説明

帯状シートの支持装置および支持方法

【課題】帯状シートが巻回されかつデータキャリアが設けられた軸芯部材を支持軸で支持する際に、データキャリアに対するデータの通信を適切に行うための正確な位置合わせが不要な帯状シートの支持装置および支持方法を提供すること。
【解決手段】支持装置2は、筒状部材251における中空部の一端側から挿入されることで当該筒状部材251を支持する支持軸221と、支持軸221を支えるフレーム21とを備え、筒状部材251の内側には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを取付可能な中間壁252が設けられ、支持軸221の先端面には、中間壁252に対向するとともに、当該データキャリアと通信が可能なループアンテナ24が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状シートの支持装置および支持方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の接着シートを繰り出してウェハに貼付する貼付装置において、接着シートが巻回された軸芯部材にデータキャリアを設け、当該データキャリアに書き込まれたデータを読み取って、貼付条件を適切に設定する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の構成では、軸芯部材の内面にデータキャリアを設けるとともに、軸芯部材が装着される巻き出し軸にテープデータ読み書き装置を設けている。そして、軸芯部材を巻き出し軸に装着する際には、軸芯部材の位置合わせ部によって、データキャリアとテープデータ読み書き装置との位置合わせを正確に行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−12807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、データキャリアがテープデータ読み書き装置から離れてしまうと、データの読み取りや書き取り(データの通信)を行うことができなくなるため、データキャリアとテープデータ読み書き装置との位置合わせを正確に行う必要があり、軸芯部材の装着作業が煩わしいという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、帯状シートが巻回されかつデータキャリアが設けられた軸芯部材を支持軸で支持する際に、データキャリアに対するデータの通信を適切に行うための正確な位置合わせが不要な帯状シートの支持装置および支持方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の帯状シートの支持装置は、両端開放型の筒状部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持装置において、前記筒状部材における中空部の一端側から挿入されることで当該筒状部材を支持する支持軸と、前記支持軸を支えるフレームとを備え、前記筒状部材の内側には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを取付可能な中間壁が設けられ、前記支持軸の先端面には、前記中間壁に対向するとともに、当該データキャリアと通信が可能なアンテナが設けられている、という構成を採用している。
【0007】
この際、本発明の帯状シートの支持装置では、前記中間壁には、前記筒状部材の軸線を中心とする壁中心孔が設けられ、前記支持軸の先端面には、前記壁中心孔を貫通する貫通軸が設けられている、ことが好ましい。
また、本発明の帯状シートの支持装置では、前記貫通軸を挿入可能な挿入孔を有し、前記筒状部材の他端側から挿入されることで当該筒状部材を支持可能な位置決め手段を備える、ことが好ましい。
さらに、本発明の帯状シートの支持装置では、前記貫通軸は、先細り形状に形成されている、ことが好ましい。
また、本発明の帯状シートの支持装置では、前記貫通軸の先端には、弾性部材が設けられている、ことが好ましい。
【0008】
一方、本発明の帯状シートの支持方法は、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを取付可能な中間壁が設けられた両端開放型の筒状部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持方法において、先端面に、前記中間壁に対向するとともに、前記データキャリアと通信が可能なアンテナが設けられた支持軸を、前記筒状部材における中空部の一端側から挿入することで当該筒状部材を支持し、前記アンテナを介して前記データキャリアと通信する、という構成を採用している。
【発明の効果】
【0009】
以上のような本発明によれば、筒状部材を支持する支持軸の先端面に、筒状部材の中間壁と対向するアンテナを設けているため、当該中間壁に取り付けられたデータキャリアが支持軸に対してどのような角度で取り付けられても、支持軸の軸線とほぼ平行に発生する磁束の通過位置に、データキャリアを位置させることができ、データキャリアに対するデータの通信を適切に行うための正確な位置合わせが不要となる。
