説明

幅木及び幅木を備えたカウンタ

【課題】施工性が高く、部品点数の減少によりコストダウンを図ることが可能な什器に用いる幅木及び幅木を備えたカウンタを提供する。
【解決手段】幅木1は、カウンタの前面パネル下部と床面との隙間を埋める部分である化粧面2と、化粧面2の上部に設けられ化粧面2の露出具合を調整する役割をなす取付面3と、配線を搭載する部分である配線受け4とを備える。化粧面2は、幅木1の主たる作用を担う部分であり、幅木1を前面パネルに取り付けた場合に、カウンタの下端において、前面パネルと床との間に配置される部分である。取付面3は、幅木1とカウンタの前面パネルとの取付部分を構成する。配線受け4は、水平方向に面を形成する部分がカウンタの裏面側で取り回される配線を搭載するための搭載面41と、搭載される配線の脱落を防止する立上がり部42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等の接客用什器として用いられるカウンタに用いる幅木及び幅木を備えたカウンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗等の接客用什器に用いられるカウンタの下端部分には、カウンタの前面に設けられたパネルと床との隙間を埋めるための化粧用の横板として、幅木が用いられる(特許文献1参照)。この幅木は、通常、カウンタを床に設置するに当たり、床の凹凸や傾斜によっても、カウンタの前面パネルと床との間に隙間が生じないよう、前面パネルに対して、幅木の高さ(化粧面の露出度合)を調整自在に取り付けた構造になっている(例えば、特許文献1の幅木15の係合片15e参照)。
【0003】
また、このようなカウンタにおいて、前面パネルの裏面では、天板上で用いるパソコン等の電子機器の配線を取り回す必要がある。例えば、従来、天板の底面に形成される枠体の側辺に配線挿通口を設け、幅木とパネルとの間に、配線ダクトを形成した技術が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−166279号公報
【特許文献2】特公平08−8888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記の接客用什器に用いられるカウンタは、通常、納入先に搬送して組み立てた後、設置されるものである。したがって、現地での組み立ての容易さや、施工性の高さが求められる。
【0006】
しかしながら、特許文献1のカウンタにおいて、幅木は、天板、前面パネルや側板とは別に設けられた枠材の前面に設けられ、また、カウンタ全体の底部に当たる位置に設けられている。そのため、この幅木の高さを調整するには、作業者はしゃがみ込んで枠材の間に手を入れて調整するなど、非常に手間を要する構成となっており、施工性に課題があった。
【0007】
一方、特許文献2のカウンタは、部品点数が非常に多く、また配線ダクトの構造が複雑で配線の取り回しが難しいなど、施工性が高いものとはいえなかった。また、部品点数が多いためコスト高に繋がっていた。
【0008】
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、施工性が高く、部品点数の減少によりコストダウンを図ることが可能な幅木及び幅木を備えたカウンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、カウンタの前面パネルとカウンタが設置される床面との隙間に配置される化粧用の幅木であって、前記隙間に露出する化粧面と、前面パネルの裏面に取り付けるための取付機構を備えた取付面と、前記化粧面及び取付面と直交方向に配置され、配線の搭載面を備えた配線受けと、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、請求項4は、請求項1の幅木を備えたカウンタの発明に係り、天板と、天板の両側に設けられ天板を支持する側板と、前記側板と略直交方向に設けられる前面パネルと、前記前面パネルとカウンタが設置される床面との隙間に配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の幅木と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
