説明

帳面

【課題】製造が容易で、比較的薄くでき、表紙とリーフとを略360度折り返しができ、リーフの差し換えをし易い帳面を提供する。
【解決手段】表紙体1010と、複数の綴杆部を連結するための連結部、綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具10と、綴具を背表紙部1016の内側に固定するための固定部材140とを備え、固定部材は、枢支部をシャフト部に回動自在に装填され、表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフ1110を綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、外側に折り曲げるための折曲部1020を備え、綴具の枢結部及び固定部材の枢支部は、折曲部の近傍に位置して、綴杆を閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、手帳、ノート、帳簿、冊子等の帳面に関するものであり、特に、例えば、セルリング式ノート又は綴じ穴のあるリーフを綴じる手帳類、ファイル・バインダ等の帳面に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リング状の部材を用いて、穴の開いたリーフを綴じていたノートは、そのリングの形状に沿って、360°リーフを広げること、すなわち開くだけでなく、リーフを折り返しノートの表面側と裏面側とを重ねることができ、180度しか開かないノートと比して半分のスペースで活用することができた。しかし、このセルリング式ノートは、リーフの差し替えができない欠点があった。
一方、特許第3440356号及び実開平7−17578号の綴具を用いたノート並びに米国特許公開2006/0024124号のバインダ、すなわちリーフを綴じる綴杆部が開閉可能なノートやバインダは、リーフの差し替えが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3440356号
【特許文献2】実開平7−17578号
【特許文献3】米国特許公開2006/0024124号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許第3440356号の綴具は、複数の櫛部(2)を有する2本の主部材(1)からなる綴具であって、主部材(1a)の先端(7a)にスライド可能なリング部材(4)を設け、かつ、このリング部材(4)の内側の形状は主部材(1a)と主部材(1b)とを一体に合わせた外形とほぼ同一もしくは少し小さなものであり、リーフの差し換えのために、2本の主部材を分離した後に、複数の櫛部の先端の嵌合手段を嵌合するときに、多くの櫛部を嵌合するために比較的手間がかかった。
また、実開平7−17578号の綴具は、複数の綴環を起立した第1部材と第2部材とを共通の軸線で枢着している。したがって、第1部材と第2部材とは分離しないが、綴環15,17の基部に複数の綴環を連結する棒状の連結部を形成し、その連結部の内側面から張出部23を突設しているために、例えば、机の上に置いて綴具を開こうとしても、綴環の基部の外側が机の面に突き出たり、綴環が充分開かず、リーフの出し入れが比較的困難である。また、合成樹脂による一体成形は、製造用金型が複雑な構造となり、困難である。
また、米国特許公開2006/0024124号は、綴具及び表紙は、構造が複雑で大きく、リーフの差し換えも容易とは言えない。
それゆえに、この発明の主たる目的は、製造が容易で、比較的薄くでき、表紙とリーフとを略360度折り返しができ、リーフの差し換えをし易い帳面を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明にかかる帳面は、表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結部、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結部を構成する一対の連結部の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、前記連結部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、前記枢結部は、シャフト部とシャフト部の受け部とを備え、前記シャフト部は、前記連結部の長手方向にのび、一対の連結部を連結し、前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるようにシャフト部に回動自在に装填され、前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、前記綴具の枢結部及び固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成された、帳面である。
この発明の請求項2にかかる帳面は、表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結領域、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結領域を構成する一対の連結領域の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結領域の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、前記連結部領域は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、前記連結領域は、枢結部と軸受部とを備え、前記枢結部及び軸受部は、前記綴杆部の並列される方向にのび、枢結部を連結して前記綴杆部を連結し、前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるように、枢支部と綴具の軸受部との間及び/又は軸受部と軸受部との間及び/又は軸受部に並んで、連結領域に回動自在に装填され、前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、前記綴具の枢結部及び軸受部並びに固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成された、帳面である。
この発明の請求項3にかかる帳面においては、前記固定部材は、背表紙部の表表紙部側若しくは裏表紙部側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積又は裏表紙部の高さ方向に形成された折曲部の上に跨る面積を備え、表表紙部又は裏表紙部を開閉するためのヒンジ部と折曲部との間の領域の形状に沿った表面形状の固定面を備える板状の固定本体と、前記固定本体の幅方向に突設された枢支部とを備え、前記枢支部を、枢結部領域を構成するシャフト部又は枢軸部に回動自在に装填され、且つ前記固定部材の固定本体の固定面を背表紙部の内側面又は裏表紙部の内側面に固着された、請求項1又は請求項2に記載の帳面である。
この発明の請求項4にかかる帳面においては、前記表紙体は、背表紙部の幅方向における略中央に背表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成され、又は、背表紙部又は裏表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の帳面である。
この発明の請求項5にかかる帳面においては、前記受け部と受け部との間、前記軸受部と軸受部との間、前記軸受部及び/又は受け部と固定部材の枢支部との間は、第1綴杆の綴杆係止部と第2綴杆の綴杆係止部を枢結部領域の長手方向に移動させて脱係できるように、間隙を形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の帳面である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結部、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結部を構成する一対の連結部の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、前記連結部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、前記枢結部は、シャフト部とシャフト部の受け部とを備え、前記シャフト部は、前記連結部の長手方向にのび、一対の連結部を連結し、前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるようにシャフト部に回動自在に装填され、前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、前記綴具の枢結部及び固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成されているので、製造が容易で、比較的薄くでき、表紙とリーフとを略360度折り返しができ、リーフの差し換えをし易い帳面を提供することができる。
請求項2の発明によれば、表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結領域、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結領域を構成する一対の連結領域の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結領域の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、前記連結部領域は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、前記連結領域は、枢結部と軸受部とを備え、前記枢結部及び軸受部は、前記綴杆部の並列される方向にのび、枢結部を連結して前記綴杆部を連結し、前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるように、枢支部と綴具の軸受部との間及び/又は軸受部と軸受部との間及び/又は軸受部に並んで、連結領域に回動自在に装填され、前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、前記綴具の枢結部及び軸受部並びに固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成されているので、製造が容易で、比較的薄くでき、表紙とリーフとを略360度折り返しができ、リーフの差し換えをし易い帳面を提供することができる。
請求項3の発明によれば、前記固定部材は、背表紙部の表表紙部側若しくは裏表紙部側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積又は裏表紙部の高さ方向に形成された折曲部の上に跨る面積を備え、表表紙部又は裏表紙部を開閉するためのヒンジ部と折曲部との間の領域の形状に沿った表面形状の固定面を備える板状の固定本体と、前記固定本体の幅方向に突設された枢支部とを備え、前記枢支部を、枢結部領域を構成するシャフト部又は枢軸部に回動自在に装填され、且つ前記固定部材の固定本体の固定面を背表紙部の内側面又は裏表紙部の内側面に固着されているので、背表紙部において表紙体を外側に折り曲げることができ、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができる。
請求項4の発明によれば、前記表紙体は、背表紙部の幅方向における略中央に背表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成され、又は、背表紙部又は裏表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成されているので、背表紙部において表紙体を外側に折り曲げることができ、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができる。
請求項5の発明によれば、前記受け部と受け部との間、前記軸受部と軸受部との間、前記軸受部及び/又は受け部と固定部材の枢支部との間は、第1綴杆の綴杆係止部と第2綴杆の綴杆係止部を枢結部領域の長手方向に移動させて脱係できるように、間隙を形成されているので、綴杆の綴杆係止部を係止させ且つ脱係させることができる。
【0007】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】この発明にかかる綴具を用いたノートの斜視図解図である。
【図2】この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)は部分的に拡大した図である。
【図3】この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)は部分的に拡大した図であり、(C)(D)は半割杆の図である。
【図4】第1綴具部材の斜視図解図である。
【図5】第2綴具部材の斜視図解図である。
【図6A】この発明にかかる綴具を分解した状態における斜視図解図である。
【図6B】この発明にかかる表紙体の斜視図解図である。
【図6C】表紙を捲った図である。
【図7】閉じた状態における綴具の正面図解図である。
【図8】閉じた状態における綴具の背面図解図である。
【図9】図7A−A断面図解図である。
【図10】(A)は図7B−B断面図解図であり、(B)はC−C断面図解図である。
【図11】開き始めた状態における綴具の正面図解図である。
【図12】開き始めた状態における綴具の背面図解図である。
【図13】開いた状態における綴具の正面図解図である。
【図14】開いた状態における綴具の背面図解図である。
【図15】図13A−A断面図解図である。
【図16】図13B−B断面図解図である。
【図17】ノートのリーフの開き方を示す断面図解図であり、(A)は閉じた状態の図で、(B)は360度捲った状態の図である。
【図18A】別の弾発部材及びその弾発部材を第1及び第2綴具部材に取り付けられた状態における斜視図解図である。
【図18B】図18A図示綴具の断面図解図であり、(A)は閉じた状態の断面図解図であり、(B)は開いた状態の断面図解図である。
【図18C】更に別の弾発部材の正面図解図である。
【図18D】更に別の弾発部材の正面図解図である。
【図19A】開き始めた状態における綴具の正面図解図である。
【図19B】開いた状態における綴具の正面図解図である。
【図19C】固定部材の枢支部の別の固定構造を示す図解図である。
【図20A】変形例の断面図解図である。
【図20B】変形例の360度捲った状態の図である。
【図20C】変形例である表紙体を閉じた状態における一部を断面にした底面図解図である。
【図20D】図20C図示例の表紙体を開いた状態における正面図解図である。
【図20E】変形例の固定部材の平面図解図である。
【図21】この発明にかかる綴具を用いた手帳の斜視図解図である。
【図22A】この発明にかかる綴具の全体の斜視図解図である。
【図22B】この発明にかかる綴具の斜視図解図である。
【図23】この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)(C)は半割杆の図である。
【図24】第1綴具部材の斜視図解図であり、(A)は右側の図であり、(B)は左側の図である。
