帳票入力方法及びその実施装置並びにその処理プログラムを記録した記録媒体
【課題】 イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能な技術を提供する。
【解決手段】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力方法において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付けるステップと、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するステップとを有するものである。
【解決手段】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力方法において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付けるステップと、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するステップとを有するものである。
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はイメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置に関し、特にＯＣＲ帳票に記入された文字の認識結果とＯＣＲ帳票全体のイメージデータをディスプレイ上に表示すると共に認識結果の修正項目に対応するイメージ部分を強調表示する帳票入力装置に適用して有効な技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、帳票をイメージデータとして入力し、その帳票イメージデータ中の文字を認識して帳票中の文字を入力する処理が行われている。この様な文字認識の認識率は近年大きく向上しているが、帳票に書き込まれた文字の状態によっては不読・誤読文字が生じる為、帳票イメージデータから認識された文字と帳票イメージデータとを同一の画面に表示して比較し、誤って認識された文字を修正する必要がある。
【０００３】なおＯＣＲ帳票の任意の領域の全体イメージと任意の内容の添付資料のイメージを、ＯＣＲ修正画面と同時にディスプレイ装置上に表示することができるＯＣＲシステムのイメージ表示方法については特開平１１−２０３４０１号公報に記載のものが知られている。このＯＣＲシステムのイメージ表示方法では、修正画面と帳票イメージを同時にそれぞれディスプレイ上の左画面と右画面に表示させている。
【０００４】また文字認識装置により作成された認識データを簡単な表示制御の基で原稿イメージと変換された文字データを行単位で対応付けて画面に表示し、認識データの確認・修正作業を容易に成しうる様に構成した認識文字修正装置については特開平７−８５２１４号公報に記載されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前記の様に帳票イメージデータから認識された文字と帳票イメージデータとを同一の画面に表示して比較し、誤って認識された文字を修正する場合には、帳票イメージデータから認識された文字が、その帳票イメージデータ中のどの文字に対応しているかを知る必要がある。また住所を複数の項目に分けて記載する場合の様にある内容を複数の項目に分けて記載する帳票では、ある項目に記載されるべき文字が関連する他の項目に記載されていることもあるので、帳票イメージデータから認識された文字が、その帳票イメージデータ中のどの項目に関連しているかが判ると修正効率の向上が期待できる。
【０００６】しかしながら前記従来のＯＣＲシステムのイメージ表示方法では、ディスプレイ上の右画面は全帳票イメージを表示することしかできず、不読・誤読文字の修正時には対応する、または関連する全帳票イメージの部分を人の手を介して探さなければならないという問題があった。
【０００７】また長い住所を記載する場合の様に、規定の項目に記載しきれなかった文字を帳票の下部等の離れた位置にある予備の項目に続けて記載する帳票では関連する項目同士が離れている場合があるが、認識結果を表示する際には住所をまとめて一箇所に表示する等、離れて記載された関連項目の内容を近接した位置に表示した方が取り扱い易い。しかし前記従来の技術では、認識結果を帳票イメージデータと異なる書式で表示した場合の強調表示については考慮されていないという問題がある。
【０００８】本発明の目的は上記問題を解決し、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置において、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するものである。
【００１０】本発明の帳票入力装置では、イメージ入力された帳票の認識を行って帳票に記載されている内容を入力し、その内容を所定の書式に従って表示して認識結果に対する修正項目を受付ける修正画面と、イメージ入力された帳票イメージデータとを表示して、その認識結果に対する修正項目を受付ける。
