説明

帯電装置及び画像形成装置

【課題】 帯電スリーブ131、132の長手方向端部において磁性粒子135の感光ドラム1への付着を低減できる帯電装置、及び画像形成装置の提供。
【解決手段】 磁性粒子135を感光ドラム1に接触させて帯電を行い、磁性粒子を担持する帯電スリーブ131、132と、帯電スリーブ131の長手方向の端部に磁性粒子と電気的に絶縁する絶縁部131a、132aを備えている帯電装置に関する発明。
絶縁部131a、132aに担持される磁性粒子135と接触するように配置される導電性部材157を備え、導電性部材157には帯電スリーブ131、132に印加される電圧の絶対値よりも、小さい絶対値の電圧が印加される。または(及び)、前記帯電スリーブ131、132の上に担持された磁性粒子を規制する規制ブレード137を絶縁処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載する帯電装置、及びその帯電装置を有する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機やプリンタ等の画像形成装置に搭載する帯電装置として、像担持体としての感光ドラムの外周面(表面)に帯電ローラや磁気ブラシを接触させて感光ドラム表面に帯電を行う接触帯電方式の装置が知られている。この磁気ブラシ式の帯電装置は、スリーブ状の磁性粒子担持体(以下、帯電スリーブと記す)に導電性の磁性粒子を担持させ磁気ブラシを構成する。そして、磁性粒子を感光ドラム表面に接触させることによって感光ドラム表面の帯電を行うものである。
【0003】
磁気ブラシ帯電装置を用いた時の一つの課題として、帯電スリーブに担持された磁性粒子が感光ドラムへ付着してしまうことがある。磁性粒子が感光ドラム表面に付着すると、磁性粒子が現像器に混入して画像品位が悪化する、転写部において画像に転写不良がおこる。また、クリーニング部材と感光ドラムとの間に磁性粒子が挟まり、感光ドラム表面がダメージを受ける等の問題を引き起こす要因となる。
【0004】
特に、帯電スリーブの磁性粒子担持領域の最端部において磁性粒子が帯電スリーブ上から感光ドラムへと付着してしまいやすい。
【0005】
この原因は、帯電スリーブの内部に設けられるマグネットの磁力がその磁性粒子担持領域の最端部で弱まってしまうことである。そのため、磁性粒子が磁力で帯電スリーブに保持される力も弱くなり、磁性粒子がドラムへと移動しやすい。
【0006】
また、感光ドラムに磁性粒子が移動してしまったとしても帯電スリーブに十分な磁性粒子が担持されていれば、当該移動した磁性粒子は感光ドラムと磁気ブラシとの接触部で、帯電スリーブ上の磁性粒子により機械的にすくいあげ磁気ブラシに回収される。しかし、帯電スリーブの端部は、マグネットの磁力が弱いため、磁性粒子担持領域の端部で担持している磁性粒子の担持状態が不安定(充分に磁性粒子が担持されていない状態)になる。そのため、一旦感光ドラムへと付着してしまった磁性粒子は、感光ドラムに移動したままとなってしまいやすい。
【0007】
ここで、磁性粒子が感光ドラムに付着してしまう要因として、磁性粒子に電荷がたまることにより、磁性粒子と感光ドラムとの間に鏡映力が発生してしまうことが挙げられる。帯電スリーブの端部に担持された磁性粒子に電荷がたまらないようにする方法として下記のような技術がある。
【0008】
特許文献1には、帯電スリーブの長手方向の両端部を絶縁処理することによって、帯電スリーブ端部で感光ドラムを帯電させないようにする構成が開示されている。そして、帯電部材の端部において感光体に接する磁性粒子の電位と、感光体の電位との電位差を小さくする又はなくすことにより磁性粒子の感光体への付着を防止することを目的としている。
【0009】
特許文献2には、帯電スリーブの長手方向の両端部を絶縁処理し、帯電スリーブの絶縁処理された領域に対応する感光ドラムの長手方向の領域を非帯電体にし、非帯電体をアースに落とす構成の開示がある。そして、絶縁処理領域上に担持されている磁性粒子から電荷を逃がすことにより、感光ドラムへ付着することを低減することを目的とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平8−106201号公報
【特許文献2】特開2006−163296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、従来の帯電装置においては以下のような問題があった。
【0012】
特許文献1の帯電装置では、帯電スリーブの絶縁処理が施されている領域上に担持されている磁性粒子は、電圧を印加される帯電スリーブと電気的に絶縁されているため、帯電スリーブから磁性粒子へと直接電荷が流れ込むことはない。しかし、帯電スリーブの絶縁処理が施されている領域と絶縁処理が施されていない領域との境界部近傍に担持されている、帯電スリーブから直接電荷が流れ込む磁性粒子から、絶縁処理されている領域上に担持されている磁性粒子へと電荷が流れ込んでしまう。つまり、帯電スリーブから直接電荷を受け取る磁性粒子から、帯電スリーブから直接電荷を受け取らない磁性粒子へと電荷が流れ込んでしまう。このため、帯電スリーブの長手方向の両端部を絶縁処理したにも関わらず、帯電スリーブの絶縁処理部に担持されている磁性粒子が電荷を持ってしまう。また、従来の帯電装置では、帯電スリーブ上の磁性粒子の層厚を規制するための導電性の規制ブレードが、帯電スリーブに対向するように設けられている。帯電スリーブに所定の電圧が印加されると、その帯電スリーブに担持されている磁性粒子を介して規制ブレードへと電荷が流れ込む。そのため規制ブレードも帯電スリーブに印加された電圧に近い値の電位を持つようになる。そして、規制ブレードから、帯電スリーブの端部に担持された磁性粒子に電荷が移動してしまう。このため、帯電スリーブの両端部を絶縁処理したにも関わらず、帯電スリーブの端部に担持された磁性粒子は感光ドラムへ付着してしまいやすい状態となる場合がある。
【0013】
特許文献2で開示されている画像形成装置においては、感光ドラムの一部を非帯電体にし、非帯電体をアースに落とす構成の開示がある。磁性粒子に流れ込んだ電荷は、非帯電体と接触する磁性粒子(磁気ブラシの穂の先端の磁性粒子)から非帯電体へと移動し、そして帯電器外部へと逃がされる。よって、非帯電体と接触する磁性粒子には電荷がたまりやすいため鏡映力が発生しやすく、磁性粒子には非帯電体に引き付けられる力がはたらく。非帯電体は感光ドラムと共に回転しているので、非帯電体に引きつけられた磁性粒子は、感光ドラムの回転に伴って感光ドラムの回転方向の下流側へと搬送されてしまいやすい。その結果、鏡映力により磁性粒子が感光ドラムに付着してしまうことを低減させる効果が十分に発揮できない。また、特許文献2で開示されている画像形成装置では、感光ドラムに加工を施して、帯電スリーブの絶縁処理部を含む領域を非帯電体にしているが、円筒状の感光ドラムに、感光層を成膜した後に、上記した加工を施すのは容易ではなく、コストがかかる。また、感光ドラムに上記した加工を施した場合、感光ドラムの表面に、感光層を有する領域と非帯電体である領域の間に、段差ができてしまう。
【0014】