【図25】第2綴具部材の斜視図解図であり、(A)は右側の図であり、(B)は左側の図である。
【図26】この発明にかかる綴具を分解した状態における斜視図解図である。
【図27】第1綴具部材と第2綴具部材とを結合する方法を示す斜視図解図である。
【図28】閉じた状態における綴具の正面図解図である。
【図29】閉じた状態における綴具の背面図解図である。
【図30A】図28A−A部分断面図解図である。
【図30B】図28B−B断面図解図である。
【図30C】図28C−C断面図解図である。
【図30D】固定部材を固定したときの図28B−B断面図解図である。
【図31】開き始めた状態における綴具の正面図解図である。
【図32】開き始めた状態における綴具の背面図解図である。
【図33A】開いた状態における図28A−A部分断面図解図である。
【図33B】開いた状態における図28B−B断面図解図である。
【図33C】開いた状態における図28C−C断面図解図である。
【図34】手帳のリーフの開き方を示す断面図解図であり、(A)は閉じた状態の図で、(B)は360度捲った状態の図である。
【図35A】閉じた状態における綴具の背面図解図である。
【図35B】開き始めた状態における綴具の背面図解図である。
【図35C】綴具に固定部材を固定する方法を示す断面図解図である。
【図35D】図35A図示例の横断面図解図である。
【図36】綴具の説明図である。
【図37】ノートの説明図であり、(A)は全体の図であり、(B)はリーフの図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、この発明にかかる綴具を用いたノートの斜視図解図であり、図2は、この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)は部分的に拡大した図であり、図3は、この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)は部分的に拡大した図であり、(C)(D)は半割杆の図であり、図4は、第1綴具部材の斜視図解図であり、図5は、第2綴具部材の斜視図解図であり、図6Aは、この発明にかかる綴具を分解した状態における斜視図解図であり、図6Bは、この発明にかかる表紙体の斜視図解図であり、図7は、閉じた状態における綴具の正面図解図であり、図8は、閉じた状態における綴具の背面図解図であり、図9は、図7A−A断面図解図であり、図10は、図7B−B断面図解図であり、図11は、開き始めた状態における綴具の正面図解図であり、図12は、開き始めた状態における綴具の背面図解図であり、図13は、開いた状態における綴具の正面図解図であり、図14は、開いた状態における綴具の背面図解図であり、図15は、図13A−A断面図解図であり、図16は、図13B−B断面図解図であり、図17は、ノートのリーフの開き方を示す平面図解図であり、(A)は閉じた状態の図で、(B)は半分捲った状態の図で、(C)は360度捲った状態の図である。
この発明にかかる帳面の一種であるノート1000は、表表紙部1012と、裏表紙部1014と、表表紙部1012と裏表紙部1014との間に介在する背表紙部1016とを有する表紙体1010と、複数の綴杆部12、前記綴杆部12を連結するための連結部14、前記綴杆部12を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部16を備える綴具10と、背表紙部1016の内側に綴具10を固定するための固定部材140とを備える。
【0010】
表紙体1010は、表表紙部1012と背表紙部1016との間に第1ヒンジ部1022を形成され、且つ裏表紙部1014と背表紙部1016との間に第2ヒンジ部1024を形成されている。
前記背表紙部1016は、綴杆部12に綴じられたリーフ1110を綴杆に沿って捲り、360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部12を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部16に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部1020を備える。
第1ヒンジ部1022と第2ヒンジ部1024とは平行であり、第1ヒンジ部1022と折曲部1020とは平行である。
第1ヒンジ部1022と折曲部1020との間の長方形の領域に、綴具10の固定部材140を固定される。
【0011】
表紙に固定される綴具10は、複数の綴杆部12と、前記綴杆部12を連結するための連結部領域を構成する連結部14と、前記綴杆部12を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部領域を構成する枢結部16とを備える綴具10であって、綴杆部12を捩って閉じている綴杆部12を開くことができるように構成されている。
この綴具10は、綴具10の綴杆部12に沿ってリーフ1110を回転させて360度広げること、すなわち綴杆部12に綴じられたリーフ1110を綴杆に沿って捲り、360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフ1110の表側と裏側とが枢結部16を挟んで向かい合うことができるように、構成されている。
【0012】
前記綴杆を開閉させるときの中心ののびる方向における一端又は両端の領域には、綴杆部12を構成する綴杆のうち対向する一方の複数の綴杆を、対向する他方の複数の綴杆の係止部から脱係させるために、同時に、中心ののびる方向に変位させる、押圧部110が突設されている。
この実施の形態においては、押圧部110は、連結部14の手前側に突設された円柱状体である。
【0013】
前記綴杆部12を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結部14を構成する一対の連結部14の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部14の外側部ないし上側部から突設され、前記綴杆部12は、前記枢結部16を中心にして左右に分かれた、対称形である第1綴杆20及び第2綴杆30を備える。
連結部領域は、第1綴杆20及び第2綴杆30を構成する半割杆20A及び半割杆30Aを、隣接する半割杆20Aと半割杆20A及び半割杆30Aと半割杆30Aとの間に適宜な間隔をおいて並列して形成するように、半割杆20Aの間及び半割杆30Aの間に跨って形成されている。
前記連結部14は、前記枢結部16を中心にして左右に分かれた、対称形である第1連結部50及び第2連結部60を備え、第1連結部50及び第2連結部60は、向こう側から手前側に連続して長手方向に直線状にのびる略柱状である。
【0014】
この実施の形態においては、第1綴杆20及び第1連結部50は、第1綴具部材18Aに形成され、第2綴杆30及び第2連結部60は、第2綴具部材18Bに形成され、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとは、対称形に形成されている。
枢結部領域は、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとを枢結部16を中心にして連結し、綴杆部12を開閉するときの回転の中心となる領域として構成される。
【0015】
前記連結部14は、綴杆部12に綴じられたリーフ1110を第1綴杆20及び第2綴杆30に沿って捲り、360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフ1110の表側と裏側とが枢結部16を挟んで接し合うことができるように、下部において第1綴杆20及び第2綴杆30の基部と近接した位置に枢結部16を連設されている。
前記枢結部16は、前記連結部14(第1連結部50と第2連結部60)の長手方向にのびて一対の連結部14(第1連結部50と第2連結部60と)を連結し、前記第1綴杆20の自由端20bと第2綴杆30の自由端30bとを合わせて閉鎖するとき及び第1綴杆20の自由端20bと第2綴杆30の自由端30bとを離間させるときに回転中心となり、綴杆部12に綴じられたリーフ1110を第1綴杆20及び第2綴杆30に沿って捲り、360度捲りかえすことができるように構成されている。
【0016】
綴杆部12は、第1綴杆20及び第2綴杆30の連結部14に連設された基部20a及び基部30aとは反対側の自由端20b及び自由端30bに、第1綴杆20及び第2綴杆30を閉鎖したときに係止するための綴杆係止部を形成されている。すなわち、第1綴杆20は、基部20aとは反対側の頂部である自由端20bに第1綴杆の綴杆係止部22を形成され、第2綴杆30は、基部30aとは反対側の頂部である自由端30bに第2綴杆の綴杆係止部32を形成されている。
綴杆部12は、基部20a及び基部30aから頂部に至る高さ方向(垂直方向)と、第1綴杆20の外周部(外側部)から第2綴杆30の外周部(外側部)に至る幅方向(水平方向)とを備え、第1綴杆20及び第2綴杆30の厚さ(外周部と内周部との間の長さ)よりも、綴具の長さ方向における第1綴杆20及び第2綴杆30の幅の方が長い、断面長方形状である。そして、第1綴杆20及び第2綴杆30は、基部20a及び基部30aから頂部に至るまで、リーフ1110を捲ることができるように、リーフ1110の綴じ穴1112に貫挿される形状に構成されている。
前記第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32は、係止する第1綴杆20及び第2綴杆30の回転方向と交差する方向に、すなわち枢結部16の長手方向に第1綴杆20及び第2綴杆30を相対移動して、第1綴杆20及び第2綴杆30の先端を合わせて閉鎖するときに係止し又は第1綴杆20及び第2綴杆30の先端を離間させるときに脱係するように形成されている。
すなわち、第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32が、枢結部16の長手方向に移動して開閉するように形成されている。
【0017】
第1綴杆20は、閉じたときに略円環状の綴杆となるように、半円弧状の半割杆20Aから構成され、第2綴杆30は、閉じたときに略円環状の綴杆となるように、半円弧状の半割杆30Aから構成されている。
そして、リーフ1110に予め穿設された綴じ穴1112に挿通して、リーフ1110を綴じることができるように、半割杆20Aと半割杆30Aとの先端、すなわち第1綴杆20及び第2綴杆30の頂部において、綴杆係止部22,32が形成されている。
第1綴杆20を構成する半割杆20Aと第2綴杆30を構成する半割杆30Aとは、半割杆20Aの第1綴杆の綴杆係止部22と、半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32とを係止することにより、略円環状に連結される。
綴杆部12を閉じるときにおいては、第1綴杆20の第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆30の第2綴杆の綴杆係止部32とを係合させて、略円環状となるように構成されている。
そして、綴杆部12を開くときにおいては、第1綴杆20と第2綴杆30とは、連結部14の長さ方向に第1綴杆20または第2綴杆30を変位させる。すなわち、第1綴杆20と第2綴杆30とは、第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を脱係させるための押圧部110を指で押すことにより、連結部14の長さ方向において手前側から向こう側に相対移動させ、更に押圧部110を第1綴杆20から第2綴杆30の先端が離れる方向、すなわち裏表紙部1014の方向に回転させることにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を外すことができるように構成されている。
【0018】
第1綴杆20を構成する半割杆20Aの先端に形成された第1綴杆の綴杆係止部22を構成する先端の第1綴杆の凸部24及びその第1綴杆の凸部24に続く第1綴杆の凹部26と、第2綴杆30を構成する半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32を構成する先端の第2綴杆の凸部34及びその先端の第2綴杆の凸部34に続く第2綴杆の凹部36とは、第1綴杆20と第2綴杆30とを閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
すなわち、第1綴杆20を構成する半割杆20Aの先端に形成された第1綴杆の綴杆係止部22を構成する第1綴杆の凸部24は、手前側に向けて突き出されている。そして、その第1綴杆の凸部24に続く第1綴杆の凹部26は、向こう側に向けて凹んでいる。半割杆30Aの先端に形成された第2綴杆の綴杆係止部32を構成する第2綴杆の凸部34は、向こう側に向けて突き出されている。そして、その先端の第2綴杆の凸部34に続く第2綴杆の凹部36は、手前側に向けて凹んでいる。
第1綴杆20と第2綴杆30とを閉じたとき係合するように、第1綴杆の凸部24及び第1綴杆の凹部26と第2綴杆の凸部34及び第2綴杆の凹部36とは、逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
半割杆20Aの第1綴杆の綴杆係止部22を構成する第1綴杆の凸部24と半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32を構成する第2綴杆の凸部34とは、反対方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆20Aの第1綴杆の綴杆係止部22を構成する第1綴杆の凹部26と半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32を構成する第2綴杆の凹部36とは、反対方向に向けて凹み形成されている。
【0019】
前記第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32は、第1綴杆20及び第2綴杆30の回転方向と交差する方向に脱係しないように、第1綴杆20及び第2綴杆30の回転方向にのびる脱係防止部28及び脱係防止部38が形成されている。
脱係防止部28は、頂部側において手前側に向けて突き出る鉤鼻状係止凸部28aと、基部20a側において向こう側に向けて凹む係止凹部28bとを有し、自由端側の係止凸部28aから続いて基部20a側に係止凹部28bが形成されている。
脱係防止部38は、頂部側において向こう側に向けて突き出る鉤鼻状係止凸部38aと、基部30a側において手前側に向けて凹む係止凹部38bとを有し、自由端側の係止凸部38aから続いて基部30a側に係止凹部38bが形成されている。
第1綴杆20と第2綴杆30とを閉じたとき、脱係防止部28の係止凸部28aは脱係防止部38の係止凹部38bに嵌合され、脱係防止部38の係止凸部38aは脱係防止部28の係止凹部28bに嵌合され、係止凸部28aと係止凸部38aとは、第1綴杆20と第2綴杆30とを回転方向に引いたときに、突き当たる。
第1綴杆の綴杆係止部22の脱係防止部28は、第2綴杆の綴杆係止部32の上部に向けて突き出され、第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係合したときに、第2綴杆30が上方に向けて衝撃などにより移動することを防止している。
