幅広型見本
【課題】この発明は、自動販売機が販売する商品に応じて、見本体の見本部に収容される表示ラベルの表示内容或いは配置を変更する作業が簡単且つ容易に行える幅広型見本の提供を目的とする。
【解決手段】幅広型見本１の見本部４Ａに、自動販売機Ａが販売する商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａが収容する場合、表示ラベル８Ａを、表示内容が印刷された表面が前方に突出するように変形させ、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの両側縁部に形成された一対の突出部４ｄ，４ｄに係止して、商品と対応する曲率半径に湾曲した半円筒形状に矯正及び保持する。
【解決手段】幅広型見本１の見本部４Ａに、自動販売機Ａが販売する商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａが収容する場合、表示ラベル８Ａを、表示内容が印刷された表面が前方に突出するように変形させ、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの両側縁部に形成された一対の突出部４ｄ，４ｄに係止して、商品と対応する曲率半径に湾曲した半円筒形状に矯正及び保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えば自動販売機が販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝広告、注目度等を高めるために用いられる幅広型見本に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、前記商品の販売を促進する見本としては、例えば自動販売機の装着台に取り付けられる商品見本体の表面に、半割状の商品見本部と宣伝広告表示部を備えた特許文献１の自動販売機用商品見本体がある。しかし、自動販売機が販売する商品を変更する場合、装着台に設置された商品見本体の全体を、商品と酷似する広告文や図柄が印刷された新しい商品見本体に取り替えなければならず、商品見本体の取り替え作業に手間及び時間が掛かる。また、販売される商品に応じて商品見本体を製作するため、販売促進に要する費用負担が大きく、コストが掛かる。
【０００３】
また、他の例としては、例えば文字や絵柄等の商品内容が表示されたラベルを、横断面形状Ｄ型を呈するダミー体本体の表面に貼着する特許文献１の自動販売機のダミー体用商品表示ラベルがある。しかし、ダミー体本体の表面にラベルを貼着する際、或いは、ラベルが貼着されたダミー体本体を展示部に展示する際に、ラベルの表面が傷付きやすく、商品価値が損なわれてしまう。また、野外に設置された自動販売機にダミー体用商品表示ラベルを用いた場合、ダミー体本体の表面に貼着されたラベルが太陽の光によって変色するか、光沢が失われやすく、維持することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２０９３０７
【特許文献２】特許第３５２４０４２号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
この発明は、自動販売機が販売する商品に応じて、見本体の見本部に収容される表示ラベルの表示内容或いは配置を変更する作業が簡単且つ容易に行える幅広型見本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この発明は、自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品の前側半分と対応する形状の見本部を備えた見本であって、前記見本体の表面に、前記商品と対応する表示内容を印刷した表示ラベルが収容される見本部を前記見本体の表面より前方へ張り出して形成し、前記見本部の張出し側表面部に、前記表示ラベルに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部を形成し、前記見本部の裏面部に、該見本部の内部に対し前記表示ラベルの収容が許容される開口部を形成し、前記開口部の両側縁部に、前記見本部に収容された前記表示ラベルの両側端部が係止される係止部を形成した幅広型見本であることを特徴とする。
【０００７】
この発明の態様として、前記透明部は、前記表示ラベルに印刷された表示内容の一部又は全体の読み取りが許容される大きさに形成することができる。
【０００８】
また、この発明の態様として、前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する縦断半割り形状に形成することができる。
【０００９】
また、この発明の態様として、前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する半円筒形状及び／又は半矩形状に形成することができる。
【００１０】
また、この発明の態様として、前記見本部の両側部又は略全周に、該見本部の縁部に沿って前記見本体の表面より後方に没する凹部を形成することができる。
【００１１】
前記幅広型見本は、例えば真空成形、加圧成形、ブロー成形、押出し成形等の成形方法で成形することができる。また、見本体及び表示ラベルは、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等の透光性を有するプラスチック、或いは、透明なプラスチックや着色された半透明なプラスチックで構成することができる。
【００１２】
見本部は、自動販売機が販売する商品の一例として、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型等の商品と酷似する外観及び意匠に形成された縦断半割り形状(例えば半円筒形状、半矩形状等)に構成することができる。
【００１３】
透明部は、例えば透明に形成された見本部を除いて、見本体の残り部分に着色するか印刷する等して形成することができる。或いは、見本体の見本部に、透明に形成された別の部材を取り付けてもよい。
【００１４】
表示ラベルは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成され、見本部に収容される形状に湾曲或いは変形が許容される厚みに形成されている。また、表示ラベルの表面には、自動販売機が販売する商品と酷似する表示内容（例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等）が印刷されている。
【００１５】
係止部は、例えば表示ラベルの端部が係止される突出部、突出片、或いは、表示ラベルの端部に形成された差込み片が差し込まれる溝部、孔部等で構成することができる。
