説明

帯電防止性または導電性ポリウレタンおよびその製造方法

本発明は、導電性カーボンナノチューブを含有する帯電防止性または導電性の熱硬化性ポリウレタン、その製造方法、並びに例えば塗料、ロール、ローラーおよびホイールを製造するためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性カーボンナノチューブを含有する帯電防止性または導電性の熱硬化性ポリウレタン(特に、注型用エラストマーおよび注型用樹脂)、その製造方法、並びに例えば塗料、ロール、ローラーおよびホイールを製造するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンは長い間知られており、その多様性は注目に値する。ポリウレタンの概説、その特性および使用は、例えば、Kunststoffhandbuch, 第7巻、Polyurethane, 第3改訂版、第193巻、Prof. Dr. G.W. BeckerおよびProf. Dr. D. Braun編(Carl-Hanser-Verlag, Munich, Vienna)に記載されている。
【0003】
軟質フォームおよび硬質フォームに加えて、未発泡の非気泡質ポリウレタン、例えば注型用エラストマーおよび注型用樹脂もまた興味深い。特に、非気泡質ポリウレタンまたは500kg/m超の嵩密度を有するポリウレタンは、優れた材料特性だけでなく帯電防止性または導電性も重要とされる分野で使用される。ここでは、床仕上材、タイヤ、塗装可能なローラー、ロール、および電気部品のための埋封材料を挙げることができる。帯電は、特に一部の感受性の高い工業装置において、是非とも回避されなければならない。他のほとんどのポリマーのように、ポリウレタンはそれ自体導電性ではない。通常の表面抵抗は、約1013Ωである。
【0004】
この高い抵抗を低下するため、多数の添加剤が使用されてきた。非常に早くから、表面抵抗を低下するためにアンモニウム塩(例えば、Rhodia GmbH製Catafor(登録商標))のような塩が使用されていた。残念ながら、それらの添加剤は、ポリエステルポリオールに基づくポリウレタンの加水分解を促進するといった欠点を有する。更に、表面への移行、およびそれに関連した「チョーキング」は重大な欠点である。加えて、得られる効果は比較的小さく、表面抵抗は10の2〜3乗しか低下しない。
【0005】
それらの塩の使用の他に、導電性カーボンブラック(例えば、600〜1200m/gのBET表面積を有する導電性カーボンブラック;例えば、Akzo Nobel Polymer Chemicals bv社製Ketjenblack(登録商標))の使用または炭素繊維の使用も知られている。導電性カーボンブラックの使用は、例えば、EP−A 0 129 193およびDE−A 3 528 597に記載されている。導電性カーボンブラックは、発泡ポリウレタンおよび未発泡ポリウレタンに良好な表面抵抗を与える(10Ωに低下する)。しかしながら、必要とされる導電性カーボンブラックの量は常に、反応成分の極めて高い粘度をもたらすので、そのような系はもはや通常のポリウレタン用装置を用いて加工することができない。従って、そのような系は、産業においてほとんど使用されない。有意に低い粘度は、DE−A 19 858 825に記載されているように、炭素繊維の使用によって達成することができる。比較的高い濃度の炭素繊維を使用して、かろうじて許容できる加工粘度で10Ω未満の表面抵抗が達成される。しかしながら使用の際、機械的応力を受ける部品の場合、繊維は破損し、再び非導電性ポリウレタンになるまで導電性が極めて迅速に低下することが知られている。この繊維の破損は加工中も生じるので、そのようなPUR系は産業では使用されない。
【0006】
更に、グラファイト(例えば、Graphit Kopfmuehl AG製Cond 8/96)の使用が、電気抵抗を低下すると考えられる。しかしながら、有用な導電性を得るためには、著しい粘度上昇を意味し、従って工業的加工を不可能にする濃度がポリウレタン反応系に必要である。
【0007】
カーボンナノチューブを配合する欠点は、その分散が困難であることおよび加工粘度が高くなることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】EP−A 0 129 193
【特許文献2】DE−A 3 528 597
【特許文献3】DE−A 19 858 825
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Kunststoffhandbuch, 第7巻、Polyurethane, 第3改訂版、第193巻、Prof. Dr. G.W. BeckerおよびProf. Dr. D. Braun編(Carl-Hanser-Verlag, Munich, Vienna)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、導電性または帯電防止性ポリウレタンの製造方法を提供することである。この方法によって、特に、反応混合物の粘度が加工中に上昇してはならず、ポリウレタンの導電性が応力の故に時間とともに低下してはならず、とりわけカーボンナノチューブの、均一な微細分布が存在しなければならない、工業的にポリウレタンを製造するための反応成分を加工することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的は、意外にも、特定の量でカーボンナノチューブを使用した特定の分散方法(ローター/ステーター原理)によって達成された。
