広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法およびプログラム
【課題】希望する広告種別を選択する操作をユーザが行っていなくても、高い広告効果が得られるように広告をユーザの端末に対して配信することができる広告配信システムを提供する。
【解決手段】広告記憶手段91は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する。目的地候補情報記憶手段92は、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を記憶する。広告配信調整手段93は、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段91が記憶する施設の名称および施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末80に配信する広告を決定し、その広告を案内端末80に送信する。
【解決手段】広告記憶手段91は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する。目的地候補情報記憶手段92は、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を記憶する。広告配信調整手段93は、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段91が記憶する施設の名称および施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末80に配信する広告を決定し、その広告を案内端末80に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路をユーザに提示する端末に広告を配信する広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法および広告配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)等を利用して現在位置を測定し、ユーザが目的地を設定すると、その目的地までの経路を案内するカーナビゲーションシステムが知られている。さらに、ユーザの属性情報、ユーザの現在位置情報、目的地情報等を利用して、このようなカーナビゲーションシステムに対して広告主が広告を配信する広告配信システムが種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された広告提供システムは、ユーザによる携帯電話装置の使用状況に関する履歴、またはユーザの行動に関する履歴を取得し、各履歴に基づいて、ユーザの属性情報を生成する。また、移動体に搭載されたナビゲーション装置から移動体の位置情報を取得する。そして、ユーザの属性情報と移動体の位置情報とに基づいて、利用者に対応する広告情報を選定し、その広告情報をナビゲーション装置に送信する。特許文献1に記載された広告提供システムは、携帯電話装置の使用状況に関する履歴やユーザの行動に関する履歴として、例えば、Webサイトの検索履歴、閲覧履歴、携帯電話装置に内蔵されるカメラ等の使用履歴等を用いる。また、携帯電話装置に電子マネー機能が具備されている場合には購入履歴を用いてもよいことが記載されている。また、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いてもよいことも、特許文献1に記載されている。
【0004】
また、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、広告の配信装置が、車載装置から受信したユーザ設定情報に基づいて、広告データベースに記憶されている広告情報リストの中から、ユーザが希望する広告種別に該当する広告情報を選択する。そして、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、選択した広告情報の中から、車載装置から受信した経路情報に基づいて、車両の通過点と広告施設との距離が予め設定された距離内であるという条件や、広告施設の位置に最も近い通過点を車両が通過する予想通過時刻、道路属性、移動の目的により規定される各種条件により、広告情報を絞り込み、絞り込んだ広告情報を車載装置に配信する。また、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、広告情報の施設のうちユーザが利用した施設に対する評価を表す広告評価情報を収集し、車載装置からの要求に応じて広告評価情報を車載装置に送信する。
【0005】
また、特許文献3には、インターネット上に存在するWebページから施設情報等を収集し、ユーザのニーズに応じて情報の分析等を行い、その情報を車両用ナビゲーション装置に提供する装置が記載されている。そして、特許文献3には、施設のトップページから施設名を抽出することや、施設の位置を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−80733号公報(段落0022−0066等)
【特許文献2】特開2009−80337号公報(段落0099−0126、図11−13等)
【特許文献3】特開2009−19976号公報(段落0079,0080)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された広告提供システムは、ユーザの属性情報を生成し、その属性情報と移動体の位置情報とに基づいて広告情報を選定する。そして、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いてもよいことも、特許文献1に記載されている。しかし、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いた場合、ユーザが既に設定した目的地に関して広告することになる場合もある。その場合、ユーザが行こうとしている目的地そのものについて広告することになり、高い広告効果があるとは言えない。すなわち、ユーザは、広告しようとしている施設等を既に目的地としているので、広告によってユーザを呼び寄せたことにはならず、高い広告効果があるとは言えない。
【0008】
また、特許文献2に記載された広告情報配信システムでは、ユーザが、希望する広告種別を選択しなければならない。そのような操作は、ユーザにとっては面倒な操作である。よって、そのような操作を行わなくても、高い広告効果が得られるように広告主がユーザに広告情報を配信できるようにすることが好ましい。
【0009】
そこで、本発明は、希望する広告種別を選択する操作をユーザが行っていなくても、高い広告効果が得られるように広告をユーザの端末に対して配信することができる広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法および広告配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末と、案内端末に広告を配信する広告配信装置とを備え、ユーザ端末が、ウェブページを取得する情報取得手段と、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段と、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段とを含み、広告配信装置が、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末に配信する広告を決定し、その広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による広告配信装置は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による広告配信方法は、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、ウェブページを取得し、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、
目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、広告配信装置が、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、案内端末に対してその広告を送信し、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による広告配信プログラムは、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、コンピュータに、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を案内端末に送信する広告配信調処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、希望する広告種別を選択する操作をユーザが行っていなくても、高い広告効果が得られるように広告を選択して、その広告をユーザの端末に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態の例を示すブロック図である。
【図2】車載端末の例を示すブロック図である。
【図3】目的地候補データベースの例を示す説明図である。
【図4】情報解析部の例を示すブロック図である。
【図5】広告配信調整部の構成例を示すブロック図である。
【図6】ユーザ端末が目的地候補の情報を広告配信サーバに送信するまでの処理経過の例を示すフローチャートである。
【図7】広告配信サーバ3が広告を決定して送信する処理経過の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態の例を示すブロック図である。
【図9】車載端末の例を示すブロック図である。
【図10】車載端末の他の例を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の例を示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態における広告配信調整部の構成例を示すブロック図である。
【図14】本発明の広告配信システムの最小構成の例を示すブロック図である。
【図15】本発明の広告配信装置の最小構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
実施形態1.