【発明の効果】
【００１６】
この発明によれば、自動販売機が販売する商品に応じて、幅広型見本の見本部に収容された表示ラベルのみを交換するので、商品と対応する表示内容或いは配置に変更する作業が簡単且つ容易に行える。これにより、商品に応じて幅広型見本を交換するか、新しい幅広型見本を製作するような手間及び作業が省け、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる。また、表示ラベルの表面が見本部の透明部によって覆われるので、表示ラベルの色合や光沢を長期に渡り維持することができる。また、表示ラベルが見本部に収容された幅広型見本の方が目立つことになるので、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】幅広型見本が設置された自動販売機を示す正面図。
【図２】表示ラベルが収容された幅広型見本を示す斜視図。
【図３】表示ラベルが収容された幅広型見本及びその設置構造を示す正面図。
【図４】表示ラベルの取り付け状態を示す幅広型見本の中央縦断側面図。
【図５】幅広型見本の取り付け状態を示す中央縦断側面図。
【図６】表示ラベルの取り付け方法を示す中央見本部の横断平面図。
【図７】表示ラベルの他の取り付け方法を示す中央見本部の横断平面図。
【図８】見本体の略フラットに形成された表面に半円筒形状及び半矩形状の見本部が並列配置された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図９】図８の表示ラベルが収容された幅広型見本を示す正面図。
【図１０】表示ラベルの取り付け状態を示す半矩形状見本部側の縦断側面図。
【図１１】見本体の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部が３個配置された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図１２】見本部の両側部及び下部に凹部が形成された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図１３】図１２の凹部が形成された部分を示す中央見本部の横断平面図。
【図１４】見本部の透明部を表示ラベルに印刷された表示内容の一部の読み取りが許容される大きさに形成した幅広型見本の他の例を示す中央見本部の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【００１８】
図１は、幅広型見本１が設置された自動販売機Ａを示す正面図、図２は、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１を示す斜視図、図３は、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１の設置構造を示す正面図、図４は、表示ラベル８Ａの取り付け状態を示す中央縦断側面図、図５は、幅広型見本１の取り付け状態を示す中央縦断側面図である。
【００１９】
実施例の幅広型見本１は、図２〜図４に示すように、自動販売機Ａの前面に設けられた見本陳列部Ａａ内に設置され、該自動販売機Ａが販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等を高める際に用いられるものである。
【００２０】
幅広型見本１は、商品の販売イメージと対応する模様が印刷された透光性を有するプラスチック製シートを用いて、図示しない真空成形装置によって真空成形されている。また、幅広型見本１を構成する見本体２の表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品の前側半分と対応する縦断半割り形状の見本部４Ａが３個形成されている。
【００２１】
見本体２は、見本陳列部Ａａの陳列パネルＡｂ上に設置される３個の見本Ｂを並列配置してなる横幅より幅広に形成され、該陳列パネルＡｂ上に設置が許容される奥行及び高さに形成されている。また、見本体２の表面には、商品の販売イメージと対応する自然の風景を模した山形の張出し部３が該見本体２の表面より前方へ張り出すように形成されている。
【００２２】
張出し部３の中央表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａを収容するための見本部４Ａが３個配列されている。また、見本部４Ａは、張出し部３の表面より前方へ張り出すように形成され、見本の一例である缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径でもって半円筒形状に形成されている。
【００２３】
張出し部３の中央表面には、一つの見本部４Ａが縦向きに配置されている。また、張出し部３の左右表面には、中央の見本部４Ａを基準として、一対の見本部４Ａが正面から見て左右均等に傾いた状態に配置されている。これにより、３個の見本部４Ａが正面から見て扇状に連なるように配列されている。
【００２４】
見本部４Ａの内部には、表示ラベル８Ａを缶型の商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に保持するための収容部４ａが形成されている。また、収容部４ａは、缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径に形成され、上方から見て横断半円形状に形成されている。
【００２５】
見本部４Ａの張出し側表面部には、前記表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部４ｂが形成されている。また、透明部４ｂは、見本部４Ａの内面に沿って表示ラベル８Ａが収容された状態にて、該見本部４Ａの外部から表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明度に形成されている。
【００２６】
見本部４Ａの裏面部には、該見本部４Ａの収容部４ａに対し表示ラベル８Ａを後方から収容するための開口部４ｃが形成されている。また、開口部４ｃの両側縁部には、収容部４ａの内面に沿って商品の前側半分と対応する曲率半径に湾曲された表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａが係止される突出部４ｄが内側に突出して形成されている。なお、突出部４ｄ，４ｄの間は、見本部４Ａの収容部４ａに対し筒状に湾曲された表示ラベル８Ａの出し入れが許容される間隔に隔てられている。
【００２７】
