説明

帯電装置及び画像形成装置

【課題】帯電ロールとカバーとの空間で、帯電ロールの回転方向にエアフローが発生することを抑制する。
【解決手段】感光体ドラム12の表面を帯電する帯電ロール24の上部に、帯電ロール24の上方を覆うようにカバー42が設けられている。カバー42は、帯電ロール24の回転方向上流側に空気の流入口としての入口44と、下流側に空気の排出口としての出口46が設けられている。カバー42は、入口44側の内壁42Aと帯電ロール24との距離が、出口46側の内壁42Aと帯電ロール24との距離より長く形成されている。これにより、入口44から流れ込む空気の流入抵抗が出口46から排出される排出抵抗よりも小さくなり、出口46からエアが抜けにくい。これによって、入口44から出口46に向かうエアフローの発生が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感光体などの像保持体の表面を帯電する帯電ロールを備えた帯電装置、及びこの帯電装置を備えた複写機やプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式を採用した複写機やプリンタ等の画像形成装置の帯電装置として、スコロトロン帯電器のようなコロナ放電現象を利用したものが多用されてきたが、コロナ放電現象を利用した帯電装置の場合には、人体や地球環境に悪影響のあるオゾンや窒素酸化物の発生が問題となっている。これに対して、導電性の帯電ロールなどを感光体に直接接触させて感光体の帯電を行う接触帯電方式はオゾンや窒素酸化物の発生が大幅に少なく、電力効率も良いことから、最近では主流となっている。
【0003】
このような接触帯電方式では、帯電ロールを感光体表面に加圧接触し、感光体の回転に従動して回転するように構成している。また、帯電ロールの周囲には、リークなどを抑制し、また帯電ロールを清掃する清掃部材を保持するためにカバーが設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0004】
近年、画像形成装置の高速化に伴い、帯電ロールをより高速で回転する必要が出てきており、帯電ロールが高速で回転することにより生じるエアフローにより画像形成装置内にトナークラウドが発生する問題がある。また、帯電ロールの周囲にカバーを設けると、カバーと帯電ロールとの空間がエアダクトの役割となり、帯電ロールの回転方向下流側のカバーの出口から吹き出すエアフローが発生する。吹き出したエアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊しやすくなる。また、帯電ロールの回転方向上流側のカバーの入口側では、吸い込むエアフローとなるため、入口側に現像装置などのトナークラウドの汚れが発生しやすい構成となっていると、トナークラウドをより吸引することになる。このため、画像形成装置内の汚れをより加速するだけでなく、カバー内に汚れを吸い込むことにより帯電ロールが汚れやすくなり、帯電ロールの寿命が短くなる要因となる。
【0005】
一方、帯電ロールの表面に汚れなどが付着することを抑制するために、帯電ロールの近傍の空気を吸引する気流発生装置を設けた構成が開示されている(例えば、特許文献2を参照)。しかし、気流発生装置を設けると、構成が複雑で装置が大型化し、コストが増大するという問題がある。
【特許文献1】特開平2004−101610号公報
【特許文献1】特開平11−161120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、帯電ロールの回転方向のエアフローにより帯電ロール表面に汚れが付着し、また画像形成装置内に汚れが浮遊することを抑制できる帯電装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明に係る帯電装置は、回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、前記帯電ロールを覆うカバーと、を備え、前記帯電ロールの回転によって、前記帯電ロールと前記カバーとの間へ前記帯電ロールの回転方向の上流側から流れ込む空気の流入抵抗を下流側から排出される排出抵抗より小さくしたことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、帯電ロールを覆うカバーが設けられており、帯電ロールとカバーとの間へ帯電ロールの回転方向の上流側から流れ込む空気の流入抵抗を下流側から排出される排出抵抗より小さくしている。帯電ロールとカバーとの間では、帯電ロールの回転方向に向かって層流が発生し、空気が上流側から流れ込み下流側に流れやすいが、上流側から流れ込む空気の流入抵抗を下流側から排出される排出抵抗より小さくすることで、上流側から下流側に向かうエアフローの発生が抑制される。これによって、トナークラウドなどがカバー内に入って帯電ロールを汚すことが抑制されると共に、エアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊することが抑制される。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記帯電ロールと前記カバーとで構成される空気の流入口を、前記帯電ロールと前記カバーとで構成される空気の排出口より大きくしたことを特徴としている。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、帯電ロールとカバーとで構成される空気の流入口を、帯電ロールとカバーとで構成される空気の排出口より大きくするので、帯電ロールの回転方向上流側の流入口から流れ込む空気の流入抵抗が下流側の排出口から排出される排出抵抗より小さくなる。これによって、排出口側では空気が流れにくくなり、帯電ロールの回転方向に沿ったエアフローの発生が抑制される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記排出口側の前記カバーの内壁に突起を設けたことを特徴としている。