説明

広告情報表示システム及び広告情報表示スケジュールの作成方法

【課題】複数の広告情報の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら自動的に作成することが可能な広告情報表示システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ配信装置2は、データサーバ22に格納されたCM属性情報D2と表示条件情報D3に基づいてスケジュールファイルD4を作成するスケジュール自動作成機能23を有している。スケジュール自動作成機能23は、各CMデータD1のCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて、指定された表示年月日の所定時間内に設定された表示開始時刻に表示可能なCMデータD1(CM素材)を全て抽出する。さらに、抽出された全てのCMデータD1に対してそれぞれのCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて優先度の判定を行い、最も優先度が高いと判定されたCMデータD1を該表示開始時刻に割り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、街頭、駅、公共施設等に設置された複数の表示装置に、複数の広告情報を繰り返し表示するための広告情報表示システム及び広告情報表示スケジュールの作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の広告情報表示システムにおいては、システムに登録された1つ1つの広告情報(以下CMという)に対して編集者が手動で表示開始時刻、表示順序、回数等を設定し、スケジュール編集を行っていた。その際、各CMには、広告主との契約による表示期間、表示可能時間帯、1日の表示回数等の他、連続で同じ広告種別、広告主のCMを表示しないといった表示条件が設けられているため、編集者はそれらの各種表示条件を遵守しながらスケジュール編集を行う必要があった。
【0003】
また、緊急時等、突発的に別のコンテンツの割り込み表示が発生することもあり、予め設定されていた通りにCMが表示されず、1日に定められた表示回数を満たせないことがあった。このような場合、編集者が手動で別の時間に割り当てるといった調整作業が必要であった。
【0004】
特許文献1には、通信ネットワークを介して広告主用端末と広告業者のサーバ、複数の電子看板装置を接続した広告情報表示システムが示されている。この例では、サーバは、広告契約内容を記憶させた契約データベースを有しており、広告主がCMの内容を変更したい場合に、広告主が変更したい複数のCMの内容と、それらを繰り返し表示する際の表示順序と表示時間を規定した表示サイクルデータ、及び広告主が広告業者と事前に結んだ広告契約番号を含む情報を、広告主用端末から前記サーバに送信する。これにより、広告主が契約した電子看板装置に表示する複数のCMの内容や表示形態を自由に、リアルタイムに変更できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−27403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、従来の広告情報表示システムにおいては、編集者が広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら、手動で表示開始時刻、表示順序、回数等のスケジュール編集を行っていたので、CMの数が増えると、編集作業に多くの時間と労力を費やしていた。また、このような従来システムでは、編集者によるヒューマンエラーが発生することがあった。このため、CMのスケジュール編集を自動的に行えるシステムの開発が求められていた。
【0007】
特許文献1に提示された広告情報表示システムでは、1つの広告主が複数のCMを電子看板装置に表示する契約を結んでいる際に、その枠内で複数のCMの内容や表示時刻、表示順序等を自由に変更することは可能である。しかしながら、同じ電子看板装置に複数の広告主が契約している場合には、他の広告主のCMの表示スケジュールを変更することはできないため、あくまで1つの広告主が契約したCMの中での変更しか行えない。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、複数の広告情報の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら自動的に作成することが可能な広告情報表示システムを提供し、従来スケジュール編集作業に費やしていた時間と労力を大幅に削減し、ヒューマンエラーを削減することを目的とする。
【0009】
