説明

帯電装置、及びそれを備えた画像形成装置

【課題】コロナ帯電器の開口部と感光体の表面との間を遮蔽することが可能な帯電装置を提供する。
【解決手段】被帯電体を帯電するコロナ帯電器2を備える帯電装置であって、コロナ帯電器2は、電極2bと、電極2bよりも被帯電体に近い側に開口を有するシールド2aとを有しており、帯電装置は、開口を開閉可能なシート状のシャッタ61と、シャッタ61をコロナ帯電器2の長手方向に移動させて開口を開閉させる機構と、機構により開口を開く方向に移動したシャッタを巻きつける部材62と、部材62をシャッタ61を巻き取る回転方向へ付勢するスプリングと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機等に用いられる帯電装置、及びそれを備えた画像形成装置に係り、特にコロナ帯電器を有する帯電装置、及びそれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電子写真技術を用いた画像形成装置においては、電子写真感光体(以下、単に「感光体」という。)の帯電や除電を行う電圧印加手段として、コロナ帯電器(コロトロン、スコロトロン)が利用されている。該コロナ帯電器は、ワイヤー電極(50〜100μmφの金メッキを施したタングステン線などの金属線)とシールド板を構成部材として構成されている。即ち、該コロナ帯電器は、ワイヤー電極に高電圧(4〜8kv程度)を印加することにより該感光体の帯電や除電を行うものである。
【0003】
ところで、コロナ帯電器は、放電を行うとオゾン(O)が発生するため、発生したオゾンにより空気中の窒素を酸化して窒素酸化物(NOx)などを生成し、さらに、その窒素酸化物などが空気中の水分と反応して硝酸などを生じさせる。そして、それら窒素酸化物、硝酸などのコロナ放電生成物は、感光体や周辺の機器に付着堆積して、それらの表面を汚染してしまう虞がある。例えば画像形成装置が高湿環境に設置されている場合には、上述のコロナ放電生成物は吸湿性が強いため、感光体の表面は付着したコロナ放電生成物の吸湿により低抵抗化を引き起こし、電荷保持能力が全面的に或いは部分面的に低下してしまう。このような低抵抗化が生じると、図13(a)に示すような正常な電位による正常な潜像が形成できず、図13(b)に示すように、感光体表面の電荷が面方向にリークして静電荷潜像パターンが崩れてしまう(或いは形成されない)。そのため、図12(a)に示すような正常な画像形成が行えず、図12(b)に示すように、画像ボケや画像流れと称される画像形成の不備を生じさせる原因となる。
【0004】
また特に、コロナ帯電器のシールド板内面に付着したコロナ放電生成物は、画像形成装置の稼働中のみならず例えば夜間などの長時間休止中に揮発遊離し、それが該コロナ帯電器の放電開口部付近の感光体表面に付着する。そのため、長時間休止後にあっては、さらに吸湿が進行し、その部分の感光体表面の低抵抗化が増してしまう。したがって、長時間休止後の最初の一枚目、ないしその後の数十枚の画像形成にあっては、上記休止中のコロナ帯電器の開口部に対応する領域に画像流れが生じ易い。なお、このような現象は、AC(交流電流)式のコロナ帯電器を用いた画像形成装置や、感光体のネガ帯電方式(ポジ帯電トナーを用いる方式)の画像形成装置にあって顕著に生じる。
【0005】
そこで、上述のような感光体表面の吸湿を防ぐため、感光体の表面を熱ローラにより加熱し、かつ、上記コロナ放電生成物が感光体表面に付着することを防ぐため、コロナ帯電器の開口部を遮断用フィルムで遮蔽するものが提案されている(特許文献1参照)。なお、感光体を内部から加熱する手法では、例えば立ち上げ時のウォームアップで感光体表面を画像流れの対策に必要な40℃以上にするために時間がかかるので、感光体の外部より加熱することが好ましい。また、少ない立ち上げ時間で画像流れが起こらないように感光体表面を加熱して乾燥させるために、あらかじめ感光体を暖めておく手法も考えられるが、消費するエネルギーの無駄が大きいという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−73633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1のような構成では、放電生成物の付着が多い部分、即ちコロナ帯電器の対抗面から離れた位置に熱ローラを設けている構成であるため、この対抗面を十分に加熱するまでに時間がかかる。さらには、対抗面以外の部分を加熱して、熱伝導により対抗面を加熱させる構成であるため、不要な部分の加熱が必要となり、消費電力が大きくなる。
【0008】
そこで本発明は、像担持体への放電生成物の付着を低減できる帯電装置、及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明は、被帯電体を帯電するコロナ帯電器を備える帯電装置であって、前記コロナ帯電器は、電極と、前記電極よりも被帯電体に近い側に開口を有するシールドと、を有し、前記開口を開閉可能なシート状のシャッタと、前記シャッタを前記コロナ帯電器の長手方向に移動させて前記開口を開閉させる機構と、前記機構により開口を開く方向に移動した前記シャッタを巻きつける部材と、前記部材を前記シャッタを巻き取る回転方向へ付勢するバネと、を備える、ことを特徴とする帯電装置にある。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、シャッタをコロナ帯電器の長手方向に移動させて開口を開閉させるので、像担持体への放電生成物の付着を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。