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、排出口側のカバーの内壁に突起を設けるので、帯電ロールの回転方向上流側の流入口から流れ込む空気の流入抵抗が下流側の排出口から排出される排出抵抗より小さくなる。これによって、突起の部分で空気が流れにくくなり、帯電ロールの回転方向に沿ったエアフローの発生が抑制される。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の帯電装置において、前記カバー内にある前記帯電ロールを清掃する清掃部材を前記排出口側に設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、カバー内にある帯電ロールを清掃する清掃部材を排出口側に設けるので、帯電ロールの回転方向上流側の流入口から流れ込む空気の流入抵抗が下流側の排出口から排出される排出抵抗より小さくなる。これによって、清掃部材付近で空気が流れにくくなり、帯電ロールの回転方向に沿ったエアフローの発生が抑制される。
【0015】
請求項5に記載の発明は、回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、前記帯電ロールを上方から覆うカバーと、を備え、前記カバーの頂部に、前記帯電ロールの長手方向に開口部が形成されたことを特徴としている。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、帯電ロールを上方から覆うカバーが設けられており、カバーの頂部に帯電ロールの長手方向に開口部が形成されている。帯電ロールとカバーとの間では、帯電ロールの回転方向に向かって層流が発生し、空気が上流側から流れ込み下流側に流れやすいが、カバーの頂部に帯電ロールの長手方向に開口部を形成することで、上流側から流れ込んだ空気が開口部からカバーの外側に排出され、上流側から下流側に向かうエアフローの発生が抑制される。これによって、トナークラウドなどがカバー内に入って帯電ロールを汚すことが抑制されると共に、エアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊することが抑制される。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の帯電装置において、前記開口部の長手方向の長さは、前記帯電ロールの長手方向の長さよりも長いことを特徴としている。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、開口部の長手方向の長さは、帯電ロールの長手方向の長さよりも長いため、帯電ロールの長手方向に沿って空気の流れが不均一になることが抑制され、帯電ロールに汚れのムラが発生することが抑制される。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の帯電装置において、前記開口部にフィルターを設けたことを特徴としている。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、開口部にフィルターを設けたので、カバー内の空気中に含まれる汚れがフィルターで捕獲され、汚れの除去された空気がカバーの外側へ排出される。このため、空気中に含まれる汚れが画像形成装置内に浮遊することが抑制される。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の帯電装置において、前記開口部に、前記カバーの内側から外側への流れを有する逆止弁を設けたことを特徴としている。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、開口部にカバーの内側から外側への流れを有する逆止弁を設けたので、カバー内の空気が開口部からカバーの外側へ排出され、カバーの外側の空気が開口部からカバーの内側に入ることが抑制される。このため、カバー内で帯電ロールの回転方向に沿って上流側から下流側に向かうエアフローが発生することがよりいっそう抑制される。
【0023】
請求項9に記載の発明は、回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、前記帯電ロールを下方から覆うカバーと、を備え、前記カバーの底部に、前記帯電ロールの長手方向に開口部が形成されたことを特徴としている。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、帯電ロールを下方から覆うカバーが設けられており、カバーの底部に帯電ロールの長手方向に開口部が形成されている。帯電ロールとカバーとの間では、帯電ロールの回転方向に向かって層流が発生し、空気が上流側から流れ込み下流側に流れやすいが、カバーの底部に帯電ロールの長手方向に開口部を形成することで、上流側から流れ込んだ空気が開口部からカバーの外側に排出され、上流側から下流側に向かうエアフローの発生が抑制される。また、開口部はカバーの底部に設けられており、カバー内の空気が開口部から外側に排出される際に、空気中の異物が重力方向に落下する。これによって、トナークラウドなどがカバー内に入って帯電ロールを汚すことが抑制されると共に、エアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊することが抑制される。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の帯電装置において、前記開口部から前記カバーの下部に吹き出された異物を収容する収容部を設けたことを特徴としている。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、開口部からカバーの下部に吹出された異物が重力方向に落下し、収容部内に収容される。このため、空気中の汚れがカバーの外側に拡散することがよりいっそう抑制される。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の帯電装置において、前記開口部は、前記像保持体と前記帯電ロールとの接点を通る前記像保持体の法線に対して、前記像保持体の表面にトナー像を形成する現像装置から離れた側に設けられていることを特徴としている。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、開口部は、像保持体と帯電ロールとの接点を通る像保持体の法線に対して、現像装置から離れた側に設けられているので、現像装置付近で発生したトナークラウドが開口部からカバーの内側に入り込むことが抑制される。
