説明

広告コピー用画像形成装置

【課題】 広告の効果を従来より向上することができる広告コピー用画像形成装置を提供する。
【解決手段】 MFPの制御部は、広告コピーが指示された場合、広告可媒体収納部から搬送した広告可媒体を使用するコピーであるオンデマンド広告コピー処理(S188)と、広告済媒体収納部から搬送した広告済媒体を使用するコピーであるオフセット広告コピー処理(S187)との何れか一方を実行し、オンデマンド広告コピー処理を実行するときに、記憶部に記憶されている広告を広告可媒体に印刷し、制御部は、広告コピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件を満たすときに(S185でYESおよびS186でYES)、オフセット広告コピー処理を実行する(S187)ことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告を伴うコピーを実行することができる広告コピー用画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、広告を伴うコピーを実行することができる広告コピー用画像形成装置として、プリント媒体に印刷を実行する印刷装置部と、ユーザ原稿からユーザ原稿データを読み取るスキャナーと、広告が印刷可能なプリント媒体を収納する収納部と、広告を記憶するメモリーと、スキャナーによってユーザ原稿から読み取られたユーザ原稿データを印刷装置部によってプリント媒体に印刷する機能であるコピーを制御する制御部とを備えているユーザ機器が知られている(特許文献1参照。)。このユーザ機器の制御部は、広告を伴うコピーが指示された場合、収納部から搬送したプリント媒体を使用するコピーを実行し、このコピーを実行するときに、メモリーに記憶されている広告を、プリント媒体のうちユーザ原稿データを印刷する面と同一の面に印刷する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−69720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された広告コピー用画像形成装置においては、複数のプリント媒体に印刷するコピーの場合に全てのプリント媒体に同一の広告が印刷されるので、広告の効果が低いという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、広告の効果を従来より向上することができる広告コピー用画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の画像形成装置は、記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスと、原稿から画像を読み取る読取デバイスと、予め広告が印刷されている前記記録媒体である広告済媒体を収納する広告済媒体収納部と、広告が印刷可能な前記記録媒体である広告可媒体を収納する広告可媒体収納部と、広告を記憶する広告記憶部と、前記読取デバイスによって原稿から読み取られた画像を前記印刷デバイスによって前記記録媒体に印刷する機能であるコピーを制御するコピー制御部とを備えており、前記コピー制御部は、広告を伴う前記コピーが指示された場合、前記広告可媒体収納部から搬送した前記広告可媒体を使用する前記コピーである広告可媒体コピーと、前記広告済媒体収納部から搬送した前記広告済媒体を使用する前記コピーである広告済媒体コピーとの何れか一方を実行し、前記広告可媒体コピーを実行するときに、前記広告記憶部に記憶されている広告を前記広告可媒体に印刷し、前記コピー制御部は、広告を伴う前記コピーが指示された場合、指示された前記コピーが複数の前記記録媒体に印刷するための所定の条件を満たすときに、前記広告済媒体コピーを実行することを特徴とする。
【0007】
この構成により、本発明の広告コピー用画像形成装置は、互いに異なる広告が印刷された複数種類の広告済媒体がランダムに広告済媒体収納部に収納されておかれることによって、広告を伴うコピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件を満たすときに、複数種類の広告済媒体を使用するコピーを実行するので、広告の効果を従来より向上することができる。
【0008】
また、本発明の広告コピー用画像形成装置の前記広告済媒体は、予め裏面に広告が印刷されている前記記録媒体であり、前記広告可媒体は、両面に印刷が可能な前記記録媒体であり、前記コピーは、前記読取デバイスによって原稿から読み取られた画像を前記印刷デバイスによって前記記録媒体の表面に印刷する機能であり、前記コピー制御部は、前記広告可媒体コピーを実行するときに、前記広告記憶部に記憶されている広告を前記広告可媒体の裏面に印刷しても良い。
【0009】
この構成により、本発明の広告コピー用画像形成装置は、広告を伴うコピーが実行された記録媒体において、コピーが実行された面とは異なる面に広告が印刷されているので、広告を大きく表示して広告の効果を向上することができる。
【0010】
また、本発明の広告コピー用画像形成装置の前記所定の条件は、前記読取デバイスが自動原稿送り装置を備えていて、前記自動原稿送り装置に原稿がセットされているという条件を含んでいても良い。
【0011】
この構成により、本発明の広告コピー用画像形成装置は、自動原稿送り装置に原稿がセットされるだけで、複数種類の広告済媒体を使用するコピーを実行することができる。
【0012】
また、本発明の広告コピー用画像形成装置の前記所定の条件は、現在のモードが原稿を複数回手動で前記読取デバイスに読み取らせるモードであるという条件を含んでいても良い。
【0013】
この構成により、本発明の広告コピー用画像形成装置は、現在のモードが原稿を複数回手動で読取デバイスに読み取らせるモードに設定されているだけで、複数種類の広告済媒体を使用するコピーを実行することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の広告コピー用画像形成装置は、広告の効果を従来より向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すMFPのブロック図である。
【図3】図1に示すMFPの構成図である。
【図4】図2に示すBOXの内容を示す図である。
【図5】図2に示すBOX状態情報の内容の一例を示す図である。
【図6】図1に示すSTBのブロック図である。
【図7】図6に示す広告データフォルダーの内容の一例を示す図である。
【図8】広告を更新する場合の図1に示すSTBの動作のフローチャートである。
【図9】図1に示すMFP上の広告が更新される場合のシーケンス図である。
【図10】図9の続きのシーケンス図である。
【図11】図10の続きのシーケンス図である。
【図12】図2に示す表示部に表示されるコピー選択画面を示す図である。
【図13】広告コピーを実行する場合の図2に示す制御部の動作のフローチャートである。
【図14】図2に示す表示部に表示される広告コピー認証画面を示す図である。
【図15】図13に示すオフセット広告コピー処理のフローチャートである。
【図16】図2に示す表示部に表示される広告コピー指示画面を示す図である。
【図17】図13に示すオンデマンド広告コピー処理のフローチャートである。
【図18】図17の続きのフローチャートである。
【図19】広告コピーを実行する場合の本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムのMFPの制御部の動作のフローチャートである。
【図20】本発明の第2の実施の形態に係るMFPの表示部に表示される連続読み取りモード設定画面を示す図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係るMFPの表示部に表示される連続読み取りモード画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係るネットワークシステムの構成について説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態に係るネットワークシステム10のブロック図である。
