説明

帽子にも使えるパレオ

【課題】体を覆うパレオを、露天風呂や海辺、プールサイドなどで素肌に浴びてしまう紫外線を防止したり、防雨する目的の帽子に変化させることができ、なおかつ携帯便利なものを提供する。

【解決手段】帽子にも使えるパレオの、Uの字形の布体裏側外周縁部に見返しをつけ左右両端に嵌通された紐体を縮めると、裾部分の弧状に挿着された弾性材が布体を弓形の板状体に残すためそれがひさし部分となり、布体中央がクラウン部となった帽子が形成される。携帯時には、パレオとして身に着けたままでもよく、また一枚の布状体にすれば小さく畳み運ぶことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は帽子にも使用できる水着などの上に羽織るパレオに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のパレオは水着などの上にさまざまな形態で羽織る布状のものであるが、それを帽子としても使えるパレオはない。しかしながらパレオではないが、一枚のシートなどから帽子にできるものには、たとえば特許文献1があり、携帯に便利な布製で折畳める帽子には特許文献2がある。
【特許文献1】登録実用新案第3032442号公報
【特許文献2】実開平8−00290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
パレオを使用する場所は海辺やプールサイドなどであるから、当然、直射日光を素肌に受けることになり、オゾン層破壊が問題視されている昨今、有害な紫外線から身を守るための手段のひとつである日よけ帽子が必要となる。しかしながら従来のパレオは、日よけのための帽子として使えるものは無かった。特許文献1及び特許文献2はシート又は布から作る日よけ帽子であるが、パレオとして使えるものではない。
【0004】
本発明は、上記課題を解決し、身に着けているパレオを紫外線防止や防雨のための帽子にも使えるパレオを開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するために、帽子にもなるパレオであって、Uの字形の布体の底部に円弧状を保持するための弾性部材を備え、布体の左右の縁部に係止具を付けた紐体を通し、その紐体の一端を弾性部材の両端近傍で固定し、伸縮材の中央部を布体または芯材に固定したベルトと芯材からなるベルト部とで構成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の帽子にも使えるパレオは、体を覆っていたパレオを、わずかな操作でひさし付きの帽子に変化させることができるので、海水浴場などで紫外線が強いときや突然の降雨時にも、便利である。
【0007】
本発明の帽子にも使えるパレオは、携帯するときには、一枚の布状態に戻せることから、パレオとして身に着けたままでも、また小さく折り畳んででも運ぶことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の実施の形態を実施例にもとづき、以下図面を参照しつつ詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
図1に示した本発明の実施例では、布体1は市販の薄地のポリエステルと綿の混紡生地を使い、布用の紫外線防止と撥水と撥油が可能になるスプレーで加工した。生地を選択する際に、水に濡れる場所での使用を考慮して撥水性のある紫外線をカットする素材のたとえば晴雨兼用傘の布地などを使用するのが望ましいがこれに限定するものではない。
【0010】
一般的な帽子はクラウン部の端から端までの大きさが最大でも約37センチメートル程度である。ひさし部分は日よけの効果を望む場合には約10センチメートル以上が必要になる。これらを考慮し布体1の大きさを決めるためには、帽子を平面状にして円形と考えれば、布体の縦と横は帽子の直径に等しい長さとなる。標準的な女性用の帽子を製作するとして、クラウン部を約33センチメートル、ひさし部分を約10センチメートルとした場合に、直径は約43センチメートルとなる。よって実施例では布体1の大きさを横幅約43センチメートル、縦寸法も約43センチメートルの出来上がり寸法とした。
【0011】