【0029】
請求項12に記載の発明に係る画像形成装置は、回転駆動される像保持体と、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の帯電装置と、前記像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、を有することを特徴としている。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の帯電装置が設けられているので、カバーと帯電ロールとの間で、帯電ロールの回転方向に沿って上流側から下流側へ向かうエアフローの発生が抑制される。これによって、トナークラウドなどがカバー内に入って帯電ロールを汚すことが抑制されると共に、エアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊することが抑制される。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、カバーと帯電ロールとの間で、帯電ロールの回転方向に沿って上流側から下流側へ向かうエアフローの発生を抑制できる。このため、現像装置付近で発生したトナークラウドなどがカバー内に入って帯電ロールを汚すことを抑制できると共に、エアフローによって画像形成装置内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1には、本発明の第1実施形態に係る帯電装置を備えた画像形成装置100が示されている。
【0034】
この画像形成装置100は、図示しないパーソナルコンピュータ等の画像データ入力装置から送られてくるカラー画像情報に基づいて画像処理を行い、電子写真方式によって記録用紙Pにカラー画像を形成するものである。
【0035】
画像形成装置100には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色のトナー像を形成する画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kを備えている。なお、以降、YMCKを区別する必要がある場合は、符号の後にY、M、C、Kの何れかを付して説明し、YMCKを区別する必要が無い場合は、Y、M、C、Kを省略する。
【0036】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kは、バックアップロール34と複数の張架ロール32によって張架された無端状の中間転写ベルト30の進行方向に対して、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの順番で直列に配列されている。また、中間転写ベルト30は、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの像保持体としての感光体ドラム12Y,12M,12C,12Kと、それぞれ対向して配設される一次転写ロール16Y、16M,16C,16Kとの間を挿通している。
【0037】
つぎに、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの構成と画像形成の動作とを、イエロートナー画像を形成する画像形成ユニット10Yを代表して説明する。
【0038】
感光体ドラム12Yの表面は、帯電ロール24Yにより一様に帯電される。つぎに、露光装置14Yによりイエロー画像に対応する像露光がなされ、感光体ドラム12Yの表面にイエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
【0039】
イエロー画像に対応する静電潜像は、現像装置15Yの現像バイアスが印加された現像ロール18Yに担持されたトナーによって現像され、イエロートナー画像となる。イエロートナー画像は、一次転写ロール16Yの圧接力と、一次転写ロール16Yに印加された転写バイアスによる静電吸引力と、によって、中間転写ベルト30上に一次転写される。
【0040】
この一次転写では、イエロートナー画像は全て中間転写ベルト30に転写されず、一部が転写残留イエロートナーとして、感光体ドラム12Yに残留する。また、感光体ドラム12Yの表面には、トナーの外添剤なども付着している。一次転写後の感光体ドラム12Yは、クリーニング装置20Yとの対向位置を通過し、感光体ドラム12Yの表面の転写残留トナーなどが除去される。その後、感光体ドラム12Yの表面は、つぎの画像形成サイクルの為、帯電ロール24Yで再び帯電される。
【0041】
図1に示すように、画像形成装置100では、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの相対的な位置の違いを考慮したタイミングで、上記と同様の画像形成工程が各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにおいて行われ、中間転写ベルト30上に、順次、Y,M,C,Kの各色トナー像が重ねられ、多重トナー像が形成される。
【0042】
そして、所定のタイミングで二次転写ロール36と中間転写ベルト30とが対向する二次転写位置へと搬送されてきた記録用紙Pに、転写バイアスが印加された二次転写ロール36の静電吸引力によって、中間転写ベルト30から多重トナー像が一括して記録用紙Pに転写される。
【0043】
多重トナー像が転写された記録用紙Pは、中間転写ベルト30から分離された後、定着装置31へと搬送され、熱と圧力とにより記録用紙Pに定着されてフルカラー画像が形成される。
【0044】
記録用紙Pに転写されなかった中間転写ベルト30上の転写残留トナーは、中間転写ベルト用クリーナー33で回収される。
