説明

常温硬化軟質フォームを製造するための方法、それに対して有用なポリオール組成物及び反応系、それによって得られるフォーム

【課題】低毒性の原料から得られ、均質性が高く、低圧縮永久歪みと良好な減衰特性を兼ね備えたポリウレタンフォーム及び当該ポリウレタンフォーム製造用のポリオール組成物を提供する。
【解決手段】(b1)EO含有率が少なくとも50%であるポリオール20−70重量%;(b2)少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有するポリオール5−50重量%;(b3)400より大きいOH値を有するアミン開始のポリオキシプロピレンポリオール5−50重量%からなるポリオール組成物配合物(b)、および、(a)ポリイソシアネート;(b)ポリオール組成物、;(c)水;並びに任意成分として(d)本質的に既知の添加剤及び助剤、を70−120のNCO指数で反応させて得られる常温硬化軟質ポリウレタンフォーム。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、常温硬化軟質フォームを製造するための方法に関する。本発明は、更に特定のポリオール配合物及び前記方法において有用な反応系、並びにこのようにして得られるフォームに関する。
【0002】
例えば消音に対して有用な常温硬化軟質ポリウレタンフォーム、即ち粘弾性フォームは、既知である。然しながら、現時点の方法及びフォームは欠点に悩まされている。第1に、安全、健康及び環境に関する関心が増大している。今日使用されている現時点のフォームは、アミン基剤触媒を使用して製造される。これらの触媒は、その有用性が証明されているが、これらは、臭気、曇り(ポリマーからの揮発性残留物の凝縮による、例えば自動車における内部ガラス表面の汚れ、等)の原因となる揮発性、及び残留する塩基性のような欠点を示す。第2に、フォームの製造中の原料の取り扱いに関する関心が増大している。特に自動車の遮音に使用される粘弾性フォームの場合、ポリオールブレンドが慣用的に使用される。然しながら、ブレンドのポリオールは、しばしばお互いに混和性ではなく、従って均質でないポリオールブレンドが製造される。第3に、現時点の粘弾性フォームは、良好な減衰特性を示すが、しばしば高い圧縮永久歪みを示し、これはフォームにとって不利益である。
【0003】
従って、安全、健康及び環境の要求に合致するものである、即ちより低い量のアミン触媒を必要とするものであり、そしてより安全な、均質なポリオールブレンドから製造することができ、そして低い圧縮永久歪みを伴なって良好な減衰特性を示すものであるフォームを製造する配合物に対する必要がなお存在する。
【0004】
米国特許第5 063 253号は、水の存在中でポリイソシアネートを、a)20−60のOH価を有し、プロピレンオキシド(PO)及びエチレンオキシド(EO)に基づき、EO含有率が5−25重量%である少なくとも一つのポリエーテル;b)150−400のOH価を有するポリエーテル又はポリエステル;及びc)20−200のOH価を有し、PO及びEOに基づき、EO含有率が50%より大きくいa)及びb)とは異なるポリエーテル;と反応させることを含み、ここでa)、b)及びc)の組み合わせた重量に基づいて、b)の量が10ないし20%であり、そしてc)の量が30ないし70重量%である、消音に有用な粘弾性常温硬化軟質フォームを調製するための方法を開示している。使用される触媒はアミン基剤であり、そして実施例によれば、上記3種のポリオールの100重量部当たり1.20ないし1.33重量部使用される。欧州特許出願公開EP−A−0 433 878は、水の存在中でポリイソシアネートをai)14−65のOH価、2.3−2.8の官能価を有し、プロピレンオキシド(PO)及び末端エチレンオキシド(EO)に基づき、EO含有率が2−9重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン;aii)20−80のOH価を有し、プロピレンオキシド(PO)及びエチレンオキシド(EO)に基づき、EO含有率が60−85重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン;b)18−400の分子量を有し、アミン開始のポリオールであることができる連鎖延長剤と反応させることを含む、消音に有用な粘弾性常温硬化軟質フォームを調製するための方法を開示している。使用される触媒は、アミン基剤であり、そして実施例によれば、反応配合物の全重量に基づいて、少なくとも1重量%の量で使用される。損失率は、0.7ないし1.5の間であることが記載されている。
【0005】
上記の文献のいずれも、本発明を教示又は示唆していない。
従って、本発明は:
b1)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、EOが末端EO及び/又はランダムEOとして存在し、全EO含有率が少なくとも50重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b2)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有し、EO含有率が10ないし25重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b3)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして400mgKOH/gより大きいOH価を有するアミン開始のポリオキシプロピレンポリオール;
を含み、
これらのポリオールb1、b2、及びb3は、b1、b2、及びb3の組み合わせた重量に基づいて次の比率、b1:20−70重量%、b2:5−50重量%、b3:5−50重量%に従って存在する;
ポリオール配合物を提供する。
【0006】
本発明の文章において、次の用語がいかなる場合でも使用された場合、以下の意味を有する:
1)イソシアネート指数又はNCO指数:
パーセントで与えられる配合中に存在するイソシアネート反応性水素原子に対するNCO基の比:
[NCO]×100 (%)
[活性水素]
言い換えれば、NCO指数は、配合中に使用されたイソシアネート反応性水素の量と反応するために、理論的に必要なイソシアネートの量に対する、配合中で実際に使用されたイソシアネートのパーセントを表現する。
【0007】
本明細書中で使用されるイソシアネート指数は、イソシアネート成分及びイソシアネート反応性成分が関係する、実際の発泡工程の観点から考慮されていることは注目すべきである。改質ポリイソシアネート(当技術において準−又はセミプレポリマー及びプレポリマーとして呼ばれるようなイソシアネート誘導体を含み)を製造する準備工程において消費されるいかなるイソシアネート基も、又は改質ポリオール又はポリアミンを製造するためにイソシアネートと反応したいかなる活性水素も、イソシアネート指数の計算には含めない。実際の発泡段階で存在する、遊離イソシアネート基及び遊離イソシアネート反応性水素(使用される場合、水のそれを含んで)のみが考慮される。
【0008】
2)イソシアネート指数の計算の目的のために本明細書中で使用される“イソシアネート反応性水素原子”の表現は、ポリオール、ポリアミン及び/又は水の形で反応性配合物中に存在する、ヒドロキシル及びアミンの水素原子の合計を指し;これは、実際の発泡工程におけるイソシアネート指数を計算する目的にために、一つのヒドロキシル基は、1個の反応性水素を含むと考え、一つの第一又は第二アミン基は、1個の反応性水素を含むと考え、そして一つの水分子は、2個の反応性水素を含むと考えることを意味する。
【0009】
3)反応系:ポリイソシアネート成分が、イソシアネート反応性成分から分離されて容器中に保持されている成分の組み合せ。
4)本明細書中で使用される“ポリウレタンフォーム”の表現は、一般的に、ポリイソシアネートを、イソシアネート反応性水素含有化合物と、発泡剤を使用して反応させることによって得られるような気泡製品を表し、そして特に水を反応性発泡剤として得られる気泡製品を含む(水とイソシアネート基との反応を含み、尿素結合及び二酸化炭素を得て、そしてポリウレア−ウレタンフォームを得る)。
【0010】
5)“平均公称ヒドロキシル官能価”の用語は、実際上はこれはしばしばある程度の末端の不飽和のために僅かに少ないものであるが、その調製に使用される開始剤の平均官能価(分子当たりの活性水素原子の数)であるという仮定に基づいた、ポリオール配合物の平均官能価(分子当たりのヒドロキシル基の数)を示すために本明細書中で使用される。
【0011】
6)“平均”の用語は、数による平均を示すために使用される。
本発明においてポリオールを説明する次の方法が使用される:PO−EOポリオールは、最初に開始剤、続いてEOブロックに結合したPOブロックを有するポリオールである。PO−PO/EOポリオールは、最初にPOブロック、そして次いでランダムに分布されたPO及びEOのブロックを有するポリオールである。PO−PO/EO−EOポリオールは、最初にPOブロック、次いでランダムに分布されたPO及びEOのブロック、そして次いでEOのブロックを有するポリオールである。PO−EOポリオールは、最初にPOブロック、そして次いでEOブロックを有するポリオールである。上記の説明において、ポリオールの唯一の尾部が説明され(開始剤から見て);公称ヒドロキシ官能価は、何個のこのような尾部が存在するものであるかを決定するものである。
【0012】
ポリイソシアネートは、脂肪族、脂環族及び芳香族脂肪族ポリイソシアネート、特にヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びm−及びp−テトラメチルキシリレンジイソシアネートのようなジイソシアネート、そして特にトリレンジイソシアネート(TDI)、フェニレンジイソシアネート、そして最も好ましくは3以上のイソシアネート官能価を有するその同族体(このような同族体を含むこのようなジイソシアネートは、粗(クルード)MDI又は高分子MDI或いはこのような粗又は高分子MDIとMDIの混合物として知られる)を所望により含む、ジフェニルメタンジイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート、並びにその改質された変性体から選択することができる。
