説明

常温接合装置

【課題】装置を長寿命化すること。
【解決手段】真空雰囲気を生成する接合チャンバ2と、ロードロックチャンバー3と接合チャンバ2との間を開閉するゲートバルブ5と、ゲートバルブ5を介して上側基板と下側基板とをロードロックチャンバー3から接合チャンバ2に搬送する搬送機構8と、上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を真空雰囲気で照射するイオンガン32とを備えている。このとき、イオンガン32は、接合チャンバ2の内側表面のうちのゲートバルブ5を除く領域に向いている。このような常温接合装置1は、ゲートバルブ5の汚染が防止されて、長寿命化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常温接合装置に関し、特に、常温接合を用いて製品を大量に生産する常温接合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
微細な電気部品や機械部品を集積化したMEMSが知られている。そのMEMSとしては、マイクロリレー、圧力センサ、加速度センサなどが例示される。そのMEMSは、大きな接合強度を持ち、かつ荷重による押し付けや加熱処理を必要としない常温接合が用いられて製造されることが望まれている。その常温接合装置は、長寿命であることが望まれ、よりコンパクトであることが望まれている。常温接合装置は、より速く常温接合することが望まれている。
【0003】
特許2791429号公報には、大きな接合強度を持ち、かつ荷重による押し付けや加熱処理を必要としないシリコンウェハーの接合方法が開示されている。そのシリコンウェハーの常温接合法は、シリコンウェハーとシリコンウェハーとを接合する方法であって、両方のシリコンウェハーの接合面を接合に先立って室温の真空中で不活性ガスイオンビームまたは不活性ガス高速原子ビームで照射してスパッタエッチングすることを特徴とする。
【0004】
特開2001−351892号公報には、その接合法を大量生産が要求される現実の実装工程により便利に適合させるとともに、実装工程全体のタクトタイムの短縮をはかった実装方法が開示されている。その実装方法は、複数の被接合物同士を接合する実装方法であって、各被接合物の表面にエネルギー波を照射することにより洗浄する洗浄工程と、洗浄された被接合物を実装工程に搬送する搬送工程と、搬送された各被接合物の洗浄された表面同士を常温接合する実装工程とを有することを特徴とする。
【0005】
特開2002−064042号公報には、最終的に極めて高精度で信頼性の高い接合状態を得ることができる実装方法が開示されている。その実装方法は、複数の被接合物同士を接合する実装方法であって、第1の被接合物と、第2の被接合物およびその保持手段と、位置決め基準面を有するバックアップ部材とをこの順に互いに離間させて配置し、第2の被接合物またはその保持手段のバックアップ部材の位置決め基準面に対する平行度を調整するとともに、第1の被接合物またはその保持手段の第2の被接合物またはその保持手段に対する平行度を調整し、第1の被接合物を第2の被接合物に接触させて両被接合物を仮接合した後、第2の被接合物の保持手段をバックアップ部材の位置決め基準面に接触させ、両被接合物を加圧して本接合することを特徴とする。
【0006】
特開2003−318219号公報には、エネルギー波もしくはエネルギー粒子により効率よくかつ均一に接合面を洗浄できるようにし、また、チャンバ内で洗浄する際にも、対向チャンバ壁面エッチングによる不純物付着の問題を回避できるようにした実装方法が開示されている。その実装方法は、対向する両被接合物間に形成される間隙内に、一つの照射手段によりエネルギー波もしくはエネルギー粒子を照射して両被接合物の接合面を実質的に同時洗浄するとともに、洗浄中に少なくとも一方の被接合物を回転させ、洗浄された被接合物間の相対位置をアライメント後、被接合物同士を接合することを特徴とする。
【0007】
【特許文献1】特許2791429号公報
【特許文献2】特開2001−351892号公報
【特許文献3】特開2002−064042号公報
【特許文献4】特開2003−318219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許公報には、基板の表面を真空中で洗浄した後に、被接合面同士を重ね合わせ、接合を行う常温接合法を用いたMEMS実装方法および装置が記載されているが、生産機に求められる用件を満たすためには、要素配列および要素構造の適切化といった観点も含めて、更なる信頼性、コンパクト化、量産性向上を指向する必要がある。
本発明は、上記のごとき事情に鑑み為されたものであり、長寿命である常温接合装置を提供することを目的とするものである。
本発明の他の課題は、よりコンパクトで低コストである常温接合装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下に、発明を実施するための最良の形態・実施例で使用される符号を括弧付きで用いて、課題を解決するための手段を記載する。この符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態・実施例の記載との対応を明らかにするために付加されたものであり、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0010】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、真空雰囲気を生成する接合チャンバ(2)と、ロードロックチャンバー(3)と接合チャンバ(2)との間を開閉するゲートバルブ(5)と、ゲートバルブ(5)を介して上側基板と下側基板とをロードロックチャンバー(3)から接合チャンバ(2)に搬送する搬送機構(8)と、上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を真空雰囲気で照射する表面清浄化装置(32)とを備えている。表面清浄化装置(3)としては、イオンガン、プラズマガン、高速原子ビーム源などが例示される。このとき、イオンガン(32)は、接合チャンバ(2)の内側表面のうちのゲートバルブ(5)を除く領域に向いている。このような常温接合装置(1)(81)は、ゲートバルブ(5)の汚染が防止されて、長寿命化する。