【図2】第1の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す平面図である。
【図3】第1の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す断面図である。
【図4】PTCヒータの構成を示す模式断面図である。
【図5】PTCヒータにおける温度と電力の変化を示すタイムチャートである。
【図6】発熱遮蔽装置の動作説明を示す図で、(a)は画像形成時のタイムチャート、(b)はウォームアップ時のタイムチャートである。
【図7】第2の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。
【図8】第2の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す展開模式図である。
【図9】オゾン濃度と温度との関係を示す説明図である。
【図10】第3の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。
【図11】第1の実施の形態に係る一次帯電器と発熱遮蔽装置を示す斜視模式図である。
【図12】画像流れを説明する図で、(a)は正常な画像の状態を示す図、(b)は画像流れの状態を示す図である。
【図13】感光体の電位による潜像の状態を説明する図で、(a)は正常な潜像の電位を示す図、(b)は表面抵抗が低下した潜像の電位を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1の参考例>
以下、本発明に係る第1の参考例を図1ないし図6に沿って説明する。図1は第1の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。図2は第1の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す平面図である。図3は第1の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す断面図である。図4はPTCヒータの構成を示す模式断面図である。図5はPTCヒータにおける温度と電力の変化を示すタイムチャートである。図6は発熱遮蔽装置の動作説明を示す図で、(a)は画像形成時のタイムチャート、(b)はウォームアップ時のタイムチャートである。
【0013】
まず、本参考例を適用し得る電子写真方式の画像形成装置の概略構成について説明する。図1に示すように、画像形成装置内にあって画像形成部10には、転写材(記録材)にトナー像を転写する転写部11と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着部13と、転写材を転写部11から定着部13まで搬送する搬送部12とが備えられている。ここでいう転写材とは、例えば普通紙、ハガキ等の紙やOHPシート等の透明フィルムなどが一例として挙げられる。
【0014】
転写部11には、像担持体としてドラム型の感光体(以下、「感光ドラム」という)1が備えられている。感光ドラム1は画像形成装置本体(不図示)によって矢印R1方向に回転可能に支持されており、図示を省略した制御部の指令に基づき感光ドラムユニットのドラム駆動装置の制御により回転制御される。ドラム駆動装置には、図示を省略した駆動制御部とそれに接続された駆動モータが備えられており、該駆動モータの駆動により感光ドラム1が回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、一次帯電器2、露光装置3、現像装置4、転写前帯電器5、転写帯電器6、分離帯電器7、クリーニング装置8、前露光器9が配設されている。このうち、本参考例においては、一次帯電器2、転写前帯電器5、転写帯電器6、及び分離帯電器7にコロナ帯電器が用いられている。
【0015】
例えば一次帯電器2は、略直方体形状に形成され、感光ドラム1の表面1aに向けて開口した開口部2cを有するシールド板2a(シールド)と、感光ドラム1の回転軸方向に張設された2本のワイヤー電極2b、2b(ワイヤー)を備えて構成されている。また、転写前帯電器5、転写帯電器6、及び分離帯電器7も一次帯電器2と略同様に構成されている。即ち、各帯電器5、6、7のそれぞれは、開口部5c、6c、7cを有するシールド板5a、6a、7aとワイヤー電極5b、6b、7bとを備えて構成されている。
【0016】
本第1の参考例においては、これらの帯電器2、5、6、7のうち、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1a(像担持体面)との間に、詳しくは後述する発熱遮蔽装置20が備えられている。
【0017】
搬送部12は、複数のローラ12bに巻設されている搬送ベルト12aを有しており、少なくとも1つのローラ12bが駆動ローラとして駆動されることにより搬送ベルト12aを回転駆動し、該搬送ベルト12a上の転写材を搬送する。定着部13は、加熱器13cを内部に有する定着ローラ13aと、該定着ローラ13aに対して常時付勢されている加圧ローラ13bとを備えている。