画像形成装置におけるクリーナは、樹脂により成型された板状の部材(以下、クリーナブレード)を有し、このクリーナブレードを感光ドラムに押し付けるように取り付けることにより、感光ドラム上のトナーやその他の異物を除去する。磁気ブラシ帯電装置を有する画像形成装置においては、帯電装置内に、トナーやその他の異物が混入すると、帯電装置内にある磁性粒子の抵抗が高くなり、帯電性が低下してしまう。そのため、磁気ブラシ帯電装置を有する画像形成装置では、帯電装置内にトナーやその他の異物が混入しないよう、クリーニングブレードは帯電スリーブが磁性粒子を担持している領域を含む幅で、感光ドラムに押し付けられる。
【0015】
感光ドラムに上記した加工を施した場合、クリーニングブレードは感光ドラム上にできてしまう感光層と非帯電体との段差のある位置を含む領域で感光ドラムに押し付けられる。クリーニングブレードが段差のある位置に押し付けられ続けると、その位置でのクリーニングブレードの劣化、損傷が発生する。クリーニングブレードの損傷部では、感光ドラムに付着しているトナーやその他の異物を除去することができないため、トナーやその他の異物はクリーニングブレードをすり抜け、帯電装置内に混入してしまい、帯電性を低下させてしまうという問題が発生する。
【0016】
本発明は上記従来技術を更に発展させたものである。本発明の目的は、磁性粒子担持体の長手方向端部における磁性粒子に電荷がたまらないようにすることである。そして、電荷がたまらないようにすることで、磁性粒子の被帯電体への付着を低減できるようにした帯電装置、及び画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するための手段は以下のようなものである。
【0018】
磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持体を有し、前記磁性粒子担持体は、前記磁性粒子担持体の長手方向の端部に前記磁性粒子担持体が担持する磁性粒子と電気的に絶縁する絶縁部を備え、前記磁性粒子を被帯電体に接触させて被帯電体の帯電を行う帯電装置において、前記絶縁部に担持される前記磁性粒子と接触するように配置される導電性部材を有し、前記導電性部材は前記被帯電体とは別に設けられ、前記導電性部材の電位の絶対値は、前記磁性粒子担持体に印加される電圧の絶対値よりも低いことを特徴とする帯電装置。
【0019】
また、別の手段として、磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持体と、前記磁性粒子担持体に担持されている磁性粒子の量を規制する磁性粒子規制部材と、を備え前記磁性粒子を被帯電体に接触させて前記被帯電体の帯電を行う帯電装置であって、前記磁性粒子担持体は、前記磁性粒子担持体の長手方向の端部に、前記磁性粒子担持体が担持する磁性粒子と電気的に絶縁する第一の絶縁部を備え、前記磁性粒子規制部材は、少なくとも前記第一の絶縁部と対向する部分に、前記磁性粒子と電気的に絶縁する第二の絶縁部を備えることを特徴とする帯電装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、被帯電体又は像担持体の長手方向端部において、磁性粒子担持体の長手方向端部に備えられた絶縁部上に担持された磁性粒子の被帯電体への付着を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施例1乃至7に係る、磁性粒子付着量の測定のための帯電装置の構成を表す縦断面図
【図2】実施例1乃至4に係る帯電装置の第一帯電スリーブと第二帯電スリーブと規制ブレードの関係を表す平面図
【図3】帯電装置の第一帯電スリーブと第二帯電スリーブの保持構造を表す中央省略横断面図
【図4】感光ドラムの画像形成領域及び帯電領域と、第一帯電スリーブの絶縁部及び磁性粒子担持領域の関係を表す図
【図5】実施例1、2、5、6、7に係る帯電装置の第一帯電スリーブと第二帯電スリーブと導電性部材の位置関係を表す縦断面図
【図6】実施例1、2、4、5、6、7に係る帯電装置の第一帯電スリーブと第二帯電スリーブと導電性部材の位置関係を表す平面図
【図7】1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の第一帯電スリーブと導電性部材157の位置関係を表す縦断面図
【図8】画像形成装置の一例の構成図
【図9】実施例3に係る帯電装置の導電性部材の取り付け位置を表す縦断面図
【図10】実施例3に係る帯電装置の導電性部材の取り付け位置を表す平面図
【図11】実施例4に係る帯電装置と感光ドラムの関係を表す縦断面図
【図12】実施例5に係る帯電装置の、第一帯電スリーブと第二帯電スリーブと規制ブレードの関係を表す平面図
【図13】実施例6に係る帯電装置の、第一帯電スリーブと第二帯電スリーブと規制ブレードの関係を表す平面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を図面に基づいて詳しく説明する。
【実施例1】
【0023】
(1)画像形成装置例
図8は本発明に係る帯電装置を搭載できる画像形成装置の一例の構成模型図である。その画像形成装置は電子写真方式の複写機である。
【0024】
以下の説明において、画像形成装置及びその構成部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。また、長手方向とは被帯電体である像担持体の軸線方向でもある。また、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。
【0025】
本実施例に示す画像形成装置は、該画像形成装置の筐体を構成する画像形成装置本体Aに被帯電体である像担持体(電子写真感光体)としてのドラム型の感光ドラム1を有する。感光ドラム1として、正帯電のアモルファスシリコン系(a−Si系)感光体を用いた。正帯電のa−Si系感光ドラム1として、外径84mmのアルミニウムからなる円筒状のドラムシリンダ(導電性支持体)の外周面に、負電荷阻止層と光導電層、と表面保護層をそれぞれその順に積層して構成した感光ドラムを用いている。
【0026】
本実施例の画像形成装置は、コピー開始信号(印字信号)を入力すると、感光ドラム1が矢印方向に回転し、その感光ドラム1の外周面(表面)を帯電装置2によって所定の電位、極性に一様に帯電する。
【0027】
一方、原稿台13上におかれた原稿Gに対し原稿照射用ランプ、短焦点レンズアレイ、CCDセンサーが一体のユニット14となって原稿Gを照射しながら矢印方向に走査する。そして原稿照射用ランプから原稿Gを照射した照明走査光の原稿面反射光がレンズアレイによって結像されてCCDセンサーに入射される。CCDセンサーは受光部、転送部、出力部等を有する。入射した反射光(光信号)はCCD受光部で電荷信号に変換され、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送された後、電荷信号は信号出力部において電圧信号に変換され、増幅、低インピーダンス化されてアナログ信号として外部に出力される。こうして得られたアナログ信号は所定の画像処理が施されることによってデジタル信号(画像信号)に変換されてプリンタ部(画像形成部)に転送される。プリンタ部は、信号出力部から画像信号を受けてON、OFF発光されるLED露光手段3により、感光ドラム1表面に原稿画像に対応した静電潜像を形成する。
【0028】
