説明

帯電装置、画像形成装置及び電位制御板

【課題】グリッドを感光体へ近接化できるようにすると共に感光体の軸方向における帯電ムラを抑制する。
【解決手段】2本の細線130を連結する梁140を、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)へ分散して設けると共に、感光体62の周方向(図中の矢印S方向)へ分散して設ける。これにより、梁140を有させず細線130のみの構成に比べ、グリッド110の強度が向上し、グリッド110を感光体へ近接化できる。また、梁140が分散されているので、放電ワイヤ106・108から感光体62への電荷を梁140が遮ることによって生じる感光体62の軸方向における帯電ムラが抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯電装置、画像形成装置及び電位制御板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、感光体ドラムの曲率に沿って配置されたグリッド電極を有するスコロトロン帯電装置が開示されている。このスコロトロン帯電装置では、公開公報図5に示すように、グリッド電極23は、複数の開口部231と、短手方向に間隔が一定のパターン線232を有している。長手方向両端部には、張設するための引掛け部233A、233Bが一体に形成されている。233A、233Bはそれぞれ、引掛けるための本体部233aと、短手方向外側へ拡がるように延びる一対の腕部233bとから構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】2008−262114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電位制御板を被帯電体へ近接化できるようにすると共に被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、円筒状又は円柱状の被帯電体の軸方向に沿って延びる放電電極と、前記被帯電体と前記放電電極との間に配置され、前記被帯電体の周面に沿って湾曲された電位制御板と、を備え、前記電位制御板は、前記被帯電体の周方向へ配列され、前記被帯電体の軸方向に沿って直線状に延びる3本以上の構造線と、前記被帯電体の軸方向へ配置され、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ連続する一部を連結する複数の連結部と、を有し、前記複数の連結部のうち一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、少なくとも一部が異なる帯電装置である。
【0006】
請求項2の発明は、前記複数の連結部のそれぞれは、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ隣り合う2本の構造線のみを連結する請求項1に記載の帯電装置である。
【0007】
請求項3の発明は、前記複数の連結部のうち前記被帯電体の軸方向へ隣り合う一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、全部が異なる請求項1又は2に記載の帯電装置である。
【0008】
請求項4の発明は、前記複数の連結部のうち前記被帯電体の軸方向へ連続して配置された連結部は、前記被帯電体の周方向に沿って同じピッチで形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電装置である。
【0009】
請求項5の発明は、前記電位制御板は、前記被帯電体の軸方向両端部で作用される力によって弾性変形して前記被帯電体の周面に沿って湾曲され、前記複数の連結部は、前記被帯電体の軸方向両端部よりも軸方向中央部において、低密度とされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電装置である。
【0010】
請求項6の発明は、前記電位制御板を清掃する清掃部材を備え、前記複数の連結部は、前記構造線に対して20度以上の角度を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置である。
【0011】
請求項7の発明は、前記電位制御板は、前記帯電装置に取り付けられていないときは平板形状であり、前記帯電装置への取り付け状態で、前記被帯電体の軸方向へ張力を与える張力付与部材と、前記被帯電体の軸方向両端側に設けられる湾曲規制部材とにより湾曲形状となる請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電装置である。
【0012】
請求項8の発明は、前記電位制御板は、前記湾曲規制部材に対向する湾曲維持部材と前記湾曲規制部材とで挟み込まれることで湾曲形状を維持する請求項7に記載の帯電装置である。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の帯電装置と、前記帯電装置によって帯電され、オーバーコート層を有する被帯電体としての感光体と、を備える画像形成装置である。
【0014】
請求項10の発明は、被帯電体の周方向へ配列され、前記被帯電体の軸方向に沿って直線状に延びる3本以上の構造線と、前記被帯電体の軸方向へ配置され、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ連続する一部を連結する複数の連結部と、を有し、前記複数の連結部のうち一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、少なくとも一部が異なる電位制御板である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1の構成によれば、本構成の連結部を備えない構成に比べ、電位制御板を被帯電体へ近接化できると共に被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制できる。
【0016】
本発明の請求項2の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制できる。
【0017】
本発明の請求項3の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制できる。
【0018】
本発明の請求項4の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制できる。
【0019】
本発明の請求項5の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、電位制御板の軸方向において均一に電位制御板を湾曲させやすい。
【0020】
本発明の請求項6の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、清掃部材の破損を抑制できる。
【0021】
本発明の請求項7の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、電位制御板を被帯電体の周面に沿って均一に湾曲させやすい。
【0022】
本発明の請求項8の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、電位制御板を被帯電体の周面に沿って均一に湾曲させやすい。
【0023】
本発明の請求項9の構成によれば、本構成を備えない構成に比べ、電位制御板を被帯電体へ近接化できないこと及び帯電ムラによって発生する画像欠陥を抑制できる。
【0024】
本発明の請求項10の構成によれば、本構成の連結部を備えない構成に比べ、電位制御板を被帯電体へ近接化できると共に被帯電体の軸方向における帯電ムラを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態に係る感光体周辺の構成を示す概略図である。
【図3】本実施形態に係る帯電装置の斜視図である。
【図4】(A)、(B)本実施形態に係る帯電装置の取付部の一部を示す斜視図である。
【図5】本実施形態に係るグリッドの平面図である。
【図6】本実施形態に係るグリッドの平面図である。
【図7】(A)、(B)本実施形態に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図8】(A)、(B)本実施形態に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図9】第1変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図10】(A)第2変形例に係るグリッドの平面図である。(B)第2変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図11】第3変形例に係るグリッドの平面図である。
