説明

平面発光装置及び表示装置

【課題】 フィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置に適用可能な薄型の平面発光装置、及び液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 平面発光装置20を、青色有機EL24、緑色有機EL26及び赤色有機EL28が発した光を全面から出射する矩形の点灯領域a、b、c、dを複数段配列し、各点灯領域a、b、c、dが独立して点灯・消灯する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面発光装置及びその平面発光装置を用いた非自発光型の表示装置に係り、特に、薄型で大型化が可能な平面発光装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、強誘電性液晶表示素子に対して、互いに異なる色の光を継時的に照射することができる複数の光源よりなる平面光源を具備した強誘電性液晶カラー電気光学装置が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載の強誘電性液晶カラー電気光学装置の平面光源は、強誘電性液晶表示素子の走査電極に沿って同時に点灯・消灯されるように配置・配線された光源を1群とする複数の群によって構成されており、光源の各群は、それぞれ別個に点灯・消灯が可能であって、強誘電性液晶表示素子が印加される走査信号によって順次選択されるに従って、光源の各群を順次点灯・消灯している。
【0004】
そして、平面発光素子の各群の点灯及び消灯のタイミングを、強誘電性液晶表示素子の画面書き換え時の走査信号に同期させることによって、最上段と最下段の画素の光量差を小さくする発明である。
【特許文献1】特許第2518625号公報(第1−2頁、第1図、第7図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図7には、平面発光素子の構造が斜視図で示されている。同図に示されるように、特許文献1に記載の強誘電性液晶カラー電気光学装置では、LEDの光源を強誘電性液晶表示素子の直下に配置しているので、サイドライト形の液晶表示装置と比較すると液晶表示素子の大型化が可能である。ところが、トップビュータイプのLED光源を液晶表示素子の直下に配置すると、そのLED光源の指向性のために、LEDから液晶表示素子までの光路長を長く取って光を拡散させ、発光面の光量のむらを減少させる必要があった。
【0006】
図5に、直下型の平面発光装置920を備えた、従来の液晶表示装置910の断面図を示す。平面発光装置920は、所定の領域から光を放射する複数のLED光源930と、複数のLED光源930に電力を供給する配線を有すると共に複数のLED光源930を保持するLED基板934と、LED光源930が発光した光を更に全方向に拡散させて光量むらを減少させる拡散部材964と、拡散部材964が全方向に拡散した光をX方向及びY方向に立たせて、射した光を垂直方向に集光させて利用者が垂直方向から液晶表示装置910を見た際の明るさを増大させる働きをするプリズムシート966X、966Yと、LED光源930が発する広い発光スペクトラムを狭めてバックライト特性を補償する補償板968とを備えている。
【0007】
次に、液晶表示素子970の構成について説明する。液晶表示素子970は、平面発光装置920が発光した光のうち、一方向に振動している成分の光を透過させる偏光板972、992と、液晶層984を保持するガラス基板974、990と、画素を構成する液晶に電圧を印加する画素電極976及び共通電極988とを有している。ガラス基板974の表面にはTFTや画素電極976、配光膜(図示せず)を形成することができる。また、ガラス基板990の表面には、共通電極988や配光膜(図示せず)を形成することができる。
【0008】
図5に示すように、液晶表示装置910に設けられている直下型の平面発光装置920は、LED光源930が発光した光を均一に散らすために、LED光源930から液晶表示素子970までの距離を長く取る必要がある。したがって、液晶表示装置910が厚くなってしまうという不具合を生じていた。また、平面発光装置920の輝度を発光面内で均一に整えるために、拡散部材964、プリズムシート966X、966Y等の光学シートが必要になるという不具合を生じていた。