感光ドラム1表面に形成された静電潜像は、現像器(現像手段)4によってトナー(現像剤)を用いて現像される。これによって感光ドラム1表面にトナー像(現像像)を得る。こうして感光ドラム1表面に形成されたトナー像は、給送カセット5から給送ローラ6とピックアップローラ対7によって搬送される記録材としての転写材P上に転写装置(転写手段)8によって静電転写される。その転写材Pは感光ドラム1表面から静電分離されて定着器9へと搬送される。定着器9では、加熱源により加熱された定着ローラ9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップ部で転写材Pを挟持搬送することにより転写材Pに熱と圧力を加えることによって、転写材P上にトナー像を加熱、定着する。トナー像を加熱、定着された転写材Pは画像形成装置装置本体Aの外部の排出トレイ10に排出される。
【0029】
トナー像転写後の感光ドラム1表面にはクリーニング手段11に設けられたクリーニング部材11aが接触し、感光ドラム1表面の転写残りトナー等の付着汚染物がクリーニング部材11aによって除去される。そしてその感光ドラム1表面が前露光手段12から露光を受けて像露光の光メモリが除去される。これによって感光ドラム1表面は繰り返し画像形成に使用される。
【0030】
(2)帯電装置
本実施例に示す帯電装置2は、マグネットを内部に有する帯電スリーブの外周面(表面)に導電性の磁性粒子を磁気的に担持し、その磁性粒子を感光ドラム1表面に接触させることによって感光ドラム1表面の帯電を行う磁気ブラシ帯電装置である。
【0031】
図1は帯電装置2と感光ドラム1の関係を表す縦断面図である。図2は帯電装置2の第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132と規制ブレード137の関係を表す平面図である。図3は第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132の保持構造を表す横断面図(中央部省略)である。
【0032】
本実施例の帯電装置2は、帯電枠体としての帯電容器130と、磁界発生手段としての二本の固定マグネット133,134と、磁性粒子担持体としての導電性を有する円筒状の第一帯電スリーブ131及び第二帯電スリーブ132を有する。感光ドラム1は、矢印の方向に回転している。帯電スリーブ131,132のうち感光ドラム1の回転方向下流側に設けられたものを第一帯電スリーブ131としている。帯電スリーブ131,132は矢印の方向に回転し、感光ドラム1と対向する部分において感光ドラム1と逆方向に回転する。また、帯電装置2は、導電性の磁性粒子135と、磁性粒子規制部材としての磁気ブラシ層厚規制部材(規制ブレード)137を有する。これらの部材は何れも感光ドラム1の長手方向と同方向に延びる細長い部材である。
【0033】
第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132は、それぞれ長手方向の両端部にスリーブフランジ141,142を有している。第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132は、スリーブフランジ141,142を介して、軸受143,144により帯電容器130の側板130a,130bに回転自在に保持されている。
【0034】
マグネット133,134はスリーブ131,132の内部において芯金145,146の周囲に設けられている。芯金145,146の両端部は対応するシリンダ131,132のフランジ141,142に軸受147,148を介して回転自在に保持されている。そしてその芯金145,146の先端が側板130a,130bに設けられた保持部材130c,130dに固定されている。
【0035】
マグネット133,134は、互いに対向する位置において磁極に工夫がなされている。一般に磁性粒子135は同極同士が並ぶすなわち反発極付近でスリーブ131表面及びスリーブ132表面から離れようとする傾向がある。このことを利用して、マグネット133,134各々の対向位置の磁極を、上下に反発極を並べ,かつマグネット133側はS極、マグネット134側はN極というように逆極性の反発極を対向させている。
【0036】
帯電容器130に収納されている磁性粒子135は、マグネット133,134が発生する磁界(磁気力)により磁気的にスリーブ131,132表面に担持される。そしてその磁性粒子135は、スリーブ131,132の回転によりスリーブ131,132の間をすり抜けることなく一方のスリーブ131から他方のスリーブ132へと搬送されるとともに他方のスリーブ132から一方スリーブ131へと搬送される。つまりスリーブ131,132の回転に伴い磁性粒子135が一方のスリーブ131表面からスリーブ131,132間の受け渡し部135cを経由して他方のスリーブ132表面へと搬送される。そしてその磁性粒子135は他方のスリーブ132表面からスリーブ131,132間の受け渡し部135eを経由して一方のスリーブ131表面へと搬送される。
【0037】
磁性粒子135としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化が20〜80A・m/kg、抵抗が10〜1010Ω・cmのものが好ましい。帯電性能を良くするには、できるだけ抵抗の低いものを用いる方が良いが、感光ドラム1にピンホールのような絶縁の欠陥が存在することを考慮すると10Ω・cm以上のものを用いることが好ましい。本実施例では、フェライト表面を酸化、還元処理して抵抗調整を行い、更にカップリング処理を施し、平均粒径が25μm、飽和磁化が57A・m/kg、抵抗が5×10Ω・cmのものを磁性粒子135として用いた。上記抵抗値は、底面積が2.28cmの金属セルに帯電用磁性粒子を2g入れた後0.65Pa(6.6kg/cm)で荷重し、100Vの電圧を印加して測定した値である。
【0038】
規制ブレード137は、第一帯電スリーブ131の表面と間隙(スリーブ―ブレードギャップ、以下S−Bギャップ)を介して対向している。この規制ブレード137は両端部が帯電容器130の側板130a,130bに図示しない支持部材を介して保持されている。その規制ブレード137は、帯電容器130内でスリーブ131表面に担持され該スリーブ131の回転により搬送される磁性粒子135をS−Bギャップに応じた一定の厚みに規制する。つまり規制ブレード137は、帯電容器130のスリーブ131側の開口部からスリーブ131によって感光ドラム1表面に持ち出される磁性粒子135の量を規制するとともに該スリーブ131表面に適正量の磁性粒子135のコート層を形成する。本実施例では、規制ブレード137は、導電性のSUSで構成されており、電気的にフロート状態にしている。
【0039】
スリーブ131,132は、それぞれ感光ドラム1表面と間隙(スリーブ―ドラムギャップ、以下S−Dギャップ)を介して対向している。本実施例ではそのS−Dギャップを350μmに設定している。このS−Dギャップにおいて帯電スリーブ131,132表面と感光ドラム1表面との対向位置、あるいはその対向位置の近傍で磁性粒子135が穂立ちするようにマグネット133,134の磁極を配している。これによって磁性粒子135の感光ドラム1表面に対する接触が安定する。
【0040】
(3)帯電スリーブの端部構成