【0045】
この画像形成装置100では、図2に示すように、感光体ドラム12の上部に帯電装置40が配設されている。帯電装置40は、感光体ドラム12の表面と接触する帯電ロール24と、感光体ドラム12と反対側に帯電ロール24の周囲を覆うようなカバー42とを備えている。
【0046】
帯電ロール24は、導電性のシャフト24Aの周囲に帯電層24Bが形成されたものである。シャフト24Aには、図示しない電源から所定の高電圧が印加されている。感光体ドラム12の支軸には図示しないモータが連結されており、感光体ドラム12が図2中の時計回り(矢印2の方向)に回転駆動される。また、感光体ドラム12の回転に従動して帯電ロール24が矢印4の方向に回転する。
【0047】
カバー42は、帯電ロール24の長手方向の全長よりも長く形成されており、カバー42の壁部は、帯電ロール24の周面を囲むように逆U字状に折り曲げられている。カバー42と帯電ロール24との間には、帯電ロール24の回転方向に対して上流側に空気の流入口としての入口44と、下流側に空気の排出口としての出口46とが設けられている。このとき、感光体ドラム12と帯電ロール24との接点を通る感光体ドラム12の法線48に対して、入口44は現像ロール18に近い側に、出口46は現像ロール18から離れた側に設けられている。
【0048】
カバー42は、入口44側のカバー42の内壁42Aと帯電ロール24との距離が、出口46側のカバー42の内壁42Aと帯電ロール24との距離より長く形成されている。例えば、入口44側の内壁42Aと帯電ロール24との距離は、出口46側の内壁42Aと帯電ロール24との距離よりも約2.5mm長く設定されている。これにより、帯電ロール24の回転によって、帯電ロール24とカバー42との間へ帯電ロール24の回転方向上流側の入口44から流れ込む空気の流入抵抗が、下流側の出口46から排出される排出抵抗より小さくなる。
【0049】
次に、帯電ロール24の詳細について説明する。
【0050】
この帯電ロール24は、導電性のシャフト24A上に、帯電層24Bとして導電性弾性層、表面層が順次形成されたものである。
【0051】
帯電ロール24の径はφ7mmからφ15mm、より好ましくはφ8mmからφ14mmで、帯電層24Bの肉厚が2mmから4mmであることが好ましい。直径が15mm以上であると周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が減り、また放電回数が減るので、汚れや帯電性能に対する長期安定性には優れるものの小型化の観点から不利である。直径が7mm以下であると画像形成装置100を小型化できるので優位であるが、周面1箇所あたりの外添剤に接触する回数が増え、また放電回数が増えるので、長期安定性に対し不利となる。
【0052】
この帯電ロール24であるが、所定の帯電性能を有するものであれば以下の構成に限定されるものでないことは言うまでもない。
【0053】
シャフト24Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用され、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われていてもよい。
【0054】
帯電ロール24の帯電層24Bを構成する上記導電性弾性層は、例えば、弾性を有するゴム等の弾性材、導電性弾性層の抵抗を調整するカーボンブラックやイオン導電材等の導電材、必要に応じて軟化剤、可塑剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、シリカおよび炭酸カルシウム等の充填剤等、通常ゴムに添加され得る材料を加えてもよい。通常ゴムに添加される材料を添加した混合物を、導電性のシャフト24Aの周面に被覆することにより形成される。抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックやイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。また、上記弾性材は発泡体であってもかまわない。
【0055】
上記導電性弾性層を構成する弾性材としては、例えばゴム材中に導電剤を分散させることによって形成される。ゴム材としては、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン3元共重合ゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、天然ゴム等、及びこれらのブレンドゴムが挙げられる。中でも、シリコーンゴム、エチレンプロピレンゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド共重合ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキシド−アリルグリシジルエーテル共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムおよびこれらのブレンドゴムが好ましく用いられる。これらのゴム材は発泡したものであっても無発泡のものであってもよい。
【0056】
導電剤としては、電子導電剤やイオン導電剤が用いられる。電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;熱分解カーボン、グラファイト;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金;酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタン、酸化スズ−酸化アンチモン固溶体、酸化スズ−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物;絶縁物質の表面を導電化処理したもの;などの微粉末を挙げることができる。また、イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム等の過塩素酸塩、塩素酸塩等;リチウム、マグネシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩等;を挙げることができる。
