平円盤状の記録媒体用電子タグ
【課題】 CD、DVD等の円盤状の記録媒体を管理するため、非接触式のICタグを中心リムに装備するについて、位置をランダムにすると、その非接触式ICタグの分、厚みが嵩張ってしまうことや、アンテナを強制的に変形させることによって、通信方向が規制されたり、UHF帯を使用することで必要以上の通信距離が生じ、リーダーが誤作動してしまうことや、複数枚を積層した場合、リーダーが正確に情報を読み取れないという状態が発生してしまうという点である。
【解決手段】 個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることとする。
【解決手段】 個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることとする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子タグ、特に個体識別情報を有するICチップと送受信アンテナとから構成される非接触式ICタグとしての電子タグに関し、主としてCD、DVDをはじめとする平円盤状の記録媒体用電子タグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品の個体管理のため、非接触式のICタグが使用されている。そして、この非接触式のICタグはベースとしてのテープ材上に搭載される形態のため、衣服類等のアパレル物品、雑貨品等には設置スペースが見出され、その装着は比較的容易となっている。
【0003】
しかしながら、管理する対象がオーディオ、ビジュアルをはじめ、文字、図面、写真その他の資料データを記録し、保管する平円盤状の記録媒体、特に記録と再生に光を用いるCD、DVDの場合、その構成上、記録層面と対応する部分に、この非接触式ICタグを搭載することは好ましくない。
【0004】
そこで、従来より、平円盤状の記録媒体の中心部分に誘電体層を延設して形成され、収納ケースの保持部に嵌着するための透孔が形成された中心リムを利用することが考えられており、特許文献1には、その中心リム部分に曲成したアンテナを埋設する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−140610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、CD、DVD等の円盤状の記録媒体を保管し、貸し出し、返却、移動の状況を管理するため、非接触式のICタグを中心リムに装備するについて、位置をランダムにすると、その非接触式ICタグの分、厚みが嵩張ってしまうことや、特許文献1に示される技術はアンテナを埋設するという工程が不可欠となり、コスト高の原因となってしまうという点である。
【0007】
また、アンテナを強制的に変形させることによって、通信方向が規制されたり、UHF帯を使用することで必要以上の通信距離が生じ、リーダーが誤作動してしまうことや、複数枚を積層した場合、収納ケースに収納している場合も含め、リーダーが正確に情報を読み取れないという状態が発生してしまうという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは前記したテープ材の裏面には、前記中心リムの凹陥部底面に貼着するための粘着剤層が設けられ、その粘着剤層の外面にはキャリア層が形成されていることを特徴とし、前記した非接触式ICタグの上面には第二のテープ材が積層され、その第二のテープ材の外面にはカバーフィルム層が設けられていることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは前記したテープ材、第二のテープ材、粘着層及びカバーフィルム層は透明もしくは半透明としてあることを特徴とし、前記した半透明の構成の場合、模様付けや色分けを含めた意味合いで着色されていることを特徴とし、カバーフィルム層は艶消し加工(マット加工)が施されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは上記のように構成されている。そのため、CDやDVDに装着した場合に厚みが嵩張ることもなく、予め記されている文字や図柄等を目視から遮ってしまうこともない。また、記録媒体を積層しても、非接触式ICタグの位置が重合してしまう確率が非常に小さくなり、リーダーによる読み取りが不良となってしまうこともない。
【0012】
また、特に、カバーフィルム層を着色するとジャンル毎や目的毎の分類も容易となり、一部に艶消し加工(マット加工)を施すことで、必要に応じた書き込みも可能となり、より一層良好な管理状況が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】CDの中心リムを示す平面図である。
【図2】CDの中心部の断面図である。
【図3】電子タグを示す平面図である。
