説明

平版印刷版コーティング用新規材料、それを含有する平版印刷版およびコーティング、調製方法ならびに使用

本発明は、カチオン重合またはラジカル重合され得る官能基を含むヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよびポリマーバインダー、これらの調製方法ならびにコーティングの調製におけるそれらの使用に関する。本発明は、ヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよび/またはポリマーバインダーを含有するコーティング溶液およびコーティングならびにこれらのコーティングを含むネガ作用型平版印刷版にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平版印刷版コーティングに有用な新規材料ならびにこれらの材料を含有する版、コーティングおよびコーティング溶液に関する。より具体的には、これらの新規材料およびコーティング溶液は、近赤外線レーザー放射により直接デジタル画像化するための平版オフセット印刷版用コーティングの調製に有用である。
【背景技術】
【0002】
機上現像性ネガ作用型平版オフセット印刷版は、従来技術において知られている。例えば、米国特許第5569573号では、マイクロカプセル化親油性材料を親水性ポリマーバインダー中に含有するレーザー画像化層を含む平版印刷版が教示されている。EP0770495A1では、近赤外線吸収材料、ポリマーバインダーおよび熱で融合し得る熱可塑性粒子を含む平版印刷版が教示されている。米国特許第6983694号では、ポリスチレン粒子またはポリ(アクリロニトリル-co-スチレン)粒子などの熱可塑性ポリマー粒子、非反応性の親水性ポリマーバインダーおよび近赤外線吸収色素を含む感近赤外線性コーティング組成物でコーティングされた機上現像性ネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。
【0003】
また、米国特許第6262740号でも、メトキシメタクリルアミドコポリマー、フェノール樹脂、ヨードニウム塩および近赤外線吸収色素を含有する感近赤外線性コーティング組成物でコーティングされたネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。米国特許第6124425号および第6177182号では、近赤外線放射線に曝されるとカチオン重合により架橋反応を受ける、熱的近赤外線吸収性のポリマーでコーティングされた機上現像性ネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。近赤外線発色部分は、エーテル結合およびアンモニウム結合を介してポリマー骨格に官能化される。米国特許第6960422号では、分子の近赤外線色素、ラジカル発生剤、ラジカル重合性ウレタン化合物、反応性ポリマーバインダーおよび他の添加剤を含む感近赤外線性ベースコーティング組成物を含有するネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。
【0004】
さらに、米国特許第6969575号および第7001704号では、近赤外線吸収性マイクロカプセルおよび酸発生化合物を含む画像形成層を有する機上現像性ネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。米国特許第6582882号ならびに同時係属の米国特許出願第10/066874号、第10/119454号および第2005/0123853号では、ポリマーバインダー、開始剤系および重合性成分を含有する、熱により画像化し得る組成物でコーティングされた機上現像性ネガ作用型オフセット印刷版が教示されている。記載のポリマーバインダーは、非反応性のポリエチレンオキシドおよびポリプロピレンのブロックを有するコポリマー、またはアクリロニトリル、スチレンおよび他のモノマーと共重合した非反応性のポリエチレンオキシド側鎖を有するグラフトコポリマーである。該重合性成分は、複数のアクリル系官能基を含有する粘性の液体オリゴマーである。該開始剤系は、トリアジンおよびヨードニウム塩などの近赤外線吸収色素およびラジカル生成化合物を含有する。
【0005】
これらのコーティング組成物および印刷版のすべてには、取り扱いおよび保管を困難にさせる粘着性表面を有すること、相分離および/または表面結晶化を示すこと、調製困難なこと、画像化を達成するために高いレーザー出力を必要とすること、基板接着性が不十分なため機上で十分な連続運転時間が得られないこと、機上現像性でないこと、不十分な耐引掻き性を示すこと、上塗層および/または特殊な基板表面処理を必要とすること、ならびに製造コストが高くつくことなどのいくつかの欠点が示される。
【特許文献1】米国特許第5569573号
【特許文献2】EP0770495A1
【特許文献3】米国特許第6983694号
【特許文献4】米国特許第6262740号
【特許文献5】米国特許第6124425号
【特許文献6】米国特許第6177182号
【特許文献7】米国特許第6960422号
【特許文献8】米国特許第6969575号
【特許文献9】米国特許第7001704号
【特許文献10】米国特許第6582882号
【特許文献11】米国特許出願第10/066874号
【特許文献12】米国特許出願第10/119454号
【特許文献13】米国特許出願第2005/0123853号
【特許文献14】米国特許第6380277号
【特許文献15】米国仮特許第60/722977号
【特許文献16】米国特許第4345017号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、従来技術の欠点の一部またはすべてを克服することになる平版印刷版用の新規材料および新規コーティングが、依然必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、カチオン重合またはラジカル重合され得る官能基を各々が少なくとも1つ含むヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよびポリマーバインダーに関する。
【0008】
本発明は、本発明のヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよびポリマーバインダーの調製方法にも関する。より具体的には、本発明のヨードニウム塩のそのような調製方法の1つは、モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートまたはポリ-イソシアネートと、アクリレート、メタクリレートおよびビニルエーテルから各々独立に選択される1つまたは複数の基が末端にあるアミンまたはアルコールとを反応させることにより得られるペンダント基をヨードニウム塩に結合させる段階を含む。
【0009】
本発明は、コーティング溶液の調製における本発明のヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよびポリマーバインダーまたはこれらの混合物の使用ならびにこれらの溶液を使用して作製されるコーティングにも関する。
【0010】
本発明は、コーティング溶液にも関し、また本発明のコーティングならびに/またはヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよびポリマーバインダーを含むネガ作用型平版印刷版にも関する。
【0011】
熱反応性ヨードニウム塩
本発明は、それに2つのアリール環が結合している正に帯電したヨウ素原子および負に帯電した対イオンを含むヨードニウム塩に関する。これらの塩は、近赤外線放射線または熱に曝されると、ラジカル発生剤および酸発生剤となる。
【0012】
本発明のヨードニウム塩は、ラジカル重合および/またはカチオン重合され得る1つまたは複数の官能基を含む。ヨードニウム塩は、熱に曝されると、これらの官能基のラジカル重合またはカチオン重合を開始することになるラジカルおよび酸を生じる。これは、コーティングの照射領域内の網目構造の形成に寄与する。
【0013】
より具体的には、本発明のヨードニウム塩は、アクリレート、メタクリレートおよびビニルエーテルなどのラジカル重合性基を含有してもよい。これらのラジカル重合性基は、ウレタン結合および/または尿素結合を介して塩のアリール環に垂れ下がってもよい。これらの塩は、以下の一般構造
【0014】
【化1A】

【化1B】

【0015】
(式中、
A1は、トシレート、トリフレート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートおよびトリフェニル-n-アルキルボレートから選択されるアニオン性対イオンを表し、
wは、繰り返し単位数を表し0〜18で変化してよく、
R8およびR9は、独立に、水素、直鎖または分枝鎖C1〜C18アルキル、アルキルオキシ、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)を表し、アクリレート、メタクリレートおよびビニルエーテル末端基を含んでもよく(ヨードニウムIVおよびVの場合では、R8、R9またはR8およびR9のいずれかがそのようなアクリレート、メタクリレートおよびビニルエーテル末端基を必ず含む)、
Y1およびY2は、独立に、アクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルなどの重合性官能基を1つまたは複数含むウレタンおよび/または尿素含有化合物を表す)
を有し得る。
【0016】
より具体的な実施形態では、Y1および/またはY2は、モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートおよび/またはポリ-イソシアネートと1つまたは複数のアクリレート、メタクリレートおよび/またはビニルエーテル末端基を含むアミンまたはアルコールとを反応させることにより得ることができる。これらのイソシアネート化合物は、Bayer Canadaにより販売されているDesmodur(商標)N100、Desmodur(商標)N3300、Desmodur(商標)CB 75N、Desmodur(商標)I、Desmodur(商標)W、Desmodur(商標)M、Desmodur(商標)HおよびDesmodur(商標)TD 80であってもよい。
【0017】
具体的な実施形態では、アルコールは、複数のアクリレート末端基を含む。このようなアルコールは、Sartomerから入手できる。このアルコールは、ペンタエリスリトールトリアクリレート(商標SR444)およびジペンタエリスリトールペンタアクリレート(商標SR399)であり得る。
【0018】
別の具体的な実施形態では、アルコールは、1つのアクリレートおよびメタクリレート化合物を含み、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる。このアルコールは、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)アクリレートおよびポリ(プロピレングリコール)メタクリレートであり得る。
【0019】
Y1およびY2は、以下の化学構造
【0020】
【化2】

【0021】
(式中、
mは1〜18で変化し、
Rは水素またはメチルであり、
R10は水素または直鎖もしくは分枝鎖C1〜C18アルキル鎖であり、
Q1およびQ2は、独立に、重合性官能基を1つまたは複数含む末端化合物を表す)
を有し得る。
【0022】
より具体的には、Q1およびQ2は、独立に以下の構造
【0023】
【化3】