【0057】
帯電層24Bを構成する上記表面層は、トナー等の異物による汚染の防止のためなどに形成しているものであり、表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではない。ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。このうち外添剤汚れの観点から、ポリフッ化ビニリデン、4フッ化エチレン共重合体、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロンが好ましく用いられる。
【0058】
また上記表面層には導電性材料を含有させ、抵抗値を調整することができる。該導電性材料としては、粒径が3μm以下であるものが望ましい。また、抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、あるいはイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。
【0059】
また、上記表面層には、フッ素系あるいはシリコーン系の樹脂が用いられている。特に、フッ素変性アクリレートポリマーで構成されることが好ましい。また、表面層の中に微粒子を添加してもよい。これにより、表面層が疎水性となって帯電ロール24への異物の付着が防止されるように作用する。また、アルミナやシリカのような絶縁性の粒子を添加して、帯電ロール24の表面に凹凸を付与し、感光体ドラム12との摺擦時の負担を小さくして帯電ロール24と感光体ドラム12相互の耐磨耗性を向上させることも可能である。
【0060】
以上のような構成の画像形成装置100では、カバー42の出口46側の内壁42Aと帯電ロール24との距離よりも入口44側の内壁42Aと帯電ロール24との距離が長く設定されており、帯電ロール24の回転方向上流側の入口44から流れ込む空気の流入抵抗が、下流側の出口46から排出される排出抵抗よりも小さくなる。
【0061】
一般に、帯電ロール24とカバー42との間では、帯電ロール24の回転方向に向かって層流50が発生し、空気が入口から入って出口へ流れやすいが、本実施形態では、出口46側の内壁42Aと帯電ロール24との距離を入口44側よりも短くすることで、入口44から入った空気が出口46へ抜けにくい。このため、入口44から入った空気がカバー42内を折り返して入口44から排出される流れ52が発生し、帯電ロール24の回転方向に沿って入口44から入って出口46へ向かうエアフローが小さくなる。
【0062】
また、入口44は、現像ロール18に近い側に設けられているので、現像ロール18付近で発生したトナークラウドなどが入口44から流れ込んで出口46から排出されることが抑制される。このため、トナークラウドなどがカバー42内に入って帯電ロール24を汚すことを抑制できると共に、入口44から出口46に向かうエアフローによって画像形成装置100内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【0063】
次に、本発明の第2実施形態の帯電装置について説明する。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0064】
図3に示すように、この帯電装置60では、カバー62の入口44側の内壁62Aと帯電ロール24との距離と、カバー62の出口46側の内壁62Aと帯電ロール24との距離はほぼ同じであるが、出口46側の内壁62Aに帯電ロール24側に突出した複数の突起64が設けられている。複数の突起64は、帯電ロール24表面の軸方向に対してほぼ直角方向に突出するように形成されている。
【0065】
このような帯電装置60では、カバー62の出口46側の内壁62Aに帯電ロール24側に突出する複数の突起64が形成されており、帯電ロール24の回転方向上流側の入口44から流れ込む空気の流入抵抗が、下流側の出口46から排出される排出抵抗よりも小さくなる。
【0066】
一般に、帯電ロール24とカバー62との間では、帯電ロール24の回転方向に向かって層流50が発生し、空気が入口から入って出口へ流れやすいが、本実施形態では、入口44から入った空気が複数の突起64によって遮られることによって出口46へ抜けにくくなる。このため、入口44から入った空気がカバー62内を折り返して入口44から排出される流れ52が発生し、帯電ロール24の回転方向に沿って入口44から入って出口46へ向かうエアフローが小さくなる。
【0067】
また、入口44は、現像ロール18に近い側に設けられているので、現像ロール18付近で発生したトナークラウドなどが入口44から流れ込んで出口46から排出されることが抑制される。このため、トナークラウドなどがカバー62内に入って帯電ロール24を汚すことを抑制できると共に、入口44から出口46に向かうエアフローによって画像形成装置100内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【0068】
次に、本発明の第3実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0069】
図4に示すように、この帯電装置70では、カバー72の入口44側の内壁72Aと帯電ロール24との距離と、カバー72の出口46側の内壁72Aと帯電ロール24との距離はほぼ同じであるが、出口46側に近い位置に帯電ロール24の表面と接触するクリーニングロール74が設けられている。このクリーニングロール74は、カバー72の逆U字状に折り曲げられた部分の入口44側から遠い側に配設されている。クリーニングロール74を設けることで、帯電ロール24の回転方向上流側の入口44から流れ込む空気の流入抵抗が、下流側の出口46から排出させる排出抵抗よりも小さくなる。
【0070】
クリーニングロール74は、シャフト74Aの周面にロール状のスポンジ層74Bが形成されたものである。シャフト74Aは、図示しない両端部の軸受に回転可能に支持されている。このクリーニングロール74は、帯電ロール24の回転に従動して矢印方向に回転する。
