説明

広告用フレーム付きコンテナ

【課題】 広告の表示状態または非表示状態を容易に選択することが可能な広告用フレームを備えたコンテナの提供
【解決手段】 天板26を有する略直方体のコンテナ体2の上部の四つの端辺において、ヒンジ4a,4b,4c,4dにより回動自在に軸支されることによって、立設状態と、倒設状態とをとることが可能な広告用フレーム3a,3b,3c,3dと、立設状態において広告用フレーム3a,3b,3c,3dを互いに掛止する掛合部材5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納式広告を備えるコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の発明は、運送会社にはリアルタイムな配車等の車輌管理を可能にし、広告主には通過ルート実績を提示することができるトラック移動看板広告システムを提供することを課題とし、広告主獲得に必要な要素の運行表を提示することと運行実績記録及び提示に必要な位置検出装置3をトラック1に備え、広告主の要望に応じて実績を提示できる管理センター4を設置したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−86152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の発明は、看板広告を付したトラックの運用に関するものであり、コンテナの上部を広告を設置する空間として有効利用するという意図があるものではない。
【0005】
そこで本発明は、コンテナの上部を広告を設置する空間として有効利用し、その利便性の向上を図った広告用フレーム付きコンテナを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、請求項1の発明は、コンテナの上部において回動自在に軸支されることにより、立設状態と、倒設状態とをとることが可能な広告用フレームを備えたことを特徴とする広告用フレーム付きコンテナである。
【0007】
本発明は、前記コンテナが略直方体であって、前記広告用フレームが前記コンテナの上部の四つの端辺に設けられたことを特徴とすることが好ましい。
【0008】
このとき、前記広告用フレームの側辺に掛止部材を備えることにより、立設状態において四つの前記広告用フレームを互いに掛止することが好ましい。
【0009】
前記広告用フレームとは、任意の広告を貼設や張設などにより設置可能な枠体のことである。ここでいう広告とは、商業的に用いられる広告看板のみならず、例えば案内図等の表示を広く含むものである。
【0010】
前記コンテナは、例えば、前板、後板、左側板、右側板、底板、および天板を有する略直方体のコンテナが挙げられるが、その他の形状のコンテナを広く含む。例えば天板を有しないものや略円筒状のものであっても本発明は適用され得る。また、コンテナは輸送の他、設置状態における倉庫や仮設事務所、トイレ等、様々な用途に用いられるが、このようなコンテナの使用用途を問わず、本発明は適用可能である。
【0011】
本発明は、上部受けレールと下部受けレールとを有することにより広告の差込みを案内し、組立分解自在に設けられる広告用フレームを備えることを特徴とする広告用フレーム付きコンテナである。
【0012】
本発明は、コンテナの上部に設けられたコンテナ本体取付けプレートと、該取付けプレートに着脱自在に取り付けられる支柱取付けプレートと、該支柱取付けプレートに固定される支柱と、該支柱に着脱自在に横架される横材と、を有し、前記支柱および前記横材に着脱自在に広告を設置することを特徴とする広告用フレーム付きコンテナである。
【0013】
これら本発明についても、前記コンテナが略直方体であって、前記広告用フレームが前記コンテナの上部の四つの端辺に設けられたことを特徴とすることが好ましい。
【0014】
四つの前記広告用フレームのうち、長辺に位置して対向する二つの広告用フレームがターンバックルを介して連結されることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の広告用フレーム付きコンテナによれば、コンテナの上部の空間を用いて広告を設置することができる。この広告を設置する広告用フレームが折り畳み可能なことにより、コンテナの移動等の必要な時は広告の表示を行わないこともできる。広告用フレームの設置は低コストかつ軽量に可能であり、また、折り畳みや分解の操作は簡易である。広告用フレームをコンテナの上部の四つの端辺に設けることとすれば、コンテナの全周の角度から視認可能に広告を設置することができ、また、四つの広告用フレームを互いに掛止または張設することにより、簡易な構造で立設状態に固縛することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態による広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが立設状態の正面図である。