従って本発明の製作に必要となる布体の裁断寸法は、実施例においては、縦寸法は出来上がり寸法約43センチメートルと、二つ折りにした幅約3センチメートルのベルト部2の約6センチメートル分を足した約49センチメートルとした。横幅は約43センチメートルとした。布体1の外周縁部に縫合するためのUの字形の見返し部分を幅約1.5センチメートルとした。ベルト部2の中にある内側ベルト8については、二つ折りで幅約2.5センチメートルになる長さ約25センチメートルの布を二枚必要とした。それぞれの部分に縫い代を約1センチメートルつけて布体を裁断した。
【0012】
ベルト部2は、中央に伸縮材を縫着させた内側ベルト8をスムーズに伸縮させるために中に芯材を使用した。芯材は幅が約6センチで約43センチメートルの長さものを幅方向に二つ折りし幅約2.8センチメートルの筒状になるように縫合したあと布体1の上部縫い代に縫着させた。一般的にはベルト用の芯材はナイロン素材などの固い布製だが、パレオの使用場所と帽子の軽量化とを考えた場合、実施例ではネット状のポリエステル素材の芯地を使用した。内側ベルト8の伸縮材には幅約1.5センチメートルのゴムテープを約10センチメートル用いて、内側ベルト8用の布で左右を縫い止めた。またベルト留め6と留め具9に面ファスナーを使用したがこれらの材料は、生地の特性により適宜決定すればよい。
【0013】
布体1と見返し部分とを、紐体5とひさし形成用弾性部材7を入れるための挿入口10を残し中空状に縫着させた。見返し両端でベルト部2の下約1センチメートルの場所に紐体出口11を作った。見返し部分の挿入口10から、左右それぞれに紐体5を紐体出口11まで挿通させてから、挿入口10で紐体5の一端を縫い止めた。紐体出口11から出した紐体5にコードストッパーを取り付けた。紐材はここではナイロン製の江戸打紐を使用したが、水に濡れても滑りの変わらないものならば良いとする。
【0014】
見返しにパレオ裾部兼帽子ひさし部3を円弧状に保持させるためのひさし形成用弾性部材7を挿通させて挿入口10を縫合した。実施例では弧の長さが約60センチメートルとなったのでひさし形成用弾性部材7は太さ約2.4ミリメートルのナイロンコードを約60センチメートル使用したが、細くて、軽く丈夫であればこれに限るものではない。
【0015】
本発明の帽子にも使えるパレオを帽子の形にするための手順は、まず図2に示すように、紐体5を引き縮めることにより布体1が膨らみ、帽子のクラウン部へと変化しつつ、ひさし形成用弾性部材7により円弧状を保持しているので帽子のひさし部分が出来上がる。帽子として使用するときに、クラウン部のトップからひさし部分が連続した斜めの形状でひさしができるため、ひさし部分を約10センチメートルとしたが実際にはひさしとしての深さが約14センチメートルとなった。
【0016】
内側ベルト8はサイズ調整用ゴムテープが取り付けられているので、帽子として使用する時には縮み両端の残り寸法は短くできて、図3に示すように両端はベルト留め6によりパレオ裾部兼帽子ひさし部3に留め置けるようにした。また、引き縮めて外に出てきた紐体5はクラウン部をフィットさせるために頭上で結ぶか、風の強いときにはあご紐としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例の説明図である。
【図2】帽子にするための手順の説明図である。
【図3】帽子に変形させた時の説明図である。
【符号の説明】
【0018】
1 布体
2 ベルト部
3 パレオ裾部兼帽子ひさし部
4 コードストッパー
5 紐体
6 ベルト留め
7 ひさし形成用弾性部材
8 内側ベルト
9 留め具
10 挿入口
11 紐体出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】

帽子にもなるパレオであって、Uの字形の布体の底部に円弧状を保持するための弾性部材を備え、布体の左右の縁部に係止具を付けた紐体を通し、その紐体の一端を弾性部材の両端近傍で固定し、伸縮材の中央部を布体または芯材に固定したベルトと芯材からなるベルト部とで構成されたことを特徴とする帽子にも使えるパレオ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−53466(P2010−53466A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217955(P2008−217955)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【特許番号】特許第4272254号(P4272254)
【特許公報発行日】平成21年6月3日(2009.6.3)
【出願人】(305033240)
【Fターム(参考)】