【0071】
シャフト74Aの材質としては、快削鋼、ステンレス鋼等が使用されており、摺動性などの用途に応じ材質および表面処理方法は適時選択され、導電性を有さない材質についてはメッキ処理など一般的な処理により加工され導電化処理が行われてもよく、もちろんそのまま使用してもよい。また、クリーニングロール74は、スポンジ層74Bを介して帯電ロール24と適度なニップ圧力で接触するため、ニップ時に撓みのない強度を持った材質またはシャフト長に対して十分剛性をもったシャフト径が選択される。
【0072】
スポンジ層74Bは、多孔質の3次元構造を有する発泡体からなり、内部や表面に空洞や凹凸部(以下、セルという。)が存在し、弾性を有している。このスポンジ層74Bは、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリアミド、オレフィン、メラミン又はポリプロピレン、NBR、EPDM、天然ゴム及びスチレンブタジエンゴム、クロロプレン、シリコーン、ニトリル、等の発泡性の樹脂又はゴムを材質としたものより選択される。これにより、多数のセルを有するスポンジ層74Bを安価に製造できる。スポンジ層74Bは、帯電ロール24との従動摺擦により外添剤などの異物を効率的にクリーニングすると同時に、帯電ロール24の表面にスポンジ層74Bの擦れによるキズをつけないために、また、長期にわたり千切れや破損が生じないようにするために、引き裂き、引っ張り強さなどに強いポリウレタンが特に好ましく用いられる。
【0073】
スポンジ層74Bのセル数は40〜80個/25mmであることが好ましく、45〜75個/25mmであることがより好ましい。このようなセル数に設定することで、セルの中にトナーや外添剤などの異物を取り込みやすく、かつ取り込んだ外添剤などの異物を帯電ロール24、感光体ドラム12へ転移しやすくなる。セル数が80個/25mmより多いとセル径が小さい為に外添剤の取り込み性が低下し、逆にセル数が40個/25mmより少ないとセル径が大きくなりすぎ、取り込んだ外添剤を帯電ロール24へ転移させる適度な大きさまで固めることが困難となる。
【0074】
このような帯電装置70では、カバー72の出口46側と近い位置にクリーニングロール74が設けられており、帯電ロール24の回転方向上流側の入口44から流れ込む空気の流入抵抗が、下流側の出口46から排出される排出抵抗よりも小さくなる。
【0075】
一般に、帯電ロール24とカバー62との間では、帯電ロール24の回転方向に向かって層流50が発生し、空気が入口から入って出口へ流れやすいが、本実施形態では、入口44から入った空気がクリーニングロール74によって遮られることによって出口46へ抜けにくくなる。このため、入口44から入った空気がカバー72内を折り返して入口44から排出される流れ52が発生し、帯電ロール24の回転方向に沿って入口44から入って出口46へ向かうエアフローが小さくなる。
【0076】
また、入口44は、現像ロール18に近い側に設けられているので、現像ロール18付近で発生したトナークラウドなどが入口44から流れ込んで出口46から排出されることが抑制される。このため、トナークラウドなどがカバー72内に入って帯電ロール24を汚すことを抑制できると共に、入口44から出口46に向かうエアフローによって画像形成装置100内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【0077】
次に、本発明の第4実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1〜第3実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0078】
図5に示すように、この帯電装置110は、帯電ロール24の感光体ドラム12と反対側に帯電ロール24の上方を覆うようにカバー112を備えており、カバー112の壁部は、帯電ロール24の周面を囲むように逆U字状に折り曲げられている。カバー112と帯電ロール24との対向部には、帯電ロール24の回転方向(矢印4の方向)に対して上流側に空気の流入口としての入口114と、下流側に空気の排出口としての出口116とが設けられている。
【0079】
この帯電装置110では、カバー112の入口114側の内壁112Aと帯電ロール24との距離と、カバー112の出口116側の内壁112Aと帯電ロール24との距離はほぼ同じであるが、入口114と出口116の途中のカバー112の頂部に、帯電ロール24の長手方向にほぼ均一な幅の開口部118が設けられている。この開口部118は、帯電ロール24の上部に設けられ、帯電ロール24の長手方向の長さよりも長く形成されている。
【0080】
このような帯電装置110では、カバー112の入口114と出口116の途中に開口部118が設けられており、開口部118からカバー112の外側に空気が吹き出される流れ120が発生する。一般に、帯電ロール24とカバー112との対向部では、帯電ロール24の回転方向に向かって層流50が発生し、空気が入口から入って出口へ流れやすいが、本実施形態では、カバー112の入口114と出口116の途中に開口部118を設けることで、入口114から入った空気が開口部118からカバー112の外側に吹き出される。これによって、帯電ロール24の回転方向に沿って入口114から入って出口116へ向かうエアフローが小さくなる。
【0081】
また、入口114は、現像ロール18に近い側に設けられているので、現像ロール18付近で発生したトナークラウドなどが入口114から流れ込んで出口116から排出されることが抑制される。このため、トナークラウドなどがカバー112内に入って帯電ロール24を汚すことを抑制できると共に、入口114から出口116に向かうエアフローによって画像形成装置100内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【0082】
