説明

干渉性変調

【課題】干渉性変調器および干渉性変調器アレイを備えた直視型反射式平面パネルディスプレイの提供。
【解決手段】干渉性変調器空胴200、202は反射器208および誘導吸収体206を有する。干渉性変調器空胴200、202は各々の被着物によりさまざまな厚さの隣接スペーサーがリフトオフ技法によって、基質204上に構成される。または、単一の被着物(deposition)中に被着されたスペーサーの厚さをエッチングで選択的に削るためのエッチング処理が可能となるように、パターン成形がなされたフォトレジストを用いてもよい。組み合わされるパターンの干渉性変調器空胴200、202からフルカラー静止画像を形成することもできる。各空胴は反射器208および誘導吸収体206を含み、誘導吸収体206はその空胴に関連した1つの色を規定する1つの厚みを有するスペーサーを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、1994年5月5日に提出された米国特許出願第08/238,750号の一部継続出願であり、この出願は参照として組み入れられる。
【0002】
本発明は、可視スペクトル(紫外および赤外を含む)変調器アレイ(modulator array)に関する。
親出願には、それらが光を変調させうるように、そのインピーダンス、すなわちアドミッタンスの逆数が能動的に調節されるような2種類の構造が記載されている。1つの方式は、空胴壁のうちの1つの静電的変形によってその光学的性質を変化させることができる変形可能な空胴である。誘電体、半導体または金属膜の層からなるこれらの壁の組成および厚さに応じて、印加電圧に対して異なる光応答(optical response)を示すさまざまな変調器の設計が可能となる。
このような設計の1つには、狭帯域フィルターおよび誘導吸収体(induced absorber)を有する混成フィルター(hybrid filter)として記載されるフィルターが含まれる。混成フィルターに付随する壁が反射器(reflector)と接触した場合には、一定範囲の入射光(incident light)が吸収される。これが起こるのは、誘導吸収体が、反射器のインピーダンスを、狭帯域フィルターを通過する範囲の周波数に関する入射媒体のそれと一致させるためである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、狭帯域フィルターの必要性を排除するとともに、より広範な吸収範囲を提供する。
本発明は、一方が反射器であって他方が誘導吸収体である2つの壁を備えた空胴の間隔を静電的に変化させることによって光を変調させる。この空胴は、光学的に平滑な表面、すなわち干渉効果が発現するために十分な平滑さを有する表面上に構成される。
したがって、1つの局面において、本発明は一般に、反射器および誘導吸収体を有する干渉性変調器の空胴を特徴とする。
【0004】
本発明の実施には、以下の特徴のうち1つまたはそれ以上が含まれうる。反射器は、金属、誘電体、半導体またはそれらの組み合わせからなる膜を含んでもよい。誘導吸収体は、2つの合致する層の間にサンドイッチ状に挟まれた吸収体を含んでもよい。この合致する層のうち1つは、入射媒体を備えた吸収体の境界部に位置することができ、他方の合致する層は反射器を備えた吸収体の境界部に位置することができる。合致する層のうち少なくとも1つは金属膜を含むことができる。合致する層のうち少なくとも1つは、誘導体膜もしくは半導体膜、または少なくとも2種類の金属膜、誘電体膜もしくは半導体膜の組み合わせを含むことができる。吸収体は、金属などの高損失膜もしくは半導体などの高損失膜、または金属および半導体の膜の組み合わせを含むことができる。また、透明な入射媒体を含む基板が存在してもよい。誘導吸収体および/または反射器は基板上に存在することもできる。基板は透明でもよく、場合によっては入射媒体または不透明体として機能するものでもよい。スペーサーは空気でもよく、間隙の厚さを変化させうる何かほかの柔軟な媒体(例えば液体または合成樹脂)でもよい。
【0005】
一般に、もう1つの局面において、本発明は、干渉性変調器(interferometric modulator)アレイを備えた直視型反射式平面パネルディスプレイを特徴とする。
【0006】
