説明

干渉判定方法,FMCWレーダ

【課題】FMCWレーダにおいて、少ない演算量にて振幅の小さい干渉波の検出精度を向上させる。
【解決手段】サンプリングデータに基づいて、サンプリング点間のビート信号の信号レベルの変化量VDを算出し(S210)、変化量VDの符号が変化するサンプリング点を極点として抽出する(S220)。更に、一定の単位時間範囲毎に極点の発生頻度をカウントし(S230)、他の単位時間範囲とはカウント数が大きく異なる単位時間範囲を抽出する(S240)。そして、抽出された単位時間範囲が一つでも存在すれば、干渉ありと判定し、一方、抽出された単位時間範囲が一つも存在しなければ、干渉なしと判定する(S250〜S270)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他レーダとの干渉の発生を判定する干渉判定方法及びFMCWレーダに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自動車に搭載され、障害物の検知や先行車両との距離や相対速度を検知する車載レーダの一つとしてFMCWレーダが知られている。
このFMCWレーダでは、時間とともに周波数が直線的に変化するように周波数変調されたレーダ波を送信すると共に、レーダ波を反射したターゲットからの反射波を受信し、その送信信号と受信信号とを混合することでビート信号を生成する。そして、ビート信号をFFT等を用いて周波数解析することにより検出されるピーク成分の周波数(ビート周波数)に基づいて、レーダ波を反射したターゲットとの相対速度や距離を求めている(図5(a)参照)。
【0003】
ところで、車載レーダの場合、自車両の車載レーダから送出されたレーダ波の反射波だけでなく、対向車や併走車など他車両の車載レーダから送出されたレーダ波を受信してしまうことにより、いわゆる車載レーダ同士の干渉が発生する場合がある。
【0004】
そして、干渉を起こしている他レーダと自レーダとで周波数変調の傾きに少しでも差がある場合(図5(b)参照)や、他レーダがFMCW以外の方式(例えば、多周波CW,パルス,スペクトル拡散等)である場合(図5(c)参照)、ビート信号には干渉に基づく広帯域の周波数成分(ノイズ)が発生する。すると、周波数解析結果におけるノイズフロアが上昇し、検出すべきターゲットからの反射波に基づくピーク周波数成分がノイズフロアに埋もれてしまうことにより、そのピーク周波数成分(即ち、ビート周波数)を正しく検出することができず、誤った相対速度や距離が求められてしまうという問題があった。
【0005】
これに対して、他レーダとの干渉がある場合のビート信号の波形が、図6に示すように、検出すべきビート信号の波形に、干渉による周波数の高い信号成分の波形が重畳されたものとなることに着目し、ビート信号の振幅が予め設定された閾値を超えた場合(例えば、特許文献1参照)や、ビート信号のサンプリングデータの変化量が予め設定された閾値を超えた場合(例えば、特許文献2参照)に、他レーダによる干渉が発生したと判断するFMCWレーダが知られている。
【特許文献1】特開2002−168947号公報
【特許文献2】特開2006−300550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、これらの従来装置では、干渉波の振幅が小さい場合に、これを検出することができないという問題があった。
なお、特許文献2に記載の装置では、サンプリング間隔を狭くすることでより小さな干渉波の検出が可能となるが、サンプリング間隔を狭くすると、演算量を増大させることになる。従って、例えば、車載レーダのように、十分な処理能力を有する演算装置を確保できない状況がある場合には、十分にサンプリング間隔を狭くすることができず、振幅の小さい干渉波を検出することができないのである。
【0007】
また、特に、反射波を複数のアンテナで受信し、各受信信号間の相関関係を表す相関行列を作成して、その相関行列に基づいてMUSIC等の高分解能な方位推定処理を行っている場合、他レーダとの干渉の発生を見逃してしまうと、長期間に渡って、相関行列に干渉の影響が残存してしまい、ターゲットの認識に影響を及ぼす可能性があるという問題もあった。
【0008】
即ち、相関行列を用いた方位推定処理では、相関行列の精度を向上させるために、多くのスナップショット数を確保する必要があり、一般的には、過去のサイクルで求められた相関行列を利用することが行われている。
【0009】
