平面型放電ランプ
【課題】 安定して均一な面発光を得ることができる平面型放電ランプを提供する。
【解決手段】 所定の間隔で前面基板1と背面基板2とを対向配置し、前面基板と背面基板との周囲を外枠3にて囲い、当該前面基板と背面基板との間に放電空間を形成し、放電空間内に水銀又は希ガスを封入し、前面基板と背面基板とに電圧を印加するために放電空間内あるいは放電空間外に少なくとも1対の電極6a,6bを設置し、放電空間内で放電発光させる平面型放電ランプであって、前面基板と背面基板との間に介在させるスペーサ5によって放電空間を複数の放電分空間5−1,5−2に分割し、放電分空間は、外枠に隣接する放電分空間5−1の断面積をその他の放電分空間5−2の断面積よりも小さくした。
【解決手段】 所定の間隔で前面基板1と背面基板2とを対向配置し、前面基板と背面基板との周囲を外枠3にて囲い、当該前面基板と背面基板との間に放電空間を形成し、放電空間内に水銀又は希ガスを封入し、前面基板と背面基板とに電圧を印加するために放電空間内あるいは放電空間外に少なくとも1対の電極6a,6bを設置し、放電空間内で放電発光させる平面型放電ランプであって、前面基板と背面基板との間に介在させるスペーサ5によって放電空間を複数の放電分空間5−1,5−2に分割し、放電分空間は、外枠に隣接する放電分空間5−1の断面積をその他の放電分空間5−2の断面積よりも小さくした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶バックライトや一般照明などで用いられる平面型放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前面基板と背面基板とを対向配置し、四周を側壁やフリットガラスで気密に封着して放電空間を形成し、その放電空間に水銀又は希ガスを封入し、相対2辺のガラス表面に電極を設置して放電電圧を両基板間に印加する構造の平面型放電ランプが知られている。しかしながら、従来の平面型放電ランプでは次のような問題点があった。発光面積が特に大面積となる場合、放電空間が広くなりすぎるため、放電空間のある特定部分のみにプラズマが集中してしまい、陽光柱が収縮し、輝度を均一に保つことが困難になり、また、大気圧によって前面基板と背面基板とが変形あるいは爆縮する恐れがあった。このような理由から、従来の平面型放電ランプには前面基板と背面基板の間の放電空間にスペーサやリブを設けたものが開発されている。
【0003】
図28は特公平6−50624号公報(特許文献1)の図1に記載された、1種の面光源装置である平面型放電ランプの従来例を示している。この従来例の平面型放電ランプは、当該公報の図によれば、発光面となる透光性を有する面板10と、該面板10の内面に形成された透明導電膜から成る電極20と、該透明導電膜20が外部電極とされる部分以外を覆って設けられた透光性を有する誘電体層30と、前記面板と対向配置された絶縁基板40と、該絶縁基板40に被着された蛍光体60から成り、前面基板10と絶縁基板40とが一体に封着され、内部に希ガスと水銀が封入され、前記絶縁基板40に設けられた放電路50の断面形状が、面板に向かって開くような勾配や曲面又はそれらを組み合わせた形状に形成したことを特徴としている。そして電極20は放電路50に対し直交して配置される構成である。
【0004】
図29は、特開2005−32722号公報(特許文献2)に示された平面型放電ランプの別の従来例の斜視図であり、図30はその断面図である。この従来例の平面型放電ランプである前面基板面光源装置100は、光源本体110、空間分割壁120及び放電電圧印加部130を含む。光源本体110は平らな空間112を有する。光源本体110は底面110aと光出射面110fを対向させて配置し、その周辺部を側壁110b、110c、110d、110eで囲って放電容器を形成している。光源本体110の内部には、少なくとも一つ以上の空間分割壁120が配置されており、複数の放電空間を形成する構成である。一対の放電電圧印加部130は空間分割壁120の長さ方向に対して垂直方向に配置される。放電ガス114は、微量のアルゴン、ネオン、キセノン、及びクリプトンのうち一つ以上が水銀とともに含まれる。蛍光体層116は光源本体110の内壁及び空間分割壁120の表面に薄い薄膜形態で形成されている。蛍光体層116は放電ガス114から発生した紫外線を可視光線に変換する。光反射層199は底面110aと側壁110b、110c、110d、110eの内側面に形成され、各放電空間から発生した光を光出射面110fに反射させる。放電電圧印加部130は光源本体110の内部で放電を起こすために、光源本体110の表面に配置されている。放電電圧印加部130は、空間分割壁120の長さ方向に対して垂直方向に配置されている。
【0005】
図31は、特開2005−32722号公報(特許文献2)に示された平面型放電ランプのさらに別の従来例の斜視図である。図31では、スペーサによって分割される各放電空間の均一な圧力分布を得るために、各分割壁120には少なくとも一つの貫通孔126が形成されている。貫通孔126は、放電電圧印加部126とオーバーラップされない位置に形成されることが望ましく、本例ではランプの中央部に設けられている。
【0006】
このような従来例の場合、ランプの発光状態が不均一となる問題点がある。
【0007】
図32は、さらに他の従来例の平面型放電ランプの側壁3、スペーサ5、電極6a,6bの相対的な位置関係を示した断面図で、電極6a,6bはランプ外壁に配置されるか、又は、ランプ内壁に塗布された後誘電体層でコートされた構成がとられている。ランプの排気やガス導入を容易にするために、スペーサ5は、その両端部が、側壁3に接しないように配置され、それぞれの放電空間が繋がるような構成されているが、電極6a,6b間に交流電圧を印加すると、全ての放電空間には放電路が形成されず、図32に斜線を施して示した部分のように、部分的に発光する現象が発生する。
【0008】
この原因は、次の通りである。各放電空間の両端部に作用するように配置される電極6aと6bに電圧を印加すると、全ての放電空間に電界が作用する。従来の構造のように、スペーサで分割された放電分空間の断面積がすべて同じである場合、側壁3に隣接する一番端の放電分空間Aは、封着に用いられるフリットガラスや側壁3の影響により放電空間のインピーダンスが低く、一番最初に放電が開始する。放電路が形成された空間Aでは、両端の電極部の表面を覆っている誘電体層(ガラス部)に印加される電圧は、放電路が形成される前は印加電圧と逆極性のものが印加されていたが、放電路Aの形成により印加電圧と同極性のものに変化するため、結果的に、空間Aに印加される電圧が低減して放電が終了する。放電空間Aに隣り合う、放電路が形成されていない空間Bの電極部の表面を覆っている誘電体層(ガラス部)では放電に至っていないので、印加電圧と逆極性の電圧が印加されたままであるが、空間Aの誘電体層(ガラス部)は先述したように同極性に変化しているため、空間Aと空間Bの誘電体層(ガラス部)との間に電圧差を生じ、両者の間で放電し、外観的には電極部で放電路が繋がっているように見える。そして、空間Bの誘電体層(ガラス部)の電圧は、印加電圧と同極性になるため、結果的には、空間Bに作用する電圧が低減し、空間Bでは放電開始しない。同様な現象が管全体に発生し、必ずしも全ての放電空間に放電路が形成されるとは限らず、部分的に発光する問題点があった。この部分発光を抑制するためには、各放電空間のインピーダンスの差を低減する必要がある。
【0009】