本発明の実施には、以下の特徴のうち1つまたはそれ以上が含まれうる。アレイは、反射状態の異なる対同士が切り換えられるようにそれぞれの組が配置された複数の組の干渉性変調器を含むことができる。アレイは、任意の特定の色を反射するようにアナログ式に駆動されるようにその組が配置された1組の干渉性変調器を含むこともできる。それぞれの変調器の輝度はパルス幅変調、空間的ディザリング、またはこの2つの組み合わせによって制御される。アレイはバックプレーンによって密閉されていてもよい。バックプレーンは一体型の要素を含んでもよい。バックプレーンは接着されていてもよい。バックプレーンは、画素の電気機械的な反応を改変させる電極を支持していてもよい。それぞれの変調器を、静電力、圧電力または磁力によって動かすこともできる。プロジェクションシステム中で本ディスプレイを用いてもよい。見る角度に応じて色にずれが起こるのを軽減もしくは除去するため、補助的なフロントライティングを提供するため、または見る角度に応じて色にずれが起こるのを軽減もしくは除去するために、光学的補償機構を用いてもよい。基板は集積回路であってもよい。
【0007】
一般に、もう1つの局面において、本発明は、別々に被着(deposit)されるスペーサーのパターンを成形するためにリフトオフ(lift-off)技術が用いられ、各被着物によって異なる厚さのスペーサーが提供されるような、基板上にさまざまな厚さの隣接スペーサーを構成するための方法を特徴とする。または、単一の被着物(deposition)中に被着されたスペーサーの厚さをエッチングで選択的に削るためのエッチング処理が可能となるように、パターン成形がなされたフォトレジストを用いてもよい。
【0008】
一般に、もう1つの局面において、本発明は、干渉性変調器空胴のアレイを備えるフルカラー静止画像を特徴とする。それぞれの空胴は、1つの反射器および1つの誘導吸収体を含み、吸収誘導体は空胴に関連した1つの色を規定する1つの厚みを有するスペーサーを含む。
【0009】
一般に、もう1つの局面において、本発明は、その各々のパターンにおいてスペーサーがそのパターンに関連した1つの色を規定するような1つの厚みを有し、すべてのパターンが組み合わされることによって画像が得られるような別々のパターンのスペーサー、またはスペーサーを備えた干渉性変調器空胴を含むフルカラー静止画像を特徴とする。
【0010】
本発明の利点は、以下のうち1つまたはそれ以上であると考えられる。これらの新たな空胴に基づく画素を用いることによって、高品質のフルカラー平面パネルディスプレイの製造が可能になると考えられる。2つの色(例えば赤および黒)を切り換えられる画素を構成することにより、それぞれ赤および黒、緑および黒、ならびに青および黒を切り換えられるように設計された3組のこれらの画素を組み合わせることによって、平面パネルディスプレイを構成することができると思われる。固有の色があるために、カラーLCDに典型的には必要とされるカラーフィルターアレイの必要はなくなる。さらに、バックライティングの代わりに室内光を用いるディスプレイである反射式ディスプレイは、画素の能率の低さの影響を特に受けやすい。本発明の空胴は入射光の90%を超える割合を利用するため、この用途にとっては優れた候補となる。また、これらの構造は、静電的に駆動された場合には微小電気機械的なヒステリシスも示すため、これを活用することでトランジスタの必要性をなくすこともできる。
本発明のその他の利点および特徴は、以下の説明および請求の範囲から明らかになると思われる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、変調器の各層の図である。
【図2】図2は、装置中の空胴の斜視図である。
【図3】図3は、画素装置の側面図である。
【図4】図4は、黒色の外観を有する空胴に関する光応答のグラフである。
【図5】図5は、青色の外観を有する空胴に関する光応答のグラフである。
【図6】図6は、緑色の外観を有する空胴に関する光応答のグラフである。
【図7】図7は、赤色の外観を有する空胴に関する光応答のグラフである。
【図8】図8は、白色の外観を有する空胴に関する光応答のグラフである。
【図9】図9は、反射式平面パネルディスプレイの断片の斜視図である。
【図10】図10a、10b、10c、10dは、製作中のさまざまなスペーサーの斜視図である。
【図11】図11a、11b、11c、11dも、製作中のさまざまなスペーサーの斜視図である。
【図12】図12a、12b、12c、12dは、静止画像の俯瞰図である。
【0012】
任意の薄膜、媒体または基板(薄膜とみなせるもの)は、固有光学アドミッタンスに関して規定することができる。反射率のみを考慮することにより、薄膜の動作を、それをアドミッタンス変換器として取り扱うことで検討することができる。つまり、薄膜または薄膜の組み合わせ(変換器)によって、その上に被着された別の薄膜または基板(変換された膜)の固有アドミッタンスを変化させることができる。この様式では、通常は反射性である膜または基板は、変換器の被着またはそれとの接触によって、その反射性が増強および/または低下するようにその固有アドミッタンスが変化する(すなわち、変換される)と考えられる。一般に、膜、媒体または基板の任意の組み合わせの境界面には必ず反射が生じる。この2つのアドミッタンスが近いほど両者の境界面での反射率は低くなり、アドミッタンスが一致していれば反射率はゼロとなる。
