説明

帯電ローラ及び電子写真装置

【課題】本発明は、大電流通電条件(例えば、直流電流0.2mA以上かつ交流電流2mA以上)で高温高湿環境(例えば、30℃相対湿度80%)における帯電ローラの長寿命化を達成するための課題(通電劣化、圧縮永久歪)を解決することを目的とする。
【解決手段】導電性支持体上に導電層を有する帯電ローラにおいて、前記導電層が結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)で形成され、かつ平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有することを特徴とする帯電ローラ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に電子写真装置、複写機等のOA機器に用いられる帯電ローラ及び、該帯電ローラを有する電子写真装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真装置では、その本体内部に画像形成部が設置され、画像がクリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着プロセスを経て形成される。画像形成部は、電子写真感光体である感光ドラムを備えており、クリーニング部、帯電部、潜像形成部、現像部及び転写部を備えている。この画像形成部で形成された感光ドラム上の画像は転写部で、記録材に転写され、定着部に搬送された後に定着部にて加熱及び加圧され、記録材に定着された記録画像として出力される。
【0003】
次に、クリーニング、帯電、潜像、現像、転写、定着プロセス内の、帯電、潜像形成、現像、転写プロセスについて説明する。
【0004】
帯電部では、帯電部材により感光ドラムの表面に対して、所定の極性で、電位が一様になるように一次帯電を行う。次に、目的画像情報の露光を受けることで、感光ドラム表面に目的画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像部にて現像部材よりトナー画像として可視化される。可視化されたトナー画像は、転写部において転写部材よって感光ドラム表面から記録材に転写される。転写された未定着のトナー画像は、定着部に搬送されて、定着部で定着されて記録画像として出力される。
【0005】
電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置に用いられる帯電方式として、コロナ帯電方式とローラ帯電方式がある。コロナ帯電方式はコロナワイヤーなどに電圧を印加して、帯電生成物を形成し、感光ドラム表面を帯電生成物によって帯電させ、潜像を形成する帯電方法である。一方、ローラ帯電方式は、帯電ローラを感光ドラムに接触もしくは、近接(ローラドラム間距離が数十μmと近いが接触してない)させて、感光ドラム表面を放電によって帯電させ、潜像を形成する帯電方法である。
【0006】
ローラ帯電方式は、コロナ帯電方式に比べて発生するオゾンや放電生成物の量が圧倒的に少ない。よって、ローラ帯電を用いることでオゾンフィルターをつけるスペースを削減することや、放電生成物による画像ボケ等を軽減させることが可能である。
【0007】
ローラ帯電方式は直流電流(DC)に交流電流(AC)を重畳したAC+DC帯電とDCのみのDC帯電に分別される。DC帯電は小型化、ローコストを達成するには好適な技術であるが、感光体ドラム電位を一定にする帯電バイアス域が狭く、ローラ抵抗の周ムラや汚れによる微小な抵抗ムラ、ローラの不均一性による帯電不均一性など画質安定性を達成するのが技術的に難しい。これが印刷速度50枚機以上、メンテナンス間隔が25万枚以上の高速長寿命なオフィス用複写機になるとDC帯電では画質の維持がさらに困難となり、AC+DC帯電が好適である。
【0008】
AC+DC帯電によるローラ帯電における課題としては、通電劣化が挙げられる。通電劣化とは、ローラに電流を流すことにより、ローラ抵抗が変化して所望のドラム電位を与えることができなくなる現象である。一般的には、通電劣化はローラ抵抗の上昇により、ドラム電位が低下する現象である。通電劣化については、特許文献1〜3等に関連する技術が報告されている。
【0009】
近年、電子写真装置には高画質、長寿命化が要求されつつある。高画質化を満たすための電子写真感光体からのアプローチとしては、電子写真感光体の薄膜化により電子写真感光体の静電容量を増加させて潜像のコントラストをより鮮明にする方法や、短波長のレーザー(特に380〜500nm)対応の電子写真感光体などが挙げられる。また、長寿命化を満たすための電子写真感光体からのアプローチとしては、アモルファスシリコン感光体を用いる方法や、感光層を保護する表面保護層を設ける方法などが挙げられる。
【0010】
アモルファスシリコン感光体や薄膜感光体を使用した電子写真プロセスにおいて、ローラ帯電方式を採用すると、感光体の静電容量が大きいために帯電に必要な電流が大電流となる。従って、帯電ローラにも大電流が流れて、帯電ローラの高抵抗化(通電劣化)が発生する。特に高温高湿環境(例えば、30℃相対湿度80%)では、通電劣化が更に厳しくなる。また、アモルファスシリコン感光体や薄膜感光体を使用した電子写真プロセスでは、感光体の耐久性が非常に高く、長寿命な電子写真システムを設計することが可能である。しかし、ローラ帯電方式では、帯電ローラの清掃部材や感光体との当接により永久変形してしまし、長期において良好な画像形成が達成できなくなる弊害がある。
【0011】
特許文献1〜3は、通電前後の抵抗変化が小さい帯電ローラに関する発明を開示しているが、これらの特許文献に記載される通電条件が低電流であり、アモルファスシリコン感光体や薄膜感光体を備える電子写真システムで使用することは想定していない。
【0012】
特許文献4〜6は、帯電ローラの通電劣化に対処する発明を開示している。具体的には、帯電ローラにイオン導電剤を用いたり(特許文献4)、導電性ローラを構成するNBRとEPDMのポリマーアロイのつなぎとして、NBRとEPDMの中間のSP値をもつポリマーを混合する(特許文献5)、等が記載されている。また、帯電ローラの圧縮永久歪の対策として、感光体が停止した状態で感光体に接触させたまま帯電ローラを回転させる機能を設けたり(特許文献6)、圧縮永久歪を良化させるために帯電ローラの処方を工夫する(特許文献7)、等が記載されている。
【特許文献1】特許第3018906号公報
【特許文献2】特許第3638008号公報
【特許文献3】特開2000−003086号公報
【特許文献4】特開平11−295963号公報
【特許文献5】特許第3424485号公報
【特許文献6】特開2005−234439号公報
【特許文献7】特開2002−072628号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献4のように、イオン導電剤を用いた帯電ローラは、大電流通電条件で高温高湿環境の場合、イオン導電剤が表面に染み出してしまい、抵抗上昇やドラム上のトナー汚染の原因になってしまう可能性がある。表面保護層を被覆することで、イオン導電剤の染み出しは抑えることができるが、公知な表面保護層では大電流通電条件における通電劣化を抑えることは難しい可能性がある。また特許文献5のように、ポリマーアロイ系の材料を用いる導電性ローラの場合、混合されるポリマーが親水性であった場合、高温高湿環境における通電劣化が悪化する可能性がある。また、ポリマーアロイ系は、ポリマーが海島構造をとるため特に電子伝導タイプ(例えばカーボンブラック)の導電性ローラでは、海島構造の微妙な変化に対してカーボンブラックの分散状態が変化しやすく、抵抗安定性や通電劣化が好ましくない。また、特許文献6のように、装置システムの構造上の機能を設けても、帯電ローラの圧縮永久歪は帯電ローラの処方に起因する部分が多く、解決策とはならない可能性がある。また、感光体が停止した状態で感光体に接触させたまま帯電ローラを回転させると感光体の感光層および表面保護層の磨耗が促進され、長寿命な電子写真システムを維持することができない可能性がある。また、特許文献7のように、圧縮永久歪の主要因となる導電ゴム層の変形量を抑制し、圧縮永久歪の向上が達成されても、大電流通電条件で高温高湿環境における通電劣化の良化の両立させなければならない。
【0014】
本発明は、大電流通電条件(例えば、直流電流0.2mA以上かつ交流電流2mA以上)で高温高湿環境(例えば、30℃相対湿度80%)における帯電ローラの長寿命化を達成するための課題(通電劣化、圧縮永久歪)を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明を解決する手段は、導電性支持体上に導電層を有する帯電ローラにおいて、前記導電層が結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)で形成され、かつ平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有することを特徴とする帯電ローラである。
【0016】
また、本発明にかかる電子写真装置の第一は、少なくとも、珪素原子を母体とする非結晶材料で構成された光導電層を有する電子写真感光体と、近接または接触帯電方式にて感光体表面を帯電する帯電手段と、画像を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、トナー像を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写体に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、帯電手段として本発明の帯電ローラを用いたことを特徴とする電子写真装置である。
