説明

帳票生成装置、帳票生成方法および帳票生成プログラム

【課題】表現力のより高い方法で、かつクライアント端末の環境により依存しない帳票生成装置を提供する。
【解決手段】帳票生成装置は、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データを帳票サーバから受信して記憶し、帳票定義データに基づいて複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムを帳票サーバから受信して記憶し、自装置に対応するベクター言語の種別を判定し、変換プログラムを用いて、帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別の判定結果に応じたベクター言語により記述されたベクター記述データを生成し、生成したベクター記述データに基づくベクター画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帳票データを処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等のネットワークや情報処理技術の発達に伴って、紙媒体の帳票を電子化した帳票データを処理する帳票システムが利用されている。例えば、特許文献1には、帳票サーバが、HTML(HyperText Markup Language)によって記述した帳票データをクライアント端末に送信して表示させる技術が記載されている。特許文献2には、帳票サーバがPDF(Portable Document Format)形式の帳票データを生成し、生成した帳票データをクライアント端末に送信して表示させる技術が記載されている。非特許文献1には、クライアント端末において特定のクライアント端末の環境に依存する特殊なアプリケーション技術であるActiveX(登録商標)を利用して、帳票データへの情報入力や帳票の印刷などを行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−6556号公報
【特許文献2】特開2005−71066号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】“SVF”、[online]、[平成22年01月14日検索]、インターネットURL:http://www.wingarc.com/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では帳票データの記述にHTMLを用いているため、例えば曲線などが含まれる帳票データを表現することができない。また規定帳票で使われる表の四隅に丸みをつけるような表現もできず、規定帳票そのままのインタフェースを表現できない。また、HTMLはクライアント端末の実行環境によって詳細な表示が異なる場合があるため、OS(Operating System)やブラウザの種別毎に異なるHTMLデータを予め生成しておいたり、リクエストに応じてサーバが動的に生成したりする必要があり、帳票設計や帳票管理などが複雑となり過大な運用負荷、または処理負荷がかかる。特許文献2の技術では、クライアント端末がPDF形式のデータを読み込んで表示する表示アプリケーション(Adobe(登録商標)Reader)を備えていなければ帳票データを表示できないため、クライアント端末の環境に依存する。この場合、ユーザが主体的にクライアント端末を操作して、定められた表示アプリケーションのインストールを行わなければ帳票データが表示できず、インストール後もセキュリティ上バージョンアップを行うケースもあり、操作を行うことが煩雑である場合がある。非特許文献1の技術についても同様に、クライアント端末が特殊なアプリケーション技術を実行する機能を備えていなければ帳票処理が行えないため、クライアント端末の環境に依存するという問題がある。ここで、帳票データの処理においては、規定帳票そのままのインタフェースを表現可能で、かつクライアント端末の環境に依存しないことが望ましい。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、表現力のより高い方法で、かつクライアント端末の環境に依存しない帳票生成装置、帳票生成方法および帳票生成プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明は、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するベクター画像制御部を備え、ネットワークを介して接続された帳票サーバから送信される情報に基づいて帳票データを生成する帳票生成装置であって、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部と、帳票サーバから、帳票定義データを取得して帳票定義データ記憶部に記憶させる帳票定義データ取得部と、帳票サーバから、変換プログラムを取得して変換プログラム記憶部に記憶させる変換プログラム取得部と、ベクター画像制御部に対応するベクター言語の種別を判定するベクター言語種別判定部と、変換プログラム記憶部に記憶された変換プログラムを用いて、帳票定義データ記憶部に記憶された帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別判定部による判定結果に応じたベクター言語により記述されたベクター記述データを生成する制御部と、制御部によって生成されたベクター記述データに基づいて生成されるベクター画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上述の帳票定義データには、データ入力を受付ける帳票要素が含まれ、変換プログラムには、データ入力を受付ける帳票要素を、ベクター言語以外のデータ入力を受付ける入力フォーム記述要素に変換するプログラムが含まれ、制御部は、変換プログラムを用いて、データ入力を受付ける帳票要素を、ベクター言語以外のデータ入力を受付ける入力フォーム記述要素に変換することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、制御部が、データ入力を受付ける帳票要素に応じて入力された情報に基づいてベクター記述データを