【0011】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、接合チャンバ(2)と、接合チャンバ(2)に形成される排気口(35)を介して接合チャンバ(2)の内部から気体を排気して接合チャンバ(2)の内部に真空雰囲気を生成する真空ポンプ(31)と、真空雰囲気で上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を照射するイオンガン(32)と、イオンガン(32)は、接合チャンバ(2)の内側表面のうちの排気口(35)を除く領域に向いている。このような常温接合装置(1)(81)は、真空ポンプ(31)の汚染が防止されて、長寿命化する。
【0012】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、接合チャンバ(2)に形成される排気口(35)を介して接合チャンバ(2)の内部から気体を排気して真空雰囲気を生成する真空ポンプ(31)と、真空雰囲気で上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を照射するイオンガン(32)とをさらに備えている。このとき、イオンガン(32)は、接合チャンバ(2)の内側表面のうちの排気口(35)とゲートバルブ(5)とを除く領域に向いている。このような常温接合装置(1)(81)は、真空ポンプ(31)とゲートバルブ(5)との汚染が防止されて、長寿命化する。
【0013】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、上側基板と下側基板とを常温接合するための真空雰囲気を生成する接合チャンバ(2)と、上側基板を真空雰囲気に支持する上側ステージ(41)と、下側基板を真空雰囲気に支持するキャリッジ(46)と、キャリッジ(46)に同体に接合される弾性案内(47)と、水平方向に摺動可能に弾性案内(47)を支持する位置決めステージと、水平方向にキャリッジ(46)を移動する第1機構と、水平方向に垂直である上下方向に上側ステージ(41)を移動する第2機構と、下側基板と上側基板とが圧接されるときに、上側ステージ(41)が移動する方向にキャリッジ(46)を支持するキャリッジ支持台(45)とを備えている。このとき、弾性案内(47)は、下側基板と上側基板とが接触しないときにキャリッジ(46)がキャリッジ支持台(45)に接触しないようにキャリッジ(46)を支持し、下側基板と上側基板とが圧接されるときにキャリッジ(46)がキャリッジ支持台(45)に接触するように弾性変形する。このような常温接合装置(1)(81)は、常温接合するときに、位置決めステージ(44)にかかる荷重を抑え、上側基板と下側基板とに、位置決めステージの耐荷重を越えたより大きな荷重を加えることができる。これによって、位置決めステージ(44)をコンパクト化、低コスト化でき、常温接合装置(1)(81)もコンパクト化、低コスト化することができる。また、ステージ耐荷重の制約を受けなくなることで圧接荷重の上限値が広域化でき、接合時に高荷重が求められる対象へ適用する際の信頼性が増す。
【0014】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、上側基板と下側基板とを常温接合するための真空雰囲気を生成する接合チャンバ(2)と、上側基板を真空雰囲気に支持する上側ステージ(41)と、下側基板を真空雰囲気に支持するキャリッジ(46)と、水平方向にキャリッジ(46)を移動する第1機構と、水平方向に垂直である上下方向に上側ステージ(41)を移動する第2機構と、下側基板と上側基板とが圧接されるときに、上側ステージ(41)が移動する方向にキャリッジ(46)を支持するキャリッジ支持台(45)とを備えている。このとき、キャリッジ(46)は、キャリッジ(46)がキャリッジ支持台(45)に摺動して水平方向に移動する。このような常温接合装置(1)(81)は、常温接合するときに、位置決めステージ(44)にかかる荷重を抑え、上側基板と下側基板とにより大きな荷重を加えることができる。これによって、位置決めステージ(44)をコンパクト化、低コスト化でき、常温接合装置(1)(81)もコンパクト化、低コスト化することができる。また、ステージ耐荷重の制約を受けなくなることで圧接荷重の上限値が広域化でき、接合時に高荷重が求められる対象へ適用する際の信頼性が増す。
【0015】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、ロードロックチャンバー(3)と接合チャンバ(2)との間を開閉するゲートバルブ(5)と、ゲートバルブ(5)を介して上側基板と下側基板とをロードロックチャンバー(3)から接合チャンバ(2)に搬送する搬送機構(8)と、接合チャンバ(2)に形成される排気口(35)を介して接合チャンバ(2)の内部から気体を排気して真空雰囲気を生成する真空ポンプ(31)と、真空雰囲気で上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を照射するイオンガン(32)とをさらに備えている。このとき、イオンガン(32)は、接合チャンバ(2)の内側表面のうちの排気口(35)とゲートバルブ(5)とを除く領域に向いている。このような常温接合装置(1)(81)は、真空ポンプ(31)とゲートバルブ(5)との汚染が防止されて、長寿命化する。
