説明

広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラム

【課題】広告配信の対象者の位置及び移動を考慮しつつ、広告の表示タイミングと広告の内容とを決定し得る、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】広告配信装置10は、ユーザが保持する携帯端末20A及び20Bから送信されてきた行動情報に基づいて、設定された時間帯に、広告表示装置30の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部11と、特定された属性と、予め広告毎に設定された広告の表示条件とに基づいて、設定された時間帯において広告表示装置30に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、設定された時間帯を示す時間情報とを、広告表示装置30に送信する広告決定部13とを備えている。広告表示装置30は、広告情報及び時間情報に基づいて、決定された広告を、設定された時間帯において表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店頭等に設置された広告表示装置に広告を配信するための広告配信装置、これらを備えた広告配信システム、広告配信方法、及びこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサにより利用者の行動情報を収集し、集めたデータに応じて情報を加工又は生成して、利用者に広告を提供する広告配信システムが利用されている。また、このような広告配信システムのうち、特に、利用者属性及び閲覧履歴等を手がかりにして、広告情報を検索し、検索した広告情報を表示する広告配信システムが提案されている。
【0003】
従来からの広告配信システムの一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された広告配信システムは、広告配信支援装置を備えており、広告配信支援装置は、広告出稿パターン生成手段と広告効果効率試算手段とを備えている。この広告配信支援装置において、広告出稿パターン生成手段は、まず、広告を出稿する時間帯を示す枠と、枠に出稿する広告の識別子と、を関連づけて、複数の出稿パターンデータを生成する。
【0004】
また、広告出稿パターン生成手段は、生成した複数の出稿パターンデータのうち、空き枠時間長が、当該出稿パターンデータにおいて当該枠に関連付けられた識別子に対応する広告の時間長の合計より大きい、出稿パターンデータを抽出する。なお、空き枠時間長は、各出稿パターンの枠に関連付けられた空き枠データに含まれている情報である。
【0005】
広告効果効率試算手段は、出稿パターン生成手段によって抽出された出稿パターンデータについて、広告の効果効率を算出する。このように、特許文献1に開示された広告配信システムでは、広告の効果効率が算出されるため、広告効果が最適となる形での広告の配信が可能になる。
【0006】
また、従来の広告配信システムの他の一例が、特許文献2に開示されている。特許文献2に開示された広告配信システムは、広告配信サーバと、ファイルサーバと、媒体記録サーバと、閲覧端末とを備えている。特許文献2に開示された広告配信システムでは、まず、広告配信サーバは、閲覧端末に要求された広告属性情報を閲覧端末に送信する。
【0007】
閲覧端末は、ブラウザの閲覧履歴情報に含まれるURLと、広告主が出稿の際に予め関連付けて登録している閲覧履歴候補情報とを照合し、合致したURLを閲覧履歴候補情報として有する広告属性情報を特定する。そして、閲覧端末は、特定した広告属性情報に含まれる広告情報を、媒体であるWebページ上の広告スペースに挿入する。
【0008】
このように、特許文献2に開示された広告配信システムによれば、広告効果の高い広告が利用者にマッチングされる。結果、インターネット上での広告の提供において、広告主にとっては、より広告効果が高くなり、媒体主にとっては、広告スペースの有効利用が図られることになる。
【0009】
また、従来の広告配信システムの他の一例が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示された広告配信システムは、まず、利用者によって提出された過去の検索クエリーを使用して、初期のユーザプロファイル情報を決定する。
【0010】
次に、当該広告配信システムは、多数の文書と利用者とのそれぞれに対してノードを定義してグラフを作成し、その際、ノード間に関連がある場合にはノード間にエッジを追加し、そして、グラフのトポロジーを使用してユーザプロファイル情報を推測する。
【0011】
その後、当該広告配信システムは、決定した初期ユーザプロファイル情報と推測したユーザプロファイル情報とに基づいて、ユーザプロファイル情報を決定し、決定したユーザプロファイル情報に基づいて、利用者に適合した広告を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010-262508号公報(第1図)
【特許文献2】特開2010-27086号公報(第1図−第4図)
【特許文献3】特開2010−176675号公報(第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
以上のように、特許文献1〜特許文献3に開示された広告配信システムを用いれば、利用者に適合した広告を配信でき、広告効果の向上が図られると考えられるが、以下の問題が発生している。
【0014】
第1の問題点は、特許文献1〜特許文献3に開示された広告配信システムでは、広告を適切なタイミングで配信できず、かつ、広告内容が適切とならない可能性がある、ということである。その理由は、当該広告配信システムは、広告を閲覧する利用者の情報を参照しないで、または、閲覧履歴を参照するだけなど、利用者の位置や、移動、またはその両方を考慮せずに、広告の表示タイミングと広告の内容とを決定しているためである。
【0015】
特に、利用者が移動している場合に、利用者の現在位置に基づいて広告内容が決定されると、広告内容が決定されてから広告が表示されるまでの間に利用者が移動するため、配信タイミングと広告内容とが適切でなくなる可能性が高くなってしまう。
【0016】
第2の問題点は、特許文献1〜特許文献3に開示された広告配信システムでは、広告枠及び広告情報の価値を向上させることができない、ということである。その理由は、第1の問題点と同じく、当該広告配信システムは、広告を閲覧する利用者の情報を参照しないか、または、閲覧履歴を参照するだけなど、利用者の位置と移動との両方を考慮せずに、広告の表示タイミングと広告の内容とを決定しているためである。
【0017】
利用者が移動している場合に、その場に居る利用者に適した広告情報を表示しようとすると、広告を可能な限り早く表示する必要がある。このため、時間が確保できず、広告に、オークションなどによる広告枠、広告情報の価値向上の施策を取り入れることは難しく、結果、広告枠及び広告情報の価値の向上は困難となる。
【0018】
[発明の目的]
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、広告配信の対象者の位置及び移動を考慮しつつ、広告の表示タイミングと広告の内容とを決定し得る、広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における広告配信システムは、広告を表示する広告表示装置と、広告配信装置とを備え、
前記広告配信装置は、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、を備え、
前記広告表示装置は、前記広告情報及び前記時間情報に基づいて、決定された前記広告を、前記設定された時間帯において表示する、
ことを特徴とする、広告配信システム。
【0020】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における広告配信装置は、広告表示装置に広告を配信するための装置であって、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、
を備えている、ことを特徴とする。
【0021】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における広告配信方法は、広告表示装置に広告を配信するための方法であって、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする。
【0022】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータに、広告表示装置への広告の配信を行なわせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上のように本発明によれば、広告配信の対象者の位置及び移動を考慮しつつ、広告の表示タイミングと広告の内容とを決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの動作を示す流れ図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1におけるユーザ推定部の動作を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1におけるユーザ推定部の動作の他の例を説明するための図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2における広告配信システムの動作を示す流れ図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態2における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの動作を示す流れ図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの動作を示す流れ図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態1〜4における広告配信装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムについて、図1〜図5を参照しながら説明する。
【0026】
[装置構成]
最初に、本実施の形態1における広告配信システム1及び広告配信装置10の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、本実施の形態1における広告配信システム1は、広告を表示する広告表示装置30と、広告配信装置10とを備えている。広告配信装置10は、ユーザ推定部11と、広告決定部13とを備えている。また、広告配信装置10には、各ユーザが保持する携帯端末20A及び20Bが、通信網(図1において図示せず)を介して接続されている。