【0019】
図1に示すように、ネットワークシステム10は、広告コピー用画像形成装置であるMFP(Multifunction Peripheral)20と、LAN(Local Area Network)11を介してMFP20と互いに通信可能であるSTB(Set Top Box)60と、インターネット12を介してSTB60と互いに通信可能であるサーバー90とを備えている。
【0020】
図2は、MFP20のブロック図である。
【0021】
図2に示すように、MFP20は、利用者による種々の操作が入力されるボタンなどの入力デバイスである操作部21と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部22と、用紙などの記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスであるプリンター23と、原稿から画像を読み取る読取デバイスであるスキャナー24と、公衆電話回線などの通信回線経由でファックス通信を行うファックスデバイスであるファックス通信部25と、LAN11、インターネットなどのネットワーク経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部26とを備えている。
【0022】
図3は、MFP20の構成図である。
【0023】
図3に示すように、MFP20は、予め裏面に広告が印刷されている記録媒体である広告済媒体としてA3サイズの広告済媒体(以下「A3広告済媒体」という。)31aを収納する広告済媒体収納部としてのA3広告済媒体収納部31と、A4サイズの広告済媒体(以下「A4広告済媒体」という。)32aを収納する広告済媒体収納部としてのA4広告済媒体収納部32と、広告が印刷可能な記録媒体である広告可媒体としてA3サイズの広告可媒体(以下「A3広告可媒体」という。)33aを収納する広告可媒体収納部としてのA3広告可媒体収納部33と、A4サイズの広告可媒体(以下「A4広告可媒体」という。)34aを収納する広告可媒体収納部としてのA4広告可媒体収納部34とを備えている。A3広告可媒体33aおよびA4広告可媒体34aは、両面全体に未だ一切の印刷が実行されていない白紙など、両面に印刷が可能な記録媒体である。
【0024】
スキャナー24は、複数枚の原稿を自動的に順に読取部に搬送することができる装置である自動原稿送り装置24aを着脱可能である。
【0025】
図2に示すように、MFP20は、プログラムなどの各種のデータを記憶しているEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶デバイスである記憶部40と、MFP20全体を制御する制御部50とを備えている。
【0026】
記憶部40は、利用者の認証を実行するJava(登録商標)アプリケーションプログラムである拡張認証アプリケーションプログラム41を記憶している。
【0027】
拡張認証アプリケーションプログラム41は、MFP20の製造段階でMFP20にインストールされていても良いし、USB(Universal Serial Bus)メモリー、SDメモリーカードなどの記憶媒体からMFP20に追加でインストールされても良いし、LAN11、インターネットなどのネットワーク上からMFP20に追加でインストールされても良い。
【0028】
記憶部40は、利用者の認証に使用される認証情報42を記憶している。認証情報42は、利用者のIDである利用者IDと、利用者のパスワードとの組み合わせを1つ以上含んでいる。
【0029】
記憶部40は、広告を記憶する領域であるBOX43およびBOX44を記憶することが可能であり、本発明の広告記憶部を構成している。BOXは、広告の種類毎に作成される。BOXには、IDが対応付けられている。以下において、BOX43のIDを“1”とし、BOX44のIDを“2”とする。なお、本実施の形態においては、本発明の理解を容易にするために、BOXの数が2つの場合について説明するが、BOXの数は3つ以上であっても良い。
【0030】
図4は、BOX43の内容を示す図である。
【0031】
図4に示すように、BOX43には、A3サイズのカラーコピー用の広告のデータであるA3カラー広告データ43aと、A3サイズのモノクロコピー用の広告のデータであるA3モノクロ広告データ43bと、A4サイズのカラーコピー用の広告のデータであるA4カラー広告データ43cと、A4サイズのモノクロコピー用の広告のデータであるA4モノクロ広告データ43dとを記憶することができる。A3カラー広告データ43a、A3モノクロ広告データ43b、A4カラー広告データ43cおよびA4モノクロ広告データ43dは、サイズおよび色が異なるが、同一種類の広告である。
【0032】
以上においてはBOX43について説明しているが、BOX44についても同様である。
【0033】
図2に示すように、記憶部40は、利用可能なBOXをそのBOXのIDによって示す情報である利用可能BOX情報45を記憶することが可能である。
【0034】
記憶部40は、BOXの状態を示すBOX状態情報46を記憶することが可能である。
【0035】
図5は、BOX状態情報46の内容の一例を示す図である。
【0036】
図5に示すように、BOX状態情報46は、BOXのIDと、BOXの状態とが対応付けられた情報である。BOXの状態としては、後述のオンデマンド広告コピー処理においてBOX内のデータを使用することができる状態であることを表す“使用可能”と、BOXからデータを読み出している状態であることを表す“読み出し中”と、BOXにデータを書き込んでいる状態であることを表す“書き込み中”とがある。
【0037】
図2に示すように、制御部50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部40に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0038】
制御部50は、スキャナー24によって原稿から読み取られた画像をプリンター23によって記録媒体の表面に印刷する機能であるコピーを制御するようになっており、本発明のコピー制御部を構成している。
【0039】
制御部50は、記憶部40に記憶されている拡張認証アプリケーションプログラム41を実行することによって、拡張認証アプリ51として機能する。
【0040】
MFP20は、広告を受ける対象とされている者(以下「広告対象者」という。)によって使用されることが可能である例えば大学などの場所に設置されている。
【0041】
図6は、STB60のブロック図である。
【0042】
図6に示すように、STB60は、利用者による種々の操作が入力されるキーボード、マウスなどの入力デバイスである操作部61と、種々の情報を表示するLCDなどの表示デバイスである表示部62と、LAN11、インターネット12などのネットワーク経由で通信を行うネットワーク通信デバイスであるネットワーク通信部63と、プログラムなどの各種のデータを記憶しているHDDなどの記憶デバイスである記憶部70と、STB60全体を制御する制御部80とを備えている。STB60は、例えばPC(Personal Computer)によって構成されている。
【0043】
記憶部70は、A3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データをBOXのIDと対応付けて格納する広告データフォルダー71を記憶することができる。
【0044】
図7は、広告データフォルダー71の内容の一例を示す図である。
【0045】
図7に示すように、広告データフォルダー71には、A3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データがBOXのIDと対応付けられて格納されている。