【0017】
また、本発明にかかる電子写真装置の第二は、少なくとも、表面保護層と感光層の層厚が20μm以下の有機電子写真感光体と、近接または接触帯電方式にて感光体表面を帯電する帯電手段と、画像を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、トナー像を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写体に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、帯電手段として本発明の帯電ローラを用いたことを特徴とする電子写真装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明で規定したSBRのミクロ構造(結合スチレン量、ビニル量)、カーボンブラックの平均粒径、カーボンブラック添加量を満たす材料を含有し、SP値とT2HHが本発明で規定する範囲をみたす帯電ローラは、大電流通電条件を必要とする電子写真プロセス(アモルファスシリコン感光体、薄膜OPC搭載プロセス)において、高温高湿環境における長寿命化に関わる課題である通電劣化と圧縮永久歪を解決する手段となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の大電流通電条件で高温高湿環境における長寿命化を達成するための帯電ローラの構成としては、導電性支持体上に導電層を有する帯電ローラにおいて、前記導電層が結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)で形成され、かつ平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有する帯電ローラであることが望ましい。
【0020】
結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のSBRが望ましい理由は、高温高湿環境における通電劣化に対して化学的に安定なフェニル基と反応性の高いジエン基のバランスがとれた範囲であるからである。結合スチレン量が40質量%未満では、高温高湿環境の通電劣化が悪化する。この理由は、反応性の高いジエン基残基が増加し、放電劣化によるベースポリマーの高抵抗化が促進されるからである。結合スチレン量が60質量%超では、ブタジエン基が減少すると導電層の弾性率が失われ、例えば、感光体ドラムに当接した状態で長期保管すると、当接部の圧縮永久歪が起こり、画像不良の原因となる。また、結合スチレン量が60質量%超では、通電劣化の急激な良化傾向は認められないため、弊害が発生する結果になる。
【0021】
また、SBRのビニル量が10質量%以上30質量%以下であることが尚一層望ましい。SBRのビニル量が10質量%未満の場合、加硫後未反応の反応性の高いジエン基残基が主鎖に多く残ることになり、放電劣化がベースポリマーの主鎖を中心に進行するため、ベースポリマーの高抵抗化が起こりなってしまう。SBRのビニル量が30質量%超の場合、SBRの主鎖がポリエチレン構造を有し、結晶性が高くなり分子運動性が極端に低下して、圧縮永久歪の悪化を招く。
【0022】
また、平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックが望ましい理由は、通常の導電性カーボンブラックと比較して大粒径なカーボンブラックを含有することで、大電流通電条件で活性化されるベースポリマーの分子運動によって起こるカーボンブラック分散状態変化を抑制する効果が発現するからである。平均粒径150nm未満のカーボンブラックでは、上記の効果は得られない。また、平均粒径500nm超のカーボンブラックでは、巨大なカーボンブラックが帯電ローラの表面に露出して、感光体表面が磨耗した長期使用後半の感光体リークの原因となる。また、平均粒径500nm超では上記の効果が劇的に向上することは認められない。
【0023】
また、平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックの配合量に関しては、ゴム100質量部に対して、40質量部以上100質量部以下含有することが望ましい。40質量部未満では、大電流通電によるカーボンブラック分散状態の変化を抑制する効果が乏しくなり、通電劣化が悪化する。100質量部超では、ゴムの分子運動性が極端に低下して、圧縮永久歪が悪化する。また、本発明の帯電ローラには、上記のベースポリマー、カーボンブラックの他に、充填剤、可塑剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤等を、本発明の効果を損ねない範囲において任意に添加することができる。特に加硫剤は、導電層ゴムの弾性率に関し望ましい加硫度や加硫の反応条件を考慮すると、加硫剤として硫黄を用いる場合、ゴム100質量部に対して、 0.1質量部以上 5質量部以下で加えることが好ましい。また、加硫促進剤に関しては、チアゾール系、チウラム系、ジチオカルバミン酸系、チオウレア系、グアニジン系、スルファンアミド系等の硫黄加硫促進剤を、1種類、または複数併用するのが好ましい。さらに好ましくは、チウラム系の単独使用、もしくは、チアゾール系とチウラム系の併用系が好ましい。加硫促進剤の添加量に関しては、ゴム100質量部に対して、 0.1質量部以上 5質量部以下で加えることが好ましい。また、複数の加硫促進剤を併用する場合、それぞれの加硫促進剤の添加量は、ゴム100質量部に対して、 0.1質量部以上 2質量部以下で加えることが好ましい。次に、加硫度に関しては、加硫剤、加硫促進剤の添加量と、加硫時間、加硫温度等を最適値に設定して、JIS K6300-2に記載される未加硫ゴムの加硫曲線を測定し、最適加硫点となるように設計するのが好ましい。
【0024】
本発明の大電流通電条件で高温高湿環境における長寿命化を達成するための帯電ローラの物性としては、導電層において、溶解度パラメータ(SP値)が7.70≦SP(cal1/2/cm3/2)≦8.70であり、かつ30℃相対湿度80%における水素核スピン−スピン緩和時間(T2HH)が40≦T2HH(μs)≦200であることが望ましい。
【0025】
導電層のSP値が7.70≦SP(cal1/2/cm3/2)≦8.70である理由は、SP値が7.70未満ではベースポリマーとカーボンブラックの相溶性が悪くなり、カーボンブラックの分散状態が変化しやすくなる。よって、通電劣化が悪化する。SP値が8.70超になると、親水性となり帯電ローラ表面に水分を吸着しやすくなる。この吸着水によって放電劣化によるベースポリマーの高抵抗化が促進されるため、通電劣化が悪化する。
【0026】
また、導電層の温度30℃相対湿度80%における水素核スピン−スピン緩和時間(T2HH)が40≦T2HH(μs)≦200である理由は、高温高湿環境における導電層の分子運動性が低くなる(T2HHが小さくなる)と、大電流によるカーボンブラック分散状態の変化が小さくなる(通電劣化が良好)が、分子運動性の低下は弾性率の低下に繋がり圧縮永久歪が悪化する。これに対して、分子運動性が高くなる(T2HHが大きくなる)と、大電流によるカーボンブラック分散状態の変化が大きくなる(通電劣化が悪化)が、分子運動性の増大は弾性率の増大に繋がり圧縮永久歪が良化する。したがって、通電劣化と圧縮永久歪の双方を両立する範囲が、上記のT2HHの範囲である。
【0027】
本発明の大電流通電条件で高温高湿環境における長寿命化を達成するための帯電ローラの表面層としては、フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する表面層が好ましい。前記オキシアルキレン基とは、−O−R−(R:アルキレン基)で示される構造を有する2価の基(「アルキレンエーテル基」と呼ばれることもある。)である。このR(アルキレン基)としては、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましい。このオキシアルキレン基を有するポリシロキサンは、加水分解性シラン化合物の加水分解によって縮合され、得られる。また、オキシアルキレン基およびフッ化アルキル基を含有するポリシロキサンであることが尚一層好ましい。これはフッ化アルキル基をポリシロキサンの構造に持つことによって、帯電ローラ最表面のSP値を低下させ、高温高湿環境において表面の水分の吸着を抑えることにより、高温高湿環境の通電劣化を抑制することができる。また、ポリシロキサン結合を持つフッ化アルキル基としては、例えば、直鎖型または分岐型アルキル基の水素原子の一部または全部をフッ素原子で置換したものが挙げられる。その中でも、炭素数6〜31の直鎖状のパーフルオロアルキル基が好ましい。前記ポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のオキシアルキレン基の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%であることが好ましく、ポリシロキサン中のシロキサン部分の含有量は、ポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%であることが好ましい。また、上記ポリシロキサンはカチオン重合可能な基を有するものが好ましい。これは、加水分解性シラン化合物が加水分解によって縮合した後に、カチオン重合可能な基を開裂させることにより、この縮合物を架橋させることによって、架橋密度を挙げて、シロキサンに起因する耐熱性、密着性、などの効果を高めることが出来るからである。カチオン重合可能な基とは、開裂によってオキシアルキレン基を生成するカチオン重合可能な有機基を意味し、例えば、エポキシ基やオキセタン基などの環状エーテル基、および、ビニルエーテル基などが挙げられる。これらの中でも、入手の容易性および反応制御の容易性の観点から、エポキシ基が好ましい。