図1は、本発明の広告配信システムの第1の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ(広告配信装置)3とを備える。案内端末1は、ユーザ5に対して目的地までの経路を提示する端末であり、例えばカーナビゲーションシステムにおける車載端末によって実現される。ただし、案内端末1は、車載端末に限定されず、例えば、ユーザ5に携帯される携帯端末であってもよい。以下の説明では、案内端末1が、カーナビゲーションシステムにおける車載端末である場合を例にして説明し、案内端末1を車載端末と記す。また、ユーザ端末2は、車載端末1とは別にユーザ5に使用される端末であり、ユーザ5の操作に応じてウェブページを表示する。ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末である。広告配信サーバ3は、通信ネットワーク4を介して車載端末1およびユーザ端末2と通信し、車載端末1に広告を配信する。
【0018】
ユーザ端末2および車載端末1は、通信ネットワーク4を介して広告配信サーバ3に接続される。ユーザ端末2と車載端末1とが同一の装置で実現されていてもよい。また、後述する広告配信サーバ3の機能のうちの一部の機能が、ユーザ端末2や車載端末1で実現されていてもよい。
【0019】
ユーザ端末2は、ユーザ5が行こうとする目的地の候補である目的地候補の位置情報および名称等をウェブページから抽出し、ユーザ5のウェブページ閲覧履歴に基づいて目的地候補指標値を導出する。目的地候補指標値は、ウェブページから抽出した位置情報および名称が、実際のユーザ5の目的地に該当する可能性の程度を示す値である。目的地候補指標値は、目的地候補としての重要度(目的地に該当する可能性の高さ)を表しているということもでき、以下、目的地候補指標値を重要度と記す。重要度は、広告配信サーバ3が車載端末1に配信する広告を決定する際に用いられる。
【0020】
ユーザ端末2は、情報取得部21と、情報解析部22と、ユーザ端末側目的地候補記憶部23と、通信部24とを備える。
【0021】
情報取得部21は、ユーザ5に指定されたウェブページを通信ネットワーク4(例えば、インターネット。)を介して取得し、そのウェブページをユーザ端末のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。また、情報取得部21は、取得したウェブページを情報解析部22に入力する。具体的には、情報取得部21は、取得したウェブページのHTML(HyperText Markup Language )形式のテキスト情報を情報解析部22に入力する。
【0022】
情報解析部22は、ウェブページから、ユーザ5が行こうとする目的地の候補である目的地候補の位置情報および名称を抽出し、抽出した位置情報および名称がユーザ5の目的地に該当する可能性の程度を示す重要度(目的地候補指標値)を導出する。情報解析部22は、その位置情報、名称、重要度等をユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。
【0023】
なお、以下の説明では、ウェブページから位置情報、名称を抽出する場合を例にして説明するが、ユーザ端末2が受信した電子メールを、目的地候補の位置情報、名称等の抽出対象としてもよい。
【0024】
ユーザ端末側目的地候補記憶部23は、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等を記憶する記憶装置である。目的地候補毎の位置情報、名称、重要度等の集合は、目的地候補データベースということができる。
【0025】
通信部24は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されている各目的地候補の位置情報、名称、重要度等をサーバに送信する。このとき、通信部24は、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等とともに、ユーザ端末2を使用するユーザ5のユーザ識別情報(以下、ユーザIDと記す。)も送信する。
【0026】
ユーザ端末2の通信部24と、後述の広告配信サーバ3の通信部33は、それぞれインターネット等の通信ネットワーク4を介して通信を行う。ここでは、通信ネットワーク4の例としてインターネットを例示したが、通信ネットワーク4は、例えば、無線LAN(Local Area Network)や、携帯電話等の電話網であってもよく、ユーザ端末2の通信部24と、後述の広告配信サーバ3の通信部33とが、そのような通信ネットワークを介して通信を行ってもよい。
【0027】
広告配信サーバ3は、広告配信調整部31と、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33から構成される。
【0028】
サーバ側目的地候補記憶部32は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23と同様に、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等を記憶する記憶装置である。
【0029】
広告配信サーバ3の通信部33は、ユーザ端末2から、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等の情報、およびユーザ5のユーザIDを受信する。各目的地候補の位置情報、名称、重要度等の情報は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶された情報である。広告配信サーバ3の通信部33は、ユーザ端末2からこれらの情報を受信すると、その情報(各目的地候補の位置情報、名称、重要度等、およびユーザID)をサーバ側目的地候補記憶部32に記憶させる。また、広告配信サーバ3の通信部33は、車載端末1から、車載端末1が搭載されている車両(以下、単に車両と記す。)の現在位置や、車載端末1において現在設定されている目的地までの経路等の車両に関する情報等、およびユーザ5のユーザIDを受信する。また、広告配信サーバ3の通信部33は、広告配信調整部31に決定された広告を車載端末1に送信する。
【0030】
広告配信サーバ3の広告配信調整部31は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補の重要度をもとにユーザの興味を推定し、さらに車載端末1から受信した車両に関する情報等を利用して、配信する広告の決定およびその広告の配信タイミング判断を行う。広告配信調整部31は、配信する広告として決定した広告を、好ましいと判断した配信タイミングで車載端末1に配信する。このとき、広告配信調整部31は、通信部33を介して車載端末1に広告を配信する。
【0031】
車載端末1は、車両の現在位置から後述の目的地設定部13に設定された目的地までの経路を特定し、その経路をユーザに提示する。例えば、車載端末1は、車載端末1のディスプレイ装置(図示略)に経路を表示する。ユーザは、提示された経路を参照することで、目的地までの経路を把握することができる。
【0032】
車載端末1は、車両計測部11と、広告提示部12と、目的地設定部13と、通信部14とを備える。
【0033】
車載端末1の通信部14は、通信ネットワーク4を介して、車両に関する情報等を、広告配信サーバ3に送信する。
【0034】
車両計測部11は、車両に関する情報を計測し、その情報を、通信部14を介して広告配信サーバ3に送信する。車両計測部11は、車両に関する情報として、例えば、車両の現在位置、速度、進行方向等を計測する。これらの計測対象は例示であり、車両計測部11が車両に関する情報として計測する情報の種類は、特に限定されない。車両計測部11は、現在位置を計測する場合、例えば、GPS衛星からGPS信号を受信し、そのGPS信号に基づいて車載端末1の現在位置を計測すればよい。また、車両計測部11は、目的地設定部13に特定された目的地までの経路の情報を、車両に関する情報に含めてもよい。また、車両計測部11は、タイマにより現在時刻を取得し、現在時刻の情報も、広告配信サーバ3に送信する情報に含めてもよい。この場合、車載端末1は、図2に示すように、時刻を計時するタイマを備えていればよい。
【0035】
車両計測部11は、例えば、定期的に、車両に関する情報を広告配信サーバ3に送信すればよいが、他の送信態様で車両に関する情報を送信してもよい。また、車両計測部11は、車両に関する情報を送信する際、車載端末1を使用するユーザ5のユーザIDも合わせて広告配信サーバ3に送信する。
【0036】
以下に示す説明では、車両に関する情報等として車両計測部11が広告配信サーバに送信する情報に、車両の現在位置、車両の進行方向、目的地設定部13に特定された目的地までの経路の情報、現在時刻、車両の速度が含まれている場合を例にして説明する。
【0037】
広告提示部12は、通信部14を介して広告配信サーバ3から広告を受信し、その広告をユーザに提示する。
【0038】
目的地設定部13は、ユーザ5の操作に従って、目的地を設定し、現在位置からその目的地までの経路を特定する。現在位置から目的地までの経路を特定する方法は、特に限定されない。
【0039】
次に、ユーザ端末側目的地候補記憶部23やサーバ側目的地候補記憶部32に記憶される目的地候補データベースについて説明する。図3は、目的地候補データベースの例を示す説明図である。図3では、目的地候補データベースをXML(Extensible Markup Language)形式で表現した場合の例を示している。目的地候補データベースは、目的地候補のレコードを複数含む。図3に示す例では、目的地候補タグに囲まれた範囲が目的地候補の1レコードである。図3では、1つの目的地候補のレコードに、目的地候補の位置情報、名称、URL、最終閲覧時間、閲覧回数、重要度、キーワードを含む場合を例示している。
【0040】
