帯域幅効率に優れたケーブルネットワークモデム
干渉およびノイズが存在する状態でケーブルテレビネットワーク帯域幅の効率的使用を提供するMUD(115)対応ケーブルモデム(615)が開示される。モデム(615)の設計は、既存のネットワークハードウェアおよびプロトコルとの互換性を提供し、設置済みのハードウェアおよびソフトウェアを除去することなく、本発明の原理に従って構成された帯域幅効率に優れたモデム(615)をネットワークに追加し得る。ケーブルネットワークのヘッドエンド(505)内の帯域幅効率に優れたモデム(615)は、端末からヘッドエンドへの逆方向リンク容量を増大させ、ケーブルネットワークの端末内の帯域幅効率に優れたモデム(615)は、ヘッドエンド(505)から端末への順方向リンク容量を増大させる。これにより、双方向の帯域幅の効率の向上が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:本願は、2002年12月17日提出の米国仮出願第60/434,006号の利益を主張する。また、本願は、2001年4月18日提出の米国仮出願第60/284,629号の利益を主張する2002年4月18日提出の米国出願第10/125,241号の一部継続出願である。また、本願は、2003年5月30日提出のPCT出願第(未知)号「帯域幅効率に優れたワイヤレスネットワークモデム」代理人整理番号20020029−PCTに関連する。これらの出願のそれぞれは、参照によりその開示内容全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気通信に関し、特に、割り当て周波数帯域幅の効率的な使用が望ましいケーブルテレビおよびその他の有線ネットワーク用のデジタル信号復調器および変調器に関する。
【背景技術】
【0003】
ケーブルモデムは、ケーブルテレビ(CATV)ネットワークを介してデジタルデータを送受信する。こうしたネットワークは、当初、テレビ放送を送信するために設置された。近年、多くのCATVネットワークは、双方向データ通信を提供するためにアップグレードされている。既存のテレビ放送ネットワークにケーブルモデムを追加することで、ローカルエリアコンピュータネットワークに似たネットワーク機能が形成される。放送を受信するのに使用される当初のテレビ受像機は、データを送受信可能な端末およびモデムを用いて拡張可能である。
【0004】
放送CATVネットワークをケーブルモデムネットワークへ変換するには、双方向通信用のネットワークを構成する必要がある。システムに双方向増幅を追加することによって、端末信号をヘッドエンドへ返信し得る。また、ヘッドエンドから端末への順方向の送信と、端末からヘッドエンドへ戻る逆方向の送信と、の双方に、希少な帯域幅が割り当てられる。
【0005】
殆どのCATVネットワークは、ファイバ−同軸ハイブリッド(HFC)ネットワークである。信号は、ヘッドエンドセンタから加入者の近くの場所へ、光ファイバケーブルを通って伝送される。ここで、信号は、加入者の端末に至る同軸高周波ケーブルへ変換される。双方向データネットワークでは、ケーブルモデムは、ヘッドエンドから受信したデジタル伝送(ダウンストリーム)を復調および回復し、ヘッドエンドへ戻るデジタル伝送(アップストリーム)を変調および送信するために、全てのユーザ端末に設置される。同様に、ケーブルモデムは、端末から受信したデジタル伝送を復調および回復し、端末へ戻るデジタル伝送を変調および送信するために、ヘッドエンドに設置される。
【0006】
代表的なケーブルネットワーク構成は、端末ネットワークへ向けてデータをダウンストリームへ発信するケーブルモデム伝送システム(CMTS)を備えたヘッドエンドを含む。割り当てられたTVチャネルにつき、約2000台のモデムを、ツリーネットワーク構成でCMTSに接続できる。さらに多くのケーブルモデムが必要な場合は、CMTSにさらに多くのチャネルを追加することで、TVチャネルの数を増加させる。ネットワークの物理的範囲は、数十キロメートル以上となる場合が多い。こうした伝送範囲では、信号強度は端末毎に実質的に変化し、増幅段階が必要となる。ツリー構成において、モデムは、CMTSのみと直接的に通信する。モデム対モデムの通信は、CMTSを介して行われる。
【0007】
代表的なネットワーク信号のパラメータを下の表にまとめる。
【表1】
ダウンストリームチャネルは、64値直交振幅変調(QAM)または256QAM信号を使用して、それぞれ合計27または56Mビット/秒の搬送を行う。各ダウンストリームデータ伝送チャネルに割り当てられた合計帯域幅は、6〜8MHzである。ダウンストリームチャネルは、一般に、50MHzと850MHzとの間に置かれる。アップストリームチャネルは、QPSKまたは16QAMを使用して、合計3Mビット/秒の搬送を行う。各アップストリームデータ伝送に割り当てられた合計帯域幅は、2MHzである。アップストリームチャネルは、一般に、5MHzと50MHzとの間に置かれる。
【0008】
ケーブルモデムは、一般に、コンピュータまたは特別なセットトップボックスに接続される。コンピュータ接続は、通常、外部コネクタ、内部PCIバスカード、またはワイヤレスアダプタを介して実現される。ネットワーク内の各ケーブルモデムは、タイムスロット内でバーストを発信し、各スロットは、リザーブ、競合、またはレンジングとして特徴付けられる。各アップストリームチャネルは、名目上16バイト長のミニスロットに分割されるが、CMTSによって128バイト長までに設定できる。アップストリーム帯域幅は、200,400,800,1600,または3200kHzである。リザーブスロットは、特定のケーブルモデムに対して予約されたタイムスロットであり、その時間に他のケーブルモデムが送信を行わない状態を確保する。CMTSは、ベンダ固有の帯域幅割り当てアルゴリズムを介して、様々なケーブルモデムにタイムスロットを割り当てる。リザーブスロットは、通常、長距離データ送信のために使用される。
【0009】
競合スロットとして特徴付けられたタイムスロットは、任意のケーブルモデムによる送信に利用可能である。現行のシステムでは、2台のケーブルモデムが同じタイムスロット中に送信した場合、パケットが衝突し、データは失われる。CMTSは、データが受信されなかったことを信号で伝える。ケーブルモデムは、その後、ランダムに発生させた別の時期に再送信を行う。競合スロットは、通常、非常に短いデータの送信、特に、さらに多くのデータを送信する多数のリザーブスロットの要求のために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CMTSとネットワークケーブルモデムとの間の物理的距離は、実質的に異なる時間遅延を発生させる。一般に、遅延は、数ミリ秒のオーダである。補償するために、ケーブルモデムは、レンジングプロトコルを採用し、受信した全ての通信がCMTSに到着した際の正しいフレーム境界と整合するように、個別のケーブルモデムのクロックを遅延に対して補正する。米国のシステムでは、多数の連続したタイムスロットが、レンジングのために周期的に割り当てられる。一例では、ケーブルモデムは、第2のタイムスロットでの送信を命令される。受信時、CMTSは、ケーブルモデムに対してローカルクロックの補正値(例えば、小さな正または負の補正値)を送信する。レンジングバーストの前後には、レンジングバーストが他のトラフィックと衝突しない状態を確保するために、少なくとも1つの空きタイムスロットが存在する。また、CMTSとネットワークケーブルモデムとの間の物理的距離は、ネットワーク内の種々のモデム間で異なる送信信号減衰レベルを発生させる。ケーブルモデムからCMTSへの減衰の変動は、15dBより大きく変化し得る。レンジングスロットの別の目的は、ネットワーク内の全てのケーブルモデムから受信した振幅を整合させることである。CMTSにおける費用効率に優れた復調のために、振幅の整合は、衝突の検出とビット誤り率の最小化とにとって不可欠である。
【0011】
動作中、1つのダウンストリームチャネルは、通常、多数のアップストリームチャネルとペアになり、必要なデータ帯域幅のバランスを達成する。ダウンストリームデータは全てのケーブルモデムによって受信されるため、合計帯域幅は、システム上の全てのアクティブなモデム間で共有される。各モデムは、データのストリームから必要なデータをフィルタリングして取り出す。多くのモデムが同じチャネルを共有するとき、実効スループットは、100分の1または1000分の1まで低下する。そのため、多数のパケットを同じチャネル上で多重化する方式が非常に望ましい。さらに、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSが干渉パケットを受信および回復できることが望ましい。
【0012】
したがって、必要なものは、多数のパケットを同じチャネル上で多重化し、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSによる干渉パケットの受信および回復を可能にする手法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態は、複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたヘッドエンドCMTSを含むケーブルネットワークの帯域幅効率を向上させる方法を提供する。方法は、ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを、経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように、決定する工程を含む。方法は、経路上の2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、複数のモデムに対する割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程と、へ進む。減衰プロフィールを決定する工程により、例えば、CMTSは、ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを利用することができる。
【0014】
こうした一実施形態において、複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含み、方法は、さらに、経路上の各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程を含む。あるいは、方法は、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程を含む。これに代えて、あるいは、これと共に、方法は、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程を含む。
【0015】
減衰プロフィールは、例えば、CMTSと経路上の各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルのテスト信号を送信し、これにより、CMTSに対応する各モデムに関連する減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される。あるいは、減衰プロフィールは、経験的データに基づいて決定される。減衰プロフィールを決定するその他の手法は、本開示に照らして明白であろう。方法は、さらに、経路上の各ケーブルモデムへ減衰プロフィールをブロードキャストする工程を含んでよい。なお、決定工程と、割り当て工程と、送信工程とは、例えば、CMTSモデムによって実行され得る。
【0016】
方法は、さらに、送信済みのチャネル割り当てマップに応答した2つ以上のケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルで同時に受信する工程と、共同チャネル復調機能を使用して各要求を回復する工程とを含む。この実施形態において、方法は、各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程と、第2のチャネル割り当てマップを送信する工程と、へ進んでよく、第2のマップは、第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む。方法は、第2のマップに応答した複数のケーブルモデムから受信したデータを対応する複数の送信先へ提供する工程へ続いてよい。
【0017】
本発明の別の実施形態は、伝搬経路によって複数のケーブルモデムと通信可能に結合されたCMTSを含むケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を提供する。方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された複数の信号を同時に受信する工程を含み、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する。方法は、さらに、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程と、第1のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去またはその他の形で無視する工程とを含む。回復信号を除去する工程は、例えば、各回復信号に関連するヘッダ情報と複数の個別のパワーレベルとの少なくとも一方に基づき得る。
【0018】
方法は、さらに、第2のケーブルモデムにおいて、複数の信号を同時に受信する工程を含んでよく、各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、1つの受信信号のみがノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。方法は、第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する該1つの受信信号を復調する工程へ続き、その他の減衰信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出不能である。
【0019】
一実施形態において、第2のモデムは、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置し、これにより、第2のモデムによる他の減衰信号の検出不能性を確保する。ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する1つの受信信号は、第1のパワーレベルで送信可能であり、他の減衰信号は、第2の低いパワーレベルで送信可能である。
【0020】
代替の実施形態において、方法は、さらに、第2のケーブルモデムにおいて、複数の信号を同時に受信する工程を含んでよく、各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は依然としてノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。ここで、方法は、第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程と、第2のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、へ続く。第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して回復された信号のそれぞれは、実質的に同じパワーレベルで送信され得る。
【0021】
本発明の別の実施形態は、複数のケーブルモデムを含むケーブルネットワークにおける帯域幅の効率的使用を可能にするケーブルモデムを提供する。ケーブルモデムは、共同チャネル復調を使用して、同時に同じチャネルで送信されたK個の干渉信号を同時に復調および回復するのに適したマルチユーザ検出モジュールを含む。データフォーマットモジュールは、マルチユーザ検出モジュールに対して動作可能に結合され、K個の回復信号のうちの少なくとも1つのためのネットワークデータパケットを生成するように適している。制御プロセッサは、フォーマットモジュールに対して動作可能に結合され、1つ以上の伝搬経路の既知の減衰特性に基づいて干渉伝送を意図的にスケジュールすることによって、ケーブルネットワークの1つ以上の伝搬経路に関連する既存の振幅マージンを利用するのに適する。通信中のモデムが非MUD対応であることを制御プロセッサが知ること応じて、制御プロセッサは、さらに、レガシプロトコルモードを可能にし、これにより、下位互換性を提供することに適してもよい。
【0022】
一実施形態において、ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、制御プロセッサは、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当て、これにより、レガシプロトコルモードを可能にすることに適する。これに代えて、あるいは、これと共に、さらに、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てることに適してよい。
【0023】
制御プロセッサは、例えば、双方向通信用に構成され、制御プロセッサをデータフォーマットモジュールにインタフェースすることに適したデータフォーマットインタフェースモジュールを含んでよい。データフォーマット選択モジュールは、データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードの選択を許容するように構成される。データフォーマットインタフェースモジュールは、さらに、ケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去するように構成してもよい。別の実施形態において、制御プロセッサは、複数の回復信号の信号レベルを検出するように構成されたデジタル信号レベル検出モジュールと、ネットワークの他の複数のモデムに関連する複数の減衰係数を計算および格納するように構成された減衰プロフィールモジュールと、を含む。減衰プロフィールモジュールは、さらに、ネットワーク内のどのモデムが信号を送信したかを決定するために、複数の実際のユーザ信号の複数の受信信号レベルを複数の既知の減衰係数と比較するように構成してもよい。
【0024】
一実施形態において、ケーブルモデムは、変調器を含み、制御プロセッサは、さらに、データと、既知の減衰特性に基づいた対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、を変調器に提供するように構成されたチャネル割り当てモジュールを含む。データフォーマットモジュールは、複数のタイプのフォーマットモードをサポートしてよく、制御プロセッサは、さらに、データフォーマットモジュールが動作するフォーマットモードを選択するように構成できる。
【0025】
本明細書で説明する特徴および利点は、包括的なものではなく、特に、多くの付加的特徴および利点は、図面、明細書、および特許請求の範囲を考慮すると、当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に使用された用語は、専ら読み易さおよび教示の目的から選択されており、発明の対象の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態は、割り当て周波数帯域の効率的使用が望ましいケーブルおよび他の有線ネットワーク用のデジタル信号復調器/変調器を提供する。1つの実施形態において、同じチャネル上で多数のパケットを多重化し、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSによる干渉パケットの受信および回復を可能にするのに適したケーブルモデムが提供される。適用例には、北米または欧州の規格に従ったヘッドエンドと端末との間でデータを送信するケーブルテレビシステムが含まれる。モデムは、既存のネットワークデバイスとの相互運用性を維持するのに必要な機能を含む。本発明の実施形態について説明する前に、図5〜図9を参照して、ケーブルネットワークおよび構成に関するいくつかの背景情報を提供する。
【0027】
ケーブルネットワークおよび構成
図5は、ケーブルネットワーク構成の例を示す。ケーブルネットワークは、多数のケーブルモデム(CM)510a〜pを含む端末ネットワークにデータを送信するケーブルモデム伝送システム(CMTS)505aを有するヘッドエンド505を備える。代表的なネットワークでは、割り当てられたTVチャネルにつき、約2000台のケーブルモデム510が、ツリーネットワーク構成でCMTSに接続される。さらに多くのケーブルモデムが必要な場合は、CMTSにさらに多くのチャネルを追加することで、TVチャネルの数を増加させる。ネットワークの物理的範囲は、数十キロメートル以上となる場合が多い。こうした伝送範囲では、信号強度は端末毎に実質的に変化し、増幅段階が必要となる。ツリー構成において、ケーブルモデム510は、CMTS505aのみと直接的に通信する。モデム対モデムの通信は、CMTS505aを介して間接的に達成される。
【0028】