【0009】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、フィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置にも適用可能な薄型の平面発光装置、及びその平面発光装置を用いた色むらの少ない液晶表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の表示装置は、以下のような構成である。すなわち、(1)本発明に係る平面発光装置は、有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域を複数段配列し、前記各点灯領域が独立して点灯・消灯する構成とした。また、(2)本発明に係る液晶表示装置は、有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域を複数段配列し、前記各点灯領域が独立して点灯・消灯する平面発光装置と、2枚の透明部材により挟持された液晶薄膜に、前記点灯領域の一辺に平行な信号電極及び前記信号電極に直交する走査電極をマトリクス状に配置して画素を形成し、前記平面発光装置の各点灯領域から発光された光を前記画素毎に遮光する液晶表示素子とを備え、前記複数段の各点灯領域の点灯・消灯を、当該点灯領域を遮光する画素の走査電極に印加する走査信号と同期して順次行う構成とした。
【発明の効果】
【0011】
上記(1)の平面発光装置によれば、独立して点灯・消灯することが可能な複数段の点灯領域を有する、薄型の平面発光装置を提供することができる。この平面発光装置を液晶表示装置に適用することによって、薄型で大画面の液晶表示装置を提供することが可能となる。また、高解像度で開口率を高くすることが可能なフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置に適用可能である。また、上記(2)によれば、最上段と最下段の画素の光量差を減少させて、画面上の輝度むらや色むらが少ない薄型の液晶表示装置を提供することができる。また、消費電力の少ない大画面の液晶表示装置を提供することができ、フィールドシーケンシャル駆動方式を採用することによって、高解像度で開口率が高い液晶表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明による平面発光装置は、有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域を複数段配列し、各点灯領域が独立して点灯・消灯する構成とした。この平面発光装置を液晶表示装置に適用することによって、薄型で大画面の液晶表示装置を提供することが可能となる。更に、平面発光装置の光源を、複数色の有機EL層を積層して構成し、各点灯領域が複数種類の単一色を独立して点灯・消灯する構成とした。これにより、各点灯領域毎に複数種類の単一色を別個に点灯・消灯することが可能となる。
【0013】
更に、平面発光装置の有機EL層を、光の出射面から下層に向けて、青色有機EL層、緑色有機EL層、赤色有機EL層の順に積層し、各点灯領域が複数種類の単一色を独立して点灯・消灯する構成とした。
【0014】
このような平面発光装置を、高解像度で開口率を高くすることが可能なフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置のバックライトとして適用することにより、最上段と最下段の画素の光量差に起因する色むらが少ない薄型の液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0015】
また、本発明の表示装置は、有機ELの発光を全面から出射する矩形の点灯領域が複数段配列され、各点灯領域が独立して点灯・消灯する平面発光装置と、信号電極と点灯領域の一辺に平行な走査電極が形成する画素を備え、平面発光装置の各点灯領域から発光された光を画素毎に遮光する表示素子とを備え、複数段の各点灯領域の点灯・消灯を、当該点灯領域を遮光する画素の走査電極に印加する走査信号と同期して順次行う構成とした。
【0016】
これにより、最上段と最下段の画素の光量差を減少させて、画面上の輝度むらや色むらが少ない薄型の液晶表示装置を提供することができる。また、大画面の液晶表示装置を提供することができ、フィールドシーケンシャル駆動方式を採用することによって、高解像度で開口率が高い液晶表示装置を提供することができる。
【0017】