図3に示す例において、位置タグに囲まれた範囲が位置情報に該当する。図3では、位置情報として、緯度、経度および住所を含む場合を示している。緯度、経度および住所は、それぞれ緯度タグ、経度タグ、住所タグとともに記述される。
【0041】
図3に示す例において、名称タグに囲まれた範囲が目的地候補の名称に該当する。
【0042】
図3に示す例において、URLタグに囲まれた範囲は、位置情報および名称等が抽出されたウェブページのURL(Uniform Resource Locator)である。目的地候補の位置情報は、一つのウェブページだけに記載されているとは限らず、複数のウェブページに記載されている場合もある。既に位置情報が抽出済みのウェブページ以外のウェブページであって、共通する位置情報を含むウェブページをユーザが閲覧した場合、そのウェブページのURLも追加される。例えば、図3に示す位置情報と共通の位置情報を含むウェブページが閲覧された場合、そのウェブページのURLも、図3に例示するレコードに追加される。
【0043】
図3に示す例において、最終閲覧時間タグに囲まれた範囲は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが最後に閲覧した時刻を表す。同様に、閲覧回数タグに囲まれた範囲は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが閲覧した回数を表す。閲覧時間は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが閲覧していた時間の長さを表す。重要度点数タグに囲まれた範囲は、目的地候補に対する重要度を表す。キーワードタグに囲まれた範囲は、予め定められた分類キーワードのうち、名称等が抽出されたウェブページに記載されていた分類キーワードを表す。分類キーワードは、目的地候補をジャンル等で分類するために用いられる。
【0044】
なお、レコード内で、タグとともに記載された各データをテーブルと呼ぶ場合がある。
【0045】
図3はレコードの例示であり、図3に示すテーブルの一部がレコードに含まれていなくてもよい。また、他のテーブルがレコードに含まれていてもよい。
【0046】
ユーザ端末の情報解析部22は、情報取得部21がウェブページを取得してユーザに提示したとき(すなわち、ディスプレイ装置(図示略)に表示させたとき)、図3に例示する目的地候補のレコードを生成し、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。情報解析部22の例を以下に示す。
【0047】
図4は、情報解析部22の例を示すブロック図である。情報解析部22は、テキスト解析部41と、閲覧時刻計測部42と、閲覧時間計測部43と、閲覧回数計測部44と、URL解析部45と、操作履歴解析部46と、重要度判定部47とを備える。テキスト解析部41は、名称抽出部411と、位置情報抽出部412と、分類キーワード検出部413とを備える。
【0048】
位置情報抽出部412は、ウェブページのHTML形式のテキスト情報から、位置情報を抽出する。位置情報抽出部412は、郵便番号を表す数字の文字列や都道府県名に該当する文字列をキーにして住所を表す文字列を抽出したり、あるいは、住所を表す住所タグとともに記載された文字列を住所として抽出したりすればよい。また、外部の地図情報サーバから提供される地図情報がウェブページに貼付される場合には、緯度経度情報がウェブページに記載されている。位置情報抽出部412は、そのように目的地候補の地図が貼付されたウェブページから、位置経度情報を抽出する。
【0049】
また、ウェブページに住所や電話番号が記載されているが緯度および経度が記載されていない場合もある。そのような場合には、予め種々の住所または電話番号と緯度および経度とを対応付けて記憶し、指定された住所または電話番号に対応する緯度および経度の情報を提供するサーバ(緯度経度提供サーバ。図示略。)に、緯度および経度を問い合わせればよい。すなわち、位置情報抽出部412は、ウェブページから住所や電話番号を抽出し、その住所や電話番号を指定して、対応する緯度および経度を緯度経度提供サーバに問い合わせ、緯度経度提供サーバから緯度および経度の情報を受信してもよい。
【0050】
名称抽出部411は、ウェブページのHTML形式のテキスト情報から、名称を抽出する。名称抽出部411は、例えば、ウェブページのタイトルを名称として抽出してもよい。また、施設名やレストラン名等に関するタグのように、目的地候補の名称となり得る語句とともに用いられるタグをキーにして名称を抽出してもよい。また、目的地候補となる場所は略称や愛称で呼ばれる場合もあり、ウェブページに複数種類の名称が記載されることもある。そのような場合、名称抽出部411は、複数の名称を抽出してもよい。
【0051】
分類キーワード検出部413は、予め定められた分類キーワードに合致する文字列が、ウェブページ内に記載されている場合、その分類キーワードをウェブページから検出する。分類キーワードは、目的地候補を分類するためのキーワードである。分類キーワードは、目的地候補のジャンルを表しているということができる。分類キーワードの例として、例えば、「レストラン」、「ガソリンスタンド」、「ラーメン」、「駐車場」等が挙げられるが、分類キーワードは、これらに限定されない。
【0052】
また、分類キーワードとは別に、ユーザがウェブページに記載された場所を詳しく知ろうとしていると判断可能な単語(以下、重要単語と記す。)が定められていてもよい。分類キーワード検出部413は、予め定められた重要単語に合致する文字列が、ウェブページ内に記載されている場合、その重要単語をウェブページから検出する。例えば、「案内図」、「アクセスマップ」等の重要単語が予め定められている場合、分類キーワード検出部413は、それらの重要単語をウェブページから検出する。「案内図」、「アクセスマップ」等の単語が含まれているウェブページは、目的地とされやすい場所の情報を記載したウェブページであるということができる。そして、ユーザがそのようなウェブページを閲覧したということは、ユーザは、そのウェブページに記載された場所を詳しく知ろうとしていると言える。
【0053】
閲覧時刻計測部42は、ユーザがウェブページを閲覧した時刻を計測する。ユーザがウェブページを閲覧したか否かは、情報取得部21がウェブページをユーザに提示したか否かによって判定すればよい。従って、閲覧時刻計測部42は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させた時刻を、ウェブページの閲覧時刻として計測すればよい。
【0054】
閲覧時間計測部43は、ユーザがウェブページを閲覧した時間を計測する。閲覧時間計測部43は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させていた時間を計測すればよい。
【0055】
閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページの閲覧回数を計測する。閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた回数を計測すればよい。
【0056】
URL解析部45は、ユーザによって閲覧され位置情報および名称が抽出されたウェブページのURLの階層を判定する。ユーザが、階層のより深いウェブページを閲覧しているということは、ユーザがそれだけ詳しい情報を知ろうとしているということができる。
【0057】
また、URL解析部45は、ユーザに既に閲覧され位置情報および名称が抽出されたウェブページとは別のウェブページがユーザに閲覧され、そのウェブページから共通の位置情報が抽出されている場合に、そのウェブページのURLをレコードに追加する。
【0058】
操作履歴解析部46は、位置情報および名称が抽出されたウェブページに対するブックマーク登録操作および印刷操作を検出する。ブックマーク登録操作は、表示中のウェブページをブックマーク登録する操作であり、印刷操作は、表示中のウェブページを印刷する操作である。ブックマーク登録操作が行われたり、印刷操作の回数が多いということは、ユーザがそれだけ詳しい情報を知ろうとしているということができる。
【0059】
なお、情報解析部22は、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46に関しては、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46のうち少なくとも一つを備えていればよい。また、分類キーワード検出部413は、少なくとも、ウェブページに分類キーワードが記載されているか否かを判定し、ウェブページに分類キーワードが記載されている場合には、分類キーワードを検出する。分類キーワード検出部413は、重要単語に関しては検出を行わなくてもよい。
【0060】
重要度判定部47は、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46、分類キーワード検出部413による各種計測結果、検出結果、判定結果に基づいて、ウェブページから位置情報および名称が抽出された目的地候補の重要度を導出する。具体的には、以下のように重要度を導出する。
【0061】
重要度判定部47は、閲覧時間計測部43によって計測されたユーザのウェブページ閲覧時間が長いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページ閲覧時間が長いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、閲覧時間計測部43が備えられている場合に行えばよく、閲覧時間計測部43が備えられていない場合には、ウェブページ閲覧時間は考慮しない。
【0062】
