説明

広告情報提供システム

【課題】 近距離無線通信を用いて広告情報を配信する場合に、その配信エリアが車両が走行できないエリアである場合も含めて広告情報を出来る限り受信するようにするとともに、その受信した広告情報を車載ナビゲーション装置1で有効利用できるようにして、車両の乗員の利便性を向上させる。
【解決手段】 所定条件成立時に、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶された広告情報を、車載ナビゲーション装置1へ転送させて該車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告情報を送信する広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って該広告情報を受信する車載ナビゲーション装置と、上記広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って上記広告情報を受信する携帯端末とを備えた広告情報提供システムに関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
従来より、地域に密着した広告情報を利用者に提供する場合には、新聞による折り込み広告が一般的に利用されているが、近年では、そのような広告情報を電子的な方法で利用者に提供しようとする試みがなされている。例えば特許文献1のものでは、広告依頼主が端末を操作して、宣伝を行う店舗の位置情報と宣伝情報とを含む広告情報を、店舗の所在地を放送エリアにしている放送局のサーバに送信し、このサーバでは、上記端末から送られてきた広告情報を、放送局から出力されている放送電波に重畳させ、利用者のナビゲーション機器が、その広告情報を受信し、該広告情報中の位置情報によって示される位置が、現在表示中の地図上の位置である場合には、その地図上に店舗の位置をマークするとともに、そのマークに関連付けて宣伝情報を表示するようにしている。
【0003】
一方、近年では、通信可能範囲が数mから数100mであるDSRC(狭域通信:Dedicated Short Range Communications)等の近距離無線通信に関する技術が開発されてきており、この技術は、高速道路等の有料道路においては、その通行料金を自動で徴収処理するETC(Electronic Toll Collection System)に利用されている。
【特許文献1】特開2004−132717号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような近距離無線通信技術を用いて、上記従来例のように、地域に密着した広告情報を配信するようにすることが考えられる。すなわち、その配信エリアを車両が走行したときに、その車両に搭載された車載ナビゲーション装置で広告情報を受信し、その広告情報を地図上に表示するようにする。このような広告情報提供システムの構築により、走行中の車両周辺に位置する施設の宣伝効果やその車両の乗員の利便性が向上する。
【0005】
上記広告情報提供システムにおいては、一度受信した広告情報を、車載ナビゲーション装置で記憶しておき、車両が当該広告情報の配信エリア外を走行中であっても、その広告情報を読み出して地図上に表示するようにすれば、車両の乗員の利便性がより一層向上する。
【0006】
ところが、上記広告情報提供システムでは、車両に搭載された車載ナビゲーション装置で広告情報を受信するため、その広告情報の配信エリアが、例えば歩行者天国の中やショッピングモール内部のように車両が走行できないエリアに限られる場合には、その車両の乗員が必要とする広告情報が得られなくなる可能性がある。このように車載ナビゲーション装置で広告情報を受信しようとすると、受信できる広告情報が制限されて、広告情報を十分に活用できなくなる可能性がある。
【0007】
そこで、車両の乗員の歩行中は、該乗員が携帯する携帯電話等の携帯端末で広告情報を受信するようにすれば、配信エリアが車両が走行できないエリアである広告情報をも得ることができるようになる。この携帯端末で受信した広告情報も該携帯端末で記憶しておいて、乗員が当該広告情報の配信エリア外に居るときであっても、その広告情報を読み出して地図上に表示するようにすることが好ましい。
【0008】
しかしながら、広告情報を車載ナビゲーション装置と携帯端末とでそれぞれ別個に記憶しておくだけでは、車両の走行中に、携帯端末で受信した広告情報を車載ナビゲーション装置で見ることは困難であり、乗員にとっては非常に不便である。
【0009】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、近距離無線通信を用いて広告情報を配信する場合に、その配信エリアが車両が走行できないエリアである場合も含めて広告情報を出来る限り受信するようにするとともに、その受信した広告情報を車載ナビゲーション装置で有効利用できるようにして、車両の乗員の利便性を向上させようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、この発明では、所定条件成立時に、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報を、車載ナビゲーション装置へ転送させて該車載ナビゲーション装置の車載記憶手段に記憶させるようにした。
【0011】
具体的には、請求項1の発明では、車両に搭載され、位置情報を含む広告情報を送信する広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って上記広告情報を受信する車載受信手段と該受信した広告情報を記憶する車載記憶手段と該記憶した広告情報を、該広告情報の位置情報に基づいて地図上に表示する車載表示手段とを有する車載ナビゲーション装置と、上記車両の乗員が携帯可能でかつ上記車載ナビゲーション装置と通信可能に構成され、上記広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って上記広告情報を受信する携帯受信手段と該受信した広告情報を記憶する携帯記憶手段とを有する携帯端末とを備えた広告情報提供システムを対象とする。