【0016】
本発明による常温接合装置(1)(81)は、上側基板と下側基板とを常温接合するための真空雰囲気を生成する接合チャンバ(2)と、上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を真空雰囲気で照射するイオンガン(32)とを備えている。このとき、イオンガン(32)は、接合チャンバ(2)を形成する壁(34)の一部分を向いている。このような常温接合装置(1)(81)は、その壁(34)一部分が選択的に汚染され、接合チャンバ(2)が備える機器(5、31、32)等の汚染が防止されて、長寿命化する。
【発明の効果】
【0017】
本発明による常温接合装置は、長寿命化、コンパクト化、低コスト化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図面を参照して、本発明による常温接合装置の実施の形態を記載する。その常温接合装置1は、図1に示されているように、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3とを備えている。接合チャンバー2とロードロックチャンバー3は、内部を環境から密閉する容器であり、一般的には、ステンレス鋼、アルミ合金などにより形成されている。常温接合装置1は、さらに、ゲートバルブ5を備えている。ゲートバルブ5は、接合チャンバー2とロードロックチャンバー3との間に介設され、接合チャンバー2の内部とロードロックチャンバー3の内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、開放する。
【0019】
ロードロックチャンバー3は、第1カートリッジ台6と第2カートリッジ台7と搬送装置8とを内部に備えている。第1カートリッジ台6は、第1カートリッジ11が配置される。第1カートリッジ11は、基板14を載せるために利用される。第2カートリッジ台7は、第2カートリッジ12が配置される。第2カートリッジ12は、基板14を載せるために利用される。このとき、カートリッジ台6、7、カートリッジ11、12は、複数個あっても構わない。
【0020】
ロードロックチャンバー3は、さらに、図示されていない真空ポンプと蓋とを備えている。その真空ポンプは、ロードロックチャンバー3の内部から気体を排気する。その真空ポンプとしては、内部の金属製の複数の羽根が気体分子を弾き飛ばすことにより排気するターボ分子ポンプが例示される。その蓋は、ロードロックチャンバー3の外部と内部とを接続するゲートを閉鎖し、大気雰囲気にすることで開放することができる。そのゲートの大きさは、第1カートリッジ11と第2カートリッジ12とより大きい。
【0021】
搬送装置8は、第1アーム15と第2アーム16と第3アーム17と第1節18と第2節19と第3節20とを備えている。第1アーム15と第2アーム16と第3アーム17とは、それぞれ、棒状に形成されている。第1節18は、ロードロックチャンバー3の床板に支持され、回転軸22を中心に回転可能に第1アーム15を支持している。回転軸23は、鉛直方向に平行である。第2節19は、第1節18に支持され、回転軸23を中心に回転可能に第2アーム16を支持している。回転軸23は、鉛直方向に平行であり、すなわち、回転軸22に平行である。第3節20は、第2節19に支持され、回転軸24を中心に回転可能に第3アーム17を支持している。回転軸24は、鉛直方向に平行であり、すなわち、回転軸23に平行である。第3アーム17は、第3節20に接合される端と反対側の端に、爪21が形成されている。爪21は、基板14または、基板14を搭載可能なカートリッジ11またはカートリッジ12を把持するために利用される。
【0022】
搬送装置8は、さらに、図示されていない昇降機構と伸縮機構とを備えている。その昇降機構は、ユーザの操作により、第1アーム15を昇降させて、爪21により把持される基板14または、基板14を搭載可能なカートリッジ11またはカートリッジ12を昇降させる。その伸縮機構は、第1節18と第2節19と第3節20とを制御して第3アーム17の長手方向に平行に第3アーム17を平行移動させる。
【0023】
搬送装置8は、ゲートバルブ5を介して第1カートリッジ11または第2カートリッジ12に配置された基板14を接合チャンバー2に搬送すること、または、ゲートバルブ5を介して接合チャンバー2に配置された基板14を第1カートリッジ11または第2カートリッジ12に搬送することに利用される。
【0024】
接合チャンバー2は、真空ポンプ31とイオンガン32と電子銃33とを備えている。接合チャンバー2は、容器を形成する壁34の一部分に排気口35が形成されている。真空ポンプ31は、接合チャンバー2の外部に配置され、排気口35を介して接合チャンバー2の内部から気体を排気する。真空ポンプ31としては、内部の金属製の複数の羽根が気体分子を弾き飛ばすことにより排気するターボ分子ポンプが例示される。イオンガン32は、1つの照射方向36に向けられて配置され、照射方向36に向けて加速された荷電粒子を放出する。その荷電粒子としては、アルゴンイオンが例示される。イオンガン32は、基板14の表面を清浄化する他の表面清浄化装置に置換することができる。その表面清浄化装置としては、プラズマガン、高速原子ビーム源などが例示される。電子銃33は、イオンガン32により荷電粒子が照射される対象に向けられて配置され、その対象に向けて加速された電子を放出する。
【0025】
壁34は、一部分に扉37が形成されている。扉37は、ヒンジ38を備えている。ヒンジ38は、壁34に対して回転可能に扉34を支持している。壁34は、さらに、一部分に窓39が形成されている。窓39は、気体を透過しないで可視光を透過する材料から形成されている。窓39は、ユーザがイオンガン32により荷電粒子が照射される対象または、接合状態を接合チャンバー2の外部から見えるように配置されていれば壁34のどこでもかまわない。
