平面型表示装置の解体装置及び解体方法
【課題】平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体方法を提供する。
【解決手段】平面型表示装置の解体方法は、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置10,10A,10Bを配置した後、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部Aを、画像表示部31の表面に対向したフロントキャビネット部34の先端部と画像表示部31の表面32との間に侵入させ、第1部材移動装置14を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。
【解決手段】平面型表示装置の解体方法は、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置10,10A,10Bを配置した後、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部Aを、画像表示部31の表面に対向したフロントキャビネット部34の先端部と画像表示部31の表面32との間に侵入させ、第1部材移動装置14を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示装置の解体装置及び解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平成21年4月から、テレビジョン受信機であって液晶式のもの(『液晶表示装置』と呼ぶ)及びプラズマ式のもの(『プラズマ表示装置』と呼ぶ)が、特定家庭用機器再商品化法(所謂、家電リサイクル法)の対象に追加された。それ故、液晶表示装置やプラズマ表示装置(以下、『平面型表示装置』と総称する)の解体作業の合理化、簡素化等の確立が急務である。
【0003】
ブラウン管式のテレビジョン受信機の解体装置や解体方法は、例えば、特開2000−350980、特開平10−263518、特開平9−115448等、多数の特許公開公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350980
【特許文献2】特開平10−263518
【特許文献3】特開平9−115448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在のところ、平面型表示装置を作業台に載置し、人手によって、作業台上で平面型表示装置からフロントキャビネット部を取り外して解体しており、解体作業に多大の労力を要している。
【0006】
従って、本発明の目的は、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体装置、及び、係る解体装置を用いた平面型表示装置の解体方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の解体方法は、
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有する解体装置を複数台、備えた平面型表示装置解体装置を用いて、
(A)画像表示部、
(B)画像表示部の表面(おもてめん)の外周部から側部に亙り、画像表示部に取り付けられたフロントキャビネット部、及び、
(C)フロントキャビネット部に取り付けられ、画像表示部の裏面側に配置された回路基板を格納するリヤキャビネット部、
を備えた平面型表示装置を解体する方法であって、
(イ)平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置した後、
(ロ)各解体装置において、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、
(ハ)第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す、
各工程から成ることを特徴とする。
【0008】
本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、工程(ハ)の後、
(ニ)画像表示部を除去する工程、
を更に備えている形態とすることができる。更には、工程(ハ)の後、あるいは、工程(ニ)の後、
(ホ)リヤキャビネット部及び回路基板を破砕し、次いで、破砕品を分別する工程、
を更に備えている形態とすることができる。
【0009】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、工程(イ)に先立ち、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に楔を挿入し、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成する形態とすることができる。
【0010】
あるいは又、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、
各解体装置は、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であり、
工程(イ)と(ロ)の間で、
各解体装置において、第3部材移動装置を作動させて、第3部材を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させて、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成し、次いで、押上げ手段を作動させて、第3部材の後端部を押し上げ、第3部材移動装置の取付部を中心とした第3部材の回動によって、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間の隙間を更に拡げる形態とすることができる。
【0011】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、
平面型表示装置解体装置は、画像表示部を支持する支持装置を更に備えており、
工程(ロ)及び工程(ハ)において、支持装置によって画像表示部を支持する形態とすることができる。ここで、支持装置は、例えば、吸着装置、及び、吸着装置を上下に移動させる移動装置から構成することができる。
【0012】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、工程(イ)において、平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置するが、具体的には、例えば、平面型表示装置を昇降装置(リフター)に載置し、昇降装置を作動させて平面型表示装置を上昇させることで、平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置すればよい。また、工程(ハ)が完了した後、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を後進端から前進端に位置せしめた後、昇降装置を作動させて平面型表示装置を下降させ、平面型表示装置に対する次の作業を行えばよい。尚、平面型表示装置を上下に動かさず、解体装置を下降・上昇させてもよいし、平面型表示装置及び解体装置を相対的に上下に動かしてもよい。
【0013】
工程(ホ)は、限定するものではないが、例えば、中心部に垂直方向に延びる回転軸を備え、一端が無拘束状態にあるチェーンの他端がこの回転軸に取り付けられている円筒状の破砕室を備えた破砕装置を使用し、破砕室にリヤキャビネット部及び回路基板を投入し、回転軸を回転させることでチェーンをリヤキャビネット部及び回路基板に衝突させ、以て、リヤキャビネット部及び回路基板を破砕する工程とすることができる。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置を解体するための解体装置は、
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の平面型表示装置を解体するための解体装置にあっては、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能である形態とすることができる。尚、第3部材、第4部材、第2の爪部、第3部材移動装置及び押上げ手段の集合体を、便宜上、『補助解体装置』と呼ぶ場合がある。