【0013】
図1を参照すると、反射器100(変換された膜)は、可変厚のスペーサー102によって、膜104、106および108を含む誘導吸収体105(変換器)と区分されている。入射媒体110は、誘導吸収体105の他方の側を境界とする。これらの薄膜のそれぞれには、親特許出願に記載した様式で微細加工を施してある。誘導吸収体105は2つの機能を果たす。第1の機能は、反射器100および入射媒体110のアドミッタンスを一致させることである。これは、吸収体106のアドミッタンスを入射媒体110のそれに変換するために用いられる合致する層108、および反射器100のアドミッタンスを吸収媒体106のそれに変換するために用いられる合致する層104を介して達成される。第2の機能は光の吸収である。これは、媒体を通って入射する光に加えて反射器100から入射する光を減衰させる機能を果たす吸収体106を用いて達成される。
【0014】
スペーサー102の厚さTの変更が可能であるため、構造全体の光学特性を改変することが可能となる。図2を参照すると、画素200が駆動状態を示し、画素202が非駆動状態を示している。この場合には、誘導吸収体206(変換器)は基板204上に存在しており、反射器208(変換された膜)は自立性(self-supporting)構造である。電圧を印加すると、反射器208は誘導吸収体206と接触するか、またはその近傍に位置するようになる。適切な材料および厚さを選択することにより、反射器208のアドミッタンスは基板204のそれへと完全に変換されると考えられる。その結果、基板204を通って入射する一定波長の光205は、画素によって有意に吸収されると考えられる。電圧を印加しない場合には、反射器208は通常の構造の状態に戻り、これによって反射器および基板の相対的アドミッタンスは変化する。この状態では(画素202)、空胴は共振空胴(resonant reflector)により近く振る舞い、一定範囲の周波数は強く反射するがそれ以外は高度に吸収する。
【0015】
このため、材料を適切に選択することにより、任意の色(または複数の色の組み合わせ)を反射する状態から吸収する状態(例えば青から黒)、または任意の色の組み合わせを反射する状態から任意の他の色を反射する状態(例えば白から赤)への切り換えが可能な画素を構成することができるようになる。図3を参照すると、特殊な画素の設計において、基板402はガラス製、合致する層404は厚さ54.46nmの二酸化ジルコニウム膜であり、吸収体406は厚さ14.49nmのタングステン膜であり、合致する層408は厚さ50nmの二酸化シリコン膜であり、スペーサー400は空気であり、反射器410は厚さが少なくとも50nmの銀膜である。図4を参照すると、駆動状態にある画素の光応答が示されており、すなわち、反射器410が合致する層408と接触している場合には広い範囲で誘導吸収状態が生じる。図5〜8を参照すると、いずれも非駆動状態にある、それぞれ青色、緑色、赤色および白色光の反射に対応するさまざまに異なる色の画素が示されている。これらの応答は、非駆動スペーサーの厚さでそれぞれ325、435、230および700nmに対応する。
【0016】
図9を参照すると、フルカラー反射式平面パネルディスプレイ298の断面に、R、GおよびBの3種類の画素が含まれている。それぞれの種類の他との違いは、非駆動スペーサーの大きさのみであり、これは親特許出願に記載したようにして製造の間に決定される。誘導吸収体300は基板304 上に存在し、反射器308は自立性(self-supporting)である。厚みのある有機または無機膜から構成できる一体型バックプレート302により密封される。または、パックプレートは、配列して基板に接合されたガラスなどの別々の小片で構成することもできる。電極は、画素の電気機械的な能力が改変されるようにこのバックプレート上に存在してもよい。入射光310は光学的補償機構306および基板304を通って伝播し、そこで画素によって選択的に反射または吸収される。ディスプレイは親出願に記載された種類の回路によって制御または駆動されてもよい。
【0017】
本ディスプレイにおいて、光学的補償機構306は2つの機能を果たす。第1の機能は、入射角に応じて反射される色に生じるずれを軽減または除去することである。これはすべての干渉膜の特徴であり、特別に調整された反射指標またはホログラフィー特性を有する膜、または微小光学特性(micro-optics)を有する膜を用いることによって補償できる。また、その他の方法も可能である。第2の機能は、補助的なフロントライティング光源を供給することである。この方法では、室内照明条件が著しく低下した場合には、付加的な光をディスプレイの前面に添加することができ、これによってディスプレイを高輝度から完全な黒までの範囲の条件で動作することが可能となる。このようなフロントライトは、光学的補償膜の内部で微小光学アレイと連結された、パターン成形がなされた有機性発光体またはエッジライティング光源を用いて構成することができる。また、その他の方法も可能である。