具体的には、前サイクルの方位推定処理で使用された相関行列をR(t−1)、今サイクルの測定結果から求めた相関行列をRS(t)として、今サイクルの方位推定処理で使用する相関行列R(t)を、(1)式を用いて求めている。
【0010】
R(t)=α×R(t−1)+(1−α)×RS(t) (1)
この(1)式からわかるように、他レーダとの干渉を検出することができなかった場合には、そのサイクルで算出される相関行列RS(t)が影響を受けるだけでなく、これに基づいて算出される相関行列R(t)に、影響が残存し続けてしまうのである。
【0011】
本発明は、上記問題点を解決するために、FMCWレーダにおいて、少ない演算量にて振幅の小さい干渉波の検出精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた第一発明の干渉判定方法では、時間と共に周波数が直線的に変化するように周波数変調されたレーダ波の送信信号と、そのレーダ波を反射したターゲットからの反射波の受信信号とを混合することで生成されるビート信号に基づいて、そのビート信号の信号レベルが極大又は極小となる極点を抽出し、抽出した極点の出現タイミングが非周期的である場合に、他レーダとの干渉が発生していると判定する。
【0013】
つまり、ビート信号の信号レベルが極大又は極小となる極点が現れるパターンは、ビート信号に含まれる信号成分によって決まる。そして、他レーダとの干渉がない場合、ビート信号の波形は、反射波に基づくビート信号の信号成分の波形が支配的となるため、極点は、数百kHz以下の比較的低い周波数で周期的に現れることになる。一方、他レーダとの干渉がある場合、ビート信号の波形は、検出すべき信号成分より高い周波数のノイズ成分が多く重畳されたものとなるため、極点は、干渉がない場合よりも短い間隔で、しかもランダムに現れることになる。
【0014】
従って、極点の出現タイミングが非周期的である場合に、干渉が発生していると判定すればよいのである。
このように、本発明の干渉判定方法によれば、干渉の発生を信号レベルそのものではなく、信号レベルが極大又は極小となる極点を用いて他レーダとの干渉の有無を判定しているため、振幅の小さい干渉波の検出精度を向上させることができ、しかも、サンプリング周期を、大幅に短くする必要もないため、少ない演算量にて実現することができる。
【0015】
次に、第二発明のFMCWレーダでは、送受信手段が、時間と共に周波数が直線的に変化するように周波数変調されたレーダ波を送信すると共に、該レーダ波を反射したターゲットからの反射波の受信信号し、前記レーダ波の送信信号と前記反射波の受信信号とを混合することでビート信号を生成する。
【0016】
すると、タイミング抽出手段が、送受信手段にて生成されたビート信号から、そのビート信号の信号レベルが極大又は極小となる極点を抽出し、干渉判定手段が、その抽出された極点の出現タイミングが非周期的である場合に、他レーダとの干渉が発生していると判定する。
【0017】
このように構成された本発明のFMCWレーダは、第一発明の干渉判定方法を実現する装置であり、従って、その方法を実施することで得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0018】
なお、本発明のFMCWレーダが、例えば、サンプリング手段が送受信手段にて生成されたビート信号をサンプリングし、変化量算出手段が、サンプリング手段でのサンプリングによって得られたサンプリングデータの変化量を算出するように構成されている場合、タイミング抽出手段は、変化量算出手段にて算出された変化量の符号が変化するタイミングを極点として抽出するように構成すればよい。
【0019】
また、本発明のFMCWレーダが、例えば、予め設定された単位時間範囲毎に、タイミング抽出手段にて抽出された前記極点の数をカウントするカウント手段を備えている場合、干渉判定手段は、極点の出現タイミングが非周期的であるか否かを、単位時間範囲の中に、カウント手段でのカウント値が予め設定された許容値以上他とは異なるものが存在するか否かによって判断するように構成すればよい。
【0020】
この場合、単位時間範囲は、当該レーダにて検出すべき最大ビート周波数(最大検出距離に存在するターゲットからの反射波を受信した時に得られるビート周波数)をfb、T=1/fbとして、T/2より大であることが望ましい。
【0021】
即ち、単位時間範囲をT/2以下にすると、干渉発生時であっても、単位時間範囲内の極点の数が0や1となり、干渉なし時との比較ができなくなる可能性があるためである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
