説明

干渉型電波遮蔽または吸収体

【課題】吸収周波数の広帯域性が図られた干渉型電波遮蔽または吸収体(総称して干渉型電波吸収体)を提供すること。
【解決手段】この干渉型電波吸収体は、螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成した微小螺旋構造体の群から成りかつ各微小螺旋構造体が電気的若しくは磁気的に連結されて集合体化している左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)層と、右手系電波伝搬媒質の通常層とを積層した構造を有することを特徴とする。この干渉型電波吸収体によれば、メタマテリアル層と通常層との積層物中における伝搬電磁波の波長が周波数に関わらず一定に保たれるため、吸収周波数の広帯域性を図ることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電波遮蔽または吸収体に係り、特に、螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成した微小螺旋構造体の群から成る左手系電波伝搬媒質が適用された干渉型電波遮蔽または吸収体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
導電性を有する螺旋状の構造体を電波吸収体として用いる従来技術としては、導電性基板上に複数の導電性コイルを配列させ、所望の周波数帯において共振させることによりその周波数帯の到来電磁波を効率的に吸収可能とした電磁波吸収装置が特開平09−289392号公報(特許文献1)に開示されている。上記導電性コイルは、例えば、周回させた金属線を適当な長さに切断することにより製造される。更に、周回させた金属線に代え気相成長法により作成した炭素の螺旋状析出物を電波吸収体として利用する電磁波シールド材が特開2000−027072号公報(特許文献2)に開示されている。また、気相成長法による上記螺旋状析出物の製造不安定性を回避するため、本発明者等は、螺旋形状を有する植物プランクトンに着目し、この植物プランクトンを導電化して微細なコイル群として利用する電磁波シールド材を提案している(特願2009−103681号明細書:特許文献3参照)。
【0003】
しかし、これ等の螺旋構造体を電波吸収体に適用した従来技術においては、コイルの共振に伴う電流が電気抵抗により熱エネルギーに変換される共振吸収作用を専ら利用して到来電磁波を吸収することを意図しており、螺旋形状を特徴とする構造体が単層または多層膜の厚さ干渉に作用してその吸収特性を変化させることは何等意図されていない。
【0004】
ところで、単層または多層膜の厚さ干渉を利用した吸収体(すなわち、干渉型電波遮蔽または吸収体)は広く利用されている。厚さ干渉は、ある材料層の表面と裏面で反射した電磁波の位相差に起因して発生し、二つの反射波がちょうど逆相関係となって打ち消し合う特定の周波数においてのみ強い吸収を持つ。但し、厚さ干渉を利用した電波遮蔽または吸収体においては吸収周波数帯域が狭いという欠点を有する。
【0005】
尚、上記吸収周波数帯域が狭い欠点を軽減するため、多層膜による多重干渉を利用して周波数帯域を拡大させることは可能であるが、構造が複雑化して製造コストが増大するという問題を抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平09−289392号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】特開2000−027072号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】特願2009−103681号明細書(特許請求の範囲)
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】J.B.Pendry, SCIENCE Vol. 306, pp.1353-1355 (2004)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、上述した吸収周波数帯域が狭い欠点を改善した(すなわち吸収周波数の広帯域性が図られた)干渉型電波遮蔽または吸収体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1に係る発明は、
干渉型電波遮蔽または吸収体において、
螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成した微小螺旋構造体の群から成りかつ各微小螺旋構造体が電気的若しくは磁気的に連結されて集合体化している左手系電波伝搬媒質層と、右手系電波伝搬媒質の通常層とを積層した構造を有することを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る干渉型電波遮蔽または吸収体において、
上記微小螺旋構造体の導電表面層が、少なくとも1層の金属メッキ層を含むことを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1に記載の発明に係る干渉型電波遮蔽または吸収体において、