【0018】
上述の画像形成装置において、画像形成時には、感光ドラム1は、制御部の制御に基づく駆動モータの駆動によって矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。するとまず、感光ドラム1の表面は、一次帯電器2によって所定の極性・電位に一様に(均一に)帯電される。帯電後の感光ドラム1の表面は、露光装置3によって画像情報に基づいた光照射がなされ、照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置4によってトナーが付着されトナー像として現像される。現像剤としては、例えば非磁性一成分現像剤を使用することができる。
【0019】
こうして感光ドラム1上に形成されたトナー像は、感光ドラム1の矢印R1方向に回転によって感光ドラム1と転写帯電器6との間の転写位置に到達する。このトナー像にタイミングをあわせるようにして、転写材が転写位置に供給され、トナー像と逆極性の転写バイアスが印加された転写帯電器6により、感光ドラム1と転写帯電器6間に発生する静電力によって感光ドラム1上のトナー像が転写材に転写される。
【0020】
トナー像転写後の転写材は、分離バイアスが印加された分離帯電器7によって、感光ドラム1から分離されて搬送ベルト12a上に送り出され、該搬送ベルト12aにより定着部13に搬送される。定着部13に搬送された転写材は、定着ローラ13aと加圧ローラ13bとの間を通過する際に加熱・加圧されて表面にトナー像が定着されて、画像形成装置外部に排出される。
【0021】
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、上述の転写時に転写材に転写されないで表面に残った転写残トナーがクリーニング装置8によって除去され、さらに表面に残った電荷が前露光器9によって除去され、次の画像形成に供される。
【0022】
ついで、本参考例に係る発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)20について詳細説明する。本第1の参考例に係る発熱遮蔽装置20は、図1ないし図3に示すように、発熱部を有する遮蔽部材としての扉状ヒータ21と、スライド機構としてのヒータ枠22と、図示を省略したスライド駆動手段とを備えて構成されている。
【0023】
ヒータ枠22は、図1に示すように、感光ドラム1と一次帯電器2との間に配置され、図示を省略した画像形成装置本体に対して固定支持されている。該ヒータ枠22は、図2に示すように、詳しくは後述する扉状ヒータ21がスライド駆動した際に、一次帯電器2の開口部2cの大きさ以上に開口されるような大きさに形成されている。該ヒータ枠22の感光ドラム1の回転軸方向における両端部分には、図3に示すように、ガイド穴22aが形成されており、該ガイド穴22aに対して扉状ヒータ21がスライド移動自在(摺動自在)に両端支持されている。したがって、扉状ヒータ21のスライドによって、感光ドラム1の表面と一次帯電器2の開口部2cとの間を遮蔽・開放し得るように構成されている。また、該ガイド穴22aの下面には、扉状ヒータ21に電力を供給するための電極23がスライド方向に亘って配設されている。これにより、扉状ヒータ21がスライド移動しても扉状ヒータ21に電力を供給し得るように構成されている。
【0024】
扉状ヒータ21は、一次帯電器2の開口部2cを覆うことが可能な大きさで、つまり発熱部の領域はコロナ帯電器の開口部領域よりも大きく、感光ドラム1の外周形状に沿った湾曲形状に形成されている。即ち、少なくともヒータ21のコロナ帯電器の長手方向と直交する方向における幅は、同方向の開口部の幅よりも広い。該扉状ヒータ21は、詳しくは後述するPTCヒータを用いた発熱シートが張設された扉状からなり、全体としてヒータ枠22内でスライド駆動する際に折れ曲がらない程度の剛性を有している。本明細書中においては、この折れ曲がらない程度の剛性を有することを後述する巻き取り式のシート状ヒータと区別するために「扉状ヒータ」と称するが、スライド駆動に耐え得る剛性であれば足りる。即ち、扉状ヒータとしては、シート自体に剛性を持たせる態様、シートを枠体に張ったような態様、格子を骨組として貼り付けたような態様などが考えられる。
【0025】
該扉状ヒータ21の一端(矢印X2方向側の開放する側の端部)には、受圧板25が固着されており、該受圧板25とヒータ枠22との間には複数のスプリング24が縮設されている。また、該受圧板25には図示を省略したスライド駆動手段が接続されている。スライド駆動手段としては、例えばアクチュエータ(油圧、リニア駆動など)やモータ機構(電動モータ及びラック・アンド・ピニオン機構など)を用いることが考えられる。また、スライド駆動手段には、矢印X2方向に対して駆動力を付与し、かつ矢印X1方向に移動する際には駆動連結を切り離す機構が設けられていることが好ましい。これにより、扉状ヒータ21は、スプリング24の付勢力によって矢印X1方向に移動駆動される。
【0026】