前記台座部５の中央下面には、図３、図４、図５に示すように、陳列パネルＡｂの陳列面に開口された平面視丸形状の開口部Ａｃに対し係合される横断面視半円形状の第１挿入部６が形成されている。また、第１挿入部６を中心とする台座部５の左右下面には、第１挿入部６が係合される開口部Ａｃの左右に開口された開口部Ａｃに対し係合される横断面視台形状の第２挿入部７が形成されている。
【００２８】
第１挿入部６の下端部外周面には、開口部Ａｃの下面側周縁部に係止される凸状の鍔部６ａが周方向に連続して形成されている。また、鍔部６ａより上方の外周面には、開口部Ａｃの前側周縁部が係止される凹状の溝部６ｂが周方向に連続して形成されている。
【００２９】
第１挿入部６の前側外周面には、開口部Ａｃの前側周縁部に形成された凹状の切欠き部Ａｄに係止される凸状の突起６ｃが形成されている。また、第１挿入部６の両側外周面には、開口部Ａｃの両側周縁部に形成された凹状の切欠き部Ａｅに係止される凸状の突起６ｄが形成されている。
【００３０】
つまり、見本体２の第１挿入部６を陳列パネルＡｂの開口部Ａｃに上方から挿入し、左右の第２挿入部７を左右の開口部Ａｃにそれぞれ挿入する。また、第１挿入部６の鍔部６ａを開口部Ａｃの周縁部に係止し、第１挿入部６の溝部６ｂを開口部Ａｃの周縁部に係止して抜止めする。また、第１挿入部６の突起６ｃ，６ｄと開口部Ａｃの切欠き部Ａｄ，Ａｅを合致して位置決めする。これにより、幅広型見本１が、見本陳列部Ａａ内の陳列パネルＡｂの上面に対し略鉛直に起立した状態に設置固定される。
【００３１】
前記表示ラベル８Ａは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成され、自動販売機Ａが販売する缶型の商品と対応する曲率半径に湾曲可能な厚みに形成されている。また、表示ラベル８Ａの表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品に印刷された表示内容と同一又は酷似する表示内容（例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等）が印刷されている。
【００３２】
次に、幅広型見本１の見本部４Ａに、自動販売機Ａが販売する商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａを収容する方法を説明する。
【００３３】
先ず、図２、図４、図６に示すように、表示ラベル８Ａを、表示内容が印刷された表面が前方に突出するように幅方向に変形させ、見本体２の見本部４Ａの裏面側に開口された開口部４ｃの横幅より幅狭となる筒状に湾曲する。
【００３４】
次に、筒状に湾曲された表示ラベル８Ａを、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。
【００３５】
次に、表示ラベル８Ａの全体が収容部４ａに収容された際に、表示ラベル８Ａの湾曲を解除して、表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａを、ラベル自体の復元力を利用して、開口部４ｃの両側縁部に形成された一対の突出部４ｄ，４ｄに内側から係止する。
【００３６】
見本部４Ａの収容部４ａに収容された表示ラベル８Ａは、ラベル自体の復元力により、湾曲するまえの元の状態に復帰しようとするが、表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａが開口部４ｃの突出部４ｄ，４ｄに係止されているので、商品と対応する曲率半径に湾曲した半円筒形状に矯正及び保持される。
【００３７】
また、表示ラベル８Ａの表示内容が印刷された表面が、見本部４Ａの透明に形成された透明部４ｂの内面に沿って湾曲した状態に押し付けられる。
【００３８】
次に、図１、図３、図５に示すように、見本陳列部Ａａの陳列パネルＡｂに、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１を設置した後、幅広型見本１の表面に形成された見本部４Ａを正面或いは斜め方向から目視すれば、見本部４Ａの収容部４ａに収容された表示ラベル８Ａの表示内容が、収容部４ａの透明に形成された透明部４ｂから透けて見えるので、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができる。
【００３９】
以上のように、自動販売機Ａが販売する商品に応じて、見本体２の見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａのみを交換するので、商品と対応する表示内容或いは配置に変更する作業が簡単且つ容易に行える。
これにより、商品に応じて幅広型見本１を交換するか、新しい幅広型見本１を製作する作業及び手間が省け、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる。
【００４０】
また、表示ラベル８Ａの表示内容が印刷された表面が見本部４Ａの透明部４ｂによって覆われるので、表示ラベル８に対し太陽の光が直接照射されることがなく、表示ラベル８の色合や光沢を長期に渡り維持することができる。また、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容が傷付く或いは剥離するのを防止することができ、耐久性及び耐候性の向上を図ることができる。
【００４１】
これにより、見本陳列部Ａａに陳列された他の見本Ｂに比べて、表示ラベル８Ａが見本部４Ａに収容された幅広型見本１の方が目立つことになり、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【００４２】
図７は、表示ラベル８Ａの他の取り付け方法を示す中央見本部４Ａの横断平面図である。つまり、表示ラベル８Ａを、筒状に湾曲したまま見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。また、表示ラベル８Ａ，８Ｂの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの両側縁部に固定又は形成された板状の突出片４ｅ，４ｅに係止する。
【００４３】
これにより、表示ラベル８Ａが商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、突出片４ｅの代わりに、例えば粘着テープ、面ファスナー、マグネット、留め具等で表示ラベル８Ａ，８Ｂの収容状態を維持してもよい。
【００４４】
図８は、見本体２の表面に張出し部３が形成されておらず、見本体２の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部４Ａと半矩形状の見本部４Ｂとが並列配置された幅広型見本１の他の例を示す斜視図、図９は、図８の表示ラベル８Ａ，８Ｂが収容された幅広型見本１を示す正面図、図１０は、表示ラベル８Ｂの取り付け状態を示す半矩形状見本部４Ｂの縦断側面図である。
