平面型ヒートパイプ
【課題】 発熱パワ−素子を搭載するための、任意の形状の熱移動用回路を高精度に形成でき、薄型でフィンの取付けが容易な平面型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】 少なくとも2枚の略平行に配されたアルミプレートが、その間に熱移動用回路を形成するようにろう付けされており、前記熱移動用回路内に作動液が封入されている平面型ヒートパイプ。
【効果】 熱移動用回路25をプレス成形、打抜き、レーザー加工、切取り等の加工法により形成するので、種々形状の熱移動用回路を微細に高精度に形成できる。又薄型化が可能で柔軟な平面型ヒートパイプが得られ用途が拡大する。熱移動用回路内にグルーブやウィックを設けることができ熱伝導性が向上する。表面がフラットなのでフィンを容易に取つけられ、良好な放熱効果が得られる。
【解決手段】 少なくとも2枚の略平行に配されたアルミプレートが、その間に熱移動用回路を形成するようにろう付けされており、前記熱移動用回路内に作動液が封入されている平面型ヒートパイプ。
【効果】 熱移動用回路25をプレス成形、打抜き、レーザー加工、切取り等の加工法により形成するので、種々形状の熱移動用回路を微細に高精度に形成できる。又薄型化が可能で柔軟な平面型ヒートパイプが得られ用途が拡大する。熱移動用回路内にグルーブやウィックを設けることができ熱伝導性が向上する。表面がフラットなのでフィンを容易に取つけられ、良好な放熱効果が得られる。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transister) 、IPM(Interigent Power Module) 、サイリスター等のパワー素子(トランジスタ)や整流素子等の発熱電子部品を冷却するのに適した、小型で、製造が容易で、しかも伝熱性に優れた平面型ヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や電力機器等に使用されるパワーエレクトロニクス関連の電子部品の有力な冷却手段として、ロールボンドパネルが提案されている。前記ロールボンドパネルは、図23(a) 、(b) に示すように、2枚のアルミニュウムプレート80、81を熱通路25とする部分に剥離剤を介在させて熱圧着し、その後、剥離剤部分を空気圧により膨らませて製造されている。このため、前記ロールボンドパネルの形状は、熱通路25部分が突出したものとなり、前記ロールボンドパネルの表面は凹凸状になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この為、前記ロールボンドパネルには、次のような問題があった。
■熱通路25を空気圧で膨らませて形成する為、回路25の寸法精度を高くできない。又回路25を薄く形成するのが困難である。
■熱圧着させる為、グルーブ(細溝)やウィックを設けることができず、高い熱伝導性が得られない。
■アルミニュウムプレート80、81の表面が凹凸状の為、放熱性向上に有益なフィンの取付けが困難である。
【0004】そこで、本発明は任意の形状の熱通路を高精度に形成でき、薄型化が可能で、グルーブやウィックを設けることができ、フィンの取付けが容易な平面型ヒートパイプの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】第1の発明の態様は、少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートが、間に熱通路を形成してろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されていることを特徴とする平面型ヒートパイプである。
【0006】第2の発明の態様は、前記2枚のアルミニュウムプレート間にコルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートが配されている平面型ヒートパイプである。
【0007】第3の発明の態様は、前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートがアルミニュウムブレージングシートである平面型ヒートパイプである。
【0008】第4の発明の態様は、前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートの凹凸部の側壁に貫通孔が開けられている平面型ヒートパイプである。
【0009】第5の発明の態様は、前記熱通路の開口端に金属チューブがろう付けされており、前記金属チューブの所定箇所が圧着又は/及び溶接により封止されている平面型ヒートパイプである。
【0010】第6の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレート間に、支持体が配されている平面型ヒートパイプである。
【0011】第7の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部が所要数形成されており、前記凸部の先端部分が他方のアルミニュウムプレートに接合されている平面型ヒートパイプである。
【0012】第8の発明の態様は、前記熱通路の内面にグルーブが形成されているか又は/及び前記熱通路内にウィックが配されている平面型ヒートパイプである。
【0013】第9の発明の態様は、前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートの内面に形成された溝、又は前記アルミニュウムプレートの内面を形成するろう材が溶融後凝固して形成された凹凸部である平面型ヒートパイプである。
【0014】第10の発明の態様は、前記ウィックが前記アルミニュウムプレートににろう付けされた波形プレート、円筒状金網、平板金網、又は相互に隣接した多数個の球のいずれかである平面型ヒートパイプである。
【0015】第11の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔加工を行い、前記凸部を前記孔に挿入して前記アルミニュウムプレートの位置決めをする平面型ヒートパイプである。
【0016】第12の発明の態様は、前記アルミニュウムプレートの表面にフィンがろう付けされていることを特徴とする平面型ヒートパイプである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の平面型ヒートパイプは、基本的に、平行に配されたアルミニュウムプレートが、その間に熱通路を形成するようにろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されている構造を有している。
【0018】上記発明において、アルミニュウムプレートには、例えば0.2 mm〜5mm 程度の厚さのJIS-A-1000番台の高熱伝導性のアルミニュウム板材、又はブレージングシートが用いられる。一般に、表面にはアルミニュウムプレートが用いられ、内部にはブレージングシートが用いられる。
【0019】ブレージングシートには、例えば、厚さが0.5 mm〜10mmの、芯材の両側にろう材を付着させた両面接着型のもの等が適用できる。例えば、JIS-BA12PC(芯材3003、ろう材BA4343[Al-6〜8wt %Si合金])、JIS-BA22PC(芯材6951、ろう材BA4343) 、JIS-BA24PC(芯材6951、ろう材BA4045[Al-9〜11wt%Si合金])等である。また、ブレージングシートには、片面接着型のものも適用できる。2枚以上のブレージングシートを配置すれば、必要に応じて接着強度を高めることもできる。接着のためのろう付けは600℃程度の温度に加熱して行う。
【0020】作動液には水、アルコール類、無公害フロン、不凍液、フロリナート(住友スリーエム社製のフッ素系不活性液体)等の通常の熱媒体が適用できる。熱通路の壁面にグルーブを形成するか、回路内にウィックを配しておくと、本発明の平面型ヒートパイプを水平に配置した場合でも、作動液の補給が迅速になされ伝熱特性が向上する。ウィックには、メッシュ、フェルト、不織布状のもの等、通常品が適用できる。
【0021】本発明の平面型ヒートパイプは、表面がフラットなためフィンの取付けが容易である。フィンをろう付けして取り付けると、シリコーン樹脂で接合する場合に較べて、平面型ヒートパイプ本体とフィンとの間の熱伝導性がよくなり、フィンの放熱効果が一段と向上する。
【0022】アルミニュウムプレートの皿状成形や、ブレージングシートの凹凸部の成形はプレス成形により行われる。ブレージングシートの孔開け等には、加工材の厚さが比較的厚い場合(1mm程度以上)は、プレス打抜き、切削加工、水噴流式カッター、レーザー加工等の方法が用いられ、薄い場合は、通常の機械式カッター、レーザー加工機等が用いられる。
【0023】本発明の平面型ヒートパイプの熱通路は、その断面寸法を0.5mm ×0.5mm 以上又はそれに相当する断面積以上にすると、作動液が十分に循環して高い伝熱性が得られるため、好ましい。