【0018】
装置を構成するための一般的な方法は、親出願に記載されている。さまざまな異なる大きさのスペーサーを構成するための代替的な2つの方法のさらなる詳細は以下の通りであるが、また、その他の方法も可能である。
この両方の代替的な方法は、より大規模な方法の最終段階では、エッチングによって除去されてエアギャップが形成される防腐用スペーサー材料の、反復性被着およびパターン成形が含まれる。
【0019】
図10aを参照すると、基板1000が、すでに被着された誘導吸収体1002ならびに被着およびパターン成形がなされたフォトレジスト1004とともに示されている。誘導吸収体1002は、スパッタリング、電子ビーム蒸着などの薄膜被着のための任意の数の技法を用いて被着される。フォトレジストはスピニングによって被着され、自然な突出部を得るために過度曝露(overexposure)によってパターン成形を施し、これによってステンシルが生じる。この結果は、リフトオフ(lift-off)として知られる手順を用いて、これを、それ以降に被着させた材料のパターン成形に用いることが可能であるということである。図10bを参照すると、スペーサー材料1006は被着されており、その結果、ステンシルの最上部に余分なスペーサー材料1008が生じている。図10cを参照すると、アセトンなどの溶媒槽中に装置を浸漬し、超音波を用いて撹拌することによって、余分なスペーサー材料とともにステンシルがリフトオフされている。図10dを参照すると、新たなスペーサー1012が古いスペーサー1006に隣接して被着されるような様式でパターン化されて被着された新たなフォトレジスト1010を用いて上記の方法が再び開始されている。この方法をもう一度以上繰り返すことにより、3種類の異なる厚さを有するスペーサーが得られる。図10dを参照すると、異なる厚さを有する新たなスペーサー1012が古いスペーサー1006に隣接して被着されるような様式でパターン化されて被着された新たなフォトレジスト1010を用いて上記の方法が再び開始されている。
【0020】
図11aを参照すると、基板1000が、すでに被着された誘導吸収体1102とともに示されている。スペーサー材料1104、1106および1108も被着されており、リフトオフステンシル1110によるパターン成形がなされている。スペーサー材料は、画素に必要な3種類の厚さのうち最大のものに対応する厚さを有する。図11bを参照すると、余分な材料とともにステンシルがリフトオフされ、スペーサー1104が露出されたままとなるように、新たなフォトレジスト1112が被着およびパターン化されている。図11cを参照すると、スペーサー材料1104が、湿式化学エッチング(wet chemical etching)および反応性イオンエッチング(reactive ion etching)を含む多くの技法のうち1つによるエッチングで削られている。エッチングで除去されるものは必要なスペーサー材料の一部のみであり、残りは以降のエッチング段階でエッチングがなされる。フォトレジスト1112は以降に同様の技法を用いて除去される。図11dを参照すると、新たなフォトレジスト1114が、スペーサー1104および1106を露出するようにして被着およびパターン化されている。スペーサー1106のエッチングはすべてこの段階で実施され、スペーサー1104のエッチングは完了する。その後フォトレジスト1114を除去してプロセスは完了する。
【0021】
その他の態様は、以下の請求の範囲内に含まれる。
例えば、スペーサー材料は最終的に除去される必要はなく、完成した装置の一部の代わりとして残っていてもよい。この様式では、以前に記載されたパターン成形技法をさらに用いることにより、単純な画素のアレイの代わりに任意のパターンを構成してもよい。このため、フルカラー静止画像を、従来の印刷法と類似した方法によって描画することもできる。従来の印刷では、画像は、提示されるさまざまに異なる色、すなわち赤色分解、青色分解、緑色分解および黒色分解という基本的には画像の単色像のサブセットである複数の色に分解される。フルカラー画像は、異なる色のインクを同一領域に用いてそれぞれの分離物を印刷することによって作成される。
【0022】
または、「玉虫色印刷(Iridescent Printing)」と本発明者らが命名する方法では、異なる分離物は、本明細書および参照した特許に記載されたIMod設計に対応する薄膜の複数の層を含む。同一領域における複数の色の組み合わせのパターン化もしくは印刷、または分離により、鮮やかなフルカラー画像が得られるようになる。
