説明

広告表示システム、広告表示サーバ、および広告表示プログラム

【目的】本発明は、広告表示システム、広告表示サーバ、および広告表示プログラムに関し、駅中待時間に応じた広告表示を見て短時間にできる名物の土産物を購入したり、長時間が必要な名物レストランに行って食事を取ったりなどの駅中待時間に応じた行動ができるよう適切な情報を提供することを目的とする。
【構成】顧客のICカードから読み取られたIDを受信したときに、IDをもとに、IDに対応づけて予約情報を登録したテーブルを参照して予約があるか判別する手段と、予約があると判明したときにその予約情報を取り出し、予約情報と現時刻とをもとに駅中待時間を算出する手段と、算出した駅中待時間をもとに、駅中待時間に対応づけて広告表示を登録したテーブルから広告表示を取り出す手段と、取り出した広告表示を送信元に送信して表示させる手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客が自動改札機にICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取って顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システム、広告表示サーバ、および広告表示プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客(利用者)は、新幹線などの駅の改札口に設置した自動改札機の検出部に、ICカードをタッチして乗車料金の残高をチェックして入場し、所望の行き先の電車などに乗車することが行われている。
【0003】
この際、自動改札機でICカードから残高情報の他に顧客の個人情報を読み取り、当該個人情報をもとに顧客毎に適切な言語で適切な広告を当該自動改札機の表示部に表示する技術がある(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−44885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術では、顧客が自動改札機の検出部にICカードをかざした(あるいはタッチ)したときに当該顧客の個人情報を読み取り、適切な言語で適切な広告メッセージを当該自動改札機に表示して当該顧客に適切な言語で適切な宣伝などを行うことができる。
【0005】
しかし、顧客が駅での待ち時間(駅中待時間)が短いのに名物の食事を宣伝する広告をしてもその時間がなかったり、待ち時間が十分あるのに短時間で買える土産物のみ宣伝の広告をしても、その広告の効果が期待できないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、これらの問題を解決するために、顧客が自動改札機にICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取って顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システムにおいて、駅などの改札口に設け、顧客がICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取る手段と、読み取った顧客のIDをサーバに送信する手段と、顧客のIDをサーバに送信したことに対応して、サーバから顧客のIDの乗車に関する予約情報があったときに乗車に関する予約情報と現時刻とをもとに算出した駅中待時間に対応して取り出した広告表示を受信する手段と、受信した駅中待時間に対応した広告表示を表示する手段とを自動改札機に備える広告表示システムである。
【0007】
また、顧客が駅に設置した端末にICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取って顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システムにおいて、駅に設け、顧客がICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取る手段と、読み取った顧客のIDをサーバに送信する手段と、顧客のIDをサーバに送信したことに対応して、サーバから顧客のIDの乗車に関する予約情報があったときに乗車に関する予約情報と現時刻とをもとに算出した駅中待時間に対応して取り出した広告表示を受信する手段と、受信した駅中待時間に対応した広告表示を表示する手段と、表示した広告表示中から、顧客から所望の広告が選択されたときに選択された広告の詳細広告表示を行う手段とを駅に設置した端末に備えた広告表示システムである。
【0008】
