説明

広告提供サーバ、広告提供システムおよび広告提供方法

【課題】随時に発生する広告情報を、広告情報を提供する側と受け取る側の双方の意図に合致して配信できるようにする。
【解決手段】ユーザDB113は、ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と広告の提供先を示す提供先情報とを含むユーザ登録情報を記憶保持する。配信先抽出部104は、通信I/F102を通じて受け付け、タイムセール情報ファイル103に格納された広告情報に含まれる広告情報の提供に関する条件情報に合致する指示情報を有するユーザ登録情報をユーザDB113から抽出する。この抽出したユーザ登録情報の提供先情報により特定される通信端末に対して、セール情報送信制御部105が広告情報の発生を通知するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、店舗等の種々の広告主体からの広告を、ユーザの通信端末に対して適時かつ適切に提供できるようにする装置、システム、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から種々の店舗において、設定した時間帯においてのみ、商品の安売りを行ったり、人気商品の販売を行ったりするいわゆるタイムセールが行われている。特に、生鮮食料品を扱う店舗等においては、在庫を極力残さないようにするため、商品の売れ行きを見ながら、設定した時間にだけ、あるいは、所定の時間になったら、商品の値下げを行うようにすることはよく行われていることである。また、家電量販店などにおいても、商品の在庫量や売り上げなどを見ながら、「緊急値下げ」や「本日限りの特売」といった張り紙を出したり、店内放送で緊急値下げ商品を案内したりするなどことも頻繁に行われている。
【0003】
しかし、いわゆるタイムセールは、その時々の在庫状況や売り上げ状況等に応じて行われるため、その性格上、事前のチラシ配布や告知が難しい。したがって、タイミングよくその場にいた顧客でなければ、タイムセールの恩恵を受けることはできない。このため、タイムセールを期待して目的とする店舗に行っても、在庫状況や売り上げ状況等によっては、タイムセールが行われないこともあり、無駄足となることもある。また、店舗側にしてみると、タイムセールは、その時点に、その店舗にいる顧客に対してだけしか行うことができないので、期待したように商品が売れないといったこともよくあることである。
【0004】
このため、後に記す特許文献1には、多くの消費者に対して、タイムセールなどの販促情報を効果的に提供できるようにする技術が提案されている。当該技術は、事業者がタイムセールを行う場合に、その旨のアナウンスをサーバに蓄積する。そして、当該事業者が指定した基地局と信号交換を行っている携帯電話端末に、タイムセールに関するアナウンスが蓄積されたことを電子メールで通知する。当該通知を受けた携帯電話端末のユーザは、当該サーバにアクセスすることにより、タイムセールに関する当該アナウンスが取得できると言うものである。これにより、より多くの消費者に対して、タイムセールに関する情報を配信することができるようにされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−318960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された技術の場合、タイムセールに関するアナウンスが蓄積されたことを通知するエリアは、電話会社側の基地局の位置や通信能力によって決められてしまう。このため、タイムセールを行う事業者が、タイムセールに関する情報を配信するエリアを目的に応じて適切に設定できない場合がある。そもそも、タイムセールを行う複数の事業者毎に、タイムセールに関する情報を配信すべきエリアは異なる。
【0007】
このため、効果的にタイムセールに関する情報を配信しようとすれば、タイムセールを行う事業者毎に、タイムセールを行う店舗等の場所に応じて、タイムセールに関する情報を配信するエリアを、自由に、かつ、柔軟に、設定、変更できることが重要である。また、タイムセールに関する情報の提供を受ける携帯電話端末側においても、当該携帯電話端末のユーザは、全てのタイムセールに関する情報が必要なわけではない。自分が必要とする商品や店舗の情報が得られればよい場合も多く、また、自分が店舗に出向けない時間にタイムセールに関する情報の提供を受けても無駄である。
【0008】
このように、タイムセールに代表される随時に発生する広告を効果的に顧客となる消費者に配信しようと考えた場合、広告を提供する側の条件と、広告の提供を受ける側の条件とを満足するように、広告を配信できるようにすることが望まれる。
【0009】
以上のことに鑑み、この発明は、随時に発生する広告を、広告を提供する側と受け取る側の双方の意図に合致して配信できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の広告提供サーバは、
ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と、広告の提供先となるユーザの通信端末を特定する提供先情報とを含むユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶手段と、
少なくとも提供に関する条件情報を含む広告情報を受け付ける広告情報受付手段と、
受け付けた前記広告情報の前記条件情報に合致する前記指示情報を有するユーザ登録情報を抽出する抽出手段と、
抽出された前記ユーザ登録情報の前記提供先情報により特定される通信端末に対して広告情報が発生したことを通知するように制御する通知制御手段と
を備えることを特徴とする。
【0011】
この請求項1に記載の発明の広告提供サーバによれば、ユーザ登録情報記憶手段には、ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と広告の提供先となる通信端末を特定する提供先情報とを含むユーザ登録情報が記憶保持される。そして、広告情報受付手段を通じて受け付けられた広告情報の提供に関する条件情報に合致する指示情報を有するユーザ登録情報が、抽出手段によりユーザ登録情報記憶手段から抽出される。この抽出されたユーザ登録情報の提供先情報により特定される通信端末に対して、通知制御手段により広告情報が発生したことが通知するように制御される。
【0012】
これにより、広告情報が発生したことを、広告を提供する側の提供に関する条件情報と広告の提供を受ける側の指示情報との双方に合致するようにして通知(提供)することができるようにされる。すなわち、随時に発生する広告を、広告を提供する側と受け取る側の双方の意図に合致して配信することができるようにされる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、随時に発生する広告を、広告を提供する側と受け取る側の双方の意図に合致するようにして配信することができる。これにより、随時に発生する広告を、より効果的に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態の広告提供システムを説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示したタイムセールキャストサーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】タイムセールキャストサーバ1の店舗DB112に記憶保持される店舗登録情報のレイアウト例を説明するための図である。
【図4】タイムセールキャストサーバ1のユーザDB113に記憶保持されるユーザ登録情報のレイアウト例を説明するための図である。
【図5】タイムセールキャストサーバ11のタイムセール情報ファイル103に格納されるタイムセール情報のレイアウト例を説明するための図である。
【図6】図1に示した携帯電話端末2A、2B、3A、3Bの構成例を説明するためのブロック図である。
【図7】第1の実施例の広告提供システムのタイムセールキャストサーバ1の処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】第2の実施例の広告提供システムのタイムセールキャストサーバ1の処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】第2の実施例の広告提供システムの携帯電話端末3の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照しながら、この発明による装置、システム、方法の一実施の形態について説明する。この発明の広告提供システムは、店舗等において随時に提供する必要が生じた種々の広告を、適切に配信することができるようにするものである。しかし、以下に説明する実施の形態においては説明を簡単にするため、店舗等において、時間帯を区切って安売りや限定品の販売を行ういわゆるタイムセールのために配信の必要が生じた広告を随時に消費者であるユーザに配信する場合を例にして説明する。
【0016】
[広告提供システムの概要]
そして、以下に説明する実施の形態においては、店舗等からのタイムセール等の広告が発生すると、通信ネットワークを通じて広告の発生をユーザに通知し、少なくとも以下の7つの経路(広告内容の配信経路)を通じて広告内容をユーザに配信することができるようにしている。すなわち、
(1)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、ローカル放送で広告内容を提供する。(2)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、電子メール文で広告内容を提供する。(3)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、Webで広告内容を提供する。
(4)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、音声案内で内容を提供する。
(5)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、動画で広告内容を提供する。
(6)通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、FAX装置で広告内容を提供する。
(7)その他(通信ネットワーク経由で広告発生を通知し、例えば、新規の配信経路を通じて広告内容を提供する場合など。)
の7つの経路を利用することができるようにされている。
【0017】
ここで、(1)のローカル放送で広告内容を提供する経路は、後述する放送設備を通じて行われるローカル放送により広告内容を提供するものである。(2)の電子メール文で広告内容を提供する経路は、電子メールにより広告内容を提供するものである。また、(3)のWebで広告内容を提供する経路は、Webページとして用意された広告内容を、ブラウザを通じて提供する(閲覧できるようにする)ものである。
【0018】
また、(4)の音声案内で内容を提供する経路は、音声データとして用意された広告内容を、音声案内として電話通信により提供したり、ダウンロードできるようにしたりして提供するものである。(5)の動画で広告内容を提供する経路は、動画データとして用意された広告内容を、ダウンロードできるようにして提供するものである。(6)のFAX装置で広告内容を提供する経路は、FAX装置で受信される画像情報として用意された広告内容を、FAX装置に送信することにより提供するものである。また、(7)のその他としては、今後、提供される種々の配信経路を通じて広告内容の配信を行うことを想定している。
【0019】
また、通信ネットワーク経由で広告発生を通知する方法としては、少なくとも以下の5つの方法(経路)を用いることができるようにされている。すなわち、
(A)電子メールで通知する方法。
(B)音声(TTS(Text To Speech)か肉声、留守番電話対応可)で通知する方法。
(C)制御信号を送信し、これを広告の提供を受ける通信端末側で常駐型の専用アプリケーションを用いて受信して、振動や着信音を用いて通知する方法。
(D)テレビ用セットトップボックスで受信される放送画像に挿入されるテロップを用いて通知する方法。
(E)その他(例えば、新規の機器等を通じて広告の発生を通知する場合など。)