図2に示すように、帯電スリーブ131(132)は、絶縁部131a(132a)と導電部131b(132b)とを備える。帯電スリーブ131,132のそれぞれの両端部に樹脂コート部を施しており、当該樹脂コート領域が、絶縁部131a,132aを形成している。樹脂コート領域以外の部分が導電部131b、132bである。樹脂コート層の厚さは約50μmである。絶縁部131aは、第一帯電スリーブ131の両端部において、第一帯電スリーブ131と該スリーブ131が担持する磁性粒子135とを電気的に絶縁する。絶縁部132aは、第二帯電スリーブ132の両端部において、第二帯電スリーブ132と該スリーブ132が担持する磁性粒子135とを電気的に絶縁する。
【0041】
図4は、感光ドラム1の画像形成領域及び帯電領域と、第一帯電スリーブ131の絶縁領域及び磁性粒子担持領域の関係を表す図である。なお、第二帯電スリーブ132の絶縁領域及び磁性粒子担持領域の関係は、第一帯電スリーブ131の絶縁領域及び磁性粒子担持領域の関係と同様のため、説明を省略する。
【0042】
ここで、画像形成領域とは、感光ドラム1の長手方向においてトナー像を形成する領域(画像形成領域)つまり潜像の形成領域である。帯電領域とは、磁気ブラシ帯電器により感光ドラム1の帯電が行なわれる領域であり、長手方向両端部に設けられた絶縁部131a以外の領域(導電部131b)である。画像形成領域は帯電領域より内側に形成される。磁性粒子担持領域とは、スリーブ131の長手方向において磁性粒子135をマグネット133の磁気力によってスリーブ131表面に担持する領域である。磁性粒子担持領域は帯電領域を含む長さに形成してあり、その磁性粒子担持領域の長さはマグネット133の長さと略等しい。そして、絶縁部131aは帯電領域の端部から磁性粒子担持領域を越えて帯電スリーブ131の長手端面に至っている。つまり絶縁部131aは磁性粒子担持領域の内側の領域から外側の領域にわたって形成してある。
【0043】
絶縁部131a,132aに担持されている磁性粒子135は帯電スリーブ131,132と絶縁されているため、帯電スリーブ131,132から該磁性粒子135への電荷の流れ込みを抑えることができる。つまり絶縁部131a,132aに在る磁性粒子135は帯電領域と対応する領域にある磁性粒子135とは異なり、スリーブ131,132から直接電荷を受け取ることがない。従って、絶縁部131a,132aに在る磁性粒子135が該絶縁部131a,132aと対応する感光ドラム1の両端部に付着することを低減できる。その理由については、『(6)磁性粒子の感光ドラム両端部への付着量の測定』の欄で後述する。
【0044】
(4)帯電処理動作
帯電装置2において、フランジ141,142に設けられたシリンダギアG1,G2(図2)が駆動手段としての本体モータM1,M2により回転駆動される。これによってフランジ141,142は帯電スリーブ131,132とともに回転される。その帯電スリーブ131,132は帯電スリーブ131,132表面の磁性粒子担持領域で磁性粒子135を担持しながら回転する。そして規制ブレード137によって規制された帯電スリーブ131,132の磁性粒子担持領域に在る磁性粒子135は、マグネット133が発生する磁界によってブラシ状に形成されて、帯電スリーブ131の回転に伴い感光ドラム1表面の対向部に搬送される。帯電スリーブ131,132には帯電バイアス電源V1,V2(図1)から帯電バイアスが印加される。すると、帯電スリーブ131,132表面の磁性粒子担持領域に担持されている磁性粒子135(図4)のうち、帯電領域と対応する領域に在る磁性粒子135に帯電スリーブ131,132から電荷が流れ込む。その流れ込む電荷によって帯電領域と対応する領域にある磁性粒子135は帯電される。
【0045】
本実施例の帯電装置2は、二本のスリーブ131,132を用いて一回の画像形成工程で感光ドラム1表面に二回帯電を行うようにしている。以下に、そのメリットを説明する。
【0046】
a−Si系感光体は、その製造方法として、ガスを高周波やマイクロ波でプラズマ化して固体化しアルミシリンダ上に堆積させて成膜するため、プラズマが均一でないと周方向に膜厚ムラや組成ムラができてしまうという問題がある。
【0047】
また、a−Si感光体を用いた場合、有機感光体に比べて帯電後の電位減衰が暗状態でも非常に大きく、更に像露光の光メモリーによる電位減衰が増大するために感光体全周の光メモリーを消すための帯電前の前露光手段が必要となる。このため、帯電−現像間での電位減衰は非常に大きくなり、100〜200V程度の電位減衰が生じる。このとき前述の膜厚ムラにより、周方向について10〜20V程度の電位ムラが発生する。
【0048】
このような電位ムラが生じると、静電容量の大きなa−Si系感光体は有機感光体に比べてコントラストも小さいため影響をより受けてしまい、濃度ムラも顕著になってしまう。
【0049】
このような問題点に対して、例えば感光体に対して複数回帯電を行うという方法が有効である。前述の光メモリーによる暗減衰の増大は複数帯電を行うことにより、第一の帯電で光メモリーを大幅に軽減できるため、第二の帯電を行った後には暗減衰を少なくすることが可能となる。これに伴い、電位ゴーストや電位ムラが大幅に良化される。
【0050】
(5)端部の導電板構成
図5は本実施例の帯電装置2の構成を示す縦断面図である。図6は帯電装置2の第一帯電スリーブ131と導電性部材157の位置関係を表す平面図である。なお、第二帯電スリーブ132と導電性部材157も同様の位置関係となる。
【0051】
導電性部材157は、スリーブ131及び132の磁性粒子担持領域の境界部に対応した位置に、スリーブ131、132の外周面(磁性粒子担持面)とは接触しないように距離をあけて、帯電容器130の内壁に取り付けられる。当該導電性部材157は感光ドラム1上に設けられるものではなく、感光ドラム1とは別に設けられている。また、導電性部材157を帯電装置2の外部にある接地されている不図示の接点と接触させている。これにより、導電性部材157に電荷が移動しても、導電性部材157が電荷を保持することはない。また、導電性部材157近傍にある磁性粒子135が電荷を持ってしまっても、電荷は導電性部材157を介して、帯電装置2外部へと除去される。また、導電性部材157は磁性を帯びた鉄製であり、導電性部材157近傍にある磁性粒子135を磁気的に拘束する。
【0052】
(6)磁性粒子の感光ドラム両端部への付着量の測定
本実施例の帯電装置2において、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。本実施例の帯電装置2と比較するための帯電装置として、導電性部材157を接地させず、また導電性部材157と帯電装置を構成する他の導電する部材とが接触しない帯電装置(以下、従来の帯電装置と記す)を用いた。従来の帯電装置は、導電性部材157を接地していない点を除いて、本実施例の帯電装置2と同じ構成としてある。感光ドラム1の直径はφ84mm、回転速度は276mm/secである。
【0053】
本実施例の帯電装置2及び従来の帯電装置において、第一帯電スリーブ131の直径はφ16mm、第二帯電スリーブ132の直径はφ22mmである。回転速度はどちらのスリーブ131,132も86mm/secとした。帯電スリーブ131,132表面はアランダム#60でブラスト処理されている。
【0054】