【0010】
この際、支持軸の先端面に貫通軸を設ければ、筒状部材を両側で支持することができ、筒状部材のぶれを抑制して安定して支持することができる。
また、貫通軸に挿入され筒状部材を支持可能な位置決め手段を設けることで、筒状部材の位置決めができる上、筒状部材を両端で支持し、当該筒状部材のぶれを抑制して安定して支持することができる。
さらに、貫通軸を先細り形状とすることで、貫通軸を壁中心孔に容易に貫通させることができる。
また、貫通軸の先端に弾性部材を設ければ、貫通軸の挿入時に貫通軸がデータキャリアや中間壁に接触した場合でも、データキャリアや中間壁の破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1,第2実施形態に係る貼付装置の側面図。
【図2】前記第1実施形態における貼付装置の支持装置の部分断面図。
【図3】前記第2実施形態における貼付装置の支持装置の部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、本発明の内容を理解しやすくするために各構成の形状や配置状態を誇張して示している。また、本実施形態において基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を基準としている。
【0013】
[第1実施形態]
図1において、貼付装置1は、半導体ウェハ(以下「ウェハ」と称す)Wに接着シートSを貼付するものである。ここで、接着シートSは、基材シートBSの一方の面に接着剤層ADが積層されるとともに、当該接着剤層ADを介して剥離シートRLに仮着された帯状シートとしての原反Rとし、中空円筒状の軸芯部材25の外周に巻回されて予め準備されている。
そして、貼付装置1は、接着シートSを繰出可能に支持する支持装置2と、接着シートSを繰り出す繰出手段3と、繰り出された接着シートSをウェハWに押圧して貼付する押圧手段4と、ウェハWと押圧手段4とを相対移動させる移動手段5とを備え、パーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段6によってその全体的な動作が制御されるように構成されている。
【0014】
支持装置2は、フレーム21と、このフレーム21の一面に設けられた支持部22とを備えている。支持部22は、軸芯部材25における中空部の一端側から挿入されることで、軸芯部材25を支持する支持軸221を備えている。
繰出手段3は、その全体がフレーム21に支持され、原反Rを案内する複数のガイドローラ32,33と、原反Rの剥離シートRLを折り返すことで当該剥離シートRLから接着シートSを剥離する剥離板34と、駆動機器としての回動モータ35によって駆動する駆動ローラ36と、駆動ローラ36との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ37と、駆動機器としての回動モータ39によって剥離シートRLを回収する回収ローラ38とを備えている。
押圧手段4は、ゴムや樹脂等の弾性変形可能な部材で構成され、図示しない支持部材により回転自在に支持され、駆動機器としての図示しない直動モータにより昇降可能に設けられている。
移動手段5は、ウェハWが載置され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない吸着保持手段によって当該ウェハWを吸着保持可能なテーブル51と、テーブル51の下面にスライダ52が固定された駆動機器としての単軸ロボット53とを備え、スライダ52をスライド駆動することで、テーブル51を左右方向に移動可能に構成されている。
【0015】
次に、支持装置2について詳細に説明する。
図2に示すように、フレーム21の一方の面(図2中右面)側に位置する支持部22は、支持軸221と、支持軸221の一端(図2中左端)から延びる基端軸222とを備え、基端軸222がフレーム21の他方の面(図2中左面)に設けられた回転軸受23により、回転可能に支持されている。なお、フレーム21には、基端軸222が貫通する図示しない貫通孔が形成されている。本実施形態の場合、支持軸221は、図2中左側が軸芯部材25の内周に摺接する大きさに設けられた円柱状の太軸部221Aである。また、太軸部221Aにおける他端(図2中右端)の先端面221Cには、太軸部221Aに比べて細い円柱状の貫通軸としての細軸部221Bと、この細軸部221Bの図2中右側の先端に設けられた弾性部材224とを備え、細軸部221Bの先端領域から弾性部材224の右側の先端にかけての部分は、先細り形状に形成されている。また、支持軸221の基端軸222側の端部(図2中左端部)は、若干太く形成されており、段差部221Dが構成されている。
【0016】
また、太軸部221Aにおける他端(図2中右端)の先端面221Cには、細軸部221Bを囲うように、導電体をループ状に巻回形成したループアンテナ24が設けられている。なお、ループアンテナ24を保護する保護部材を設けてもよい。