の5つの広告発生の通知方法(通知経路)を用いることができるようにされている。
【0020】
ここで、(A)の電子メールで通知する方法は、ユーザに対して電子メールを送信することによって広告の発生を通知するものである。また、(B)の音声(TTS(Text To Speech)か肉声、留守番電話対応可)で通知する方法は、ユーザに対して電話をかけ、音声によって広告の発生を通知するものである。なお、(B)の方法の場合には、相手先が留守番電話機能を用いている場合には、留守番メッセージとして相手先の電話機に対して音声メッセージを残すことができるようにされる。
【0021】
また、(C)の制御信号を常駐型の専用アプリケーションを用いて受信する方法は、当該制御信号を受信したユーザの端末装置において、振動、着信音、表示メッセージなどを用いて、広告の発生を通知するものである。なお、(C)の方法の場合には、当該制御信号に応じて端末装置側の専用アプリケーションが機能し、ローカル放送により提供される広告内容を受信したり、ブラウザを機能させて広告内容を取得したりするなどのこともできるようにされる。
【0022】
また、(D)のテレビ用セットトップボックスで受信される放送画像に挿入されるテロップを用いて通知する方法は、ケーブル放送局側の設備を通じて、放送画像に対していわゆるテロップ(字幕)を挿入することにより、広告の発生を通知するものである。これにより、テレビ用セットトップボックスが設置された家庭などに対しては、ケーブルテレビ放送の画像に挿入されたテロップにより、広告の発生を通知することができるようにされる。また、(E)のその他としては、例えば、FAX装置や通信機能を備えたデジタルフォトフレームなどを用いて広告の発生を通知したり、新規の通信端末等を用いて広告の発生を通知したりすることを想定している。
【0023】
そして、以下に説明する実施の形態の広告提供システムにおいては、上記の(A)〜(E)の広告発生の通知方法(通知経路)と、上記の(1)〜(7)の広告内容の配信経路を組み合わせて利用することができる。もちろん、上記(A)〜(E)の1つ以上の広告発生の通知方法を用いると共に、上記(1)〜(7)の広告内容の配信経路の1つ以上を用いるようにすることももちろん可能である。以下に、この実施の形態の広告提供システムについて具体的に説明する。
【0024】
[広告提供システムの構成例]
図1は、この発明の装置、システム、方法の一実施の形態が適用されて形成された広告提供システムの構成例を説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の広告提供システムは、タイムセールキャストサーバ1に対し、通信ネットワーク7を通じて携帯電話端末2A、2B、…、3A、3B、…、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略称する。)5A、5B、…、FAX(facsimile)装置等の通信端末6A、6B、…等が接続されて形成される。
【0025】
携帯電話端末2A、2B、…、3A、3B、…は、図1に示したように、近隣の基地局4A(1)、4A(2)、…、4B(1)、4B(2)、…を通じて、通信ネットワーク7に接続される。また、通信ネットワーク7に対しては、携帯電話会社側の位置管理サーバ8が接続されている。さらに、広告が配信されるエリアには、ローカル放送により広告を配信するための放送設備9A、9B、…も設けられている。
【0026】
タイムセールキャストサーバ1は、タイムセール等の随時に行われる催しものの広告を随時に配信する専門サイトを提供する広告提供サーバとしての機能を実現する。タイムセールキャストサーバ1は、詳しくは後述もするが、多数のユーザ登録情報を記憶保持し、タイムセールの広告が発生した場合に、これを店舗等の広告主体が想定するエリアに属するユーザの端末装置に対し、通信ネットワークを通じて通知するものである。
【0027】
この場合、タイムセールキャストサーバ1は、広告主体が想定するエリアに属する全てのユーザの端末装置に通知するのではなく、事前にタイムセールキャストサーバ1に登録されたユーザであって、その広告を必要とするユーザの端末装置に対して通知する。そして、広告内容は上述した7つの配信経路のいずれかを通じて配信することができるようにされる。このように、タイムセールキャストサーバ1は、広告を行う広告主体と、広告の提供を受けるようにする一般ユーザ(消費者)との両方の要求に対応し、随時に発生する広告の配信を適切に行うようにするものである。
【0028】
携帯電話端末2A、2B、…は、タイムセール等の広告を行う店舗の経営者や従業者(店長、売り場責任者、店員等)が使用するものである。なお、以下においては、店舗の経営者や従業者等のタイムセールの実行主体なるものを店舗事業者と言う。そして、携帯電話端末2A、2Bは、一般に用いられる携帯電話端末と同等のものであり、携帯電話機能により音声による電話通信(通話)を行うことができるものである。
【0029】
また、携帯電話端末2A、2Bは、通信ネットワーク7を通じて種々の情報の送受信をも行うことができるものである。具体的に、携帯電話端末2A、2Bは、電話通信の他、通信ネットワーク7上のサーバ装置にアクセスし、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードを行うことができる。また、携帯電話端末2A、2Bは、通信ネットワーク7及び所定のメールサーバを介して電子メールの送受信を行うこともできる。
【0030】
そして、携帯電話端末2A、2Bは、タイムセール等の広告の通知等を、通信ネットワーク7を通じてタイムセールキャストサーバ1に対して、タイムラグなく、フレキシブルに要求することができるものである。すなわち、店舗事業者は、商品の売れ行きや在庫状況を確認しながら、適宜のタイミングでタイムセール等の広告の通知等を、携帯電話端末2A、2Bを通じて、タイムセールキャストサーバ1に対して要求することができる。
【0031】
携帯電話端末3A、3B、…は、タイムセールを行う店舗の顧客となる一般ユーザによって用いられるものであり、上述した携帯電話端末2A、2Bと同様の通信機能を有するものである。すなわち、通話機能、Webページの閲覧、情報のダウンロードやアップロード、電子メールの送受信等ができるものである。
【0032】
PC5A、5B、…は、一般消費者であるユーザの家などに設置されて利用されるものであり、周知のように、種々の情報処理を行うことができるものである。そして、PC5A、5Bは、通信機能を備え、通信ネットワーク7上のサーバ装置にアクセスして、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードなどができる。また、PC5A、5Bは、通信ネットワーク7及び所定のメールサーバを介して、電子メールの送受信を行うこともできるものである。
【0033】
FAX等の通信端末6A、6B、…は、ユーザの家などに設置されて利用されるものであり、画像情報の送受を行うFAX(facsimile)装置、固定電話装置、通信機能を備えたデジタルフォトフレーム、ケーブルテレビ網に接続されたセットトップボックス(Set Top Box)など、少なくとも情報の受信機能を備えた種々の電子機器を意味する。
【0034】
このように、図1に示した携帯電話端末3A、3B、PC5A、5B、FAX等の通信端末6A、6Bのそれぞれは、タイムセールの広告の発生の通知を受けたり、タイムセールの広告の内容の提供を受けたりするユーザ側の端末装置としての機能を実現するものである。
【0035】
通信ネットワーク7は、基地局4A(1)、(2)、…、4B(1)、4B(2)、…等を含む携帯電話網や各家庭などに設置された固定電話端末等が接続される公衆交換電話網やインターネット、ケーブルテレビ網など、種々の広域ネットワークを含むものである。また、通信ネットワーク7に対しては、家庭や会社などに形成されたLAN(Local Area Network)やイントラネットなどを通じてユーザの通信機器が接続される場合もある。
【0036】
位置管理サーバ8は、電話会社側の中継局などに設けられ、各基地局の番号、各基地局の設置位置の緯度および経度などを管理すると共に、基地局から送られてくる携帯電話端末の端末識別情報や当該携帯電話端末からの電波の受信電界強度の情報から、携帯電話端末の位置を三角測量の手法を用いて算出して管理する機能を備える。また、位置管理サーバ8は、算出した携帯電話端末の位置情報を当該携帯電話端末に送るなどの機能をも備える。この実施の形態のタイムセールキャストサーバ1は、自機にユーザ登録されているユーザの携帯電話端末の現在位置を所定のタイミング毎に位置管理サーバ8から得て、これを管理することができるようにしている。
【0037】
放送設備9A、9B、…は、タイムセールを行う店舗やタイムセールを行う店舗が複数集まった商店街やショッピングモールなど、店舗毎、あるいは、複数の店舗が集まったグループ毎などに設けられるものである。そして、放送設備9A、9B、…は、例えば、アナログ地上波によるテレビ放送終了後の空き周波数帯域を用いるなどして、放送エリアを数km〜10km程度とする近距離放送(ローカル放送)を行うようにするためのものである。放送設備9A、9B、…は、例えば、タイムセールを行う店舗事業者の携帯電話端末2A、2B等に取り込まれたセール内容メッセージに応じた音声データや画像データ(動画像データ、静止画像データ)の一方または両方の提供を受けて、これを放送することができるものである。
【0038】
なお、図1に示した、携帯電話端末2A、2B、携帯電話端末3A、3B、基地局4A(1)、4A(2)、4B(1)、4B(2)、PC5A、5B、FAX等の通信端末6A、6B、放送設備9A、9Bは、それらを代表するものである。通信ネットワーク7には、多数の端末装置、サーバ装置、基地局が接続されている。
【0039】
そして、タイムセールの広告の提供を受けようとするユーザは、詳しくは後述もするが、事前にユーザ登録情報をタイムセールキャストサーバ1に登録しておく。ユーザ登録情報は、氏名、広告を受けたい商品ジャンル、広告の配信を受けたい時間帯、広告の通知先を示す電子メールアドレス等の情報を含むものである。このユーザ登録情報は、タイムセールキャストサーバ1が、タイムセールの広告を配信するユーザを特定(抽出)するために用いられる。
【0040】
そして、店舗事業者は、タイムセールの広告を行おうとする場合、自己の携帯電話端末2A、2Bを通じて、タイムセール情報(広告情報)をタイムセールキャストサーバ1に送信する。タイムセール情報は、店舗ID、広告の配信日時、広告を配信する配信エリアを特定するための配信エリア条件等の条件情報や広告内容を示す情報等からなるものである。
【0041】
ここで、配信エリア情報は、図1において、点線の円ArA、ArBで示したように、例えば、当該広告を行う店舗の所在地を中心とする半径2km以内のエリアなどというように、広告の発生を通知するエリアを特定するものである。また、詳しくは後述もするが、ユーザの通信端末の現在位置に基づいて、当該広告を行う店舗の所在地を中心とする登録ユーザが500人未満のエリアなどというように、広告の発生を通知するエリアを指定することもできるようにされる。
【0042】
タイムセールキャストサーバ1は、上述したように、ユーザ登録情報を記憶保持すると共に、ユーザ登録情報が登録されたユーザが利用する通信端末である携帯電話端末3A、3B等の現在位置を位置管理サーバ8からの情報によりほぼリアルタイムに把握している。なお、ユーザが利用する通信端末は、携帯電話端末3A、3Bだけではなく、PC5A、5B、FAX等の通信端末6A、6Bもあるが、これらは家庭に設置されて利用されるものであるため、ユーザの現住所をPC5A、5B、FAX等の通信端末の現在位置として把握することができるようにしている。
【0043】
そして、タイムセールキャストサーバ1は、携帯電話端末2A、2Bからタイムセール情報を受信し、当該タイムセール情報の配信時刻になると、タイムセール情報の配信エリア情報やユーザ登録情報に基づいて、タイムセール情報があることを通知するユーザの通信端末を特定(抽出)する。そして、タイムセールキャストサーバ1は、その特定(抽出)したユーザの通信端末に対して、上述した(A)〜(E)の広告発生の通知方法(通知経路)の1つ以上を用いてタイムセール情報の発生を通知する。そして、上述した(1)〜(7)の広告内容の配信経路の1つ以上を通じて、広告内容がユーザに配信される。