帯電容器130には磁性粒子135を100g投入した。帯電時において、スリーブ131には帯電バイアス電源V1から直流電圧600V、交流電圧300Vpp、周波数1kHzの帯電バイアスを印加する。スリーブ132には帯電バイアス電源V2から直流電圧750V、交流電圧300Vpp、周波数1kHzの帯電バイアスを印加する。
【0055】
前述したように、磁性粒子135の付着は主に帯電スリーブ131,132の両端部で発生し、帯電スリーブ131,132の両端部以外の中央部ではほとんど発生しない。そのため、帯電スリーブ131,132の両端部と対応する感光ドラム1両端部の磁性粒子135の付着量を測定することで帯電スリーブ131,132にとって許容範囲の磁性粒子135の付着であるかどうかを判断することができる。
【0056】
感光ドラム1両端部への磁性粒子135の付着を測定する手段を図1に示す。帯電装置2の感光ドラム1の回転方向下流側の位置において、感光ドラム1両端部に僅少なギャップを介してプラスチックマグネット151を対向させて配置する。そしてそのマグネット151によりスリーブ131から感光ドラム1両端部へ付着した磁性粒子135を磁気的に捕集する。そしてそのマグネット151により捕集した磁性粒子135を吸引機で回収し、質量を電子天秤で測定した。
【0057】
以上のような測定方法で2分間の空回転試験を行い、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量を測定した。なお、空回転試験では、帯電装置2には帯電時と同じ電圧を印加し、現像器や転写装置には電圧を印加していない。
【0058】
導電性部材157を備えていない従来の帯電装置(比較例)を用いた場合、上記した条件での試験後に、23mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。これに対して、本実施例の帯電装置2を用いると、3mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果から、本実施例の帯電装置2を用いると、大幅に磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。
【0059】
この結果を考察する。従来の帯電装置においては、スリーブ131に所定の電圧が印加されると、そのスリーブ131から帯電領域と対応する該スリーブ131の領域に担持されている磁性粒子135を介して規制ブレード137へと電荷が流れ込む。そのため規制ブレード137もスリーブ131に印加された電圧に近い値の電位を持つようになる。更に、スリーブ131に印加された電圧に近い値の電位を持った規制ブレード137の長手方向の両端部から、スリーブ131の絶縁部131aに担持されている磁性粒子135へと電荷が流れ込む。また、スリーブ131及び132の帯電領域の境界部近傍に担持されている磁性粒子135から、帯電領域外に担持されている磁性粒子135へと電荷が流れ込む。よって、帯電領域外に担持されている磁性粒子は、スリーブ131及び132から直接的に電荷を受け取ることはないが、規制ブレード137や、スリーブ131、132の帯電領域の境界部近傍に担持されている磁性粒子135を介して、間接的に電荷を受け取る。帯電領域外に担持されている磁性粒子135に電荷が保持されると、磁性粒子135に鏡映力がかかり、感光ドラム1へと移動し付着してしまう。
【0060】
これに対して、本実施例の帯電装置2においては、導電性部材157が帯電容器130の外部にある接地する接点と導通している。導電性部材157近傍に在る磁性粒子135が保持した電荷は導電性部材157へと移動し、帯電容器130の外部へと逃がされる。そのため、磁性粒子135に鏡映力がかかることを低減し、感光ドラム1へと移動し付着することを低減できる。磁性粒子135から導電性部材157へと電荷が移動していくため、導電性部材157の近傍にある磁性粒子135に電荷が集まりやすく、当該磁性粒子135と導電性部材157との間に鏡映力が発生しやすい。本実施例では、導電性部材157が磁性粒子と接触する面は、常に磁性粒子と接触している状態となっている。そのため、磁性粒子135が鏡映力により導電性部材に付着したとしても、それが原因となって感光ドラム1に付着してしまうことがない。つまり、先行文献2に記載した発明のように、被帯電体面の移動にともなって磁性粒子が被帯電体面(即ち、感光ドラム上)に付着してしまうということが起こりにくい。
【0061】
また、本実施例の帯電装置2においては、感光ドラム1両端部への磁性粒子135の付着量が大幅に低減されることにより、磁性粒子が現像器に混入して画像品位が悪化することを抑制できる。また転写部における画像の転写不良、クリーナによる感光ドラム表面へのダメージを軽減できる。これにより、画像形成装置の性能を長期に渡って安定に保つことが可能になる。
【0062】
また、本実施例の帯電装置2においては、導電性部材157として、磁性を持つ鉄を用いている。そのため、導電性部材157近傍に在る磁性粒子を磁気力で引き付け、磁性粒子に溜まった電荷を帯電装置2の外部へと逃がすことができる。よって、磁性粒子135に鏡映力がかかることを導電性部材が磁性体でない場合より一層低減し、磁性粒子135が感光ドラム1へと移動し付着することを低減できる。
【0063】
更に、導電性部材157は、磁性粒子135を担持する力の不安定な帯電スリーブ131、132の長手方向の両端部において、導電性部材157は磁性粒子135を磁気的に拘束する。そのため、磁性粒子135が、磁性粒子135を担持する磁力を持たない帯電スリーブ131、132の長手方向外側の領域へと移動することを低減し、帯電装置2の外部へ磁性粒子135が漏れることを低減できる。
【0064】
本実施例における帯電装置2では、導電性部材157を絶縁領域の内側に入るように設けたがこれに限られるものではない。導電性部材157が絶縁領域から帯電領域まで含むような形状の部材を用いても、絶縁部上に担持された磁性粒子135から帯電装置2の外部へと電荷を逃がすことができるため、磁性粒子135が感光ドラム1へと移動し付着してしまうことを低減できる。
【0065】
しかし、帯電領域上に担持されている磁性粒子が持つ電荷を、帯電器外部へと逃がしてしまうため、帯電領域に対応する感光ドラム1を所定の帯電電位に帯電できなくなる恐れがある。従って、導電性部材157は、絶縁領域内(絶縁部内)に入るように設けることが好ましい。
【0066】
本実施例の帯電装置2において、導電性部材157は磁性粒子135が担持されている領域と担持されていない領域との境界部にまたがるように設けられている。そのため、スリーブ131、132の最も磁気力が不安定になる位置に担持される磁性粒子135を磁気的に拘束することが可能である。スリーブ131、132の端部での不安定な磁気拘束力を補い、磁性粒子135が磁性粒子担持領域から磁性粒子担持領域の外側に逃れ、帯電装置2の外部へ漏れ出すことを低減することができる。
【0067】
また、本実施例では、導電性部材157は、帯電スリーブ131、132の外周面(磁性粒子担持面)とは接触しないように一定距離をあけて、帯電容器130の内壁に取り付けられている。導電性部材157と、スリーブ131、132との距離は僅少になるほど、磁性粒子135の感光ドラム1への付着することを低減できる。
【0068】