生成することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、制御部が、帳票要素を拡大または縮小したベクター記述データを生成することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部とを有する帳票生成装置と、帳票生成装置にネットワークを介して接続された帳票サーバとを備える帳票システムの帳票生成方法であって、帳票生成装置が、帳票サーバから、帳票定義データを取得して帳票定義データ記憶部に記憶させるステップと、帳票サーバから、変換プログラムを取得して変換プログラム記憶部に記憶させるステップと、ベクター画像制御部に対応するベクター言語の種別を判定するステップと、変換プログラム記憶部に記憶された変換プログラムを用いて、帳票定義データ記憶部に記憶された帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別の判定結果に応じたベクター言語により記述されたベクター記述データを生成するステップと、生成したベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するステップと、生成したベクター画像を表示するステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部とを有する帳票生成装置のコンピュータに、ネットワークを介して接続された帳票サーバから、帳票定義データを取得して帳票定義データ記憶部に記憶させるステップと、帳票サーバから、変換プログラムを取得して変換プログラム記憶部に記憶させるステップと、ベクター画像制御部に対応するベクター言語の種別を判定するステップと、変換プログラム記憶部に記憶された変換プログラムを用いて、帳票定義データ記憶部に記憶された帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別の判定結果に応じたベクター言語により記述されたベクター記述データを生成するステップと、生成したベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するステップと、生成したベクター画像を表示するステップと、を実行させる帳票生成プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、帳票生成装置は、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データを帳票サーバから受信して記憶し、帳票定義データに基づいて複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムを帳票サーバから受信して記憶し、自装置に対応するベクター言語の種別を判定し、変換プログラムを用いて、帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別の判定結果に応じたベクター言語により記述されたベクター記述データを生成し、生成したベクター記述データに基づくベクター画像を表示するようにしたので、表現力のより高い方法で、かつクライアント端末の環境に依存しない帳票生成装置、帳票システムおよび帳票生成プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態による帳票システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるHTMLデータ記憶部に記憶されるHTMLデータのデータ例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による帳票定義データのデータ例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるベクター言語種別判定処理のプログラムコード例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるSVG変換処理における帳票要素の対応表を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態によるVML変換処理における帳票要素の対応表を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による帳票定義データの変換手順を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による変換処理のプログラムコード例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による帳票サービスのログイン画面例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による帳票データ表示処理の動作例を示すフローチャートである。
【図11】本発明の一実施形態による帳票定義データに入力項目が含まれる場合の変換例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による入力項目が含まれるベクター画像の表示例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態によるイベントに応じてベクター記述データを変換する場合のベクター記述データと変換プログラムコードとの例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態によるこのようにベクター記述データを変換してベクター画像を変換する場合の表示例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態によるこのようなベクター記述データの変換前後のベクター記述データの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。本実施形態では、異なる種別のウェブブラウザ間でも共通に利用できるプログラミング言語であるクライアントスクリプト(JavaScript(登録商標))を利用して、クライアント端末におけるウェブブラウザのメモリ内のデータ構造を直接操作し、画面表示を更新する技法(Dynamic HTML、Ajax)を用いる事により、ウェブブラウザの種別に応じた帳票データのベクター画像をクライアント端末に表示させることを可能とする。ここで、ベクター画像は、ベクター言語によって記述されたベクター記述データをウェブブラウザが解釈することによりクライアント端末において生成される画像であり、曲線等の表現が可能である。