<全体構成>
図1は、本実施形態の車載用のFMCWレーダ2の全体構成を表すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、FMCWレーダ2は、変調データDmをD/A変換して変調信号Mを生成するD/A変換器10と、ミリ波帯で発振し、D/A変換器10が生成する変調信号Mに従って発振周波数が変化する発振器12と、発振器12の出力を送信信号Ssとローカル信号Lとに電力分配する分配器14と、送信信号Ssに従ってレーダ波を放射する送信アンテナ16とを備えている。
【0024】
なお、変調信号Mとしては、一周期が2×ΔTからなる三角波が用いられ、この変調信号Mに従って、発振器12の発振周波数(ひいては送信信号Ssやローカル信号L)は、掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ直線的に増加した後、同じ掃引時間ΔTの間に周波数変動幅Δfだけ周波数が直線的に減少するように構成されている。以下では、周波数が増加する区間を上昇区間、周波数が減少する区間を下降区間という。
【0025】
また、FMCWレーダ2は、レーダ波を受信するN個のアンテナからなる受信アンテナ部20と、受信アンテナ部20を構成するアンテナのいずれか一つを順番に選択し、選択されたアンテナからの受信信号Srを後段に供給する受信スイッチ22と、受信スイッチ22から供給される受信信号Srにローカル信号Lを混合してビート信号Bを生成するミキサ24と、ミキサ24の出力を増幅する増幅器26と、増幅器26の出力をサンプリングしデジタルデータDbに変換するA/D変換器28と、D/A変換器10に対して変調データDmを供給し、A/D変換器28を介して取り込んだビート信号BのサンプリングデータDbに対して信号処理を行うことにより、レーダ波を反射したターゲットに関する情報を求める信号処理部30とを備えている。
【0026】
なお、信号処理部30は、CPU,ROM,RAMからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成され、更に、A/D変換器28を介して取り込んだデータについて、高速フーリエ変換(FFT)処理等の信号処理を実行するための演算処理装置を備えている。
【0027】
また、受信アンテナ部20を構成するN個のアンテナを、それぞれチャンネルch1〜chNに割り当てるものとし、1チャンネル当たりのサンプリング周波数をfsとして、A/D変換器28のサンプリング周波数は、N×fsに設定されている。
【0028】
更に、1チャンネル当たりのサンプリング周波数fsは、ターゲットの検出範囲に対応するビート信号Bの周波数領域を検出周波数領域として、この検出周波数領域の上限周波数(最大ビート周波数)fbの2倍より大きな値(好ましくは上限周波数の4倍以上)に設定され、いわゆるオーバーサンプリングをするように設定されている。
【0029】
このように構成された本実施形態のFMCWレーダ2では、変調データDmに従ってD/A変換器10が変調信号Mを生成し、発振器12が、この変調信号Mに従って周波数変調された高周波信号を生成する。その高周波信号を、分配器14が電力分配することにより、送信信号Ss及びローカル信号Lを生成し、このうち送信信号Ssは、送信アンテナ16を介してレーダ波として送出される。
【0030】
そして、送信アンテナ16から送出されターゲットに反射して戻ってきたレーダ波(反射波)は、受信アンテナ部20を構成する全てのアンテナで受信され、受信スイッチ22によって選択されているチャンネルchi(i=1〜N)の受信信号Srのみがミキサ24に供給される。すると、ミキサ24では、その受信信号Srに分配器14からのローカル信号Lを混合することでビート信号Bを生成し、生成されたビート信号Bは、増幅器26にて増幅された後、A/D変換器28にてサンプリングされ、信号処理部30に取り込まれる。
【0031】
<信号処理部での処理>
ここで信号処理部30が実行する処理を、図2に示すフローチャートに沿って説明する。
【0032】
なお本処理は、一定時間毎に周期的に起動する。
本処理が起動すると、まずS110では、1周期(上昇区間および下降区間)分の変調データDmをD/A変換器に10に供給することでレーダ波を送信すると共に、A/D変換器28を介して、受信信号Srに基づくビート信号のサンプリングデータを読み込んでS120に進む。
【0033】
