説明

平面形放電ランプ

【課題】 分割された全放電空間で均一に発光できる平面形放電ランプを提供する。
【解決手段】 透光性の前面基板1と背面基板2とが対向配置され、内部が気密に封止された面状放電容器に放電媒体を封入し、前面基板と背面基板との少なくとも一方の内側に蛍光体層4を形成し、面状放電容器の端部に沿って互いに平行に第1電極6a、第2電極6bを設置し、前面基板と背面基板との間で第1電極と第2電極とに対して垂直方向へ所定の間隔を有するようにスペーサー5を配置して第1電極と第2電極との間の内部空間を複数の放電空間7に分割した平面形放電ランプ10にあって、複数のスペーサーによって分離された放電空間の少なくとも一端部を隣りの放電空間と放電が繋がらないように閉塞した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面形放電ランプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば液晶ディスプレイパネルのバックライト光源として利用される平面形放電ランプとして、特許第3026416号公報(特許文献1)に記載されたものが知られている。この平面形放電ランプは、発光面となる透光性を有する面板と、該面板の内面に形成された透明導電膜からなる電極と、該透明導電膜が外部電極とされる部分以外を覆って設けられた透光性を有する誘電体層と、面板と対向配置された絶縁基板と、該絶縁基板に被着された蛍光体から構成され、前面基板と絶縁基板とが一体に封着され、内部に希ガスと水銀が封入され、絶縁基板に設けられた放電路の断面形状が、面板に向かって開くような勾配や曲面、又はそれらを組み合わせた形状に形成したことを特徴としている。この場合、電極は放電路に対し直交して配置されている。
【0003】
従来、平面形放電ランプとして特開平10−222083号公報(特許文献2)に記載されたものも知られている。この従来の平面形放電ランプは、電極はスペーサーに対し垂直な方向に配置される基本構成は上の従来例と同じであるが、電極は前面基板の外壁に設置されている。
【0004】
さらに別の従来例として、特開2003−217517号公報(特許文献3)に記載された平面形放電ランプも知られている。この従来の平面形放電ランプは、上記第1、第2の従来例と同様に、第1電極と第2電極とが、これらの第1電極と第2電極との間の放電空間を複数の放電空間に分割する複数の細型隔壁に対して垂直方向に配置された構成を備えている。加えてこの第3の従来例では、電荷集中度を向上して放電効率を向上することができるように、第1電極及び第2電極と一体に形成され、これらの第1電極及び第2電極から内部空間に向かって突出するように、互いに対向する第1突出部及び第2突出部を備えている。
【0005】
ところが、これらの従来の平面形放電ランプでは、線状のスペーサーによって内部空間を多数の放電空間に分割し、一対の電極が各放電空間の両端部に配置される場合、図16、図17に示すような問題を生じる。図16はランプ消灯時の状態、図17はランプ点灯時の状態を示している。図16は、スペーサー5と電極6a,6bとの相対的な位置関係を示したランプの断面図で、電極6a,6bはランプ外壁に配置されるか、又はランプ内壁に塗布された後誘電体層でコートされた構成がとられている。ランプの排気やガス導入を容易にするために、スペーサー5は、その両端部が側壁3に接しないように配置され、それぞれの放電空間が繋がるような構成としている。このため、図17に示すように、電極6a,6b間に交流電圧を印加すると、例えば斜線を施した空間Aだけに放電路が形成され、白抜きの空間Bには放電路が形成されず、空間Aだけに部分的に発光する問題が発生する。
【0006】
この原因は、次の通りである。各放電空間の両端部に作用するように配置される電極6a,6bに電圧を印加すると、全ての放電空間に電界が作用する。各放電空間は、ガラスや蛍光体の表面状態や電極の状態の差異によってランプ始動電圧が若干異なり、始動電圧が最も低い放電空間で放電路が形成される。放電路が形成された空間Aでは、両端の電極部分の表面を覆っている誘電体層(ガラス)に印加される電圧は、放電路の形成される前には印加電圧と逆極性であるが、放電路が形成されることによって印加電圧と同極性に変化する。このため、結果的に、空間Aに印加される電圧が低減して放電が終了する。空間Aに隣り合う、放電路の形成されていない空間Bの電極部分の表面を覆っている誘電体層(ガラス)では、放電に至っていないので、印加電圧と逆極性の電圧が印加されたままであるが、空間Aの誘電体層(ガラス)は上述したように同極性に変化しているため、空間Aと空間Bの誘電体層(ガラス)との間に電圧差を生じて両者の間で放電し、外観的には電極部分で放電路が繋がっているように見える。そして、空間Bの誘電体層(ガラス)の電圧は印加電圧と同極性になるため、結果的に空間Bに作用する電圧が低減し、空間Bでは放電開始しない。このような現象は管面全体で発生するため、従来の平面形放電ランプでは、全ての放電空間には放電路が形成されず、部分的に発光する問題点が発生するのである。