【0046】
図6に示す制御部80は、例えば、CPUと、プログラムおよび各種のデータを予め記憶しているROMと、CPUの作業領域として用いられるRAMとを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部70に記憶されているプログラムを実行するようになっている。
【0047】
図1に示すサーバー90は、例えばPCによって構成されている。サーバー90は、広告を配信する者(以下「広告配信者」という。)によって操作されることが可能である例えば広告会社などの場所に設置されている。
【0048】
次に、ネットワークシステム10の動作について説明する。
【0049】
<STB60上の広告の更新>
サーバー90は、STB60上の広告の更新が広告配信者によって指示されると、広告配信者によって広告の更新が指示されたBOXのIDと、新たな広告のデータとをインターネット12を介してSTB60に送信する。
【0050】
STB60の制御部80は、広告配信者によって広告の更新が指示されたBOXのIDと、新たな広告のデータとがインターネット12を介してサーバー90から送信されてくると、図8に示す動作を実行する。
【0051】
図8は、広告を更新する場合のSTB60の動作のフローチャートである。
【0052】
図8に示すように、制御部80は、サーバー90から送信されてきたBOXのIDおよび広告のデータを受信する(S101)。
【0053】
次いで、制御部80は、S101において受信した広告のデータに基づいて、MFP20で印刷が可能なデータであるA3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データを生成する(S102)。
【0054】
次いで、制御部80は、S102において生成したA3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データを、S101において受信したBOXのIDに対応付けて広告データフォルダー71に記憶する(S103)。ここで、制御部80は、S101において受信したBOXのIDに対応付けられたA3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データが既に広告データフォルダー71に存在する場合、そのBOXのIDに対応付けられたA3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データを上書きする。
【0055】
制御部80は、S103の処理の後、図8に示す動作を終了する。
【0056】
<MFP20上の広告の更新>
図9は、MFP20上の広告が更新される場合のシーケンス図である。
【0057】
図9に示すように、MFP20が起動されてMFP20の制御部50が起動されると(S121)、制御部50の拡張認証アプリ51は、STB60にMFP20の起動を通知する(S122)。
【0058】
STB60は、MFP20の起動が拡張認証アプリ51から通知されると、MFP20の起動を検知する(S123)。
【0059】
STB60は、MFP20の起動を検知すると、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のBOXのIDが“1”に対応付けられたA3カラー広告データを、IDが“1”であるBOX43にA3カラー広告データ43aとして書き込む(S124)。ここで、STB60は、IDが“1”であるBOXがMFP20の記憶部40に存在しない場合、IDが“1”であるBOXをMFP20の記憶部40に作成する。なお、図9において、Box1とは、IDが“1”であるBOXを意味している。
【0060】
MFP20の制御部50は、BOX43へのA3カラー広告データ43aの書き込みが終了すると、BOX43へのA3カラー広告データ43aの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S125)。
【0061】
STB60は、S124の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のBOXのIDが“1”に対応付けられたA3モノクロ広告データを、IDが“1”であるBOX43にA3モノクロ広告データ43bとして書き込む(S126)。
【0062】
MFP20の制御部50は、BOX43へのA3モノクロ広告データ43bの書き込みが終了すると、BOX43へのA3モノクロ広告データ43bの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S127)。
【0063】
STB60は、S126の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のBOXのIDが“1”に対応付けられたA4カラー広告データを、IDが“1”であるBOX43にA4カラー広告データ43cとして書き込む(S128)。
【0064】
MFP20の制御部50は、BOX43へのA4カラー広告データ43cの書き込みが終了すると、BOX43へのA4カラー広告データ43cの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S129)。
【0065】
STB60は、S128の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のBOXのIDが“1”に対応付けられたA4モノクロ広告データを、IDが“1”であるBOX43にA4モノクロ広告データ43dとして書き込む(S130)。
【0066】
MFP20の制御部50は、BOX43へのA4モノクロ広告データ43dの書き込みが終了すると、BOX43へのA4モノクロ広告データ43dの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S131)。
【0067】
拡張認証アプリ51は、IDが“1”であるBOX43へのA3カラー広告データ43a、A3モノクロ広告データ43b、A4カラー広告データ43cおよびA4モノクロ広告データ43dの書き込みが終了したことが制御部50から通知されると、記憶部40に記憶されているBOX状態情報46において、IDが“1”であるBOX43の状態を“使用可能”と設定する(S132)。
【0068】
S124からS132までの処理は、STB60の記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内の全てのBOXのIDに対して繰り返される。
【0069】
図10は、図9の続きのシーケンス図である。
【0070】
図10に示すように、制御部50は、後述のオンデマンド広告コピー処理(S188)を開始すると、オンデマンド広告コピー処理を開始したことを拡張認証アプリ51に通知する(S141)。
【0071】
拡張認証アプリ51は、オンデマンド広告コピー処理を開始したことが制御部50から通知された後、オンデマンド広告コピー処理における後述のS224において特定していた利用可能なBOXの状態が“使用可能”であると後述のS225において判断すると、記憶部40に記憶されているBOX状態情報46において、その利用可能なBOXの状態を“読み出し中”と設定する(S142)。なお、利用可能なBOXは、図10においてはIDが“1”であるBOXが例示されているが、実際にはオンデマンド広告コピー処理における後述のS224において特定されたBOXである。
【0072】
次いで、拡張認証アプリ51は、記憶部40に記憶されている利用可能BOX情報45を、現在の利用可能なBOXのIDに対して順番が次であるBOXのIDに設定する(S143)。この順番は、一番大きい数値の次が一番小さい数値であることを除いて、昇順である。なお、図10においては、IDが“2”であるBOXが例示されている。