【００１１】利用者から修正項目が指示されると、指示された修正項目の項目番号に対して定義されたイメージ強調枠データを読み出し、そのイメージ強調枠データで定義されている帳票イメージデータ上の座標に枠を表示して、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する。
【００１２】この強調表示により、認識結果に対する修正を行おうとしている利用者は、その修正項目が元の帳票のどの部分に対して修正を行おうとしているかを効率良く確認することができる。
【００１３】また前記所定の書式をユーザの希望する書式に変更することにより、修正画面のレイアウトを見易くして作業効率を上げることができる。修正画面中の修正項目と、帳票イメージデータ上の対応する強調枠の座標は項目番号によって対応付けられているので、修正画面のレイアウトを変更しても修正項目に対応する強調表示を行うことができる。
【００１４】以上の様に本発明の帳票入力装置によれば、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下にイメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する一実施形態の帳票入力装置について説明する。
【００１６】図１は本実施形態のＯＣＲシステムの概略構成を示す図である。図１に示す様に本実施形態のＯＣＲシステムは、帳票認識処理部１００と、強調表示処理部１０１とを有している。
【００１７】帳票認識処理部１００は、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける処理部である。強調表示処理部１０１は、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する処理部である。
【００１８】ＯＣＲシステムを帳票認識処理部１００及び強調表示処理部１０１として機能させる為のプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はＣＤ−ＲＯＭ以外の他の記録媒体でも良い。
【００１９】図１に示す様に本実施形態の帳票入力装置であるＯＣＲシステムは、ＯＣＲデータ及び帳票イメージをディスプレイ上への画面表示を行う中央処理装置１と、グラフィック画面を有するディスプレイ装置２と、キャラクタ入力するキーボード装置３と、項目の属性や画面表示位置等を記録した帳票項目定義ファイル４と、ＯＣＲ装置から読み取ったＯＣＲ帳票の認識データやイメージデータを格納しているＯＣＲ出力データ５で構成される。
【００２０】中央処理装置１は、ディスプレイ装置２上のＯＣＲデータ・帳票イメージの表示を制御するＯＣＲ出力データ表示処理６を実行する。操作者７はディスプレイ装置２上に表示されたＯＣＲデータを元にキーボード装置３を使用し、不正な読み取りデータを修正することができる。
【００２１】図２は本実施形態のＯＣＲ出力データと画面表示内容との関係の一例を示す図である。図２に示す様にＯＣＲ出力データ表示処理６の強調表示処理部１０１では、項目強調枠設定処理１１と関連項目強調枠設定処理１２とが実行される。
【００２２】図３は本実施形態の図２の画面表示内容の詳細を示す図である。図２及び図３に示す様に、項目強調枠設定処理１１と関連項目強調枠設定処理１２は、ＯＣＲ出力データ５を元に表示されたＯＣＲ修正画面・帳票全体イメージ１３を表示しているときに、強調表示を指示した時点で起動され、強調表示する項目１４の項目情報を帳票項目定義ファイル４内にある帳票の項目情報を定義した帳票項目定義データ１５内から取得し、ＯＣＲ出力データ５内の帳票全体イメージ１６に強調枠を設定し、ＯＣＲ修正画面・帳票全体イメージ１７の画面でＯＣＲ修正画面上の強調表示項目１８に対応する帳票全体イメージ上の項目１９と、関連する項目２０に強調枠を表示する。
【００２３】図４は本実施形態の項目強調枠設定処理１１の一例を示す図である。図４では、図２の強調表示処理部１０１の項目強調枠設定処理１１に必要なデータと表示項目との関係を表している。
【００２４】図５は本実施形態の図４の画面表示内容の詳細を示す図である。図４及び図５に示す様に、図２の項目強調枠設定処理１１に必要なデータは、ＯＣＲ帳票内の項目毎に項目番号やイメージ強調枠データ等を持つ帳票項目定義ファイル４、帳票毎にＯＣＲ読み取りデータや帳票全体イメージを持つＯＣＲ出力データ５である。帳票項目定義ファイル４の帳票項目定義データ１５は、ＯＣＲ修正画面のデータ２１である「９２０」の項目番号[１]の様に、項目番号で修正画面の内容と対応付けられている。この帳票項目定義データ１５は、項目番号の属性として各項目毎に修正画面上での所定の書式を示す修正画面定義情報２３やイメージ強調枠データ２４を格納している。また、ＯＣＲ出力データ５は帳票全体イメージ１６を格納している。