【図12】(A)、(B)第3変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図13】(A)第4変形例に係るグリッドの平面図である。(B)第4変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図14】(A)第5変形例に係るグリッドの平面図である。(B)第5変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図15】第6変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図16】(A)第7変形例に係るグリッドの平面図である。(B)第7変形例に係るグリッドを部分的に拡大した拡大平面図である。
【図17】第8変形例に係るグリッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明に係る実施形態の一例を図面に基づき説明する。
(本実施形態に係る画像形成装置の構成)
まず、本実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。
【0027】
画像形成装置10は、記録媒体の一例としての記録用紙Pが収容される用紙収容部12と、用紙収容部12の上に設けられ用紙収容部12から供給される記録用紙Pに画像形成を行う画像形成部14と、画像形成部14の上に設けられ読取原稿Gを読み取る原稿読取部16と、画像形成部14内に設けられ画像形成装置10の各部の動作を制御する制御部20と、を含んで構成されている。なお、以後の説明では、画像形成装置10の装置本体10Aの上下方向を矢印V方向、水平方向を矢印H方向と記載する。
【0028】
用紙収容部12は、サイズの異なる記録用紙Pが収容される第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26が設けられている。第1収容部22、第2収容部24、及び第3収容部26には、収容された記録用紙Pを画像形成装置10内に設けられた搬送路28に送り出す送り出しロール32が設けられている。搬送路28における送り出しロール32よりも下流側には、記録用紙Pを一枚ずつ搬送するそれぞれ一対の搬送ロール34及び搬送ロール36が設けられている。また、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で搬送ロール36よりも下流側には、記録用紙Pを一端停止させるとともに、決められたタイミングで後述する二次転写位置へ送り出す位置合せロール38が設けられている。
【0029】
搬送路28の上流側部分は、画像形成装置10の正面視において、矢印V方向に向けて用紙収容部12の左側から画像形成部14の左側下部まで直線状に設けられている。また、搬送路28の下流側部分は、画像形成部14の左側下部から画像形成部14の右側面に設けられた排紙部15まで設けられている。さらに、搬送路28には、記録用紙Pの両面に画像形成を行うために記録用紙Pが搬送及び反転される両面搬送路29が接続されている。
【0030】
両面搬送路29は、画像形成装置10の正面視において、搬送路28と両面搬送路29の切り替えが行われる第1切替部材31と、画像形成部14の右側下部から用紙収容部12の右側まで矢印V方向に直線状に設けられた反転部33と、反転部33に搬送された記録用紙Pの後端が進入するとともに矢印H方向に搬送される搬送部37と、反転部33と搬送部37の切り替えが行われる第2切替部材35と、を有している。そして、反転部33には一対の搬送ロール42が間隔をあけて複数箇所に設けられており、搬送部37には一対の搬送ロール44が間隔をあけて複数箇所に設けられている。
【0031】
第1切替部材31は三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が搬送路28又は両面搬送路29のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。同様に、第2切替部材35は三角柱状の部材であり、図示しない駆動手段によって先端部が反転部33又は搬送部37のいずれか一方に移動されることで、記録用紙Pの搬送方向を切り替えるようになっている。なお、搬送部37の下流側端部は、搬送路28の上流側部分にある搬送ロール36の手前側に図示しない案内部材により接続されている。また、画像形成部14の左側面には、折り畳み式の手差給紙部46が設けられており、手差給紙部46から搬送路28の位置合せロール38へ記録用紙Pを搬送可能とされている。
【0032】
原稿読取部16は、読取原稿Gを1枚ずつ搬送する原稿搬送装置52と、原稿搬送装置52の下側に配置され読取原稿Gが載せられるプラテンガラス54と、原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿G又はプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取る原稿読取装置56とが設けられている。原稿搬送装置52は、一対の搬送ロール53が複数配置された搬送路55を有しており、搬送路55の一部は記録用紙Pがプラテンガラス54上を通るように配置されている。また、原稿読取装置56は、プラテンガラス54の左端部に静止した状態で原稿搬送装置52によって搬送された読取原稿Gを読み取り、又は矢印H方向に移動しながらプラテンガラス54に載せられた読取原稿Gを読み取るようになっている。
【0033】
一方、画像形成部14には、円筒又は円柱状の被帯電体の一例として、円筒又は円柱状の感光体62が、装置本体10Aの中央部に設けられている。感光体62は、図示しない駆動手段によって矢印+R方向(図1における時計回り方向)に回転すると共に光照射によって形成される静電潜像を保持するようになっている。また、感光体62の上方で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、感光体62の表面を帯電するスコロトロン方式の帯電装置100が設けられている。帯電装置100の具体的な構成については、後述する。なお、感光体62は、耐摩耗性は高いが帯電装置100で発生する放電生成物によって画像劣化を生じやすいオーバーコート層を有している。
【0034】
感光体62の回転方向における帯電装置100よりも下流側で且つ感光体62の外周面と対向する位置には、露光装置66が設けられている。露光装置66は、帯電装置100により帯電した感光体62の外周面に各トナー色に対応した画像信号に基づき、光を照射(露光)して静電潜像を形成するようになっている。
【0035】
感光体62の回転方向で露光装置66の露光光が照射される部位よりも下流側には、感光体62の外周面に形成された静電潜像を決められた色のトナーで現像して可視化させる回転切り替え式の現像装置70が設けられている。
【0036】
図2に示すように、現像装置70は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナー色にそれぞれ対応する現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが、周方向に(反時計回り方向にこの順番で)並んで配置されており、回転手段であるモータ(図示省略)によって中心角で60°ずつ回転することで、現像処理を行う現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fが切り替えられ、感光体62の外周面と対向するようになっている。この感光体62の外周面と対向する位置が、現像処理を行う現像位置となる。なお、現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fは同様の構成となっているため、ここでは現像器72Yについて説明し、他の現像器72M、72C、72K、72E、72Fについては説明を省略する。
【0037】
現像器72Yは、その内部にトナーカートリッジ78Y(図1参照)からトナー供給路(図示省略)を経由して供給されるトナー及びキャリアから成る現像剤(図示省略)が充填されている。現像器72Yは、外周面が感光体62の外周面と対向する現像ロール74を備えている。
【0038】
現像ロール74は、現像スリーブ74Aの外周面の現像剤層を、感光体62に対向する位置に搬送し、感光体62の外周面に形成された潜像(静電潜像)にトナーを付着させて現像を行う。
【0039】
なお、各現像器72Y、72M、72C、72K、72E、72Fに設けられた6本の現像ロール74は、隣の現像ロール74との間隔が中心角60°となるように周方向に配置されており、現像器72の切り替えにより、次の現像ロール74が感光体62の外周面と対向するようになっている。
【0040】
感光体62の回転方向で現像装置70よりも下流側であり且つ感光体62の下側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像が転写される中間転写ベルト68が設けられている。中間転写ベルト68は、無端状であり、制御部20により回転駆動される駆動ロール61、中間転写ベルト68に張力を付与するための張力付与ロール63、中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する複数の搬送ロール65、及び後述する二次転写位置において中間転写ベルト68の裏面に接触して従動回転する補助ロール69に巻き掛けられている。そして、中間転写ベルト68は、駆動ロール61が回転することにより、矢印−R方向(図2における反時計回り方向)に周回移動するようになっている。