【0012】
本発明は、熱硬化性ポリウレタンからなる帯電防止性または導電性部品/物品の製造方法であって、ポリウレタンが、有機ポリイソシアネート(A)とNCO反応性基含有化合物(B)との、場合により触媒を用いた、発泡剤並びに助剤および/または添加剤の添加を任意に伴った反応によって得られ、
a)カーボンナノチューブを、NCO反応性基含有化合物(B)および/またはポリイソシアネート(A)と、ポリイソシアネート(A)およびNCO反応性基含有化合物(B)の反応混合物に基づいて0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜3重量%の量で、10kW/m〜1014kW/m、好ましくは10kW/m〜1013kW/mの電力密度で混合し、
b)成分(A)および成分(B)を互いに混合して反応混合物を得、ここで、工程a)からの成分(A)および/または成分(B)はカーボンナノチューブを含有しており、
c)工程b)からの反応混合物を型に導入するかまたは基材に適用し、
d)ポリウレタンを硬化させる
ことを特徴とする方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
電力密度は、実際に応力に付される懸濁液の体積に基づく。ローター/ステーターシステムの場合、これはチャンバー容積を意味し、ノズルシステムの場合は空孔容積を意味し、高速撹拌機ディスク(歯付きディスク)の場合はディスクのごく近傍の空間を意味する。
【0014】
工程a)における混合は、好ましくは、ローター/ステーター原理に従って実施する。
【0015】
本発明は更に、有機ポリイソシアネート(A)とNCO反応性基含有化合物(B)との、触媒、任意に発泡剤並びに助剤および/または添加剤の添加を任意に伴った反応によって得ることができる帯電防止性または導電性の熱硬化性ポリウレタンであって、ポリウレタンの総重量に基づいて0.1〜15重量%、好ましくは1〜10重量%、特に好ましくは1〜3重量%の量でカーボンナノチューブを含有することを特徴とするポリウレタンを提供する。
【0016】
本発明の方法で使用されるカーボンナノチューブは、100〜1000μmの直径を有する凝集物として存在する。分散後、カーボンナノチューブは好ましくは、40μm未満の粒度を有する割合30〜90重量%および40〜1000μmの粒度を有する割合10〜70重量%を有し、ここで、粗い粒子の90%超は100〜200μmの直径を有する。
【0017】
本発明の方法の工程a)における分散操作は、好ましくは、局所的エネルギー投入量が大きい分散装置内で、好適には、分散ディスクおよびローター/ステーターシステム、例えば、コロイドミル、歯付き分散装置などによって実施する。
【0018】
ローター/ステーター原理は、液体状媒体中で高い剪断力の下、充填材などを均一に分散する、それ自体知られている技術である。ローター/ステーター装置は、固体および液体の媒体を液体状マトリックスに分散することができる。使用される技術および装置は、包括的に、Rotor-Stator and Disc Systems for Emulsification Processes; Kai Urban, Gerhard Wagner, David Schaffner, Danny Roeglin, Joachim Ulrich; Chemical Engineering & Technology, 2006, 第29巻、第1号、第24頁〜第31頁; DE−A 10 2005 006 765、DE−A 197 20 959、およびUS 3 054 565に記載されている。
【0019】
本発明のポリウレタンを製造するための成分およびカーボンナノチューブの反応混合物は、上昇したとしても僅かしか上昇しない十分低い粘度を長時間にわたってかつ加工中に示すので、混合物は産業において容易に加工できる。加えて、本発明のポリウレタンの導電性は、応力下で維持される。
【0020】
本発明のポリウレタンは、好ましくは200kg/m〜1400kg/m、より好ましくは600kg/m〜1400kg/m、特に好ましくは800kg/m〜1400kg/mの嵩密度を有する。
【0021】
非気泡質ポリウレタン、例えば、注型用エラストマーおよび注型用樹脂が好ましい。
【0022】
ポリイソシアネート重付加化合物(特にポリウレタン)の製造に適したポリイソシアネートは、一分子あたり少なくとも2個のイソシアネート基を含有し、当業者に知られている、有機脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式ポリイソシアネート、およびそれらの混合物である。適当な脂肪族または脂環式ポリイソシアネートの例は、ジイソシアネートまたはトリイソシアネート、例えば、ブタンジイソシアネート、ペンタンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、HDI)、4−イソシアナトメチルオクタン1,8−ジイソシアネート(トリイソシアナトノナン、TIN)、および環式系、例えば、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、3,5,5−トリメチル−1−イソシアナト−3−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)およびω,ω’−ジイソシアナト−1,3−ジメチルシクロヘキサン(HXDI)である。