また、重要度判定部47は、閲覧回数計測部44が計測したユーザのウェブページ閲覧回数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページ閲覧回数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、閲覧回数計測部44が備えられている場合に行えばよく、閲覧回数計測部44が備えられていない場合には、ウェブページ閲覧回数は考慮しない。
【0063】
また、重要度判定部47は、URL解析部45によって判定されたウェブページのURLの階層が深いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページのURLの階層が深いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、URL解析部45が備えられている場合に行えばよく、URL解析部45が備えられていない場合には、ウェブページのURLの階層は考慮しない。
【0064】
また、共通の位置情報が抽出されているウェブページのURLが、URL解析部45によってレコードに追加されている。重要度判定部47は、このURLの数が多いほど、重要度の値を増加させてもよい。
【0065】
また、重要度判定部47は、操作履歴解析部46によって検出されたブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、操作履歴解析部46が備えられている場合に行えばよく、操作履歴解析部46が備えられていない場合には、ブックマーク登録操作や印刷操作の回数は考慮しない。また、操作履歴解析部46がブックマーク登録操作と印刷操作のいずれか一方のみを検出し、ブックマーク登録操作と印刷操作のいずれか一方のみに着目して、操作回数が多いほど重要度の値を増加させてもよい。
【0066】
また、重要度判定部47は、分類キーワード検出部413によって検出された重要単語の数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、重要単語の数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、分類キーワード検出部413が重要単語を検出する場合に行えばよく、分類キーワード検出部413が重要単語を検出しない場合には、重要単語の数は考慮しない。
【0067】
以下の説明では、情報解析部22が、名称抽出部411および位置情報抽出部412の他に、分類キーワード検出部413、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、および操作履歴解析部46を備えている場合を例にして説明する。
【0068】
情報解析部22は、ウェブページから抽出した位置情報および名称や、計測、検出等した各データ、および重要度を、図3に例示する目的地候補のレコードとしてユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。
【0069】
次に、広告配信サーバ3の広告配信調整部31について説明する。図5は、広告配信調整部31の構成例を示すブロック図である。広告配信調整部31は、広告記憶部50と、ユーザ興味判定部51と、広告配信タイミング制御部52と、広告配信判定部53とを備える。
【0070】
広告記憶部50は、広告と、広告の識別情報(以下、広告IDと記す。)と、広告する施設の名称と、広告する施設の分類キーワードとを対応付けて記憶する記憶装置である。広告記憶部50には、これらの広告、広告ID、施設の名称および施設の分類キーワードが予め登録される。また、広告記憶部50は、他の情報も広告に対応付けて記憶していてもよい。例えば、広告記憶部50は、広告に対応付けて、施設の名称および施設の分類キーワードの他に、その施設の位置情報あるいはその施設の利用時間帯等を記憶していてもよい。広告記憶部50は、施設の位置情報および利用時間帯の両方を記憶してもよい。施設の利用時間帯の例については後述する。
【0071】
なお、図5では、広告配信調整部31が広告記憶部50を備える場合を示しているが、広告記憶部50は、広告配信調整部31とは別に設けられていてもよい。
【0072】
ユーザ興味判定部51は、サーバ側目的地候補記憶部32が記憶する目的地候補の重要度を利用して、広告に対するユーザの興味の指標値を導出する。以下、この興味の指標値を、単に、興味指標値と記す。ユーザ興味判定部51は、施設名称一致判定部61と、ジャンル一致判定部62とを備える。
【0073】
ジャンル一致判定部62は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補のレコード毎に、レコード内に含まれる重要度に基づいて、各広告に対するユーザの興味指標値を定める。ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して、広告に対応付けられた分類キーワードを用いて、以下の処理を行う。
【0074】
ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の分類キーワードが、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されている目的地候補の分類キーワードと一致するか否かを判定し、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードがある場合には、そのレコードと同一のユーザIDに対応付けられるレコードのうち、その分類キーワードを含む目的地候補のレコードの数をカウントする。そして、ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードの重要度に基づいて、興味指標値を定める。具体的には、ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードの重要度が、予め定められた重要度制御用閾値を超えている場合、その分類キーワードに関してカウントしたレコード数が多いほど、その重要度の値を増加させた値を求め、その値を着目している広告に関するユーザの興味指標値とする。また、ジャンル一致判定部62は、着目している広告の分類キーワードを含まない目的地候補のレコードに関しては、そのレコードに含まれている重要度を、その広告に関するユーザの興味指標値とすればよい。
【0075】
ジャンル一致判定部62は、上記の処理を、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して行うことにより、目的地候補のレコード毎に、各広告に対するユーザの興味指標値を定める。
【0076】
施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して、広告に対応付けられた施設の名称を用いて、以下の処理を行う。
【0077】
施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の名称が、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された目的地候補の名称と一致するか否かを判定する。広告記憶部50に記憶された施設の名称と一致する目的地候補の名称を含む目的地候補のレコードがあるならば、施設名称一致判定部61は、そのレコードに関して、着目している広告に対して定められたユーザの興味指標値と、その広告の広告IDと、そのレコードに対応するユーザIDとを、広告配信判定部53に入力する。
【0078】
施設名称一致判定部61およびジャンル一致判定部62は、あるユーザの車載端末に配信する広告を決定するための興味指標値を抽出する場合、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶された目的地候補のレコードに着目して、上記の処理を行えばよく、他のユーザIDに対応付けて記憶されたレコードに関しては用いなくてもよい。あるいは、より多くの人が興味を持つ施設の広告を配信しやすくする場合には、ジャンル一致判定部62は、分類キーワードを含む目的地候補のレコード数をカウントする際、他のユーザのレコードもカウント対象に含めてもよい。
【0079】
広告配信タイミング制御部52は、広告を配信しようとする車両の状況に応じて広告を配信するタイミングを判定するための指標値を計算する。以下、この指標値を、配信タイミング判定用指標値と記す。広告配信タイミング制御部52は、例えば、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信したときに、そのユーザIDに関して、広告毎にそれぞれ配信タイミング判定用指標値を定める。
【0080】
広告配信タイミング制御部52は、現在位置近接判定部63と、予測位置近接判定部64と、現在時刻状況判定部65と、予測時刻状況判定部66と、ユーザ運転状況判定部67とを備える。
【0081】
また、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、配信タイミング判定用指標値を初期値から制御(増減)する処理を順次行うことによって、配信タイミング判定用指標値を定める。現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信したときに、そのユーザIDに着目し、受信した情報を用いて、各広告に関してそれぞれ、配信タイミング判定用指標値を増加等させる処理を行うことによって、着目しているユーザIDに関して、広告毎に配信タイミング判定用指標値を定める。以下、配信タイミング判定用指標値を定めようとしている広告を、着目している広告と記す。また、着目しているユーザIDによって定まる車両を、着目している車両と記す。
【0082】
なお、広告配信タイミング制御部52は、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67のうち少なくとも一つを備えていればよい。
【0083】
なお、以下の説明において、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、予測時刻状況判定部66が用いる閾値は、それぞれ別々に定められていてよい。