【0028】
ユーザ推定部11は、まず、各ユーザが保持する各携帯端末20A及び20Bから送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、広告表示装置30の位置を基準としたエリアに存在するユーザを推定する。また、ユーザ推定部11は、ユーザを推定すると、推定したユーザの属性を特定する。
【0029】
広告決定部13は、特定された属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、設定された時間帯において広告表示装置30に表示させるべき広告を決定する。そして、広告決定部13は、決定した広告の内容を特定する広告情報と、設定された時間帯を示す時間情報とを、広告表示装置30に送信する。
【0030】
また、広告表示装置39は、送信されてきた広告情報及び時間情報に基づいて、広告配信装置10で決定された広告を、設定された時間帯において表示する。
【0031】
このように、本実施の形態1では、携帯端末から取得した行動情報から、ユーザの位置及び移動が考慮される。そして、これらに基づいて、対象となる広告表示装置の周辺に、特定の時間帯において存在しているユーザが予測され、予測されたユーザの属性に基づいて、特定の時間帯に表示される広告が決定される。つまり、本実施の形態1によれば、広告配信の対象となる者の位置及び移動を考慮しつつ、広告の表示タイミングと広告の内容とが決定される。
【0032】
ここで、本実施の形態における広告配信システムの構成について更に具体的に説明する。まず、本実施の形態において、広告配信装置10は、後述するように、本実施の形態1におけるプログラムをインストールしたコンピュータによって実現されている。携帯端末20A及び20Bは、例えば、携帯電話、スマートフォン等の携帯型の通信端末であり、携帯電話網、イーサネット(登録商標)上のIP(インターネットプロトコル)通信網等を介して、広告配信装置10と通信を行なう。
【0033】
また、本実施の形態では、携帯端末20A及び20Bのユーザは、それぞれ、ユーザA及びユーザBであり、各ユーザは、携帯端末を日常的に携帯及び利用する。よって、携帯端末から送信される行動情報に基づくことで、各ユーザの行動を把握することが可能となる。
【0034】
本実施の形態1では、携帯端末20A及び20Bは、それぞれ、図1に示すように、ユーザの行動に応じた信号を出力するセンサ21と、行動決定部22とを備えている。各携帯端末の行動決定部22は、センサ21の信号を解析して、携帯端末を保持するユーザの行動を決定し、決定した各行動を特定する情報を行動情報として、広告配信装置10に送信する。また、行動決定部22は、例えば、携帯端末20A及び20Bに組み込まれたプログラムによって具現化され、実際には、携帯端末に搭載されたCPU(Central Processing Unit)が行動決定部22として機能する。
【0035】
センサ21としては、GPSモジュール(GPS受信機)が挙げられる。GPSモジュールは、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を構成する測位衛星から信号を受信し、受信した信号に基づいて、携帯端末の座標(例えば、緯度、経度、高度)を特定する信号を出力するセンサである。GPSモジュールは、近年、多くの携帯電話、スマートフォン等の携帯端末で採用されており、一般的に利用されているため、本明細書では、詳細は省略する。
【0036】
また、本実施の形態1では、センサ21は、GPSモジュール以外のセンサであっても良く、携帯端末の位置を少なくとも特定可能なセンサであれば良い。例えば、測位方式として無線LANが用いられている場合は、センサ21としては、無線LANの親機から電波を受信する無線LAN用の受信機が用いられる。その他、センサ21としては、加速度センサ、ジャイロセンサ等も挙げられ、この場合は、携帯端末において、自律航行型の測位方式が実現可能となる。
【0037】
センサ21としてGPSモジュールが使用されている場合、行動決定部22は、GPSモジュールが出力した信号に基づいて、携帯端末の座標を特定し、更に、座標の時間の経過に伴う変化の差分に基づいて、携帯端末の移動方向と移動速度とを求める。そして、行動決定部22は、携帯端末の座標、移動方向、及び移動速度を、行動情報として、広告配信装置10に送信する。
【0038】
また、本実施の形態1では、行動決定部22は、携帯端末に予め登録されているユーザの属性情報、例えば、年代、性別、嗜好(好きな食べ物等)を取得し、取得した属性情報も行動情報と共に広告配信装置10に送信することができる。更に、行動決定部22による行動情報の作成及び送信は、一定間隔で実行されている。
【0039】
広告表示装置30は、店頭、駅構内、街頭等、多数の人の目につく場所に、多数の人が表示されている広告の内容を把握し易いように設置されている。広告表示装置30は、表示部32と、管理部31とを備えている。表示部32は、例えば、液晶表示装置等の表示装置で構成されている。
【0040】
管理部31は、表示部32に表示される広告等を管理している。本実施の形態では、管理部31は、広告配信装置10から送信されてきた広告情報及び時間情報に基づいて、表示部32に、設定された時間帯において広告を表示させる。管理部31は、例えば、コンピュータに所定のプログラムを実行させることによって構築され、この場合、コンピュータのCPUが管理部31として機能する。
【0041】
また、本実施の形態1では、管理部31は、広告を表示していない間は、画像、映像等の表示用のコンテンツを表示部32に表示させることもできる。更に、管理部31は、広告情報及び表示用コンテンツを、例えば、15秒単位の広告枠で管理し、これらを、広告枠毎に表示させる。
【0042】
また、管理部31は、広告配信装置10からの問い合わせに応じて、広告の表示が予定されていない時間帯(広告枠)を特定する時間枠情報を、広告配信装置10に出力することもできる。具体的には、管理部31は、広告の表示が予定されていない広告枠の開始時刻と終了時刻とを示すテキスト情報を出力する。この場合、広告配信装置10において、ユーザ推定部11は、時間枠情報で特定された時間帯を、設定された時間帯として、エリアに存在するユーザを推定する。
【0043】
また、図1に示すように、本実施の形態1では、広告配信装置10には、広告生成端末40A及び40Bが接続されている。広告生成端末40A及び40Bは、それぞれ、広告出稿者が使用する端末である。図1の例では、広告生成端末40Aの使用者が広告出稿者Aであり、広告生成端末40Bの使用者が広告出稿者Bである。
【0044】
また、広告出稿者A及びBは、それぞれが使用する広告生成端末を介して、出稿対象となる広告について、広告情報とその表示条件とを広告配信装置10に送信する。なお、図1においては、2人の広告出稿者と2つの広告生成端末のみが図示されているが、本実施の形態において広告出稿者及び広告生成端末の数は特に限定されるものではない。
【0045】
本実施の形態では、広告生成端末40A及び40Bは、広告生成部41を備えている。広告生成部41は、広告出稿者の指示に応じて、出稿対象となる広告の広告情報と表示条件とを生成する。また、広告生成端末40A及び40Bの具体例としては、コンピュータが挙げられ、この場合、広告生成部41は、所定のプログラムによって構築され、コンピュータのCPUが広告生成部41として機能する。
【0046】
本実施の形態1において、広告情報としては、テキスト形式のデータ、静止画データ、動画データ、音声データ、及び、これらが組み合わされたHTML(Hyper Text Markup Language)形式のデータ等が挙げられる。本実施の形態1において、広告情報の形式は特に限定されるものではない。
【0047】
また、本実施の形態1において、表示条件としては、広告の対象者として想定されている閲覧者の属性情報(性別、年代、嗜好など)、表示すべき時間帯、テキスト/動画/音声等といった広告情報が利用するデータ形式、広告表示時に支払われる料金(広告費)、が挙げられる。
【0048】
また、図1に示すように、本実施の形態1では、広告配信装置10は、ユーザ推定部11及び広告決定部13に加えて、行動履歴蓄積部12と広告蓄積部14とを備えている。行動履歴蓄積部12は、携帯端末20A及び20Bから送信されてきた、各ユーザの行動情報を、ユーザ毎に行動履歴として蓄積する。また、行動履歴蓄積部12は、携帯端末20A及び20Bから送信されてきた各ユーザの属性情報についても、対応する行動情報に関連付けて行動履歴として蓄積する。
【0049】
ユーザ推定部11は、本実施の形態では、行動履歴蓄積部12に蓄積されたユーザ毎の行動情報(行動履歴)に基づいて、設定された時間帯(指定された時刻)に、広告表示装置30付近のエリアに存在する可能性が高い1人又は2人以上のユーザを推定する。
【0050】
上述したように、広告表示装置30の管理部31が、時間枠情報を出力している場合は、ユーザ推定部11は、時間枠情報で特定された時間帯を、設定された時間帯として、エリアに存在する1人又は2人以上のユーザを推定する。また、ユーザ推定部11は、ユーザの推定後、行動履歴蓄積部12から、推定したユーザに対応する属性情報を取得し、推定したユーザの属性を特定する。更に、ユーザ推定部11は、設定された時間帯に、エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合は、推定した複数のユーザに共通する属性を特定する。
【0051】
広告決定部13は、本実施の形態では、広告生成端末40A及び40Bから送信されてきた、各広告の広告情報と表示条件とを受け取り、これらを広告蓄積部14に蓄積させる。そして、広告決定部13は、ユーザ推定部11が特定したユーザの属性と、蓄積されている各広告の表示条件とを対比して、表示条件がユーザの属性に適合する広告を特定する。この特定された広告は、広告表示装置30に表示させるべき広告と決定される。
【0052】
また、本実施の形態では、広告決定部13は、広告情報を送信した後に、送信した広告情報の取得元である広告生成端末40A又は40Bに対して、広告料の支払いを求める通知を送信することもできる。
【0053】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態1における広告配信システム1及び広告配信装置10の動作について図2〜図4を用いて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの動作を示す流れ図である。図3は、本発明の実施の形態1における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。図4は、図2に示す、広告配信装置でのユーザの推定処理の一例を具体的に説明する図である。