さらに、図33に示すように、図31の従来例と同様に放電空間の中央部のスペーサ5に貫通孔5aを設けた場合、放電空間Cに形成された放電路が貫通孔5aを介して隣りの放電空間に屈曲する場合がある。さらに、スペーサは、前面基板又は背面基板との接合部において、放電空間が形成されず、また、ランプ内から放射される可視光の光路を遮断して非発光部となることから、ランプの発光ムラを生じる要因の一つである。そのため、スペーサには、図28から図31のように、スペーサ先端が細い形状となるようなスペーサ構造が用いられている。しかし、スペーサの先端の形状が細い場合、製造中の衝撃によりスペーサ5の一部にかけや割れにより欠損を生じる確率が高くなる。スペーサに欠損を生じると、図33と同様の理由で、欠損部を介して放電が隣りの放電空間に屈曲し、不均一な放電状態となる場合がある。
【0010】
また、上記の貫通孔やスペーサの欠損部における放電屈曲現象は、従来例のようにスペーサの先端が細く、隣り合う放電路の距離が接近しているランプ構造であることも、要因の一つである。
【特許文献1】特公平6−50624号公報
【特許文献2】特開2005−32722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、スペーサや成型加工した前面基板又は背面基板により形成した多数の放電分空間を形成した平面型放電ランプにあって、安定して均一な面発光を得ることができる平面型放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域の断面積をその他の放電領域の断面積よりも小さくしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域に前記電極を設けないことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁に隣接する放電領域を前記封着部材と直接接しないように分離したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、ランプの厚み方向と放電領域の短辺方向を含む面で切断した放電領域の断面形状が、ランプの厚み方向において、スペーサの接合面を0mmとおいたときに、前記前面基板と背面基板との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある、1放電領域あたりの放電空間の短辺方向の長さx1+x2が1.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1〜4の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する表面を凹凸にしたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1〜5の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する面に、粒状物を当該面に配置あるいは散布することにより凹凸を形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1〜6の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の少なくとも放電空間に面する表面の光反射率を10%以上にしたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1〜7の平面型放電ランプにおいて、前記スペーサと前面基板又は背面基板とが接合する凸部おいて、接合部と非接合部を交互に形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スペーサや成型加工した前面基板又は背面基板により形成した多数の放電領域の中の1つの放電領域に陽光柱が集中することなく、また、電極近傍において隣接する放電領域に放電路を形成することもなく、安定して均一な面発光ができる平面型放電ランプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図1〜図4に示す。図1は前面基板1からの斜視図であり、図2は背面基板2からの斜視図、図3は図1におけるA−A’線で切欠した断面図、図4は図3のB部の拡大図である。
【0022】
本実施の形態の平面型放電ランプLは、透光性のガラス板から構成される前面基板1と、スペーサ5を一体的に形成した背面基板2とを略一定の間隔で対向させて配置し、周辺部に側壁3を配置して例えばフリットガラスのような封着部材7にて封着することにより平面型放電容器を形成している。前面基板1、背面基板2、スペーサ5の内側には、それぞれ、蛍光体層4が形成されている。この蛍光体層4は、放電によって放電媒体から放射される紫外線を可視光に変換する。蛍光体層4は、一般照明、冷陰極蛍光ランプ、PDPに使用される蛍光体等が用いられ、単独で又は発光色の異なる数種類の蛍光体が混合して塗布されている。尚、異なる発光色の蛍光体を個別に縞状に又はドット状に塗布して蛍光体層4を構成することもできる。
【0023】
光を取り出す側の前面基板1の蛍光体層4は、背面基板2側からの蛍光体の光を損失なく透過させるために、例えば、平均粒径(1次粒子径)が約2.5μm以上の蛍光体粒子を、厚さ5〜15μmと薄く形成する構成とする。一方、光を取り出さない背面基板2の蛍光体層4は、光を前面基板1側に多く導くために、例えば、平均粒径が約2.5μm以下の蛍光体粒子を厚さ30〜100μmと厚く形成して、反射輝度を高める構成とする。また、図示していないが、電極が形成されている基板において、電極が形成される位置の基板内側に蛍光体層がある場合、蛍光体層が放電によりスパッタリングされて、ガスの消耗速度を速めることから、電極6a,6bが設けられる位置の基板内側部分には蛍光体層を設けない構成が一般的である。この背面基板2と蛍光体層4との間には、微粒子の金属酸化物の反射層を形成することもできる。また、前面基板1及び背面基板2と蛍光体層4との間に、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウムなどの金属酸化物の層を形成し、水銀がガラス表面に移動するのを防止したり、放電から発生する紫外線を吸収したりすることも可能である。
【0024】
尚、本実施の形態では、両方のガラス基板1,2の内面に蛍光体層4を設けているが、どちらか一方の蛍光体層を省略する構成にすることもできる。また、前面基板1と背面基板2の両方の蛍光体層4を省略して、放電媒体から放射される可視光を直接利用する形態も採ることができる。
【0025】
この平面型放電容器の内部には、放電媒体として、水銀蒸気、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウムの内の1つを単独もしくは2種類以上を混合して、数kPaから数100kPaの封入圧力で封入している。封入ガスの一例としては、水銀蒸気とアルゴンとネオンの混合気体であり、ネオンとアルゴンガスの比率は、発光効率及びランプの低電圧始動を優先させる場合は50:50〜99:1とネオンの配合比を多くした構成とし、発光の立ち上がり速度を優先させる場合は1:99から50:50とアルゴン配合比を多くした構成を採る。ガス圧力に関しては、1Torrから700Torrの範囲であり、好ましくは、低電圧始動性、発光効率、寿命の観点から、20〜100Torrの範囲に設定される。
【0026】
前面基板1の外面には、放電容器の端部に沿って、高圧電圧を印加する外部電極6aと低圧電圧を印加する外部電極6bとが、放電媒体と接触しないように配置してある。本実施の形態の場合、外部電極6a,6bと放電媒体との遮断は、前面基板1自身で行っているが、前面基板の内壁に導電層を設け、さらにその上を誘電体層を用いて、電極と放電媒体と遮断しても構わない。また、本実施の形態では両方の電極6a,6bを放電媒体と遮蔽する構成にしているが、一方の電極を内部電極とし、他方の電極だけを放電媒体と遮断するような構成でも構わない。また、本実施の形態では、外部電極6a,6bは前面基板1にのみ設けているが、その他の実施の形態としては、外部電極を背面基板1のみに形成する構成や、前面基板1と背面基板2の両面に形成する構成や、前面基板、背面基板及び前面基板と背面基板を接合する側面に形成する構成を採ることができる。