【0012】
そして、所定条件成立時に、上記携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報を、上記車載ナビゲーション装置へ転送させて該車載ナビゲーション装置の車載記憶手段に記憶させる転送手段を備えているものとする。
【0013】
上記の構成により、車両の走行中においては車載ナビゲーション装置で広告情報を受信し、配信エリアが車両が走行できないエリアである広告情報は、その車両の乗員が歩行中に携帯端末で受信する。そして、その乗員が車両に乗ってエンジンを始動したとき等のように所定条件成立時に、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報が、車載ナビゲーション装置へ転送されて該車載ナビゲーション装置の車載記憶手段に記憶される。この結果、車載ナビゲーション装置及び携帯端末で受信した広告情報は全て車載ナビゲーション装置の車載表示手段に表示することが可能になる。よって、それら受信した広告情報を車載ナビゲーション装置で有効利用することができ、車両の乗員の利便性を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、携帯端末は、携帯ナビゲーション装置であって、携帯記憶手段に記憶した広告情報を、該広告情報の位置情報に基づいて地図上に表示する携帯表示手段を更に有しているものとする。
【0015】
このことにより、乗員を、歩行中においても目的地に経路誘導することができるとともに、その誘導中に広告情報が表示されるので、乗員の利便性がより一層向上する。また、どのような広告情報を受信したかを、車載ナビゲーション装置への転送後にわざわざ確認する必要もない。
【0016】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、車両の乗員が、転送手段により車載ナビゲーション装置へ転送される広告情報のジャンルを予め設定しておくことが可能に構成されているものとする。
【0017】
こうすることで、車両の乗員にとって必要な広告情報のみを車載ナビゲーション装置へ転送するようにすることができる。
【0018】
請求項4の発明では、請求項1又は2の発明において、携帯端末は、該携帯端末の現在位置が所定エリア内でないときには、携帯受信手段による広告情報の受信を禁止するように構成されているものとする。
【0019】
すなわち、車載ナビゲーション装置の車載受信手段により受信可能な広告情報は、車載ナビゲーション装置へ転送する必要性は低い。したがって、所定エリアを、車両用道路から所定距離以上離れたエリア等としておくことで、上記のような転送する必要性が低い広告情報が車載ナビゲーション装置へ転送されるのを未然に防止することができる。また、携帯端末の携帯性の観点から記憶容量が比較的小さい携帯記憶手段の有効活用を図ることができる。
【0020】
請求項5の発明では、請求項1又は2の発明において、携帯端末は、携帯受信手段による受信位置が所定エリア内でない広告情報を携帯記憶手段に記憶するのを禁止するように構成されているものとする。このことで、請求項4の発明と同様の作用効果を得ることが出来る。
【0021】
請求項6の発明では、請求項1又は2の発明において、転送手段は、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報のうち、携帯受信手段による受信位置が所定エリア内でない広告情報を車載ナビゲーション装置へ転送するのを禁止するように構成されているものとする。
【0022】
このことにより、所定エリアを、車両用道路から所定距離以上離れたエリア等としておくことで、転送する必要性が低い広告情報が車載ナビゲーション装置へ転送されるのを防止することができる。また、転送処理時間が短くて済み、携帯端末の電池の無駄な消耗を防止することができる。
【0023】
請求項7の発明では、請求項4、5及び6のうちいずれか1つの発明において、所定エリアは、車両用道路から所定距離以上離れたエリアであって、車載ナビゲーション装置にて指定されるものであるとする。
【0024】
こうすることで、転送する必要性が低い広告情報が車載ナビゲーション装置へ転送されるのを防止することができるとともに、車両が走行可能な道路の指定を、道路地図を有する車載ナビゲーション装置で容易に行うことができるようになる。
【0025】
請求項8の発明では、請求項1の発明において、転送手段は、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報のうち、乗員が車両を降りてから再度乗車するまでの間に携帯受信手段により受信した広告情報のみを、車載ナビゲーション装置へ転送させるように構成されているものとする。
【0026】
すなわち、車載ナビゲーション装置への転送後においても、携帯端末の携帯記憶手段には、広告情報を記憶しておいてもよく、このような場合、一度転送した広告情報が再び転送される可能性がある。しかし、この発明では、乗員が乗車して降車するまでの間に広告情報を転送するようにすれば、乗員の降車中に新たに受信した広告情報のみが転送され、一度転送した広告情報が再び転送されるようなことはない。
【0027】
請求項9の発明では、請求項1の発明において、車載表示手段は、車載記憶手段に記憶した広告情報を地図上に表示する際、車載受信手段により受信した広告情報と転送手段により転送された広告情報とを識別可能に表示するように構成されているものとする。
【0028】
このことにより、車両の乗員は、その広告情報に係る店舗等の所在地に車両で到達することができるのか、それともその近くの駐車場等に駐車してからその所在地まで歩いて行かなければならないかが一目で分かるようになる。
【0029】