【0054】
以下の説明においては、適宜図1を参酌する。また、本実施の形態1では、広告配信装置10を動作させることによって、広告配信方法が実施される。よって、本実施の形態1における広告配信方法の説明は、以下の広告配信装置10の動作説明に代える。
【0055】
[運動情報の生成処理及び送信処理]
図2に示すように、携帯端末20Aにおいて、センサ21が、携帯端末20Aの座標を計測し、計測した座標を特定する信号を行動決定部22に出力する(ステップS21A)。そして、行動決定部22は、センサ21からの信号に基づいて、ユーザAの行動を決定して行動情報を生成し、これを広告配信装置10に送信する(ステップS22A)。
【0056】
同様に、携帯端末20Bにおいても、センサ21が、携帯端末20Bの座標を計測し、計測した座標を特定する信号を行動決定部22に出力する(ステップS21B)。そして、行動決定部22は、センサ21からの信号に基づいて、ユーザBの行動を決定して行動情報を生成し、これを広告配信装置10に送信する(ステップS22B)。
【0057】
また、本実施の形態において、携帯端末20A及び20Bは、これらの処理を継続的に繰り返し実行する。加えて、ステップS22A及び22Bでは、各行動決定部22は、携帯端末に登録されているユーザの属性を示す属性情報を取得し、取得した属性情報も、行動情報と共に広告配信装置10に送信する。
【0058】
図3に示す例では、6人のユーザA〜Fが図示されており、各ユーザはそれぞれ携帯端末(20A〜20F)を日常的に保持しているが、図2においては、代表して携帯端末20A及び20Bのみが例示される。
【0059】
次に、広告配信装置10において、行動履歴蓄積部12が、ステップS22A及びS22Bの実行によって送信された、行動情報及び属性情報を、ユーザの行動履歴として蓄積する(ステップA1)。
【0060】
[広告情報の生成処理、送信処理、及び蓄積処理]
図2に示すように、広告出稿者Aからの指示に応じて、広告生成端末40Aでは、広告生成部41が、広告情報と表示条件とを生成する(ステップS41A)。同様に、広告出稿者Bからの指示に応じて、広告生成端末40Bでは、広告生成部41が、広告情報と表示条件とを生成する(ステップS41B)。
【0061】
なお、図2においても、2人の広告出稿者と2つの広告生成端末のみが図示されているが、本実施の形態において広告出稿者及び広告生成端末の数は特に限定されるものではない。
【0062】
次に、広告配信装置10において、広告決定部13は、広告生成端末40A及び40Bに対して、生成されている広告情報の有無を問合せ、更に、広告情報が有る場合は、その表示条件の内容を問い合わせる(ステップA2)。
【0063】
次に、ステップA2が実行されると、広告生成端末40A及び40Bは、生成している広告情報と表示条件とを、広告決定部13に対する応答として、広告決定部13に送信する(ステップS42A及びS42B)。
【0064】
次に、広告配信装置10において、広告決定部13は、広告生成端末40A及び40Bから広告情報と表示条件とを受信し(ステップA3)、更に、それらを広告蓄積部14に蓄積させる(ステップA4)。
【0065】
[時間枠情報の送信処理]
図2に示すように、広告表示装置30においては、管理部31は、起動後、初期化処理を実行する(ステップS31)。その後、管理部31は、広告を表示していない間は、広告枠毎に、画像、映像等の表示用のコンテンツを表示部32に表示させる。
【0066】
また、図3に示すように、広告表示装置30としては、サイネージと呼ばれる大型ディスプレイを備えた表示用端末を用いることができる。このような、サイネージは、街中の店頭など、多数のユーザが表示された内容を参照できる場所に設置される。
【0067】
次に、広告配信装置10において、広告決定部13は、広告表示装置30に対して、広告を表示可能であるかどうか等の動作状態を問い合わせる(ステップA5)。
【0068】
次に、広告表示装置30において、管理部31は、広告決定部13からの問い合わせを受けると、空いている広告枠を特定する時間枠情報を送信する(ステップS32)。具体的には、ステップS32では、管理部31は、表示用コンテンツが決まっておらず広告情報の表示に利用可能な広告枠の、開始時刻と終了時刻とを示すテキスト情報を送信する。
【0069】
次に、広告配信装置10において、広告決定部13は、広告表示装置30から時間枠情報を受信すると、ユーザ推定部11に、空いている広告枠を通知する(ステップA6)。
【0070】
[ユーザの推定処理、広告の決定処理]
ステップA6が実行された後、ユーザ推定部11は、ステップA7を実行する。ステップA7では、まず、ユーザ推定部11は、行動履歴蓄積部12に蓄積されている各ユーザの行動履歴を参照して、ステップA6で通知された、空いている広告枠の開始時刻に、広告表示装置30付近のエリアに存在する可能性が高い、1人又は2人以上のユーザを推定する。また、ユーザ推定部11は、行動履歴蓄積部12から、推定したユーザに対応する属性情報を取得し、推定したユーザの属性を特定する。そして、ユーザ推定部11は、特定した属性を、広告決定部13に通知する。
【0071】
ここで、図4を用いて、ステップA7について更に具体的に説明する。図4は、本発明の実施の形態1におけるユーザ推定部の動作を説明するための図である。図4に示すように、例えば、ユーザA、B、Cが、それぞれ、携帯端末20A、20B、20Cを保持しているとする。
【0072】
ステップS21A〜S22A、S21B〜22Bで説明したように、各携帯端末は、センサ21と行動決定部22とを備え、これらによってユーザの行動情報を出力する。図4の例では、各携帯端末では、行動決定部22は、センサ21から信号に基づいて、ユーザの座標、移動方向、移動速度を求め、これらを、求めたときの時刻と共に、行動情報として広告配信装置10に送信する。また、このとき、行動決定部22は、携帯端末に予め登録されているユーザの属性情報を取得し、取得した属性情報も行動情報と共に広告配信装置10に送信する。
【0073】
そして、ユーザ推定部11は、行動履歴蓄積部12に蓄積されている、ユーザ毎の行動情報及び属性情報を参照して、ユーザA、B、C、それぞれの、求めたときの時刻、座標、移動方向、移動速度を特定する。そして、これらに基づいて、ユーザ推定部11は、空いている広告枠の開始時刻Tにおいて、広告表示装置30付近のエリアを通過するユーザを予想する。図4の例では、ユーザ推定部11は、ユーザBとユーザCとを、エリアを通過するユーザとして予想する。
【0074】
そして、図4の例では、ユーザ推定部11は、エリアを通過するユーザが、ユーザBとユーザCとであると予測し、その後、行動履歴蓄積部12に行動情報と共に蓄積されているユーザB及びユーザCの属性情報から、両者の共通する属性を取り出する。また、ユーザ推定部11は、取り出した属性を、ユーザBとユーザCとの双方にとって価値のある広告情報の属性と決定する。
【0075】
例えば、図4の例において、ユーザBとユーザCとが、共に女性であれば、ユーザ推定部11は、属性を「女性」と決定する。また、ユーザBとユーザCとが、共に30代であれば、ユーザ推定部11は、属性を「30代」と決定する。また、本実施の形態1では、ユーザ間で共通する属性が複数である場合は、ユーザ推定部11は、全ての共通する属性を用いることができる。また、このような場合において、ユーザ推定部11は、共通する属性のうち、いずれか一つだけを用いることもできる。
【0076】
次に、ステップA7が実行されると、広告決定部13は、ユーザ推定部11により特定されたユーザ間の共通する属性と、広告蓄積部104に蓄積されている広告情報及び表示条件とを参照して、表示装置30に表示させる広告を決定する(ステップA8)。また、広告決定部13は、決定した広告の広告情報と表示条件とを広告蓄積部14に蓄積させる。
【0077】
具体的には、広告決定部13は、表示条件となっている属性と、ステップA7で特定した属性とを対比したときに、共通点が最も多くなる広告を特定する。そして、広告決定部13は、特定した広告のうち、表示条件に含まれる広告費が最も高い広告を、表示装置30に表示させる広告として決定する。なお、広告費が同じとなる広告が複数ある場合は、広告決定部13は、別の基準を用いて、これらのうちから、表示させる広告を決定する。
【0078】
その後、広告決定部13が、広告が決定されたことを広告表示装置30に通知すると、決定された広告の広告情報と表示条件とは、広告蓄積部14から、広告表示装置30へと送信される(ステップA9)。
【0079】
[広告の表示処理]
次に、広告表示装置30において、管理部31は、広告情報及び表示条件を受信すると、表示条件で指定された時間帯に、表示部32に、広告情報で特定される広告を表示させ、広告の表示が完了すると、広告の表示結果を、広告決定部13に通知する(ステップS33)。
【0080】
次に、広告配信装置10において、広告決定部13は、広告の表示結果を受信すると、広告生成端末の広告生成部に広告費の支払いを要求する(ステップA10)。なお、図2の例では、広告生成端末40Aで生成された広告が表示されているとして、広告決定部13は、広告生成端末40Aに対して広告費の支払いを要求している。
【0081】
その後、広告生成端末40Aにおいて、広告生成部41は、電子マネー、クレジットカード番号の送信といった電子的な決済手段を用いて、広告配信装置10に対して広告費の支払を実行する(ステップS43A)。なお、本実施の形態1において、広告費の支払い方法は、特に限定されず、広告費の支払いは、その他の一般に利用される決算手段によってなされていても良いし、広告出稿者による振込みといった一般的な支払方法によってなされていても良い。
【0082】
[プログラム]
本実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータに、図2に示すステップA1〜A10を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における広告配信装置10と広告配信方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、ユーザ推定部11及び広告決定部13として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態1では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動履歴蓄積部12及び広告蓄積部14として機能する。
【0083】
[実施の形態1による効果]