ケーブルモデムは、一般に、コンピュータまたは特別なセットトップボックスに接続される。コンピュータ接続は、通常、外部コネクタまたは内部PCIバスカードを介して達成される。図6は、設備の例を示す。殆どの場合、ケーブルモデム615は、テレビ受像機セットまたは関連デバイス(例えば、VCR)に既にサービスを提供しているケーブル回線に追加される。この場合、通常、パワースプリッタ605と新しいケーブルとが必要になる。パワースプリッタ605は、レガシテレビ機器(例えば、テレビ620a〜bおよびVCR625)と、ケーブルモデム615を接続する新しいケーブル部分と、の間で、受信信号を分割する。テレビ機器は、ケーブルモデム615に接続する新しいケーブルを使用しない。
【0029】
ハイパスフィルタ610は、ケーブルモデム615がパケットバーストを送信するときにテレビ機器が誤作動しないように、あるいは、干渉を受けないように、テレビ機器のケーブル部分から低周波非テレビ信号を分離する。したがって、ハイパスフィルタ610は、TVチャネル周波数のみを通過させ、ケーブルモデム615によって送信されるアップストリーム周波数帯域を遮断する。フィルタ615の別の理由は、屋内配線からの低いアップストリーム周波数範囲でのノイズ伝送を遮断することである。数千の個別の住居(または他の端末位置)のそれぞれで導入されたノイズは、ヘッドエンド505へ向かうアップストリーム経路において蓄積される。
【0030】
図7は、一般的なケーブルモデムの内部アーキテクチャを示しており、ケーブルモデムは、チューナ705と、復調器710と、変調器715と、メディアアクセスコントローラ(MAC)720と、インタフェース725と、を含んでいる。チューナ705は、テレビチャネルを選択し、受信信号を固定中間周波数(IF)に変換する。復調器710は、中間周波数データをサンプリングし、MPEGフレームの復調、エラー訂正、同期を行う。MAC720は、MPEGフレームからデータを抽出し、他のケーブルモデムを対象とするデータを遮断し、プロトコルを実行し、アップストリーム伝送バーストを開始する。送信側において、バースト変調器715は、エンコード(例えば、リードソロモン(Reed-Solomon))と、デジタル変調と、D/A変換と、固定IFへのアップコンバージョンと、を実行する。チューナ705は、固定IFをアップコンバートし、バーストを送信する。
【0031】
チューナ705は、CATVアウトレットに直接的に接続する。チューナ705は、ダイプレクサ705aを含み、ダイプレクサ705aは、同じデバイスを介してアップストリーム信号(例えば、ハイパスフィルタ経由)およびダウンストリーム信号(例えば、ローパスフィルタ経由)の双方の通信を可能にする。あるいは、ダイプレクサ705aは、チューナ705の外部に設けることができる。チューナ705は、復調が不可能となる程度までデジタル変調信号を歪ませることなくデジタル変調(例えば、QAM)信号を受信するのに、充分に良好な品質である。
【0032】
受信方向において、チューナ705によって出力されたIF信号は、復調器710に供給される。1つの適用例では、復調器710は、A/Dコンバータと、QAM64/256復調器と、MPEGフレーム同期と、リードソロモンエラー訂正と、で構成される。ダウンストリーム変調は、通常、シンボル当たり6ビットの64QAM(標準)であるが、シンボル当たり8ビットの256QAM(高速だがノイズに敏感)であってもよい。
【0033】
送信方向において、バースト変調器715の出力は、チューナ705に与えられる。1つの適用例では、バースト変調器715は、各バーストに対してリードソロモンエンコードを実行し、波形発生器を使用してデータを選択された周波数のQPSK/QAM16波形にデジタル変調するものであり、変調データをアナログ出力信号に変換するD/Aコンバータを備えた構成となる。出力信号は、可変出力レベルを備えたラインドライバに供給可能であるため、信号レベルは、未知のケーブル損失を補償するために調整され得る。
【0034】
MACプロセッサ720は、モデムの受信および送信経路間において、適切に作用可能に結合される。このプログラム可能なデバイスは、他のモデムにアドレス指定されたパケットを廃棄し、DOCSIS(データオーバケーブルサービスインタフェース仕様)または他のケーブルプロトコルに従って、自己のモデムのためのパケットデータを処理するように構成される。ケーブルからモデムによって受け取られ、MACプロセッサ720を介して受け入れられたデータは、コンピュータインタフェース725へ供給される。送信方向において、データは、インタフェース725から受け取られ、MAC720を介して処理され、チューナ705を介したケーブルへの送信のために変調器715へ提供される。
【0035】
外部ケーブルモデムも、全体的な制御を提供するためにプロセッサ730を必要とする。ただし、内部ケーブルモデムは、一般に、ホストコンピュータのCPUによって、コンピュータバスを介して制御される。
【0036】
未加工データレートは、以下に示す変調および帯域幅に依存する。
64−QAM 256−QAM
6MHz 31.2Mbit/s 41.6Mbit/s
8MHz 41.4Mbit/s 55.2Mbit/s
上記の計算においては、帯域幅8MHzに対して6.9Mシンボル/秒のシンボルレートが使用され、帯域幅6MHzに対して5.2Mシンボル/秒が使用されている。未加工ビットレートは、エラー訂正、フレーミング、および他のオーバヘッドに起因して、実効データレートより幾分高い。順方向エラー訂正は、例えば、米国システム向けのITU−T J.83Bに従って実行される。バーストエラーを緩和するためにインタリーブが使用され、4ミリ秒の待ち時間を犠牲にして、95ミリ秒の保護を行う。
【0037】
順方向リンクまたはダウンストリームパケットのフォーマットを図8に示す。米国のシステムにおいて、順方向リンクデータは、MPEG−TS(トランスポートストリーム)仕様に従ってフレーム化される。188/204バイトブロックフォーマットが、各ブロックの前の8ビットの同期バイトと共に使用される。リードソロモンエラー訂正アルゴリズムは、ブロックサイズを204バイトから188バイトに低減し、187をMPEGヘッダおよびペイロードのために残す。この特定のフォーマットは、204バイト内で6個のエラーを訂正する。
【0038】
このレベルでは、ネットワーク規格が異なると理解されるであろう。一部の規格では、MPEG−TSペイロード内での可変データフォーマットが許容されている。例えば、DVB/DAVIC規格では、MPEG−TSペイロード内部のフレーミングは、ATMセルのストリームである。パケットは、一定のネットワークに含まれる1台、多数、または全てのモデムにアドレス指定される。ケーブルモデムパケットは、MPEGヘッダ内にプログラム識別子(例えば、0x1FFE)を有する。
【0039】
図9に示すように、逆方向リンクまたはアップストリームデータは、短いバーストに配置される。DAVIC/DVB規格は、固定長バーストを必要とし、一方、MCNS規格は、可変長バーストを指定する。各パケットは、CMTS復調器を受信データパケットに同期させるために使用される「固有ワード」で始まる。一般に、同期ワードは、約32ビットである。リードソロモンエラー訂正は、殆どの規格で使用されるが、その他のエラー訂正手法も同様に使用できる。DVB/DAVICでは、バースト当たりに1つのATMセルが存在する。ペイロードは、MACメッセージまたはデータで構成される。DVB/DAVICにおいて、チャネル化(channelization)は、3ミリ秒毎のタイムスロットである。より長いデータは、リザーブタイムスロットにおいて送信される。小さなデータは、競合タイムスロット中に送信される。
【0040】
DOCSISには4つの層が存在する。物理層は、変調の定義および同軸媒体の観点から以前に説明した。MPEG−2伝送収束層も、188バイトMPEG−2フレーム内のケーブルモデムデータのカプセル化の観点から説明した。メディアアクセス制御層は、リターンパスに対するケーブルモデムのアクセスを制御する。CMTSは、ケーブルモデムに対して、送信の時期および長さを伝え、これにより、要求/許可メカニズムを使用してリターンパスへのアクセスを制御する。このタイプのプロトコルを使用することで、ケーブルモデムは、CMTSから、特定の量のデータを送信する機会を要求する。
【0041】
CMTSが送信すべきデータを有する全てのモデムからの要求を受信したとき、CMTSは、これに応じて、ミニスロット、またはリターンパス上の送信機会を確保する。周期的に数ミリ秒毎に、CMTSは、順方向リンクパスを介して、各モデムに許可された特定のミニスロットを示すメッセージを、ケーブルモデムに送信する。帯域幅の確保の結果として、モデムは、送信を行うための衝突のないインターバルを保証される。CMTSは、特定のエンドユーザに提供されるサービスのタイプに基づいて、モデムに帯域幅を割り当てる役割を担う。
【0042】
要求メッセージを送信する時間を最初に割り当てられることなく、モデムが帯域幅を要求するために、CMTSは、周期的に、競合期間中に要求を送信する任意のモデムにリターンチャネルの一部を割り当てる。こうした要求は、別のモデムからの要求と衝突してもよい。しかしながら、CMTSは、衝突の数を最小限にするために、競合要求インターバルの長さと周波数との双方を変更できる。衝突が検出された場合、メッセージを送信したケーブルモデムは、CMTSによる通知を受け、ランダムなインターバルだけバックオフした後(待った後)、要求を再送信する。
【0043】
最も上のDOCSIS層は、セキュリティ層である。将来のシステムは、進歩した物理層を提供し得る。周波数アジャイルTDMA、同期CDMA、および直交FDM変調が提供される可能性がある。ボイスオーバIPに似たストリーミングサービスのようなものを含め、サービスも進歩するであろう。
【0044】
帯域幅効率に優れたケーブルモデム
図1は、本発明の一実施形態による、同じチャネル上で干渉デジタル信号を送信すると共に同時に復調するために構成されたケーブルモデムのブロック図を示す。モデムは、アナログフロントエンド105と、パラメータ推定モジュール110と、マルチユーザ検出(MUD)モジュール115と、複数のデコーダのバンク117と、データフォーマットモジュール120と、制御プロセッサ125と、変調器130と、デマルチプレクサ135と、を含む。アナログフロントエンド105は、チューナ105aに結合されたネットワークI/Oポートと、アナログ−デジタル(AD)コンバータ105bと、増幅器105cと、を含む。
【0045】
レシーバ側では、信号が、ケーブルを介してネットワークI/Oポートで受信され、アナログフロントエンド105を経由して処理され、モジュール110,115,117によって復調/回復され、データフォーマットモジュール120によってフォーマットされる。結果として生じたデータ信号1〜Kは、次に、デマルチプレクサ135に提供される。デマルチプレクサ135は、対象となる信号であるデータ信号m(データ信号1〜Kのうちの1つ)を選択するのに適している。この選択信号mは、その後、例えば、ネットワークまたは直接接続を介して、ユーザmへ提供される。データフォーマットモジュール120とデマルチプレクサ135とは、制御プロセッサ125からの制御入力に従って動作する。例えば、データフォーマットモジュール120によって実行される従来のフォーマット化またはデコードは、制御プロセッサ125によって制御または監視できる。制御プロセッサ125は、さらに、MUDモジュール115によって回復されたどの信号がデータフォーマットモジュール120によって処理されるか、およびどの回復信号がモジュール120によって除去または無視されるか、を制御できる。
【0046】
トランスミッタ側では、デマルチプレクサ135が、ユーザmからの双方向ラインを使用して、ネットワーク/バックボーンまたはローカルホストから送信データmを受領する。データは、制御プロセッサ125によって提供されるバースト制御に従って、モジュール130によって変調され、増幅器105cによって増幅され、送信のためにチューナ105aを介してネットワークI/Oポートに提供される。一般に、制御プロセッサ125は、変調器130からのデータの流れを制御し、これにより、モデムが送信を行う時期と、モデムがユーザmのために送信を行わない時期と、を制御する。レガシ送信モードもサポートされ、これにより、このモデムが通信しているリモートモデムが本発明の原理に従って動作するように構成されていない場合に、下位互換性を提供する。
【0047】
RFレシーバ−MUD対応
ケーブルからの信号は、ネットワークI/Oポートを介してチューナ105aに結合される。チューナ105aは、適切なチャネルの信号を、処理の前に、ベースバンドまたは他の相対的に低い周波数の信号に変換する。ベースバンドにおいて、A/Dコンバータ105bは、受信信号をデジタル化し、サンプルデータストリームにする。フィルタリング、増幅、および他の従来の処理が、アナログフロントエンド105において実施されてもよい。
【0048】
サンプルデータストリームは、パラメータ推定モジュール110への入力として提供される。パラメータ推定モジュール110は、干渉デジタル信号のための同期デバイスである。パラメータ推定モジュール110は、受信信号に存在する複数の干渉信号のそれぞれについての相対的な受信タイミングのオフセットと、位相と、受信振幅と、マルチパス構造と、を推定する。このパラメータ推定の結果は、K個の信号のそれぞれの推定複合シグネチャ波形のマトリクス(S)であり、MUDモジュール115がチャネル信号を分離するのを助けるために使用される。
【0049】
MUDモジュール115は、A/Dコンバータ105bからの入力に加えて、推定複合シグネチャ波形のSマトリクスを使用して、従来行われているように干渉信号からデータビットを回復する。MUDモジュール115は、回復データビットをフォーマットモジュール120への入力として供給する。フォーマットモジュール120は、バッファデバイスとして動作し、K個の干渉送信のそれぞれのためのデータパケットを生成する。パケット形式は、通信モデムによって使用されている所定のアプリケーションおよびプロトコルなどの要素に依存する。
【0050】
なお、MUDモジュール115は、複数のデコーダ(1〜K)のバンク117と適切に作用可能に結合され、各デコーダはMUDモジュール115の対応する出力と通信可能に結合される。デコーダバンク117は、MUDモジュール115によって出力されるK個の信号のそれぞれの回復シンボルストリーム(数1)を受け取り、そして、シンボルをビットに変換して、現在のビットを以前のビットおよび/または後続のビットと比較し、その後、ビットを再びシンボルに変換することによって、各ユーザのためのエラー訂正を提供する。ここでは、Soft ViterbiまたはBCJRデコーディング等の任意の数の種々のデコーディングアルゴリズムを採用可能である。こうした従来のエラー訂正の結果は、シンボル推定のマトリクス(b(n))であり、特定のシンボルの優れた推定を提供するために、MUDモジュール115によって、反復プロセスにおいて使用される。
【数1】
【0051】
K個の信号のそれぞれのためにモジュール110,115,117によって実行される反復復調プロセスは、例えば、特定された反復回数に達するまで、または、現在および以前の反復での補償シンボル推定間の差が所定の閾値を下回るまで、継続できる。
【0052】
アナログフロントエンド105とパラメータ推定モジュール110とMUDモジュール115とデコーダバンク117とのそれぞれは、従来の技術で実施できる。ただし、変形も可能である。例えば、パラメータ推定器110は、米国特許出願第10/228,787号「マルチユーザ検出レシーバのためのパラメータ推定器」において説明されるように構成可能である。MUDモジュール115は、米国出願第10/105,918号「反復マルチユーザ検出器システムにおける処理時間を低減するシステム」において説明されるように、シンボルに関する以前の情報を用いてMMSE MUDとして動作するように構成できる。これらの出願は、それぞれ、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。
【0053】
データフォーマットモジュール120も、従来の技術で実施できるが、さらに、制御プロセッサ125と連動して動作するようにしてもよい。特に、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120が動作するフォーマットモードを選択するように構成してよい。フォーマットモードは、モデムが受信データストリームを供給するネットワークまたはローカルホスト(例えば、ATM、PSTN、ISDN、パーソナルコンピュータ)に依存する。データフォーマットモジュール120は、多数のタイプのフォーマットモードをサポートするように構成できる。
【0054】
回復データ信号1〜Kは、データフォーマットモジュール120によって出力されてデマルチプレクサ135に提供される。デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125によって提供された入力に基づいて、意図された信号mを選択する。一例では、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120からの受信信号1〜Kのそれぞれについて、パケットヘッダ情報を受け取る。データ信号のパケットヘッダ情報は、様々な情報の中で特に、そのデータ信号の意図された送信先を含む。このため、特定のモデムを意図したデータ信号が識別可能であり、他の受信データ信号は無視可能である。したがって、制御プロセッサ125は、ヘッダ情報を問い合わせて制御信号をデマルチプレクサ135に供給し、デマルチプレクサ135は、意図されたデータ信号mのみの通過を許容する。また、制御プロセッサ125は、干渉モデムのパケットヘッダを使用して、どのモデムがチャネルを共有しているかを決定する。パケットヘッダの送信元および送信先アドレスにより、制御プロセッサ125は、どのモデムがデータの送信および受信を同時に成功できるかのログを維持できる。こうしたログは、適応性のあるスケジューリング手法を容易にする。
【0055】
代替または追加として、制御プロセッサ125は、CMTSから受け取った減衰プロフィールに基づいて、信号パワーの閾値を設定するように構成可能であり、データフォーマットモジュール120によって受信されたその閾値を上回らない回復信号は、効率よく無視される。なお、マルチプレクサ135とデータフォーマットモジュール120との機能は、1つのモジュールに統合可能であり、または、制御プロセッサモジュール125への統合も可能である。制御プロセッサ125は、対応する送信モード(例えば、レガシモードまたは本発明による帯域幅効率に優れたモード)を可能にする。
【0056】
RFトランスミッタ
データmは、ネットワーク/バックボーンまたはユーザmのローカルホストから、デマルチプレクサ135に提供され、デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125の制御下で動作する変調器130へ提供する準備として、発信データをバッファする。多数のアクセス方式(例えば、FDMA、TDMA、CDMA)および変調(例えば、二位相シフトキーイング、4位相シフトキーイング、ダイレクトシーケンス拡散スペクトル、直交振幅変調、直交周波数分割多重化、およびパルス位置変調)が変調器130によって実施され得る。送信時間は、制御プロセッサ125のバースト制御によってトリガされる。制御プロセッサ125の機能は、図2〜4を参照して説明される。この制御プロセッサ125は、例えば、マイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサなどの適切な処理環境で実行されるソフトウェア命令セットにより実現可能である。あるいは、制御プロセッサ125は、特殊用途向けに構築されたシリコン(例えば、ASICまたはFPGA)で実現可能である。
【0057】
帯域幅効率に優れたプロトコル−アップストリーム
図2は、本発明の一実施形態による、容量増大逆方向リンクプロトコルのタイミング図を示す。この例において、CMTSは、干渉信号の同時回復を可能にするMUD復調器を含む。この意味において、CMTSは、図1を参照して説明したように、MUD対応である。
【0058】
時間T1において、CMTSは、実効開始時間がT3である第1のチャネル割り当てマップを送信する。後の時間T2において、ケーブルモデム1(CM1)は、CMTSからのメッセージを受信する。伝搬遅延のために異なる時間T2*において、ケーブルモデム2(CM2)は、同じメッセージを受信する。双方のケーブルモデムCM1およびCM2は、チャネル要求機会について、第1のマップをスキャンする。要求の衝突を最少化するために、双方のモデムは、最新のマップである第1のマップにおけるデータバックオフ開始値に基づいたランダムオフセットとして、T6を計算する。ここでは、ランダムオフセットを発生させるその他の基準を使用してもよい。ランダムなアクシデントにより、CM1およびCM2の双方は、T6のために同じ値を計算する。
【0059】
時間T4において、CM1は、送信を希望するパケットデータを収容するのに必要な数のミニスロットの要求を送信する。時間T4は、要求がT6でCMTSに到着するように、レンジングオフセットに基づいて選択される。同様に、CM2は、レンジングオフセットに基づいて時間T4*を計算し、T6でCMTSに同時に到着する要求を送信する。
