説明

広告表示システム

【課題】オフィスに勤務するユーザに対して、勤務時間中でも効果的に広告情報を閲覧させることを可能とする技術の提供。
【解決手段】サーバ19と、無線通信網を含む通信ネットワーク45を介してサーバ19と接続される卓上端末46を備えた広告表示システム10。サーバ19は、複数の広告画像を格納しておく広告画像格納部13と、広告画像を卓上端末46に順次配信する広告配信部16を備え、卓上端末46は、タッチパネル付のディスプレイ47と、3G回線モジュールと、ディスプレイ47の一部に画面生成部48を介してカレンダー情報を表示させるカレンダー処理部50と、5分間隔でサーバ19に対して広告画像の配信をリクエストし、サーバ19の広告配信部16から配信された広告画像を、画面生成部48を介してディスプレイ47の一部に順次表示させる広告処理部49を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は広告表示システムに係り、特に、電子カレンダー機能を備えた卓上端末に広告情報を自動的に配信し、ユーザの閲覧に供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、従来の新聞や雑誌、テレビに代わり、インターネットのWebページが広告媒体として大きな地位を占めつつある。Webページを用いた広告手法としては、パソコンや携帯電話のWebブラウザ上でWebページを表示させた際に、ユーザの如何を問わず一律に広告画像が表示されるバナー広告やポップアップ広告が主流をなしているが、ユーザの過去における購買履歴や閲覧履歴に応じて表示させる広告内容を動的に変化させる行動ターゲティング広告も増えつつある。また、URLが記述された電子メールを配信し、ユーザを特定のWebページに誘導する手法も広く普及している。さらに最近では、スマートフォンのアプリケーションプログラムを無料でユーザに提供する代わりに、当該プログラム利用時に広告情報を配信し、利用画面の一部に表示させる手法も登場している。
【0003】
何れにせよ、テレビや新聞、雑誌等の従来型メディアが衰退に向かう一方、今後とも消費者のインターネット依存度が高まっていくことに疑いがない以上、広告媒体としてインターネットや携帯電話回線網等の通信ネットワークを積極的に活用することが、各方面から期待されている。
【非特許文献1】インターネット広告のすべて インターネットURL:http://www.internet-koukoku.co.jp/index.php 検索日:2011年1月27日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、インターネット広告の弱点として、勤務時間中のオフィスワーカーに対して効果的に働きかけることができないという問題が指摘できる。
すなわち、作業効率の低下やセキュリティ上の観点から、従業員が勤務中に業務と無関係なWebページを閲覧したり、私用の携帯電話を長々と操作することが就業規則等で禁止されている事業所が多く、広告情報を堂々と閲覧することが憚られる雰囲気が定着している。また、セキュリティに厳格な企業の場合、従業員が送受信した電子メールの内容や、閲覧したWebページのURLを解析するシステムを導入し、規則に反するネットの利用に対し、ペナルティを課すことまで行っている。
【0005】
一日の大半の時間を会社に拘束されるオフィスワーカーにとって、帰宅途中が最も寛いで買い物を楽しむことができる時間帯であり、したがって勤務時間中に帰宅経路に存する店舗の広告情報をタイムリーに配信できれば、夕方から夜間にかけて大きな集客効果を期待できるところであるが、PCや携帯電話の使用を前提としたこれまでの広告手法では、上記の理由により、この時間帯を有効に活用できていなかったといわざるを得ない。
【0006】
この発明は、このような従来のインターネット広告が抱える課題を解決するために案出されたものであり、オフィスに勤務するユーザに対して、勤務時間中にも効果的に広告情報を閲覧させることを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載した広告表示システムは、サーバと、無線通信網を含む通信ネットワークを介して上記サーバと接続される複数の卓上端末とを備えた広告表示システムであって、上記サーバは、複数の広告情報を格納しておく広告情報記憶手段と、上記卓上端末からのリクエストに応じて、上記広告情報記憶手段から広告情報を抽出し、当該卓上端末に順次配信する広告配信手段を備え、上記卓上端末は、タッチパネル付のディスプレイと、無線通信手段と、上記ディスプレイの一部に表示させるカレンダー情報を生成するカレンダー処理手段と、上記ディスプレイの一部に表示させる広告情報の配信を、所定の周期で上記サーバに対してリクエストする広告処理手段と、上記カレンダー情報及び広告情報を少なくとも含む画面を生成し、上記ディスプレイに表示させる画面生成手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