以上のように、本実施の形態1によれば、広告配信の対象となる者の位置及び移動を考慮しつつ、広告の表示タイミングと広告の内容とが決定されるので、適切なタイミングで適切な広告情報を広告表示装置30に表示させることができる。
【0084】
そして、この結果、広告の表示のための時間を十分に確保することが容易になり、広告に、オークションなどによる広告枠、広告情報の価値向上の施策を取り入れることが可能となるので、広告枠及び広告情報の価値の向上も可能になる。
【0085】
[変形例]
また、図2に示したステップA7では、行動情報が、携帯端末(ユーザ)の移動方向と移動速度とを含む場合(図4)が、説明されているが、本実施の形態1は、これに限定されるものではない。
【0086】
行動情報が他の例である場合のステップA7における処理について、図5を用いて説明する。図5は、本発明の実施の形態1におけるユーザ推定部の動作の他の例を説明するための図である。本変形例においても、図5に示すように、ユーザA、B、Cが、それぞれ、携帯端末20A、20B、20Cを保持しているとする。
【0087】
図5の例においても、各携帯端末は、センサ21と行動決定部22とを備え、これによって、ユーザの行動情報を出力する。但し、図5の例では、各携帯端末の行動決定部22は、図4の例と異なり、ユーザから、目的地の入力を受け付け、行動情報として、受け付けたユーザの目的地、座標、移動速度、及び目的地の入力受付時の時刻を共に出力する。また、図5の例でも、行動決定部22は、ユーザの属性情報も行動情報と共に広告配信装置10に送信する。
【0088】
そして、ユーザ推定部11は、各ユーザの目的地、座標、移動速度、及び目的地の入力受付時の時刻に基づいて、空いている広告枠の開始時刻Tにおいて、広告表示装置30付近のエリアを通過するユーザを予想する。図5の例では、ユーザ推定部11は、ユーザBとユーザCとを、エリアを通過するユーザとして予想する。
【0089】
また、本実施の形態1において、行動情報は、想定する時刻にユーザが広告表示装置30付近にいることを判断できる情報であれば良く、上述した行動情報以外の情報も行動情報として利用可能である。
【0090】
例えば、日常的に広告表示装置30の付近を通過しているユーザが存在している場合であれば、ユーザ推定部11は、ユーザの過去の行動履歴に基づいて、当該ユーザが通過する可能性が高い時刻を判断することが可能となる。ユーザ推定部11は、この判断結果を用いて、当該ユーザが、想定する時刻に広告表示装置30付近にいることを判断できる。
【0091】
また、携帯端末が、スケジュール管理プログラムを備えており、広告表示装置30が設置されている店舗での買い物の予定がスケジュールとして設定されている場合は、携帯端末の行動決定部22は、このスケジュールの内容を行動情報として出力することもできる。
【0092】
更に、上述の行動履歴及びスケジュールを利用する態様では、ユーザが、携帯端末を自宅などに忘れていた場合であっても、ユーザの行動情報が取得され、ユーザに最適な広告が広告表示装置30に表示されることになる。
【0093】
また、本実施の形態では、ユーザは、携帯端末に加えて、更に、歩数計等の装置を更に有していても良い。この場合は、当該装置からユーザの行動情報を取得できるため、携帯端末は、行動情報を行動配信装置10に送信する機能のみを備えていれば良く、センサ21及び行動決定部22を備えていなくても良い。また、この場合、歩数計における歩数をカウントするタイミングにより、ユーザが、歩行しているのか、走っているのかが判断される。更に、ユーザの移動速度についても、歩数をカウントするタイミングから推定が可能である。
【0094】
更に、本実施の形態では、ユーザが、広告表示装置30が設置されている店舗などの場所に興味を持っているかどうかの情報を用いて、さらに広告効果を高めることができる。例えば、参照文献1では、携帯電話に内蔵された加速度センサの情報から、ユーザが売場または店舗に興味を持つ度合いを推定する技術が開示されている。
【0095】
(参照文献1)宮崎他、「大型店舗におけるセンサを用いた人・スポットの状況推定の試み− e空間実現のための人・環境センサ活用 −」、第9回情報科学技術フォーラム(FIT2010)、M-066、2010年9月発行
【0096】
この参照文献1に開示された技術を用いた場合、広告配信装置10において、ユーザ推定部11は、広告表示装置30が設定されている場所に興味を持っていた行動履歴がある1人又は2人以上のユーザのみを推定の対象として選択するのが好ましい。この場合は、場所に興味が無く、広告情報装置30を参照する可能性が低いユーザが排除されるので、ユーザ推定部11によって推定されたユーザが広告を閲覧する可能性が高められ、広告効果の向上が図られることになる。
【0097】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2における、広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムについて、図6及び図7を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態2における広告配信システムの動作を示す流れ図である。図7は、本発明の実施の形態2における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【0098】
本実施の形態2における広告配信装置は、実施の形態1において図1に示した広告配信装置10と同様に構成されている。このため、以下の説明においては、適宜図1を参酌し、以下の説明では、図1で用いた符号を引用する。但し、本実施の形態2においては、ユーザ推定部11における処理が、実施の形態1と異なっている。よって、以下に実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。
【0099】
図6に示すように、本実施の形態2では、図2に示したステップA7の代わりに、ステップA71が実行される。なお、これ以外のステップは、図2に示した各ステップと同様である。
【0100】
ステップA71では、ユーザ推定部11は、複数のユーザを、行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けする。そして、ユーザ推定部11は、設定された時間帯に、エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、広告の決定に用いる属性として特定する。
【0101】
具体的には、図7に示すように、本実施の形態2では、一緒にランニングする二人連れ(ユーザC及びD)、一緒に歩く男女(ユーザE及びF)は、それぞれ、行動の類似性が高いので、一つのグループとされる。そして、各グループについて、当該グループに属するユーザの属性情報から、グループの属性が決定される。
【0102】
その後、各グループのユーザの行動情報に基づいて、空いている広告枠の開始時刻において、広告表示装置30付近にいるグループが推定され、推定されたグループの属性が広告情報の選択に利用される。
【0103】
本実施の形態2において「行動の類似性」は、例えば、特開2010−187282号公報に開示された技術によって行うことができる。具体的には、各ユーザの携帯端末に加速度センサを備えさせておき、各携帯端末の加速度センサが出力したセンサデータと、当該センサデータの特徴量とを利用することによって、類似の程度の判定が可能となる。
(参照文献2)
【0104】
また、本実施の形態では、ユーザ推定部11は、複数のユーザが同じ学校に所属しているかどうか、同じ旅行団体に属しているかどうかなど、複数のユーザの属性情報から、同じ行動をとる可能性が高いかどうかを判定し、判定結果を行動の類似性の判断に用いることもできる。
【0105】
また、本実施の形態2においても、広告配信装置を動作させることによって、広告配信方法が実行される。更に、本実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータに、図7に示すステップA1〜A6、A71、A8〜A10を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態2における広告配信装置と広告配信方法とを実現することができる。
【0106】
[実施の形態2による効果]
このように、本実施の形態2によれば、まず、グループが推定により決定されるため、属性情報及び行動履歴の確認に要する処理量を減らすことができる。また、グループ毎に属性が特定されるため、同じグループに属しているユーザの属性は近似している可能性が高く、ユーザ推定部11が、属性情報を参照する回数を減らすことができるので、ユーザ推定部11における処理量の軽減が図られる。
【0107】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3における、広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムについて、図8〜図10を参照しながら説明する。
【0108】
[装置構成]
最初に、本実施の形態3における広告配信システム2及び広告配信装置50の構成について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【0109】
図8に示すように、本実施の形態3における広告配信システム2は、広告配信装置50及び広告生成端末60A及び60Bの構成の点で、図1に示した実施の形態1における広告配信システム1と異なっている。
【0110】
広告配信システム2では、広告を表示する広告枠とその広告枠で広告を閲覧する可能性が高いユーザの属性が決定された時点で、広告生成端末60A及び60Bに対して入札が促される。そして、最も高い広告費が提示された広告情報が選択され、選択された広告が広告表示装置30に表示される。以下、実施の形態1との相違点について説明する。
【0111】
図8に示すように、本実施の形態3では、広告生成端末60A及び60Bは、広告生成部61に加えて、広告蓄積部62を備えている。広告生成部61は、図1に示した広告生成部41と異なり、広告出稿者の指示に応じて、出稿対象となる広告の広告情報と表示条件とを生成すると、これらを広告蓄積部62に出力する。広告蓄積部62は、出力されてき広告情報と表示条件とを蓄積する。
【0112】
また、図8に示すように、本実施の形態3における広告配信装置50は、図1に示した広告配信装置10と異なり、広告蓄積部104を備えておらず、広告決定部53の動作は広告決定部13の動作と異なっている。
【0113】
まず、ユーザ推定部51は、実施の形態1において図1に示したユーザ推定部11と同様に、行動履歴蓄積部12に蓄積された行動履歴から、空いている広告枠の開始時刻において、広告表示装置30付近のエリアに存在する、ユーザを推定し、その属性を決定する。