以上の態様では、幅木を形成する化粧面と配線受けとが一体に設けられているので、カウンタに対して、幅木を取り付けることにより、幅木と配線受けとを一回で取り付けることが可能である。また、幅木をその部分単体で使用すると、幅木の取付に当たって、作業者はしゃがみ込んで取り付ける必要があり作業性が低い。これに対して、本発明では、幅木部分と配線受け部分とが一体に形成されているので、例えば、配線受け部分を取手にして幅木の化粧面の上下方向の位置決めができるので、幅木の位置決めが容易となる。このように本発明の幅木では、従来ものに比較して、施工性を高くすることが可能となる。
【0012】
また、幅木部分と配線受け部分とを、一体に設ける、さらにいえば、一枚の板金を加工して一体に設けることで、部品点数を大幅に減少させることができる。したがって、少ない部品を組み立てればよく、施工性が高まるとともに、全体としてコストダウンを図ることができるようになる。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記取付面は、前面パネルに対する幅木の取り付け位置を調整可能な調整機構を備えたことを特徴とする。
以上の態様では、幅木の取り付け位置を調整可能であり、さらに、この調整を、幅木と配線受けとが一緒になっていることで、幅木のみを取り付ける場合と異なり、配線受けを取手として調整することができるので、施工性が高い。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記搭載面には、搭載される配線を出し入れする配線用切欠が設けられたことを特徴とする。
カウンタは一般的に横長に形成されるので、それに伴って幅木も横長に一連に形成される。本発明では、配線受けもこの幅木の構成に追従して、搭載面を横長一連に構成したものとなる。そこで、本態様では、搭載面に、適宜配線用切欠を設けることで、搭載面の中途においても配線の出し入れを行うことができるようにし、カウンタ裏での配線の取り回しが容易に行えるようにしている。
【0015】
請求項5の発明は、請求項4の幅木を備えたカウンタの発明において、前記天板両側の側板の間には、側板と並行して内側板が設けられ、この内側板は、前記前面パネルの裏面に当接するとともに、前記幅木の化粧面又は取付面を、前記前面パネルと裏面から支持することを特徴とする。
【0016】
本発明のカウンタは、利用者(客側)が前面パネルの前方から利用する。この際、つま先などが、カウンタ最下部の幅木部分に当たって、内側すなわち幅木が設けられた前面パネル側に折り曲げられる可能性がある。この点、本発明のカウンタでは、内側板が、前面パネル裏面から幅木の化粧面に当接して、化粧面を前面パネル方向に支持しているので、利用者が前面パネル側からその下端部につま先などをぶつけたとしても、幅木が内側に曲がってしまうようなことがない。
【発明の効果】
【0017】
以上のような本発明によれば、施工性が高く、部品点数の減少によりコストダウンを図ることが可能なカウンタに用いる幅木及び幅木を備えたカウンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施の形態に係る幅木の構成を示す斜視図(a)及びA−A矢視断面図(b)。
【図2】本発明の実施の形態に係る幅木をカウンタに取り付けた構成を示す斜視図(a)及び側面図(b)。
【図3】本発明の実施の形態に係る幅木を他のカウンタに取り付けた構成を示す平面図(a)及び(b)。
【図4】本発明の他の実施の形態に係る幅木の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)について、図面を参照しながら説明する。なお、図面においては、一部分を省略して示す場合がある。
【0020】
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
(1)幅木の全体構成
本実施形態に係る幅木1は、店舗等の接客用什器として用いられるカウンタに用いるものであり、主としてカウンタの前面パネル下部と床面との隙間に配置されるものである。ここで、カウンタの前面パネルとは、カウンタにおいて、天板の下部に設けられ、店舗側と利用者側とを隔てる板であり、利用者側から店舗側のカウンタ下部が見えないように配置したものをいう。
【0021】
図1に示すように、幅木1は、前述の隙間を埋める部分であり前面パネル下部からカウンタ前方に露出する化粧面2と、化粧面2の上部に設けられ幅木1の前面パネルへの取り付けと化粧面2の露出具合、すなわち幅木1の取付位置を調整する役割をなす取付面3と、カウンタ裏面において電子機器の配線を搭載して取り回す配線受け4とを備える。ここで、通常、幅木はその面を、カウンタの前面パネルの配置に合わせて垂直方向に立てて用いられるので、図1に化粧面2及び取付面3を垂直方向に配置した状態として説明する。