【0026】
接合チャンバー2は、図2に示されているように、さらに、上側ステージ41と下側ステージ42とを内部に備えている。上側ステージ41は、試料台43−1と圧接機構43−2とを備えている。試料台43−1は、接合チャンバー2に対して鉛直方向に平行移動可能に支持されている。試料台43−1は、その下端に誘電層を備え、その誘電層と基板14の間に電圧を印加し、静電力によって基板14をその誘電層に吸着する。圧接機構43−2は、ユーザの操作により、試料台43−1を接合チャンバー2に対して鉛直方向に平行移動させる。
【0027】
下側ステージ42は、基板14または、基板14を搭載したカートリッジ11またはカートリッジ12を上端に支持する。イオンガン32は、上側ステージ41に支持される基板14と下側ステージ42に支持される基板14とが離れているときに、上側ステージ41に支持される基板14と下側ステージ42にカーリッジ11または12で支持される基板14との間の空間に向けられ、接合チャンバー2の内側表面に向けられている。すなわち、イオンガン32の照射方向36は、上側ステージ41に支持される基板14と下側ステージ42にカーリッジ11または12で支持される基板14との間を通り、接合チャンバー2の内側表面に交差する。
【0028】
図3は、下側ステージ42を詳細に示している。下側ステージ42は、位置決めステージ44とキャリッジ支持台45とキャリッジ46と弾性案内47とを備えている。位置決めステージ44は、接合チャンバー2の底板48に支持されている。キャリッジ支持台45は、例えば、円柱状に形成され、接合チャンバー2の底板48に支持されている。キャリッジ支持台45は、その円柱の上端に滑らかな支持面52を有している。支持面52は、鉛直方向に垂直である。
【0029】
キャリッジ46は、例えば、円柱状に形成される。また場合によっては、その円柱の上端に誘電層53を備え、その誘電層53と基板14の間に電圧を印加し、静電力によって基板14をその誘電層に吸着する保持機構を有してもよい。キャリッジ46は、その円柱の下端に滑らかな支持面54を有している。弾性案内47は、弾性体から形成され、キャリッジ46の側面に同体に接合されている。弾性案内47は、キャリッジ46の支持面54がキャリッジ支持台45の支持面52に接触しないようにキャリッジ46を水平方向に平行移動可能に支持している。このとき、支持面54と支持面52とは、100μm程度離れている。弾性案内47は、さらに、上側ステージ41によりキャリッジ46が鉛直下方向に押されたときに、キャリッジ46の支持面54がキャリッジ支持台45の支持面52に接触するように弾性変形する。
【0030】
下側ステージ42は、さらに、図示されていない位置決め機構を備えている。その位置決め機構は、ユーザの操作によりキャリッジ46を水平方向に平行な方向に平行移動させ、キャリッジ46を鉛直方向に平行な回転軸を中心に回転移動させる。
【0031】
このような下側ステージ42は、キャリッジ46が上側ステージ41により鉛直下方向に押されたときに、押付け荷重がキャリッジ46を支持する弾性案内に加わることで、キャリッジ支持台45がキャリッジ46を支持する。このため、常温接合装置1は、位置決めステージ44に大きな荷重をかけずに上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とに、位置決めステージ44の耐荷重を越えるより大きな荷重を加えることができる。
【0032】
なお、下側ステージ42は、位置決めステージ44と弾性案内47とを省略することもできる。このとき、キャリッジ支持台45は、支持面52がキャリッジ46の支持面54に接触してキャリッジ46を支持する。
【0033】
図4は、ゲートバルブ5を示している。ゲートバルブ5は、ゲート61と扉62とを備えている。ゲート61は、接合チャンバー2の内部とロードロックチャンバー3の内部とを接続する開口部を形成し、その開口部の周辺に封止面63を有している。扉62は、ユーザの操作に基づいて図示されていない機構により移動されて、封止面63に密着してゲート61の開口部を閉鎖し、ゲート61の開口部から離れてゲート61の開口部を開放する。
【0034】
常温接合装置1は、イオンガン32から放出される粒子に強く曝されないように、かつ、イオンガン32から放出される粒子により壁34の表面や内蔵物の表面、基板14の表面から弾き飛ばされた粒子に強く曝されないように、ゲートバルブ5と真空ポンプ31とが配置されるように製造される。
【0035】
ゲートバルブ5は、イオンガン32から放出される粒子に強く曝され、または、イオンガン32から放出される粒子により基板14の表面から弾き飛ばされた粒子に強く曝されると、封止面63周辺にその粒子による汚染膜ができる。その汚染膜が、ゲートバルブ5の開閉により剥れ、汚染物が封止面63に入り込み、接合チャンバー2の内部とロードロックチャンバー3の内部とを密閉することができなくなる。このような常温接合装置1は、ゲートバルブ5の封止面63の汚染を防止して、長寿命化することができる。
【0036】
真空ポンプ31は、排気口35がイオンガン32から放出される粒子に強く曝され、または、イオンガン32から放出される粒子により壁34の表面や内蔵物の表面、基板14の表面から弾き飛ばされた粒子に強く曝されると、内部の金属製の複数の羽根が損傷、または羽根に汚染膜ができる。その羽根の損傷・汚染膜の固化堆積により、真空ポンプ31の排気性能の低下を引き起こす可能性がある。また、汚染膜が剥れると真空ポンプ31がそれを吸い込んでしまい、真空ポンプ31を壊す可能性がある。このような常温接合装置1は、真空ポンプ31の羽根の損傷、汚染を防止して、長寿命化することができる。
【0037】