【0041】
また、中間転写ベルト68を挟んで感光体62の反対側には、感光体62の外周面に形成されたトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写させる一次転写ロール67が設けられている。一次転写ロール67は、感光体62と中間転写ベルト68とが接触する位置から中間転写ベルト68の移動方向下流側に離れた位置で、中間転写ベルト68の裏面に接触している。そして、一次転写ロール67は、図示しない電源から通電されることにより、接地されている感光体62との電位差で感光体62のトナー画像を中間転写ベルト68に一次転写するようになっている。
【0042】
さらに、中間転写ベルト68を挟んで補助ロール69の反対側には、中間転写ベルト68上に一次転写されたトナー画像を記録用紙Pに二次転写させる転写手段の一例としての二次転写ロール71が設けられており、二次転写ロール71と補助ロール69との間が記録用紙Pへトナー画像を転写する二次転写位置とされている。二次転写ロール71は、中間転写ベルト68の表面に接触している。そして、二次転写ロール71は、図示しない電源から通電されることにより、接地されている補助ロール69との電位差で中間転写ベルト68のトナー画像を記録用紙Pに二次転写するようになっている。
【0043】
また、中間転写ベルト68を挟んで駆動ロール61の反対側には、中間転写ベルト68の二次転写後の残留トナーを回収する現像剤回収装置の一例としてのクリーニング装置60が設けられている。クリーニング装置60では、クリーニングブレード64が中間転写ベルト68に接触してトナーを掻き取るようになっている。このクリーニング装置60のクリーニングブレード64及び二次転写ロール71は、各色のトナー画像が中間転写ベルト68に多重(一次)転写され且つ記録用紙P上に二次転写されるまで、中間転写ベルト68の外周面から離れるようになっている。
【0044】
さらに、中間転写ベルト68の周囲で張力付与ロール63と対向する位置には、中間転写ベルト68の表面に付されたマーク(図示省略)を検知することで中間転写ベルト68上の予め定めた基準位置を検出し、画像形成処理の開始タイミングの基準となる位置検出信号を出力する位置検出センサ83が設けられている。
【0045】
感光体62の回転方向で一次転写ロール67よりも下流側には、中間転写ベルト68に一次転写されずに感光体62の表面に残留した残留トナー等を清掃するクリーニング装置73が設けられている。クリーニング装置73は、感光体62表面に接触するクリーニングブレード及びブラシロールにより残留トナー等を回収する構成となっている。また、感光体62の回転方向でクリーニング装置73の上流側(一次転写ロール67よりも下流側)には、感光体62の外周面に放電により一次転写ロールの帯電履歴を除電する除電装置81が設けられている。除電装置81は、クリーニング装置73による残留トナー等の回収前に感光体62の外周面にマイナス放電を行い、一次転写ロールによるプラス帯電の履歴を除去し、次の画像形成に影響を与えないようにするためのものである。また、クリーニング装置73の下流側で且つ帯電装置100の上流側に、感光体62の外周面に光を照射してマイナス帯電の履歴をキャンセルする除電手段75を設けられている。
【0046】
図1に示すように、二次転写ロール71によるトナー画像の二次転写位置は、前述の搬送路28の途中に設定されており、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向(矢印Aで図示)で二次転写ロール71よりも下流側には、二次転写ロール71によってトナー画像が転写された記録用紙Pにトナー画像を定着させる定着装置80が設けられている。定着装置80は、記録用紙Pのトナー画像面側(上側)に配置され、通電により発熱する熱源を有する加熱ロール82と、加熱ロール82の下側に配置され記録用紙Pを加熱ロール82の外周面に向けて加圧する加圧ロール84とで構成されている。なお、搬送路28における記録用紙Pの搬送方向で定着装置80よりも下流側には、排紙部15又は反転部33へ向けて記録用紙Pを搬送する搬送ロール39が設けられている。
【0047】
一方、原稿読取装置56の下側で現像装置70よりも上側には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、第1特別色(E)、第2特別色(F)の各トナーを収容するトナーカートリッジ78Y、78M、78C、78K、78E、78Fが水平方向に並んで交換可能に設けられている。第1特別色E及び第2特別色Fは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック以外の特別色(透明を含む)から選択され、または、選択されないようになっている。そして、現像装置70では、第1特別色E及び第2特別色Fが選択された場合はY、M、C、K、E、Fの6色での画像形成を行い、第1特別色E及び第2特別色Fが選択されない場合はY、M、C、Kの4色での画像形成を行うようになっている。なお、本実施形態では、一例として、Y、M、C、K、E、Fの6色で画像形成を行う場合について説明するが、他の例として、Y、M、C、Kの4色と第1特別色E又は第2特別色Fを用いて5色で画像形成を行ってもよい。
【0048】
(帯電装置100の構成)
次に、帯電装置100の構成について説明する。
【0049】
帯電装置100は、図2に示すように、感光体62側が開口した筐体の一例として、アルミニウム製のシールドケース102を備えている。シールドケース102は、感光体62の軸方向に沿って延びる細長い箱状とされている(図3参照)。シールドケース102内には、図2に示すように、シールドケース102内を幅方向(感光体62の周方向)中央部で仕切っている仕切板104が設けられている。
【0050】
シールドケース102内には、感光体62の軸方向に沿って延びる放電電極の一例としての放電ワイヤ106・108が、仕切板104を挟んだ両側に設けられている。放電ワイヤ106・108は、タングステン等の金属線で構成されている。なお、放電電極としては、樹脂が被覆されたワイヤや板状の金属板等で構成された放電部材であってもよく、放電がなされるものであればよい。
【0051】
放電ワイヤ106・108は、電源(図示省略)から電圧が印加されることで、マイナス電荷を発生させると共に感光体62の表面へこのマイナス電荷を供給する放電動作を行うようになっている。この放電動作により、感光体62が帯電するようになっている。
【0052】
シールドケース102の開口側であって、かつ、放電ワイヤ106・108と感光体62との間には、電位制御板の一例としてのグリッド110が感光体62の軸方向に沿って配置されている。
【0053】
また、グリッド110は、感光体62の軸方向に長さを有している。すなわち、グリッド110の長手方向が感光体62の軸方向に沿っており、グリッド110の短手方向が感光体62の周方向に沿っている。また、グリッド110は、複数の開口119が形成された金属板で構成されている(図7等参照)。なお、開口119は、後述の構造線127〜130の間に形成されたスリット128が後述の梁140で仕切られた空間によって複数形成されている。
【0054】
このグリッド110では、放電ワイヤ106・108で発生したマイナス電荷が、グリッド110の開口119を通過して感光体62に供給されるようになっており、制御部(図示省略)によって制御されるグリッド電圧により、グリッド110を通過するマイナス電荷の通過量が制御される。これにより、感光体62の帯電電位が制御される。
【0055】
具体的には、感光体62の電位に対してグリッド110の電圧(電位)が高い場合には、その電位差によりマイナス電荷が感光体62へ向かうのでマイナス電荷の通過量が多く、感光体62にマイナス電荷が供給されることで、感光体62とグリッド110との電位差が小さくなると、マイナス電荷の通過量が減少するようになっている。従って、グリッド110のグリッド電圧を高く設定することで、グリッド電圧を低く設定した場合よりも、マイナス電荷の通過量が増加し、感光体62の帯電電位が高くなる。
【0056】
帯電装置100は、図3に示すように、放電ワイヤ106・108及びグリッド110に対して接触しながら感光体62の軸方向に沿って移動して、放電ワイヤ106・108及びグリッド110を清掃する清掃部材126を備えている。清掃部材126は、グリッド110をその厚み方向両側から挟みこんでいる。清掃部材126としては、例えば、スポンジ等の多孔質材やブラシ状に形成された清掃ブラシが用いられる。
【0057】
(グリッド110の取付構造)
図3に示すように、帯電装置100は、シールドケース102の長手方向両端部に設けられた湾曲規制部材の一例としての取付部材112、114を備えている。取付部材112、114は、グリッド110を取付ける(保持する)ための部材であり、取付部材112が、シールドケース102の長手方向一端側(図3における左下側)に配置され、取付部材114がシールドケース102の長手方向他端側(図3における右上側)に配置されている。なお、図中の矢印D方向は、グリッド110の長手方向を示し、矢印S方向は、グリッド110の短手方向を示し、矢印T方向は、グリッド110の厚み方向を示している。矢印D、S、T方向は、それぞれ直交している。