【0024】
(式中、Rは水素またはメチルである)
の任意のものを有し得る。
【0025】
反応性(重合性)官能基を有しないウレタン含有ヨードニウム塩の合成については、参照として本明細書に組み込んだ米国特許第6380277号で見ることができる。
【0026】
本発明のヨードニウム塩は、コーティング溶液およびコーティングの調製に使用できる。このようなコーティングは、固形分重量で約5〜約60%のヨードニウムを含んでもよい。このコーティングは、ヨードニウム塩を含むコーティング溶液を基板上に堆積することによって通常調製される。これらの溶液は、コーティングの形成を可能にする溶媒または溶媒の混合物を含む。この目的に適する、当業者に知られる任意の溶媒を使用してもよい。このような溶媒の例には、n-プロパノール、水および他の同様の溶媒が挙げられる。
【0027】
具体的な実施形態では、本発明のコーティング/コーティング溶液は、製造プロセスを簡易化し得るヨードニウム塩の混合物を含む。
【0028】
近赤外線吸収性色素
本発明のコーティング/コーティング溶液は、近赤外線放射線に曝すと発熱する近赤外線吸収性色素も含んでもよい。より具体的には、この近赤外線吸収性色素は、分子色素、ダイマー色素、デンドリマー色素またはポリマー色素であってもよい。具体的な実施形態では、この色素はアセタールコポリマーである。
【0029】
この分子色素、より詳細にはこのアセタールコポリマーは、カチオン重合またはラジカル重合され得る官能基がそれに結合し得る。したがって、ヨードニウム塩が酸/ラジカルを発生すると、この官能基は、コーティング中に存在する他のそのような官能基、例えばヨードニウム塩の官能基と反応することにより化学結合が生じ、コーティングの照射領域内の網目構造形成に寄与する。
【0030】
より具体的には、近赤外線吸収性アセタールコポリマーは、約2000g/molを超える分子量を有することができ、有機溶媒または水溶液のいずれにも溶ける。さらにこれらは、以下の一般構造
【0031】
【化4】

【0032】
(式中、
G1は、アルコール、ケトンおよびエステルなどの有機溶媒への溶解性を与える任意選択のプロセッシングセグメントを表し、
G2は任意選択の熱反応性セグメントを表し、
G3は、700〜1100nmで強い吸収帯を1つまたは複数示す放射線吸収性セグメントを表し、場合によりこのセグメントは400〜700nmでも強い吸収帯を示し、
a、b、c、dおよびeは、0.01〜0.99で変化し得るモル比であり、
任意選択のG1および/またはG2セグメントが存在しないとき、
【0033】
【化5】

【0034】
は、それぞれ、
【0035】
【化6】

【0036】
によって置換される)
を有し得る。
【0037】
より具体的には、本発明のプロセッシングセグメントG1は、シアノ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム塩、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルベンジルスルホニルカルバメートまたはカルボン酸およびリン酸官能基を含有する、直鎖または分枝鎖アルキルまたはアリールの化合物であり得る。
【0038】
本発明の熱反応性セグメントG2は、直鎖または分枝鎖アルキルまたはアリールの化合物であり、アクリレート、メタクリレート、およびビニルエーテルなどのラジカル重合および/またはカチオン重合され得る官能基を含有し得る。
【0039】
熱反応性セグメントG2は、以下の構造
【0040】
【化7】

【0041】
(式中、
Rは水素またはメチルであり、
R2はC1〜C8のアルキルまたはアルコキシであり、
mおよびwは、繰り返し数を表し、0〜50で変化してよく、
yは1または2である)
を有し得る。
【0042】
別の具体的な実施形態では、G2セグメントは、式2〜7に例示されるセグメントではあるがビニルエーテル、アルコキシメチルアクリルアミドまたはアルコキシメタクリルアミド官能基が末端にあるものへのペンダント基を有し得る。
【0043】
G3セグメントは、参照として本明細書に組み込んだ米国仮特許第60/722977号に記載されているものと同様であってもよい。より具体的には、G3セグメントは、以下の構造
【0044】
【化8】

【0045】
(式中、NIRは、700〜1100nmで強い吸収ピークを1つまたは複数示す近赤外線吸収性発色団であり、場合により400〜700nmで強い吸収ピークを1つまたは複数示す場合がある)
を有し得る。
【0046】
本発明のアセタールポリマーは、異なる近赤外線吸収性発色団を含む異なるG3セグメントも含んでもよい。
【0047】
近赤外線吸収性発色団(NIR発色団)は、シアニンおよび/またはアリールイミン官能基を含有する近赤外線吸収性有機化合物であってもよい。これらの発色団は、以下の構造
【0048】
【化9A】

【化9B】

【0049】
(式中、
D1およびD2は、同じかまたは異なり、-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、および-C(CH3)2を表し、
Z1およびZ2は、同じかまたは異なり、フェニルおよびナフチルなどの1つまたは複数の置換または非置換の縮合芳香環を表し、
hは2〜8の整数を表し、
nは0または1を表し、
Mは、水素またはNa、K、およびテトラアルキルアンモニウム塩から選択されるカチオン性対イオンを表し、
A1は、臭化物、塩化物、ヨウ化物、トシレート、トリフレート、トリフルオロメタンカーボネート、ドデシルベンゾスルホネートならびにテトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートおよびトリフェニル-n-ブチルボレートから選択されるアニオン性対イオンを表し、
R3およびR7は水素または、アルキルを表し、
R4、R5およびR6は、同じかまたは異なり、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、スルホアルキルを表す)
を有し得る。
【0050】
具体的な実施形態では、R4、R5およびR6は以下の構造
【0051】
【化10】

【0052】
(式中、
mは、アルキル鎖上の-CH2-の数であり、0〜50で変化してよく、
Rは水素またはメチルである)
を有する重合性置換基を表し得る。
【0053】
近赤外線吸収性アセタールコポリマーは、固形分重量で約5〜50%の範囲の量で本発明のコーティング中に使用してもよい。
【0054】
ポリマーバインダー
本発明のコーティング/コーティング溶液は、ポリマーバインダーも含んでもよい。このポリマーバインダーは、固形分重量で約1〜約50%の範囲の量でコーティング中に使用してもよい。
【0055】
より具体的には、本発明のポリマーバインダーは、ラジカルおよび/またはカチオン重合され得る官能基(複数も)を含み得るポリマー、コポリマーまたはデンドリマーであり得る。したがって、ヨードニウム塩が酸/ラジカルを生成すると、これらの官能基は、コーティング中に存在する他のそのような官能基、例えばヨードニウム塩および色素(存在する場合)の官能基と反応することにより、化学結合を形成しコーティング中の網目構造形成に寄与する。
【0056】
具体的には、これらの官能基は、アクリレート、メタクリレート、およびビニルエーテルであり得る。より具体的には、これらの官能基は、ヒドロキシ、N-メトキシメチルアクリルアミドおよびN-メトキシメチルメタクリルアミドなどのカチオン反応性官能基であり得る。
【0057】
本発明のポリマーバインダーは、ラジカルおよび/またはカチオン重合され得る官能基を含む溶媒溶解性および/または水溶性セルロースエーテルであり得る。このセルロースエーテルは、2-イソシアナト-エチルメタクリレートとセルロース骨格上のヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基およびヒドロキシプロピル基とを反応させることによって得ることができる。本発明のセルロースエーテルは、以下の構造
【0058】
【化11】

【0059】
(式中、
G4は、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルであり、
G5は、ラジカル重合および/またはカチオン重合され得る官能基である)
を有し得る。
【0060】
より具体的には、G5基は以下の構造
【0061】
【化12】

【0062】
(式中、mは0または1であり、Rは水素またはメチルである)
を有し得る。
【0063】
本発明のポリマーバインダーは、近赤外線放射線を吸収しないアセタールコポリマーであってもよい。より明確には、本発明のアセタールコポリマーは以下の一般構造
【0064】
【化13】

【0065】
(式中、G1、G2、a、b、dおよびeは、上記の式1で定義したものと同様であり、ここで、任意選択のG1および/またはG2セグメントが存在しないとき、
【0066】
【化14】

【0067】
は、それぞれ
【0068】
【化15】

【0069】
によって置換される)
を有し得る。
【0070】
本発明のポリマーバインダーは、ラジカル重合および/またはカチオン重合され得る官能基を含むコポリマーであってもよい。このようなコポリマーは、アクリロニトリル、スチレン、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートおよびメトキシメチルメタクリルアミドのモノマーから得ることができる。より明確には、本発明のコポリマーは、(1)
【0071】
【化16】