また、1日に複数の広告情報が繰り返し表示される表示装置に対し、広告情報の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら容易に作成することが可能な広告情報表示スケジュールの作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る広告情報表示システムは、表示部と、表示部に表示される広告情報のスケジュールファイルを取得し、スケジュールファイルに基づいて表示部を制御する表示制御部を有する表示装置と、表示部に表示される広告情報と、該広告情報の属性情報及び表示条件情報を登録する広告情報入力装置と、広告情報入力装置から取得した複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいてスケジュールファイルを作成するスケジュール自動作成機能を有し、広告情報入力装置から取得した広告情報とスケジュールファイルを表示制御部に送信するコンテンツ配信装置を備え、スケジュール自動作成機能は、各広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて、指定された表示年月日の所定時間内に設定された表示開始時刻に表示可能な広告情報を全て抽出し、さらに抽出された全ての広告情報に対して優先度の判定を行い、最も優先度が高いと判定された広告情報を該表示開始時刻に割り付けるものである。
【0011】
また、本発明に係る広告情報表示スケジュールの作成方法は、1日に複数の広告情報が繰り返し表示される表示装置に対し、広告情報の表示スケジュールを作成する広告情報表示スケジュールの作成方法であって、表示装置に表示される複数の広告情報と、該広告情報の属性情報及び表示条件情報を取得する準備ステップと、表示装置に広告情報を表示する表示年月日情報を取得する第1のステップと、表示装置に広告情報を表示する表示開始時刻を設定する第2のステップと、準備ステップで取得した複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて、第1のステップで取得した表示年月日において設定された表示開始時刻に表示可能な全ての広告情報を抽出する第3のステップと、第3のステップで抽出された全ての広告情報に対し、それぞれの属性情報及び表示条件情報に基づいて優先度の判定を行う第4のステップと、第4のステップで最も優先度が高いと判定された広告情報を該表示開始時刻に割り付ける第5のステップと、第5のステップで広告情報を割り付けた表示開始時刻に対し、該広告情報の表示時間分だけ時刻を進めた次の表示開始時刻を設定する第6のステップを含み、第6のステップにおいて設定された表示開始時刻が、表示装置の表示終了時刻に達するまで、第3のステップ〜第6のステップを繰り返すものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る広告情報表示システムによれば、複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて表示部に表示される広告情報のスケジュールファイルを作成するスケジュール自動作成機能を有しているので、複数の広告情報の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら自動的に作成することが可能であり、従来、スケジュール編集作業に費やしていた時間と労力を大幅に削減し、ヒューマンエラーを削減することができる。
【0013】
また、本発明に係る広告情報表示スケジュールの作成方法によれば、複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて、取得した表示年月日において設定された表示開始時刻に表示可能な全ての広告情報を抽出し、抽出された全ての広告情報に対し、それぞれの属性情報及び表示条件情報に基づいて優先度の判定を行い、最も優先度が高いと判定された広告情報を該表示開始時刻に割り付けるようにしたので、複数の広告情報の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら容易に作成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1に係る広告情報表示システムの構成を示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る広告情報表示システムのCM入力装置に登録されたCM属性情報と表示条件情報の例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ配信装置のスケジュール自動作成機能により作成されるスケジュールファイルの例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ配信装置のスケジュール自動作成機能によるスケジュールファイルの作成手順を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る広告情報表示システムの表示制御装置におけるCM表示回数保証機能の処理の流れを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る広告情報表示システムのCM表示回数保証機能を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る広告情報表示システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態1に係る広告情報表示システムについて、図面に基づいて説明する。図1は、本実施の形態1に係る広告情報表示システムの構成を示す概略図である。図1に示すように、広告情報表示システム100は、CM入力装置1、コンテンツ配信装置2、複数の表示装置を構成する表示制御装置3−1、・・3−n(総称して表示制御装置3)、及びモニタ4−1、・・4−n(総称してモニタ4)から構成されている。