あるいは、本発明の表示装置は、積層された複数色の有機EL層が発した光を全面から出射する矩形の点灯領域が複数段配列され、各点灯領域が独立して複数種類の単一色を順次時分割して点灯・消灯する平面発光装置と、信号電極と点灯領域の一辺に平行な走査電極が形成する画素を備え、平面発光装置の各点灯領域から発光された光を画素毎に遮光する表示素子と、複数種類の単一色毎に、当該点灯領域を遮光する画素の走査電極に印加する走査信号と同期して、複数段の各点灯領域の点灯・消灯を順次行うドライバと、を備える構成とした。これにより、最上段と最下段の画素の光量差を減少させて、画面上の輝度むらや色むらが少ない薄型のフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置を提供することができる。また、大画面で明るく精細な液晶表示装置を提供することができる。
【0018】
更に、表示装置のドライバが、複数段の点灯領域を、当該点灯領域を遮光する画素への走査信号の印加開始から第一所定時間経過後に点灯させ、第二所定時間経過後に消灯させる構成とした。これにより、最上段と最下段の画素の光量差を減少させて、画面上の輝度むらや色むらが少ない薄型のフィールドシーケンシャル駆動方式の液晶表示装置を提供することができる。また、液晶表示装置の平面発光装置における消費電力を減少させることができる。
【実施例】
【0019】
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る平面発光装置とその点灯領域の配列を説明する外観斜視図である。先ず、平面発光装置の発光面に存在する、複数段の点灯領域の配列について、図1を用いて説明する。図1に示す実施例では、平面発光装置20の発光面には、矩形の点灯領域a、b、c、dを4段配列してある。各点灯領域a、b、c、dは、独立して全面を点灯・消灯することが可能であり、特に本実施例では、青、緑、赤の各色、又はこれらを組み合わせた複数の色を独立して点灯・消灯することが可能となっている。
【0020】
平面発光装置20は、発光面を形成するガラス基板22と、青色を発光する青色有機EL24と、緑色を発光する緑色有機EL26と、赤色を発光する赤色有機EL28の光源を積層して構成している。また、青色有機EL24と緑色有機EL26との間、及び緑色有機EL26と赤色有機EL28との間には、各有機EL層を絶縁する絶縁膜30と、各有機ELが発光した光を発光面側に反射させる反射膜32とを積層して構成している。有機ELを積層する順番は、ガラス基板22側から発光輝度の低い順番に積層するとよい。
【0021】
青色有機EL24、緑色有機EL26、及び赤色有機EL28は、例えば、透明共通電極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、透明電極の各層から構成されている。各点灯領域a、b、c、dを独立して点灯・消灯させるために、透明電極は点灯領域a、b、c、d毎に別個に設けてある。青色有機EL24が発光した光は、ガラス基板22側を透過して各点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。他方、緑色有機EL26側に出射した光は、緑色有機EL26及び赤色有機EL28を透過した後に反射膜32で反射し、再び赤色有機EL28、緑色有機EL26、青色有機EL24及びガラス基板22を透過して各点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。緑色有機EL26が発光してガラス基板22側に出射した光は、青色有機EL24及びガラス基板22を透過して各点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。他方、赤色有機EL28側に出射した光は、赤色有機EL28を透過した後に反射膜32で反射し、再び赤色有機EL28、緑色有機EL26、青色有機EL24及びガラス基板22を透過して各点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。赤色有機EL28が発光してガラス基板22側に出射した光は、緑色有機EL26、青色有機EL24及びガラス基板22を透過して各点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。他方、反射膜32側に向かった光は反射膜32で反射し、再び赤色有機EL28、緑色有機EL26、青色有機EL24及びガラス基板22を透過して点灯領域a、b、c、dの全面から出射する。