また、自動改札機で読み取られたICカードの顧客のIDを受信したときに、顧客のIDをもとに、顧客のIDに対応づけて予約情報を登録したテーブルを参照して予約があるか判別する手段と、予約があると判明したときにその予約情報を取り出し、予約情報と現時刻とをもとに駅中待時間を算出する手段と、算出した駅中待時間をもとに、駅中待時間に対応づけて広告表示を登録したテーブルから該当する広告表示を取り出す手段と、取り出した広告表示を送信元に送信して表示させる手段とを備えた広告表示サーバである。
【0009】
これらの際、予約情報は、顧客のIDに対応づけて乗物に乗車する乗車駅、時間を少なくとも登録するようにしている。
【0010】
また、駅中待時間は、顧客が乗車する駅毎に算出するようにしている。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、顧客が自動改札機の検出部にICカードをかざしたときにICカードからIDなどを読み取って予約情報があったときに駅での待ち時間(駅中待時間)を算出し、駅中待時間に応じた広告を自動改札機に表示すると共に、顧客がICカードを駅に設置した端末にタッチすると駅中待時間に対応した広告表示し、顧客が広告表示中から該当するものを選択するとそのURLのページの詳細広告表示を行い、駅中待時間に応じた詳細広告表示を見て短時間にできる名物の土産物を購入したり、長時間が必要な名物レストランに行って食事を取ったりなどの駅中待時間に応じた行動ができるよう適切な情報を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、駅中待時間に応じた広告表示を見て短時間にできる名物の土産物を購入したり、長時間が必要な名物レストランに行って食事を取ったりなどの駅中待時間に応じた行動ができるよう適切な情報を提供することを実現した。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
【0014】
図1において、自動改札機1は、駅の改札口(入口、出口)に配置された改札機であって、顧客が入口でICカードをかざしてゲートを開にして入場したり、出口でかざしてゲートを開にして出場したり、併せて乗車料金を残高から減算して支払ったり、ICカードから読み取った予約情報をもとに入場・出場したりなどするための自動改札機であり、ここでは、ICカード読み取り手段11、送受信手段12、判断・表示手段13、およびゲート開閉手段14などから構成されるものである。
【0015】
ICカード読み取り手段11は、入場時、出場時に顧客がかざしたICカードから顧客のID、残高などを無線で読み取るものである。
【0016】
送受信手段12は、ICカード読み取り手段11により読み取った顧客のID、残高などの情報を、ネットワーク4を介してデータ処理サーバ3に送信したり、データ処理サーバ3から送信された情報(広告表示、残高(乗車料金を減算した後の残高)などの情報)を受信したりするものである。
【0017】
判断・表示手段13は、データ処理サーバ3から受信した情報をもとに拒絶表示、広告表示などを自動改札機1の表示部に行うものである。
【0018】
ゲート開閉手段14は、判断・表示手段13でゲート開と判断されたときに自動改札機1のゲートを開にするものである。
【0019】
駅中情報表示装置2は、顧客がICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDを読み取ってデータ処理サーバ3に問い合わせて予約情報があったときに駅中待時間に対応する広告表示(広告表示(詳細))を行うものであって、駅毎に設けた情報表示装置であり、ここでは、ICカード読み取り手段21、広告表示選択手段22、送受信手段23などから構成されるものである。
【0020】
ICカード読み取り手段21は、顧客が駅中情報表示装置2の検出部に、ICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDなどを読み取るものである。
【0021】
広告表示選択手段22は、ICカード読み取り手段21によって読み取った顧客のIDをネットワーク4を介してデータ処理サーバ3に送信し、当該データ処理サーバ3で顧客のIDに対応づけて予約情報があり、当該予約情報をもとに現在時刻から発車時刻までの駅中待時間に対応する広告表示の送信を受信し、受信した広告表示(広告表示(詳細))を画面上に表示したりなどするものである(後述する図2から図9を参照)。
【0022】
送受信手段23は、ネットワーク4を介してデータ処理サーバ3などとの間で情報(顧客のIC,駅中待時間に対応する広告表示などの情報)を送受信するものである。
【0023】
DB24は、駅中情報表示装置2が必要とする情報を検索し易い態様で記憶したものであって、ここでは、駅広告情報テーブル25などから構成されるものである。
【0024】