【0016】
一般的に用いられるベクター言語には、例えばSVG(Scalable Vector Graphics)やVML(Vector Markup Language)が存在し、多くのウェブブラウザがこのようなベクター言語で記述されたベクター記述データに基づいてベクター画像を生成する機能を備えている。しかし、例えばウェブブラウザであるInternet Explorer(登録商標)はVMLを解釈してベクター画像を表示するベクター画像制御部を備えるが、SVGを解釈する機能を備えていない。一方、例えばFirefox(登録商標)はSVGを解釈してベクター画像を表示するベクター画像制御部を備えるが、VMLを解釈する機能を備えていない。そこで、本実施形態では、帳票構造が定義された帳票定義データと、この帳票定義データに基づいてクライアント端末のウェブブラウザに対応するベクター記述データを生成する変換プログラムとを帳票サーバに予め記憶させ、クライアント端末が帳票サーバからそれらをダウンロードする。クライアント端末は、ダウンロードした変換プログラムに基づいて自装置が解釈可能なベクター言語を判定し、判定結果に応じて、帳票定義データに基づいて自装置が解釈可能なベクター言語を用いて記述されたベクター記述データを生成する。そして、生成したベクター記述データをウェブブラウザのメモリ内に挿入し、ウェブブラウザがベクター記述データを解釈してベクター画像を生成することにより、画面に表示させる。
【0017】
図1は、本実施形態による帳票システム1の構成を示すブロック図である。帳票システム1は、複数台のクライアント端末1000−N(クライアント端末1000−1、クライアント端末1000−2、・・・)と、帳票サーバ2000とのコンピュータ装置を備えている。ここで、複数台のクライアント端末1000−Nは同様の構成であるため、特に区別をしない場合にはクライアント端末1000として説明する。
【0018】
クライアント端末1000は、ネットワークを介して接続された帳票サーバ2000から送信される情報に基づいて帳票データを生成する帳票生成装置である。クライアント端末1000には、いわゆるPC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末などが適用できる。ここで、クライアント端末1000のOSは特定の種別に限定されるものではなく、例えば、Windows(登録商標)OS、Mac(登録商標)OS、LINUX(登録商標)、携帯機器用プラットフォームであるAndroid(登録商標)等のいずれでも良い。
【0019】
また、クライアント端末1000が備えるウェブブラウザ1300も、特定の種別に限定されるものではなく、SVGが表示可能なブラウザであるFirefox(登録商標)、Safari(登録商標)、Opera(登録商標)、あるいはVMLが表示可能なブラウザであるIE(Internet Explorer(登録商標))等のいずれでも良い。このように、本実施形態におけるクライアント端末1000は、そのOSもウェブブラウザも特定の種別に限定されるものではない。クライアント端末1000は、表示部1100と、入力部1200と、ウェブブラウザ1300とを備えている。
【0020】
表示部1100は、帳票サーバ2000から送信される情報等や入力部1200によって入力される情報などが表示されるディスプレイである。表示部1100には、ベクター記述データ生成部1533によって生成されたベクター記述データに基づいて生成されるベクター画像が表示される。
入力部1200は、ユーザからの情報入力を受付ける。入力部1200には、例えば、キーボードやマウスなどのデバイスが適用できる。
【0021】
ウェブブラウザ1300は、インターネット等のネットワークを介して帳票サーバ2000と通信を行って受信した情報等を表示部1100に表示させる。ウェブブラウザ1300は、記憶部1400と、制御部1500とを備えている。
記憶部1400は、HTMLデータ記憶部1410と、帳票定義データ記憶部1420と、変換プログラム記憶部1430とを備えている。
【0022】
HTMLデータ記憶部1410には、帳票サーバ2000から送信されるHTMLデータが記憶される。HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータは、制御部1500のHTML制御部1510によって監視されており、HTML制御部1510によって解釈されてレンダリングされ、画像データとして表示部1100に表示される。ここでは、ウェブブラウザ1300によって帳票サーバ2000に接続すると、帳票サーバ2000からHTMLデータが送信され、HTMLデータ記憶部1410に記憶される。
【0023】
図2は、HTMLデータ記憶部1410に記憶されるHTMLデータのデータ例を示す図である。HTMLデータには、符号aに示すように、変換プログラムのファイルの取得先のURLを示すSCRIPT要素が含まれる。制御部1500によって、このURLに応じたスクリプトファイルが取得される。また、HTMLデータには、符号bに示すように、複数のタグを包含するタグであるDIV要素が含まれる。DIV要素は、ベクター記述データ生成部1533によって生成されるベクター記述データに基づくベクター画像の表示領域として確保される。また、DIV要素には、対応する帳票を定義した帳票定義データを識別する帳票IDが含まれる。後述する帳票定義データ取得部1531によって、この帳票IDに応じた帳票定義データが取得される。ベクター記述データ生成部1533によってこのDIV要素にHTML要素またはベクター要素が追加され、HTMLデータ記憶部1410に記憶されることで、帳票データが生成される。なお、本実施形態においては、DIV要素中に帳票IDを定義しているが、HTMLデータ内のSCRIPT要素中やその他の要素中に定義しても良く、帳票サーバ2000へ帳票IDを事前に送信しておき、一連の動作が完了するまで記憶部2100内に保持しておいても良い。
