説明

年齢確認システム

【課題】 従来、年齢制限を伴なう施設、設備への入場、立ち入りやサービスの享受が実際上フリー状態となっており、法が有効に遵守されておらず、これを精度よく全うするためのシステムが存在していなかったという点である。
【解決手段】 一定の年齢に達していることを条件として入場が認可される施設、設備の入場ゲートのドアもしくはバーの駆動機構の近傍に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ、前記ゲートのドアもしくはバーが開き、入場を可能とすることとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は年齢確認システムに関し、特に法律、条例等で例えば18歳、15歳等の一定の年齢に達していなければ入場したり、利用をすることができないサービスに関し、事前に明確に利用をしようとする者の年齢が確認できない限り、施設や設備への入場ができず、あるいは利用の開始ができないこととして、精度よく法を遵守することができるものとした年齢確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、タバコやアルコール飲料等の年齢制限を伴なう商品の自動販売機には年齢確認のためのシステムが付設され、その自動販売が規制され、かかる商品の対面販売でも年齢確認が実行されている。
【0003】
しかしながら、法律や条例上では年齢規制が存在するパチンコ、スロットマシン等の遊技場や競馬や競輪、競艇、オートレース等の公営ギャンブルのレース場、場外発売所への入場に関しては野放し状態となっており、加えて、遊技機や公営ギャンブルの投票券の自動販売機や自動支払機の利用も事実上フリー状態となっている。
【0004】
また、レンタルも含めたビデオショップやコンビニ等も含めた書店等にあって、成人向けのビデオやDVDあるいは書籍、雑誌のコーナー(エリア)への入場、立ち入りが自在となっており、その商品の購入や借り入れは年齢確認がされるとしても、事実上誰もが目にすることができる状態で陳列されている。
【0005】
そして、先行する特許文献には、遊技店等の入場規制として、撮像した顔写真や身体的特徴の一致を照合するシステムが開示されているが、来所者の顔を一々チェックするのは煩わしく、また、顔が格別にその者の年齢を証明する訳ではないので、実際的な効力は薄く、また、設備としての起用も負担が大きいものとなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−43143号公報
【特許文献2】特開2008−287657号公報
【特許文献3】特開2008−161524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする問題点は、従来、年齢制限を伴なう施設、設備への入場、立ち入りやサービスの享受が実際上フリー状態となっており、法が有効に遵守されておらず、これを精度よく全うするためのシステムが存在していなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した問題点を解決するために、本発明に係る年齢確認システムは一定の年齢に達していることを条件として入場が認可される施設、設備の入場ゲートのドアもしくはバーの駆動機構の近傍に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ、前記ゲートのドアもしくはバーが開き、入場を可能とすることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る年齢確認システムは一定の年齢に達していることを条件として遊技の開始が認可される遊技機に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ、前記遊技機の始動を可能とすることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る年齢確認システムは一定の年齢に達していることを条件として利用が認可される公営ギャンブルの勝者あるいは勝馬の投票券の自動販売機あるいは自動支払機に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ前記自動販売機あるいは自動支払機の利用を可能とすることを特徴としている。
【0011】
そして、本発明に係る年齢確認システムは前記したカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部にはカレンダーを基準とした計算機能が搭載され、得られた生年月日情報から現在の年齢を計算することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る年齢確認システムは上記のように構成されている。そのため、年齢制限のある施設、設備への入場やサービスの享受は、その利用者の年齢が持参したカード類によって認識されないと、一切が稼動することがなく、極めて有効に法を遵守することができることとなる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施例として説明したように構成することで実現した。
【実施例1】
【0014】