駅広告情報テーブル25は、駅毎に設けたものであって、当該駅で顧客に広告表示(広告表示(詳細))する情報を登録したものであり、例えば後述する図5の(e)の駅広告情報テーブル25である。なお、ここでは、当該駅の駅広告情報テーブル25は、図示の駅中情報表示装置2がDB24中に記憶するが、データ処理サーバ3に全駅のものを登録しておき、必要に応じてネットワーク4を介してアクセスして必要な情報をダウンロードするようにしてもよい。
【0025】
データ処理サーバ3は、ネットワーク4を介して自動改札機1、駅中情報表示装置2などとの間でデータを送受信し、顧客のICカードから読み取った当該顧客のIDをもとに予約情報が登録されていた場合に当該予約情報をもとに現時刻から予約した列車の発車時刻までの駅中待時間を算出し、当該算出した駅中待時間に対応する広告表示(広告表示(詳細))を送信元(自動改札機1、駅中情報表示装置2)に返信したりなどするものであり(後述する図2から図9を参照)、送受信手段31、広告選択手段32、およびDB33などから構成されるものである。
【0026】
送受信手段31は、ネットワーク4を介して自動改札機1、駅中情報表示装置2との間で情報の送受信を行うものである。
【0027】
広告選択手段32は、自動改札機1、駅中情報表示装置2で顧客のICカードから読み取った当該顧客のIDを受信したときに、顧客のIDに対応づけて予約情報が登録されていた場合に、予約情報をもとに現時刻から発車時間までの駅中待時間を算出し、当該駅中待時間に対応する広告表示を選択するものである(後述する図2から図9を参照)。そして、選択した駅中待時間に対応する広告表示を、顧客のIDの送信元の自動改札機1あるいは駅中情報表示装置2に返信する。
【0028】
DB33は、情報を検索しやすく登録したデータベースであって、ここでは、予約情報テーブル34、顧客情報テーブル35、広告分類情報テーブル36、サマリ情報テーブル37、および判断テーブル38などから構成されるものである。
【0029】
予約情報テーブル34は、顧客のID(顧客ID)に対応づけて当該顧客(顧客)の予約情報を登録したものである(後述する図5の(a)参照)。
【0030】
顧客情報テーブル35は、顧客のID(顧客ID)に対応づけて当該顧客(顧客)の個人情報(氏名、残高情報などの個人情報)を登録して管理するものである(後述する図5の(b)を参照)。
【0031】
広告分類情報テーブル36は、条件(例えば駅中待時間が10分以内)に対応づけて分類(広告表示の分類)を登録して管理するものである(後述する図5の(d)を参照)。
【0032】
サマリ情報テーブル37は、サマリコードに対応づけて広告データ、分類コード(例えば駅中待時間が10分以内に対応する分類コード)などを登録して管理するものである(後述する図5の(f)を参照)。
【0033】
判断テーブル38は、条件(残高、予約など)に対応づけて判断(入場可否、表示(広告表示)など)を登録して管理するものである(後述する図5の(h)を参照)。
【0034】
ネットワーク4は、自動改札機1、駅中情報表示装置2、データ処理サーバ3などを相互に接続してデータの送受信を行うネットワークであって、LAN、インターネットなどのネットワークである。
【0035】
次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の自動改札機1、駅中情報表示装置2の動作を順次詳細に説明する。
【0036】
図2は本発明の動作説明フローチャートを示し、図2の(a)は自動改札機のフローチャートを示し、図2の(b)は駅中情報表示装置のフローチャートを示す。
【0037】
図2の(a)において、S1は、ICカードの顧客IDを読み取ったか判別する。これは、図1の駅の改札口(ここでは、入口)に設置した自動改札機1を構成するICカード読み取り手段11が顧客がかざした当該顧客のICカードから当該顧客のID、更に、残高などを読み取ったか判別する。YESの場合には、S2に進む。NOの場合には、S1を繰り返して待機する。
【0038】
S2は、S1のYESで顧客IDを読み取ったと判明したので、ICカード情報(顧客ID、残高などの情報)をデータ処理サーバ3に送信する。
【0039】
S3は、カードチェック結果を受信か判別する。これは、S2でICカード情報をデータ処理サーバ3に送信したことに対応して、データ処理サーバ3が後述する図3および図4の手順により顧客の予約情報をもとに算出した駅中待時間に対応する広告表示、あるいは残高不足のときの拒絶表示などのカードチェック結果を送信し、当該送信されたカードチェック結果を受信したか判別する。YESの場合には、S4に進む。NOの場合には、S3を繰り返して待機する。
【0040】
S4は、S3のYESでカードチェック結果が受信されたと判明したので、ICカードチェック結果が広告表示ありか判別する。これは、データ処理サーバ3が顧客IDをもとに当該顧客の予約情報を参照して現時刻から予約した列車の発車時刻までの駅中待時間を算出し、当該算出した駅中待時間に対応する広告表示を取り出し、当該取り出した広告表示を受信したと判明したので、S5に進む。NOの場合には、広告表示以外と判明したので、S8に進む。