第2綴杆の綴杆係止部32の脱係防止部38は、第1綴杆の綴杆係止部22の上部に向けて突き出され、第2綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係合したときに、第1綴杆20が上方に向けて衝撃などにより移動することを防止している。
このように、この実施の形態においては、押圧部110を指で押すことにより、第1綴具部材18Aの第1綴杆20を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材18Bの第2綴杆30を手前側に移動させて、第1綴杆20の半割杆20Aの第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆30の半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32との係合を外すことができる。
なお、閉じるときにおいては、脱係防止部28の係止凸部28aと脱係防止部38の係止凸部38aとは、突き出たり滑りながら係止凹部38b及び係止凹部28bに嵌まるように、なだらかな傾斜面が自由端から形成されている。
【0020】
前記連結部14を構成する第1綴具部材18Aの第1連結部50は、第1連結部50と第2連結部60とが向き合う領域である第1連結部の対向部56と、前記第1連結部の対向部56と相対し第1綴杆20が突設された第1連結部の外側部52と、前記第1連結部の対向部56と第1連結部の外側部52との間において前記第1連結部の対向部56及び第1連結部の外側部52に交差する面で、枢結部16が連設された第1連結部の下側部58とを備える。
前記連結部14を構成する第2綴具部材18Bの第2連結部60は、第1連結部50と第2連結部60とが向き合う領域である第2連結部の対向部66と、前記第2連結部の対向部66と相対し第2綴杆30が突設された第2連結部の外側部62と、前記第2連結部の対向部66と第2連結部の外側部62との間において前記第2連結部の対向部66及び第2連結部の外側部62に交差する面で、枢結部16が連設された第2連結部の下側部68とを備える。
この実施の形態においては、第1連結部50及び第2連結部60は、略四角柱状である。
そして、第1連結部の対向部56と第2連結部の対向部66とは、回転方向と直交し綴具10を閉じたときに垂直にすなわち高さ方向にのびる平面であって、図9及び図10に示すように綴具10を閉じたときに密着するように形成されている。
【0021】
前記連結部14は、その側面に、第1綴杆20及び第2綴杆30の開き角度をリーフ1110の挿入し易い角度、例えば約60〜70度に規制するための開き角規制部70及び開き角規制部72を形成されている。
第1綴具部材18Aの開き角規制部70は、第1連結部50の第1連結部の下側部58の第1受け部80に連続して形成された断面略半円弧状であり、第1連結部の下側部58から下方に向けてのびる接合面70aを備え、一方、第2綴具部材18Bの開き角規制部72は、第2連結部60の第2連結部の下側部68の第2受け部90に連続して形成された断面略半円弧状であり、第2連結部の下側部68から下方に向けてのびる接合面72aを備える。
そして、綴杆部12を閉じたときに、開き角規制部70の接合面70aと開き角規制部72の接合面72aとは、図9において示すように、略70度開いた傾斜面であって対向しており、綴杆部12を開いたときに、開き角規制部70の接合面70aと開き角規制部72の接合面72aとは、図15において示すように、接し合い、半割杆20Aと半割杆30Aの開き角度を、リーフ1110の挿入しや易い角度に規制する。
【0022】
前記枢結部16は、シャフト部100の受け部とシャフト部100とを備える。
受け部は、第1連結部50に連設された第1受け部80と第2連結部60に連設された第2受け部90とから構成され、前記シャフト部100は、前記連結部14の長手方向に沿って、向こう側から手前側に連続してのび、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとを連結する。
前記第1受け部80及び第2受け部90は、前記綴杆部12及び/又は連結部14に連設され、シャフト部100を装填するための開口部(第1受け部80の開口部84及び第2受け部90の開口部94)を側面に形成され、前記半割杆20A及び半割杆30Aの先端を合わせて閉鎖するとき及び半割杆20A及び半割杆30Aの先端を離間させるときに回転中心となり、第1綴杆20及び第2綴杆30に綴じられたリーフ1110を第1綴杆20及び第2綴杆30に沿って捲り、360度捲りかえすことができるように構成されている。
【0023】
前記第1受け部80及び第2受け部90は、前記連結部14の長手方向に間欠的に形成され、半割杆20A及び半割杆30Aが前記シャフト部100を中心にして回転し且つ第1綴杆20及び第2綴杆30を開閉するときに長手方向に相対変移するように間隙を形成されている。第1受け部80及び第2受け部90を収容する第1収容部82及び第2収容部92により形成される間隙は、収容された第1受け部80と第2受け部90との間及び後述する固定部材140の枢支部144と第1受け部80及び第2受け部90との間に間隙を残すように、その長さを形成されている。
【0024】
前記シャフト部100は、断面円形の棒状の金属棒である。それに対応して、前記第1受け部80及び第2受け部90は、全体が弧状で、その内側の円弧部86及び円弧部96に前記シャフト部100を装填され、且つその外側の上部において、前記半割杆20A及び半割杆30Aの張り出し方向とは反対方向に張り出すように、前記連結部14が連設されている。
この実施の形態においては、シャフト部100と第1受け部80及び第2受け部90とは別部材であり、第1受け部80は、合成樹脂により、第1綴具部材18Aと一体に形成され、第2受け部90は、合成樹脂により、第2綴具部材18Bと一体に形成されている。
そして、シャフト部100は、第1綴具部材18Aの最も向こう側の第1受け部80から、第2綴具部材18Bの最も手前側の第2受け部90に至るように、形成されている。
【0025】
第1綴具部材18A側の第1受け部80は、シャフト部100に装填されたときに、隣接する第1受け部80の間に、第1収容部82を間欠的に形成され、第2綴具部材18B側の第2受け部90は、シャフト部100に装填されたときに、隣接する第2受け部90の間に、第2収容部92を間欠的に形成されている。
そして、第1綴杆20と第2綴杆30とを閉鎖したときに、枢結部16の軸線上において、第1綴具部材18Aは、第1収容部82に第2綴具部材18Bの第2受け部90を収容させ、且つ、第2綴具部材18Bは、第2収容部92に第1綴具部材18Aの第1受け部80を収容させて、隣接する第1綴具部材18Aの第1受け部80と第2綴具部材18Bの第2受け部90との間及び隣接する第2綴具部材18Bの第2受け部90と第1綴具部材18Aの第1受け部80との間に適宜な間隔をあけて整列される。隣接する第1綴具部材18Aの第1受け部80と第2綴具部材18Bの第2受け部90との間及び隣接する第2綴具部材18Bの第2受け部90と第1綴具部材18Aの第1受け部80との間における適宜な間隔とは、第1綴杆20と第2綴杆30とを連結部14の長手方向すなわち手前側及び向こう側に向けて相対移動させて、第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを脱係させるに必要な長さをいう。
それとともに、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとは、第1綴杆20と第2綴杆30とを開閉するときに半割杆20Aと半割杆30Aとを相対変移するように、前記シャフト部100に摺動自在に装填されている。
この実施の形態においては、第1綴具部材18Aの第1綴杆20を向こう側に移動させ、閉じていた第1綴杆20と第2綴杆30とを開く。もっとも、第2綴具部材18Bの2綴杆30を手前側に移動させて、閉じていた第1綴杆20と第2綴杆30とを開くように構成してもよい。
この実施の形態においては、第1綴具部材18Aの向こう側の第1受け部80の開口部84は、手前側が塞がれている。従って、シャフト部100の向こう側端は向こう側の第1受け部80により抜け出ることを防止される。又、第2綴具部材18Bの向こう側の第2受け部90の開口部94は、向こう側を塞いでもよい。そのようにすれば、シャフト部100の向こう側端は向こう側の第2受け部90により抜け出ることを防止される。
【0026】
半割杆20Aの基部20aの外周部及び半割杆30Aの基部30aの外周部は、連結部14の下部と同じ位置に、その下部が位置するように形成され、枢結部16の第1受け部80の外側及び第2受け部90の外側は、連結部14の下部と同じ位置に、その上部が位置するように形成されている。
この実施の形態においては、枢結部16の第1受け部80は、開口部84が半割杆20Aの外周部に接し、枢結部16の第2受け部90は、開口部94が半割杆30Aの外周部に接し、第1連結部50は、半割杆20Aの内周部から第1受け部80の開口部84までの間の高さを有し、第2連結部60は、半割杆30Aの内周部から第2受け部90の開口部94までの間の高さを有している。
【0027】
前記連結部14の幅(幅方向における)は、枢結部16の第1受け部80又は枢結部16の第2受け部90の幅(幅方向における)の2分の1以下である。これは、第1連結部50の幅と第2連結部60の幅とを合わせた幅が、枢結部16の第1受け部80及び枢結部16の第2受け部90の幅と同等又はそれ以下の方が、リーフ1110を360度捲りかえして、枢結部16を挟んでリーフ1110の表面と裏面とを比較的間隔をあけずに接し合わせることができるようにするためである。
【0028】
前記第1連結部50の中央あたりに存する前記第1綴具部材18Aの第1収容部82と前記第2連結部60の中央あたりに存する第2綴具部材18Bの第2収容部92との間に、前記シャフト部100の長手方向にテンション(引張力又は圧縮力)をかける弾発部材102が、圧縮された状態で介装されている。弾発部材102は、鋼線をコイル形に巻いて作られたコイルバネにより形成され、筒形のコイルバネの輪の中にシャフト部100を挿通されている。
そして、弾発部材102は、その向こう側端が第2綴具部材18Bの第2受け部90の手前側端に接し、その手前側端が第1綴具部材18Aの第1受け部80の向こう側端に接して、復元力(均一な)によって第1綴具部材18Aを手前側に押し下げ且つ第2綴具部材18Bを向こう側に押し上げるように構成されている。
而して、弾発部材102は、綴杆部12を閉じているときには、第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係合させる方向に作用している。
押圧部110を指で押すことにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を外すときには、弾発部材102の弾発力に抗して第1綴具部材18Aの第1綴杆20を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材18Bの2綴杆30を手前側に移動させて、閉じていた第1綴杆20と第2綴杆30とを開く。
【0029】
固定部材140は、固定本体142と、枢支部144とを備え、熱溶着可能な熱可塑性樹脂で一体成形されている。
固定本体142は、背表紙部1016の長さと略同じかそれより僅かに短い長さと、背表紙部1016の縦に2分割した幅より短い幅とを備える、薄板状である。
【0030】
前記固定本体142は、背表紙部1016の表表紙部1012又は裏表紙部1014側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積を備え、表表紙部1012又は裏表紙部1014を開閉するための第1ヒンジ部1022又は第2ヒンジ部1024と折曲部1020との間の領域の形状に沿った、表面形状の固定面を備える板状体である。
前記固定本体142の固定面を背表紙部1016の内側面に、熱溶着により固着されている。
【0031】
この実施の形態においては、固定本体142は、背表紙部1016における第1ヒンジ部1022と折曲部1020との間の幅よりも狭い幅を備え、第1ヒンジ部1022から折曲部1020の表表紙部1012側の近くに至る領域に固着されている。
従って、固定本体142は、折曲部1020の内側に重なることなく、折曲部1020の内側上方には、綴具10の連結部14及び枢結部16が位置する。
【0032】
枢支部144は、固定本体142の長さ方向において複数に分かれ、適宜な間隔をあけて、固定本体142の幅方向に突設されている。
枢支部144は、枢結部16と略同じ幅を備え、その中央にシャフト部100を貫挿するための貫挿孔146を穿設されている。
貫挿孔146は、綴具10の枢結部16と一直線状に並んでシャフト部100に回動自在に固定されるように形成される。
而して、固定部材140は、円弧部86,96の長さ方向において直線状に並び、固定本体142が綴具10の側部に並列される。
枢支部144は、第1綴具部材18Aの第1綴杆20を向こう側に移動させ、第1綴杆20の半割杆20Aの第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆30の半割杆30Aの第2綴杆の綴杆係止部32との係合を外すことができるように、その長さ(L1)を形成されている。
この実施の形態においては、第1綴具部材18Aの第1受け部80と第2綴具部材18Bの第2受け部90との間における第1収容部82及び第2収容部92で形成される固定部材収容部150に、枢支部144は装填される。
前記枢支部144は、第1綴杆20及び第2綴杆30の第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を枢結部16のシャフト部100の長手方向に移動させて脱係できるように、枢支部144と綴具10の枢結部16との間に間隙を設けて並んで、シャフト部100に回動自在に嵌挿されている。
枢支部144と綴具10の枢結部16(特に、第1受け部80及び第2受け部90)との間の間隙及び第1受け部80と第2受け部90との間の間隙は、係止凸部28aが係止凹部38bに嵌合している部分の係止凸部28aの高さ及び係止凸部38aが係止凹部28bと嵌合している部分の係止凸部38aの高さ(L3)より長く構成され、係止凸部28aが係止凹部38bより脱係し、係止凸部38aが係止凹部28bより脱係するように構成されている。
この実施の形態においては、第1受け部80の上端と枢支部144の下端との間における間隙及び第1受け部80の上端と第2受け部90の下端との間における間隙(L2)は、係止凸部28aが係止凹部38bより脱係し、係止凸部38aが係止凹部28bより脱係するように、係止凸部28aが係止凹部38bに嵌合している部分の係止凸部28aの高さ及び係止凸部38aが係止凹部28bと嵌合している部分の係止凸部38aの高さ(L3)より長く構成されている。
【0033】
表表紙部1012及び裏表紙部1014は、背表紙部1016の折曲部1020を中心にして360度捲り返され、且つ綴具10に綴じられたリーフ1110は、図17において示すように、枢結部16側に向けて捲りかえされ、閉じられて積層されていたときのリーフの表側1110aとリーフの裏側1110bとを枢結部16を挟んで向かい合わせることにより、筆記等に用いることができる。
【0034】
弾発部材102は、次のように構成してもよい。