【0072】
から選択される少なくとも1つの非反応性セグメントと
(2)
【0073】
【化17A】

【化17B】

【0074】
から選択される少なくとも1つの反応性セグメントと
(式中、
mおよびwは、繰り返し単位数を表し、0〜50で変化してよく、
Rは水素またはメチルであり、
R11は直鎖および分枝鎖アルキル鎖であり、
R12は、アルキル、ヒドロキシルおよびカルボン酸である)
を共重合することによって得ることができる。
【0075】
本発明のアセタールコポリマーは、コーティング/コーティング溶液の調製に使用してもよい。このコーティング/コーティング溶液は、本発明のヨードニウム塩およびポリマーバインダーも上述の量で含み得る。
【0076】
本発明のポリマーバインダーは、コーティング/コーティング溶液の調製に使用してもよい。このコーティング/コーティング溶液は、本発明のヨードニウム塩および近赤外線吸収性部分も上述の量で含み得る。
【0077】
着色剤および安定剤
本発明のコーティング/コーティング溶液は、レーザー画像化後に良好な画像プリントアウトを与えるための着色剤も含み得る。本発明のこれらの着色剤は、トリアリールピリジン、キサンテンおよびイソベンゾフラノンの誘導体であり得る。これらの色発生化合物は、無色であり、その後フリーラジカルまたは酸の存在下で有色となり得る。より具体的には、これらの化合物は、
3',6'-ビス[N-[2-クロロフェニル]-N-メチルアミノ]スピロ[2-ブチル-1,1-ジオキソ[1,2-ベンズイソチアゾール-3(3H),9'-(9H)キサンテン]](米国特許第4345017号の方法により調製される)、
3',6'-ビス[N-[2-[メタンスルホニル]フェニル]-N-メチルアミノ]スピロ[2-ブチル-1,1-ジオキソ[1,2-ベンズイソチアゾール-3(3H),9'-(9H)キサンテン]](米国特許第4345017号の方法により調製される)、
9-ジエチルアミノ[スピロ[12H-ベンゾ(ザ)キサンテン-12,1'(3'H)-イソベンゾフラン)-3'-オン]](BF Goodrich、Canadaから入手できる)、
2'-ジ(フェニルメチル)アミノ-6'-[ジエチルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9'-(9H)-キサンテン]-3-オン(BF Goodrich、Canadaから入手できる)、
3-[ブチル-2-メチルインドール-3-イル]-3-[1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル]-1-(3H)-イソベンゾフラノン(BF Goodrich、Canadaから入手できる)、
6-[ジメチルアミノ]-3,3-ビス[4-ジメチルアミノ]-フェニル-(3H)-イソベンゾフラノン(BF Goodrich、Canadaから入手できる)、
2-[2-オクチルオキシフェニル]4-[4-ジメチルアミノフェニル]-6-フェニルピリジン(BF Goodrich、Canadaから入手できる)、または
Blue-63、GN-169およびRed-40などのロイコラクトン色素(Yamamoto Chemicals Inc.、Japanから入手できる)
であり得る。
【0078】
着色剤は、固形分重量で0.5〜5%の範囲の量で本発明のコーティング中に使用してもよい。
【0079】
本発明のコーティング/コーティング溶液は、保管中の印刷版の保存寿命を長くする安定剤も含んでもよい。これらの安定剤は、メトキシフェノール、ヒドロキシフェノール、フェノチアジン、3-メルカプトトリアゾールまたはモノメチルエーテルヒドロキノンであり得る。これらの安定剤は、固形分重量で0.5〜5%の範囲の量で本発明のコーティング中に使用してもよい。
【0080】
ネガ作用型平版印刷版
本発明のコーティング溶液は、ネガ作用型平版印刷版の調製に使用できる。
【0081】
したがって、本発明は、本発明のヨードニウム塩、アセタールコポリマーおよび/またはポリマーバインダーを含有する印刷版にも関する。これらの平版オフセット印刷版は、CTP(computer-to-plate)での近赤外線レーザー画像化装置およびデジタルオフセット印刷技法を使用して直接画像化できる。
【0082】
より具体的には、そのようなコーティング溶液は、陽極酸化アルミニウム、プラスチックフィルムまたは紙などの基板上に堆積した単層または多層コーティングを含む機上現像性ネガ作用型平版オフセット印刷版の作製に使用できる。
【0083】
アルミニウム基板は、ブラシ研磨(brushed-grained)または電気研磨し(electro-grained)、次いで酸性溶液で陽極酸化してもよい。
【0084】
陽極酸化アルミニウム基板は、接着促進性ポリマー層でコーティングしてもよい。接着促進性および断熱性の層は、後で約110℃の熱風を使用して乾燥する、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸-co-ビニルリン酸)またはポリビニルリン酸を含有する水溶液から得ることができる。接着促進性層のコーティング重量は、約0.1〜約1.0g/m2であり得る。
【0085】
熱反応性コーティング溶液は、接着促進性層の上部に堆積してもよく、約0.5〜約2.5g/m2のコーティング重量を有し得る。
【0086】
本発明の他の実施形態およびさらなる適用範囲は、以下に示す詳細な説明から明らかになろう。しかしながら、その詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態を示す一方、本発明の趣旨および範囲内での様々な変更および修正は当業者であれば明らかであるので例示のためにのみ提示されることは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0087】
本発明は、以下の非限定的実施例によってさらに詳細に例示される。
【0088】
これらの実施例では、これらの合成を、水凝縮器、機械撹拌機、滴下漏斗および窒素または空気ガス注入口を備えた4つ口ガラス反応器中で行った。得られた物質の分子構造は、プロトンNMRおよびFTIR分光法によって決定した。得られたコポリマーの平均分子量は、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)溶液を使用してサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって決定し、ポリスチレン標準試料で較正した。合成ポリマーのUV・可視・近赤外スペクトルを、UV-VIS分光光度計(PerkinElmer、Model Lambda 35)を使用してメタノール溶液中でまたは固体膜上で測定した。
【0089】
さらに、コーティングした版を、830nmレーザーを備えたCreo Trendsetter 3244を使用して画像化した。画像化した版を、黒色インク(Pacific Inks、Vietnamから入手できる)と97.0部の水中に3.0部のMYLAN-FS100を含有するファウンテン(fountain)溶液(MyLan Chemicals Inc.、Vietnamから入手できる)とを使用するAB Dick複写印刷機上に取り付けた。
【実施例1】
【0090】
反応性感近赤外線性アセタールコポリマー(色素)の合成
熱反応性感近赤外線性アセタールコポリマーPVA-01は、窒素雰囲気下一定に撹拌されている60℃のジメチルスルホキシド(DMSO)500グラムを含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、4-ヒドロキシベンズアルデヒド12.2グラム(100mmole、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)をゆっくり該フラスコに添加し、この混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、1グラムの水素化ナトリウム(鉱油中で60%、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を反応物中にゆっくり添加した。水素ガスがもはや反応物から生じなくなった後に3.0グラムの3-ブロモプロピル-メタクリロイル-エチルカルバメート(以下の構造参照、American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)を反応混合物中に添加した。
【0091】
【化18】

【0092】
この反応を30分間続け、次いで2-[2-[2-クロロ-3-[[1,3-ジヒドロ-1,1-ジメチル-3-(4-スルホニルブチル)-2H-ベンゾ[ズ]インドール-2-イリデン]-エチリデン]-1-シクロヘキセン-1-イル]エテニル]-1,1-ジメチル-3-(4-スルホニルブチル)-1H-ベンゾ[ズ]インドリウムヒドロキシ分子内塩のナトリウム塩(13mmole、American Dye Source,Inc.から入手できる)20グラムをゆっくり該フラスコに添加した。生じた混合物を60℃でさらに5時間撹拌した。この反応生成物をアセトン中で沈殿させ、濾過しアセトンで十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。
【0093】
得られた熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-01のUV-Vis-NIRスペクトルをメタノール中で記録し、このスペクトルは803nmで強い吸収帯を示した。この近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-01の理想的構造を図1に示すが、このときa=6.65%、b=1.00%、c=2.35%、d=88.00%およびe=2.00%である。
【実施例2】
【0094】
熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-01は、窒素雰囲気下一定に撹拌されている60℃のジメチルスルホキシド(DMSO)500グラムを含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、4-ヒドロキシベンズアルデヒド12.2グラム(100mmole、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)をゆっくり該フラスコに添加し、この混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、1グラムの水素化ナトリウム(鉱油中で60%、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を反応物中にゆっくり添加した。水素ガスがもはや反応物から生じなくなった後に3.0グラムの3-ブロモプロピル-メタクリロイル-エチルカルバメートを反応混合物中に添加した。この反応を30分間続け、次いで2-[2-[2-クロロ-3-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-2H-インドール-2-イリデン)-エチリデン]-1-シクロヘキセン-1-イル]エテニル]-1,3,3-トリメチル-1H-インドリウムクロライド(American Dye Source,Inc.から入手できる)20グラムをゆっくり該フラスコに添加した。生じた混合物を60℃でさらに3時間撹拌した。次いで、5グラムのテトラフェニルホウ酸ナトリウムを該反応フラスコ中に添加し、これをさらに2時間撹拌し続けた。この反応生成物を脱イオン水中で沈殿させ、濾過し水で十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。
【0095】
得られた熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-02のUV-Vis-NIRスペクトルを薄膜上で記録し、このスペクトルは800nmで強い吸収帯を示した。この近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-02の理想的構造を図2に示すが、このときa=5.15%、b=1.00%、c=3.85%、d=88.00%およびe=2.00%である。
【実施例3】
【0096】
熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-01は、窒素雰囲気下一定に撹拌されている60℃のジメチルスルホキシド(DMSO)500グラムを含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、4-ヒドロキシベンズアルデヒド6.1グラム(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)をゆっくり該フラスコに添加し、この混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、0.5グラムの水素化ナトリウム(鉱油中で60%、水素ガスがもはや反応物から生じなくなった後に、以下に示す構造を有する反応性官能基を含有する近赤外線吸収剤(American Dye Source,Inc.から入手できる)10グラムをゆっくり該フラスコに添加した。
【0097】
【化19】