【0024】本発明において、少なくとも2枚のアルミニュウムプレートは、ろう付けにより接合されて熱通路が形成される。アルミニュウムプレートのうちのいずれかにブレージングシートを用いると、ろう付けが容易に行える。ろう付けの加熱は、アルミニュウムプレート間にブレージンフシートを挟み、各々がずれない程度の軽い圧力を加えながら行う。加熱温度はブレージングシートの種類によって異なる。一般的には600 ℃前後の温度に加熱してろう付けを行う。加熱は、通常、加熱炉内に入れて行う。この際、フィンのろう付けも一緒に行うと能率的である。
【0025】本発明において、熱通路の少なくとも1カ所に開口部を設けておき、この開口部から作動液を注入する。開口部にアルミニュウム又はアルミニュウム合金等の金属製チューブを気密に取付けておくと、作動液の注入、注入後の封止が容易に行える。封止は、圧着又は溶接により行うのが簡便であるが、ろう付けで行っても良い。圧着に溶接を併用すると封止が確実に行えて好ましい。作動液の種類は使用温度等に応じて適宜変更する。
【0026】本発明において、熱通路の内面にグルーブを形成したり、熱通路内にウィックを配しておくと作動液の循環が迅速になされる。本発明では、前記グルーブはアルミニュウムプレートの圧延時又はプレス成形時等に容易に形成でき、又形成されたグルーブが、後工程で消滅するようなことはない。又種々の形状のウィックを容易に配することができる。
【0027】本発明において、アルミニュウムプレートの一方に凸部を設け、他方に孔部を設け、凸部を孔部に挿入することにより両アルミニュウムプレートの位置決めを行えば、形成される平面型ヒートパイプの寸法精度を向上することができる。
【0028】図1は、本発明の平面型ヒートパイプの第1の実施例を示す組立説明図である。両面接着型のブレージングシート10には、多数の長穴13が平行に形成され、桟14には、桟14を横断する窪み15が桟14の表裏面に交互に形成されている。このブレージングシート10の表面および裏面にアルミニュウムプレート20、21を重ねて所定温度に加熱すると三者は一体ろう付けされる。
【0029】このブレージングシート10は、先に窪み15を形成し、次に長穴13をプレス打抜きして加工すれば形成できる。また、長穴13と桟14の窪み15を1回のプレス加工で形成することもできる。この平面型ヒートパイプの特徴は下記の通りである。
■上下のアルミニュウムプレートが両面接着型のブレージングシートで完全にろう付けされるので、高い内圧にも耐えられる。
■桟の幅方向に窪みが形成されているため、作動液は長穴13と窪み15部分を通って、面方向に連続して流れる。
■桟の幅方向に窪みが形成されているため、アルミニュウムプレートを多数枚重ねる必要がなく、3枚のアルミニュウムプレートで形成できる。
【0030】図2(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第2の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、断面台形状にコルゲート加工されたブレージングシート10の上下面にアルミニュウムプレート20、21を配したものである。補強のために、アルミニュウムプレート20、21の両側端部に打抜加工品30がろう付けされている。ブレージングシート10の端部は打抜加工品30とアルミニュウムプレート20、21の間に挟まれている。
【0031】図2(b)は、上記ブレージングシート10の斜視図である。ブレージングシート10の台形部分の側面には窓が多数開けられている。図2(b)に示したブレージングシート10を適用した平面型ヒートパイプでは、熱通路25は面方向に連続したものとなる。このブレージングシート10は、予め、ブレージングシート10に窓16を開け、次いで断面形状にコルゲート加工して形成される。
【0032】図3は、本発明の平面型ヒートパイプの第3の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、上記コルゲート加工されたブレージングシート10の端部を打抜加工品30とアルミニュウムプレート20、21との間に挟むことはせずに、打抜加工品30をアルミニュウムプレート20、21に直接ろう付けしたものである。ブレージングシート10は打抜加工品30とは独立に、アルミニュウムプレート20、21に直接ろう付けされている。
【0033】図4(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第4の態様を示す平面透視図及び横断面図である。この平面型ヒートパイプは、所要箇所が断面四角状にコルゲート加工されたブレージングシート10の上下面にアルミニュウムプレート20、21が配されたものである。
【0034】図4(a)の40は、作動液を注入するアルミニュウムチューブである。図4(c)は、このブレージングシート10の斜視図である。断面四角状の凹凸部列41が、間隔を開けて複数個所に列形成されている。この凹凸部列41を形成する個々の凸部42は両端が開放されている。従ってこの平面型ヒートパイプでは、熱通路25が面方向に連続するように形成される。このブレージングシート10は、ブレージングシート10の凸部42形成箇所の端部43に切込みを入れ、次いで凸部42形成箇所をプレス成形により突出させて加工される。
【0035】図5(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第5の実施例を示す平面透視図及び横断面図である。この平面型ヒートパイプは、皿状に成形したアルミニュウムプレート22とフラットなままのアルミニュウムプレート20からなり、両者20と22を重ね、周縁部をろう付けして、中央部に空間(熱通路)が空くようにしたものである。前記空間部分の所要個所には、使用時の内圧に耐えるように支持体50がろう付けされている。この支持体50は使用条件によっては用いなくても良い。図5(c)、(d)、(e)、(f)には、前記支持体50の実施例を示す。図5(c)、(d)、(e)、(f)はそれぞれ、円柱状支持体、バレル状支持体、鼓状支持体、球状支持体の斜視図である。
【0036】図6(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第6の実施例を示す組立説明図である。アルミニュウムプレート20上に、中央部分が鍵型に打抜かれたブレージングシート10が配されている。前記打抜部分の内側の所要箇所に、使用時の内圧に耐えるようにブレージングシート製の内枠60がろう付けされている。
【0037】図6(b)は、図6(a)のB−B矢視図である。内枠60の中央部に開けた孔61を、アルミニュウムプレート20にあけたバーリング加工孔部23に嵌合させて、内枠60の位置決めを行っている。内枠の位置決めは、アルミニュウムプレートの内側に窪みを設け、この窪みに内枠を入れて行っても良い。
【0038】このブレージングシート10及び内枠60上にアルミニュウムプレート22を配し、これらをろう付け温度に加熱して平面型ヒートパイプが形成される。バーリング加工孔部23の上面とアルミニュウムプレート22の内面とは、ワイヤ状のろう材を用いて気密にろう付けする。熱移動用回路は、ブレージングシートの外壁部10と内枠60との間に形成される。この熱移動用回路は面方向に連続して形成される。図6(a)の40は作動液を注入するためのアルミニュウムチューブである。
【0039】図7(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例を示すそれぞれ斜視図及び部分縦断面図である。この平面型ヒートパイプは、2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレート23に円錐台状の凸部90が所定間隔を開けて多数形成されており、この円錐台状凸部90の先端部分が他方のアルミニュウムプレート21にろう付けされている。アルミニュウムプレート21は片面ろう材のブレージングシートで、ろう材側を上にして配されている。アルミニュウムプレート21には、アルミニュウムプレート23の周縁部分91と凸部の先端部分92がろう付けされる。
【0040】この平面型ヒートパイプは耐内圧強度に優れる。又図5に示したものと異なり支持体を用いないので、両アルミニュウムプレート21、23の接合が容易に行える。更に、凸部を形成した側のアルミニュウムプレート23の表面も略フラットな形状であり、発熱素子をアルミニュウムプレート21、23のどちらの面に接続しても、高い熱伝導効率が得られる。
【0041】凸部の形状及び個数は用途に応じて任意に選択できるが、小径の凸部を多数形成すると、高強度となり、熱伝導性も均一になる。凸部の形状は、前記の円錐台状の他、円(楕円)柱状、角柱状、円(楕円)錐状、六角錐状、四角錐状等、任意である。