図18Aは、別の弾発部材及びその弾発部材を第1及び第2綴具部材に取り付けられた状態における斜視図解図であり、図18Bは、図18A図示綴具の断面図解図であり、(A)は閉じた状態の断面図解図であり、(B)は開いた状態の断面図解図であり、図18Cは、更に別の弾発部材の正面図解図である。
図18A図示弾発部材102は、ねじりコイルバネからなり、巻線部102aと巻線部102aの両端から巻線部102aの中心軸と直交ないし交差する方向に伸びる直線状の第1固定先端部102bと直線状の第2固定先端部102cとが連設され、ねじりモーメントが発生しない元の状態は、巻線部102aの外方で接線方向に第1固定先端部102bと第2固定先端部102cとが突き出されている。
そして、弾発部材102の巻線部102aの両端から延びる先端部を支持するために、前記連結部14に支持部50a及び支持部60aが形成されている。
前記弾発部材102の巻線部102aの両端から延びる固定先端部は、第1綴具部材18Aの第1連結部50に形成された支持部50a、及び前記支持部50aと対向する第2綴具部材18Bの第2連結部60の支持部60aに係止され、支持されている。
すなわち、一方の第1固定先端部102bは、第1連結部50の支持部50aに支持され、また、もう一方の第2固定先端部102cは、第1固定先端部102bと向き合うように第2連結部60の支持部60aに支持されている。
押圧部110を指で押すことにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を外すとき、移動する方向とは反対側にある第1連結部50の支持部50aに第1固定先端部102bは支持され、移動する方向とは反対側にある第2連結部60の支持部60aにもう一方の第2固定先端部102cは、支持されている。
一方の固定先端部102b及び他方の固定先端部102cは、元々開いた状態にあったが、第1綴杆20と第2綴杆30とが閉じた状態にあるときは、元々開いた状態にあったところからほぼ平行に接近させた第1固定先端部102bと第2固定先端部102cとが、連結部14の支持部50a,支持部60aに支持されている。すなわち、弾発部材102は、第1固定先端部102bが第1連結部50の支持部50aに係止され且つ第2固定先端部102cが第2連結部60の支持部60aに係止されてねじられた状態になる。
【0035】
そして、弾発部材102は、その向こう側端が第2綴具部材18Bの第2受け部90の手前側端に接し、その手前側端が第1綴具部材18Aの第1受け部80の向こう側端に接して、復元力(均一な)によって第1綴具部材18Aを手前側に押し下げ且つ第2綴具部材18Bを向こう側に押し上げるように構成されている。
而して、弾発部材102は、綴杆部12を閉じているときには、第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係合させる方向に作用している。
押圧部110を指で押すことにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を外すときには、弾発部材102の弾発力に抗して第1綴具部材18Aの第1綴杆20を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材18Bの2綴杆30を手前側に移動させて、閉じていた第1綴杆20と第2綴杆30とを開く。
押圧部110を指で押して第1綴具部材18Aの第1連結部50と第2綴具部材18Bの第2連結部60とをそれぞれを反対方向に相対移動させると、第1連結部50と第2連結部60とは、弾発部材102が元の状態に戻ろうとする力、すなわち一方の第1固定先端部102bと他方の第2固定先端部102cとが回転方向に回転して綴杆部12を開くように力が働くことにより、回転方向に回転する。
このように、この実施の形態においては、第1綴杆の綴杆係止部22および第2綴杆の綴杆係止部32の係合を解除したとき、一方の第1固定先端部102bと他方の第2固定先端部102cとを円周方向において離れさせようとする力が働くことにより、第1綴杆20及び第1連結部50と第2綴杆30及び第2連結部60とが、開いた状態になる。
【0036】
第1固定先端部102b及び第2固定先端部102cは、図18C及び18Dにおいて示すように、巻線部102aの外方で径方向に突き出された構成としてもよい。
この変形例は、第1連結部50と第2連結部60とは、弾発部材102が元の状態に戻ろうとする力、すなわち一方の第1固定先端部102bと他方の第2固定先端部102cとが回転方向に回転して綴杆部12を開くように、より強い力が働くことにより、回転方向に回転させることができる。連結部14の支持部50a及び支持部60aに支持させる前の無負荷の状態において、第1固定先端部102bと第2固定先端部102cとの間の角度は、図18Cに示すように、90度に形成してもよく、図18Dに示すように120度に形成してもよい。
【0037】
連結領域に形成された押圧部110は、第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を係止又は脱係するときに、第1綴杆20及び第2綴杆30を開閉させるときの中心ののびる方向である連結部14の長手方向に、第1綴杆20又は第2綴杆30を変位させて第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32を脱係させるために柱状又は塊状に形成されている。
押圧部110は、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとを連結する連結領域を構成する連結部14の長手方向で、第1綴杆20及び第2綴杆30を開閉させるときの中心ののびる方向である高さ方向における、第1連結部50の下端部に突設された第1押圧部112と、第2連結部60の上端部に突設された第2押圧部114とによって構成されている。
【0038】
第1押圧部112は、第1連結部50の下方の下端部から、第1綴具部材18Aの第1綴杆の綴杆係止部22を脱係するときに第1連結部50を移動させる方向とは反対側すなわち手前側(下方)に向けてのびる円柱状棒体であり、第2連結部60の手前側にのびる大きさに形成され、押圧する面積を大きくとるように形成されている。
第2押圧部114は、第2連結部60の上方の上端部から、第2綴具部材18Bの第2綴杆の綴杆係止部32を脱係するときに第1連結部50を移動させる方向とは反対側すなわち向こう側(上方)に向けてのびる円柱状棒体であり、第1連結部50の向こう側にのびる大きさに形成され、押圧する面積を大きくとるように形成されている。
【0039】
そして、第1綴杆の綴杆係止部22及び第2綴杆の綴杆係止部32は、図19A及び図19Bにおいて示すように、第1押圧部112に例えば親指を当て、また第2押圧部114に人差指を当て、第1押圧部112を向こう側(上方)に向けて、また第2押圧部114を手前側(下方)に向けて押して、脱係させる。そして、第1押圧部112と第2押圧部114とは、図19A及び図19Bにおいて示すように、第1綴杆20及び第2綴杆30ののびる方向において反対方向に回転させて、綴杆部12を開く。
【0040】
前記実施の形態においては、固定部材140の枢支部144は、第1綴具部材18Aの第1受け部80と第2綴具部材18Bの第2受け部90との間において、シャフト部100に嵌め合わせて枢支されている。そして、シャフト部100の枢支部144と第1綴具部材18Aの第1受け部80及び/又は第2綴具部材18Bの第2受け部90との間に間隙を設けて、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとを相対移動させて第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係止及び脱係できるように構成されている。
しかしながら、例えば図19Cに示すように、第2綴具部材18Bの第2受け部90に固定部材140の枢支部144に対応する空間部を形成し、その空間部において、シャフト部100に固定部材140の枢支部144を嵌め込んで、枢支されてもよい。
その場合、第1綴具部材18Aの第1受け部80と第2綴具部材18Bの第2受け部90との間には、第1綴具部材18Aと第2綴具部材18Bとを相対移動させて第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32とを係止及び脱係できるように間隙を形成する。
【0041】
前記実施の形態によれば、綴具10は、第1綴杆20が表表紙部1012側に位置し、第2綴杆30が裏表紙部1014側に位置して、背表紙部1016の略中央に枢結部16が位置するように、表紙体1010に固定されている。
而して、表紙体1010は、折曲部1020において、表表紙部1012と裏表紙部1014とを折り返し、内面を外側にし、外面を向き合わせて、平板状にすれば、表表紙部1012の外側端縁と裏表紙部1014の外側端縁とが揃い、最小の面積にしてリーフ1110に筆記できる。
綴具10を表紙体1010の背表紙部1016に固定する構造に代えて、綴具10を裏表紙部1014又は表表紙部1012に固定してもよい。
例えば、図20Aないし図20Bに示すように、裏表紙部1014の内面における第2ヒンジ部1024から第1綴杆20の幅と同一かそれより僅かに長い距離を離れた位置に、折曲部1020を形成し、その折曲部1020の内面に、綴具10の枢結部16の外側を位置させ、固定部材140の固定本体142を固定する。
固定本体142は、長さ方向にのびる中央線上において、間隔をおいて複数個固着具孔142bを穿設されている。そして、固定本体142は、固着具孔142bに貫挿したビスないしはハトメで、背表紙部1016に固着される。
【0042】
前記実施の形態においては、固定本体142は、背表紙部1016における第1ヒンジ部1022と折曲部1020との間の幅よりも狭い幅を備え、第1ヒンジ部1022から折曲部1020の表表紙部1012側の近くに至る領域に固着されている。
この固定本体142は、背表紙部1016の縦に2分割した幅より長い幅を備える、薄板状により構成してもよい。
すなわち、背表紙部1016における第1ヒンジ部1022と折曲部1020との間の幅よりも長い幅を備え、折曲部1020の上を表表紙部1012から裏表紙部1014側に跨って架け渡された構成としてもよい。
このように、背表紙部1016を屈曲自在とするために形成された折曲部1020を、内方に向けて背表紙部1016が凹むように屈曲することを抑止する構成とすれば、表紙体1010を閉じた状態にしたときに、背表紙部1016を平板状に維持することができる。
表紙体1010を閉じた状態にしたときには、綴具10は、連結部14及び枢結部16を中心にして、綴杆部12との間の空間部分側に傾斜する。しかしながら、綴杆部12が略々真円状に形成されているので、リーフ1110は、綴杆部12の適宜な位置において、表表紙部1012及び裏表紙部1014と略々平行に位置して、表表紙部1012及び裏表紙部1014との間に収容される。
この変形例において、固定本体142は、綴具10の連結部14及び枢結部16の長さ方向における長さより長く形成されており、綴具10の連結部14及び枢結部16よりも向こう側に長く延びた領域に、背表紙部1016の長さ方向にのびる表紙屈曲抑止部142aを形成されている。
表紙屈曲抑止部142aは、固定本体142の裏表紙部1014側の端縁より裏表紙部1014側の第2ヒンジ部1024に向けて舌状に突設され、その背表紙部1016側面を平面にして、背表紙部1016の内面に密着するように構成されている。
【0043】
この発明の実施の形態によれば、綴杆部12及び連結部14は、一対の第1綴具部材18A及び第2綴具部材18Bの各々に形成され、前記綴杆部12を構成する綴杆20,30は、第1綴具部材18A側の第1綴杆20と第2綴具部材18B側の第2綴杆30とが向き合うように、前記連結部14の長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部14の外側部ないし上側部から突設されているので、綴杆部12を開いたときに綴杆部12の最下部が例えば表紙体1010の表面に接地して水平安定し易く、且つ綴杆部12を適宜な角度に開き易い。
この発明の実施の形態によれば、綴杆部12は、前記枢結部16を中心にして左右に分かれた、対称形である第1綴杆20及び第2綴杆30を備え、前記連結部14は、前記枢結部16を中心にして左右に分かれた、対称形である第1連結部50及び第2連結部60を備えているので、同一の金型で左右の部材を成形することができ、製造がし易い。
この発明の実施の形態によれば、連結部14は、向き合う第1連結部50及び第2連結部60の対向部56,66と、前記対向部56,66と相対し綴杆20,30が突設された外側部52,62と、前記対向部56,66と外側部52,62との間において前記対向部56,66及び外側部52,62に交差する面で、枢結部16が連設された下側部58,68とを備えているので、第1連結部の対向部56と第2連結部の対向部66とは、回転方向と直交し綴具10を閉じたときに垂直にすなわち高さ方向にのびる平面であって、綴具10を閉じたときに密着するように形成すれば、綴具10を閉じたときに第1綴杆の綴杆係止部22と第2綴杆の綴杆係止部32との係合状態を安定的に保つことができ、綴杆部12を構成する第1綴杆20と第2綴杆30とにより構成される円環状の径を縮むように作用することを少なくすることができる。
この発明の実施の形態によれば、受け部80,90は、前記連結部14の長手方向に間欠的に形成され、綴杆部12が前記シャフト部100を中心にして回転し且つ綴杆部12を開閉するときに長手方向に相対変移するように形成されているので、複数の綴杆20,30で構成される綴杆部12を一度に開閉させることができる。
この発明の実施の形態によれば、シャフト部100は、断面円形の棒状であり、前記受け部80,90は、全体が弧状で、その内側の円弧部に前記シャフト部100を装填され、且つその外側の上部において、前記綴杆20,30の張り出し方向とは反対方向に張り出すように、前記連結部14が連設されているので、複数の綴杆20,30で構成される綴杆部12を一度に開閉させることができ、且つ、綴杆部12の最下部が例えば表紙体1010の表面に接地して水平安定し易く、且つ綴杆部12を適宜な角度に開き易い。
この発明の実施の形態によれば、綴杆20,30の基部20a,30aは、連結部14の下部と同じ位置に、下部が位置するように形成され、枢結部16の受け部80,90は、連結部14の下部と同じ位置に、上部が位置するように形成されているので、綴杆部12を開いたときに綴杆部12の最下部が例えば表紙体1010の表面に接地して水平安定し易く、且つ綴杆部12を適宜な角度に開き易い。
この発明の実施の形態によれば、連結部14の幅は、枢結部16の幅の2分の1以下であるので、枢結部16の幅よりはみ出すことがなく、リーフ1110を綴杆20,30に沿って捲り、360度開いたときにリーフ1110の表側と裏側との間の隙間が少なく、比較的平坦となり、筆記もし易い。
この発明の実施の形態によれば、枢結部16の受け部80,90は、受け部80,90の開口部84,94が綴杆20,30の外周部に接し、連結部14は、綴杆20,30の内周部から受け部80,90の開口部84,94までの間の高さを有するので、リーフ1110を綴杆20,30に沿って捲り、360度開いたときにリーフの表側1110aと裏側1110bとの間の隙間が少なく、比較的平坦となり、筆記もし易い。