【0016】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法にて使用される解体装置あるいは平面型表示装置を解体するための解体装置(以下、これらを総称して、単に、『本発明の解体装置等』と呼ぶ場合がある)において、平面型表示装置の4辺のそれぞれに対して解体装置を配するが、平面型表示装置の1辺に対して解体装置を1台、配してもよいし、複数台、配してもよい。平面型表示装置の長辺と短辺で、配する解体装置の台数を異ならせてもよい。第1部材移動装置に取り付けられる第1部材の数は1に限定されず、2以上としてもよい。また、本発明の解体装置等において、1台の解体装置に対して、1台の補助解体装置を配してもよいし、2台以上の補助解体装置を配し、平面型表示装置の大きさに応じて、適した補助解体装置を使い分ける形態としてもよい。爪部、第2の爪部の数は、1つでもよいし、複数であってもよい。
【0017】
本発明の解体装置等において、第1部材、第2部材、爪部、第3部材、第4部材、第2の爪部は、鉄、ステンレス鋼、その他金属や合金等から作製すればよい。第1部材と第2部材とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いて一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第2部材と爪部とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第3部材と第4部材とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第4部材と第2の爪部とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第1部材移動装置、第3部材移動装置、押上げ手段として、油圧シリンダーや空気圧シリンダーを例示することができる。第3部材移動装置の取付部を中心に第3部材は回動可能であるが、係る構造は、例えば、第3部材移動装置の先端部にピンを取り付け、第3部材における第3部材移動装置の取付部を、ピンと係合する孔部から構成すればよい。
【0018】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法あるいは平面型表示装置を解体するための解体装置において、平面型表示装置として、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出素子を組み込んだ表示装置(SED)を例示することができる。平面型表示装置の画像表示部とは、実際に画像を表示する部分であり、平面型表示装置の表面(おもてめん)である。平面型表示装置の大きさ(対角公称インチ数)には、特段の制限は無い。平面型表示装置の構成、構造は、周知の構成、構造である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す。それ故、人手で画像表示部からフロントキャビネット部を取り外すといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に左程労力を要すること無く、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す平面図である。
【図2】図2は、実施例1の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図3】図3は、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図4】図4は、実施例1の平面型表示装置の一部を拡大した模式的な一部断面図である。
【図5】図5は、図3に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図6】図6は、図5に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図7】図7は、図6に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図8】図8は、図7に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図9】図9は、実施例1の平面型表示装置の解体装置での使用に適した破砕装置の概念図である。
【図10】図10は、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す部分的平面図である。
【図11】図11は、実施例2の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図12】図12は、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図13】図13は、図12に引き続き、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
実施例1は、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法に関する。実施例1の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す平面図を図1に示し、実施例1の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図を図2に示す。
【0023】
実施例1の平面型表示装置の解体装置10は、
(a)水平方向に延びる第1部材11、
(b)第1部材11の先端部から下方に延びる第2部材12、
(c)第2部材12の先端に配され、第1部材11の後端部側へと延びる爪部13、及び、
(d)第1部材11の後端部に取り付けられ、第1部材11を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置14、
を有する。
【0024】
第1部材11、第2部材12、及び、爪部13はステンレス鋼から作製されており、これらは、溶接によって一体化されている。第1部材移動装置14は、油圧シリンダーから構成されており、台座15に載せられている。尚、図2以外の図面においては、台座の図示を省略した。第1部材移動装置14の前進端、後進端を検出するスイッチが配置されているが、これらのスイッチの図示は省略した。実施例1にあっては、第1部材移動装置14に取り付けられた第1部材11の数は1である。また、爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置10Aにあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置10Bにあっては、2つ、設けられている。図1において、爪部13が設けられた部分を点線で示し、符号「A」を付した。
【0025】
平面型表示装置解体装置は、平面型表示装置30を構成する画像表示部31を支持する支持装置60を更に備えており、支持装置60は、吸着装置61、及び、吸着装置61を上下に移動させる移動装置(具体的には、空気圧シリンダー)62から構成されている。尚、図1においては、支持装置60、昇降装置50の図示を省略した。
【0026】
平面型表示装置30は、具体的には、液晶表示装置(LCD)から成り、
(A)画像表示部31、
(B)画像表示部31の表面(おもてめん)32の外周部から側部に亙り、画像表示部31に取り付けられたフロントキャビネット部34、及び、
(C)フロントキャビネット部34に取り付けられ、画像表示部31の裏面側に配置された回路基板36を格納するリヤキャビネット部35、
を備えている。より具体的には、画像表示部31の表面32の外周部から側部に亙り、画像表示部31に対してフレーム33が取り付けられている(具体的には、例えば、接着されている)。そして、フロントキャビネット部34がフレーム33の端面33A(図4参照)と接触した状態で、フロントキャビネット部34はフレーム33に取り付けられている。回路基板36は、図示しない各種の取付部材によってリヤキャビネット部35に取り付けられており、また、図示しない配線やコネクター等によって画像表示部31と電気的に接続されている。
【0027】
以下、図1の矢印A−Aに沿って解体装置及び平面型表示装置等の一部を切り欠いた模式図である図3、図5〜図8を参照して、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するが、実施例1にあっては、解体装置10を複数台、具体的には、4台、使用する。
【0028】
[工程−100]