上記螺旋形状を有する植物プランクトンが、アルスロスピラ(Arthrospira)属に属するアルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira Platensis)、アルスロスピラ・マキシマ(Arthrospira Maxima)、アルスロスピラ・サブサルサ(Arthrospira Subsalsa)を含み、スピルリナと称される一群の藍藻類から選択される植物プランクトンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る干渉型電波遮蔽または吸収体によれば、
螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成した微小螺旋構造体の群から成りかつ各微小螺旋構造体が電気的若しくは磁気的に連結されて集合体化している左手系電波伝搬媒質層と、右手系電波伝搬媒質の通常層とを積層した構造を有しているため、吸収周波数の広帯域性を具備させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】伝送路型メタマテリアルの構成を示す等価回路図。
【図2】図2(A)〜(C)は、通常物質で構成される右手系電波伝搬媒質の通常層と左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)層を積層して得られる本発明に係る干渉型電波遮蔽または吸収体の作用により積層物中における伝搬電磁波の波長が周波数に関わらず一定に保たれる原理を模式的に示した概念図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
厚さ干渉を利用した所謂(1/4)λ干渉型電波吸収体(干渉型電波遮蔽または吸収体を、以下、「干渉型電波吸収体」と総称して記載する)では、ある材料層の異なる二つの界面(例えば表面と裏面)で反射した電磁波の位相差がちょうど逆相関係となって打ち消し合う特定の周波数においてのみ強い吸収を持つ。尚、λは波長である。二つの界面間の距離(例えば材料層の厚さ)は、その中心周波数(図2の符号f0)の(1/4)波長の厚さとなっている。これより低い周波数では波長が増大し、これより高い周波数では波長が減少し、いずれの場合も反射波の逆相関係が成立せず電磁波の吸収能力は低下する。すなわち、(1/4)λ干渉型電波吸収体では、電磁波はある周波数を中心とする比較的狭い帯域において効率的な吸収が可能となっている。
【0015】
この狭帯域性は、吸収帯域の中心周波数よりも低い周波数では波長が増大し、これより高い周波数では波長が減少することが原因であるから、周波数の変化に対して伝搬電磁波の波長を一定に保つことができれば、広い周波数帯域において(1/4)λ干渉型電波吸収体の吸収能力を維持することが可能となる。
【0016】
ある幅を持った周波数帯域で伝搬電磁波の波長を一定に保つには、周波数と波長の比例関係が逆の2種類の媒質を組み合わせればよい。この目的のために、一般にメタマテリアルまたは左手系電波伝搬媒質と呼ばれる物質を用いることができる。メタマテリアル(左手系電波伝搬媒質)では、周波数に対する波長の比例関係が通常の物質(右手系電波伝搬媒質)と逆になっていて、より低い周波数では波長が減少し、より高い周波数では波長が増大する。従って、メタマテリアル(左手系電波伝搬媒質)層と通常物質で構成される右手系電波伝搬媒質の通常層とを積層して成る電波伝搬媒質中では、相互に逆転した周波数対波長の比例関係が打ち消し合う結果、周波数の変化に対して伝搬電磁波の波長を一定に保つことができる。
【0017】
このようなメタマテリアル(左手系電波伝搬媒質)の一例として、図1に示した伝送路型メタマテリアルがある。図1は、伝送路型メタマテリアルの構成要素を等価回路図で表したものであり、これを立体的に多重に連結することによって現実の伝搬媒質として用いることが可能となる。回路要素であるL、C、R等のサイズは、伝搬電磁波の波長よりも十分に小さい(一般に1/10以下)必要があるので、これを電波吸収体として実用に供するためには、図1に示された秩序的な構成要素を広い面積に亘り繰り返し連結する必要がある。その総要素数は膨大となり製造コストも飛躍的に上昇することとなる。
【0018】
そこで、本発明においては、螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成し導電化して得た微小螺旋構造体(マイクロコイル)を用いる。本発明者等は、この植物プランクトンを導電化して得た微小螺旋構造体(マイクロコイル)の乱雑な集積物が左手系電波伝搬媒質として機能し、従って図1に示したような秩序的な回路要素の繰り返し形成を回避することが可能であることを見出した。上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の乱雑な集積物が左手系電波伝搬媒質として機能する機構、作用については未だ明確でないが、微小螺旋構造体(マイクロコイル)の持つインダクタンスと浮遊容量、微小螺旋構造体(マイクロコイル)間の接触導通が等価的に図1に類似の回路を形成している可能性が考えられる。また、非特許文献1は、向きが一定の螺旋体を含有する媒質が、左手系電波伝搬媒質として機能する可能性について言及している。
【0019】