請求項10の発明では、請求項1の発明において、車両の乗員が、広告情報を車載ナビゲーション装置へ転送させる携帯端末を予め登録しておく登録手段を備え、転送手段は、上記登録手段により登録されていない携帯端末から上記車載ナビゲーション装置への広告情報の転送を禁止するように構成されているものとする。
【0030】
このことで、乗員(ドライバ)以外が携帯するような全く関係がない携帯端末から広告情報が転送されるのを防止することができる。
【0031】
請求項11の発明では、請求項1の発明において、車載記憶手段は、転送手段により転送された広告情報を、該広告情報の転送時に車両が駐車していた場合には、当該駐車位置と対応させて車載記憶手段に記憶させ、上記広告情報の転送時に車両が走行していた場合には、該走行直前の駐車位置と対応させて車載記憶手段に記憶させるように構成されているものとする。
【0032】
こうすることで、転送された広告情報に係る店舗等の所在地に行くために、車載ナビゲーション装置でその所在地を目的地に設定した場合に、その所在地近くの駐車場等(携帯端末で広告情報を得たときに車両を駐車していた場所)に経路誘導するようにすることができる。
【発明の効果】
【0033】
以上説明したように、本発明の広告情報提供システムによると、所定条件成立時に、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報を、車載ナビゲーション装置へ転送させて該車載ナビゲーション装置の車載記憶手段に記憶させるようにしたことにより、配信エリアが車両が走行できないエリアである広告情報を含めて広告情報を出来る限り受信することができるとともに、その受信した広告情報を車載ナビゲーション装置で有効利用することができ、よって、車両の乗員の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の実施形態に係る広告情報提供システムの全体構成を示し、このシステムは、車両V(図2参照)に搭載された車載ナビゲーション装置1と、その車両Vの乗員が携帯可能な、携帯電話やPDA等の携帯端末2とを備えている。上記車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2には、それぞれ、数メートルから数百メートルの短距離間で通信可能に構成された近距離無線通信機16,36が設けられていて、該車載ナビゲーション装置1と携帯端末2との間で通信可能なように、また飲食店等の施設3に設けられた近距離無線通信機の広告送信アンテナ51から発信される、位置情報を含む広告情報を受信可能なように構成されている。このことで、広告送信アンテナ51は、位置情報を含む広告情報を送信する広告情報送信手段を構成する。
【0036】
すなわち、本システムでは、図2に示すように、複数の施設3にそれぞれ設けられた広告送信アンテナ51から広告情報がそれぞれ配信されている場合に、その受信可能範囲(つまり広告情報配信エリアA1〜A4(図中に二点鎖線で示す範囲)内に位置する車載ナビゲーション装置1又は携帯端末2が上記広告情報を受信して記憶するようになっている。また、本システムでは、詳しくは後述するが、所定乗車条件が成立したときには、携帯端末2が受信して記憶した広告情報を、車載ナビゲーション装置1へ転送する一方、所定降車条件成立時には、車載ナビゲーション装置1から広告情報を携帯端末2に送信して記憶させるようになっている。
【0037】
尚、図2中、61は、車両用道路であるが、62は、歩行者専用道路であり、この歩行者専用道路62を車両Vは走行できない。そして、配信エリアA1は、施設3(ショッピングモール等)内であり、配信エリアA3は、車両用道路が通っていないので、配信エリアA1,A3に係る広告情報は、携帯端末2でしか受信できないことになる。このため、車両Vの乗員は、最寄りの駐車場(図2では、車両用道路61と歩行者専用道路62との交差点近傍にある)に車両Vを駐車し、そこから歩いてそれらの施設3に向かうことになる。
【0038】
上記車載ナビゲーション装置1は、予め設定された目的地まで経路誘導を行うナビゲーション機能を有するものであって、各種信号の制御処理を行うコントローラとしての車載ナビCPU11を備えている。この車載ナビCPU11には、GPS信号やジャイロセンサからの出力信号等に基づいて車両Vの現在地を検出する現在地検出センサ12と、地図情報が記憶された地図メモリ13と、車両Vの現在地、地図メモリ13に記憶された地図情報、広告情報等の各種情報を画面上に表示する車載表示手段としてのディスプレイ14と、各種設定操作等を行うための操作スイッチ15とが接続されている。この構成により、車載ナビゲーション装置1は、通常のナビゲーション機能として、地図データ上に、現在地検出センサ12によって検出した車両Vの現在地を重畳表示することで該車両Vの経路誘導を行えるようになっている。尚、車載ナビCPU11は、ナビゲーション専用のものに限らず、汎用性のあるものであってもよい。
【0039】
また、上記車載ナビCPU11には、携帯端末2や周辺の施設3の近距離無線通信機と通信を行って広告情報を受信する車載受信手段としての上記近距離無線通信機16と、該近距離無線通信機16によって受信した広告情報を記憶する車載記憶手段としての広告情報メモリ17と、後に詳細に説明する転送エリアメモリ18と、後に詳細に説明する広告情報記憶・表示メモリ19とが接続されている。
【0040】
そして、車載ナビCPU11は、近距離無線通信機16によって、周辺施設3の広告情報を直接受信するとともに、その広告情報を、携帯端末2(後述の近距離無線通信機36)から転送されてきた広告情報と共に広告情報メモリ17に記憶し、経路誘導中に、その記憶した広告情報の位置情報に基づいて、ディスプレイ14に表示される地図データ上に、施設3のマーク(画像)と共に該マークに関連付けて広告情報を重畳表示するように構成されている。
【0041】