【0027】
電極形成方法の一例としては、アルミニウムなどの導電性テープを導電性接着剤を介して放電容器上に形成する方法や、銀などの金属粉と溶剤とバインダーを混合させた導電性ペーストをスクリーン印刷、ディスペンサー塗布又は浸漬により放電容器表面に塗布した後、乾燥、焼成を行って形成する方法や、スズ、インジウム、ビスマス、鉛、亜鉛、アンチモン、又は銀を少なくとも1種以上含む半田を加熱溶融したものを、例えば、超音波振動を加えながら浸漬により放電容器の表面に塗布する方法などが採られる。電極層と放電容器の接着を高めるために、電極が形成される位置の放電容器の表面を例えばサンドブラスト処理で凹凸化する方法を採ることができる。
【0028】
外部電極6aと6bの形状は、図示した帯形状とする以外に、スペーサ5で分離した各放電分空間5−1,5−2へ向かって凸部を形成するなど、多彩な異形状をとることができる。また、図1では一対の電極を示したが、複数対の電極構成とすることも可能である。
【0029】
背面基板2に一体的に形成された細長状のスペーサ5は、所定の間隔で配置されており、前面基板1と背面基板2の間隔を一定に保つとともに、放電容器の内外気圧差によるランプの爆縮による破損を防止する。また、スペーサ5は、電極6a,6bに対して垂直方向に配置されており、電極6a,6b間を複数の放電領域に分割している。スペーサ5の形状は、図4に示す波形状以外に、図5に示すように半楕円形状などをとることができる。また、図6に示すように、前面基板1と背面基板2を平板形状とし、スペーサ5を別個に設けた構成とすることもできる。また、本実施の形態では、背面基板2を熱加工して一体的に形成しているが、図7、図8に示すように前面基板1を熱加工して平板の背面基板2と張り合わせる構成もとることができる。
【0030】
高電圧側の外部電極6aと低電圧側の外部電極6bとの間に、周波数10kHz〜200kHzの矩形波電圧、三角波電圧、正弦波電圧又はパルス電圧を印加することで、放電分空間5−1,5−2内の水銀及び希ガスを励起して放電を起こさせて紫外線を発生させ、これを蛍光体層4に照射させることで可視光を発光させ、これを外部に放射させる。
【0031】
本実施の形態は、図4に示すように、放電空間のインピーダンスを低くするように作用する側壁3又は封着部材7に面する端部の放電分空間5−1の断面積を、その他の放電分空間5−2の断面積より小さくしたことを特徴としている。端位置の放電分空間5−1と中間位置の放電分空間5−2とのインピーダンスをほぼ同等になるように調整すると、スペーサ5で分割される全ての放電分空間のインピーダンスをほぼ等しくすることができ、インピーダンスの不均一に起因して発生する図32に示したような放電の回り込み現象を抑制することができる。その結果、図9に示すように、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0032】
また、端位置の放電分空間5−1の断面積をさらに小さくして、インピーダンスを中間位置の放電分空間5−2のインピーダンスより極端に高くするように調整すると、図10に示すように、端位置の放電分空間5−1では放電が形成されないものの、その他の放電分空間5−2の全てに放電が形成され、発光を均一とすることも可能である。放電が形成されない放電分空間5−1には、例えば、排気管や水銀合金、ゲッターなど、本来、放電路に存在するとランプ特性に支障をきたす部材を設置することが可能となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図11〜図14に示す。図11は前面基板基板1からの斜視図であり、図12は背面基板2からの斜視図、図13は図11おけるC−C’線で切欠した断面図、図14は図13のD部の拡大図である。この第2の実施の形態の構造は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、以下、共通する要素には同一の符号を用いて説明する。
【0034】
本実施の形態では、図13、図14に示すように、放電空間のインピーダンスを低くするように作用する側壁3又は封着部材7に面する端部の放電分空間5−1には外部電極を作用させないことを特徴とする。インピーダンスが異なる放電分空間5−1は放電させないので、その結果、電極6aと6bが作用する放電分空間5−2は、全て放電断面積が等しくなり、インピーダンスを等しくすることができるので、インピーダンスの不均一さに起因して発生する図32に示したような放電の回り込み現象を抑制することができる。その結果、図15に示すように、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0035】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図16〜図19に示す。図16は前面基板基板1からの斜視図であり、図17は背面基板2からの斜視図、図18は図16おけるE−E’線で切欠した断面図、図19は図18のF部の拡大図である。この第3の実施の形態の構造は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、以下、共通する要素には同一の符号を用いて説明する。
【0036】
本実施の形態の平面型放電ランプLは、透光性のガラス板から構成される前面基板1と、スペーサ5と側壁3を一体的に形成した背面基板2とを略一定の間隔で対向させて配置し、前面基板基板1と背面基板2の周辺部を例えばフリットガラスのような封着部材7で封着し、放電容器を形成している。放電空間のインピーダンスを低下させるもう一つの要因である封着部材7を、端部の放電分空間5−1に直接暴露しないようにする分離壁8が背面基板2に一体的に形成されている。その結果、放電空間のインピーダンス低下の主要因である封着部材7の影響を排除することができるので、放電空間の断面積が全て等しい場合でも、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0037】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図20に示す。ランプの基本構造は第3の実施の形態と同じである。図20は、図19のランプ構造において、スペーサ5によって分割される放電分空間を、ランプの厚み方向と放電空間の短辺方向で切欠した断面図である。スペーサ5によって分割された放電分空間の大きさは、要求されるランプの始動電圧・管電圧及び光量に応じて設定され、例えば、一つの放電分空間の幅Wが0.5〜30mmの範囲で、放電空間の高さHが0.5〜6.0mmの範囲で設定される。
【0038】
本実施の形態の平面型放電ランプの放電空間の断面形状は、ランプの厚み方向において、スペーサ5の接合面を0mmとおいたときに、前面基板1と背面基板2との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある放電空間の短辺方向の領域x1+x2が、放電分空間の幅Wあたりに1.0mm以上5.0mm以下であるような放電空間の断面形状であることを特徴とする。
【0039】
電極6a,6b間に形成される放電は、放電空間の広いところを通りやすく、狭いところには進入しにくい性質を有する。本実施の形態では、放電の進入を抑制することができる放電分空間の高さHが0.5mm以下の領域を、一つの放電分空間の幅W当たりに1.0mm以上設けることにより、スペーサ5の接合部への放電の進入を抑制する効果がある。その結果、例えば、スペーサ5の凸部で割れや欠けなどの欠陥を生じた場合でも、上記の放電進入を抑制する領域が存在するため、図33に示すようにスペーサの欠陥部を介して、放電が隣りの放電分空間へ屈曲し発光が不均一となる現象の発生を抑制することができる。