【特許文献1】特許第3026416号公報
【特許文献2】特開平10−222083号公報
【特許文献3】特開2003−217517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたもので、分割された全放電空間で発光できる平面形放電ランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、透光性の前面基板と背面基板とが対向配置され、内部が気密に封止された面状放電容器と、前記面状放電容器内に封入された放電媒体と、前記前面基板と背面基板との少なくとも一方の内側に塗布された蛍光体層と、前記面状放電容器の端部に沿って互いに平行に配置され、その間に位置する放電媒体に電圧を供給する第1電極及び第2電極と、前記第1電極又は第2電極の少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように配置された誘電体層と、前記前面基板と背面基板との間で前記第1電極と第2電極とに対して垂直方向へ所定の間隔を有するように配置され、当該第1電極と第2電極との間の内部空間を複数の放電空間に分割する複数のスペーサーとを具備した平面形放電ランプであって、前記複数のスペーサーによって分離された放電空間の少なくとも一端部を、隣り合う放電空間と放電が繋がらないように閉塞したことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1の平面形放電ランプにおいて、前記誘電体層は、前記前面基板又は背面基板で兼ねさせたことを特徴とするものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は2の平面形放電ランプにおいて、前記スペーサーは、前記前面基板又は背面基板に一体的に形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の平面形放電ランプによれば、複数のスペーサーによって分離された放電空間の少なくとも一端部を、隣り合う放電空間と放電が繋がらないように閉塞したので、点灯時に各放電空間に同等の電圧を印加して放電を開始させることができ、全放電空間で発光することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。図1〜図3は、本発明の第1の実施の形態の平面形放電ランプ10の構成を示し、図1は垂直断面図、図2は水平断面図、図3は平面図である。本実施の形態の平面形放電ランプ10は、透光性のガラス板から構成される前面基板1と背面基板2を略一定の間隔で対向させて配置し、2枚の基板1,2の周辺部を側壁3を介してフリットガラスで接着して、気密な平面状放電容器を形成している。なお、この平面状放電容器は、どちらか一方のガラス基板をお盆状に熱成形して側壁を省略する方法や、フリットガラスを使用しないで、両ガラス基板の周辺部を加熱してガラスを溶融させて接着する方法などで形成することもできる。
【0013】
平面状放電容器の内部空間には、放電媒体として水銀蒸気、キセノン、クリプトン、アルゴン、ネオン、ヘリウムが単独もしくは2種類以上混合して数kPaから数100kPaの封入圧力で封入してある。前面基板1と背面基板2との間には、細長いスペーサー5が一定の間隔で複数本配置してあり、前面基板1と背面基板2との間隔を一定に保つと共に、放電容器の内外気圧差によるランプの爆縮による破損を防止している。スペーサー5の断面形状は、図中の直方体以外に、図4(a)〜(f)に示すように、台形、三角形、円形、管型など多彩な形状をとることができる。
【0014】
図2に示すように、線状スペーサー5によって平面状放電容器は多数の放電空間7に分割してある。各々の放電空間7の一方の端部は、スペーサー5の一端部を側壁3に接近させて接続し、隣り合う放電空間7と分離するように閉塞してある。また、各放電空間7の他方の端部は開放して、隣り合う放電空間と繋がらせてある。各放電空間7の開放部は連通しており、各放電空間7内の排気や放電媒体の導入を容易にしている。
【0015】