【0042】図8には、本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例の製造方法の一例を示す。図8(a)のように2枚のアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレート23を皿状にプレス成形し、次いで(b)のように皿状に突出した側の所要箇所をプレスにより円錐状に凹ませて反対側に円錐状凸部90を形成し、更に(c)のようにこのアルミニュウムプレート23を円錐状凸部90を下にして、他方のアルミニュウムプレート21上に載せ、これを所定温度に加熱した炉内に保持して両アルミニュウムプレート21、23をろう付けする。この場合、アルミニュウムプレート23の皿部の深さと凸部90の高さは同一にし、他方のアルミニュウムプレート21には片面ろう材のブレージングシートを用いてろう側を上にして配する。前記皿状と凸部のプレス成形は同時に行うこともできる。
【0043】図9に、本発明の平面型ヒートパイプのろう付けと、放熱フィンのろう付けを同時に行う方法を示す。最下段に片面ろう材のブレージングシートからなるアルミニュウムプレート21をろう材側を上にして配し、その上に凸部を有する皿状のアルミニュウムプレート23を凸部を下に向けて配し、その上に両面ろう材のブレージングシート10を配し、その上に4個のブロック状のフィン70を配し、これを炉内に入れてろう付けする。この際ブレージングシート21、10のろう材面にフラックスを塗布しておくと接合強度が増す。
【0044】図10に示すように、左右相隣るフィン70は、フィン70の山部が前後にずれるように配すると熱伝導性が向上する。このフィン付き平面型ヒートパイプは、例えば、MCM(マルチチップモジュール)の上に載せるだけで、MCMを良好に冷却することができる。MCMの上に平面型ヒートパイプを載せる場合は、フィンが上になるように配置する。
【0045】図11は、本発明の平面型ヒートパイプの第8の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、図1に示した平面型ヒートパイプ本体の表面の一方の側にフィン70がブレージングシート11によりろう付けされている。又他方の側に発熱電子部品71がろう付けされている。図11中の40は作動液注入用のアルミニュウムチューブである。
【0046】平面型ヒートパイプを形成するためのろう付けを行う際に、フィンを一緒にろう付けすると効率的である。フィンをろう付けすると、平面型ヒートパイプ本体とフィンとが金属的に接合される為、従来の熱伝導性樹脂を塗布する方法に較べて両者間の熱伝導性が優れ、フィンの放熱効果が向上する。
【0047】図12(a)、(b)、(c)には、平面型ヒートパイプの作動液封入部の実施例を示す。(a)、(b)、(c)はそれぞれ平面図、側面図、及び正面図である。平面型ヒートパイプの熱移動用回路の開口部にアルミニュウムチューブ40が挿入され、アルミニュウムチューブ40は該開口部の周面にろう材46により気密にろう付けされている。前記アルミニュウムチューブ40は、所定箇所がかしめられ、更にその先が溶接により封止されている。
【0048】図13、14、15には、本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す。図13(a)、(b)に示した2枚のアルミニュウムプレート21、23を用いて平面型ヒートパイプを形成する。この際、図9に示したように、フィンを同時に平面型ヒートパイプにろう付けする。図13(a)のアルミニュウムプレート23は、円錐状凸部90を有する皿状成形プレートであり、図13(b)のアルミニュウムプレート21は、片側ろう材のブレージングシートである。
【0049】図14(a)、(b)、(c)には、作動液の注入及び封止の方法を示す。開口端94を突出させて設け(a)、この突出開口端94から作動液を注入したのち、前記突出開口端94の中間部分を上下からかしめ(b)、更に先端を溶接して封止する(c)。溶接にはTIG溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接等が適当である。突出開口端94の先端は、図14(d)に示すように、ヒートパイプの外周より若干内側に位置させる。このようにすると封止後の突出開口端94が外力を受けて破損する恐れが少なくなり、信頼性が向上する。この平面型ヒートパイプでは、突出開口端94の両側がフリーなため(a)、上下からかしめたときにアルミニュウムが横方向に自由にはみ出るのでかしめが確実に行える。
【0050】図15は、本発明の平面型ヒートパイプの第9の実施例であり、上記製造方法により製造したフィン付き平面型ヒートパイプの斜視図である。このようにして製造したフィン付き平面型ヒートパイプを、図15に示すように垂直に配置し、所定箇所をヒーター93で加熱して熱抵抗を測定した。該フィン付き平面型ヒートパイプの熱抵抗は、平面型ヒートパイプと同じ寸法形状のアルミニュウム筐体に放熱フィンをろう付けしたものの熱抵抗の2/3 であった。
【0051】次に、グルーブの形成例およびウィックの配置例について説明する。図16にはグルーブの形成例を、図17にはウィックの配置例を示す。図16(a)、(b)には、本発明の平面型ヒートパイプの第10、第11の実施例を示す。本実施例は、グルーブが形成された平面型ヒートパイプである。図16(a)の平面型ヒートパイプは、2枚のアルミニュウムプレート20、21の内面にグルーブとなる溝51を形成したものである。この溝51はエッチング法や金型プレスにより形成できる。作動液はこの溝に沿って自由に流れる。アルミニュウムプレート20、21はろう材46により接合されている。
【0052】図16(b) の平面型ヒートパイプは、2枚のアルミニュウムプレート20、21の内面がろう材46で形成され、前記ろう材46の表面が一旦溶融したのち凝固して表面が凹凸状に粗面化したもので、この表面の凹凸部52がグルーブとなる。この凹凸部52は2枚のアルミニュウムプレート20、21をろう付けする際に形成される。凹凸部52の形状はろう材の厚さやろう付け温度により制御される。凹凸はろう材が厚い程、ろう付け温度が高い程深くなる。
【0053】図17(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第12の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間に波形プレート53をウィックとして配しており、前記波形プレート53は2枚のアルミニュウムプレート20、21にろう付けされ、アルミニュウムプレート20、21と波形プレート53の接合部近辺54が冷媒通路となる。図17(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第13の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間にウィックとして複数枚平板状金網55を配してある。前記金網55は1枚でも良い。
【0054】図17(c)は、本発明の平面型ヒートパイプの第14の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間にウィックとして円筒状金網56を配してある。図17(d)は、本発明の平面型ヒートパイプの第15の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間に多数個の球57を相互に隣接させて配してある。
【0055】図18には、図17(b)に示した平面型ヒートパイプにフィンを取付けたものの製造方法を示す。ブレージングシート原板を所定形状にプレス加工し、この加工されたブレージングシート10の上に平板状金網55を、その上にブレージングシート10を、その上にフィン70を配し、これをろう付け炉に通してろう付け品とし、これに作動液を入れ真空封止する。内部にグルーブ又はウィックを形成し外部にフィンを取り付けた平面型ヒートパイプをこの製造方法により製造して、図15と同様にこの熱抵抗を測定したところ、グルーブ又はウィックを形成しないものの熱抵抗より10〜20%減少した。
【0056】図19、20、21、22には、本発明の平面型ヒートパイプの第16の実施例を示す。この実施例は2枚のアルミニュウムプレートから形成されており、一方のアルミニュウムプレートには凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔を設けており、この凸部を孔に挿入することによって、アルミニュウムプレートの位置合わせを行う。図19は、位置合わせ用の凸部と孔を設けた平面型ヒートパイプの上視図である。平面型ヒートパイプはL字状に形成されており、位置合わせ101 は2個所設けられている。
【0057】図20に、位置合わせの一実施例の断面図を示す。平面型ヒートパイプは2枚のアルミニュウムプレート102 、103 で形成されている。下側アルミニュウムプレート102 に凸部104 を設け、上側アルミニュウムプレート103 に孔加工部105 を設ける。凸部104 を孔加工部105 に挿入して上下両アルミニュウムプレート102、103 の位置合わせを行う。凸部104 と孔加工部105 のクリアランスを小さくすれば寸法精度をより高くすることができる。
【0058】図21に、位置合わせの他の実施例の断面図を示す。本実施例では、下側アルミニュウムプレート110 の凸部112 をテーパー状にして、上側アルミニュウムプレート111 の孔113 を小さ目にしており、凸部112 が孔113 に食い込む形状となるため、位置合わせの精度を高くすることができるようになっている。