【００２５】まず、帳票認識処理部１００は、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を修正画面定義情報２３に示された所定の書式に従って表示し、ＯＣＲ出力データの帳票全体イメージ１６を表示して画面状態２５とし、修正を行うユーザからその認識結果に対する修正項目を受付ける。
【００２６】強調表示処理部１０１は、その修正項目の項目番号の一致するイメージ強調枠データ２４を帳票項目定義ファイル４の帳票項目定義データ１５から取得し、ＯＣＲ出力データ内の帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠データ２４を設定することにより、帳票全体イメージに項目強調枠が表示された画面状態２６の表示を行う。
【００２７】図６は本実施形態の項目強調枠設定処理１１の処理手順を示すフローチャートである。図６を用いて強調表示処理部１０１の項目強調枠設定処理１１の処理内容について説明する。
【００２８】まず、帳票全体イメージ１６をメモリ上に読み込む（Ｓ４１）。次に、ＯＣＲ修正画面内の強調表示する項目の項目番号を帳票項目定義ファイル４より取得する（Ｓ４２）。取得した項目番号を元に対応するイメージ強調枠データを取得し（Ｓ４３）、Ｓ４１でメモリ上に読み込んだ帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠を設定する（Ｓ４４）。最後にイメージ強調枠を設定したメモリ上の帳票全体イメージを描画する（Ｓ４５）。
【００２９】図７は本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の一例を示す図である。図７では強調表示処理部１０１の関連項目強調枠設定処理１２に必要なデータと表示項目との関係を表している。
【００３０】図８は本実施形態の図７の画面表示内容の詳細を示す図である。図７及び図８に示す様に、図２の関連項目強調枠設定処理１２に必要なデータは、ＯＣＲ帳票内の項目毎に項目番号・強調枠情報を持つ帳票項目定義ファイル４、帳票毎にＯＣＲ読み取りデータ・帳票全体イメージを持つＯＣＲ出力データ５である。本例では、前述したイメージ強調枠データ２４と共に、ＯＣＲ修正画面のデータ３１「９２０」の項目番号[１]に関連する情報を格納する関連番号３２を用いている。また、ＯＣＲ出力データ５は帳票全体イメージ１６を格納している。
【００３１】まず、帳票項目定義ファイル４の修正画面定義情報２３とＯＣＲ出力データの帳票全体イメージ１６より、画面状態３３の表示が行われる。次にＯＣＲ修正画面のデータ３１「９２０」の項目番号[１]に対応するイメージ強調枠データ２４を取得し、ＯＣＲ出力データ内の帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠３４を設定すると同時に、関連番号３２が項目番号[１]であるデータのイメージ強調枠データを取得し、関連項目のイメージ強調枠３５を設定することにより、帳票全体イメージに項目強調枠と関連項目強調枠が表示された画面状態３６の表示となる。
【００３２】図９は本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の処理手順を示すフローチャートである。図９を用いて強調表示処理部１０１の関連項目強調枠設定処理１２の処理内容について説明する。
【００３３】まず、帳票全体イメージをメモリ上に読み込む（Ｓ６１）。次に、ＯＣＲ修正画面内の強調表示する項目の項目番号を帳票項目定義ファイル４より取得する（Ｓ６２）。取得した項目番号を元に対応するイメージ強調枠データ２４を取得し（Ｓ６３）、メモリ上の帳票全体イメージにイメージ強調枠を設定する（Ｓ６４）。
【００３４】ここで、強調表示している項目番号の関連番号と一致する関連番号を持つ帳票項目定義データ１５を帳票項目定義ファイル４から検索する（Ｓ６５）。関連番号の一致する帳票項目定義データ１５が存在する場合はＳ６３に戻り、イメージ強調枠データ２４を取得し、イメージ強調枠を設定する。関連番号の一致する帳票項目定義データ１５が存在しなくなった場合はイメージ強調枠と関連項目強調枠を設定したメモリ上の帳票全体イメージを描画する（Ｓ６６）。
【００３５】図１０は本実施形態の修正画面の書式変更例を示す図である。図１０では長い住所を記載する予備の項目が下部に配置された帳票の修正を行う場合について表しており、図１０に示す様に本実施形態では、修正画面定義情報２３の内容を変更することにより、ＯＣＲ修正画面のレイアウトを帳票全体イメージと異なる表示とすることができる。
【００３６】規定の項目に記載しきれなかった住所を帳票の下部等の離れた位置にある予備の項目に続けて記載する帳票で長い住所を記載する場合、図１０の帳票全体イメージの様に関連する項目同士が離れている場合があるが、認識結果をＯＣＲ修正画面に表示する際には住所をまとめて一箇所に表示すると、修正を行うユーザにとって修正内容がより理解し易くなる。本実施形態では、修正画面中の修正項目と、帳票イメージデータ上の複数の関連項目の強調枠の座標は関連番号によって対応付けられているので、修正画面のレイアウトを変更しても修正項目に対応する複数の関連項目の強調表示を行うことができる。