【0017】
軸芯部材25は、接着シートSを巻回可能な両端開放型の筒状部材251と、当該筒状部材251の内側に設けられた中間壁252とを備えている。中間壁252は、ゴムや樹脂等の弾性変形可能な部材で構成され、筒状部材251の軸線D方向の略中央において、軸線Dと直交する面方向に形成されている。
また、中間壁252の中央には、軸線Dを中心に形成され、細軸部221Bの直径よりもやや大きい内径を有する壁中心孔253が設けられている。さらに、壁中心孔253の開口縁には、中間壁252の両面(図2中左右の面)からそれぞれ離れるにしたがって、内径が大きくなる円錐筒状の案内部254が設けられている。
そして、中間壁252における壁中心孔253の外側には、支持軸221と中間壁252との間のエアを抜くための複数のエア抜き孔255が設けられている。
【0018】
また、細軸部221Bの図2中右側には、細軸部221Bを挿通可能な挿入孔262を有するとともに、当該細軸部221Bに沿って移動可能に設けられ、クランパ263の締め付けによってその移動を規制する可動当て板261を備えた位置決め手段26が設けられ、軸芯部材25の軸方向の位置決めが可能になっている。
【0019】
さらに、軸芯部材25の中間壁252には、チップとアンテナとからなるデータキャリア27が設けられている。データキャリア27は、電磁波を通信媒体として、非接触でデータを読み取って記憶したり、非接触でデータを送信したりすることができる非接触型のものである。このような非接触型のデータキャリア27としては、例えば、ICチップと、このICチップに接続された送受信用の導電性コイルとから構成される、いわゆるRFメモリやRFIDタグ等を用いることができる。
なお、導電性コイルの配置位置としては、ループアンテナ24から発生する磁束Mが通過する位置であればよく、軸線Dと直交しループアンテナ24のアンテナ面と対向可能な中間壁252の面であることが好ましい。
【0020】
また、ループアンテナ24には、制御手段6による制御に基づき、データキャリア27に記憶されたデータを読み取ったり、データキャリア27にデータを書き込んだりすることのできるリーダライタ7が接続されている。なお、データキャリア27とループアンテナ24とで通信するデータとしては、接着シートSの種類、材質、品名、コード、厚さ、長さ、幅、直径などの規格寸法、さらには、原反Rのロットナンバー、原反Rを使用した長さ、原反Rの残りの長さ、接着シートSの品質保証期限、繰出開始前後の接着シートSの残数、繰り出された接着シートSの枚数、接着シートSを最適に繰り出すことのできる推奨繰出速度、接着シートSを最適に貼付することができる推奨貼付張力や推奨押圧力などの接着シートSの貼付条件、接着シートSや原反Rについての相談窓口の連絡先などが例示できる。そして、貼付装置1に設けられた図示しないモニタにデータキャリア27から読み取ったデータを表示させたり、読み取ったデータを基に当該貼付装置1の貼付条件を設定したりすることができる。
【0021】
以上の貼付装置1において、ウェハWに接着シートSを貼付する際には、まず、軸芯部材25を支持軸221および位置決め手段26で支持させる。
このとき、細軸部221Bの先端領域から弾性部材224の先端にかけての部分が先細りになっており、案内部254が中間壁252から離れるにしたがって内径が拡がっているので、軸芯部材25を支持させるときの煩わしさが軽減できる。
また、エア抜き孔255から太軸部221Aと中間壁252との間のエアが抜けるので、スムーズに軸芯部材25を支持させることができる。
そして、可動当て板261の挿入孔262に細軸部221Bを挿入し、軸芯部材25の位置決めを行う。これにより、軸芯部材25は、両側で支持されるので、ぐらつかず安定して支持される。
なお、細軸部221Bの先端領域が弾性部材224で構成されているので、データキャリア27や中間壁252に当たっても衝撃が軽減される上、中間壁252も弾性部材で構成されているので、更に衝撃が軽減される。
さらに、軸芯部材25が太軸部221Aの段差部221Dと可動当て板261とで位置決めされると、ループアンテナ24とデータキャリア27とが対向するようになっているため、ループアンテナ24とデータキャリア27との適切な位置決めを容易に行える。
この後、回動モータ35および回動モータ39の駆動により、軸芯部材25を支持軸221および位置決め手段26とともに回転させることで接着シートSを繰り出し、当該接着シートSを移動手段5により搬送されるウェハWに貼付する。
【0022】
ここで、制御手段6は、貼付開始前にリーダライタ7を制御し、ループアンテナ24に電流を流すことで磁束Mを発生させ、データキャリア27に書き込まれたデータを読み取り、当該読み取ったデータに基づいて、貼付装置1全体を制御する。この制御は、例えば、データキャリア27に書き込まれたデータのうち、接着シートSの推奨繰出速度を基にして、回動モータ35及び回動モータ39の回転速度や、単軸ロボット53でテーブル51を移動させる移動速度を決定したり、推奨押圧力を基にして、押圧手段4を昇降させる図示しない直動モータの昇降量を決定し、押圧力を設定したりすることができる。このとき、データキャリア27の対向面271とアンテナ面とが対向するように設けられているため、軸芯部材25を支持軸221で支持させる際の軸線D回りの角度によらず、データキャリア27が磁束Mの通過位置に存在することとなり、リーダライタ7は、軸芯部材25の取り付け角度によらず、データキャリア27のデータを適切に読み取ることができる。