実施例1の平面型表示装置の解体方法にあっては、予め、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34A(図4参照)と画像表示部31の表面32との間に楔40を挿入し(打ち込み)、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に隙間を形成する。この作業は、機械を用いて自動的に行ってもよいし、作業者が行ってもよい。そして、平面型表示装置30を昇降装置(リフター)50に搬入し、平面型表示装置30を昇降装置50に載置する。次いで、油圧シリンダー(図示せず)で動作するストッパー51によって平面型表示装置30を水平方向に移動しないように固定する(図3参照)。そして、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を上昇させる。この状態にあっては、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置10が対するように平面型表示装置30を配置する。また、この状態にあっては、平面型表示装置30の画像表示部31の表面32は爪部13の底面と接触した状態にある。更には、移動装置62を作動させて吸着装置61を下降させ、吸着装置61が画像表示部31と接触したならば、吸着装置61の下降を中止させ、吸着装置61を作動させて、画像表示部31を吸着し、画像表示部31を固定する。こうして、図5及び図1に示す状態を得ることができる。尚、図5〜図8においては、楔40を挿入していない部分を図示しており、楔40の図示は省略している。
【0029】
[工程−110]
その後、各解体装置10において、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部13を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させる(図6参照)。フロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間には隙間が形成されているので、爪部13は、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に容易に侵入することができる。
【0030】
[工程−120]
そして、第1部材移動装置14を更に後進端まで移動させる。これによって、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。こうして、画像表示部31とフロントキャビネット部34とは分離した状態となる(図7参照)。画像表示部31は支持装置60によって固定された状態にある。尚、図7において、破壊して取り除かれたフロントキャビネット部34の部分の図示は省略した。
【0031】
[工程−130]
次いで、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を下降させる。下降中、一旦、下降を停止させ、画像表示部31と回路基板36との間の配線を切断し、また、画像表示部31と回路基板36との間を結ぶコネクター等を除去した後、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を更に下降させて、最下降位置に位置せしめる(図8参照)。その後、昇降装置50から、画像表示部31が取り外された平面型表示装置30を搬出する。
【0032】
[工程−140]
その後、画像表示部31を除去する。具体的には、昇降装置50を再び上昇させて、支持装置60によって固定された状態にある画像表示部31を昇降装置50に載置し、吸着装置61の作動を中止して、支持装置60による画像表示部31の固定状態を解き、昇降装置50を下降させて最下降位置に位置せしめ、その後、昇降装置50から、画像表示部31を搬出する。そして、画像表示部31を構成する各種の部品に分解し、各種の部品を分別する。
【0033】
[工程−150]
[工程−130]の後、あるいは、[工程−140]の後、画像表示部31が取り外された平面型表示装置30、具体的には、リヤキャビネット部35及び回路基板36を破砕し、次いで、破砕品を分別する。
【0034】
具体的には、実施例1にあっては、図9に概念図を示すような破砕装置70を使用した。ここで、この破砕装置70は、円筒状の破砕室71を備えている。破砕室71の中心部には、垂直方向に延びる回転軸72が備えられており、この回転軸はモータ74によって回転させられる。一端が無拘束状態にあるチェーン73の他端は、この回転軸72に取り付けられている。
【0035】
そして、回転軸72を回転させながら、破砕室71にリヤキャビネット部35及び回路基板36を投入し、チェーン73をリヤキャビネット部35及び回路基板36に衝突させる。これによって、リヤキャビネット部35及び回路基板36を破砕することができる。
【0036】
実施例1にあっては、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部13を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させ、第1部材11を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。それ故、人手で画像表示部31からフロントキャビネット部34を取り外すといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に労力を要すること無く、平面型表示装置30の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。また、[工程−150]においても、リヤキャビネット部35及び回路基板36を人手で分解するといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に労力を要すること無く、平面型表示装置30の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。
【実施例2】
【0037】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す部分的平面図を図10に示し、実施例2の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図を図11に示す。
【0038】
実施例2において、各解体装置100は、
(e)水平方向に延びる第3部材21、
(f)第3部材21の先端部から下方に延びる第4部材22、
(g)第4部材22の先端に配され、第3部材21の後端部側へと延びる第2の爪部23、
(h)第3部材21の中間部にその先端部24Aが取り付けられ、第3部材21を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置24、及び、
(i)第3部材21の後端部を押し上げる押上げ手段26、
から構成された補助解体装置20を更に有している。そして、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心に、第3部材21は回動可能である。
【0039】
第3部材21、第4部材22、及び、第2の爪部23はステンレス鋼から作製されており、これらは、溶接によって一体化されている。第3部材移動装置24は、油圧シリンダーから構成されており、押上げ手段26は空気圧シリンダーから構成されており、これらは台座(図示せず)に載せられている。第3部材移動装置24の前進端、後進端を検出するスイッチが配置されているが、これらのスイッチの図示は省略した。また、第3部材21の後端部の上下方向への移動を検出するスイッチ(図示せず)が台座に取り付けられている。第2の爪部23は、第3部材21に1つ、設けられている。ここで、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心に第3部材21は回動可能であるが、係る構造は、第3部材移動装置24の先端部24Aにピン25を取り付け、第3部材21の第3部材移動装置24の取付部21Aを、ピンと係合する孔部とすることで達成することができる。
【0040】