【0084】
現在位置近接判定部63は、着目している広告によって紹介される施設が、着目している車両の現在位置の近辺にある場合に、着目している車両および広告に関する配信タイミング判定用指標値を増加させる。現在位置近接判定部63は、施設の位置と車両の現在位置との距離を計算し、その距離が、予め定めた閾値以下であれば、施設が車両の現在位置の近辺にあると判定し、距離が、その閾値を超えていれば、施設が車両の現在位置の近辺にないと判定すればよい。現在位置近接判定部63は、施設の位置と車両の現在位置との距離が小さいほど、配信タイミング判定用指標値の増加量を増やしてもよい。なお、施設の位置は、広告に対応付けて、予め広告記憶部30に記憶させておけばよい。現在位置近接判定部63による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両に関する情報に車両の現在位置が含まれる場合に行えばよく、車両に関する情報に車両の現在位置が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0085】
また、現在位置近接判定部63は、着目している広告によって紹介される施設の位置が、着目している車両の進行方向にあることを条件に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。ただし、この制御は、車両に関する情報に車両の進行方向の情報が含まれる場合に行えばよく、車両に関する情報に車両の進行方向の情報が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0086】
予測位置近接判定部64は、車載端末1がユーザを目的地に誘導している場合に、将来の位置として予測される車両(着目している車両)の位置を判定する。例えば、予測位置近接判定部64は、目的地までの経路の情報に基づいて、現在位置から目的地までの経路上の各位置を、将来の位置として予測される車両の位置と判定してもよい。そして、予測位置近接判定部64は、着目している広告によって紹介される施設が、将来の位置として予測した車両の位置の近辺にある場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。予測位置近接判定部64は、施設の位置と車両の予測位置との距離を計算し、その距離が、予め定めた閾値以下であれば、施設が車両の予測位置の近辺にあると判定し、距離が、その閾値を超えていれば、施設が車両の予測位置の近辺にないと判定すればよい。ただし、予測位置近接判定部64による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両の予測位置を判定するための情報(上記の例では、目的地までの経路の情報)が、車両に関する情報に含まれる場合に行えばよく、車両の予測位置を判定するための情報が車両に関する情報に含まれない場合には、行わなくてよい。
【0087】
現在時刻状況判定部65は、着目している広告によって紹介される施設の利用時間帯に現在時刻が属している場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。広告によって紹介される施設の利用時間帯は、例えば、広告に対応付けて、予め広告記憶部30に記憶させておけばよい。また、施設の利用時間帯の定め方は、特に限定されず、例えば、その施設の利用者数が多くなる時間帯等を施設の利用時間帯として定めてもよい。例えば、広告によって紹介される施設がレストランであるならば、その利用時間として昼食時の時間帯等を定めておけばよい。
【0088】
また、ユーザが各ジャンルの施設を過去に利用した時間帯をジャンル毎に広告記憶部30に記憶させておいてもよい。そして、現在時刻状況判定部65は、着目している広告によって紹介される施設の利用時間帯として、その施設と同じジャンルの施設をユーザが過去に訪れた時間帯を用いてもよい。各ユーザが各ジャンルの施設を過去に利用した時間帯に関する情報を予め収集し、記憶する方法は、特に限定されない。
【0089】
現在時刻状況判定部65による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両計測部11から受信する情報に現在時刻の情報が含まれる場合に行えばよく、車両計測部11から受信する情報に現在時刻の情報が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0090】
予測時刻状況判定部66は、将来の位置として予測される車両(着目している車両)の位置であって、着目している広告によって紹介される施設の近辺となる位置を特定する。予測時刻状況判定部66は、例えば、予測位置近接判定手段64と同様に、目的地までの経路の情報に基づいて、車両の予測位置を判定し、その予測位置のうち、施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下となる位置を抽出すればよい。さらに、予測時刻状況判定部66は、その施設の近辺となる車両の予測位置に車両が訪れる時刻を推定する。例えば、予測時刻状況判定部66は、現在位置からその予測位置までの距離を計算し、その距離と、車両の速度の情報とに基づいて、その予測位置に車両が訪れる時刻を推定すればよい。予測時刻状況判定部66は、その推定時刻が、広告によって紹介される施設の利用時間帯に属している場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。ただし、予測時刻状況判定部66による配信タイミング判定用指標値の制御は、施設近辺を車両が訪れる時刻を推定するための情報(上記の例では、目的地までの経路の情報および車両の速度)が、車両に関する情報に含まれる場合に行えばよく、施設近辺を車両が訪れる時刻を推定するための情報が車両に関する情報に含まれない場合には、行わなくてよい。
【0091】
ユーザ運転状況判定部67は、着目している車両が、ユーザに広告を提示するのに適した状況であるか否かを判定し、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、着目している広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。例えば、ユーザ運転状況判定部67は、車両の現在位置が休憩所(サービスエリア、パーキングエリア等)に該当する場合に、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定し、配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。車両の現在位置と照合するための休憩所の位置情報は、例えば、広告記憶部30に記憶させておけばよい。また、例えば、ユーザ運転状況判定部67は、車両が停止している場合(換言すれば、車両の速度が0である場合)に、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定し、配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。車両が停止しているということは、車両が信号待ち等の状態となっていると考えられるので、広告を提示するのに適した状況であると言える。
【0092】
現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、それぞれ、配信タイミング判定用指標値を増加させる条件が満たされなくなった場合には、配信タイミング判定用指標値を減少させてもよい。
【0093】
広告配信タイミング制御部52は、着目しているユーザIDに関して、広告毎に配信タイミング判定用指標値を決定したならば、そのユーザIDおよび、広告毎の配信タイミング判定用指標値を広告配信判定部35に入力する。
【0094】
広告配信判定部53は、ユーザ興味判定部51から入力される興味指標値、広告ID、ユーザIDに基づいて、そのユーザIDにより特定される車載端末に配信する広告を決定する。広告配信判定部53は、入力された興味指標値が、予め定められた配信広告決定用閾値を超えている否かを判定し、その興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている場合に、入力された広告IDが示す広告を、ユーザIDが示す車載端末に配信すると決定する。入力された興味指標値が配信広告決定用閾値以下である場合、広告配信判定部53は、入力された広告IDが示す広告を配信しないと決定する。
【0095】
また、広告配信判定部53は、広告を配信すると決定した車載端末のユーザIDと同一のユーザIDとともに、各広告に関する配信タイミング判定用指標値が広告配信タイミング制御部52から入力されると、そのユーザIDの車載端末に対して配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値を参照し、その配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えているならば、その広告を、車載端末に対して送信する。このとき、広告配信判定部53は、通信部33(図1参照)を介して広告を送信する。また、配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値以下であるならば、まだ広告を送信しない状態のまま待機する。
【0096】