【図2】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが立設状態の背面図である。
【図3】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが立設状態の左側面図である。
【図4】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが立設状態の平面図である。
【図5】(a)は同実施形態の図1に示すヒンジ4aのA部拡大図である。(b)は掛合部材5のB部拡大図である。
【図6】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが倒設状態の背面図である。
【図7】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a〜3dが倒設状態の平面図である。
【図8】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3dの折り畳みの状態を表す背面図である。
【図9】同実施形態の変形例の広告用フレーム3´を示す背面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム230を組み立てた状態の正面図である。
【図11】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム230を組み立てた状態の背面図である。
【図12】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム230を組み立てた状態の左側面図である。
【図13】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム230を組み立てた状態の平面図である。
【図14】同実施形態の広告用フレーム230を組み立てた状態の左側面図である。
【図15】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム230を分解して取り外した状態の平面図である。
【図16】図13における広告用フレーム230のA−A断面図である。広告用フレーム230bおよびコンテナ220の下部の図示は省略している。
【図17】本発明の第3実施形態による広告用フレーム付きコンテナ301の広告用フレーム330を組み立てた状態の正面図である。広告用フレーム330は組み立てた状態であり、コンテナ体320は上部のみを図示している。以下の図についても同様である。
【図18】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム330を組み立てた状態の左側面図である。
【図19】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム330を組み立てた状態の平面図である。
【図20】同実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201の広告用フレーム330を分解して取り外した状態の平面図である。
【図21】図19における広告用フレーム330のB−B断面図である。広告用フレーム330bおよびターンバックル375bの図示は省略している。
【図22】図19における広告用フレーム330のC−C断面図である。広告用フレーム330cおよびターンバックル375c〜375fの図示は省略している。
【図23】図18において、広告用フレーム330cに広告シート380を取り付けた状態の図である。
【図24】コンテナ脱着装置付車両11に広告用フレーム付きコンテナ1が脱着される様子を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の好適な一実施形態である広告用フレーム付きコンテナについて図面を参照して説明する。第1実施形態である広告用フレーム付きコンテナ1は、図1〜図8に示す通り、コンテナ体2に広告用フレーム3a,3b,3c,3dを回動自在に設けたものである。以下、各部について説明する。
【0018】
コンテナ体2は、前板21、後板22、左側板23、右側板24、底板25、および天板26からなる略直方体のものである。前板21には、コンテナ脱着装置付車両11のアーム12のフック13と係脱自在な略U字状の移動用部材27が設けられている。その他、コンテナ体2には、コンテナ脱着装置付車両のピンを備える固縛装置(図示略)に固縛するため、底板25に設けられる例えば環状の被固縛部材(図示略)、前脚28、後側ローラ29、積載を円滑にする案内部材30がそれぞれ設けられている。コンテナ1はコンテナ前後方向からコンテナ脱着装置付車両に積みおろしするものである。コンテナ1は、これには限定されず、移動用部材27、前脚28、後側ローラ29や案内部材30の脱着用装置を設けずにコンテナ脱着装置付車両の側面や後面からクレーン等を用いて積みおろしするものでも良い。