実施例2にあっても、第1部材移動装置14に取り付けられた第1部材11の数は1である。また、爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置100Aにあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置にあっては、2つ、設けられている。また、実施例2にあっては、補助解体装置20は、平面型表示装置30の長辺に対向して2台、平面型表示装置30の短辺に対向して2台、設けられている。補助解体装置20にあっては、第2の爪部23が1つ設けられている。爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置にあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置にあっては、2つ、設けられている。図10において、爪部13が設けられた部分を点線で示し、符号「A」を付した。また、第2の爪部23が設けられた部分を点線で示し、符号「B」を付した。
【0041】
以下、解体装置及び平面型表示装置等の一部を切り欠いた模式図である図12及び図13を参照して、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明する。
【0042】
[工程−200]
実施例2にあっては、先ず、平面型表示装置30を昇降装置(リフター)50に搬入し、平面型表示装置30を昇降装置50に載置する。次いで、油圧シリンダー(図示せず)で動作するストッパー51によって平面型表示装置30を水平方向に移動しないように固定する。そして、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を上昇させる。この状態にあっては、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置100が対するように平面型表示装置30を配置する。また、この状態にあっては、平面型表示装置30の画像表示部31の表面32は爪部13及び第2の爪部23の底面と接触した状態にある。更には、移動装置62を作動させて吸着装置61を下降させ、吸着装置61が画像表示部31と接触したならば、吸着装置61の下降を中止させ、吸着装置61を作動させて、画像表示部31を吸着し、画像表示部31を固定する。こうして、図12に示す状態を得ることができる。
【0043】
[工程−210]
次いで、各解体装置100において、第3部材移動装置24を作動させて、第3部材21を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部23を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させる。尚、第2の爪部23は、爪部13よりも薄く、フロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に容易に侵入することができる。こうして、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部の表面との間に隙間を形成することができる(図13参照)。
【0044】
[工程−220]
次いで、押上げ手段26を作動させて、第3部材21の後端部を押し上げる。これによって、第3部材21及び第4部材22、第2の爪部23には、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心とした第3部材21の回動が生じる。図示した例では、図13の右手側の第3部材21にあっては反時計回りの回動が生じ、左手側の第3部材21にあっては時計回りの回動が生じる。こうして、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間の隙間を更に拡げることができる。
【0045】
[工程−230]
その後、実施例1の[工程−110]〜[工程−150]と同様の工程を実行すればよい。
【0046】
以上、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。平面型表示装置の解体装置、補助解体装置、破砕装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。また、解体装置や補助解体装置の使用台数も例示であり、平面型表示装置の大きさ等に依存して、適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0047】
10,10A,10B,100,100A・・・解体装置、11・・・第1部材、12・・・第2部材、13・・・爪部、14・・・第1部材移動装置、15・・・台座、20・・・補助解体装置、21・・・第3部材、21A・・・第3部材移動装置の取付部、22・・・第4部材、23・・・第2の爪部、24・・・第3部材移動装置、24A・・・第3部材移動装置の先端部、25・・・ピン、26・・・押上げ手段、27・・・スイッチ、30・・・平面型表示装置、31・・・画像表示部、32・・・画像表示部の表面(おもてめん)、33・・・フレーム、33A・・・フレームの端面、34・・・フロントキャビネット部、34A・・・フロントキャビネット部の先端部、35・・・リヤキャビネット部、36・・・回路基板、40・・・楔、50・・・昇降装置(リフター)、51・・・ストッパー、60・・・支持装置、61・・・吸着装置、62・・・移動装置、70・・・破砕装置、71・・・破砕室、72・・・回転軸、73・・・チェーン、74・・・モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面型表示装置の解体装置及び解体方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平成21年4月から、テレビジョン受信機であって液晶式のもの(『液晶表示装置』と呼ぶ)及びプラズマ式のもの(『プラズマ表示装置』と呼ぶ)が、特定家庭用機器再商品化法(所謂、家電リサイクル法)の対象に追加された。それ故、液晶表示装置やプラズマ表示装置(以下、『平面型表示装置』と総称する)の解体作業の合理化、簡素化等の確立が急務である。
【0003】
ブラウン管式のテレビジョン受信機の解体装置や解体方法は、例えば、特開2000−350980、特開平10−263518、特開平9−115448等、多数の特許公開公報に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−350980
【特許文献2】特開平10−263518
【特許文献3】特開平9−115448
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在のところ、平面型表示装置を作業台に載置し、人手によって、作業台上で平面型表示装置からフロントキャビネット部を取り外して解体しており、解体作業に多大の労力を要している。
【0006】
従って、本発明の目的は、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成し得る平面型表示装置の解体装置、及び、係る解体装置を用いた平面型表示装置の解体方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置の解体方法は、
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有する解体装置を複数台、備えた平面型表示装置解体装置を用いて、
(A)画像表示部、
(B)画像表示部の表面(おもてめん)の外周部から側部に亙り、画像表示部に取り付けられたフロントキャビネット部、及び、
(C)フロントキャビネット部に取り付けられ、画像表示部の裏面側に配置された回路基板を格納するリヤキャビネット部、
を備えた平面型表示装置を解体する方法であって、
(イ)平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置した後、
(ロ)各解体装置において、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、
(ハ)第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す、
各工程から成ることを特徴とする。
【0008】
本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、工程(ハ)の後、
(ニ)画像表示部を除去する工程、
を更に備えている形態とすることができる。更には、工程(ハ)の後、あるいは、工程(ニ)の後、
(ホ)リヤキャビネット部及び回路基板を破砕し、次いで、破砕品を分別する工程、
を更に備えている形態とすることができる。
【0009】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、工程(イ)に先立ち、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に楔を挿入し、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成する形態とすることができる。