一方、上記携帯端末2は、例えばナビゲーション機能付きの携帯電話等のように、予め設定された目的地までの経路誘導を行うナビゲーション機能を有するものであって、各種信号の制御処理を行うコントローラとしての携帯ナビCPU31を備えている。この携帯ナビCPU31には、ネットワーク網を介して他の通信機器等と通信する携帯通信機40と、携帯端末2の現在地を検出する現在地検出センサ32と、地図情報が記憶された地図メモリ33と、現在地、地図メモリ33に記憶された地図情報、広告情報等を表示する携帯表示手段としてのディスプレイ34と、各種設定操作を行うための操作スイッチ35とが接続されていて、上記ディスプレイ34において地図データ上に現在地を重畳表示することで目的地まで経路誘導できるようになっている。
【0042】
そして、携帯端末2の携帯ナビCPU31にも、上述の車載ナビゲーション装置1の場合と同様に、該車載ナビゲーション装置1や周辺施設3と通信を行って広告情報を受信する携帯受信手段としての近距離無線通信機36と、その受信した広告情報や、車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16から送信されて受信した広告情報を記憶する携帯記憶手段としての広告情報メモリ37と、車載ナビゲーション装置1の転送エリアメモリ18と同様の転送エリアメモリ38と、車載ナビゲーション装置1の広告情報記憶・表示メモリ19と同様の広告情報記憶・表示メモリ39とが接続されている。
【0043】
すなわち、携帯端末2においても、近距離無線通信機36によって周辺施設3から広告情報を受信して、該広告情報を広告情報メモリ37に記憶するとともに、車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16から送信された広告情報も近距離無線通信機36を介して受信して、広告情報メモリ37に記憶し、経路誘導中に、それらの記憶した広告情報を、ディスプレイ34に表示された地図データ上に、施設3のマーク(画像)と共に該マークに関連付けて重畳表示するように構成されている。
【0044】
上記携帯端末2は、携帯通信機40によって、情報センターにおいてネットワーク網に接続されたサーバ41と通信可能になっており、必要な範囲の地図情報をサーバ41から受信して、地図メモリ33に記憶するようになっている。
【0045】
尚、本実施形態では、車載ナビゲーション装置1と携帯端末2との間の広告情報の送受信は、近距離無線通信を用いているが、他の通信方法を用いてもよい。
【0046】
上記車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17には、図3に示すような形態で広告情報が記憶されている。すなわち、各広告情報について、広告情報の名称、ディスプレイ14に表示するアイコンの種別、広告情報の対象である施設の種別(ジャンル)、広告情報の種別、その施設の位置情報(緯度及び経度)、その広告情報の対象期間(有効期間)、その広告情報が、近距離無線通信機16により受信した広告情報であるか、携帯端末2より転送された広告情報であるかを示すフラグ(近距離無線通信機16により受信した広告情報である場合には0とされ、携帯端末2より転送された広告情報である場合には1とされる)、その他の詳細情報や画像等が記憶される。また、携帯端末2より転送された広告情報である場合(フラグが1である場合)には、その広告情報が、該広告情報の転送時に車両Vが駐車していた場合には、当該駐車位置と対応して広告情報メモリ17に記憶され、上記広告情報の転送時に車両Vが走行していた場合には、該走行直前の駐車位置と対応して広告情報メモリ17に記憶される。
【0047】
尚、携帯端末2の広告情報メモリ37にも、基本的には、広告情報メモリ17と同様の形態で広告情報が記憶されるが、広告情報メモリ37には、上記フラグの代わりに、広告情報が、乗員が車両を降りてから(所定降車条件成立時から)再度乗車する(所定乗車条件成立時)までの間に近距離無線通信機36により受信した広告情報であるか、その他の広告情報であるかを示すフラグが記憶される。また、広告情報メモリ37では、乗員が車両を降りた位置(所定降車条件成立時の位置)が駐車位置とされる。
【0048】
上記転送エリアメモリ18,38には、広告情報を車載ナビゲーション装置1へ転送させる携帯端末2が予め登録されている。この登録は、車載ナビゲーション装置1にて乗員が行う。そして、転送エリアメモリ18,38に登録されていない携帯端末2から車載ナビゲーション装置1への広告情報の転送は禁止される。このように、転送エリアメモリ18,38は、車両Vの乗員が、広告情報を車載ナビゲーション装置1へ転送させる携帯端末2を予め登録しておく登録手段を構成する。
【0049】
また、転送エリアメモリ18,38には、上記登録された携帯端末2毎に第1転送エリアが記憶される。この第1転送エリアは、車両用道路(図2では車両用道路61)から所定距離以上離れたエリアであって、車載ナビゲーション装置1にて乗員により指定されるものである。そして、携帯端末2は、該携帯端末2の現在位置が第1転送エリア内でないときには、近距離無線通信機36による広告情報の受信を禁止する。或いは、携帯端末2が、近距離無線通信機36による受信位置が第1転送エリア内でない広告情報を広告情報メモリ37に記憶するのを禁止するようにしてもよい。或いは、車載ナビゲーション装置1の車載ナビCPU11が、広告情報メモリ37に記憶された広告情報のうち、近距離無線通信機36による受信位置が第1転送エリア内でない広告情報を車載ナビゲーション装置1へ転送するのを禁止するようにしてもよい。要するに、車載ナビゲーション装置1で得られるような広告情報が携帯端末2から車載ナビゲーション装置1へ転送されないようにし、車載ナビゲーション装置1では得られない広告情報が携帯端末2から車載ナビゲーション装置1へ転送されるようにする。
【0050】
さらに、転送エリアメモリ18,38には、上記登録された携帯端末2毎に第2転送エリアが記憶される。この第2転送エリアは、例えば所定降車条件成立時における車両Vの現在地から所定距離以内のエリアであって、車載ナビゲーション装置1にて乗員が指定するものである。そして、所定降車条件成立時に、近距離無線通信機16による受信位置が上記第2転送エリア内である広告情報を車載ナビゲーション装置1から携帯端末2に送信して広告情報メモリ37に記憶させる。