【0058】
図5に示すように、グリッド110は、無負荷状態で感光体62(図2参照)の軸方向(矢印D方向)を長手方向とする板状(平面視で矩形状、側面視で板状)に形成されており、負荷が作用することにより弾性変形して湾曲するようになっている。また、グリッド110は、その長手方向に沿って、幅W1の取付部104A、幅W2の電極部104B、及び幅W3の取付部104Cが一体となった構成となっている。
【0059】
さらに、グリッド110は、その長手方向両端部において長手方向に沿って張架され、図示しない給電手段から電圧が印加されるようになっている。なお、板状に形成された部材とは、平板状に形成された部材だけでなく、矢印D方向に見て軽く湾曲した状態に形成された部材を含む表現である。
【0060】
取付部104Aには、グリッド110の厚み方向に貫通した貫通孔である取付孔116A、116Bが形成されている。取付孔116A、116Bは、グリッド110の短手方向方向(矢印S方向)に間隔をあけて配置され、それぞれ矩形状に形成されている。
【0061】
さらに、取付部104Cは、グリッド110の長手方向外側に突出した取付部118が形成されている。取付部118は、平面視でハ字状に形成された2つの支持部118Aと、平面視でコ字状であり2つの支持部118Aの一端(図5における右端)に一体で形成された被引掛部118Bとで構成されている。そして、支持部118Aの他端(図5における左端)は、グリッド110の他端面104D(図5における右端面)における矢印S方向の中央部に一体で形成されている。
【0062】
図4(A)に示すように、取付部材112は、グリッド110と放電ワイヤ106・108(図2参照)との間に配置され且つ感光体62(図2参照)の外周面に沿った湾曲面112Aと、湾曲面112Aの矢印S方向の両端部から矢印T方向へ直立した側面112Cとを有している。
【0063】
湾曲面112Aには、感光体62側(図4(A)における上方)へ突出すると共に感光体62の軸方向外側(図4(A)における左斜め上側)へ屈曲された2つのL字状の引掛部112Bが形成されている。2つの引掛部112Bは、取付孔116A、116Bに挿入可能な大きさとなっている。引掛部112Bは、板ばねで構成されており、グリッド110を感光体62の軸方向外側(図4(A)における左斜め上側)へ引っ張っている。すなわち、引掛部112Bは、グリッド110に対して感光体62の軸方向へ張力を与える張力付与部材として機能する。
【0064】
また、取付部材112の両側面112C(片側のみ図示)には、後述する板ばね122を固定するための凸部112Dが突出している。そして、グリッド110の取付孔116A、116Bの縁に引掛部112B、112Cが引っ掛けられることにより、グリッド110の一端部が位置決めされている。さらに、グリッド110の一端部は、湾曲維持部材の一例としての板ばね122の付勢力により、感光体62の外周面に沿った湾曲状態で保持されている。
【0065】
板ばね122は、矢印S方向を長手方向として矢印T方向(図4(A)における下方)に凸状に湾曲した湾曲部122Aと、湾曲部122Aの矢印S方向の両端部から矢印T方向に直立した取付部122Bとが一体成形されたものであり、取付部122Bには、凸部112Dに掛け止めされる止め孔122Cが形成されている。また、湾曲部122Aの凸側の表面が、グリッド110と接触する接触面122Dとなっている。
【0066】
一方、取付部材114は、図4(B)に示すように、グリッド110と放電ワイヤ106・108(図2参照)との間に配置され且つ感光体62(図2参照)の外周面に沿った湾曲面114Aと、湾曲面114Aの矢印S方向の両端部から矢印T方向へ直立した側面114Bと、矢印D方向の他端で湾曲面114Aよりも低い位置となるように段差がつけられた取付面114Cとを含んで構成されている。
【0067】
取付面114Cには、感光体62側(図4(B)における上方)へ突出すると共に感光体62の軸方向外側(図4(B)における左斜め上側)へ屈曲されたL字状の引掛部114Dが形成されている。引掛部114Dは、取付面114Cの矢印S方向における中央に形成されており、グリッド110の被引掛部118Bが引っ掛けられる大きさとなっている。引掛部114Dは、板ばねで構成されており、グリッド110を感光体62の軸方向外側(図4(B)における右斜め下側)へ引っ張っている。すなわち、引掛部114Dは、グリッド110に対して感光体62の軸方向へ張力を与える張力付与部材として機能する。
【0068】
また、取付部材114の両側面114B(片側のみ図示)には、後述する板ばね124を固定するための凸部114Eが突出している。そして、グリッド110の被引掛部118Bが引掛部114Dに引っ掛けられることにより、グリッド110の他端部が位置決めされている。さらに、グリッド110の他端部は、湾曲維持部材の一例としての板ばね124の付勢力により、感光体62の外周面に沿った湾曲状態で保持されている。
【0069】
板ばね124は、矢印S方向を長手方向として矢印T方向(図4(B)における下方)に凸状に湾曲した湾曲部124Aと、湾曲部124Aの矢印S方向の両端部から矢印T方向に直立した取付部124Bとが一体成形されたものであり、取付部124Bには、凸部114Eが掛け止めされる止め孔124Cが形成されている。また、湾曲部124Aの凸側の表面が、グリッド110と接触する接触面124Dとなっている。
【0070】
なお、取付部材122、124にそれぞれ形成された凸部である突当部(図示省略)が、感光体62(図2参照)の両端部に設けられるホルダー(図示省略)の上端に接触することで、感光体62とグリッド110との間隔が保持されている。
【0071】
また、引掛部112B及び引掛部114Dが、グリッド110を放電ワイヤ106・108側(図4(A)(B)において下側)に引っ張り、グリッド110を湾曲面112A及び湾曲面114Aに付勢してグリッド110を湾曲させる構成においては、湾曲維持部材の一例としての板ばね122・124を有さない構成であっても良い。
【0072】
(グリッド110の電極部104Bの具体的な構成)
次に、グリッド110の電極部104Bの具体的な構成について説明する。図6〜8は、グリッド110の電極部104Bの具体的な構成を示す図である。なお、図3〜5では、後述の細線130を省略して図示している。
【0073】
グリッド110の電極部104Bは、図6及び図7(A)に示すように、感光体62の周方向(図中の矢印S方向)へ配列され、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)に沿って直線状に延びる複数(少なくとも3本以上)の細線130を備えている。グリッド110の短手方向(図中の矢印S方向)両端には、全ての細線130を挟むように、感光体62の軸方向に沿って直線状に延びる線状部127・129が設けられている。本実施形態では、この線状部127・129及び細線130によって、感光体62の軸方向に沿って直線状に延びる構造線が構成される。以下、適宜、線状部127・129及び細線130をまとめて構造線127〜130と記す。
【0074】
線状部127・129及び複数の細線130は、一端が取付部104Aに固定され、他端が取付部104Cに固定されている。これにより、細線130は、その周囲を、線状部127・129及び取付部104A・104Cによって枠状に囲まれる構成となっている。
【0075】
また、グリッド110の電極部104Bは、図7(A)に示すように、複数の構造線127〜130のうち、感光体62の周方向(図中の矢印S方向)へ連続する一部を連結する複数の連結部の一例としての複数の梁140を備えている。具体的には、各梁140は、複数の構造線127〜130のうち感光体62の周方向へ隣り合う2本の構造線127〜130のみを連結している。
【0076】
また、複数の梁140は、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)へ配置されている。なお、本実施形態における感光体62の軸方向への配置とは、一の梁140と他の梁140とを見た場合に、感光体62の軸方向に沿った位置が異なるように配置されている場合をいう。従って、感光体62の軸方向への配置には、感光体62の周方向へずれながら感光体62の軸方向へ配置される場合も含まれる。
【0077】
本実施形態では、線状部127から線状部129にかけて感光体62の軸方向へ連続して配置された複数の梁140を有する梁群150が複数設けられて、電極部104Bにおける梁140全体が構成されている。この梁群150は、図6に示すように、各2つの梁群150A・150B・150C・150Dの計8つで構成されており、感光体62の軸方向に沿って、梁群150A・150B・150C・150D・150A・150B・150C・150Dの順で配置されている。各梁群150A・150B・150C・150Dは、例えば、10本の梁140で構成されている。なお、図6では、各梁群150A・150B・150C・150Dを簡略化して示している。
【0078】