前面基板1、背面基板2、スペーサー5、側壁3の内側には、それぞれ蛍光体層4が形成してあり、放電によって放電媒体から放射される紫外線を可視光に変換する。蛍光体層4には、一般照明、冷陰極蛍光ランプ、PDPに使用される蛍光材料を用い、単独で塗布するか、発光色の異なる数種類の蛍光材料を混合して塗布してある。また、異なる発光色の蛍光体を個別に縞状又はドット状に塗布する構成もとることができる。
【0016】
光を取り出す側の前面基板1の蛍光体層4は、背面基板2側からの蛍光体の光を損失なく透過させるために、例えば、平均粒径(1次粒子径)が約2.5μm以上の蛍光体粒子を厚さ5〜15μmと薄く形成している。一方、光を取り出さない背面基板2の蛍光体層4は、光を前面基板1側に多く導くために、例えば平均粒径が約2.5μm以下の蛍光体粒子を厚さ30〜100μmと厚く形成して反射輝度を高めている。また、背面基板2と蛍光体層4との間には、微粒子の金属酸化物の反射層を形成することもできる。本実施の形態では、両方のガラス基板1,2の内面に蛍光体層4を設けているが、どちらか一方の蛍光体層を省略する構成もとることができる。また、前面基板1と背面基板2の両方の蛍光体層4を省略して、放電媒体から放射される可視光を直接利用する形態も採ることができる。
【0017】
前面基板1の外面には、図3に示すように、放電容器の端部に沿って高圧電圧を印加するための外部電極6aと低圧電圧を印加するための外部電極6bを配置してある。好ましくは高電圧を印加する外部電極6aを、図2のスペーサーの端部を閉塞している側に配置する構成とする。外部電極6a,6bの形状は帯型形状である。外部電極6a,6bはこれ以外に、スペーサー5で分離した各放電空間7へ向かって凸部を形成するなど、多彩な異型形状をとることができる。
【0018】
上記の構成の平面形放電ランプ10では、高電圧側の外部電極6aと低電圧側の外部電極6bとの間に周波数10〜200kHzの矩形波電圧、三角波電圧、正弦波電圧又はパルス電圧を印加することで、平面状放電容器内で線状スペーサー5によって分割されている各々放電空間において放電が形成される。そして、放電媒体から放射される紫外線が、蛍光体層4によって可視光に変換され、これを光源として利用する。
【0019】
これにより、第1の実施の形態の平面形放電ランプ10では、図5に示すように、複数のスペーサー5によって分離された放電空間7各々の一端部を隣り合う放電空間7と放電が繋がらないように閉塞したので、点灯時に各放電空間7に同等の電圧を印加して放電を開始させて放電路を形成することができ、全放電空間で均一な明るさに発光させることができる。加えて、本実施の形態の場合、各放電空間7の一端部は繋げてあるので、特に製造時に平面状放電容器を真空引きし、放電媒体を封入する工程では当該容器の1カ所に穴を明けて管を接続し、真空引きしたり放電媒体を封入することで連通している各放電空間7から等しく真空引きし、また放電媒体を均等に封入することができるメリットもある。
【0020】
なお、本発明は上記の構成に限らず、電極6a,6bの少なくとも一方が、放電媒体が分離されるバリア放電型の平面形放電ランプに適応されるものであるため、特許文献1に記載されたような前面基板又は背面基板の内側に電極を形成し、その表面を誘電体層で覆う構成のものに対しても適用できる。また、特許文献3に開示された構成の平面形放電ランプに対しても、どちらか一方の電極が誘電体層やガラス壁により放電媒体から分離される構造ならば適用できる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態の平面形放電ランプ11について、図6、図7を用いて説明する。本実施の形態は、図1〜図3に示した第1の実施の形態におけるスペーサー5の代わりに、前面基板1を熱成形により凹凸に形成し、凸部を背面基板2に押し当てて、スペーサー5′として機能させる構成を特徴とする。なお、図6、図7では、前面基板1を加工しているが、逆に背面基板2を加工する構成にすることもできる。これらの場合も、凸条のスペーサー5′により分割された放電空間7の少なくとも一端部は、隣り合う放電空間7と分離されるように閉塞してある。また、放電空間7の他方の端部は開放され、隣り合う放電空間7と繋げてある。
【0022】
これにより、第2の実施の形態の平面形放電ランプ11にあっても、第1の実施の形態と同様に複数のスペーサー5′によって分離された放電空間7各々の一端部を隣り合う放電空間と放電が繋がらないように閉塞したので、点灯時に各放電空間7に同等の電圧を印加して放電を開始させることができ、全放電空間で均一な明るさに発光させることができる。
【0023】
次に、本発明の第3の実施の形態の平面形放電ランプ12について、図8〜図10を用いて説明する。第3の実施の形態は、図1〜図3に示した第1の実施の形態に対して、各放電空間7の両端を共に閉塞した構成を特徴とする。その他の構成は第1の実施の形態とほぼ同様である。