【0019】
広告用フレーム3a,3b,3c,3dは、それぞれ、前板21、後板22、左側板23、右側板24の上端部において、ヒンジ4a,4b,4c,4dにより回動自在に軸支される。ヒンジ4aとヒンジ4bは同じ高さに設けられ、ヒンジ4c,4dはヒンジ4a,4bよりも高い位置に設けられる。また、ヒンジ4cはヒンジ4dよりも高い位置に設けられる。
【0020】
ヒンジ4a,4b,4c,4dは、図4、図5(a)および図7に示す通り、それぞれ前板21、後板22、左側板23、右側板24の上端部に設けられる固定ブッシュ43と、固定ブッシュ43に嵌挿して固定される固定軸41と、固定軸41に回動自在に嵌挿され広告用フレーム3a,3b,3c,3dの下端部に固定される回動ブッシュ42と、からなる。ヒンジ4a,4b,4c,4dはそれぞれ、一つの固定軸41に対して適宜間隔で複数個が設けられる。このヒンジ4a,4b,4c,4dにより、広告用フレーム3a,3b,3c,3dは天板26上で回動自在に設けられることとなる。なお、固定軸41を固定ブッシュ43に対して回動自在な回動軸として設け、回動ブッシュ42をその回動軸に固定する固定ブッシュとして設ける等してもよい。
【0021】
広告用フレーム3a,3b,3c,3dは、図7に示す通り、それぞれ枠体31および広告用部材32を備える。広告用部材32は、枠体31に固設される薄板状部材であり、これに適宜、広告を貼設することができる。広告用部材32は、薄板状部材として別途設けなくとも、枠体31に直接、広告板を設置することとしてもよい。広告は任意のものを選択することができ、案内表示等の使用用途により本発明の適用が妨げられることはない。
【0022】
広告用フレーム3a,3b,3c,3dは、それぞれ掛合部材5を有する。掛合部材5は、図5(b)に示す通り、掛止フック51と掛止環52からなる部材であって、広告用フレーム3a,3b,3c,3dを立設状態に保つためのものである。よって、掛止フック51と掛止環52はそれぞれ、広告用フレーム3a,3b,3c,3dのうち、立設状態において隣り合う側辺において、互いに掛合する位置に設けられる。広告用フレーム3a,3b,3c,3dの折り畳み状態についてもこれを固定するエビ金ハンドル等の部材(図示略)を用いる。
【0023】
広告用フレーム付きコンテナ1の使用について説明する。広告表示をするときは、図1〜図4に示す通り、広告用フレーム付きコンテナ1の広告用フレーム3a,3b,3c,3dをヒンジ4a,4b,4c,4dの回動により立設させて固定する。固定は、広告用フレーム3a,3b,3c,3dのうち、隣り合う掛止フック51と掛止環52とからなる掛合部材5により行う(図5(b)参照)。広告用フレーム3a,3b,3c,3dを折り畳むときは、掛合部材5の掛合を外し、広告用フレーム3a,3bを折り畳み、次に広告用フレーム3dを折り畳み、最後に広告用フレーム3cを折り畳む。これらの折り畳む順番は、ヒンジ4a,4b,4c,4dの取り付け高さの差によるものである。参考として広告用フレーム3dを折り畳む様子を図8に示す。広告用フレーム3a,3b,3c,3dを折り畳んだ状態では、コンテナ脱着装置付車両11に広告用フレーム付きコンテナ1を搭載し移動することができる。このときには、図24に示す通り、移動用部材27にフック13を掛け、アーム12によって広告用フレーム付きコンテナ1を長手方向に移動させてコンテナ脱着装置付車両11に広告用フレーム付きコンテナ1を搭載する。
【0024】
広告用フレーム付きコンテナ1の変形例として、広告用フレーム3´の一つのみを設置する広告用フレーム付きコンテナ1´を説明する。図9に示す通り、広告用フレーム3´は、上述のものと同様にヒンジ4´によりコンテナ体2に回動自在に軸支されるものである。広告用フレーム3´は、折畳式支持骨35により、立設状態で支持固定される。折畳式支持骨35は、ヒンジ36により広告用フレーム3´の水平部分に回動自在に軸支されている。折畳式支持骨35は、その他、天板26に回動自在に軸支されるヒンジ37と、中間部に回動自在に軸支されるヒンジ38とを有する。広告用フレーム3´を折り畳むときは、ヒンジ36〜38により折畳式支持骨35とともに折り畳む。
【0025】
広告用フレーム付きコンテナ1の効果について説明する。広告用フレーム付きコンテナ1によれば、コンテナ体2の上部空間を利用して広告を簡易に設置することができる。すなわち、広告を設置する広告用フレーム3a〜3dは折り畳み自在に構成されているので、広告を表示する際には、広告用フレーム3a〜3dを立設し、コンテナ移動時等に広告を収納したいときには、広告用フレーム3a〜3dを折り畳んで倒設すればよいため、広告をその都度取り外す必要がなく便利である。また、この折り畳みの操作には特別な器具を必要とすることもなく、簡易に行うことができる。さらに、移動用部材27、前脚28、後側ローラ29や案内部材30の脱着用装置を用いれば、広告用フレーム付きコンテナ1の移動を円滑に行うことができる。広告用フレーム付きコンテナ1は、広告用フレーム3a〜3dをコンテナ体2の上部において四方向に設置するので、全方位から広告を視認可能であり、広告の機能を高めることができる。また、掛合部材5により、広告用フレーム3a〜3dを互いに掛止することにより、簡易な構造で立設状態に固縛することができる。