この発明の実施の形態によれば、綴杆係止部22,32は、綴杆20,30の回転方向において係止及び脱係するように、第1綴杆20の凸部24及び凹部26と第2綴杆30の凹部36及び凸部34とが係合するように構成され、且つ、綴杆20,30の回転方向と交差する方向に脱係しないように綴杆20,30の回転方向にのびる脱係防止部28,38が形成されているので、綴杆20,30の回転方向と交差する方向に、閉じられた綴杆の綴杆係止部22,32が脱係しにくい。
【0044】
次に、更に別の実施の形態である帳面について説明する。
図21は、この発明にかかる綴具を用いた手帳の斜視図解図であり、図22Aは、この発明にかかる綴具の全体の斜視図解図であり、図22Bは、この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、図23は、この発明にかかる綴具の斜視図解図であり、(A)は全体の図で、(B)(C)は半割杆の図であり、図24は、第1綴具部材の斜視図解図であり、(A)は右側の図であり、(B)は左側の図であり、図25は、第2綴具部材の斜視図解図であり、(A)は右側の図であり、(B)は左側の図であり、図26は、この発明にかかる綴具を分解した状態における斜視図解図であり、図27は、第1綴具部材と第2綴具部材とを結合する方法を示す斜視図解図であり、図28は、閉じた状態における綴具の正面図解図であり、図29は、閉じた状態における綴具の背面図解図であり、図30Aは、図28A−A部分断面図解図であり、図30Bは、図28B−B断面図解図であり、図30Cは、図28C−C断面図解図であり、図31は、開き始めた状態における綴具の正面図解図であり、図32は、開き始めた状態における綴具の背面図解図であり、図33Aは、図31A−A部分断面図解図であり、図33Bは、図31B−B断面図解図であり、図33Cは、図31C−C断面図解図であり、図34は、手帳のリーフの開き方を示す平面図解図であり、(A)は閉じた状態の図で、(B)は半分捲った状態の図で、(C)は360度捲った状態の図である。
この発明にかかる帳面の一種であるノート1000は、表表紙部1012と、裏表紙部1014と、表表紙部1012と裏表紙部1014との間に介在する背表紙部1016とを有する表紙体1010と、複数の綴杆部412、前記綴杆部412を連結するための連結部414、前記綴杆部412を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢軸部416を備える綴具410と、背表紙部1016の内側に綴具410を固定するための固定部材540とを備える。
この発明の綴具410は、複数の綴杆部412と、前記綴杆部412を連結する連結領域である軸受部414と、前記綴杆部412を連結して前記綴杆部412を構成する第1綴杆420及び第2綴杆430を開閉させるときの中心となる枢結部の領域である枢軸部416とを備える綴具410であって、綴杆部412を捩って閉じている綴杆部412を開くことができるように構成されている。
この綴具410は、主として、一般的にセルリング式ノートと称されるノートに類似した手帳用として構成され、綴具410の綴杆部412に沿ってリーフ1110を回転させて360度広げること、すなわち綴杆部412に綴じられたリーフ1110を綴杆に沿って捲り、360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフ1110の表側と裏側とが軸受部414及び枢軸部416を挟んで向かい合うことができるように、構成されている。
通常、綴じ穴のある筆記する用紙の表側及び裏側に該用紙よりも比較的硬質の表紙が積層されており、この明細書及び特許請求の範囲においては、リーフ1110の表側及び裏側には、用紙、合成樹脂製ポケット等の表面側の表表紙の表側と裏面側の裏表紙の裏側とを含まれる。
【0045】
綴具410は、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとから構成されており、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、綴具410の長さ方向における中央を中心にした対称形であり、それぞれ、綴杆部412,軸受部414及び枢軸部416を備えている。
【0046】
綴杆部412は、第1綴具部材418Aの第1綴杆420と第2綴具部材418Bの第2綴杆430とを有しており、前記綴杆部412を構成する第1綴杆420及び第2綴杆430は、一対の第1綴具部材418Aの第1綴杆420と第2綴具部材418Bの第2綴杆430とが向き合うように、前記綴杆部412を連結する軸受部414及び枢軸部416の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、軸受部414及び枢軸部416の外側部ないし上側部から突設されている。そして、前記第1綴杆420及び第2綴杆430は、前記軸受部414及び枢軸部416を中心にして左右に分かれた、対称形である。
複数の第1綴杆420は、各第1綴杆420の間において、各第1綴杆420の基部420aと連設された第1架設部442によって、適宜な間隔をおいて、綴具410の長手方向に並列されている。
複数の第2綴杆430は、各第2綴杆430の間において、各第2綴杆430の基部430aと連設された第2架設部444によって、適宜な間隔をおいて、綴具410の長手方向に並列されている。
【0047】
前記軸受部414は、第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460とを有しており、第1軸受部450と第2軸受部460とは、綴具410の長さ方向の中央を中心にして対称形である。第1軸受部450及び第2軸受部460は、向こう側から手前側に連続して長手方向に直線状にのびる、中実半円筒状で断面略C字状であり、第1軸受部450は、第1綴杆420に連続して一体的に形成され、第2軸受部460は、第2綴杆430に連続して一体的に形成されている。
【0048】
前記軸受部414は、綴杆部412に綴じられたリーフ1110を第1綴杆420及び第2綴杆430に沿って捲り、360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフ1110の表側と裏側とが軸受部414を挟んで向かい合うことができるように、下部において、第1綴杆420の基部420a及び第2綴杆430の基部430aと近接した位置にて連設されている。
前記軸受部414は、綴杆ののびる方向と直交する方向にのびる長さと綴杆ののびる方向に連続する太さとを有し、綴杆部412に綴じられたリーフ1110を綴杆部412に沿って捲り、360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフ1110の表側と裏側とが軸受部414を挟んで接し合うことができるように構成されている。すなわち、第1軸受部450は、第1綴杆420の基部420aに連設され、第2軸受部460は、第2綴杆430の基部430aに連設され、且つ第1軸受部450は、複数の第1綴杆420を連結するように、複数の第1綴杆420に架設され、第2軸受部460は、複数の第2綴杆430を連結するように、複数の第2綴杆430に架設されている。
第1軸受部450は、枢軸部416を装填するための第1軸受部450の開口部452を半割杆420Aとは反対側の側面に形成されており、且つ第2軸受部460は、第2軸受部460の開口部462を半割杆430Aとは反対側の側面に形成されている。そして、第1軸受部450は、前記開口部452に続く内面が円弧状の軸受凹部454を形成され、第2軸受部460は、開口部462に続く内面が円弧状の軸受凹部464を形成されている。
【0049】
第1綴具部材418Aは、第1綴杆420の基部420aに連設された第1受け部480を有し、第2綴具部材418Bは、第2綴杆430の基部430aに連設された第2受け部490を有している。綴杆部412の基部420aに連設された第1受け部480と綴杆部412の基部430aに連設された第2受け部490との間に形成された収容部482に、前記枢軸部416の長手方向に圧縮し且つ弾発力をかける弾発部材502が介装されている。そして、前記第1受け部480及び第2受け部490並びに弾発部材502は、前記第1綴杆420と第2綴杆430の先端を合わせて閉鎖するとき及び第1綴杆420と第2綴杆430の先端を離間させるときに回転中心となる。
【0050】
前記綴杆を開閉させるときの中心ののびる方向における一端又は両端の領域には、綴杆部412を構成する綴杆のうち対向する一方の複数の綴杆を、対向する他方の複数の綴杆の係止部から脱係させるために、同時に、中心ののびる方向に変位させる、押圧部110が突設されている。
【0051】
前記軸受部414並びに第1受け部480及び第2受け部490の輪郭は、略々同一で、前記第1綴杆420と第2綴杆430の先端を合わせて閉鎖するとき及び第1綴杆420と第2綴杆430の先端を離間させるときに回転中心となる。そして、軸受部414並びに第1受け部480及び第2受け部490は、綴杆部412に綴じられたリーフ1110を第1綴杆420又は第2綴杆430に沿って捲り、360度捲りかえすことができるように構成されている。
【0052】
前記枢軸部416は、第1綴杆420及び第2綴杆430ののびる方向に直交する方向にのびる長さと第1綴杆420及び第2綴杆430ののびる方向に連続する太さとを有し、長手方向に連続する輪郭の一部が円弧状で、第1綴杆420の基部420a及び第2綴杆430の基部430aと連設され且つ複数の第1綴杆420及び第2綴杆430を連設するように複数の第1綴杆420及び第2綴杆430に架設されている。
枢軸部416は、第1綴具部材418Aの第1軸部520と第2綴具部材418Bの第2軸部530とを有しており、第1軸部520と第2軸部530とは、綴具410の長さ方向の中央を中心にして対称形である。
第1軸部520及び第2軸部530は、向こう側から手前側に連続して長手方向に直線状にのびる中実柱状で断面略真円状であり、第1軸部520は第1綴杆420に連続して一体的に形成され、第2軸部530は第2綴杆430に連続して一体的に形成されている。
枢軸部416を構成する第1綴具部材418Aの第1軸部520は、該円弧状の領域において、前記第2綴具部材418Bの第2軸受部460の開口部462から軸受部414の内面が円弧状で長手方向にのびる軸受凹部464に揺動自在に嵌合され、第2綴具部材418Bの第2軸部530は、該円弧状の領域において、前記第1綴具部材418Aの第1軸受部450の開口部452から軸受部414の内面が円弧状で長手方向にのびる軸受凹部454に揺動自在に嵌合されている。
枢軸部416(第1軸部520と第2軸部530)は、前記軸受部414(第1軸受部450と第2軸受部460)の長手方向にのびて、左右に分かれた一対の第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460とを長さ方向に直線状に並んだ状態で連結し、前記第1綴杆420の自由端420bと第2綴杆430の自由端430bとを合わせて閉鎖するとき及び第1綴杆420の自由端420bと第2綴杆430の自由端430bとを離間させるときに回転中心となり、綴杆部412に綴じられたリーフ1110を第1綴杆420及び第2綴杆430に沿って捲り、360度捲りかえすことができるように構成されている。
【0053】
この実施の形態においては、第1綴杆420,第1軸受部450,第1受け部480及び第1軸部520は、第1綴具部材418Aに形成され、第2綴杆430,第2軸受部460,第2受け部490及び第2軸部530は、第2綴具部材418Bに形成され、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、綴具410の長さ方向の中央を中心にして対称形に形成されている。
【0054】
第1綴具部材418Aの第1軸受部450は、手前側の第1軸受部450aと中間の第1軸受部450bとに分かれて形成されており、第1綴具部材418Aの第1受け部480は、手前側の第1軸受部450aと中間の第1軸受部450bとの間に形成されている。
第1綴具部材418Aの第1軸部520は、向こう側の第1軸部520aと中間の第1軸部520bとに分かれて形成されている。そして、向こう側の第1軸部520aは、中間の第1軸受部450bから向こう側に連続して形成されており、中間の第1軸部520bは、第1受け部480から手前側に連続して形成されている。
第2綴具部材418Bの第2軸受部460は、向こう側の第2軸受部460aと中間の第2軸受部460bとに分かれて形成されており、第2綴具部材418Bの第2受け部490は、向こう側の第2軸受部460aと中間の第2軸受部460bとの間に形成されている。
第2綴具部材418Bの第2軸部530は、手前側の第2軸部530aと中間の第2軸部530bとに分かれて形成されている。そして、手前側の第2軸部530aは、中間の第2軸受部460bから手前側に連続して形成されており、第2軸部530bは、第2受け部490から向こう側に連続して形成されている。
【0055】
この実施の形態においては、第1綴具部材418Aは、綴杆部412(第1綴杆420),軸受部414(第1軸受部450),枢軸部416(第1軸部520)及び第1受け部480を合成樹脂で一体成形されてなる。また、同様に、第2綴具部材418Bは、綴杆部412(第2綴杆430),軸受部414(第2軸受部460),枢軸部416(第2軸部530)及び第2受け部490を合成樹脂で一体成形されてなる。
前記綴杆部412,第1綴杆420の第1架設部442,第2綴杆430の第2架設部444及び枢軸部416は、中実状で、連続して一体的に形成され、且つ、前記綴杆部412,第1綴杆420の第1架設部442,第2綴杆430の第2架設部444及び軸受部414は、中実状で、連続して一体的に形成されている。
【0056】
この実施の形態においては、第1綴具部材418Aの向こう側の第1軸部520aと中間の第1軸部520bとは、長手方向に一直線状にのび、同一の太さを有する略々円柱状であり、第1綴具部材418Aを構成する半割杆420A及び第1架設部442と、半割杆420A及び第1架設部442の下側において連続して一体的に形成されており、第2綴具部材418Bの手前側の第2軸部530aと中間の第2軸部530bとは、長手方向に一直線状にのび、同一の太さを有する略々円柱状であり、第2綴具部材418Bを構成する、半割杆430A及び第2架設部444と、半割杆430A及び第2架設部444の下側において連続して一体的に形成されている。
第1綴具部材418Aの向こう側の第1軸部520aと中間の第1軸部520bとは、第2綴具部材418Bの第2軸受部460の軸受凹部464に嵌合する形状を備えており、第2綴具部材418Bの手前側の第2軸部530aと中間の第2軸部530bとは、第1綴具部材418Aの第1軸受部450の軸受凹部454に嵌合する形状を備えている。
【0057】
第1綴具部材418Aの第1軸受部450は、手前側の第1軸受部450aの開口部452と中間の第1軸受部450bの開口部452とが長手方向にのびる断面同一の直線状で、長手方向に一直線状に並ぶ。
第2綴具部材418Bの第2軸受部460は、向こう側の第2軸受部460aの開口部462と中間の第2軸受部460bの開口部462とが長手方向にのびる断面同一の直線状で、長手方向に一直線状に並ぶ。
第1綴具部材418Aの向こう側の第1軸部520aの向こう側の突起部478と第1受け部480の手前側の突起部478とは長手方向に一直線状に並び、第2綴具部材418Bの手前側の第2軸部530aの手前側の突起部476と第2受け部490の向こう側の突起部476とは長手方向に一直線状に並ぶ。