【0022】
次に、平面発光装置20を用いた液晶表示装置10の構成について、図2に示す断面図を用いて説明する。なお、図1にて説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符番を付して説明を省略する。
【0023】
図2に示すように、液晶表示装置10は、例えば青色有機EL24、緑色有機EL26、又は赤色有機EL28が発した光を全面から出射する平面発光装置20と、点灯領域a、b、c、dの一辺に平行(図2に示す例では紙面の上下方向)な信号電極及び、その信号電極に直交する走査電極をマトリクス状に配置して画素を形成して平面発光装置20の各点灯領域a、b、c、dから発光された光を画素毎に遮光する液晶表示素子70とから構成されている。
【0024】
平面発光装置20のガラス基板22には、各有機ELに水分が接触するのを防止するキャップ34を設けて、各有機ELが外気と接触しないように遮断している。キャップ34の内部には、例えばN2等の不活性ガスを充填して乾燥剤を封入し、各有機ELの寿命を確保する。
【0025】
液晶表示素子70は、平面発光装置20が発光した光のうち、一方向の振動成分の光を透過させる偏光板72、92と、液晶層84を保持する2枚の透明部材から構成されるガラス基板74、90と、画素を構成する液晶に電圧を印加する画素電極76及び共通電極88とを有している。
【0026】
ガラス基板74の表面には、画像を走査するラインを選択する信号電極、信号電極と直交し走査信号を伝達する走査電極、信号電極及び走査電極に囲まれた領域にマトリックス状に配置したTFT素子及び画素電極76、配向膜(図示せず)が形成される。また、ガラス基板90の表面には、共通電極88や配向膜(図示せず)が形成される。
【0027】
液晶表示素子がノーマリーホワイトモードの表示素子である場合には、偏光板72の偏光軸と液晶層84の下面に整列している液晶の偏光特性を一致させておく。ノーマリーホワイトモードの液晶表示素子とは、無電圧印加時に光の透過率が高く電圧印加時に光の透過率が低い液晶表示装置をいう。液晶分子は、それぞれの配向方向に従って、例えば90度ねじれた配列で並んでいるので、偏光板92の偏光特性と液晶層84の上面に整列している液晶の偏光特性を一致させておくことによって、液晶の分子に沿う形で90度回転した光が偏光板92を透過して、液晶表示素子70から出力される。
【0028】
平面発光装置20の点灯領域a、b、c、dの一辺は、液晶表示素子70の信号電極と平行に配置して、一つの点灯領域に1乃至複数本の信号電極群が入るように構成する。そして、その1乃至複数本の信号電極群によって選択された画素群が、一つの点灯領域が発光した光を遮光して画像を形成する。点灯領域の発光は、当該点灯領域が発光した光を遮光する画素の走査信号と同期して、順次点灯・消灯を行う。例えば、点灯領域aの光を遮光する位置に存在する画素の走査開始と同期して、点灯領域aを点灯させ、当該画素の走査終了と同期して消灯を行い、同様の動作を他の点灯領域b、c、dについても順次同様に行うことができる。また、点灯領域の光を遮光する画素の走査終了と同期して点灯・消灯を行うように構成してもよい。
【0029】
この走査信号に同期した点灯・消灯の処理を行うことによって、最初に画素データを書き込む上方の走査線が光を透過する時間が長いことにより液晶表示装置の上方が明るくなり、最後に画素データを書き込む下方の走査線が光を透過する時間が短いために下方が暗くなる現象を改善することができる。
【0030】
液晶表示素子70の各画素毎に明るさを設定して画像を表示する場合には、液晶表示素子70の外部に設けられているドライバの走査電極駆動回路が、液晶表示素子70の走査電極(図示せず)を順次一本ずつ選択し、その選択した走査電極に画素の明るさに対応した電圧を印加する。走査電極に電圧が印加されると、TFTを介して画素電極76と共通電極88との間に電圧が印加されて、液晶分子は電圧に応じた位置まで回転する。電圧を印加しない状態では偏光板72を透過した光の全てが液晶の分子に沿って90度回転していたが、液晶分子が回転したことにより偏光板72を透過した光の一部は直接偏光板92に到達する。偏光板92の偏光方向は、偏光板72の偏光方向と90度異なるので、液晶層84を直接透過した光は液晶表示素子70の外部には出力されず、その画素電極76の部分だけ光の透過率が低下して暗くなる。全ての画素電極76について同様な状況を作り出すことによって、液晶表示装置10に画像を表示することができる。