【図4】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図5】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図6】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図7】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図8】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施の例を図面を参照して説明する。図面にあって1は対象となる平円盤状の記録媒体であるCDを示しており、2はその中心部分にある中心リムを示している。この中心リム2は誘電体が延設されているもので、格別に記録層は形成されておらず、その中心リム2には、収納ケースの保持部に嵌着されるための透孔3が形成されている。
【0016】
また、CD1の中心リム2には、記録面と反対側のレーベル面にあっては、凹陥部4が形成され、その凹陥部4は肉厚が薄く形成されている。
【0017】
本発明に係る電子タグは上記した凹陥部4に貼装するのに好適な構成とするものである。まず、図3として示す電子タグ5はベースとするテープ材6(シール材、ラベル材)を略長方形としてあり、その長手方向に沿った一縁に前記した透孔3を避けるための切り欠き7が形成されている。
【0018】
この電子タグ5には、テープ材6の周縁に沿ってアンテナ8が設けられ、このアンテナ8の一部に形成された隙間部9にICチップ10が搭載され、アンテナ8と電気的に接続された、非接触式タイプのものとなっている。そして、この通信帯域にはUHF帯が使用される。アンテナ8は単なる長尺形状とせず、囲み込む形態となっているため、通信の方向性が安定し、また、必要以上にその通信距離がのびてしまうこともなく、リーダーでの読み取り精度も向上する。
【0019】
この電子タグ5の裏面には凹陥部4の底面に貼着するための粘着層が形成され、作業前にはその粘着層の外側にキャリア層が設けられているもので、このキャリア層を剥離することで貼着がなされる。また、電子タグ5の上面にも別異のテープ材が積層されて電子タグ5を挟持する形態とすることもでき、その場合、さらに粘着層を介してカバーフィルム層が積層される。
【0020】
また、この電子タグ5にあってはテープ材6やカバーフィルム層、粘着層を透明のものとして、既に記されている文字等を視覚確認可能とすることができる。この場合の透明には半透明状態も含まれ、この半透明状態の場合には、模様付けや色分けを含めた意味合いでの着色を施すこともでき、この着色によって記録媒体(CD1)の内容によってジャンル別、目的別に整理、管理することも可能となる。さらに、カバーフィルム層は全体もしくは部分的に艶消し加工(マット加工)を施し、書き込みを可能とすることもできる。かかる構成は、前段で説明した電子タグ5の全体構造と共に、後述する電子タグに共通する。
【0021】
さらに、図4に示すのは、図3に示す電子タグ5の変形例であり、テープ材6のサイズは略2倍の大きさとし、非接触式ICタグの存在しないパートを形成しており、この場合切り欠き部7に代え、透孔3を避けるための孔11が略同径サイズとして形成されている。この場合、非接触式ICタグの存在しないパートのみのカバーフィルム層に艶消し加工を施すこともできる。
【0022】
図5として示すのは電子タグ5aで、変形例の一つであり、凹陥部4に沿った半リング状に形成されており、アンテナ8にE字状に形成された隙間部9にICチップ10を搭載し、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続したものとしている。
【0023】
また、図6として示すのは、図5に示す電子タグ5aの変形例であり、全体を略2倍の凹陥部4に合うリング状として、非接触式ICタグの存在しないパートを形成しており、切り欠き部7に代えて透孔3を避けるための孔11が略同径サイズとして形成されている。この場合も、非接触式ICタグの存在しないパートのみのカバーフィルム層に艶消し加工を施すこともできる。
【0024】
さらに、図7として示す電子タグ5bは矩形状とされ、中心部分に、透孔3を避けるための孔11が形成され、その孔11を囲むように四角形にアンテナ8が設けられ、その一部に設けられた隙間部9にICチップ10を設け、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続した構成としている。
【0025】
そして、図8として示す電子タグ5cは五角形状とされ、その中心部分に透孔3を避けるための孔11が形成され、その孔11を囲むように、外郭線に沿った五角形状にアンテナ8が設けられ、その一部に設けられた隙間部9にICチップ10を設け、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続した構成としている。
【0026】
この実施例として示すパターンはあくまでも一例であり、アンテナ8の形状やテープ材6の形状は凹陥部4と適合する限り、自在に設計することができる。また、アンテナ8も図ではフラットな形態としてあるが、波状やジグザグ状等、自由に変更することも可能である。
【0027】
