説明

帳票作成方法及び帳票作成システム

【課題】CJK漢字が混在する文字列に対して文字化けにならない帳票作成、使用者が帳票のレイアウトのカスタマイズが可能な帳票作成システムを提供する。
【解決手段】
エクセル「登録商品 Microsoft
Office」では多国語の入力や印刷ができるのでエクセルと帳票作成プログラムをインストールしたクライアント端末を備え、クライアント端末に帳票ひな形エクセルファイルと帳票レイアウト位置情報ファイルを備え、前記クライアント端末からサーバにアクセスし、帳票作成用データを抽出し、ダウンロードし、帳票データファイルとして保存し、前記帳票作成プログラムを起動して帳票の種類とデータファイルの選択し、帳票作成を行い、帳票の種類に紐づく帳票ひな形エクセルファイルと帳票レイアウト位置情報ファイルと前記選択した帳票用データを基づいて帳票エクセルファイルを作成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開発は、帳票作成システムに係り、業務用データはサーバで管理し、帳票のレイアウトは使用者の好みでカスタマイズが可能な帳票作成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサーバ側で電子帳票・Web帳票作成する商用のソリューションがある。
【0003】
多国語の文字の出力ができるエクセルを用いて帳票を作成する帳票作成システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2008−15960号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、商用のソリューションで作成した帳票は出力する文字列にCJK漢字「中国漢字・日本漢字・韓国漢字」が混在する場合、出力した帳票は一部文字が文字化けになる。
【0006】
しかしながら従来の帳票作成システムは帳票レイアウトファイルをサーバ側に格納し、サーバ側で帳票を作成するので利用者が好みの帳票のレイアウトを作成するのは出来ないである。
【0007】
本開発の目的は、CJK漢字が混在する文字列を出力しても文字化けにならない帳票の作成と帳票に出力するデータ項目が定まれた場合、データ管理はサーバ側で行い、帳票のレイアウトは利用者(例えば、会社毎、学校毎)の好みにカスタマイズが可能な帳票作成システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
多国語の文字の出力ができるエクセル「登録商品 Microsoft Office」を用いて帳票を作成することにより帳票に出力する文字列にCJK漢字「中国漢字・日本漢字・韓国漢字」が混在しても文字化けにならない帳票を作成する。
【0009】
上記の目的を達成するために、クライアント端末からインターネットを介してWebサーバ装置にアクセスするように構成され、エクセル「登録商品 Microsoft Office」と帳票作成プログラムをインストールした前記クライアント端末を備え、前記クライアント端末の記録部には前記エクセルプログラム、帳票作成プログラム、複数の帳票ひな形エクセルファイル、前記ひな形ファイルと紐づく帳票レイアウト位置情報ファイルが格納され、前記Webサーバ装置は、Webサービスを行うWebサーバとデータベースを備え、前記Webサーバに帳票用データダウンロード手段を備え、前記データベースは、業務用データベースを備え、前記帳票用データダウンロード手段は、前記クライアント端末からインターネットを介して前記Webサーバにアクセスし、帳票対象データを抽出し、前記クライアント端末の記録部にダウンロードして保存することを特徴とする。
【0010】
表示するデータ項目が定まった帳票に対して前記クライアント端末の記録部に格納している帳票ひな形エクセルファイルと帳票レイアウト位置情報ファイルをカスタマイズ可能なことを特徴とする。
【0011】