【0051】
さらにまた、転送エリアメモリ18,38には、上記登録された携帯端末2毎に、乗員が携帯端末2から車載ナビゲーション装置1への転送を希望する広告情報の種別(ジャンル)、及び車載ナビゲーション装置1から携帯端末2への送信を希望する広告情報の種別(ジャンル)が記憶される。この広告情報の種別(ジャンル)も、車載ナビゲーション装置1にて乗員が指定する。
【0052】
図4は、上記転送エリアメモリ18,38に登録ないし記憶する各種設定事項を乗員が設定するための画面(ディスプレイ14に表示される画面)の一例を示す。この画面の左欄の番号は、登録されている携帯端末2のID番号である。また、画面右欄下部の「転送後制御」の項では、広告情報を携帯端末2から車載ナビゲーション装置1へ転送した後に、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶されている当該広告情報の記憶を保持し続けるか、又は削除するかを乗員が選択するようになっている。尚、「詳細設定」ボタンをクリックすれば、例えばレストランというジャンルの広告情報のみを保持して、それ以外は削除するという設定も可能となる。こうして設定された各種設定事項が、車載ナビゲーション装置1の転送エリアメモリ18に記憶されるとともに、携帯端末2に送信され、携帯端末2の転送エリアメモリ38にも記憶されることになる。
【0053】
上記車載ナビゲーション装置1の広告情報記憶・表示メモリ19には、広告情報メモリ17に記憶させる広告情報の種別(ジャンル)及びディスプレイ14に表示させる広告情報の種別(ジャンル)が記憶されるとともに、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶させる広告情報の種別(ジャンル)及びディスプレイ14に表示させる広告情報の種別(ジャンル)が記憶される。また、携帯端末2の広告情報記憶・表示メモリ39にも、広告情報メモリ37に記憶させる広告情報の種別(ジャンル)及びディスプレイ14に表示させる広告情報の種別(ジャンル)が記憶される。これら広告情報の種別(ジャンル)は、車載ナビゲーション装置1にて乗員が指定する。
【0054】
図5は、上記広告情報記憶・表示メモリ19,39に記憶する各種設定事項を乗員が設定するための画面(ディスプレイ14に表示される画面)の一例を示す。この画面の左欄で車載ナビゲーション装置1の設定事項について設定し、右欄で携帯端末2の設定事項について設定する。こうして設定された設定事項は、広告情報記憶・表示メモリ19に記憶され、携帯端末2の設定事項については、携帯端末2に送信されて、携帯端末2の広告情報記憶・表示メモリ39にも記憶されることになる。
【0055】
尚、本実施形態では、上記各種設定事項を車載ナビゲーション装置1で設定するようにしたが、携帯端末2で設定できるようにしてもよい。
【0056】
本システムでは、車両Vの走行中には、基本的に車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16で広告情報を受信して広告情報メモリ17に記憶するが、図2の配信エリアA1,A3のように、配信エリアが車両Vが走行できないエリアである広告情報は、車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16で受信することはできない。そこで、このような広告情報(受信位置が第1転送エリア内となるような広告情報)は、携帯端末2の近距離無線通信機36で受信して広告情報メモリ37に記憶するようにし、車載ナビゲーション装置1の車載ナビCPU11は、所定乗車条件成立時に、上記広告情報メモリ37に記憶された広告情報を、該車載ナビゲーション装置1へ転送させて広告情報メモリ17に記憶させるようにする。この転送される広告情報は、転送エリアメモリ18,38に記憶された、乗員によって指定されたものに限られるとともに、乗員が車両を降りてから(所定降車条件成立時から)再度乗車する(所定乗車条件成立時)までの間に近距離無線通信機36により受信した広告情報(つまり車載ナビゲーション装置1に一度も転送されていない広告情報)に限られる。このように、車載ナビゲーション装置1の車載ナビCPU11は、所定条件成立時に、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶された広告情報を、車載ナビゲーション装置1へ転送させて該車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶させる転送手段を構成することになる。
【0057】
上記所定乗車条件成立時とは、乗員が車両Vに乗ると予測されるとき又は乗ったと考えられるときであり、具体的には、エンジンが始動したとき、ドアロックが解錠されたとき、ドアが開けられたとき、駐車した状態から車両が走行開始したとき、及び車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16と転送エリアメモリ18に登録された携帯端末2の近距離無線通信機36とが通信可能になったときの少なくとも1つとすればよい。尚、広告情報の転送のタイミングは、上記所定乗車条件成立時に限らず、予め定めた所定条件が成立したときであってもよい。
【0058】