【0028】
(帯電ローラの製造方法)
本発明の帯電ローラの製造方法について説明する。帯電ローラの加工方法は、混練方法、成形方法、研磨方法に別れる。混練方法はベースポリマー、導電性粒子、加硫助剤、可塑剤、充填剤を加圧ニーダーで混練し、その後ロール混練機で加硫剤、加硫促進剤を混練する方法が挙げられる。成形方法は、一軸スクリュー押出し機でロール状に押出し、加硫缶で加硫し、接着剤を塗布した導電性支持体(芯金)に圧入する方法や、押出物を芯金に直接コートし、熱風炉で加硫する方法等がある。研磨方法は、帯電ローラの長さ(長手幅)と同サイズの砥石を用いて、一発で研磨する方法や、薄型の砥石を長手方向にトラバースさせながら研磨する方法等がある。また、表面層の形成方法については、まず、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物、ならびに、必要に応じて上記の他の加水分解性シラン化合物を水の存在下で加水分解反応させることによって加水分解性縮合物を得る。加水分解反応の際、温度やpHなどを制御することで、所望の縮合度の加水分解性縮合物を得ることができる。また、加水分解反応の際、加水分解反応の触媒として金属アルコキシドなどを利用し、縮合度を制御してもよい。金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムアルコキシド、チタニウムアルコキシドおよびジルコニアアルコキシドなど、ならびに、これらの錯体(アセチルアセトン錯体など)が挙げられる。
【0029】
また、加水分解性縮合物を得る際の、カチオン重合可能な基を有する加水分解性シラン化合物およびフッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物の配合割合、あるいは、これら2種の加水分解性シラン化合物に、更に加水分解性シラン化合物を加える場合の配合割合は以下のようになる。すなわち、得られるポリシロキサン中のフッ化アルキル基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜50.0質量%となり、オキシアルキレン基の含有量がポリシロキサン全質量に対して5.0〜70.0質量%となり、シロキサン部分の含有量がポリシロキサン全質量に対して20.0〜90.0質量%となるようにすることが好ましい。具体的には、フッ化アルキル基を有する加水分解性シラン化合物を、全加水分解性シラン化合物に対して0.5〜20.0mol%の範囲になるように配合することが好ましく、特には1.0〜10.0mol%の範囲になるように配合することがより好ましい。次に、得られた加水分解性縮合物を含む表面層用塗布液を調製し、支持体および該支持体上に形成された導電層上に、調製した表面層用塗布液を塗布する。表面層用塗布液を調製する際には、塗布性向上のために、加水分解性縮合物以外に、適当な溶剤を用いてもよい。適当な溶剤としては、例えば、エタノールおよび2−ブタノールなどのアルコールや、酢酸エチルや、メチルエチルケトンなど、あるいは、これらを混合したものが挙げられる。また、表面層用塗布液を導電性弾性部材上に塗布する際には、ロールコーターを用いた塗布、浸漬塗布、リング塗布などを採用することができる。次に、導電層上に塗布された表面層用塗布液に活性エネルギー線を照射する。すると、表面層用塗布液に含まれる加水分解性縮合物中のカチオン重合可能な基は開裂し、これによって該加水分解性縮合物を架橋させることができる。加水分解性縮合物は架橋によって硬化する。活性エネルギー線としては、紫外線が好ましい。また、架橋反応を紫外線によって行えば、熱履歴による導電層の劣化を抑制することができるため、導電層の電気的特性の低下を抑制することもできる。紫外線の照射には、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、エキシマUVランプなどを用いることができ、これらのうち、紫外線の波長が150〜480nmの光を豊富に含む紫外線源が用いられる。なお、紫外線の積算光量は、以下のように定義される。
【0030】
紫外線積算光量[mJ/cm2]=紫外線強度[mW/cm2]×照射時間[s]
紫外線の積算光量の調節は、照射時間や、ランプ出力や、ランプと被照射体との距離などで行うことが可能である。また、照射時間内で積算光量に勾配をつけてもよい。低圧水銀ランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやUVD−S254を用いて測定することができ、エキシマUVランプを用いる場合、紫外線の積算光量は、ウシオ電機(株)製の紫外線積算光量計UIT−150−AやVUV−S172を用いて測定することができる。また、架橋反応の際、架橋効率向上の観点から、カチオン重合触媒(重合開始剤)を共存させておくことが好ましい。例えば、活性エネルギー線によって賦活化されるルイス酸のオニウム塩に対してエポキシ基は高い反応性を示すことから、上記のカチオン重合可能な基がエポキシ基である場合、カチオン重合触媒としては、ルイス酸のオニウム塩を用いることが好ましい。
【0031】
本発明の帯電ローラの電気抵抗については、帯電ローラを金属ドラムに圧接させた状態で回転させながら直流電圧を印加して測定する方法(図4)で、300V印加で測定した電気抵抗値が1.0×104Ω以上1.0×107Ω以下であることが望ましい。1.0×104Ω未満では、感光体リークを引き起こしやすくなり、1.0×107Ω超では、帯電不良が発生して感光体上に所望の電位を乗せることが困難になる。より好ましい電気抵抗値の範囲は5.0×104Ω以上1.0×106Ω以下である。
【0032】
(電子写真装置)
次に、本発明の電子写真装置について説明する。電子写真装置は、少なくとも電子写真感光体と、感光体表面を帯電する帯電手段と、感光体を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、トナーを感光体上に供給する現像手段と、感光体上のトナー像を被転写体に転写する転写手段を有する。更に、感光体上の転写残トナーをクリーニングするクリーニング手段と、トナー像が形成された被転写体を定着する手段を有することができる。
【0033】
電子写真感光体としては、珪素原子を主成分とする非晶質材料で形成した光導電層を有する電子写真感光体、または表面保護層と感光層の合計の層厚が20μm以下の有機電子写真感光体を好適に用いることができる。帯電手段としては、近接または接触帯電方式による本発明の帯電ローラを用いたローラ帯電を用いるのが望ましい。通電劣化や永久圧縮歪を解決するだけでなく、画像流れの発生を抑制する効果がある。この理由は電子写真感光体上の電位を安定化させるために必要な放電量が一般的な帯電ローラよりも減少するので、放電生成物の生成量が減少し、画像流れが良化するのである。特に、上記感光体の表面電位を安定化させるための帯電バイアスは大きくなるので、放電量減少による画像流れ抑制効果は絶大である。放電量が減少する理由は、本発明の帯電ローラはその導電層が結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のSBRで形成されているため、高電圧印加での急激な低抵抗化が発生しないからである。高電圧印加では導電パスだけでなく、ゴム成分へ電流が流れるようになる。たとえば、NBRとかヒドリンゴムのような中抵抗(108〜1011Ω・cm程度)のゴムの場合、高電圧印加では急激に低抵抗化する。したがって、放電量も増加し、画像流れが悪化する。
【0034】
珪素原子を主成分とする非晶質材料で形成した光導電層有する電子写真感光体としては、例えばAl、ステンレスなどの導電性材料からなる基体上に、光導電層および表面保護層を順次積層したものが挙げられる。なお、これら層の他に、阻止層、反射防止層ないし界面層などの種々の機能層を必要に応じて設けてもよい。例えば、阻止層、界面層などを設けそのドーパントをIII族元素、V族元素など選択することにより、正帯電、負帯電といった帯電極性の制御も可能となる。本発明においては、帯電性生成物による画像ボケ等の画像不良の観点から、正帯電性のシリコンドラムが望ましい。基体形状は電子写真感光体の駆動方式などに応じた所望のものとしてよい。基体材質としては上記Alやステンレスのような導電性材料が一般的であるが、例えば各種のプラスチックやセラミックスなど、特には導電性を有しないものにこれら導電性材料を蒸着するなどして導電性を付与したものも用いることができる。光導電層としては、シリコン原子が水素原子およびハロゲン原子を含む非晶質材料(「a―Si(H,X)」と略記する)が挙げられる。また、光導電層の層厚としては特に限定はないが、製造コストなどを考慮すると、15〜50μm程度が適当である。さらに、特性を向上させるために下部光導電層と上部光導電層のように複数の層構成にしてもよい。特に、半導体レーザーのように、比較的長い波長であって且つ波長バラツキのほとんどない光源に対しては、こうした層構成の工夫によって画期的な効果が現れる。表面保護層は、一般的にa―SiC(H, X)で形成されるが、a―C(H,X)としてもよい。また、光導電層と表面保護層の界面組成を連続的に変化させ、当該部分の界面反射を抑制させるように制御することが好ましい。
【0035】