【0013】
使用されるジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)は、4,4’−MDI;2,4−MDI;4,4’−MDIと2,4−MDIと10重量%より少ない2,2’−MDIとの異性体混合物;及びカルボジイミド、ウレトンイミン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、尿素及び/又はビウレット基を含むその改質された変性体;から選択することができる。好ましいものは、4,4’−MDI;4,4’−MDIと2,4−MDIと10重量%より少ない2,2’−MDIとの異性体混合物;少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%のNCO含有率を有するウレトンイミン及び/又はカルボジイミド改質MDI;及び過剰のMDI及び多くとも1000の分子量を有し、かつ少なくとも20重量%、好ましくは少なくとも25重量%のNCO含有率を有するポリオールとを反応させることによって得られたウレタン改質MDIである。
【0014】
3以上のイソシアネート官能価を有する同族体を含むジフェニルメタンジイソシアネートは、いわゆる高分子又は粗MDIである。
高分子又は粗MDIは、当技術分野において公知である。これらは、アニリン及びホルムアルデヒドの酸縮合によって得られる、ポリアミンの混合物のホスゲン化することによって製造される。
【0015】
ポリアミン混合物及びポリイソシアネート混合物の両者の製造は、公知である。塩酸のような強酸の存在下で、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合によって、ジアミノジフェニルメタン及び高官能価のポリメチレンポリフェニレンポリアミンを含む反応生成物を得る。この反応生成物の正確な組成は、既知の方法においては、特にアニリン/ホルムアルデヒド比に依存する。ポリイソシアネートは、ポリアミン混合物のホスゲン化によって製造され、そして各種のジアミン、トリアミン及び高級ポリアミンの比率は、関連する比率のジイソシアネート、トリイソシアネート及び高級ポリイソシアネートを生ずる。このような粗又は高分子MDI配合物中の、ジイソシアネート、トリイソシアネート及び高級ポリイソシアネートの相対的比率は、配合物の平均官能価、即ち分子当たりのイソシアネート基の平均数を決定する。出発物質の比率を変化させることによって、ポリイソシアネート配合物の平均官能価を、2ないし3より僅かに高く又は更に高く変更することができる。然しながら、実際上、平均イソシアネート官能価は、好ましくは2ないし2.8の範囲である。このような高分子又は粗MDIのNCO値は、少なくとも30重量%である。高分子又は粗MDIは、ジフェニルメタンジイソシアネート、2より大きい官能価のポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートである残部を、このようなポリイソシアネートの、ポリアミンのホスゲン化による製造において形成される副産物を伴なって含む。このような粗又は高分子MDIの、カルボジイミド、ウレトンイミン、イソシアヌレート、ウレタン、アロファネート、尿素及び/又はビウレット基を含む更に改質された変性体も同様に使用することができ;特に先に記載したウレトンイミン及び/又はカルボジイミド改質されたもの並びにウレタン改質されたものが好ましい。ポリイソシアネートの混合物も同様に使用することができる。
【0016】
3以上のイソシアネート官能価を有する所望によりその同族体、並びに特に25重量%までの少なくとも一つの先に記載した他のポリイソシアネート、特にTDIを伴なうその改質された変性体を含むジフェニルメタンジイソシアネートの混合物は、所望する場合使用することができる。
【0017】
ポリイソシアネートは、慣用的な方法、例えば少量のイソホロンジアミンをポリイソシアネートに加えることによって調製された、分散された尿素粒子及び/又はウレタン粒子を含むことができる。
【0018】
本発明は、更にポリオールb1、b2及びb3を含むポリオール配合物に関する。
ポリオールb1は、EOに富んだポリオールである。これは、既知の方法で調製することができる。これは、PO及びEOを含み、ここでEOは、ランダム、末端、又は両方であることができる。好ましくはEOは、主としてランダムである。EO含有率は、50重量%より大きい(存在する全オキシエチレン単位に対して)。
【0019】
ポリオールb2は、第2のポリオールである。これは、既知の方法で調製することができる。これは、少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有する。これは、各種の構造(PO−EO、PO/EO、等)であることができ、ここでEOは、ランダム、末端、又は両方のいずれかであることができ、但し第一ヒドロキシル含有率が少なくとも50%であることを条件とする。EO含有率は、10ないし25重量%である(存在する全オキシアルキレン単位に対して)。好ましいポリオールは、EOが末端EOとして存在するものである。