【0031】
次に、液晶表示素子70の駆動タイミングと、平面発光装置20における点灯領域a、b、c、dの発光タイミングとを、図3を用いて説明する。図3は、液晶表示素子の駆動タイミングと平面発光装置における各点灯領域の発光タイミングを示す図である。図3に示す実施例では、平面光源20がR、G、Bの三原色の各色を順次時分割して発光し、その発光した光を液晶表示素子70が三原色毎に同期させて遮光している。これにより、時分割された各色のフィールド画像(Rフィールド、Gフィールド、Bフィールド)が順次形成されてゆく。
【0032】
図3は、その時分割された各色のフィールド画像の時間的な混色により、一つのフレーム画像を形成するフィールドシーケンシャル駆動方式の駆動を行う液晶表示装置10の駆動タイミングを示す図である。図3の縦軸方向には、液晶表示素子70におけるn本の走査信号線を表し、横軸方向には、走査電極に書き込まれる信号の内容とその順序を、時間の単位で表している。液晶表示素子70は、最上段の1行目から最下段のn行目までのn本の走査線を備えている。図3では、最上段の1行目の走査線から最下段のn行目の走査線まで順次走査信号Sを書き込んでゆく状態を、斜めの実線で表している。なお、画素電極に画像を表示するための走査信号Sを印加しても、液晶層はすぐには応答せず、所定の遅延時間D経過後になって初めて指定した透過量の光を透過するようになる。
【0033】
図3に示した例では、液晶表示装置10のドライバが各走査信号線に走査信号Sを書き込む書き込み時間Wと、全ての画素について一括して単色の表示を指示することにより液晶を所定の状態に揃えるリセット時間Eとを設けてある。書き込み時間Rとリセット時間Eとの間の時間は、入力した走査信号Sに対して液晶表示素子70が応答し、平面発光装置20が出射した光の透過時間を確保するための待ち時間である。いわゆるノーマリーホワイトの液晶表示装置70の場合には、リセット時間Eの間では黒表示を行うための走査信号を各画素電極に書き込む処理を行う。
【0034】
また、図1に示したように、本発明に係る液晶表示装置10は、有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域a、b、c、dを4段配列してある。例えば、1行目からn/4行目までの画素は、点灯領域aが出射した光を遮光して画像の一部を形成する。同様に、(n+1)/4行目から2n/4行目までの画素は、点灯領域bが出射した光を遮光し、(2n+1)/4行目から3n/4行目までの画素は、点灯領域cが出射した光を遮光し、(3n+1)/4行目からn行目までの画素は、点灯領域dが出射した光を遮光するように構成する。液晶表示装置10のドライバは、1行目からn/4行目までの走査線に走査信号Sを書き込んだ後、第一所定時間T1経過後に点灯領域aの赤色有機EL28に対して点灯を指示し、第二所定時間T2経過後に点灯領域aの赤色有機EL28に対して消灯を指示する。図3では、点灯領域aが赤色を発光するタイミングをRaで表してある。また同様に、点灯領域aが緑色を発光するタイミングをGaで表し、青色を発光するタイミングをBaで表している。
【0035】
次に、(n+1)/4行目〜2n/4行目までの走査線に走査信号Sを書き込んだ後、第一所定時間T1経過後に点灯領域bの赤色有機EL28に対して点灯を指示し、第二所定時間T2経過後に点灯領域bの赤色有機EL28に対して消灯を指示する。この点灯領域bが赤色を発光するタイミングをRbで表し、以下同様に、緑色を発光するタイミングをGbで表し、青色を発光するタイミングをBbで表している。次に、(2n+1)/4行目から3n/4行目までの走査線に走査信号Sを書き込んだ後、第一所定時間T1経過後に点灯領域cの赤色有機EL28に対して点灯を指示し、第二所定時間T2経過後に点灯領域cの赤色有機EL28に対して消灯を指示する。この点灯領域cが赤色を発光するタイミングをRcで表し、以下同様に、緑色を発光するタイミングをGcで表し、青色を発光するタイミングをBcで表している。同様に、(3n+1)/4行目からn行目までの走査線を書き込んだ後、第一所定時間T1経過後に点灯領域dの赤色有機EL28に対して点灯を指示し、第二所定時間T2経過後に点灯領域dの赤色有機EL28に対して消灯を指示する。この点灯領域dが赤色を発光するタイミングをRdで表し、同様に、緑色を発光するタイミングをGdで表し、青色を発光するタイミングをBdで表している。