表面保護層と感光層の合計の層厚が20μm以下の有機感光体としては、例えばAl、ステンレスなどの導電性材料からなる基体上に導電層、中間層、感光層、表面保護層をこの順に設けてなる電子写真感光体が挙げられる。導電層の結着樹脂としては、熱硬化性フェノール樹脂が好ましい。中間層としては、導電層から感光層への電荷注入を阻止するために、中間層の体積抵抗率を1×109Ω・cm〜1×1013Ω・cmに設定することが好ましい。非結晶性の共重合性ナイロンなどが好ましい。中間層の膜厚は0.1μm〜2μmであることが好ましい。感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質を同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型感光層であってもよい。電子写真特性の観点から積層型感光層の方が好ましい。また、積層型感光層には支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層と、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層があるが、電子写真特性の観点から順層型感光層が好ましい。感光層の膜厚は、15μm以下であることが望ましい。表面保護層としては、不飽和二重結合を有する連鎖重合性化合物を、感光層上に塗布後硬化することで形成される。連鎖重合性化合物は熱でも硬化反応を行うこともできるが、紫外線あるいは電子線などを使用して硬化することも可能である。保護層の膜厚は1μm〜5μmであることが望ましい。潜像形成手段としては、半導体レーザーを用いたレーザー露光装置を採用するのが好ましい。また、潜像形成方式については、例えば、アモルファスシリコン感光体を用いる場合にはバックスキャン方式を、薄膜有機感光体を用いる場合にはイメージスキャン方式を採用するのが好ましい。現像手段としては、アモルファスシリコン感光体の場合は、現像キャリアを用いた2成分現像方式を用いるのが好ましい。トナーはスチレン共重合体、エステルワックスを含有する粉砕トナーで負帯電性である。また、外添剤としては酸化チタン、シリカ、チタン酸ストロンチウムを用いるのが好ましい。キャリアとしては、磁性分散型キャリア粒子を用いるのが望ましい。現像方式に関しては、アモルファスシリコン感光体を用いた電子写真装置の場合は、正帯電感光体と負帯電性トナーを用いた正規現像方式を、薄膜有機感光体の電子写真装置の場合は、現像キャリアを用いた2成分現像方式を採用するのが好ましい。トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有している。そして、トナーは、負帯電性のポリエテスル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上かつ8μm以下が好ましい。キャリアは、例えば表面酸化或は未酸化の鉄、ニッケル、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属、及びそれらの合金、或は酸化物フェライトなどが好適に使用可能であり、これらの磁性粒子の製造法は特に制限されない。そして、キャリアは、重量平均粒径が20〜50μm、好ましくは30〜40μmであり、抵抗率が107Ωcm以上、好ましくは108Ωcm以上である。本発明における薄膜有機感光体を用いた電子写真装置の現像方式は、負帯電感光体と負帯電性トナーを用いた正規現像方式である。転写手段としては、転写ローラを用いて被転写体(紙・OHP等のメディア)に直接転写する転写手段か、または転写ベルト等の中間転写体に一次転写する転写手段を用いるのが好ましい。クリーニング手段としては、ブレード状の部材によるブレードクリーニングや、ブラシ状の部材によるブラシクリーニング、その両方を用いる方法を用いるのが好ましい。定着手段としては、転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであれば特に制限はない。
【実施例】
【0036】
以下に本発明を製造例と実施例に沿って説明するが、本発明はその要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
【0037】
「原材料」
結合スチレン量(質量%)とビニル量(質量%)の異なる11種類のSBRを入手した。SBRの構造決定は赤外分光光度計を用いて行い、結合スチレン量についてはハンプトン法により、また結合ビニル量についてはモレロ法により求めた。SBRのミクロ構造の割合は結合スチレン量+結合ビニル量+結合シス量+結合トランス量=100(質量%)とした場合によるものである。表1にSBR1からSBR11のミクロ構造の測定結果を示す。
【0038】
【表1】

【0039】
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)に関しては、結合アクリルニトリル量が20質量%でムーニー粘度(ML1+4:100℃)が43のものを入手した。エピクロロヒドリンゴム(ECO)に関しては、EO(エチレンオキサイド)EP(エピクロロヒドリン)AGE(アリルグリシジルエーテル)の比がEO:EP:AGE=56:40:4のものを入手した(表1)。
【0040】
平均粒径(nm)と窒素吸着比表面積(m2/g)とDBP吸油量(ml/100g)の異なるカーボンブラック(CB)を入手した。CBの平均粒径は、電子顕微鏡で測定し、算術平均値として求めた。窒素吸着比表面積は、流動式比表面積自動測定装置フローソーブIII2310(島津製作所社製)を用いて測定し、1サンプル3回測定して、平均値を求めた。DBP吸油量は、吸収量測定器S−410(あさひ総研社製)で測定し、1サンプル3回測定して、平均値を求めた。表2にCB1からCB12の物性値の測定結果を示す。
【0041】
【表2】

【0042】
「製造例1」
(帯電ローラの作製)
SBR1(結合スチレン量40質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB1(平均粒径:160nm:窒素比表面積10m2/g:DBP吸油量30ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.5質量部(表1、表2および表3参照)に対して、亜鉛華6質量部、ステアリン酸亜鉛1.5質量部、可塑剤8質量部、炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製:ナノックス#30)15質量部を添加し、加圧ニーダーで30分混練した後、硫黄を2.3質量部と加硫促進剤TMTMを2質量部加え、更に15分間オープンロールで混練した。このゴム混合物をゴム押し出し機で、円筒形に押し出し、長さ400mmに裁断して加硫缶を使用して、160℃40分間一次加硫し、導電層の一次加硫チューブを得た。SUS製導電性支持体(図1(A))の表面に熱硬化性接着剤を塗布し、それを上で得た一次加硫チューブに挿入し、その後、電気オーブンで160℃1時間の二次加硫と接着剤の硬化を行い、未研磨の導電層を導電性支持体上に形成した。この未研磨の導電層の両端部を長さ320mm切断した後、ゴム部分を回転砥石で研磨することにより、帯電ローラ基層を得た。
【0043】
次に加水分解性シラン化合物としてのグリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GPTES)27.84g(0.1mol)、メチルトリエトキシシラン(MTES)17.83g(0.1mol)およびトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン(FTS、パーフルオロアルキル基の炭素数6)7.68g(0.0151mol(加水分解性シラン化合物総量に対して7mol%相当))と、水17.43gおよびエタノール37.88gとを混合した後、室温で攪拌した。次いで24時間加熱還流を行うことによって、加水分解性シラン化合物の縮合物を得た。この縮合物を2−ブタノール/エタノールの混合溶剤に添加することによって、固形分7質量%の縮合物含有アルコール溶液Iを調製した。この縮合物含有アルコール溶液I100gに対して0.35gの光カチオン重合開始剤としての芳香族スルホニウム塩(商品名:アデカオプトマーSP−150、旭電化工業(株)製)を縮合物含有アルコール溶液に添加することで表面層用塗布液を調製した。前記記載の帯電ローラ基層に表面層用塗布液をディッピング塗工し、これに254nmの波長の紫外線を積算光量が9000mJ/cm2になるように照射し、表面層用塗布液を硬化(架橋反応による硬化)および乾燥させることによって表面層を形成した。紫外線の照射には、ハリソン東芝ライティング(株)製の低圧水銀ランプを用いた。こうして製造例1帯電ローラを得た(図1(B))。
【0044】
「製造例2〜31」
表3から表5に記載したベースポリマー配合とカーボンブラック配合に変更した以外は、製造例1と同様の方法で帯電ローラを作製した。
【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
「実施例1」
(SP値の測定)
製造例1の帯電ローラの導電層内部から切片を削り出し、SPが判明している溶剤に2日間浸漬させて、膨潤度を測定した。例えば、イソペンタン(SP値:6.625)、2,2,4−トリメチルペンタン(SP値:6.849)、2,2,3−トリメチルブタン(SP値:6.942)、n−ペンタン(SP値:7.012)、n−ヘプタン(SP値:7.242)、n−ヘキサン(SP値:7.423)、n−オクタン(SP値:7.554)、n−デカン(SP値:7.722)、ジエチルエーテル(SP値:7.743)、メチルシクロヘキサン(SP値:7.816)、イソブチル−n−ブチラート(SP値:7.822)、n−ドデカン(SP値:7.832)、n−ヘキサデカン(SP値:7.930)、シクロへキサン(SP値:8.182)、エチル−n−ブチラート(SP値:8.238)、n−ブチルアセテート(SP値:8.283)、111−トリクロロエタン(SP値:8.544)、四塩化炭素(SP値:8.582)、n−プロピルアセテート(SP値:8.678)、トルエン(SP値:8.907)、メチルエチルケトン(SP値:9.038)、メチルイソブチルケトン(SP値:9.557)、(社団法人有機合成化学協会編、溶剤ポケットブック参照)などの溶剤が挙げられる。膨潤度の計算は以下の式から求める。