請求項2に記載した広告表示システムは、請求項1のシステムを前提とし、さらに上記サーバが、各広告情報と配信対象ユーザの属性との対応関係を格納しておく広告管理記憶手段と、卓上端末を利用するユーザの属性と当該卓上端末の識別情報との対応関係を格納しておくユーザ管理記憶手段とを備え、上記広告配信手段が、上記卓上端末から広告情報の配信リクエストが送信された場合に、上記広告管理記憶手段とユーザ管理記憶手段を参照し、当該卓上端末を所持するユーザの属性にマッチした広告情報を優先的に抽出することを特徴としている。
【0009】
請求項3に記載した広告表示システムは、請求項1または2のシステムを前提とし、さらに、上記広告管理記憶手段には各広告の分類が設定されており、上記ユーザ管理記憶手段には各ユーザの配信希望広告分類が設定されており、上記広告配信手段が、上記卓上端末から広告情報の配信リクエストが送信された場合に、上記広告管理記憶手段とユーザ管理記憶手段を参照し、当該卓上端末を所持するユーザの配信希望広告分類にマッチした広告情報を優先的に抽出することを特徴としている。
【0010】
請求項4に記載した広告表示システムは、請求項1〜3のシステムを前提とし、さらに、上記卓上端末のディスプレイには逆戻りボタンが表示されており、上記卓上端末の広告処理手段が、この逆戻りボタンがタッチされた際に、一つ前に配信された広告情報を上記画面生成手段を介して上記ディスプレイの一部に再表示させる処理と、当該広告情報について再表示されたことを示す実績情報を上記サーバに送信する処理を実行し、上記サーバが、各広告情報が再表示されたことを示す実績情報を記憶する実績記憶手段と、上記卓上端末から送信された上記実績情報を上記実績記憶手段に格納する手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
請求項5に記載した広告表示システムは、請求項1〜4のシステムを前提とし、さらに上記サーバが、各広告情報に対応した広告メールの文面を格納しておく記憶手段を備えており、上記ユーザ管理記憶手段には、各ユーザの電子メールアドレスが格納されており、上記卓上端末のディスプレイには、メール送信ボタンが表示されており、また上記卓上端末が、このメール送信ボタンがタッチされた際に上記サーバに対してメール送信のリクエストを送信する手段を備えており、上記サーバが、このメール送信のリクエストが卓上端末から送信された場合に、当該卓上端末において現在表示中の広告情報に関連付けられた広告メールの文面が本文に記載されると共に、当該卓上端末を利用しているユーザの電子メールアドレスが宛先に設定された電子メールを生成する手段と、この電子メールを送信する手段を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項6に記載した広告表示システムは、請求項2〜5のシステムを前提とし、さらに上記卓上端末が、GPSモジュールと、当該GPSモジュールからの出力に基づいて現在位置を算出する手段と、この現在位置を上記サーバに送信する手段を備えており、上記サーバが、各卓上端末から送信された現在位置情報を上記ユーザ管理記憶手段に格納する手段を備え、また上記広告管理記憶手段には、各広告情報と配信対象ユーザの所在地域との対応関係が格納されており、上記広告配信手段が、広告情報を卓上端末に配信するに際し、当該卓上端末の現在位置にマッチする所在地域が関連付けられた広告情報を優先的に抽出することを特徴としている。
【0013】
請求項7に記載した広告表示システムは、請求項1〜6のシステムを前提とし、さらに上記サーバの広告配信手段が、各卓上端末に対して複数の広告情報を順に配信するに際し、所定の間隔で広告情報以外のコンテンツを混ぜて配信する処理を実行し、上記卓上端末の広告情報表示手段が、サーバから送信された広告情報以外のコンテンツを上記画面生成手段に出力し、ディスプレイの一部に表示させる処理を実行することを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の広告表示システムの場合、専用の卓上端末上に複数の広告情報を順次表示させる仕組みを備えているため、PCや携帯電話の利用に厳しい規制を設けている事業所に勤務しているユーザに対しても、勤務時間中に広告情報を閲覧させることが可能となる。
