ(n=21)において12.3%であり、帝王切開で出産された乳幼児のGFSF-グループ(n=13)において17.2%であった。帝王切開で出産された乳幼児のSFグループの糞便のpHは7.2であり、対して、帝王切開で出産された乳幼児のGFSFグループのものは6.5であった。大腸菌の割合は、帝王切開で出産された乳幼児のSFグループで11.8%であり、帝王切開で出産された乳幼児のGFSFグループで0%であった。(表3を参照)。
【0082】
それらの結果は、非消化性中性オリゴ糖の、帝王切開により出産された乳幼児への投与(GFSFグループ)は、非消化性オリゴ糖を受けていない帝王切開により出産された乳幼児(SFグループ)と比較して、ビフィドバクテリウム属菌叢が多く、また、潜在的に病原性の細菌の含量が減少するという結果になることを示した。さらに、この結果は、非消化性オリゴ糖の投与による、大腸菌の含量の減少を示す。この結果は、本発明の組成物中の非消化性オリゴ糖、特にガラクト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖の有利な使用が、帝王切開により出産された乳幼児における現在の治療をさらに改善することを示している。
【表3】

【0083】
実施例3:非消化性オリゴ糖のビフィドバクテリウム的影響
0,8 g/100mlの2〜7の平均DPを有するガラクト-オリゴ糖(GOS)及び(FOS, Raftilin HP(登録商標)を有するフルクト-オリゴ糖を補充された乳幼児人工乳(GFSFグループ)又は非消化性オリゴ糖を補充されない標準的な乳幼児人工乳(SFグループ)を乳幼児に投与した。
【0084】
糞便中のビフィドバクテリウム含量を測定した。6週目の総細菌割合としてのビフィドバクテリウム属の割合はそれぞれ、SFグループで47%であり、及びGFSFグループで68%であり、非消化性炭水化物の混合物を与えたGFSFグループは、SFグループと比較して多くのビフィズス菌属(bifidogenic)叢を有することが証明された。乳幼児の種レベルのビフィドバクテリウム属の割合においても、GFSFグループで22%であり、SFグループで18%であり、B. longumはGFSFグループで3.7%であり、SFグループで2.9%であり、及びB. breve はでGFSFグループ3.7%であり、SFグループで2.3%であった。この結果は、本発明の組成物中の非消化性中性オリゴ糖、特にガラクト-オリゴ糖及びフルクト-オリゴ糖の有利な使用が、帝王切開により出産された乳幼児における現在の治療をさらに改良することを示す。
【0085】
実施例4:帝王切開により出産された赤ん坊のための組成物
乳幼児人工乳組成物は、与えることのできる人工乳100 mlあたり、1.6 gのタンパク質、3.6 gの脂肪、6.4 gの消化できる炭水化物(主にラクトース)、0.54 gのトランスガラクト-オリゴ糖、0.06 gのイヌリン、及び0.2 gのペクチン加水分解産物(柑橘類ペクチンのリアーゼ加水分解によって調製した)の0.8 gの非消化性オリゴ糖を含む。該生成物に付随するパッケージ及び/又は補助物質は、該生成物が、a)帝王切開により出産された乳幼児における感染症の予防及び/又は治療;b)帝王切開により出産された乳幼児における大腸菌による感染症の予防及び/又は治療;c)帝王切開により出産された乳幼児におけるアレルギーの予防及び/又は治療;及び/又はd)免疫系の調節に適切に用いられることができることを示す。
【0086】
実施例5:帝王切開により出産された赤ん坊に食物を与えるための方法
以下を含む包(Sachet):
-0.2 gのウロン酸オリゴ糖(乾燥重量に基づいて約2 wt.%);
-2 gのガラクト-オリゴ糖及び0.3 gのフルクト-オリゴ糖(乾燥重量に基づいて約20 wt.%);
-ビフィドバクテリウム・ブレーブ及びビフィドバクテリウム・ロンガム、各菌株につき約5*109 cfu;
-増量剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)帝王切開により出産された乳幼児における疾患の治療及び/又は予防、及び/又は(ii)帝王切開により出産された乳幼児における健康の促進のための組成物の製造のための、非消化性オリゴ糖を含む組成物の使用。