広告配信サーバ3において、ユーザ興味判定部51(施設名称一致判定部61およびジャンル一致判定部62)、広告配信タイミング制御部52(現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67)、広告配信判定部53を含む広告配信調整部31と、広告配信サーバ3の通信部33とは、例えば、プログラム(広告配信プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムが広告配信サーバ3のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、広告配信調整部31および通信部33として動作すればよい。なお、広告配信サーバ3の通信部33は、上記のようなCPUと、通信インタフェースとによって実現される。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0097】
テキスト解析部41(名称抽出部411、位置情報抽出部412、および分類キーワード検出部413)、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46、および重要度判定部47を含む情報解析部22と、情報取得部21と、ユーザ端末2の通信部24とは、例えば、プログラム(情報収集プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムがユーザ端末のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、情報解析部22、情報取得部21および通信部24として動作すればよい。なお、ユーザ端末2の通信部24は、上記のようなCPUと、通信インタフェースとによって実現される。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0098】
車載端末1の車両計測部11、広告提示部12および目的地設置部13は、例えば、プログラム(車載端末用プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムが車載端末のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、車両計測部11、広告提示部12および目的地設置部13として動作すればよい。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。また、車載端末1の通信部14は、例えば、通信インタフェースによって実現される。
【0099】
次に、本発明の動作について説明する。まず、ユーザ端末2が目的地候補の情報を広告配信サーバ3に送信し、広告配信サーバ3がその情報を記憶するまでの動作を説明する。図6は、ユーザ端末2が目的地候補の情報を広告配信サーバ3に送信するまでの処理経過の例を示すフローチャートである。ユーザ端末2(図1参照)の情報取得部21は、ユーザに指定されたウェブページを取得し、そのウェブページをユーザ端末2のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。そして、情報取得部21は、そのウェブページのHTML形式のテキスト情報を情報解析部22に入力する(ステップS1)。
【0100】
すると、情報解析部22において、位置情報抽出部412が、ウェブページのHTML形式のテキスト情報(以下、単にウェブページと記す。)から、住所と緯度および経度とを位置情報として抽出し、名称抽出部411がウェブページから名称を抽出する(ステップS2)。なお、位置情報抽出部411は、抽出した住所を指定して緯度経度提供サーバ(図示せず。)に緯度および経度を問い合わせ、緯度経度提供サーバから緯度および経度を取得してもよい。
【0101】
ステップS2で位置情報および名称が抽出されなかった場合、ステップS2で処理を終了する。
【0102】
続いて、位置情報抽出部412は、抽出した位置情報と一致する位置情報を含むレコードがユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されているか否かを判定する(ステップS3)。位置情報が一致するレコードが記憶されていなければ(ステップS3におけるNo)、位置情報抽出部412は、ステップS2で抽出された位置情報および名称を含む新規レコードを作成する(ステップS4)。一方、位置情報が一致するレコードが記憶済みであれば、位置情報抽出部412は、そのレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込む(ステップS5)。
【0103】
また、位置情報が一致するレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込んだ場合、そのレコードに含まれている名称と、ステップS2で抽出した名称とが一致していなければ、例えば名称抽出部411が、ステップS2で抽出した名称のテーブルをそのレコードに追加する(ステップS6)。
【0104】
新たに作成したレコード、またはユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込んだレコードに対して以下の処理を行う。
【0105】
分類キーワード検出部413は、分類キーワードとして予め定められたキーワードをウェブページから検出して、その分類キーワードをレコードに含める(ステップS7)。また、分類キーワード検出部413は、予め定められた重要単語をウェブページから検出し、その検出数をカウントする。そして、レコードに含まれている重要単語検出数に、カウントした重要単語検出数を加算してもよい。重要単語検出数がレコードに含まれていない場合には、カウントした重要単語検出数をそのままレコードに追加すればよい。なお、図3では、分類キーワードを含むが、重要単語検出数を含まない場合のレコードを例示している。
【0106】
閲覧時刻計測部42は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させたときに、その時刻をユーザのウェブページ閲覧時刻として計測しておく。そして、閲覧時刻計測部42は、計測したユーザのウェブページ閲覧時刻で、レコードにおけるウェブページ閲覧時刻を更新する(ステップS8)。ウェブページ閲覧時刻がレコードに含まれていなければ、計測したウェブページ閲覧時刻をレコードに追加する。ステップS8で更新された閲覧時刻は、ユーザがウェブページを最後に閲覧したときの時刻である。図3に示す例では、「最終閲覧時間」が、ユーザのウェブページ閲覧時刻に該当する。
【0107】
閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた回数を、ユーザによるウェブページの閲覧回数としてカウントし、そのウェブページ閲覧回数で、レコードにおけるウェブページ閲覧回数を更新する(ステップS9)。ウェブページ閲覧回数がレコードに含まれていなければ、ウェブページ閲覧回数をレコードに追加すればよい。
【0108】
閲覧時間計測部43は、ウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた時間を、ユーザのウェブページ閲覧時間として計測し、そのウェブページ閲覧時間を、レコードにおけるウェブページ閲覧時間に加算する(ステップS10)。ウェブページ閲覧時間がレコードに含まれていなければ、計測したウェブページ閲覧時間をそのままレコードに含めればよい。
【0109】
また、URL解析部45は、ステップS101で情報取得部21から入力されたウェブページのURLの階層の深さを判定する(ステップS11)。そして、ウェブページのURLの階層の深さを示す数値を、レコードに含まれているウェブページのURLの階層の深さに加算する(ステップS11)。ウェブページのURLの階層の深さがレコードに含まれていなければ、判定した深さを示す数値をそのままレコードに含めればよい。なお、図3では、URLの階層の深さを示す数値を含んでいないレコードを例示している。
【0110】
また、URL解析部45は、ステップS1で情報取得部21から入力されたウェブページのURLをレコードに追加する。このとき、ステップS5で読み込んだレコードに含まれているURLと、ステップS1で入力されたウェブページのURLとが異なっていれば、レコード内の既存のURLに新たなURLテーブルが追加されることになる。
【0111】
操作履歴解析部46は、情報取得部21がユーザに提示したウェブページに対するブックマーク登録操作および印刷操作を検出し、その操作回数をカウントする。そして、操作履歴解析部46は、レコードに含まれているブックマーク登録操作および印刷操作の回数に、カウントした回数を加算する(ステップS12)。ブックマーク登録操作および印刷操作の回数がレコードに含まれていなければ、カウントした回数をそのままレコードに追加する。図3では、この回数を含んでいないレコードを例示している。
【0112】
次に、重要度判定部47は、レコードの重要度(換言すれば目的地候補の重要度)を導出する(ステップS13)。重要度判定部47は、ステップS13の時点でレコードに含まれている重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数に基づいて重要度を計算する。重要度判定部47は、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、レコードの重要度の値を増加させる。同様に、ウェブページのURLの階層の深さが深いほど、重要度の値を増加させ、また、ユーザのウェブページ閲覧時間が長いほど、重要度の値を増加させる。また、レコード内に記載されたURL(図3参照)の数が多いほど、重要度の値を増加させてもよい。
【0113】
重要度判定部47による重要度導出の具体例を示す。例えば、重要度判定部47は、重要単語については検出数1あたり、10点を加算する。ウェブページ閲覧回数に関しては、1回あたり1点を加算する。ウェブページの閲覧時間に関しては、1分あたり1点を加算する。また、レコード内に含まれるURLテーブルの数に関しては、1個あたり10点を加算する。ブックマーク登録操作および印刷操作の回数に関しては、操作1回あたり10点を加算する。ウェブページのURLの階層の深さに関しても、単位当たりの点数を決めておき、深さに応じた点数を加算する。このような加算を行うことにより、重要度判定部47は重要度を計算すればよい。