出願人は図3に示すパターンを用いた電子タグ5を貼装したCDを収納ケースに入れ、10枚を重ねて、リーダーによる読み取り実験を行なったが、方向性を問わず、完璧に情報内容を読み取ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本実施例に係る電子タグは上記のように構成されている。実施例ではCDを対象としているが、保護層の厚いDVDにも勿論適用でき、また、その平円盤状の記録媒体の径サイズを問わずに応用実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 CD
2 中心リム
3 透孔
4 凹陥部
5 電子タグ
5a 電子タグ
5b 電子タグ
5c 電子タグ
6 テープ材
7 切り欠き
8 アンテナ
9 隙間部
10 ICチップ
11 孔
【技術分野】
【0001】
本発明は電子タグ、特に個体識別情報を有するICチップと送受信アンテナとから構成される非接触式ICタグとしての電子タグに関し、主としてCD、DVDをはじめとする平円盤状の記録媒体用電子タグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、物品の個体管理のため、非接触式のICタグが使用されている。そして、この非接触式のICタグはベースとしてのテープ材上に搭載される形態のため、衣服類等のアパレル物品、雑貨品等には設置スペースが見出され、その装着は比較的容易となっている。
【0003】
しかしながら、管理する対象がオーディオ、ビジュアルをはじめ、文字、図面、写真その他の資料データを記録し、保管する平円盤状の記録媒体、特に記録と再生に光を用いるCD、DVDの場合、その構成上、記録層面と対応する部分に、この非接触式ICタグを搭載することは好ましくない。
【0004】
そこで、従来より、平円盤状の記録媒体の中心部分に誘電体層を延設して形成され、収納ケースの保持部に嵌着するための透孔が形成された中心リムを利用することが考えられており、特許文献1には、その中心リム部分に曲成したアンテナを埋設する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−140610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする問題点は、CD、DVD等の円盤状の記録媒体を保管し、貸し出し、返却、移動の状況を管理するため、非接触式のICタグを中心リムに装備するについて、位置をランダムにすると、その非接触式ICタグの分、厚みが嵩張ってしまうことや、特許文献1に示される技術はアンテナを埋設するという工程が不可欠となり、コスト高の原因となってしまうという点である。
【0007】
また、アンテナを強制的に変形させることによって、通信方向が規制されたり、UHF帯を使用することで必要以上の通信距離が生じ、リーダーが誤作動してしまうことや、複数枚を積層した場合、収納ケースに収納している場合も含め、リーダーが正確に情報を読み取れないという状態が発生してしまうという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは前記したテープ材の裏面には、前記中心リムの凹陥部底面に貼着するための粘着剤層が設けられ、その粘着剤層の外面にはキャリア層が形成されていることを特徴とし、前記した非接触式ICタグの上面には第二のテープ材が積層され、その第二のテープ材の外面にはカバーフィルム層が設けられていることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは前記したテープ材、第二のテープ材、粘着層及びカバーフィルム層は透明もしくは半透明としてあることを特徴とし、前記した半透明の構成の場合、模様付けや色分けを含めた意味合いで着色されていることを特徴とし、カバーフィルム層は艶消し加工(マット加工)が施されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る平円盤状の記録媒体用電子タグは上記のように構成されている。そのため、CDやDVDに装着した場合に厚みが嵩張ることもなく、予め記されている文字や図柄等を目視から遮ってしまうこともない。また、記録媒体を積層しても、非接触式ICタグの位置が重合してしまう確率が非常に小さくなり、リーダーによる読み取りが不良となってしまうこともない。
【0012】
また、特に、カバーフィルム層を着色するとジャンル毎や目的毎の分類も容易となり、一部に艶消し加工(マット加工)を施すことで、必要に応じた書き込みも可能となり、より一層良好な管理状況が得られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】CDの中心リムを示す平面図である。
【図2】CDの中心部の断面図である。
【図3】電子タグを示す平面図である。