芳香族ポリイソシアネートとして、例えば、ナフタレン1,5−ジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン(2,2’−MDI、2,4’−MDIおよび4,4’−MDIまたはそれらの混合物)、ジイソシアナトメチルベンゼン(トリレン2,4−ジイソシアネートおよびトリレン2,6−ジイソシアネート、TDI)およびそれらの2つの異性体の工業用混合物、および1,3−ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン(XDI)を使用することができる。更に、TODI(3,3’−ジメチルビフェニル4,4’−ジイソシアネート)、PPDI(パラフェニレン1,4−ジイソシアネート)およびCHDI(シクロヘキシルジイソシアネート)を使用することもできる。
【0023】
加えて、カルボジイミド、ウレトジオン、アロファネート、ビウレットおよび/またはイソシアヌレート構造を有し、それ自体知られている、上記した有機脂肪族、脂環式、芳香族または複素環式ポリイソシアネートの下流生成物、並びに該ポリイソシアネートとイソシアネート反応性基含有化合物との反応によって得られるプレポリマーを使用することもできる。
【0024】
ポリイソシアネート成分は、適当な溶媒中に存在できる。適当な溶媒は、ポリイソシアネート成分について十分な溶解能を有し、イソシアネート反応性基を含有しない溶媒である。そのような溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールジアセテート、ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、メチラール、エチラール、ブチラール、1,3−ジオキソラン、グリセロールホルマール、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、2−メトキシプロピルアセテート(MPA)である。
【0025】
加えて、イソシアネート成分は、通常の助剤および添加剤、例えば、流動性改質剤(例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、二塩基性エステル、クエン酸エステル)、安定剤(例えば、ブレンステッド酸およびルイス酸、例として、塩酸、リン酸、塩化ベンゾイル、有機鉱酸、例えば、リン酸ジブチル、およびアジピン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸またはクエン酸)、UV安定剤(例えば2,6−ジブチル−4−メチルフェノール)、加水分解阻害剤(例えば、立体障害のカルボジイミド)、乳化剤および触媒(例えば、トリアルキルアミン、ジアザビシクロオクタン、ジオクタン酸錫、ジラウリン酸ジブチル錫、N−アルキルモルホリン、オクタン酸鉛、オクタン酸亜鉛、オクタン酸錫、オクタン酸カルシウム、オクタン酸マグネシウム、対応するナフテネートおよびp−ニトロフェノキシドおよび/またはネオデカン酸フェニル水銀)並びに充填材(例えばチョーク)、任意に、後に生成されるポリウレタン/ポリウレアに配合できる(従ってツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する)染料、および/または着色顔料を含有できる。
【0026】
NCO反応性化合物として、当業者に知られている化合物の全てを使用できる。
【0027】
NCO反応性化合物として、従来技術から十分に知られているような、少なくとも1.5の平均OH官能価または平均NH官能価を有する、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびポリエーテルアミン、並びに短鎖のポリオールおよびポリアミン(連鎖延長剤または架橋剤)を使用できる。それらは例えば、低分子量のジオール(例えば、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオールまたは1,2−プロパンジオール、1,4−ブタン)、トリオール(例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン)およびテトラオール(例えばペンタエリスリトール)または比較的高分子量のポリヒドロキシ化合物、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリアミンおよびポリエーテルポリアミンおよびポリブタジエンポリオールであり得る。
【0028】
ポリエーテルポリオールは、塩基性触媒の存在下または複金属シアン化物化合物(DMC化合物)を用いた適当なスターター分子のアルコキル化による、それ自体既知の方法で得ることができる。ポリエーテルポリオールの調製に適したスターター分子は、例えば、単純な低分子量のポリオール、水、少なくとも2個のN−H結合を含有する有機ポリアミン、またはそのようなスターター分子の混合物である。アルコキシル化による(特にDMC法による)ポリエーテルポリオールの調製に好ましいスターター分子は、とりわけ、単純ポリオール、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコールおよび1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、およびそのようなポリオールと例として後に記載するタイプのジカルボン酸との低分子量ヒドロキシル含有エステル、或いはそのような単純ポリオールの、若しくはそのような変性または未変性アルコールの混合物の、低分子量エトキシル化またはプロポキシル化生成物である。アルコキシル化に適したアルキレンオキシドは、特にエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドであり、それらは、アルコキシル化において任意の順序でまたは混合して使用できる。