【0058】
綴杆部412は、第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430の軸受部414及び枢軸部416並びに第1綴具部材418Aの第1受け部480及び第2綴具部材418Bの第2受け部490に連設された基部420a及び基部430aとは反対側の自由端420b及び自由端430bに、第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430を閉鎖したときに係止するための綴杆係止部を形成されている。
すなわち、第1綴具部材418Aの第1綴杆420は、基部420aとは反対側の頂部である自由端420bに第1綴杆の綴杆係止部422を形成され、第2綴具部材418Bの第2綴杆430は、基部430aとは反対側の頂部である自由端430bに第2綴杆の綴杆係止部432を形成されている。
綴杆部412は、基部420a及び基部430aから頂部に至る高さ方向(垂直方向)と、第1綴杆420の外周部(外側部)から第2綴杆430の外周部(外側部)に至る幅方向(水平方向)とを備え、第1綴杆420及び第2綴杆430の厚さ(外周部と内周部との間の長さ)よりも、綴具の長さ方向における第1綴杆420及び第2綴杆430の幅の方が長い、断面長方形状である。そして、第1綴杆420及び第2綴杆430は、基部420a及び基部430aから頂部に至るまで、リーフ1110を捲ることができるように、リーフ1110の綴穴1112に貫挿される形状に構成されている。
前記第1綴具部材418Aの第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴具部材418Bの第2綴杆の綴杆係止部432は、係止する第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430の回転方向と交差する方向に、すなわち枢軸部416の長手方向に第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430を相対移動して、第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430の先端を合わせて閉鎖するときに係止し又は第1綴具部材418Aの第1綴杆420及び第2綴具部材418Bの第2綴杆430の先端を離間させるときに脱係するように形成されている。
【0059】
第1綴具部材418Aの第1綴杆420は、閉じたときに略円環状の綴杆となるように、半円弧状の半割杆420Aから構成され、第2綴具部材418Bの第2綴杆430は、閉じたときに略円環状の綴杆となるように、半円弧状の半割杆430Aから構成され、第1綴具部材418Aの第1綴杆420と第2綴具部材418Bの第2綴杆430とは対向するように構成されている。
そして、リーフ1110に予め穿設された綴穴1112に挿通して、リーフ1110を綴じることができるように、半割杆420Aと半割杆430Aとの先端、すなわち第1綴杆420及び第2綴杆430の頂部において、綴杆係止部422,432が形成されている。
第1綴杆420を構成する半割杆420Aと第2綴杆430を構成する半割杆430Aとは、半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422と、半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432とを係止することにより、略円環状に連結される。
【0060】
綴杆部412は、綴杆の第1架設部442並びに第2架設部444及び/又は枢軸部416に連設された基部420a及び基部430aとは反対側の自由端420b及び自由端430bに、綴杆を閉鎖したときに係止するための第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を形成され、前記第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432は、係止する綴杆の回転方向と交差する方向に係止する綴杆を相対移動して係止又は脱係するように形成されている。
そして、前記押圧部110は、綴杆の脱係するときに連結領域である第1架設部442及び第2架設部444,軸受部414並びに枢軸部416の移動する方向とは反対側において、脱係するときに軸受部414及び枢軸部416を移動する方向とは反対側に向けて、綴杆及び/又は連結部414及び/又は枢軸部416に突設されている。
【0061】
この実施の形態においては、第1綴具部材418Aの半割杆420Aの手前側及び第2綴具部材418Bの半割杆430Aの向こう側に形成された押圧部110は、連結領域を構成する第1軸受部450の長手方向における第1綴杆420の手前側に突設された押し棒と、連結領域を構成する第2軸受部460の長手方向における第2綴杆430の向こう側に突設された押し棒とにより構成される。
押圧部110は、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとを連結する連結領域を構成する軸受部414,枢軸部416,第1架設部442及び第2架設部444の長手方向で、綴杆部412を開閉するときの中心ののびる方向に、第1綴杆420又は第2綴杆430を変位させて、第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を脱係させるために柱状又は塊状に形成されている。
押圧部110は、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとを連結する連結領域を構成する軸受部414,枢軸部416,第1架設部442及び第2架設部444の長手方向で、綴杆部412を開閉するときの中心ののびる方向である高さ方向における、第1綴具部材418Aの半割杆420Aの下端部に突設された第1押圧部112と、第2綴具部材418Bの半割杆430Aの上端部に突設された第2押圧部114とによって構成されている。
【0062】
第1押圧部112は、半割杆420Aの基部420aの下端から、第1綴具部材418Aの第1綴杆の綴杆係止部422を脱係するときに軸受部414及び枢軸部416を移動する方向とは反対側すなわち手前側(下方)に向けてのびる円柱状棒体であり、半割杆430Aの手前側にのびる大きさに形成され、押圧する面積を大きくとるように形成されている。
第2押圧部114は、半割杆430Aの基部430aの上端から、第2綴具部材418Bの第2綴杆の綴杆係止部432を脱係するときに軸受部414及び枢軸部416を移動する方向とは反対側すなわち向こう側(上方)に向けてのびる円柱状棒体であり、半割杆420Aの向こう側にのびる大きさに形成され、押圧する面積を大きくとるように形成されている。
【0063】
固定部材540は、固定本体542と、枢支部544とを備え、熱溶着可能な熱可塑性樹脂で一体成形されている。
固定本体542は、背表紙部1016の長さと略同じかそれより僅かに短い長さと、背表紙部1016の縦に2分割した幅より短い幅とを備える、薄板状である。
【0064】
前記固定本体542は、背表紙部1016の表表紙部1012又は裏表紙部1014側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積を備え、表表紙部1012又は裏表紙部1014を開閉するための第1ヒンジ部1022又は第2ヒンジ部1024と折曲部1020との間の領域の形状に沿った、表面形状の固定面を備える板状体である。
前記固定本体542の固定面を背表紙部1016の内側面に、熱溶着により固着されている。
【0065】
枢支部544は、固定本体542の長さ方向において複数に分かれ、適宜な間隔をあけて、固定本体542の幅方向に突設されている。
枢支部544は、第1軸受部450及び第2軸受部460の外表面の形状に対応した断面C字形の筒状に形成されており、枢軸部416と略同じ幅を備え、その中央に第1軸受部450及び第2軸受部460を嵌合するための嵌合凹部546を穿設されている。
嵌合凹部546は、綴具410の枢軸部416と一直線状に並んで第1軸受部450及び第2軸受部460に回動自在に固定されるように形成される。
而して、固定部材540は、枢軸部416の長さ方向において直線状に並び、固定本体542が綴具410の側部に並列される。
枢支部544は、第1綴具部材418Aの第1綴杆420を向こう側に移動させ、第1綴杆420の半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆430の半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432との係合を外すことができるように、その長さ(L1)を形成されている。
前記固定部材540は、第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を枢軸部416及び軸受部414の長手方向に移動させて脱係できるように、第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460とに嵌め込み、固定されている。
第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460との間の間隙は、係止凸部428aが係止凹部438bに嵌合している部分の係止凸部428aの高さ(L3)及び係止凸部438aが係止凹部428bと嵌合している部分の係止凸部438aの高さより長く構成され、係止凸部428aが係止凹部438bより脱係し、係止凸部438aが係止凹部428bより脱係するように構成されている。
【0066】
そして、第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432は、図31において示すように、第1押圧部112に例えば親指を当て、また第2押圧部114に人差指を当て、第1押圧部112を向こう側(上方)に向けて、また第2押圧部114を手前側(下方)に向けて押して、第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆の綴杆係止部432とを脱係させる。
そして、第1押圧部112と第2押圧部114とは、図33A、図33B及び図33Cにおいて示すように、第1綴杆420及び第2綴杆430ののびる方向において反対方向に回転させて、綴杆部412を開く。
そして、綴杆部412を開くときにおいては、第1綴杆420と第2綴杆430とは、押圧部110を指で押すことにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を外すことができるように構成されている。
【0067】
第1綴杆420を構成する半割杆420Aの先端に形成された第1綴杆の綴杆係止部422を構成する先端の第1綴杆の凸部424及びその第1綴杆の凸部424に続く第1綴杆の凹部426と、第2綴杆430を構成する半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432を構成する先端の第2綴杆の凸部434及びその先端の第2綴杆の凸部434に続く第2綴杆の凹部436とは、第1綴杆420と第2綴杆430とを閉じたとき係合するように逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
すなわち、第1綴杆420を構成する半割杆420Aの先端に形成された第1綴杆の綴杆係止部422を構成する第1綴杆の凸部424は、手前側に向けて突き出されている。そして、その第1綴杆の凸部424に続く第1綴杆の凹部426は、向こう側に向けて凹んでいる。半割杆430Aの先端に形成された第2綴杆の綴杆係止部432を構成する第2綴杆の凸部434は、向こう側に向けて突き出されている。そして、その先端の第2綴杆の凸部434に続く第2綴杆の凹部436は、手前側に向けて凹んでいる。
第1綴杆420と第2綴杆430とを閉じたとき係合するように、第1綴杆の凸部424及び第1綴杆の凹部426と第2綴杆の凸部434及び第2綴杆の凹部436とは、逆方向に向けて突き出しあるいは凹み形成されている。
半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422を構成する第1綴杆の凸部424と半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432を構成する第2綴杆の凸部434とは、反対方向に向けて突き出し設けられている。
また、半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422を構成する第1綴杆の凹部426と半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432を構成する第2綴杆の凹部436とは、反対方向に向けて凹み形成されている。
【0068】
前記第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432は、第1綴杆420及び第2綴杆430の回転方向及び回転方向と交差する方向に脱係しないように、第1綴杆420及び第2綴杆430の回転方向と交差する方向にのびる脱係防止部428及び脱係防止部438が形成されている。
脱係防止部428は、頂部側において手前側に向けて突き出る鉤鼻状係止凸部428aと、基部420a側において向こう側に向けて凹む係止凹部428bとを有し、自由端側の係止凸部428aから続いて基部420a側に係止凹部428bが形成されている。
脱係防止部438は、頂部側において向こう側に向けて突き出る鉤鼻状係止凸部438aと、基部430a側において手前側に向けて凹む係止凹部438bとを有し、自由端側の係止凸部438aから続いて基部430a側に係止凹部438bが形成されている。
第1綴杆420と第2綴杆430とを閉じたとき、脱係防止部428の係止凸部428aは脱係防止部438の係止凹部438bに嵌合され、脱係防止部438の係止凸部438aは脱係防止部428の係止凹部428bに嵌合され、係止凸部428aと係止凸部438aとは、第1綴杆420と第2綴杆430とを回転方向に引いたときに、突き当たる。
第1綴杆の綴杆係止部422の脱係防止部428は、第2綴杆の綴杆係止部432の上部に向けて突き出され、第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆の綴杆係止部432とを係合したときに、第2綴杆430が上方に向けて衝撃などにより移動することを防止している。
第2綴杆の綴杆係止部432の脱係防止部438は、第1綴杆の綴杆係止部422の上部に向けて突き出され、第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆の綴杆係止部432とを係合したときに、第1綴杆420が上方に向けて衝撃などにより移動することを防止している。
このように、この実施の形態においては、第1綴杆420の基部420aに突設された第1押圧部112及び第2綴杆430の基部430aに突設された第2押圧部114を指で押すことにより、第1綴具部材418Aの第1綴杆420を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材418Bの第2綴杆430を手前側に移動させて、第1綴杆420の半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆430の半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432との係合を外すことができる。