【0010】
あるいは又、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、
各解体装置は、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であり、
工程(イ)と(ロ)の間で、
各解体装置において、第3部材移動装置を作動させて、第3部材を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させて、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成し、次いで、押上げ手段を作動させて、第3部材の後端部を押し上げ、第3部材移動装置の取付部を中心とした第3部材の回動によって、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間の隙間を更に拡げる形態とすることができる。
【0011】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法において、
平面型表示装置解体装置は、画像表示部を支持する支持装置を更に備えており、
工程(ロ)及び工程(ハ)において、支持装置によって画像表示部を支持する形態とすることができる。ここで、支持装置は、例えば、吸着装置、及び、吸着装置を上下に移動させる移動装置から構成することができる。
【0012】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、工程(イ)において、平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置するが、具体的には、例えば、平面型表示装置を昇降装置(リフター)に載置し、昇降装置を作動させて平面型表示装置を上昇させることで、平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置すればよい。また、工程(ハ)が完了した後、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を後進端から前進端に位置せしめた後、昇降装置を作動させて平面型表示装置を下降させ、平面型表示装置に対する次の作業を行えばよい。尚、平面型表示装置を上下に動かさず、解体装置を下降・上昇させてもよいし、平面型表示装置及び解体装置を相対的に上下に動かしてもよい。
【0013】
工程(ホ)は、限定するものではないが、例えば、中心部に垂直方向に延びる回転軸を備え、一端が無拘束状態にあるチェーンの他端がこの回転軸に取り付けられている円筒状の破砕室を備えた破砕装置を使用し、破砕室にリヤキャビネット部及び回路基板を投入し、回転軸を回転させることでチェーンをリヤキャビネット部及び回路基板に衝突させ、以て、リヤキャビネット部及び回路基板を破砕する工程とすることができる。
【0014】
上記の目的を達成するための本発明の平面型表示装置を解体するための解体装置は、
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の平面型表示装置を解体するための解体装置にあっては、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能である形態とすることができる。尚、第3部材、第4部材、第2の爪部、第3部材移動装置及び押上げ手段の集合体を、便宜上、『補助解体装置』と呼ぶ場合がある。
【0016】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法にて使用される解体装置あるいは平面型表示装置を解体するための解体装置(以下、これらを総称して、単に、『本発明の解体装置等』と呼ぶ場合がある)において、平面型表示装置の4辺のそれぞれに対して解体装置を配するが、平面型表示装置の1辺に対して解体装置を1台、配してもよいし、複数台、配してもよい。平面型表示装置の長辺と短辺で、配する解体装置の台数を異ならせてもよい。第1部材移動装置に取り付けられる第1部材の数は1に限定されず、2以上としてもよい。また、本発明の解体装置等において、1台の解体装置に対して、1台の補助解体装置を配してもよいし、2台以上の補助解体装置を配し、平面型表示装置の大きさに応じて、適した補助解体装置を使い分ける形態としてもよい。爪部、第2の爪部の数は、1つでもよいし、複数であってもよい。
【0017】
本発明の解体装置等において、第1部材、第2部材、爪部、第3部材、第4部材、第2の爪部は、鉄、ステンレス鋼、その他金属や合金等から作製すればよい。第1部材と第2部材とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いて一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第2部材と爪部とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第3部材と第4部材とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第4部材と第2の爪部とは、別々に作製し、溶接等や、ボルトとナットを用いてによって一体化してもよいし、始めから一体に作製してもよい。第1部材移動装置、第3部材移動装置、押上げ手段として、油圧シリンダーや空気圧シリンダーを例示することができる。第3部材移動装置の取付部を中心に第3部材は回動可能であるが、係る構造は、例えば、第3部材移動装置の先端部にピンを取り付け、第3部材における第3部材移動装置の取付部を、ピンと係合する孔部から構成すればよい。
【0018】
以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の平面型表示装置の解体方法あるいは平面型表示装置を解体するための解体装置において、平面型表示装置として、液晶表示装置(LCD)やプラズマ表示装置(PDP)だけでなく、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)、冷陰極電界電子放出素子を組み込んだ冷陰極電界電子放出表示装置(FED)、表面伝導型電子放出素子を組み込んだ表示装置(SED)を例示することができる。平面型表示装置の画像表示部とは、実際に画像を表示する部分であり、平面型表示装置の表面(おもてめん)である。平面型表示装置の大きさ(対角公称インチ数)には、特段の制限は無い。平面型表示装置の構成、構造は、周知の構成、構造である。
【発明の効果】
【0019】
本発明の平面型表示装置の解体方法にあっては、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す。それ故、人手で画像表示部からフロントキャビネット部を取り外すといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に左程労力を要すること無く、平面型表示装置の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、実施例1の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す平面図である。
【図2】図2は、実施例1の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図3】図3は、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図4】図4は、実施例1の平面型表示装置の一部を拡大した模式的な一部断面図である。
【図5】図5は、図3に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図6】図6は、図5に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図7】図7は、図6に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図8】図8は、図7に引き続き、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図9】図9は、実施例1の平面型表示装置の解体装置での使用に適した破砕装置の概念図である。