S120では、サンプリングデータに基づいて他レーダのとの干渉の有無を判定する干渉判定処理を実行し、続くS130では、干渉判定処理の結果が干渉ありであるか否かを判定する。
【0034】
そして、干渉判定処理の結果が干渉なしであれば、S140に進み、先のS110にて取得したサンプリングデータに基づき、チャンネル毎、且つ上昇区間および下降区間の各区間毎にビート信号の周波数解析(本実施形態ではFFT変換)を実行して、S150に進む。
【0035】
なお、ここでは、オーバーサンプリングされたサンプリングデータをそのまま周波数解析しているが、このオーバーサンプリングされたサンプリングデータをダウンコンバートしてから周波数解析しても良い。
【0036】
S150では、区間毎に、検出周波数領域内でピーク抽出閾値より電力値の大きい周波数をピーク周波数として全チャンネルから抽出し、その抽出したピーク周波数の信号成分から相関行列を作成し、その相関行列に基づきMUSIC等の方位推定アルゴリズムを用いて、そのピークを発生させた信号の到来方向を示す方位を求めて、S160に進む。以下では、S150にて求められるピーク周波数及び方位をピーク情報という。
【0037】
なお、方位推定アルゴリズムでは、推定精度を向上させるために、現サイクルで生成した相関行列だけでなく、過去サイクルで求めた相関行列を利用することで、スナップショット数を確保するようにされている。
【0038】
具体的には、前サイクルの方位推定に使用された相関行列をR(t−1)、今サイクルの測定結果から求めた相関行列をRS(t)として、今サイクルの方位推定に使用する相関行列R(t)を、(2)式を用いて求めている。但し、α(0<α<1)は忘却係数である。
【0039】
R(t)=α×R(t−1)+(1−α)×RS(t) (2)
S160では、S150にて求めたピーク情報の内容に基づいて、両区間で検出されたピーク情報を互いに対応づけるペアマッチを行い、続くS170では、ペアマッチした全てのペアをターゲット候補として、そのターゲット候補の持つ一対のピーク情報(特にピーク周波数)から、ターゲット候補との距離および相対速度を算出する。
【0040】
続くS180では、S170にて算出された距離や相対速度の履歴を、全てのターゲット候補について追跡し、追跡できた候補をターゲットとして認識して、本処理を終了する。
【0041】
このS180にて認識されたターゲットの情報(距離,相対速度,方位)は、オートクルーズ制御や衝突安全制御等を実行する他の車載装置にて使用される。
先のS130にて、干渉判定処理での判定結果が干渉ありと判断された場合、S190に進み、干渉対策処理を実行して本処理を終了する。
【0042】
なお、干渉対策処理としては、干渉の発生によりターゲットの認識ができないことを、図示しない表示装置や音響装置を介して車両の乗員に報知する制御等を実行する。
<干渉判定処理>
次に、S120にて実行する干渉判定処理の詳細を、図3に示すフローチャート、及び図4に示すグラフに沿って説明する。
【0043】
本処理では、まずS210にて、サンプリングデータ(図4(a)参照)に基づいて、サンプリング点間のビート信号の信号レベルの変化量VD(図4(b)参照)を算出し、続くS220では、変化量VDの符号が変化するサンプリング点を極点(図4(c)参照)として抽出して、S230に進む。
【0044】
S230では、測定の1周期を予め設定された単位時間で分割し、その分割された単位時間範囲毎に極点の発生頻度をカウントし、続くS240では、他の単位時間範囲とはカウント数が大きく異なる単位時間範囲を抽出してS250に進む。
【0045】
具体的には、例えば、カウント数の平均値を求め、その平均値との差(偏差)が予め設定された閾値より大きい単位時間範囲を抽出する。また、単位時間範囲は、T=1/fbとして、T/2より大きな値に設定されている。
【0046】
S250では、S240にて抽出された単位時間範囲が一つでも存在すれば、S260に進んで干渉ありと判定し、一方、抽出された単位時間範囲が一つも存在しなければ、S270に進んで干渉なしと判定して、本処理を終了する。
【0047】
なお、本実施形態において、図1に示す信号処理部30以外の構成が送受信手段、S110,S210〜S220がタイミング抽出手段(特にS110がサンプリング手段、S210が変化量算出手段)、S230〜S270が干渉判定手段(特にS230がカウント手段)に相当する。
【0048】
<効果>