なお、閉じるときにおいては、脱係防止部428の係止凸部428aと脱係防止部438の係止凸部438aとは、突き出たり滑りながら係止凹部438b及び係止凹部428bに嵌まるように、なだらかな傾斜面が自由端から形成されている。
【0069】
第1綴具部材418Aの第1架設部442は、第1架設部442と第2綴具部材418Bの第2架設部444とが向き合う領域である第1架設部442の対向部442aを備える。
第2綴具部材418Bの第2架設部444は、第1綴具部材418Aの第1架設部442と第2架設部444とが向き合う領域である第2架設部444の対向部444aを備える。
この実施の形態においては、第1架設部442及び第2架設部444は、略四角柱状である。
そして、第1綴具部材418Aの第1架設部442の対向部442aと第2綴具部材418Bの第2架設部444の対向部444aとは、回転方向と略々直交し綴具410を閉じたときに垂直にすなわち高さ方向にのびる平面であって、図22A、図22B、図30A、図30B及び図30Cに示すように綴具410を閉じたときに密着するように形成されている。
【0070】
前記軸受部414は、その側面に、第1綴杆420及び第2綴杆430の開き角度をリーフ1110の挿入し易い角度、例えば約60〜70度に規制するための第1の開き角規制部470及び第2の開き角規制部472を形成されている。
第1の開き角規制部470は、第1綴具部材418Aの第1軸受部450の開口部452の口縁部の接合面452aと第2綴具部材418Bの第2架設部444の下端の接合面444bとから構成され、一方、第2の開き角規制部472は、第2綴具部材418Bの第2軸受部460の開口部462の口縁部の接合面462aと第1綴具部材418Aの第1架設部442の下端の接合面442bとから構成されている。
そして、綴杆部412を閉じたときに、第1綴具部材418Aの第1の開き角規制部470の接合面452aと第2綴具部材418Bの第1の開き角規制部470の接合面444bとは、図30A、図30B及び図30Cにおいて示すように、略70度開いた傾斜面であって対向しており、綴杆部412を開いたときに、第1綴具部材418Aの第1の開き角規制部470の接合面452aと第2綴具部材418Bの第1の開き角規制部470の接合面444bとは、図33A、図33B及び図33Cにおいて示すように、接し合い、半割杆420Aと半割杆430Aの開き角度を、リーフ1110の挿入しや易い角度に規制する。
また、綴杆部412を閉じたときに、第2綴具部材418Bの第2の開き角規制部472の接合面462aと第1綴具部材418Aの第2の開き角規制部472の接合面442bとは、図30A、図30B及び図30Cにおいて示すように、略70度開いた傾斜面であって対向しており、綴杆部412を開いたときに、第2綴具部材418Bの第2の開き角規制部472の接合面462aと第1綴具部材418Aの第2の開き角規制部472の接合面442bとは、図33A、図33B及び図33Cにおいて示すように、接し合い、半割杆420Aと半割杆430Aの開き角度を、リーフ1110の挿入しや易い角度に規制する。
【0071】
枢軸部416並びに第1受け部480及び第2受け部490は、閉じられた第1綴杆420及び第2綴杆430の開くことを阻止する軸部回転規制部474を端部に形成されている。
前記軸部回転規制部474は、第2綴具部材418Bの手前側の第2軸部530aの手前側に形成された突起部476と第1綴具部材418Aの第1軸受部450の手前側に切り欠き形成された規制凹部456及び第1綴具部材418Aの向こう側の第1軸部520aの向こう側に形成された突起部478と第2綴具部材418Bの第2軸受部460の向こう側に切り欠き形成された規制凹部466とから構成されており、第2綴具部材418Bの突起部476と第1綴具部材418Aの規制凹部456と及び第1綴具部材418Aの突起部478と第2綴具部材418Bの規制凹部466とは、綴杆部412が閉じられたときに綴杆部412の開く方向とは反対側の端縁に係止される面を備えている。
第1綴具部材418Aの突起部478は、半割杆420A側に、第2綴具部材418Bの規制凹部466の対向部と係止される(綴具410の長さ方向にのびる)平面を備えており、第1綴具部材418Aの規制凹部456の対向部は、半割杆420A側に、第2綴具部材418Bの突起部476と係止される(綴具410の長さ方向にのびる)平面を有している。
また、第2綴具部材418Bの突起部476は、半割杆430A側に、第1綴具部材418Aの規制凹部456の対向部と係止される(綴具410の長さ方向にのびる)平面を備えており、第2綴具部材418Bの規制凹部466の対向部は、半割杆430A側に、第1綴具部材418Aの突起部478と係止される(綴具410の長さ方向にのびる)平面を備えている。
更に、他の突起部476は、第2綴具部材418Bの枢軸部416(第2軸部530b)の手前側と第2受け部490の向こう側に枢軸部416(第2軸部530b)と略々同じ幅と略々同じで、中間の第1軸受部450bの規制凹部456よりわずかに短い長さを有して突設され、他の突起部478は、第1綴具部材418Aの枢軸部416(第1軸部520b)の向こう側と第1受け部480の手前側に枢軸部416(第1軸部520b)と略々同じ幅と略々同じで、中間の第2軸受部460bの規制凹部466よりわずかに短い長さを有して突設されている。
第1受け部480の突起部478の手前側端と中間の第2軸受部460bの向こう側端とは、綴杆部412を閉鎖したときに隙間があいており、第2受け部490の突起部476の向こう側端と中間の第1軸受部450bの手前側端とは、綴杆部412を閉鎖したときに隙間があいている。
而して、綴杆部412を閉じたときに、第1綴具部材418Aの突起部478及び規制凹部456の対向部の平面と第2綴具部材418Bの突起部476及び規制凹部466の対向部の平面と接し合い、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとを幅方向に引き離す力、綴杆部412の径方向に引き離す力が働いても、第1綴具部材418Aの半割杆420Aと第2綴具部材418Bの半割杆430Aとは離れない。
綴杆部412を開くときには、向こう側の第2軸受部460aの規制凹部466と突起部478とは長さ方向に摺動し、手前側の第1軸受部450aの規制凹部456と突起部476とは長さ方向に摺動して、且つ第1受け部480の突起部478と中間の第2軸受部460bの規制凹部466とは摺動し、第2受け部490の突起部476と中間の第1軸受部450bの規制凹部456とは摺動する。而して、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、綴具410の長さ方向に相対移動させることができ、第1綴杆420と第2綴杆430とを綴具410の幅方向に開くことができる。
【0072】
第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、図26に示すように対称形に形成されており、分離されている第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、図27に示すように、第1綴具部材418Aの突起部478の手前側に第2綴具部材418Bの向こう側の第2軸受部460aの向こう側の先端を位置させ且つ第2綴具部材418Bの突起部476の向こう側に手前側の第1軸受部450aの手前側の先端を位置させて、第1綴具部材418Aの手前側の第1軸受部450aの開口部452及び中間の第1軸受部450bの開口部452より第2綴具部材418Bの手前側の第2軸部530a及び中間の第2軸部530bを嵌入させ且つ第2綴具部材418Bの向こう側の第2軸受部460aの開口部462及び中間の第2軸受部460bの開口部462より第1綴具部材418Aの向こう側の第1軸部520a及び中間の第1軸部520bを嵌入させて、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとを結合する。
それとともに、第1綴具部材418Aと第2綴具部材418Bとは、第1綴杆420と第2綴杆430とを開閉するときに半割杆420Aと半割杆430Aとを綴具410の長さ方向に相対変移するように、枢軸部416を軸受部414に摺動自在に装填されている。
第1綴具部材418A及び第2綴具部材418Bは、第1綴具部材418A側の第1軸受部450に第2綴具部材418Bの第2軸部530を嵌合され且つ第2綴具部材418B側の第2軸受部460に第1綴具部材418Aの第1軸部520を嵌合されたときに、対向する第1受け部480と第2受け部490との間に、収容部482を形成されている。
収容部482は、弾発部材502を装填され、該弾発部材502は、第1受け部480を手前側に押し且つ第2受け部490を向こう側に押して、第1綴具部材418Aの半割杆420Aと第2綴具部材418Bの半割杆430Aとを強く係止させる。
【0073】
そして、第1綴杆420と第2綴杆430とを閉鎖したときに、枢軸部416の軸線上において、第1綴具部材418Aは、中間の第1軸受部450bの手前側端面と第2綴具部材418Bの第2受け部490の向こう側端面とが接し合い、且つ、第2綴具部材418Bは、中間の第2軸受部460bの向こう側端面と第1綴具部材418Aの第1受け部480の手前側端面とが接し合う。また、第1綴杆420と第2綴杆430との係合を外して開いたときに、第1綴杆420と第2綴杆430とを、長さ方向において適宜な位置で開くようにするために、枢軸部416の軸線上において、第1綴具部材418Aは、中間の第1軸受部450bの手前側端面と第2綴具部材418Bの第2受け部490の向こう側端面とが接し合い、且つ、第2綴具部材418Bは、中間の第2軸受部460bの向こう側端面と第1綴具部材418Aの第1受け部480の手前側端面とが接し合う。
【0074】
また、第1綴杆420と第2綴杆430とを閉鎖したときに、隣接する第1綴具部材418Aの中間の第1軸受部450bの向こう側端縁と第2綴具部材418Bの向こう側の第2軸受部460aの手前側端縁との間及び隣接する第2綴具部材418Bの中間の第2軸受部460bの手前側端縁と第1綴具部材418Aの手前側の第1軸受部450aの向こう側端縁との間に適宜な間隔をあけて整列される。
(第1綴杆420と第2綴杆430とを閉鎖したときにおける)隣接する第1綴具部材418Aの中間の第1軸受部450bの向こう側端縁と第2綴具部材418Bの向こう側の第2軸受部460aの手前側端縁との間及び隣接する第2綴具部材418Bの中間の第2軸受部460bの手前側端縁と第1綴具部材418Aの手前側の第1軸受部450aの向こう側端縁との間における適宜な間隔とは、第1綴杆420と第2綴杆430とを軸受部414の長さ方向に相対移動すなわち第2綴杆430を手前側に向けて及び第1綴杆420を向こう側に向けて相対移動させて、第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆の綴杆係止部432とを脱係させるに必要な長さをいう。
【0075】
また、隣接する第1綴具部材418Aの中間の第1軸受部450bの手前側端縁と第2綴具部材418Bの第2受け部490の突起部476の先端との間及び隣接する第2綴具部材418Bの中間の第2軸受部460bの向こう側端縁と第1綴具部材418Aの第1受け部480の突起部478の先端との間に適宜な間隔をあけて整列される。
【0076】
この実施の形態においては、弾発部材502の押圧力に抗して、第1綴具部材418Aの第1綴杆420を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材418Bの第2綴杆430を手前側に移動させて、閉鎖していた第1綴杆420と第2綴杆430とを開く。
この実施の形態においては、第1綴具部材418Aの手前側の第1軸受部450aは、第2綴具部材418Bの突起部476により手前側が塞がれている。又、第2綴具部材418Bの向こう側の第2軸受部460aは、第1綴具部材418Aの突起部478により向こう側が塞がれている。従って、向こう側の第1軸部520aの向こう側端は、向こう側の突起部478により向こう側の第2軸受部460aから抜け出ることを防止され、手前側の第2軸部530aの手前側端は、手前側の突起部476により手前側の第1軸受部450aから抜け出ることを防止される。
【0077】
前記軸受部414,第1受け部480及び第2受け部490の幅(幅方向における)は、第1綴具部材418Aの第1架設部442と第2綴具部材418Bの第2架設部444とを合わせた幅(幅方向における)と同等又はそれ以下である。又、軸部回転規制部474の領域の幅、すなわち、手前側の第1軸受部450aの対向部領域の幅と突起部476との幅の和及び向こう側の第2軸受部460aの対向部領域の幅と突起部478の幅との和は、第1架設部442の幅と第2架設部444の幅を合わせた幅と同様又はそれ以下である。
これは、軸受部414及び軸部回転規制部474の幅が、第1架設部442の幅と第2架設部444の幅とを合わせた幅と同等又はそれ以下の方が、リーフ1110を360度捲りかえして、枢軸部416及び軸部回転規制部474を挟んでリーフ1110の表面と裏面とを比較的間隔をあけずに向かい合わせることができるようにするためである。
【0078】
綴具410の中央あたりに存する前記第1綴具部材418Aの第1受け部480と第2綴具部材418Bの第2受け部490との間に形成された収容部482に、前記枢軸部416の長手方向にテンションをかける弾発部材502が、圧縮された状態で介装されている。弾発部材502は、鋼線をコイル形に巻いて作られたコイルバネにより形成され、筒形のコイルバネの輪の中に第1受け部480から収容部482側に突設された弾発部材固定凸部484と第2受け部490から収容部482側に突設された弾発部材固定凸部494とを挿通されている。
そして、弾発部材502は、その向こう側端が第2綴具部材418Bの第2受け部490の手前側端に接し、その手前側端が第1綴具部材418Aの第1受け部480の向こう側端に接して、復元力(均一な)によって第1綴具部材418Aを手前側に押し下げ且つ第2綴具部材418Bを向こう側に押し上げるように構成されている。
而して、弾発部材502は、綴杆部412を閉じているときには、第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆の綴杆係止部432とを係合させる方向に作用している。
第1押圧部112及び第2押圧部114を指で押すことにより、係止された第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を外すときには、弾発部材502の弾発力に抗して第1綴具部材418Aの第1綴杆420を向こう側に移動させ且つ第2綴具部材418Bの2綴杆430を手前側に移動させて、閉じていた第1綴杆420と第2綴杆430とを開く。更に、第1綴杆420と第2綴杆430とは、幅方向において外側に(すなわち、第1綴杆420を左側(表側)に回転させ、且つ第2綴杆430を右側(裏側)に)、回転させて、リーフ1110を綴じたり外したりし易くすることができる。
【0079】