【図10】図10は、実施例2の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す部分的平面図である。
【図11】図11は、実施例2の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図12】図12は、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【図13】図13は、図12に引き続き、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明するための、解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0022】
実施例1は、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法に関する。実施例1の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す平面図を図1に示し、実施例1の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図を図2に示す。
【0023】
実施例1の平面型表示装置の解体装置10は、
(a)水平方向に延びる第1部材11、
(b)第1部材11の先端部から下方に延びる第2部材12、
(c)第2部材12の先端に配され、第1部材11の後端部側へと延びる爪部13、及び、
(d)第1部材11の後端部に取り付けられ、第1部材11を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置14、
を有する。
【0024】
第1部材11、第2部材12、及び、爪部13はステンレス鋼から作製されており、これらは、溶接によって一体化されている。第1部材移動装置14は、油圧シリンダーから構成されており、台座15に載せられている。尚、図2以外の図面においては、台座の図示を省略した。第1部材移動装置14の前進端、後進端を検出するスイッチが配置されているが、これらのスイッチの図示は省略した。実施例1にあっては、第1部材移動装置14に取り付けられた第1部材11の数は1である。また、爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置10Aにあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置10Bにあっては、2つ、設けられている。図1において、爪部13が設けられた部分を点線で示し、符号「A」を付した。
【0025】
平面型表示装置解体装置は、平面型表示装置30を構成する画像表示部31を支持する支持装置60を更に備えており、支持装置60は、吸着装置61、及び、吸着装置61を上下に移動させる移動装置(具体的には、空気圧シリンダー)62から構成されている。尚、図1においては、支持装置60、昇降装置50の図示を省略した。
【0026】
平面型表示装置30は、具体的には、液晶表示装置(LCD)から成り、
(A)画像表示部31、
(B)画像表示部31の表面(おもてめん)32の外周部から側部に亙り、画像表示部31に取り付けられたフロントキャビネット部34、及び、
(C)フロントキャビネット部34に取り付けられ、画像表示部31の裏面側に配置された回路基板36を格納するリヤキャビネット部35、
を備えている。より具体的には、画像表示部31の表面32の外周部から側部に亙り、画像表示部31に対してフレーム33が取り付けられている(具体的には、例えば、接着されている)。そして、フロントキャビネット部34がフレーム33の端面33A(図4参照)と接触した状態で、フロントキャビネット部34はフレーム33に取り付けられている。回路基板36は、図示しない各種の取付部材によってリヤキャビネット部35に取り付けられており、また、図示しない配線やコネクター等によって画像表示部31と電気的に接続されている。
【0027】
以下、図1の矢印A−Aに沿って解体装置及び平面型表示装置等の一部を切り欠いた模式図である図3、図5〜図8を参照して、実施例1の平面型表示装置の解体方法を説明するが、実施例1にあっては、解体装置10を複数台、具体的には、4台、使用する。
【0028】
[工程−100]
実施例1の平面型表示装置の解体方法にあっては、予め、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34A(図4参照)と画像表示部31の表面32との間に楔40を挿入し(打ち込み)、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に隙間を形成する。この作業は、機械を用いて自動的に行ってもよいし、作業者が行ってもよい。そして、平面型表示装置30を昇降装置(リフター)50に搬入し、平面型表示装置30を昇降装置50に載置する。次いで、油圧シリンダー(図示せず)で動作するストッパー51によって平面型表示装置30を水平方向に移動しないように固定する(図3参照)。そして、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を上昇させる。この状態にあっては、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置10が対するように平面型表示装置30を配置する。また、この状態にあっては、平面型表示装置30の画像表示部31の表面32は爪部13の底面と接触した状態にある。更には、移動装置62を作動させて吸着装置61を下降させ、吸着装置61が画像表示部31と接触したならば、吸着装置61の下降を中止させ、吸着装置61を作動させて、画像表示部31を吸着し、画像表示部31を固定する。こうして、図5及び図1に示す状態を得ることができる。尚、図5〜図8においては、楔40を挿入していない部分を図示しており、楔40の図示は省略している。
【0029】
[工程−110]
その後、各解体装置10において、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部13を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させる(図6参照)。フロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間には隙間が形成されているので、爪部13は、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に容易に侵入することができる。
【0030】
[工程−120]
そして、第1部材移動装置14を更に後進端まで移動させる。これによって、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。こうして、画像表示部31とフロントキャビネット部34とは分離した状態となる(図7参照)。画像表示部31は支持装置60によって固定された状態にある。尚、図7において、破壊して取り除かれたフロントキャビネット部34の部分の図示は省略した。
【0031】
[工程−130]
次いで、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を下降させる。下降中、一旦、下降を停止させ、画像表示部31と回路基板36との間の配線を切断し、また、画像表示部31と回路基板36との間を結ぶコネクター等を除去した後、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を更に下降させて、最下降位置に位置せしめる(図8参照)。その後、昇降装置50から、画像表示部31が取り外された平面型表示装置30を搬出する。
【0032】
[工程−140]
その後、画像表示部31を除去する。具体的には、昇降装置50を再び上昇させて、支持装置60によって固定された状態にある画像表示部31を昇降装置50に載置し、吸着装置61の作動を中止して、支持装置60による画像表示部31の固定状態を解き、昇降装置50を下降させて最下降位置に位置せしめ、その後、昇降装置50から、画像表示部31を搬出する。そして、画像表示部31を構成する各種の部品に分解し、各種の部品を分別する。
【0033】
[工程−150]
[工程−130]の後、あるいは、[工程−140]の後、画像表示部31が取り外された平面型表示装置30、具体的には、リヤキャビネット部35及び回路基板36を破砕し、次いで、破砕品を分別する。
【0034】