【0114】
なお、重要度判定部47は、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数、URLテーブルの数等の項目毎に計算した点数に項目毎の重み係数を乗算し、その項目毎の乗算結果の合計を重要度としてもよい。このように重要度を求めることで、項目毎の点数の重みを調整することができる。この場合、項目毎の重み係数が広告配信システムの設計者によって予め設定されていてもよい。あるいは、ユーザから各重み係数が入力される構成であってもよい。
【0115】
また、広告配信システムを運用する過程で、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数、URLテーブルの数等の項目毎に計算した点数と、ユーザが実際に選択した目的地候補との相関性が特定された場合、相関性の高い項目について重み係数を増加するように、重み係数を変化させる構成であってもよい。
【0116】
ステップS13において、重要度判定部47は、導出した重要度をレコードに含める。その後、重要度判定部47は、そのレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる(ステップS14)。
【0117】
次に、ユーザ端末2の通信部24は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されている各目的地候補のレコードと、ユーザ端末2の使用者のユーザIDとを広告配信サーバ3に送信する(ステップS15)。ユーザ端末2の通信部24が、レコードおよびユーザIDを送信するタイミングの定め方は、特に限定されない。例えば、ユーザ端末2の通信部24は、ユーザによって送信を指示する操作が行われたときに、各目的地候補のレコードおよびユーザIDを広告配信サーバ3に送信してもよい。
【0118】
また、広告配信サーバ3の通信部3は、ユーザ端末2から各目的地候補のレコードおよびユーザIDを受信すると、そのレコード群とユーザIDとを対応付けて、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶させる。
【0119】
次に、広告配信サーバ3が、ユーザ端末2に対して送信する広告を決定し、その広告を送信する処理経過について説明する。図7は、広告配信サーバ3が広告を決定して送信する処理経過の例を示すフローチャートである。
【0120】
ジャンル一致判定部62は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補のレコード毎に、レコード内に含まれる重要度に基づいて、各広告に対するユーザの興味指標値を定める(ステップS21)。この各目的地候補のレコードは、ステップS15でユーザ端末2から送信されたレコード群であり、ジャンル一致判定部62は、そのレコード群とともに送信されたユーザIDによって特定されるユーザの興味指標値を定める。レコード毎に興味指標値を定める動作に関しては、既に説明したので説明を省略する。
【0121】
ステップS21に続いて、施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の名称が、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された目的地候補の名称と一致するか否かを判定する。広告記憶部50に記憶された施設の名称と一致する目的地候補の名称を含む目的地候補のレコードがあるならば、施設名称一致判定部61は、そのレコードに関して、着目している広告に対して定められたユーザの興味指標値と、その広告の広告IDと、そのレコードに対応するユーザIDとを、広告配信判定部53に入力する。この処理を、各広告に関して行う(ステップS22)。
【0122】
広告配信判定部53は、施設名称一致判定部61から入力された興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている否かを判定する。そして、広告配信判定部53は、興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている場合に、入力された広告IDが示す広告を、ユーザIDが示す車載端末に配信すると決定する(ステップS23)。
【0123】
また、広告配信タイミング制御部52は、車両に関する情報、現在時刻、ユーザIDを車載端末1から受信したか否かを判定する(ステップS24)。受信していなければ(ステップS24におけるNo)、受信するまで待機する。
【0124】
また、車両に関する情報、現在時刻、ユーザIDを車載端末1から受信したならば(ステップS24におけるYes)、そのユーザIDに関し、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67が、広告毎に配信タイミング判定用指標値を初期値から順次制御していくことにより、広告毎の配信タイミング判定用指標値を定める(ステップS25〜S29)。図7に示す例では、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66、ユーザ運転状況判定部67の順に、配信タイミング判定用指標値を補正する場合を示しているが、この順序は特に限定されない。なお、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66、ユーザ運転状況判定部67による配信タイミング判定用指標値の制御については既に説明したので説明を省略する。
【0125】
最後に配信タイミング判定用指標値の制御を行う構成要素(本例では、ステップS29を行うユーザ運転状況判定部67)は、制御の結果得られた広告毎の配信タイミング判定用指標値を、ステップS24で受信したユーザIDとともに、広告配信判定部53に入力する。
【0126】
広告配信判定部53は、広告毎の配信タイミング判定用指標値ともに入力されたユーザIDが、広告を配信すると決定した車載端末のユーザIDと一致するならば、配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値を参照し、その配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えているか否かを判定する。配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えているならば、広告配信判定部53は、配信すると決定した広告を、配信先の車載端末に送信する(ステップS30)。配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えていなければ、広告を配信しない。以降、ステップS24以降の処理を繰り返す。
【0127】
また、車載端末1の広告提示部12は、ステップS30で広告配信サーバ3が送信した広告を、通信部14を介して受信すると、その広告をユーザに提示する。例えば、広告提示部12は、受信した広告を車載端末1のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。あるいは、広告が音声形式の情報である場合、広告提示部12は、広告を車載端末1のスピーカ(図示略)から音声として出力してもよい。また、広告提示部12は、車載端末1のディスプレイ装置に地図とともに広告対象の施設のアイコンを表示し、ユーザがアイコンをタッチしたりカーソル等を移動させたりしたときに広告の詳細情報を提示する構成としてもよい。これらは、広告提示部12による広告提示の例であり、広告提示部12は、上記以外の態様で広告を提示してもよい。
【0128】
本実施形態によれば、ユーザが閲覧したウェブページから推定された目的地候補の重要度に基づいて、広告配信調整部31が、そのユーザの車載端末1に配信する広告を決定する。目的地候補は、車載端末1で実際にユーザに設定された目的地ではなく、推定された候補である。従って、そのような目的地候補は、目的地として確定されていないので、ユーザの行き先ではない場合もあり、そのような目的地候補に関する広告を配信することで、高い広告効果を得ることができる。また、広告配信調整部31は、目的地候補の重要度に基づいて興味指標値を決定し、興味指標値が配信広告決定用閾値を超える場合に広告を配信すると決定する。このことにより、目的地として確定していないがユーザの興味が高いと考えられる施設の広告を配信することができ、高い広告効果を得ることができる。また、ユーザが所望の広告種別を選択する操作を行わなくても、高い広告効果が得られるように、広告を配信することができる。
【0129】
また、広告タイミング制御部52が、ユーザの車両に関する状況から、そのユーザに関する配信タイミング判定用指標値を定める。そして、広告配信判定部53は、配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えていることを条件に、広告を車載端末に送信する。従って、高い広告効果が得られるタイミングで、広告を配信することができる。
【0130】
また、本発明において、目的地候補の重要度は、興味指標値を定める場合の他に、車載端末でユーザが目的地を設定する場合に用いられてもよい。例えば、広告配信サーバ3が、ユーザの車載端末1に対して、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶された各目的地候補のレコードを送信してもよい。この送信は、広告の送信とは別個に行ってもよい。そして、車載端末1の目的地設定部13は、各レコードを参照し、例えば、重要度が高い順に所定数の目的地候補を提示して、目的地の選択を促し、ユーザに選択された目的地候補を目的地として設定し、その目的地までの経路を特定してもよい。なお、目的地設定部13が重要度に基づいて目的地候補をユーザに提示する態様は、特に限定されない。
【0131】
実施形態2.