請求項1記載の帳票作成方法及び帳票作成システムにおいて、前記クライアント端末で前記帳票作成プログラムを起動し、帳票の種類を選択し、Webサーバからダウンロードした前記帳票用データファイルを選択し、帳票作成を行うことにより前記クライアントの記録部に格納されている該当帳票ひな形ファイルを帳票出力エクセルファイルにコピーし、前記帳票用データファイルの対象件数分繰返して帳票ひな形シートをコピーして作成し、前記クライアントの記録部に格納されている該当帳票レイアウト位置情報ファイルが指定する各データ項目の位置に前記帳票用データファイルの各項目を埋め込むことにより同じレイアウトの帳票をダウンロードしたデータの件数分作成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本開発の帳票作成方法及び帳票作成システムによれば、業務データ処理と業務データ管理はサーバで行うが、帳票のレイアウトは使用者の好みにエクセルでカスタマイズし、CJK漢字が混在しても文字化けにならない帳票を作成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施の形態を、以下図に基づき説明する。
【0014】
図1は、帳票作成方法及び帳票作成システムの構成図である。
【0015】
図1において、Webサーバ装置10と、クライアント端末20と、インターネット99から構成される。
【0016】
Webサーバ装置10は、通信部11とインターネット99を介してWebサービスを行うWebサーバ12と業務に必要なデータベース14を管理するデータベースサーバ13とを備える。
【0017】
通信部11は、インターネット99と接続し、インターネット99を介して種々の情報のやりとりを行う。
【0018】
Webサーバ12は、データ検索画面送信手段12aと帳票用データダウンロード手段12bを備える。
【0019】
データベースサーバ13は、
データベース14の中に帳票作成用業務データベース14aを備える。
【0020】
データ検索画面送信手段12aは、クライアント端末20のWebブラウザからWebサーバ12にアクセスし、帳票作成用データ検索画面を要求し、Webサーバ12はクライアント端末20の要求に応答してデータ検索画面をクライアント端末20に送信する。
【0021】
帳票用データダウンロード手段12bは、クライアント端末20ではデータ検索画面送信手段12aにより受信したデータ検索画面に検索条件を入力し、Webサーバ12に送信する。Webサーバ12はクライアント端末20からのリクエストのパラメータから検索条件を取得し、業務データベース14aに照会を行い、一致するデータをレスポンスとしてクライアント端末20に送信し、クライアント端末20は一覧に表示し、帳票作成対象を選択し、ダウンロードを行う。ダウンロードファイルはエクセルファイル形式でクライアント端末20の記録部に格納される。
【0022】
クライアント端末20は、利用者が操作するパソコン等の端末であって、制御部21、通信部22、入力部23、表示部24、記録部25を含む。
【0023】
記録部25はプログラムとデータを格納するハードディスクであって、動作プログラムを格納した25a、帳票作成プログラムを格納した25b、エクセルプログラムを格納した25c、複数の帳票のひな形ファイルを格納した25d、帳票レイアウトの位置情報を格納した25e、ダウンロードデータファイルを格納する25f、帳票作成プログラムを実行して作成したエクセル形式の帳票ファイルを格納する25gを含む。
【0024】
制御部21は、記録部25aに格納されている動作プログラムに基づいてクライアント端末20の種々の動作を制御する。
【0025】
通信部22は、インターネット99に接続し、インターネットを介して種々の情報のやりとりを行う。キーボードとマウス等の入力部23は、ユーザからの種々の入力を受付ける。表示部24は、制御部21の制御に基づいて表示を行う。
【0026】
例えば、制御部21は、利用者が入力部23を操作することによって入力されるWebサーバ12への接続要求に基づいて通信部22からインターネット99を介してWebサーバ12にアクセスし、検索画面の表示とダウンロードデータファイルを25fに格納する動作と帳票作成プログラムを起動して帳票作成の動作を制御する。
【0027】
図2は、クライアント端末の帳票作成プログラムのブロック図であって、利用者が好みにカスタマイズ可能な帳票作成である。
【0028】
図2は、帳票作成プログラムf2−1はクライアント端末20の制御部21にロードされ、帳票ひな形エクセルファイルf2−2、帳票レイアウト位置情報ファイルf2−3、ダウンロードしたデータファイルf2−4、帳票作成実行で作成された帳票エクセルファイルf2−5で構成される。
【0029】