【0059】図22に、位置合わせの実施例の斜視図を示す。本実施例では上側アルミニュウムプレート121 の外形寸法を下側アルミニュウムプレート122 より0.1mm〜0.5mm程度小さくしてあり、前記位置合わせを位置合わせ部123 で行っている。このため、位置合わせに多少ずれが生じても、平面型ヒートパイプの寸法は下側アルミニュウムプレート122 の外形寸法を逸脱することがなく、寸法精度が向上する。したがって、ロボットなどで自動的に平面型ヒートパイプをパワー素子等にねじを用いて装着する場合にも、寸法精度が高いためねじ孔の位置がずれにくくなる。
【0060】なお、凸部と孔部による位置合わせは必要に応じて1個所もしくは複数個所で利用することができる。また、上側アルミニュウムプレートに凸部と孔部を設け、下側アルミニュウムプレートにはこれに互いに挿入できるように対応する孔部と凸部を設けることもできる。
【0061】アルミニュウムプレート又はブレージングシートを3枚以上用いて平面型ヒートポンプを形成する場合には、例えば1枚のアルミニュウムプレートには凸部を設け、他の2枚のアルミニュウムプレートには孔部を設けて、該凸部を該孔部に貫通させることにより3枚以上のアルミニュウムプレート又はブレージングシートの位置決めを行うこともできる。また、対応する凸部と孔部を隣接するアルミニュウムプレート又はブレージングシートにそれぞれ設けてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の平面型ヒートパイプは、熱移動用回路をプレス成形、打抜き、レーザー加工、切取り等の加工法により形成するので、種々形状の熱移動用回路を微細に高精度に形成できる。又薄型化が可能で柔軟な平面型ヒートパイプが得られ用途が拡大する。熱移動用回路内にグルーブやウィックを設けることができ熱伝導性が向上する。表面がフラットなのでフィンを容易に取付けられ、良好な放熱効果が得られる。アルミニュウムプレートの位置合わせに孔と凸部を設けることができ寸法精度が向上する。依って工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面型ヒートパイプの第1の実施例を示す組立説明図である。
【図2】 本発明の平面型ヒートパイプの第2の実施例を示す横断面図(a)、及び前記平面型ヒートパイプで用いるコルゲート加工されたブレージングシートの斜視図(b)である。
【図3】 本発明の平面型ヒートパイプの第3の実施例を示す横断面図である。
【図4】 本発明の平面型ヒートパイプの第4の実施例を示す平面透視図(a)、横断面図(b)、及び前記平面型ヒートパイプで用いる回路形成用ブレージングシートの斜視図(c)である。
【図5】 本発明の平面型ヒートパイプの第5の実施例を示す平面透視図(a)、図5イにおけるA−A矢視断面図(b)、前記平面型ヒートパイプで用いる支持体の斜視図(c)である。
【図6】 本発明の平面型ヒートパイプの第6の実施例を示す組立説明図(a)、図6イにおけるB−B矢視断面図(b)である。
【図7】 本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例を示す側面図(a)、横断面図(b)である。
【図8】 本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す工程説明図である。
【図9】 本発明の平面型ヒートパイプの他の製造方法の実施例を示す工程説明図である。
【図10】 本発明の平面型ヒートパイプ上にフィンを配置する実施例を示す平面図である。
【図11】 本発明の平面型ヒートパイプの第8の実施例を示す平面図である。
【図12】 本発明の平面型ヒートパイプの作動液封入部分の実施例を示す平面図(a)、側面図(b)及び正面図(c)である。
【図13】 本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す説明図である。
【図14】 本発明の平面型ヒートパイプに作動液を注入し封止する方法の説明図である。
【図15】 本発明の平面型ヒートパイプの第9の実施例を示す斜視図である。
【図16】 本発明の平面型ヒートパイプの第10、11の実施例を示す縦断面図である。
【図17】 本発明の平面型ヒートパイプの第12、13、14、15の実施例を示す縦断面図である。
【図18】 本発明の平面型ヒートパイプの第13の実施例の製造工程列を示す説明図である。
【図19】 本発明の平面型ヒートパイプの第16、17の実施例を示す上面図である。
【図20】 本発明の平面型ヒートパイプの第16の実施例を示す断面図である。
【図21】 本発明の平面型ヒートパイプの第17の実施例を示す断面図である。
【図22】 本発明の平面型ヒートパイプの第16、17の実施例を示す斜視図である。
【図23】 従来の平面型ヒートパイプの平面図(a)、図イにおけるC−C矢視断面図(b)である。
【符号の説明】
10、11 ブレ−ジングシ−ト 13 長穴
14 桟 15 窪み 16 窓
20、21、22、23 アルミニウムプレ−ト
25 熱移動用回路 30 抜打加工品
40 アルミニウムチュウブ 41 凹凸部列
42 凹部 43 凹部形成箇所の端部
46 ろう材 50 支持部
51 溝 52 凹凸部
53 波形プレ−ト 54 接合部近辺
55 平面状金網 56 円筒状金網
57 球 60 内枠
61 内枠の中央部に開けた孔 70 フィン
71 発熱電子部品
80、81 凹凸状に形成したアルミニウム板
90 円錐台状の凸部 91 アルミニウムプレ−トの周辺部
92 円錐状凸部の先端部分 93 ヒ−タ
94 突出開口端
102 、103 、110 、111 、121 、122 アルミニウムプレ−ト
104 、112 凸部 105 孔加工部
113 孔 123 位置合わせ部
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transister) 、IPM(Interigent Power Module) 、サイリスター等のパワー素子(トランジスタ)や整流素子等の発熱電子部品を冷却するのに適した、小型で、製造が容易で、しかも伝熱性に優れた平面型ヒートパイプに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器や電力機器等に使用されるパワーエレクトロニクス関連の電子部品の有力な冷却手段として、ロールボンドパネルが提案されている。前記ロールボンドパネルは、図23(a) 、(b) に示すように、2枚のアルミニュウムプレート80、81を熱通路25とする部分に剥離剤を介在させて熱圧着し、その後、剥離剤部分を空気圧により膨らませて製造されている。このため、前記ロールボンドパネルの形状は、熱通路25部分が突出したものとなり、前記ロールボンドパネルの表面は凹凸状になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この為、前記ロールボンドパネルには、次のような問題があった。
【0004】そこで、本発明は任意の形状の熱通路を高精度に形成でき、薄型化が可能で、グルーブやウィックを設けることができ、フィンの取付けが容易な平面型ヒートパイプの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】第1の発明の態様は、少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートが、間に熱通路を形成してろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されていることを特徴とする平面型ヒートパイプである。
【0006】第2の発明の態様は、前記2枚のアルミニュウムプレート間にコルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートが配されている平面型ヒートパイプである。
【0007】第3の発明の態様は、前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートがアルミニュウムブレージングシートである平面型ヒートパイプである。
【0008】第4の発明の態様は、前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートの凹凸部の側壁に貫通孔が開けられている平面型ヒートパイプである。
【0009】第5の発明の態様は、前記熱通路の開口端に金属チューブがろう付けされており、前記金属チューブの所定箇所が圧着又は/及び溶接により封止されている平面型ヒートパイプである。
【0010】第6の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレート間に、支持体が配されている平面型ヒートパイプである。
【0011】第7の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部が所要数形成されており、前記凸部の先端部分が他方のアルミニュウムプレートに接合されている平面型ヒートパイプである。