【0023】
図12aを参照すると、方形基板が、黒色に最適化された薄膜積層物によってパターン化された基板の部分を示す領域1200とともに示されている。図12bを参照すると、この基板は続いて領域1202において赤色に最適化された薄膜積層物によってパターン化されている。図12cを参照すると、基板は続いて領域1204において緑色に最適化された薄膜積層物によってパターン化されている。図12dを参照すると、基板は続いて領域1206において青色に最適化された薄膜積層物によってパターン化されている。
【0024】
または、誘導吸収体の設計のみを用いると仮定した場合には、より単純な方法が得られる。この方法では、基板全体をまず誘導吸収体の積層物によって被覆する。続いて以降の段階は、前記の技法を用いて、スペーサー材料のみをパターン成形するために行う。所望のスペーサー、すなわち色が規定された後に、反射器の最終的な被着を実施する。
【0025】
異なる色の輝度は、特定の色の中に散在する黒の量を変更すること、すなわち空間的ディザリングによって変更することができる。また、画像は、見る角度に応じて、玉虫色として知られる心地よい色のずれを呈する。
【0026】
もう1つの例では、3種類の画素の代わりに1種類の画素を用いて、反射式平面パネルディスプレイを構成することもできる。この場合には、複数の色は、連続的に調節可能な形式の画素、または親特許出願に記載したようなアナログ干渉性変調器を構成することによって得られる。この様式では、任意の個々の画素は、適切な電圧を印加することによって任意の特定の色を反射するように調節することができる。これには、電荷貯蔵機構を提供するために、アレイが基板上に電気回路とともに構成されているか、または集積回路の表面上に直接的に構成されていることが必要である。この手法では、アナログ電圧に応じたより複雑な駆動方式を必要とするものの、より優れた分解能が提供される。また、これはプロジェクションシステムにおいても用途があると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射器および誘導吸収体を含む干渉性変調器空胴(interferometric modulator cavity)。
【請求項2】
反射器が金属膜を含む、請求項1記載の空胴。
【請求項3】
反射器が誘電体膜を含む、請求項1記載の空胴。
【請求項4】
反射器が半導体膜を含む、請求項1記載の空胴。
【請求項5】
反射器が、金属膜、誘電体膜および半導体膜のうち少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項1記載の空胴。
【請求項6】
誘導吸収体が2つの合致する層の間にサンドイッチ状に挟まれた吸収体を含む、請求項1記載の空胴。
【請求項7】
合致する層のうち1つは入射媒体を備えた吸収体の境界部に位置し、他方の合致する層は反射器を備えた吸収体の境界部に位置している、請求項6記載の空胴。
【請求項8】
合致する層のうち少なくとも1つが金属膜を含む、請求項6記載の空胴。
【請求項9】
合致する層のうち少なくとも1つが誘導体膜を含む、請求項6記載の空胴。
【請求項10】
合致する層のうち少なくとも1つが半導体膜を含む、請求項6記載の空胴。
【請求項11】
合致する層のうち少なくとも1つが、金属膜、誘電体膜および半導体膜のうち少なくとも2つの組み合わせを含む、請求項6記載の空胴。
【請求項12】
吸収体が金属などの高損失膜を含む、請求項6記載の空胴。
【請求項13】
吸収体が半導体などの高損失膜を含む、請求項6記載の空胴。
【請求項14】
吸収体が金属および半導体の膜の組み合わせを含む、請求項6記載の空胴。
【請求項15】
1つの基板をさらに含む、請求項1記載の空胴。
【請求項16】
基板が透明な入射媒体を含む、請求項15記載の空胴。
【請求項17】
基板が不透明な媒体を含む、請求項15記載の空胴。
【請求項18】
誘導吸収体が基板上に存在する、請求項15記載の空胴。
【請求項19】
反射器が基板上に存在する、請求項15記載の空胴。
【請求項20】
基板が反射器を含む、請求項15記載の空胴。
【請求項21】
干渉性変調器のアレイを備えた直視型反射式平面パネルディスプレイ。
【請求項22】
アレイが、任意の特定の反射状態に調整するために配置された1組のアナログ式干渉性変調器を含む、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項23】
アレイが、いくつかの組の干渉性変調器を含み、それぞれの組が複数の異なる対の反射状態を切り換えるために配置されている、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項24】
各々の変調器の輝度がパルス幅変調によって制御される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項25】