【0026】
第2実施形態について図10〜図16を用いて説明する。第2実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201は、広告用フレーム230への差込みにより広告体280(図16参照)を自在に交換するとともに、広告用フレーム230を組立分解自在にすることにより収納を容易とするものである。本実施形態による広告用フレーム付きコンテナ201のうちコンテナ体220は、第1実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1のコンテナ体2と共通するため部品番号を200番台とし、共通する部品の説明はこれを援用する。
【0027】
広告用フレーム230は、広告体280の上辺を受ける上部受けレール240と、広告体の下辺を受ける下部受けレール250と、上下継材260とを備え、コンテナ201の天板226の四つの端辺に設けられる。この四つの端辺に設けられる広告用フレーム230をそれぞれ広告用フレーム230a,230b,230c,230dとする。広告用フレーム230を構成する各部材はボルト締結により組立分解自在に構成されている。
【0028】
上部受けレール240は、広告用フレーム230の組立時において下方が開口するコ字状の断面形状を有するレール状の部材である。上部受けレール240は、図10、図12に示す通り、コンテナ体220の天板226の長辺に位置する上部受けレール241,242と、天板226の短辺に位置する上部受けレール243がある。上部受けレール241,242はそれぞれ組立分解自在に連結する対称形の部材である。
【0029】
下部受けレール250は、広告用フレーム230の組立時において上方が開口するコ字状の断面形状を有するレール状の部材である。下部受けレール250は、図10、図11、図12に示す通り、天板226の長辺に位置する下部受けレール251,252と、天板226の短辺に位置する下部受けレール253,254がある。下部受けレール251,252はそれぞれ組立分解自在に連結する対称形の部材である。
【0030】
上下継材260は、上部受けレール240と下部受けレール250とを組立分解自在に連結する部材である。上下継材260は、図10〜図13に示す通り、天板226の四つの角部に位置し上下方向に延び出す角部上下継材261と、天板226の長辺の中間部に位置し上下方向に延び出す中間上下継材262,263(図13参照)がある。角部上下継材261はL字状の横断面形状を有し、上部において上部受けレール241,242および上部受けレール243を組立分解自在に連結し、下部において下部受けレール251,252および下部受けレール253,254を組立分解自在に連結する。中間上下継材262,263は、上部において上部受けレール241および上部受けレール242を組立分解自在に連結し、下部において下部受けレール251および下部受けレール252を組立分解自在に連結する。中間上下継材262,263の上部にはターンバックル連結プレート265が固定される(図16参照)。
【0031】
コンテナ体220の天板226の端辺には、図15に示すように、コンテナ本体取付けプレート272が固定され、このコンテナ本体取付けプレート272に受け台271を介して広告用フレーム230が組立分解自在に設置される。受け台271には、下部受けレール250、上下継材260が組立分解自在に連結される(図16参照)。
【0032】
コンテナ体220の天板226の中央には、図15に示すように、ターンバックル取付け部材273が固定され、このターンバックル取付け部材273にターンバックル連結プレート274を介して二つのターンバックル275が組立分解自在に斜めに連結される(図16参照)。ターンバックル275の他端は中間上下継材262,263のターンバックル連結プレート265に組立自在に斜めに連結される。ターンバックル275は、他の広告用フレーム230の構成部材の組立後に取り付け、長さを微調整して広告用フレーム230の形状を維持し、強度補強を図るとよい。なお、ターンバックルとは、張力を調節するための周知の引締め用ねじ金具のことである。
【0033】
広告用フレーム付きコンテナ201の効果について説明する。広告用フレーム付きコンテナ201によれば、コンテナ体220の上部空間を利用して広告を簡易に設置することができる。すなわち、広告を設置する広告用フレーム230は組立分解自在に構成されているので、広告を表示する際には、広告用フレーム230を組み立てて広告体280を上部受けレール240と下部受けレール250の間にスライドさせて差し込み、コンテナ移動時等は、広告用フレーム230を分解して収納すればよい。この組立分解はボルト締結により簡易に行うことができる。また、広告用フレーム230自体の組立分解を伴わずに広告体280のみをスライドさせて交換することができるため、任意の広告体280に換装することが容易である。広告用フレーム付きコンテナ201は、広告用フレーム230a,230b,230c,230dをコンテナ体220の上部において四方向に設置するので、全方位から広告を視認可能であり、広告の機能を高めることができる。また、ターンバックル275により、長辺に位置する広告用フレーム230a,230bの設置強度を補強することができる。