【0012】第8の発明の態様は、前記熱通路の内面にグルーブが形成されているか又は/及び前記熱通路内にウィックが配されている平面型ヒートパイプである。
【0013】第9の発明の態様は、前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートの内面に形成された溝、又は前記アルミニュウムプレートの内面を形成するろう材が溶融後凝固して形成された凹凸部である平面型ヒートパイプである。
【0014】第10の発明の態様は、前記ウィックが前記アルミニュウムプレートににろう付けされた波形プレート、円筒状金網、平板金網、又は相互に隣接した多数個の球のいずれかである平面型ヒートパイプである。
【0015】第11の発明の態様は、前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔加工を行い、前記凸部を前記孔に挿入して前記アルミニュウムプレートの位置決めをする平面型ヒートパイプである。
【0016】第12の発明の態様は、前記アルミニュウムプレートの表面にフィンがろう付けされていることを特徴とする平面型ヒートパイプである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の平面型ヒートパイプは、基本的に、平行に配されたアルミニュウムプレートが、その間に熱通路を形成するようにろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されている構造を有している。
【0018】上記発明において、アルミニュウムプレートには、例えば0.2 mm〜5mm 程度の厚さのJIS-A-1000番台の高熱伝導性のアルミニュウム板材、又はブレージングシートが用いられる。一般に、表面にはアルミニュウムプレートが用いられ、内部にはブレージングシートが用いられる。
【0019】ブレージングシートには、例えば、厚さが0.5 mm〜10mmの、芯材の両側にろう材を付着させた両面接着型のもの等が適用できる。例えば、JIS-BA12PC(芯材3003、ろう材BA4343[Al-6〜8wt %Si合金])、JIS-BA22PC(芯材6951、ろう材BA4343) 、JIS-BA24PC(芯材6951、ろう材BA4045[Al-9〜11wt%Si合金])等である。また、ブレージングシートには、片面接着型のものも適用できる。2枚以上のブレージングシートを配置すれば、必要に応じて接着強度を高めることもできる。接着のためのろう付けは600℃程度の温度に加熱して行う。
【0020】作動液には水、アルコール類、無公害フロン、不凍液、フロリナート(住友スリーエム社製のフッ素系不活性液体)等の通常の熱媒体が適用できる。熱通路の壁面にグルーブを形成するか、回路内にウィックを配しておくと、本発明の平面型ヒートパイプを水平に配置した場合でも、作動液の補給が迅速になされ伝熱特性が向上する。ウィックには、メッシュ、フェルト、不織布状のもの等、通常品が適用できる。
【0021】本発明の平面型ヒートパイプは、表面がフラットなためフィンの取付けが容易である。フィンをろう付けして取り付けると、シリコーン樹脂で接合する場合に較べて、平面型ヒートパイプ本体とフィンとの間の熱伝導性がよくなり、フィンの放熱効果が一段と向上する。
【0022】アルミニュウムプレートの皿状成形や、ブレージングシートの凹凸部の成形はプレス成形により行われる。ブレージングシートの孔開け等には、加工材の厚さが比較的厚い場合(1mm程度以上)は、プレス打抜き、切削加工、水噴流式カッター、レーザー加工等の方法が用いられ、薄い場合は、通常の機械式カッター、レーザー加工機等が用いられる。
【0023】本発明の平面型ヒートパイプの熱通路は、その断面寸法を0.5mm ×0.5mm 以上又はそれに相当する断面積以上にすると、作動液が十分に循環して高い伝熱性が得られるため、好ましい。
【0024】本発明において、少なくとも2枚のアルミニュウムプレートは、ろう付けにより接合されて熱通路が形成される。アルミニュウムプレートのうちのいずれかにブレージングシートを用いると、ろう付けが容易に行える。ろう付けの加熱は、アルミニュウムプレート間にブレージンフシートを挟み、各々がずれない程度の軽い圧力を加えながら行う。加熱温度はブレージングシートの種類によって異なる。一般的には600 ℃前後の温度に加熱してろう付けを行う。加熱は、通常、加熱炉内に入れて行う。この際、フィンのろう付けも一緒に行うと能率的である。
【0025】本発明において、熱通路の少なくとも1カ所に開口部を設けておき、この開口部から作動液を注入する。開口部にアルミニュウム又はアルミニュウム合金等の金属製チューブを気密に取付けておくと、作動液の注入、注入後の封止が容易に行える。封止は、圧着又は溶接により行うのが簡便であるが、ろう付けで行っても良い。圧着に溶接を併用すると封止が確実に行えて好ましい。作動液の種類は使用温度等に応じて適宜変更する。
【0026】本発明において、熱通路の内面にグルーブを形成したり、熱通路内にウィックを配しておくと作動液の循環が迅速になされる。本発明では、前記グルーブはアルミニュウムプレートの圧延時又はプレス成形時等に容易に形成でき、又形成されたグルーブが、後工程で消滅するようなことはない。又種々の形状のウィックを容易に配することができる。
【0027】本発明において、アルミニュウムプレートの一方に凸部を設け、他方に孔部を設け、凸部を孔部に挿入することにより両アルミニュウムプレートの位置決めを行えば、形成される平面型ヒートパイプの寸法精度を向上することができる。
【0028】図1は、本発明の平面型ヒートパイプの第1の実施例を示す組立説明図である。両面接着型のブレージングシート10には、多数の長穴13が平行に形成され、桟14には、桟14を横断する窪み15が桟14の表裏面に交互に形成されている。このブレージングシート10の表面および裏面にアルミニュウムプレート20、21を重ねて所定温度に加熱すると三者は一体ろう付けされる。
【0029】このブレージングシート10は、先に窪み15を形成し、次に長穴13をプレス打抜きして加工すれば形成できる。また、長穴13と桟14の窪み15を1回のプレス加工で形成することもできる。この平面型ヒートパイプの特徴は下記の通りである。
【0030】図2(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第2の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、断面台形状にコルゲート加工されたブレージングシート10の上下面にアルミニュウムプレート20、21を配したものである。補強のために、アルミニュウムプレート20、21の両側端部に打抜加工品30がろう付けされている。ブレージングシート10の端部は打抜加工品30とアルミニュウムプレート20、21の間に挟まれている。
【0031】図2(b)は、上記ブレージングシート10の斜視図である。ブレージングシート10の台形部分の側面には窓が多数開けられている。図2(b)に示したブレージングシート10を適用した平面型ヒートパイプでは、熱通路25は面方向に連続したものとなる。このブレージングシート10は、予め、ブレージングシート10に窓16を開け、次いで断面形状にコルゲート加工して形成される。
【0032】図3は、本発明の平面型ヒートパイプの第3の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、上記コルゲート加工されたブレージングシート10の端部を打抜加工品30とアルミニュウムプレート20、21との間に挟むことはせずに、打抜加工品30をアルミニュウムプレート20、21に直接ろう付けしたものである。ブレージングシート10は打抜加工品30とは独立に、アルミニュウムプレート20、21に直接ろう付けされている。
【0033】図4(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第4の態様を示す平面透視図及び横断面図である。この平面型ヒートパイプは、所要箇所が断面四角状にコルゲート加工されたブレージングシート10の上下面にアルミニュウムプレート20、21が配されたものである。
【0034】図4(a)の40は、作動液を注入するアルミニュウムチューブである。図4(c)は、このブレージングシート10の斜視図である。断面四角状の凹凸部列41が、間隔を開けて複数個所に列形成されている。この凹凸部列41を形成する個々の凸部42は両端が開放されている。従ってこの平面型ヒートパイプでは、熱通路25が面方向に連続するように形成される。このブレージングシート10は、ブレージングシート10の凸部42形成箇所の端部43に切込みを入れ、次いで凸部42形成箇所をプレス成形により突出させて加工される。