【0073】
制御部50は、後述のオンデマンド広告コピー処理(S188)を終了すると、オンデマンド広告コピー処理における後述のS224において特定していた利用可能なBOXのIDとともに、オンデマンド広告コピー処理を終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S144)。
【0074】
拡張認証アプリ51は、オンデマンド広告コピー処理を終了したことが制御部50から通知されると、記憶部40に記憶されているBOX状態情報46において、S144において制御部50から通知されたIDに対応付けられているBOXの状態を“書き込み中”と設定する(S145)。
【0075】
次いで、拡張認証アプリ51は、S144において制御部50から通知されたBOXのIDとともに、オンデマンド広告コピー処理を終了したことをSTB60に通知する(S146)。
【0076】
図11は、図10の続きのシーケンス図である。
【0077】
図11に示すように、STB60は、オンデマンド広告コピー処理を終了したことが拡張認証アプリ51から通知されると、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のS146において拡張認証アプリ51から通知されたBOXのIDに対応付けられたA3カラー広告データを、MFP20の記憶部40に記憶されているBOXのうち、そのIDに対応付けられているBOXに書き込む(S161)。
【0078】
MFP20の制御部50は、そのBOXへのA3カラー広告データの書き込みが終了すると、そのBOXへのA3カラー広告データの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S162)。
【0079】
STB60は、S161の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のそのBOXのIDに対応付けられたA3モノクロ広告データを、MFP20の記憶部40に記憶されているBOXのうち、そのIDに対応付けられているBOXに書き込む(S163)。
【0080】
MFP20の制御部50は、そのBOXへのA3モノクロ広告データの書き込みが終了すると、そのBOXへのA3モノクロ広告データの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S164)。
【0081】
STB60は、S163の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のそのBOXのIDに対応付けられたA4カラー広告データを、MFP20の記憶部40に記憶されているBOXのうち、そのIDに対応付けられているBOXに書き込む(S165)。
【0082】
MFP20の制御部50は、そのBOXへのA4カラー広告データの書き込みが終了すると、そのBOXへのA4カラー広告データの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S166)。
【0083】
STB60は、S165の処理の後、記憶部70に記憶されている広告データフォルダー71内のそのBOXのIDに対応付けられたA4モノクロ広告データを、MFP20の記憶部40に記憶されているBOXのうち、そのIDに対応付けられているBOXに書き込む(S167)。
【0084】
MFP20の制御部50は、そのBOXへのA4モノクロ広告データの書き込みが終了すると、そのBOXへのA4モノクロ広告データの書き込みが終了したことを拡張認証アプリ51に通知する(S168)。
【0085】
拡張認証アプリ51は、そのBOXへのA3カラー広告データ、A3モノクロ広告データ、A4カラー広告データおよびA4モノクロ広告データの書き込みが終了したことが制御部50から通知されると、記憶部40に記憶されているBOX状態情報46において、そのBOXの状態を“使用可能”と設定する(S169)。
【0086】
S141からS169までの処理は、後述のオンデマンド広告コピー処理が実行される度に繰り返される。
【0087】
<コピー>
MFP20が起動されると、MFP20の制御部50の拡張認証アプリ51は、図12に示すコピー選択画面を表示部22に表示する。
【0088】
図12は、表示部22に表示されるコピー選択画面を示す図である。
【0089】
図12に示すように、コピー選択画面は、広告を伴わない通常のコピーが指示されるためのボタンである通常コピーボタン22aと、広告を伴うコピー(以下「広告コピー」という。)が指示されるためのボタンである広告コピーボタン22bとを含んでいる。
【0090】
MFP20の制御部50は、操作部21を介して通常コピーボタン22aが押されると、A3サイズのコピーの場合にはA3広告可媒体収納部33から搬送したA3広告可媒体33aを使用してコピーを実行し、A4サイズのコピーの場合にはA4広告可媒体収納部34から搬送したA4広告可媒体34aを使用してコピーを実行することができる。このとき、制御部50は、記録媒体の両面にコピーを実行する両面コピーを実行することもできるし、カラーコピーおよびモノクロコピーの何れも実行することができる。なお、通常コピーボタン22aが押された場合のMFP20の動作については、本発明の特徴ではなく一般的な動作であるので、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0091】
MFP20の制御部50は、操作部21を介して広告コピーボタン22bが押されると、図13に示す動作を実行する。
【0092】
図13は、広告コピーを実行する場合の制御部50の動作のフローチャートである。
【0093】
図13に示すように、制御部50の拡張認証アプリ51は、図14に示す広告コピー認証画面を表示部22に表示する(S181)。
【0094】
図14は、表示部22に表示される広告コピー認証画面を示す図である。
【0095】
図14に示すように、広告コピー認証画面は、スキャナー24に原稿をセットしてから認証を実行することを利用者に促すメッセージ22cと、認証のための利用者IDが操作部21を介して入力されるためのテキストボックスである利用者IDテキストボックス22dと、認証のためのパスワードが操作部21を介して入力されるためのテキストボックスであるパスワードテキストボックス22eと、操作部21を介して認証の実行が指示されるためのボタンである認証ボタン22fとを含んでいる。
【0096】
図13に示すように、拡張認証アプリ51は、S181の処理の後、認証ボタン22fが押されたと判断するまで、認証ボタン22fが押されたか否かを判断する(S182)。
【0097】
拡張認証アプリ51は、認証ボタン22fが押されたとS182において判断すると、利用者IDテキストボックス22dに入力されている利用者IDと、パスワードテキストボックス22eに入力されているパスワードとに基づいて認証を実行する(S183)。ここで、拡張認証アプリ51は、利用者IDテキストボックス22dに入力されている利用者IDと、パスワードテキストボックス22eに入力されているパスワードとの組み合わせが、予め記憶部40に記憶されている認証情報42の中に存在する場合に、認証が成功したと判断し、そうでない場合に、認証が失敗したと判断する。
【0098】
拡張認証アプリ51は、S183の処理の後、S183で実行した認証が成功したか否かを判断する(S184)。
【0099】
拡張認証アプリ51は、S183で実行した認証が失敗したとS184において判断すると、再びS181の処理に戻る。
【0100】
一方、拡張認証アプリ51は、S183で実行した認証が成功したとS184において判断すると、スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えているか否かをスキャナー24からの信号に基づいて判断する(S185)。
【0101】