【請求項2】
前記疾患が、アレルギー、喘息、感染症及びアトピー性皮膚炎からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記感染症が、大腸菌(Escherichia coli)感染症、連鎖球菌(Streptococcus)感染症、クロストリジウム(Clostridium)感染症、バチルス(Bacillus)感染症、シュードモナス(Pseudomonas)感染症、エンテロバクター(Enterobacter)感染症、クレブシエラ(Klebsiella)感染症、アシネトバクター(Acinetobacter)感染症、プロテウス(Proteus)感染症及びアエロモナス(Aeromonas)感染症からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
前記組成物が、ガラクトオリゴ糖、非消化性デキストリン、キシロ-オリゴ糖、アラビノ-オリゴ糖、グルコ-オリゴ糖(ゲンチオ-オリゴ糖及びシクロデキストリンを含む)、キト-オリゴ糖、フコ-オリゴ糖、マンノ-オリゴ糖、イソマルト-オリゴ糖、フルクト-オリゴ糖(イヌリンを含む)、アラビノ-ガラクトオリゴ糖、グルコマンノ-オリゴ糖及びガラクトマンノ-オリゴ糖からなる群から選択される少なくとも一つの非消化性オリゴ糖を含む、請求項1〜3の何れか一項に記載の使用。
【請求項5】
前記組成物がガラクト-オリゴ糖及び/又はフルクト-オリゴ糖を含む、請求項1〜4の何れか一項に記載の使用。
【請求項6】
前記組成物が、脂質成分、タンパク質成分及び炭水化物成分を含み、前記脂質成分が総カロリーの5〜50%を提供し、前記タンパク質成分が総カロリーの5〜50%を提供し、前記炭水化物成分が総カロリーの15〜90%を提供する、請求項1〜5の何れか一項に記載の使用。
【請求項7】
前記組成物が、該組成物の乾燥重量100 gあたり0.5〜75 gの非消化性オリゴ糖を含む、請求項1〜6の何れか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記組成物が、非消化性の中性オリゴ糖及びウロン酸オリゴ糖を含む、請求項1〜7の何れか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記組成物が、長鎖の多価不飽和脂肪酸及び/又はヌクレオチドを含む、請求項1〜8の何れか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記組成物が、出生後一週間以内に、好ましくは出生後100時間以内に、前記乳幼児に投与される、請求項1〜9の何れか一項に記載の使用。
【請求項11】
帝王切開により出産された乳幼児において、健康な腸管内叢(intestinal flora)の発達を刺激し、及び/又は腸管内病原体の発生を減少させる方法であって、以下の工程:
a.I) 栄養的に又は薬剤的に許容される液体;とII) 乾燥組成物を混合すること、ここで、該乾燥組成物IIは少なくとも一つの非消化性オリゴ糖を含む、
b.工程a)で得られた組成物を前記乳幼児に投与すること、
を含む方法。
【請求項12】
帝王切開により出産された乳幼児に栄養を与える方法であって、該方法は、以下の工程:
a.非消化性オリゴ糖を含む組成物を、帝王切開により出産された乳幼児に投与されるべき栄養と混合すること;及び、
b.工程a)で得られた混合物を前記帝王切開により出産された乳幼児に投与すること、
を含む方法。
【請求項13】
組成物であって、該組成物の乾燥重量に基づいて少なくとも5 wt.%の非消化性オリゴ糖及び該組成物の乾燥重量に基づいて少なくとも1 wt.%のウロン酸オリゴ糖を含む組成物。

【公表番号】特表2009−512686(P2009−512686A)
【公表日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−536530(P2008−536530)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050247
【国際公開番号】WO2007/046698
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】