このように構成されたFMCWレーダ2では、サンプリングデータの変化量DVを求め、その変化量DVの符号が変化するサンプリングタイミングを極点として抽出し、抽出した極点を単位時間範囲毎にカウントして、そのカウント数が他とは大きく異なる単位時間範囲が存在する場合に、干渉ありと判定している。
【0049】
つまり、FMCWレーダ2によれば、干渉が発生した時には、周波数の高い信号成分がビート信号に重畳され、信号レベルが極大または極小となる極点の出現頻度が増大することに着目し、この極点の出現頻度によって干渉の有無を判定しているため、サンプリング間隔を必要以上に短くすることなく(即ち、演算量を大幅に増大させることなく)、振幅の小さい干渉波の検出精度を向上させることができる。
【0050】
その結果、干渉の影響を受けた相関行列が生成されることがないため、精度よく、しかも安定した精度で方位推定を行うことができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0051】
例えば、上記実施形態では、干渉ありと判定された場合の干渉対策処理として、表示装置や音響装置を介して車両の乗員に報知する制御を行っているが、S240で抽出された単位時間範囲以外のサンプリングデータを用いて、S140〜S180の処理を実行するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】FMCWレーダの全体構成を示すブロック図。
【図2】信号処理部が実行する処理の内容を示すフローチャート。
【図3】干渉判定処理の詳細を示すフローチャート。
【図4】干渉判定処理の内容を示す説明図。
【図5】他レーダとの干渉が発生した時に生じる状況を示す説明図。
【図6】他レーダとの干渉がある場合のビート信号の波形を示す説明図。
【符号の説明】
【0053】
2…FMCWレーダ 10…D/A変換器 12…発振器 14…分配器 16…送信アンテナ 20…受信アンテナ部 22…受信スイッチ 24…ミキサ 26…増幅器 28…A/D変換器 30…信号処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間と共に周波数が直線的に変化するように周波数変調されたレーダ波の送信信号と、該レーダ波を反射したターゲットからの反射波の受信信号とを混合することで生成されるビート信号に基づいて、該ビート信号の信号レベルが極大又は極小となる極点を抽出し、抽出した極点の出現タイミングが非周期的である場合に、他レーダとの干渉が発生していると判定する干渉判定方法。
【請求項2】
時間と共に周波数が直線的に変化するように周波数変調されたレーダ波を送信すると共に、該レーダ波を反射したターゲットからの反射波の受信信号し、前記レーダ波の送信信号と前記反射波の受信信号とを混合することでビート信号を生成する送受信手段と、
前記送受信手段にて生成されたビート信号から、該ビート信号の信号レベルが極大又は極小となる極点を抽出するタイミング抽出手段と、
前記タイミング抽出手段で抽出された極点の出現タイミングが非周期的である場合に、他レーダとの干渉が発生していると判定する干渉判定手段と、
を備えることを特徴とするFMCWレーダ。
【請求項3】
前記タイミング抽出手段は、
前記送受信手段にて生成されたビート信号をサンプリングするサンプリング手段と、
前記サンプリング手段でのサンプリングによって得られたサンプリングデータの変化量を算出する変化量算出手段と、
を備え、前記変化量算出手段にて算出された変化量の符号が変化するタイミングを極点として抽出することを特徴とする請求項2に記載のFMCWレーダ。
【請求項4】
前記干渉判定手段は、
予め設定された単位時間範囲毎に、前記タイミング抽出手段にて抽出された前記極点の数をカウントするカウント手段を備え、
前記極点の出現タイミングが非周期的であるか否かを、前記単位時間範囲の中に、前記カウント手段でのカウント値が予め設定された許容値以上他とは異なるものが存在するか否かによって判断することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のFMCWレーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−232830(P2008−232830A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−72873(P2007−72873)
【出願日】平成19年3月20日(2007.3.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】