以上のような発熱遮蔽装置20は、画像形成を行わない非画像形成時において、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aとの間を扉状ヒータ21により遮蔽する(つまり、少なくとも発熱部の一部は開口部と像担持体の間に位置する)。本参考例では、遮蔽部材が前記開口部の遮蔽時のコロナ帯電器の長手方向と直交する方向における発熱部の幅はこの方向における開口部の幅よりも広い範囲で遮蔽する。しかし、移動方向において、遮蔽部の幅がヒータ部の幅よりも広い場合には、ヒータ部の一部が遮蔽を行う構成であってもいい。
【0027】
一方、画像形成時においては、スライド駆動手段の駆動力付与により扉状ヒータ21がヒータ枠22に沿って矢印X2方向にスライド移動されることで(つまり遮蔽部材と発熱部とは一体で移動する。)、ヒータ枠22に扉状ヒータ21が存在しない開口部分が形成される。この際、スプリング24は収縮された状態となる。これにより、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aとの間が開放される。また、扉状ヒータ21は図3に示す電極23に接触移動するため、移動しながらも扉状ヒータ21には電力を供給することが可能である。そして、画像形成時にあって一次帯電器2は、発熱遮蔽装置20の開口により、即ちヒータ枠22に形成される開口部分を介して、感光ドラム1の表面1aの帯電を行う。
【0028】
ここで、PTCヒータについて説明する。PTCヒータは大きな正の抵抗温度係数(PTC)の抵抗層を有する発熱体である。本参考例においては、扉状ヒータ21にPTC発熱抵抗体をシート状に加工したものを用いた。PTCヒータを用いた発熱シートについては、特開平06−295780号公報、特開2003−109803号公報に開示されている。
【0029】
PTC素子に電圧を印加すると、ジュール熱により自己発熱し、キュリー温度(Tc)を超えると、その抵抗値は対数的に増大する。この抵抗値の増大に伴って電流が減少し、電力(W)が抑えられるため発熱温度が低下する。したがって、抵抗値が下がると電流が増加し、再び電力(W)が増すため発熱温度が増加する。この動作が繰り返されることにより、自己制御機能を持った定温発熱体として働く。本参考例においては、PTC抵抗体をシート状に加工されたものを用いた。詳細には、図4に示すように、不織布21dに柔軟性シート21cを貼付けたものに伸縮性PTC抵抗体21aとヒータ電極21bとを印刷し、それらを積層して扉状ヒータ21(以下、「PTCヒータ」ともいう)を構成した。
【0030】
ところで、加熱によって画像流れを防ぐには、感光ドラム1の表面1aを40℃以上にする必要がある。そのため、本PTCヒータ21は、設定温度として例えば50℃に設定し、例えば100V印加して用いた。例えば100V印加したときのPTCヒータ21の温度変化及び電力変化について図5に実験例として示す。図5に示すように、表面温度Aは、30秒程度で画像流れの回復に必要な40℃に達し、その後、設定温度50℃で安定する。また、PTC抵抗体21aへの電圧印加直後は、突入電力が入るが、10秒程度で一定電力に安定していく。
【0031】
つづいて、本参考例に係る画像形成装置の動作を図6のタイムチャートに沿って説明する。なお、図6中において、スタンバイとは画像形成可能状態であり、画像形成時とは前回転、後回転を含むスタンバイ状態に戻るまでの動作を示す。また、省エネモードとは、定着装置へ電力を供給していない状態である。本画像形成装置において、例えばスタンバイ状態時の定着ローラの表面温度は、200℃で維持されている。そして、スタンバイ状態が設定時間を超えると省エネモード状態に切り替わる。
【0032】
図6(a)に示すように、本画像形成装置にあってスタンバイ状態においては、図示を省略した制御部の指令に基づき、PTCヒータ21はONされる。ここで、例えば画像形成信号が制御部に入力されると、該制御部は画像形成動作を判定し、まず、感光ドラムユニットのドラム駆動装置の駆動制御部にドラム回転信号が出力される。このドラム回転信号の出力を受けて、該制御部は、発熱遮蔽装置20のスライド駆動手段に指令してPTCヒータ21をスライド駆動する。つまり、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aとの間からPTCヒータ21をヒータ枠22に沿ってスライド駆動して開放状態とする。
【0033】
つづいて、ドラム駆動装置の駆動制御部は、PTCヒータ21の開放動作時間を考慮し、即ち遮蔽状態での放電を防ぐため、上記画像形成信号入力から例えば3秒後に感光ドラム1の図示を省略した駆動モータに指令を与えて感光ドラム1の回転駆動を開始する。また、画像形成装置の制御部(帯電器制御手段)は、この画像形成信号入力から例えば3秒後に各帯電器2、5、6、7の帯電又は除電動作を開始する。つまり、PTCヒータ21が完全に開放した状態で、画像形成を開始することになる。なお、本参考例では、ドラム回転信号でPTCヒータ21をスライド動作させたが、コピースタートボタンやプリンタ入力などの他の信号でも構わない。
【0034】
その後、画像形成(後回転)が終了すると、スライド駆動手段によるPTCヒータ21との駆動連結が切り離され、スプリング24の付勢力によってPTCヒータ21が一次帯電器2の開口部2cを遮蔽して覆う。以上のようなスタンバイ状態と画像形成時とにおいては、PTCヒータ21のスライド駆動に拘らず、制御部の指令に基づきPTCヒータ21に電力が供給され、ヒータがONとされる。ONされたPTCヒータ21は、上述のように30秒程度で40℃に達して自己温度制御で一定の設定温度50℃となる。これにより、画像形成中に発生したオゾンの分解を促進し、さらに感光ドラム1の吸湿による画像流れを防ぐことになる。そして、画像形成終了後から設定時間が経過すると、制御部によりスタンバイ状態から省エネモードへの移行が判定され、その際にPTCヒータ21がOFFされる。