図3は、クライアント端末の帳票作成プログラムのブロック図であって、政府の様式など帳票レイアウトのカスタマイズが出来ない帳票作成である。
【0030】
図3は、帳票作成プログラムf3−1はクライアント端末20の制御部21にロードされ、帳票ひな形エクセルファイルf3−2、帳票レイアウト位置情報ファイルf3−3、ダウンロードしたデータファイルf3−4、帳票作成実行で作成された帳票エクセルファイルf3−5で構成される。
【0031】
Webサーバ12からダウンロードしたデータファイルf2−4、f3−4のファイルの形式はエクセルでテキストファイル形式も構わない。
【0032】
政府の様式などの帳票レイアウトのカスタマイズが出来ない帳票は帳票レイアウトの位置が固定などでデータを埋め込む位置は帳票作成プログラムで固定に設定しても構わない。
【0033】
図4は、クライアント端末20に帳票作成用データファイルのダウンロードを説明するシーケンス図である。
【0034】
クライアント端末20の制御部21は、入力部23を操作することによって入力されるWebサーバ12への接続要求に基づいて通信部22からインターネット99を介してWebサーバ12にアクセスする(S1)。Webサーバ12はS1のアクセスに応答して検索画面を送信する(S2)。検索画面に検索条件として入学時期を入力し(S3)、検索条件として学校IDと入学時期をWebサーバ12に送信する(S4)。Webサーバ12は業務データベース14対して学校IDと入学時期を検索キーにして照会を行い(S5)。Webサーバ12は一致するデータの検索結果一覧画面を作成し、クライアント端末20に送信する(S6)。検索結果一覧画面で対象を選択し(S7)、ダウンロードを実行で選択した学籍番号リストをWebサーバ12に送信する(S8)。Webサーバ12は業務データベース14aに対して(S8)で受信した学籍番号に一致する帳票用データを取得し、ダウンロード用ファイルを作成する(S9)。S9で作成したファイルはクライアント端末20に送信する(S10)。S10でダウンロードしたデータファイルはクライアント端末20の記録部25fに格納する(S11)。
【0035】
図5は、クライアント端末20の制御部21にロードされ、帳票作成を行う帳票作成プログラムを説明するフローチャートである。
【0036】
帳票作成プログラムは、クライアント端末20の入力部23を操作することによって制御部21にロードされ、表示部24にアプリケーション画面を表示し、帳票種類のリストボックスから帳票の種類を選択する(S5-1)。帳票用データファイルとして記録部25に格納したデータファイル25fを指定する(S5-2)。S5-2で指定したファイルがS5-1で選択した帳票用データか判断する(S5-3)。S5-3のチェック結果が無効の場合、エラー表示する(S5-4)。S5-3のチェック結果が有効の場合、エクセルアプリケーションを起動する(S5-5)。S5-1で選択した帳票のひな形エクセルファイルを記録部25の帳票ファイル25gにコピーする(S5-6)。帳票レイアウト位置情報を取得する「例えば図2のf2−3から氏名のデータを埋め込むセルの位置はB:3、住所のデータを埋め込むセルの位置はB:5、電話番号のデータを埋め込むセルの位置はB:7」(S5-7)。1名分のデータを記録部25のデータファイル25fから読み「例えば図2のf2−4から氏名:xxx1、住所:東京都xxx1、電話番号:xxx-xxxx-xxx1」(S5-8)。記録部25の帳票ファイル25gのひな形シートをコピーする(S5-9)。アクティブシート名を氏名であるxxx1に変更する(S5-10)。帳票ファイル25gのアクティブシートのB:3のセルにS5-8で読み込んだxxx1をB:5のセルに住所の東京都xxx1をB:7のセルに電話番号のxxx-xxxx-xxx1を設定する(S5-11)。データファイル25fに次のデータがあるか判断する(S5-12)。次のデータがある場合、S5-8からS5-12まで繰返してxxx1、xxx2、xxx3、xxx4、xxx5の帳票のシートを作成する(S5-13)。次のデータが無い場合、オープンしたファイルを閉じてエクセルのアプリケーションを終了する(S5-14)。
【0037】
図6は、業務データベースであって、帳票作成を説明するためのサンプルである。
【0038】
図6の業務テータベースの項目のデータは実データではなく例証としてのデータである。