【0040】
また、放電空間の高さが0.5mm以下の領域では放電が形成されないが、放電が形成される0.5mm以上の領域からの紫外線が到達し、前面基板1の内面に塗布される蛍光体層4を発光させることができる。x1+x2が5.0mm以下の範囲までは、比較的均一な発光状態が得られる。
【0041】
さらに、本実施の形態の平面型放電ランプでは、スペーサ5が一体的に形成されている背面基板2の表面に、図21の拡大図に示すように、直径が0.001mm〜0.5mmの範囲の複数の凹凸を設け、その凹凸面に蛍光体層4を形成したことを特徴としている。背面基板2の内面を凹凸化させる方法としては、例えば、あらかじめ凹凸形状を設けたカーボン製、金属製、セラミック製の成形型を用いて、ガラスを加熱成形して背面基板を作成する方法や、完成した背面基板の放電空間の表面を、例えば、サンドブラストにより凹凸化させる方法や、また、背面基板2の放電空間に面する内面には図22に示すように微細なガラス粒材11を散布する方法や、混合した酸でガラス表面を腐食させてフロスト状にしたりして白濁させ、その表面を微細な凹凸面にすることができる。
【0042】
表面を凹凸化させることにより、スペーサ5と前面基板1が密接に接合せず、複数の微細な孔を生じさせることができる。その結果、図31に示した従来例のように大きな貫通孔を設ける場合に比べて、放電の進入を抑制できると共に、排気工程において、微細な孔を介して放電空間内全体から排気することでできるので、排気時間を短縮することができ、生産性の向上が図れる。
【0043】
また、背面基板2の表面の凹凸化により、背面基板2に塗布される蛍光体層4の表面積が増加し、その結果、前面基板2(発光面)から得られる光束が増加し、ランプの発光効率が向上する。また、凹凸化により背面基板2が白濁してガラスの表面の反射率が向上するので、背面基板2の蛍光体層4からの光が前面基板1の方向に反射されて、ランプの発光効率が向上する。尚、本実施の形態では、背面基板2の反射率が10%以上であることが好ましい。
【0044】
さらに、本実施の形態の平面型放電ランプでは、次のような変形例をとることができる。図23はスペーサが一体的に形成された背面基板2を放電空間側から見た正面図である。図23においてA−A’線上のスペーサの凸部14には複数の凹部16が形成されており、図24に示すように平板状ガラスと接合部と非接合部とを交互に形成する。図23においてB−B’線上のスペーサの凹部15は、図25に示すように平板状ガラスと接合しないため、放電路が形成される。このように加工ガラスの放電空間を分離するスペーサ5に凹部16を設けて、平板状ガラスと壁の接合部と非接合部が交互に形成させることで、放電空間から放たれる可視光の光路を確保することができ、ランプ点灯時の暗部を低減することができる。なお、図26は図23におけるC−C’線断面図、図27は図23におけるD−D’線断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図2】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図3】図1におけるA−A’線断面図。
【図4】図3におけるB部分の拡大図。
【図5】上記実施の形態の変形例その1の断面図。
【図6】上記実施の形態の変形例その2の断面図。
【図7】上記実施の形態の変形例その3の断面図。
【図8】上記実施の形態の変形例その4の断面図。
【図9】上記実施の形態による発光態様を示す平面図。
【図10】上記実施の形態による発光態様の他の例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図12】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図13】図11におけるC−C’線断面図。
【図14】図13におけるD部分の拡大図。
【図15】上記実施の形態による発光態様を示す平面図。
【図16】本発明の第3の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図17】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図18】図16におけるE−E’線断面図。
【図19】図18におけるF部分の拡大図。
【図20】本発明の第4の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図21】本発明の第5の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図22】本発明の第6の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図23】本発明の第7の実施の形態の平面型放電ランプの平面図。
【図24】図23におけるA−A’線断面図。
【図25】図23におけるB−B’線断面図。
【図26】図23におけるC−C’線断面図。
【図27】図23におけるD−D’線断面図。
【図28】従来例の斜視図。
【図29】他の従来例の斜視図。
【図30】図29におけるA−A線断面図。
【図31】さらに他の従来例の斜視図。
【図32】従来例における放電挙動を示す平面図。
【図33】他の従来例における放電挙動を示す平面図。
【符号の説明】
【0046】
1 前面基板
2 背面基板
3 外枠
4 蛍光体層
5 スペーサ
5−1,5−2 放電分空間
6a,6b 電極
7 封着部材
11 ガラス粒材
14 凸条部
15 凹条部
16 凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶バックライトや一般照明などで用いられる平面型放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、前面基板と背面基板とを対向配置し、四周を側壁やフリットガラスで気密に封着して放電空間を形成し、その放電空間に水銀又は希ガスを封入し、相対2辺のガラス表面に電極を設置して放電電圧を両基板間に印加する構造の平面型放電ランプが知られている。しかしながら、従来の平面型放電ランプでは次のような問題点があった。発光面積が特に大面積となる場合、放電空間が広くなりすぎるため、放電空間のある特定部分のみにプラズマが集中してしまい、陽光柱が収縮し、輝度を均一に保つことが困難になり、また、大気圧によって前面基板と背面基板とが変形あるいは爆縮する恐れがあった。このような理由から、従来の平面型放電ランプには前面基板と背面基板の間の放電空間にスペーサやリブを設けたものが開発されている。
【0003】
図28は特公平6−50624号公報(特許文献1)の図1に記載された、1種の面光源装置である平面型放電ランプの従来例を示している。この従来例の平面型放電ランプは、当該公報の図によれば、発光面となる透光性を有する面板10と、該面板10の内面に形成された透明導電膜から成る電極20と、該透明導電膜20が外部電極とされる部分以外を覆って設けられた透光性を有する誘電体層30と、前記面板と対向配置された絶縁基板40と、該絶縁基板40に被着された蛍光体60から成り、前面基板10と絶縁基板40とが一体に封着され、内部に希ガスと水銀が封入され、前記絶縁基板40に設けられた放電路50の断面形状が、面板に向かって開くような勾配や曲面又はそれらを組み合わせた形状に形成したことを特徴としている。そして電極20は放電路50に対し直交して配置される構成である。
【0004】