【0044】
なお、上述した(1)〜(7)の配信経路の内、(1)のローカル放送で広告内容を提供する経路の場合には、広告内容の配信主体は、放送設備9A、9Bになる。これ以外の(2)〜(7)の配信経路の場合には、広告内容の配信主体は、タイムセールキャストサーバ1となる。
【0045】
具体的に、タイムセールキャストサーバ1は、店舗からのタイムセール情報の配信エリア情報により特定されるエリア内に通信端末が位置するユーザを特定する。さらに、当該特定したユーザのユーザ登録情報に基づき、配信しようとしているタイムセール情報が、ユーザが提供を受けたい商品ジャンルのものであるか、配信しようとしているタイムセール情報の配信時刻が、ユーザがタイムセール情報の配信を受けたい時間帯か等のチェックを行い、当該タイムセール情報を配信すべきユーザを絞り込む。そして、その絞り込んだユーザの通信端末に対して、当該タイムセール情報の配信日時に、タイムセール情報の発生を通知し、タイムセール情報の内容をユーザ側が取得できるようにする。
【0046】
このように、この実施の形態の広告提供システムは、随時に発生するタイムセール情報を、タイムセール情報を提供する側とタイムセール情報の提供を受ける側の双方にとって都合よく配信することができるようにしている。また、店舗事業者は、例えば、配信条件を変えた複数のタイムセール情報をタイムセールキャストサーバ1に送信するようにすることもできる。これによって、タイムセール情報を配信するエリアや配信日時をコントロールするようにして、タイムセール情報をより効果的に配信するなどのこともできるようにしている。
【0047】
[タイムセールキャストサーバ1の構成例]
次に、図1に示した広告提供システムで用いられるタイムセールキャストサーバ1の構成の概略について説明する。図2は、この実施の形態のタイムセールキャストサーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【0048】
図2に示すように、タイムセールキャストサーバ1は、通信ネットワーク7への接続端子101、通信I/F102、タイムセール情報ファイル103、配信先抽出部104、セール情報送信制御部105、現在位置更新処理部106を備えている。さらに、タイムセールキャストサーバ1は、時計回路111、店舗データベース(以下、店舗DBと略称する。)112、ユーザデータベース(以下、ユーザDBと略称する。)113、地図データベース(以下、地図DBと略称する。)114、制御部120を備えている。
【0049】
制御部120は、タイムセールキャストサーバ1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)124が、CPUバス125を通じて接続されて構成されたコンピュータ装置部である。CPU121は、ROM122やEEPROM124に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。ROM112は、CPU121によって実行される種々の処理プログラムや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。
【0050】
RAM123は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。具体的に、EEPROM124は、機能追加のための新たなプログラム、各種設定パラメータなどのほか、例えば、自機に割り当てられたIPアドレスなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0051】
そして、店舗DB112は、例えば、大容量のハードディスクを有するハードディスクドライブとして構成され、タイムセールキャストサーバ1を通じて随時に種々の広告を配信しようとする多数の店舗事業者の店舗登録情報を記憶保持するものである。店舗登録情報は、タイムセールキャストサーバ1を通じてタイムセールの広告を行おうとする店舗事業者が、タイムセールキャストサーバ1に対して事前に登録する情報である。この店舗登録情報により、タイムセールキャストサーバ1は、広告を配信する店舗の所在地や商品ジャンル等を把握することができるようにされる。したがって、当該店舗登録情報は、1回登録すれば、変更等が生じない限り、毎回登録するなどの必要はないものである。
【0052】
図3は、店舗DB112に記憶保持される店舗登録情報のレイアウト例を説明するための図である。図3に示すように、店舗登録情報は、店舗登録情報の登録を行った店舗の店舗ID、店舗名、住所(所在地)、電話番号、電子メールアドレス、商品ジャンル、その他等の情報からなるものである。
【0053】
店舗IDは、店舗登録情報の登録時において、例えば、タイムセールキャストサーバ1の制御部120によって自動的に付与される数桁の識別情報であり、店舗登録情報を登録するようにした店舗毎に固有のものである。店舗名は、当該店舗の名称を示すものであり、住所(所在地)は、当該店舗の所在地を示すものである。
【0054】
また、電話番号や電子メールアドレスは、当該店舗の連絡先を示すものである。ここで、電話番号や電子メールアドレスは、店舗事業者の携帯電話端末2A、2Bに対して割り当てられた電話番号や、携帯電話端末2A、2Bで主に用いられるもの電子メールアドレスであってもよい。また、電話番号や電子メールアドレスは、当該店舗の固定電話の電話番号や店舗に設置されたパーソナルコンピュータで主に用いられる電子メールアドレスであってもよい。商品ジャンルは、当該店舗での取扱商品の種別を示すものである。この他にも、必要な情報の登録ができるようにされる。
【0055】
そして、図3には、商品ジャンル(取扱商品)が「青果一般、加工食品」である店舗名が「○○青果店」、住所が「東京都新宿区…」の店舗登録情報が、その一例として示されている。店舗DB112には、タイムセール等の広告を随時に行おうとする多数の店舗事業者についての図3に示した構成の店舗登録情報が格納されている。
【0056】
そして、タイムセールキャストサーバ1の店舗DB112への店舗登録情報の登録は、図1に示した店舗事業者の携帯電話端末2A、2Bのような通信機器を通じて行うことができるようにされる。なお、郵送や携帯電話端末、固定電話、FAX装置等を通じて、店舗登録情報の登録を依頼したりすることもできる。
【0057】
そして、タイムセールキャストサーバ1の運営者は、店舗登録情報を登録した店舗事業者から、タイムセールキャストサーバ1の使用料を徴収することができる。この場合、月額や年額の固定料金でもよいし、広告の配信回数に応じた使用料とすることも可能である。もちろん、無料とすることもできる。
【0058】
また、ユーザDB113も、店舗DB112と同様に、例えば、大容量のハードディスクを有するハードディスクドライブとして構成され、タイムセール等の配信を希望するユーザのユーザ登録情報を記憶保持するものである。図4は、ユーザDB113に記憶保持されるユーザ登録情報のレイアウト例を説明するための図である。図4に示すように、ユーザ登録情報は、ユーザ登録情報の登録を行ったユーザのユーザID、氏名、連絡手段、電話番号、電子メールアドレス、通知ジャンル指定、通知店舗指定、ユーザ属性、現住所、現在位置、配信希望時間帯等の情報からなるものである。
【0059】
ここで、連絡手段は、当該ユーザがタイムセール情報の通知先として用いるようにする端末装置の種別を示す情報である。連絡手段には、図1に示したように、携帯電話端末、PC、FAX装置のほか、通信機能を備えたパッド型情報端末あるいはタブレット型情報端末と呼ばれる個人用情報端末、固定電話、通信機能を備えたデジタルフォトフレームなどを示す情報が入力される。また、通知ジャンル指定は、どのような商品ジャンルのタイムセール情報の提供を求めるかを示す情報であり、通知店舗指定は、その店舗のタイムセール情報については必ず通知して欲しい場合に、当該店舗を示す情報である。通知ジャンル指定や通知店舗指定は、それぞれ複数指定することができるようにされる。
【0060】
また、ユーザ登録情報のユーザ属性は、そのユーザの性別、生年月日、職業など、そのユーザに関する種々の情報である。また、現住所は、そのユーザの自宅の住所を示す。また、現在位置は、連絡手段が携帯電話端末の場合には、位置管理サーバ8からの情報により随時に更新される現在位置(緯度、経度)が示され、連絡手段がPC、FAX装置、固定電話、通信機能付きデジタルフォトフレームなどの据え置き型の電子機器の場合には、現住所に対応する緯度、経度が固定的に示される。なお、現住所に対応する緯度、経度は、後述する地図DB114から現住所に基づいて取得することができるようにされる。
【0061】
そして、図4には、連絡手段として携帯電話端末を用いるユーザ登録情報の一例として、通知ジャンル指定が「青果、鮮魚等」であり、通知店舗指定が「○○青果店」であり、配信希望時間帯が「毎日の午後5時〜午後7時」である女性のユーザのユーザ登録情報を示している。また、図4には、連絡手段として家庭に設置されたPCを用いるユーザ登録情報の一例として、通知ジャンル指定が「衣料、雑貨」であり、通知店舗指定が「△△△店」であり、配信希望時間帯が「土曜日の午後3時〜午後5時」である男性のユーザのユーザ登録情報を示している。
【0062】
そして、この実施の形態において、ユーザ登録情報の配信希望時間帯、現在位置、通知ジャンル指定や通知店舗指定などの情報が、ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報に相当する。すなわち、ユーザ登録情報の指示情報は、配信希望時間帯(Time)、現在位置(Place)、通知ジャンル指定や通知店舗指定(Occasion)などからなるいわゆるTPO情報として把握することができる。
【0063】
そして、タイムセールキャストサーバ1のユーザDB113へのユーザ登録情報の登録は、図1に示した携帯電話端末3A、3B、PC5A、5Bのような通信機器を通じて行うことができるようにされる。なお、郵送や携帯電話端末、固定電話、FAX装置等を通じて、ユーザ登録情報の登録を依頼したりすることもできる。
【0064】
そして、タイムセールキャストサーバ1の運営者は、ユーザ登録情報を登録したユーザから、サービス提供料を徴収することもできるようにされる。もちろん、タイムセール情報を配信する店舗事業者から、上述したようにタイムセールキャストサーバ1の使用料を徴収し、ユーザ登録を行ったユーザについては、タイムセール情報等の配信を無料で受けることができるようにしてもよい。
【0065】
地図DB114は、一軒一軒の戸主が記されたいわゆる住宅地図の電子データ(住宅地図情報)や、電車やバスなどの公共交通機関のルート情報と運行時刻情報や、道路情報等を記憶保持する。これらの情報は、日本全国についてのもの、あるいは、タイムセールキャストサーバ1がサービスを提供することが可能な所定の地域についてのものが記憶保持するようにされている。そして、タイムセールキャストサーバ1においては、地図DB114の住宅地図上において、住所等で特定される所定の位置を中心にして、半径数百メートルエリア、半径数キロメートルのエリアなどというように、目的とするエリアを特定することができる。
【0066】
また、タイムセールキャストサーバ1においては、上述したユーザ登録情報の現在位置に基づいて、各通信端末の現在位置を地図DB114の住宅地図上に展開し、各通信端末の位置を地図上で特定することができる。さらに、また、タイムセールキャストサーバ1においては、地図DB114の住宅地図上に展開されたユーザの通信端末の数に応じて、エリアを分類することもできる。例えば、ユーザの通信端末が、100台未満のエリア、500台未満のエリア、1000台未満のエリアなどというように、目的とするエリアを特定するようにすることもできるようにされる。また、タイムセールキャストサーバ1においては、地図DB114の住宅地図上において、○○町1丁目のエリアなどと言うよう分、住宅表示に従ったエリアの特定も行うことができる。
【0067】
タイムセール情報ファイル103は、店舗DB112に店舗登録情報を登録した店舗の店舗事業者の携帯電話端末2A、2Bから提供されるタイムセール情報を保持するものである。当該タイムセール情報は、店舗事業者の携帯電話端末2A、2Bから随時に通信ネットワーク7を通じて送信されてくるものであり、制御部120が、接続端子101、通信I/F102を通じて受信し、タイムセール情報ファイル103に格納する。