また、本実施例では、帯電装置2において、導電性部材157を帯電容器130内部に取り付け、導電性部材157を接地する非常に簡易な構成で磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができた。したがって、感光ドラム1に大きな加工を施す等の、大幅にコストをかけずに磁性粒子135の感光ドラム1への付着することを低減できる。
【0069】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例2】
【0070】
本実施例では、実施例1の帯電装置2において導電性部材157の材質を変更した帯電装置について説明する。本実施例の帯電装置2は、導電性部材157の材質として、非磁性のSUSを用いた。
【0071】
本実施例に示す帯電装置は、導電性部材157の材質が非磁性のSUSである点を除いて、実施例1の帯電装置2と同じ構成としてある。実施例1の帯電装置2と同じ部材、部分には同一符号を付して再度の説明を省略する。実施例3,4,5についても同様とする。
【0072】
本実施例の帯電装置2においても、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、実施例1と同じ測定方法を用いて感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。
【0073】
本実施例の帯電装置2を用いると、5mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果から、本実施例の帯電装置2を用いると、導電性部材157を接地しない帯電装置(比較例)の磁性粒子135の捕集量23mgと比較して、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。
【0074】
本実施例の帯電装置2では、導電性部材157の材質に非磁性のSUSを用いている。担持状態が不安定な箇所にある磁性粒子135に磁気力で拘束しない場合でも、絶縁領域に担持される磁性粒子135が保持する電荷を帯電装置2の外部へと逃がすことにより、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。
【0075】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例3】
【0076】
図9は本実施例で用いた帯電装置2と感光ドラム1の関係を表す縦断面図である。図10は本実施例で用いた帯電装置2の第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132と導電性部材159の位置関係を表す平面図である。図10は、図9において、感光ドラム1をなくした状態で下から見た図となっている。
【0077】
本実施例では、実施例1の帯電装置2において、帯電容器130の内壁に取り付けられている導電性部材157を取り除いている。その代わりに、スリーブ131における、S−Bギャップよりスリーブ131の回転方向下流側から、スリーブ131と感光ドラム1とが対向するS−Dギャップまでの間の位置に導電性部材159を備えている。導電性部材159は、帯電スリーブ131の絶縁処理が施されている長手方向の両端部にある磁性粒子と接触するように備えられている。それ以外の点は、実施例1の帯電装置2と同じ構成としてある。導電性部材159は、厚さ0.5mmの板状の非磁性SUSであり、また、導電性部材159のスリーブ131との対向面は、全ての領域に渡って帯電スリーブ131の絶縁部131aの内側に入るように取り付けられる。導電性部材159は、帯電装置2の外部にある接地されている不図示の接点と接触されている。
【0078】
本実施例の帯電装置2においても、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、実施例1と同じ測定方法を用いて感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。
【0079】
本実施例の帯電装置2を用いると、4mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果から、本実施例3の帯電装置2を用いると、導電性部材157を接地しない帯電装置(比較例)の磁性粒子135の捕集量23mgと比較して、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。本実施例のように、帯電スリーブ131に担持されている磁性粒子が、帯電スリーブ131の回転に伴い、規制ブレード137を通過してきた後から、磁性粒子の電荷を逃がす構成にしても、実施例1に示した構成と同様な効果が得られる。
【0080】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例4】
【0081】
図11は本実施例で用いた帯電装置2と感光ドラム1の関係を表す縦断面図である。本実施例では実施例1の帯電装置において、導電性部材157を接地されている接点と導通させず、電圧を印加する電源V0と接続させている点を除いて、実施例1の帯電装置2と同じ構成としてある。
【0082】
本実施例では、まず電源V0に印加する電圧値の設定を0Vとし、実施例1と同じ測定方法を用いて感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。
【0083】
本実施例の帯電装置2を用いると、3mgの磁性粒子135がマグネット151によって回収された。この結果を受けて、本実施例の帯電装置2を用いると、大幅に磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。また、実施例1で用いた帯電装置2と、同様な効果があることが分かる。
【0084】
また、本実施例では、電源V0に印加する電圧の設定値を0Vから800Vまで50Vずつ増加させたときに実施例1と同様の測定を行った。結果として、電源V0に印加する電圧の設定値が100Vまでは、電源V0に印加する電圧値の設定を0Vとした場合と同様な効果が得られることを確認することができた。電源V0に印加する電圧の設定値を100Vよりも高くした場合は、従来のように導電性部材157をフロートにした帯電装置を用いた場合より付着量が多くなることはなかったが、100V以下に設定した場合ほどの効果を確認することができなかった。また、電源V0に印加する電圧の設定値を帯電電圧の600Vよりも高くした場合は、従来のように導電性部材157をフロートにした帯電装置を用いた場合より付着量を低減させる効果はなく、むしろ付着量が増大してしまった。つまり、導電性部材157に印加する電圧を、帯電スリーブに印加されている電圧よりも絶対値で小さい値にすることで、磁性粒子の付着量を低減することができる。そして、特に導電性部材157に印加する電圧を絶対値で100V以下にすると効果が高いことが解かった。
【0085】
なお、電源V0に印加する電圧の設定値を0Vから負の電圧を印加していった場合も、同様に磁性粒子にたまった電荷を導電性部材157へ逃がすことができるため、磁性粒子の付着量を低減する効果がある。ただし、電源V0に印加する電圧の絶対値が帯電電圧の600Vよりも高くした場合は、付着量を低減させる効果はなくなった。これは、磁性粒子135にたまった電荷が導電性部材157に逃げるのではなく、導電性部材157から磁性粒子に電荷が供給される形になってしまうためと思われる。