【0114】
ユーザ推定部51が、推定したユーザの属性を決定すると、広告決定部53は、決定したユーザの属性と、空いている広告枠の開始時刻とを、広告生成端末60A及び60Bに通知する。
【0115】
通知を受けた広告生成端末60A及び60Bそれぞれにおいて、広告生成部61は、通知された属性及び開始時刻を、広告蓄積部62に蓄積されている広告情報及び表示条件に照合して、広告表示装置30への表示を求める広告を決定する。また、広告生成部61は、決定した広告の広告情報及び表示条件を、広告配信装置10に送信する。
【0116】
広告生成端末60A及び60Bから広告情報及び表示条件が送信されると、広告決定部53は、そして、各表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額(広告費)に基づいて、広告表示装置30に表示させるべき広告を決定する。
【0117】
具体的には、本実施の形態3では、広告決定部53は、各広告生成端末から送信されてきた表示条件に含まれる広告費を取り出し、取り出した広告費の比較を行い、最も高い広告費を設定した広告生成端末からの広告を、広告表示装置30に表示させるべき広告に決定する。その後、広告決定部53は、決定した広告の広告情報及び時間情報を広告表示装置30に送信する。
【0118】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態3における広告配信システム2及び広告配信装置50の動作について図9及び図10を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの動作を示す流れ図である。図10は、本発明の実施の形態3における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【0119】
以下の説明においては、適宜図8を参酌する。また、本実施の形態3では、広告配信装置50を動作させることによって、広告配信方法が実施される。よって、本実施の形態3における広告配信方法の説明は、以下の広告配信装置50の動作説明に代える。
【0120】
[運動情報の生成処理及び送信処理]
図9に示すように、実施の形態1に示した図2の例と同様に、まず、携帯端末20Aにおいて、センサ21が、携帯端末20Aの座標を計測し、計測した座標を特定する信号を行動決定部22に出力する(ステップS21A)。そして、行動決定部22は、センサ21からの信号に基づいて、ユーザAの行動を決定して行動情報を生成し、これを広告配信装置10に送信する(ステップS22A)。同様に、携帯端末20Bにおいて、ステップS21B及びステップS22Bが実行される。
【0121】
また、図10に示す例では、6人のユーザA〜Fが図示されており、各ユーザはそれぞれ携帯端末(20A〜20F)を日常的に保持しているが、図9においては、代表して携帯端末20A及び20Bのみが例示される。
【0122】
次に、広告配信装置10において、行動履歴蓄積部12が、ステップS22A及びS22Bの実行によって送信された、行動情報及び属性情報を、ユーザの行動履歴として蓄積する(ステップA11)。なお、ステップA11は、実施の形態1において図2に示したステップA1と同様のステップである。
【0123】
[時間枠情報の送信処理]
図9に示すように、広告表示装置30においては、管理部31は、実施の形態1に示した図2の例と同様に、起動後、初期化処理を実行する(ステップS31)。また、図10に示すように、広告表示装置30としては、サイネージと呼ばれる大型ディスプレイを備えた表示用端末を用いることができる。
【0124】
次に、広告配信装置50において、広告決定部53は、広告表示装置30に対して、広告を表示可能であるかどうか等の動作状態を問い合わせる(ステップA12)。なお、ステップA12は、実施の形態1において図2に示したステップA5と同様のステップである。
【0125】
次に、広告表示装置30において、管理部31は、図2の例と同様に、広告決定部53からの問い合わせを受けると、空いている広告枠を特定する時間枠情報を送信する(ステップS32)。
【0126】
次に、広告配信装置50において、広告決定部53は、広告表示装置30から時間枠情報を受信すると、ユーザ推定部51に、空いている広告枠を通知する(ステップA13)。なお、ステップA13は、実施の形態1において図2に示したステップA6と同様のステップである。
【0127】
[広告情報の生成処理、蓄積処理]
図9に示すように、広告出稿者Aからの指示に応じて、広告生成端末60Aでは、広告生成部61が、広告情報と表示条件とを生成し(ステップS61A)、これらを広告蓄積部62に蓄積させる(ステップS62)。
【0128】
同様に、広告出稿者Bからの指示に応じて、広告生成端末60Bでは、広告生成部61が、広告情報と表示条件とを生成し(ステップS61B)、これらを広告蓄積部62に蓄積させる(ステップS62B)。
【0129】
[ユーザの推定処理、及び広告の決定処理]
図9に示すように、ステップA13が実行された後、ユーザ推定部51は、ステップA14を実行する。なお、ステップA14は、実施の形態1において図2に示したステップA7と同様のステップである。
【0130】
具体的には、まず、ユーザ推定部51は、行動履歴蓄積部52に蓄積されている各ユーザの行動履歴を参照して、ステップA13で通知された、空いている広告枠の開始時刻に、広告表示装置30付近のエリアに存在する可能性が高い、1人又は2人以上のユーザを推定する。また、ユーザ推定部51は、行動履歴蓄積部52から、推定したユーザに対応する属性情報を取得し、推定したユーザの属性を特定する。そして、ユーザ推定部51は、特定した属性を、広告決定部53に通知する。
【0131】
次に、広告決定部53は、ユーザ推定部11により決定された属性を特定する属性情報と、空いている広告枠の開始時刻を特定する時間情報とを、広告生成端末40A及び40Bに送信する(ステップS15)。
【0132】
次に、広告生成端末40Aでは、広告生成部61は、送信されてきた属性情報及び時間情報を、広告蓄積部62に蓄積されている広告情報及び表示条件に照合する。そして、広告生成部61は、照合結果に基づいて、広告表示装置30への表示を求める広告を決定し、決定した広告の広告情報及び表示条件を、広告配信装置10に送信する(ステップS63A)。
【0133】
同様に、広告生成端末40Bでも、広告生成部61は、送信されてきた属性情報及び時間情報を、広告蓄積部62に蓄積されている広告情報及び表示条件に照合する。そして、広告生成部61は、照合結果に基づいて、広告表示装置30への表示を求める広告を決定し、決定した広告の広告情報及び表示条件を、広告配信装置10に送信する(ステップS63B)。
【0134】
ところで、ステップS63A及びS63Bにおいて、送信される表示条件には、各広告出稿者が提示する広告費が含まれている。そして、広告出稿者は、ステップS15で送信されてきた、広告枠とユーザの属性とが、自身(その会社)にとって魅力的であれば、広告費を高く設定することができ、逆に、魅力的でなければ、広告費を低く設定することができる。
【0135】
つまり、本実施の形態3では、特定の広告枠に対して、いわゆる「オークション」形式によって、値付けが可能となる。このため、広告事業者は、限られた広告枠を、より高い費用で販売することが可能となる。また、広告出稿者は、自身が必要とするユーザ群に対して積極的にアピールできる場合にのみ広告費を支払うことができ、広告出稿者においては、広告戦略に沿った広告費設定が可能となる。
【0136】
次に、ステップS63A及びS63Bが実行されると、広告決定部53は、各広告生成端末から、広告情報と表示条件とを受信する(ステップA16)。そして、広告決定部53は、各表示条件に含まれる広告費を取り出し、最も広告費の高い広告を、広告表示装置30に表示させるべき広告に決定する(ステップA17)。また、広告決定部53は、決定した広告の広告情報及び表示条件を、広告表示装置30に送信する。
【0137】
次に、ステップA17が実行されると、広告表示装置30では、管理部31は、広告情報及び表示条件を受信すると、表示条件で指定された時間帯に、表示部32に、広告情報で特定される広告を表示させ、広告の表示が完了すると、広告の表示結果を、広告決定部53に通知する(ステップS33)。
【0138】
次に、広告配信装置50において、広告決定部53は、広告の表示結果を受信すると、広告生成端末の広告生成部に広告費の支払いを要求する(ステップA18)。なお、ステップA18は、実施の形態1において図2に示したステップA10と同様のステップである。また、図9の例でも、広告生成端末60Aで生成された広告が表示されているとして、広告決定部53は、広告生成端末60Aに対して広告費の支払いを要求している。
【0139】
その後、広告生成端末60Aにおいて、広告生成部61は、電子マネー、クレジットカード番号の送信といった電子的な決済手段を用いて、広告配信装置10に対して広告費の支払を実行する(ステップS64A)。なお、ステップS64Aは、実施の形態1において図2に示したステップS43Aと同様のステップである。
【0140】
[プログラム]
本実施の形態3におけるプログラムは、コンピュータに、図9に示すステップA11〜A18を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態3における広告配信装置50と広告配信方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、ユーザ推定部51及び広告決定部53として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態3では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動履歴蓄積部52として機能する。
【0141】
[実施の形態3による効果]
以上のように、本実施の形態3によれば、上述したように、広告事業者及び広告出稿者の両方にとって有益となる。また、本実施の形態3を用いた場合も、実施の形態1で述べた効果を得ることが可能となる。
【0142】
また、本実施の形態3では、広告表示装置30付近にやってくるユーザ群を予想し、その後に、広告枠がオークションにかけられる。このとき、広告表示装置30付近に現時点で存在しているユーザ群の属性のみに基づいてオークションが行なわれるとすると、各ユーザの移動により、オークションが終わる頃には、各ユーザは広告表示装置30の付近に存在していない状態となる可能性がある。しかし、本実施の形態3では、ユーザの行動履歴に基づいて、将来に発生する状態を予測した上で、広告枠のオークションが実行されるので、上記のような状態を回避でき、適切な広告を表示することができる。