【0024】
帳票定義データ記憶部1420には、定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される。帳票定義データは、HTMLデータのDIV要素に含まれる帳票IDに応じて帳票定義データ取得部1531によって取得される。図3は、帳票定義データ記憶部1420に記憶される帳票定義データのデータ例を示す図である。帳票定義データは、複数種別のベクター言語に共通する帳票データ構造が定義されたファイルであり、ベクター言語の帳票の種別毎に帳票ID、帳票の描画領域、帳票レイアウト情報(線(line)、矩形(rect)、角丸矩形、円、横書きテキスト、縦書きテキスト、数値入力フィールド、単一行入力フィールド、複数行入力フィールド、チェックボックス、ラジオボタン、コンボボックス、ボタン、バーコード、二次元バーコード等の情報)などの帳票要素がXML言語により表現されて記述される。
【0025】
変換プログラム記憶部1430には、帳票定義データ記憶部1420に記憶された帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語に応じたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される。変換プログラムは、HTMLデータのSCRIPT要素によって示された、ファイルの取得先のURLより取得する。変換プログラムは、クライアントスクリプト制御部1530によって動作されるため、その処理内容は後述するクライアントスクリプト制御部1530において説明する。
【0026】
制御部1500は、HTML制御部1510と、ベクター画像制御部1520と、クライアントスクリプト制御部1530とを備えている。
HTML制御部1510は、HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータを読み出し、読み出したHTMLデータを解釈してレンダリングし、画像データを生成して表示部1100に表示する。また、HTML制御部1510は、HTMLデータを解釈する際、HTMLデータに画像ファイルやスクリプトファイルなどの取得先URLが含まれる場合には、通信部1600を介して取得先URLに接続し、ファイルを取得する。ここでは、HTML制御部1510は、HTMLデータのSCRIPT要素によって示される変換プログラムを帳票サーバ2000から取得して変換プログラム記憶部1430に記憶させる。
【0027】
ベクター画像制御部1520は、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語に応じて記述されたベクター記述データに基づいてベクター画像を生成する。ベクター画像制御部1520は、例えばSVGやVMLなどのベクター言語のうちいずれかのベクター言語を解釈してベクター画像を生成する。上述したように、対応するベクター言語はウェブブラウザの種別により異なる。ここでは、ベクター画像制御部1520は、HTMLデータ記憶部1410に記憶されるHTMLデータのDIV要素に含まれるベクター記述データを読み出し、ベクター画像を生成する。
このように、表示部1100に表示される画像データのうち、HTML部分はHTML制御部1510によって、ベクター画像部分はベクター画像制御部1520によって解釈される。
【0028】
クライアントスクリプト制御部1530は、定められたクライアントスクリプトを実行する。例えば、クライアントスクリプト制御部1530は、HTMLデータのSCRIPT要素に含まれるスクリプトや、変換プログラム記憶部1430に記憶された変換プログラムのスクリプト等を実行する。ここで、クライアントスクリプト制御部1530は、変換プログラム記憶部1430に記憶された変換プログラムを実行し、帳票IDに基づいて帳票サーバ2000から帳票定義データを取得して帳票定義データ記憶部1420に記憶させ、帳票定義データに基づいて、自装置のベクター画像制御部1520に対応するベクター言語により記述されたベクター記述データを生成する。クライアントスクリプト制御部1530は、帳票定義データ取得部1531と、ベクター言語種別判定部1532と、ベクター記述データ生成部1533との機能部を備えている。これらの機能部は、帳票サーバ2000から送信されたHTMLデータのSCRIPT要素によって読み込まれた変換プログラムにより構成される。
【0029】
帳票定義データ取得部1531は、通信部1600を介して帳票サーバ2000と通信を行い、HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータのDIV要素に含まれる帳票IDに対応する帳票定義データを、帳票サーバ2000から取得する。ここで、帳票定義データ取得部1531は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信を行うためのJavaScript(登録商標)組み込みクラスであるXMLHttpRequestによる非同期通信を利用して、ウェブページの再読込みを行うことなく帳票定義データを取得する。
【0030】
ベクター言語種別判定部1532は、ベクター画像制御部1520に対応するベクター言語の種別を判定する。ベクター言語種別判定部1532は、例えば、ウェブブラウザ1300の種別を判定することにより、自身のウェブブラウザ1300が備えるベクター画像制御部1520が対応するベクター言語の種別を判定する。例えば、図4は、ベクター言語種別判定部1532によるベクター言語種別判定処理のプログラムコード例を示す図である。ベクター言語種別判定部1532は、例えばウェブブラウザのユーザエージェントの情報を取得し、取得した情報に特定の文字列が含まれるか否かに応じて、利用するベクター言語の種別を判定する。ここでは、ウェブブラウザのユーザエージェントの情報に「MSIE」という文字列が含まれている場合には、VMLのベクター言語に対応すると判定し、「MSIE」という文字列が含まれていない場合には、SVGのベクター言語に対応すると判定する。
【0031】