【0020】
ポリオールb3は、本発明の一つの鍵となる特徴である。これは、アミンで開始し、そして400より大きい、例えば400より大きく600までのOH値を有する。これがアミン開始であり、そして低い分子量を有するために、これは、更にアミン基剤触媒としても部分的に作用することができ;これがフォームの構造の一部として結合しているものであるために、これは、フォームからアミン含有化合物を放出することを阻害するものである。これらのアミン開始の低分子量ポリオールは、硬質ポリウレタンフォームに関してのみこれまでは使用されてきた。アミン開始剤は、弱塩基であることができ、そして芳香族又は脂肪族であることができ、そして好ましくは脂肪族である。芳香族アミン開始剤の例は、MDA(4,4’−ジフェニルメタンジアミン、その異性体及びオリゴマー)、アニリン、TDA(トルエンジアミン、その異性体及びオリゴマー)である。本発明に使用することができる脂肪族アミン開始剤の非制約的な例は、トリエタノールアミン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレン−テトラアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、等を含む。
【0021】
このようなポリオールの一つの例は、約4個のPO単位をそれぞれの分枝鎖中に含む、トリエタノールアミンアミン開始ポリオキシプロピレンである。ポリオールb3は、5ないし50重量%、好ましくは少なくとも20重量%の量で使用される。
【0022】
これらのポリオールの官能価は、2ないし6、好ましくは2ないし4である。
b1及びb2において、ヒドロキシル当量は、一般的に1000ないし4000、好ましくは1200ないし3500である。
【0023】
ポリオール配合物は、ポリオールの組み合わされた重量に基づいて表現された、以下の比率に従って各種のポリオールを含む:
b1:20−70%、好ましくは30−65%
b2: 5−50%、好ましくは10−40%
b3: 5−50%、好ましくは20重量%より多く、そして更に好ましくは20−40%。
【0024】
分散材料が更に存在することができる。これは、ポリマー改質ポリオールとして知られ、そして例えばSAN又はPIPA(重付加ポリイソシアネート)を含む。
【0025】
本発明によって特に興味あるポリマー改質ポリオールは、スチレン及び/又はアクリロニトリルの、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール中でのin situ重合によって得られる製品、及びポリイソシアネートとアミノ−又はヒドロキシ−官能性化合物(トリエタノールアミンのような)との、ポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)ポリオール中でのin situ反応によって得られる製品である。固体含有率(全ポリオールの重量b1+b2+b3に基づく)は、広い範囲で、例えば5ないし50重量%で変化させることができる。50ミクロンより小さい分散ポリマーの粒子の大きさが好ましい。混合物も同様に使用することができる。
【0026】
水が発泡剤として使用される。二酸化炭素は、必要な場合加えることができる。高度に弾性な水発泡軟質フォームの場合、全ポリオール成分(予備反応した又は反応していない、即ち全出発ポリオール又は全出発イソシアネート反応性化合物)の重量に基づいて、1.0ないし15%、好ましくは1.5ないし6重量%の水を使用することが適当であり、ここで水は二酸化炭素と関連して、所望により使用することができる。
【0027】
他の慣用的な成分(添加剤及び/又は助剤)を、ポリウレタンの製造に使用することができる。これらは、触媒、例えば第三アミン及び有機スズ化合物、界面活性剤、架橋剤又は連鎖延長剤、例えば他のポリマー、例えばジオール、トリオール(ポリオールb3とは異なる)及びジアミンのような低分子量化合物のような軟質フォームの改質剤として知られるポリオール、防炎剤、例えばハロゲン化アルキルリン酸塩、充填剤並びに顔料を含む。気泡安定剤、例えばポリシロキサン−ポリアルキレンオキシドブロックコポリマーを使用して、フォームの気泡を安定化し又は制御することができる。
【0028】
使用されるこれらの副次的成分の量は、必要とする製品の特質に依存するものであり、そしてポリウレタンフォームの技術者にとって公知の範囲内で変更することができる。
【0029】
本発明の方法の一つの特異的な利益は、これが限定された量のアミン基剤触媒を必要とすることである。本発明に使用することができるアミン基剤触媒の例は、Dabco 33LV、Dabco 8154、Dabco R8020、Niax A1、Niax A99、Niax A4、ジメチルエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、モルホリン、N−アルキルモルホリン、等のような脂肪族又は脂環族アミンである。他の特別な例は、次の刊行物:Flexible Polyurethane Foams,Chemistry and Technology,by G.Wood,1982中に見出されるものである。使用されるアミン基剤触媒の量は、好ましくは対応する窒素の量(100部のb1)、b2)及びb3)に基づいて計算され、そしてISO 9702に従って測定された重量%で)が、0.04重量%より少ないような量である。