上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の原料として適用される植物プランクトンの品種には、アルスロスピラ(Arthrospira)属に属するアルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira Platensis)、アルスロスピラ・マキシマ(Arthrospira Maxima)、アルスロスピラ・サブサルサ(Arthrospira Subsalsa)を含み、一般にスピルリナ(Spirulina)と称される一群の藍藻類から選択される。スピルリナ単体における成長時の螺旋の巻き数は5〜10であり、代表的な寸法は、軸方向に測った長さが300〜500μm、直径が約50μmとなっている。これ等植物プランクトンの螺旋の向きが左ネジに統一されていることは極めて重要であり、本発明に利用される微小螺旋構造体の螺旋の向きが一定に統一される原因となっている。
【0020】
上記植物プランクトン原料を、例えば、無電解メッキ法により厚さ0.2μmの銅表面層を形成することにより導電化することができる。こうして得た微小螺旋構造体(マイクロコイル)を高い濃度で液状樹脂材料等に混合して固化させれば、左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)として機能するマイクロコイルの乱雑な集積物を得ることができる。混合する樹脂素材としては、硬化剤を含有した液状のシリコーン、アクリル、エポキシ等の一般的な樹脂素材を選択することができ、これ等樹脂素材に対するマイクロコイルの典型的な混合濃度は10重量%である。例えば、硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂に上記マイクロコイルを10重量%の濃度で混合し加熱硬化させた物質の屈折率は、60GHz〜80GHzの周波数範囲で約−1.6と負の値を示す左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)となる。
【0021】
この左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)層と硬化後屈折率が+1.67の通常物質である加熱硬化型シリコーン樹脂層とを、図2(A)〜(C)に示すように積層すると、ある幅を持った周波数帯域で伝搬電磁波の波長を一定に保つことができる。図2(A)〜(C)においては、伝搬電磁波の波形を明確に表示するために、積層体の全厚さが(1/2)λ相当である場合を例示しているが、上記積層体を干渉型電波吸収体として用いる場合には、所望の吸収周波数帯域に対して(1/4)λの奇数倍相当となるように積層体の全厚さを設定する。また、より効率的な吸収が図れるようにするため、通常の物質(右手系電波伝搬媒質)層(通常層)の裏面に、金属板、金属膜等で構成される金属層を配置して伝搬距離が延長されるようにしてもよい。尚、左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)層と通常の物質(右手系電波伝搬媒質)層(通常層)の組み合わせ方は、図2(A)〜(C)に示したような2層構造に限られるものではなく、複数層の交互積層、あるいは、上記マイクロコイルの含有濃度が徐々に変化して明確な層境界を形成しない傾斜組成型の複合構造でもよく、両物質の屈折率が伝搬電磁波に加算的に作用して、実効的な伝搬距離がある幅を持った周波数帯域に対し(1/4)λの奇数倍相当の一定に保たれればよい。
【0022】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0023】
[微小螺旋構造体の調製]
まず、スピルリナ品種としてアルスロスピラ・プラテンシスを採用した。
【0024】
培養液中の各種イオンが、後に続く工程に残存することによる弊害を排除するため、スピルリナを、開口寸法25μm以下のメッシュフィルタに保持しつつ流水にて濾過洗浄を行った。次いで、スピルリナをエチルアルコールに投入して外膜の除去を行った。粘膜状の外膜溶解物が集合して多数の浮遊片を形成するとともに、色素および細胞質の一部がエチルアルコール中に溶出した。これらの混合物を含む溶液を開口寸法250μm以上の粗いメッシュフィルタに通し、スピルリナは透過しつつ細胞質および外膜溶解物を捕集した。透過したスピルリナを含むエチルアルコールは、開口寸法25μm以下の細かいメッシュフィルタにて、色素成分を含むエタノールと分離してスピルリナを捕集した。
【0025】
捕集したスピルリナには、以下の手順によりCuメッキを施した。
【0026】
先ず、触媒(メルテックス社製 商品名:エンプレートアクチベータ444)を含む水溶液に投入し、液中に浮遊させた状態で触媒付与した後、Cuメッキ液(メルテックス社製 商品名:メルプレートCu−390)に投入し、やはり液中に浮遊させた状態でCu無電解メッキを行った。Cuメッキ層の膜厚は、約0.2μmであった。以上の手順により平均直径は約0.05mm、平均長さ約0.5mmの導電化された微小螺旋構造体を調製した。
【0027】
[干渉型電波吸収体の構成]
導電化された上記微小螺旋構造体を適用して図2(A)〜(C)に示す干渉型電波吸収体を製造した。
【0028】
(1)左手系電波伝搬媒質(メタマテリアル)層
Cuメッキの厚さが約0.2μmである導電化された微小螺旋構造体の群と下記通常層を構成する加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)とを、上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の濃度が10重量%となるように混合して、厚さ3mmで、屈折率が−1.55のメタマテリアル層とした。
【0029】
(2)通常層
硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)を用い、厚さ2mmの通常層とした。