【0086】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例5】
【0087】
図12は、本実施例における帯電装置2の第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132と規制ブレード137の関係を表す平面図である。本実施例では、規制ブレード137を長手方向全面に渡って絶縁処理を行なっている。それ以外の点では、実施例1で説明した従来の帯電装置と同様である。即ち、導電性部材157を図5,6のように帯電スリーブ131,132の端部に配置しているが、導電性部材157は接地していない構成となっている。
【0088】
本実施例では、帯電スリーブ131、132の端部の磁性粒子の電荷を逃がすのではなく、端部の磁性粒子に電荷がいかないようにすることで、感光ドラム端部への磁性粒子の付着を防止する。
【0089】
図12に示すように、スリーブ131,132のそれぞれの両端部に樹脂コート部(第一の絶縁部)を施している。当該樹脂コート領域が、絶縁領域131a,132aを形成している。樹脂コート層の厚さは約50μmである。絶縁部131aは、スリーブ131の両端部において、スリーブ131と該スリーブ131が担持する磁気粒子135とを電気的に絶縁する。絶縁部132aは、スリーブ132の両端部において、スリーブ132と該スリーブ132が担持する磁性粒子135とを電気的に絶縁する。
【0090】
また、規制ブレード137の長手方向全域にPI(ポリイミド)を塗付することによってPI部(第二の絶縁部)を形成している。なお、PI塗布領域が絶縁部137aを形成している。本実施例では、規制ブレード137としてPIを塗布したSUSブレードを用いている。PI層の厚さは約10μmである。絶縁部137aは、スリーブ131が担持する磁性粒子135と規制ブレード137とを規制ブレード137の長手方向全域で電気的に絶縁する。なお、当該規制ブレードの絶縁部(PI層)は、少なくとも帯電スリーブの絶縁部(樹脂コート層)と対応する部分に設けられている必要がある。対応する部分とは、帯電スリーブ131と規制ブレード137との長手方向で重なりあう部分を指す。これは、帯電スリーブの絶縁部に担持された磁性粒子に、規制ブレードから電荷が注入されないようにするためである。
【0091】
規制ブレード137は長手方向全域が絶縁されているため、該規制ブレード137への電荷の流れ込みを抑えることができる。そのため規制ブレード137がスリーブ131と同じ電位に帯電されることはない。よって、規制ブレード137から帯電スリーブ131の端部の磁性粒子に電荷が流れ込むことがない。これにより、帯電スリーブ131の絶縁部131aに在る磁性粒子135が感光ドラム1の端部に付着することを低減できる。
【0092】
本実施例の帯電装置2において、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を実施例1と同様に測定した。
【0093】
本実施例の帯電装置2を用いると、15mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。規制ブレード137に絶縁処理を施していない従来の帯電装置を用いた場合、23mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果から、本実施例の帯電装置2を用いると、大幅に磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。
【0094】
また、本実施例の帯電装置2においては、感光ドラム1端部への磁性粒子135の付着量が大幅に低減されることにより、磁性粒子が現像器に混入して画像品位が悪化することを抑制できる。また転写部における画像の転写不良、クリーナによる感光ドラム表面へのダメージを軽減できる。これにより、画像形成装置の性能を長期に渡って安定に保つことが可能になる。
【0095】
本実施例においては、規制ブレード137の長手方向全域を電気的に絶縁化するため、規制ブレード137の表面をPI層でコートしたが、規制ブレード137の表面に静電紛体塗装を施しても同様な効果が得られる。また、規制ブレード137を電気的絶縁性を持つ材料によって形成した場合も同様の効果が得られる。その場合には、規制ブレード137はスリーブ131,132による感光ドラム1の帯電時に磁性粒子135との摺擦が定常的に起こるので、規制ブレード137の材料として硬度の高いセラミックなどを用いると好適である。
【0096】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例6】
【0097】
本実施例では、実施例5の帯電装置2において規制ブレード137の絶縁部を変更した帯電装置について説明する。
【0098】
本実施例に示す帯電装置は、規制ブレード137の長手方向端部にのみ絶縁部(第二の絶縁部)を設けた点を除いて、実施例5の帯電装置2と同じ構成としてある。
【0099】
図13は帯電装置2の第一帯電スリーブ131と第二帯電スリーブ132と規制ブレード137の関係を表す平面図である。
【0100】
本実施例の帯電装置2は、規制ブレード137として、長手方向両端部の表面にPI(ポリイミド)を塗布したSUSブレードを用いた。PI層が塗布されている絶縁部137bは、スリーブ131が磁性粒子135を担持する磁性粒子担持領域の内側から該スリーブ131の長手方向端部までとした。
【0101】
本実施例の帯電装置2においても、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、実施例1と同じ測定方法を用いて感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。
【0102】
本実施例の帯電装置2を用いると、17.5mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果を受けて、本実施例の帯電装置2を用いると、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。
【0103】
本実施例の帯電装置2においては、スリーブ131においてスリーブ131表面の磁性粒子担持領域に担持されている磁性粒子135のうち、帯電領域と対応する領域に在る磁性粒子135を介して規制ブレード137へと電荷が流れ込む。その電荷によって規制ブレード137が電位を持つ。ところが規制ブレード137は両端部に絶縁部137bを有するため、規制ブレード137の端部から磁性粒子135へと電荷が流れ込むことがない。そのため、磁性粒子135が感光ドラム1両端部へと移動し付着することを低減できる。
【0104】
また、本実施例では、規制ブレード137の長手方向両端部のみを絶縁処理しており、感光ドラム1の画像形成領域に対応する部分は絶縁処理をおこなっていない。そのため、感光ドラム1の画像形成領域においてスリーブ131,132に担持されている磁性粒子135を規制する面の精度を高く保つことができる。つまり、スリーブ131,132に対する磁性粒子135の担持量を精度よく規制することができる。
【0105】
なお、本実施例においては、2本の帯電スリーブを備えた帯電装置を用いているが、図7に示すような1本の帯電スリーブを備えた帯電装置の場合においても、本実施例と同様に、磁性粒子の感光ドラム1への付着を抑制することができる。