【0029】
ポリエステルポリオールは、低分子量ポリカルボン酸誘導体(例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、テトラクロロフタル酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、グルタル酸無水物、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、二量体脂肪酸、三量体脂肪酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸またはトリメリット酸)と低分子量ポリオール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、1,4−ヒドロキシメチルシクロヘキサン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,4−ブタントリオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチレングリコールおよびポリブチレングリコール)との重縮合によって、またはε−カプロラクトンのような環式カルボン酸エステルの開環重合によって、既知の方法で調製することができる。加えて、ヒドロキシカルボン酸誘導体、例えば、乳酸、桂皮酸またはω−ヒドロキシカプロン酸を重縮合してポリエステルポリオールを生成することもできる。しかしながら、油脂化学由来のポリエステルポリオールを使用することもできる。そのようなポリエステルポリオールは、例えば、少なくともある程度オレフィン性不飽和の脂肪酸を含有する少なくとも1種の脂肪混合物のエポキシ化トリグリセリドを1種以上のC1〜12アルコールを用いて完全開環し、次いで、トリグリセリド誘導体を部分エステル交換してアルキル基中に1〜12個の炭素原子を含有するアルキルエステルポリオールを生成することによって調製することができる。
【0030】
適当なポリアクリレートポリオールの調製は、当業者にそれ自体知られている。ポリアクリレートポリオールは、ヒドロキシル含有オレフィン性不飽和モノマーのラジカル重合によって、またはヒドロキシル含有オレフィン性不飽和モノマーと任意に他のオレフィン性不飽和モノマー(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、スチレン、アクリル酸、アクリロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル)とのラジカル共重合によって得られる。適当なヒドロキシル含有オレフィン性不飽和モノマーは、特に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレンオキシドのアクリル酸への付加によって得ることができるヒドロキシプロピルアクリレート異性体混合物、およびプロピレンオキシドのメタクリル酸への付加によって得ることができるヒドロキシプロピルメタクリレート異性体混合物である。適当なラジカル開始剤は、アゾ化合物(例えばアゾイソブチロニトリル(AIBN))からなる群からのラジカル開始剤、または過酸化物(例えばジ−tert−ブチルペルオキシド)からなる群からのラジカル開始剤である。
【0031】
NCO反応性化合物は、適当な溶媒中に存在できる。適当な溶媒は、NCO反応性化合物について十分な溶解能を有する溶媒である。そのような溶媒の例は、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、ジイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、エチレングリコールジアセテート、ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、メチラール、エチラール、ブチラール、1,3−ジオキソラン、グリセロールホルマール、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ソルベントナフサ、2−メトキシプロピルアセテート(MPA)である。加えて、溶媒は、イソシアネートに対して反応性である基を含有してもよい。そのような反応性溶媒の例は、イソシアネートに対して反応性である基の平均官能価が少なくとも1.8である溶媒である。それらは、例えば、低分子量ジオール(例として、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオールまたは1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール)、トリオール(例として、グリセロール、トリメチロールプロパン)、或いは低分子量ジアミン、例えばポリアルパラギン酸エステルであり得る。