ベクター記述データ生成部1533は、帳票定義データ記憶部1420に記憶された帳票定義データに基づいて、ベクター言語種別判定部1532による判定結果に応じたベクター言語により記述されたDOM(Document Object Model)ツリーであるベクター記述データを生成する。ベクター記述データ生成部1533は、生成したベクター記述データを、HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータに含まれるDIV要素に追加して記憶させる。
【0032】
図5は、ベクター記述データ生成部1533によるSVGへの変換処理における帳票要素の対応表を示す図であり、図6は、ベクター記述データ生成部1533によるVMLへの変換処理における帳票要素の対応表を示す図である。変換プログラムは、このような帳票定義データにおける帳票要素とベクター画像におけるベクター要素との対応関係に基づいて、帳票要素を変換してVML要素やSVG要素を生成するプログラムである。
【0033】
例えば、図7は、ベクター記述データ生成部1533による帳票定義データの変換手順を示す図である。符号aに示すような帳票定義データが存在する場合、ベクター記述データ生成部1533は、XMLパーサを用いて符号b−1に示されるようなDOMツリーを構築する(ステップS10)。ベクター記述データ生成部1533は、DOMツリーにおける上位の帳票要素であるgroup要素を符号b−2に示されるようなVMLのgroup要素に変換する(ステップS11)。次に、符号c−1に示されるようにgroup要素の子要素であるline要素をVMLのline要素に変換し、符号c−2に示されるようにステップS11において生成した親要素に接続させる(ステップS12)。図8は、このようなベクター記述データ生成部1533による変換処理のプログラムコード例を示す図である。
【0034】
例えば、帳票定義データにおいて、以下のような帳票要素があるとする。
<line id="帳票ID_ln001" x1="1400" y1="460" x2="1860" y2="460" stroke="black" stroke_width="1" stroke_dasharray="solid"/>
このとき、ベクター記述データ生成部1533は、ベクター言語種別判定部1532によって判定されたベクター言語がSVGであれば、以下のようなベクター要素を生成する。
<svg:line id="帳票ID_ln001" name="帳票ID_ln001" x1="1400" y1="460" x2="1860" y2="460" stroke="black" stroke-width="1"/>
一方、ベクター言語種別判定部1532によって判定されたベクター言語がVMLであれば、以下のようなベクター要素を生成する。
<line id=”帳票ID_ln001” name="帳票ID_ln001" from = "1400,460" to = "1860,460" strokecolor = "black" strokeweight = "1pt"></line>
【0035】
通信部1600は、帳票サーバと通信を行い、HTMLデータ、帳票定義データ、変換プログラムなどを受信する。
【0036】
帳票サーバ2000は、HTMLデータ、帳票定義データ、変換プログラムなどの情報を配信し、クライアント端末1000に帳票サービスを提供するコンピュータ装置である。また、帳票サーバ2000には、ユーザ毎のユーザIDとパスワードとの組み合わせが含まれるユーザアカウント情報や認証情報、ユーザによって生成された帳票データなどが予め記憶されている。帳票サーバ2000は、記憶部2100と、制御部2200と、通信部2300とを備えている。
【0037】
記憶部2100には、帳票サーバ2000が帳票サービスを提供するために必要な情報が記憶されている。記憶部2100は、HTMLデータ記憶部2110と、帳票定義データ記憶部2120と、変換プログラム記憶部2130とを備えている。
HTMLデータ記憶部2110には、クライアント端末1000からのアクセスに応じて配信するHTMLデータが記憶されている。
帳票定義データ記憶部2120には、定められた帳票ID毎に、帳票定義データが対応付けられて記憶されている。帳票IDは、HTMLデータのDIV要素に含まれる帳票IDに対応する。
変換プログラム記憶部2130には、帳票定義データに基づいてベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶されている。
【0038】
制御部2200は、帳票サーバ2000の動作を制御する。例えば、制御部2200は、ウェブサーバの機能を備えており、クライアント端末1000との間のインタフェースであるウェブサイトを提供する。例えば、図9は、制御部2200が提供する帳票サービスのログイン画面例を示す図である。制御部2200は、クライアント端末1000からのアクセスに応じて、このようなログイン画面を、通信部2300を介してクライアント端末1000に送信する。
通信部2300は、ネットワークを介してクライアント端末1000との通信を行う。
【0039】
次に、本実施形態の帳票システム1の動作例を説明する。図10は、本実施形態のクライアント端末1000−1による帳票データ表示処理の動作例を示すフローチャートである。
まず、クライアント端末1000が帳票サーバ2000にアクセスすると、帳票サーバ2000の制御部2200は、クライアント端末1000に上述したようなログイン画面を送信する。クライアント端末1000の制御部1500は、受信したログイン画面を表示部1100に表示させる。入力部1200は、ユーザからのログイン情報(ID、パスワード、帳票ID等)の入力を受付ける。クライアント端末1000は、通信部1600を介してログイン情報を帳票サーバ2000に送信する。帳票サーバ2000の制御部2200は、記憶部2100に記憶されたユーザアカウント情報を読み出してユーザ認証を行い、認証が正当ならば、通信部2300を介してHTMLデータをクライアント端末1000に送信する。
【0040】