【0022】
幅木1は、上述のようなカウンタの前面パネルの背面に取り付けられるものであり、その全体形状は、幅方向に細長に構成される。幅木1の寸法の一例を挙げれば、高さ方向の長さは160mm程度で、幅方向の長さは、カウンタの幅に合わせて1200mm程度又は1500mm程度で構成される。なお、幅木1のカウンタへの取り付けやカウンタとの関係については後述する。
【0023】
幅木1を構成する化粧面2、取付面3及び配線受け4とは、説明の便宜上、各部分に分けて説明するが、実際には一枚の板金を加工し、折り曲げて変形させることにより構成するものである。また、化粧面2、取付面3及び配線受け4は、図1における下側よりこの順番に設けられている。
【0024】
化粧面2は、幅木1の主たる作用を担う部分であり、幅木1を前面パネルに取り付けた場合に、カウンタの下端において、前面パネルと床との間に配置され、前面パネルからカウンタ前方に露出した化粧板をなす部分である。化粧面2の正面側、すなわち、前面パネルへの取付面側には、カウンタのデザインに応じた装飾等を施すことも可能である。
【0025】
化粧面2の下端部分及び両側部分は、L字状ないし釣り針状に内側、すなわち前面パネルとの取付側と反対側に折り返して、段返り部21を構成している。この段返り部21は、幅木1の下端が床と当接する箇所においてその当接具合を良好にするためのものであるとともに、両側を折り返すことで化粧面2全体の強度を高めるためのものである。
【0026】
取付面3は、化粧面2の上部に形成される部分であって、幅木1をカウンタの前面パネルに取り付ける機構を有する部分であり、化粧面2をカウンタの前面パネルに取り付けるに当たって、前面パネルとの高さ位置を調整する手段である。そのため、本実施形態では化粧面2と面一にして、垂直方向にその面を備える。
【0027】
なお、化粧面2と取付面3は、必ずしも面一である必要はなく、その間に段差が設けられている態様もあり得る。また、化粧面2と取付面3とは一枚の板金で形成されている必要もなく、別部材により作製され接合等されている態様も含む。
【0028】
取付面3における化粧面2の露出具合を調整する調整機構は、幅木1の高さ方向に縦長の貫通孔31を複数備えることによって構成される。この縦長の貫通孔31は、幅木1の幅方向に複数設けられる。化粧面2の露出具合の調整は、長孔の高さ方向のいずれかの位置において、ビスVによりカウンタの前面パネルに固定することにより行う。
【0029】
配線受け4は、取付面3の上部において、主として、垂直方向に面一に形成される化粧面2及び取付面3に対して直交方向、すなわち、図1において水平方向に折り曲げて構成される。
【0030】
配線受け4は、水平方向に面を形成する部分がカウンタの裏面側で取り回される配線を搭載するための搭載面41と、この搭載面41の端部で、垂直方向に立ち上がった立上がり部42とを備える。立上がり部42は、搭載される配線の脱落を防止するものである。
【0031】
搭載面41には、所定の間隔で、配線用の切欠43が設けられている。この切欠43は、カウンタの前面パネルの裏面において幅方向に配置される配線受け4において、その中途で配線を適宜搭載し、又は離脱させるためのものである。
【0032】
(2)幅木と幅木を取り付けたカウンタの構成
次に、上記のように構成される幅木1をカウンタ5に取り付けた場合の実施態様を説明する。図2は、本実施形態の幅木1を取り付けるカウンタ5の一例を示す正面図(a)と側断面図(b)である。同図に示すように、カウンタ5は、天板51と、前面パネル52と、この天板51の両側で天板51及び前面パネル52を支持する側板53と、側板53と並行して設けられた内側板54とを備える。
【0033】
まず、カウンタ5に対する幅木1の取付について説明する。図2に示すように、幅木1は、カウンタ5において、前後の関係において前面パネル52と内側板54との間に配置されるものであり、配線受け4を上方に、化粧面2を下方に向けて、前面パネル52の下端部と床との間の隙間に配置される。幅木1は、前面パネル52に対して、図2(a)の正面図に示すように、取付面3において幅方向に設けた3つの貫通孔31において、ビスVにより固定されるようになっている。
【0034】