【0016】
CM入力装置1は、広告主から提供されたCMを登録するものである。図1に示すように、CM入力装置1には、CD−ROMやVTR等の記録媒体に録画された画像や音声データ、あるいは広告主から通信ネットワークを介して直接送信された画像や音声データ等のCM素材であるCMデータ(ファイル)D1と、そのCM属性情報D2及び表示条件情報D3が登録される。なお、CM属性情報D2と表示条件情報D3については後に図2を用いて説明する。
【0017】
コンテンツ配信装置2は、CM入力装置1からCMデータD1、CM属性情報D2及び表示条件情報D3を取得し、CMデータD1をCMファイルサーバ21に格納し、CM属性情報D2及び表示条件情報D3をデータサーバ22に格納する。なお、CM入力装置1からコンテンツ配信装置2へのデータ送信手段は特に限定するものではなく、通常の有線ネットワークや、互いの設置場所が離れている場合には公衆通信回線等を介して行われる。
【0018】
また、コンテンツ配信装置2は、データサーバ22に格納されたCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいてスケジュールファイルD4を作成するスケジュール自動作成機能23を有している。スケジュール自動作成機能23は、各CMデータD1のCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて、指定された表示年月日の所定時間内に設定された表示開始時刻に表示可能なCMデータD1(CM素材)を全て抽出する。
【0019】
さらに、抽出された全てのCMデータD1に対してそれぞれのCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて優先度(プライオリティ)の判定を行い、最も優先度が高いと判定されたCMデータD1を該表示開始時刻に割り付けることにより、スケジュールファイルD4を作成する。作成されたスケジュールファイルD4は、CM入力装置1から取得したCMデータD1とともに、公衆通信回線5を介して各表示制御装置3に送信される。
【0020】
表示装置の表示部であるモニタ4は、街頭、駅、公共施設等に設置され、1日に複数のCMが繰り返し表示されるものである。また、表示装置の表示制御部である表示制御装置3は、スケジュールファイルD4に基づいてモニタ4を制御するもので、コンテンツ配信装置2からCMデータD1とスケジュールファイルD4を取得し、スケジュールファイルD4に基づいて、複数のCMデータD1を順次、モニタ4に表示する。
【0021】
CM入力装置1に登録されたCM属性情報D2及び表示条件情報D3の例について、図2を用いて説明する。図2(a)は、CM1、CM2、CM3及びCM4のCM属性情報を示し、図2(b)は、これらCM1〜CM4の表示条件情報を示している。図2(a)に示すように、CM属性情報D2には、表示期間、表示可能時間帯、広告種別、広告主、1日の表示回数、該広告情報を表示する天気条件等が含まれる。
【0022】
また、表示条件情報D3は、CMを表示する上での様々な制約を設定したもので、例えば連続して表示することができない広告情報の条件等を含んでいる。本実施の形態1では、図2(b)に示すように、表示条件情報D3として、連続で同じ広告種別のCMを表示しない(条件1)、連続で同じ広告主のCMを表示しない(条件2)が設定されている。
【0023】
次に、本実施の形態1における広告情報表示スケジュールの作成方法について、図3を用いて説明する。図3は、コンテンツ配信装置2のスケジュール自動作成機能23におけるスケジュールファイルD4の作成手順を示し、図中、Sで始まる数字は作成手順の順番(ステップ)を示している。なお、図3には示していないが、準備ステップとして、モニタ4に表示される複数のCMデータD1、該CMデータD1のCM属性情報D2及び表示条件情報D3を取得している。
【0024】
まず、第1のステップ(S1)において、モニタ4にCMを表示する表示年月日指定情報(何年何月何日のスケジュールを作成するか)を取得する。続いて、第2のステップ(S2)において、S1で取得した表示年月日において、モニタ4にCMを表示する最初の表示開始時刻を設定する。
【0025】
次に、第3のステップ(S3)において、準備ステップで取得した複数のCMデータD1のCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて、S1で取得した表示年月日において設定された表示開始時刻に表示可能な全てのCMデータD1(CM素材)を抽出する。
【0026】
続いて、第4のステップ(S4)において、S3で抽出された全てのCMデータD1に対し、それぞれのCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて優先度の判定を行う。優先度の判定方法は、例えばCM属性情報D2に含まれる1日の表示回数を参照し、1日の表示回数が多いものほど優先度が高いと判定する。また、CM属性情報D2に含まれる表示可能時間帯を参照し、表示可能時間帯が短いものほど優先度が高いと判定する。従って、1日の表示回数が多く且つ表示可能時間帯が短いものは優先度が高くなる。
【0027】