綴具410は、第1綴杆420及び第2綴杆430に、リーフ1110の高さ方向に適宜な間隔をあけて連続して設けられた綴穴1112を貫挿し、リーフ1110の高さ方向にのびる綴じ代側端縁514の側に枢軸部416を位置させ、綴穴1112と綴じ代側端縁514との間に第1綴杆420及び第2綴杆430が架け渡されるようにして、リーフ1110を綴じ、手帳を形成する。
綴具410は、綴具410の長さ方向が、幅方向にのびる端縁に綴穴1112を形成したリーフ1110の幅方向にのびるように、リーフ1110を綴じて、手帳を形成してもよい。
【0080】
表表紙部1012及び裏表紙部1014は、背表紙部1016の折曲部1020を中心にして360度捲り返され、且つ綴具410に綴じられたリーフ1110は、図17において示すように、枢軸部416側に向けて捲りかえされ、閉じられて積層されていたときのリーフの表側1110aとリーフの裏側1110bとを枢軸部416を挟んで向かい合わせることにより、筆記等に用いることができる。
【0081】
前記図21図示実施の形態は、次のように変更することができる。
図35Aは、開き始めた状態における綴具の正面図解図であり、図35Bは、開き始めた状態における綴具の背面図解図であり、図35Cは、綴具に固定部材を固定する方法を示す断面図解図であり、図35Dは、図35A図示例の横断面図解図である。
【0082】
第1綴具部材418Aの第1軸受部450は、固定部材540を固定するための固定部材収容部550を穿設され、第2綴具部材418Bの第2軸受部460は、同様に、固定部材540を固定するための固定部材収容部560を穿設されている。
第2綴具部材418Bの第2架設部444は、第1綴具部材418Aの第1軸受部450に穿設された固定部材収容部550と連続する固定部材収容部552を穿設されている。
第1綴具部材418Aの第1架設部442は、第2綴具部材418Bの第2軸受部460に穿設された固定部材収容部560と連続する固定部材収容部562を穿設されている。
【0083】
この実施の形態においては、第1綴具部材418Aの固定部材収容部550は、第2綴具部材418Bの枢軸部416に達する深さの切り欠きにより形成され、固定部材収容部550に連続して形成された固定部材540を嵌め込むための第2綴具部材418Bの固定部材収容部552は、第2綴具部材418Bの枢軸部416の外表面に続く断面円弧状の切り欠きであり、第2綴具部材418Bの第2架設部444に穿設されている。
第2綴具部材418Bの固定部材収容部560は、第1綴具部材418Aの枢軸部416に達する深さの切り欠きにより形成され、固定部材収容部560に連続して形成された固定部材540を嵌め込むための第1綴具部材418Aの固定部材収容部562は、第1綴具部材418Aの枢軸部416の外表面に続く断面円弧状の切り欠きであり、第1綴具部材418Aの第1架設部442に穿設されている。
【0084】
固定部材540は、固定本体542と、枢支部544とを備え、熱溶着可能な熱可塑性樹脂で一体成形されている。
固定本体542は、背表紙部1016の長さと略同じかそれより僅かに短い長さと、背表紙部1016の縦に2分割した幅より短い幅とを備える、薄板状である。
【0085】
前記固定本体542は、背表紙部1016の表表紙部1012又は裏表紙部1014側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積を備え、表表紙部1012又は裏表紙部1014を開閉するための第1ヒンジ部1022又は第2ヒンジ部1024と折曲部1020との間の領域の形状に沿った、表面形状の固定面を備える板状体である。
前記固定本体542の固定面を背表紙部1016の内側面に、熱溶着により固着されている。
【0086】
枢支部544は、固定本体542の長さ方向において複数に分かれ、適宜な間隔をあけて、固定本体542の幅方向に突設されている。
枢支部544は、断面円弧状の切り欠きで形成された固定部材収容部550及び固定部材収容部560に対応した断面C字形の筒状に形成されており、枢軸部416と略同じ幅を備え、その中央に枢軸部416を嵌合するための嵌合凹部546を穿設されている。
嵌合凹部546は、綴具410の枢軸部416と一直線状に並んで枢軸部416に回動自在に固定されるように形成される。
而して、固定部材540は、枢軸部416の長さ方向において直線状に並び、固定本体542が綴具410の側部に並列される。
枢支部544は、第1綴具部材418Aの第1綴杆420を向こう側に移動させ、第1綴杆420の半割杆420Aの第1綴杆の綴杆係止部422と第2綴杆430の半割杆430Aの第2綴杆の綴杆係止部432との係合を外すことができるように、その長さ(L1)を形成されている。
前記固定部材540は、第1綴杆の綴杆係止部422及び第2綴杆の綴杆係止部432を枢軸部416及び軸受部414の長手方向に移動させて脱係できるように、第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460との間に間隙(L2)を設けた状態において、固定部材収容部550及び固定部材収容部552並びに固定部材収容部560及び固定部材収容部562に嵌め込み、枢軸部416に回動自在に嵌挿されている。
、第1綴具部材418Aの第1軸受部450と第2綴具部材418Bの第2軸受部460との間の間隙は、係止凸部428aが係止凹部438bに嵌合している部分の係止凸部428aの高さ(L3)及び係止凸部438aが係止凹部428bと嵌合している部分の係止凸部438aの高さより長く構成され、係止凸部428aが係止凹部438bより脱係し、係止凸部438aが係止凹部428bより脱係するように構成されている。
【符号の説明】
【0087】
10,410 綴具
12,412 綴杆部
14 連結部
16 枢結部
18A,418A 第1綴具部材
18B,418B 第2綴具部材
20,420 第1綴杆
20a,30a,420a,430a 基部
20b,30b,420b,430b 自由端
20A,30A,420A,430A 半割杆
22,422 第1綴杆の綴杆係止部
24,424 第1綴杆の凸部
26,426 第1綴杆の凹部
28,38,428,438 脱係防止部
28a,38a,428a,438a 係止凸部
28b,38b,428b,438b 係止凹部
30,430 第2綴杆
32,432 第2綴杆の綴杆係止部
34,434 第2綴杆の凸部
36,436 第2綴杆の凹部
50 第1連結部
50a 支持部
52 第1連結部の外側部
54 第1連結部の上側部
56 第1連結部の対向部
58 第1連結部の下側部
60 第2連結部
60a 支持部
62 第2連結部の外側部
64 第2連結部の上側部
66 第2連結部の対向部
68 第2連結部の下側部
70,72 開き角規制部
70a,72a,442b,444b,452a,462a 接合面
80,480 第1受け部
82 第1収容部
84,94,452,462 開口部
86,96 円弧部
90,490 第2受け部
92 第2収容部
100 シャフト部
102,502 弾発部材
102a 巻線部
102b 第1固定先端部
102c 第2固定先端部
110 押圧部
112 第1押圧部
114 第2押圧部
140,540 固定部材
142,542 固定本体
142a 表紙屈曲抑止部
142b 固着具孔
144,544 枢支部
146 貫挿孔
150,550,552,560,562 固定部材収容部
1000 ノート
1010 表紙体
1012 表表紙部
1014 裏表紙部
1016 背表紙部
1020 折曲部
1022 第1ヒンジ部
1024 第2ヒンジ部
1110 リーフ
1110a リーフの表側
1110b リーフの裏側
1112 綴じ穴
1114 綴じ代側端縁
414 軸受部
416 枢軸部
442 第1架設部
442a,444a 対向部
444 第2架設部
450 第1軸受部
450a 手前側の第1軸受部
450b 中間の第1軸受部
454,464 軸受凹部
456,466 規制凹部
460 第2軸受部
460a 向こう側の第2軸受部
460b 中間の第2軸受部
470 第1の開き角規制部
472 第2の開き角規制部
474 軸部回転規制部
476,478 突起部
482 収容部
520 第1軸部
520a 向こう側の第1軸部
520b 中間の第1軸部
530 第2軸部
530a 手前側の第2軸部
530b 中間の第2軸部
546 嵌合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、
複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結部、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、
前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、
前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結部を構成する一対の連結部の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結部の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、
前記連結部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、
前記枢結部は、
シャフト部とシャフト部の受け部とを備え、
前記シャフト部は、前記連結部の長手方向にのび、一対の連結部を連結し、
前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるようにシャフト部に回動自在に装填され、
前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、
前記綴具の枢結部及び固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成された、帳面。
【請求項2】
表表紙部、裏表紙部及び表表紙部と裏表紙部との間に介在する背表紙部を有する表紙体と、
複数の綴杆部、前記綴杆部を連結するための連結領域、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部を備える綴具と、
前記綴具を背表紙部の内側に固定するための固定部材とを備え、
前記綴杆部を構成する綴杆は、一対の綴杆が向き合うように、前記連結領域を構成する一対の連結領域の各々にその長手方向に適宜な間隔をおいて、連結領域の外側部ないし上側部から突設され、綴杆係止部が枢結部の長手方向に移動して開閉するように形成され、
前記連結部領域は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえし、閉じたときに両端にあるリーフの表側と裏側とが枢結部を挟んで向かい合うことができるように、下部において綴杆の基部と近接した位置に枢結部を連設され、
前記連結領域は、
枢結部と軸受部とを備え、
前記枢結部及び軸受部は、前記綴杆部の並列される方向にのび、枢結部を連結して前記綴杆部を連結し、
前記固定部材は、綴杆の綴杆係止部を枢結部の長手方向に移動させて脱係できるように、枢支部と綴具の軸受部との間及び/又は軸受部と軸受部との間及び/又は軸受部に並んで、連結領域に回動自在に装填され、
前記表紙部は、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように、前記綴杆部を構成する綴杆を開閉させるときの中心となる枢結部の長手方向に沿って手前側から向こう側に亘って連続して形成された外側に折り曲げるための折曲部を備え、
前記綴具の枢結部及び軸受部並びに固定部材の枢支部は、前記折曲部の近傍に位置して、前記綴杆の先端を合わせて閉鎖するとき及び綴杆の先端の綴杆係止部を離間させるときに回転中心となり、綴杆部に綴じられたリーフを綴杆に沿って捲り、略360度捲りかえすことができるように構成された、帳面。
【請求項3】
前記固定部材は、
背表紙部の表表紙部側若しくは裏表紙部側の領域の半分と同一もしくはそれ以下の面積又は裏表紙部の高さ方向に形成された折曲部の上に跨る面積を備え、
表表紙部又は裏表紙部を開閉するためのヒンジ部と折曲部との間の領域の形状に沿った表面形状の固定面を備える板状の固定本体と、前記固定本体の幅方向に突設された枢支部とを備え、
前記枢支部を、枢結部領域を構成するシャフト部又は枢軸部に回動自在に装填され、且つ前記固定部材の固定本体の固定面を背表紙部の内側面又は裏表紙部の内側面に固着された、請求項1又は請求項2に記載の帳面。
【請求項4】
前記表紙体は、
背表紙部の幅方向における略中央に背表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成され、
又は、背表紙部又は裏表紙部の高さ方向にのびる折曲部を形成された、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の帳面。
【請求項5】
前記受け部と受け部との間、前記軸受部と軸受部との間、前記軸受部及び/又は受け部と固定部材の枢支部との間は、第1綴杆の綴杆係止部と第2綴杆の綴杆係止部を枢結部領域の長手方向に移動させて脱係できるように、間隙を形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の帳面。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30A】
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【図30B】
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【図30C】
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【図30D】
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【図31】
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【図32】
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【図33A】
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【図33B】
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【図33C】
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【図34】
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【図35A】
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【図35B】
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【図35C】
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【図35D】
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【図36】
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【図37】
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