【0060】
T6において、CMTSは、衝突する要求を受信する。従来のデジタル復調器を利用するCMTSの場合には、受信データは、理解不能であり、この結果、要求への応答(acknowledge)が失敗する。なお、双方のモデムCM1,CM2は、次のマップの送信終了まで待機する必要があり、データ許可を得られず、アクセスを再試行できない。このプロセスによって、輻輳したネットワークの場合におけるシステムスループットの低下が発生する。しかしながら、CMTSがMUD復調器(即ち、MUD対応)を含む場合には、CMTSは、双方のパケットを同時に回復し、要求をデコードして、チャネル割り当てを計算する。
【0061】
時間T7において、CMTSは、実効開始時間がT9である第2のマップを送信する。第2のマップ内において、CM1およびCM2の双方のデータ許可は、T11に開始される。CM1およびCM2によって送信された衝突パケットの復調に成功することで、CMTSは、双方のモデムが同時に送信に成功できると判断しており、これにより、別の場合にはCM2のために別個に割り当てる必要があるチャネルを節約する。この意味において、帯域幅の効率性が達成される。
【0062】
時間T8およびT8*のそれぞれでは、CM1およびCM2のそれぞれは、第2のマップをそれぞれ受信し、データ許可についてスキャンする。時間T10およびT10*のそれぞれでは、CM1およびCM2のそれぞれは、パケットがT11で同時にCMTSに到着するように、同じタイムスロットおよび同じチャネルにおいて、データを送信する。時間T10およびT10*は、前述したように、レンジングオフセットから計算される。
【0063】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、三体衝突に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムによる送信をスケジュールすることも可能となる。CMTS内の共同チャネル復調器は、充分なマージンがあれば干渉データを分解する。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0064】
帯域幅効率に優れたプロトコル−ダウンストリーム
図3aは、本発明の一実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す。この特定のケースでは、伝搬経路内の一方のモデムは、共同チャネル変調器(MUD対応)を有し、伝搬経路内の他方のモデムは、レガシタイプのモデムであり、本発明の原理に従って構成されていない。
【0065】
一般に、信号対ノイズの環境は、順方向信号が前のブースタ増幅器から伝搬するときの伝搬損失によって、大幅に変化する。したがって、本発明の実施形態に従って構成された特別なMUD対応ケーブルモデムを、ブースタ増幅器の近くに位置する端末に割り当てることが可能である。この場合には、周波数およびタイムスロットにおいて同じチャネルを共有するが、ブースタ増幅器からさらに離れて位置する他の複数のモデムに影響を与えることなく、こうした特別なモデムへデータを送信し得る。
【0066】
第1のパネルは、CMTSにおいて発信される信号のレベルを示している。CM2を対象とする信号S2のパワーレベルは、伝搬損失に対する充分なマージンを提供できるように、ノイズフロアNを大きく(例えば、3dB以上)上回るdBである。ブースタ増幅器に充分に近くに位置し、変調のためにノイズフロアNを上回る充分なマージンを依然として有するならば、共同チャネル復調器を備えた別のケーブルモデム1(CM1)を対象とする同時パケットを送信することが可能である。
【0067】
第2のパネルは、CM1によって受信された信号のレベルを示している。図示するように、信号S2は、相対的に強いパワーレベルで到着する。しかしながら、信号S1およびS2が依然としてノイズフロアNより充分に高ければ、信号S2は、CM1の共同チャネル変調器によって識別可能である。双方の信号レベルは、CMTSとCM1との間の伝搬損失により減衰したことが分かるが、介在するブースタ増幅器によって、信号レベルは、ノイズフロアNを充分に(例えば、3dB以上)上回る状態に維持できている。
【0068】
第3のパネルは、CM2によって受信された信号のレベルを示している。この時点では、信号S1は、伝搬損失によって、ノイズフロアNの下に埋もれるポイントまで減衰している。CM1のために挿入された余分なパケットは、弱すぎるため、CM2における従来の復調の性能に影響を与えない。この意味において、ネットワークは、CM2に影響を与えることなくCM1にもデータを送信するために、CM2に割り当てられたタイムスロットを借りた、或いは「盗んだ」と言える。余分な容量は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。
【0069】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。性能データ(例えば、ネットワークの各伝搬経路の減衰プロフィール)を経時的に測定し、その後、(例えば、各モデム内でローカルに、あるいはネットワークと通信可能に結合された中央記憶装置内にリモートに)格納することが可能である。したがって、既知の減衰が干渉の可能性のある信号を有効に排除するほど、特定のチャネルに関連するレガシモデムが充分に遠く離れているとき、データは、特定のチャネルの借用タイムスロットにおいて送信できる。この意味において、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置する複数のモデムは、レガシモデムであってもよく、本明細書で説明したタイムスロット借用手法に影響されない。
【0070】
信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、3つ以上の同時送信に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムへの送信をスケジュールすることも可能である。伝搬経路内の既知の減衰閾値ポイントより前の全てのモデムは、データを分解するために共同チャネル復調器を備える必要がある。既知の減衰ポイントより後のモデムは、MUD対応モデムまたはレガシモデムにしてよい。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0071】
図3bは、本発明の別の実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す。この特定のケースでは、モデムCM1およびCM2の双方が、共同チャネル復調器を有し、したがってMUD対応である。
【0072】
前述したように、本発明の実施形態に従って構成された特別なMUD対応ケーブルモデムを、ブースタ増幅器の近くに位置する端末に割り当てることが可能である。この場合には、周波数およびタイムスロットにおいて同じチャネルを共有しつつ、ブースタ増幅器からさらに離れて位置する他のモデムに影響を与えることなく、こうした特別なモデムへデータを送信し得る。
【0073】
第1のパネルは、CMTSにおいて発信される信号のレベルを示している。図示するように、CM1を対象とする信号S1のパワーレベルは、伝搬損失に対する充分なマージンを提供するために、ノイズフロアNを大きく(例えば、3dB以上)上回るdBである。同様に、変調のためにノイズフロアNを上回る充分なマージンを信号S2が有するならば、別のモデムCM2を対象とする同時パケットである信号S2を送信することが可能となる。
【0074】
第2のパネルは、CM1によって受信された信号のレベルを示している。信号S2は、相対的に強いパワーレベルで到着する。しかしながら、S1およびS2が依然としてノイズフロアNより充分に(例えば、3dB以上)高ければ、共同チャネル変調器によって識別可能である。S1およびS2の双方の信号レベルは、CMTSとCM1との間の伝搬損失により減衰したことが分かる。
【0075】
第3のパネルは、CM2によって受信された信号のレベルを示している。伝搬損失によって、信号S1およびS2の双方はさらに減衰している。しかしながら、共同チャネル変調にとって充分なマージンが、依然として存在している。共同チャネル変調器を備えた双方のモデムが同じスロットに割り当てられているため、余分な容量は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。レンジングデータの使用を介して、CMTSは、ネットワーク内の各モデムの伝搬環境を追跡可能であり、したがって、減衰プロフィールを各通信リンク(例えば、CMTSと特定のケーブルモデムとの間)に提供できる。この情報によって、最適なネットワークの利用のために本明細書で説明されるような適応性のあるチャネルスケジューリングの使用が可能となる。
【0076】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、3つ以上の同時送信に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムへの送信をスケジュールすることも可能である。この特定の手法を使用すると、各送信信号がほぼ同じパワーレベルで送信されるため、ケーブルネットワークの伝搬経路内の各モデムは、データを分解するための共同チャネル復調器を備える必要がある。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0077】
共同チャネルモデム信号をノイズフロアより下に減衰させるために信号S1とS2との間での余分なマージンまたは距離は必要ないため、この手法は、図3aにおいて説明した共同チャネルおよびレガシ手法より多くのケースでサービスを提供できる。
【0078】
MUD対応CMTSは、モデム要求が実際に干渉するか否かの共同チャネル割り当てを作成する。MUD対応CMTSは、ネットワークのケーブルモデムからの受信振幅データに基づいて干渉送信を意図的にスケジュールする。この意味において、MUD対応CMTSは、逆方向リンク上で存在する場所に関係なく、振幅マージンを活用する。
【0079】
手順−アップストリーム
図4aは、本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの逆方向リンク(アップストリーム)容量を増大させる方法を示す。方法は、例えば、図1を参照して説明したようなMUD対応CMTSによって実行され得る。
【0080】
方法は、第1のチャネル割り当てマップを送信する工程401で開始される。ダウンストリームネットワークに含まれる各ケーブルモデムは、CMTSに対応するそのケーブルモデムに関連する伝搬遅延に応じて、種々の時点でマップを受け取る。こうしたダウンストリームケーブルモデムは、チャネル要求機会について、第1のマップをスキャン可能であり、要求の衝突を最少化するためにランダムオフセットを計算してよい。ケーブルモデムは、その後、自分のデータを送信するのに必要なタイムスロットに関する各自の要求を送信し得る。
【0081】
方法は、送信済みの第1のチャネル割り当てマップに応答したケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルにおいて同時に受信する工程403、および、CMTSの共同チャネル変調機能を使用して、各要求を回復する工程405へ続く。方法は、その後、各要求をデコードする工程407、および、各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程409へ進む。
【0082】
次に、方法は、第2のチャネル割り当てマップを送信する工程411へ進んでよい。第2のマップは、第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む。したがって、ダウンストリームモデムによって送信された衝突する要求の復調に成功することで、CMTSは、2つ以上のモデムが同じタイムスロットおよび同じチャネルでの送信に成功できると判断し、これにより、別の場合には応答モデムのそれぞれに別個に割り当てる必要があるチャネルを節約する。それぞれのダウンストリームモデムは、その後、送信された第2のマップを受信し、データ許可についてスキャンし、パケットがCMTSに同時に到着するように、同じタイムスロットおよび同じチャネルでデータを送信する。
【0083】
方法は、さらに、ケーブルモデムから受信したデータを、CMTSによって適切な送信先へ提供する工程413を含んでよい。また、方法は、さらに、ダウンストリームケーブルモデムから同時に受信する後続の任意の応答のために、受信、回復、デコード、(適当な場合)計算、および(適当な場合)提供のステップを反復する工程を含んでよい。
【0084】
一実施形態において、送信、デコード、計算、および提供のステップ(401,407,409,411,413)は、図1のケーブルモデムの制御プロセッサ(125)によって実行、あるいは制御されることが可能であり、一方、受信および回復のステップ(403,405)は、MUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。データフォーマットモジュール120は、前述したように、制御プロセッサによる制御に応答するようにプログラムされ得る。したがって、フォーマットおよびデコードモードは、制御プロセッサ125によって命令可能であり、どの回復信号が処理または無視されるかについても同様である。この例示的な実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、および他の構成要素(例えば、110,117)の支援的役割と、のバリエーションは、本開示に照らして明白となるであろう。例えば、データフォーマットモジュール120と制御プロセッサ125との機能は、単一のモジュールに統合され得る。
【0085】
手順−ダウンストリーム
図4bは、本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク(ダウンストリーム)容量を増大させる方法を示す。方法は、例えば、図1を参照して説明したように構成された1台以上のMUD対応ダウンストリームケーブルモデムを有するネットワークにおいて実行してよい。ただし、方法は、経路の所定の減衰閾値ポイントを超えて位置する少なくとも1つのレガシモデムを有する伝搬経路に対する下位互換性を提供する。
【0086】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで多数の信号を同時に受信する工程421で開始され、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有している。受信信号は、例えば、伝搬経路に関連するCMTS、または、ケーブルネットワークに含まれる他のモデムによって送信されたものであってよい。また、送信された信号は、1つ以上の介在するブースタ増幅段階で増幅されていてもよい。
【0087】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程423へ続く。方法は、次に、第1のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程425あるいは無視する工程へ進む。一実施形態において、無視される回復信号は、各信号に関連するヘッダ情報が示すような受信ケーブルモデムを対象にしないと特定されたものである。
【0088】
別の実施形態において、無視される回復信号は、信号パワーが設定された閾値を下回るものであり、閾値は、CMTSから受信した減衰プロフィールに基づく。減衰プロフィールは、例えば、ローカルの制御プロセッサ125に格納され得る。したがって、信号は、既知のパワーレベルで送信可能であり、意図した送信先における信号パワーレベルは、減衰プロフィールに基づいて予測できる。したがって、受信モデムでの閾値を設定できる。これにより、同じタイムスロットで受信した信号を、それぞれのパワーレベルに基づいて識別できる。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでよい。
【0089】
方法は、第2のケーブルモデムにおいて、多数の信号を同時に受信する工程427へ続く。各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰した状態となり、この結果、1つの受信信号のみがノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有し、他の信号はノイズフロアに対して充分ではない高さである対応するパワーレベル(例えば、ノイズフロア以下のパワーレベル)を有する。
【0090】
方法は、第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する信号のみを復調する工程429へ続く。ここでは、他の減衰した信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出されない。この一意的な検出が可能となるのは、検出された信号が同じスロット内の別の信号が送信されたパワーレベルよりも強いパワーレベルで送信されたためである。方法は、さらに、復調信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットまたは他の従来の処理を実行する工程と、を含んでよい。
【0091】
こうした方法により、既知の減衰が干渉の可能性のある信号を有効に排除するほど、特定のチャネルに関連するレガシモデムが充分に遠く離れているとき、データは、特定のチャネルの借用タイムスロットにおいて送信できる。この意味において、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置するモデムは、(単一チャネル変調機能のみを採用する)レガシモデムにすることが可能であり、伝搬経路において前方に位置する(既知の減衰閾値ポイントより前の)MUD対応ケーブルモデムを対象とするデータによるタイムスロットの借用によって影響されない。
【0092】
一実施形態において、除去するステップ(425)は、図1のケーブルモデムの制御プロセッサ(125)によって実行あるいは制御されることが可能であり、一方、受信および回復するステップ(421,423)は、MUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。第2のモデムの受信およびデコードするステップ(427,429)は、従来のケーブルモデム復調器によって実行され得る。この例示的実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、および他の構成要素(例えば、110,117,120)の支援的役割と、のバリエーションは、前述したように本開示に照らして明白となるであろう。
【0093】
図4cに示す代替の実施形態では、第2のケーブルモデムも、MUD対応であり、本発明の原理に従って構成されている。ここでは、方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された多数の信号を同時に受信する工程431で開始され、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する。受信信号は、例えば、伝搬経路に関連するCMTS、または、ケーブルネットワークに含まれる他のモデムによって送信されたものであってよい。また、送信された信号は、介在するブースタ増幅段階で増幅されていてもよい。
【0094】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程433へ続く。方法は、次に、(例えば、各信号に関連するヘッダ情報または個別のパワーレベルによって示されるような)第1のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程435あるいは無視する工程へ進む。なお、この実施形態では、経路内の各ケーブルモデムはMUD対応であるため、同じスロット内の送信信号のパワーレベルは、同じパワーレベルを有してよい。したがって、信号の送信パワーレベルが同じである場所では、各送信パワーレベルに対する減衰プロフィールの影響を考慮することによって、受信パワーレベルを識別し得る。しかしながら、回復信号を識別するために他のメカニズム(例えば、ヘッダ情報)が利用可能である場合、受信パワーレベルを知る必要はない。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでもよい。
【0095】
方法は、第2のケーブルモデムにおいて、多数の信号を同時に受信する工程437へ続く。各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は、依然としてノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。方法は、第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程439、および(例えば、各信号に関連するヘッダ情報または個別のパワーレベルによって示されるような)第2のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程441あるいは無視する工程へ続く。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでもよい。