【0035】
次に、省エネモードまたはメインスイッチ(SW)offからの立ち上げ時、つまりウォームアップ制御について説明する。図6(b)に示すように、画像形成装置が、省エネモードまたはメインスイッチoffから立ち上がる際は、メインスイッチの押下などにより画像形成可能状態への立ち上げを行うための信号が制御部に入力される。すると、制御部は、ウォームアップ制御開始を判断し、PTCヒータ21のヒータONを指令して電力供給を開始すると共に、感光ドラムユニットのドラム駆動装置の駆動制御部にドラム回転信号を出力し、感光ドラム1の回転を開始する。これにより、感光ドラム1を少なくとも30秒間以上回転させる、好ましくはPTCヒータ21が40℃以上で感光ドラム1が1回転以上させる、感光ドラム加熱状態となる。なお、省エネモード(メインスイッチoff)中は、PTCヒータ21が遮蔽位置となっており、そのままPTCヒータ21のスライド動作は行われない。
【0036】
ついで、制御部が感光ドラム1の加熱が終了したことを判定し、ドラム加熱終了の信号を出力すると、該信号を受けて、発熱遮蔽装置20のスライド駆動手段がPTCヒータ21をスライド駆動する。そして、上述と同様に遮蔽状態での放電を防ぐため、上記信号入力から例えば3秒後に一次帯電器2に指令を与え、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aと間が完全に開放された状態で、感光ドラム1の電位制御を開始する。その後、電位制御が終了すると、制御部の指令により、上述したスタンバイ状態(図6(a)参照)とされる。なお、電位制御終了後に直ぐに画像形成を行う場合は、PTCヒータ21は開放状態のまま、図6(a)に示す画像形成状態となる。
【0037】
以上のように、長時間使用されない画像形成装置においては、その間PTCヒータ21の電力供給を停止するが、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aと間は遮蔽されているため、画像流れを抑制することができる。そして、画像形成装置が長時間高湿放置の状態であると、特に転写前帯電器5、転写帯電器6、分離帯電器7の各開口部5c、6c、7cに対向した感光ドラム1の表面がコロナ放電生成部の付着により吸湿し易い。しかしながら、本画像形成装置は、立ち上げ時にPTCヒータ21を発熱させ、感光ドラム1を回転させて表面1aを加熱することで、長時間高湿放置後であっても感光ドラム1の表面1を乾燥させることができる。
【0038】
これにより、本第1の参考例に係る画像形成装置においては、高湿環境の長時間放置の立ち上げ初期から、良好な画像を得ることができた。なお、内部加熱も同時に併用することで、より早い時間で画像流れが回復することは勿論のことである。
【0039】
以上説明した第1の参考例に係る画像形成装置によれば、感光ドラム1への放電生成物の付着を低減できるだけでなく、加熱が必要なコロナ帯電器に対向する感光ドラム1の表面を集中して加熱することができる。また、例えば熱ローラ等を感光ドラム1の周辺に新たに配設することなく、コンパクトな構成でコロナ帯電器の遮蔽・開放を行い、かつ感光ドラム1の乾燥を行うことができる。即ち、このようにコンパクトな構成で、例えば高湿環境であっても画像流れ等の画像形成不備の防止を図ることができる。
【0040】
<第2の参考例>
ついで、上記第1の参考例を一部変更した第2の参考例を図7及び図8に沿って説明する。図7は第2の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。図8は第2の参考例に係る発熱遮蔽装置を示す展開模式図である。なお、以下に説明する本第2の参考例においては、上述した第1の参考例と同様な部分に同符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
本第2の参考例に係る画像形成装置においては、図7に示すように、一次帯電器2に発熱遮蔽装置30を、転写前帯電器5に発熱遮蔽装置40、転写帯電器6及び分離帯電器7に発熱遮蔽装置50を備えて構成した。
【0042】
発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)30は、シート状ヒータ31と穴開き部32aを有する張設シート32と、ガイドローラ35、36と、巻き取り軸(巻き取り手段)33、34とを備えて構成されている。また、発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)40は、シート状ヒータ41と穴開き部(不図示)を有する張設シート42と、ガイドローラ45、46と、巻き取り軸(巻き取り手段)43、44とを備えて構成されている。更に、発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)50は、シート状ヒータ51と穴開き部(不図示)を有する張設シート52と、ガイドローラ55、56、57と、巻き取り軸(巻き取り手段)53、54とを備えて構成されている。これら発熱遮蔽装置30、40、50は、発熱遮蔽装置50において、ガイドローラ56が2つの帯電器の間に1つ配置され、2つの帯電器を1つの張設シート52で覆ったこと以外、略々同様な構成である。そのため、以下の説明においては、発熱遮蔽装置30を主に説明し、発熱遮蔽装置40、50の詳細説明を省略する。