【００３７】前記の様に本実施形態では、帳票項目定義ファイルの項目毎の属性に項目強調枠データを格納することにより、ＯＣＲ修正画面と帳票全体イメージの表示時に、ＯＣＲ修正画面の指定項目に対応する帳票全体イメージの部分に強調枠を表示することができる。また、帳票項目定義ファイルの項目毎の属性に項目強調枠データと同様に関連項目番号を格納することにより、ＯＣＲ修正画面と帳票全体イメージの表示時に、ＯＣＲ修正画面の指定項目に関連する項目について、帳票全体イメージの上の該当個所を強調枠で強調して表示することができる。
【００３８】以上説明した様に本実施形態の帳票入力装置によれば、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態のＯＣＲシステムの概略構成を示す図である。
【図２】本実施形態のＯＣＲ出力データと画面表示内容との関係の一例を示す図である。
【図３】本実施形態の図２の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図４】本実施形態の項目強調枠設定処理１１の一例を示す図である。
【図５】本実施形態の図４の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図６】本実施形態の項目強調枠設定処理１１の処理手順を示すフローチャートである。
【図７】本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の一例を示す図である。
【図８】本実施形態の図７の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図９】本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の処理手順を示すフローチャートである。
【図１０】本実施形態の修正画面の書式変更例を示す図である。
【符号の説明】
１…中央処理装置、２…ディスプレイ装置、３…キーボード装置、４…帳票項目定義ファイル、５…ＯＣＲ出力データ、６…ＯＣＲ出力データ表示処理、７…操作者、１００…帳票認識処理部、１０１…強調表示処理部、１１…項目強調枠設定処理、１２…関連項目強調枠設定処理、１３…帳票全体イメージ、１４…強調表示する項目、１５…帳票項目定義データ、１６…帳票全体イメージ、１７…帳票全体イメージ、１８…強調表示項目、１９…強調表示項目１８に対応する帳票全体イメージ上の項目、２０…関連する項目、２１…ＯＣＲ修正画面のデータ、２２…項目番号、２３…修正画面定義情報、２４…イメージ強調枠データ、２５…画面状態、２６…画面状態、３１…ＯＣＲ修正画面のデータ、３２…関連番号、３３…画面状態、３４…イメージ強調枠、３５…イメージ強調枠、３６…画面状態。
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明はイメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置に関し、特にＯＣＲ帳票に記入された文字の認識結果とＯＣＲ帳票全体のイメージデータをディスプレイ上に表示すると共に認識結果の修正項目に対応するイメージ部分を強調表示する帳票入力装置に適用して有効な技術に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、帳票をイメージデータとして入力し、その帳票イメージデータ中の文字を認識して帳票中の文字を入力する処理が行われている。この様な文字認識の認識率は近年大きく向上しているが、帳票に書き込まれた文字の状態によっては不読・誤読文字が生じる為、帳票イメージデータから認識された文字と帳票イメージデータとを同一の画面に表示して比較し、誤って認識された文字を修正する必要がある。
【０００３】なおＯＣＲ帳票の任意の領域の全体イメージと任意の内容の添付資料のイメージを、ＯＣＲ修正画面と同時にディスプレイ装置上に表示することができるＯＣＲシステムのイメージ表示方法については特開平１１−２０３４０１号公報に記載のものが知られている。このＯＣＲシステムのイメージ表示方法では、修正画面と帳票イメージを同時にそれぞれディスプレイ上の左画面と右画面に表示させている。
【０００４】また文字認識装置により作成された認識データを簡単な表示制御の基で原稿イメージと変換された文字データを行単位で対応付けて画面に表示し、認識データの確認・修正作業を容易に成しうる様に構成した認識文字修正装置については特開平７−８５２１４号公報に記載されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前記の様に帳票イメージデータから認識された文字と帳票イメージデータとを同一の画面に表示して比較し、誤って認識された文字を修正する場合には、帳票イメージデータから認識された文字が、その帳票イメージデータ中のどの文字に対応しているかを知る必要がある。また住所を複数の項目に分けて記載する場合の様にある内容を複数の項目に分けて記載する帳票では、ある項目に記載されるべき文字が関連する他の項目に記載されていることもあるので、帳票イメージデータから認識された文字が、その帳票イメージデータ中のどの項目に関連しているかが判ると修正効率の向上が期待できる。