【0032】
NCO反応性化合物として使用できるポリエーテルアミンは、特に、ジアミンまたはトリアミンである。そのような化合物は、例えば、Huntsmanによって商品名Jeffamine(登録商標)でまたはBASFによってポリエーテルアミンとして市販されている。
【0033】
NCO反応性化合物は、架橋剤成分または連鎖延長剤として短鎖のポリオールまたはポリアミンを含み得る。典型的な連鎖延長剤は、ジエチレントルエンジアミン(DETDA)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジエチルアニリン)(MDEA)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)(MDIPA)、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)、ジメチルチオトルエンジアミン(DMTDA、Ethacure(登録商標) 300)、N,N’−ジ(sec−ブチル)アミノビフェニルメタン(DBMDA、Unilink(登録商標) 4200)またはN,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン(Unilink(登録商標) 4100)、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MBOCA)、トリメチレングリコールジ−p−アミノベンゾエート(Polacure 740M)である。脂肪族アミン連鎖延長剤を同様に使用することもでき、または付随して使用することもできる。1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールおよびHQEE(ヒドロキノンジ(β−ヒドロキシエチル)エーテル)。
【0034】
ポリイソシアネート重付加生成物の製造は、通常の流動性改質剤、安定剤、UV安定剤、触媒、加水分解阻害剤、乳化剤、充填材、任意に、配合可能な(従って、ツェレヴィチノフ活性水素原子を含有する)染料、および/または着色顔料の存在下で実施できる。ゼオライトを添加することも好ましい。
【0035】
好ましい助剤および添加剤は、ポリイソシアネート重付加生成物の製造における、発泡剤、充填材、チョーク、カーボンブラック、難燃剤、着色ペースト、水、殺菌剤、流動性改質剤、チキソトロープ、表面改質剤、遅延剤である。更なる助剤および添加剤は、消泡剤、気泡安定剤、気泡調節剤および充填材を包含する。典型的な発泡剤は、フッ素化炭化水素、ペンタン、シクロペンタン、水および/または二酸化炭素である。
【0036】
本発明に従って製造されたポリウレタンは、チョーク、ケイ酸塩、ドロマイトおよび水酸化アルミニウムのような充填材を含有できる。ポリウレタン化学で知られているこれらの充填材は、ポリウレタンに基づいて25重量%までの濃度で存在できる。ポリウレタンは、導電性を高める付加的添加剤、例えば導電性カーボンブラックおよび/または炭素繊維を含有することもできる。導電性カーボンブラックは、好ましくは、600〜1200m/gの(ASTM D 6556-04に従ってBET法により測定される)表面積、300〜450cm/(100gのカーボンブラック)の(約23℃で吸収媒体n−ジブチルフタレートを用いてASTM D 2414-05aに従った)吸収細孔容積、20〜250kg/mの(ASTM D 1513-05に従った)ビーズ密度、および50nm未満の平均粒径を有する。炭素繊維は、好ましくは、2μm〜10μmの厚み径を有する。
【0037】
ポリウレタンの概説、その特性および使用は、例えば、Kunststoffhandbuch, 第7巻、Polyurethane, 第3改訂版、第193巻、Prof. Dr. G.W. BeckerおよびProf. Dr. D. Braun編(Carl-Hanser-Verlag, Munich, Vienna)に記載されている。
【0038】
意外にも、ローター/ステーターシステムによるカーボンナノチューブの配合により、反応混合物の加工中に生じる問題が生じることなく、導電性または帯電防止性ポリウレタンを製造できることが見出された。カーボンナノチューブが存在するにもかかわらず、加工される反応成分の粘度は低く、少量のカーボンナノチューブでさえ、良好な導電性(好ましくは10Ω未満の表面抵抗)が得られる。
【0039】
ポリウレタンは発泡されてもよいし、または非気泡質であってもよい。
【0040】
本発明のポリウレタンは、例えば、表面被覆可能な電気的シールド材または静電的放電材に、例として、床仕上材、タイヤ、ホイール、ローラー、ロール、電気部品を封入するための材料、住宅部品および他の工業用部品/物品に使用される。
【0041】
従来技術では、用語「カーボンナノチューブ」は主に、30〜100nmの直径および該直径の何倍もの長さを有する円筒状カーボンチューブを指称するために使用されている。該チューブは、規則正しい炭素原子の層を1つ以上有し、異なった形態のコアを有する。該カーボンナノチューブはまた、例えば、「炭素フィブリル」または「中空炭素繊維」と称される。
【0042】