【0041】
S5は、S4のYESでデータ処理サーバ3から自動改札機1が広告表示を受信したと判明したので、広告表示を自動改札機1の表示部に表示する。例えば後述する図5の(a)ないし(c)のいずれかの広告表示を表示、例えば顧客の駅中待時間が10分未満の場合には、図5の(a)の短時間(10分未満)で可能な買い物として、図示の「すぐそこ」のメッセージに併せて「短時間でお土産注文可!」というメッセージを表示し、顧客にお土産の買い物(ここでは、注文)を促す広告を表示する。
【0042】
S6は、ゲートを開く。これは、自動改札機1のゲートを開にして顧客が入場できるようにする。
【0043】
S7は、乗車駅と時刻を記録、広告表示情報を記録する。これは、S1からS6で当該顧客について処理した情報のうち、乗車駅と時刻、更に、駅中待時間に対応して決定した広告表示を記録して履歴を保存する(例えば顧客のICカードあるいはデータ処理サーバ3に記録して保存する)。
【0044】
また、S8は、S4のNOでICカードチェック結果が広告表示なしと判明したので、更に、ICカードチェック結果が拒絶表示の指示か判別する。これは、後述する図4のデータ処理サーバ3の処理のS37のなし、S38で残高不足で拒絶表示の指示と判定したと判明か判別する。YESの場合には、S9で残高不足で拒絶表示し、ゲートを開かないで終了する。一方、NOの場合には、S6でゲートを開とし、S7で乗車駅と時刻を記録し(このルートの場合には、S4のNOでICカードチェック結果中に広告表示がないので記録しない)、終了する。
【0045】
以上によって、顧客がICカードを自動改札機1にかざすと当該ICカードから顧客のID、残高などのICカード情報を読み取ってネットワーク4を介してデータ処理サーバ3に送信し、データ処理サーバ3が後述する図3、図4で、当該受信した顧客のICカード情報中の顧客IDをもとに予約情報を検索して見つかった場合には当該予約情報をもとに現時刻から予約した列車の発車時刻までの駅中待時間を算出し、当該駅中待時間に対応する広告表示、更に残高から料金を減算した残高(新)を算出し、これらをICカードチェック結果として自動改札機1に返送し、自動改札機1がICカードチェック結果をもとに、広告表示、ゲートを開、乗車駅と時刻、広告表示を記録したり、拒絶表示したり、拒絶表示することなくゲートを開、乗車駅と時刻を記録したりなどすることが可能となる。
【0046】
次に、図2の(b)の手順に従い、図1の駅中情報表示装置2の動作を詳細に説明する。
【0047】
図2の(b)において、S11は、ICカードを読み取ったか判別する。これは、図1の駅に設置した駅中情報表示装置2を構成するICカード読み取り手段21が顧客がかざした当該顧客のICカードから当該顧客のIDなどを読み取ったか判別する。YESの場合には、S12に進む。NOの場合には、S11を繰り返して待機する。
【0048】
S12は、S11のYESで顧客IDを読み取ったと判明したので、ICカード情報(顧客IDなどの情報)をデータ処理サーバ3に送信する。
【0049】
S13は、カードチェック結果を受信か判別する。これは、S12でICカード情報をデータ処理サーバ3に送信したことに対応して、データ処理サーバ3が後述する図3および図4の手順により顧客の予約情報をもとに算出した駅中待時間に対応する広告表示などのカードチェック結果を送信し、当該送信されたカードチェック結果を受信したか判別する。YESの場合には、S14に進む。NOの場合には、S13を繰り返して待機する。
【0050】
S14は、S13のYESでカードチェック結果が受信されたと判明したので、ICカードチェック結果中の、駅中待時間表示に対応する広告表示(詳細)を表示する。例えば図7、図8の広告表示(詳細)を駅中情報表示装置2の画面上に表示する。顧客は、表示された広告表示(詳細)を見て、例えば図8の広告表示(詳細)を見て、お土産あるいは飲食店を選択し、更にURLで該当するページを表示させ、所望の土産物を予約(購入)したり、飲食店などの詳細情報を表示させたりなどすることができる。
【0051】
以上によって、顧客がICカードを駅中情報表示装置2にかざすと当該ICカードから顧客のIDなどのICカード情報を読み取ってネットワーク4を介してデータ処理サーバ3に送信し、データ処理サーバ3が後述する図3、図4で、当該受信した顧客のICカード情報中の顧客IDをもとに予約情報を検索して見つかった場合には当該予約情報をもとに現時刻から予約した列車の発車時刻までの駅中待時間を算出し、当該駅中待時間に対応する広告表示を取り出してICカードチェック結果として駅中情報表示装置2に返送し、駅中情報表示装置2がICカードチェック結果中の駅中待時間に対応する広告表示(詳細)を、例えば図7、図8のように表示し、顧客に土産物、飲食店などの情報を表示することが可能となる。