まず、例えば18歳未満の者は入場禁止とされる成人映画や劇場、レース場、遊技場、風俗店等の入場制限について説明する。係る施設や設備にはオート式の赤外線センサーをはじめとする光学系センサーの取り付けられたドアやバーが存在し、内外を区切っているが、このオート式のドアやバーの駆動をセンサーによる感知に加え、利用しようとする者が持参した年齢を証明するカード類からの年齢情報読み取り信号の要素を必要とするものとする。
【0015】
即ち、ドアやバーの近傍に、生年月日情報が記載されたICを内蔵したカード類の挿入口、タッチ部もしくは翳し部を設ける。このパートにカード類を対応させると、内部の読み取り部が生年月日情報を読み取り、カレンダー機能によって現在の年齢を算出し、クリアしていれば、その旨の信号を駆動部に送り、その駆動部が稼動してドアやバーが開き入場が可能となる。
【0016】
ここで、使用されるカード類としては、公的に発行されたものが望ましく、ICが内蔵された運転免許証、住民基本台帳カード、健康保険証等であり、その他パスポートや定期券等も応用が可能となり、タバコの自動販売機の専用カードのように予め施設や運営企業、団体等へ申請し、発行されるカード類も勿論使用可能となる。
【0017】
また、レース場、場外投票券売場、遊技場等にあっては、そのサービスの利用が年齢制限を受け、入場自体は規制されるものではないので、投票券の自動発売や的中券の換金、また遊技場にあっては遊技台の使用そのものについて年齢制限を加えることができる。
【0018】
即ち、例えばパチンコの場合、遊技台の各々に前記したと同様のカード類からの情報の読み取り装置を附設する。このカード類からの年齢情報で認可信号が出力された場合に遊技台の作動を可能とする。これは、ゲーム媒体であるパチンコ玉がトレイから一切なくなるまでは情報が継続するが、一旦、全てのパチンコ玉が取り除かれた後はリセットされ、再び年齢情報を入力してやることとなる。これはスロットマシンやパチスロにおけるメタルでも同様となる。
【0019】
また、レース場や場外投票券売場における自動発券機は支払機も兼用されており、投票券の購入も現金のほか、的中券の投入で金額が表示され、マークシートを挿入することで実行できる。この自動装置にも前記したと同様のカード類からの情報の読み取り装置を附設する。そして、カード類からの年齢情報で認可信号が出力された場合に装置の作動を可能とする。通常、マークシートは複数枚投入されるので、発券もしくは支払い(精算)が終了すると、装置はリセットされ、初期化される。
【0020】
さらに、前記した入場制限に関しては、施設内の一部のエリアのみに対しても応用することができる。例えば、レンタルも含めたビデオショップや書店内にあって一部に成人向けのビデオやDVD、書籍、雑誌等の専用エリアを設け、その専用エリアの出入に関してドアやバーを設けて、そのドアやバーを通常のオートシステムとして、カード類からの情報読み取り装置を附設することで、そのエリアのみの入場、立ち入りを制限することができる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明に係る年齢確認システムは上記のように構成されている。本実施例では遊技店、レース場等について述べたが、その他、アルコール飲料を提供する店舗等にも広く応用実施することができる。また、上記したカード類の使用により、特定の店舗やそのチェーン店において、ポイントを取得し、貯めるようにすることもでき、そのポイント数に応じた各種のサービスを付加することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の年齢に達していることを条件として入場が認可される施設、設備の入場ゲートのドアもしくはバーの駆動機構の近傍に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ、前記ゲートのドアもしくはバーが開き、入場を可能とすることを特徴とする年齢確認システム。
【請求項2】
一定の年齢に達していることを条件として遊技の開始が認可される遊技機に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ、前記遊技機の始動を可能とすることを特徴とする年齢確認システム。
【請求項3】
一定の年齢に達していることを条件として利用が認可される公営ギャンブルの勝者あるいは勝馬の投票券の自動販売機あるいは自動支払機に、少なくとも生年月日情報が記録されたICを有するカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部を備え、前記カード類のICから情報を読み取り、前記した年齢をクリアしていることが確認された場合にのみ前記自動販売機あるいは自動支払機の利用を可能とすることを特徴とする年齢確認システム。
【請求項4】
前記したカード類の挿し込み部あるいはタッチ部もしくは翳し部にはカレンダーを基準とした計算機能が搭載され、得られた生年月日情報から現在の年齢を計算することを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3に記載の年齢確認システム。

【公開番号】特開2010−262462(P2010−262462A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112514(P2009−112514)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(508352506)有限会社琳聡堂 (5)
【Fターム(参考)】