平版印刷版原版及び平版印刷版の製版方法

【課題】レーザーによる画像記録が可能であり、充分な耐刷性を維持しつつ良好な汚れ性、現像性が得られる平版印刷版原版、及び平版印刷版の製版方法を提供する。
【解決手段】支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素及び重合性化合物を含有する画像記録層とを順次積層して有することを特徴とする平版印刷版原版；支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素、重合性化合物及びバインダーポリマーを含有する画像記録層とを順次積層して有する平版印刷版原版を用いた平版印刷版の製版方法。

【特許請求の範囲】
【請求項１】
支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素及び重合性化合物を含有する画像記録層とを順次積層して有することを特徴とする平版印刷版原版。
【請求項２】
スルホンアミド基を有するポリマーが、さらに-OH、-COOH、−SO₃H、−OSO₃H、−PO₃H₂、−OPO₃H₂及びよびそれらの官能基の塩、−COCH₂COCH₃、並びにカチオン性基より選択される少なくとも一つの官能基を有することを特徴とする、請求項１に記載の平版印刷版原版。
【請求項３】
スルホンアミド基を有するポリマーが、さらにエチレン性不飽和結合を有することを特徴とする、請求項１又は２に記載の平版印刷版原版。
【請求項４】
スルホンアミド基を有するポリマーのスルホンアミド基が、アリールスルホンアミド基であることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の平版印刷版原版。
【請求項５】
スルホンアミド基を有するポリマーが以下の式（Ｉ）で示されるスルホンアミド基を有する繰り返し単位を有するポリマーであることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載の平版印刷版原版。
【化１】

（上記式(Ｉ)中、Ｒ¹は水素、または炭素数１〜１０のアルキル基、アルコキシメチル基、アルキルエステル置換メチルまたはα−アルコキシメチル基を表す。Ｘは下記式（ＩＩ）で表される有機基である。ｎは１〜５である。
【化２】

（II）
式（II)中、Ｒ²、Ｒ³はそれぞれ水素、炭素数１〜１０のアルキル基、またはアリール基を表し、該アルキル基はヒドロキシル基またはアミノ基で置換されていてもよく、またエーテル結合、エステル結合、ウレイド結合を含んでいてもよい。Ｙは３〜１０価の非金属原子から構成される有機基であり、１から６０個までの炭素原子、０個から１０個までの窒素原子、０個から５０個までの酸素原子、１個から１００個までの水素原子、及び０個から２０個までの硫黄原子から選ばれる少なくとも１種以上の元素から構成される有機基である。）
【請求項６】
支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素、重合性化合物及びバインダーポリマーを含有する画像記録層とを順次積層して有することを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の平版印刷版原版。
【請求項７】
さらに保護層を有することを特徴とする、請求項１〜６のいずれか１項に記載の平版印刷版原版。
【請求項８】
該保護層が雲母を含有することを特徴とする、請求項７に記載の平版印刷版原版。
【請求項９】
支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素、重合性化合物及びバインダーポリマーを含有する画像記録層とを順次積層して有する平版印刷版原版をレーザーで画像露光した後、未露光部の画像記録層を印刷インキおよび／または湿し水により除去することを含む、平版印刷版の製版方法。
【請求項１０】
支持体上に、スルホンアミド基を有するポリマーを含有する中間層と、ラジカル重合開始剤、増感色素、重合性化合物及びバインダーポリマーを含有する画像記録層とを順次積層して有する平版印刷版原版をレーザーで画像露光した後、ｐＨが５．０〜１３．５の現像液の存在下、未露光部の画像記録層を除去することを含む、平版印刷版の製版方法。
【請求項１１】
ｐＨが８．５〜１０．８の現像液の存在下、未露光部の画像記録層を除去することを含む、請求項１０に記載の平版印刷版の製版方法。
【請求項１２】
現像液が親水性樹脂を有する、請求項１０又は１１に記載の平版印刷版原版の製版方法。

【図１】