【0068】
図5は、タイムセール情報ファイル103に格納されるタイムセール情報のレイアウト例を説明するための図である。図5(a)に示すように、タイムセール情報は、店舗ID、店舗名、配信日時、現在年月日、配信済みフラグ(図5では済FLGと記載。)、配信エリア条件、配信対象条件、セール内容メッセージからなっている。図5(a)において、配信日時は、当該タイムセール情報のセール内容メッセージを配信する日時を指定する情報である。現在年月日は、当該タイムセール情報を形成してタイムセールキャストサーバ1に送信した日を示す情報である。配信済みフラグは、未送信のタイムセール情報と送信済みのタイムセール情報とを区別するための情報であり、当該タイムセール情報が配信された場合には、「オン(1)」となり、未配信の場合には「オフ(0)」となっているものである。
【0069】
また、図5(a)において、配信エリア情報は、当該タイムセール情報を配信するエリアを、当該タイムセール情報の提供元が指示する情報である。また、図5(a)において、配信対象条件は、当該タイムセール情報を配信したいユーザの性別や年齢などのユーザの属性を指示するための情報である。
【0070】
また、セール内容メッセージは、具体的な広告内容を示す情報であり、セールを行う店舗名、セール開始時刻、セール終了時刻、セール商品、セール価格、セールを行う売り場の場所、その他の情報からなるものである。セール内容メッセージは、テキストデータとして形成されたものや、いわゆるボイスメールとして送信する音声データより形成されたものがある。また、セール内容メッセージは、画像データ(動画像データ、静止画データ)と音声データとの一方または両方により形成されたものもある。
【0071】
セール内容メッセージは、電子メールに添付してユーザに提供することができる。また、セール内容メッセージがテキストデータや静止画データである場合には、ユーザのFAX装置に対して送信することにより提供することができる。また、セール内容メッセージをURL(Uniform Resource Locator)で特定可能な記憶領域に格納しておき、Webページとして提供したり、音声データと画像データとの一方または両方をダウンロードできるようにしたりすることも可能である。また、セール内容メッセージが音声データの場合は、これをタイムセールキャストサーバ1に電話をかけてきたユーザに対して音声案内として提供することもできるようにされる。
【0072】
そして、タイムセール情報の配信エリア条件は、図5(b)に示したように、当該タイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして半径1km以内のエリアというように、当該店舗の所在地を中心とする半径によって指定することができる。そして、配信エリア条件と配信日時とを異ならせた複数のタイムセール情報を形成して配信するなど、タイムセール情報を従来にない態様で配信することができる。
【0073】
具体的には、まず、配信エリア条件をタイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして半径1km〜半径2kmのエリアとし、配信日時を12月5日午後4時30分とするタイムセール情報を形成してタイムセールキャストサーバ1に送信して配信するようにする。次に、配信エリア条件をタイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして半径1km未満のエリアとし、配信日時を12月5日午後4時45分とするタイムセール情報を形成してタイムセールキャストサーバ1に送信して配信するようにする。
【0074】
これにより、当該店舗の所在位置を中心にして、同心円状に複数のエリアを設定し、遠くのエリアから近くのエリアに向かうように順番にタイムセール情報を提供するようにすることができる。したがって、タイムセールを行う店舗の所在地を基準にして、当該店舗から離れた位置にいるユーザが、当該店舗に近い位置にいるユーザより不利にならないような態様で、タイムセール情報を配信することができる。
【0075】
また、タイムセール情報の配信エリア条件を、図5(b)に示したように、当該タイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして、ユーザ登録を行っているユーザが500人未満のエリア、500人以上1000人未満のエリアなどと言うように指定することもできる。この場合、まず、当該タイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にしてユーザ登録を行っているユーザが、500人未満のエリアに最初にタイムセール情報を配信し、商品の売れ行きを確認する。そして、商品の売れ行きが思わしくない場合に、当該タイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして、ユーザ登録を行っているユーザが500人以上1000人未満のエリアにタイムセール情報を配信するといったこともできるようにされる。
【0076】
また、タイムセール情報の配信エリア条件を、図5(b)に示したように、当該タイムセール情報の提供元の店舗の所在地を中心にして、半径5km以内で、ユーザ登録を行っているユーザが1000人未満のエリアなどと言うように複合的に指定することもできる。なお、この明細書において、例えば、500人未満のエリアというときには、ユーザ登録を行っているユーザの数が500人には満たないが、500人に一番近い人数が存在するエリアを意味する。
【0077】
また、ここでは、タイムセールを行う店舗の所在地を中心にしてエリアを指定するようにしたが、これに限るものではない。例えば、駅やバス停などの指定した場所(指定した位置)を中心にしたエリアを指定することもできる。また、地図DB114の住宅地図情報を用いることによって、例えば、○○市□□1丁目〜3丁目等というように、住所表示にしたがってエリアを指定するなどのことももちろん可能である。
【0078】
そして、図5(a)に示したタイムセール情報において、配信時間、配信エリア条件、配信対象条件、さらに、店舗名や店舗登録情報から取得される商品ジャンルが、タイムセール情報の提供に関する条件情報に相当するものである。
【0079】
そして、配信先抽出部104、セール情報送信制御部105、現在位置更新処理部106が、タイムセール情報を適切に配信する処理を行うための主要部である。すなわち、配信先抽出部104は、配信日時が到来したタイムセール情報ファイル103のタイムセール情報と、店舗DB113の店舗登録情報、ユーザDB114のユーザ登録情報に基づいて、タイムセール情報の配信先となるユーザのユーザ登録情報を抽出する。
【0080】
また、セール情報送信制御部105は、配信先抽出部104により抽出されたユーザ登録情報の電子メールアドレスや電話番号により特定されるユーザの端末装置に対して、タイムセール情報の発生を通知したり、当該タイムセール情報のセール内容メッセージを配信したりする処理を行うように各部を制御する。
【0081】
また、現在位置更新処理部106は、ユーザDB113に登録されているユーザ登録情報の内、通信手段が携帯電話端末であるユーザ登録情報の現在位置を、通信ネットワーク7に接続された位置管理サーバ8から順次に提供される情報に基づいて更新する。これにより、ユーザDB113のユーザ登録情報の内、通信手段が携帯電話端末であるユーザ登録情報の現在位置をほぼリアルタイムに更新して、当該通信端末の現在位置を正確に把握することができるようにしている。
【0082】
そして、制御部120は、時計回路111の現在時刻に基づいて、タイムセール情報ファイル103に格納されたタイムセール情報から配信日時の到来したタイムセール情報を検出するようにしている。そして、配信日時が到来したタイムセール情報を検出すると、制御部120は、配信先抽出部104を制御し、タイムセール情報の送信先となるユーザのユーザ登録情報を抽出するようにする。
【0083】
この場合、配信先抽出部104は、当該タイムセール情報に基づいて、店舗DB112の店舗登録情報を参照し、当該店舗の商品ジャンル、住所(所在地)を確認する。そして、配信先抽出部104は、当該タイムセール情報の配信エリア条件を地図DB114の住宅地図上において反映させ、配信エリアを緯度、経度により表現される配信エリアとして特定する。この後、配信先抽出部104は、当該特定した配信エリア内に現在位置があるユーザ登録情報であって、タイムセール情報に基づく条件に合致するユーザ登録情報を抽出する。
【0084】
タイムセール情報に基づく条件は、
(a)タイムセール情報の店舗IDに基づいて店舗登録情報を参照して得た当該店舗の商品ジャンルの内容とユーザ登録情報の通知ジャンル指定の内容とが一致する。
(b)タイムセール情報の店舗名とユーザ登録情報の通知店舗指定とが一致する。
(c)タイムセール情報の配信対象条件にユーザ登録情報のユーザ属性に合致する。
(d)タイムセール情報の配信日時がユーザ登録情報の配信希望時間帯に属する。
という4つの条件が挙げられる。なお、上記(a)、(b)の場合には、全部一致する場合のみならず、一部一致する場合も一致と判別する。すなわち、商品ジャンルはユーザ登録情報の通知ジャンル指定に含まれていればよいし、店舗名はユーザ登録情報の通知店舗指定に含まれていればよい。
【0085】
そして、配信先抽出部104は、上記(a)と(b)との内の少なくとも一方を満足し、かつ、上記(c)、(d)の両方を満足するユーザ登録情報を、当該タイムセール情報の配信先となるユーザのユーザ登録情報として抽出する。このようにして抽出されたユーザ登録情報が、例えば、RAM123に一時記憶される。
【0086】
なお、タイムセール情報によっては、配信対象条件が指定されていないものもある。また、ユーザ登録情報によっては、通知ジャンル指定、通知店舗指定、配信希望時間帯の1つ以上が設定されていない場合もある。このような場合、指定されていない条件についてはないものとして扱うようにされる。したがって、通知ジャンル指定が指定されていない場合には、通知ジャンル指定は全ジャンル指定となり、通知店舗指定が指定されていない場合には、通知店舗指定は全店舗指定となる。また、配信希望時間帯が指定されていない場合には、配信希望時間帯は全時間帯となる。
【0087】
そして、セール情報送信制御部105は、RAM123に抽出されたユーザ登録情報に基づいて、タイムセール情報の発生を通知するメッセージを形成し、これを送信する。ここで、タイムセール情報の発生を通知する方法(通知経路)は、上述した(A)〜(E)の経路の1つ以上を用いることができる。そして、セール内容メッセージ(広告内容)は、上述した(1)〜(7)の配信経路の1つ以上を用いて配信することができるようにされる。
【0088】
そして、(1)として示したように、ローカル放送を用いてセール内容メッセージを送信する場合には、後述もするように、放送設備9A、9Bを通じてセール内容メッセージが配信される。また、(2)〜(7)の場合には、セール情報送信制御部105が機能することにより、タイムセールキャストサーバ1からセール内容メッセージがユーザの端末装置に対して提供するようにされる。
【0089】
すなわち、セール情報送信制御部105は、送信先に応じた態様の当該タイムセール情報のセール内容メッセージを、制御部120、通信I/F102、接続端子101を通して、通信ネットワーク7に送信することができる。これにより、当該タイムセール情報に応じたセール内容メッセージが、各ユーザの通信端末(携帯電話端末3A、3B、PC5A、5B、FAX等の通信端末6等)に送信される。
【0090】
このように、タイムセールキャストサーバ1は、店舗登録情報を登録した店舗からのタイムセール情報の発生を、ユーザ登録情報を登録したユーザの利用する通信端末に対して通知し、セール内容メッセージ(広告内容)を提供することができるものである。
【0091】
[携帯電話端末2A、2B、3A、3Bの構成例]
次に、図1に示した広告提供システムで用いられる携帯電話端末2A、2B、3A、3Aの構成の概略について説明する。図6は、この実施の形態の携帯電話端末2A、2B、3A、3Bの構成例を説明するためのブロック図である。この実施の形態において、携帯電話端末2A、2B、3A、3Bのそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、以下においては、携帯電話端末2A、2B、3A、3Bのそれぞれを総称して、携帯電話端末2、3と言う。