次にカウンタ5を構成する内側板54の構成について説明する。図2(a)に示すように、内側板54は、天板51のカウンタ5の左右両側に設けられた側板53に並行してこの間に、カウンタ5の天板51及び前面パネル52を支持するために設けられたものである。同図(b)示すように、基本的には平板状で構成され、下端部の床との当接部分には、ねじ込みにより化粧面2の露出具合を調整することが可能なスペーサSが設けられている。
【0035】
本実施形態において、この内側板54の顕著な構成は、内側板54の下方の一部に、コの字状の凹部55を設け、さらに、その凹部55下部の先端が、幅木1の取付面3及び化粧面2を、前面パネル52と反対側から幅木1の化粧面2及び取付面3近傍に当接し、幅木1を前面パネル52方向に向かって支持するように構成される点にある。
【0036】
なお、本実施形態において示すカウンタ5の天板51、前面パネル52及び側板53の構成自体は、従来と同様であり、特段本願において顕著な構成を有するものではないので、詳細な構成について説明は省略する。
【0037】
[1−2.作用効果]
以上のような構成からなる本実施形態の幅木1及び幅木1を備えたカウンタ5は、次のように作用する。幅木1の取り付けに当たっては、まず、ビスVを仮留めし、幅木1全体を上下方向にスライドさせ、位置決めした後に本締めすることで固定する。この位置決めは、化粧面2下端の段返り部21が、床に当接するように、幅木1を下方に下げるようにして行う。このとき、従来のように幅木単体で設けられたのと異なり、配線受け4部分が一体に設けられているので、この配線受け4部分を持ち、配線受け4部分を上下に動かすことで、幅木1の位置決めを行うことも可能である。
【0038】
このように本実施形態の幅木1によれば、幅木1部分と配線受け4とが一体に設けられているので、カウンタ5に対して、幅木1を取り付けることにより、幅木1と配線受け4とを一回で取り付けることが可能である。また、幅木の部分のみであると、幅木の取付に当たって、前面パネルの下端で、作業者はしゃがみ込んで化粧面の露出具合を調整しながら取り付けるため作業性が悪い。これに対して、本実施形態では、幅木1部分と配線受け4部分とが一体であるので、例えば配線受け4部分を取手として上下方向の位置決めができるので、幅木1の位置決めが容易となる。このように本実施形態の幅木1によれば、従来技術に比較し、施工性を非常に高くすることが可能となる。
【0039】
また、幅木1部分と配線受け4部分とを、一枚の板金を加工して一体に設け、さらに、配線受け4部分の取付も、幅木1をなす化粧面2の上部に設けた取付面3によって行う。これにより、部品点数を大幅に減少させることができ、施工が容易になるとともに、全体としてコストダウンを図ることができるようになる。
【0040】
本実施形態では、配線受け4の搭載面41に、搭載面41に搭載される配線の出し入れを行う切欠43を複数設けた。ここで、カウンタは一般的に横長に形成されるので、それに伴って幅木1も横長に一連に形成される。そして、この幅木1の構成に追従して配線受け4も、搭載面41を横長一連に構成したものとなる。そこで、本実施形態では、搭載面41に、適宜配線用の切欠43を設けることで、搭載面41の中途においても配線の出し入れを行うことができるようにし、カウンタ裏での配線の取り回しが容易に行えるようにしている。
【0041】
さらに、本実施形態では、カウンタ5を構成する内側板54において、その下方の一部に、コの字状の凹部55を設け、さらに、その凹部55下部の先端が、幅木1の取付面3及び化粧面2を、前面パネル52と反対側から幅木1の化粧面2及び取付面3の近傍に当接し、幅木1を前面パネル52方向に向かって支持するように構成している。
【0042】
ここで、本実施形態のカウンタ5では、利用者(客側)は前面パネル52の前方から利用する。この際、つま先などが、カウンタ最下部の幅木1部分に当たって、内側すなわち幅木1が設けられた前面パネル52側に折り曲げられる可能性がある。
【0043】
この点、本実施形態のカウンタ5では、図2(b)に示すように、内側板54が、前面パネル52裏面から幅木1の化粧面2に当接して、化粧面2を前面パネル52方向に支持しているので、利用者が前面パネル52側からその下端部につま先などをぶつけたとしても、幅木1が内側に曲がってしまうような事態を防ぐことができる。
【0044】
(3)他のカウンタ配置例における幅木1の取付け
本実施形態の幅木1は、図2で説明した方形上のカウンタなどのカウンタ5だけでなく、以下のような円形に配置される、いわゆるコーナーカウンタなどのカウンタ6においても取り付けが可能である。