この卓上端末は、業務の遂行に役立つ電子カレンダー機能を備えているため、極自然な形でオフィス内に持ち込むことができ、勤務時間中に閲覧しても周りから咎められる危険性が少ない。
しかも、卓上端末は無線通信手段を備えており、無線通信網を経由して広告情報が配信されるため、有線LAN等に繋ぐ場合に比べ手軽に導入できる利点がある。
【0015】
請求項2または3に記載の広告表示システムの場合、ユーザの属性や希望に合致した広告情報を優先的に配信することが可能となるため、各種広告情報を漫然と配信する場合に比べ、高い広告効果が期待できる。
【0016】
請求項4に記載の広告表示システムの場合、一つ前に表示された広告情報をユーザのリクエストに応じて再表示させることができるため、特定の広告情報に興味を抱いたユーザに対して、十分な閲覧の機会を与えることが可能となる。
しかも、その事実がサーバの実績記憶手段に記録されるため、行動ターゲティング広告を実施する際の貴重なデータとして活用することが可能となる。
【0017】
請求項5に記載の広告表示システムの場合、特定の広告情報に興味を抱いたユーザがメール送信ボタンをワンタッチするだけで、当該広告情報に関係する広告メールが自動送信される機能を備えているため、ユーザは勤務時間後にメールを頼りに来店することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の広告表示システムによれば、卓上端末の現在位置にマッチした広告情報が優先的に配信される仕組みを備えているため、ユーザの勤務地域に近い店舗の広告情報を重点的に配信し、勤務時間後の購買行動に繋げることが可能となる。
【0019】
請求項7に記載の広告表示システムによれば、ニュースや天気予報、占いといったコンテンツを広告情報の合間に卓上端末上に表示させることが可能となり、卓上端末の利便性が高まる結果、その普及を促進することが期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は、この発明に係る広告表示システム10の全体構成を示すブロック図であり、広告情報登録部11と、広告管理DB12と、広告画像格納部13と、ユーザ情報登録部14と、ユーザ管理DB15と、広告配信部16と、広告メール送信部17と、実績DB18を備えたサーバ19が設置されている。
上記の広告情報登録部11、ユーザ情報登録部14、広告配信部16及び広告メール送信部17は、サーバ19のCPUが、OS及び専用のアプリケーションプログラムに従って必要な処理を実行することにより、実現される。
また、広告管理DB12、広告画像格納部13、ユーザ管理DB15及び実績DB18は、サーバ19の外部記憶装置内に設けられている。
【0021】
このサーバ19には、インターネット等の通信ネットワーク20を介して、広告代理店や広告主のPC端末21や、スマートフォン、タブレット端末等の端末装置が接続され、随時、広告情報のアップロードがなされる。
具体的には、広告代理店の担当スタッフがPC端末21等からサーバ19のWebサイトにログインすると、広告情報登録部11から広告情報登録画面が送信される。
【0022】
図2は、この広告情報登録画面25の具体例を示すものであり、広告分類設定欄26と、配信期間設定欄27と、配信対象設定欄28と、メール広告文設定欄29と、広告画像設定欄30を備えている。
【0023】
広告分類設定欄26は、登録しようとしている広告のカテゴリを特定する項目であり、▼(逆黒三角)ボタンをクリックすると、「飲食系」、「服飾系」、「書籍系」、「文具系」、「家電系」、「生活雑貨系」等の広告分類が列記されたプルダウンメニューが展開される。
この中から担当スタッフが「服飾系」を選択すると、当該広告に対して「服飾系」の広告分類が設定される。
【0024】
配信期間設定欄27は、文字通り当該広告をユーザに対して配信する期間を限定する項目であり、担当スタッフは始期(〜から)と終期(〜まで)の年月日を設定する。
【0025】
配信対象設定欄28は、当該広告を配信すべきユーザの属性を限定する項目であり、性別設定欄31、年代設定欄32、地域1設定欄33、地域2設定欄34、地域3設定欄35が設けられている。
これに対し担当スタッフは、必要な項目についてユーザの属性を設定していく。この際、限定不要な項目については、デフォルトで表示されている「−」のままにしておく。
【0026】