拡張認証アプリ51は、スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えているとS185において判断すると、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされているか否かをスキャナー24からの信号に基づいて判断する(S186)。
【0102】
制御部50は、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされているとS186において判断されると、図15に示すオフセット広告コピー処理を実行する(S187)。ここで、オフセット広告コピー処理とは、A3広告済媒体収納部31またはA4広告済媒体収納部32から搬送した記録媒体を使用するコピーである本発明の広告済媒体コピーの処理である。
【0103】
図15は、オフセット広告コピー処理のフローチャートである。
【0104】
図15に示すように、制御部50は、A3広告済媒体収納部31、A4広告済媒体収納部32、A3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34のうちA3広告済媒体収納部31およびA4広告済媒体収納部32のみを使用可能にする(S201)。
【0105】
次いで、制御部50は、図16に示す広告コピー指示画面を表示部22に表示する(S202)。
【0106】
図16は、表示部22に表示される広告コピー指示画面を示す図である。
【0107】
図16に示すように、広告コピー指示画面は、コピーに使用する記録媒体のサイズ(図16では「用紙サイズ」)と、カラー又はモノクロコピーを指示するための画面である。広告コピー指示画面は、コピーに使用される記録媒体としてA3サイズの記録媒体が操作部21を介して指示されるためのラジオボタンであるA3ラジオボタン22gと、コピーに使用される記録媒体としてA4サイズの記録媒体が操作部21を介して指示されるためのラジオボタンであるA4ラジオボタン22hと、カラーコピーが操作部21を介して指示されるためのラジオボタンであるカラーラジオボタン22iと、モノクロコピーが操作部21を介して指示されるためのラジオボタンであるモノクロラジオボタン22jと、操作部21を介してコピーの開始が指示されるためのボタンであるコピー開始ボタン22kとを含んでいる。A3ラジオボタン22gおよびA4ラジオボタン22hは、常に何れか一方のみが選択された状態になるようになっている。同様に、カラーラジオボタン22iおよびモノクロラジオボタン22jは、常に何れか一方のみが選択された状態になるようになっている。
【0108】
図15に示すように、制御部50は、S202の処理の後、コピー開始ボタン22kが押されたと判断するまで、コピー開始ボタン22kが押されたか否かを判断する(S203)。
【0109】
制御部50は、コピー開始ボタン22kが押されたとS203において判断すると、A3ラジオボタン22g、A4ラジオボタン22h、カラーラジオボタン22iおよびモノクロラジオボタン22jによるコピーの設定を判断する(S204)。
【0110】
制御部50は、A3ラジオボタン22gおよびカラーラジオボタン22iが選択されているとS204において判断すると、スキャナー24によって1枚の原稿から画像を読み取る(S205)。
【0111】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA3広告済媒体収納部31から搬送したA3広告済媒体31aの表面にカラーコピーを実行する(S206)。すなわち、制御部50は、そのA3広告済媒体31aの表面にS205において読み取った画像をプリンター23によってカラー印刷する。
【0112】
次いで、制御部50は、全ての原稿のコピーが終了したか否かを判断する(S207)。
【0113】
制御部50は、全ての原稿のコピーが終了していないとS207において判断すると、残りの原稿のコピーを実行するためにS205の処理に戻る。
【0114】
制御部50は、A3ラジオボタン22gおよびモノクロラジオボタン22jが選択されているとS204において判断すると、スキャナー24によって1枚の原稿から画像を読み取る(S208)。
【0115】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA3広告済媒体収納部31から搬送したA3広告済媒体31aの表面にモノクロコピーを実行する(S209)。すなわち、制御部50は、そのA3広告済媒体31aの表面にS208において読み取った画像をプリンター23によってモノクロ印刷する。
【0116】
次いで、制御部50は、全ての原稿のコピーが終了したか否かを判断する(S210)。
【0117】
制御部50は、全ての原稿のコピーが終了していないとS210において判断すると、残りの原稿のコピーを実行するためにS208の処理に戻る。
【0118】
制御部50は、A4ラジオボタン22hおよびカラーラジオボタン22iが選択されているとS204において判断すると、スキャナー24によって1枚の原稿から画像を読み取る(S211)。
【0119】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA4広告済媒体収納部32から搬送したA4広告済媒体32aの表面にカラーコピーを実行する(S212)。すなわち、制御部50は、そのA4広告済媒体32aの表面にS211において読み取った画像をプリンター23によってカラー印刷する。
【0120】
次いで、制御部50は、全ての原稿のコピーが終了したか否かを判断する(S213)。
【0121】
制御部50は、全ての原稿のコピーが終了していないとS213において判断すると、残りの原稿のコピーを実行するためにS211の処理に戻る。
【0122】
制御部50は、A4ラジオボタン22hおよびモノクロラジオボタン22jが選択されているとS204において判断すると、スキャナー24によって1枚の原稿から画像を読み取る(S214)。
【0123】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA4広告済媒体収納部32から搬送したA4広告済媒体32aの表面にモノクロコピーを実行する(S215)。すなわち、制御部50は、そのA4広告済媒体32aの表面にS214において読み取った画像をプリンター23によってモノクロ印刷する。
【0124】
次いで、制御部50は、全ての原稿のコピーが終了したか否かを判断する(S216)。
【0125】
制御部50は、全ての原稿のコピーが終了していないとS216において判断すると、残りの原稿のコピーを実行するためにS214の処理に戻る。
【0126】
制御部50は、全ての原稿のコピーが終了したとS207、S210、S213またはS216において判断すると、A3広告済媒体収納部31、A4広告済媒体収納部32、A3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34の全てを使用可能にして(S217)、図15に示すオフセット広告コピー処理を終了する。
【0127】
図13に示すように、制御部50は、S187のオフセット広告コピー処理を終了すると、再びS181の処理に戻る。
【0128】
制御部50は、スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていないとS185において判断されるか、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされていないとS186において判断されると、図17および図18に示すオンデマンド広告コピー処理を実行する(S188)。ここで、オンデマンド広告コピー処理とは、A3広告可媒体収納部33またはA4広告可媒体収納部34から搬送した記録媒体を使用するコピーである本発明の広告可媒体コピーの処理である。
【0129】
図17は、オンデマンド広告コピー処理のフローチャートである。図18は、図17の続きのフローチャートである。