【0092】
図6に示すように、この実施の形態の携帯電話端末2、3は、通信ネットワーク7を通じて通信を行う部分として、送受信アンテナ301、送受信処理部302、受話器(スピーカ)303、送話器(マイクロホン)304を備えている。また、ユーザインターフェースを提供する部分として、キー操作部311、表示制御部312、表示部313、音声出力部314、スピーカ315、バイブレータ316を備えている。
【0093】
表示部313は、例えば、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)やLCD(Liquid Crystal Display)等のいわゆる薄型の表示素子が用いられている。また、音声処理部314とスピーカ315とは、着信音や警告音、その他も音声メッセージ等を出力するものである。また、バイブレータ316は、主に着信時に振動を発生させ、着信をユーザに通知するためのものである。
【0094】
また、携帯電話端末2、3は、いわゆるICメモリカードなどの外部メモリ331が着脱可能にされている。また、携帯電話端末2、3は、マイクロホン332、音声入力部333、カメラ部334、放送受信部335、放送受信アンテナ336を備えている。マイクロホン332及び音声入力部333は、例えば、音声によるメモ情報等を集音するためのものである。マイクロホン332を通じて有力された音声信号は、音声入力部333においてデジタル信号に変換され、制御部320を通じて、例えば、外部メモリ331などのメモリに格納される。外部メモリ331などのメモリに格納された音声データは、音声出力部314、スピーカ315を通して再生して聴取することができるようにされる。
【0095】
カメラ部334は、動画や静止画を撮影するためのものであり、撮像レンズ、CCDCharge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子、カメラ信号処理回路などからなる。撮影時においては、カメラ部334を通じて取り込んだ画像を、制御部320、表示制御部312を通じて表示部313の表示画面に表示し、撮影する画像を確認しながら撮影を行うようにすることができるようにされる。
【0096】
また、カメラ部334を通じて撮影した画像データ(動画像データ、静止画像データ)は、制御部320を通じて、例えば、外部メモリ331などのメモリに格納される。外部メモリ331などのメモリに格納された画像データは、表示制御部312、表示部313を通して再生して観視することができるようにされる。また、音声入力部333及びカメラ部334を同時に機能させて、音声データと動画データとを同時に取得し、外部メモリ331に同期を取って再生するコンテンツとして格納することもできるようにされる。
【0097】
なお、外部メモリ331などのメモリに取り込まれた音声データや画像データ(静止画像データや動画像データ)は、タイムセールキャストサーバ1に対してタイムセール情報のセール内容メッセージとして提供することができるようにされる。
【0098】
また、携帯電話端末3は、例えば、ワンセグ等と呼ばれるデジタル放送などを受信して、自機において再生して利用できるようにするための放送受信部335及び放送受信アンテナ336を備えている。放送受信部335及び放送受信アンテナ336を通じて受信選局された放送信号は、この実施の形態の携帯通信端末2、3においては、上述の表示制御部312、表示部313、音声処理部314、スピーカ315を通じて利用することができるようにされる。
【0099】
すなわち、放送受信部335において受信選局された放送信号の内、映像データは、後述する制御部320を通じて表示制御部312に供給され、ここで表示部312に供給する映像信号に変換され、表示部313に供給される。これにより受信した放送信号の映像データに応じた映像が、表示部313の表示画面に表示される。一方、放送受信部335において受信選局された放送信号の内、音声データは、後述する制御部320を通じて音声処理部314に供給され、ここでスピーカ315に供給する音声信号に変換され、スピーカ315に供給される。これにより受信した放送信号の音声データに応じた音声が、スピーカ315から放音するようにされる。
【0100】
さらに、携帯電話端末2、3は、携帯電話端末2、3の各部を制御する制御部320を備えている。制御部320は、CPU321、ROM322、RAM323、EEPROM324が、CPUバス325を通じて接続されて形成されたコンピュータ装置部である。ここで、CPU321は、ROM322やEEPROM324に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM322は、CPU321において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0101】
また、RAM323は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM324は、いわゆる不揮発性メモリであり、携帯電話端末3の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM324には、例えば、機能追加のための新たなプログラム、種々の設定パラメータ、電話帳データ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0102】
このような構成を有する携帯電話端末2、3は、制御部320の制御により、送受信処理部302、送受信アンテナ301を通じて、通信ネットワーク7に情報を送出したり、通信ネットワーク7を通じて送信されてくる自機宛の情報を受信したりすることにより、種々の通信処理を行うことができるようになっている。
【0103】
また、携帯電話端末2、3は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録するようにされたメニューを備えている。当該メニューは、例えば、キー操作部311に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、制御部320が表示制御部312を通じて表示部313の表示画面に表示することができる。そして、制御部320は、キー操作部311を通じてユーザからの当該メニューに含まれる項目の選択入力を受け付け、ユーザによって選択された項目に対応するプログラムを実行することができるようになっている。
【0104】
そして、この実施の形態の携帯電話端末2、3は、店舗登録情報をタイムセールキャストサーバ1に登録した店舗事業者が用いることにより、適宜のタイミングでタイムセールキャストサーバ1にアクセスし、タイムセール等の広告の配信を要求できる店舗事業者用の携帯電話端末2A、2Bとして機能する。この場合の携帯電話端末2A、2Bは、まず、タイムセールキャストサーバ1にアクセスし、タイムセール等の広告のエントリ画面の提供を受け、店舗IDを入力すると、既に登録されている店舗名が表示され、図5を用いて説明したように、配信日時、配信エリア条件、配信対象条件、セール内容メッセージの入力ができるようにされる。
【0105】
ここで、テキスト内容メッセージは、上述もしたように、テキストデータとしたり、マイクロホン332及び音声入力部333を通じて取り込んだ音声データとカメラ部334を通じて取り込んだ画像データ(静止画データ、動画データ)の一方または両方としたりすることもできる。このようにして、携帯電話端末2A、2Bに取り込まれたタイムセール情報(タイムセール等の広告のエントリ情報)は、通信ネットワーク7を通じてタイムセールキャストサーバ1に送信される。
【0106】
また、この実施の形態の携帯電話端末2、3は、ユーザ登録情報をタイムセールキャストサーバ1に登録した一般ユーザが用いることにより、一般ユーザが用いる携帯電話端末3A、3Bとして機能する。そして、当該携帯電話端末3A、3Bを通じて、当該ユーザが必要とするタイムセール情報の提供を受けることができる。すなわち、携帯電話端末3A、3Bは、上述したように、タイムセールキャストサーバ1から送信されるタイムセール情報のセール内容メッセージを含む電子メールの提供を受けることができるようにされる。これにより、携帯電話端末3A、3Bを通じて、広告発生の通知及びセール情報メッセージの配信を受けることができるようにされる。
【0107】
なお、PC5A、5B、FAX装置等の通信機器6A、6Bは、既に用いられているPCやFAX等の通信機器と同様に構成されたものである。
【0108】
このように構成される広告提供システムにおいて、上述した(A)〜(E)に示した広告発生の通知方法(通知経路)と、上述した(1)〜(7)に示した広告内容の配信経路との組み合わせの内、その代表的な組み合わせを用いた2つの実施例について具体的に説明する。以下に説明する第1の実施例は、広告発生を(A)電子メールで通知し、広告内容を(2)電子メール文で提供するものである。また、第2の実施例は、広告の発生を(C)制御信号を送信することで通知し、広告内容を(1)ローカル放送で提供するものである。
【0109】
[第1の実施例]
まず、広告発生を(A)電子メールで通知し、広告内容を(2)電子メール文で提供する第1の実施例について説明する。この第1の実施例においては、上述もしたように、配信先が例えば携帯電話端末3A、3Bであり、電子メールによりタイムセール情報の発生を通知し、電子メールにより広告内容(タイムセール情報のセール内容メッセージ)を配信する。
【0110】
このため、タイムセールキャストサーバ1のセール情報送信制御部105は、ユーザ登録情報の電子メールアドレスを送信先とし、当該タイムセール情報のセール内容メッセージをメールの内容とする電子メールを形成し、これを送信する。これにより、電子メールの送信先の携帯電話端末3A、3Bにおいては、当該電子メールが送信され、所定の電子メールサーバに格納されると、自機宛ての電子メールがあることの通知を受ける。この通知が、タイムセール情報の発生を通知するものとなる。そして、当該携帯電話端末3A、3Bにおいては、電子メールソフトを起動することにより、当該電子メールを表示画面に表示してユーザが見ることができるようにされる。これにより、セール内容メッセージがユーザに提供される。
【0111】
[第1の実施例のタイムセールキャストサーバ1の処理(動作)]
次に、この第1の実施例の広告提供システムにおいて、タイムセール情報を配信するタイムセールキャストサーバ1の処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。図7は、この第1の実施例の広告提供システムのタイムセールキャストサーバ1の処理を説明するためのフローチャートである。この図7に示す処理は、所定のタイミング毎に、タイムセールキャストサーバ1の主に制御部120によって実行するようにされる処理である。
【0112】
タイムセールキャストサーバ1の制御部120は、タイムセール情報ファイル103に格納されているタイムセール情報のうち、送信済みフラグがオフのままの未だ送信されていないタイムセール情報を読み出す(ステップS101)。そして、制御部120は、読み出したタイムセール情報の配信日時と時計回路111の現在日時とを比較し、当該タイムセール情報は配信日時が到来したものか否かを判別する(ステップS102)。このステップS102においては、その後の処理も考慮し、配信日時が例えば数分以内(例えば3分以内)に迫ったタイムセール情報か否かを判別するなどのようにしてもよい。
【0113】
そして、ステップS102の判別処理において、配信日時が到来したタイムセール情報であると判別したときには、制御部120は、配信先抽出部104を制御し、配信先となるユーザのユーザ登録情報を抽出する(ステップS103)。具体的に、ステップS103において、配信先抽出部104は、上述もしたように、当該タイムセール情報の配信エリア条件、配信対象条件、地図DB、店舗登録情報、ユーザ登録情報に基づいて、タイムセール情報の配信元の条件に合致すると共に、タイムセール情報の配信を受けるユーザ側の条件にも合致したユーザ登録情報を抽出する。
【0114】