【0143】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4における、広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法、及びプログラムについて、図11〜図13を参照しながら説明する。
【0144】
[装置構成]
最初に、本実施の形態4における広告配信システム3及び広告配信装置70の構成について、図11を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの構成を示すブロック図である。
【0145】
図11に示すように、本実施の形態4における広告配信システム3は、広告配信装置70が複数の広告表示装置30A及び30Bに対して広告表示を指示できる点で、図1に示した実施の形態1における広告配信システム1と異なっている。また、本実施の形態4では、広告表示装置毎に、エリアが設定される。なお、図11の例では、2つの広告表示装置30A及び30Bが図示されているが、本実施の形態4において、広告表示装置の数は特に限定されるものではない。
【0146】
本実施の形態4では、広告配信装置70において、ユーザ推定部71は、複数のユーザを、行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けする。そして、ユーザ推定部71は、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、当該エリアでの広告の決定に用いる属性として特定する。
【0147】
また、広告決定部73は、広告表示装置30毎に、ユーザ推定部71が特定したグループの属性と、広告蓄積部74に蓄積されている各広告の表示条件とを対比して、表示条件がグループの属性に適合する広告を特定する。その後、広告決定部13は、各表示装置30に対して、広告情報を送信し、各広告情報の取得元である広告生成端末40A又は40Bに対して、広告料の支払いを求める通知を送信する。
【0148】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態4における広告配信システム3及び広告配信装置70の動作について図12及び図13を用いて説明する。図12は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの動作を示す流れ図である。図13は、本発明の実施の形態4における広告配信システムの動作の具体例を示す図である。
【0149】
以下の説明においては、適宜図11を参酌する。また、本実施の形態4では、広告配信装置70を動作させることによって、広告配信方法が実施される。よって、本実施の形態4における広告配信方法の説明は、以下の広告配信装置70の動作説明に代える。
【0150】
[運動情報の生成処理及び送信処理]
図12に示すように、携帯端末20Aにおいて、センサ21が、携帯端末20Aの座標を計測し、計測した座標を特定する信号を行動決定部22に出力する(ステップS21A)。そして、行動決定部22は、センサ21からの信号に基づいて、ユーザAの行動を決定して行動情報を生成し、これを広告配信装置10に送信する(ステップS22A)。同様に、携帯端末20Bにおいても、ステップS21B及びステップS22Bが実行される。
【0151】
図13に示す例では、6人のユーザA〜Fが図示されており、各ユーザはそれぞれ携帯端末(20A〜20F)を日常的に保持しているが、図12においては、代表して携帯端末20A及び20Bのみが例示される。
【0152】
次に、広告配信装置70において、行動履歴蓄積部12が、ステップS22A及びS22Bの実行によって送信された、行動情報及び属性情報を、ユーザの行動履歴として蓄積する(ステップA21)。
【0153】
[広告情報の生成処理、送信処理、及び蓄積処理]
図12に示すように、広告出稿者Aからの指示に応じて、広告生成端末40Aでは、広告生成部41が、広告情報と表示条件とを生成する(ステップS41A)。同様に、広告出稿者Bからの指示に応じて、広告生成端末40Bでは、広告生成部41が、広告情報と表示条件とを生成する(ステップS41B)。
【0154】
次に、広告配信装置70において、広告決定部73は、広告生成端末40A及び40Bに対して、生成されている広告情報の有無を問合せ、更に、広告情報が有る場合は、その表示条件の内容を問い合わせる(ステップA22)。ステップA22は、実施の形態1において図2に示したステップA2と同様のステップである。
【0155】
次に、ステップA22が実行されると、広告生成端末40A及び40Bは、生成している広告情報と表示条件とを、広告決定部73に対する応答として、広告決定部73に送信する(ステップS42A及びS42B)。
【0156】
次に、広告配信装置10において、広告決定部73は、広告生成端末40A及び40Bから広告情報と表示条件とを受信し(ステップA23)、更に、それらを広告蓄積部74に蓄積させる(ステップA24)。ステップA23及びA24は、実施の形態1において図2に示したステップA3及びA4と同様のステップである。
【0157】
[時間枠情報の送信処理]
図12に示すように、広告表示装置30Aにおいては、管理部31は、起動後、初期化処理を実行する(ステップS31A)。同様に、広告表示装置30Bにおいても、管理部31は、起動後、初期化処理を実行する(ステップS31B)。ステップS31A及びS31Bは、実施の形態1において図2に示したステップS31と同様のステップである。
【0158】
次に、広告配信装置70において、広告決定部73は、広告表示装置30A及び30Bに対して、広告を表示可能であるかどうか等の動作状態を問い合わせる(ステップA25)。
【0159】
次に、広告表示装置30Aにおいて、管理部31は、広告決定部73からの問い合わせを受けると、空いている広告枠を特定する時間枠情報を送信する(ステップS32A)。同様に、広告表示装置30Bにおいても、管理部31は、広告決定部73からの問い合わせを受けると、空いている広告枠を特定する時間枠情報を送信する(ステップS32B)。ステップS32A及びS32Bは、実施の形態1において図2に示したステップS32と同様のステップである。
【0160】
次に、広告配信装置70において、広告決定部73は、広告表示装置30A及び30Bそれぞれから時間枠情報を受信すると、ユーザ推定部71に、空いている広告枠を通知する(ステップA26)。
【0161】
[ユーザの推定処理、広告の決定処理]
ステップA26が実行された後、ユーザ推定部71は、ステップA27を実行する。ステップA27では、まず、ユーザ推定部11は、行動履歴蓄積部12に蓄積されている各ユーザの行動履歴を参照して、複数のユーザを、行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けする。そして、ユーザ推定部71は、エリア毎(広告表示装置毎)に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、当該エリアでの広告の決定に用いる属性として特定する。そして、ユーザ推定部71は、特定した属性を、広告決定部73に通知する。
【0162】
次に、ステップA27が実行さると、広告決定部73は、広告表示装置30毎に、ユーザ推定部71により特定された属性と、広告蓄積部104に蓄積されている広告情報及び表示条件とを参照して、表示装置に表示させる広告を決定する(ステップA28)。なお、図12の例では、広告表示装置30A及び30Bのうち、広告表示装置30Aに対してのみ、広告が決定されているとする。
【0163】
その後、広告決定部73が、広告が決定されたことを広告表示装置30Aに通知すると、決定された各広告の広告情報と表示条件とが、広告蓄積部14から、広告表示装置30Aへと送信される(ステップA29)。
【0164】
[広告の表示処理]
次に、広告表示装置30Aにおいて、管理部31は、広告情報及び表示条件を受信すると、表示条件で指定された時間帯に、表示部32に、広告情報で特定される広告を表示させ、広告の表示が完了すると、広告の表示結果を、広告決定部73に通知する(ステップS33A)。
【0165】
次に、広告配信装置70において、広告決定部73は、広告の表示結果を受信すると、広告生成端末の広告生成部に広告費の支払いを要求する(ステップA30)。上述したように、図12の例では、広告生成端末40Aで生成された広告のみが表示されているので、広告決定部73は、広告生成端末40Aに対してのみ広告費の支払いを要求する。
【0166】
その後、広告生成端末40Aにおいて、広告生成部41は、電子マネー、クレジットカード番号の送信といった電子的な決済手段を用いて、広告配信装置10に対して広告費の支払を実行する(ステップS43A)。
【0167】
このように、本実施の形態4では、図12に示すように、一緒にランニングする二人連れ(ユーザC及びD)、一緒に歩く男女(ユーザE及びF)は、それぞれ、行動の類似性が高いので、一つのグループとされる。そして、各グループに属する各ユーザの行動情報に基づいて、複数の表示装置のうち、いずれかのグループに最適な広告表示装置、即ち、いずれかのグループが参照する可能性が高い広告表示装置が選択される。
【0168】
[プログラム]
本実施の形態4におけるプログラムは、コンピュータに、図12に示すステップA21〜A30を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態4における広告配信装置70と広告配信方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、ユーザ推定部71及び広告決定部73として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態3では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動履歴蓄積部72として機能する。
【0169】
[実施の形態4による効果]
本実施の形態4によれば、複数の広告表示装置が配置されている場合であっても、広告表示装置毎に、それを将来参照する可能性が高いユーザを特定でき、当該ユーザに適した広告を表示させることができる。本実施の形態4を用いた場合も、実施の形態1で述べた効果を得ることが可能となる。
【0170】
[コンピュータ]
ここで、実施の形態1〜4におけるプログラムを実行することによって、広告配信装置を実現するコンピュータについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態1〜4における広告配信装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0171】