【0049】
膨潤度=(溶剤浸漬前の切片比重)/(溶剤浸漬後の切片比重)×100 (式1)
切片の膨潤度が最も高くなる溶剤のSP値を、帯電ローラの導電層のSP値とした。
実施例1の測定結果は、帯電ローラのSP値は7.722となった(表6)。
【0050】
(T2HHの測定)
T2HHの測定方法は製造例1の帯電ローラの導電層を削り取ったものを試料とし、ブルカー社製(商品名:minispec)パルスNMR装置を用い、温度30℃相対湿度80%でT2(T2HH)を測定した。T2HHは得られたT2成分の加重平均値である。T2HHの求め方として、パルスNMR測定により求まるスピン−スピン緩和時間のうち、水素核を測定核とし、温度30℃相対湿度80%でCPMG法を用いて得られたエコー強度曲線を最小2乗法により求める。水素核を測定核とし、測定周波数20MHz、90°パルス幅2.82μsec、パルス間隔=0.1msec、の条件で、温度23℃におけるCPMG法(90°−τ−(180°−2τ)n−180°パルス法)を条件とする。ここで得たエコー強度曲線を最小2乗法により求める。なおCPMG法で観測されるエコー強度Sは次式で与えられる。
【0051】
【数1】

【0052】
ここで、tは時間(τ)、S0iは各i成分(i=S,L)のt=0におけるエコー強度、またT2iは各i成分のT2を表し、Σはiについての合計を表す。
また、各成分jの成分分率Fjは
【0053】
【数2】

【0054】
であらわされる。
【0055】
実施例1の測定結果は、帯電ローラのT2HHの値は120μSとなった(表6)。
【0056】
(通電劣化指数の測定)
図2に示す通電空回転機に、製造例1の帯電ローラとアルミドラムを搭載して、高温高湿環境(H/H:温度30℃相対湿度80%)において、通電劣化加速試験を行った。通電条件は、直流電流290μA、交流総電流3.3mA、8時間/1日で3日間通電させた。帯電ローラの電気抵抗値を通電前、8時間後、8時間朝、16時間後、16時間朝、24時間後、24時間朝の7回測定し、時間でプロットした電気抵抗値を以下の(式3)でフィッティングした(図3)。
【0057】
R(電気抵抗値:Ω)=R0×exp(0.0001×A×T) ・・・(式3)
ここで、R(電気抵抗測定値:Ω)、R0(初期電気抵抗値:Ω)、A(通電劣化指数)、T(時間)である。
【0058】
通電劣化の指標として、Aの値を用いた。
Aの評価としては、
◎:0<|A|(Aの絶対値)<100:通電劣化が非常に良好である。
○:100≦|A|≦220:通電劣化が実用に耐えることのできるレベルである。
×:220<|A|:通電劣化が悪化して、実用に耐えることのできるレベルでない。
とした。
【0059】
電気抵抗値の測定方法はアルミドラムに帯電ローラを接触させ、接触面積が均一になるように導電性支持体の両端部に300gの加重をかけ、アルミドラムを回転させ、導電性ローラYは従動回転させながら300Vの直流電圧をかけて流れる電流を測定し、導電性ローラの電気抵抗値(Ω)を求めた(図4)。
【0060】
実施例1の測定結果は、通電劣化指数の評価は◎であった(表6)。
【0061】
(ドラム電位の測定)
キヤノン社製複写機GP405を改造し、プロセス速度を400mm/sに設定した。また、帯電バイアスは外部電源から供給した。帯電条件、露光方式、現像手段は、感光体ドラムにあわせて下記に記した方式/条件に設定した。改造機は図5に示す。製造例1の帯電ローラと感光体を搭載して、高温高湿環境(H/H:温度30℃相対湿度80%)において、通紙耐久試験を行った。ドラム電位の測定の評価方法を以下に示す。
○:通紙耐久前のドラム電位と25万枚耐久後のドラム電位を測定して、初期に対してドラム電位低下なし。
×:通紙耐久中にドラム電位の急激な低下が発生。
リーク:通紙耐久後半で感光体リーク発生。
2種類の感光体で評価を行った。
【0062】
アモルファスシリコン(a−Si)感光体については、正帯電のa−Si系感光体として、φ80mmのAlからなる導電性支持体の表面に順次積層させたもので、負電荷阻止層、光導電層、表面保護層から構成される感光体ドラムを用いた。トナー及びキャリアについては、トナーはスチレン共重合体にエステルワックス、着色剤を分散させた負帯電性の粉砕トナーであり、外添剤は、シリカ、酸化チタン、チタン酸ストロンチウムを用いた。トナーの平均粒径は6.8μmであった。キャリアは、フェノール樹脂にマグネタイトを分散させた磁性粒子分散型キャリア粒子を用いた。キャリアの平均粒径は35μm、抵抗率は109Ωcmであった。現像手段は、現像キャリアを用いた2成分現像方式を用いた。帯電条件はDC電圧+600V、AC電圧1.5kV、AC周波数3.5kHzである。露光方式は、バックスキャン方式に変更した。
【0063】
薄膜有機感光体(OPC)については、アルミシリンダー上に、電子輸送性有機化合物を含有する層厚1μmの中間層、層厚0.15μmのフタロシアニン系電荷発生層と層厚10μmのトリアリールアミン系電荷輸送層で構成される感光層、層厚5μmの光重合性保護層を有する感光体である。結果は表2に示す。トナーはシリカと酸化チタンを外添した負帯電性のポリエテスル系樹脂に着色剤としてカーボンブラックを分散させた粉砕トナーを用いた。トナーの平均粒径は7.0μmであった。キャリアは、酸化物フェライトを使用した。キャリアの平均粒径は30μmであり、抵抗率は108Ωcmであった。現像手段は、現像キャリアを用いた2成分現像方式を用いた。帯電条件はDC電圧−750V、AC電圧2.0kV、AC周波数3.2kHzに設定し、露光方式はイメージスキャン方式を採用した。
【0064】
実施例1の測定結果は、a−Si感光体、OPCともに○の評価であった(表6)。
【0065】
(圧縮永久歪試験)
キヤノン社製複写機GP405の感光体ユニットに製造例1の帯電ローラを当接して、高温高湿環境(H/H:温度30℃相対湿度80%)に1ヶ月放置した。当接した感光体は、上記ドラム電位試験に記載したアモルファスシリコンドラムと薄膜有機感光体である。上記GP405改造機を用いて、ドラム電位試験と同様に条件で、ハーフトーン画像による初期画だしを行った。圧縮永久歪試験の評価方法を以下に示す。
◎:ハーフトーン画像上に帯電ローラピッチ画像不良なし。
〇:ハーフトーン画像上に帯電ローラピッチ画像不良が多少発生するものの実用上問題なし。
×:ハーフトーン画像上に帯電ローラピッチの画像不良が発生し、実用レベルではない。
実施例1の試験結果は、a−Si感光体、OPCともに◎の評価であった(表6)。
【0066】
「実施例2」
帯電ローラの導電層の材料をSBR2(結合スチレン量50質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン20質量%)を100質量部、CB2(平均粒径:250nm:窒素比表面積9m2/g:DBP吸油量26ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.8質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例2の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
SP値は、7.822であった。T2HHは80μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0067】
「実施例3」
帯電ローラの導電層の材料をSBR3(結合スチレン量60質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン10質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を4質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例3の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0068】
SP値は、8.283であった。T2HHは40μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0069】
「実施例4」
帯電ローラの導電層の材料をSBR4(結合スチレン量40質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB4(平均粒径:470nm:窒素比表面積5m2/g:DBP吸油量25ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を4.2質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例4の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0070】
SP値は、7.743であった。T2HHは150μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0071】
「実施例5」
