説明

帯状情報体

【課題】特定の路線の情報が一目で把握することができるとともに、不使用時には巻き取ってコンパクトにし、携帯をしやすくすることができるとともに、その路線のグッズとして駅売店などでの販売が期待される帯状情報体を提供すること。
【解決手段】以下の要件を備えることを特徴とする帯状情報体A。
(イ)上記帯状情報体Aは、帯体1と該帯体1の少なくとも一方の面に表示された視覚情報aとで構成されていること
(ロ)上記視覚情報aは鉄道等の路線に関する情報であること

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状情報体、詳しくは帯体の表面に視覚情報を表示した帯状情報体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道の路線に関する情報を提供する情報体としては様々なものが提案されている(例えば、特許文献1)。この情報体は、シート上に路線の駅名が表示されたもので、路線の駅名が一目でわかるようになっているものである。
【特許文献1】実用新案登録第3067442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする問題点は、上述の情報体はシートを折り畳んで携行しやすいように形成されているが、あくまでシートであるため広げたり畳んだりする作業が発生し、取り扱いが煩雑であるとともに、携行時には折れたり破れたりしないように注意を払わなければならない点であった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決し、特定の路線の情報が一目で把握することができるとともに、不使用時には巻き取ってコンパクトにし、携帯をしやすくすることができるとともに、その路線のグッズとして駅売店などでの販売が期待される帯状情報体を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するために本発明に係る帯状情報体は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記帯状情報体は、帯体と該帯体の少なくとも一方の面に表示された視覚情報とで構成されていること
(ロ)上記視覚情報は鉄道等の路線に関する情報であること
【0006】
なお、前記情報は所定の路線の駅名で構成され、該駅名は路線どおりに配置されるとともに配置間隔は実際の駅間距離に比例して設定されていることが好ましい。
【0007】
また、前記帯体の他方の面には前記駅名の表示位置に対応して始発駅からの所要時間若しくは駅間の所要時間の何れか一方又は両方からなる視覚情報が表示され、所定の駅間の駅名がわかるだけではなく、所定駅間の所要時間も判るようにしてもよい。
【0008】
そして、前記帯状情報体は、前記帯体を巻き取る巻取手段を備え、使用しないときは帯体を巻き取って携帯がしやすいようにしてもよい。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、帯体の表面に鉄道等の路線に関する情報が視覚情報として表示されているので、帯体を引き伸ばすことにより情報が一覧できるし、巻き取れば小さくなり収納しやすい帯状情報体を提供することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、帯体に表示された視覚情報を所定の路線の駅名で構成し、駅名は路線どおりに配置するとともに、駅名の配置間隔は実際の駅間距離に比例して設定することにより、感覚的に駅間の距離を把握することができる。
【0011】
請求項3の発明によれば、帯体の裏面には、始発駅からの所要時間若しくは駅間の所要時間の何れか一方又は両方からなる視覚情報を表示することにより、具体的に駅間の距離を把握することができる。
【0012】
請求項4の発明によれば、帯体を巻き取る巻取手段を備えたので、情報の入手後は帯体を巻き取ってコンパクトにすることができ、携帯に最適な帯状情報体を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
帯状情報体を帯体と該帯体の少なくとも一方の面に表示された視覚情報とで構成し、上記視覚情報を鉄道等の路線に関する情報で構成するとともに、この情報を所定の路線の駅名を路線どおりに配置し、この配置間隔は実際の駅間距離に比例して設定し、帯状情報体には上記帯体を巻き取る巻取装置を設けた。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明に係る帯状情報体Aの一例を示し、この帯状情報体Aは、帯体1と、この帯体1の一方の面(以下、この面を表面という)に表示された視覚情報aとで構成され、帯体1は情報体本体2の内部に配置された巻取手段3によって巻き取られ、ストラップ4を引っ張ると情報体本体2から引き出されるようになっているもので全体として巻尺を模して形成されたものである。
【0015】
上記視覚情報aは、鉄道の路線図で構成され、特定の路線(本実施例ではJRの南武線に設定)の始発駅から終着駅までの駅名a1が全て表示されているものである。
【0016】
帯体1の表面に表示された駅名a1は、図2(a)に示すように、実際の駅に配置された案内板と同様に、中央に当該駅名、左下隅に前の駅名、右下隅に後の駅名が表示されたもので、駅名a1の表示されるスペースd1は全て同一に設定されている。
【0017】
駅名a1と駅名a1との間隔d2は、実際の路線の駅間の距離又は駅間の所要時間に比例して設定されており、距離が遠ければ間隔d2が広く、距離が近ければ間隔d2が狭くなるように設定されている。
【0018】
なお、駅名間のスペースd2には、電車の側面の絵柄a2が表示され、駅名間のスペースd2に対応してドアの数が増減するように設定されている。また始発駅名に表示される電車の側面図は最後尾の車掌室が表示され、終着駅名に表示される電車の側面図は最前部の運転室が表示され、絵柄a2は全体として1編成の車両を表示するようになっている。