【0096】
双方のMUD対応ケーブルモデムが同じスロットに割り当てられているため、余分な容量(帯域幅の効率性)は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。レンジングデータの使用(例えば、既知のパワーレベルの信号の送受信)を介して、CMTSは、ネットワーク内の各ケーブルモデムの伝搬環境を追跡可能であり、したがって、減衰プロフィールを提供できる。この情報によって、最適なネットワークの利用と帯域幅の効率性とのために本明細書で説明するような適応性のあるチャネルスケジューリングの使用が可能となる。
【0097】
一実施形態において、除去するステップ(435,441)は、前述したように第1および第2のモデムのそれぞれにおいて構成された制御プロセッサ(125)によって実行あるいは制御されることが可能であり、一方、各モデムの受信および回復するステップ(431,433,437,423)は、対応するMUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。この例示的実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、その他の構成要素(例えば、110,117,120)の支援的役割と、のバリエーションは、前述したように本開示に照らして明白となるであろう。
【0098】
図4dは、ケーブルネットワークのCMTSによって採用される他の方法を示す。この特定の実施形態は、経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように、ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを決定する工程451を含む。減衰プロフィールを決定することにより、CMTSは、ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを活用できる。一実施形態において、減衰プロフィールは、ネットワーク内のCMTSと各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルの信号を送信し、これにより、CMTSに対応する各モデムに関連する減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される。例えば、CMTSモデムは、各モデムに特定のパワーレベルで信号を送信するように要求可能であり、CMTSは、その後、(CMTSモデムによって測定された)受信信号パワーに基づいて、各モデムに関連する減衰を決定できる。代替の実施形態において、減衰プロフィールは、既知の経験的データに基づいて決定できる。
【0099】
減衰プロフィールは、例えば、各モデムと対応する減衰係数とを列挙するインデックス付き参照テーブルであってもよい。なお、減衰プロフィールは、(例えば、リンク初期化またはトレーニング手順中に)ブロードキャストされ、各ケーブルモデムで格納されてもよい。各ケーブルモデムは、プロフィール全体または対応する減衰係数のみを格納できる。したがって、任意の1台のモデムを対象とする信号は、予測可能な受信パワーレベルによって特定可能である。例えば、予測可能な受信パワーは、既知の減衰係数によって調整された既知の送信パワー(例えば、Ptx×減衰係数)に等しい。
【0100】
方法は、さらに、ネットワークの2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程453を含む。1つ以上の非MUD対応モデムを含むネットワークにおいて、方法は、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程455、および、設定された減衰係数閾値に等しいか、またはこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程457へ進んでよい。なお、設定された減衰係数閾値は、一般に、伝搬経路内の物理的ポイントに対応する。経路上の一部のケーブルモデムは、経路内において、物理的にそのポイントより前に位置してよく、経路上の一部のモデムは、物理的にそのポイントの後に位置してよい。
【0101】
方法は、さらに、モデムのそれぞれに対する割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程459を含んでよい。ステップ453,455,457,459は、ネットワークの各伝搬経路のために反復されてよい。この機能は、各伝搬経路のケーブルモデムと通信可能に結合されたCMTSの制御プロセッサによって実行あるいは制御され得る。CMTSと、通信可能に結合されたモデムのそれぞれとの間で、堅牢な双方向通信をどのように実行できるかについては、本開示に照らして明白となるであろう。
【0102】
制御プロセッサのアーキテクチャ
図4eは、本発明の一実施形態により構成された制御プロセッサのブロック図を示す。制御プロセッサは、データフォーマットインタフェースモジュール471と、データフォーマット選択モジュール473と、デジタル信号レベル検出モジュール475と、減衰プロフィールモジュール477と、チャネル割り当てモジュール479と、を含む。こうしたモジュールは、例えば、マイクロプロセッサまたは他の適切な処理環境でアクセスされる(例えば、プロセッサ読み取り可能な媒体またはマイクロプロセッサ自体に格納される)実行命令セットとして実現される。
【0103】
データフォーマットインタフェースモジュールは、制御プロセッサをデータフォーマットモジュールにインタフェースし、双方向通信用に構成される。このインタフェースは、さらに、ケーブルモデムを対象としない回復信号を除去または他の形で無視することに適してよい。データフォーマット選択モジュールは、データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードを選択できるようにプログラムされ、またはその他の形で構成される。デジタル信号レベル検出モジュール475は、回復信号の信号レベル/パワーを検出するように構成される。
【0104】
各検出済みパワーレベルは、減衰プロフィールモジュール477によって格納され、取り扱われる。例えば、既知のパワーレベルで送信されたテスト信号の受信パワーレベルは、送信したモデムに関連する減衰係数(Prx/Ptx)を計算および格納するために、減衰プロフィールモジュール477によって利用され得る。また、減衰プロフィールモジュール477は、ネットワーク内のどのモデムが信号を送信したかを決定するために、実際のユーザ信号の受信信号レベルを既知の減衰係数と比較できる。チャネル割り当てモジュール479は、データフォーマットインタフェースモジュール471と、減衰プロフィールモジュール477と、に通信可能に結合され、データと、対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、をケーブルモデムの変調器に提供するようにプログラムされる。
【0105】
本発明の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されている。上記の説明は、包括的なものではなく、また、開示した厳密な形態に本発明を限定するものではない。本開示に照らして、多くの変形例および変更例が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、本明細書に付記した特許請求の範囲によって限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態により構成されたケーブルモデムのブロック図
【図2】本発明の一実施形態による、容量増大逆方向リンクプロトコルを示す図
【図3a】本発明の一実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す図
【図3b】本発明の別の実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す図
【図4a】本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの逆方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4b】本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4c】本発明の別の実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4d】本発明の別の実施形態による、ケーブルネットワークのCMTSによって採用される方法を示す図
【図4e】本発明の一実施形態により構成された制御プロセッサのブロック図
【図5】代表的なケーブルネットワークアーキテクチャを示す図
【図6】代表的なケーブルモデムの設備を示す図
【図7】代表的なケーブルモデムのブロック図
【図8】順方向リンクのためのデータフレームのフォーマットを示す図
【図9】逆方向リンクのためのデータフレームのフォーマットを示す図
【技術分野】
【0001】
関連出願:本願は、2002年12月17日提出の米国仮出願第60/434,006号の利益を主張する。また、本願は、2001年4月18日提出の米国仮出願第60/284,629号の利益を主張する2002年4月18日提出の米国出願第10/125,241号の一部継続出願である。また、本願は、2003年5月30日提出のPCT出願第(未知)号「帯域幅効率に優れたワイヤレスネットワークモデム」代理人整理番号20020029−PCTに関連する。これらの出願のそれぞれは、参照によりその開示内容全体が本願明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電気通信に関し、特に、割り当て周波数帯域幅の効率的な使用が望ましいケーブルテレビおよびその他の有線ネットワーク用のデジタル信号復調器および変調器に関する。
【背景技術】
【0003】
ケーブルモデムは、ケーブルテレビ(CATV)ネットワークを介してデジタルデータを送受信する。こうしたネットワークは、当初、テレビ放送を送信するために設置された。近年、多くのCATVネットワークは、双方向データ通信を提供するためにアップグレードされている。既存のテレビ放送ネットワークにケーブルモデムを追加することで、ローカルエリアコンピュータネットワークに似たネットワーク機能が形成される。放送を受信するのに使用される当初のテレビ受像機は、データを送受信可能な端末およびモデムを用いて拡張可能である。
【0004】
放送CATVネットワークをケーブルモデムネットワークへ変換するには、双方向通信用のネットワークを構成する必要がある。システムに双方向増幅を追加することによって、端末信号をヘッドエンドへ返信し得る。また、ヘッドエンドから端末への順方向の送信と、端末からヘッドエンドへ戻る逆方向の送信と、の双方に、希少な帯域幅が割り当てられる。
【0005】
殆どのCATVネットワークは、ファイバ−同軸ハイブリッド(HFC)ネットワークである。信号は、ヘッドエンドセンタから加入者の近くの場所へ、光ファイバケーブルを通って伝送される。ここで、信号は、加入者の端末に至る同軸高周波ケーブルへ変換される。双方向データネットワークでは、ケーブルモデムは、ヘッドエンドから受信したデジタル伝送(ダウンストリーム)を復調および回復し、ヘッドエンドへ戻るデジタル伝送(アップストリーム)を変調および送信するために、全てのユーザ端末に設置される。同様に、ケーブルモデムは、端末から受信したデジタル伝送を復調および回復し、端末へ戻るデジタル伝送を変調および送信するために、ヘッドエンドに設置される。
【0006】
代表的なケーブルネットワーク構成は、端末ネットワークへ向けてデータをダウンストリームへ発信するケーブルモデム伝送システム(CMTS)を備えたヘッドエンドを含む。割り当てられたTVチャネルにつき、約2000台のモデムを、ツリーネットワーク構成でCMTSに接続できる。さらに多くのケーブルモデムが必要な場合は、CMTSにさらに多くのチャネルを追加することで、TVチャネルの数を増加させる。ネットワークの物理的範囲は、数十キロメートル以上となる場合が多い。こうした伝送範囲では、信号強度は端末毎に実質的に変化し、増幅段階が必要となる。ツリー構成において、モデムは、CMTSのみと直接的に通信する。モデム対モデムの通信は、CMTSを介して行われる。
【0007】
代表的なネットワーク信号のパラメータを下の表にまとめる。
【表1】
ダウンストリームチャネルは、64値直交振幅変調(QAM)または256QAM信号を使用して、それぞれ合計27または56Mビット/秒の搬送を行う。各ダウンストリームデータ伝送チャネルに割り当てられた合計帯域幅は、6〜8MHzである。ダウンストリームチャネルは、一般に、50MHzと850MHzとの間に置かれる。アップストリームチャネルは、QPSKまたは16QAMを使用して、合計3Mビット/秒の搬送を行う。各アップストリームデータ伝送に割り当てられた合計帯域幅は、2MHzである。アップストリームチャネルは、一般に、5MHzと50MHzとの間に置かれる。
【0008】
ケーブルモデムは、一般に、コンピュータまたは特別なセットトップボックスに接続される。コンピュータ接続は、通常、外部コネクタ、内部PCIバスカード、またはワイヤレスアダプタを介して実現される。ネットワーク内の各ケーブルモデムは、タイムスロット内でバーストを発信し、各スロットは、リザーブ、競合、またはレンジングとして特徴付けられる。各アップストリームチャネルは、名目上16バイト長のミニスロットに分割されるが、CMTSによって128バイト長までに設定できる。アップストリーム帯域幅は、200,400,800,1600,または3200kHzである。リザーブスロットは、特定のケーブルモデムに対して予約されたタイムスロットであり、その時間に他のケーブルモデムが送信を行わない状態を確保する。CMTSは、ベンダ固有の帯域幅割り当てアルゴリズムを介して、様々なケーブルモデムにタイムスロットを割り当てる。リザーブスロットは、通常、長距離データ送信のために使用される。
【0009】
競合スロットとして特徴付けられたタイムスロットは、任意のケーブルモデムによる送信に利用可能である。現行のシステムでは、2台のケーブルモデムが同じタイムスロット中に送信した場合、パケットが衝突し、データは失われる。CMTSは、データが受信されなかったことを信号で伝える。ケーブルモデムは、その後、ランダムに発生させた別の時期に再送信を行う。競合スロットは、通常、非常に短いデータの送信、特に、さらに多くのデータを送信する多数のリザーブスロットの要求のために使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
CMTSとネットワークケーブルモデムとの間の物理的距離は、実質的に異なる時間遅延を発生させる。一般に、遅延は、数ミリ秒のオーダである。補償するために、ケーブルモデムは、レンジングプロトコルを採用し、受信した全ての通信がCMTSに到着した際の正しいフレーム境界と整合するように、個別のケーブルモデムのクロックを遅延に対して補正する。米国のシステムでは、多数の連続したタイムスロットが、レンジングのために周期的に割り当てられる。一例では、ケーブルモデムは、第2のタイムスロットでの送信を命令される。受信時、CMTSは、ケーブルモデムに対してローカルクロックの補正値(例えば、小さな正または負の補正値)を送信する。レンジングバーストの前後には、レンジングバーストが他のトラフィックと衝突しない状態を確保するために、少なくとも1つの空きタイムスロットが存在する。また、CMTSとネットワークケーブルモデムとの間の物理的距離は、ネットワーク内の種々のモデム間で異なる送信信号減衰レベルを発生させる。ケーブルモデムからCMTSへの減衰の変動は、15dBより大きく変化し得る。レンジングスロットの別の目的は、ネットワーク内の全てのケーブルモデムから受信した振幅を整合させることである。CMTSにおける費用効率に優れた復調のために、振幅の整合は、衝突の検出とビット誤り率の最小化とにとって不可欠である。
【0011】
動作中、1つのダウンストリームチャネルは、通常、多数のアップストリームチャネルとペアになり、必要なデータ帯域幅のバランスを達成する。ダウンストリームデータは全てのケーブルモデムによって受信されるため、合計帯域幅は、システム上の全てのアクティブなモデム間で共有される。各モデムは、データのストリームから必要なデータをフィルタリングして取り出す。多くのモデムが同じチャネルを共有するとき、実効スループットは、100分の1または1000分の1まで低下する。そのため、多数のパケットを同じチャネル上で多重化する方式が非常に望ましい。さらに、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSが干渉パケットを受信および回復できることが望ましい。
【0012】
したがって、必要なものは、多数のパケットを同じチャネル上で多重化し、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSによる干渉パケットの受信および回復を可能にする手法である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一実施形態は、複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたヘッドエンドCMTSを含むケーブルネットワークの帯域幅効率を向上させる方法を提供する。方法は、ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを、経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように、決定する工程を含む。方法は、経路上の2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、複数のモデムに対する割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程と、へ進む。減衰プロフィールを決定する工程により、例えば、CMTSは、ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを利用することができる。
【0014】
こうした一実施形態において、複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含み、方法は、さらに、経路上の各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程を含む。あるいは、方法は、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程を含む。これに代えて、あるいは、これと共に、方法は、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程を含む。
【0015】
減衰プロフィールは、例えば、CMTSと経路上の各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルのテスト信号を送信し、これにより、CMTSに対応する各モデムに関連する減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される。あるいは、減衰プロフィールは、経験的データに基づいて決定される。減衰プロフィールを決定するその他の手法は、本開示に照らして明白であろう。方法は、さらに、経路上の各ケーブルモデムへ減衰プロフィールをブロードキャストする工程を含んでよい。なお、決定工程と、割り当て工程と、送信工程とは、例えば、CMTSモデムによって実行され得る。
【0016】
方法は、さらに、送信済みのチャネル割り当てマップに応答した2つ以上のケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルで同時に受信する工程と、共同チャネル復調機能を使用して各要求を回復する工程とを含む。この実施形態において、方法は、各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程と、第2のチャネル割り当てマップを送信する工程と、へ進んでよく、第2のマップは、第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む。方法は、第2のマップに応答した複数のケーブルモデムから受信したデータを対応する複数の送信先へ提供する工程へ続いてよい。
【0017】