各梁群150A・150B・150C・150Dでは、複数の梁140が、感光体62の周方向に沿って同じピッチで配置されている。すなわち、複数の梁140は、スリット128を同じ数(細線130を同じ数)飛ばして配置されている。本実施形態では、スリットを3つ、細線130を2本飛ばして配置されている。
【0079】
詳細には、2つの梁群150Aでは、それぞれ、図7(A)における下側から見て1つ目の梁140Aが、図7(A)における下側から見て1本目と2本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Bが、スリット128を3つ飛ばした位置で5本目と6本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Cが、スリット128を3つ飛ばした位置で9本目と10本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を3つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。なお、図7(A)には、取付部104C側に配置された梁群150Aが図示されている。
【0080】
2つの梁群150Bでは、それぞれ、図7(B)における下側から見て1つ目の梁140Dが、図7(B)における下側から見て2本目と3本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Eが、スリット128を3つ飛ばした位置で6本目と7本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Fが、スリット128を3つ飛ばした位置で10本目と11本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を3つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0081】
2つの梁群150Cでは、それぞれ、図8(A)における下側から見て1つ目の梁140Gが、図8(A)における下側から見て3本目と4本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Hが、スリット128を3つ飛ばした位置で7本目と8本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Iが、スリット128を3つ飛ばした位置で11本目と12本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を3つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0082】
2つの梁群150Dでは、それぞれ、図8(B)における下側から見て1つ目の梁140Jが、線状部127と図8(B)における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Kが、スリット128を3つ飛ばした位置で4本目と5本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Lが、スリット128を3つ飛ばした位置で8本目と9本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を3つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0083】
このように、各梁群150A・150B・150C・150Dにおいて、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140は、スリット128を3つ飛ばした位置に配置されている。すなわち、各梁群150A・150B・150C・150Dにおいて、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140は、全部が異なる2本の細線130を連結している。なお、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140とは、梁群150Aでは、例えば、梁140A・140Bや、梁140B・140Cが該当する。
【0084】
梁群150Aと梁群150Bとのつなぎ目において、梁群150Aの終端(図7(A)における左端)にある梁140Mと、梁群150Bの始端(図7(B)における右端)にある梁140Dとは、スリット128を1つ以上(具体的には、32つ)飛ばした位置に形成されており、全部が異なる2本の細線130を連結している。梁群150Bと梁群150Cとのつなぎ目、梁群150Cと梁群150Dとのつなぎ目、梁群150Dと梁群150Aとのつなぎ目においても同様とされている。
【0085】
前述のように梁140を配置することにより、細線130は1本で独立して存在せず、いずれかの梁140によって隣り合う細線130と接続されている。本実施形態では、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、2本の梁140が存在し、隣り合う細線130は2カ所で梁140によって接続されている。
【0086】
各梁群150A・150B・150C・150Dにおける各梁140の感光体62の軸方向に沿った間隔は、同一間隔で一定とされている。また、梁群150Aと梁群150Bとのつなぎ目において、梁群150Aの終端(図7(A)における左端)にある梁140Mと、梁群150Bの始端(図7(B)における右端)にある梁140Dとの間隔も、各梁群150A・150B・150C・150Dにおける各梁140の間隔と同一とされている。梁群150Bと梁群150Cとのつなぎ目、梁群150Cと梁群150Dとのつなぎ目、梁群150Dと梁群150Aとのつなぎ目においても同様とされている。
【0087】
また、梁140は、細線130に対して60度の角度を有している。本実施形態の構成では、梁140の細線130に対する角度20度以上が、清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛からない角度となっている。なお、清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛からない角度は、予め定められた複数回、清掃部材126をグリッド110の長手方向に実際に移動させた際に、清掃部材126の引っ掛かりが生じたか否かを目視で確認することで求められる。また、引っ掛かりを防止するため、梁140と細線130が交わる部分に曲率を設けることも効果的である。
【0088】
(本実施形態に係る作用)
次に、本実施形態に係る作用を説明する。
【0089】
本実施形態に係る構成によれば、梁140を有せず細線130のみの構成に比べ、グリッド110の強度が向上する。これにより、製造時においては、エッチングする場合における型離れがよく、歩留まりが向上する。また、取付時においては、細線130が絡みにくく、グリッド110の取り扱いが向上する。また、シールドケース102への取り付け状態においては、感光体62との電界によって発生するグリッド110の振動が低減され、グリッド110の感光体62への接触によるリークが抑制される。
【0090】
また、本実施形態に係る構成によれば、梁140を有させず細線130のみの構成に比べ、各細線130の間隔(スリット128の感光体62の周方向に沿った開口幅)のばらつきが、感光体62の軸方向において抑制される。これにより、感光体62の軸方向における帯電ムラが抑制される。
【0091】
また、本実施形態に係る構成によれば、梁140が感光体62の軸方向へ分散されて設けられると共に、感光体62の周方向へ分散されて設けられている。このため、放電ワイヤ106・108から感光体62への電荷を梁140が遮ることによって生じる感光体62の軸方向における帯電ムラが抑制される。
【0092】
また、本実施形態に係る構成によれば、梁140の細線130に対する角度が、清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛からない角度(具体的には20度)以上である60度とされている。これにより、清掃部材126でグリッド110を清掃しても清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛かからず、清掃部材126の破損が抑制される。
【0093】
なお、梁140を細線130間に配置する配置構成は、前述の構成に限られず、以下に示す構成であってもよい。以下の説明では、グリッド110と同一部分については、同一符号を付して、適宜、説明を省略する。
【0094】
(グリッド110の第1変形例)
グリッド110では、梁140は、細線130に対して60度の角度を有していたが、第1変形例に係るグリッド160では、図9に示すように、梁140は、細線130に対して90度の角度を有している。グリッド160は、その他の構成については、グリッド110と同一である。
【0095】