【0098】
生じた混合物を50℃でさらに5時間撹拌した。この反応生成物を10リットルの脱イオン水中で沈殿させ、濾過し水で十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。
【0099】
得られた熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-03のUV-Vis-NIRスペクトルを薄膜上で記録し、このスペクトルは830nmで強い吸収帯を示した。この近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-03の理想的構造を図3に示すが、このときa=3.42%、c=1.58%、d=93.00%およびe=2.00%である。
【実施例4】
【0100】
熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-01は、窒素雰囲気下一定に撹拌されている60℃のジメチルスルホキシド(DMSO)500グラムを含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、4-ヒドロキシベンズアルデヒド12.2グラム(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)をゆっくり該フラスコに添加し、この混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、1グラムの水素化ナトリウム(鉱油中で60%、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を反応物中にゆっくり添加した。水素ガスがもはや反応物から生じなくなった後に10グラムのブロモ末端ポリ(エチレングリコール)アクリレート(以下の構造参照、American Dye Source Inc.から入手できる)の11.0グラムを反応混合物中に添加した。
【0101】
【化20】

【0102】
この反応を30分間続け、次いで2-[2-[2-クロロ-3-[2-(1,3-ジヒドロ-1,3,3-トリメチル-2H-インドール-2-イリデン)-エチリデン]-1-シクロヘキセン-1-イル]エテニル]-1,3,3-トリメチル-1H-インドリウム4-メチルベンゼンスルホネート(American Dye Source,Inc.から入手できる)20グラムをゆっくり該フラスコに添加した。生じた混合物を60℃でさらに3時間撹拌した。次いで、5グラムのテトラフェニルホウ酸ナトリウムを該反応フラスコ中に添加し、これをさらに2時間撹拌し続けた。この反応生成物を脱イオン水中で沈殿させ、濾過し水で十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。
【0103】
得られた熱反応性近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-04のUV-Vis-NIRスペクトルを薄膜上で記録し、このスペクトルは800nmで強い吸収帯を示した。この近赤外線吸収性アセタールコポリマーPVA-04の理想的構造を図4に示すが、このときa=5.15%、b=1.00%、c=3.85%、d=88.00%およびe=2.00%である。
【0104】
反応性ヨードニウム塩の合成
製造の簡易化および費用対効果のために、反応性官能基を含有するヨードニウム塩を合成し種々の塩の混合物として使用してもよい。さらに、この混合物をさらに精製せず直接使用してもよい。
【実施例5】
【0105】
図5、6、7、8、9および10の場合のような起こり得る構造を有する反応性テトラフェニルホウ酸ヨードニウムの混合物は、573グラムのDesmodur(商標)N100(Bayer、Canadaから入手できる)、60グラムの2-ヒドロキシエチルアクリレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)、245グラムのポリ(エチレングリコール)アクリレート(Mn〜375、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)、500グラムのペンタエリスリトールトリアクリレート(SR-444、Sartomer、USAから入手できる)、1グラムのヒドロキノン(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および1グラムのジブチル錫ジラウレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を含有する1,3-ジオキソラン溶液の320グラムを酸素雰囲気下一定に撹拌しながら10時間60℃に加熱することによって得た。反応混合物の試料を反応フラスコから取り出しこのFTIRスペクトルをKBrペレット上で記録し、2274cm-1で-N=C=Oピークを示した。次いで150グラムの[4-(2-ヒドロキシ-1-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラフェニルボレート(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)をゆっくり該反応混合物中に添加し、これを60℃でさらに6時間撹拌した。次いでFTIRスペクトルが示したところによれば、2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅したことにより反応が終了したことが示された。得られた透明の粘性生成物は、使用し得る状態であった。
【実施例6】
【0106】
図6、7および8の場合のような起こり得る構造を有する反応性テトラフェニルホウ酸ヨードニウムの混合物は、573グラムのDesmodur(商標)N100(Lanxess、Canadaから入手できる)、138グラムの2-ヒドロキシエチルアクリレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および500グラムのペンタエリスリトールトリアクリレート(SR-444、Sartomer、USAから入手できる)と1グラムのヒドロキノン(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および1グラムのジブチル錫ジラウレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)とを含有する無水メチルエチルケトン溶液の320グラムを酸素雰囲気下一定に撹拌しながら10時間60℃に加熱することによって得た。反応混合物の試料を反応フラスコから取り出しこのFTIRスペクトルをKBrペレット上で記録し、2274cm-1で-N=C=Oピークを示した。次いで150グラムの[4-(2-ヒドロキシ-1-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラフェニルボレート(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)をゆっくり該反応混合物中に添加し、これを60℃でさらに6時間撹拌した。次いでFTIRスペクトルが示したところによれば、2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅したことにより反応が終了したことが示された。得られた透明の粘性生成物は、使用し得る状態であった。
【実施例7】
【0107】
図8、9および10の場合のような起こり得る構造を有する反応性テトラフェニルホウ酸ヨードニウムの混合物は、573グラムのDesmodur(商標)N100(Lanxess、Canadaから入手できる)、430グラムのポリ(エチレングリコール)アクリレート(Mn〜375、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)、500グラムのペンタエリスリトールトリアクリレート(SR-444、Sartomer、USAから入手できる)、1グラムのヒドロキノン(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および1グラムのジブチル錫ジラウレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を含有するメチルエチルケトン溶液の320グラムを酸素雰囲気下一定に撹拌しながら10時間60℃に加熱することによって得た。反応混合物の試料を反応フラスコから取り出しこのFTIRスペクトルをKBrペレット上で記録し、2274cm-1で-N=C=Oピークを示した。次いで150グラムの[4-(2-ヒドロキシ-1-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラフェニルボレート(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)をゆっくり該反応混合物中に添加し、これを60℃でさらに6時間撹拌した。次いでFTIRスペクトルが示したところによれば、2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅したことにより反応が終了したことが示された。得られた透明の粘性生成物は、使用し得る状態であった。
【実施例8】
【0108】
図6、7、11、12および13の場合のような起こり得る構造を有する反応性テトラフェニルホウ酸ヨードニウムの混合物は、573グラムのDesmodur(商標)N100(Bayer Canadaから入手できる)、50グラムの2-ヒドロキシエチルメタクリレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)、275グラムのペンタエリスリトールトリアクリレート(SR-444、Sartomer、USAから入手できる)、780グラムのジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR-399、Sartomer、USAから入手できる)、1グラムのヒドロキノン(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および1グラムのジブチル錫ジラウレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を含有する1,3-ジオキソラン溶液の320グラムを酸素雰囲気下一定に撹拌しながら10時間60℃に加熱することによって得た。反応混合物の試料を反応フラスコから取り出しこのFTIRスペクトルをKBrペレット上で記録し、2274cm-1で-N=C=Oピークを示した。次いで150グラムの[4-(2-ヒドロキシ-1-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラフェニルボレート(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)をゆっくり該反応混合物中に添加し、これを60℃でさらに6時間撹拌した。FTIRスペクトルが示したところによれば、2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅したことにより反応が終了したことが示された。得られた透明の粘性生成物は、使用し得る状態であった。
【実施例9】
【0109】
図7、9、10、11および12の場合のような起こり得る構造を有する反応性テトラフェニルホウ酸ヨードニウムの混合物は、245グラムのDesmodur(商標)N100(Bayer Canadaから入手できる)、310グラムのポリ(エチレングリコール)アクリレート(Mn〜375、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)、244グラムのペンタエリスリトールトリアクリレート(SR-444、Sartomer、USAから入手できる)、100グラムのジペンタエリスリトールペンタアクリレート(SR-399、Sartomer、USAから入手できる)、1グラムのヒドロキノン(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)および1グラムのジブチル錫ジラウレート(Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を含有する1,3-ジオキソラン溶液の137グラムを酸素雰囲気下一定に撹拌しながら10時間60℃に加熱することによって得た。反応混合物の試料を反応フラスコから取り出しこのFTIRスペクトルをKBrペレット上で記録し、2274cm-1で-N=C=Oピークを示した。次いで75グラムの[4-(2-ヒドロキシ-1-テトラデシルオキシ)フェニル]フェニルヨードニウムテトラフェニルボレート(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)をゆっくり該反応混合物中に添加し、これを60℃でさらに6時間撹拌した。次いでFTIRスペクトルが示したところによれば、2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅したことにより反応が終了したことが示された。得られた透明の粘性生成物は、使用し得る状態であった。
【実施例10】
【0110】
図14に示されるような構造を有する反応性ヨードニウム塩は、酸素雰囲気下60℃で一定に撹拌されている、80グラムの[2-[9,9-(3-ヒドロキシプロピル)フルオレニル]4-メチルフェニルヨードニウムトリフェニル-n-ブチルボレートおよび0.1グラムのジブチル錫ジラウレートと共に溶解している1,3-ジオキソランの溶液300ml中に2-イソシアナト-エチルメタクリレート31.5グラムをゆっくり添加することによって合成した。この反応をFTIRで監視したところ、反応が5時間以内で終了したことが示された。この生成物を脱イオン水中で沈殿させ、濾過し脱イオン水で十分に洗浄した。次いで、これをエーテルで洗浄し一定重量まで空気中で乾燥した。
【0111】
図20〜25のヨードニウム塩も合成した。
【実施例11】
【0112】
熱反応性ポリマーバインダーの合成
熱反応性ポリマーバインダーRPB-01は、空気雰囲気下60℃で一定に撹拌されている500グラムの1,3-ジオキソランを含む反応フラスコに25グラムのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel(登録商標)E、Hercules、USAから入手できる)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働くジブチル錫ジラウレートを該フラスコに3滴添加した。次いで、5.0グラムの2-イソシアナトエチルメタクリレート(American Dye Source、Canadaから入手できる)を該反応フラスコにゆっくり添加し、この混合物を60℃で7時間撹拌した。KBrペレット上のポリマーのFTIRスペクトルから、この反応は2274cm-1の-N=C=Oピークが消滅すると共に完結したことが示された。RPB-01の理想的構造を図15に示す。n-プロパノールを反応物中に添加することにより固形分5.0%の溶液が得られた。
【実施例12】
【0113】
反応性ポリマーバインダーRPB-02は、10グラムの2-イソシアナトエチルメタクリレートを反応物中に使用したことを除いて実施例11の方法と同様に合成した。RPB-02の理想的構造は、ポリマー中に存在する反応性がより高い官能基を有するRPB-01の構造に類似している。n-プロパノールを反応物中に添加することにより固形分5.0%の溶液が得られた。
【実施例13】
【0114】
反応性ポリマーバインダーRPB-03は、窒素雰囲気下60℃で一定に撹拌されている500グラムのジメチルスルホキシド(DMSO)を含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、4-ヒドロキシベンズアルデヒド12.2グラム(100mmole、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)をゆっくり該フラスコに添加し、この混合物を60℃で4時間撹拌した。次いで、0.5グラムの水素化ナトリウム(鉱油中で60%、Sigma-Aldrich、Canadaから入手できる)を反応物中にゆっくり添加した。水素ガスがもはや反応物から生じなくなった後に3.0グラムの3-ブロモプロピル-メタクリロイル-エチルカルバメートを反応混合物中に添加した。この反応を60℃で5時間続けた。この生成物を脱イオン水中で沈殿させ、濾過し脱イオン水で十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。RPB-03の理想的構造を図16に示すが、このとき、a=9.00%、b=1.00%、d=88.00%およびe=2.00%である。
【実施例14】
【0115】
反応性ポリマーバインダーRPB-04は、窒素雰囲気下60℃で一定に撹拌されている500グラムのジメチルスルホキシド(DMSO)を含む反応フラスコに90グラムのポリビニルアルコール(Celvol(商標)103、平均分子量約18000を有する98%加水分解ポリビニルアセテート)を少しずつ添加することによって合成した。完全に溶解した後、この反応のための触媒として働く3mlの濃硫酸を該フラスコに添加した。30分後、6.5グラムのブチルアルデヒドおよび2.35グラムのアクリロイル-プロピルオキシベンズアルデヒド(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)を反応混合物中に添加した。この反応を60℃で5時間続けた。この生成物を脱イオン水中で沈殿させ、濾過し脱イオン水で十分に洗浄した。次いで、これを一定重量まで空気中で乾燥した。RPB-04の理想的構造を図17に示すが、このとき、a=9.00%、b=1.00%、d=88.00%およびe=2.00%である。
【実施例15】
【0116】
反応性ポリマーバインダーRPB-05は、15.0gのポリ(エチレングリコール)アクリレート(Mn〜2010、American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)、15.0gのスチレン、50.0gのアクリロニトリルと共に溶解している無水1,3-ジオキソランの200グラムの混合物を1Lの4つ口フラスコ内で窒素雰囲気下一定に撹拌して75℃で加熱することによって合成した。30分間加熱した後、0.5gのVazo(商標)64を反応混合物に添加した。75℃で10時間重合した後、別の0.5gのVazo(商標)64を反応混合物中に添加し重合をさらに14時間続けた。空気を反応混合物中に導入しこれを75℃でさらに2時間続けて撹拌して重合を終了した。反応温度を5℃に下げ、4グラムのトリエチルアミンを反応混合物中に添加した。次いで、10グラムの1,3-ジオキソランおよび2グラムのアクリロイルクロライドを含有する溶液を反応物中にゆっくり導入した。この反応物を室温で5時間撹拌した。生成物を水中で沈殿させ一定重量まで乾燥した。RPB-05の分子量は、1.4のポリマー分散度で約28000であると決定した。RPB-05の理想的構造を図18に示すが、このとき、a=86.16%、b=13.16%およびc=0.68%である。
【0117】
RPB-05のエマルジョンは、7500rpmに設定した高せん断ミキサーを使用して、80グラムのRPB-05が溶解したn-プロパノール溶液200グラム中に50グラムの脱イオン水をゆっくり添加することによって調製した。
【実施例16】
【0118】
反応性ポリマーバインダーRPB-06は、15.0gのポリ(エチレングリコール)アクリレート(Mn〜2000、American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)が溶解した200グラムのn-プロパノールおよび50グラムの脱イオン水と、5.0グラムのN-メトキシメチルメタクリルアミド(American Dye Source Inc.、Canadaから入手できる)と、15.0gのスチレンと50.0gのアクリロニトリルとの混合物を1Lの4つ口フラスコ内で窒素雰囲気下一定に撹拌して75℃で加熱することによって合成した。30分間加熱した後、0.5gのVazo(商標)64を反応混合物中に添加した。この溶液は30分以内の重合で濁った。75℃で10時間重合した後、別の0.5gのVazo(商標)64を反応混合物中に添加し重合をさらに14時間続けた。空気を反応混合物中に導入し撹拌を75℃でさらに2時間続けて重合を終了した。RPB-06の分子量は、1.7のポリマー分散度で約29000であると決定した。RPB-06の理想的構造を図19に示すが、このとき、a=82.88%、b=12.66%、c=3.81%およびd=0.65%である。
【実施例17】
【0119】
機上現像性ネガ作用型平版印刷版
以下の組成物を有するコーティング溶液を、ブラシ研磨しリン酸陽極酸化したアルミニウム基板上に巻線ロッドを使用してコーティングし、80℃で熱風乾燥した。得られたコーティング重量は、約1.0g/m2であった。
【0120】
【表1】