【0030】
スラブ材フォームの場合、なお更に制限された量のアミン触媒を使用しながら、伝統的なスズ塩のような、いかなる金属塩も使用しないことが可能であるものである。金属塩を含まないスラブ材フォームの調製の場合、これらのアミン基剤触媒の全量は、対応する窒素の量が、好ましくは0.01より低く、そして更に好ましくは0.005重量%より低いようなものである。
【0031】
本発明は、更に:
a)ポリイソシアネート配合物;
b1)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、EOが末端EO及び/又はランダムEOとして存在し、全EO含有率が少なくとも50重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b2)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有し、EO含有率が10ないし25重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b3)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有するアミン開始のポリオキシプロピレンポリオール;
これらのポリオールb1、b2、及びb3は、b1、b2、及びb3の組み合わせた重量に基づいて次の比率、b1:20−70重量%、b2:5−50重量%、b3:5−50重量%に従って存在する;
c)水;及び
d)それ自体既知の添加剤及び助剤;
を反応させることによって70−120のNCO指数で常温硬化軟質ポリウレタンフォームを調製するための方法に関する。
【0032】
これらの成分、特にポリオールb1、b2及びb3は、いかなる順序ででも加えることができる。特に、ポリオールは以下の非制約的可能な組み合わせに従って加えることができる:
b1+b2+b3の一部、次いでb1+b2+b3の残部;
b1+b2の一部しかしb3は除く、次いでb1+b2の残部及び全てのb3;
b1+b3の一部しかしb2は除く、次いでb1+b3の残部及び全てのb2;
全てのb1、次いで全てのb2+b3;
全てのb2、次いで全てのb1+b3;
b1の一部、次いで全てのb2+b3と共にb1の残部;
b2の一部、次いで全てのb1+b3と共にb2の残部;
及び他のいずれもの可能な組み合わせ。
【0033】
一つの好ましい態様は、ポリオールb2がポリイソシアネートa)と反応して、プレポリマーを形成する場合である。この場合、ポリオールb1及びb3は、ポリオールブレンドの独占的成分を形成し、そして得られるブレンドは、非常に均質である。
【0034】
もちろん、各種の成分が異なった流れとして混合頭部に供給される場合(スラブ材の場合あり得るように)、ポリオールブレンドの均質性はもはや関係ない。
本発明の方法において、ワンショット、プレポリマー又は準−プレポリマー法は、従って特定の型のポリウレタンを製造するために適当であることができる場合は、使用することができることは注記すべきことである。プレポリマーは、完全なプレポリマー又は単に部分的なプレポリマーであることができ、そしてNCO含有率は、等業者によって容易に決定することができる広い範囲で変化させることができる。
【0035】
ポリウレタンを形成する反応混合物の成分は、いかなる都合のよい方法ででも混合することができ、最終混合工程でいっしょにされる必要がある成分の流れの数を減少するように、個々の成分をプレブレンドすることができる。一つの流れがポリイソシアネート又はイソシアネート末端プレポリマーを含み、そして第2の流れが反応混合物の他の全ての成分を含む、二つの流れの系を有することはしばしば好都合である。
【0036】
軟質フォームは、成形又はスラブ材技術のような、当技術において既知の技術によって製造することができ;これは自由膨張(free rise)フォーム又は制限された膨張を伴なうフォームであることができる。フォームは、家具及び自動車工業において、座席、クッション及びマットレスに使用することができる。
【0037】
このようにして得られる軟質フォームは、非常に良好な抑制特性(20%より低い、好ましくは10%より低いToyotaレジリエンスのような低いレジリエンス)、乾燥及び湿潤の両方で非常に低い圧縮永久歪み(75%圧縮において)すなわち、5%より低い、好ましくは2%より低い値を有し、非常に制限された量のアミン基剤触媒を必要とする。
【0038】
従って本発明は、更に本発明の方法によって得ることが可能なこれらのフォームに関する。