【0035】図5(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第5の実施例を示す平面透視図及び横断面図である。この平面型ヒートパイプは、皿状に成形したアルミニュウムプレート22とフラットなままのアルミニュウムプレート20からなり、両者20と22を重ね、周縁部をろう付けして、中央部に空間(熱通路)が空くようにしたものである。前記空間部分の所要個所には、使用時の内圧に耐えるように支持体50がろう付けされている。この支持体50は使用条件によっては用いなくても良い。図5(c)、(d)、(e)、(f)には、前記支持体50の実施例を示す。図5(c)、(d)、(e)、(f)はそれぞれ、円柱状支持体、バレル状支持体、鼓状支持体、球状支持体の斜視図である。
【0036】図6(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第6の実施例を示す組立説明図である。アルミニュウムプレート20上に、中央部分が鍵型に打抜かれたブレージングシート10が配されている。前記打抜部分の内側の所要箇所に、使用時の内圧に耐えるようにブレージングシート製の内枠60がろう付けされている。
【0037】図6(b)は、図6(a)のB−B矢視図である。内枠60の中央部に開けた孔61を、アルミニュウムプレート20にあけたバーリング加工孔部23に嵌合させて、内枠60の位置決めを行っている。内枠の位置決めは、アルミニュウムプレートの内側に窪みを設け、この窪みに内枠を入れて行っても良い。
【0038】このブレージングシート10及び内枠60上にアルミニュウムプレート22を配し、これらをろう付け温度に加熱して平面型ヒートパイプが形成される。バーリング加工孔部23の上面とアルミニュウムプレート22の内面とは、ワイヤ状のろう材を用いて気密にろう付けする。熱移動用回路は、ブレージングシートの外壁部10と内枠60との間に形成される。この熱移動用回路は面方向に連続して形成される。図6(a)の40は作動液を注入するためのアルミニュウムチューブである。
【0039】図7(a)、(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例を示すそれぞれ斜視図及び部分縦断面図である。この平面型ヒートパイプは、2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレート23に円錐台状の凸部90が所定間隔を開けて多数形成されており、この円錐台状凸部90の先端部分が他方のアルミニュウムプレート21にろう付けされている。アルミニュウムプレート21は片面ろう材のブレージングシートで、ろう材側を上にして配されている。アルミニュウムプレート21には、アルミニュウムプレート23の周縁部分91と凸部の先端部分92がろう付けされる。
【0040】この平面型ヒートパイプは耐内圧強度に優れる。又図5に示したものと異なり支持体を用いないので、両アルミニュウムプレート21、23の接合が容易に行える。更に、凸部を形成した側のアルミニュウムプレート23の表面も略フラットな形状であり、発熱素子をアルミニュウムプレート21、23のどちらの面に接続しても、高い熱伝導効率が得られる。
【0041】凸部の形状及び個数は用途に応じて任意に選択できるが、小径の凸部を多数形成すると、高強度となり、熱伝導性も均一になる。凸部の形状は、前記の円錐台状の他、円(楕円)柱状、角柱状、円(楕円)錐状、六角錐状、四角錐状等、任意である。
【0042】図8には、本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例の製造方法の一例を示す。図8(a)のように2枚のアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレート23を皿状にプレス成形し、次いで(b)のように皿状に突出した側の所要箇所をプレスにより円錐状に凹ませて反対側に円錐状凸部90を形成し、更に(c)のようにこのアルミニュウムプレート23を円錐状凸部90を下にして、他方のアルミニュウムプレート21上に載せ、これを所定温度に加熱した炉内に保持して両アルミニュウムプレート21、23をろう付けする。この場合、アルミニュウムプレート23の皿部の深さと凸部90の高さは同一にし、他方のアルミニュウムプレート21には片面ろう材のブレージングシートを用いてろう側を上にして配する。前記皿状と凸部のプレス成形は同時に行うこともできる。
【0043】図9に、本発明の平面型ヒートパイプのろう付けと、放熱フィンのろう付けを同時に行う方法を示す。最下段に片面ろう材のブレージングシートからなるアルミニュウムプレート21をろう材側を上にして配し、その上に凸部を有する皿状のアルミニュウムプレート23を凸部を下に向けて配し、その上に両面ろう材のブレージングシート10を配し、その上に4個のブロック状のフィン70を配し、これを炉内に入れてろう付けする。この際ブレージングシート21、10のろう材面にフラックスを塗布しておくと接合強度が増す。
【0044】図10に示すように、左右相隣るフィン70は、フィン70の山部が前後にずれるように配すると熱伝導性が向上する。このフィン付き平面型ヒートパイプは、例えば、MCM(マルチチップモジュール)の上に載せるだけで、MCMを良好に冷却することができる。MCMの上に平面型ヒートパイプを載せる場合は、フィンが上になるように配置する。
【0045】図11は、本発明の平面型ヒートパイプの第8の実施例を示す横断面図である。この平面型ヒートパイプは、図1に示した平面型ヒートパイプ本体の表面の一方の側にフィン70がブレージングシート11によりろう付けされている。又他方の側に発熱電子部品71がろう付けされている。図11中の40は作動液注入用のアルミニュウムチューブである。
【0046】平面型ヒートパイプを形成するためのろう付けを行う際に、フィンを一緒にろう付けすると効率的である。フィンをろう付けすると、平面型ヒートパイプ本体とフィンとが金属的に接合される為、従来の熱伝導性樹脂を塗布する方法に較べて両者間の熱伝導性が優れ、フィンの放熱効果が向上する。
【0047】図12(a)、(b)、(c)には、平面型ヒートパイプの作動液封入部の実施例を示す。(a)、(b)、(c)はそれぞれ平面図、側面図、及び正面図である。平面型ヒートパイプの熱移動用回路の開口部にアルミニュウムチューブ40が挿入され、アルミニュウムチューブ40は該開口部の周面にろう材46により気密にろう付けされている。前記アルミニュウムチューブ40は、所定箇所がかしめられ、更にその先が溶接により封止されている。
【0048】図13、14、15には、本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す。図13(a)、(b)に示した2枚のアルミニュウムプレート21、23を用いて平面型ヒートパイプを形成する。この際、図9に示したように、フィンを同時に平面型ヒートパイプにろう付けする。図13(a)のアルミニュウムプレート23は、円錐状凸部90を有する皿状成形プレートであり、図13(b)のアルミニュウムプレート21は、片側ろう材のブレージングシートである。
【0049】図14(a)、(b)、(c)には、作動液の注入及び封止の方法を示す。開口端94を突出させて設け(a)、この突出開口端94から作動液を注入したのち、前記突出開口端94の中間部分を上下からかしめ(b)、更に先端を溶接して封止する(c)。溶接にはTIG溶接、プラズマ溶接、レーザー溶接等が適当である。突出開口端94の先端は、図14(d)に示すように、ヒートパイプの外周より若干内側に位置させる。このようにすると封止後の突出開口端94が外力を受けて破損する恐れが少なくなり、信頼性が向上する。この平面型ヒートパイプでは、突出開口端94の両側がフリーなため(a)、上下からかしめたときにアルミニュウムが横方向に自由にはみ出るのでかしめが確実に行える。
【0050】図15は、本発明の平面型ヒートパイプの第9の実施例であり、上記製造方法により製造したフィン付き平面型ヒートパイプの斜視図である。このようにして製造したフィン付き平面型ヒートパイプを、図15に示すように垂直に配置し、所定箇所をヒーター93で加熱して熱抵抗を測定した。該フィン付き平面型ヒートパイプの熱抵抗は、平面型ヒートパイプと同じ寸法形状のアルミニュウム筐体に放熱フィンをろう付けしたものの熱抵抗の2/3 であった。
【0051】次に、グルーブの形成例およびウィックの配置例について説明する。図16にはグルーブの形成例を、図17にはウィックの配置例を示す。図16(a)、(b)には、本発明の平面型ヒートパイプの第10、第11の実施例を示す。本実施例は、グルーブが形成された平面型ヒートパイプである。図16(a)の平面型ヒートパイプは、2枚のアルミニュウムプレート20、21の内面にグルーブとなる溝51を形成したものである。この溝51はエッチング法や金型プレスにより形成できる。作動液はこの溝に沿って自由に流れる。アルミニュウムプレート20、21はろう材46により接合されている。
【0052】図16(b) の平面型ヒートパイプは、2枚のアルミニュウムプレート20、21の内面がろう材46で形成され、前記ろう材46の表面が一旦溶融したのち凝固して表面が凹凸状に粗面化したもので、この表面の凹凸部52がグルーブとなる。この凹凸部52は2枚のアルミニュウムプレート20、21をろう付けする際に形成される。凹凸部52の形状はろう材の厚さやろう付け温度により制御される。凹凸はろう材が厚い程、ろう付け温度が高い程深くなる。