【0043】
発熱遮蔽装置30の巻き取り軸33、34は、一次帯電器2のシールド2aにおける、感光ドラム1の表面1aに対する側面の該表面1aと反対側の端部付近に回転自在に位置決め支持されている。巻き取り軸34は、例えば内蔵されたスプリング等の付勢手段により張設シート32を常時巻き取る回転方向に付勢されている。また、巻き取り軸33は、回転モータが内蔵されており、図8に示すコントローラユニット39からの指令(電力供給)によって巻き取り軸34の付勢力に抗して張設シート32を巻き取る。
【0044】
張設シート32は、一次帯電器2の開口部2の大きさと略々同じ(或いは大きく)形成された穴開き部32aを有していると共に、シート状ヒータ(以下、「PTCヒータ」)31が張り合わされて構成されている。少なくともPTCヒータ31のコロナ帯電器の長手方向と直交する方向における幅は、同方向の開口部の幅よりも広く、本参考例では、PTCヒータ31の領域はコロナ帯電器の開口部領域よりも大きい。本参考例におけるPTCヒータ31には、発熱ムラを最低限に抑えるため、櫛型電極31bを用いており、この電極31bよりPTC抵抗体31aに電力が供給可能となっている。
【0045】
ガイドローラ35、36は、図7に示すように、一次帯電器2の開口部2cの両端付近に回転自在に配置されている。また、ガイドローラ35、36は、図示を省略したカム駆動機構(ローラ移動手段)によって、それらの回転軸が感光ドラム1aの表面1aに対して近づく又は遠ざかる方向に移動駆動可能となっている。なお、ガイドローラ35、36にあっては、表面に摩擦が少ない材料を用いることが好ましい。
【0046】
したがって、張設シート32(PTCヒータ31)は、巻き取り軸33、34及びガイドローラ35、36によって一次帯電器2の三面部分を覆うように張設されている。また、画像形成を行わない非画像形成時において、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aとの間をPTCヒータ31の部分で遮蔽し、つまり少なくとも発熱部の一部は開口部と像担持体の間に位置する。さらに、張設シート32(PTCヒータ31)は、ガイドローラ35、36のカム駆動機構による移動駆動によって、感光ドラム1の表面1aに対して接離可能に移動駆動される。
【0047】
そして、画像形成時には、画像形成装置の制御部からの指令に基づくコントローラユニット39からの指令によって巻き取り軸33が駆動され、穴開き部32aが開口部2に位置するように制御される。これにより、一次帯電器2の開口部2と感光ドラム1の表面1aとの間を遮蔽しているPTCヒータ31が移動し(遮蔽部材と発熱部とは一体で移動し)、つまり開放状態とされて、一次帯電器2による感光ドラム1の帯電が可能となる。なお、第1の参考例と同様に、画像形成装置の制御部(帯電器制御手段)は、画像形成信号入力から例えば3秒後に感光ドラム1の回転制御を開始すると共に、各帯電器2、5、6、7の帯電又は除電動作を開始する。
【0048】
また、張設シート32で一次帯電器2のシールド2aの側面も覆うような構成にすることで、一次帯電器2の開口部2と感光ドラム1の表面1aとの間が開放されている状態でも、該一次帯電器2を加熱することができる。画像形成中に、帯電器を加熱することは、発生したオゾンの分解効果を促進させることができる。特開平06−167857号公報には定着器の温風をコロナ帯電器へ吹き付けることでオゾンを自己分解させるということが開示されている。図9はオゾン濃度と温度との関係を示す説明図である。図9に示すように、温度の上昇に伴って、オゾン濃度が低下することが分かる。
【0049】
また、画像形成終了後は、張設シート32の穴開き部32aの部分が巻き取り軸34の方向に巻き取られることで、PTCヒータ31が一次帯電器2の開口部2と感光ドラム1の表面1aとの間を遮蔽する。即ち、待機中の停止状態では感光ドラム1上にコロナ放電生成物が付着することを防ぐ遮蔽部材として働き、画像流れのない良好な画像を得ることができる。なお、この際は、ガイドローラ35、36が感光ドラム1の表面1aより遠くなる方向に移動されている。
【0050】
そして、上記ウォームアップ制御時には、ガイドローラ35、36が感光ドラム1の表面1aに近くなる方向に移動され、PTCヒータ31を感光ドラム1の表面1aに接触させる。これにより、ウォームアップ制御時に、感光ドラム1の表面1aを急速に加熱することができる。
【0051】
また、発熱遮蔽装置30を一次帯電器2に対して配設するだけでなく、同様な構成の発熱遮蔽装置40、50を転写前帯電器5、転写帯電器6、分離帯電器7に対しても設置することで、高湿環境で長時間放置後においても立ち上げ直後から良好な画像が得られた。また勿論のことであるが、本参考例の場合には、第1の参考例の画像形成装置に比して、短時間で感光ドラム1の表面1aを乾燥させることができる。
【0052】