次に、クライアント端末1000のHTML制御部1510は、帳票サーバ2000から送信されたHTMLデータを受信すると、記憶部1400のHTMLデータ記憶部1410に記憶させる。そして、HTML制御部1510は、HTMLデータ記憶部1410に記憶させたHTMLデータを読み出し、読み出したHTMLデータの解釈を行う。ここで、HTML制御部1510は、HTMLデータに含まれるSCRIPT要素に示されるスクリプトの取得先URLに応じて、帳票サーバ2000の変換プログラム記憶部2130から変換プログラムを読み出し、変換プログラム記憶部1430に記憶させる。
【0041】
そして、帳票定義データ取得部1531は、HTMLデータに含まれるDIV要素に示される帳票IDをキーとして、帳票IDに対応する帳票定義データを帳票サーバ2000の帳票定義データ記憶部2120から読み出し、帳票定義データ記憶部1420に記憶させる(ステップS1)。ベクター言語種別判定部1532は、自装置のウェブブラウザ1300のウェブブラウザのユーザエージェント情報を取得し、自装置が対応するベクター言語を判定する(ステップS2)。
【0042】
そして、ベクター記述データ生成部1533は、ベクター言語種別判定部1532による判定結果に応じて、帳票定義データ記憶部1420に記憶された帳票定義データに基づいてベクター記述データを生成する。例えば、ステップS2において、自装置のベクター画像制御部1520がVMLに対応すると判定すれば(ステップS2:VML)、ベクター記述データ生成部1533は、帳票定義データに基づいてVMLのベクター記述データを生成し、生成したベクター記述データをHTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLのDIV要素に追加して記憶させる(ステップS3)。また、ステップS2において、自装置のベクター画像制御部1520がSVGに対応すると判定すれば(ステップS2:SVG)、ベクター記述データ生成部1533は、帳票定義データに基づいてSVGのベクター記述データを生成し、生成したベクター記述データをHTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLのDIV要素に追加して記憶させる(ステップS4)。
【0043】
HTML制御部1510は、HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータに含まれるHTML要素に応じた画像データを生成し、ベクター画像制御部1520は、HTMLデータ記憶部1410に記憶されたHTMLデータのDIV要素に含まれるベクター記述データに応じたベクター画像を生成する。制御部1500は、HTML制御部1510が生成した画像データとベクター画像制御部1520が生成したベクター画像とを組み合わせて、表示部1100に表示させる(ステップS5)。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の帳票システム1によれば、クライアント端末1000は、様々な種別のウェブブラウザで共通して用いられるクライアントスクリプトにより処理を行うとともに、ウェブブラウザが備えるベクター画像の表示機能を用いてベクター画像を表示させるため、表現力の高い方法で、かつ自身の環境に依存せずに帳票データを表示することができる。すなわち、ユーザは、クライアント端末1000に帳票データを表示させるために、プラグインなどの特殊なアプリケーションをインストールしたり、バージョンアップしたりといった操作を行う必要がない。このように、本実施形態によれば、ユーザが特殊な操作を行うことなく、クライアント端末1000が変換プログラムを自動的に取得し、クライアント側で自動的に変換プログラムが実行され、ウェブブラウザの種別に応じた帳票データを生成、表示できる。また、生成された帳票レイアウトは、ベクター画像で生成されるため、従来から紙媒体で作成されている帳票レイアウトと同一の見たままの帳票をブラウザに表示することが可能となる。また、クライアント端末1000においてベクター記述データを生成するため、帳票サーバ2000側で何種類もの帳票情報を格納したり生成したりする必要もなく、サーバ負荷または運用負荷を軽減することができる。
【0045】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の帳票システム1は第1の実施形態と同様であり、本実施形態において特徴的な点を以下に説明する。本実施形態において帳票サーバ2000からクライアント端末1000に送信される帳票定義データには、データ入力を受付ける帳票要素が含まれる。また、変換プログラムには、データ入力を受付ける帳票要素について、データ入力を受付ける領域(データ入力受付エリア)を示すベクター要素およびデータ入力を受付けるXHTML(Extensible HyperText Markup Language)の入力フォーム記述要素に変換するプログラムが含まれる。そして、クライアント端末1000のベクター記述データ生成部1533によってデータ入力受付エリアを示すベクター要素およびデータ入力を受付けるXHTMLの入力フォーム記述要素が生成され、表示部1100に表示されるものである。ここでは、入力フォーム記述要素としてXHTMLを用いているが、XHTMLやHTMLの要素に限らず、ブラウザが解釈可能な場合にはXFormsやWebForms等の要素を用いても良い。
【0046】
図11は、帳票定義データに入力項目が含まれる場合の変換例を示す図である。図11(a)は、データ入力を受付ける帳票要素(textfield)の例を示す図である。図11(b−1)は、データ入力を受付ける帳票要素が変換されたベクター記述データ(VML)およびデータ入力を受付けるXHTMLデータの例を示す図である。図11(b−2)は、データ入力を受付ける帳票要素が変換されたベクター記述データ(SVG)およびデータ入力を受付けるXHTMLデータの例を示す図である。
図12は、入力項目が含まれるベクター画像の表示例を示す図である。ここでは、ベクター画像の帳票データ上にデータ入力受付エリアを示すベクター要素がグレーで表示され、XHTMLデータのテキスト入力機能により入力を受付ける。
このように、本実施形態によれば、表示部1100に表示された帳票データに応じてデータの入力を受付ける事が可能となり、帳票データへの情報入力をネットワーク上で完結することができる。