【００４５】
本例の幅広型見本１の見本体２は、２個の見本Ｂを並列配置してなる横幅より幅広に形成されている。また、正面から見て見本体２の右側表面には、半円筒形状の見本部４Ａが形成されている。また、見本体２の左側表面には、半矩形状の見本部４Ｂが形成されている。
【００４６】
つまり、半円筒形状に湾曲された表示ラベル８Ａと、半矩形状に変形された表示ラベル８Ｂとを、見本部４Ａ，４Ｂの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。また、表示ラベル８Ａ，８Ｂの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの突出部４ｄ，４ｄに係止する。
【００４７】
これにより、表示ラベル８Ａ，８Ｂが商品と対応する曲率半径に変形した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００４８】
また、図１１に示すように、見本体２の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部４Ａが３個配置し、表示ラベル８Ａを、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容してもよい。
【００４９】
図１２は、見本部４Ａの上部を除く両側部及び下部に、見本体２の表面より後方に没する凹部４ｆが形成された幅広型見本１の他の例を示す斜視図、図１３は、図１２の凹部４ｆが形成された部分を示す中央見本部４Ａの横断平面図である。
【００５０】
つまり、見本部４Ａの両側部及び下部には、該見本部４Ａの両側縁部及び下側縁部に沿って見本体２の表面より後方に没する凹部４ｆが形成されている。なお、実施例において、凹部４ｆは、張出し部３の表面より後方に没するように形成されている。
【００５１】
見本部４Ａの両側部及び下部が、凹部４ｆの深さだけ張出し部３の表面より後方に没しているので、見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａが、張出し部３の表面より前方に突出しているような視覚的効果を見る人に与えることができる。
【００５２】
これにより、見本体２或いは張出し部３の表面と同一高さに形成された見本部４Ａに比べて、凹部４ｆが周囲に形成された見本部４Ａの方が目立つことになる。また、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。なお、見本部４Ａの両側部或いは略全周に凹部４ｆを形成してもよい。
【００５３】
また、表示ラベル８Ａが商品と対応する曲率半径に変形した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００５４】
図１４は、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の一部の読み取りが許容される大きさに形成した幅広型見本１の他の例を示す中央見本部４Ａの縦断側面図である。実施例では、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の上側半分の読み取りが許容される大きさに形成されている。
【００５５】
つまり、見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａの表示内容の上側半分を、見本部４Ａの外側から透明部４ｂを透して読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００５６】
なお、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ｂに印刷された表示内容の上側半分の読み取りが許容される大きさに形成してもよい。
また、見本部４Ａ，４Ｂの透明部４ｂを、表示ラベル８Ｂに印刷された表示内容の下側半分、或いは、左右の半分、或いは、中央部の読み取りが許容される大きさに形成してもよく、実施例の大きさ、形状、範囲に限定されるものではない。
【００５７】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の係止部は、実施例の突出部４ｄ、突出片４ｅに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【００５８】
前記見本部４Ａ，４Ｂの内面に、例えば商標、文字、模様、図柄等の商品の販売イメージと対応する表示内容を、表示ラベル８Ａ，８Ｂに印刷された表示内容の読み取りが許容される程度の濃さに印刷してもよい。
【００５９】
また、見本部４Ａ，４Ｂを除く見本体２の表面に、商品の販売イメージと対応して、例えば商標、文字、模様、図柄などの宣伝広告、或いは、茶葉、茶畑、花、樹木などの植物、或いは、空、海、山、川等の自然、或いは、犬、猫、鳥、人などの動物等を印刷してもよい。
また、見本部４Ａ，４Ｂの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａ，８Ｂに印刷された表示内容の読み取りが許容される部分のみに形成してもよい。
【００６０】
また、見本部４Ａ，４Ｂの上部は、缶型の商品の上部（プルトップ側）と酷似する形状に形成及び閉塞されている。また、見本部４Ａ，４Ｂの下部は、缶型の商品の下部（底部側）と酷似する形状に形成及び閉塞されている。
【符号の説明】
【００６１】
Ａ…自動販売機
Ａａ…見本陳列部
Ａｂ…陳列パネル
Ａｃ…開口部
１…幅広型見本
２…見本体
３…張出し部
４Ａ，４Ｂ…見本部
４ａ…収容部
４ｂ…透明部
４ｃ…開口部
４ｄ…突出部
４ｅ…突出片
４ｆ…凹部
５…台座部
６…第１挿入部
７…第２挿入部
８Ａ，８Ｂ…表示ラベル
８ａ…端部
【技術分野】
【０００１】
この発明は、例えば自動販売機が販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝広告、注目度等を高めるために用いられる幅広型見本に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、前記商品の販売を促進する見本としては、例えば自動販売機の装着台に取り付けられる商品見本体の表面に、半割状の商品見本部と宣伝広告表示部を備えた特許文献１の自動販売機用商品見本体がある。しかし、自動販売機が販売する商品を変更する場合、装着台に設置された商品見本体の全体を、商品と酷似する広告文や図柄が印刷された新しい商品見本体に取り替えなければならず、商品見本体の取り替え作業に手間及び時間が掛かる。また、販売される商品に応じて商品見本体を製作するため、販売促進に要する費用負担が大きく、コストが掛かる。