また、開口部118の長手方向の長さは、帯電ロール24の長手方向の長さよりも長いので、帯電ロール24の長手方向に沿って空気の流れが不均一になることを抑制できる。このため、帯電ロール24表面に汚れのムラが発生することを抑制できる。
【0083】
次に、本発明の第5実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1〜第4実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0084】
図6に示すように、この帯電装置130は、入口114と出口116の途中のカバー112の頂部に形成された開口部118にフィルター132が取り付けられている。フィルター132として、例えば、活性炭フィルター、ポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂繊維フィルター、ガラス繊維フィルターなどが用いられる。
【0085】
このような帯電装置130では、カバー112の入口114と出口116の途中に開口部118が設けられており、開口部118からカバー112の外側に空気が吹き出される流れ120が発生する。開口部118には、フィルター132が取り付けられているので、カバー112内の空気中に含まれる異物などの汚れがフィルター132に捕獲され、汚れの除去された空気がカバー112の外側に吹き出される。このため、汚れが画像形成装置100内に浮遊することを抑制できる。
【0086】
次に、本発明の第6実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1〜第5実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0087】
図7に示すように、この帯電装置140は、入口114と出口116の途中のカバー112の頂部に形成された開口部118に、カバー112の内側から外側への流れを有する逆止弁142が取り付けられている。この逆止弁142は、開口部118の外側方向に湾曲し、中央部に開閉孔142Aが形成されたものであり、所定の空気圧がかかったときに開閉孔142Aを通してカバー112の内側から外側へ空気が流れ、逆方向には空気が流れないように構成されている。
【0088】
このような帯電装置140では、開口部118に逆止弁142を設けたので、カバー112内の空気が逆止弁142の開閉孔142Aを通して外側に吹き出される流れ120が発生し、カバー112の外側の空気が開口部118からカバー112内に入ることが抑制される。このため、カバー112内で帯電ロール24の回転方向に沿って入口114から出口116に向かうエアフローが発生することをよりいっそう抑制できる。
【0089】
次に、本発明の第7実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1〜第6実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0090】
図8に示すように、この帯電装置150は、入口114と出口116のと途中のカバー152の頂部に開口部154が設けられている。この開口部154は、感光体ドラム12と帯電ロール24との接点を通る感光体ドラム12の法線48に対して、現像ロール18から離れた側に形成されている。
【0091】
このような帯電装置150では、開口部154は、法線48に対して現像ロール18から離れた側に設けられているので、カバー152の外側の空気が開口部154からカバー152内に入り、現像ロール18側に流れる流れ156、157が発生する。このため、現像ロール18付近で発生したトナークラウドが、カバー152の外側から開口部154を通ってカバー152内に流れ込むことを抑制できる。また、帯電ロール24の回転方向に沿って入口114から出口116に向かうエアフローの発生を抑制できるので、トナークラウドなどがカバー152内に入って帯電ロール24を汚すことを抑制できると共に、入口114から出口116に向かうエアフローによって画像形成装置100内に汚れが浮遊することを抑制できる。
【0092】
次に、本発明の第8実施形態の画像形成装置について説明する。なお、第1〜第7実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
【0093】
図9に示すように、感光体ドラム160は時計方向(矢印162の方向)に回転し、感光体ドラム160の下部に帯電装置170が設けられている。帯電装置170には、帯電ロール166が設けられており、感光体ドラム160の回転に従動して矢印164の方向に回転している。帯電装置170は、帯電ロール166の感光体ドラム160と反対側に帯電ロール166の下方を覆うカバー172を備えている。このカバー172は、断面が略U字状に形成されている。カバー172には、帯電ロール166の回転方向(矢印164の方向)に対して上流側に空気の流入口としての入口174と、下流側に空気の排出口としての出口176とが設けられている。
【0094】
カバー172には、入口174と出口176の途中の底部であって、帯電ロール166に対して重力落下方向に開口部178が設けられている。この開口部178は、帯電ロール166の長手方向にほぼ均一な幅を有しており、帯電ロール166の長手方向の全長よりも長く形成されている。また、開口部178の下部には、トナーや外添剤などの異物を収容する収容部材180が設けられている。この収容部材180は、断面が略U字状に折り曲げられたトレイであり、落下した異物を捕獲するような構成となっている。
【0095】
このような帯電装置170では、入口174からカバー172内に入った空気が下部の開口部178から吹き出される流れ182が発生する。開口部178は、帯電ロール166の下部に設けられており、カバー172内の空気が開口部178から外側に吹き出されるときに、空気中の異物などの汚れが重力方向の収容部材180に落下又は吹き付けられ、異物などの汚れが収容部材180の内部に収容される。このため、空気中の異物などの汚れがカバー172の外側の画像形成装置内に浮遊することをよりいっそう抑制できる。
【0096】