カーボンナノチューブは、技術文献で長い間知られている。Iijima(Publication: S. Iijima, Nature 354, 56-58, 1991)がナノチューブの発見者であると一般に言われているが、該材料、特に複数のグラファイト層を有する繊維状グラファイト材料は1970年代または1980年代初頭から知られていた。TatesおよびBaker(GB 1 469 930 A1、1977およびEP 56004 A2)は初めて、炭化水素の触媒分解からの極めて微細な繊維状炭素の堆積を記載した。しかしながら、短鎖炭化水素に基づいて製造された該炭素フィラメントは、その直径に関してより詳細に特性を記載されなかった。
【0043】
これらのカーボンナノチューブの通常の構造は、円筒型の構造である。円筒状構造の中では、単層カーボンナノチューブと多層円筒状カーボンチューブとに分類される。これらの一般的な製造方法は、例えば、アーク放電法、レーザーアブレーション法、CVD法および触媒CVD法(CCVD法)である。
【0044】
2つ以上のグラファイト層を有し、継ぎ目なく閉じた円筒を形成するために巻き取られ、アーク放電法で互いに嵌め合わされた、カーボンナノチューブの形成は、Iijima, Nature 354, 1991, 56-8から知られている。巻き取り方向に依存して、炭素繊維の縦軸に対して炭素原子のキラル配置およびアキラル配置が可能になる。
【0045】
単一の連続したグラファイト層(スクロール型)、または中断されたグラファイト層(オニオン型)がナノチューブ構造の基礎を形成しているカーボンチューブ構造は、初めて、Baconら、J. Appl. Phys. 34, 1960, 283-90によって記載された。構造は、スクロール型と称される。後に、対応する構造は、Zhouら、Science, 263, 1994, 1744-47およびLavinら、Carbon 40, 2002, 1123-30によっても見出された。
【0046】
本発明の目的において、カーボンナノチューブは、円筒型またはスクロール型の単層または多層カーボンナノチューブ或いはオニオン様構造を有する単層または多層カーボンナノチューブの全てである。円筒型またはスクロール型の多層カーボンナノチューブ或いはそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0047】
5より大きい、好ましくは100より大きい、長さの外径に対する比を有するカーボンナノチューブを使用することが特に好ましい。
【0048】
カーボンナノチューブは、特に好ましくは凝集物として使用され、該凝集物は、特に0.05〜5mm、好ましくは0.1〜2mm、とりわけ好ましくは0.2〜1mmの範囲に平均直径を有する。
【0049】
使用されるカーボンナノチューブは、特に好ましくは、本質的に3〜100nm、好ましくは5〜80nm、特に好ましくは6〜60nmの平均直径を有する。
【0050】
1つの連続したまたは中断されたグラファイト層しか有さないスクロール型のCNTの他に、集まって堆積および巻きを形成するグラファイト層を複数有するCNT構造も存在する(マルチスクロール型)。このCNT構造は、多層円筒状モノカーボンナノチューブ(円筒状MWNT)の構造が単層円筒状カーボンナノチューブ(円筒状SWNT)の構造と関係しているのと同じように、単一スクロール型カーボンナノチューブと関係している。
【0051】
カーボンナノチューブを製造するための今日知られている方法は、アーク放電法、レーザーアブレーション法および触媒法を含む。これらの方法の多くは、副生成物として、カーボンブラック、無定形炭素、および直径の大きい繊維を生じる。触媒法の場合、担持触媒粒子上の堆積物と、(フロー法として知られている)インサイチュで形成されるナノメーター範囲の直径を有する金属部位上の堆積物とに分類される。反応条件下で気体状である炭化水素からの炭素の触媒的堆積による製造の場合(以下、CCVD;触媒的炭素蒸着と称する)、可能性のある炭素供給源は、アセチレン、メタン、エタン、エチレン、ブタン、ブテン、ブタジエン、ベンゼンおよび更なる炭化水素含有出発物質である。従って、触媒法から得られるCNTを用いることが好ましい。
【0052】
触媒は一般に、金属、金属酸化物、分解性金属成分または還元性金属成分を含んでなる。従来技術における触媒のための金属として、例えば、Fe、Mo、Ni、V、Mn、Sn、Co、Cuおよび更なる遷移元素が挙げられる。通常、個々の金属はカーボンナノチューブの形成を促進する傾向を有するが、従来技術によれば、上記金属の組み合わせに基づく金属触媒を用いると、高い収率および低い割合の無定形炭素が有利に実現される。従って、混合触媒を用いて得られたCNTを使用することが好ましい。
【0053】
CNTを製造するための特に有利な触媒系は、金属またはFe、Co、Mn、MoおよびNiからなる群からの2種以上の元素を含有する金属化合物の組み合わせに基づく。
【0054】
カーボンナノチューブの形成および形成されたチューブの特性は、経験に基づいて複雑な様式で、触媒として使用される金属成分または複数の金属成分の組み合わせ、場合のより使用され得る触媒担持材料、および触媒と担持材料の間の相互作用、出発気体および出発材料分圧、水素または別の気体の添加、反応温度および滞留時間および使用する反応器に依存する。
【0055】
カーボンナノチューブの特に好ましい製造方法は、WO 2006/050903 A2から知られている。
【0056】
異なった触媒系を用いる幾つかの上記方法は、主にカーボンナノチューブ粉末として該方法から得られる、異なった構造のカーボンナノチューブを製造する。