以上説明した第2の参考例に係る画像形成装置によっても、上記参考例と同様に、感光ドラム1への放電生成物の付着を低減できるだけでなく、加熱が必要なコロナ帯電器に対向する感光ドラム1の表面を集中して加熱することができる。また、例えば熱ローラ等を感光ドラム1の周辺に新たに配設することなく、コンパクトな構成でコロナ帯電器の遮蔽・開放を行い、かつ感光ドラム1の乾燥を行うことができる。即ち、このようにコンパクトな構成で、例えば高湿環境であっても画像流れ等の画像形成不備の防止を図ることができる。
【0053】
<第3の参考例>
つづいて、上記第2の参考例を一部変更した第3の参考例を図10に沿って説明する。図10は第3の参考例に係る画像形成装置を示す模式断面図である。なお、以下に説明する本第3の参考例においては、上述した第1及び第2の参考例と同様な部分に同符号を付し、その説明を省略する。
【0054】
図10に示すように、本第3の参考例に係る画像形成装置は、一次帯電器2に対して発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)30を配設し、転写前帯電器5、転写帯電器6、分離帯電器7に対しては発熱遮蔽装置を配設しない形態のものである。
【0055】
本参考例における画像形成装置にあっては、長時間高湿放置の待機状態から回復する場合、特に転写前帯電器5、転写帯電器6、分離帯電器7と対向した部分の感光ドラム1の表面1a上にコロナ放電生成物が付着する虞がある。そのため、それらの部分を局所的に加熱するように制御するものである。
【0056】
本画像形成装置にあっては、上記ウォームアップ制御時に、まず、ガイドローラ35、36によりPTCヒータ31を感光ドラム1の表面1aに接触させる。そして、制御部の指令に基づき感光ドラム1を矢印R2方向に回転制御し、待機時に分離帯電器7、転写帯電器6、転写前帯電器5と対向していた感光ドラム1の部分に順番に例えば10秒間ずつ停止させ加熱する。例えば待機時に転写前帯電器5と対向していた感光ドラム1の表面1aの位置1a−1が、矢印R2方向に回転され、一次帯電器2に対向する位置1a−2となった際に例えば10秒間停止される。このような動作により、完全に画像流れを回復でき、高湿環境で長時間放置後においても、立ち上げ直後から良好な画像が得られる。
【0057】
このように本第3の参考例に係る画像形成装置によれば、上記参考例と同様に、感光ドラム1への放電生成物の付着を低減できるだけでなく、加熱が必要なコロナ帯電器に対向する感光ドラム1の表面を集中して加熱することができる。また、発熱部を有する遮蔽部材を1つだけ備えた、よりコンパクトな構成で画像流れ等の画像形成不備の防止を図ることができる。なお、本参考例においては、例えばコロナ放電生成物が付着して吸湿が多いと考えられる部分を例えば10秒間ずつ停止して乾燥させるものを説明したが、勿論、その部分を通過させる際に速度を遅くするように回転制御するようにしてもよい。
【0058】
<第1の実施の形態>
つづいて、上記第3の参考例を一部変更した第1の実施の形態を図11に沿って説明する。図11は第1の実施の形態に係る一次帯電器と発熱遮蔽装置を示す斜視模式図である。なお、以下に説明する本第1の実施の形態においても、上述した第1ないし第3の参考例と同様な部分に同符号を付し、その説明を省略する。
【0059】
本第1の実施の形態に係る画像形成装置には、一次帯電器2のワイヤー電極2bを清掃する清掃装置を備えたものである。上述したように放電により生成されるコロナ放電生成物は、感光ドラム1のみならず、帯電器におけるシールド2aやワイヤー電極2bにも付着する。特にワイヤー電極2bに付着した場合は、表面抵抗の違いにより帯電ムラを生じる虞がある。そのため、清掃装置として、ワイヤー電極2bに接触移動する清掃部材70と、図示を省略した清掃部材70をワイヤー電極2bに沿って移動駆動させる清掃駆動手段(移動機構)とを備えている。清掃駆動手段(移動機構)としては、駆動モータ及びラック・アンド・ピニオン機構などを用いることが考えられる。
【0060】
本実施の形態の発熱遮蔽装置(遮蔽部材駆動装置)60は、シート状ヒータ(以下、「PTCヒータ」という)61と、該PTCヒータ61を常時巻き取る方向に付勢する付勢手段(巻きつける部材)を有した巻き取り軸(巻き取り手段)62と備えている。PTCヒータ61の巻き取り軸62とは反対側の一端部は、清掃部材70に例えばネジや接着剤等によって連結されている。少なくともPTCヒータ61のコロナ帯電器の長手方向と直交する方向における幅は、同方向の開口部の幅よりも広く、本実施の形態では、PTCヒータ61の領域はコロナ帯電器の開口部領域よりも大きい。画像形成を行わない非画像形成時においては、一次帯電器2の開口部と感光ドラム1の表面との間をPTCヒータ61の部分で遮蔽し、つまり少なくとも発熱部の一部は開口部と像担持体の間に位置する。
【0061】
画像形成時には、上記清掃駆動手段により清掃部材70が巻き取り軸62の方向に向けて移動駆動されることにより、PTCヒータ61が巻き取り軸62に巻き取られる。これにより、一次帯電器2の開口部2cと感光ドラム1の表面1aとの間からPTCヒータ61が退避した形となり(遮蔽部材と発熱部とは一体で移動し)、つまり一次帯電器2が開放される。なお、特に画像形成時でなくてもワイヤー電極2bを清掃する必要がある際は、一次帯電器2が開口されてしまうが、僅かな時間であるので、清掃部材70を移動駆動して清掃動作を行っても構わない。勿論であるが、この清掃動作の終了時には、清掃部材70を巻き取り軸62より反対側に移動駆動し、つまり一次帯電器2を遮蔽しておく。