【0024】
本実施の形態の平面形放電ランプ12は、透光性のガラス板から構成される前面基板1と背面基板2を略一定の間隔で対向させて配置し、2枚の基板1,2の周辺部を側壁3を介してフリットガラスで接着して、平面状放電容器を形成している。平面状放電容器の内部には第1の実施の形態と同様の放電媒体が所定の封入圧力で封入してある。前面基板1と背面基板2との間には、細長いスペーサー5が一定の間隔で複数本配置してあり、前面基板1と背面基板2との間隔を一定に保つと共に、放電容器の内外気圧差によるランプの爆縮による破損を防止している。図9に示すように、線状スペーサー5によって平面状放電容器は多数の放電空間7に分割してある。各々の放電空間7の両方の端部は、スペーサー5の両端部を側壁3に接近させて接続して閉塞してある。両方のガラス基板1,2の内面とスペーサー5の表面には第1の実施の形態と同様にして蛍光体層4が設けてある。
【0025】
前面基板1の外面には、図10に示すように、放電容器の端部に沿って高圧電圧を印加するための外部電極6aと低圧電圧を印加するための外部電極6bが配置してある。外部電極6a,6bの形状は帯型形状である。なお、スペーサー5、外部電極6a,6bについては第1の実施の形態と同様の変形が可能である。また、本実施の形態の構造の場合、平面状放電容器からの真空引き・ガス封入はベルジャー方式で行うことができる。それにはまず、フリットが溶融していない状態のランプを大きい真空炉に入れ、その真空炉ごと加熱しながら真空引きを行い、真空炉とランプ内部が同じ真空状態になるようにする。その真空状態の炉内にランプに封入するガスを充填し、その状態でさらに真空炉の温度をフリットが溶融する温度まで上げ、その後に真空炉を冷却させる。これによって、溶融したフリットが前面基板、背面基板、側壁の隙間において双方を接着しながら固まり、ガスを封入した平面状放電容器(ランプ)の基本構造が完成する。
【0026】
上記の構成の平面形放電ランプ12でも、第1の実施の形態と同様に高電圧側の外部電極6aと低電圧側の外部電極6bとの間に周波数10〜200kHzの矩形波電圧、三角波電圧、正弦波電圧又はパルス電圧を印加することで、平面状放電容器内で線状スペーサー5によって分割されている各々の放電空間7において放電が形成される。そして、放電媒体から放射される紫外線が、蛍光体層4によって可視光に変換され、これを光源として利用する。
【0027】
これにより、第3の実施の形態の平面形放電ランプ12では、図11に示すように、複数のスペーサー5によって分離された放電空間7各々の両端部を隣り合う放電空間7と放電が繋がらないように閉塞したので、点灯時に各放電空間7に同等の電圧を印加して放電を開始させて放電路を形成することができ、全放電空間で均一な明るさに発光させることができる。
【0028】
次に、本発明の第4の実施の形態の平面形放電ランプ14について、図12を用いて説明する。第4の実施の形態の平面形放電ランプ14は、所定の間隔で対向する前面基板1と背面基板2の一方あるいは両方に蛍光体層4を有し、その基板1,2間の間隙の周囲を側壁3で囲んで接着し、これらの基板1,2と側壁3で囲まれる放電空間内に放電媒体として希ガスあるいはネオン・アルゴン混合ガスと水銀を封入し、電圧を供給するために、放電空間内あるいは放電空間外に少なくとも1対の電極6a,6bを設置してあり、さらに背面基板2のみに断熱材8を貼り付け、ランプ内部で発生した熱をランプ外部へ伝えない構造である。なお、本実施の形態にあって、図13に示すように前面基板1には透光性の断熱材9を貼り付ける構造にしてもよい。
【0029】
このように断熱材8,9を具備することで、本平面形放電ランプ14をバックライトユニットに組み込んだ際、ユニットの他の部材(拡散板やシート類など)の熱劣化を防止することができる。加えて背面基板2に断熱材8を貼り付けることで、電極6a,6bの絶縁をとることができる。
【0030】
次に、本発明の第5の実施の形態の平面形放電ランプ15について、図14〜図15を用いて説明する。
【0031】
従来の平面形放電ランプでは、平板状の透明なガラス基板に、スペーサーを配置する凹部を設け、さらにフリットガラスでスペーサーを固定しているため、フリットガラスとの接合面でランプが割れる恐れがあった。本実施の形態は、この課題に鑑みたものである。図14は本実施の形態の平面形放電ランプ15の構造を示しており、一定の間隔にて向かい合う2枚の透光性のガラス基板1,2と、2枚の基板1,2の周辺部に側壁3をフリットガラス20を融着させて密閉された平面状放電容器を形成し、容器内壁には蛍光体層4を形成し、容器内部には水銀、希ガスなどの放電媒体を所定の気圧にて封入してある。大気圧による爆縮を防止するため、2枚のガラス基板1,2の間には、複数のスペーサー5を配置してある。この複数のスペーサー5によって複数の放電空間7を形成している。ガラス基板1又は2のどちらか一方には、各スペーサー5の底面の形状に合わせた凹部21を形成し、この各凹部21にスペーサー5各々の底面を嵌め込んで固定している。この場合、各凹部21とスペーサー5とはフリットガラス等の接着剤で固定しない。