具体的には、実施例1にあっては、図9に概念図を示すような破砕装置70を使用した。ここで、この破砕装置70は、円筒状の破砕室71を備えている。破砕室71の中心部には、垂直方向に延びる回転軸72が備えられており、この回転軸はモータ74によって回転させられる。一端が無拘束状態にあるチェーン73の他端は、この回転軸72に取り付けられている。
【0035】
そして、回転軸72を回転させながら、破砕室71にリヤキャビネット部35及び回路基板36を投入し、チェーン73をリヤキャビネット部35及び回路基板36に衝突させる。これによって、リヤキャビネット部35及び回路基板36を破砕することができる。
【0036】
実施例1にあっては、第1部材移動装置14を作動させて、第1部材11を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部13を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させ、第1部材11を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部34を破壊して画像表示部31から取り外す。それ故、人手で画像表示部31からフロントキャビネット部34を取り外すといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に労力を要すること無く、平面型表示装置30の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。また、[工程−150]においても、リヤキャビネット部35及び回路基板36を人手で分解するといった煩雑な作業が不要となり、解体作業に労力を要すること無く、平面型表示装置30の解体作業の合理化、簡素化を達成することができる。
【実施例2】
【0037】
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の平面型表示装置の解体装置及び平面型表示装置の配置状態を模式的に示す部分的平面図を図10に示し、実施例2の平面型表示装置における解体装置及び平面型表示装置の一部を切り欠いた模式図を図11に示す。
【0038】
実施例2において、各解体装置100は、
(e)水平方向に延びる第3部材21、
(f)第3部材21の先端部から下方に延びる第4部材22、
(g)第4部材22の先端に配され、第3部材21の後端部側へと延びる第2の爪部23、
(h)第3部材21の中間部にその先端部24Aが取り付けられ、第3部材21を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置24、及び、
(i)第3部材21の後端部を押し上げる押上げ手段26、
から構成された補助解体装置20を更に有している。そして、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心に、第3部材21は回動可能である。
【0039】
第3部材21、第4部材22、及び、第2の爪部23はステンレス鋼から作製されており、これらは、溶接によって一体化されている。第3部材移動装置24は、油圧シリンダーから構成されており、押上げ手段26は空気圧シリンダーから構成されており、これらは台座(図示せず)に載せられている。第3部材移動装置24の前進端、後進端を検出するスイッチが配置されているが、これらのスイッチの図示は省略した。また、第3部材21の後端部の上下方向への移動を検出するスイッチ(図示せず)が台座に取り付けられている。第2の爪部23は、第3部材21に1つ、設けられている。ここで、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心に第3部材21は回動可能であるが、係る構造は、第3部材移動装置24の先端部24Aにピン25を取り付け、第3部材21の第3部材移動装置24の取付部21Aを、ピンと係合する孔部とすることで達成することができる。
【0040】
実施例2にあっても、第1部材移動装置14に取り付けられた第1部材11の数は1である。また、爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置100Aにあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置にあっては、2つ、設けられている。また、実施例2にあっては、補助解体装置20は、平面型表示装置30の長辺に対向して2台、平面型表示装置30の短辺に対向して2台、設けられている。補助解体装置20にあっては、第2の爪部23が1つ設けられている。爪部13は、平面型表示装置30の長辺に対向する解体装置にあっては、3つ、平面型表示装置30の短辺に対向する解体装置にあっては、2つ、設けられている。図10において、爪部13が設けられた部分を点線で示し、符号「A」を付した。また、第2の爪部23が設けられた部分を点線で示し、符号「B」を付した。
【0041】
以下、解体装置及び平面型表示装置等の一部を切り欠いた模式図である図12及び図13を参照して、実施例2の平面型表示装置の解体方法を説明する。
【0042】
[工程−200]
実施例2にあっては、先ず、平面型表示装置30を昇降装置(リフター)50に搬入し、平面型表示装置30を昇降装置50に載置する。次いで、油圧シリンダー(図示せず)で動作するストッパー51によって平面型表示装置30を水平方向に移動しないように固定する。そして、昇降装置50を作動させて平面型表示装置30を上昇させる。この状態にあっては、平面型表示装置30の4辺のそれぞれに解体装置100が対するように平面型表示装置30を配置する。また、この状態にあっては、平面型表示装置30の画像表示部31の表面32は爪部13及び第2の爪部23の底面と接触した状態にある。更には、移動装置62を作動させて吸着装置61を下降させ、吸着装置61が画像表示部31と接触したならば、吸着装置61の下降を中止させ、吸着装置61を作動させて、画像表示部31を吸着し、画像表示部31を固定する。こうして、図12に示す状態を得ることができる。
【0043】
[工程−210]
次いで、各解体装置100において、第3部材移動装置24を作動させて、第3部材21を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部23を、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に侵入させる。尚、第2の爪部23は、爪部13よりも薄く、フロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間に容易に侵入することができる。こうして、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部の表面との間に隙間を形成することができる(図13参照)。
【0044】
[工程−220]
次いで、押上げ手段26を作動させて、第3部材21の後端部を押し上げる。これによって、第3部材21及び第4部材22、第2の爪部23には、第3部材移動装置24の取付部21Aを中心とした第3部材21の回動が生じる。図示した例では、図13の右手側の第3部材21にあっては反時計回りの回動が生じ、左手側の第3部材21にあっては時計回りの回動が生じる。こうして、画像表示部31の表面32に対向したフロントキャビネット部34の先端部34Aと画像表示部31の表面32との間の隙間を更に拡げることができる。
【0045】
[工程−230]
その後、実施例1の[工程−110]〜[工程−150]と同様の工程を実行すればよい。
【0046】
以上、本発明の平面型表示装置の解体装置及び解体方法を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。平面型表示装置の解体装置、補助解体装置、破砕装置の構成、構造は例示であり、適宜、変更することができる。また、解体装置や補助解体装置の使用台数も例示であり、平面型表示装置の大きさ等に依存して、適宜、変更することができる。
【符号の説明】
【0047】
10,10A,10B,100,100A・・・解体装置、11・・・第1部材、12・・・第2部材、13・・・爪部、14・・・第1部材移動装置、15・・・台座、20・・・補助解体装置、21・・・第3部材、21A・・・第3部材移動装置の取付部、22・・・第4部材、23・・・第2の爪部、24・・・第3部材移動装置、24A・・・第3部材移動装置の先端部、25・・・ピン、26・・・押上げ手段、27・・・スイッチ、30・・・平面型表示装置、31・・・画像表示部、32・・・画像表示部の表面(おもてめん)、33・・・フレーム、33A・・・フレームの端面、34・・・フロントキャビネット部、34A・・・フロントキャビネット部の先端部、35・・・リヤキャビネット部、36・・・回路基板、40・・・楔、50・・・昇降装置(リフター)、51・・・ストッパー、60・・・支持装置、61・・・吸着装置、62・・・移動装置、70・・・破砕装置、71・・・破砕室、72・・・回転軸、73・・・チェーン、74・・・モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有する解体装置を複数台、備えた平面型表示装置解体装置を用いて、