本発明の別の実施形態は、伝搬経路によって複数のケーブルモデムと通信可能に結合されたCMTSを含むケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を提供する。方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された複数の信号を同時に受信する工程を含み、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する。方法は、さらに、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程と、第1のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去またはその他の形で無視する工程とを含む。回復信号を除去する工程は、例えば、各回復信号に関連するヘッダ情報と複数の個別のパワーレベルとの少なくとも一方に基づき得る。
【0018】
方法は、さらに、第2のケーブルモデムにおいて、複数の信号を同時に受信する工程を含んでよく、各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、1つの受信信号のみがノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。方法は、第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する該1つの受信信号を復調する工程へ続き、その他の減衰信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出不能である。
【0019】
一実施形態において、第2のモデムは、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置し、これにより、第2のモデムによる他の減衰信号の検出不能性を確保する。ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する1つの受信信号は、第1のパワーレベルで送信可能であり、他の減衰信号は、第2の低いパワーレベルで送信可能である。
【0020】
代替の実施形態において、方法は、さらに、第2のケーブルモデムにおいて、複数の信号を同時に受信する工程を含んでよく、各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は依然としてノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。ここで、方法は、第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程と、第2のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、へ続く。第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して回復された信号のそれぞれは、実質的に同じパワーレベルで送信され得る。
【0021】
本発明の別の実施形態は、複数のケーブルモデムを含むケーブルネットワークにおける帯域幅の効率的使用を可能にするケーブルモデムを提供する。ケーブルモデムは、共同チャネル復調を使用して、同時に同じチャネルで送信されたK個の干渉信号を同時に復調および回復するのに適したマルチユーザ検出モジュールを含む。データフォーマットモジュールは、マルチユーザ検出モジュールに対して動作可能に結合され、K個の回復信号のうちの少なくとも1つのためのネットワークデータパケットを生成するように適している。制御プロセッサは、フォーマットモジュールに対して動作可能に結合され、1つ以上の伝搬経路の既知の減衰特性に基づいて干渉伝送を意図的にスケジュールすることによって、ケーブルネットワークの1つ以上の伝搬経路に関連する既存の振幅マージンを利用するのに適する。通信中のモデムが非MUD対応であることを制御プロセッサが知ること応じて、制御プロセッサは、さらに、レガシプロトコルモードを可能にし、これにより、下位互換性を提供することに適してもよい。
【0022】
一実施形態において、ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、制御プロセッサは、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当て、これにより、レガシプロトコルモードを可能にすることに適する。これに代えて、あるいは、これと共に、さらに、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てることに適してよい。
【0023】
制御プロセッサは、例えば、双方向通信用に構成され、制御プロセッサをデータフォーマットモジュールにインタフェースすることに適したデータフォーマットインタフェースモジュールを含んでよい。データフォーマット選択モジュールは、データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードの選択を許容するように構成される。データフォーマットインタフェースモジュールは、さらに、ケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去するように構成してもよい。別の実施形態において、制御プロセッサは、複数の回復信号の信号レベルを検出するように構成されたデジタル信号レベル検出モジュールと、ネットワークの他の複数のモデムに関連する複数の減衰係数を計算および格納するように構成された減衰プロフィールモジュールと、を含む。減衰プロフィールモジュールは、さらに、ネットワーク内のどのモデムが信号を送信したかを決定するために、複数の実際のユーザ信号の複数の受信信号レベルを複数の既知の減衰係数と比較するように構成してもよい。
【0024】
一実施形態において、ケーブルモデムは、変調器を含み、制御プロセッサは、さらに、データと、既知の減衰特性に基づいた対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、を変調器に提供するように構成されたチャネル割り当てモジュールを含む。データフォーマットモジュールは、複数のタイプのフォーマットモードをサポートしてよく、制御プロセッサは、さらに、データフォーマットモジュールが動作するフォーマットモードを選択するように構成できる。
【0025】
本明細書で説明する特徴および利点は、包括的なものではなく、特に、多くの付加的特徴および利点は、図面、明細書、および特許請求の範囲を考慮すると、当業者には明らかであろう。さらに、本明細書に使用された用語は、専ら読み易さおよび教示の目的から選択されており、発明の対象の範囲を限定するものではないことに留意されたい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の実施形態は、割り当て周波数帯域の効率的使用が望ましいケーブルおよび他の有線ネットワーク用のデジタル信号復調器/変調器を提供する。1つの実施形態において、同じチャネル上で多数のパケットを多重化し、後の時点での再送信を強いることなく、CMTSによる干渉パケットの受信および回復を可能にするのに適したケーブルモデムが提供される。適用例には、北米または欧州の規格に従ったヘッドエンドと端末との間でデータを送信するケーブルテレビシステムが含まれる。モデムは、既存のネットワークデバイスとの相互運用性を維持するのに必要な機能を含む。本発明の実施形態について説明する前に、図5〜図9を参照して、ケーブルネットワークおよび構成に関するいくつかの背景情報を提供する。
【0027】
ケーブルネットワークおよび構成
図5は、ケーブルネットワーク構成の例を示す。ケーブルネットワークは、多数のケーブルモデム(CM)510a〜pを含む端末ネットワークにデータを送信するケーブルモデム伝送システム(CMTS)505aを有するヘッドエンド505を備える。代表的なネットワークでは、割り当てられたTVチャネルにつき、約2000台のケーブルモデム510が、ツリーネットワーク構成でCMTSに接続される。さらに多くのケーブルモデムが必要な場合は、CMTSにさらに多くのチャネルを追加することで、TVチャネルの数を増加させる。ネットワークの物理的範囲は、数十キロメートル以上となる場合が多い。こうした伝送範囲では、信号強度は端末毎に実質的に変化し、増幅段階が必要となる。ツリー構成において、ケーブルモデム510は、CMTS505aのみと直接的に通信する。モデム対モデムの通信は、CMTS505aを介して間接的に達成される。
【0028】
ケーブルモデムは、一般に、コンピュータまたは特別なセットトップボックスに接続される。コンピュータ接続は、通常、外部コネクタまたは内部PCIバスカードを介して達成される。図6は、設備の例を示す。殆どの場合、ケーブルモデム615は、テレビ受像機セットまたは関連デバイス(例えば、VCR)に既にサービスを提供しているケーブル回線に追加される。この場合、通常、パワースプリッタ605と新しいケーブルとが必要になる。パワースプリッタ605は、レガシテレビ機器(例えば、テレビ620a〜bおよびVCR625)と、ケーブルモデム615を接続する新しいケーブル部分と、の間で、受信信号を分割する。テレビ機器は、ケーブルモデム615に接続する新しいケーブルを使用しない。
【0029】
ハイパスフィルタ610は、ケーブルモデム615がパケットバーストを送信するときにテレビ機器が誤作動しないように、あるいは、干渉を受けないように、テレビ機器のケーブル部分から低周波非テレビ信号を分離する。したがって、ハイパスフィルタ610は、TVチャネル周波数のみを通過させ、ケーブルモデム615によって送信されるアップストリーム周波数帯域を遮断する。フィルタ615の別の理由は、屋内配線からの低いアップストリーム周波数範囲でのノイズ伝送を遮断することである。数千の個別の住居(または他の端末位置)のそれぞれで導入されたノイズは、ヘッドエンド505へ向かうアップストリーム経路において蓄積される。
【0030】
図7は、一般的なケーブルモデムの内部アーキテクチャを示しており、ケーブルモデムは、チューナ705と、復調器710と、変調器715と、メディアアクセスコントローラ(MAC)720と、インタフェース725と、を含んでいる。チューナ705は、テレビチャネルを選択し、受信信号を固定中間周波数(IF)に変換する。復調器710は、中間周波数データをサンプリングし、MPEGフレームの復調、エラー訂正、同期を行う。MAC720は、MPEGフレームからデータを抽出し、他のケーブルモデムを対象とするデータを遮断し、プロトコルを実行し、アップストリーム伝送バーストを開始する。送信側において、バースト変調器715は、エンコード(例えば、リードソロモン(Reed-Solomon))と、デジタル変調と、D/A変換と、固定IFへのアップコンバージョンと、を実行する。チューナ705は、固定IFをアップコンバートし、バーストを送信する。
【0031】
チューナ705は、CATVアウトレットに直接的に接続する。チューナ705は、ダイプレクサ705aを含み、ダイプレクサ705aは、同じデバイスを介してアップストリーム信号(例えば、ハイパスフィルタ経由)およびダウンストリーム信号(例えば、ローパスフィルタ経由)の双方の通信を可能にする。あるいは、ダイプレクサ705aは、チューナ705の外部に設けることができる。チューナ705は、復調が不可能となる程度までデジタル変調信号を歪ませることなくデジタル変調(例えば、QAM)信号を受信するのに、充分に良好な品質である。
【0032】
受信方向において、チューナ705によって出力されたIF信号は、復調器710に供給される。1つの適用例では、復調器710は、A/Dコンバータと、QAM64/256復調器と、MPEGフレーム同期と、リードソロモンエラー訂正と、で構成される。ダウンストリーム変調は、通常、シンボル当たり6ビットの64QAM(標準)であるが、シンボル当たり8ビットの256QAM(高速だがノイズに敏感)であってもよい。
【0033】
送信方向において、バースト変調器715の出力は、チューナ705に与えられる。1つの適用例では、バースト変調器715は、各バーストに対してリードソロモンエンコードを実行し、波形発生器を使用してデータを選択された周波数のQPSK/QAM16波形にデジタル変調するものであり、変調データをアナログ出力信号に変換するD/Aコンバータを備えた構成となる。出力信号は、可変出力レベルを備えたラインドライバに供給可能であるため、信号レベルは、未知のケーブル損失を補償するために調整され得る。
【0034】
MACプロセッサ720は、モデムの受信および送信経路間において、適切に作用可能に結合される。このプログラム可能なデバイスは、他のモデムにアドレス指定されたパケットを廃棄し、DOCSIS(データオーバケーブルサービスインタフェース仕様)または他のケーブルプロトコルに従って、自己のモデムのためのパケットデータを処理するように構成される。ケーブルからモデムによって受け取られ、MACプロセッサ720を介して受け入れられたデータは、コンピュータインタフェース725へ供給される。送信方向において、データは、インタフェース725から受け取られ、MAC720を介して処理され、チューナ705を介したケーブルへの送信のために変調器715へ提供される。
【0035】
外部ケーブルモデムも、全体的な制御を提供するためにプロセッサ730を必要とする。ただし、内部ケーブルモデムは、一般に、ホストコンピュータのCPUによって、コンピュータバスを介して制御される。
【0036】
未加工データレートは、以下に示す変調および帯域幅に依存する。
64−QAM 256−QAM
6MHz 31.2Mbit/s 41.6Mbit/s
8MHz 41.4Mbit/s 55.2Mbit/s
上記の計算においては、帯域幅8MHzに対して6.9Mシンボル/秒のシンボルレートが使用され、帯域幅6MHzに対して5.2Mシンボル/秒が使用されている。未加工ビットレートは、エラー訂正、フレーミング、および他のオーバヘッドに起因して、実効データレートより幾分高い。順方向エラー訂正は、例えば、米国システム向けのITU−T J.83Bに従って実行される。バーストエラーを緩和するためにインタリーブが使用され、4ミリ秒の待ち時間を犠牲にして、95ミリ秒の保護を行う。
【0037】
順方向リンクまたはダウンストリームパケットのフォーマットを図8に示す。米国のシステムにおいて、順方向リンクデータは、MPEG−TS(トランスポートストリーム)仕様に従ってフレーム化される。188/204バイトブロックフォーマットが、各ブロックの前の8ビットの同期バイトと共に使用される。リードソロモンエラー訂正アルゴリズムは、ブロックサイズを204バイトから188バイトに低減し、187をMPEGヘッダおよびペイロードのために残す。この特定のフォーマットは、204バイト内で6個のエラーを訂正する。
【0038】
このレベルでは、ネットワーク規格が異なると理解されるであろう。一部の規格では、MPEG−TSペイロード内での可変データフォーマットが許容されている。例えば、DVB/DAVIC規格では、MPEG−TSペイロード内部のフレーミングは、ATMセルのストリームである。パケットは、一定のネットワークに含まれる1台、多数、または全てのモデムにアドレス指定される。ケーブルモデムパケットは、MPEGヘッダ内にプログラム識別子(例えば、0x1FFE)を有する。
【0039】
図9に示すように、逆方向リンクまたはアップストリームデータは、短いバーストに配置される。DAVIC/DVB規格は、固定長バーストを必要とし、一方、MCNS規格は、可変長バーストを指定する。各パケットは、CMTS復調器を受信データパケットに同期させるために使用される「固有ワード」で始まる。一般に、同期ワードは、約32ビットである。リードソロモンエラー訂正は、殆どの規格で使用されるが、その他のエラー訂正手法も同様に使用できる。DVB/DAVICでは、バースト当たりに1つのATMセルが存在する。ペイロードは、MACメッセージまたはデータで構成される。DVB/DAVICにおいて、チャネル化(channelization)は、3ミリ秒毎のタイムスロットである。より長いデータは、リザーブタイムスロットにおいて送信される。小さなデータは、競合タイムスロット中に送信される。
【0040】
DOCSISには4つの層が存在する。物理層は、変調の定義および同軸媒体の観点から以前に説明した。MPEG−2伝送収束層も、188バイトMPEG−2フレーム内のケーブルモデムデータのカプセル化の観点から説明した。メディアアクセス制御層は、リターンパスに対するケーブルモデムのアクセスを制御する。CMTSは、ケーブルモデムに対して、送信の時期および長さを伝え、これにより、要求/許可メカニズムを使用してリターンパスへのアクセスを制御する。このタイプのプロトコルを使用することで、ケーブルモデムは、CMTSから、特定の量のデータを送信する機会を要求する。
【0041】
CMTSが送信すべきデータを有する全てのモデムからの要求を受信したとき、CMTSは、これに応じて、ミニスロット、またはリターンパス上の送信機会を確保する。周期的に数ミリ秒毎に、CMTSは、順方向リンクパスを介して、各モデムに許可された特定のミニスロットを示すメッセージを、ケーブルモデムに送信する。帯域幅の確保の結果として、モデムは、送信を行うための衝突のないインターバルを保証される。CMTSは、特定のエンドユーザに提供されるサービスのタイプに基づいて、モデムに帯域幅を割り当てる役割を担う。
【0042】
要求メッセージを送信する時間を最初に割り当てられることなく、モデムが帯域幅を要求するために、CMTSは、周期的に、競合期間中に要求を送信する任意のモデムにリターンチャネルの一部を割り当てる。こうした要求は、別のモデムからの要求と衝突してもよい。しかしながら、CMTSは、衝突の数を最小限にするために、競合要求インターバルの長さと周波数との双方を変更できる。衝突が検出された場合、メッセージを送信したケーブルモデムは、CMTSによる通知を受け、ランダムなインターバルだけバックオフした後(待った後)、要求を再送信する。
【0043】
最も上のDOCSIS層は、セキュリティ層である。将来のシステムは、進歩した物理層を提供し得る。周波数アジャイルTDMA、同期CDMA、および直交FDM変調が提供される可能性がある。ボイスオーバIPに似たストリーミングサービスのようなものを含め、サービスも進歩するであろう。
【0044】
帯域幅効率に優れたケーブルモデム
図1は、本発明の一実施形態による、同じチャネル上で干渉デジタル信号を送信すると共に同時に復調するために構成されたケーブルモデムのブロック図を示す。モデムは、アナログフロントエンド105と、パラメータ推定モジュール110と、マルチユーザ検出(MUD)モジュール115と、複数のデコーダのバンク117と、データフォーマットモジュール120と、制御プロセッサ125と、変調器130と、デマルチプレクサ135と、を含む。アナログフロントエンド105は、チューナ105aに結合されたネットワークI/Oポートと、アナログ−デジタル(AD)コンバータ105bと、増幅器105cと、を含む。
【0045】
レシーバ側では、信号が、ケーブルを介してネットワークI/Oポートで受信され、アナログフロントエンド105を経由して処理され、モジュール110,115,117によって復調/回復され、データフォーマットモジュール120によってフォーマットされる。結果として生じたデータ信号1〜Kは、次に、デマルチプレクサ135に提供される。デマルチプレクサ135は、対象となる信号であるデータ信号m(データ信号1〜Kのうちの1つ)を選択するのに適している。この選択信号mは、その後、例えば、ネットワークまたは直接接続を介して、ユーザmへ提供される。データフォーマットモジュール120とデマルチプレクサ135とは、制御プロセッサ125からの制御入力に従って動作する。例えば、データフォーマットモジュール120によって実行される従来のフォーマット化またはデコードは、制御プロセッサ125によって制御または監視できる。制御プロセッサ125は、さらに、MUDモジュール115によって回復されたどの信号がデータフォーマットモジュール120によって処理されるか、およびどの回復信号がモジュール120によって除去または無視されるか、を制御できる。
【0046】
トランスミッタ側では、デマルチプレクサ135が、ユーザmからの双方向ラインを使用して、ネットワーク/バックボーンまたはローカルホストから送信データmを受領する。データは、制御プロセッサ125によって提供されるバースト制御に従って、モジュール130によって変調され、増幅器105cによって増幅され、送信のためにチューナ105aを介してネットワークI/Oポートに提供される。一般に、制御プロセッサ125は、変調器130からのデータの流れを制御し、これにより、モデムが送信を行う時期と、モデムがユーザmのために送信を行わない時期と、を制御する。レガシ送信モードもサポートされ、これにより、このモデムが通信しているリモートモデムが本発明の原理に従って動作するように構成されていない場合に、下位互換性を提供する。
【0047】
RFレシーバ−MUD対応
ケーブルからの信号は、ネットワークI/Oポートを介してチューナ105aに結合される。チューナ105aは、適切なチャネルの信号を、処理の前に、ベースバンドまたは他の相対的に低い周波数の信号に変換する。ベースバンドにおいて、A/Dコンバータ105bは、受信信号をデジタル化し、サンプルデータストリームにする。フィルタリング、増幅、および他の従来の処理が、アナログフロントエンド105において実施されてもよい。