この後、制御部120は、セール情報送信制御部105を制御し、ステップS103で抽出したユーザ登録情報の電子メールアドレスにより特定される相手先に対して、タイムセール情報のセール内容メッセージを含む電子メールを形成して送信する(ステップS104)。当該電子メールは、制御部120、通信I/F102、接続端子101を通じて通信ネットワーク7に送出され、電子メールアドレスにより特定される相手先に対して送信される。また、ステップS104においては、セール内容メッセージを送信したタイムセール情報の送信済みフラグが送信済みを示す「オン(1)」状態に更新される。
【0115】
この後、制御部120は、当該タイムセール情報は、タイムセール情報ファイル103に格納された最後のタイムセール情報か否かを判別する(ステップS105)。ステップS105の判別処理において、最後のタイムセール情報ではないと判別したときには、ステップS101からの処理が繰り返される。また、ステップS105の判別処理において、最後のタイムセール情報であると判別したときには、図7に示した処理は、終了するようにされ、次の実行タイミングを待つことになる。
【0116】
また、ステップS102の判別処理において、読み出したタイムセール情報が、配信日時の到来したものではないと判別したときには、制御部120は、当該タイムセール情報についての処理は行わずに、ステップS105からの処理を行う。これにより、処理対象を次のタイムセール情報に移すことができるようにされる。
【0117】
なお、ユーザに通知されるセール内容メッセージには、図5(a)にも示したように、種々の情報を含めることが可能である。そして、セール情報送信制御部105は、地図DBから当該店舗の周辺地図を抽出し、これをセール内容メッセージと共に提供することもできるようにされる。また、タイムセールを行う売り場の場所に基づいて、当該売り場は何階の何処に位置するといった、店舗内位置案内を同時に提供することもできるようにされる。
【0118】
また、単に周辺地図を提供するだけなく、タイムセールキャストサーバ1が自機の地図DB113の情報に基づいて、ユーザの現在位置から目的とする店舗までの例えば最短ルートを探索(検索)して、この探索結果のルート情報をユーザの携帯電話端末3に提供することもできる。また、ユーザが用いる携帯電話端末3からの要求に応じて、タイムセールキャストサーバ1が、当該携帯電話端末3の現在位置を示す情報を順次に得て、地図情報や音声情報を携帯電話端末3に提供することにより、目的とする店舗までのルート案内(道案内)を行うようにすることもできる。すなわち、タイムセールキャストサーバ1は、周辺地図の提供や店舗内位置案内の他、ルート探索とルート探索の結果の提供、店舗へのルート案内などをセール内容メッセージの通知と共に行うようにすることもできる。
【0119】
また、タイムセール情報の発生の通知やタイムセール情報の配信を受けるユーザの携帯電話端末3A、3Bは、自機宛ての電子メールが発生した場合の処理が行われる。すなわち、自機宛ての電子メールが発生したことが通知され、メールソフトを起動することによって、当該自機宛ての電子メールを受信して表示部313の表示画面に表示し、見ることができるようにされる。すなわち、この第1の実施例の場合、携帯電話端末3A、3B側においては、従来と同様の電子メールの受信、閲覧処理を行えばよい。
【0120】
[第1の実施例の効果]
このように、この第1の実施例の広告提供システムは、主にタイムセールキャストサーバ1の機能に基づいて、随時に発生するタイムセール情報を、タイムセール情報を提供する側とタイムセール情報の提供を受ける側の双方の条件に合致するように配信することができる。
【0121】
[第1の実施例の変形例]
なお、上述した第1の実施例においては、ユーザ側の端末装置は、携帯電話端末3A、3Bである場合を例にして説明したが、これに限るものではない。ユーザ側の端末装置は、PC5A、5Bや電子メールの受信が可能なデジタルフォトフレーム、PAD型端末装置などの種々の端末装置を用いることができる。
【0122】
[第2の実施例]
次に、広告発生を(C)制御信号を送信することで通知し、広告内容を(1)ローカル放送で提供する第2の実施例について説明する。この第2の実施例においても、説明を簡単にするため、広告発生の通知や広告内容の配信を受ける一般ユーザの通信端末は、携帯電話端末3A、3Bである場合を例にして説明する。
【0123】
タイムセールを行う店舗の店舗事業者は、タイムセールの広告を行う場合、自己の携帯電話端末2A、2Bを用いて、セール情報メッセージとして音声メッセージや商品の画像などからなる放送する音声データや画像データを取り込む(撮影する)。そして、携帯電話端末2A、2Bは、取り込んだ、セール内容メッセージ(音声データ、映像データ及び音声データ)を、自機が利用可能な放送設備9A、9Bに対して例えば通信ネットワーク7を通じて送信して、広告放送を行うようにする。
【0124】
さらに、タイムセールを行う店舗の店舗事業者は、第1の実施例の場合と同様に、自己の携帯電話端末2A、2Bを通じて、タイムセール情報をタイムセールキャストサーバ1に対して送信する。この場合のタイムセール情報は、図5(a)に示したものとほぼ同様のものであるが、セール内容メッセージはローカル放送により提供するため、セール内容メッセージは有しないものである。
【0125】
そして、タイムセールキャストサーバ1は、上述した第1の実施例の場合と同様に、配信日時が到来したタイムセール情報に基づき、指示された配信エリアに位置し、上述した(a)〜(d)の条件に合致するユーザ登録情報を抽出する。そして、抽出したユーザ登録情報により特定される通信端末に対して、広告放送を受信して再生するようにする制御信号を形成し、これをユーザ登録情報の電話番号により特定される携帯電話端末に対して通信ネットワーク7を通じて送信する。当該制御情報は、携帯電話端末3A、3Bの放送受信部332の機能をオンにして、広告放送を放送している所定の放送信号を受信するように制御する情報を含むものである。
【0126】
一方、ユーザの通信端末として用いられる携帯電話端末3A、3Bにおいては、タイムセールキャストサーバ1からの制御信号を受信するためのアプリケーションプログラムが実行するようにされている。したがって、携帯電話端末3A、3Bが、自機宛てのタイムセールキャストサーバ1からの制御信号を受信すると、広告放送を受信するように制御する制御信号を受信したことを、振動や報知音を用いてユーザに通知する。
【0127】
そして、ユーザが、広告放送を受信する所定の操作を行った場合に、携帯電話端末3A、3Bの制御部320は、放送受信部335、表示制御部312、音声出力部314を制御し、セール情報メッセージを放送している放送信号を受信し、これを再生するようにする。これにより、タイムセール情報が放送により提供され、ユーザは自己の通信端末を通じてこれを受信して再生し、ユーザに提供することができるようにされる。
【0128】
[第2の実施例のタイムセールキャストサーバ1の処理(動作)]
次に、この第2の実施例の広告提供システムのタイムセールキャストサーバ1の処理について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。図8は、この第2の実施例の広告提供システムのタイムセールキャストサーバ1の処理を説明するためのフローチャートである。この図8に示す処理は、所定のタイミング毎に、タイムセールキャストサーバ1の主に制御部120によって実行するようにされる処理である。
【0129】
タイムセールキャストサーバ1の制御部120は、タイムセール情報ファイル103に格納されているタイムセール情報のうち、送信済みフラグがオフのままの未だ送信されていないタイムセール情報を読み出す(ステップS201)。そして、制御部120は、読み出したタイムセール情報の配信日時と時計回路111の現在日時とを比較し、当該タイムセール情報は配信日時が到来したものか否かを判別する(ステップS202)。このステップS202においては、その後の処理も考慮し、配信日時が例えば数分後(例えば3分後以内)に迫ったタイムセール情報か否かを判別するなどのようにしてもよい。
【0130】
そして、ステップS202の判別処理において、配信日時が到来したタイムセール情報であると判別したときには、制御部120は、配信先抽出部104を制御し、配信先となるユーザのユーザ登録情報を抽出する(ステップS203)。具体的に、ステップS203において、配信先抽出部104は、上述もしたように、当該タイムセール情報の配信エリア条件、配信対象条件、地図DB、店舗登録情報、ユーザ登録情報に基づいて、タイムセール情報の配信元の条件に合致すると共に、タイムセール情報の配信を受けるユーザ側の条件にも合致したユーザ登録情報を抽出する。
【0131】
この後、制御部120は、セール情報送信制御部105を制御し、ステップS203で抽出したユーザ登録情報の電話番号により特定される相手先に対して、広告放送を受信して再生するようにするための制御信号を形成して送信する(ステップS204)。当該制御信号は、制御部120、通信I/F102、接続端子101を通じて通信ネットワーク7に送出され、電話番号により特定される相手先に対して送信される。また、ステップS204においては、制御情報を送信したタイムセール情報の送信済みフラグが送信済みを示す「オン(1)」状態に更新される。
【0132】
この後、制御部120は、当該タイムセール情報は、タイムセール情報ファイル203に格納された最後のタイムセール情報か否かを判別する(ステップS205)。ステップS205の判別処理において、最後のタイムセール情報ではないと判別したときには、ステップS201からの処理が繰り返される。また、ステップS205の判別処理において、最後のタイムセール情報であると判別したときには、図7に示した処理は、終了するようにされ、次の実行タイミングを待つことになる。
【0133】
また、ステップS202の判別処理において、読み出したタイムセール情報が、配信日時の到来したものではないと判別したときには、制御部120は、当該タイムセール情報についての処理は行わずに、ステップS205からの処理を行う。これにより、処理対象を次のタイムセール情報に移すことができるようにされる。
【0134】
[第2の実施例の携帯電話端末3の処理(動作)]
次に、この第2の実施例の広告提供システムの携帯電話端末3A、3Bの処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下においては、携帯電話端末3A、3Bを総称して、携帯電話端末3と言う。図9は、この第2の実施例の広告提供システムの携帯電話端末3の処理を説明するためのフローチャートである。この図9に示す処理は、携帯電話端末3において実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録されたメニューから、広告放送の自動受信アプリケーションプログラムを選択して実行するようにした場合に、携帯電話端末3の主に制御部320において実行される。
【0135】
携帯電話端末3の制御部320は、送受信アンテナ301、送受信処理部302を通じて、タイムセールキャストサーバ1からの制御情報を受信するようにし(ステップS301)、当該制御情報を受信したか否かを判別する(ステップS302)。ステップS302の判別処理において、タイムセールキャストサーバ1からの当該制御情報を受信していないと判別したときには、制御部320は、ステップS301からの処理を繰り返し、タイムセールキャストサーバ1からの制御情報の受信待ちとなる。
【0136】
ステップS302の判別処理において、タイムセールキャストサーバ1からの当該制御情報を受信したと判別したときには、制御部320は、タイムセールの広告放送があることをユーザに通知する(ステップS303)。具体的に制御部320は、バイブレータ316、音声出力部314、表示制御部312の1つ以上を制御し、振動、スピーカ315からの放音音声、表示部313の表示画面への表示画像の表示により、ユーザに対する通知を行う。
【0137】
この後、キー操作部311に対するユーザからの指示入力を受け付け(ステップS304)、受け付けた指示入力は広告放送の受信を指示するものであるか否かを判別する(ステップS305)。ステップS305の判別処理において、受け付けた指示入力は広告放送の受信を指示するものではないと判別したときには、制御部320は、ステップS301からの処理を繰り返すようにする。
【0138】