【０００６】しかしながら前記従来のＯＣＲシステムのイメージ表示方法では、ディスプレイ上の右画面は全帳票イメージを表示することしかできず、不読・誤読文字の修正時には対応する、または関連する全帳票イメージの部分を人の手を介して探さなければならないという問題があった。
【０００７】また長い住所を記載する場合の様に、規定の項目に記載しきれなかった文字を帳票の下部等の離れた位置にある予備の項目に続けて記載する帳票では関連する項目同士が離れている場合があるが、認識結果を表示する際には住所をまとめて一箇所に表示する等、離れて記載された関連項目の内容を近接した位置に表示した方が取り扱い易い。しかし前記従来の技術では、認識結果を帳票イメージデータと異なる書式で表示した場合の強調表示については考慮されていないという問題がある。
【０００８】本発明の目的は上記問題を解決し、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能な技術を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明は、イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置において、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するものである。
【００１０】本発明の帳票入力装置では、イメージ入力された帳票の認識を行って帳票に記載されている内容を入力し、その内容を所定の書式に従って表示して認識結果に対する修正項目を受付ける修正画面と、イメージ入力された帳票イメージデータとを表示して、その認識結果に対する修正項目を受付ける。
【００１１】利用者から修正項目が指示されると、指示された修正項目の項目番号に対して定義されたイメージ強調枠データを読み出し、そのイメージ強調枠データで定義されている帳票イメージデータ上の座標に枠を表示して、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する。
【００１２】この強調表示により、認識結果に対する修正を行おうとしている利用者は、その修正項目が元の帳票のどの部分に対して修正を行おうとしているかを効率良く確認することができる。
【００１３】また前記所定の書式をユーザの希望する書式に変更することにより、修正画面のレイアウトを見易くして作業効率を上げることができる。修正画面中の修正項目と、帳票イメージデータ上の対応する強調枠の座標は項目番号によって対応付けられているので、修正画面のレイアウトを変更しても修正項目に対応する強調表示を行うことができる。
【００１４】以上の様に本発明の帳票入力装置によれば、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下にイメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する一実施形態の帳票入力装置について説明する。
【００１６】図１は本実施形態のＯＣＲシステムの概略構成を示す図である。図１に示す様に本実施形態のＯＣＲシステムは、帳票認識処理部１００と、強調表示処理部１０１とを有している。
【００１７】帳票認識処理部１００は、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける処理部である。強調表示処理部１０１は、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する処理部である。
【００１８】ＯＣＲシステムを帳票認識処理部１００及び強調表示処理部１０１として機能させる為のプログラムは、ＣＤ−ＲＯＭ等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はＣＤ−ＲＯＭ以外の他の記録媒体でも良い。
【００１９】図１に示す様に本実施形態の帳票入力装置であるＯＣＲシステムは、ＯＣＲデータ及び帳票イメージをディスプレイ上への画面表示を行う中央処理装置１と、グラフィック画面を有するディスプレイ装置２と、キャラクタ入力するキーボード装置３と、項目の属性や画面表示位置等を記録した帳票項目定義ファイル４と、ＯＣＲ装置から読み取ったＯＣＲ帳票の認識データやイメージデータを格納しているＯＣＲ出力データ５で構成される。
【００２０】中央処理装置１は、ディスプレイ装置２上のＯＣＲデータ・帳票イメージの表示を制御するＯＣＲ出力データ表示処理６を実行する。操作者７はディスプレイ装置２上に表示されたＯＣＲデータを元にキーボード装置３を使用し、不正な読み取りデータを修正することができる。
【００２１】図２は本実施形態のＯＣＲ出力データと画面表示内容との関係の一例を示す図である。図２に示す様にＯＣＲ出力データ表示処理６の強調表示処理部１０１では、項目強調枠設定処理１１と関連項目強調枠設定処理１２とが実行される。