【0045】
すなわち、図3に示すように円形に構成するカウンタ6(6a,6b)には、前面パネル62(62a,62b)が円形の中心側に向いているか、円形の外周側に向いているかによって、幅木1の取り付け手法が異なる。図3(a)は、前面パネル62を円形の外周側に向けて配置した例、すなわち、利用者(客側)が外周側を利用するカウンタの例であり、同図(b)は、前面パネル62を円形の中心側に向けて配置した例、すなわち、利用者(客側)が内周側を利用するカウンタの例である。
【0046】
図3(a)に示す、前面パネル62aを円形の外周側に向けて配置した場合、3枚の前面パネル62aのそれぞれの内側に、幅木1を取り付ける。一方で、図3(b)に示す、前面パネル62bを円形の中心側に向けて配置した場合に、3枚の前面パネル62bのそれぞれの外側に、幅木1を取り付ける。この場合の幅木1は、3辺を構成するので、各々の辺に対応する個別の幅木1を用意しても良いし、3辺一体の構成としても良い。なお、図3において、61a,61bは天板を示す。また、各幅木の間には、内側板64が設けられている。
【0047】
このように本実施形態の幅木1及び幅木1を備えたカウンタとして、図2で示した方形のカウンタ5だけでなく、図3に示すような円形のカウンタ6においても、取り付けることができる。
【0048】
[3.他の実施形態]
上記本実施形態において示した態様に限定されるものではなく、例えば、以下のような実施形態も包含するものである。本実施形態では、幅木1の配線受け部を、上端部に一段の構成としたが、本発明はこのような態様に限られず、例えば、図4に示すように、上部を延伸して配線受けを2段設けた幅木10も構成可能である。このように、配線受けを2段又は複数段の構成とすることにより、カウンタの天板上で用いる電子機器の配線を効率的に収納することが可能となる。
【0049】
本実施形態においては、幅木を構成する化粧面、取付面、配線受けの3要素を、一枚の板金により一体的成形することとしているが、本発明ではこのような態様に限られず、例えば、化粧面及び取付面の一枚の平面板金と、配線受けとを別々に作製し、結合して一体とした後、前面パネルに取り付けるような態様も包含する。つまり、前面パネルに取り付ける際に、一体として構成されていれば、その前段階の構成は問わない。
【符号の説明】
【0050】
1,10…幅木
2…化粧面
21…段返り部
3…取付面
31…貫通孔
4…配線受け
41…搭載面
42…立上がり部
43…切欠
5,6,6a,6b…カウンタ
51,61,61a,61b…天板
52,62…前面パネル
53…側板
54…内側板
55…凹部
S…スペーサ
V…ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンタの前面パネルとカウンタが設置される床面との隙間に配置される化粧用の幅木であって、
前記隙間に露出する化粧面と、
前面パネルの裏面に取り付けるための取付機構を備えた取付面と、
前記化粧面及び取付面と直交方向に配置され、配線の搭載面を備えた配線受けと、
を備えることを特徴とする幅木。
【請求項2】
前記取付面は、前面パネルに対する幅木の取り付け位置を調整可能な調整機構を備えたことを特徴とする請求項1記載の幅木。
【請求項3】
前記搭載面には、搭載される配線を出し入れする配線用切欠が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の幅木。
【請求項4】
天板と、
天板の両側に設けられ天板を支持する側板と、
前記側板と略直交方向に設けられる前面パネルと、
前記前面パネルとカウンタが設置される床面との隙間に配置される請求項1〜3のいずれか1項に記載の幅木と、を備えたことを特徴とする幅木を備えたカウンタ。
【請求項5】
前記天板両側の側板の間には、側板と並行して内側板が設けられ、
この内側板は、前記前面パネルの裏面に当接するとともに、前記幅木の化粧面又は取付面を、前記前面パネルと裏面から支持することを特徴とする請求項4に記載の幅木を備えたカウンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−17699(P2013−17699A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154258(P2011−154258)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】