【0034】
第3実施形態について図17〜図23を用いて説明する。第3実施形態の広告用フレーム付きコンテナ301は、広告用フレーム330への設置により任意の広告体380に交換するとともに、広告用フレーム330の組立分解を可能とするものである。第2実施形態の広告用フレーム付きコンテナ201においては広告用フレーム230の上部受けレール240と下部受けレール250の間に広告体280をスライドさせて換装することとしているところ、広告用フレーム付きコンテナ301においては広告用フレーム330の支柱340および横材350を利用して広告体380を設置するため、例えばシート状の広告を張設する場合に使用される。本実施形態による広告用フレーム付きコンテナ301のうちコンテナ体320は、第1実施形態の広告用フレーム付きコンテナ1のコンテナ体2と共通するため部品番号を300番台とし、説明はこれを援用する。
【0035】
広告用フレーム330は、コンテナ体320の天板326の四つの端辺に立設される支柱340と、支柱340に着脱自在に横架される横材350とを備える。天板326の四つの端辺に設けられる広告用フレーム330をそれぞれ広告用フレーム330a,330b,330c,330dとする(図19参照)。
【0036】
広告用フレーム330a,330b,330c,330dは、コンテナ体320の天板326において、それぞれ、前板321、後板322、左側板323、右側板324に対応する端辺に着脱自在に立設され、任意の広告体380を設置するための枠状部材である。それぞれの広告用フレーム330は、天板326の端辺に立設される支柱340と、それぞれの支柱340の間に横架される横材350とを備える。
【0037】
コンテナ体320の天板326には、図20に示す通り、コンテナ本体取付けプレート372が固定される。コンテナ本体取付けプレート372は天板326の四つの端辺のうち、二つの長辺それぞれに四つずつ所定間隔で設けられ、二つの短辺それぞれに三つずつ所定間隔で設けられる。天板326の四つの角には二つずつコンテナ本体取付けプレート372が設けられることになる。
【0038】
支柱340の下端には支柱取付けプレート371が設けられ、この支柱取付けプレート371を天板326に設けられたコンテナ本体取付けプレート372に固定することにより(図20参照)、広告用フレーム330はコンテナ体320に組立分解自在に組み立てられる。立設された支柱340の上部と下部には横材350が横架される。天板326の四つの角には二つずつの支柱340が隣設されるが、これらの上部は支柱連結部材376により互いに連結される(図17参照)。
【0039】
コンテナ体320の天板326の中央には、図20に示す通り、ターンバックル取付け部材373が二つ固定される。また、該当する支柱340にはターンバックル連結プレート341が設けられる。これらのターンバックル取付け部材373とターンバックル連結プレート341の間にターンバックル375を組立分解自在に連結する。ターンバックル取付け部材373にはターンバックル連結プレート374を介してターンバックル375を連結する。ターンバックル375は、図19に示す通り、二つのターンバックル取付け部材373から、広告用フレーム330a,330b,330c,330dに向かって設けられる。広告用フレーム330aにはターンバックル375aが、広告用フレーム330bにはターンバックル375bが、広告用フレーム330cにはターンバックル375c,375eが、広告用フレーム330dにはターンバックル375d,375fがそれぞれ組立自在に連結される。図21にターンバックル375a,375bの連結の様子を、図22にターンバックル375e,375fの連結の様子を、それぞれ示す。ターンバックル375は、他の広告用フレーム330の構成部材の組立後に取り付け、長さを微調整して広告用フレーム330の形状を維持し、強度補強を図るとよい。
【0040】
広告用フレーム330a,330b,330c,330dには、任意の広告体380を支柱340および横材350を利用して設置する。例えば、図23のようにシート状の広告体380の端辺に穴を複数個設け、紐で括る等して設置することが挙げられる。
【0041】