帯電ローラの導電層の材料をSBR5(結合スチレン量50質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB5(平均粒径:500nm:窒素比表面積3m2/g:DBP吸油量15ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を4.5質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例5の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0072】
SP値は、7.832であった。T2HHは100μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0073】
「実施例6」
帯電ローラの導電層の材料をSBR6(結合スチレン量60質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB1(平均粒径:160nm:窒素比表面積10m2/g:DBP吸油量30ml/100g)を70質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を5質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例6の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0074】
SP値は、8.554であった。T2HHは50μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0075】
「実施例7」
帯電ローラの導電層の材料をSBR7(結合スチレン量40質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン60質量%)を100質量部、CB2(平均粒径:250nm:窒素比表面積9m2/g:DBP吸油量26ml/100g)を70質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を5.2質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例7の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0076】
SP値は、7.816であった。T2HHは180μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0077】
「実施例8」
帯電ローラの導電層の材料をSBR8(結合スチレン量50質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を70質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を5.5質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例8の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0078】
SP値は、7.930であった。T2HHは120μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0079】
「実施例9」
帯電ローラの導電層の材料をSBR9(結合スチレン量60質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB4(平均粒径:470nm:窒素比表面積5m2/g:DBP吸油量25ml/100g)を70質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を5.7質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例9の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0080】
SP値は、8.678であった。T2HHは60μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0081】
「実施例10」
帯電ローラの導電層の材料をSBR1(結合スチレン量40質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB5(平均粒径:500nm:窒素比表面積3m2/g:DBP吸油量15ml/100g)を70質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を6質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例10の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0082】
SP値は、7.722であった。T2HHは125μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0083】
「実施例11」
帯電ローラの導電層の材料をSBR2(結合スチレン量50質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン20質量%)を100質量部、CB1(平均粒径:150nm:窒素比表面積10m2/g:DBP吸油量30ml/100g)を100質量部、CB8(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を2質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例11の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0084】
SP値は、7.822であった。T2HHは83μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0085】
「実施例12」
帯電ローラの導電層の材料をSBR3(結合スチレン量60質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン10質量%)を100質量部、CB2(平均粒径:250nm:窒素比表面積9m2/g:DBP吸油量26ml/100g)を100質量部、CB8(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を2.3質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例12の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0086】
SP値は、8.283であった。T2HHは42μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0087】
「実施例13」
帯電ローラの導電層の材料をSBR4(結合スチレン量40質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を100質量部、CB8(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を2.4質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例13の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0088】
SP値は、7.743であった。T2HHは154μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0089】
「実施例14」
帯電ローラの導電層の材料をSBR5(結合スチレン量50質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB4(平均粒径:470nm:窒素比表面積5m2/g:DBP吸油量25ml/100g)を100質量部、CB8(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を2.6質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例14の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0090】
SP値は、7.832であった。T2HHは106μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0091】
「実施例15」
帯電ローラの導電層の材料をSBR6(結合スチレン量60質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB5(平均粒径:500nm:窒素比表面積3m2/g:DBP吸油量15ml/100g)を100質量部、CB8(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を3質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例15の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0092】
SP値は、8.554であった。T2HHは54μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0093】
「実施例16」