【0039】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本開発は、アプリケーション・サービス・プロバイダサービスを利用する会社又は学校が帳票用データをダウンロードして独自にカスタマイズした帳票レイアウトで帳票作成する帳票作成システム、留学生の本国住所などCJK漢字の混在可能性がある日本語学校システムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】帳票作成方法及び帳票作成システムの構成図である。
【図2】クライアント端末の帳票作成プログラムのブロック図1
【図3】クライアント端末の帳票作成プログラムのブロック図2
【図4】帳票作成用データファイルのダウンロードを説明するシーケンス図である。
【図5】帳票作成プログラムを説明するフローチャートである。
【図6】帳票作成を説明するためのサンプル業務データベースである。
【符号の説明】
【0042】
10 サーバ装置
11 サーバ装置の通信部
12 Webサーバ
12a データ検索画面送信手段12a
12b 帳票用データダウンロード手段
13 データベースサーバ
14 データベース
14a 業務データベース
20 クライアント端末
21 クライアント端末の制御部
22 クライアント端末の通信部
23 クライアント端末の入力部
24 クライアント端末の表示部
25 クライアント端末の記録部
25a 動作プログラムを格納
25b 帳票作成プログラムを格納
25c エクセルプログラムを格納
25d 複数の帳票のひな形ファイルを格納
25e 帳票レイアウトの位置情報を格納
25f ダウンロードデータファイルを格納
25g エクセル形式の帳票ファイルを格納
99 インターネット回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアント端末からインターネットを介してWebサーバ装置にアクセスするように構成され、エクセル「登録商品 Microsoft Office」と帳票作成プログラムをインストールした前記クライアント端末を備え、前記クライアント端末の記録部には前記エクセルプログラム、帳票作成プログラム、複数の帳票ひな形エクセルファイル、前記ひな形ファイルと紐づく帳票レイアウト位置情報ファイルが格納され、前記Webサーバ装置は、Webサービスを行うWebサーバとデータベースを備え、前記Webサーバに帳票用データダウンロード手段を備え、前記データベースは、業務用データベースを備え、前記帳票用データダウンロード手段は、前記クライアント端末からインターネットを介して前記Webサーバにアクセスし、帳票対象データを抽出し、前記クライアント端末の記録部にダウンロードして格納することを特徴とする帳票作成方法及び帳票作成システム。
【請求項2】
表示するデータ項目が定まった帳票に対して前記クライアント端末の記録部に格納している帳票ひな形エクセルファイルと帳票レイアウト位置情報ファイルをカスタマイズ可能なことを特徴とする帳票作成方法及び帳票作成システム。
【請求項3】
請求項1記載の帳票作成方法及び帳票作成システムにおいて、前記クライアント端末で前記帳票作成プログラムを起動し、帳票の種類を選択し、Webサーバからダウンロードした前記帳票用データファイルを選択し、帳票作成を行うことにより前記クライアントの記録部に格納されている該当帳票ひな形ファイルを帳票出力エクセルファイルにコピーし、前記帳票用データファイルの対象件数分繰返して帳票ひな形シートをコピーして作成し、前記クライアントの記録部に格納されている該当帳票レイアウト位置情報ファイルが指定する各データ項目の位置に前記帳票用データファイルの各項目を埋め込むことにより同じレイアウトの帳票をダウンロードしたデータの件数分作成することを特徴とする帳票作成方法及び帳票作成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−39590(P2010−39590A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199110(P2008−199110)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(707001399)ギルネット株式会社 (7)