地域1設定欄33〜地域3設定欄35は、配信対象ユーザの勤務地域(=後述の卓上端末の設置地域)を限定するための項目であり、担当スタッフが都道府県の▼ボタンをクリックして北海道〜沖縄県の中から「東京都」を限定した後、市町村区の▼ボタンをクリックすると、東京都に含まれる23区及び市町村がリスト表示される。この中から担当スタッフは、「港区」のように目的とする市町村区を選択する。
さらに多くの地域を指定したい場合、担当スタッフは「地域の追加」ボタン36をクリックし、「地域4〜n」の選択欄を追加することができる。
【0027】
上記の配信対象設定項目は一例であり、これら以外にも、例えば業種設定欄、職種設定欄、年収区分設定欄等を設けておき、配信対象ユーザをより詳細に限定するようにしてもよい。
【0028】
メール広告文設定欄29は、ユーザが卓上端末上において広告メールの送信をリクエストした際に(詳細は後述)、当該ユーザのメールアドレス宛てに送信される広告メールの文面を入力する項目である。
これに対し担当スタッフは、タイトル入力欄37及び本文入力欄38に必要な文字列を打鍵入力する。
【0029】
広告画像設定欄30は、卓上端末に配信する広告情報としての画像ファイルを指定する項目であり、参照ボタン39をクリックするとファイル選択用のダイアログが開くため、担当スタッフはこの中でPC端末21内の所定フォルダに格納された画像ファイルを指定する。この結果、ファイル表示欄40にパス+ファイル名が表示される。
【0030】
以上の作業を完了した担当スタッフが登録ボタン41をクリックすると、選択情報や入力情報、画像ファイルがサーバ19に送信される。
これを受けた広告情報登録部11は、送信された広告の管理情報を広告管理DB12に保存する。図3は、広告管理DB12に格納されたレコードの具体例を示すものであり、広告ID、登録日時、スポンサーID、広告分類、配信期間、配信対象:性別、配信対象:年代、配信対象:地域1〜n、メールタイトル、メール本文、画像ファイルのパス等のデータ項目を備えている。
また、送信された画像ファイルは、広告情報登録部11によって広告画像格納部13内の所定のディレクトリに格納された後、その格納場所が上記の「画像ファイルのパス」に記録される。
【0031】
サーバ19には、3G回線(携帯電話回線)網及びインターネットからなる通信ネットワーク45を介して、卓上端末46が接続される。
図4は、この卓上端末46の外観を示すものであり、前面にはタッチパネル付の液晶ディスプレイ47を備えている。
【0032】
図5は、卓上端末46の機能構成を示すブロック図であり、画面生成部48と、広告処理部49と、カレンダー処理部50と、ユーザ登録処理部51と、カレンダーDB52とを備えている。画面生成部48は、広告処理部49から出力される広告情報と、カレンダー処理部50から出力されるカレンダー情報を少なくとも含む画面を生成し、ディスプレイ47に表示させる機能を果たす。
上記の画面生成部48、広告処理部49、カレンダー処理部50、ユーザ登録処理部51は、この卓上端末46のフラッシュメモリに格納されたAndroid(登録商標)等のOS及び専用のアプリケーションプログラムに従い、卓上端末46のCPUが動作することにより、実現される。また、カレンダーDB52は、上記フラッシュメモリ内に設けられている。
【0033】
この卓上端末46自体は薄いタブレット形状を備えているが、スタンド53を用いることにより、デスクの表面54に立てた状態で載置される。
ディスプレイ47の上方には広告領域55が表示されると共に、下方にはカレンダー領域56が表示されている。
また、カレンダー領域56の下方には、年間契約広告領域57が表示されている。
【0034】
卓上端末46は、3G回線接続モジュールを内蔵しているため、上記のように、3G回線網を通じてインターネットに接続し、広告配信部16との間で情報の交換が可能となる。
この卓上端末46は、Wi-Fi接続モジュールをも搭載しているため、無線LAN網を介してインターネットに接続し、広告配信部16と情報交換を行うこともできる。
さらに卓上端末46は、GPSモジュールを備えているため、複数のGPS衛星からの電波を受信することにより、現在位置(緯度経度)を算出することができる。
【0035】
以下、図6のフローチャートに従い、このシステム10の利用手順について説明する。
まず卓上端末46は、予めSIMカードが装着され、3G回線が開通した状態で、原則無料で希望ユーザに配布される。このためユーザが卓上端末46の電源スイッチ58をONすると(S10)、すぐに専用のアプリケーションプログラムが起動し、画面生成部48によって初期登録画面がディスプレイ47に表示される(S12)。