【図4】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図5】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図6】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図7】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【図8】電子タグの変形した例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例1】
【0015】
次に、本発明の好ましい実施の例を図面を参照して説明する。図面にあって1は対象となる平円盤状の記録媒体であるCDを示しており、2はその中心部分にある中心リムを示している。この中心リム2は誘電体が延設されているもので、格別に記録層は形成されておらず、その中心リム2には、収納ケースの保持部に嵌着されるための透孔3が形成されている。
【0016】
また、CD1の中心リム2には、記録面と反対側のレーベル面にあっては、凹陥部4が形成され、その凹陥部4は肉厚が薄く形成されている。
【0017】
本発明に係る電子タグは上記した凹陥部4に貼装するのに好適な構成とするものである。まず、図3として示す電子タグ5はベースとするテープ材6(シール材、ラベル材)を略長方形としてあり、その長手方向に沿った一縁に前記した透孔3を避けるための切り欠き7が形成されている。
【0018】
この電子タグ5には、テープ材6の周縁に沿ってアンテナ8が設けられ、このアンテナ8の一部に形成された隙間部9にICチップ10が搭載され、アンテナ8と電気的に接続された、非接触式タイプのものとなっている。そして、この通信帯域にはUHF帯が使用される。アンテナ8は単なる長尺形状とせず、囲み込む形態となっているため、通信の方向性が安定し、また、必要以上にその通信距離がのびてしまうこともなく、リーダーでの読み取り精度も向上する。
【0019】
この電子タグ5の裏面には凹陥部4の底面に貼着するための粘着層が形成され、作業前にはその粘着層の外側にキャリア層が設けられているもので、このキャリア層を剥離することで貼着がなされる。また、電子タグ5の上面にも別異のテープ材が積層されて電子タグ5を挟持する形態とすることもでき、その場合、さらに粘着層を介してカバーフィルム層が積層される。
【0020】
また、この電子タグ5にあってはテープ材6やカバーフィルム層、粘着層を透明のものとして、既に記されている文字等を視覚確認可能とすることができる。この場合の透明には半透明状態も含まれ、この半透明状態の場合には、模様付けや色分けを含めた意味合いでの着色を施すこともでき、この着色によって記録媒体(CD1)の内容によってジャンル別、目的別に整理、管理することも可能となる。さらに、カバーフィルム層は全体もしくは部分的に艶消し加工(マット加工)を施し、書き込みを可能とすることもできる。かかる構成は、前段で説明した電子タグ5の全体構造と共に、後述する電子タグに共通する。
【0021】
さらに、図4に示すのは、図3に示す電子タグ5の変形例であり、テープ材6のサイズは略2倍の大きさとし、非接触式ICタグの存在しないパートを形成しており、この場合切り欠き部7に代え、透孔3を避けるための孔11が略同径サイズとして形成されている。この場合、非接触式ICタグの存在しないパートのみのカバーフィルム層に艶消し加工を施すこともできる。
【0022】
図5として示すのは電子タグ5aで、変形例の一つであり、凹陥部4に沿った半リング状に形成されており、アンテナ8にE字状に形成された隙間部9にICチップ10を搭載し、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続したものとしている。
【0023】
また、図6として示すのは、図5に示す電子タグ5aの変形例であり、全体を略2倍の凹陥部4に合うリング状として、非接触式ICタグの存在しないパートを形成しており、切り欠き部7に代えて透孔3を避けるための孔11が略同径サイズとして形成されている。この場合も、非接触式ICタグの存在しないパートのみのカバーフィルム層に艶消し加工を施すこともできる。
【0024】
さらに、図7として示す電子タグ5bは矩形状とされ、中心部分に、透孔3を避けるための孔11が形成され、その孔11を囲むように四角形にアンテナ8が設けられ、その一部に設けられた隙間部9にICチップ10を設け、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続した構成としている。
【0025】
そして、図8として示す電子タグ5cは五角形状とされ、その中心部分に透孔3を避けるための孔11が形成され、その孔11を囲むように、外郭線に沿った五角形状にアンテナ8が設けられ、その一部に設けられた隙間部9にICチップ10を設け、そのICチップ10とアンテナ8とを電気的に接続した構成としている。
【0026】
この実施例として示すパターンはあくまでも一例であり、アンテナ8の形状やテープ材6の形状は凹陥部4と適合する限り、自在に設計することができる。また、アンテナ8も図ではフラットな形態としてあるが、波状やジグザグ状等、自由に変更することも可能である。