本発明は、更にポリイソシアネート及びポリオール配合物を反応させることによって、フォーム製造業者が所望するフォームを製造することを可能にするものである反応系を提供する。この方法は、しばしば各種の化学薬品から二つの配合物を適当な条件下で組み合わせることによって、製品を製造する顧客に比較的簡単な方法を提供する。第1の態様において、ポリイソシアネート(所望により連鎖延長剤及び/又は触媒を伴なって)が、一つの成分であり、一方イソシアネート反応性成分は、ポリオール、水並びに添加剤及び助剤を含む。もう一つの態様によれば、ポリイソシアネート成分は、プレポリマーであることができ、一方医師シアネート反応性成分は、ポリオールの残部を含む。この態様において、いかなる組み合わせも予想される。これは特に次の可能性:b1+b2+b3の一部、次いでb1+b2+b3の残部;b1+b2の一部しかしb3は除く、次いでb1+b2の残部及び全てのb3;b1+b3の一部しかしb2は除く、次いでb1+b3の残部及び全てのb2;全てのb1、次いで全てのb2+b3;全てのb2、次いで全てのb1+b3;b1の一部、次いで全てのb2+b3と共にb1の残部;b2の一部、次いで全てのb1+b3と共にb2の残部;等を、上記の方法と同様に包含する。一つの好ましい態様は、上記のようにポリオールb2をポリイソシアネートa)と反応させて、プレポリマーを形成する場合である。
【0039】
以下の実施例は、本発明を制約することなく、例示する。他に明示されない限り、全ての部は、重量で与えられる。
語彙
(全ての官能価は公称官能価であり、当量は公称当量であり、全ての%は重量%であり、そしてOH価はmgKOH/gである。)
ポリオールA PO−EO、EOをランダムに持つ。EO含有率は75重量%である。当量は2004である。官能価は3であり、OH価は42である。
【0040】
ポリオールB PO−EO、EOを末端に持つ。EO含有率は15重量%である。当量は2004である。官能価は3であり、OH価は28であり、そして第一ヒドロキシル含有率は82%である。
【0041】
ポリオールC トリエタノールアミン開始のPO、官能価3、全てPO、OH価は、450である。
イソシアネートA MDI、78重量%のジイソシアネートを含み、その26.0重量%は2,4’−MDIであり、そして21.8重量%は高官能価のオリゴマー種である。官能価は2.19である。NCO値は32.6重量%である。
【0042】
イソシアネートB セミプレポリマー、MDI(ジイソシアネート77.4重量%、その20.4重量%が2,4’−MDIであり、そして22.6重量%が高官能価のオリゴマー種であり、官能価は2.20である)及びポリオールBに基づく。NCO値は19.8重量%である。
【0043】
D33LV 触媒、Air Productsから入手。
B4113 界面活性剤、Goldschmidtから入手。
TELA トリエタノールアミン。
【0044】
フォームを、以下のスキームによって製造する。イソシアネートの添加に先立って、ポリオール、触媒、界面活性剤、水を混合する。ポリオール配合物及びイソシアネートを、20℃で発泡前の8秒間中に混合する。自由膨張フォームを2.5Lないし10Lのプラスチックバケツ中で製造する。
【0045】
フォームの特性を以下の方法及び規格に従って測定する:
FRD(自由膨張密度) ISO 845
圧縮硬度;CLD40%(kPa) ISO 3386−1
ヒステリシス損失(%) ISO 3386−1
圧縮永久歪み(厚み) 乾燥75%(%)及び湿潤75%(%) ISO 1856
レジリエンス:(%)Toyota
引裂強さ(N/m)、最大:ISO 8067
引張強さ(kPa)及び伸び(%):ISO 1798。
【0046】
結果は以下の表に要約し、実施例1ないし8は、プレポリマー法(ポリオールBは、イソシアネートプレポリマーにより導入される)を使用して得て、一方実施例9ないし12は、ワンショット法を使用して得る。
【0047】
【表1】

【0048】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
b1)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、EOが末端EO及び/又はランダムEOとして存在し、全EO含有率が少なくとも50重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b2)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有し、EO含有率が10ないし25重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b3)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして400mgKOH/gより大きいOH価を有するアミン開始のポリオキシプロピレンポリオール;
を含み、
これらのポリオールb1、b2、及びb3が、b1、b2、及びb3の組み合わせた重量に基づいて次の比率、b1:20−70重量%、b2:5−50重量%、b3:5−50重量%に従って存在するポリオール配合物。
【請求項2】
前記ポリオールb3を少なくとも20重量%の量で含む、請求項1に記載のポリオール配合物。
【請求項3】
前記ポリオールb1、b2及びb3を次の比率:b1:30−65重量%、b2:10−40重量%、b3:20−40重量%で含む、請求項1又は2のいずれか1項に記載のポリオール配合物。