図5は、常温接合装置1を用いて常温接合するときの動作を示している。作業者は、まず、ゲートバルブ5を閉鎖して(ステップS1)、真空ポンプ31を用いて接合チャンバー2の内部に真空雰囲気を生成し、ロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、基板14が装填された第1カートリッジ11を第1カートリッジ台6に配置し、基板14が装填された第2カートリッジ12を第2カートリッジ台7に配置する。カートリッジ台6、7とカートリッジ11、12が複数個ある場合は、それらも配置する。(ステップS2)作業者は、ロードロックチャンバー3の蓋を閉めて、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気を生成し、ゲートバルブ5を開放する(ステップS3)。
【0038】
作業者は、搬送機構8を用いて、第1カートリッジ11に装填された基板14を上側ステージ41にセットし、第2カートリッジ12に装填された基板14を下側ステージ42にセットする(ステップS4)。作業者は、ゲートバルブ5を閉鎖して(ステップS5)、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを常温接合する。すなわち、作業者は、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とが離れた状態で、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板との間にイオンガン32を向けて粒子を放出する。その粒子は、その基板に照射され、その基板の表面に形成される酸化物等を除去し、その基板の表面に付着している不純物を除去する。作業者は、上側ステージ41の圧接機構43−2を操作して、試料台43−1を鉛直下方向に下降させて、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを近づける。作業者は、下側ステージ42の位置決め機構を操作して、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とが設計通りに接合されるように、下側ステージ42にセットされた基板の位置を移動する。作業者は、上側ステージ41の圧接機構43−2を操作して、試料台43−1を鉛直下方向に下降させて、上側ステージ41にセットされた基板を下側ステージ42にセットされた基板に接触させる。このとき、下側ステージ42の弾性案内47は弾性変形し、下側ステージ42のキャリッジ46はキャリッジ支持台45に接触してキャリッジ支持台45に支持される。上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とは、その接触により接合され、1枚の接合基板が生成される。
【0039】
作業者は、上側ステージ41を鉛直上方向に上昇させて、ゲートバルブ5を開放する(ステップS7)。作業者は、搬送機構8を用いて、空いているカセット台に、下側ステージ42にセットされている接合基板をカセットごと搬送する(ステップS8)。カートリッジ台6、7とカートリッジ11、12が複数個ある場合は、ステップS4〜ステップS8の動作は、装填された基板がすべて常温接合されるまで(ステップS9、YES)繰り返し実行される。
【0040】
作業者は、装填された基板がすべて常温接合されると(ステップS9、YES)、ゲートバルブ5を閉鎖して(ステップS10)、ロードロックチャンバー3の内部に大気を供給してロードロックチャンバー3の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、ロードロックチャンバー3の蓋を開けて、接合基板とカートリッジ6、7をカートリッジ台11、12から取り出す(ステップS11)。
【0041】
図6〜図8は、搬送装置8が基板14をロードロックチャンバー3から接合チャンバー2に搬送するときの動作を示している。搬送装置8は、初期的に、図1に示されているように、回転軸22が第3アームの中央に交差するように、第1アーム15と第2アーム16と第3アーム17とが配置されている。搬送装置8は、第1カートリッジ11にセットされている基板14を接合チャンバー2の上側ステージ41(または下側ステージ42)に搬送するときに、まず、図6に示されているように、第1節18を制御して、第3アーム17の爪21を第1カートリッジ11に向ける。
【0042】
搬送装置8は、次いで、第1節18と第2節19と第3節20とを制御して、図7に示されているように、第3アーム17の長手方向に第3アーム17を直線的に平行移動させて、第3アーム17の爪21を用いて第1カートリッジ11にセットされる基板14をカートリッジごと把持する。搬送装置8は、次いで、第1節18と第2節19と第3節20とを制御して、第3アーム17の爪21に基板14を把持させたまま第3アーム17の長手方向に第3アーム17を平行移動させて、図6に示されているように、回転軸22が第3アームの中央に交差するように第1アーム15と第2アーム16と第3アーム17とを移動する。
【0043】
搬送装置8は、次いで、第1節18を制御して、図1に示されているように、第3アーム17の爪21に基板14を把持させたまま第3アーム17の爪21を上側ステージ41に向ける。搬送装置8は、次いで、第1節18と第2節19と第3節20とを制御して、図8に示されているように、第3アーム17の長手方向に第3アーム17を直線的に平行移動させて、第3アーム17の爪21により把持される基板14を上側ステージ41にセットする。搬送装置8は、次いで、第1節18と第2節19と第3節20とを制御して、第3アーム17の長手方向に第3アーム17を直線的に平行移動させて、図1に示されているように、回転軸22が第3アームの中央に交差するように第1アーム15と第2アーム16と第3アーム17とを移動する。