【0047】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態のクライアント端末1000は、第2の実施形態においてテキストボックスなどのデータ入力を受付けるXHTMLデータの入力機能により入力情報が入力された場合、入力された情報をベクター要素に変換するものである。
ここでは、入力を受付ける帳票要素を、データ入力受付エリアを示すベクター要素およびテキストボックスなどのデータ入力を受付けるXHTMLの入力フォーム記述要素に変換する処理を行う際に、テキストボックスなどの入力後に新たな変換プログラムを呼び出すように設定する。例えば、図13は、イベントに応じてベクター記述データを変換する場合のベクター記述データと変換プログラムコードとの例を示す図である。この場合、図13(a)に示すように、ベクター要素に埋め込まれたXHTMLの入力フォーム記述要素に、例えばonblurイベント(フォーカス喪失を示すイベント)時に”transforminput”という新たな変換プログラムを動作させる指示を記載しておく。そして、図13(b)に示すように、SCRIPT要素において、入力されたテキストをベクター要素のテキスト要素に変換し、XHTMLデータで生成されたテキストボックスを隠す(非表示にする)機能を有する新たな変換プログラム(transforminput)を実行する。
【0048】
図14は、このようにXHTMLの入力フォーム記述要素に入力されたデータをベクター画像に変換する場合の表示例を示す図である。図14(a)は、変換前のXHTML要の入力フォーム記述素およびXHTMLに入力されたデータの表示例を示す図である。ここで、テキストボックスから、マウスやタブキーなどでフォーカスが他のコントロールに移動すると、図14(b)のように表示される。図14(b)は、変換後のベクター画像の表示例を示す図である。
このように、本実施形態によれば、入力された内容がテキストではなくベクター画像に変換されるため、帳票データ全体の拡大・縮小などを簡単に行うことが可能となる。
【0049】
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態の帳票システム1は第1の実施形態および第2の実施形態と同様であり、本実施形態において特徴的な点を以下に説明する。本実施形態におけるベクター記述データ生成部1533は、帳票定義データにおける帳票要素を拡大または縮小したベクター記述データを生成する。すなわち、帳票データに多くの項目が含まれていたり、帳票データを全体表示した場合に文字や入力フィールドが小さくなったりすることが考えられるため、帳票データを拡大したり、縮小したりする。
【0050】
ここでは、帳票サーバ2000が送信するHTMLデータには、例えば図12の画面上部に示されるように、予め拡大または縮小を受付けるためのボタンを表示しておくとともに、ボタンが押下されたイベントに対応して、押下されたボタンの拡大率または縮小率に応じた数値に、DIV要素に埋め込まれたHTMLデータまたはベクター記述データのタグを更新するプログラムを記載しておく。そして、ユーザが拡大または縮小のボタンを押下すると、ベクター記述データ生成部1533は、このイベントに対応して、HTMLデータまたはベクター記述データのDOMツリーの更新を行う。
【0051】
ここでは、例えば、ベクター記述データ生成部1533は、HTMLデータにおけるHTML要素またはベクター記述データにおけるベクター要素に、初期表示の値をdefault_size属性やdefault_font_size属性として設定し、予めDOMイメージに追加しておく。そして、ボタンを押下されることにより指定された拡大率または縮小率に応じて各属性の値を計算し、これをもとにベクター画像の拡大・縮小を行うとともに、フォントの拡大・縮小を行う。ここで、ベクター画像の種別によっては、フォントの拡大・縮小は省略可能である。
【0052】
例えば、VMLにおいて2倍から3倍に変換する場合、Groupタグのstyle属性内におけるWIDTHとHEIGHTを変更することで、ベクター要素の拡大・縮小を行うとともに、textareaタグのstyle属性内のFONT−SIZE、inputタグのstyle属性内のFONT−SIZEなどを同じ倍率に変更する。このように倍率を同時に変更することで、帳票全体の拡大・縮小を実現する。図15(a)は、ベクター記述データ生成部1533による変換前のベクター記述データの例を示す図である。図15(b)は、ベクター記述データ生成部1533による変換後のベクター記述データの例を示す図である。ここでは、例えば1行目に示されるWIDTH属性が1200pxから1800pxに変換されている。
【0053】
あるいは、例えば、ベクター要素に拡大率または縮小率の数値を示すZOOM属性を設定し、ZOOM属性の設定値に応じてベクター要素の大きさを変更するようにしても良い。
このように、本実施形態によれば、例えば入力項目を含むベクター要素の拡大・縮小が可能となるため、帳票データへの情報入力時に、帳票全体が表示された状態だと小さくて入力が難しい場合にベクター画像および入力を受付けるためのXHTMLの画像を拡大して情報を入力することが可能であり、入力後にまた元の大きさに戻す事も可能となる。
【0054】
このように、本実施形態によれば、例えば従来はクライアント端末によってダウンロードした帳票データを紙媒体に印刷し、ユーザが必要事項を記入して郵送したり、帳票サーバがネットワークを介してクライアント端末から受信した情報を定められた帳票の紙媒体に印刷し、ユーザに郵送したりして事務処理を行っていた場合にも、このような情報通信と紙媒体の郵送との併用ではなく、ネットワークを介した通信のみによって事務処理を完結させ、より効率良く帳票処理を行うことが可能となる。
【0055】
なお、本発明における各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより帳票処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0056】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0057】
1 帳票システム
1000 クライアント端末