【０００３】
また、他の例としては、例えば文字や絵柄等の商品内容が表示されたラベルを、横断面形状Ｄ型を呈するダミー体本体の表面に貼着する特許文献１の自動販売機のダミー体用商品表示ラベルがある。しかし、ダミー体本体の表面にラベルを貼着する際、或いは、ラベルが貼着されたダミー体本体を展示部に展示する際に、ラベルの表面が傷付きやすく、商品価値が損なわれてしまう。また、野外に設置された自動販売機にダミー体用商品表示ラベルを用いた場合、ダミー体本体の表面に貼着されたラベルが太陽の光によって変色するか、光沢が失われやすく、維持することが難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開２００６−２０９３０７
【特許文献２】特許第３５２４０４２号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
この発明は、自動販売機が販売する商品に応じて、見本体の見本部に収容される表示ラベルの表示内容或いは配置を変更する作業が簡単且つ容易に行える幅広型見本を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
この発明は、自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品の前側半分と対応する形状の見本部を備えた見本であって、前記見本体の表面に、前記商品と対応する表示内容を印刷した表示ラベルが収容される見本部を前記見本体の表面より前方へ張り出して形成し、前記見本部の張出し側表面部に、前記表示ラベルに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部を形成し、前記見本部の裏面部に、該見本部の内部に対し前記表示ラベルの収容が許容される開口部を形成し、前記開口部の両側縁部に、前記見本部に収容された前記表示ラベルの両側端部が係止される係止部を形成した幅広型見本であることを特徴とする。
【０００７】
この発明の態様として、前記透明部は、前記表示ラベルに印刷された表示内容の一部又は全体の読み取りが許容される大きさに形成することができる。
【０００８】
また、この発明の態様として、前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する縦断半割り形状に形成することができる。
【０００９】
また、この発明の態様として、前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する半円筒形状及び／又は半矩形状に形成することができる。
【００１０】
また、この発明の態様として、前記見本部の両側部又は略全周に、該見本部の縁部に沿って前記見本体の表面より後方に没する凹部を形成することができる。
【００１１】
前記幅広型見本は、例えば真空成形、加圧成形、ブロー成形、押出し成形等の成形方法で成形することができる。また、見本体及び表示ラベルは、例えばポリアセタール、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネード、アクリル等の透光性を有するプラスチック、或いは、透明なプラスチックや着色された半透明なプラスチックで構成することができる。
【００１２】
見本部は、自動販売機が販売する商品の一例として、例えば缶型、瓶型、ボトル型、箱型等の商品と酷似する外観及び意匠に形成された縦断半割り形状(例えば半円筒形状、半矩形状等)に構成することができる。
【００１３】
透明部は、例えば透明に形成された見本部を除いて、見本体の残り部分に着色するか印刷する等して形成することができる。或いは、見本体の見本部に、透明に形成された別の部材を取り付けてもよい。
【００１４】
表示ラベルは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成され、見本部に収容される形状に湾曲或いは変形が許容される厚みに形成されている。また、表示ラベルの表面には、自動販売機が販売する商品と酷似する表示内容（例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等）が印刷されている。
【００１５】
係止部は、例えば表示ラベルの端部が係止される突出部、突出片、或いは、表示ラベルの端部に形成された差込み片が差し込まれる溝部、孔部等で構成することができる。
【発明の効果】
【００１６】
この発明によれば、自動販売機が販売する商品に応じて、幅広型見本の見本部に収容された表示ラベルのみを交換するので、商品と対応する表示内容或いは配置に変更する作業が簡単且つ容易に行える。これにより、商品に応じて幅広型見本を交換するか、新しい幅広型見本を製作するような手間及び作業が省け、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる。また、表示ラベルの表面が見本部の透明部によって覆われるので、表示ラベルの色合や光沢を長期に渡り維持することができる。また、表示ラベルが見本部に収容された幅広型見本の方が目立つことになるので、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１７】
【図１】幅広型見本が設置された自動販売機を示す正面図。
【図２】表示ラベルが収容された幅広型見本を示す斜視図。
【図３】表示ラベルが収容された幅広型見本及びその設置構造を示す正面図。
【図４】表示ラベルの取り付け状態を示す幅広型見本の中央縦断側面図。
【図５】幅広型見本の取り付け状態を示す中央縦断側面図。
【図６】表示ラベルの取り付け方法を示す中央見本部の横断平面図。
【図７】表示ラベルの他の取り付け方法を示す中央見本部の横断平面図。
【図８】見本体の略フラットに形成された表面に半円筒形状及び半矩形状の見本部が並列配置された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図９】図８の表示ラベルが収容された幅広型見本を示す正面図。
【図１０】表示ラベルの取り付け状態を示す半矩形状見本部側の縦断側面図。
【図１１】見本体の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部が３個配置された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図１２】見本部の両側部及び下部に凹部が形成された幅広型見本の他の例を示す斜視図。
【図１３】図１２の凹部が形成された部分を示す中央見本部の横断平面図。