また、ステップS305の判別理において、受け付けた指示入力は広告放送の受信を指示するものであると判別したときには、制御部320は、放送受信部332と、再生回路部としての表示制御部312と音声処理部314とを制御して、所定の広告放送を受信して再生するようにする(ステップS306)。当該広告放送は、上述した放送設備9A、9Bから放送されるものであって、タイムセールのセール内容メッセージをその放送内容とするものである。
【0139】
この後、制御部320は、キー操作部311を通じてユーザからの指示入力を受け付けるようにし(ステップS307)、終了指示を受け付けたか否かを判別する(ステップS308)。ステップS308において、終了指示を受け付けていないと判別した場合には、受付や指示入力に応じた処理を行い(ステップS309)、この後、ステップS307からの処理を繰り返すようにする。なお、ステップS309において、受け付けた指示入力に応じた処理は、音量調整や画質調整などが行われることになる。
【0140】
そして、ステップS308の判別処理において、終了指示を受け付けたと判別したときには、放送受信部332、映像制御部312、音声処理部314を制御して、当該広告放送の受信、再生処理を終了させ(ステップS310)、この後、ステップS301からの処理を繰り返すようにする。
【0141】
このようにして、携帯電話端末3のユーザは、必要なタイムセールの情報の提供を受けたい場合には、広告放送の自動受信アプリケーションプログラムを実行させておく。これにより、当該携帯電話端末3においては、タイムセールキャストサーバ1からの制御情報に応じて、自動的に必要なタイムセールについての情報を広告放送により提供を受けることができるようにされる。
【0142】
なお、図9に示した処理を終了させる場合には、携帯電話端末3における所定のメニューから、広告放送の自動受信アプリケーションプログラムの終了を選択することにより、図9に示した当該広告放送の自動受信アプリケーションプログラムが終了するようにさされる。
【0143】
[第2の実施例の効果]
このように、この第2の実施例の広告提供システムは、タイムセールのセール内容メッセージは、広告放送により提供されるが、当該広告放送が行われることの通知は、タイムセールキャストサーバ1からの制御情報により行うことができるようにされる。したがって、この第2の実施例の広告提供システムにおいても、タイムセールキャストサーバ1の機能に基づいて、随時に発生するタイムセール情報を、タイムセール情報を提供する側とタイムセール情報の提供を受ける側の双方の条件に合致するように配信することができる。
【0144】
[第2の実施例の変形例]
第2の実施例においては、タイムセールキャストサーバ1からの広告放送の受信、再生を制御する制御信号を受信した場合に、まず、これをユーザに通知し、ユーザが広告放送を受信することを指示した場合に、広告放送の受信、再生を行うようにした。しかし、これに限るものではない。タイムセールキャストサーバ1からの制御情報により、携帯電話端末3において、自動的に広告放送の受信、再生を行うようにすることもできる。
【0145】
また、放送設備9A、9Bから行う放送用の音声データや映像データ及び音声データは、例えば、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの光ディスクや磁気テープ等の記録媒体に記録して、これを放送設備9A、9Bに持ち込むようにしてもよい。
【0146】
また、ユーザ側の端末装置は、携帯電話端末3A、3Bである場合を例にして説明したが、これに限るものではない。ユーザ側の端末装置は、通信機能のローカル放送の受信機能を備えたPC5A、5BやPAD型端末装置などの種々の端末装置を用いることができる。
【0147】
[広告発生の通知方法と、広告内容の配信経路を組み合わせの他の例]
上述もしたように、広告発生の通知方法と、広告内容の配信経路とは種々の組み合わせが可能である。例えば、電子メールにより、ローカル放送によりセール内容メッセージが放送されていることを通知し、ユーザが受信機を備えた端末装置を用いて、当該ローカル放送を受信して利用できるようにしてもよい。また、電子メールにより、セール内容メッセージを示すWebページやセール内容メッセージを示す音声データと画像データ(静止画データ、動画データ)との一方または両方がタイムセールキャストサーバ1に蓄積されていることを通知する。
【0148】
そして、ユーザが自己の端末装置を用いて、タイムセールキャストサーバ1にアクセスし、Webページや音声データと画像データの一方または両方により表現されたセール情報メッセージの提供を受けるようにすることもできる。この場合、Webページや音声データと画像データの一方または両方の所在を示すURLを当該電子メールにより通知してもよいし、事前にユーザに対して通知しておいたURLを用いるようにすることもできる。
【0149】
また、ユーザのFAX端末に対してセール内容メッセージを送信すること、あるいは、したことを、電子メールによりユーザに通知し、当該ユーザが自己のFAX装置に送信されたセール内容メッセージを取得できるようにすることもできる。
【0150】
同様に、タイムセールキャストサーバ1側からユーザの携帯電話端末や固定電話端末に対して電話をかけて、TTSやオペレータの肉声により、タイムセール情報の発生と、セール内容メッセージの配信経路を通知してもよい。これに応じて、電子メールで通知された場合と同様に、ユーザが自己の端末装置を用いて、セール情報メッセージの提供を受けることができるようにされる。
【0151】
また、上述した第2の実施例の場合と同様に、例えば、ブラウザ(閲覧ソフト)により閲覧ができるようにされたセール内容メッセージがあることを通知すると共に、ブラウザを機能させるようにする制御信号をユーザの端末装置に送信する。そして、ユーザがブラウザを立ち上げる操作を行った場合に、ブラウザを立ち上げ、当該セール内容メッセージを閲覧できるようにすることも可能である。
【0152】
そして、上述したように、電子メールにより、電話通信による音声により、ユーザ端末側の専用アプリケーション用の制御信号により、タイムセール情報の発生の通知を行う場合、その通知先は、店舗側の条件とユーザ側の条件とに応じて抽出される。したがって、タイムセール情報を提供する側とタイムセール情報の提供を受ける側の双方の条件に合致するように配信することができる。
【0153】
また、上述もしたように、テレビ用セットトップボックスで受信される放送画像に挿入されるテロップを用いて、タイムセール情報の発声を通知することもできる。この場合、タイムセールキャストサーバ1が、ケーブルテレビの放送局に対して、目的とするエリアのケーブルテレビ放送の受信契約者が受信する画像情報に対して、タイムセール情報が発生したことを通知するテロップを挿入することを依頼する。
【0154】
ケーブルテレビの放送局は、当該以来に応じて、目的とするエリアのケーブルテレビ放送の受信契約者が受信する画像情報に対して、タイムセール情報が発生したことを通知するテロップを挿入する。これにより、当該エリアにおいて、当該ケーブルテレビ放送を受信して視聴しているユーザに対して、タイムセール情報の発生を通知することができる。そして、ユーザは、自己の端末装置を用いて、上述した配信経路を通じて配信されるセール内容メッセージを取得することができるようにされる。
【0155】
なお、ケーブルテレビ放送の場合には、ケーブルを通じて放送信号を送信するものであるため、所定の地域毎に、あるいは、受信契約者毎に異なる放送信号を配信することができる。このため、タイムセールキャストサーバ1からケーブルテレビの放送局に配信エリアや受信契約者を指示するようにして、タイムセールを行う店舗事業者の意図する相手先に対してタイムセール情報の発生を通知することができる。
【0156】
このように、広告発生の通知方法と、広告内容の配信経路とは種々の組み合わせが可能であり、(A)〜(E)の広告発生の通知方法の1つ以上と、(1)〜(7)の広告内容の配信経路の1つ以上を用いて、タイムセールの広告を柔軟に配信することができるようにされる。
【0157】
[各実施の形態の効果等]
店舗事業者は、タイムセールを在庫リスク軽減の他に、販売促進イベントとして活用することができる。また、チラシ特売などの従来の広告の他に、臨機応変に特売を繰り出せ、かつ、店舗外の顧客にもタイムセール等の広告を通知することができるので、販売効率が飛躍的に高まる。
【0158】
店舗の近所に居住または位置していれば、自己の通信端末へのタイムセールの呼びかけに応じて店舗に足を運べば良いので、無駄に店舗内にいなくても済む。また、たまたま、タイムセールを行う店舗の近くを通りかかっただけの一元の顧客であっても、タイムセールキャストサーバ1にユーザ登録しているユーザであれば、セール内容メッセージの提供を受けることができるので、新規の顧客の獲得にも繋がる。
【0159】
チラシ、店内放送、販売員による販売(勧誘)に続く、第4の販売方法を提供することができる。また、ユーザの通信端末に対して、セール内容メッセージ等を通知する構成となっているので、いわゆる携帯クーポンのようなクーポン券、サービス券、割引券などを通信端末に対して送信し、販売の促進に繋げることができる。
【0160】
また、タイムセールに限らず、種々のイベントの開催を随時に配信することができるなど、種々の広告を配信することができる。すなわち、タイムセール用途のみならず、AR(Augmented Realty)ではないが、移動に合わせて周辺の店舗の価格情報等をTPOに合わせてユーザの通信端末に次々とプッシュされてくる仕組みを実現することができる。
【0161】
また、ユーザ登録情報は、例えば、ユーザの使用する携帯電話端末等の端末装置からユーザが随時に変更、削除可能な仕組みとし、ユーザ登録情報の配信希望時間帯、通知ジャンル指定、知店舗指定などの指示情報(TOP情報)をユーザが随時に変更したり、セール情報メッセージの配信を停止させたりすることも容易にできるようにされる。
【0162】
また、タイムセールキャストサーバ1において、タイムセール情報ファイル103に格納したタイムセール情報を、同じ商品、同じ配信日時であれば、価格の安い順にタイムセール情報を並び替え、配信の優先順位を変えるようにすることもできる。同様に、所定のエリアの所定の位置を基準として、タイムセールを行う店舗の位置の近い順にタイムセール情報を並び替え、配信の優先順位を変えるようにすることもできる。
【0163】
また、タイムセール情報に商品の保証期間を示す情報を付加するようにして、保証期間の長い順にタイムセール情報を並び替え、保証期間の長い順にタイムセール情報を配信するなどといったことも可能となる。すなわち、タイムセール情報ファイル103に格納された未配信のタイムセール情報について、当該タイムセール情報が有する情報に基づいて並べ替え、同じ配信日時に配信するものであっても、ユーザに提供するセール情報の提供順を制御するようにすることもできる。
【0164】
また、上述もしたように、タイムセールキャストサーバ1においては、リアルタイムにユーザ登録情報を参照し、当該ユーザ登録情報の指示情報に合わせたセール内容メッセージを店舗事業者側がプッシュすることができる。
【0165】
また、上述した実施の形態では、店舗事業者が指定したエリアに現在位置が有る通信端末に対して、セール内容メッセージ等を送信するものとして説明したが、これに限るものではない。例えば、何処にいてもタイムセール情報のセール内容メッセージの提供を受けたい場合には、ユーザ登録情報に現在位置を無視するフラグを立てておくようにする。そして、タイムセールキャストサーバ1は、当該フラグがオンの場合には、そのユーザの通信端末の現在位置が何処にあっても、ユーザが求めるセール内容情報を送信するようにすることもできる。
【0166】
また、タイムセールを行う予定やイベントを行う予定が予めたっているときには、その予定に合わせて配信日時の未来指定を行ったタイムセール情報を形成し、事前にタイムセールキャストサーバ1に送信してタイムセール情報ファイル103に登録しておくこともできるようにされる。
【0167】
また、上述もしたが、タイムセールを行っても、目的とする売り上げが達成できていない場合には、タイムセール情報の提供に関する条件情報を変更した新たなタイムセール情報を形成してタイムセールキャストサーバ1に送信する。そして、タイムセールのセール内容メッセージを送信するエリアを拡大したり、さらに値引きを行う旨を内容とするセール内容メッセージを送信したりするなどして、タイムセール等を柔軟に行うことができるようにされる。