各々の変調器画素の輝度が空間的ディザリングによって制御される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項26】
各々の変調器の輝度がパルス幅変調および空間的ディザリングの組み合わせによって制御される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項27】
アレイがバックプレーンによって密閉されている、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項28】
バックプレーンが一体型の要素を含む、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項29】
バックプレーンが接着されている、請求項27記載のディスプレイ。
【請求項30】
バックプレーンが画素の電気機械的反応を改変させる電極を支持している、請求項27記載のディスプレイ。
【請求項31】
各々の変調器が静電力によって作動される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項32】
各々の変調器が圧電力によって作動される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項33】
各々の変調器が磁力によって作動される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項34】
映写システムで使用するための、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項35】
見る角度に応じて生じる色のずれを軽減または除去するために光学的補償機構が使用される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項36】
補助的なフロントライティングを提供するために光学的補償機構が使用される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項37】
見る角度に応じて生じる色のずれを軽減または除去するため、および補助的なフロントライティングを提供するために光学的補償機構が使用される、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項38】
アレイが集積回路上に構成されている、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項39】
アレイが電気回路に沿って基板上に構成されている、請求項21記載のディスプレイ。
【請求項40】
各々の被着物によって異なる厚さのスペーサーが提供されるよう、別々に被着されたスペーサーのパターンを成形するためにリフトオフ(lift-off)技術が用いられる、基板上にさまざまな厚さの隣接スペーサーを構成するための方法。
【請求項41】
単一の被着物中に被着されたスペーサーの厚さをエッチングで選択的に削るためのエッチング処理が行えるようにパターン成形がなされたフォトレジストの使用を含む、基板上にさまざまな厚さの隣接スペーサーを構成するための方法。
【請求項42】
干渉性変調器空胴のアレイを含むフルカラー静止画像であって、各々の空胴が反射器および誘導吸収体を含み、該誘導吸収体が空胴に関連した色を規定するある厚みを有するスペーサーを含む、フルカラー静止画像。
【請求項43】
さまざまな空胴の輝度が空間的ディザリングによって決定される、請求項42記載の画像。
【請求項44】
各々のパターンにおいてスペーサーがそのパターンに関連した1つの色を規定する1つの厚みを有し、すべてのパターンが組み合わされることによって画像が得られるような、別々のパターンのスペーサーまたはスペーサーを備えた干渉性変調器空胴を含むフルカラー静止画像。
【請求項45】
さまざまなパターンの輝度が空間的ディザリングによって決定される、請求項44記載の画像。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−49269(P2010−49269A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−236776(P2009−236776)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【分割の表示】特願平9−518276の分割
【原出願日】平成8年11月6日(1996.11.6)
【出願人】(509284565)アイディーシー エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】