【0130】
図17および図18に示すように、制御部50は、A3広告済媒体収納部31、A4広告済媒体収納部32、A3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34のうちA3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34のみを使用可能にする(S221)。
【0131】
次いで、制御部50は、図16に示す広告コピー指示画面を表示部22に表示する(S222)。
【0132】
次いで、制御部50は、コピー開始ボタン22kが押されたと判断するまで、コピー開始ボタン22kが押されたか否かを判断する(S223)。
【0133】
制御部50は、コピー開始ボタン22kが押されたとS223において判断すると、記憶部40に記憶されている利用可能BOX情報45に基づいて利用可能なBOXを特定する(S224)。
【0134】
次いで、制御部50は、S224において特定した利用可能なBOXの状態が“使用可能”であるか否かを、記憶部40に記憶されているBOX状態情報46に基づいて判断する(S225)。
【0135】
制御部50は、利用可能なBOXの状態が“使用可能”ではないとS225において判断すると、不具合のために広告コピーを失敗したことを表示部22に表示する(S226)。
【0136】
次いで、制御部50は、A3広告済媒体収納部31、A4広告済媒体収納部32、A3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34の全てを使用可能にして(S227)、図17および図18に示すオンデマンド広告コピー処理を終了する。
【0137】
制御部50は、利用可能なBOXの状態が“使用可能”であるとS225において判断すると、A3ラジオボタン22g、A4ラジオボタン22h、カラーラジオボタン22iおよびモノクロラジオボタン22jによるコピーの設定を判断する(S241)。
【0138】
制御部50は、A3ラジオボタン22gおよびカラーラジオボタン22iが選択されているとS241において判断すると、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る(S242)。
【0139】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA3広告可媒体収納部33から搬送したA3広告可媒体33aの裏面に、S224において特定した利用可能なBOXのA3カラー広告データに基づいてプリンター23によって広告をカラー印刷する(S243)。
【0140】
次いで、制御部50は、そのA3広告可媒体33aの表面にカラーコピーを実行する(S244)。すなわち、制御部50は、そのA3広告可媒体33aの表面にS242において読み取った画像をプリンター23によってカラー印刷する。
【0141】
制御部50は、A3ラジオボタン22gおよびモノクロラジオボタン22jが選択されているとS241において判断すると、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る(S245)。
【0142】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA3広告可媒体収納部33から搬送したA3広告可媒体33aの裏面に、S224において特定した利用可能なBOXのA3モノクロ広告データに基づいてプリンター23によって広告をモノクロ印刷する(S246)。
【0143】
次いで、制御部50は、そのA3広告可媒体33aの表面にモノクロコピーを実行する(S247)。すなわち、制御部50は、そのA3広告可媒体33aの表面にS245において読み取った画像をプリンター23によってモノクロ印刷する。
【0144】
制御部50は、A4ラジオボタン22hおよびカラーラジオボタン22iが選択されているとS241において判断すると、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る(S248)。
【0145】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA4広告可媒体収納部34から搬送したA4広告可媒体34aの裏面に、S224において特定した利用可能なBOXのA4カラー広告データに基づいてプリンター23によって広告をカラー印刷する(S249)。
【0146】
次いで、制御部50は、そのA4広告可媒体34aの表面にカラーコピーを実行する(S250)。すなわち、制御部50は、そのA4広告可媒体34aの表面にS248において読み取った画像をプリンター23によってカラー印刷する。
【0147】
制御部50は、A4ラジオボタン22hおよびモノクロラジオボタン22jが選択されているとS241において判断すると、スキャナー24によって原稿から画像を読み取る(S251)。
【0148】
次いで、制御部50は、プリンター23によってA4広告可媒体収納部34から搬送したA4広告可媒体34aの裏面に、S224において特定した利用可能なBOXのA4モノクロ広告データに基づいてプリンター23によって広告をモノクロ印刷する(S252)。
【0149】
次いで、制御部50は、そのA4広告可媒体34aの表面にモノクロコピーを実行する(S253)。すなわち、制御部50は、そのA4広告可媒体34aの表面にS251において読み取った画像をプリンター23によってモノクロ印刷する。
【0150】
制御部50は、S244、S247、S250またはS253の処理を終了すると、A3広告済媒体収納部31、A4広告済媒体収納部32、A3広告可媒体収納部33およびA4広告可媒体収納部34の全てを使用可能にして(S227)、図17および図18に示すオンデマンド広告コピー処理を終了する。
【0151】
図13に示すように、制御部50は、S188のオンデマンド広告コピー処理を終了すると、再びS181の処理に戻る。
【0152】
以上に説明したように、MFP20は、互いに異なる広告が印刷された複数種類のA3広告済媒体31aがランダムにA3広告済媒体収納部31に収納されておかれることによって、広告を伴うコピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件、すなわち、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件(S185でYESおよびS186でYES)を満たすときに、複数種類のA3広告済媒体31aを使用するコピーを実行する(S187)ので、広告の効果を従来より向上することができる。
【0153】
同様に、MFP20は、互いに異なる広告が印刷された複数種類のA4広告済媒体32aがランダムにA4広告済媒体収納部32に収納されておかれることによって、広告を伴うコピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件、すなわち、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件(S185でYESおよびS186でYES)を満たすときに、複数種類のA4広告済媒体32aを使用するコピーを実行する(S187)ので、広告の効果を従来より向上することができる。
【0154】
また、MFP20は、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理のうちオフセット広告コピー処理を実行するための条件として、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件を採用しているので、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされるだけで、複数種類の広告済媒体を使用するコピーを実行することができる。
【0155】