【0044】
本発明による常温接合装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態における常温接合装置1のロードロックチャンバー3が第1カートリッジ台6と第2カートリッジ台7とを内部に備えないで、代わりに複数のカセットチャンバーを備えている。すなわち、その常温接合装置81は、図9に示されているように、その複数のカセットチャンバー82−1〜82−4を備えている。カセットチャンバー82−1〜82−4は、それぞれ、内部を環境から密閉する容器であり、一般に、ステンレス鋼により形成されている。常温接合装置81は、さらに、複数のゲートバルブ83−1〜83−4を備えている。ゲートバルブ83−i(i=1、2、3、4)は、ロードロックチャンバー3とカセットチャンバー82−iの間に介設され、カセットチャンバー82−iの内部とロードロックチャンバー3の内部とを接続するゲートを閉鎖し、または、開放する。
【0045】
カセットチャンバー82−iは、カセット84−iが配置される。カセット84−iは、水平である25個の棚が鉛直方向に1列に並んで配置されているケースであり、その棚に1枚ずつ基板14、または基板14を載せたカセットを載せるために利用される。
【0046】
カセットチャンバー82−iは、さらに、図示されていない真空ポンプと蓋とを備えている。その真空ポンプは、カセットチャンバー82−iの内部から気体を排気する。その真空ポンプとしては、内部の金属製の複数の羽根が気体分子を弾き飛ばすことにより排気するターボ分子ポンプが例示される。その蓋は、カセットチャンバー82−iの外部と内部とを接続するゲートを閉鎖し、大気雰囲気にすることで開放できる。その蓋の大きさは、カセット84−iより大きい。
【0047】
常温接合装置81を用いて3枚以上の基板を1つの基板に常温接合するときの動作では、作業者は、まず、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−1〜83−4とを閉鎖して、真空ポンプ31を用いて接合チャンバー2の内部に真空雰囲気を生成し、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気を生成し、カセットチャンバー82−1〜82−4の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、カセットチャンバー82−1〜82−2の蓋を開けて、25枚の基板14が装填されたカセット84−1をカセットチャンバー82−1に配置し、25枚の基板14が装填されたカセット84−2をカセットチャンバー82−2に配置する。作業者は、カセットチャンバー82−1〜82−2の蓋を閉めて、カセットチャンバー82−1〜82−2の内部に真空雰囲気を生成し、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−1〜83−2とを開放する。
【0048】
作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1に装填された基板14のうちの1枚の基板を上側ステージ41にセットし、カセット84−2に装填された基板14のうちの1枚の基板を下側ステージ42にセットする。作業者は、ゲートバルブ5を閉鎖して、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを常温接合して、上側ステージ41を鉛直上方向に上昇させて、下側ステージ42にセットされた接合基板を生成する。作業者は、次いで、ゲートバルブ5を開放する。作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1のうちの空いている棚に下側ステージ42にセットされている接合基板を搬送する。このような接合動作は、カセット84−1とカセット84−2に装填された基板がすべて常温接合されるまで繰り返し実行される。
【0049】
作業者は、このような接合動作が実行されている間に、カセットチャンバー82−3の蓋を開けて、25枚の基板14が装填されたカセット84−3をカセットチャンバー82−3に配置する。作業者は、カセットチャンバー82−3の蓋を閉めて、カセットチャンバー82−3の内部に真空雰囲気を生成し、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−3とを開放する。
【0050】
作業者は、カセット84−1に装填された基板14とカセット84−2に装填された基板14との常温接合が完了し、かつ、カセットチャンバー82−3の内部に真空雰囲気を生成された後に、カセット84−1に装填され常温接合された接合基板とカセット84−3に装填された基板14とを常温接合する。すなわち、作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1に装填された接合基板のうちの1枚の基板を上側ステージ41にセットし、カセット84−3に装填された基板14のうちの1枚の基板を下側ステージ42にセットする。この時、接合された基板を下側ステージ42、装填された基板14を上側ステージ41としてもよい。作業者は、ゲートバルブ5を閉鎖して、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを常温接合して、上側ステージ41を鉛直上方向に上昇させて、下側ステージ42にセットされた接合基板を生成する。作業者は、次いで、ゲートバルブ5を開放する。作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1のうちの空いている棚に下側ステージ42にセットされている接合基板を搬送する。このような接合動作は、カセット84−1、カセット84−3に装填された基板がすべて常温接合されるまで繰り返し実行される。