【請求項4】
前記ポリオールb1、b2及びb3の官能価が2−4である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリオール配合物。
【請求項5】
a)ポリイソシアネート配合物;
b1)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、EOが末端EO及び/又はランダムEOとして存在し、全EO含有率が少なくとも50重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b2)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有し、そして少なくとも50%の第一ヒドロキシル含有率を有し、EO含有率が10ないし25重量%であるポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンポリオール;
b3)2−6の平均公称ヒドロキシル官能価を有するアミン開始のポリオキシプロピレンポリオール;
これらのポリオールb1、b2、及びb3は、b1、b2、及びb3の組み合わせた重量に基づいて次の比率、b1:20−70重量%、b2:5−50重量%、b3:5−50重量%に従って存在し;及び
c)水;
d)所望により存在する本質的に既知の添加剤及び助剤;
を反応させて、70−120のNCO指数で常温硬化軟質ポリウレタンフォームを製造する方法。
【請求項6】
前記ポリオールb1)、b2)及びb3)が、次の比率:b1:30−65重量%、b2:10−40重量%、b3:20−40重量%に従って使用される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記アミン開始のポリオキシプロピレンポリオールb3)が、400mgKOH/gより大きいOH価を有する、請求項5又は6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記ポリオールb1、b2及びb3の官能価が2−4である、請求項5ないし7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載のポリオール配合物が、ポリオールb1、b2及びb3として使用される、請求項5ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリイソシアネートがMDIであり、そしてNCO指数が70−100である、請求項5ないし9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
アミン基剤触媒が、100部のポリオールb1)、b2)及びb3)に基づいて計算された対応する窒素の量が、0.04重量%より少ないような量で使用される、請求項5ないし10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
窒素の量が0.01重量%より少ない、金属塩を含まないスラブ材フォームの調製のための、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、ワンショット法である、請求項5ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、プレポリマー法であり、前記プレポリマーがポリイソシアネート配合物a)及びポリオールb2の反応生成物を含む、請求項5ないし12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
請求項5ないし14のいずれか1項に記載の方法によって得られる、軟質フォーム。
【請求項16】
A)ポリイソシアネート並びにB)請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリオール配合物及び水を含むイソシアネート反応性成分を含む反応系。
【請求項17】
A)ポリイソシアネートと請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリオール配合物の一部を反応させることによって得られるポリイソシアネートプレポリマー、並びにB)請求項1ないし4のいずれか1項に記載のポリオール配合物の残部及び水を含むイソシアネート反応性成分を含む反応系。
【請求項18】
前記プレポリマーが、ポリイソシアネートとポリオールb2を反応させることによって得られる、請求項17に記載の反応系。

【公開番号】特開2011−94154(P2011−94154A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−6138(P2011−6138)
【出願日】平成23年1月14日(2011.1.14)
【分割の表示】特願2001−512795(P2001−512795)の分割
【原出願日】平成12年7月3日(2000.7.3)
【出願人】(500030150)ハンツマン・インターナショナル・エルエルシー (56)
【Fターム(参考)】