第1変形例に係る構成によれば、梁140の細線130に対する角度が、清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛からない角度(具体的には20度)以上である90度とされている。これにより、清掃部材126でグリッド160を清掃しても清掃部材126が細線130と梁140との間に引っ掛かからず、清掃部材126の破損が抑制される。
【0096】
また、第1変形例に係る構成によれば、グリッド160を感光体62の周方向(図中の矢印S方向)に沿って弾性変形させた状態において、梁140が感光体62の周方向に沿うことになる。これにより、感光体62の周方向に対する斜め方向へグリッド160を変形させようとする力が低減される。
【0097】
(グリッド110の第2変形例)
グリッド110では、各2つの梁群150A・150B・150C・150Dの計8つで、梁群150が構成されていたのに対して、第2変形例に係るグリッド210では、図10に示すように、各1つの梁群150A・150B・150C・150Dの計4つで、梁群150が構成されている。梁群150A・150B・150C・150Dは、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)に沿って、この順で配置されている。
なお、図10では、各梁群150A・150B・150C・150Dを簡略化して示している。
【0098】
梁群150A・150B・150C・150Dは、それぞれ、各梁140の感光体62の軸方向への間隔が、グリッド110の各梁群150A・150B・150C・150Dにおける間隔よりも広がっている点以外は、同一構成とされている。すなわち、グリッド210における梁群150A・150B・150C・150Dと、グリッド110における梁群150A・150B・150C・150Dとで、梁140は、同じ細線130を連結している。
【0099】
従って、第2変形例に係るグリッド210では、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、1本の梁140が存在し、隣り合う細線130は1カ所で梁140によって接続されている。このように、第2変形例に係る構成によれば、グリッド110に比べ、梁140は、総数が少なく、感光体62の軸方向へ分散されて設けられている。
【0100】
(グリッド110の第3変形例)
グリッド110では、各2つの梁群150A・150B・150C・150Dの計8つで、梁群150が構成されていたのに対して、第3変形例に係るグリッド310では、図11に示すように、各4つの梁群350A・350Bの計8つで、梁群350が構成されている。梁群350A・350Bは、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)に沿って、この順で交互に配置されている。なお、図11では、各梁群350A・350Bを簡略化して示している。
【0101】
グリッド110における各梁群150A・150B・150C・150Dでは、各梁140が、スリット128を3つ飛ばした位置に連続して形成されていたのに対して、グリッド310における各4つの梁群350A・350Bでは、各梁140が、スリット128を1つ飛ばした位置に連続して形成されている。
【0102】
具体的には、4つの梁群350Aでは、それぞれ、図12(A)における下側から見て1つ目の梁140Aが、線状部127と図12(A)における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Bが、スリット128を1つ飛ばした位置で2本目と3本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Cが、スリット128を1つ飛ばした位置で4本目と5本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。なお、図12(A)には、取付部104C側に配置された梁群350Aが図示されている。
【0103】
4つの梁群350Bでは、それぞれ、図12(B)における下側から見て1つ目の梁140Dが、図12(B)における下側から見て1本目と2本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Eが、スリット128を1つ飛ばした位置で3本目と4本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Fが、スリット128を1つ飛ばした位置で5本目と6本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0104】
第3変形例では、前述のように梁140を配置することにより、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、4本の梁140が存在し、隣り合う細線130は4カ所で梁140によって接続されている。このように、第3変形例に係る構成によれば、グリッド110に比べ、梁140は、総数が多く、感光体62の軸方向及び周方向へ高密度で設けられている。
【0105】
(グリッド110の第4変形例)
グリッド110では、各2つの梁群150A・150B・150C・150Dの計8つで、梁群150が構成されていたのに対して、第4変形例に係るグリッド410では、図13(A)に示すように、8つの梁群450が設けられている。この梁群450は、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)に沿って配置されている。なお、図13(A)では、各梁群150A・150B・150C・150Dを簡略化して示している。
【0106】
グリッド110における各梁群150A・150B・150C・150Dでは、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140が、全部が異なる2本の細線130を感光体62の周方向に沿って連結していたのに対して、グリッド410における各梁群450では、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140が、1本が異なり1本が共通する2本の細線130を連結している。
【0107】
具体的には、梁群450では、それぞれ、図13(B)における下側から見て1つ目の梁140Aが、線状部127と図13(B)における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Bが1本目と2本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Cが2本目と3本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、図13(B)における上側へスリット128が1つずれた位置で、2本の細線130を連結している。なお、図13(B)は、取付部104C側に配置された梁群450が図示されている。
【0108】
第4変形例では、前述のように梁140を配置することにより、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、8本の梁140が存在し、隣り合う細線130は8カ所で梁140によって接続されている。このように、第4変形例に係る構成によれば、グリッド110に比べ、梁140は、総数が多く、感光体62の軸方向及び周方向へ高密度で設けられている。
【0109】
(グリッド110の第5変形例)
グリッド110では、各2つの梁群150A・150B・150C・150Dの計8つで、梁群150が構成されていたのに対して、第5変形例に係るグリッド510では、図14(A)に示すように、4つの梁群550が設けられている。この梁群550は、感光体62の軸方向に沿って配置されている。
【0110】
グリッド110における各梁群150A・150B・150C・150Dでは、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140が、全部が異なる2本の細線130を感光体62の周方向に沿って連結していたのに対して、グリッド510における各梁群550では、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140が、1本が異なり1本が共通する2本の細線130を連結している。
【0111】
具体的には、梁群550では、それぞれ、図14(B)における下側から見て1つ目の梁140Aが、線状部127と図14(B)における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Bが1本目と2本目の細線130を連結し、さらに、3つ目の梁140Cが2本目と3本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、図14(B)における上側へスリット128が1つずれた位置で、2本の細線130を連結している。なお、図14(B)は、取付部104C側に配置された梁群550が図示されている。
【0112】
また、グリッド110における各梁群150A・150B・150C・150Dでは、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140が、感光体62の軸方向へ間隔をおいて配置されていたのに対して、グリッド510における各梁群550では、感光体62の軸方向へ隣り合う梁140は、感光体62の軸方向へ間隔がなく、直線状をなしている。