【0051】
このように、常温接合装置81を用いて3枚以上の基板を1つの基板に常温接合するときの動作では、2つの基板が常温接合されている間に、その2つの基板がそれぞれ配置される2つのカセットチャンバー以外のカセットチャンバーに次に常温接合される基板が装填されるカセットがセットされる。既述の実施の形態における常温接合装置1では、3枚以上の基板を1つの基板に常温接合するときに、2枚の基板が常温接合された接合基板が生成された後に3枚目の基板をセットするためにロードロックチャンバー3の内部を大気圧雰囲気にして再度真空雰囲気にする必要がある。常温接合装置81は、ロードロックチャンバー3の内部を大気圧雰囲気にして再度真空雰囲気にする必要がなく、タクトタイムを短縮して常温接合装置1より速く常温接合することができる。
【0052】
常温接合装置81を用いて2枚の基板を1つの基板に常温接合するときの動作では、作業者は、まず、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−1〜83−4とを閉鎖して、真空ポンプ31を用いて接合チャンバー2の内部に真空雰囲気を生成し、ロードロックチャンバー3の内部に真空雰囲気を生成し、カセットチャンバー82−1〜82−4の内部に大気圧雰囲気を生成する。作業者は、カセットチャンバー82−1〜82−2の蓋を開けて、25枚の基板14が装填されたカセット84−1をカセットチャンバー82−1に配置し、25枚の基板14が装填されたカセット84−2をカセットチャンバー82−2に配置する。作業者は、カセットチャンバー82−1〜82−2の蓋を閉めて、カセットチャンバー82−1〜82−2の内部に真空雰囲気を生成し、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−1〜83−2とを開放する。
【0053】
作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1に装填された基板14のうちの1枚の基板を上側ステージ41にセットし、カセット84−2に装填された基板14のうちの1枚の基板を下側ステージ42にセットする。作業者は、ゲートバルブ5を閉鎖して、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを常温接合して、上側ステージ41を鉛直上方向に上昇させて、下側ステージ42にセットされた接合基板を生成する。作業者は、次いで、ゲートバルブ5を開放する。作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−1のうちの空いている棚に下側ステージ42にセットされている接合基板を搬送する。このような接合動作は、カセット84−1、カセット84−2に装填された基板がすべて常温接合されるまで繰り返し実行される。
【0054】
作業者は、このような接合動作が実行されている間に、カセットチャンバー82−3〜82−4の蓋を開けて、25枚の基板14が装填されたカセット84−3をカセットチャンバー82−3に配置し、25枚の基板14が装填されたカセット84−4をカセットチャンバー82−4に配置する。作業者は、カセットチャンバー82−3〜82−4の蓋を閉めて、カセットチャンバー82−3〜82−4の内部に真空雰囲気を生成し、ゲートバルブ5とゲートバルブ83−3〜82−4とを開放する。
【0055】
作業者は、カセット84−1に装填された基板14とカセット84−2に装填された基板14との常温接合が完了し、かつ、カセットチャンバー82−3〜82−4の内部に真空雰囲気を生成された後に、カセット84−3に装填された基板14とカセット84−4に装填された基板14とを常温接合する。すなわち、作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−3に装填された基板14のうちの1枚の基板を上側ステージ41にセットし、カセット84−4に装填された基板14のうちの1枚の基板を下側ステージ42にセットする。作業者は、ゲートバルブ5を閉鎖して、上側ステージ41にセットされた基板と下側ステージ42にセットされた基板とを常温接合して、上側ステージ41を鉛直上方向に上昇させて、下側ステージ42にセットされた接合基板を生成する。作業者は、次いで、ゲートバルブ5を開放する。作業者は、搬送機構8を用いて、カセット84−3のうちの空いている棚に下側ステージ42にセットされている接合基板を搬送する。このような接合動作は、カセット84−3、カセット84−4に装填された基板がすべて常温接合されるまで繰り返し実行される。
【0056】
このように、常温接合装置81を用いて2枚の基板を1つの基板に常温接合するときの動作では、2つの基板が常温接合されている間に、その2つの基板がそれぞれ配置される2つのカセットチャンバー以外の2つのカセットチャンバーに次に常温接合される基板が装填される2つのカセットがそれぞれセットされる。既述の実施の形態における常温接合装置1では、2枚の基板を1つの基板に常温接合するときに、2枚の基板が常温接合された接合基板が生成された後に次の基板をセットするためにロードロックチャンバー3の内部を大気圧雰囲気にして再度真空雰囲気にする必要がある。常温接合装置81は、ロードロックチャンバー3の内部を大気圧雰囲気にして再度真空雰囲気にする必要がなく、タクトタイムを短縮して常温接合装置1より速く常温接合することができる。
【0057】
なお、カセットチャンバー82−1〜82−4は、2つまたはそれ以上のカセットを内部に配置することができる1つのカセットチャンバーに置換することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】図1は、本発明による常温接合装置の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明による常温接合装置の実施の形態を示す断面図である。