【0030】
[干渉型電波吸収体の効果]
実施例1に係る干渉型電波吸収体は、55GHz〜85GHzの周波数範囲で、20〜30dBの反射減衰が得られることを確認できた。
【実施例2】
【0031】
実施例1で適用された微小螺旋構造体を用い、第一通常層/メタマテリアル層/第二通常層の積層構造から成る干渉型電波吸収体を製造した。
【0032】
(1)第一通常層
硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)を用い、厚さ1mmの第一通常層とした。
【0033】
(2)メタマテリアル層
Cuメッキの厚さが約0.2μmである導電化された微小螺旋構造体の群と上記第一通常層を構成する加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)とを、上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の濃度が10重量%となるように混合して、厚さ3mmで、屈折率が−1.55のメタマテリアル層とした。
【0034】
(3)第二通常層
硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)を用い、厚さ1mmの第二通常層とした。
【0035】
[干渉型電波吸収体の効果]
実施例2に係る干渉型電波吸収体は、55GHz〜85GHzの周波数範囲で、20〜30dBの反射減衰が得られることを確認できた。
【実施例3】
【0036】
実施例1で適用された微小螺旋構造体を用い、第一メタマテリアル層/第一通常層/第二メタマテリアル層/第二通常層/金属層の積層構造から成る干渉型電波吸収体を製造した。
【0037】
(1)第一メタマテリアル層
Cuメッキの厚さが約0.2μmである導電化された微小螺旋構造体の群と下記第一通常層を構成する加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)とを、上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の濃度が10重量%となるように混合して、厚さ1mmで、屈折率が−1.55の第一メタマテリアル層とした。
【0038】
(2)第一通常層
硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)を用い、厚さ1mmの第一通常層とした。
【0039】
(3)第二メタマテリアル層
Cuメッキの厚さが約0.2μmである導電化された微小螺旋構造体の群と上記第一通常層を構成する加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)とを、上記微小螺旋構造体(マイクロコイル)の濃度が10重量%となるように混合して、厚さ1mmで、屈折率が−1.55の第二メタマテリアル層とした。
【0040】
(4)第二通常層
硬化後の屈折率が+1.67である加熱硬化型シリコーン樹脂(モメンティブ社製の商品名TSE3250)を用い、厚さ1mmの第二通常層とした。
【0041】
(5)金属層
上記第二通常層の裏面側に厚さ1μmのアルミニウム蒸着膜から成る金属層を配置して、実施例3に係る干渉型電波吸収体とした。
【0042】
[干渉型電波吸収体の効果]
実施例3に係る干渉型電波吸収体は、55GHz〜85GHzの周波数範囲で、20〜30dBの反射減衰が得られることを確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る干渉型電波遮蔽または吸収体(干渉型電波吸収体)は吸収周波数の広帯域性を具備させることができるため、例えば、各種電子機器内部からの電磁波漏洩を防止する電波吸収体として利用される産業上の利用可能性を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋形状を有する植物プランクトンに導電表面層を形成した微小螺旋構造体の群から成りかつ各微小螺旋構造体が電気的若しくは磁気的に連結されて集合体化している左手系電波伝搬媒質層と、右手系電波伝搬媒質の通常層とを積層した構造を有することを特徴とする干渉型電波遮蔽または吸収体。
【請求項2】
上記微小螺旋構造体の導電表面層が、少なくとも1層の金属メッキ層を含むことを特徴とする請求項1に記載の干渉型電波遮蔽または吸収体。
【請求項3】
上記螺旋形状を有する植物プランクトンが、アルスロスピラ(Arthrospira)属に属するアルスロスピラ・プラテンシス(Arthrospira Platensis)、アルスロスピラ・マキシマ(Arthrospira Maxima)、アルスロスピラ・サブサルサ(Arthrospira Subsalsa)を含み、スピルリナと称される一群の藍藻類から選択される植物プランクトンであることを特徴とする請求項1に記載の干渉型電波遮蔽または吸収体。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−89785(P2012−89785A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237399(P2010−237399)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【出願人】(304021417)国立大学法人東京工業大学 (1,821)
【Fターム(参考)】