また、制御手段6は、貼付開始後の軸芯部材25の回転中に、リーダライタ7を制御して磁束Mを発生させ、データキャリア27にデータを書き込むこともできる。このように軸芯部材25が回転している場合であっても、データキャリア27が磁束Mの通過位置に常時存在することとなり、リーダライタ7は、データキャリア27にデータを適切に書き込むことができる。このときに書き込むデータとしては、例えば、接着シートSを使用した枚数や、原反Rを使用した長さ等が例示できる。なお、原反Rを使用した長さは、回動モータ35の回転数やパルスによって算出することができる。
そして、所定枚数のウェハWに接着シートSが貼付し終わると、リーダライタ7を制御してデータキャリア27にデータを書き込むこともできる。このときに書き込むデータとしては、例えば、繰出開始前の接着シートSの残数から接着シートSを使用した枚数を差し引いた繰出開始後の接着シートSの残数や、原反Rの残りの長さ等が例示できる。
さらに、中間壁252を筒状部材251の軸線D方向略中央に設けているため、軸芯部材25のいずれの開口端を支持軸221で支持させても、上述のようなデータを適切に読み取る効果を期待できる。
【0023】
以上のような本実施形態によれば、支持軸221の先端面221Cに、筒状部材251内の中間壁252に設けたデータキャリア27と対向するようにループアンテナ24を設けているため、支持軸221に対してどのような角度で筒状部材251が取り付けられても、磁束Mの通過位置にデータキャリア27を位置させることができ、データキャリア27に対するデータの通信を適切に行うための正確な位置合わせが不要となる。
【0024】
[第2実施形態]
図3において、貼付装置1A(図1参照)を構成する支持装置2Aは、フレーム21に支持された支持部22Aを備えている。この支持部22Aと第1実施形態の支持部22との相違点は、支持軸225Aを太軸部221Aのみで構成し、細軸部221Bと弾性部材224を設けていない点である。
また、支持部22Aにおける他端(図3中右端)の先端面221Cには、ループアンテナ24が設けられている。
軸芯部材25Aの筒状部材251には、中間壁252Aが設けられている。この中間壁252Aの外縁側には、複数のエア抜き孔255が設けられ、中間壁252Aには、1個のデータキャリア27Aが設けられている。このデータキャリア27Aのアンテナ面と対向可能な対向面271Aには、導電性コイルが設けられている。
なお、第2実施形態では、軸芯部材25Aは、支持軸225Aにより片持ちで支持されている。
【0025】
以上の貼付装置1Aにおいて、データキャリア27Aとアンテナ面とが対向するように設けられているため、軸芯部材25Aを支持軸225Aで支持させる際の軸線D回りの角度によらず、データキャリア27Aが磁束Mの通過位置に存在することとなり、リーダライタ7は、軸芯部材25Aの取り付け角度によらず、データキャリア27Aのデータを適切に読み取ることができる。
また、軸芯部材25Aが回転している場合であっても、データキャリア27Aが磁束Mの通過位置に常時存在することとなり、リーダライタ7は、データキャリア27Aにデータを適切に書き込むことができる。
【0026】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0027】
例えば、図2および図3に二点鎖線で示すように、ブラケット293Bで保持された駆動機器としての回動モータ291Bの出力軸292Bを、カップリング294Bを介して基端軸222に接続し、回動モータ291Bによって支持軸221,225Aを回転させるようにしてもよい。
また、支持軸221,225Aをフレーム21に対して回転不可能に設けた場合には、軸芯部材25,25Aを支持軸221,225Aに対して回転可能にしてもよい。
さらに、中間壁252,252Aを筒状部材251の端部近傍に設けてもよく、この場合には、支持軸221,225Aの長さを当該支持軸221,225Aの先端面が中間壁252,252A近傍に位置するような長さにすればよい。また、この際、支持軸221の細軸部221Bと、中間壁252の壁中心孔253とを設けなくてもよい。
また、アンテナは、ループアンテナに限定されることはなく、データキャリアと電波で通信ができればよい。さらに、データキャリア27,27Aは、中間壁252,252Aの両面に配置されていてもよいし、各面に1個または複数個配置されていてもよい。
【0028】
さらに、位置決め手段26を設けなくてもよい。また、支持軸221,225Aを長さ方向で直径が変化しない形状としてもよいし、弾性部材224を設けなくてもよい。