【図１４】見本部の透明部を表示ラベルに印刷された表示内容の一部の読み取りが許容される大きさに形成した幅広型見本の他の例を示す中央見本部の縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【００１８】
図１は、幅広型見本１が設置された自動販売機Ａを示す正面図、図２は、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１を示す斜視図、図３は、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１の設置構造を示す正面図、図４は、表示ラベル８Ａの取り付け状態を示す中央縦断側面図、図５は、幅広型見本１の取り付け状態を示す中央縦断側面図である。
【００１９】
実施例の幅広型見本１は、図２〜図４に示すように、自動販売機Ａの前面に設けられた見本陳列部Ａａ内に設置され、該自動販売機Ａが販売する商品の選択購入、販売促進、宣伝効果、注目度等を高める際に用いられるものである。
【００２０】
幅広型見本１は、商品の販売イメージと対応する模様が印刷された透光性を有するプラスチック製シートを用いて、図示しない真空成形装置によって真空成形されている。また、幅広型見本１を構成する見本体２の表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品の前側半分と対応する縦断半割り形状の見本部４Ａが３個形成されている。
【００２１】
見本体２は、見本陳列部Ａａの陳列パネルＡｂ上に設置される３個の見本Ｂを並列配置してなる横幅より幅広に形成され、該陳列パネルＡｂ上に設置が許容される奥行及び高さに形成されている。また、見本体２の表面には、商品の販売イメージと対応する自然の風景を模した山形の張出し部３が該見本体２の表面より前方へ張り出すように形成されている。
【００２２】
張出し部３の中央表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａを収容するための見本部４Ａが３個配列されている。また、見本部４Ａは、張出し部３の表面より前方へ張り出すように形成され、見本の一例である缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径でもって半円筒形状に形成されている。
【００２３】
張出し部３の中央表面には、一つの見本部４Ａが縦向きに配置されている。また、張出し部３の左右表面には、中央の見本部４Ａを基準として、一対の見本部４Ａが正面から見て左右均等に傾いた状態に配置されている。これにより、３個の見本部４Ａが正面から見て扇状に連なるように配列されている。
【００２４】
見本部４Ａの内部には、表示ラベル８Ａを缶型の商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に保持するための収容部４ａが形成されている。また、収容部４ａは、缶型の商品の前側半分と対応する曲率半径に形成され、上方から見て横断半円形状に形成されている。
【００２５】
見本部４Ａの張出し側表面部には、前記表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部４ｂが形成されている。また、透明部４ｂは、見本部４Ａの内面に沿って表示ラベル８Ａが収容された状態にて、該見本部４Ａの外部から表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明度に形成されている。
【００２６】
見本部４Ａの裏面部には、該見本部４Ａの収容部４ａに対し表示ラベル８Ａを後方から収容するための開口部４ｃが形成されている。また、開口部４ｃの両側縁部には、収容部４ａの内面に沿って商品の前側半分と対応する曲率半径に湾曲された表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａが係止される突出部４ｄが内側に突出して形成されている。なお、突出部４ｄ，４ｄの間は、見本部４Ａの収容部４ａに対し筒状に湾曲された表示ラベル８Ａの出し入れが許容される間隔に隔てられている。
【００２７】
前記台座部５の中央下面には、図３、図４、図５に示すように、陳列パネルＡｂの陳列面に開口された平面視丸形状の開口部Ａｃに対し係合される横断面視半円形状の第１挿入部６が形成されている。また、第１挿入部６を中心とする台座部５の左右下面には、第１挿入部６が係合される開口部Ａｃの左右に開口された開口部Ａｃに対し係合される横断面視台形状の第２挿入部７が形成されている。
【００２８】
第１挿入部６の下端部外周面には、開口部Ａｃの下面側周縁部に係止される凸状の鍔部６ａが周方向に連続して形成されている。また、鍔部６ａより上方の外周面には、開口部Ａｃの前側周縁部が係止される凹状の溝部６ｂが周方向に連続して形成されている。
【００２９】
第１挿入部６の前側外周面には、開口部Ａｃの前側周縁部に形成された凹状の切欠き部Ａｄに係止される凸状の突起６ｃが形成されている。また、第１挿入部６の両側外周面には、開口部Ａｃの両側周縁部に形成された凹状の切欠き部Ａｅに係止される凸状の突起６ｄが形成されている。
【００３０】
つまり、見本体２の第１挿入部６を陳列パネルＡｂの開口部Ａｃに上方から挿入し、左右の第２挿入部７を左右の開口部Ａｃにそれぞれ挿入する。また、第１挿入部６の鍔部６ａを開口部Ａｃの周縁部に係止し、第１挿入部６の溝部６ｂを開口部Ａｃの周縁部に係止して抜止めする。また、第１挿入部６の突起６ｃ，６ｄと開口部Ａｃの切欠き部Ａｄ，Ａｅを合致して位置決めする。これにより、幅広型見本１が、見本陳列部Ａａ内の陳列パネルＡｂの上面に対し略鉛直に起立した状態に設置固定される。
【００３１】
前記表示ラベル８Ａは、透光性及び柔軟性を有するプラスチック製のシートで構成され、自動販売機Ａが販売する缶型の商品と対応する曲率半径に湾曲可能な厚みに形成されている。また、表示ラベル８Ａの表面には、自動販売機Ａが販売する缶型の商品に印刷された表示内容と同一又は酷似する表示内容（例えば商標、文字、模様、図柄、色彩等）が印刷されている。
【００３２】
次に、幅広型見本１の見本部４Ａに、自動販売機Ａが販売する商品と対応する表示内容が印刷された表示ラベル８Ａを収容する方法を説明する。
【００３３】
先ず、図２、図４、図６に示すように、表示ラベル８Ａを、表示内容が印刷された表面が前方に突出するように幅方向に変形させ、見本体２の見本部４Ａの裏面側に開口された開口部４ｃの横幅より幅狭となる筒状に湾曲する。
【００３４】
次に、筒状に湾曲された表示ラベル８Ａを、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。