【００２２】図３は本実施形態の図２の画面表示内容の詳細を示す図である。図２及び図３に示す様に、項目強調枠設定処理１１と関連項目強調枠設定処理１２は、ＯＣＲ出力データ５を元に表示されたＯＣＲ修正画面・帳票全体イメージ１３を表示しているときに、強調表示を指示した時点で起動され、強調表示する項目１４の項目情報を帳票項目定義ファイル４内にある帳票の項目情報を定義した帳票項目定義データ１５内から取得し、ＯＣＲ出力データ５内の帳票全体イメージ１６に強調枠を設定し、ＯＣＲ修正画面・帳票全体イメージ１７の画面でＯＣＲ修正画面上の強調表示項目１８に対応する帳票全体イメージ上の項目１９と、関連する項目２０に強調枠を表示する。
【００２３】図４は本実施形態の項目強調枠設定処理１１の一例を示す図である。図４では、図２の強調表示処理部１０１の項目強調枠設定処理１１に必要なデータと表示項目との関係を表している。
【００２４】図５は本実施形態の図４の画面表示内容の詳細を示す図である。図４及び図５に示す様に、図２の項目強調枠設定処理１１に必要なデータは、ＯＣＲ帳票内の項目毎に項目番号やイメージ強調枠データ等を持つ帳票項目定義ファイル４、帳票毎にＯＣＲ読み取りデータや帳票全体イメージを持つＯＣＲ出力データ５である。帳票項目定義ファイル４の帳票項目定義データ１５は、ＯＣＲ修正画面のデータ２１である「９２０」の項目番号[１]の様に、項目番号で修正画面の内容と対応付けられている。この帳票項目定義データ１５は、項目番号の属性として各項目毎に修正画面上での所定の書式を示す修正画面定義情報２３やイメージ強調枠データ２４を格納している。また、ＯＣＲ出力データ５は帳票全体イメージ１６を格納している。
【００２５】まず、帳票認識処理部１００は、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を修正画面定義情報２３に示された所定の書式に従って表示し、ＯＣＲ出力データの帳票全体イメージ１６を表示して画面状態２５とし、修正を行うユーザからその認識結果に対する修正項目を受付ける。
【００２６】強調表示処理部１０１は、その修正項目の項目番号の一致するイメージ強調枠データ２４を帳票項目定義ファイル４の帳票項目定義データ１５から取得し、ＯＣＲ出力データ内の帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠データ２４を設定することにより、帳票全体イメージに項目強調枠が表示された画面状態２６の表示を行う。
【００２７】図６は本実施形態の項目強調枠設定処理１１の処理手順を示すフローチャートである。図６を用いて強調表示処理部１０１の項目強調枠設定処理１１の処理内容について説明する。
【００２８】まず、帳票全体イメージ１６をメモリ上に読み込む（Ｓ４１）。次に、ＯＣＲ修正画面内の強調表示する項目の項目番号を帳票項目定義ファイル４より取得する（Ｓ４２）。取得した項目番号を元に対応するイメージ強調枠データを取得し（Ｓ４３）、Ｓ４１でメモリ上に読み込んだ帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠を設定する（Ｓ４４）。最後にイメージ強調枠を設定したメモリ上の帳票全体イメージを描画する（Ｓ４５）。
【００２９】図７は本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の一例を示す図である。図７では強調表示処理部１０１の関連項目強調枠設定処理１２に必要なデータと表示項目との関係を表している。
【００３０】図８は本実施形態の図７の画面表示内容の詳細を示す図である。図７及び図８に示す様に、図２の関連項目強調枠設定処理１２に必要なデータは、ＯＣＲ帳票内の項目毎に項目番号・強調枠情報を持つ帳票項目定義ファイル４、帳票毎にＯＣＲ読み取りデータ・帳票全体イメージを持つＯＣＲ出力データ５である。本例では、前述したイメージ強調枠データ２４と共に、ＯＣＲ修正画面のデータ３１「９２０」の項目番号[１]に関連する情報を格納する関連番号３２を用いている。また、ＯＣＲ出力データ５は帳票全体イメージ１６を格納している。
【００３１】まず、帳票項目定義ファイル４の修正画面定義情報２３とＯＣＲ出力データの帳票全体イメージ１６より、画面状態３３の表示が行われる。次にＯＣＲ修正画面のデータ３１「９２０」の項目番号[１]に対応するイメージ強調枠データ２４を取得し、ＯＣＲ出力データ内の帳票全体イメージ１６にイメージ強調枠３４を設定すると同時に、関連番号３２が項目番号[１]であるデータのイメージ強調枠データを取得し、関連項目のイメージ強調枠３５を設定することにより、帳票全体イメージに項目強調枠と関連項目強調枠が表示された画面状態３６の表示となる。
【００３２】図９は本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の処理手順を示すフローチャートである。図９を用いて強調表示処理部１０１の関連項目強調枠設定処理１２の処理内容について説明する。