【0052】
図3は、本発明のデータ処理サーバの広告選択手段のフローチャートを示す。
【0053】
図3において、S21は、ICカード情報を受信したか判別する。これは、図2の(a)のS1、図2の(b)のS11で自動改札機1あるいは駅中情報表示装置2のICカード読み取り手段11,21が顧客のICカードから読み取ったICカード情報(顧客ID、残高などの情報)を、データ処理サーバ3が受信したか判別する。ここで、ICカード情報は、例えば後述する図5の(c)のICカード情報に示すように、
・顧客ID:
・氏名:
・残高情報:
・その他:最終更新日時など
をデータ処理サーバ3が受信する。YESの場合には、S22に進む。NOの場合には、S21を繰り返して待機する。
【0054】
S22は、受信したICカード情報(例えば顧客ID)に対応する予約情報等(予約情報)をDB33から読み込む。これは、顧客IDをキーに、図5の(a)の予約情報テーブル34を検索し、当該顧客IDに対応する予約情報(予約ID,乗車駅ID,発車予定時刻などの情報)を読み込む。
【0055】
S23は、チェックを行う。これは、S21で受信したICカード情報中の顧客ID、更に、顧客IDに対応する予約情報が適切か(登録されているか、登録されていても有効期間内か、当駅が乗車駅IDにより有効な駅か、発車時刻が現在日時から見て適切か)をチェックする。
【0056】
S24は、チェック結果および予約情報から、待ち時間に基づく広告データ(広告表示あるいは広告表示(詳細))の取り出しを行う。これは、図4を用いて詳細に説明する。
【0057】
S25は、送信する。これは、S21でICカード情報を受信した送信元(図1の自動改札機1あるいは駅中情報表示装置2)に送信(返信)する。
【0058】
以上によって、図1の自動改札機1、駅中情報表示装置2から顧客のICカードから読み取ったICカード情報を受信したときに、受信したICカード情報中の顧客IDをもとに図5の(a)の予約情報テーブル34を検索して当該顧客IDの予約情報(乗車駅、発車予定時刻など)を取り出して適切かチェックし、更に、現時刻から発車予定時刻までの駅中待時間を算出し、駅中待時間に対応する広告表示(あるいは広告表示(詳細))を取り出したり、必要に応じて残高から料金を減算した残高(新)を算出したりし、これらチェック結果(チェック結果、広告表示、広告表示(詳細)、拒絶表示などの情報)を、送信元の自動改札機1、駅中情報表示装置2に送信(返信)することが可能となる。
【0059】
図4は、本発明のデータ処理サーバでの駅中待時間に基づく広告表示の取出しフローチャートを示す。
【0060】
図4において、S31は、駅中待時間を算出する。これは、既述した図3のS22で図5の(a)の予約情報テーブル34から取り出した顧客IDに対応する予約情報中の発車予定時刻から現時刻を減算して駅中待時間を算出する。
【0061】
S32は、駅中待時間をもとに分類コードを取り出す。これは、S31で算出した当該顧客の駅中待時間をもとに、図5の(d)の広告分類情報テーブル36を参照し、当該駅中待時間に対応する条件(例えば駅中待時間が10分未満という条件)に合致するエントリの分類コード(例えばi01)を取り出す。
【0062】
S33は、分類コードをもとに広告データを取り出す。例えばS32で分類コード「i01」(駅中待時間が10分未満)をもとに、図5の(f)のサマリ情報テーブル37を検索し、当該分類コード「i01」のエントリ中の広告データ「AA」を取り出す。
【0063】
S34は、顧客情報テーブルに記録する。これは、S33で取り出した広告データ(例えば広告データ「AA」)を図5の(b)の顧客情報テーブル35中の広告データ欄に記録する。
【0064】
以上のS31からS34の手順により、顧客の予約情報中の列車発車予定時刻をもとに現時刻から当該列車発車予定時刻までの駅中待時間を算出し、当該算出した駅中待時間に対応する広告データを取り出すことが可能となる。
【0065】
また、S35は、残高の取出しを行う。これは、顧客のICカードから読み取った情報中の残高(あるいは顧客IDをもとに、データ処理サーバ3側で記録しておいた図5の(b)の顧客情報テーブル35中の残高情報欄に記録されている残高)を取り出す。
【0066】
S36は、入場金額以上の残高があるか判別する。これは、現在、顧客が精算しようとする料金(予約情報で予約した列車の料金、これから入場しようとするときの料金(降車駅で料金が決まるときは規定の一定額の料金))以上の残高があるか判別する。YESの場合には、残高が十分にあると判明したので、S37でゲート開指示情報を作成し(チェック結果中にゲート開指示を作成し)、S34で顧客情報テーブルに記録する。一方、NOの場合には、S38で拒絶表示情報を作成する(チェック結果中に拒絶表示を作成する)。これら作成したチェック結果中のゲート開指示、拒絶指示は、既述した図2の(a)のS8の拒絶表示の指示かの判別の際に使用する(拒絶表示のときはS8のYESでS9の拒絶表示し、ゲート開指示のときはS8のNOでS6でゲート開く)。