【0057】
100nm未満の直径を有するカーボンナノチューブの製造方法は、EP−B 205 556に初めて記載された。カーボンナノチューブを製造するため、軽質(即ち、短鎖および中鎖脂肪族或いは単環式または二環式芳香族)炭化水素および鉄系触媒を使用している。該炭素キャリヤー化合物は800〜900℃超の温度で分解する。
【0058】
WO 86/03455 A1 は、3.5〜70nmの一定直径、100より大きいアスペクト比(直径に対する長さの比)およびコア領域を有する円筒状構造を有する炭素フィラメントの製造方法を記載している。そのフィブリルは、フィブリルの円筒軸のまわりに同心円状に配置された規則正しい炭素原子の多数の連続相を含む。該円筒状ナノチューブは、850℃〜1200℃の範囲の温度で金属含有粒子によって炭素含有化合物からCVD法によって製造された。
【0059】
WO 2007/093337 A2は、円筒状構造を有する従来のカーボンナノチューブの製造に適当な触媒の製造方法を開示している。この触媒を固定床で使用すると、5〜30nmの範囲の直径を有する円筒状カーボンナノチューブの比較的高い収率が得られた。
【0060】
円筒状カーボンナノチューブの全く異なった製造方法は、Oberlin, EndoおよびKoyam(Carbon 14, 1976, 133)によって記載されている。同文献では、芳香族炭化水素、例えばベンゼンを金属触媒によって反応させている。形成されたカーボンチューブは、ほぼ触媒粒子直径を有する明確なグラファイト中空コアを示し、そこには、別のあまりグラファイト的ではない規則正しい炭素が存在する。チューブ全体を、高温(2500℃〜3000℃)での処理によってグラファイト化することができる。
【0061】
(電気アーク、噴霧熱分解またはCVDを用いた)上記方法のほとんどが、カーボンナノチューブを製造するために今日使用されている。しかしながら、単層円筒状カーボンナノチューブの製造方法は、装置に関して極めて複雑であり、既知の方法で極めて低い形成速度でしばしば多くの二次反応を伴って進行する。該二次反応は、高い割合の望ましくない不純物をもたらし、即ち、このような方法の収率は比較的低い。従って、このようなカーボンナノチューブの製造方法は、今日でさえなお極めて技術的に複雑であり、よって、カーボンナノチューブは主として、極めて特定の用途に少量で使用されている。本発明のために該カーボンナノチューブを使用することは考えられるが、円筒型またはスクロール型多層CNTの使用ほど好ましくはない。
【0062】
互いに嵌め合わされた継ぎ目のない円筒状ナノチューブ形状の、或いは上記したスクロール構造またはオニオン構造の形状の多層カーボンナノチューブの製造は、今日では、主に触媒法を用いて、比較的大量に商業的に実施されている。それらの方法は通常、上記したアーク放電法および他の方法より高い収率を示し、今日、典型的にはキログラムスケールで実施されている(世界的に一日あたり数百キログラム)。このように製造されたMWカーボンナノチューブは一般に、単層ナノチューブよりかなり安価である。
【0063】
本発明を以下の実施例によって説明する。
【実施例】
【0064】
出発成分:
ポリオール:50mgKOH/mgのOH価および1300mPasの75℃での粘度を有するポリエステルポリオール。
架橋剤:活性剤Dabco(登録商標) DC 2(Air Products社製)[40ppm]を含む1,4−ブタンジオール。
イソシアネート:Desmodur(登録商標) PC-N(26重量%のNCO含有量および120mPasの25℃での粘度を有する、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートおよびトリプロピレングリコールに基づくプレポリマーとカルボジイミド変性ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネートとの混合物)
【0065】
上記3つの成分を、指数が103となるように互いに混合した。ポリオールは80℃の温度を有し、イソシアネートおよび架橋剤は25℃の温度を有していた。型の温度は110℃であった。
【0066】
実施例1(比較):
各々の場合に、1.5重量部のBaytubes(登録商標) C 150 Pを、100重量部のポリオールおよび50.5重量部のイソシアネートに添加し、その混合物を、ペンドローリック(Pendraulic)撹拌機によって4500rpmの撹拌速度で90秒間撹拌した。分散後、ほとんどのカーボンナノチューブが、0.5mmより大きい凝集物として存在した。微粉は、極めて少量しか存在しなかった。次いで、上記した2種類のBaytubes(登録商標) C 150 P含有成分を、9.5重量部の架橋剤と混合し、型に注いだ。
導電性を測定することはできなかった(抵抗>1013Ω)。
【0067】
実施例2(本発明):