【００３３】まず、帳票全体イメージをメモリ上に読み込む（Ｓ６１）。次に、ＯＣＲ修正画面内の強調表示する項目の項目番号を帳票項目定義ファイル４より取得する（Ｓ６２）。取得した項目番号を元に対応するイメージ強調枠データ２４を取得し（Ｓ６３）、メモリ上の帳票全体イメージにイメージ強調枠を設定する（Ｓ６４）。
【００３４】ここで、強調表示している項目番号の関連番号と一致する関連番号を持つ帳票項目定義データ１５を帳票項目定義ファイル４から検索する（Ｓ６５）。関連番号の一致する帳票項目定義データ１５が存在する場合はＳ６３に戻り、イメージ強調枠データ２４を取得し、イメージ強調枠を設定する。関連番号の一致する帳票項目定義データ１５が存在しなくなった場合はイメージ強調枠と関連項目強調枠を設定したメモリ上の帳票全体イメージを描画する（Ｓ６６）。
【００３５】図１０は本実施形態の修正画面の書式変更例を示す図である。図１０では長い住所を記載する予備の項目が下部に配置された帳票の修正を行う場合について表しており、図１０に示す様に本実施形態では、修正画面定義情報２３の内容を変更することにより、ＯＣＲ修正画面のレイアウトを帳票全体イメージと異なる表示とすることができる。
【００３６】規定の項目に記載しきれなかった住所を帳票の下部等の離れた位置にある予備の項目に続けて記載する帳票で長い住所を記載する場合、図１０の帳票全体イメージの様に関連する項目同士が離れている場合があるが、認識結果をＯＣＲ修正画面に表示する際には住所をまとめて一箇所に表示すると、修正を行うユーザにとって修正内容がより理解し易くなる。本実施形態では、修正画面中の修正項目と、帳票イメージデータ上の複数の関連項目の強調枠の座標は関連番号によって対応付けられているので、修正画面のレイアウトを変更しても修正項目に対応する複数の関連項目の強調表示を行うことができる。
【００３７】前記の様に本実施形態では、帳票項目定義ファイルの項目毎の属性に項目強調枠データを格納することにより、ＯＣＲ修正画面と帳票全体イメージの表示時に、ＯＣＲ修正画面の指定項目に対応する帳票全体イメージの部分に強調枠を表示することができる。また、帳票項目定義ファイルの項目毎の属性に項目強調枠データと同様に関連項目番号を格納することにより、ＯＣＲ修正画面と帳票全体イメージの表示時に、ＯＣＲ修正画面の指定項目に関連する項目について、帳票全体イメージの上の該当個所を強調枠で強調して表示することができる。
【００３８】以上説明した様に本実施形態の帳票入力装置によれば、所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【００３９】
【発明の効果】本発明によれば所定の書式に従って表示された帳票の認識結果への修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するので、イメージ入力された帳票の認識結果を修正する際に修正・確認の視認性を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施形態のＯＣＲシステムの概略構成を示す図である。
【図２】本実施形態のＯＣＲ出力データと画面表示内容との関係の一例を示す図である。
【図３】本実施形態の図２の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図４】本実施形態の項目強調枠設定処理１１の一例を示す図である。
【図５】本実施形態の図４の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図６】本実施形態の項目強調枠設定処理１１の処理手順を示すフローチャートである。
【図７】本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の一例を示す図である。
【図８】本実施形態の図７の画面表示内容の詳細を示す図である。
【図９】本実施形態の関連項目強調枠設定処理１２の処理手順を示すフローチャートである。
【図１０】本実施形態の修正画面の書式変更例を示す図である。
【符号の説明】
１…中央処理装置、２…ディスプレイ装置、３…キーボード装置、４…帳票項目定義ファイル、５…ＯＣＲ出力データ、６…ＯＣＲ出力データ表示処理、７…操作者、１００…帳票認識処理部、１０１…強調表示処理部、１１…項目強調枠設定処理、１２…関連項目強調枠設定処理、１３…帳票全体イメージ、１４…強調表示する項目、１５…帳票項目定義データ、１６…帳票全体イメージ、１７…帳票全体イメージ、１８…強調表示項目、１９…強調表示項目１８に対応する帳票全体イメージ上の項目、２０…関連する項目、２１…ＯＣＲ修正画面のデータ、２２…項目番号、２３…修正画面定義情報、２４…イメージ強調枠データ、２５…画面状態、２６…画面状態、３１…ＯＣＲ修正画面のデータ、３２…関連番号、３３…画面状態、３４…イメージ強調枠、３５…イメージ強調枠、３６…画面状態。
【特許請求の範囲】