【0067】
以上のS35からS38の手順により、顧客のICカード中の残高あるいは顧客IDをもとにデータ処理サーバ3側の図5の(b)の顧客情報テーブル35中の残高が、入場金額以上のときにゲート開、以下のときに拒絶表示と判定してチェック結果中に作成することが可能となる。そして、当該チェック結果をもとに、既述した図2の(a)のS8からS9.S6の処理を実行することが可能となる。
【0068】
図5は、本発明のテーブル例を示す。
【0069】
図5の(a)は、予約情報テーブル例を示す。予約情報テーブル34は、顧客IDに対応づけて予約情報として下記の情報を登録して管理するものである。
【0070】
・顧客ID:
・予約ID:
・列車ID:
・乗車駅ID:
・発車予定時刻:
・降車駅ID:
・到着予定時刻:
・その他:
ここで、顧客IDは顧客を一意に決めるIDである。予約IDは顧客が予約した予約情報のIDである。列車ID、乗車駅ID、発車予定時刻、降車駅ID、到着予定時刻は、顧客が予約した列車のID,乗車駅のID,予約した列車の発車予定時刻、予約した列車の降車駅のID,予約した列車の到着駅に到着する予定時刻である。
【0071】
図5の(b)は、顧客情報テーブル例を示す。顧客情報テーブル35は、顧客の情報を登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0072】
・顧客ID:
・氏名:
・残高情報:
・広告データ:
・その他:
ここで、顧客ID、氏名は、顧客を一意に決めるID、その氏名である。残高情報は、顧客がプリペイドした金額のうちの残高である。広告データは顧客が自動改札機1、駅中情報表示装置2に当該顧客の駅中待時間に対応する広告表示(広告表示(詳細))を表示したときに記録した広告データである。
【0073】
図5の(c)は、ICカード情報例を示す。ICカード情報は、顧客のICカードから図1の自動改札機1、駅中情報表示装置2が読み取った情報の例を示し、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて読み出したものである。
【0074】
・顧客ID:
・氏名:
・残高情報:
・その他:
ここで、顧客IDは顧客を一意に決めるIDである。氏名は顧客の氏名である。残高情報は顧客がプリペイドした金額から使用(精算)した金額を現在した残高である。
【0075】
図5の(d)は、広告分類情報テーブル例を示す。広告分類情報テーブル36は、条件に対応づけて分類コードを登録したものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0076】
・分類コード:
・条件(分未満):
・その他:
ここで、分類コードは駅中待時間の範囲に対応づけて定義したコードである。条件(分未満)は分類コードの駅中待時間の範囲を登録したものである。例えば条件と、分類コードとの関係は、図示の下記のように定義される。
【0077】
・条件「駅中待時間が10分未満」のときは分類コードが「i01」と定義される。
【0078】
・条件「駅中待時間が10分以上30分未満」のときは分類コードが「i02」と定義される。
【0079】
・以下図示のとおり
以上のように、駅中待時間に対応づけて分類コードを定義することにより、当該分類コードに対応する適切な広告表示(広告表示(詳細))を自動的に取り出すことが可能となる。
【0080】
図5の(e)は、駅広告情報テーブル例を示す。駅広告情報テーブル25は、広告コードに対応づけて広告情報などを登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0081】
・広告コード:
・広告情報(広告表示、広告表示(詳細)):
・分類コード:
・URL:
・その他:
ここで、広告コードは広告情報を一意に区別するために付与したコードである。広告情報(広告表示、広告表示(詳細))は、広告表示、広告表示(詳細)を予め作成して登録したものである。分類コードは、既述した図5の(d)の広告分類情報テーブル36で定義した駅中待時間に対応する分類コードである。URLは更に詳細な広告情報を表示するページのアドレスである。
【0082】
図5の(f)は、サマリ情報テーブル例を示す。サマリ情報テーブル37は、サマリコードに対応づけて広告データなどを登録して管理するものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて登録して管理するものである。
【0083】