【0121】
版を、100〜250mJ/cm2で画像化しAB Dickプレス機上に取り付けた。10回刷った後、高品質印刷画像が紙上に得られた。この版を使用して20000を超える高解像度コピーを印刷することができる。
【実施例18】
【0122】
以下の組成物を有するコーティング溶液を、ブラシ研磨しリン酸陽極酸化したアルミニウム基板上に巻線ロッドを使用してコーティングし、80℃で熱風乾燥した。得られたコーティング重量は、約1.0g/m2であった。
【0123】
【表2】

【0124】
版を、100〜250mJ/cm2で画像化しAB Dickプレス機上に取り付けた。10回刷った後、高品質印刷画像が紙上に得られた。この版を使用して20000を超える高解像度コピーを印刷することができる。
【実施例19】
【0125】
以下の組成物を有するコーティング溶液を、ブラシ研磨しリン酸陽極酸化したアルミニウム基板上に巻線ロッドを使用してコーティングし、80℃で熱風乾燥した。得られたコーティング重量は、約1.0g/m2であった。
【0126】
【表3】

【0127】
版を、100〜250mJ/cm2で画像化しAB Dickプレス機上に取り付けた。10回刷った後、高品質印刷画像が紙上に得られた。この版を使用して20000を超える高解像度コピーを印刷することができる。
【実施例20】
【0128】
以下の組成物を有するコーティング溶液を、ブラシ研磨しリン酸陽極酸化したアルミニウム基板上に巻線ロッドを使用してコーティングし、80℃で熱風乾燥した。得られたコーティング重量は、約1.0g/m2であった。
【0129】
【表4】

【0130】
版を、100〜250mJ/cm2で画像化しAB Dickプレス機上に取り付けた。10回刷った後高品質印刷画像が紙上に得られた。この版を使用して20000を超える高解像度コピーを印刷することができる。
【実施例21】
【0131】
以下の組成物を有するコーティング溶液を、ブラシ研磨しリン酸陽極酸化したアルミニウム基板上に巻線ロッドを使用してコーティングし、80℃で熱風乾燥した。得られたコーティング重量は、約1.0g/m2であった。
【0132】
【表5】