【0036】
これにより、各点灯領域a、b、c、dは、全て同一の時間(T2−T1)点灯して画像を形成するので、各点灯領域a、b、c、d間における輝度のむらを減少させることができる。また、液晶が走査信号に応答した後のタイミングで有機ELを発光させ、所定の時間経過後に有機ELを消灯させることによって、無駄な発光を省き、省電力化を図ることができる。
【0037】
次に、平面発光装置における点灯領域を増やした実施例について、図4を用いて説明する。なお、図1にて説明した構成要素と同一の構成要素については、同一の符番を付して説明を省略する。図1では、有機ELが発した光を出射する点灯領域a、b、c、dを4段配列した実施形態を示したが、本発明は4段に限定するものではなく、図4に示す平面発光装置120のように、更に多くの段を配列するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の平面発光装置とその点灯領域の配列を説明する外観斜視図。
【図2】本発明の平面発光装置を用いた液晶表示装置の断面図。
【図3】液晶表示素子の駆動タイミングと平面発光装置における各点灯領域の発光タイミングとを示す図。
【図4】平面発光装置の点灯領域を増やした実施形態を説明する外観斜視図。
【図5】従来の直下型の平面発光装置を備えた液晶表示装置の断面図。
【符号の説明】
【0039】
10、910 液晶表示装置
20、120、920 平面発光装置
22 ガラス基板
24 青色有機EL
26 緑色有機EL
28 赤色有機EL
30 絶縁膜
32 反射膜
34 キャップ
70、970 液晶表示素子
72、92、972、992 偏光板
84、984 液晶層
74、90、974、990 ガラス基板
76、976 画素電極
88、988 共通電極
930 LED光源
934 LED基板
964 拡散部材
966X、966Y プリズムシート
968 補償板
a、b、c、d 点灯領域
E リセット時間
R 書き込み時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域が複数段配列され、前記各点灯領域が独立して点灯・消灯することを特徴とする平面発光装置。
【請求項2】
前記有機ELは、複数色の有機EL層を積層して構成し、前記各点灯領域が複数種類の単一色を独立して点灯・消灯することを特徴とする請求項1に記載の平面発光装置。
【請求項3】
前記有機ELは、光の出射面から下層に向けて、青色有機EL層、緑色有機EL層、赤色有機EL層の順に積層した構成である請求項2に記載の平面発光装置。
【請求項4】
有機ELが発した光を全面から出射する矩形の点灯領域が複数段配列され、前記各点灯領域が独立して点灯・消灯する平面発光装置と、
信号電極と前記点灯領域の一辺に平行な走査電極が形成する画素を備え、前記平面発光装置の各点灯領域から発光された光を前記画素毎に遮光する表示素子とを備え、
前記複数段の各点灯領域の点灯・消灯を、当該点灯領域を遮光する画素の走査電極に印加する走査信号と同期して順次行うことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
積層された複数色の有機EL層が発した光を全面から出射する矩形の点灯領域が複数段配列され、前記各点灯領域が独立して複数種類の単一色を順次時分割して点灯・消灯する平面発光装置と、
信号電極と前記点灯領域の一辺に平行な走査電極が形成する画素を備え、前記平面発光装置の各点灯領域から発光された光を前記画素毎に遮光する表示素子と、
前記複数種類の単一色毎に、当該点灯領域を遮光する画素の走査電極に印加する走査信号と同期して、前記複数段の各点灯領域の点灯・消灯を順次行うドライバと、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
前記ドライバは、前記複数段の点灯領域を、当該点灯領域を遮光する画素への走査信号の印加開始から第一所定時間経過後に点灯させ、第二所定時間経過後に消灯させることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−227012(P2007−227012A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44022(P2006−44022)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】