【図3】図3は、下側ステージを示す断面図である。
【図4】図4は、ゲートバルブを示す断面図である。
【図5】図5は、本発明による常温接合装置を用いて基板を常温接合する動作を示すフローチャートである。
【図6】図6は、搬送装置の動作を示す断面図である。
【図7】図7は、搬送装置の動作を示す断面図である。
【図8】図8は、搬送装置の動作を示す断面図である。
【図9】図9は、本発明による常温接合装置の実施の他の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0059】
1 :常温接合装置
2 :接合チャンバー
3 :ロードロックチャンバー
5 :ゲートバルブ
6 :第1カートリッジ台
7 :第2カートリッジ台
8 :搬送装置
11:第1カートリッジ
12:第2カートリッジ
14:基板
15:第1アーム
16:第2アーム
17:第3アーム
18:第1節
19:第2節
20:第3節
21:爪
22:回転軸
23:回転軸
24:回転軸
31:真空ポンプ
32:イオンガン
33:電子銃
34:壁
35:排気口
36:照射方向
37:扉
38:ヒンジ
39:窓
41:上側ステージ
42:下側ステージ
43−1:試料台
43−2:圧接機構
44:位置決めステージ
45:キャリッジ支持台
46:キャリッジ
47:弾性案内
48:底板
52:支持面
53:誘電層
54:支持面
61:ゲート
62:扉
63:封止面
81:常温接合装置
82−1〜82−4:カセットチャンバー
83−1〜83−4:ゲートバルブ
84−1〜84−4:カセット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空雰囲気を生成する接合チャンバーと、
ロードロックチャンバーと前記接合チャンバーとの間を開閉するゲートバルブと、
前記ゲートバルブを介して上側基板と下側基板とを前記ロードロックチャンバーから前記接合チャンバーに搬送する搬送機構と、
前記上側基板の常温接合される表面と前記下側基板の常温接合される表面とに粒子を前記真空雰囲気で照射する表面清浄化装置とを具備し、
前記表面清浄化装置の照射方向は、前記接合チャンバーの内側表面のうちの前記ゲートバルブを除く領域に向いている
常温接合装置。
【請求項2】
接合チャンバーと、
前記接合チャンバーに形成される排気口を介して前記接合チャンバーの内部から気体を排気して前記接合チャンバーの内部に真空雰囲気を生成する真空ポンプと、
前記真空雰囲気で上側基板の常温接合される表面と下側基板の常温接合される表面とに粒子を照射する表面清浄化装置とを具備し、
前記表面清浄化装置の照射方向は、前記チャンバーの内側表面のうちの前記排気口を除く領域に向いている
常温接合装置。
【請求項3】
上側基板と下側基板とを常温接合するための真空雰囲気を生成する接合チャンバーと、
前記上側基板を前記真空雰囲気に支持する上側ステージと、
前記下側基板を前記真空雰囲気に支持するキャリッジと、
前記キャリッジに同体に接合される弾性案内と、
前記水平方向に移動可能に前記弾性案内を支持する位置決めステージと、
水平方向に前記キャリッジを移動する第1機構と、
前記水平方向に垂直である上下方向に前記上側ステージを移動する第2機構と、
前記下側基板と前記上側基板とが圧接されるときに、前記上側ステージが移動する方向に前記キャリッジを支持するキャリッジ支持台とを具備し、
前記弾性案内は、前記下側基板と前記上側基板とが接触しないときに前記キャリッジが前記キャリッジ支持台に接触しないように前記キャリッジを支持し、前記下側基板と前記上側基板とが圧接されるときに前記キャリッジが前記キャリッジ支持台に接触するように弾性変形する
常温接合装置。
【請求項4】
上側基板と下側基板とを常温接合するための真空雰囲気を生成する接合チャンバーと、
前記上側基板を前記真空雰囲気に支持する上側ステージと、
前記下側基板を前記真空雰囲気に支持するキャリッジと、
水平方向に前記キャリッジを移動する第1機構と、
前記水平方向に垂直である上下方向に前記上側ステージを移動する第2機構と、
前記下側基板と前記上側基板とが圧接されるときに、前記上側ステージが移動する方向に前記キャリッジを支持するキャリッジ支持台とを具備し、
前記キャリッジは、前記キャリッジが前記キャリッジ支持台に摺動して前記水平方向に移動する
常温接合装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4のいずれかにおいて、
ロードロックチャンバーと前記接合チャンバーとの間を開閉するゲートバルブと、
前記ゲートバルブを介して前記上側基板と前記下側基板とを前記ロードロックチャンバーから前記接合チャンバーに搬送する搬送機構と、
前記接合チャンバーに形成される排気口を介して前記接合チャンバーの内部から気体を排気して前記真空雰囲気を生成する真空ポンプと、
前記真空雰囲気で前記上側基板の常温接合される表面と前記下側基板の常温接合される表面とに粒子を照射する表面清浄化装置とを更に具備し、
前記表面清浄化装置の照射方向は、前記チャンバーの内側表面のうちの前記排気口と前記ゲートバルブとを除く領域に向いている
常温接合装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−266058(P2007−266058A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85405(P2006−85405)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【特許番号】特許第3970304号(P3970304)
【特許公報発行日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】