【００３５】
次に、表示ラベル８Ａの全体が収容部４ａに収容された際に、表示ラベル８Ａの湾曲を解除して、表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａを、ラベル自体の復元力を利用して、開口部４ｃの両側縁部に形成された一対の突出部４ｄ，４ｄに内側から係止する。
【００３６】
見本部４Ａの収容部４ａに収容された表示ラベル８Ａは、ラベル自体の復元力により、湾曲するまえの元の状態に復帰しようとするが、表示ラベル８Ａの両側端部８ａ，８ａが開口部４ｃの突出部４ｄ，４ｄに係止されているので、商品と対応する曲率半径に湾曲した半円筒形状に矯正及び保持される。
【００３７】
また、表示ラベル８Ａの表示内容が印刷された表面が、見本部４Ａの透明に形成された透明部４ｂの内面に沿って湾曲した状態に押し付けられる。
【００３８】
次に、図１、図３、図５に示すように、見本陳列部Ａａの陳列パネルＡｂに、表示ラベル８Ａが収容された幅広型見本１を設置した後、幅広型見本１の表面に形成された見本部４Ａを正面或いは斜め方向から目視すれば、見本部４Ａの収容部４ａに収容された表示ラベル８Ａの表示内容が、収容部４ａの透明に形成された透明部４ｂから透けて見えるので、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができる。
【００３９】
以上のように、自動販売機Ａが販売する商品に応じて、見本体２の見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａのみを交換するので、商品と対応する表示内容或いは配置に変更する作業が簡単且つ容易に行える。
これにより、商品に応じて幅広型見本１を交換するか、新しい幅広型見本１を製作する作業及び手間が省け、販売促進に要する費用及びコストの低減を図ることができる。
【００４０】
また、表示ラベル８Ａの表示内容が印刷された表面が見本部４Ａの透明部４ｂによって覆われるので、表示ラベル８に対し太陽の光が直接照射されることがなく、表示ラベル８の色合や光沢を長期に渡り維持することができる。また、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容が傷付く或いは剥離するのを防止することができ、耐久性及び耐候性の向上を図ることができる。
【００４１】
これにより、見本陳列部Ａａに陳列された他の見本Ｂに比べて、表示ラベル８Ａが見本部４Ａに収容された幅広型見本１の方が目立つことになり、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。
【００４２】
図７は、表示ラベル８Ａの他の取り付け方法を示す中央見本部４Ａの横断平面図である。つまり、表示ラベル８Ａを、筒状に湾曲したまま見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。また、表示ラベル８Ａ，８Ｂの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの両側縁部に固定又は形成された板状の突出片４ｅ，４ｅに係止する。
【００４３】
これにより、表示ラベル８Ａが商品と対応する曲率半径に湾曲した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
なお、突出片４ｅの代わりに、例えば粘着テープ、面ファスナー、マグネット、留め具等で表示ラベル８Ａ，８Ｂの収容状態を維持してもよい。
【００４４】
図８は、見本体２の表面に張出し部３が形成されておらず、見本体２の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部４Ａと半矩形状の見本部４Ｂとが並列配置された幅広型見本１の他の例を示す斜視図、図９は、図８の表示ラベル８Ａ，８Ｂが収容された幅広型見本１を示す正面図、図１０は、表示ラベル８Ｂの取り付け状態を示す半矩形状見本部４Ｂの縦断側面図である。
【００４５】
本例の幅広型見本１の見本体２は、２個の見本Ｂを並列配置してなる横幅より幅広に形成されている。また、正面から見て見本体２の右側表面には、半円筒形状の見本部４Ａが形成されている。また、見本体２の左側表面には、半矩形状の見本部４Ｂが形成されている。
【００４６】
つまり、半円筒形状に湾曲された表示ラベル８Ａと、半矩形状に変形された表示ラベル８Ｂとを、見本部４Ａ，４Ｂの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容する。また、表示ラベル８Ａ，８Ｂの両側端部８ａ，８ａを、開口部４ｃの突出部４ｄ，４ｄに係止する。
【００４７】
これにより、表示ラベル８Ａ，８Ｂが商品と対応する曲率半径に変形した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００４８】
また、図１１に示すように、見本体２の略フラットに形成された表面に半円筒形状の見本部４Ａが３個配置し、表示ラベル８Ａを、見本部４Ａの収容部４ａに対し裏面側の開口部４ｃから収容してもよい。
【００４９】
図１２は、見本部４Ａの上部を除く両側部及び下部に、見本体２の表面より後方に没する凹部４ｆが形成された幅広型見本１の他の例を示す斜視図、図１３は、図１２の凹部４ｆが形成された部分を示す中央見本部４Ａの横断平面図である。
【００５０】
つまり、見本部４Ａの両側部及び下部には、該見本部４Ａの両側縁部及び下側縁部に沿って見本体２の表面より後方に没する凹部４ｆが形成されている。なお、実施例において、凹部４ｆは、張出し部３の表面より後方に没するように形成されている。
【００５１】
見本部４Ａの両側部及び下部が、凹部４ｆの深さだけ張出し部３の表面より後方に没しているので、見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａが、張出し部３の表面より前方に突出しているような視覚的効果を見る人に与えることができる。
【００５２】
これにより、見本体２或いは張出し部３の表面と同一高さに形成された見本部４Ａに比べて、凹部４ｆが周囲に形成された見本部４Ａの方が目立つことになる。また、注目度の高い商品が積極的に選択及び購入されやすく、商品の販売促進、売上向上を図ることができる。なお、見本部４Ａの両側部或いは略全周に凹部４ｆを形成してもよい。
【００５３】
また、表示ラベル８Ａが商品と対応する曲率半径に変形した状態に矯正及び保持され、見本部４Ａの外側から表示ラベル８Ａの表示内容を読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００５４】