図29は、特開2005−32722号公報(特許文献2)に示された平面型放電ランプの別の従来例の斜視図であり、図30はその断面図である。この従来例の平面型放電ランプである前面基板面光源装置100は、光源本体110、空間分割壁120及び放電電圧印加部130を含む。光源本体110は平らな空間112を有する。光源本体110は底面110aと光出射面110fを対向させて配置し、その周辺部を側壁110b、110c、110d、110eで囲って放電容器を形成している。光源本体110の内部には、少なくとも一つ以上の空間分割壁120が配置されており、複数の放電空間を形成する構成である。一対の放電電圧印加部130は空間分割壁120の長さ方向に対して垂直方向に配置される。放電ガス114は、微量のアルゴン、ネオン、キセノン、及びクリプトンのうち一つ以上が水銀とともに含まれる。蛍光体層116は光源本体110の内壁及び空間分割壁120の表面に薄い薄膜形態で形成されている。蛍光体層116は放電ガス114から発生した紫外線を可視光線に変換する。光反射層199は底面110aと側壁110b、110c、110d、110eの内側面に形成され、各放電空間から発生した光を光出射面110fに反射させる。放電電圧印加部130は光源本体110の内部で放電を起こすために、光源本体110の表面に配置されている。放電電圧印加部130は、空間分割壁120の長さ方向に対して垂直方向に配置されている。
【0005】
図31は、特開2005−32722号公報(特許文献2)に示された平面型放電ランプのさらに別の従来例の斜視図である。図31では、スペーサによって分割される各放電空間の均一な圧力分布を得るために、各分割壁120には少なくとも一つの貫通孔126が形成されている。貫通孔126は、放電電圧印加部126とオーバーラップされない位置に形成されることが望ましく、本例ではランプの中央部に設けられている。
【0006】
このような従来例の場合、ランプの発光状態が不均一となる問題点がある。
【0007】
図32は、さらに他の従来例の平面型放電ランプの側壁3、スペーサ5、電極6a,6bの相対的な位置関係を示した断面図で、電極6a,6bはランプ外壁に配置されるか、又は、ランプ内壁に塗布された後誘電体層でコートされた構成がとられている。ランプの排気やガス導入を容易にするために、スペーサ5は、その両端部が、側壁3に接しないように配置され、それぞれの放電空間が繋がるような構成されているが、電極6a,6b間に交流電圧を印加すると、全ての放電空間には放電路が形成されず、図32に斜線を施して示した部分のように、部分的に発光する現象が発生する。
【0008】
この原因は、次の通りである。各放電空間の両端部に作用するように配置される電極6aと6bに電圧を印加すると、全ての放電空間に電界が作用する。従来の構造のように、スペーサで分割された放電分空間の断面積がすべて同じである場合、側壁3に隣接する一番端の放電分空間Aは、封着に用いられるフリットガラスや側壁3の影響により放電空間のインピーダンスが低く、一番最初に放電が開始する。放電路が形成された空間Aでは、両端の電極部の表面を覆っている誘電体層(ガラス部)に印加される電圧は、放電路が形成される前は印加電圧と逆極性のものが印加されていたが、放電路Aの形成により印加電圧と同極性のものに変化するため、結果的に、空間Aに印加される電圧が低減して放電が終了する。放電空間Aに隣り合う、放電路が形成されていない空間Bの電極部の表面を覆っている誘電体層(ガラス部)では放電に至っていないので、印加電圧と逆極性の電圧が印加されたままであるが、空間Aの誘電体層(ガラス部)は先述したように同極性に変化しているため、空間Aと空間Bの誘電体層(ガラス部)との間に電圧差を生じ、両者の間で放電し、外観的には電極部で放電路が繋がっているように見える。そして、空間Bの誘電体層(ガラス部)の電圧は、印加電圧と同極性になるため、結果的には、空間Bに作用する電圧が低減し、空間Bでは放電開始しない。同様な現象が管全体に発生し、必ずしも全ての放電空間に放電路が形成されるとは限らず、部分的に発光する問題点があった。この部分発光を抑制するためには、各放電空間のインピーダンスの差を低減する必要がある。
【0009】
さらに、図33に示すように、図31の従来例と同様に放電空間の中央部のスペーサ5に貫通孔5aを設けた場合、放電空間Cに形成された放電路が貫通孔5aを介して隣りの放電空間に屈曲する場合がある。さらに、スペーサは、前面基板又は背面基板との接合部において、放電空間が形成されず、また、ランプ内から放射される可視光の光路を遮断して非発光部となることから、ランプの発光ムラを生じる要因の一つである。そのため、スペーサには、図28から図31のように、スペーサ先端が細い形状となるようなスペーサ構造が用いられている。しかし、スペーサの先端の形状が細い場合、製造中の衝撃によりスペーサ5の一部にかけや割れにより欠損を生じる確率が高くなる。スペーサに欠損を生じると、図33と同様の理由で、欠損部を介して放電が隣りの放電空間に屈曲し、不均一な放電状態となる場合がある。
【0010】
また、上記の貫通孔やスペーサの欠損部における放電屈曲現象は、従来例のようにスペーサの先端が細く、隣り合う放電路の距離が接近しているランプ構造であることも、要因の一つである。
【特許文献1】特公平6−50624号公報
【特許文献2】特開2005−32722号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、スペーサや成型加工した前面基板又は背面基板により形成した多数の放電分空間を形成した平面型放電ランプにあって、安定して均一な面発光を得ることができる平面型放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域の断面積をその他の放電領域の断面積よりも小さくしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項2の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域に前記電極を設けないことを特徴とするものである。
【0014】
請求項3の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁に隣接する放電領域を前記封着部材と直接接しないように分離したことを特徴とするものである。
【0015】
請求項4の発明の平面型放電ランプは、透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、ランプの厚み方向と放電領域の短辺方向を含む面で切断した放電領域の断面形状が、ランプの厚み方向において、スペーサの接合面を0mmとおいたときに、前記前面基板と背面基板との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある、1放電領域あたりの放電空間の短辺方向の長さx1+x2が1.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1〜4の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する表面を凹凸にしたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1〜5の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する面に、粒状物を当該面に配置あるいは散布することにより凹凸を形成したことを特徴とするものである。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1〜6の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の少なくとも放電空間に面する表面の光反射率を10%以上にしたことを特徴とするものである。
【0019】