上記の転送により、車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2で受信した広告情報は全て車載ナビゲーション装置1のディスプレイ14に表示することが可能になる。図6は、そのディスプレイ14の表示画面(経路誘導中の表示画面)の一例を示す。すなわち、地図データ上に、施設3のマーク(画像)と共に該マークに関連付けて広告情報が重畳表示される。この広告情報には、上記広告情報メモリ17に記憶されている当該広告情報の名称や、当該広告情報の施設種別等を示すアイコン、詳細情報を表示させるためのアイコン(「i」)、当該広告情報と対応して広告情報メモリ17に記憶されている駐車位置を表示してそこへ経路誘導させるためのアイコン(「P」)等が含まれている。この駐車位置へ経路誘導させるためのアイコンが表示されていると、その広告情報は、携帯端末2から転送されたものであり、該アイコンが表示されていない広告情報は、車載ナビゲーション装置1が直接受信したものとなる。このように、車載ナビゲーション装置1で受信した広告情報と、携帯端末2から転送された広告情報とが識別可能に表示される。これにより、車両Vの乗員は、その広告情報に係る店舗等の所在地に車両Vで到達することができるのか、それともその近くの駐車場等に駐車してからその所在地まで歩いて行かなければならないかが一目で分かるようになる。尚、図6では、車両Vの現在位置は、車両の形状をしたアイコンによって表示されている。
【0059】
乗員が、例えば図6で「クリスマスキャンペーン中」という表示を見てその施設3に行こうとする場合には、当該広告情報のアイコン「P」をクリックする。すると、車載ナビゲーション装置1は、当該広告情報と対応して広告情報メモリ17に記憶されている駐車位置を表示してそこへ経路誘導するようになっている。すなわち、その記憶されている駐車位置は、当該広告情報を受信したときに車両Vを駐車していた場所(駐車場等)であり、通常は、当該施設3に近い場所である。したがって、その駐車位置へ経路誘導すれば、乗員は、前回その施設3を訪れたときと同じ場所に駐車することができ、非常に便利である。
【0060】
また、本実施形態では、所定降車条件成立時には、車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶されている広告情報(転送エリアメモリ18,38に記憶された、乗員によって指定されたものに限られる)を携帯端末2に送信して広告情報メモリ37に記憶させるようになっている。
【0061】
上記所定降車条件成立時とは、乗員が車両Vから降りると予測されるとき又は降りたと考えられるときであり、具体的には、エンジン停止時、ドアを施錠したとき、ドアを開けたとき、及び車両を停止して駐車したとき(セレクトレバーがパーキングレンジに位置したとき)の少なくとも1つとすればよい。
【0062】
乗員が車両Vから降りたときには、今度は携帯端末2のナビゲーション機能を用いることが考えられるので、広告情報を携帯端末2に送信することで、乗員の利便性が向上する。図7は、携帯端末2のディスプレイ34の表示画面(経路誘導中の表示画面)の一例を示す。このときの広告情報の表示は、車載ナビゲーション装置1と同様であるが、駐車位置を表示させるためのアイコンは表示されない。尚、図7では、携帯端末2の現在位置は携帯電話の形状をしたアイコンによって表示されている。また、車両Vの駐車位置が、車両の形状をしたアイコンによって表示されている。
【0063】
ここで、車載ナビゲーション装置1の車載ナビCPU11の処理動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0064】
最初のステップSA1では、転送エリア等の設定操作があるか否かを判定し、このステップSA1の判定がYESであるときには、ステップSA2に進んで、転送エリア等の設定処理を行い、しかる後にステップSA3に進む一方、ステップSA1の判定がNOであるときには、そのままステップSA3に進む。
【0065】
上記ステップSA3では、広告情報記憶・表示の設定操作があるか否かを判定し、この判定がYESであるときには、ステップSA4に進んで、広告情報記憶・表示の設定処理を行い、しかる後にステップSA5に進む一方、ステップSA3の判定がNOであるときには、そのままステップSA5に進む。
【0066】
上記ステップSA5では、広告情報の受信があったか否かを判定し、このステップSA5の判定がYESであるときには、ステップSA6に進んで、その広告情報を広告情報メモリ17に記憶し、しかる後にステップSA7に進む一方、ステップSA5の判定がNOであるときには、そのままステップSA7に進む。
【0067】
上記ステップSA7では、広告情報メモリ17に記憶した広告情報のうち対象期間(有効期間)外のものを削除し、しかる後にステップSA8に進む。
【0068】
上記ステップSA8では、ナビゲーション制御中(経路誘導中)であるか否かを判定し、このステップSA8の判定がNOであるときには、ステップSA12に進む。一方、ステップSA8の判定がYESであるときには、ステップSA9に進んで、地図上に車両Vの現在位置と広告情報とを表示し、次のステップSA10で、広告情報における駐車位置へ経路誘導させるためのアイコン「P」がクリック操作されたか否かを判定する。このステップSA10の判定がNOであるときには、ステップSA12に進む一方、ステップSA10の判定がYESであるときには、ステップSA11に進んで、当該広告情報と対応して広告情報メモリ17に記憶されている駐車位置への経路誘導を実行し、しかる後にステップSA12に進む。
【0069】
上記ステップSA12では、所定乗車条件が成立したか否かを判定し、このステップSA12の判定がNOであるときには、ステップSA15に進む。一方、ステップSA12の判定がYESであるときには、ステップSA13に進んで、登録済みの携帯端末2と通信可能か否かを判定し、このステップSA13の判定がNOであるときには、ステップSA15に進む一方、ステップSA13の判定がYESであるときには、ステップSA14に進んで、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶されている広告情報(乗員によって指定されたものであって、車載ナビゲーション装置1に一度も転送されていないもの)を車載ナビゲーション装置1へ転送させて広告情報メモリ17に駐車位置(上述の如く、広告情報の転送時に車両Vが駐車していた場合には、当該駐車位置であり、広告情報の転送時に車両Vが走行していた場合には、該走行直前の駐車位置である)と対応させて記憶させるとともに、その転送された広告情報について携帯端末2に対して転送後制御の指示(乗員によって選択された、当該広告情報の記憶を保持し続けるか又は削除するかの指示)を行い、しかる後にステップSA15に進む。尚、所定乗車条件成立時として、車載ナビゲーション装置1の近距離無線通信機16と転送エリアメモリ18に登録された携帯端末2の近距離無線通信機36とが通信可能になったときが含まれている場合には、ステップSA13の判定は不要である。