広告用フレーム付きコンテナ301の効果について説明する。広告用フレーム付きコンテナ301によれば、コンテナ体320の上部空間を利用して広告を簡易に設置することができる。すなわち、広告を設置する広告用フレーム330は組立分解自在に構成されているので、広告を表示する際には、広告用フレーム330を組み立てて広告体380を設置し、コンテナ移動時等は、広告用フレーム330を分解して収納すればよい。この組立分解はボルト締結により簡易に行うことができる。また、広告用フレーム330自体の組立分解を伴わずに広告体380のみ交換することができるため、任意の広告体380に換装することが容易である。広告用フレーム付きコンテナ301は、広告用フレーム330a,330b,330c,330dをコンテナ体320の上部において四方向に設置するので、全方位から広告を視認可能であり、広告の広告機能を高めることができる。また、ターンバックル375により、設置強度を補強することができる。
【0042】
なお、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、当該技術的範囲に属する限り種々の改変等の形態を採り得る。
【符号の説明】
【0043】
1・・・広告用フレーム付きコンテナ
2・・・コンテナ体
3a〜3d・・・広告用フレーム
4a〜4d・・・ヒンジ
41・・・回動軸
42・・・回転ブッシュ
43・・・固定ブッシュ
5・・・掛合部材
51・・・掛止フック
52・・・掛止環
3´・・・広告用フレーム
4´・・・ヒンジ
35・・・折畳式支持骨
201・・・広告用フレーム付きコンテナ
220・・・コンテナ体
230・・・広告用フレーム
240,241,242,243・・・上部受けレール
250,251,252,253,254・・・下部受けレール
260・・・上下継材
261・・・角部上下継材
262,263・・・中間上下継材
271・・・受け台
272・・・コンテナ本体取付けプレート
275・・・ターンバックル
280・・・広告体
301・・・広告用フレーム付きコンテナ
320・・・コンテナ体
330・・・広告用フレーム
340・・・支柱
350・・・横材
371・・・支柱取付けプレート
372・・・コンテナ本体取付けプレート
375・・・ターンバックル
380・・・広告体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの上部において回動自在に軸支されることにより、立設状態と、倒設状態とをとることが可能な広告用フレームを備えたことを特徴とする広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項2】
前記コンテナが略直方体であって、
前記広告用フレームが前記コンテナの上部の四つの端辺に設けられたことを特徴とする請求項1に記載の広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項3】
前記広告用フレームの側辺に掛止部材を備えることにより、立設状態において四つの前記広告用フレームを互いに掛止することを特徴とする請求項2に記載の広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項4】
上部受けレールと下部受けレールとを有することにより広告の差込みを案内し、組立分解自在に設けられる広告用フレームを備えることを特徴とする広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項5】
前記コンテナが略直方体であって、
前記広告用フレームが前記コンテナの上部の四つの端辺に設けられたことを特徴とする請求項4に記載の広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項6】
コンテナの上部に設けられたコンテナ本体取付けプレートと、
該取付けプレートに着脱自在に取り付けられる支柱取付けプレートと、
該支柱取付けプレートに固定される支柱と、
該支柱に着脱自在に横架される横材と、を有し、
前記支柱および前記横材に着脱自在に広告を設置することを特徴とする広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項7】
前記コンテナが略直方体であって、
前記広告用フレームが前記コンテナの上部の四つの端辺に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の広告用フレーム付きコンテナ。
【請求項8】
四つの前記広告用フレームのうち、長辺に位置して対向する二つの広告用フレームがターンバックルを介して連結された請求項2,5,7のいずれかに記載の広告用フレーム付きコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−14381(P2013−14381A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260136(P2011−260136)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(310007759)株式会社テクノミズホ (9)
【Fターム(参考)】