【0062】
また、ウォームアップ性御時には、上記第3の参考例と同様に、他のコロナ帯電器と対向していた感光ドラム1の表面部分を局所的に加熱するように該感光ドラム1を回転制御する。このような動作により、完全に画像流れを回復でき、高湿環境で長時間放置後においても、立ち上げ直後から良好な画像が得られる。なお、他のコロナ帯電器に上述のような清掃装置を備える場合には、それらの帯電器にも同様な構成で発熱遮蔽装置を配設することができる。また、この場合は、第2の参考例のように、第1及び第3の参考例に比して、短時間で感光ドラム1の表面1aを乾燥させることができる。
【0063】
このように本第1の実施の形態に係る画像形成装置によれば、上記参考例と同様に、感光ドラム1への放電生成物の付着を低減できるだけでなく、加熱が必要なコロナ帯電器に対向する感光ドラム1の表面を集中して加熱することができる。また、PTCヒータの移動駆動を清掃装置の清掃駆動手段により共用した、よりコンパクトな構成で画像流れ等の画像形成不備の防止を図ることができる。
【0064】
なお、以上説明した第1ないし第3の参考例、及び第1の実施の形態においては、一次帯電器、転写前帯電器、転写帯電器、分離帯電器にコロナ帯電器を用いたものを説明したが、何れか1つの帯電器がコロナ帯電器であれば、本発明の適用として有効なものである。
【0065】
また、遮蔽部材の発熱部としてPTCヒータを用いたものを説明したが、これに限らず、感光体の加熱が可能であれば何れのものを用いてもよい。このようなものとして、例えば電熱線をサーモスタット等で温度制御するようなものも考えられる。
【符号の説明】
【0066】
1 像担持体(感光ドラム)
1a 像担持体(感光体)の表面
2 コロナ帯電器(一次帯電器)
2a シールド
2b ワイヤー
2c 開口部
5 コロナ帯電器(転写前帯電器)
5a シールド
5b ワイヤー
5c 開口部
6 コロナ帯電器(転写帯電器)
6a シールド
6b ワイヤー
6c 開口部
7 コロナ帯電器(分離帯電器)
7a シールド
7b ワイヤー
7c 開口部
20 遮蔽部材駆動装置(発熱遮蔽装置)
21 遮蔽部材、扉状ヒータ(PTCヒータ)
21a 発熱部(PTC抵抗体)
22 スライド機構(ヒータ枠)
30 遮蔽部材駆動装置(発熱遮蔽装置)
31 遮蔽部材、シート状ヒータ(PTCヒータ)
31a 発熱部(PTC抵抗体)
32 シート部材(張設シート)
32a 穴開き部
33 巻き取り手段(巻き取り軸)
34 巻き取り手段(巻き取り軸)
35 シート張設機構、ガイドローラ
36 シート張設機構、ガイドローラ
40 遮蔽部材駆動装置(発熱遮蔽装置)
41 遮蔽部材、シート状ヒータ(PTCヒータ)
42 シート部材(張設シート)
43 巻き取り手段(巻き取り軸)
44 巻き取り手段(巻き取り軸)
45 シート張設機構、ガイドローラ
46 シート張設機構、ガイドローラ
50 遮蔽部材駆動装置(発熱遮蔽装置)
51 遮蔽部材、シート状ヒータ(PTCヒータ)
52 シート部材(張設シート)
53 巻き取り手段(巻き取り軸)
54 巻き取り手段(巻き取り軸)
55 シート張設機構、ガイドローラ
56 シート張設機構、ガイドローラ
57 シート張設機構、ガイドローラ
60 遮蔽部材駆動装置(発熱遮蔽装置)
61 遮蔽部材、シート状ヒータ(PTCヒータ)
62 巻き取り手段(巻き取り軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被帯電体を帯電するコロナ帯電器を備える帯電装置であって、
前記コロナ帯電器は、電極と、前記電極よりも被帯電体に近い側に開口を有するシールドと、を有し、
前記開口を開閉可能なシート状のシャッタと、
前記シャッタを前記コロナ帯電器の長手方向に移動させて前記開口を開閉させる機構と、
前記機構により開口を開く方向に移動した前記シャッタを巻きつける部材と、
前記部材を前記シャッタを巻き取る回転方向へ付勢するバネと、を備える、
ことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記被帯電体は、感光体であり、
前記感光体と、前記感光体を帯電する請求項1に記載の帯電装置と、前記帯電装置によって帯電された感光体上に形成した静電像をトナーで現像する現像装置と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記シャッタは、シート状のPTCヒータである、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−48273(P2012−48273A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268727(P2011−268727)
【出願日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【分割の表示】特願2011−123965(P2011−123965)の分割
【原出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】