帯電ローラの導電層の材料をSBR7(結合スチレン量40質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン60質量%)を100質量部、CB1(平均粒径:150nm:窒素比表面積10m2/g:DBP吸油量30ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.5質量部、CB8(平均粒径:43nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量115ml/100g)を12質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例16の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0094】
SP値は、7.816であった。T2HHは196μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表6)。
【0095】
「実施例17」
帯電ローラの導電層の材料をSBR8(結合スチレン量50質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB2(平均粒径:250nm:窒素比表面積9m2/g:DBP吸油量26ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.6質量部、CB8(平均粒径:43nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量115ml/100g)を12質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例17の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0096】
SP値は、7.930であった。T2HHは134μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0097】
「実施例18」
帯電ローラの導電層の材料をSBR9(結合スチレン量60質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を40質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.7質量部、CB8(平均粒径:43nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量115ml/100g)を12質量部(表1、表2および表3参照)に変更(製造例18の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0098】
SP値は、8.678であった。T2HHは69μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表6)。
【0099】
【表6】

【0100】
「比較例1」
帯電ローラの導電層の材料をSBR1(結合スチレン量40質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を7質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例19の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0101】
SP値は、7.722であった。T2HHは240μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0102】
「比較例2」
帯電ローラの導電層の材料をSBR2(結合スチレン量50質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン20質量%)を100質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を12質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例20の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0103】
SP値は、7.822であった。T2HHは160μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0104】
「比較例3」
帯電ローラの導電層の材料をSBR3(結合スチレン量60質量%:ビニル量30質量%:シス・トランス−ブタジエン10質量%)を100質量部、CB8(平均粒径:43nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量115ml/100g)を30質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例21の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0105】
SP値は、8.283であった。T2HHは80μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0106】
「比較例4」
帯電ローラの導電層の材料をSBR4(結合スチレン量40質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB9(平均粒径:40nm:窒素比表面積48m2/g:DBP吸油量130ml/100g)を35質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例22の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0107】
SP値は、7.743であった。T2HHは300μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0108】
「比較例5」
帯電ローラの導電層の材料をSBR5(結合スチレン量50質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3質量部、CB10(平均粒径:80nm:窒素比表面積24m2/g:DBP吸油量28ml/100g)を40質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例23の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0109】
SP値は、7.832であった。T2HHは203μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0110】
「比較例6」
帯電ローラの導電層の材料をSBR6(結合スチレン量60質量%:ビニル量10質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.5質量部、CB11(平均粒径:120nm:窒素比表面積12m2/g:DBP吸油量41ml/100g)を40質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例24の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0111】
SP値は、8.554であった。T2HHは100μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0112】
「比較例7」
帯電ローラの導電層の材料をSBR7(結合スチレン量40質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン60質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3.8質量部、CB12(平均粒径:620nm:窒素比表面積5m2/g:DBP吸油量20ml/100g)を40質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例25の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0113】
SP値は、7.816であった。T2HHは360μSであった。通電劣化指数の評価は○であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCとも感光体リークが発生した。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。平均粒径500nm以上のカーボンブラックを含有したため、感光体リークが発生したと考えられる。
【0114】
「比較例8」
帯電ローラの導電層の材料をSBR8(結合スチレン量50質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン50質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3質量部、CB7(平均粒径:38nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量500ml/100g)を20質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例26の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0115】