【0048】
サンプルデータストリームは、パラメータ推定モジュール110への入力として提供される。パラメータ推定モジュール110は、干渉デジタル信号のための同期デバイスである。パラメータ推定モジュール110は、受信信号に存在する複数の干渉信号のそれぞれについての相対的な受信タイミングのオフセットと、位相と、受信振幅と、マルチパス構造と、を推定する。このパラメータ推定の結果は、K個の信号のそれぞれの推定複合シグネチャ波形のマトリクス(S)であり、MUDモジュール115がチャネル信号を分離するのを助けるために使用される。
【0049】
MUDモジュール115は、A/Dコンバータ105bからの入力に加えて、推定複合シグネチャ波形のSマトリクスを使用して、従来行われているように干渉信号からデータビットを回復する。MUDモジュール115は、回復データビットをフォーマットモジュール120への入力として供給する。フォーマットモジュール120は、バッファデバイスとして動作し、K個の干渉送信のそれぞれのためのデータパケットを生成する。パケット形式は、通信モデムによって使用されている所定のアプリケーションおよびプロトコルなどの要素に依存する。
【0050】
なお、MUDモジュール115は、複数のデコーダ(1〜K)のバンク117と適切に作用可能に結合され、各デコーダはMUDモジュール115の対応する出力と通信可能に結合される。デコーダバンク117は、MUDモジュール115によって出力されるK個の信号のそれぞれの回復シンボルストリーム(数1)を受け取り、そして、シンボルをビットに変換して、現在のビットを以前のビットおよび/または後続のビットと比較し、その後、ビットを再びシンボルに変換することによって、各ユーザのためのエラー訂正を提供する。ここでは、Soft ViterbiまたはBCJRデコーディング等の任意の数の種々のデコーディングアルゴリズムを採用可能である。こうした従来のエラー訂正の結果は、シンボル推定のマトリクス(b(n))であり、特定のシンボルの優れた推定を提供するために、MUDモジュール115によって、反復プロセスにおいて使用される。
【数1】
【0051】
K個の信号のそれぞれのためにモジュール110,115,117によって実行される反復復調プロセスは、例えば、特定された反復回数に達するまで、または、現在および以前の反復での補償シンボル推定間の差が所定の閾値を下回るまで、継続できる。
【0052】
アナログフロントエンド105とパラメータ推定モジュール110とMUDモジュール115とデコーダバンク117とのそれぞれは、従来の技術で実施できる。ただし、変形も可能である。例えば、パラメータ推定器110は、米国特許出願第10/228,787号「マルチユーザ検出レシーバのためのパラメータ推定器」において説明されるように構成可能である。MUDモジュール115は、米国出願第10/105,918号「反復マルチユーザ検出器システムにおける処理時間を低減するシステム」において説明されるように、シンボルに関する以前の情報を用いてMMSE MUDとして動作するように構成できる。これらの出願は、それぞれ、参照により全体を本明細書に組み込むものとする。
【0053】
データフォーマットモジュール120も、従来の技術で実施できるが、さらに、制御プロセッサ125と連動して動作するようにしてもよい。特に、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120が動作するフォーマットモードを選択するように構成してよい。フォーマットモードは、モデムが受信データストリームを供給するネットワークまたはローカルホスト(例えば、ATM、PSTN、ISDN、パーソナルコンピュータ)に依存する。データフォーマットモジュール120は、多数のタイプのフォーマットモードをサポートするように構成できる。
【0054】
回復データ信号1〜Kは、データフォーマットモジュール120によって出力されてデマルチプレクサ135に提供される。デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125によって提供された入力に基づいて、意図された信号mを選択する。一例では、制御プロセッサ125は、データフォーマットモジュール120からの受信信号1〜Kのそれぞれについて、パケットヘッダ情報を受け取る。データ信号のパケットヘッダ情報は、様々な情報の中で特に、そのデータ信号の意図された送信先を含む。このため、特定のモデムを意図したデータ信号が識別可能であり、他の受信データ信号は無視可能である。したがって、制御プロセッサ125は、ヘッダ情報を問い合わせて制御信号をデマルチプレクサ135に供給し、デマルチプレクサ135は、意図されたデータ信号mのみの通過を許容する。また、制御プロセッサ125は、干渉モデムのパケットヘッダを使用して、どのモデムがチャネルを共有しているかを決定する。パケットヘッダの送信元および送信先アドレスにより、制御プロセッサ125は、どのモデムがデータの送信および受信を同時に成功できるかのログを維持できる。こうしたログは、適応性のあるスケジューリング手法を容易にする。
【0055】
代替または追加として、制御プロセッサ125は、CMTSから受け取った減衰プロフィールに基づいて、信号パワーの閾値を設定するように構成可能であり、データフォーマットモジュール120によって受信されたその閾値を上回らない回復信号は、効率よく無視される。なお、マルチプレクサ135とデータフォーマットモジュール120との機能は、1つのモジュールに統合可能であり、または、制御プロセッサモジュール125への統合も可能である。制御プロセッサ125は、対応する送信モード(例えば、レガシモードまたは本発明による帯域幅効率に優れたモード)を可能にする。
【0056】
RFトランスミッタ
データmは、ネットワーク/バックボーンまたはユーザmのローカルホストから、デマルチプレクサ135に提供され、デマルチプレクサ135は、制御プロセッサ125の制御下で動作する変調器130へ提供する準備として、発信データをバッファする。多数のアクセス方式(例えば、FDMA、TDMA、CDMA)および変調(例えば、二位相シフトキーイング、4位相シフトキーイング、ダイレクトシーケンス拡散スペクトル、直交振幅変調、直交周波数分割多重化、およびパルス位置変調)が変調器130によって実施され得る。送信時間は、制御プロセッサ125のバースト制御によってトリガされる。制御プロセッサ125の機能は、図2〜4を参照して説明される。この制御プロセッサ125は、例えば、マイクロプロセッサやデジタルシグナルプロセッサなどの適切な処理環境で実行されるソフトウェア命令セットにより実現可能である。あるいは、制御プロセッサ125は、特殊用途向けに構築されたシリコン(例えば、ASICまたはFPGA)で実現可能である。
【0057】
帯域幅効率に優れたプロトコル−アップストリーム
図2は、本発明の一実施形態による、容量増大逆方向リンクプロトコルのタイミング図を示す。この例において、CMTSは、干渉信号の同時回復を可能にするMUD復調器を含む。この意味において、CMTSは、図1を参照して説明したように、MUD対応である。
【0058】
時間T1において、CMTSは、実効開始時間がT3である第1のチャネル割り当てマップを送信する。後の時間T2において、ケーブルモデム1(CM1)は、CMTSからのメッセージを受信する。伝搬遅延のために異なる時間T2*において、ケーブルモデム2(CM2)は、同じメッセージを受信する。双方のケーブルモデムCM1およびCM2は、チャネル要求機会について、第1のマップをスキャンする。要求の衝突を最少化するために、双方のモデムは、最新のマップである第1のマップにおけるデータバックオフ開始値に基づいたランダムオフセットとして、T6を計算する。ここでは、ランダムオフセットを発生させるその他の基準を使用してもよい。ランダムなアクシデントにより、CM1およびCM2の双方は、T6のために同じ値を計算する。
【0059】
時間T4において、CM1は、送信を希望するパケットデータを収容するのに必要な数のミニスロットの要求を送信する。時間T4は、要求がT6でCMTSに到着するように、レンジングオフセットに基づいて選択される。同様に、CM2は、レンジングオフセットに基づいて時間T4*を計算し、T6でCMTSに同時に到着する要求を送信する。
【0060】
T6において、CMTSは、衝突する要求を受信する。従来のデジタル復調器を利用するCMTSの場合には、受信データは、理解不能であり、この結果、要求への応答(acknowledge)が失敗する。なお、双方のモデムCM1,CM2は、次のマップの送信終了まで待機する必要があり、データ許可を得られず、アクセスを再試行できない。このプロセスによって、輻輳したネットワークの場合におけるシステムスループットの低下が発生する。しかしながら、CMTSがMUD復調器(即ち、MUD対応)を含む場合には、CMTSは、双方のパケットを同時に回復し、要求をデコードして、チャネル割り当てを計算する。
【0061】
時間T7において、CMTSは、実効開始時間がT9である第2のマップを送信する。第2のマップ内において、CM1およびCM2の双方のデータ許可は、T11に開始される。CM1およびCM2によって送信された衝突パケットの復調に成功することで、CMTSは、双方のモデムが同時に送信に成功できると判断しており、これにより、別の場合にはCM2のために別個に割り当てる必要があるチャネルを節約する。この意味において、帯域幅の効率性が達成される。
【0062】
時間T8およびT8*のそれぞれでは、CM1およびCM2のそれぞれは、第2のマップをそれぞれ受信し、データ許可についてスキャンする。時間T10およびT10*のそれぞれでは、CM1およびCM2のそれぞれは、パケットがT11で同時にCMTSに到着するように、同じタイムスロットおよび同じチャネルにおいて、データを送信する。時間T10およびT10*は、前述したように、レンジングオフセットから計算される。
【0063】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、三体衝突に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムによる送信をスケジュールすることも可能となる。CMTS内の共同チャネル復調器は、充分なマージンがあれば干渉データを分解する。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0064】
帯域幅効率に優れたプロトコル−ダウンストリーム
図3aは、本発明の一実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す。この特定のケースでは、伝搬経路内の一方のモデムは、共同チャネル変調器(MUD対応)を有し、伝搬経路内の他方のモデムは、レガシタイプのモデムであり、本発明の原理に従って構成されていない。
【0065】
一般に、信号対ノイズの環境は、順方向信号が前のブースタ増幅器から伝搬するときの伝搬損失によって、大幅に変化する。したがって、本発明の実施形態に従って構成された特別なMUD対応ケーブルモデムを、ブースタ増幅器の近くに位置する端末に割り当てることが可能である。この場合には、周波数およびタイムスロットにおいて同じチャネルを共有するが、ブースタ増幅器からさらに離れて位置する他の複数のモデムに影響を与えることなく、こうした特別なモデムへデータを送信し得る。
【0066】
第1のパネルは、CMTSにおいて発信される信号のレベルを示している。CM2を対象とする信号S2のパワーレベルは、伝搬損失に対する充分なマージンを提供できるように、ノイズフロアNを大きく(例えば、3dB以上)上回るdBである。ブースタ増幅器に充分に近くに位置し、変調のためにノイズフロアNを上回る充分なマージンを依然として有するならば、共同チャネル復調器を備えた別のケーブルモデム1(CM1)を対象とする同時パケットを送信することが可能である。
【0067】
第2のパネルは、CM1によって受信された信号のレベルを示している。図示するように、信号S2は、相対的に強いパワーレベルで到着する。しかしながら、信号S1およびS2が依然としてノイズフロアNより充分に高ければ、信号S2は、CM1の共同チャネル変調器によって識別可能である。双方の信号レベルは、CMTSとCM1との間の伝搬損失により減衰したことが分かるが、介在するブースタ増幅器によって、信号レベルは、ノイズフロアNを充分に(例えば、3dB以上)上回る状態に維持できている。
【0068】
第3のパネルは、CM2によって受信された信号のレベルを示している。この時点では、信号S1は、伝搬損失によって、ノイズフロアNの下に埋もれるポイントまで減衰している。CM1のために挿入された余分なパケットは、弱すぎるため、CM2における従来の復調の性能に影響を与えない。この意味において、ネットワークは、CM2に影響を与えることなくCM1にもデータを送信するために、CM2に割り当てられたタイムスロットを借りた、或いは「盗んだ」と言える。余分な容量は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。
【0069】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。性能データ(例えば、ネットワークの各伝搬経路の減衰プロフィール)を経時的に測定し、その後、(例えば、各モデム内でローカルに、あるいはネットワークと通信可能に結合された中央記憶装置内にリモートに)格納することが可能である。したがって、既知の減衰が干渉の可能性のある信号を有効に排除するほど、特定のチャネルに関連するレガシモデムが充分に遠く離れているとき、データは、特定のチャネルの借用タイムスロットにおいて送信できる。この意味において、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置する複数のモデムは、レガシモデムであってもよく、本明細書で説明したタイムスロット借用手法に影響されない。
【0070】
信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、3つ以上の同時送信に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムへの送信をスケジュールすることも可能である。伝搬経路内の既知の減衰閾値ポイントより前の全てのモデムは、データを分解するために共同チャネル復調器を備える必要がある。既知の減衰ポイントより後のモデムは、MUD対応モデムまたはレガシモデムにしてよい。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0071】
図3bは、本発明の別の実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す。この特定のケースでは、モデムCM1およびCM2の双方が、共同チャネル復調器を有し、したがってMUD対応である。
【0072】
前述したように、本発明の実施形態に従って構成された特別なMUD対応ケーブルモデムを、ブースタ増幅器の近くに位置する端末に割り当てることが可能である。この場合には、周波数およびタイムスロットにおいて同じチャネルを共有しつつ、ブースタ増幅器からさらに離れて位置する他のモデムに影響を与えることなく、こうした特別なモデムへデータを送信し得る。
【0073】
第1のパネルは、CMTSにおいて発信される信号のレベルを示している。図示するように、CM1を対象とする信号S1のパワーレベルは、伝搬損失に対する充分なマージンを提供するために、ノイズフロアNを大きく(例えば、3dB以上)上回るdBである。同様に、変調のためにノイズフロアNを上回る充分なマージンを信号S2が有するならば、別のモデムCM2を対象とする同時パケットである信号S2を送信することが可能となる。
【0074】
第2のパネルは、CM1によって受信された信号のレベルを示している。信号S2は、相対的に強いパワーレベルで到着する。しかしながら、S1およびS2が依然としてノイズフロアNより充分に(例えば、3dB以上)高ければ、共同チャネル変調器によって識別可能である。S1およびS2の双方の信号レベルは、CMTSとCM1との間の伝搬損失により減衰したことが分かる。
【0075】
第3のパネルは、CM2によって受信された信号のレベルを示している。伝搬損失によって、信号S1およびS2の双方はさらに減衰している。しかしながら、共同チャネル変調にとって充分なマージンが、依然として存在している。共同チャネル変調器を備えた双方のモデムが同じスロットに割り当てられているため、余分な容量は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。レンジングデータの使用を介して、CMTSは、ネットワーク内の各モデムの伝搬環境を追跡可能であり、したがって、減衰プロフィールを各通信リンク(例えば、CMTSと特定のケーブルモデムとの間)に提供できる。この情報によって、最適なネットワークの利用のために本明細書で説明されるような適応性のあるチャネルスケジューリングの使用が可能となる。
【0076】
この手法の有効性は、ケーブルネットワーク内の伝搬環境に依存する。信号レベルが強く、ノイズレベルが低い場合には、方法を拡張して、3つ以上の同時送信に対応できる。さらに、同じタイムスロット内の同じ搬送周波数上で、3台またはさらに多くのモデムへの送信をスケジュールすることも可能である。この特定の手法を使用すると、各送信信号がほぼ同じパワーレベルで送信されるため、ケーブルネットワークの伝搬経路内の各モデムは、データを分解するための共同チャネル復調器を備える必要がある。反対に、双方の送信がケーブルの全長で伝送されるようなノイズの多いケースでは、各通信機のために別個のチャネルを維持する必要が生じ得る。
【0077】
共同チャネルモデム信号をノイズフロアより下に減衰させるために信号S1とS2との間での余分なマージンまたは距離は必要ないため、この手法は、図3aにおいて説明した共同チャネルおよびレガシ手法より多くのケースでサービスを提供できる。
【0078】
MUD対応CMTSは、モデム要求が実際に干渉するか否かの共同チャネル割り当てを作成する。MUD対応CMTSは、ネットワークのケーブルモデムからの受信振幅データに基づいて干渉送信を意図的にスケジュールする。この意味において、MUD対応CMTSは、逆方向リンク上で存在する場所に関係なく、振幅マージンを活用する。
【0079】
手順−アップストリーム
図4aは、本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの逆方向リンク(アップストリーム)容量を増大させる方法を示す。方法は、例えば、図1を参照して説明したようなMUD対応CMTSによって実行され得る。
【0080】
方法は、第1のチャネル割り当てマップを送信する工程401で開始される。ダウンストリームネットワークに含まれる各ケーブルモデムは、CMTSに対応するそのケーブルモデムに関連する伝搬遅延に応じて、種々の時点でマップを受け取る。こうしたダウンストリームケーブルモデムは、チャネル要求機会について、第1のマップをスキャン可能であり、要求の衝突を最少化するためにランダムオフセットを計算してよい。ケーブルモデムは、その後、自分のデータを送信するのに必要なタイムスロットに関する各自の要求を送信し得る。
【0081】
方法は、送信済みの第1のチャネル割り当てマップに応答したケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルにおいて同時に受信する工程403、および、CMTSの共同チャネル変調機能を使用して、各要求を回復する工程405へ続く。方法は、その後、各要求をデコードする工程407、および、各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程409へ進む。
【0082】
次に、方法は、第2のチャネル割り当てマップを送信する工程411へ進んでよい。第2のマップは、第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む。したがって、ダウンストリームモデムによって送信された衝突する要求の復調に成功することで、CMTSは、2つ以上のモデムが同じタイムスロットおよび同じチャネルでの送信に成功できると判断し、これにより、別の場合には応答モデムのそれぞれに別個に割り当てる必要があるチャネルを節約する。それぞれのダウンストリームモデムは、その後、送信された第2のマップを受信し、データ許可についてスキャンし、パケットがCMTSに同時に到着するように、同じタイムスロットおよび同じチャネルでデータを送信する。
【0083】
方法は、さらに、ケーブルモデムから受信したデータを、CMTSによって適切な送信先へ提供する工程413を含んでよい。また、方法は、さらに、ダウンストリームケーブルモデムから同時に受信する後続の任意の応答のために、受信、回復、デコード、(適当な場合)計算、および(適当な場合)提供のステップを反復する工程を含んでよい。
【0084】