請求項8の発明は、請求項1〜7の平面型放電ランプにおいて、前記スペーサと前面基板又は背面基板とが接合する凸部おいて、接合部と非接合部を交互に形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、スペーサや成型加工した前面基板又は背面基板により形成した多数の放電領域の中の1つの放電領域に陽光柱が集中することなく、また、電極近傍において隣接する放電領域に放電路を形成することもなく、安定して均一な面発光ができる平面型放電ランプを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図1〜図4に示す。図1は前面基板1からの斜視図であり、図2は背面基板2からの斜視図、図3は図1におけるA−A’線で切欠した断面図、図4は図3のB部の拡大図である。
【0022】
本実施の形態の平面型放電ランプLは、透光性のガラス板から構成される前面基板1と、スペーサ5を一体的に形成した背面基板2とを略一定の間隔で対向させて配置し、周辺部に側壁3を配置して例えばフリットガラスのような封着部材7にて封着することにより平面型放電容器を形成している。前面基板1、背面基板2、スペーサ5の内側には、それぞれ、蛍光体層4が形成されている。この蛍光体層4は、放電によって放電媒体から放射される紫外線を可視光に変換する。蛍光体層4は、一般照明、冷陰極蛍光ランプ、PDPに使用される蛍光体等が用いられ、単独で又は発光色の異なる数種類の蛍光体が混合して塗布されている。尚、異なる発光色の蛍光体を個別に縞状に又はドット状に塗布して蛍光体層4を構成することもできる。
【0023】
光を取り出す側の前面基板1の蛍光体層4は、背面基板2側からの蛍光体の光を損失なく透過させるために、例えば、平均粒径(1次粒子径)が約2.5μm以上の蛍光体粒子を、厚さ5〜15μmと薄く形成する構成とする。一方、光を取り出さない背面基板2の蛍光体層4は、光を前面基板1側に多く導くために、例えば、平均粒径が約2.5μm以下の蛍光体粒子を厚さ30〜100μmと厚く形成して、反射輝度を高める構成とする。また、図示していないが、電極が形成されている基板において、電極が形成される位置の基板内側に蛍光体層がある場合、蛍光体層が放電によりスパッタリングされて、ガスの消耗速度を速めることから、電極6a,6bが設けられる位置の基板内側部分には蛍光体層を設けない構成が一般的である。この背面基板2と蛍光体層4との間には、微粒子の金属酸化物の反射層を形成することもできる。また、前面基板1及び背面基板2と蛍光体層4との間に、例えば酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化イットリウムなどの金属酸化物の層を形成し、水銀がガラス表面に移動するのを防止したり、放電から発生する紫外線を吸収したりすることも可能である。
【0024】
尚、本実施の形態では、両方のガラス基板1,2の内面に蛍光体層4を設けているが、どちらか一方の蛍光体層を省略する構成にすることもできる。また、前面基板1と背面基板2の両方の蛍光体層4を省略して、放電媒体から放射される可視光を直接利用する形態も採ることができる。
【0025】
この平面型放電容器の内部には、放電媒体として、水銀蒸気、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウムの内の1つを単独もしくは2種類以上を混合して、数kPaから数100kPaの封入圧力で封入している。封入ガスの一例としては、水銀蒸気とアルゴンとネオンの混合気体であり、ネオンとアルゴンガスの比率は、発光効率及びランプの低電圧始動を優先させる場合は50:50〜99:1とネオンの配合比を多くした構成とし、発光の立ち上がり速度を優先させる場合は1:99から50:50とアルゴン配合比を多くした構成を採る。ガス圧力に関しては、1Torrから700Torrの範囲であり、好ましくは、低電圧始動性、発光効率、寿命の観点から、20〜100Torrの範囲に設定される。
【0026】
前面基板1の外面には、放電容器の端部に沿って、高圧電圧を印加する外部電極6aと低圧電圧を印加する外部電極6bとが、放電媒体と接触しないように配置してある。本実施の形態の場合、外部電極6a,6bと放電媒体との遮断は、前面基板1自身で行っているが、前面基板の内壁に導電層を設け、さらにその上を誘電体層を用いて、電極と放電媒体と遮断しても構わない。また、本実施の形態では両方の電極6a,6bを放電媒体と遮蔽する構成にしているが、一方の電極を内部電極とし、他方の電極だけを放電媒体と遮断するような構成でも構わない。また、本実施の形態では、外部電極6a,6bは前面基板1にのみ設けているが、その他の実施の形態としては、外部電極を背面基板1のみに形成する構成や、前面基板1と背面基板2の両面に形成する構成や、前面基板、背面基板及び前面基板と背面基板を接合する側面に形成する構成を採ることができる。
【0027】
電極形成方法の一例としては、アルミニウムなどの導電性テープを導電性接着剤を介して放電容器上に形成する方法や、銀などの金属粉と溶剤とバインダーを混合させた導電性ペーストをスクリーン印刷、ディスペンサー塗布又は浸漬により放電容器表面に塗布した後、乾燥、焼成を行って形成する方法や、スズ、インジウム、ビスマス、鉛、亜鉛、アンチモン、又は銀を少なくとも1種以上含む半田を加熱溶融したものを、例えば、超音波振動を加えながら浸漬により放電容器の表面に塗布する方法などが採られる。電極層と放電容器の接着を高めるために、電極が形成される位置の放電容器の表面を例えばサンドブラスト処理で凹凸化する方法を採ることができる。
【0028】
外部電極6aと6bの形状は、図示した帯形状とする以外に、スペーサ5で分離した各放電分空間5−1,5−2へ向かって凸部を形成するなど、多彩な異形状をとることができる。また、図1では一対の電極を示したが、複数対の電極構成とすることも可能である。
【0029】
背面基板2に一体的に形成された細長状のスペーサ5は、所定の間隔で配置されており、前面基板1と背面基板2の間隔を一定に保つとともに、放電容器の内外気圧差によるランプの爆縮による破損を防止する。また、スペーサ5は、電極6a,6bに対して垂直方向に配置されており、電極6a,6b間を複数の放電領域に分割している。スペーサ5の形状は、図4に示す波形状以外に、図5に示すように半楕円形状などをとることができる。また、図6に示すように、前面基板1と背面基板2を平板形状とし、スペーサ5を別個に設けた構成とすることもできる。また、本実施の形態では、背面基板2を熱加工して一体的に形成しているが、図7、図8に示すように前面基板1を熱加工して平板の背面基板2と張り合わせる構成もとることができる。
【0030】
高電圧側の外部電極6aと低電圧側の外部電極6bとの間に、周波数10kHz〜200kHzの矩形波電圧、三角波電圧、正弦波電圧又はパルス電圧を印加することで、放電分空間5−1,5−2内の水銀及び希ガスを励起して放電を起こさせて紫外線を発生させ、これを蛍光体層4に照射させることで可視光を発光させ、これを外部に放射させる。
【0031】
本実施の形態は、図4に示すように、放電空間のインピーダンスを低くするように作用する側壁3又は封着部材7に面する端部の放電分空間5−1の断面積を、その他の放電分空間5−2の断面積より小さくしたことを特徴としている。端位置の放電分空間5−1と中間位置の放電分空間5−2とのインピーダンスをほぼ同等になるように調整すると、スペーサ5で分割される全ての放電分空間のインピーダンスをほぼ等しくすることができ、インピーダンスの不均一に起因して発生する図32に示したような放電の回り込み現象を抑制することができる。その結果、図9に示すように、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0032】