【0036】
図7は、この初期登録画面59の具体例を示すものであり、氏名入力欄60、ふりがな入力欄61、メールアドレス入力欄62、パスワード設定欄63、生年月日入力欄64、性別選択欄65、業種選択欄66、職種選択欄67、役職選択欄68、勤務先規模選択欄69、年収区分選択欄70、家族構成選択欄71、希望広告分類1選択欄72、希望広告分類2選択欄73が設けられている。
【0037】
これに対しユーザは、各項目に対して画面タッチ操作により、必要な入力や選択を行う。文字列の入力に際しては、ソフトウェアキーボードがディスプレイ上に表示されるため(図示省略)、これを用いて入力を行う。
【0038】
希望広告分類1選択欄72及び希望広告分類2選択欄73は、ユーザが卓上端末46に配信を求める広告の分類を指定する項目であり、飲食系、服飾系、書籍系のように興味のあるカテゴリを指定する。
特に希望する分類が存しない場合には、指定を省略することができる。また、2つの分類指定では足りない場合には、「分類の追加」ボタン74をタッチすることにより、「希望広告分類3〜n」の選択欄を追加することができる。
【0039】
以上の作業を完了したユーザが登録ボタン75をタッチすると、選択情報や入力情報がユーザ登録処理部51を通じてサーバ19のユーザ情報登録部14に送信される(S14)。この際、ユーザ登録処理部51がGPSモジュールからの出力に基づいて算出した現在位置情報(緯度経度情報)も、合わせて送信される。
【0040】
これを受けたユーザ情報登録部14は、送信された情報をユーザ管理DB15に登録する(S16)。
図8は、ユーザ管理DB15に登録されたレコードの具体例を示すものであり、ユーザID、端末ID、3G回線番号、端末設置位置、登録年月日、氏名、ふりがな、メールアドレス、パスワード、生年月日、性別、業種、職種、役職、勤務先規模、年収区分、家族構成、希望広告分類1〜n等のデータ項目を備えている。
【0041】
「ユーザID」には、ユーザ情報登録部14によって自動的に採番された識別コードが記録される。
「端末ID」には、卓上端末46から送信された端末識別コードが記録される。
「3G回線番号」には、卓上端末46の発信者番号が記録される。
「端末設置位置」には、卓上端末46から送信された位置情報が記録される。
【0042】
ユーザの新規登録が完了すると、広告配信部16が広告管理DB12とユーザ管理DB15を参照し、所定のマッチングルールに従って特定の画像ファイル(以下「広告画像」)を広告画像格納部13から抽出し(S18)、卓上端末46に配信する(S20)。
【0043】
例えば、ユーザが「男性」であり、卓上端末46の位置情報が「東京都中央区」に含まれている場合、広告配信部16は、広告管理DB12から配信対象の性別として「男性」が設定され、かつ対象地域として「東京都中央区」が設定されている広告の中、現在が配信期間に含まれるものを、配信候補として抽出する。
この配信候補が複数あり、当該ユーザが希望広告分類を登録してある場合には、この希望広告分類に合致する広告画像が優先的に配信される。
逆に、ユーザの希望広告分類や属性に適合する配信候補が存在しない場合、広告配信部16は異なる広告分類や属性に係る広告画像を配信することができる。
【0044】
卓上端末46の広告処理部49は、送信された画像ファイルを画面生成部48に渡す。
この結果、図4に示したように、卓上端末46の広告領域55に広告画像が表示される(S22)。
【0045】
一方、卓上端末46に対する広告画像の配信を完了した広告配信部16は、配信実績情報を実績DB18に登録する。
図9は、この実績DB18に格納されたレコードの具体例を示すものであり、広告ID、ユーザID、配信日時、メール送信の有無、再表示の有無等のデータ項目を備えている。
【0046】
卓上端末46の広告処理部49は、広告画像の表示時間を計測しており、最初に表示されてから所定時間(例えば5分間)経過した時点で、広告画像の更新リクエストを送信する(S26)。
【0047】
これを受けた広告配信部16は、他の広告画像を広告画像格納部13から抽出し(S28)、卓上端末46に配信する(S30)。この際、広告配信部16は、当該ユーザの属性との適合度が最も高い広告画像を選定する。
【0048】
これに対し卓上端末46の広告処理部49は、送信された広告画像を画面生成部48に渡す。この結果、卓上端末46の広告領域55に表示された広告画像が、他の広告画像に差し替えられる(S32)。
【0049】