なお、上記実施形態では、図4を除いて、帯電装置のカバー内に帯電ロールのみが設けられる構成であるが、この構成に限定するものではない。カバー内に、帯電ロールを清掃するブラシ、パッド、弾性ロールなどのクリーニング部材を設けてもよい。
【0097】
なお、図1に示す画像形成装置100は、中間転写ベルト30の移動方向に沿ってイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Kを並設する構成であったが、この構成に限定するものではない。例えば、4色の現像器を備えた回転式現像装置を用いて感光体ドラムへのトナー像の形成を4サイクル繰り返して行う構成であっても、本発明の帯電装置を適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1実施形態の帯電装置を備えた画像形成装置を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す帯電装置を示す構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図6】本発明の第5実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図7】本発明の第6実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図8】本発明の第7実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【図9】本発明の第8実施形態の帯電装置を示す構成図である。
【符号の説明】
【0099】
10Y,10M,10C,10K 画像形成ユニット
12Y,12M,12C,12K 感光体ドラム(像保持体)
15Y 現像装置
18 現像ロール
24 帯電ロール
24A シャフト
24B 帯電層
40 帯電装置
42 カバー
42A 内壁
44 入口(流入口)
46 出口(排出口)
60 帯電装置
62 カバー
62A 内壁
64 突起
70 帯電装置
72 カバー
72A 内壁
74 クリーニングロール
74A シャフト
74B スポンジ層
100 画像形成装置
110 帯電装置
112 カバー
112A 内壁
114 入口(流入口)
116 出口(排出口)
118 開口部
130 帯電装置
132 フィルター
140 帯電装置
142 逆止弁
150 帯電装置
152 カバー
154 開口部
160 感光体ドラム(像保持体)
166 帯電ロール
170 帯電装置
172 カバー
174 入口(流入口)
176 出口(排出口)
178 開口部
180 収容部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、
前記帯電ロールを覆うカバーと、を備え、
前記帯電ロールの回転によって、前記帯電ロールと前記カバーとの間へ前記帯電ロールの回転方向の上流側から流れ込む空気の流入抵抗を下流側から排出される排出抵抗より小さくしたことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記帯電ロールと前記カバーとで構成される空気の流入口を、前記帯電ロールと前記カバーとで構成される空気の排出口より大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記排出口側の前記カバーの内壁に突起を設けたことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記カバー内にある前記帯電ロールを清掃する清掃部材を前記排出口側に設けたことを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項5】
回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、
前記帯電ロールを上方から覆うカバーと、を備え、
前記カバーの頂部に、前記帯電ロールの長手方向に開口部が形成されたことを特徴とする帯電装置。
【請求項6】
前記開口部の長手方向の長さは、前記帯電ロールの長手方向の長さよりも長いことを特徴とする請求項5に記載の帯電装置。
【請求項7】
前記開口部にフィルターを設けたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の帯電装置。
【請求項8】
前記開口部に、前記カバーの内側から外側への流れを有する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の帯電装置。
【請求項9】
回転駆動される像保持体の表面を帯電する帯電ロールと、
前記帯電ロールを下方から覆うカバーと、を備え、
前記カバーの底部に、前記帯電ロールの長手方向に開口部が形成されたことを特徴とする帯電装置。
【請求項10】
前記開口部から前記カバーの下部に吹き出された異物を収容する収容部を設けたことを特徴とする請求項9に記載の帯電装置。
【請求項11】
前記開口部は、前記像保持体と前記帯電ロールとの接点を通る前記像保持体の法線に対して、前記像保持体の表面にトナー像を形成する現像装置から離れた側に設けられていることを特徴とする請求項5から請求項10までのいずれか1項に記載の帯電装置。
【請求項12】
回転駆動される像保持体と、
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の帯電装置と、
前記像保持体に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像装置と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−15027(P2008−15027A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−183461(P2006−183461)
【出願日】平成18年7月3日(2006.7.3)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】