また、端位置の放電分空間5−1の断面積をさらに小さくして、インピーダンスを中間位置の放電分空間5−2のインピーダンスより極端に高くするように調整すると、図10に示すように、端位置の放電分空間5−1では放電が形成されないものの、その他の放電分空間5−2の全てに放電が形成され、発光を均一とすることも可能である。放電が形成されない放電分空間5−1には、例えば、排気管や水銀合金、ゲッターなど、本来、放電路に存在するとランプ特性に支障をきたす部材を設置することが可能となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図11〜図14に示す。図11は前面基板基板1からの斜視図であり、図12は背面基板2からの斜視図、図13は図11おけるC−C’線で切欠した断面図、図14は図13のD部の拡大図である。この第2の実施の形態の構造は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、以下、共通する要素には同一の符号を用いて説明する。
【0034】
本実施の形態では、図13、図14に示すように、放電空間のインピーダンスを低くするように作用する側壁3又は封着部材7に面する端部の放電分空間5−1には外部電極を作用させないことを特徴とする。インピーダンスが異なる放電分空間5−1は放電させないので、その結果、電極6aと6bが作用する放電分空間5−2は、全て放電断面積が等しくなり、インピーダンスを等しくすることができるので、インピーダンスの不均一さに起因して発生する図32に示したような放電の回り込み現象を抑制することができる。その結果、図15に示すように、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0035】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図16〜図19に示す。図16は前面基板基板1からの斜視図であり、図17は背面基板2からの斜視図、図18は図16おけるE−E’線で切欠した断面図、図19は図18のF部の拡大図である。この第3の実施の形態の構造は、第1の実施の形態とほぼ同様であり、以下、共通する要素には同一の符号を用いて説明する。
【0036】
本実施の形態の平面型放電ランプLは、透光性のガラス板から構成される前面基板1と、スペーサ5と側壁3を一体的に形成した背面基板2とを略一定の間隔で対向させて配置し、前面基板基板1と背面基板2の周辺部を例えばフリットガラスのような封着部材7で封着し、放電容器を形成している。放電空間のインピーダンスを低下させるもう一つの要因である封着部材7を、端部の放電分空間5−1に直接暴露しないようにする分離壁8が背面基板2に一体的に形成されている。その結果、放電空間のインピーダンス低下の主要因である封着部材7の影響を排除することができるので、放電空間の断面積が全て等しい場合でも、この放電点灯時に放電が端部に集中することなく、発光面全体から均一な発光が得られる。
【0037】
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態の平面型放電ランプの構造図を図20に示す。ランプの基本構造は第3の実施の形態と同じである。図20は、図19のランプ構造において、スペーサ5によって分割される放電分空間を、ランプの厚み方向と放電空間の短辺方向で切欠した断面図である。スペーサ5によって分割された放電分空間の大きさは、要求されるランプの始動電圧・管電圧及び光量に応じて設定され、例えば、一つの放電分空間の幅Wが0.5〜30mmの範囲で、放電空間の高さHが0.5〜6.0mmの範囲で設定される。
【0038】
本実施の形態の平面型放電ランプの放電空間の断面形状は、ランプの厚み方向において、スペーサ5の接合面を0mmとおいたときに、前面基板1と背面基板2との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある放電空間の短辺方向の領域x1+x2が、放電分空間の幅Wあたりに1.0mm以上5.0mm以下であるような放電空間の断面形状であることを特徴とする。
【0039】
電極6a,6b間に形成される放電は、放電空間の広いところを通りやすく、狭いところには進入しにくい性質を有する。本実施の形態では、放電の進入を抑制することができる放電分空間の高さHが0.5mm以下の領域を、一つの放電分空間の幅W当たりに1.0mm以上設けることにより、スペーサ5の接合部への放電の進入を抑制する効果がある。その結果、例えば、スペーサ5の凸部で割れや欠けなどの欠陥を生じた場合でも、上記の放電進入を抑制する領域が存在するため、図33に示すようにスペーサの欠陥部を介して、放電が隣りの放電分空間へ屈曲し発光が不均一となる現象の発生を抑制することができる。
【0040】
また、放電空間の高さが0.5mm以下の領域では放電が形成されないが、放電が形成される0.5mm以上の領域からの紫外線が到達し、前面基板1の内面に塗布される蛍光体層4を発光させることができる。x1+x2が5.0mm以下の範囲までは、比較的均一な発光状態が得られる。
【0041】
さらに、本実施の形態の平面型放電ランプでは、スペーサ5が一体的に形成されている背面基板2の表面に、図21の拡大図に示すように、直径が0.001mm〜0.5mmの範囲の複数の凹凸を設け、その凹凸面に蛍光体層4を形成したことを特徴としている。背面基板2の内面を凹凸化させる方法としては、例えば、あらかじめ凹凸形状を設けたカーボン製、金属製、セラミック製の成形型を用いて、ガラスを加熱成形して背面基板を作成する方法や、完成した背面基板の放電空間の表面を、例えば、サンドブラストにより凹凸化させる方法や、また、背面基板2の放電空間に面する内面には図22に示すように微細なガラス粒材11を散布する方法や、混合した酸でガラス表面を腐食させてフロスト状にしたりして白濁させ、その表面を微細な凹凸面にすることができる。
【0042】
表面を凹凸化させることにより、スペーサ5と前面基板1が密接に接合せず、複数の微細な孔を生じさせることができる。その結果、図31に示した従来例のように大きな貫通孔を設ける場合に比べて、放電の進入を抑制できると共に、排気工程において、微細な孔を介して放電空間内全体から排気することでできるので、排気時間を短縮することができ、生産性の向上が図れる。
【0043】
また、背面基板2の表面の凹凸化により、背面基板2に塗布される蛍光体層4の表面積が増加し、その結果、前面基板2(発光面)から得られる光束が増加し、ランプの発光効率が向上する。また、凹凸化により背面基板2が白濁してガラスの表面の反射率が向上するので、背面基板2の蛍光体層4からの光が前面基板1の方向に反射されて、ランプの発光効率が向上する。尚、本実施の形態では、背面基板2の反射率が10%以上であることが好ましい。
【0044】
さらに、本実施の形態の平面型放電ランプでは、次のような変形例をとることができる。図23はスペーサが一体的に形成された背面基板2を放電空間側から見た正面図である。図23においてA−A’線上のスペーサの凸部14には複数の凹部16が形成されており、図24に示すように平板状ガラスと接合部と非接合部とを交互に形成する。図23においてB−B’線上のスペーサの凹部15は、図25に示すように平板状ガラスと接合しないため、放電路が形成される。このように加工ガラスの放電空間を分離するスペーサ5に凹部16を設けて、平板状ガラスと壁の接合部と非接合部が交互に形成させることで、放電空間から放たれる可視光の光路を確保することができ、ランプ点灯時の暗部を低減することができる。なお、図26は図23におけるC−C’線断面図、図27は図23におけるD−D’線断面図である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図2】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図3】図1におけるA−A’線断面図。
【図4】図3におけるB部分の拡大図。
【図5】上記実施の形態の変形例その1の断面図。