図１４は、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の一部の読み取りが許容される大きさに形成した幅広型見本１の他の例を示す中央見本部４Ａの縦断側面図である。実施例では、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａに印刷された表示内容の上側半分の読み取りが許容される大きさに形成されている。
【００５５】
つまり、見本部４Ａに収容された表示ラベル８Ａの表示内容の上側半分を、見本部４Ａの外側から透明部４ｂを透して読み取ることができるので、前記実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。
【００５６】
なお、見本部４Ａの透明部４ｂを、表示ラベル８Ｂに印刷された表示内容の上側半分の読み取りが許容される大きさに形成してもよい。
また、見本部４Ａ，４Ｂの透明部４ｂを、表示ラベル８Ｂに印刷された表示内容の下側半分、或いは、左右の半分、或いは、中央部の読み取りが許容される大きさに形成してもよく、実施例の大きさ、形状、範囲に限定されるものではない。
【００５７】
この発明の構成と、前記実施形態との対応において、
この発明の係止部は、実施例の突出部４ｄ、突出片４ｅに対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【００５８】
前記見本部４Ａ，４Ｂの内面に、例えば商標、文字、模様、図柄等の商品の販売イメージと対応する表示内容を、表示ラベル８Ａ，８Ｂに印刷された表示内容の読み取りが許容される程度の濃さに印刷してもよい。
【００５９】
また、見本部４Ａ，４Ｂを除く見本体２の表面に、商品の販売イメージと対応して、例えば商標、文字、模様、図柄などの宣伝広告、或いは、茶葉、茶畑、花、樹木などの植物、或いは、空、海、山、川等の自然、或いは、犬、猫、鳥、人などの動物等を印刷してもよい。
また、見本部４Ａ，４Ｂの透明部４ｂを、表示ラベル８Ａ，８Ｂに印刷された表示内容の読み取りが許容される部分のみに形成してもよい。
【００６０】
また、見本部４Ａ，４Ｂの上部は、缶型の商品の上部（プルトップ側）と酷似する形状に形成及び閉塞されている。また、見本部４Ａ，４Ｂの下部は、缶型の商品の下部（底部側）と酷似する形状に形成及び閉塞されている。
【符号の説明】
【００６１】
Ａ…自動販売機
Ａａ…見本陳列部
Ａｂ…陳列パネル
Ａｃ…開口部
１…幅広型見本
２…見本体
３…張出し部
４Ａ，４Ｂ…見本部
４ａ…収容部
４ｂ…透明部
４ｃ…開口部
４ｄ…突出部
４ｅ…突出片
４ｆ…凹部
５…台座部
６…第１挿入部
７…第２挿入部
８Ａ，８Ｂ…表示ラベル
８ａ…端部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品の前側半分と対応する形状の見本部を備えた見本であって、
前記見本体の表面に、前記商品と対応する表示内容を印刷した表示ラベルが収容される見本部を前記見本体の表面より前方へ張り出して形成し、
前記見本部の張出し側表面部に、前記表示ラベルに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部を形成し、
前記見本部の裏面部に、該見本部の内部に対し前記表示ラベルの収容が許容される開口部を形成し、
前記開口部の両側縁部に、前記見本部に収容された前記表示ラベルの両側端部が係止される係止部を形成した
幅広型見本。
【請求項２】
前記透明部は、前記表示ラベルに印刷された表示内容の一部又は全体の読み取りが許容される大きさに形成された
請求項１に記載の幅広型見本。
【請求項３】
前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する縦断半割り形状に形成された
請求項１又は２に記載の幅広型見本。
【請求項４】
前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する半円筒形状及び／又は半矩形状に形成された
請求項１〜３のいずれか一つに記載の幅広型見本。
【請求項５】
前記見本部の両側部又は略全周に、該見本部の縁部に沿って前記見本体の表面より後方に没する凹部を形成した
請求項１〜４のいずれか一つに記載の幅広型見本。
【請求項１】
自動販売機の見本陳列部に設置される見本体の表面に、該自動販売機が販売する商品の前側半分と対応する形状の見本部を備えた見本であって、
前記見本体の表面に、前記商品と対応する表示内容を印刷した表示ラベルが収容される見本部を前記見本体の表面より前方へ張り出して形成し、
前記見本部の張出し側表面部に、前記表示ラベルに印刷された表示内容の読み取りが許容される透明部を形成し、
前記見本部の裏面部に、該見本部の内部に対し前記表示ラベルの収容が許容される開口部を形成し、
前記開口部の両側縁部に、前記見本部に収容された前記表示ラベルの両側端部が係止される係止部を形成した
幅広型見本。
【請求項２】
前記透明部は、前記表示ラベルに印刷された表示内容の一部又は全体の読み取りが許容される大きさに形成された
請求項１に記載の幅広型見本。
【請求項３】
前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する縦断半割り形状に形成された
請求項１又は２に記載の幅広型見本。
【請求項４】
前記見本部は、前記商品の前側半分と対応する半円筒形状及び／又は半矩形状に形成された
請求項１〜３のいずれか一つに記載の幅広型見本。
【請求項５】
前記見本部の両側部又は略全周に、該見本部の縁部に沿って前記見本体の表面より後方に没する凹部を形成した
請求項１〜４のいずれか一つに記載の幅広型見本。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【公開番号】特開２０１０−２６７０４６（Ｐ２０１０−２６７０４６Ａ）
【公開日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−１１７２３７（Ｐ２００９−１１７２３７）
【出願日】平成２１年５月１４日（２００９．５．１４）
【出願人】（３９１０３４７６５）中井銘鈑株式会社 (29)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年１１月２５日（２０１０．１１．２５）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年５月１４日（２００９．５．１４）
【出願人】（３９１０３４７６５）中井銘鈑株式会社 (29)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]