(A)画像表示部、
(B)画像表示部の表面の外周部から側部に亙り、画像表示部に取り付けられたフロントキャビネット部、及び、
(C)フロントキャビネット部に取り付けられ、画像表示部の裏面側に配置された回路基板を格納するリヤキャビネット部、
を備えた平面型表示装置を解体する方法であって、
(イ)平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置した後、
(ロ)各解体装置において、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、
(ハ)第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項2】
工程(ハ)の後、
(ニ)画像表示部を除去する工程、
を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項3】
工程(ハ)の後、
(ホ)リヤキャビネット部及び回路基板を破砕し、次いで、破砕品を分別する工程、
を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項4】
工程(イ)に先立ち、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に楔を挿入し、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項5】
各解体装置は、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であり、
工程(イ)と(ロ)の間で、
各解体装置において、第3部材移動装置を作動させて、第3部材を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させて、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成し、次いで、押上げ手段を作動させて、第3部材の後端部を押し上げ、第3部材移動装置の取付部を中心とした第3部材の回動によって、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間の隙間を更に拡げることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項6】
平面型表示装置解体装置は、画像表示部を支持する支持装置を更に備えており、
工程(ロ)及び工程(ハ)において、支持装置によって画像表示部を支持することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項7】
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有することを特徴とする、平面型表示装置を解体するための解体装置。
【請求項8】
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であることを特徴とする請求項7に記載の平面型表示装置を解体するための解体装置。
【請求項1】
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有する解体装置を複数台、備えた平面型表示装置解体装置を用いて、
(A)画像表示部、
(B)画像表示部の表面の外周部から側部に亙り、画像表示部に取り付けられたフロントキャビネット部、及び、
(C)フロントキャビネット部に取り付けられ、画像表示部の裏面側に配置された回路基板を格納するリヤキャビネット部、
を備えた平面型表示装置を解体する方法であって、
(イ)平面型表示装置の4辺のそれぞれに解体装置が対するように平面型表示装置を配置した後、
(ロ)各解体装置において、第1部材移動装置を作動させて、第1部材を前進端から後進端に向かって移動させ、爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させ、
(ハ)第1部材移動装置を更に後進端まで移動させ、フロントキャビネット部を破壊して画像表示部から取り外す、
各工程から成ることを特徴とする平面型表示装置の解体方法。
【請求項2】
工程(ハ)の後、
(ニ)画像表示部を除去する工程、
を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項3】
工程(ハ)の後、
(ホ)リヤキャビネット部及び回路基板を破砕し、次いで、破砕品を分別する工程、
を更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項4】
工程(イ)に先立ち、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に楔を挿入し、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項5】
各解体装置は、
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であり、
工程(イ)と(ロ)の間で、
各解体装置において、第3部材移動装置を作動させて、第3部材を前進端から後進端へと移動させ、第2の爪部を、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に侵入させて、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間に隙間を形成し、次いで、押上げ手段を作動させて、第3部材の後端部を押し上げ、第3部材移動装置の取付部を中心とした第3部材の回動によって、画像表示部の表面に対向したフロントキャビネット部の先端部と画像表示部の表面との間の隙間を更に拡げることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項6】
平面型表示装置解体装置は、画像表示部を支持する支持装置を更に備えており、
工程(ロ)及び工程(ハ)において、支持装置によって画像表示部を支持することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の平面型表示装置の解体方法。
【請求項7】
(a)水平方向に延びる第1部材、
(b)第1部材の先端部から下方に延びる第2部材、
(c)第2部材の先端に配され、第1部材の後端部側へと延びる爪部、及び、
(d)第1部材の後端部に取り付けられ、第1部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第1部材移動装置、
を有することを特徴とする、平面型表示装置を解体するための解体装置。
【請求項8】
(e)水平方向に延びる第3部材、
(f)第3部材の先端部から下方に延びる第4部材、
(g)第4部材の先端に配され、第3部材の後端部側へと延びる第2の爪部、
(h)第3部材の中間部にその先端部が取り付けられ、第3部材を、前進端と後進端との間で水平方向に移動させる第3部材移動装置、及び、
(i)第3部材の後端部を押し上げる押上げ手段、
を更に有し、
第3部材移動装置の取付部を中心に、第3部材は回動可能であることを特徴とする請求項7に記載の平面型表示装置を解体するための解体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−83547(P2012−83547A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−229578(P2010−229578)
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(501282659)グリーンサイクル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月12日(2010.10.12)
【出願人】(501282659)グリーンサイクル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]