【0019】
さらに、帯体1の裏面には、図2(b)に示すように、始発駅からの所要時間が視覚情報として数字a3で表示されている。なお、この数字a3は駅間の所要時間であってもよいし、始発駅からの所要時間と駅間の所要時間との併記であってもかまわない。
【0020】
そして、上記帯体1は情報体本体2に内装された巻取手段3で情報体本体2内に巻き取られるようになっている。図3に示すように、上記帯体1は終端5が下ケース10に形成された支軸11に回転自在に支持された有底筒状のドラム12のスリット19から差し込まれ、内壁面12aに接着剤などで固定されていればよい。このドラム12の内部には巻取手段3を構成するゼンマイバネ13が収容されるとともに、折り曲げられたゼンマイバネ13の巻き終わり14がスリット18に差し込まれてドラム12に固定され、巻き始め15は上記支軸11のスリット16に差し込まれて固定されている。
【0021】
帯体1の先端6は上ケース20に形成されたスリット24から引き出され、先端部にはストラップ4が連結されているので、このストラップ4を摘んで引っ張ると、スリット24から帯体1が引き出されるとともにドラム12が回転させられ、このドラム12に巻き終わり14が固定されたゼンマイバネ3は巻き上げられるようになっている。
【0022】
なお、上記ドラム12の上面には係止凸部17が上方に突出して形成され、この係止凸部17は上ケース20に上下に撓むように形成された舌片21の下面に形成された係止部22に係止されることにより、ドラム12の逆回転(ゼンマイ3の巻き戻り)が阻止されるようになっている(図4参照)。
【0023】
上記舌片21は、下ケース10の支軸11を上動させることにより係止部22による係止凸部17の係止が解除できるようになっている。
【0024】
上記支軸11は、下ケース10に上下に撓むように形成された舌片23の上面に形成され、この舌片23を押し上げて上方に撓ませることにより支軸11が上動するようになっており、舌片21が上方に撓むことにより、係止部22による係止凸部17の係止が解除できるようになっている。
【0025】
上記構成の帯状情報体Aによれば、ストラップ4を引っ張って帯体1を情報体本体2から引き出すと、帯体1の表面には、図2(a)に示すように、特定の路線の駅名a1が順番に表示されるとともに、駅名a1と駅名a1との間のスペースには、車両の側面図の絵柄a2が表示されるとともに、絵柄a2のスペースd2が駅間の距離若しくは所要時間に比例して、距離が近ければスペースd2の幅が狭く、距離が遠ければスペースd2の幅が広くなるとともに、絵柄a2の中に表示される車両に設けたドアの数が増減するので、駅名a1から次の駅名が何であり、絵柄a2からその駅までの距離(時間)がどのくらいであるかを推測することができる。
【0026】
所要時間がどの位であるかを具体的に知りたい場合は、図2(b)に示すように、帯体1の裏面を見れば始発駅からの所要時間が数字a3で表示されているので、始発駅からの時間が知りたければ数字a3をそのまま読み取ればよいし、駅間の所要時間を知りたければ所定の駅名に対応して表示された数字a3を引き算すればよい。
【0027】
情報の入手が必要なくなったら、下ケース10の舌片23を押圧して係止部22による係止凸部17の係止を解除すると、巻き上げ状態のゼンマイバネ3は巻き戻るのでドラム12が逆回転し、帯体1はドラム12に巻き取られるため、瞬時に情報体本体2に収納することができる。
【0028】
帯体1が巻き取られた帯状情報体Aは円板状のケースの状態になるので、服のポケットなどに無造作にしまうことができ、情報を知りたいときには取り出して帯体を引き出すだけで路線図を見ることができ、取り扱いに優れた帯状情報体を実現することができる。
【0029】
上記帯状情報体は、路線ごとに作成されるので、その路線の売店などで利用者に販売する路線グッズとして、様々な路線での販売が期待できる帯状情報体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る帯状情報体の一例を示す斜視図
【図2】(a)(b)は帯体の表示の一例を示す説明図
【図3】上記帯状情報体の底面側分解斜視図
【図4】上記帯状情報体の要部縦断面図
【符号の説明】
【0031】
1 帯体
2 情報体本体
3 巻取手段
A 帯状情報体
a 視覚情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とする帯状情報体。
(イ)上記帯状情報体は、帯体と該帯体の少なくとも一方の面に表示された視覚情報とで構成されていること
(ロ)上記視覚情報は鉄道等の路線に関する情報であること
【請求項2】
前記情報は所定の路線の駅名で構成され、該駅名は前記帯体に路線どおりに配置されるとともに配置間隔は実際の駅間距離又は駅間の所要時間に比例して設定されている、請求項1記載の帯状情報体。
【請求項3】
前記帯体の他方の面には前記駅名の表示位置に対応して始発駅からの所要時間若しくは駅間の所要時間の何れか一方又は両方からなる視覚情報が表示されている、請求項2記載の帯状情報体。
【請求項4】
前記帯状情報体は、前記帯体を巻き取る巻取手段を備えた、請求項1、2又は3記載の帯状情報体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−64924(P2006−64924A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−246486(P2004−246486)
【出願日】平成16年8月26日(2004.8.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(000132998)株式会社タカラ (35)
【出願人】(504325656)