【0133】
版を、100〜250mJ/cm2で画像化しAB Dickプレス機上に取り付けた。10回刷った後、高品質印刷画像が紙上に得られた。この版を使用して20000を超える高解像度コピーを印刷することができる。
【0134】
本発明をその具体的な実施形態として先に記載してきたが、本発明は、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の趣旨および本質から逸脱しなければ修正してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】アセタールコポリマーPVA-01の理想的構造を示す化学式である。
【図2】アセタールコポリマーPVA-02の理想的構造を示す化学式である。
【図3】アセタールコポリマーPVA-03の理想的構造を示す化学式である。
【図4】アセタールコポリマーPVA-04の理想的構造を示す化学式である。
【図5】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図6】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図7】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図8】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図9】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図10】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図11】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図12】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図13】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図14】フルオレン化合物から合成されるヨードニウム塩の具体的な実施形態の理想的構造を示す化学式である。
【図15】ポリマーバインダーRPB-01の理想的構造を示す化学式である。
【図16】ポリマーバインダーRPB-03の理想的構造を示す化学式である。
【図17】ポリマーバインダーRPB-04の理想的構造を示す化学式である。
【図18】ポリマーバインダーRPB-05の理想的構造を示す化学式である。
【図19】ポリマーバインダーRPB-06の理想的構造を示す化学式である。
【図20】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図21】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図22】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図23】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図24】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。
【図25】本発明のヨードニウム塩の具体的な実施形態の起こり得る構造を示す化学式である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カチオン重合またはラジカル重合され得る少なくとも1つの第1の官能基が結合しているヨードニウム塩。
【請求項2】
前記第1の官能基が、アクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルである、請求項1に記載のヨードニウム塩。
【請求項3】
前記第1の官能基が、ウレタン結合または尿素結合を介して前記ヨードニウム塩のアリール環に結合している、請求項1または2に記載のヨードニウム塩。
【請求項4】
一般式として
【化1】

(式中、
A1は、トシレート、トリフレート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートまたはトリフェニル-n-アルキルボレートのアニオン性対イオンであり、
wは、0〜18で変化してよく、
R8およびR9は、独立に、水素、直鎖C1〜C18アルキル、分枝鎖C1〜C18アルキル、アルキルオキシ、ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)であり、
Y1およびY2は、各々独立に、前記第1の官能基が結合しているウレタン含有置換基を表す)
を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のヨードニウム塩。
【請求項5】
R8またはR9の少なくとも1つに、前記第1の官能基が結合している、請求項4に記載のヨードニウム塩。
【請求項6】
Y1またはY2の少なくとも1つが、モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートまたはポリ-イソシアネートと、前記第1の官能基が結合しているアミンまたはアルコールとを反応させることにより作製された、請求項4または5に記載のヨードニウム塩。
【請求項7】
前記モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートまたはポリ-イソシアネートが、Desmodur N100、Desmodur N3300、Desmodur CB 75N、Desmodur I、Desmodur W、Desmodur M、Desmodur HまたはDesmodur TD80である、請求項6に記載のヨードニウム塩。
【請求項8】
前記アルコールが、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレートまたはポリ(プロピレングリコール)アクリレートおよびポリ(プロピレングリコール)メタクリレートである、請求項6または7に記載のヨードニウム塩。
【請求項9】
Y1またはY2の少なくとも1つが、
【化2A】

【化2B】

(式中、
Rは水素またはメチルであり、
mは1〜18で変化し、
R10は水素、直鎖または分枝鎖C1〜C18アルキル鎖であり、
Q1およびQ2は、各々独立に、前記第1の官能基が結合している末端化合物を表す)
である、請求項4または5に記載のヨードニウム塩。
【請求項10】
Q1またはQ2の少なくとも1つが
【化3A】

【化3B】

(式中、Rは水素またはメチルである)
である、請求項9に記載のヨードニウム塩。
【請求項11】
【化4A】

【化4B】

【化4C】

【化4D】

【化4E】

【化4F】

である、請求項10に記載のヨードニウム塩。
【請求項12】
一般構造
【化5】

(式中、
A1は、トシレート、トリフレート、ヘキサフルオロアンチモネート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートおよびトリフェニル-n-アルキルボレートのアニオン性対イオンを表し、
R8およびR9は、独立に、水素、直鎖C1〜C18アルキル、分枝鎖C1〜C18アルキル、アルキルオキシ、ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)であり、
また、R8またはR9の少なくとも1つは、水素ではなく、前記第1の官能基が結合している)
を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載のヨードニウム塩。
【請求項13】
【化6】

である、請求項12に記載のヨードニウム塩。
【請求項14】
モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートまたはポリ-イソシアネートと、アクリレート、メタクリレートまたはビニルエーテルが末端にあるアミンまたはアルコールとを反応させることにより得られるペンダント基をヨードニウム塩に結合する段階を含む、請求項2から13のいずれか一項に記載のヨードニウム塩の調製方法。
【請求項15】
前記モノ-イソシアネート、ジ-イソシアネートまたはポリ-イソシアネートが、Desmodur(商標)N100、Desmodur(商標)N3300、Desmodur(商標)CB 75N、Desmodur(商標)I、Desmodur(商標)W、Desmodur(商標)M、Desmodur(商標)HまたはDesmodur(商標)TD 80である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記アルコールが、ペンタエリスリトールトリアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メタクリレート、ポリ(プロピレングリコール)アクリレートまたはポリ(プロピレングリコール)メタクリレートである、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
コーティングの調製における、請求項1から13のいずれか一項に記載のヨードニウム塩またはそれらの混合物の使用。
【請求項18】
前記コーティングがネガ作用型平版印刷版コーティングである、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
請求項1から13のいずれか一項に記載のヨードニウム塩またはそれらの混合物を含む平版印刷版コーティング溶液。
【請求項20】
前記ヨードニウム塩を固形分重量で約5%〜約60%含む、請求項19に記載のコーティング溶液。
【請求項21】
近赤外線吸収性色素をさらに含む、請求項19または20に記載のコーティング溶液。
【請求項22】
前記近赤外線吸収性色素が、分子色素、ダイマー色素、デンドリマー色素またはポリマー色素である、請求項21に記載のコーティング溶液。
【請求項23】
前記近赤外線吸収性色素が第1のアセタールコポリマーまたはそれらの混合物である、請求項21または22に記載のコーティング溶液。
【請求項24】
前記第1のアセタールコポリマーを固形分重量で約5%〜約50%含む、請求項23に記載のコーティング溶液。
【請求項25】
前記第1のアセタールコポリマーに、カチオン重合またはラジカル重合され得る少なくとも1つの第2の官能基が結合している、請求項23または24に記載のコーティング溶液。
【請求項26】
前記第1のアセタールコポリマーが、以下の構造
【化7】

(式中、
G1は、有機溶媒溶解性を与えるプロセッシングセグメントを表し、
G2は熱反応性セグメントを表し、
G3は、700〜1100nmで強い吸収ピークを1つまたは複数示す放射線吸収性セグメントを表し、
a、b、c、dおよびeは、モル比であり、0.01〜0.99で変化してよく、
【化8】

のいずれも、独立に、
【化9】

によって置換されてもよく、
前記第2の官能基は、存在する場合、G2またはG3に結合している)
を有する、請求項23から25のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項27】
G1が、シアノ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム塩、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルベンジルスルホニルカルバメート、カルボン酸またはリン酸官能基を含む直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項26に記載のコーティング溶液。
【請求項28】
G1が
【化10】

である、請求項27に記載のコーティング溶液。
【請求項29】
G2が、前記第2の官能基が結合している直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項26から28のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項30】
前記第2の官能基が、ビニルエーテル、アルコキシメチルアクリルアミド、アルコキシメタクリルアミド、アクリレートまたはメタクリレートである、請求項29に記載のコーティング溶液。
【請求項31】
G2が
【化11】

(式中、
Rは水素またはメチルであり、
R2はC1〜C8アルキルまたはアルコキシであり、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
yは1または2である)
である、請求項30に記載のコーティング溶液。
【請求項32】
G2が
【化12】

である、請求項30に記載のコーティング溶液。
【請求項33】
前記第1のアセタールコポリマーが、互いに同じでも異なってもよい2つ以上のG3セグメントを含む、請求項26から32のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項34】
G3が400〜700nmで強い吸収ピークを1つまたは複数さらに示す、請求項26から33のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項35】
G3が
【化13】

(式中、NIRは、700〜1100nmで強い吸収ピークを1つまたは複数示す近赤外線吸収性発色団である)
である、請求項26から34のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項36】
前記近赤外線吸収性発色団が、
【化14A】

【化14B】

[式中、
D1およびD2は、-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、または-C(CH3)2であり、
Z1およびZ2は、各々独立に、1つまたは複数の置換または非置換の縮合芳香環を表し、
hは2〜8で変化してよく、
nは0または1を表し、
Mは水素またはNa、K、もしくはテトラアルキルアンモニウム塩のカチオン性対イオンを表し、
A1は、臭化物、塩化物、ヨウ化物、トシレート、トリフレート、トリフルオロメタンカーボネート、ドデシルベンゾスルホネートまたはテトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートおよびトリフェニル-n-ブチルボレートのアニオン性対イオンを表し、
R3およびR7は、各々独立に、水素またはアルキルを表し、
R4、R5およびR6は、各々独立に、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、スルホアルキル、または前記第2の官能基を含み且つ式
【化15】