SP値は、7.930であった。T2HHは245μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0116】
「比較例9」
帯電ローラの導電層の材料をSBR9(結合スチレン量60質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン40質量%)を100質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3質量部、CB8(平均粒径:43nm:窒素比表面積42m2/g:DBP吸油量115ml/100g)を30質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例27の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0117】
SP値は、8.678であった。T2HHは125μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表7)。平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有しなかったため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0118】
「比較例10」
帯電ローラの導電層の材料をSBR10(結合スチレン量30質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン70質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を60質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を3質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例28の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0119】
SP値は、7.554であった。T2HHは210μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。結合スチレン量が40質量%未満のSBRを用いたため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0120】
「比較例11」
帯電ローラの導電層の材料をSBR11(結合スチレン量70質量%:ビニル量0質量%:シス・トランス−ブタジエン30質量%)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を60質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を2.5質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例29の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0121】
SP値は、8.907であった。T2HHは30μSであった。通電劣化指数の評価は◎であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに○であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに×であった(表7)。結合スチレン量が60質量%以上のSBRを用いたため、圧縮永久歪が悪化したと考えられる。
【0122】
「比較例12」
帯電ローラの導電層の材料をNBR(結合アクリルニトリル量20質量%:ムーニー粘度(ML1+4:100℃)43)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を60質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を2.7質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例30の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0123】
SP値は、9.073であった。T2HHは360μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに◎であった(表7)。結合スチレン量が40質量%以上60質量%以下のSBR以外の材料を用いたため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0124】
「比較例13」
帯電ローラの導電層の材料をECO(EO:EP:AGE=56:40:4)を100質量部、CB3(平均粒径:300nm:窒素比表面積8m2/g:DBP吸油量22ml/100g)を60質量部、CB6(平均粒径:30nm:窒素比表面積1270m2/g:DBP吸油量495ml/100g)を1質量部(表1、表2および表5参照)に変更(製造例31の帯電ローラに変更)した以外は、実施例1と同様の方法で、SP値の測定、T2HHの測定、通電劣化指数の評価、ドラム電位の評価、圧縮永久歪試験を行った。
【0125】
SP値は、9.038であった。T2HHは760μSであった。通電劣化指数の評価は×であった。ドラム電位の評価はa−Si、OPCともに×であった。圧縮永久歪の評価はa−Si、OPCともに○であった(表7)。結合スチレン量が40質量%以上60質量%以下のSBR以外の材料を用いたため、通電劣化が悪化したと考えられる。
【0126】
【表7】

【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】(A)導電性支持体の形状の概略図である。(B)帯電ローラの形状の概略図である。
【図2】本発明の通電空回転機の概略図である。
【図3】通電劣化加速試験により得られた帯電ローラの電気抵抗値と通電時間のグラフである。
【図4】帯電ローラ電気抵抗測定装置の概略図である。
【図5】本発明の電子写真装置の概略図である。
【符号の説明】
【0128】
1 帯電ローラ
2 アルミドラム
3 帯電バイアス電源(AC+DC)
4 ドラム駆動モーター
5 バネ加圧
6 電子写真感光体
7 軸
8 露光手段
9 現像手段
10 転写手段
11 クリーニング手段
12 定着手段
P 転写材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性支持体上に導電層を有する帯電ローラにおいて、前記導電層が結合スチレン量40質量%以上60質量%以下のスチレンブタジエンゴム(SBR)で形成され、かつ平均粒径150nm以上500nm以下のカーボンブラックを含有することを特徴とする帯電ローラ。
【請求項2】
前記導電層の溶解度パラメータ(SP値)が7.70≦SP(cal1/2/cm3/2)≦8.70であり、温度30℃相対湿度80%における水素核スピン−スピン緩和時間(T2HH)が40≦T2HH(μs)≦200であることを特徴とする請求項1に記載の帯電ローラ。
【請求項3】
前記SBRのビニル量が10質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の帯電ローラ。
【請求項4】
前記カーボンブラックをゴム100質量部に対して、40質量部以上100質量部以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電ローラ。
【請求項5】
フッ化アルキル基およびオキシアルキレン基を有するポリシロキサンを含有する表面層を被覆したことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電ローラ。
【請求項6】
少なくとも、珪素原子を主成分とする非晶質材料で構成された光導電層を有する電子写真感光体と、近接または接触帯電方式にて感光体表面を帯電する帯電手段と、画像を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、トナー像を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写体に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、前記帯電手段として請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電ローラを用いたことを特徴とする電子写真装置。
【請求項7】
少なくとも、表面保護層と感光層の合計の層厚が20μm以下の有機電子写真感光体と、近接または接触帯電方式にて感光体表面を帯電する帯電手段と、画像を露光して潜像を形成する潜像形成手段と、トナー像を感光体に形成する現像手段と、トナー像を被転写体に転写する転写手段とを有する電子写真装置において、前記帯電手段として請求項1乃至5のいずれかに記載の帯電ローラを用いたことを特徴とする電子写真装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図1】
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【公開番号】特開2010−60609(P2010−60609A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223358(P2008−223358)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】