【0113】
すなわち、例えば、梁140Aの一端(図14(B)における左端)と、梁140Bの一端(図14(B)における右端)とは、図14(B)における下側から見て1本目の細線130の同じ位置で接続され、梁140A・梁140Bは、直線状をなしている。これにより、各梁群550において、複数の梁140全体が、細線130に対して斜めに直線状に設けられている。なお、梁140は、細線130に対して、例えば、30度の角度を有している。
【0114】
第5変形例では、前述のように梁140を配置することにより、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、4本の梁140が存在し、隣り合う細線130は4カ所で梁140によって接続されている。このように、第5変形例に係る構成によれば、グリッド110に比べ、梁140は、総数が多く、感光体62の軸方向及び周方向へ高密度で設けられている。
【0115】
(グリッド110の第6変形例)
グリッド110では、梁群150A・150B・150C・150Dの4種類で梁群150が構成されていたのに対して、第6変形例に係るグリッド610では、図15に示すように、梁群650A・650B・650C・650D・650E・650F・650G・650H・650Iの9種類で梁群650が構成されている。
【0116】
グリッド110における梁群150A・150B・150C・150Dでは、各梁140が、スリット128を3つ飛ばした位置に連続して形成されていたのに対して、グリッド610における梁群650A・650B・650C・650D・650E・650F・650G・650H・650Iでは、各梁140が、スリット128を8つ飛ばした位置に連続して形成されている。
【0117】
具体的には、梁群650Aでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Aが、線状部127と図15における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Bが、スリット128を8つ飛ばした位置で9本目と10本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0118】
梁群650Bでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Cが、図15における下側から見て5本目と6本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Dが、スリット128を8つ飛ばした位置で14本目と15本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0119】
梁群650Cでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Eが、図15における下側から見て1本目と2本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Fが、スリット128を8つ飛ばした位置で10本目と11本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0120】
梁群650Dでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Gが、図15における下側から見て6本目と7本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Hが、スリット128を8つ飛ばした位置で15本目と16本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0121】
梁群650Eでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Iが、図15における下側から見て2本目と3本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Jが、スリット128を8つ飛ばした位置で11本目と12本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0122】
梁群650Fでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Kが、図15における下側から見て7本目と8本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Lが、スリット128を8つ飛ばした位置で16本目と17本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0123】
梁群650Gでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Mが、図15における下側から見て3本目と4本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Nが、スリット128を8つ飛ばした位置で12本目と13本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0124】
梁群650Hでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Oが、図15における下側から見て8本目と9本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Pが、スリット128を8つ飛ばした位置で17本目と18本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0125】
梁群650Iでは、図15における下側から見て1つ目の梁140Qが、図15における下側から見て4本目と5本目の細線130を連結し、さらに、2つ目の梁140Rが、スリット128を8つ飛ばした位置で13本目と14本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を8つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0126】
なお、梁群650A・650B・650C・650D・650E・650F・650G・650H・650Iは、図示はしないが、感光体62の軸方向に沿ってこの順で繰り返し、グリッド110全体に各8つ設けられている。
【0127】
第6変形例では、前述のように梁140を配置することにより、細線130間のスリット128の全部に、それぞれ、8本の梁140が存在し、隣り合う細線130は8カ所で梁140によって接続されている。このように、第6変形例に係る構成によれば、グリッド110に比べ、梁140は、総数が多く、感光体62の軸方向及び周方向へ高密度で設けられている。
【0128】
(グリッド110の第7変形例)
第7変形例に係るグリッド710では、図16(A)(B)に示すように、グリッド710の短手方向(図中の矢印S方向)中央で電極部104Bを仕切る仕切部720が設けられている。この仕切部720を挟んで一方側(図16(A)(B)における上側)には、梁群750A・750Bが設けられ、他方側(図16(A)(B)における下側)には、梁群750C・750Dが設けられている。梁群750A・750Bは、感光体62の軸方向に沿って、この順で交互に配置され、梁群750C・750Dは、感光体62の軸方向に沿って、この順で交互に配置されている。なお、図16(A)では、各梁群750A・750B・750C・750Dを簡略化して示している。
【0129】
梁群750Aでは、それぞれ、図16(B)における上側から見て1つ目の梁140Aが、線状部129と図16(B)における上側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Bが、スリット128を1つ飛ばした位置で2本目と3本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0130】
梁群750Bでは、それぞれ、図16(B)における上側から見て1つ目の梁140Dが、図16(B)における上側から見て1本目と2本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Eが、スリット128を1つ飛ばした位置で3本目と4本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0131】
梁群750Cでは、それぞれ、図16(B)における下側から見て1つ目の梁140Gが、線状部127と図16(B)における下側から見て1本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Hが、スリット128を1つ飛ばした位置で2本目と3本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0132】