・サマリコード:
・広告データ:
・分類コード:
・その他:
ここで、サマリコードはサマリ情報(広告データなど)を一意に区別するために付与したコードである。広告データはサマリコードで定義された広告データ(広告表示、広告表示(詳細))である。分類コードは既述した図5の(d)の広告分類情報テーブル36中の分類コードである。
【0084】
図5の(g)は、サマリ情報の概略説明図を示す。ここで、図5の(f)のサマリ情報テーブル37中の広告データAA,BB,CCのときの実際のデータを模式的に画面上に概略表示した様子を示す。例えば広告データ「AA」は、「短時間でお土産注文可」というメッセージを表示する広告データである。以下図示のとおりである。
【0085】
図5の(h)は、判断テーブル例を示す。判断テーブル38は、左欄の条件(残高、予約)の4つの組み合わせについて、右欄の判断(入場可否、表示)についての判断結果をそれぞれ示す。例えば条件として、
・残高=×(不足)
・予約=×(なし))
の場合には、判断として、
・入場可否=×(不可、ゲート開にしない)
・表示=拒絶表示
となる。他の組み合わせは、図示のとおりである。尚、入場可否=○(可、ゲート開)は図2の(a)のS6ゲート開くである。表示=広告表示は図2の(a)のS5の広告表示、あるいは図2の(b)のS14の広告表示(詳細)である。
【0086】
図6は、本発明のサマリ情報表示例を示す。これは、既述した図5の(f)のサマリ情報テーブル37をもとに右側の図5の(g)のサマリ情報の概略説明図に示したように表示する。この表示を更に、詳細に示したものが図6の(a)、(b),(c)である。
【0087】
図6の(a)は、駅中待時間が10分未満の広告データ「AA」の例を示す。ここでは、
・画面の上段に、文字列「すぐそこ」を上向きの矢印の中に縦文字で図示のように表示し、
・画面の下段に、文字列「短時間でお土産注文可!」を横向きに図示のように表示する。
【0088】
以上の広告データ「AA」を見た顧客は、駅中待時間が10分未満であり、当該駅中待時間内で可能な当該図6の(a)の広告表示を見て、お土産を注文することが可能となる。
【0089】
図6の(b)は、駅中待時間が10分から30分未満の広告データ「BB」の例を示す。ここでは、
・画面の上段に、文字列「すぐそこ」を上向きの矢印の中に縦文字で図示のように表示し、
・画面の下段に、文字列「短時間でお土産注文可!」と「名産品を見て注文可!」を横向きに図示のように2段に表示する。
【0090】
以上の広告データ「BB」を見た顧客は、駅中待時間が10分から30分未満であり、当該駅中待時間内で可能な当該図6の(b)の広告表示を見て、名産品を見てお土産を注文することが可能となる。
【0091】
図6の(c)は、駅中待時間が30分以上の広告データ「CC」の例を示す。ここでは、
・画面の上段に、文字列「すぐそこ」を上向きの矢印の中に縦文字で図示のように表示し、
・画面の下段に、文字列「短時間でお土産注文可!」と「名産品を見て注文可!」と「食事ができます!」を横向きに図示のように3段に表示する。
【0092】
以上の広告データ「CC」を見た顧客は、駅中待時間が30分以上であり、当該駅中待時間内で可能な当該図6の(c)の広告表示を見て、名産品を見てお土産を注文に、加え更に、食事することが可能となる。
【0093】
図7は、本発明の駅中情報表示装置の広告表示(詳細)例を示す。図示の広告表示(詳細)は、駅中待時間が分類コードi01(10分未満)の例を示す。
【0094】
図8は、本発明の駅中情報表示装置の広告表示(詳細)例を示す。図示の広告表示(詳細)は、駅中待時間が分類コードi02(10分から30分未満)、i03(30分以上)の例をそれぞれ示す。図中の中段の「お土産」を表示したものが駅中待時間が分類コードi02(10分から30分未満)を表し、図中の中段に更に「飲食店」を表示したものが駅中待時間が分類コードi03(30分以上)を表す。
【0095】
図9は、本発明の拒絶表示例を示す。図示の拒絶表示例は、既述した図2の(a)のS9で表示する拒絶表示例であって、ここでは、
・上段に、三角のマークの中を塗りつぶしたものを表示し、
・下段に、文字列「残高および予約がないため入場できません!」を、横文字で3段で表示した例を示す。
【産業上の利用分野】
【0096】
本発明は、顧客が自動改札機、駅中情報表示装置にICカードをかざしたときにICカードから顧客のIDを読み取って顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システム、広告表示サーバ、および広告表示プログラムに関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャートである。
【図3】本発明のデータ処理サーバの広告選択手段のフローチャートである。