【実施例7】
【0106】
本実施例は、実施例5で説明した帯電装置2の導電性部材157を接地する構成とした帯電装置を用いている。つまり、本実施例は、実施例1における導電性部材157と、実施例5の規制ブレード137を併用した帯電装置2である。
【0107】
絶縁した規制ブレード137を用いることで、規制ブレードを介して帯電スリーブ端部の磁性粒子に電荷が移動してしまうことを避けることができる。さらに、導電性部材157を接地しているので帯電スリーブ端部の磁性粒子に電荷が移動したとしても、導電性部材を介して装置外部へ電荷を逃がすことができる。これらの効果により、感光ドラム端部への磁性粒子の付着を防止する。
【0108】
本実施例の帯電装置2においても、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着を低減できることを確認するため、実施例1と同じ測定方法を用いて感光ドラム1両端部に付着する磁性粒子135の付着量を測定した。
【0109】
本実施例の帯電装置2を用いると、1.0mgの磁性粒子135がマグネット151によって捕集された。この結果から、本実施例の帯電装置2を用いると、磁性粒子135の感光ドラム1両端部への付着量が低減されることが分かる。本実施例のように、実施例1における導電性部材157と、実施例5の規制ブレード137を併用することにより、磁性粒子の付着を効果的に抑えることができる。
【0110】
なお、実施例6の規制ブレード137のように、規制ブレード137の長手方向端部のみに絶縁処理を施したようなものを用いたとしても効果がある。
【符号の説明】
【0111】
1 感光ドラム(被帯電体)
2 磁気ブラシ方式帯電装置
131,132 帯電スリーブ(磁性粒子担持体)
131a,132a 樹脂コート部(絶縁部)
137 規制ブレード(磁性粒子規制部材)
157,159 導電性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持体を有し、
前記磁性粒子担持体は、前記磁性粒子担持体の長手方向の端部に前記磁性粒子担持体が担持する磁性粒子と電気的に絶縁する絶縁部を備え、
前記磁性粒子を被帯電体に接触させて被帯電体の帯電を行う帯電装置において、
前記絶縁部に担持される前記磁性粒子と接触するように配置される導電性部材を有し、
前記導電性部材は前記被帯電体とは別に設けられ、
前記導電性部材の電位の絶対値は、前記磁性粒子担持体に印加される電圧の絶対値よりも低いことを特徴とする帯電装置。
【請求項2】
前記導電性部材の電位の絶対値は、
100V以下であることを特徴とする請求項1に記載の帯電装置。
【請求項3】
前記導電性部材が接地されていることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電装置。
【請求項4】
前記導電性部材は、磁性体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項5】
前記導電性部材は、前記磁性粒子担持体の長手方向において前記絶縁部の内側でのみ、前記磁性粒子と接触することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項6】
前記導電性部材は、前記磁性粒子が前記磁性粒子担持体に担持されている領域と、担持されていない領域との境界部に備えられることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の帯電装置。
【請求項7】
磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持体と、
前記磁性粒子担持体に担持されている磁性粒子の量を規制する磁性粒子規制部材と、を備え前記磁性粒子を被帯電体に接触させて前記被帯電体の帯電を行う帯電装置であって、
前記磁性粒子担持体は、前記磁性粒子担持体の長手方向の端部に、前記磁性粒子担持体が担持する磁性粒子と電気的に絶縁する第一の絶縁部を備え、
前記磁性粒子規制部材は、少なくとも前記第一の絶縁部と対向する部分に、前記磁性粒子と電気的に絶縁する第二の絶縁部を備えることを特徴とする帯電装置。
【請求項8】
前記磁性粒子担持体は前記磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持領域を有し、前記第二の絶縁部は前記磁性粒子担持領域の内側の領域から外側の領域にわたって設けられることを特徴とする請求項7に記載の帯電装置。
【請求項9】
前記第二の絶縁部は前記磁性粒子規制部材の長手方向全域に設けられることを特徴とする請求項7に記載の帯電装置。
【請求項10】
前記磁性粒子規制部材を絶縁性の材料により形成し、前記第二の絶縁部とすることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項11】
前記第一の絶縁部に担持される前記磁性粒子と接触するように配置される導電性部材を有し、
前記導電性部材は前記被帯電体とは別に設けられ、
前記導電性部材の電位の絶対値は、前記磁性粒子担持体に印加される電圧の絶対値よりも低いことを特徴とする請求項7乃至10のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項12】
前記導電性部材の電位の絶対値は、
100V以下であることを特徴とする請求項11に記載の帯電装置。
【請求項13】
前記導電性部材が接地されていることを特徴とする請求項11または12に記載の帯電装置。
【請求項14】
前記導電性部材は、磁性体であることを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項15】
前記導電性部材は、前記磁性粒子担持体の長手方向において前記絶縁部の内側でのみ、前記磁性粒子と接触することを特徴とする請求項11乃至14のいずれかに記載の帯電装置。
【請求項16】
前記導電性部材は、前記磁性粒子が前記磁性粒子担持体に担持されている領域と、担持されていない領域との境界部に備えられることを特徴とする請求項1乃至15いずれかに記載の帯電装置。
【請求項17】
像担持体と、
磁性粒子と、前記磁性粒子を磁気的に担持する磁性粒子担持体と、前記磁性粒子担持体に電圧を印加して、前記磁性粒子を被帯電体に接触させることにより、被帯電体の帯電を行う帯電装置と、を有する画像形成装置において、
前記帯電装置は、請求項1乃至16のいずれかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項18】
前記像担持体は電子写真感光体であり、前記電子写真感光体はアモルファスシリコン系の感光体であることを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−77039(P2013−77039A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−18508(P2013−18508)
【出願日】平成25年2月1日(2013.2.1)
【分割の表示】特願2007−203240(P2007−203240)の分割
【原出願日】平成19年8月3日(2007.8.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】