一実施形態において、送信、デコード、計算、および提供のステップ(401,407,409,411,413)は、図1のケーブルモデムの制御プロセッサ(125)によって実行、あるいは制御されることが可能であり、一方、受信および回復のステップ(403,405)は、MUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。データフォーマットモジュール120は、前述したように、制御プロセッサによる制御に応答するようにプログラムされ得る。したがって、フォーマットおよびデコードモードは、制御プロセッサ125によって命令可能であり、どの回復信号が処理または無視されるかについても同様である。この例示的な実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、および他の構成要素(例えば、110,117)の支援的役割と、のバリエーションは、本開示に照らして明白となるであろう。例えば、データフォーマットモジュール120と制御プロセッサ125との機能は、単一のモジュールに統合され得る。
【0085】
手順−ダウンストリーム
図4bは、本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク(ダウンストリーム)容量を増大させる方法を示す。方法は、例えば、図1を参照して説明したように構成された1台以上のMUD対応ダウンストリームケーブルモデムを有するネットワークにおいて実行してよい。ただし、方法は、経路の所定の減衰閾値ポイントを超えて位置する少なくとも1つのレガシモデムを有する伝搬経路に対する下位互換性を提供する。
【0086】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで多数の信号を同時に受信する工程421で開始され、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有している。受信信号は、例えば、伝搬経路に関連するCMTS、または、ケーブルネットワークに含まれる他のモデムによって送信されたものであってよい。また、送信された信号は、1つ以上の介在するブースタ増幅段階で増幅されていてもよい。
【0087】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程423へ続く。方法は、次に、第1のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程425あるいは無視する工程へ進む。一実施形態において、無視される回復信号は、各信号に関連するヘッダ情報が示すような受信ケーブルモデムを対象にしないと特定されたものである。
【0088】
別の実施形態において、無視される回復信号は、信号パワーが設定された閾値を下回るものであり、閾値は、CMTSから受信した減衰プロフィールに基づく。減衰プロフィールは、例えば、ローカルの制御プロセッサ125に格納され得る。したがって、信号は、既知のパワーレベルで送信可能であり、意図した送信先における信号パワーレベルは、減衰プロフィールに基づいて予測できる。したがって、受信モデムでの閾値を設定できる。これにより、同じタイムスロットで受信した信号を、それぞれのパワーレベルに基づいて識別できる。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでよい。
【0089】
方法は、第2のケーブルモデムにおいて、多数の信号を同時に受信する工程427へ続く。各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰した状態となり、この結果、1つの受信信号のみがノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有し、他の信号はノイズフロアに対して充分ではない高さである対応するパワーレベル(例えば、ノイズフロア以下のパワーレベル)を有する。
【0090】
方法は、第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する信号のみを復調する工程429へ続く。ここでは、他の減衰した信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出されない。この一意的な検出が可能となるのは、検出された信号が同じスロット内の別の信号が送信されたパワーレベルよりも強いパワーレベルで送信されたためである。方法は、さらに、復調信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットまたは他の従来の処理を実行する工程と、を含んでよい。
【0091】
こうした方法により、既知の減衰が干渉の可能性のある信号を有効に排除するほど、特定のチャネルに関連するレガシモデムが充分に遠く離れているとき、データは、特定のチャネルの借用タイムスロットにおいて送信できる。この意味において、既知の減衰閾値に関連する伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置するモデムは、(単一チャネル変調機能のみを採用する)レガシモデムにすることが可能であり、伝搬経路において前方に位置する(既知の減衰閾値ポイントより前の)MUD対応ケーブルモデムを対象とするデータによるタイムスロットの借用によって影響されない。
【0092】
一実施形態において、除去するステップ(425)は、図1のケーブルモデムの制御プロセッサ(125)によって実行あるいは制御されることが可能であり、一方、受信および回復するステップ(421,423)は、MUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。第2のモデムの受信およびデコードするステップ(427,429)は、従来のケーブルモデム復調器によって実行され得る。この例示的実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、および他の構成要素(例えば、110,117,120)の支援的役割と、のバリエーションは、前述したように本開示に照らして明白となるであろう。
【0093】
図4cに示す代替の実施形態では、第2のケーブルモデムも、MUD対応であり、本発明の原理に従って構成されている。ここでは、方法は、第1のケーブルモデムにおいて、同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された多数の信号を同時に受信する工程431で開始され、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する。受信信号は、例えば、伝搬経路に関連するCMTS、または、ケーブルネットワークに含まれる他のモデムによって送信されたものであってよい。また、送信された信号は、介在するブースタ増幅段階で増幅されていてもよい。
【0094】
方法は、第1のケーブルモデムにおいて、第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程433へ続く。方法は、次に、(例えば、各信号に関連するヘッダ情報または個別のパワーレベルによって示されるような)第1のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程435あるいは無視する工程へ進む。なお、この実施形態では、経路内の各ケーブルモデムはMUD対応であるため、同じスロット内の送信信号のパワーレベルは、同じパワーレベルを有してよい。したがって、信号の送信パワーレベルが同じである場所では、各送信パワーレベルに対する減衰プロフィールの影響を考慮することによって、受信パワーレベルを識別し得る。しかしながら、回復信号を識別するために他のメカニズム(例えば、ヘッダ情報)が利用可能である場合、受信パワーレベルを知る必要はない。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでもよい。
【0095】
方法は、第2のケーブルモデムにおいて、多数の信号を同時に受信する工程437へ続く。各信号の対応するパワーレベルは、伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は、依然としてノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する。方法は、第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程439、および(例えば、各信号に関連するヘッダ情報または個別のパワーレベルによって示されるような)第2のケーブルモデムを対象としない回復信号を除去する工程441あるいは無視する工程へ続く。方法は、さらに、各信号をデコードする工程と、任意の必要なフォーマットを実行する工程と、を含んでもよい。
【0096】
双方のMUD対応ケーブルモデムが同じスロットに割り当てられているため、余分な容量(帯域幅の効率性)は、ネットワーク内で動作するレガシ端末にトランスペアレントに提供される。レンジングデータの使用(例えば、既知のパワーレベルの信号の送受信)を介して、CMTSは、ネットワーク内の各ケーブルモデムの伝搬環境を追跡可能であり、したがって、減衰プロフィールを提供できる。この情報によって、最適なネットワークの利用と帯域幅の効率性とのために本明細書で説明するような適応性のあるチャネルスケジューリングの使用が可能となる。
【0097】
一実施形態において、除去するステップ(435,441)は、前述したように第1および第2のモデムのそれぞれにおいて構成された制御プロセッサ(125)によって実行あるいは制御されることが可能であり、一方、各モデムの受信および回復するステップ(431,433,437,423)は、対応するMUDモジュール(115)によって実行されることが可能である。この例示的実施形態と、フロントエンド(105)、変調器(130)、その他の構成要素(例えば、110,117,120)の支援的役割と、のバリエーションは、前述したように本開示に照らして明白となるであろう。
【0098】
図4dは、ケーブルネットワークのCMTSによって採用される他の方法を示す。この特定の実施形態は、経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように、ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを決定する工程451を含む。減衰プロフィールを決定することにより、CMTSは、ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを活用できる。一実施形態において、減衰プロフィールは、ネットワーク内のCMTSと各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルの信号を送信し、これにより、CMTSに対応する各モデムに関連する減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される。例えば、CMTSモデムは、各モデムに特定のパワーレベルで信号を送信するように要求可能であり、CMTSは、その後、(CMTSモデムによって測定された)受信信号パワーに基づいて、各モデムに関連する減衰を決定できる。代替の実施形態において、減衰プロフィールは、既知の経験的データに基づいて決定できる。
【0099】
減衰プロフィールは、例えば、各モデムと対応する減衰係数とを列挙するインデックス付き参照テーブルであってもよい。なお、減衰プロフィールは、(例えば、リンク初期化またはトレーニング手順中に)ブロードキャストされ、各ケーブルモデムで格納されてもよい。各ケーブルモデムは、プロフィール全体または対応する減衰係数のみを格納できる。したがって、任意の1台のモデムを対象とする信号は、予測可能な受信パワーレベルによって特定可能である。例えば、予測可能な受信パワーは、既知の減衰係数によって調整された既知の送信パワー(例えば、Ptx×減衰係数)に等しい。
【0100】
方法は、さらに、ネットワークの2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程453を含む。1つ以上の非MUD対応モデムを含むネットワークにおいて、方法は、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てる工程455、および、設定された減衰係数閾値に等しいか、またはこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程457へ進んでよい。なお、設定された減衰係数閾値は、一般に、伝搬経路内の物理的ポイントに対応する。経路上の一部のケーブルモデムは、経路内において、物理的にそのポイントより前に位置してよく、経路上の一部のモデムは、物理的にそのポイントの後に位置してよい。
【0101】
方法は、さらに、モデムのそれぞれに対する割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程459を含んでよい。ステップ453,455,457,459は、ネットワークの各伝搬経路のために反復されてよい。この機能は、各伝搬経路のケーブルモデムと通信可能に結合されたCMTSの制御プロセッサによって実行あるいは制御され得る。CMTSと、通信可能に結合されたモデムのそれぞれとの間で、堅牢な双方向通信をどのように実行できるかについては、本開示に照らして明白となるであろう。
【0102】
制御プロセッサのアーキテクチャ
図4eは、本発明の一実施形態により構成された制御プロセッサのブロック図を示す。制御プロセッサは、データフォーマットインタフェースモジュール471と、データフォーマット選択モジュール473と、デジタル信号レベル検出モジュール475と、減衰プロフィールモジュール477と、チャネル割り当てモジュール479と、を含む。こうしたモジュールは、例えば、マイクロプロセッサまたは他の適切な処理環境でアクセスされる(例えば、プロセッサ読み取り可能な媒体またはマイクロプロセッサ自体に格納される)実行命令セットとして実現される。
【0103】
データフォーマットインタフェースモジュールは、制御プロセッサをデータフォーマットモジュールにインタフェースし、双方向通信用に構成される。このインタフェースは、さらに、ケーブルモデムを対象としない回復信号を除去または他の形で無視することに適してよい。データフォーマット選択モジュールは、データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードを選択できるようにプログラムされ、またはその他の形で構成される。デジタル信号レベル検出モジュール475は、回復信号の信号レベル/パワーを検出するように構成される。
【0104】
各検出済みパワーレベルは、減衰プロフィールモジュール477によって格納され、取り扱われる。例えば、既知のパワーレベルで送信されたテスト信号の受信パワーレベルは、送信したモデムに関連する減衰係数(Prx/Ptx)を計算および格納するために、減衰プロフィールモジュール477によって利用され得る。また、減衰プロフィールモジュール477は、ネットワーク内のどのモデムが信号を送信したかを決定するために、実際のユーザ信号の受信信号レベルを既知の減衰係数と比較できる。チャネル割り当てモジュール479は、データフォーマットインタフェースモジュール471と、減衰プロフィールモジュール477と、に通信可能に結合され、データと、対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、をケーブルモデムの変調器に提供するようにプログラムされる。
【0105】
本発明の実施形態の上記の説明は、例示および説明の目的で提示されている。上記の説明は、包括的なものではなく、また、開示した厳密な形態に本発明を限定するものではない。本開示に照らして、多くの変形例および変更例が可能である。本発明の範囲は、この詳細な説明ではなく、本明細書に付記した特許請求の範囲によって限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の一実施形態により構成されたケーブルモデムのブロック図
【図2】本発明の一実施形態による、容量増大逆方向リンクプロトコルを示す図
【図3a】本発明の一実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す図
【図3b】本発明の別の実施形態による、順方向リンク容量増大のためのタイムスロットスチール手法を示す図
【図4a】本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの逆方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4b】本発明の一実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4c】本発明の別の実施形態による、ケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法を示す図
【図4d】本発明の別の実施形態による、ケーブルネットワークのCMTSによって採用される方法を示す図
【図4e】本発明の一実施形態により構成された制御プロセッサのブロック図
【図5】代表的なケーブルネットワークアーキテクチャを示す図
【図6】代表的なケーブルモデムの設備を示す図
【図7】代表的なケーブルモデムのブロック図
【図8】順方向リンクのためのデータフレームのフォーマットを示す図
【図9】逆方向リンクのためのデータフレームのフォーマットを示す図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたヘッドエンドCMTSを含むケーブルネットワークの帯域幅効率を向上させる方法であって、
前記ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを、前記経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように決定する工程と、
前記経路上の2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、
前記複数のモデムに対する前記割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程と、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
前記経路上の各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上の前記MUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程と、
設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上の前記MUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、
を備える、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
前記減衰プロフィールは、前記CMTSと前記経路上の各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルのテスト信号を送信し、これにより、前記CMTSに対応する各モデムに関連する前記減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記減衰プロフィールは、経験的データに基づいて決定される、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、さらに、
前記経路上の各ケーブルモデムへ前記減衰プロフィールをブロードキャストする工程を含む、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、
前記決定工程と、前記割り当て工程と、前記送信工程とは、CMTSモデムによって実行される、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、さらに、
前記送信済みのチャネル割り当てマップに応答した2つ以上のケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルで同時に受信する工程と、
共同チャネル復調機能を使用して各要求を回復する工程と、
を備える、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、さらに、
各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程と、
第2のチャネル割り当てマップを送信する工程と、
を備え、
前記第2のマップは、前記第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法であって、さらに、
前記第2のマップに応答した複数のケーブルモデムから受信したデータを、対応する複数の送信先へ提供する工程を備える、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法であって、