【0027】
出願人は図3に示すパターンを用いた電子タグ5を貼装したCDを収納ケースに入れ、10枚を重ねて、リーダーによる読み取り実験を行なったが、方向性を問わず、完璧に情報内容を読み取ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本実施例に係る電子タグは上記のように構成されている。実施例ではCDを対象としているが、保護層の厚いDVDにも勿論適用でき、また、その平円盤状の記録媒体の径サイズを問わずに応用実施することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 CD
2 中心リム
3 透孔
4 凹陥部
5 電子タグ
5a 電子タグ
5b 電子タグ
5c 電子タグ
6 テープ材
7 切り欠き
8 アンテナ
9 隙間部
10 ICチップ
11 孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることを特徴とする平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項2】
前記したテープ材の裏面には、前記中心リムの凹陥部底面に貼着するための粘着剤層が設けられ、その粘着剤層の外面にはキャリア層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項3】
前記した非接触式ICタグの上面には第二のテープ材が積層され、その第二のテープ材の外面にはカバーフィルム層が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項4】
前記したテープ材、第二のテープ材、粘着層及びカバーフィルム層は透明もしくは半透明としてあることを特徴とする請求項1から3のうち1項に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項5】
前記した半透明の構成の場合、模様付けや色分けを含めた意味合いで着色されていることを特徴とする請求項4に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項6】
前記したカバーフィルム層は艶消し加工(マット加工)が施されていることを特徴とする請求項1から5のうち1項に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項1】
個別識別情報を有するICチップと送受信アンテナから構成され、その通信帯域としてUHF帯を使用する非接触式ICタグを用いた電子タグにおいて、その電子タグが搭載されるベースとしてのテープ材を平円盤状の記録媒体の中心リムの凹陥部底面に適合するものとし、その中心リムに形成されている収納ケースへの嵌合孔を避ける切り欠き、もしくは透孔を有していることを特徴とする平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項2】
前記したテープ材の裏面には、前記中心リムの凹陥部底面に貼着するための粘着剤層が設けられ、その粘着剤層の外面にはキャリア層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項3】
前記した非接触式ICタグの上面には第二のテープ材が積層され、その第二のテープ材の外面にはカバーフィルム層が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項4】
前記したテープ材、第二のテープ材、粘着層及びカバーフィルム層は透明もしくは半透明としてあることを特徴とする請求項1から3のうち1項に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項5】
前記した半透明の構成の場合、模様付けや色分けを含めた意味合いで着色されていることを特徴とする請求項4に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【請求項6】
前記したカバーフィルム層は艶消し加工(マット加工)が施されていることを特徴とする請求項1から5のうち1項に記載の平円盤状の記録媒体用電子タグ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−230477(P2012−230477A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97171(P2011−97171)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(503165495)株式会社ウィザード (3)
【出願人】(593027864)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(503165495)株式会社ウィザード (3)
【出願人】(593027864)
【Fターム(参考)】
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