【0168】
[この発明の装置、システム、方法]
上述した実施の形態からも分かるように、タイムセールキャストサーバ1がこの発明の広告提供サーバの一実施の形態が適用されたものである。また、図1を用いて説明した広告提供システムが、この発明の広告提供システムの一実施の形態が適用されたものである。そして、図1を用いて説明した広告提供システムで行われる広告の配信方法が、この発明の広告配信方法である。具体的には、主に、図7〜図9のフローチャートを用いて説明した処理が、この発明の方法が適用されて実現されたものである。
【0169】
[その他]
また、上述した実施の形態のタイムセールキャストサーバ1において、ユーザDB113がユーザ登録情報記憶手段の機能を実現し、主に通信I/F102と制御部120とが、広告情報受付手段としての機能を実現している。また、タイムセールキャストサーバ1において、配信先抽出部104が抽出手段としての機能を実現し、セール情報送信制御部105が通知制御手段としての機能を実現し、現在位置更新処理部106が現在位置更新手段の機能を実現している。
【0170】
また、上述した実施の形態においては、ユーザが用いる通信端末が携帯電話端末の場合には、電話会社側の位置管理サーバ8により管理される各携帯電話端末の現在位置情報を用いるものとして説明したが、これに限るものではない。近年においては、GPS(Global Positioning System)機能が搭載された携帯電話端末も種々提供されている。そして、GPS機能を用いて携帯電話端末の現在位置を定期的に測位し、この測位情報を電話会社側に送信することにより、電話会社側より携帯電話端末の現在位置に応じた店舗の紹介情報等を提供するといったサービスも行われている。このような携帯電話端末の現在位置に応じた情報提供サービスを受けるようにしている携帯電話端末の場合には、当該携帯電話端末からのGPS情報をタイムセールキャストサーバ1におけるユーザ登録情報の現在位置情報として管理するようにしてもよい。携帯電話端末からのGPS情報は、電話会社側のシステムを通じて提供を受けることができる。
【0171】
また、ユーザが用いる携帯電話端末がGPS機能を備えている場合には、各店舗の使用頻度(利用頻度)をも考慮して、セール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにすることもできる。具体的には、GPS機能を用いて携帯電話端末の現在位置を定期的に測位し、この測位情報を例えばタイムセールキャストサーバ1に送信する。タイムセールキャストサーバ1では、携帯電話端末からの現在位置と地図DB114の情報に基づき、店舗毎に、来店客数を管理する。
【0172】
そして、タイムセール情報が複数発生した場合に、タイムセールキャストサーバ1は、来店客数の多い店舗順に、セール内容メッセージを配信するようにすることができる。この場合には、タイムセールキャストサーバ1に対して登録しているユーザに対して、人気のある店舗(来店者の多い店舗)からのセール内容メッセージを優先して配信することができる。
【0173】
また、上述のようにして、タイムセールキャストサーバ1が、ユーザの携帯電話端末から送信されてくる現在位置と地図DB114の情報に基づき、ユーザ毎であって、店舗毎に、当該ユーザが来店した回数(店舗の使用頻度)を管理する。そして、配信するタイムセール情報が同時期に複数存在している場合に、タイムセールキャストサーバ1は、ユーザ毎であって店舗毎の使用頻度をも考慮して、ユーザ毎に配信するタイムセール情報に応じたセール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにする。
【0174】
すなわち、タイムセールキャストサーバ1が、ユーザ毎に、タイムセール情報の発生元の店舗についての使用頻度(来店回数)を考慮して、セール内容メッセージの配信順を変えるようにする。このようにすることによって、ユーザは自分がよく利用する使用頻度の高い店舗からのセール内容メッセージの配信を優先して受けることができるようにされる。
【0175】
また、配信するタイムセール情報が同時期に複数存在している場合に、タイムセールキャストサーバ1が、季節に応じてセール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにすることもできる。例えば、12月には、クリスマス用品やお正月用品についてのセール内容情報を優先して配信したり、3月には入学用品についてのセール内容メッセージを優先して配信したりすることができる。
【0176】
また、タイムセールキャストサーバ1が、セール内容メッセージの配信時などの所定の時点における天気、気温、季節等の気象条件に基づいて、セール内容メッセージの配信の優先度を変えるようにすることもできる。すなわち、タイムセールキャストサーバ1は、通信ネットワーク7に接続された気象サーバ等から、当日、翌日の天気予報や週間天気予報など、種々の気象情報を取得することができる。
【0177】
そこで、タイムセールキャストサーバ1は、7月、8月に、午後の気温が上がる、あるいは、夜の気温が高いまま下がらないといった予測がある場合には、ビールやアイスクリームなどに関するセール内容情報を優先して配信するとったことができる。また、12月、1月、2月に、雪が降ることが予測されている場合には、スノーブーツ、手袋などの防寒具のセール内容メッセージを優先して配信するといったこともできるようにされる。すなわち、どの季節のどのような気象条件のときに、どのようなセール内容メッセージを優先して配信するかを決めておくことにより、気象条件とセール内容メッセージに応じて、優先的に配信するセール内容メッセージを特定して配信することができる。
【0178】
また、季節や気温などに関係なく、夕方に雨が降ることが予測される場合には、セール内容メッセージの配信時間を自動的に所定時間早めるようにすることもできる。逆に、夜に天気が回復することが予測される場合には、セール内容メッセージの配信時間を自動的に所定時間遅くしたりすることもできる。
【0179】
また、上述した実施の形態においては、ユーザが用いる端末装置として、主に携帯電話端末を用いる場合を例にして説明した。しかしこれに限るものではない。例えば、通信機能を備えると共に、比較的に大きな表示画面とタッチパネルとを備えたいわゆるパッド型情報処理装置、タブレット型情報処理装置、通信機能を備えたデジタルフォトフレームなど、少なくとも情報の受信機能を備えた種々の端末装置を用いる場合に、この発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0180】
1…タイムセールキャストサーバ、101…接続端子、102…通信I/F、103…タイムセール情報ファイル、104…配信抽出部、105…セール情報送信制御部、106…現在位置更新処理部、111…時計回路、112…店舗DB、113…ユーザDB、114…地図DB、120…制御部、121…CPU、122…ROM、123…RAM、124…EEPROM、125…CPUバス、2、2A、2B…携帯電話端末(店舗事業者用)、3、3A、3B…携帯電話端末(一般ユーザ用)、301…送受信アンテナ、302…送受信処理部、303…受話器(スピーカ)、304…送話器(マイクロホン)、311…キー操作部、312…表示制御部、313…表示部、314…音声処理部、315…スピーカ、316…バイブレータ、320…制御部、321…CPU、322…ROM、323…RAM、324…EEPROM、325…CPUバス、331…外部メモリ、332…マイクロホン、333…音声入力部、334…カメラ部、335…放送受信部、336…放送受信アンテナ、4…基地局、5A、5B…PC(パーソナルコンピュータ)、6…FAX装置等の通信端末、7…通信ネットワーク、8…位置管理サーバ、9A、9B…放送設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と、広告の提供先となるユーザの通信端末を特定する提供先情報とを含むユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶手段と、
少なくとも提供に関する条件情報を含む広告情報を受け付ける広告情報受付手段と、
受け付けた前記広告情報の前記条件情報に合致する前記指示情報を有するユーザ登録情報を抽出する抽出手段と、
抽出された前記ユーザ登録情報の前記提供先情報により特定される通信端末に対して広告情報が発生したことを通知するように制御する通知制御手段と
を備えることを特徴とする広告提供サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の広告提供サーバであって、
前記提供に関する条件情報には、広告を提供するエリアに関するエリア情報を含めることができるようにされており、
前記指示情報の1つとしてユーザの前記通信端末の現在位置を示す情報を、前記ユーザ登録情報記憶手段に登録されたユーザ登録情報に更新する現在位置更新手段を備え、
前記抽出手段は、前記提供に関する条件情報の前記エリア情報と前記指示情報の1つである前記通信端末の現在位置とを考慮して、前記エリア情報により特定されるエリアに位置する通信端末のユーザのユーザ登録情報を抽出する
ことを特徴とする広告提供サーバ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の広告提供サーバであって、
前記提供に関する条件情報には、広告を配信する時刻に関する配信時刻情報を含めることができるようにされており、
前記ユーザ登録情報の前記指示情報は、広告の提供を許可する時間帯を示す許可時間帯情報を含み、
前記抽出手段は、前記配信時刻情報が示す時刻を含む前記許可時間帯情報を有する前記ユーザ登録情報を抽出することができるものであり、
前記送信制御手段は、前記配信時刻情報に応じた時刻に情報の送信を行うようにすることを特徴とする広告提供サーバ。
【請求項4】
広告提供サーバとユーザが用いる端末装置とによって形成される広告提供システムであって、
前記広告提供サーバは、
ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と、広告の提供先となるユーザの通信端末を特定する提供先情報とを含むユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶手段と、
少なくとも提供に関する条件情報を含む広告情報を受け付ける広告情報受付手段と、
受け付けた前記広告情報の前記条件情報に合致する前記指示情報を有するユーザ登録情報を抽出する抽出手段と、
抽出された前記ユーザ登録情報の前記提供先情報により特定される通信端末に対して広告情報の発生を通知するように制御する通知制御手段と
を備え、
前記端末装置末は、
前記広告提供サーバから通知するようにされる前記広告情報が発生したことの通知を受け付ける受け付け手段と、
前記広告情報が発生したことの通知を受け付けた場合に、これを出力する出力手段と
を備える広告提供システム。
【請求項5】
広告提供サーバとユーザが用いる端末装置とによって形成される広告提供システムの前記広告提供サーバで用いられる広告提供方法であって、
前記広告提供サーバは、ユーザの目的に応じて広告の提供を受けるようにするための指示情報と、広告の提供先となるユーザの前記通信端末を特定する提供先情報とを含むユーザ登録情報を記憶するユーザ登録情報記憶手段を備えるものであり、
広告情報受付手段を通じて、提供に関する条件情報と、広告内容を示す情報を含む広告情報を受け付ける広告情報受付工程と、
受け付けた前記広告情報の前記提供に関する条件情報に合致する前記指示情報を有するユーザ登録情報を抽出手段が抽出する抽出工程と、
通知制御手段が、抽出された前記ユーザ登録情報の前記提供先情報により特定される通信端末に対して広告情報が発生したことを通知するように制御する通知制御工程と
を有することを特徴とする広告提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−160032(P2012−160032A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19395(P2011−19395)
【出願日】平成23年2月1日(2011.2.1)
【出願人】(500578216)株式会社ゼンリンデータコム (231)
【Fターム(参考)】