図14に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0172】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0173】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0174】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【0175】
上述した実施の形態の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記36)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0176】
(付記1)
広告を表示する広告表示装置と、広告配信装置とを備え、
前記広告配信装置は、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、を備え、
前記広告表示装置は、前記広告情報及び前記時間情報に基づいて、決定された前記広告を、前記設定された時間帯において表示する、
ことを特徴とする、広告配信システム。
【0177】
(付記2)
前記広告表示装置が、広告の表示が予定されていない時間帯を特定する時間枠情報を、前記広告配信装置に出力し、
前記広告配信装置において、前記ユーザ推定部が、前記時間枠情報で特定された時間帯を、前記設定された時間帯として、前記エリアに存在するユーザを推定する、
付記1に記載の広告配信システム。
【0178】
(付記3)
前記ユーザ推定部が、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合に、推定した前記複数のユーザに共通する属性を特定する、
付記1または2に記載の広告配信システム。
【0179】
(付記4)
前記各携帯端末が、それを保持するユーザの属性を示す属性情報を、前記行動情報と共に前記広告配信装置に送信している場合に、
前記ユーザ推定部が、前記各携帯端末から送信されてきた前記属性情報に基づいて、推定したユーザの属性を特定する、
付記1〜3のいずれかに記載の広告配信システム。
【0180】
(付記5)
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、そして、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定する、付記1〜4のいずれかに記載の広告配信システム。
【0181】
(付記6)
前記広告決定部が、予め、外部の装置から、広告毎に、前記表示条件と前記広告情報とを取得している、付記1〜5のいずれかに記載の広告配信システム。
【0182】
(付記7)
前記広告決定部が、前記広告情報を送信した後に、送信した前記広告情報の取得元である前記外部の装置に対して、広告料の支払いを求める通知を送信する、付記6に記載の広告配信システム。
【0183】
(付記8)
前記広告決定部が、特定された前記属性と、前記設定された時間帯の開始時刻とを、前記広告情報の取得元となり得る複数の外部の装置に通知し、前記複数の外部の装置それぞれから、通知した前記属性及び前記開始時刻に適合する広告の、前記表示条件及び前記広告情報を取得し、そして、前記表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額に基づいて、前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定する、
付記1〜5のいずれかに記載の広告配信システム。
【0184】
(付記9)
前記広告表示装置が複数であり、前記広告表示装置毎に、当該広告表示装置の位置を基準とした前記エリアが設定され、
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定し、
前記広告決定部が、前記広告表示装置毎に、前記設定された時間帯において当該広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の前記広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、当該広告表示装置に送信する、
付記1〜8のいずれかに記載の広告配信システム。
【0185】
(付記10)
広告表示装置に広告を配信するための装置であって、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、
を備えている、ことを特徴とする広告配信装置。
【0186】
(付記11)
前記広告表示装置が、広告の表示が予定されていない時間帯を特定する時間枠情報を、前記広告配信装置に出力する場合において、
前記ユーザ推定部が、前記時間枠情報で特定された時間帯を、前記設定された時間帯として、前記エリアに存在するユーザを推定する、
付記10に記載の広告配信装置。
【0187】
(付記12)
前記ユーザ推定部が、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合に、推定した前記複数のユーザに共通する属性を特定する、
付記10または11に記載の広告配信装置。
【0188】
(付記13)
前記各携帯端末が、それを保持するユーザの属性を示す属性情報を、前記行動情報と共に前記広告配信装置に送信している場合に、
前記ユーザ推定部が、前記各携帯端末から送信されてきた前記属性情報に基づいて、推定したユーザの属性を特定する、
付記10〜12のいずれかに記載の広告配信装置。
【0189】
(付記14)
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、そして、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定する、付記10〜13のいずれかに記載の広告配信装置。
【0190】
(付記15)
前記広告決定部が、予め、外部の装置から、広告毎に、前記表示条件と前記広告情報とを取得している、付記10〜14のいずれかに記載の広告配信装置。
【0191】
(付記16)
前記広告決定部が、前記広告情報を送信した後に、送信した前記広告情報の取得元である前記外部の装置に対して、広告料の支払いを求める通知を送信する、付記15に記載の広告配信装置。
【0192】
(付記17)
前記広告決定部が、特定された前記属性と、前記設定された時間帯の開始時刻とを、前記広告情報の取得元となり得る複数の外部の装置に通知し、前記複数の外部の装置それぞれから、通知した前記属性及び前記開始時刻に適合する広告の前記表示条件及び前記広告情報を取得し、そして、前記表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額に基づいて、前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定する、
付記10〜14のいずれかに記載の広告配信装置。
【0193】
(付記18)
前記広告表示装置が複数であり、前記広告表示装置毎に、当該広告表示装置の位置を基準とした前記エリアが設定されている場合において、
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定し、
前記広告決定部が、前記広告表示装置毎に、前記設定された時間帯において当該広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の前記広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、当該広告表示装置に送信する、
付記10〜17のいずれかに記載の広告配信装置。
【0194】
(付記19)
広告表示装置に広告を配信するための方法であって、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする広告配信方法。
【0195】
(付記20)
前記広告表示装置が、広告の表示が予定されていない時間帯を特定する時間枠情報を、前記広告配信装置に出力する場合において、
前記(a)のステップにおいて、前記時間枠情報で特定された時間帯を、前記設定された時間帯として、前記エリアに存在するユーザを推定する、
付記19に記載の広告配信方法。
【0196】
(付記21)
前記(a)のステップにおいて、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合に、推定した前記複数のユーザに共通する属性を特定する、
付記19または20に記載の広告配信方法。
【0197】
(付記22)
前記各携帯端末が、それを保持するユーザの属性を示す属性情報を、前記行動情報と共に前記広告配信方法に送信している場合に、
前記(a)のステップにおいて、前記各携帯端末から送信されてきた前記属性情報に基づいて、推定したユーザの属性を特定する、
付記19〜21のいずれかに記載の広告配信方法。
【0198】
(付記23)
前記(a)のステップにおいて、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、そして、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定する、付記19〜22のいずれかに記載の広告配信方法。
【0199】
(付記24)
(c)前記(b)のステップの実行前に、外部の装置から、広告毎に、前記表示条件と前記広告情報とを取得する、ステップを更に有する、
付記19〜23のいずれかに記載の広告配信方法。
【0200】
(付記25)
(d)前記(b)のステップの実行後に、送信した前記広告情報の取得元である前記外部の装置に対して、広告料の支払いを求める通知を送信する、ステップを更に有する、
付記24に記載の広告配信方法。
【0201】
(付記26)
前記(b)のステップにおいて、特定された前記属性と、前記設定された時間帯の開始時刻とを、前記広告情報の取得元となり得る複数の外部の装置に通知し、
前記複数の外部の装置それぞれから、通知した前記属性及び前記開始時刻に適合する広告の前記表示条件及び前記広告情報を取得し、
そして、前記表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額に基づいて、前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定する、
付記19〜23のいずれかに記載の広告配信方法。
【0202】
(付記27)
前記広告表示装置が複数であり、前記広告表示装置毎に、当該広告表示装置の位置を基準とした前記エリアが設定されている場合において、
前記(a)のステップにおいて、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定し、