各々の場合に、1.5重量部のBaytubes(登録商標) C 150 Pを、ローター/ステーターシステム(Cavitron v. Hagen & Funke GmbH製実験用高速撹拌機CD 1000)を用いて、100重量部のポリオールおよび50.5重量部のイソシアネートに独立して添加した。使用したローター/ステーターシステムのミキシングヘッドは、歯付きホイールシステムである(Cavitronはこれをチャンバーシステムと称している)。この目的のために、まず、ポリオールをオートクレーブに導入し、80℃に加熱した。撹拌しながら、Baytubes(登録商標) C 150 Pを添加した。混合物を、3barの許容圧力(admission pressure)で、ローター/ステーターシステムに供給した。1750〜2350rpmの回転速度で分散を実施した。もう一度、分散を繰り返した。イソシアネートにカーボンナノチューブを分散させるために、イソシアネートをまず室温で導入し、撹拌しながらBaytubes(登録商標) C 150 Pを添加した。3barの許容圧力で、混合物をローター/ステーターシステムに供給した。4650〜5250rpmの回転速度で分散を実施した。ローター/ステーターシステムでの分散を一度実施した。分散体中の凝集物の最大粒度は200μmであり、微粉の割合が高かった。それぞれの懸濁液について、70℃でEN ISO 3219/A.3に従って粘度を測定した。ポリオールについて2800mPas、イソシアネートについて200mPasの測定値を記録した。続いて、ポリオール分散体およびイソシアネート分散体を9.5重量部の架橋剤と混合し、型に注いだ。10Ωの表面抵抗が(DIN IEC 60093(12.93)に従って)測定された。
【0068】
実施例3(本発明):
各々の場合に分散を2回実施した以外は、実施例2の手順を繰り返した。このようにして、導電性を大幅に高めることができた。DIN IEC 60093(12.93)に従って10Ωの特定の表面抵抗が測定され、DIN IEC 60093(12.93)に従って230Ω/mの特定の体積抵抗が測定された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ポリイソシアネート(A)とNCO反応性基含有化合物(B)との、触媒、任意に発泡剤並びに任意に助剤および/または添加剤の添加を任意に伴った反応によって得ることができる帯電防止性または導電性の熱硬化性ポリウレタンであって、ポリウレタンの総重量に基づいて0.1〜15重量%の量でカーボンナノチューブを含有することを特徴とするポリウレタン。
【請求項2】
カーボンナノチューブが、40μm未満の粒度を有する割合30〜90重量%および40〜1000μmの粒度を有する割合10〜70重量%を有し、ここで、粗い粒子の90%超が100〜200μmの直径を有することを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項3】
ポリウレタンが導電性カーボンブラックおよび/または炭素繊維を付加的に含有することを特徴とする、請求項1に記載のポリウレタン。
【請求項4】
導電性カーボンブラックが、600〜1200m/gの(ASTM D 6556-04に従ってBET法により測定される)表面積、300〜450cm/(100gのカーボンブラック)の(約23℃で吸収媒体n−ジブチルフタレートを用いてASTM D 2414-05aに従った)吸収細孔容積、20〜250kg/mの(ASTM D 1513-05に従った)ビーズ密度、および50nm未満の平均粒径を有し、炭素繊維が2μm〜10μmの厚み径を有することを特徴とする、請求項3に記載のポリウレタン。
【請求項5】
ポリウレタンの(DIN EN ISO 845-1995-06に従った)嵩密度が200kg/m〜1400kg/mであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項6】
ポリウレタンが発泡されているかまたは非気泡質であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のポリウレタン。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の熱硬化性ポリウレタンからなる帯電防止性または導電性部品/物品の製造方法であって、ポリウレタンが、有機ポリイソシアネート(A)とNCO反応性基含有化合物(B)との、場合により触媒を用いた、発泡剤並びに助剤および/または添加剤の添加を任意に伴った反応によって得られ、
a)カーボンナノチューブを、NCO反応性基含有化合物(B)および/またはポリイソシアネート(A)と、ポリイソシアネート(A)およびNCO反応性基含有化合物(B)の反応混合物に基づいて0.1〜15重量%の量で、10kW/m〜1014kW/mの電力密度で混合し、
b)成分(A)および成分(B)を互いに混合して反応混合物を得、ここで、工程a)からの成分(A)および/または成分(B)はカーボンナノチューブを含有しており、
c)工程b)からの反応混合物を型に導入するかまたは基材に適用し、
d)ポリウレタンを硬化させる
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
表面被覆可能な電気的シールド材または静電的放電材のための、請求項1〜6のいずれかに記載のポリウレタンの使用。

【公表番号】特表2012−500309(P2012−500309A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523335(P2011−523335)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005840
【国際公開番号】WO2010/020367
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】