梁群750Dでは、それぞれ、図16(B)における下側から見て1つ目の梁140Jが、図16における下側から見て1本目と2本目の細線130とを連結し、さらに、2つ目の梁140Kが、スリット128を1つ飛ばした位置で3本目と4本目の細線130を連結し、以下同様に、梁140は、スリット128を1つ飛ばした位置で2本の細線130を連結している。
【0133】
梁群750A・750Bでは、複数の梁140は、線状部129から仕切部720へ行くに連れて取付部104C側へ斜めにずれながら配置されている。梁群750C・750Dでは、複数の梁140は、線状部127から仕切部720へ行くに連れて取付部104C側へ斜めにずれながら配置されている。すなわち、仕切部720を挟んで一方側の梁群750A・750Bと、他方側の梁群750C・750Dとでは、複数の梁140の配置方向が異なっている。
【0134】
このように、仕切部720を挟んで一方側の梁群750A・750Bと、他方側の梁群750C・750Dとで複数の梁140の配置方向が異なっている第7変形例において、梁群750A・750B及び梁群750C・750Dに替えて、それぞれ、グリッド110における梁群150、グリッド310における梁群350、グリッド410における梁群450・グリッド510における梁群550・グリッド610における梁群650のいずれかを適用してもよい。また、第7変形例においては、仕切部720がない構成であってもよい。
【0135】
(グリッド110の第8変形例)
第8変形例に係るグリッド810は、図17に示すように、グリッド110において取付部104C側に設けられた梁群150A・梁群150B及び取付部104a側に設けられた梁群150C・梁群150Dに替えて、第4変形例における梁群450を備えている。なお、図17では、各梁群150A・150B・150C・150D・450を簡略化して示している。
【0136】
感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)両端側に設けられた梁群450よりも、感光体62の軸方向(図中の矢印D方向)中央側に設けられた梁群150A・150B・150C・150Dの方が、梁140の総数が少なく、第8変形例に係るグリッド810は、感光体62の軸方向中央部において、梁140が低密度とされている。
【0137】
本実施形態のように、感光体62の軸方向両端部で作用される力によってグリッド810を弾性変形させる構成であっても、グリッド810の軸方向において均一にグリッド810を湾曲させやすい。
【0138】
第8変形例は、梁140の数を感光体62の軸方向両端側よりも中央側で少なくする構成であったが、感光体62の軸方向中央部において梁140が低密度とする構成としては、例えば、梁140の太さを感光体62の軸方向両端側よりも中央側で細くする構成であっても良い。また、梁140の密度は、感光体62の軸方向両端から中央に向けて、第8変形例のように段階的に変化させる構成であっても、徐々に変化させる構成であっても良い。
【0139】
本発明は、上記の実施形態に限るものではなく、種々の変形、変更、改良が可能である。例えば、上記に示した変形例は、適宜、複数を組み合わせて構成しても良い。また、帯電装置100は、2本の放電ワイヤ106・108を備えていたが、1本又は3本以上であってもよい。
【0140】
また、上記の実施形態及び変形例では、梁140は2本の細線130を連結していたが、梁140としては、全ての構造線127〜130のうち感光体62の周方向に連続する3本以上で全本数未満の構造線127〜130を連結する構成であっても良い。
【0141】
また、本実施形態では、一の梁140に対して、感光体62の軸方向にずれている場合には、他の梁140と定義する。従って、感光体62の周方向に連続する3本以上で全本数未満の構造線127〜130を連結する梁140は、細線130に対して直角に細線130を連結する場合に限られる。梁140が、構造線127〜130に対して斜めに構造線127〜130を連結する場合には、図14(B)に示すように、見かけ上、感光体62の周方向に連続する3本以上の構造線127〜130を連結する場合でも、2本の構造線127〜130間でその2本の構造線127〜130を連結する線が一つの梁140である。
【符号の説明】
【0142】
10 画像形成装置
62 感光体(被帯電体の一例)
100 帯電装置
106 放電ワイヤ(放電電極の一例)
108 放電ワイヤ(放電電極の一例)
110 グリッド(電位制御板の一例)
112 取付部材(湾曲規制部材の一例)
112B 引掛部(張力付与部材一例)
114 取付部材(湾曲規制部材の一例)
114D 引掛部(張力付与部材一例)
122 板ばね(湾曲維持部材の一例)
124 板ばね(湾曲維持部材の一例)
126 清掃部材
127 線状部(構造線の一例)
129 線状部(構造線の一例)
130 細線(構造線の一例)
140 梁(連結部の一例)
160 グリッド(電位制御板の一例)
210 グリッド(電位制御板の一例)
310 グリッド(電位制御板の一例)
410 グリッド(電位制御板の一例)
510 グリッド(電位制御板の一例)
610 グリッド(電位制御板の一例)
710 グリッド(電位制御板の一例)
810 グリッド(電位制御板の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状又は円柱状の被帯電体の軸方向に沿って延びる放電電極と、
前記被帯電体と前記放電電極との間に配置され、前記被帯電体の周面に沿って湾曲された電位制御板と、
を備え、
前記電位制御板は、
前記被帯電体の周方向へ配列され、前記被帯電体の軸方向に沿って直線状に延びる3本以上の構造線と、
前記被帯電体の軸方向へ配置され、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ連続する一部を連結する複数の連結部と、を有し、
前記複数の連結部のうち一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、少なくとも一部が異なる帯電装置。
【請求項2】
前記複数の連結部のそれぞれは、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ隣り合う2本の構造線のみを連結する請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記複数の連結部のうち前記被帯電体の軸方向へ隣り合う一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、全部が異なる請求項1又は2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記複数の連結部のうち前記被帯電体の軸方向へ連続して配置された連結部は、前記被帯電体の周方向に沿って同じピッチで形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項5】
前記電位制御板は、前記被帯電体の軸方向両端部で作用される力によって弾性変形して前記被帯電体の周面に沿って湾曲され、
前記複数の連結部は、前記被帯電体の軸方向両端部よりも軸方向中央部において、低密度とされている請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項6】
前記電位制御板を清掃する清掃部材を備え、
前記複数の連結部は、前記構造線に対して20度以上の角度を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項7】
前記電位制御板は、前記帯電装置に取り付けられていないときは平板形状であり、前記帯電装置への取り付け状態で、前記被帯電体の軸方向へ張力を与える張力付与部材と、前記被帯電体の軸方向両端側に設けられる湾曲規制部材とにより湾曲形状となる請求項1〜6のいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項8】
前記電位制御板は、前記湾曲規制部材に対向する湾曲維持部材と前記湾曲規制部材とで挟み込まれることで湾曲形状を維持する請求項7に記載の帯電装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の帯電装置と、
前記帯電装置によって帯電され、オーバーコート層を有する被帯電体としての感光体と、
を備える画像形成装置。
【請求項10】
被帯電体の周方向へ配列され、前記被帯電体の軸方向に沿って直線状に延びる3本以上の構造線と、
前記被帯電体の軸方向へ配置され、前記3本以上の構造線のうち前記被帯電体の周方向へ連続する一部を連結する複数の連結部と、を有し、
前記複数の連結部のうち一の連結部と他の連結部とが連結する構造線は、少なくとも一部が異なる電位制御板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−203364(P2012−203364A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70889(P2011−70889)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】