なお、MFP20は、複数の記録媒体に印刷するための条件であれば、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件に代えて、または、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件に加えて、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理のうちオフセット広告コピー処理を実行するための条件として採用することができる。
【0156】
MFP20は、コインベンダーが設置されるなどして、コピーに対して利用者に課金するようになっていても良い。MFP20は、利用者に対して課金するようになっている場合、広告コピーに対する課金を、通常コピーに対する課金より安価にするか、無料にするようになっていても良い。MFP20は、利用者に対して課金するようになっている場合、オフセット広告コピー処理に対する課金と、オンデマンド広告コピー処理に対する課金とを異ならせても良い。MFP20は、利用者に対して課金するようになっている場合、オンデマンド広告コピー処理において記録媒体のうち広告を印刷する裏面に対しては課金の対象外とする。
【0157】
MFP20は、広告を伴うコピー、すなわち、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理が実行された記録媒体において、コピーが実行された面とは異なる面に広告が印刷されているので、広告を大きく表示して広告の効果を向上することができる。
【0158】
なお、MFP20は、オンデマンド広告コピー処理において、上述の特許文献1に記載されている技術と同様に、記録媒体のうちコピーが実行される面と同じ面に広告が印刷されるようになっていても良い。また、MFP20は、オフセット広告コピー処理において、記録媒体のうち広告が印刷されている面と同じ面にコピーが実行されるようになっていても良い。
【0159】
MFP20は、本実施の形態において、広告コピーが実行された記録媒体の裏面に広告が印刷されているので、広告コピー時の両面印刷が禁止されている。しかしながら、MFP20は、広告の効果を著しく低下させない限り、広告コピー時の両面印刷を許可するようになっていても良い。
【0160】
MFP20は、拡大縮小、濃度調整などの画像の処理を広告コピー時にも許可するようになっていても良い。MFP20は、これらの画像の処理をオンデマンド広告コピー処理に適用する場合、オンデマンド広告コピー処理おいて印刷される広告にはこれらの画像の処理が影響しないようにすることが好ましい。
【0161】
MFP20は、本実施の形態において、オンデマンド広告コピー処理によって印刷される広告の種類を、オンデマンド広告コピー処理を実行する度にBOXのIDの順で変更するようになっている。しかしながら、MFP20は、オンデマンド広告コピー処理によって印刷される広告の種類の変更を、本実施の形態において示した方法以外の方法によって実行するようになっていても良い。例えば、MFP20は、オンデマンド広告コピー処理によって印刷される広告の種類を、S183において認証された利用者の年齢、性別などの属性に応じて変更するようになっていても良い。
【0162】
MFP20は、起動時にSTB60から記憶部40のBOXに広告データが書き込まれるようになっている(S124、S126、S128およびS130)ので、BOX上の広告データの更新中に電源が切断された場合など、BOX上の広告データに不具合が生じた場合であっても、再起動時に正常な状態に回復することができる。なお、MFP20は、BOX状態情報46を管理しているので、起動時にBOX状態情報46において“書き込み中”となっているBOXのみにSTB60から広告データが書き込まれるようになっていても良い。
【0163】
STB60は、MFP20の起動時(S124、S126、S128およびS130)と、オンデマンド広告コピー処理の終了時(S161、S163、S165およびS167)とに、MFP20の記憶部40のBOX上の広告データを更新するようになっているが、これらの時以外の時にMFP20の記憶部40のBOX上の広告データを更新するようになっていても良い。例えば、STB60は、定刻や、サーバー90からSTBに広告が配信されたときに、MFP20の記憶部40のBOX上の広告データを更新するようになっていても良い。
【0164】
本発明の広告コピー用画像形成装置は、本実施の形態においてMFPであるが、広告を伴うコピーを実行することができる装置であれば、コピー専用機など、MFP以外の画像形成装置であっても良い。
【0165】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るネットワークシステムの構成は、第1の実施の形態に係るネットワークシステム10の構成と同様であるので、ネットワークシステム10の構成と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0166】
本実施の形態に係るネットワークシステムの動作は、以下に述べる動作を除いて、ネットワークシステム10の動作と同様である。
【0167】
図19は、広告コピーを実行する場合の本実施の形態に係るネットワークシステムのMFP20の制御部50の動作のフローチャートである。
【0168】
図19に示す動作は、以下に述べる動作を除いて、図13に示す動作と同様である。
【0169】
図19に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステムのMFP20の制御部50の拡張認証アプリ51は、S183で実行した認証が成功したとS184において判断すると、図20に示す連続読み取りモード設定画面を表示部22に表示する(S261)。
【0170】
図20は、表示部22に表示される連続読み取りモード設定画面を示す図である。
【0171】
図20に示すように、連続読み取りモード設定画面は、原稿を複数回手動でスキャナー24に読み取らせるモードである連続読み取りモードに設定しないことが操作部21を介して指示されるためのラジオボタンである連続読み取りモード非設定ラジオボタン22lと、連続読み取りモードに設定することが操作部21を介して指示されるためのラジオボタンである連続読み取りモード設定ラジオボタン22mと、操作部21を介してモードの決定が指示されるためのボタンである決定ボタン22nとを含んでいる。連続読み取りモード非設定ラジオボタン22lおよび連続読み取りモード設定ラジオボタン22mは、常に何れか一方のみが選択された状態になるようになっている。
【0172】
図19に示すように、拡張認証アプリ51は、S261の処理の後、決定ボタン22nが押されたと判断するまで、決定ボタン22nが押されたか否かを判断する(S262)。
【0173】
拡張認証アプリ51は、決定ボタン22nが押されたとS262において判断すると、現在のモードが連続読み取りモードであるか否かを判断する(S263)。ここで、拡張認証アプリ51は、連続読み取りモード非設定ラジオボタン22lが選択されている場合に、現在のモードが連続読み取りモードではないと判断し、連続読み取りモード設定ラジオボタン22mが選択されている場合に、現在のモードが連続読み取りモードであると判断する。
【0174】
拡張認証アプリ51は、現在のモードが連続読み取りモードではないとS263において判断すると、スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えているか否かをスキャナー24からの信号に基づいて判断する(S185)。
【0175】
一方、制御部50は、現在のモードが連続読み取りモードであるとS263において判断されると、図15に示すオフセット広告コピー処理を実行する(S187)。
【0176】
制御部50は、現在のモードが連続読み取りモードである場合、図15に示すオフセット広告コピー処理のS207、S210、S213またはS216において、図21に示す連続読み取りモード画面を表示部22に表示する。