【0053】図17(a)は、本発明の平面型ヒートパイプの第12の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間に波形プレート53をウィックとして配しており、前記波形プレート53は2枚のアルミニュウムプレート20、21にろう付けされ、アルミニュウムプレート20、21と波形プレート53の接合部近辺54が冷媒通路となる。図17(b)は、本発明の平面型ヒートパイプの第13の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間にウィックとして複数枚平板状金網55を配してある。前記金網55は1枚でも良い。
【0054】図17(c)は、本発明の平面型ヒートパイプの第14の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間にウィックとして円筒状金網56を配してある。図17(d)は、本発明の平面型ヒートパイプの第15の実施例を示したものである。この実施例では、2枚のアルミニュウムプレート20、21の間に多数個の球57を相互に隣接させて配してある。
【0055】図18には、図17(b)に示した平面型ヒートパイプにフィンを取付けたものの製造方法を示す。ブレージングシート原板を所定形状にプレス加工し、この加工されたブレージングシート10の上に平板状金網55を、その上にブレージングシート10を、その上にフィン70を配し、これをろう付け炉に通してろう付け品とし、これに作動液を入れ真空封止する。内部にグルーブ又はウィックを形成し外部にフィンを取り付けた平面型ヒートパイプをこの製造方法により製造して、図15と同様にこの熱抵抗を測定したところ、グルーブ又はウィックを形成しないものの熱抵抗より10〜20%減少した。
【0056】図19、20、21、22には、本発明の平面型ヒートパイプの第16の実施例を示す。この実施例は2枚のアルミニュウムプレートから形成されており、一方のアルミニュウムプレートには凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔を設けており、この凸部を孔に挿入することによって、アルミニュウムプレートの位置合わせを行う。図19は、位置合わせ用の凸部と孔を設けた平面型ヒートパイプの上視図である。平面型ヒートパイプはL字状に形成されており、位置合わせ101 は2個所設けられている。
【0057】図20に、位置合わせの一実施例の断面図を示す。平面型ヒートパイプは2枚のアルミニュウムプレート102 、103 で形成されている。下側アルミニュウムプレート102 に凸部104 を設け、上側アルミニュウムプレート103 に孔加工部105 を設ける。凸部104 を孔加工部105 に挿入して上下両アルミニュウムプレート102、103 の位置合わせを行う。凸部104 と孔加工部105 のクリアランスを小さくすれば寸法精度をより高くすることができる。
【0058】図21に、位置合わせの他の実施例の断面図を示す。本実施例では、下側アルミニュウムプレート110 の凸部112 をテーパー状にして、上側アルミニュウムプレート111 の孔113 を小さ目にしており、凸部112 が孔113 に食い込む形状となるため、位置合わせの精度を高くすることができるようになっている。
【0059】図22に、位置合わせの実施例の斜視図を示す。本実施例では上側アルミニュウムプレート121 の外形寸法を下側アルミニュウムプレート122 より0.1mm〜0.5mm程度小さくしてあり、前記位置合わせを位置合わせ部123 で行っている。このため、位置合わせに多少ずれが生じても、平面型ヒートパイプの寸法は下側アルミニュウムプレート122 の外形寸法を逸脱することがなく、寸法精度が向上する。したがって、ロボットなどで自動的に平面型ヒートパイプをパワー素子等にねじを用いて装着する場合にも、寸法精度が高いためねじ孔の位置がずれにくくなる。
【0060】なお、凸部と孔部による位置合わせは必要に応じて1個所もしくは複数個所で利用することができる。また、上側アルミニュウムプレートに凸部と孔部を設け、下側アルミニュウムプレートにはこれに互いに挿入できるように対応する孔部と凸部を設けることもできる。
【0061】アルミニュウムプレート又はブレージングシートを3枚以上用いて平面型ヒートポンプを形成する場合には、例えば1枚のアルミニュウムプレートには凸部を設け、他の2枚のアルミニュウムプレートには孔部を設けて、該凸部を該孔部に貫通させることにより3枚以上のアルミニュウムプレート又はブレージングシートの位置決めを行うこともできる。また、対応する凸部と孔部を隣接するアルミニュウムプレート又はブレージングシートにそれぞれ設けてもよい。
【0062】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の平面型ヒートパイプは、熱移動用回路をプレス成形、打抜き、レーザー加工、切取り等の加工法により形成するので、種々形状の熱移動用回路を微細に高精度に形成できる。又薄型化が可能で柔軟な平面型ヒートパイプが得られ用途が拡大する。熱移動用回路内にグルーブやウィックを設けることができ熱伝導性が向上する。表面がフラットなのでフィンを容易に取付けられ、良好な放熱効果が得られる。アルミニュウムプレートの位置合わせに孔と凸部を設けることができ寸法精度が向上する。依って工業上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の平面型ヒートパイプの第1の実施例を示す組立説明図である。
【図2】 本発明の平面型ヒートパイプの第2の実施例を示す横断面図(a)、及び前記平面型ヒートパイプで用いるコルゲート加工されたブレージングシートの斜視図(b)である。
【図3】 本発明の平面型ヒートパイプの第3の実施例を示す横断面図である。
【図4】 本発明の平面型ヒートパイプの第4の実施例を示す平面透視図(a)、横断面図(b)、及び前記平面型ヒートパイプで用いる回路形成用ブレージングシートの斜視図(c)である。
【図5】 本発明の平面型ヒートパイプの第5の実施例を示す平面透視図(a)、図5イにおけるA−A矢視断面図(b)、前記平面型ヒートパイプで用いる支持体の斜視図(c)である。
【図6】 本発明の平面型ヒートパイプの第6の実施例を示す組立説明図(a)、図6イにおけるB−B矢視断面図(b)である。
【図7】 本発明の平面型ヒートパイプの第7の実施例を示す側面図(a)、横断面図(b)である。
【図8】 本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す工程説明図である。
【図9】 本発明の平面型ヒートパイプの他の製造方法の実施例を示す工程説明図である。
【図10】 本発明の平面型ヒートパイプ上にフィンを配置する実施例を示す平面図である。
【図11】 本発明の平面型ヒートパイプの第8の実施例を示す平面図である。
【図12】 本発明の平面型ヒートパイプの作動液封入部分の実施例を示す平面図(a)、側面図(b)及び正面図(c)である。
【図13】 本発明の平面型ヒートパイプの製造方法の実施例を示す説明図である。
【図14】 本発明の平面型ヒートパイプに作動液を注入し封止する方法の説明図である。
【図15】 本発明の平面型ヒートパイプの第9の実施例を示す斜視図である。
【図16】 本発明の平面型ヒートパイプの第10、11の実施例を示す縦断面図である。
【図17】 本発明の平面型ヒートパイプの第12、13、14、15の実施例を示す縦断面図である。
【図18】 本発明の平面型ヒートパイプの第13の実施例の製造工程列を示す説明図である。
【図19】 本発明の平面型ヒートパイプの第16、17の実施例を示す上面図である。
【図20】 本発明の平面型ヒートパイプの第16の実施例を示す断面図である。
【図21】 本発明の平面型ヒートパイプの第17の実施例を示す断面図である。
【図22】 本発明の平面型ヒートパイプの第16、17の実施例を示す斜視図である。
【図23】 従来の平面型ヒートパイプの平面図(a)、図イにおけるC−C矢視断面図(b)である。
【符号の説明】
10、11 ブレ−ジングシ−ト 13 長穴
14 桟 15 窪み 16 窓
20、21、22、23 アルミニウムプレ−ト
25 熱移動用回路 30 抜打加工品
40 アルミニウムチュウブ 41 凹凸部列
42 凹部 43 凹部形成箇所の端部
46 ろう材 50 支持部
51 溝 52 凹凸部
53 波形プレ−ト 54 接合部近辺
55 平面状金網 56 円筒状金網
57 球 60 内枠
61 内枠の中央部に開けた孔 70 フィン
71 発熱電子部品
80、81 凹凸状に形成したアルミニウム板
90 円錐台状の凸部 91 アルミニウムプレ−トの周辺部
92 円錐状凸部の先端部分 93 ヒ−タ
94 突出開口端
102 、103 、110 、111 、121 、122 アルミニウムプレ−ト
104 、112 凸部 105 孔加工部