また、1日の中で既に表示されたものはその頻度に応じて優先度が低くなり、一定時間内にできるだけ多くの種類のCMが偏りなく表示されるように割り付けられる。さらに、表示条件情報D3に含まれる各種表示条件(連続で同じ広告種別のCMを放映しない、連続で同じ広告主のCMを表示しない等)を遵守しながら、優先度の判定を行う。
【0028】
続いて、第5のステップ(S5)において、S4で最も優先度が高いと判定されたCMデータD1を該表示開始時刻に割り付け、スケジュール登録する。登録完了後、第6のステップ(S6)において、S5でCMデータD1を割り付けた表示開始時刻に対し、該CMデータD1の表示時間分だけ時刻を進めた次の表示開始時刻を設定する。
【0029】
さらに、第7のステップ(S7)では、S6において設定された次の表示開始時刻が、モニタ4の表示終了時刻に達しているかどうか判定し、表示終了時刻に達していた場合(Yes)、スケジュールファイルD4の作成を終了する。S7で、S6において設定された表示開始時刻がモニタ4の表示終了時刻に達していない場合(No)にはS3に戻り、表示終了時刻に達するまでS3〜S6を繰り返す。
【0030】
図3を用いて説明したスケジュールファイルD4の作成手順により、図2に示すCM1〜CM4の表示スケジュールを、それぞれのCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて作成した例を図4に示す。スケジュールファイルD4の最初の表示開始時刻(9:00)には、表示可能なCM1〜CM4の中から、1日の表示回数が最も多いCM1がスケジュール登録されている。
【0031】
続いて、次の表示開始時刻(9:01)においては、表示可能CMを抽出する際に、CM2は、CM1と広告種別及び広告主が同じであるため、表示条件情報D3に基づいて連続して表示できないため、CM3とCM4が表示可能CMとして抽出される。さらに、CM3とCM4では、1日の表示回数が多く、表示可能時間帯の短いCM3の方が、優先度が高いと判定され、CM3がスケジュール登録されている。
【0032】
同様に、次の表示開始時刻(9:02)においては、CM1とCM2が表示可能CMとして抽出される。CM1とCM2では、CM1の方が1日の表示回数が多く、表示可能時間帯が短いが、CM1は既に1回スケジュール登録されていることから、今回はCM2の優先度が高くなり、CM2がスケジュール登録されている。
【0033】
さらに、次の表示開始時刻(9:03)においては、CM3とCM4が表示可能CMとして抽出される。CM3とCM4では、CM3の方が1日の表示回数が多く、表示可能時間帯が短いが、CM3は既に1回スケジュール登録されていることから、今回はCM4の優先度が高くなり、CM4がスケジュール登録されている。なお、本実施の形態1では、図2(a)に示すCM属性情報の天気条件を用いずに優先度の判定を行っている。天気条件を用いた例については、後の実施の形態3で説明する。
【0034】
以上のように、本実施の形態1に係る広告情報表示システム100によれば、コンテンツ配信装置2に、CM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいてスケジュールファイルD4を作成するスケジュール自動作成機能23を備えたので、複数のCMデータD1の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら自動的に作成することが可能である。これにより、従来スケジュール編集作業に費やしていた時間と労力が大幅に削減され、スケジュール編集上のヒューマンエラーを削減することができる。
【0035】
また、本実施の形態1に係る広告情報表示スケジュールの作成方法によれば、複数のCMデータD1のCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて、取得した表示年月日において設定された表示開始時刻に表示可能な全てのCMデータD1(CM素材)を抽出し、続いて、抽出された全てのCM素材に対し、それぞれのCM属性情報D2及び表示条件情報D3に基づいて優先度の判定を行い、最も優先度が高いと判定されたCM素材を該表示開始時刻に割り付けるようにしたので、モニタ4に繰り返し表示される複数のCMデータD1の表示スケジュールを、広告主との契約による各種表示条件を遵守しながら容易に作成することが可能である。
【0036】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る広告情報表示システムの構成は、上記実施の形態1と同様であるので、図1を流用して説明する。本実施の形態2では、上記実施の形態1と同様に構成された広告情報表示システムにおいて、突発的な割り込み表示の発生によりスケジュールファイルD4に予定されていたCMデータD1が表示できなかった場合にも、該CMデータD1の1日の表示回数を保証するCM表示回数保証機能(図示せず)を備えたものである。
【0037】
本実施の形態2におけるCM表示回数保証機能について説明する。本実施の形態2では、スケジュール自動作成機能23は、突発的な割り込み表示の発生により、予め割り付けられていたCMデータD1が表示できなかった場合に備え、該CMデータD1を表示するための代替表示時間帯を確保したスケジュールファイルD4を作成する。
【0038】