前記(b)のステップにおいて、前記広告表示装置毎に、前記設定された時間帯において当該広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の前記広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、当該広告表示装置に送信する、
付記19〜26のいずれかに記載の広告配信方法。
【0203】
(付記28)
コンピュータに、広告表示装置への広告の配信を行なわせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0204】
(付記29)
前記広告表示装置が、広告の表示が予定されていない時間帯を特定する時間枠情報を、前記広告配信装置に出力する場合において、
前記(a)のステップにおいて、前記時間枠情報で特定された時間帯を、前記設定された時間帯として、前記エリアに存在するユーザを推定する、
付記28に記載のプログラム。
【0205】
(付記30)
前記(a)のステップにおいて、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合に、推定した前記複数のユーザに共通する属性を特定する、
付記28または29に記載のプログラム。
【0206】
(付記31)
前記各携帯端末が、それを保持するユーザの属性を示す属性情報を、前記行動情報と共に前記広告配信方法に送信している場合に、
前記(a)のステップにおいて、前記各携帯端末から送信されてきた前記属性情報に基づいて、推定したユーザの属性を特定する、
付記28〜30のいずれかに記載のプログラム。
【0207】
(付記32)
前記(a)のステップにおいて、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、そして、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定する、付記28〜31のいずれかに記載のプログラム。
【0208】
(付記33)
(c)前記(b)のステップの実行前に、外部の装置から、広告毎に、前記表示条件と前記広告情報とを取得する、ステップを更に前記コンピュータに実行させる、
付記28〜32のいずれかに記載のプログラム。
【0209】
(付記34)
(d)前記(b)のステップの実行後に、送信した前記広告情報の取得元である前記外部の装置に対して、広告料の支払いを求める通知を送信する、ステップを更に前記コンピュータに実行させる、
付記33に記載のプログラム。
【0210】
(付記35)
前記(b)のステップにおいて、特定された前記属性と、前記設定された時間帯の開始時刻とを、前記広告情報の取得元となり得る複数の外部の装置に通知し、
前記複数の外部の装置それぞれから、通知した前記属性及び前記開始時刻に適合する広告の前記表示条件及び前記広告情報を取得し、
そして、前記表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額に基づいて、前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定する、
付記28〜32のいずれかに記載のプログラム。
【0211】
(付記36)
前記広告表示装置が複数であり、前記広告表示装置毎に、当該広告表示装置の位置を基準とした前記エリアが設定されている場合において、
前記(a)のステップにおいて、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定し、
前記(b)のステップにおいて、前記広告表示装置毎に、前記設定された時間帯において当該広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の前記広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、当該広告表示装置に送信する、
付記28〜35のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0212】
以上のように、本発明によれば、ユーザの行動情報に基づいて、適切なタイミングで適切な広告情報を広告表示装置に送信できるので、適切な広告を表示させることができる。よって、本発明は、広告配信システムといった用途に有用である。また、本発明では、人々の位置及び移動の状態が考慮されることから、本発明は、広告配信システムに加え、一般的な情報を配信する配信システムにも有用である。
【符号の説明】
【0213】
1 広告配信システム(実施の形態1)
2 広告配信システム(実施の形態3)
3 広告配信システム(実施の形態4)
10 広告配信装置(実施の形態1)
11 ユーザ推定部
12 行動履歴蓄積部
13 広告決定部
14 広告蓄積部
20、20A、20B 携帯端末
21 センサ
22 行動決定部
30、30A、30B 広告表示装置
31 管理部
32 表示部
40、40A、40B 広告生成端末
41 広告生成部
42 広告蓄積部
50 広告配信装置(実施の形態3)
51 ユーザ推定部
52 行動履歴蓄積部
53 広告決定部
60、60A、60B 広告生成端末
61 広告生成部
62 広告蓄積部
70 広告配信装置(実施の形態1)
71 ユーザ推定部
72 行動履歴蓄積部
73 広告決定部
74 広告蓄積部
110 コンピュータ
111 CPU
112 メインメモリ
113 記憶装置
114 入力インターフェイス
115 表示コントローラ
116 データリーダ/ライタ
117 通信インターフェイス
118 入力機器
119 ディスプレイ装置
120 記録媒体
121 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告を表示する広告表示装置と、広告配信装置とを備え、
前記広告配信装置は、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、を備え、
前記広告表示装置は、前記広告情報及び前記時間情報に基づいて、決定された前記広告を、前記設定された時間帯において表示する、
ことを特徴とする、広告配信システム。
【請求項2】
前記広告表示装置が、広告の表示が予定されていない時間帯を特定する時間枠情報を、前記広告配信装置に出力し、
前記広告配信装置において、前記ユーザ推定部が、前記時間枠情報で特定された時間帯を、前記設定された時間帯として、前記エリアに存在するユーザを推定する、
請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
前記ユーザ推定部が、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するユーザとして、複数のユーザを推定した場合に、推定した前記複数のユーザに共通する属性を特定する、
請求項1または2に記載の広告配信システム。
【請求項4】
前記各携帯端末が、それを保持するユーザの属性を示す属性情報を、前記行動情報と共に前記広告配信装置に送信している場合に、
前記ユーザ推定部が、前記各携帯端末から送信されてきた前記属性情報に基づいて、推定したユーザの属性を特定する、
請求項1〜3のいずれかに記載の広告配信システム。
【請求項5】
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、そして、前記設定された時間帯に、前記エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定する、請求項1〜4のいずれかに記載の広告配信システム。
【請求項6】
前記広告決定部が、特定された前記属性と、前記設定された時間帯の開始時刻とを、前記広告情報の取得元となり得る複数の外部の装置に通知し、前記複数の外部の装置それぞれから、通知した前記属性及び前記開始時刻に適合する広告の、前記表示条件及び前記広告情報を取得し、そして、前記表示条件に含まれている、当該広告が表示された際に支払われる料金の額に基づいて、前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定する、
請求項1〜5のいずれかに記載の広告配信システム。
【請求項7】
前記広告表示装置が複数であり、前記広告表示装置毎に、当該広告表示装置の位置を基準とした前記エリアが設定され、
前記ユーザ推定部が、前記複数のユーザを、前記行動情報によって特定される行動の類似性に基づいて、グループ分けし、エリア毎に、設定された時間帯に、当該エリアに存在するグループを推定し、推定したグループを構成するユーザの共通する属性を、前記属性として特定し、
前記広告決定部が、前記広告表示装置毎に、前記設定された時間帯において当該広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の前記広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、当該広告表示装置に送信する、
請求項1〜6のいずれかに記載の広告配信システム。
【請求項8】
広告表示装置に広告を配信するための装置であって、
複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ユーザ推定部と、
特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、広告決定部と、
を備えている、ことを特徴とする広告配信装置。
【請求項9】
広告表示装置に広告を配信するための方法であって、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を有する、ことを特徴とする広告配信方法。
【請求項10】
コンピュータに、広告表示装置への広告の配信を行なわせるためのプログラムであって、
前記コンピュータに、
(a)複数のユーザそれぞれが保持する各携帯端末から送信されてきた、各ユーザの行動を特定する行動情報に基づいて、設定された時間帯に、前記広告表示装置の位置を基準に設定されたエリアに存在するユーザを推定し、推定したユーザの属性を特定する、ステップと、
(b)特定された前記属性と、予め広告毎に設定された、当該広告を表示するための表示条件とに基づいて、前記設定された時間帯において前記広告表示装置に表示させるべき広告を決定し、決定した広告の内容を特定する広告情報と、前記設定された時間帯を示す時間情報とを、前記広告表示装置に送信する、ステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−47885(P2013−47885A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185925(P2011−185925)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)