上記と同様、卓上端末46に対する広告画像の配信を完了した広告配信部16は、配信実績情報を実績DB18に登録する(S34)。
【0050】
広告領域55の近傍には、「メール送信」ボタン76が設けられており、現在表示されている広告画像の内容に興味を覚えたユーザがこれにタッチすると、広告処理部49から広告メール送信のリクエストが送信される(S36)。
【0051】
これを受けた広告配信部16は、当該広告に係るメールタイトル及びメール本文を広告管理DB12から抽出すると共に、ユーザ管理DB15から当該ユーザのメールアドレスを抽出し、広告メールを生成する(S38)。
この広告メールの宛先にはユーザのメールアドレスが設定されていると共に、広告画像が添付されている。
【0052】
この広告メールは、広告メール送信部17によって、ユーザのメールアドレス宛に送信される(S40)。
ユーザは、自己の携帯電話77等においてこの広告メールを開封することにより、勤務時間後に、メールを頼りに来店することができる。
広告配信部16は、広告メールを送信した事実を、配信実績情報の「メール送信の有無」に、「有り」として記録する。
【0053】
その後も広告処理部49は、一定の時間間隔が経過する都度、広告配信部16に対して広告画像の更新リクエストを発し続ける(S44)。この結果、卓上端末46の広告領域55に表示される広告情報が、定期的に更新されることとなる。
【0054】
このように、広告画像は原則として5分間隔で差し替えられるため、ユーザに対して多くの広告画像を順番に提供することが可能となる。
ただし、ユーザが逆戻りボタン78をタッチした場合、広告処理部49はメモリにキャッシュしておいた一つ前の広告画像を画面生成部48に出力し、広告領域55に再表示させる。この結果ユーザは、見逃してしまった広告画像を確認することが可能となる。この場合、広告処理部49からサーバ19に対して再表示の実績情報が送信され、これを受けた広告配信部16は、当該広告に係る再表示の実績情報として、実績DB18の「再表示の有無」に「有り」を記録する。
ユーザは、前進ボタン79をクリックすることにより、いつでも次の広告画像に復帰することができる。あるいは、そのまま5分間経過すれば、自動的に次の広告画像が再表示される。
【0055】
卓上端末46の年間契約広告領域57には、システム10の運営会社との間で年間契約を締結した優良スポンサーの社名が常時表示されており、ユーザがこれをタッチすると、当該スポンサー企業のホームページにユーザを案内するための広告メールが広告配信部16によって生成され、広告メール送信部17を介して当該ユーザのメールアドレス宛に送信される。
この年間契約広告領域57に表示される優良スポンサーの社名は、サーバ19の広告配信部16から広告処理部49に送信され、画面生成部48に出力されたものである。
【0056】
卓上端末46のカレンダー領域56には、月間カレンダーが表示されており、ユーザが何れかの日にちにタッチすると、カレンダー処理部50によって1日分のスケジュールが記載された詳細画面が生成され、画面生成部48を介してカレンダー領域56に表示される(図示省略)。
【0057】
この詳細画面においてユーザが「予定の追加」ボタンをタッチすると、カレンダー処理部50によって予定の新規編集画面が生成され、画面生成部48を介してカレンダー領域56に表示される(図示省略)。
これに対しユーザは、予定の件名や時間、場所、カテゴリ等を入力し、「登録」ボタンをタッチする。
これを受けたカレンダー処理部50は、入力された予定情報をカレンダーDB52に格納する。
【0058】
予定を設定した日には、予定の存在を示すバーが表示されるため、ユーザは特定の日に予定が入っているか否かを一目で確認することができる。
またユーザが週表示ボタン80をタッチすると、1週間分の予定が曜日毎に記述された週間カレンダーがカレンダー処理部50によって生成され、画面生成部48を介してカレンダー領域56に表示される。
【0059】
ユーザは、前月移動ボタン81あるいは次月移動ボタン82にタッチすることにより、月単位でカレンダー上を移動することができる。このためユーザは、何ヶ月にも亘って自己の予定を確認することが可能となる。この場合でも、「今日」移動ボタン83をタッチすることにより、直ちに今月に戻ることができる。
【0060】
このように、卓上端末46は業務の遂行に役立つ電子カレンダーとしての機能を備えているため、人目を憚ることなく職場のデスクトップに置くことができる。
また、ユーザが予定を確認する際には広告画像が常に目に入るため、広告の視認頻度が自然に高まることが期待でき、退社後の購買行動に効果的に誘導することが可能となる。