【0070】
上記ステップSA15では、所定降車条件が成立したか否かを判定し、このステップSA15の判定がNOであるときには、そのままリターンする。一方、ステップSA15の判定がYESであるときには、ステップSA16に進んで、登録済みの携帯端末2と通信可能か否かを判定し、このステップSA16の判定がNOであるときには、そのままリターンする一方、ステップSA16の判定がYESであるときには、ステップSA17に進んで、車両Vの現在位置等(第2転送エリアを演算するために必要な情報)を検出する。そして、次のステップSA18で、第2転送エリアを演算し、次のステップSA19で、その第2転送エリア内で指定された種別(ジャンル)の広告情報を広告情報メモリ17から読み出し、次のステップSA20で、その読み出された広告情報を携帯端末2に送信し、しかる後にリターンする。
【0071】
次に、携帯端末2の携帯ナビCPU31の処理動作を図9のフローチャートに基づいて説明する。
【0072】
最初のステップSB1では、広告情報の受信があったか否かを判定し、このステップSB1の判定がYESであるときには、ステップSB2に進んで、その広告情報を広告情報メモリ37に記憶し、しかる後にステップSB3に進む一方、ステップSB1の判定がNOであるときには、そのままステップSB3に進む。
【0073】
上記ステップSB3では、広告情報メモリ37に記憶した広告情報のうち対象期間(有効期間)外のものを削除し、しかる後にステップSB4に進む。
【0074】
上記ステップSB4では、ナビゲーション制御中(経路誘導中)であるか否かを判定し、このステップSB4の判定がYESであるときには、ステップSB5に進んで、地図上に携帯端末2の現在位置と広告情報とを表示し、しかる後にステップSB6に進む一方、ステップSB4の判定がNOであるときには、そのままステップSB6に進む。
【0075】
上記ステップSB6では、車載ナビCPU11の処理動作におけるステップSA14と関連して、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶されている広告情報を車載ナビゲーション装置1へ転送するとともに、転送後制御の処理を実行する。
【0076】
そして、次のステップSB7では、車載ナビCPU11の処理動作におけるステップSA20と関連して、車載ナビゲーション装置1から送信されてきた広告情報を広告情報メモリ37に記憶し、しかる後にリターンする。
【0077】
したがって、上記実施形態では、所定乗車条件成立時に、携帯端末2の広告情報メモリ37に記憶された広告情報を、車載ナビゲーション装置1へ転送させて該車載ナビゲーション装置1の広告情報メモリ17に記憶させるようにしたので、車載ナビゲーション装置1及び携帯端末2で受信した広告情報は全て車載ナビゲーション装置1のディスプレイ14に表示することが可能になり、この結果、それら受信した広告情報を車載ナビゲーション装置1で有効利用することができ、車両の乗員の利便性を向上させることができる。
【0078】
また、車載ナビゲーション装置1では得られない広告情報を携帯端末2から車載ナビゲーション装置1へ転送させるようにしたので、転送する必要性が低い広告情報(車載ナビゲーション装置1で得られる広告情報)が車載ナビゲーション装置へ転送されるのを防止することができるとともに、転送処理時間が短くて済み、携帯端末2の電池の無駄な消耗を防止することができる。
【0079】
尚、上記実施形態では、携帯端末2は、ナビゲーション機能付きのものとしたが、必ずしもナビゲーション機能付きのものでなくてもよく、例えばディスプレイがないものであってもよい。要するに、広告情報を受信して記憶しかつその記憶した広告情報を車載ナビゲーション装置1へ転送できるものであればよい。但し、ナビゲーション機能付きのものである方が、乗員を、歩行中においても目的地に経路誘導することができるとともに、その誘導中に広告情報が表示されて、乗員の利便性が向上する。また、どのような広告情報を受信したかを、車載ナビゲーション装置1への転送後にわざわざ確認する手間がいらなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
本発明は、近距離無線通信を用いた広告情報提供システムに有用であり、特に広告情報を車載ナビゲーション装置及び携帯端末で受信するシステムに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態に係る広告情報提供システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】施設の広告送信アンテナから広告情報を発信し、その広告情報を車載ナビゲーション装置又は携帯端末で受信している様子を示す説明図である。
【図3】広告情報メモリの記憶内容を示す図である。
【図4】転送エリアメモリに登録ないし記憶する各種設定事項を乗員が設定するための画面の一例を示す図である。
【図5】広告情報記憶・表示メモリに記憶する各種設定事項を乗員が設定するための画面の一例を示す図である。
【図6】車載ナビゲーション装置における経路誘導中のディスプレイの表示画面の一例を示す図である。
【図7】携帯端末における経路誘導中のディスプレイの表示画面の一例を示す図である。
【図8】車載ナビゲーション装置の車載ナビCPUの処理動作を示すフローチャートである。