113 孔 123 位置合わせ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】 平行に配されたアルミニュウムプレートが、その間に熱通路を形成するようにろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されていることを特徴とする平面型ヒートパイプ。
【請求項2】 前記アルミニュウムプレート間にコルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートが配設されていることを特徴とする請求項2記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項3】 前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートがアルミニュウムブレージングシートであることを特徴とする請求項2記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項4】 前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートの凹凸部の側壁に貫通孔が開けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項5】 前記熱通路の開口端に金属チューブがろう付けされており、前記金属チューブの所定箇所が圧着又は/及び溶接により封止されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項6】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレート間に、該アルミニウムプレ−トが所定の間隔を保つように支持体が配されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項7】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部が所要数形成されており、前記凸部の先端部分が他方のアルミニュウムプレートに接合されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項8】 前記熱通路の内面にグループが形成されているか又は/及び前記熱通路内にウィックが配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項9】 前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートの内面に形成された溝、又は前記アルミニュウムプレートの内面を形成するろう材が溶融後凝固して形成された凹凸部であることを特徴とする請求項8記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項10】 前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートにろう付けされた波形プレート、円筒状金網、平板状金網、又は相互に隣接した多数個の球のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項11】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔加工を行い、前記凸部を前記孔に挿入して前記アルミニュウムプレートの位置決めをすることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項12】 前記アルミニュウムプレートの表面の一部又は全部にフィンがろう付けされていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項1】 平行に配されたアルミニュウムプレートが、その間に熱通路を形成するようにろう付けされており、前記熱通路内に作動液が封入されていることを特徴とする平面型ヒートパイプ。
【請求項2】 前記アルミニュウムプレート間にコルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートが配設されていることを特徴とする請求項2記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項3】 前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートがアルミニュウムブレージングシートであることを特徴とする請求項2記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項4】 前記コルゲート状に加工されたアルミニュウムプレートの凹凸部の側壁に貫通孔が開けられていることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項5】 前記熱通路の開口端に金属チューブがろう付けされており、前記金属チューブの所定箇所が圧着又は/及び溶接により封止されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項6】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレート間に、該アルミニウムプレ−トが所定の間隔を保つように支持体が配されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項7】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部が所要数形成されており、前記凸部の先端部分が他方のアルミニュウムプレートに接合されていることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項8】 前記熱通路の内面にグループが形成されているか又は/及び前記熱通路内にウィックが配されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項9】 前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートの内面に形成された溝、又は前記アルミニュウムプレートの内面を形成するろう材が溶融後凝固して形成された凹凸部であることを特徴とする請求項8記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項10】 前記ウィックが、前記アルミニュウムプレートにろう付けされた波形プレート、円筒状金網、平板状金網、又は相互に隣接した多数個の球のいずれかであることを特徴とする請求項8記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項11】 前記少なくとも2枚の略平行に配されたアルミニュウムプレートの、一方のアルミニュウムプレートに凸部を設け、他方のアルミニュウムプレートには孔加工を行い、前記凸部を前記孔に挿入して前記アルミニュウムプレートの位置決めをすることを特徴とする請求項1記載の平面型ヒートパイプ。
【請求項12】 前記アルミニュウムプレートの表面の一部又は全部にフィンがろう付けされていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の平面型ヒートパイプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図15】
【図13】
【図14】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
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【図4】
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【図11】
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【図13】
【図14】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
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【公開番号】特開平10−38484
【公開日】平成10年(1998)2月13日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−312980
【出願日】平成8年(1996)11月8日
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【公開日】平成10年(1998)2月13日
【国際特許分類】
【出願日】平成8年(1996)11月8日
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
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