(式中、mは0〜50で変化してよく、Rは水素またはメチルである)
を有する重合性置換基を表す]
である、請求項35に記載のコーティング溶液。
【請求項37】
Z1またはZ2の少なくとも1つがフェニルまたはナフチルである、請求項36に記載のコーティング溶液。
【請求項38】
前記第1のアセタールポリマーが、
【化16A】

【化16B】

【化16C】

(式中、a、b、c、dおよびeは、0.01〜0.99で変化し得るモル比である)
である、請求項26に記載のコーティング溶液。
【請求項39】
ポリマーバインダーをさらに含む、請求項19から38のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項40】
前記ポリマーバインダーを固形分重量で約1%〜約50%含む、請求項39に記載のコーティング溶液。
【請求項41】
前記ポリマーバインダーに、カチオン重合またはラジカル重合され得る少なくとも1つの第3の官能基が結合している、請求項39または40に記載のコーティング溶液。
【請求項42】
前記第3の官能基が、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、ヒドロキシル、アルコキシメチルアクリルアミド、アルコキシメタクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミドまたはN-メトキシメチルメタクリルアミドである、請求項41に記載のコーティング溶液。
【請求項43】
前記ポリマーバインダーが、第2のアセタールコポリマーまたはその混合物である、請求項39から42のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項44】
前記第2のアセタールコポリマーが以下の構造
【化17】

(式中、
G1は、有機溶媒溶解性を与えるプロセッシングセグメントを表し、
G2は熱反応性セグメントを表し、
a、b、dおよびeは、モル比であり、0.01〜0.99で変化してよく、
【化18】

のいずれも、独立に、
【化19】

によって置換されてもよく、
前記第3の官能基は、存在する場合、G2に結合している)
を有する、請求項43に記載のコーティング溶液。
【請求項45】
G1が、シアノ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム塩、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルベンジルスルホニルカルバメート、カルボン酸またはリン酸官能基を含む直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項44に記載のコーティング溶液。
【請求項46】
G1がC3H7または
【化20】

である、請求項44に記載のコーティング溶液。
【請求項47】
G2が、前記第3の官能基が結合している直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項44から46のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項48】
G2が
【化21】

(式中、
Rは水素またはメチルであり、
R2はC1〜C8アルキルまたはアルコキシであり、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
yは1または2である)
である、請求項47に記載のコーティング溶液。
【請求項49】
G2が
【化22】

である、請求項47に記載のコーティング溶液。
【請求項50】
前記ポリマーバインダーが
【化23】

である、請求項49に記載のコーティング溶液。
【請求項51】
前記ポリマーバインダーが、前記第3の官能基が結合している溶媒溶解性セルロースエーテルおよび水溶性セルロースエーテルまたはそれらの混合物からなる群から選択される、請求項41または42に記載のコーティング溶液。
【請求項52】
前記セルロースエーテルが、前記セルロースエーテルに結合しているヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基または、ヒドロキシプロピル基と、前記第3の官能基が結合している2-イソシアナト-エチル化合物とを反応させることにより変性されている、請求項51に記載のコーティング溶液。
【請求項53】
前記ポリマーバインダーが、以下の構造
【化24】

(式中、
aおよびbは、モル比であり、約0.01〜約0.99で変化してよく、
G4は、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルまたは、ヒドロキシプロピルであり、
G5は前記第3の官能基を含む)
を有する、請求項51または52に記載のコーティング溶液。
【請求項54】
G5が
【化25】

(式中、mは0または1であり、Rは水素またはメチルである)
である、請求項53に記載のコーティング溶液。
【請求項55】
前記ポリマーバインダーが、以下の構造
【化26】

を有する、請求項54に記載のコーティング溶液。
【請求項56】
前記ポリマーバインダーが、1つまたは複数の、式
【化27】

の第1のモノマーと、
1つまたは複数の、一般式
【化28】

の第2のモノマーと
(式中、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
Rは水素またはメチルであり、
R11は直鎖または分枝鎖アルキル鎖であり、
R12は、アルキル、ヒドロキシルまたはカルボン酸である)
を含むコポリマーである、請求項41または42に記載のコーティング溶液。
【請求項57】
前記ポリマーバインダーが、
【化29】

(式中、a、b、cおよびdは、モル比であり、約0.01〜約0.99で変化してよい)
である、請求項56に記載のコーティング溶液。
【請求項58】
着色剤をさらに含む、請求項19から57のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項59】
前記着色剤を固形分重量で約0.5%〜約5%含む、請求項58に記載のコーティング溶液。
【請求項60】
前記着色剤が、トリアリールピリジン、キサンテン、イソベンゾフラノンまたはラクトンである、請求項58または59に記載のコーティング溶液。
【請求項61】
前記着色剤が、最初は無色であり、フリーラジカルまたは酸の存在下で有色となる、請求項58から60のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項62】
前記着色剤が、
3',6'-ビス[N-[2-クロロフェニル]-N-メチルアミノ]スピロ[2-ブチル-1,1-ジオキソ[1,2-ベンズイソチアゾール-3(3H),9'-(9H)キサンテン]]、
3',6'-ビス[N-[2-[メタンスルホニル]フェニル]-N-メチルアミノ]スピロ[2-ブチル-1,1-ジオキソ[1,2-ベンズイソチアゾール-3(3H),9'-(9H)キサンテン]]、
9-ジエチルアミノ[スピロ[12H-ベンゾ(ザ)キサンテン-12,1'(3'H)-イソベンゾフラン)-3'-オン]]、
2'-ジ(フェニルメチル)アミノ-6'-[ジエチルアミノ]スピロ[イソベンゾフラン-1(3H),9'-(9H)-キサンテン]-3-オン、
3-[ブチル-2-メチルインドール-3-イル]-3-[1-オクチル-2-メチルインドール-3-イル]-1-(3H)-イソベンゾフラノン、
6-[ジメチルアミノ]-3,3-ビス[4-ジメチルアミノ]-フェニル-(3H)-イソベンゾフラノン、
2-[2-オクチルオキシフェニル]4-[4-ジメチルアミノフェニル]-6-フェニルピリジン、または
Blue-63、GN-169およびRed-40を含めたロイコラクトン色素
である、請求項58から61のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項63】
安定剤をさらに含む、請求項19から62のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項64】
前記安定剤を固形分重量で約0.5%〜約5%含む、請求項63に記載のコーティング溶液。
【請求項65】
前記安定剤が、メトキシフェノール、ヒドロキシフェノール、フェノチアジン、3-メルカプトトリアゾールまたはモノメチルエーテルヒドロキノンを有する、請求項63または64に記載のコーティング溶液。
【請求項66】

【化30A】

【化30B】

【化30C】

【化30D】

のヨードニウム塩と、

【化31A】

【化31B】

のアセタールコポリマーと、

【化32A】

【化32B】

のポリマーバインダーと
(式中、a、b、c、dおよびeは、約0.01〜約0.99で変化し得るモル比である)
を含む、請求項19に記載のコーティング溶液。
【請求項67】
ネガ作用型平版印刷版の調製における、請求項19から66のいずれか一項に記載のコーティング溶液の使用。
【請求項68】
請求項19から66のいずれか一項に記載のコーティング溶液を基板上に堆積することにより作製されたコーティングを含むネガ作用型平版印刷版。
【請求項69】
前記コーティングの重量が約0.5〜約2.5g/m2である、請求項68に記載の平版印刷版。
【請求項70】
請求項19から66のいずれか一項に記載のコーティングを2つ以上含む、請求項68または69に記載の平版印刷版。
【請求項71】
前記基板が、陽極酸化アルミニウム、プラスチックフィルム、紙およびこれらの組合せからなる群から選択される、請求項68から70のいずれか一項に記載の平版印刷版。
【請求項72】
前記陽極酸化アルミニウム基板が、陽極酸化される前にブラシ研磨または電気研磨されている、請求項71に記載の平版印刷版。
【請求項73】
前記平版印刷版が、前記基板と請求項19から66のいずれか一項に記載のコーティングとの間に配置される接着促進性ポリマーコーティングをさらに含む、請求項68から72のいずれか一項に記載の平版印刷版。
【請求項74】
前記接着促進性ポリマーコーティングが、ポリ(アクリル酸)またはポリ(アクリル酸-co-ビニルリン酸)を含む、請求項73に記載の平版印刷版。
【請求項75】
前記接着促進性ポリマーコーティングの重量が約0.1〜約1.0g/m2である、請求項73または74に記載の平版印刷版。
【請求項76】
カチオン重合またはラジカル重合され得る少なくとも1つの官能基が結合しているアセタールコポリマー。
【請求項77】
【化33】

(式中、
G1は、有機溶媒溶解性を与えるプロセッシングセグメントを表し、
G2は熱反応性セグメントを表し、
G3は、700〜1100nmで強い吸収帯を1つまたは複数示す放射線吸収性セグメントを表し、
a、b、c、dおよびeは、モル比であり、0.01〜0.99で変化してよく、
【化34】