【0061】
ユーザが「設定」ボタン84をタッチすると、ユーザ登録処理部51によって初期登録画面59が生成され、画面生成部48を介してディスプレイ47に表示される(図7参照)。この結果ユーザは、一旦登録した自己の属性情報をいつでも修正することが可能となる。
なお、この属性情報の変更に際しては、ユーザIDとパスワードの入力が義務付けられることは言うまでもない。
【0062】
上記においては、広告情報として画像ファイルが卓上端末46に配信される例を示したが、この発明はこれに限定されるものではなく、テキストファイルやHTMLファイル、音声なしの動画ファイルを広告情報として配信することもできる。
この場合も、卓上端末46の広告処理部49がこれらの広告情報を広告配信部16から受け取った後、画面生成部48によってディスプレイ47の広告領域55に表示される。
【0063】
また上記においては、広告領域55に広告情報が連続して表示される例を示したが、広告領域55に他の種類のコンテンツ(ニュース、天気予報、占い等)を所定のタイミングで表示させることもできる。
例えば、広告情報を2本表示させた後、ニュースコンテンツを1本表示させることなどが該当する。
【0064】
上記カレンダーDB52に格納された予定情報を、所定のタイミングでインターネット上のスケジュール管理サービスを提供するWebサーバとの間で同期させる機能を、卓上端末46に設けることもできる。
この同期機能を利用するためには、予め上記サービスにおけるユーザのアカウント及びパスワードを卓上端末46内に登録しておく。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】この発明に係る広告表示システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】広告情報登録画面の具体例を示す図である。
【図3】広告管理DBに格納されたレコードの具体例を示す図である。
【図4】卓上端末の前面を示す図である。
【図5】卓上端末の機能構成を示すブロック図である。
【図6】このシステムの利用手順を示すフローチャートである。
【図7】初期登録画面の具体例を示す図である。
【図8】ユーザ管理DBに格納されたレコードの具体例を示す図である。
【図9】実績DBに格納されたレコードの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
10 広告表示システム
11 広告情報登録部
12 広告管理DB
13 広告画像格納部
14 ユーザ情報登録部
15 ユーザ管理DB
16 広告配信部
17 広告メール送信部
18 実績DB
19 サーバ
20 通信ネットワーク
21 PC端末
25 広告情報登録画面
26 広告分類設定欄
27 配信期間設定欄
28 配信対象設定欄
29 メール広告文設定欄
30 広告画像設定欄
31 性別設定欄
32 年代設定欄
33 地域1設定欄
34 地域2設定欄
35 地域3設定欄
36 地域の追加ボタン
37 タイトル入力欄
38 本文入力欄
39 参照ボタン
40 ファイル表示欄
41 登録ボタン
45 通信ネットワーク
46 卓上端末
47 ディスプレイ
48 画面生成部
49 広告処理部
50 カレンダー処理部
51 ユーザ登録処理部
53 スタンド
54 デスクの表面
55 広告領域
56 カレンダー領域
57 年間契約広告領域
58 電源スイッチ
59 初期登録画面
60 氏名入力欄
61 ふりがな入力欄
62 メールアドレス入力欄
63 パスワード設定欄
64 生年月日入力欄
65 性別選択欄
66 業種選択欄
67 職種選択欄
68 役職選択欄
69 勤務先規模選択欄
70 年収区分選択欄
71 家族構成選択欄
72 希望広告分類1選択欄
73 希望広告分類2選択欄
74 分類の追加ボタン
75 登録ボタン
76 「メール送信」ボタン
77 携帯電話
78 逆戻りボタン
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、無線通信網を含む通信ネットワークを介して上記サーバと接続される複数の卓上端末とを備えた広告表示システムであって、
上記サーバは、複数の広告情報を格納しておく広告情報記憶手段と、
上記卓上端末からのリクエストに応じて、上記広告情報記憶手段から広告情報を抽出し、当該卓上端末に順次配信する広告配信手段を備え、
上記卓上端末は、タッチパネル付のディスプレイと、
無線通信手段と、
上記ディスプレイの一部に表示させるカレンダー情報を生成するカレンダー処理手段と、