【図6】上記実施の形態の変形例その2の断面図。
【図7】上記実施の形態の変形例その3の断面図。
【図8】上記実施の形態の変形例その4の断面図。
【図9】上記実施の形態による発光態様を示す平面図。
【図10】上記実施の形態による発光態様の他の例を示す平面図。
【図11】本発明の第2の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図12】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図13】図11におけるC−C’線断面図。
【図14】図13におけるD部分の拡大図。
【図15】上記実施の形態による発光態様を示す平面図。
【図16】本発明の第3の実施の形態の平面型放電ランプの前方から見た斜視図。
【図17】上記実施の形態の平面型放電ランプの背方から見た斜視図。
【図18】図16におけるE−E’線断面図。
【図19】図18におけるF部分の拡大図。
【図20】本発明の第4の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図21】本発明の第5の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図22】本発明の第6の実施の形態の平面型放電ランプの断面図。
【図23】本発明の第7の実施の形態の平面型放電ランプの平面図。
【図24】図23におけるA−A’線断面図。
【図25】図23におけるB−B’線断面図。
【図26】図23におけるC−C’線断面図。
【図27】図23におけるD−D’線断面図。
【図28】従来例の斜視図。
【図29】他の従来例の斜視図。
【図30】図29におけるA−A線断面図。
【図31】さらに他の従来例の斜視図。
【図32】従来例における放電挙動を示す平面図。
【図33】他の従来例における放電挙動を示す平面図。
【符号の説明】
【0046】
1 前面基板
2 背面基板
3 外枠
4 蛍光体層
5 スペーサ
5−1,5−2 放電分空間
6a,6b 電極
7 封着部材
11 ガラス粒材
14 凸条部
15 凹条部
16 凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域の断面積をその他の放電領域の断面積よりも小さくしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項2】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域には、前記電極を設けないことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項3】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁に隣接する放電領域は、前記封着部材と直接接しないように分離したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項4】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
ランプの厚み方向と放電領域の短辺方向を含む面で切断した前記放電領域の断面形状を、ランプの厚み方向において、スペーサの接合面を0mmとおいたときに、前記前面基板と背面基板との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある、1放電領域あたりの放電領域の短辺方向の長さx1+x2が1.0mm以上5.0mm以下であるようにしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する表面を凹凸にしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する面に、粒状物を当該面に配置あるいは散布することにより凹凸を形成したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の少なくとも放電空間に面する表面の光反射率を10%以上にしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記スペーサと前面基板又は背面基板とが接合する凸部おいて、接合部と非接合部を交互に形成したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項1】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域の断面積をその他の放電領域の断面積よりも小さくしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項2】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁又は接着部材に隣接する放電領域には、前記電極を設けないことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項3】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
前記複数の放電領域のうち長辺部が前記側壁に隣接する放電領域は、前記封着部材と直接接しないように分離したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項4】
透光性の前面基板と背面基板とを対向させて配置し、前記前面基板と背面基板との周囲を直接又は側壁を介して封着部材で接着し、内部に放電媒体を封入して面状放電容器を構成し、前記面状放電容器の内部又は外部に、かつ少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように少なくとも一対の電極を設置し、前記前面基板と背面基板との間で前記電極に対して直角方向へ所定の間隔を有するように配置され、前記電極間を複数の放電領域に分割する複数のスペーサを具備し、
ランプの厚み方向と放電領域の短辺方向を含む面で切断した前記放電領域の断面形状を、ランプの厚み方向において、スペーサの接合面を0mmとおいたときに、前記前面基板と背面基板との距離が0mmより大きく0.5mm以下の範囲にある、1放電領域あたりの放電領域の短辺方向の長さx1+x2が1.0mm以上5.0mm以下であるようにしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する表面を凹凸にしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の放電空間に面する面に、粒状物を当該面に配置あるいは散布することにより凹凸を形成したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記背面基板の少なくとも放電空間に面する表面の光反射率を10%以上にしたことを特徴とする平面型放電ランプ。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の平面型放電ランプにおいて、前記スペーサと前面基板又は背面基板とが接合する凸部おいて、接合部と非接合部を交互に形成したことを特徴とする平面型放電ランプ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2007−26966(P2007−26966A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−209401(P2005−209401)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【Fターム(参考)】
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