また、表示制御部3は、モニタ4に表示されたCMデータD1が記録された表示ログを取得し、突発的な割り込み表示の発生により表示されなかったCMデータD1を抽出し、該CMデータD1を代替表示時間帯に表示するものである。
【0039】
本実施の形態2におけるCM表示回数保証機能の処理の流れについて、図5及び図6を用いて説明する。図5は、表示制御装置におけるCM表示回数保証機能の処理の流れを示し、図中、Sで始まる数字は処理の順番(ステップ)を示している。また、図6は、本実施の形態2におけるCM表示回数保証機能を説明する図であり、(a)はスケジュールファイル、(b)は表示ログをそれぞれ示している。
【0040】
まず、図5のステップ11(S11)において、表示制御装置3は、モニタ4に表示されたCMデータD1が記録された表示ログ(図6(b))を取得する。なお、表示制御装置3は、予めコンテンツ配信装置2からスケジュールファイルD4(図6(a))を取得し、このスケジュールファイルD4に基づいてモニタ4を制御している。
【0041】
S11において表示ログを取得した表示制御装置3は、ステップ12(S12)において、割り込み表示発生により表示されなかったCMデータD1を抽出する。図6(b)では、表示開始時刻9:02に割り付けられていたCM2が、割り込み映像により表示されていないため、CM2が抽出される。
【0042】
続いてステップ13(S13)において、S12で抽出されたCM2が保証未達CMとして登録され、ステップ14(S14)において、代替表示時間帯(9:55)に保証未達CMであるCM2を表示する。なお、保証未達CMがない場合、代替表示時間帯には、予め割り付けられたCMデータD1(図6ではCM1)が表示される。
【0043】
本実施の形態2に係る広告情報表示システム100によれば、上記実施の形態1と同様の効果に加え、CM表示回数保証機能を備えることにより、突発的な割り込み表示の発生により予定されていたCMデータD1が表示できなかった場合にも、該CMデータD1の1日の表示回数を保証することが可能であり、システムの信頼性が向上する。
【0044】
実施の形態3.
図7は、本発明の実施の形態3に係る広告情報表示システムの構成を示す概略図である。図7中、図1と同一、相当部分には同一符号を付し、説明を省略する。また、本実施の形態3においてCM入力装置1に登録されるCM属性情報D2及び表示条件情報D3は、上記実施の形態1と同様であるので図2を流用して説明する。
【0045】
本実施の形態3に係る広告情報表示システム101では、コンテンツ配信装置2のスケジュール自動作成機能23において、天気条件を考慮した晴天用スケジュールファイルD41と雨天用スケジュールファイルD42を作成しておき、当日の天気情報D6に応じて使用するスケジュールファイルを選択するようにしたものである。
【0046】
図2(a)に示すように、CM属性情報D2には、該CMデータD1を表示する天気条件を含んでいる。例えばCM1とCM2は、天気条件は「特になし」であるが、CM3は「晴れ」、CM4は「雨」の時に表示するように指定されている。コンテンツ配信装置2のスケジュール自動作成機能23は、各CM属性情報D2の天気条件を参照して優先度の判定を行い、晴天用スケジュールファイルD41と雨天用スケジュールファイルD42を作成する。
【0047】
すなわち、図2に示す例では、晴天用スケジュールファイルD41にはCM4はスケジュール登録されず、雨天用スケジュールファイルD42にはCM3はスケジュール登録されない。なお、優先度の判定方法については、天気条件を参照する点以外は上記実施の形態1と同様であり、CM属性情報D2に含まれる1日の表示回数や表示可能時間帯を参照して行われる。
【0048】
コンテンツ配信装置2は、晴天用スケジュールファイルD41と雨天用スケジュールファイルD42の両方をCMデータD1とともに表示制御装置3に送信する。表示制御装置3は、天気情報サーバ6から取得した当日の天気情報D6に基づいて、晴天用及び雨天用のいずれかのスケジュールファイルD41、D42を選択する。
【0049】
本実施の形態3に係る広告情報表示システム101によれば、上記実施の形態1と同様の効果に加え、コンテンツ配信装置2のスケジュール自動作成機能23において、天気条件を考慮した晴天用スケジュールファイルD41と雨天用スケジュールファイルD42を作成して表示制御装置3に送信し、表示制御装置3は天気情報サーバ6から天気情報D6を取得して、使用するスケジュールファイルを選択するようにしたので、リアルタイムで天気情報D6に合わせたCMデータD1を表示することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、街頭、駅、公共施設等に設置された複数の表示装置に複数の広告情報を繰り返し表示する広告情報表示システムとして利用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 CM入力装置、2 コンテンツ配信装置、3 表示制御装置、4 モニタ、
5 公衆通信回線、6 天気情報サーバ、21 CMファイルサーバ、
22 データサーバ、23 スケジュール自動作成機能、
100、101 広告情報表示システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、前記表示部に表示される広告情報のスケジュールファイルを取得し前記スケジュールファイルに基づいて前記表示部を制御する表示制御部を有する表示装置、