上記ディスプレイの一部に表示させる広告情報の配信を、所定の周期で上記サーバに対してリクエストする広告処理手段と、
上記カレンダー情報及び広告情報を少なくとも含む画面を生成し、上記ディスプレイに表示させる画面生成手段と、
を備えたことを特徴とする広告表示システム。
【請求項2】
上記サーバは、各広告情報と配信対象ユーザの属性との対応関係を格納しておく広告管理記憶手段と、
卓上端末を利用するユーザの属性と、当該卓上端末の識別情報との対応関係を格納しておくユーザ管理記憶手段とを備え、
上記広告配信手段は、上記卓上端末から広告情報の配信リクエストが送信された場合に、上記広告管理記憶手段とユーザ管理記憶手段を参照し、当該卓上端末を所持するユーザの属性にマッチした広告情報を優先的に抽出することを特徴とする請求項1に記載の広告表示システム。
【請求項3】
上記広告管理記憶手段には、各広告の分類が設定されており、
上記ユーザ管理記憶手段には、各ユーザの配信希望広告分類が設定されており、
上記広告配信手段は、上記卓上端末から広告情報の配信リクエストが送信された場合に、上記広告管理記憶手段とユーザ管理記憶手段を参照し、当該卓上端末を所持するユーザの配信希望広告分類にマッチした広告情報を優先的に抽出することを特徴とする請求項1または2に記載の広告表示システム。
【請求項4】
上記卓上端末のディスプレイには、逆戻りボタンが表示されており、
上記卓上端末の広告処理手段は、この逆戻りボタンがタッチされた際に、一つ前に配信された広告情報を上記画面生成手段を介して上記ディスプレイの一部に再表示させる処理と、当該広告情報について再表示されたことを示す実績情報を上記サーバに送信する処理を実行し、
上記サーバは、各広告情報が再表示されたことを示す実績情報を記憶する実績記憶手段と、
上記卓上端末から送信された上記実績情報を上記実績記憶手段に格納する手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の広告表示システム。
【請求項5】
上記サーバは、各広告情報に対応した広告メールの文面を格納しておく記憶手段を備えており、
上記ユーザ管理記憶手段には、各ユーザの電子メールアドレスが格納されており、
上記卓上端末のディスプレイには、メール送信ボタンが表示されており、
また上記卓上端末は、このメール送信ボタンがタッチされた際に、上記サーバに対してメール送信のリクエストを送信する手段を備えており、
上記サーバは、このメール送信のリクエストが卓上端末から送信された場合に、当該卓上端末において現在表示中の広告情報に関連付けられた広告メールの文面が本文に記載されると共に、当該卓上端末を利用しているユーザの電子メールアドレスが宛先に設定された電子メールを生成する手段と、
この電子メールを送信する手段を備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の広告表示システム。
【請求項6】
上記卓上端末は、GPSモジュールと、
当該GPSモジュールからの出力に基づいて現在位置を算出する手段と、
この現在位置を上記サーバに送信する手段を備えており、
上記サーバは、各卓上端末から送信された現在位置情報を、上記ユーザ管理記憶手段に格納する手段を備え、
また上記広告管理記憶手段には、各広告情報と配信対象ユーザの所在地域との対応関係が格納されており、
上記広告配信手段は、広告情報を卓上端末に配信するに際し、当該卓上端末の現在位置にマッチする所在地域が関連付けられた広告情報を優先的に抽出することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載の広告表示システム。
【請求項7】
上記サーバの広告配信手段は、各卓上端末に対して複数の広告情報を順に配信するに際し、所定の間隔で広告情報以外のコンテンツを混ぜて配信する処理を実行し、
上記卓上端末の広告処理手段は、サーバから送信された広告情報以外のコンテンツを上記画面生成手段に出力し、ディスプレイの一部に表示させる処理を実行することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の広告表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−198590(P2012−198590A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60563(P2011−60563)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)