減衰プロフィールを決定する前記工程は、前記CMTSに、前記ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを利用可能にする、方法。
【請求項14】
伝搬経路によって複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたCMTSを含むケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法であって、
第1のケーブルモデムにおいて、
同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程と、
前記第1のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、
を備える方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、さらに、
第2のケーブルモデムにおいて、
前記複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号の前記対応するパワーレベルは、前記伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、前記複数の受信信号のうちの1つのみが前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する前記1つの受信信号を復調する工程であって、その他の減衰信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出不能である、前記工程と、
を備える、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記第2のモデムは、既知の減衰閾値に関連する前記伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置し、これにより、前記第2のモデムによる他の減衰信号の検出不能性を確保する、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、
前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する前記1つの受信信号は、第1のパワーレベルで送信されており、他の減衰信号は、より低い第2のパワーレベルで送信されている、方法。
【請求項18】
請求項14記載の方法であって、さらに、
第2のケーブルモデムにおいて、
前記複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号の前記対応するパワーレベルは、前記伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は依然として前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程と、
前記第2のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、
を備える、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、
前記第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して回復された複数の信号のそれぞれは、実質的に同じパワーレベルで送信されている、方法。
【請求項20】
請求項14記載の方法であって、
複数の回復信号を除去する工程は、各回復信号に関連するヘッダ情報と複数の個別のパワーレベルとの少なくとも一方に基づく、方法。
【請求項21】
複数のケーブルモデムを含むケーブルネットワークにおける帯域幅の効率的使用を可能にするケーブルモデムであって、
共同チャネル復調を用いて、同時に同じチャネルで送信されたK個の干渉信号を同時に復調および回復するように構成されたマルチユーザ検出モジュールと、
前記マルチユーザ検出モジュールに対して動作可能に結合され、かつ、前記K個の回復信号のうちの少なくとも1つのためのネットワークデータパケットを生成するように構成されたデータフォーマットモジュールと、
前記フォーマットモジュールに対して動作可能に結合され、かつ、前記1つ以上の伝搬経路の既知の減衰特性に基づいて干渉伝送を意図的にスケジュールすることによって、前記ケーブルネットワークの1つ以上の伝搬経路に関連する既存の振幅マージンを利用するように構成された制御プロセッサと、
を備えるケーブルモデム。
【請求項22】
請求項21記載のモデムであって、
前記データフォーマットモジュールは、複数のタイプのフォーマットモードをサポートし、
前記制御プロセッサは、前記データフォーマットモジュールが動作するフォーマットモードを選択するように構成される、モデム。
【請求項23】
請求項21記載のモデムであって、
通信中のモデムが非MUD対応であることを前記制御プロセッサが知ることに応じて、前記制御プロセッサは、さらにレガシプロトコルモードを可能にして下位互換性を提供するように構成される、モデム。
【請求項24】
請求項21記載のモデムであって、
前記ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てることにより、レガシプロトコルモードを可能にするように構成される、モデム。
【請求項25】
請求項21記載のモデムであって、
前記ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てるように構成される、モデム。
【請求項26】
請求項21記載のモデムであって、
前記制御プロセッサは、
双方向通信用に構成されると共に、前記制御プロセッサを前記データフォーマットモジュールにインタフェースするように構成されたデータフォーマットインタフェースモジュールと、
前記データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードの選択を許容するように構成されたデータフォーマット選択モジュールと、
を含む、モデム。
【請求項27】
請求項26記載のモデムであって、
前記データフォーマットインタフェースモジュールは、さらに、前記ケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去するように構成される、モデム。
【請求項28】
請求項21記載のモデムであって、
前記制御プロセッサは、
前記複数の回復信号の信号レベルを検出するように構成されたデジタル信号レベル検出モジュールと、
前記ネットワークの他の複数のモデムに関連する複数の減衰係数を計算および格納するように構成された減衰プロフィールモジュールと、
を含む、モデム。
【請求項29】
請求項28記載のモデムであって、
前記減衰プロフィールモジュールは、さらに、前記ネットワーク内のどのモデムが前記信号を送信したかを決定するために、複数の実際のユーザ信号の複数の受信信号レベルを複数の既知の減衰係数と比較するように構成される、モデム。
【請求項30】
請求項21記載のモデムであって、
前記ケーブルモデムは、変調器を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、
データと、前記既知の減衰特性に基づいた対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、を前記変調器に提供するように構成されたチャネル割り当てモジュールを含む、モデム。
【請求項1】
複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたヘッドエンドCMTSを含むケーブルネットワークの帯域幅効率を向上させる方法であって、
前記ネットワークの伝搬経路に関連する減衰プロフィールを、前記経路上の各ケーブルモデムが既知の減衰係数を有するように決定する工程と、
前記経路上の2つ以上のMUD対応ケーブルモデムを同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、
前記複数のモデムに対する前記割り当てを反映するチャネル割り当てマップを送信する工程と、
を備える方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
前記経路上の各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上の前記MUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程を備える、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法であって、
前記複数のケーブルモデムは、1つ以上の非MUD対応モデムを含んでおり、
前記方法は、さらに、
設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、固有のタイムスロットに割り当てる工程と、
設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上の前記MUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てる工程と、
を備える、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、
前記減衰プロフィールは、前記CMTSと前記経路上の各ケーブルモデムとの間で既知のパワーレベルのテスト信号を送信し、これにより、前記CMTSに対応する各モデムに関連する前記減衰係数が特定されるのを許容することによって、決定される、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法であって、
前記減衰プロフィールは、経験的データに基づいて決定される、方法。
【請求項8】
請求項1記載の方法であって、さらに、
前記経路上の各ケーブルモデムへ前記減衰プロフィールをブロードキャストする工程を含む、方法。
【請求項9】
請求項1記載の方法であって、
前記決定工程と、前記割り当て工程と、前記送信工程とは、CMTSモデムによって実行される、方法。
【請求項10】
請求項1記載の方法であって、さらに、
前記送信済みのチャネル割り当てマップに応答した2つ以上のケーブルモデムからの要求を、同じタイムスロットおよび同じチャネルで同時に受信する工程と、
共同チャネル復調機能を使用して各要求を回復する工程と、
を備える、方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、さらに、
各要求に基づいてチャネル割り当てを計算する工程と、
第2のチャネル割り当てマップを送信する工程と、
を備え、
前記第2のマップは、前記第1のチャネル割り当てマップに応答した1つ以上のモデムに対するデータ許可を含む、方法。
【請求項12】
請求項11記載の方法であって、さらに、
前記第2のマップに応答した複数のケーブルモデムから受信したデータを、対応する複数の送信先へ提供する工程を備える、方法。
【請求項13】
請求項1記載の方法であって、
減衰プロフィールを決定する前記工程は、前記CMTSに、前記ケーブルネットワークの逆方向リンクに関連する既存の振幅マージンを利用可能にする、方法。
【請求項14】
伝搬経路によって複数のケーブルモデムに通信可能に結合されたCMTSを含むケーブルネットワークの順方向リンク容量を増大させる方法であって、
第1のケーブルモデムにおいて、
同じタイムスロットおよび同じチャネルで送信された複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号は、ノイズフロアに対して充分に高い対応するパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第1のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して、各信号を同時に回復する工程と、
前記第1のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、
を備える方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、さらに、
第2のケーブルモデムにおいて、
前記複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号の前記対応するパワーレベルは、前記伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、前記複数の受信信号のうちの1つのみが前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第2のケーブルモデムの単一チャネル変調機能を使用して、前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する前記1つの受信信号を復調する工程であって、その他の減衰信号は、単一チャネル変調機能を使用して検出不能である、前記工程と、
を備える、方法。
【請求項16】
請求項15記載の方法であって、
前記第2のモデムは、既知の減衰閾値に関連する前記伝搬経路内のポイント以降に物理的に位置し、これにより、前記第2のモデムによる他の減衰信号の検出不能性を確保する、方法。
【請求項17】
請求項16記載の方法であって、
前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する前記1つの受信信号は、第1のパワーレベルで送信されており、他の減衰信号は、より低い第2のパワーレベルで送信されている、方法。
【請求項18】
請求項14記載の方法であって、さらに、
第2のケーブルモデムにおいて、
前記複数の信号を同時に受信する工程であって、各信号の前記対応するパワーレベルは、前記伝搬経路の減衰プロフィールに基づいて減衰し、この結果、各信号は依然として前記ノイズフロアに対して充分に高いパワーレベルを有する、前記工程と、
前記第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して各信号を同時に回復する工程と、
前記第2のケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去する工程と、
を備える、方法。
【請求項19】
請求項18記載の方法であって、
前記第2のケーブルモデムの共同チャネル復調機能を使用して回復された複数の信号のそれぞれは、実質的に同じパワーレベルで送信されている、方法。
【請求項20】
請求項14記載の方法であって、
複数の回復信号を除去する工程は、各回復信号に関連するヘッダ情報と複数の個別のパワーレベルとの少なくとも一方に基づく、方法。
【請求項21】
複数のケーブルモデムを含むケーブルネットワークにおける帯域幅の効率的使用を可能にするケーブルモデムであって、
共同チャネル復調を用いて、同時に同じチャネルで送信されたK個の干渉信号を同時に復調および回復するように構成されたマルチユーザ検出モジュールと、
前記マルチユーザ検出モジュールに対して動作可能に結合され、かつ、前記K個の回復信号のうちの少なくとも1つのためのネットワークデータパケットを生成するように構成されたデータフォーマットモジュールと、
前記フォーマットモジュールに対して動作可能に結合され、かつ、前記1つ以上の伝搬経路の既知の減衰特性に基づいて干渉伝送を意図的にスケジュールすることによって、前記ケーブルネットワークの1つ以上の伝搬経路に関連する既存の振幅マージンを利用するように構成された制御プロセッサと、
を備えるケーブルモデム。
【請求項22】
請求項21記載のモデムであって、
前記データフォーマットモジュールは、複数のタイプのフォーマットモードをサポートし、
前記制御プロセッサは、前記データフォーマットモジュールが動作するフォーマットモードを選択するように構成される、モデム。
【請求項23】
請求項21記載のモデムであって、
通信中のモデムが非MUD対応であることを前記制御プロセッサが知ることに応じて、前記制御プロセッサは、さらにレガシプロトコルモードを可能にして下位互換性を提供するように構成される、モデム。
【請求項24】
請求項21記載のモデムであって、
前記ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、設定された減衰係数閾値を下回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを固有のタイムスロットに割り当てることにより、レガシプロトコルモードを可能にするように構成される、モデム。
【請求項25】
請求項21記載のモデムであって、
前記ネットワークは、MUD対応モデムおよび非MUD対応モデムの双方を有する伝搬経路を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、設定された減衰係数閾値に等しいか又はこれを上回る減衰係数に関連する各非MUD対応ケーブルモデムを、1つ以上のMUD対応モデムを割り当てたものと同じタイムスロットおよび同じチャネルに割り当てるように構成される、モデム。
【請求項26】
請求項21記載のモデムであって、
前記制御プロセッサは、
双方向通信用に構成されると共に、前記制御プロセッサを前記データフォーマットモジュールにインタフェースするように構成されたデータフォーマットインタフェースモジュールと、
前記データフォーマットモジュールが動作可能な1つ以上のデータフォーマットモードの選択を許容するように構成されたデータフォーマット選択モジュールと、
を含む、モデム。
【請求項27】
請求項26記載のモデムであって、
前記データフォーマットインタフェースモジュールは、さらに、前記ケーブルモデムを対象としない複数の回復信号を除去するように構成される、モデム。
【請求項28】
請求項21記載のモデムであって、
前記制御プロセッサは、
前記複数の回復信号の信号レベルを検出するように構成されたデジタル信号レベル検出モジュールと、
前記ネットワークの他の複数のモデムに関連する複数の減衰係数を計算および格納するように構成された減衰プロフィールモジュールと、
を含む、モデム。
【請求項29】
請求項28記載のモデムであって、
前記減衰プロフィールモジュールは、さらに、前記ネットワーク内のどのモデムが前記信号を送信したかを決定するために、複数の実際のユーザ信号の複数の受信信号レベルを複数の既知の減衰係数と比較するように構成される、モデム。
【請求項30】
請求項21記載のモデムであって、
前記ケーブルモデムは、変調器を含み、
前記制御プロセッサは、さらに、
データと、前記既知の減衰特性に基づいた対応するタイムスロットおよびチャネル割り当てと、を前記変調器に提供するように構成されたチャネル割り当てモジュールを含む、モデム。
【図1】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3a】
【図3b】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図4d】
【図4e】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公表番号】特表2006−512011(P2006−512011A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564662(P2004−564662)
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/017449
【国際公開番号】WO2004/062124
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(502387706)ビーエーイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレーション・インコーポレーテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS INFORMATION AND ELECTRONIC SYSTEMS INTEGRATION INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年6月2日(2003.6.2)
【国際出願番号】PCT/US2003/017449
【国際公開番号】WO2004/062124
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(502387706)ビーエーイー・システムズ・インフォメーション・アンド・エレクトロニック・システムズ・インテグレーション・インコーポレーテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】BAE SYSTEMS INFORMATION AND ELECTRONIC SYSTEMS INTEGRATION INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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