前記表示部に表示される広告情報と、該広告情報の属性情報及び表示条件情報を登録する広告情報入力装置、
前記広告情報入力装置から取得した複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて前記スケジュールファイルを作成するスケジュール自動作成機能を有し、前記広告情報入力装置から取得した広告情報と前記スケジュールファイルを前記表示制御部に送信するコンテンツ配信装置を備え、
前記スケジュール自動作成機能は、各広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて、指定された表示年月日の所定時間内に設定された表示開始時刻に表示可能な広告情報を全て抽出し、さらに抽出された全ての広告情報に対して優先度の判定を行い、最も優先度が高いと判定された広告情報を該表示開始時刻に割り付けることを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の広告情報表示システムであって、広告情報の属性情報として、表示期間、表示可能時間帯、広告種別、広告主、及び1日の表示回数を含むことを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の広告情報表示システムであって、前記スケジュール自動作成機能は、属性情報に含まれる1日の表示回数を参照し、表示回数の多いものほど優先度が高いと判定することを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項4】
請求項2に記載の広告情報表示システムであって、前記スケジュール自動作成機能は、属性情報に含まれる表示可能時間帯を参照し、表示可能時間帯の短いものほど優先度が高いと判定することを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項5】
請求項1に記載の広告情報表示システムであって、広告情報の表示条件情報は、連続して表示することができない広告情報の条件を含むことを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項6】
請求項1に記載の広告情報表示システムであって、前記スケジュール自動作成機能は、突発的な割り込み表示の発生により予め割り付けられていた広告情報が表示できなかった場合に、該広告情報を表示するための代替表示時間帯を確保したスケジュールファイルを作成することを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項7】
請求項6に記載の広告情報表示システムであって、前記表示制御部は、前記表示部に表示された広告情報が記録された表示ログを取得し、前記表示ログから突発的な割り込み表示の発生により表示されなかった広告情報を抽出し、該広告情報を前記代替表示時間帯に表示することを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項8】
請求項1に記載の広告情報表示システムであって、広告情報の属性情報として、該広告情報を表示する天気条件を含み、前記スケジュール自動作成機能は、各属性情報の天気条件を参照して晴天用と雨天用のスケジュールファイルを作成し、前記表示制御装置は、天気情報サーバから取得した天気情報に基づいて晴天用及び雨天用のいずれかのスケジュールファイルを選択することを特徴とする広告情報表示システム。
【請求項9】
1日に複数の広告情報が繰り返し表示される表示装置に対し、広告情報の表示スケジュールを作成する広告情報表示スケジュールの作成方法であって、
前記表示装置に表示される複数の広告情報と、該広告情報の属性情報及び表示条件情報を取得する準備ステップ、
前記表示装置に広告情報を表示する表示年月日情報を取得する第1のステップ、
前記表示装置に広告情報を表示する表示開始時刻を設定する第2のステップ、
前記準備ステップで取得した複数の広告情報の属性情報及び表示条件情報に基づいて、前記第1のステップで取得した表示年月日において設定された表示開始時刻に表示可能な全ての広告情報を抽出する第3のステップ、
前記第3のステップで抽出された全ての広告情報に対し、それぞれの属性情報及び表示条件情報に基づいて優先度の判定を行う第4のステップ、
前記第4のステップで最も優先度が高いと判定された広告情報を該表示開始時刻に割り付ける第5のステップ、
前記第5のステップで広告情報を割り付けた表示開始時刻に対し、該広告情報の表示時間分だけ時刻を進めた次の表示開始時刻を設定する第6のステップを含み、
前記第6のステップにおいて設定された次の表示開始時刻が、前記表示装置の表示終了時刻に達するまで、前記第3のステップ〜前記第6のステップを繰り返すことを特徴とする広告情報表示スケジュールの作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−234120(P2012−234120A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104248(P2011−104248)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】