【0032】
このような構成の第5の実施の形態の平面形放電ランプ15では、ガラス基板1,2の対向空間にスペーサー5を配置するために基板1,2の少なくとも一方に凹部を設けてスペーサー5をそこに嵌め込み、フリットガラスを用いないで固定する構造にしたので、フリットガラスの塗布分の厚みをなくすことができ、さらに、フリットガラスの接合面によるクラックを防止することができる。また、平板状の透明ガラス基板1,2とスペーサー5が面接触し、ガラス基板1,2にかかる応力が分散するため、爆縮しにくくなる。
【0033】
なお、第5の実施の形態の平面形放電ランプ15に対して、スペーサー5の形状は
図14に示した円形断面のものではなく、図15に示したような台形断面のものを採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1の実施の形態の平面形放電ランプの垂直断面図。
【図2】上記第1の実施の形態の平面形放電ランプの水平断面図。
【図3】上記第1の実施の形態の平面形放電ランプの平面図。
【図4】上記第1の実施の形態に対するスペーサーの形状の変形例を示す分解斜視図。
【図5】上記第1の実施の形態による放電点灯動作の説明図。
【図6】本発明の第2の実施の形態の平面形放電ランプの背面側からの斜視図。
【図7】上記第2の実施の形態の平面形放電ランプの正面側からの斜視図。
【図8】本発明の第3の実施の形態の平面形放電ランプの垂直断面図。
【図9】上記第3の実施の形態の平面形放電ランプの水平断面図。
【図10】上記第3の実施の形態の平面形放電ランプの平面図。
【図11】上記第3の実施の形態による放電点灯動作の説明図。
【図12】本発明の第4の実施の形態の平面形放電ランプの斜視図。
【図13】上記第4の実施の形態の平面形放電ランプの変形例の斜視図。
【図14】本発明の第5の実施の形態の平面形放電ランプの垂直断面図。
【図15】上記第5の実施の形態の平面形放電ランプの変形例の垂直断面図。
【図16】従来例の平面形放電ランプの水平断面図。
【図17】上記従来例の放電点灯動作の説明図。
【符号の説明】
【0035】
1 前面基板
2 背面基板
3 側壁
4 蛍光体層
5,5′ スペーサー
6a,6b 電極
7 放電空間
10〜15 平面形放電ランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性の前面基板と背面基板とが対向配置され、内部が気密に封止された面状放電容器と、前記面状放電容器内に封入された放電媒体と、前記前面基板と背面基板との少なくとも一方の内側に塗布された蛍光体層と、前記面状放電容器の端部に沿って互いに平行に配置され、その間に位置する放電媒体に電圧を供給する第1電極及び第2電極と、前記第1電極又は第2電極の少なくとも一方が前記放電媒体に接触しないように配置された誘電体層と、前記前面基板と背面基板との間で前記第1電極と第2電極とに対して垂直方向へ所定の間隔を有するように配置され、当該第1電極と第2電極との間の内部空間を複数の放電空間に分割する複数のスペーサーとを具備した平面形放電ランプであって、
前記複数のスペーサーによって分離された放電空間の少なくとも一端部を、隣り合う放電空間と放電が繋がらないように閉塞したことを特徴とする平面形放電ランプ。
【請求項2】
前記誘電体層は、前記前面基板又は背面基板で兼ねさせたことを特徴とする請求項1に記載の平面形放電ランプ。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記前面基板又は背面基板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の平面形放電ランプ。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−107888(P2006−107888A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−291772(P2004−291772)
【出願日】平成16年10月4日(2004.10.4)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)