また、データキャリア27,27Aは、データの記憶のみができるものであってもよいし、データの送信のみができるものであってもよい。
【0029】
また、本発明における接着シートSの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、他の層を有する等3層以上のものでもよい。また、接着シートSは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムなどであってもよい。半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムに限らず、その他の任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状の接着シート等が適用できる。さらに、板状部材が光ディスクの基板であって、接着シートが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。以上のように、板状部材としては、ガラス板、鋼板、樹脂板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
また、押圧手段4は、ブレード材、エア噴き付け、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用することができる。
さらに、押圧手段4は、前記実施形態で示したもの以外のもので構成してもよく、押圧手段4は板状部材に接着シートが貼付できる限りにおいて何ら限定されるものではない。
【0030】
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【符号の説明】
【0031】
2,2A…支持装置
21…フレーム
24…ループアンテナ(アンテナ)
26…位置決め手段
27,27A…データキャリア
221,225A…支持軸
221A…太軸部(支持軸)
221B…細軸部(貫通軸)
224…弾性部材
251…筒状部材
252,252A…中間壁
253…壁中心孔
262…挿入孔
S…接着シート(帯状シート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端開放型の筒状部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持装置において、
前記筒状部材における中空部の一端側から挿入されることで当該筒状部材を支持する支持軸と、
前記支持軸を支えるフレームとを備え、
前記筒状部材の内側には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを取付可能な中間壁が設けられ、
前記支持軸の先端面には、前記中間壁に対向するとともに、当該データキャリアと通信が可能なアンテナが設けられていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項2】
前記中間壁には、前記筒状部材の軸線を中心とする壁中心孔が設けられ、
前記支持軸の先端面には、前記壁中心孔を貫通する貫通軸が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の帯状シートの支持装置。
【請求項3】
前記貫通軸を挿入可能な挿入孔を有し、前記筒状部材の他端側から挿入されることで当該筒状部材を支持可能な位置決め手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の帯状シートの支持装置。
【請求項4】
前記貫通軸は、先細り形状に形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の帯状シートの支持装置。
【請求項5】
前記貫通軸の先端には、弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の帯状シートの支持装置。
【請求項6】
所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを取付可能な中間壁が設けられた両端開放型の筒状部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持方法において、
先端面に、前記中間壁に対向するとともに、前記データキャリアと通信が可能なアンテナが設けられた支持軸を、前記筒状部材における中空部の一端側から挿入することで当該筒状部材を支持し、
前記アンテナを介して前記データキャリアと通信することを特徴とする帯状シートの支持方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−16547(P2013−16547A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146380(P2011−146380)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】