1100 表示部
1200 入力部
1300 ウェブブラウザ
1400 記憶部
1410 HTMLデータ記憶部
1420 帳票定義データ記憶部
1430 変換プログラム記憶部
1500 制御部
1510 HTML制御部
1520 ベクター画像制御部
1530 クライアントスクリプト制御部
1531 帳票定義データ取得部
1532 ベクター言語種別判定部
1533 ベクター記述データ生成部
1600 通信部
2000 帳票サーバ
2100 記憶部
2110 HTMLデータ記憶部
2120 帳票定義データ記憶部
2130 変換プログラム記憶部
2200 制御部
2300 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するベクター画像制御部を備え、ネットワークを介して接続された帳票サーバから送信される情報に基づいて帳票データを生成する帳票生成装置であって、
定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、
前記帳票定義データに基づいて、前記複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述された前記ベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部と、
前記帳票サーバから、前記帳票定義データを取得して前記帳票定義データ記憶部に記憶させる帳票定義データ取得部と、
前記帳票サーバから、前記変換プログラムを取得して前記変換プログラム記憶部に記憶させる変換プログラム取得部と、
前記ベクター画像制御部に対応する前記ベクター言語の種別を判定するベクター言語種別判定部と、
前記変換プログラム記憶部に記憶された前記変換プログラムを用いて、前記帳票定義データ記憶部に記憶された前記帳票定義データに基づいて、前記ベクター言語種別判定部による判定結果に応じた前記ベクター言語により記述された前記ベクター記述データを生成する制御部と、
前記制御部によって生成された前記ベクター記述データに基づいて生成されるベクター画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする帳票生成装置。
【請求項2】
前記帳票定義データには、データ入力を受付ける帳票要素が含まれ、
前記変換プログラムには、前記データ入力を受付ける帳票要素を、前記ベクター言語以外のデータ入力を受付ける入力フォーム記述要素に変換するプログラムが含まれ、
前記制御部は、前記変換プログラムを用いて、前記データ入力を受付ける帳票要素を、前記ベクター言語以外のデータ入力を受付ける入力フォーム記述要素に変換する
ことを特徴とする請求項1に記載の帳票生成装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記データ入力を受付ける帳票要素に応じて入力された情報に基づいて前記ベクター記述データを生成する
ことを特徴とする請求項2に記載の帳票生成装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記帳票要素を拡大または縮小した前記ベクター記述データを生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の帳票生成装置。
【請求項5】
定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、前記帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部とを有する帳票生成装置と、当該帳票生成装置にネットワークを介して接続された帳票サーバとを備える帳票システムの帳票生成方法であって、
帳票生成装置が、前記帳票サーバから、前記帳票定義データを取得して前記帳票定義データ記憶部に記憶させるステップと、
前記帳票サーバから、前記変換プログラムを取得して前記変換プログラム記憶部に記憶させるステップと、
前記ベクター画像制御部に対応する前記ベクター言語の種別を判定するステップと、
前記変換プログラム記憶部に記憶された前記変換プログラムを用いて、前記帳票定義データ記憶部に記憶された前記帳票定義データに基づいて、前記ベクター言語種別の判定結果に応じた前記ベクター言語により記述された前記ベクター記述データを生成するステップと、
生成した前記ベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するステップと、
生成した前記ベクター画像を表示するステップと、
を備えることを特徴とする帳票生成方法。
【請求項6】
定められた図形の形状またはデータ項目を示す帳票要素が含まれる帳票定義データが記憶される帳票定義データ記憶部と、前記帳票定義データに基づいて、複数種別のベクター言語のうち定められたベクター言語によって記述されたベクター記述データを生成する変換プログラムが記憶される変換プログラム記憶部とを有する帳票生成装置のコンピュータに、
ネットワークを介して接続された帳票サーバから、前記帳票定義データを取得して前記帳票定義データ記憶部に記憶させるステップと、
前記帳票サーバから、前記変換プログラムを取得して前記変換プログラム記憶部に記憶させるステップと、
前記ベクター画像制御部に対応する前記ベクター言語の種別を判定するステップと、
前記変換プログラム記憶部に記憶された前記変換プログラムを用いて、前記帳票定義データ記憶部に記憶された前記帳票定義データに基づいて、前記ベクター言語種別の判定結果に応じた前記ベクター言語により記述された前記ベクター記述データを生成するステップと、
生成した前記ベクター記述データに基づいてベクター画像を生成するステップと、
生成した前記ベクター画像を表示するステップと、
を実行させる帳票生成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−158991(P2011−158991A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18348(P2010−18348)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)