【請求項１】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力方法において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付けるステップと、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するステップとを有することを特徴とする帳票入力方法。
【請求項２】 前記受付けた修正項目に関連する関連項目に対応したイメージ部分を強調表示するステップを有することを特徴とする請求項１に記載された帳票入力方法。
【請求項３】 前記所定の書式は帳票イメージデータで表示される書式とは異なる書式であることを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記載された帳票入力方法。
【請求項４】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける帳票認識処理部と、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する強調表示処理部とを備えることを特徴とする帳票入力装置。
【請求項５】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける帳票認識処理部と、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する強調表示処理部としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【請求項１】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力方法において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付けるステップと、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示するステップとを有することを特徴とする帳票入力方法。
【請求項２】 前記受付けた修正項目に関連する関連項目に対応したイメージ部分を強調表示するステップを有することを特徴とする請求項１に記載された帳票入力方法。
【請求項３】 前記所定の書式は帳票イメージデータで表示される書式とは異なる書式であることを特徴とする請求項１または請求項２のいずれかに記載された帳票入力方法。
【請求項４】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける帳票認識処理部と、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する強調表示処理部とを備えることを特徴とする帳票入力装置。
【請求項５】 イメージ入力された帳票の認識を行って帳票の記載内容を入力する帳票入力装置としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、イメージ入力された帳票の認識によって入力された内容を所定の書式に従って表示し、その認識結果に対する修正項目を受付ける帳票認識処理部と、前記イメージ入力された帳票イメージデータ全体の内で、前記受付けた修正項目に対応する特定のイメージ部分を強調表示する強調表示処理部としてコンピュータを機能させる為のプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
【図１】
【図６】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図７】
【図８】
【図１０】
【図６】
【図９】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図７】
【図８】
【図１０】
【公開番号】特開２００２−７９５１（Ｐ２００２−７９５１Ａ）
【公開日】平成１４年１月１１日（２００２．１．１１）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０００−１８２４５６（Ｐ２０００−１８２４５６）
【出願日】平成１２年６月１９日（２０００．６．１９）
【出願人】（０００００５１０８）株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】（０００２３３０５５）日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１４年１月１１日（２００２．１．１１）
【国際特許分類】
【出願日】平成１２年６月１９日（２０００．６．１９）
【出願人】（０００００５１０８）株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】（０００２３３０５５）日立ソフトウエアエンジニアリング株式会社 (1,610)
【Ｆターム（参考）】
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