【0177】
図21は、表示部22に表示される連続読み取りモード画面を示す図である。
【0178】
図21に示すように、連続読み取りモード画面は、次の原稿がある場合に次の原稿をスキャナー24にセットしてから読み取りを実行することを利用者に促すメッセージ22oと、操作部21を介して読み取りの実行が指示されるためのボタンである読み取りボタン22pと、次の原稿がない場合に終了を実行することを利用者に促すメッセージ22qと、操作部21を介して終了が指示されるためのボタンである終了ボタン22rとを含んでいる。
【0179】
制御部50は、現在のモードが連続読み取りモードである場合、読み取りボタン22pが押されたとき、全ての原稿のコピーが終了していないとS207、S210、S213またはS216において判断する。また、制御部50は、現在のモードが連続読み取りモードである場合、終了ボタン22rが押されたとき、全ての原稿のコピーが終了したとS207、S210、S213またはS216において判断する。
【0180】
以上に説明したように、本実施の形態に係るMFP20は、互いに異なる広告が印刷された複数種類のA3広告済媒体31aがランダムにA3広告済媒体収納部31に収納されておかれることによって、広告を伴うコピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件、すなわち、「現在のモードが連続読み取りモードである」という条件(S263でYES)または「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件(S185でYESおよびS186でYES)を満たすときに、複数種類のA3広告済媒体31aを使用するコピーを実行する(S187)ので、広告の効果を従来より向上することができる。
【0181】
同様に、本実施の形態に係るMFP20は、互いに異なる広告が印刷された複数種類のA4広告済媒体32aがランダムにA4広告済媒体収納部32に収納されておかれることによって、広告を伴うコピーが指示された場合、指示されたコピーが複数の記録媒体に印刷するための所定の条件、すなわち、「現在のモードが連続読み取りモードである」という条件(S263でYES)または「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件(S185でYESおよびS186でYES)を満たすときに、複数種類のA4広告済媒体32aを使用するコピーを実行する(S187)ので、広告の効果を従来より向上することができる。
【0182】
また、本実施の形態に係るMFP20は、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理のうちオフセット広告コピー処理を実行するための条件として、「現在のモードが連続読み取りモードである」という条件を採用しているので、現在のモードが連続読み取りモードに設定されているだけで、複数種類の広告済媒体を使用するコピーを実行することができる。
【0183】
なお、本実施の形態に係るMFP20は、複数の記録媒体に印刷するための条件であれば、「現在のモードが連続読み取りモードである」という条件、および、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件に加えて、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理のうちオフセット広告コピー処理を実行するための条件として採用することができる。また、本実施の形態に係るMFP20は、「スキャナー24が自動原稿送り装置24aを備えていて、自動原稿送り装置24aに原稿がセットされている」という条件を、オフセット広告コピー処理およびオンデマンド広告コピー処理のうちオフセット広告コピー処理を実行するための条件として採用しないようになっていても良い。
【0184】
また、本実施の形態に係るMFP20は、BOXを3つ以上有していても良い。この場合も、BOXごとに異なるIDを対応付けることができる。
【0185】
また、本実施の形態に係るMFP20は、広告コピー処理を実行する際、RFID(Radio Frequency Identification)を用いた認証や、生態認証等、公知の認証方法を用いることができる。
【符号の説明】
【0186】
20 MFP(広告コピー用画像形成装置)
23 プリンター(印刷デバイス)
24 スキャナー(読取デバイス)
24a 自動原稿送り装置
31 A3広告済媒体収納部(広告済媒体収納部)
31a A3広告済媒体(記録媒体、広告済媒体)
32 A4広告済媒体収納部(広告済媒体収納部)
32a A4広告済媒体(記録媒体、広告済媒体)
33 A3広告可媒体収納部(広告可媒体収納部)
33a A3広告可媒体(記録媒体、広告可媒体)
34 A4広告可媒体収納部(広告可媒体収納部)
34a A4広告可媒体(記録媒体、広告可媒体)
40 記憶部(広告記憶部)
50 制御部(コピー制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に印刷を実行する印刷デバイスと、原稿から画像を読み取る読取デバイスと、予め広告が印刷されている前記記録媒体である広告済媒体を収納する広告済媒体収納部と、広告が印刷可能な前記記録媒体である広告可媒体を収納する広告可媒体収納部と、広告を記憶する広告記憶部と、前記読取デバイスによって原稿から読み取られた画像を前記印刷デバイスによって前記記録媒体に印刷する機能であるコピーを制御するコピー制御部とを備えており、
前記コピー制御部は、広告を伴う前記コピーが指示された場合、前記広告可媒体収納部から搬送した前記広告可媒体を使用する前記コピーである広告可媒体コピーと、前記広告済媒体収納部から搬送した前記広告済媒体を使用する前記コピーである広告済媒体コピーとの何れか一方を実行し、前記広告可媒体コピーを実行するときに、前記広告記憶部に記憶されている広告を前記広告可媒体に印刷し、
前記コピー制御部は、広告を伴う前記コピーが指示された場合、指示された前記コピーが複数の前記記録媒体に印刷するための所定の条件を満たすときに、前記広告済媒体コピーを実行することを特徴とする広告コピー用画像形成装置。
【請求項2】
前記広告済媒体は、予め裏面に広告が印刷されている前記記録媒体であり、
前記広告可媒体は、両面に印刷が可能な前記記録媒体であり、
前記コピーは、前記読取デバイスによって原稿から読み取られた画像を前記印刷デバイスによって前記記録媒体の表面に印刷する機能であり、
前記コピー制御部は、前記広告可媒体コピーを実行するときに、前記広告記憶部に記憶されている広告を前記広告可媒体の裏面に印刷することを特徴とする請求項1に記載の広告コピー用画像形成装置。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記読取デバイスが自動原稿送り装置を備えていて、前記自動原稿送り装置に原稿がセットされているという条件を含んでいることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の広告コピー用画像形成装置。
【請求項4】
前記所定の条件は、現在のモードが原稿を複数回手動で前記読取デバイスに読み取らせるモードであるという条件を含んでいることを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の広告コピー用画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−109032(P2013−109032A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251778(P2011−251778)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】