【図9】携帯端末の携帯ナビCPUの処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
V 車両
1 車載ナビゲーション装置
2 携帯端末
3 施設
11 車載ナビCPU(転送手段)
14 ディスプレイ(車載表示手段)
16 近距離無線通信機(車載受信手段)
17 広告情報メモリ(車載記憶手段)
18 転送エリアメモリ(登録手段)
31 携帯ナビCPU
34 ディスプレイ(携帯表示手段)
36 近距離無線通信機(携帯受信手段)
37 広告情報メモリ(携帯記憶手段)
38 転送エリアメモリ(登録手段)
51 広告送信アンテナ(広告情報送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、位置情報を含む広告情報を送信する広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って上記広告情報を受信する車載受信手段と該受信した広告情報を記憶する車載記憶手段と該記憶した広告情報を、該広告情報の位置情報に基づいて地図上に表示する車載表示手段とを有する車載ナビゲーション装置と、
上記車両の乗員が携帯可能でかつ上記車載ナビゲーション装置と通信可能に構成され、上記広告情報送信手段との間で近距離無線通信を行って上記広告情報を受信する携帯受信手段と該受信した広告情報を記憶する携帯記憶手段とを有する携帯端末とを備えた広告情報提供システムであって、
所定条件成立時に、上記携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報を、上記車載ナビゲーション装置へ転送させて該車載ナビゲーション装置の車載記憶手段に記憶させる転送手段を備えていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項2】
請求項1記載の広告情報提供システムにおいて、
携帯端末は、携帯ナビゲーション装置であって、携帯記憶手段に記憶した広告情報を、該広告情報の位置情報に基づいて地図上に表示する携帯表示手段を更に有していることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項3】
請求項2記載の広告情報提供システムにおいて、
車両の乗員が、転送手段により車載ナビゲーション装置へ転送される広告情報のジャンルを予め設定しておくことが可能に構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項4】
請求項1又は2記載の広告情報提供システムにおいて、
携帯端末は、該携帯端末の現在位置が所定エリア内でないときには、携帯受信手段による広告情報の受信を禁止するように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項5】
請求項1又は2記載の広告情報提供システムにおいて、
携帯端末は、携帯受信手段による受信位置が所定エリア内でない広告情報を携帯記憶手段に記憶するのを禁止するように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項6】
請求項1又は2記載の広告情報提供システムにおいて、
転送手段は、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報のうち、携帯受信手段による受信位置が所定エリア内でない広告情報を車載ナビゲーション装置へ転送するのを禁止するように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項7】
請求項4、5及び6のうちいずれか1つに記載の広告情報提供システムにおいて、
所定エリアは、車両用道路から所定距離以上離れたエリアであって、車載ナビゲーション装置にて指定されるものであることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項8】
請求項1記載の広告情報提供システムにおいて、
転送手段は、携帯端末の携帯記憶手段に記憶された広告情報のうち、乗員が車両を降りてから再度乗車するまでの間に携帯受信手段により受信した広告情報のみを、車載ナビゲーション装置へ転送させるように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項9】
請求項1記載の広告情報提供システムにおいて、
車載表示手段は、車載記憶手段に記憶した広告情報を地図上に表示する際、車載受信手段により受信した広告情報と転送手段により転送された広告情報とを識別可能に表示するように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項10】
請求項1記載の広告情報提供システムにおいて、
車両の乗員が、広告情報を車載ナビゲーション装置へ転送させる携帯端末を予め登録しておく登録手段を備え、
転送手段は、上記登録手段により登録されていない携帯端末から上記車載ナビゲーション装置への広告情報の転送を禁止するように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。
【請求項11】
請求項1記載の広告情報提供システムにおいて、
車載記憶手段は、転送手段により転送された広告情報を、該広告情報の転送時に車両が駐車していた場合には、当該駐車位置と対応させて車載記憶手段に記憶させ、上記広告情報の転送時に車両が走行していた場合には、該走行直前の駐車位置と対応させて車載記憶手段に記憶させるように構成されていることを特徴とする広告情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−209280(P2006−209280A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−17670(P2005−17670)
【出願日】平成17年1月26日(2005.1.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】