【図4】本発明のデータ処理サーバの駅中待時間に基づく広告表示の取出しフローチャートである。
【図5】本発明のテーブル例である。
【図6】本発明のサマリ情報表示例である。
【図7】本発明の駅中情報表示装置の広告表示(詳細)例である。
【図8】本発明の駅中情報表示装置の広告表示(詳細)例である。
【図9】本発明の拒絶表示の例である。
【符号の説明】
【0098】
1:自動改札機
11:ICカード読み取り手段
12:送受信手段
13:判断・表示手段
14:ゲート開閉手段
2:駅中情報表示装置
21:ICカード読み取り手段
22:広告表示選択手段
23:送受信手段
24:DB
25:駅広告情報テーブル
3:データ処理サーバ
31:送受信手段
32:広告選択手段
33:DB
34:予約情報テーブル
35:顧客情報テーブル
36:広告分類情報テーブル
37:サマリ情報テーブル
38:判断テーブル
4:ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が自動改札機にICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDを読み取って当該顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システムにおいて、
駅などの改札口に設け、顧客がICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDを読み取る手段と、
前記読み取った顧客のIDをサーバに送信する手段と、
前記顧客のIDをサーバに送信したことに対応して、サーバから当該顧客のIDの乗車に関する予約情報があったときに当該乗車に関する予約情報と現時刻とをもとに算出した駅中待時間に対応して取り出した広告表示を受信する手段と、
前記受信した駅中待時間に対応した広告表示を表示する手段と
を自動改札機に備えたことを特徴とする広告表示システム。
【請求項2】
顧客が駅に設置した端末にICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDを読み取って当該顧客の駅中待時間に応じた適切な広告表示を行う広告表示システムにおいて、
顧客がICカードをかざしたときに当該ICカードから顧客のIDを読み取る手段と、
前記読み取った顧客のIDをサーバに送信する手段と、
前記顧客のIDをサーバに送信したことに対応して、サーバから当該顧客のIDの乗車に関する予約情報があったときに当該乗車に関する予約情報と現時刻とをもとに算出した駅中待時間に対応して取り出した広告表示を受信する手段と、
前記受信した駅中待時間に対応した広告表示を表示する手段と、
前記表示した広告表示中から、顧客から所望の広告が選択されたときに当該選択された広告の詳細広告表示を行う手段と
を駅に設置した端末に備えたことを特徴とする広告表示システム。
【請求項3】
顧客のICカードから読み取られたIDを受信したときに、当該顧客のIDをもとに、顧客のIDに対応づけて予約情報を登録したテーブルを参照して予約があるか判別する手段と、
前記手段により予約があると判明したときにその予約情報を取り出し、当該予約情報と現時刻とをもとに駅中待時間を算出する手段と、
前記算出した駅中待時間をもとに、駅中待時間に対応づけて広告表示を登録したテーブルから該当する広告表示を取り出す手段と、
前記取り出した広告表示を、前記送信元に送信して表示させる手段と
を備えたことを特徴とする広告表示サーバ。
【請求項4】
前記予約情報は、顧客のIDに対応づけて乗物に乗車する乗車駅、時間を少なくとも登録したことを特徴とする請求項3に記載の広告表示サーバ。
【請求項5】
前記駅中待時間は、顧客が乗車する駅毎に算出したことを特徴とする請求項3あるいは請求項4記載の広告表示サーバ。
【請求項6】
コンピュータに、
顧客のICカードから読み取られたIDを受信したときに、当該顧客のIDをもとに、顧客のIDに対応づけて予約情報を登録したテーブルを参照して予約があるか判別する手段と、
前記手段により予約があると判明したときにその予約情報を取り出し、当該予約情報と現時刻とをもとに駅中待時間を算出する手段と、
前記算出した駅中待時間をもとに、駅中待時間に対応づけて広告表示を登録したテーブルから該当する広告表示を取り出す手段と、
前記取り出した広告表示を、前記送信元に送信して表示させる手段と
して機能させることを特徴とする広告表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−73380(P2012−73380A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217704(P2010−217704)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】