のいずれも、独立に、
【化35】

によって置換されてもよく、
前記官能基はG2またはG3に結合している)
である、請求項76に記載のアセタールコポリマー。
【請求項78】
G3が、400〜700nmで強い吸収帯を1つまたは複数さらに示す、請求項77に記載のアセタールコポリマー。
【請求項79】
G1が、シアノ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム塩、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルベンジルスルホニルカルバメート、カルボン酸またはリン酸官能基を含む直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項77または78に記載のアセタールコポリマー。
【請求項80】
G1が
【化36】

である、請求項79に記載のアセタールコポリマー。
【請求項81】
G2が、前記官能基が結合している直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項77から80のいずれか一項に記載のアセタールコポリマー。
【請求項82】
前記官能基が、ビニルエーテル、アルコキシメチルアクリルアミドまたはアルコキシメタクリルアミドである、請求項81に記載のアセタールコポリマー。
【請求項83】
G2が
【化37A】

【化37B】

(式中、
Rは水素またはメチルであり、
R2はC1〜C8アルキルまたはアルコキシであり、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
yは1または2である)
である、請求項82に記載のアセタールコポリマー。
【請求項84】
G2が
【化38】

である、請求項82に記載のアセタールコポリマー。
【請求項85】
前記アセタールコポリマーが、互いに同じかまたは異なってもよいG3セグメントを2つ以上含む、請求項77から84のいずれか一項に記載のアセタールコポリマー。
【請求項86】
G3が
【化39】

(式中、NIRは、700〜1100nmで強い吸収ピークを1つまたは複数示す近赤外線吸収性発色団である)
である、請求項77から85のいずれか一項に記載のアセタールコポリマー。
【請求項87】
前記近赤外線吸収性発色団が
【化40A】

【化40B】

[式中、
D1およびD2は、独立に、-O-、-S-、-Se-、-CH=CH-、および-C(CH3)2であり、
Z1およびZ2は、各々独立に、1つまたは複数の置換または非置換の縮合芳香環を表し、
hは2〜8で変化してよく、
nは0または1を表し、
Mは水素またはNa、K、もしくはテトラアルキルアンモニウム塩のカチオン性対イオンを表し、
A1は、臭化物、塩化物、ヨウ化物、トシレート、トリフレート、トリフルオロメタンカーボネート、ドデシルベンゾスルホネートおよびテトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートまたはトリフェニル-n-ブチルボレートのアニオン性対イオンを表し、
R3およびR7は、各々独立に、水素またはアルキルを表し、
R4、R5およびR6は、各々独立に、アルキル、アリールアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、カルボキシアルキル、スルホアルキル、または前記官能基を含み且つ式
【化41】

(式中、mは0〜50で変化してよく、Rは水素またはメチルである)
を有する重合性置換基を表す]
である、請求項86に記載のアセタールコポリマー。
【請求項88】
Z1またはZ2の少なくとも1つがフェニルまたはナフチルである、請求項87に記載のアセタールコポリマー。
【請求項89】

【化42A】

【化42B】

【化42C】

(式中、a、b、c、dおよびeは、0.01〜0.99で変化し得るモル比である)
を有する、請求項88に記載のアセタールコポリマー。
【請求項90】
コーティングの調製における、請求項76から89のいずれか一項に記載のアセタールコポリマーまたはそれらの混合物の使用。
【請求項91】
前記コーティングがネガ作用型平版印刷版コーティングである、請求項90に記載の使用。
【請求項92】
請求項76から89のいずれか一項に記載のアセタールコポリマーまたはそれらの混合物を含む平版印刷版コーティング溶液。
【請求項93】
前記アセタールコポリマーを固形分重量で約5%〜約50%含む、請求項92に記載のコーティング溶液。
【請求項94】
請求項1から13のいずれか一項に記載のヨードニウム塩をさらに含む、請求項92または93に記載のコーティング溶液。
【請求項95】
ポリマーバインダーをさらに含む、請求項92から94のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項96】
前記ポリマーバインダーが請求項41から57のいずれか一項に記載された通りである、請求項95に記載のコーティング溶液。
【請求項97】
ネガ作用型平版印刷版の調製における、請求項92から96のいずれか一項に記載のコーティング溶液の使用。
【請求項98】
請求項92から96のいずれか一項に記載のコーティング溶液を基板上に堆積することにより作製されたコーティングを含むネガ作用型平版印刷版。
【請求項99】
カチオン重合またはラジカル重合され得る少なくとも1つの官能基が結合している平版印刷版コーティング用ポリマーバインダー。
【請求項100】
前記官能基が、アクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、ヒドロキシル、アルコキシメチルアクリルアミド、アルコキシメタクリルアミド、N-メトキシメチルアクリルアミドまたはN-メトキシメチルメタクリルアミドである、請求項99に記載のポリマーバインダー。
【請求項101】
アセタールコポリマーである請求項99もしくは100に記載のポリマーバインダーまたはそれらの混合物。
【請求項102】
以下の構造
【化43】

(式中、
G1は、有機溶媒溶解性を与えるプロセッシングセグメントを表し、
G2は、前記官能基が結合している熱反応性セグメントを表し、
a、b、dおよびeは、モル比であり、0.01〜0.99で変化してよく、
【化44】

は、
【化45】

によって置換されてもよい)
を有する、請求項101に記載のポリマーバインダー。
【請求項103】
G1が、シアノ、ヒドロキシ、ジアルキルアミノ、トリアルキルアンモニウム塩、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルベンジルスルホニルカルバメート、カルボン酸およびリン酸官能基を含む直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項102に記載のポリマーバインダー。
【請求項104】
G1がC3H7または
【化46】

である、請求項102に記載のポリマーバインダー。
【請求項105】
G2が、前記官能基が結合している直鎖アルキル、分枝鎖アルキル、直鎖アリールまたは分枝鎖アリールである、請求項102から104のいずれか一項に記載のポリマーバインダー。
【請求項106】
G2が
【化47】

(式中、
Rは水素またはメチルであり、
R2はC1〜C8アルキルまたはアルコキシであり、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
yは1または2である)
である、請求項105に記載のポリマーバインダー。
【請求項107】
G2が
【化48】

である、請求項105に記載のポリマーバインダー。
【請求項108】

【化49】

を有する、請求項107に記載のポリマーバインダー。
【請求項109】
前記官能基が結合している溶媒溶解性セルロースエーテル、水溶性セルロースエーテルまたはそれらの混合物である、請求項99または100に記載のポリマーバインダー。
【請求項110】
前記セルロースエーテルが、前記セルロースエーテルに結合しているヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基または、ヒドロキシプロピル基と、前記官能基が結合している2-イソシアナト-エチル化合物とを反応させることにより変性されている、請求項109に記載のポリマーバインダー。
【請求項111】
以下の構造
【化50】

(式中、
aおよびbは、モル比であり、約0.01〜約0.99で変化してよく、
G4は、ヒドロキシ、ヒドロキシエチルまたは、ヒドロキシプロピルであり、
G5は前記官能基を含む)
を有する、請求項109または110に記載のポリマーバインダー。
【請求項112】
G5が
【化51】

(式中、mは0または1であり、Rは水素またはメチルである)
である、請求項111に記載のポリマーバインダー。
【請求項113】
以下の構造
【化52】

を有する、請求項112に記載のポリマーバインダー。
【請求項114】
1つまたは複数の、式
【化53】

の第1のモノマーと、
1つまたは複数の、式
【化54】

の第2のモノマーと
(式中、
mおよびwは0〜50で変化してよく、
Rは水素またはメチルであり、
R11は直鎖または分枝鎖アルキル鎖であり、
R12は、アルキル、ヒドロキシルまたはカルボン酸である)
を含むコポリマーである、請求項99または100に記載のポリマーバインダー。
【請求項115】
【化55】

(式中、a、b、cおよびdは、モル比であり、約0.01〜約0.99で変化してよい)
である、請求項114に記載のポリマーバインダー。
【請求項116】
コーティングの調製における、請求項99から115のいずれか一項に記載のポリマーバインダーまたはそれらの混合物の使用。
【請求項117】
前記コーティングがネガ作用型平版印刷版コーティングである、請求項116に記載の使用。
【請求項118】
請求項99から115のいずれか一項に記載のポリマーバインダーまたはそれらの混合物を含む平版印刷版コーティング溶液。
【請求項119】
前記ポリマーバインダーを固形分重量で約1%〜約50%含む、請求項118に記載のコーティング溶液。
【請求項120】
請求項1から13のいずれか一項に記載のヨードニウム塩をさらに含む、請求項118または119に記載のコーティング溶液。
【請求項121】
近赤外線吸収性色素をさらに含む、請求項118から120のいずれか一項に記載のコーティング溶液。
【請求項122】
前記近赤外線吸収性色素が、請求項22から38のいずれか一項に記載された通りである、請求項121に記載のコーティング溶液。
【請求項123】
ネガ作用型平版印刷版の調製における、請求項118から122のいずれか一項に記載のコーティング溶液の使用。
【請求項124】
請求項118から122のいずれか一項に記載のコーティング溶液を基板上に堆積することにより作製されたコーティングを含むネガ作用型平版印刷版。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2009−537458(P2009−537458A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−510242(P2009−510242)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/CA2007/000820
【国際公開番号】WO2007/131336
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(508287459)アメリカン・ダイ・ソース・インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】