図8は、本発明の第2の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同様の符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ3aとを備える。広告配信サーバ3aは、広告配信調整部31と、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33と、訪問回数更新部34とを備える。広告配信調整部31の構成は、第1の実施形態と同様である(図5参照)。
【0132】
ただし、第2の実施形態では、広告記憶部50(図5参照)は、少なくとも、広告と、広告IDと、広告する施設の名称と、広告する施設の分類キーワードと、広告する施設の位置情報と、その広告を見たユーザが施設を訪問した回数とを記憶する。広告記憶部50は、初期状態では、ユーザの施設訪問回数を0として記憶する。ユーザの施設訪問回数は、訪問回数更新部34によって更新される。
【0133】
また、広告配信判定部53は、ステップS30(図7参照)で、広告を車載端末に送信するときに、その広告に対応する施設の位置情報も広告記憶部50から読み込み、広告とともに施設の位置情報も車載端末に送信する。
【0134】
広告配信調整部31に関する他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0135】
訪問回数更新部34は、広告と施設の位置情報とを配信した車載装置から、その車載装置のユーザがその施設を訪問した旨の情報を受信すると、広告記憶部50においてその広告とともに記憶されている施設訪問回数に1を加算する。したがって、広告を見て実際に施設を訪問したユーザの数が多いほど、施設訪問回数は加算されていく。
【0136】
訪問回数更新部34は、例えば、広告配信プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、訪問回数更新部34は、他の構成要素とは別のハードウェアで実現されてもよい。
【0137】
第2の実施形態における車載端末1の構成は、第1の実施形態と同様である(図1参照)。ただし、車両計測部11は、広告配信サーバ3から広告とともに配信される施設の位置情報を用いて、広告された施設をユーザが訪問したか否かを判定する。そして、ユーザが施設を訪問したと判定した場合、車両計測部11は、その旨を広告配信サーバ3aに送信する。
【0138】
車両計測部11は、ユーザが、広告された施設を訪問したことを、例えば、以下のように判断すればよい。車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致し、そのまま、現在位置が変化しない状態が一定時間継続したときに、ユーザが施設を訪問したと判定すればよい。すなわち、施設の位置で車載端末1が移動せずに一定時間以上留まっていることを検出した場合に、ユーザが施設を訪問したと判定すればよい。
【0139】
あるいは、車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致した状態で、車両のイグニションキーがオフになったと判定したときに、ユーザが施設を訪問したと判定してもよい。この場合、車載端末1は、図9に示すように、車両のイグニションキーがオンであるかオフであるかを検出し、検出結果を車両計測部11に通知するキー状態検出部72を備えていればよい。車両計測部11は、キー状態検出部72からの通知により、イグニションキーがオフになったか否かを判定すればよい。
【0140】
あるいは、車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致した状態で、車両のドアの開閉があり、車内に人がいなくなったと判定したときに、ユーザが施設を訪問したと判定してもよい。この場合、車載端末1は、図10に示すように、ドアの開閉を検出し、ドアの開閉状態を車両計測部11に通知するドア状態検出部73と、車内の人の有無を検出し、車内に人がいるかいないかを車両計測部11に通知する人検出部74とを備えていればよい。車両計測部11は、ドア状態検出部73からの通知により、車両のドアの開閉があったか否かを判定し、人検出部74からの通知により、車内に人がいるかいないかを判定すればよい。
【0141】
あるいは、車両計測部11は、上記以外の方法で、ユーザが施設を訪問したことを判定してもよい。
【0142】
次に、動作について説明する。図11は、第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。図11に示すステップS30は、図7におけるステップS30に相当する。広告配信判定部53(図5参照)は、ステップS30において、広告を配信するタイミングであると判定した場合、配信する広告とともに、その広告に対応する施設の位置情報を、車載端末1に送信する。
【0143】
車載端末1の車両計測部11は、広告とともに配信された施設の位置情報とを受信すると、車載端末1を使用するユーザがその施設を訪問したか否かを判定する。そして、ユーザが施設を訪問したと判定したならば、車載端末1の車両計測部11は、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信サーバ3aに送信する(ステップS40)。
【0144】
広告配信サーバ3aの訪問回数更新部34は、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信すると、ステップS30で送信した広告に対応するユーザの施設訪問回数に1を加算して、広告記憶部50に記憶された施設訪問回数を更新する(ステップS41)。
【0145】
他の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0146】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、広告記憶部50に、広告とともに、その広告で案内した施設にユーザが実際に訪問した回数が記録される。広告配信サーバ3aを管理する広告配信業者は、この回数が多いほど、広告主から高い広告料を徴収してもよい。ユーザの施設訪問回数は、広告の効果を表しているということができる。従って、本実施形態では、広告主が、広告効果の実績に応じた広告料を支払えるようにすることができる。
【0147】
実施形態3.
図12は、本発明の第3の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同様の符号を付し、説明を省略する。第3の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ3bとを備える。
【0148】
第3の実施形態における車載端末1の構成は、第1の実施形態と同様である。ただし、車両計測部11は、車両に関する情報等を広告配信サーバ3bに送信する際、少なくとも、車両に関する情報に車両の現在位置を含めるか、あるいは、車両に関する情報とともに現在時刻も送信する。車両計測部11は、現在位置と現在時刻の両方を広告配信サーバ3bに送信してもよい。なお、図12では図示を省略しているが、車両計測部11が現在時刻を送信する場合、車載端末1は、図2に示すようにタイマ71を備えていればよい。なお、車両に関する情報として、車両の現在位置以外の情報が含まれていてもよい。
【0149】
広告配信サーバ3bは、広告配信調整部31bと、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33とを備える。広告配信調整部31bは、第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の動作を行うが、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されたレコードに含まれる重要度を変更する処理も行う。
【0150】
図13は、第3の実施形態における広告配信調整部31bの構成例を示すブロック図である。第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の構成要素については、図5と同様の符号を付し、説明を省略する。広告配信調整部31bは、第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の構成要素に加えて、重要度制御部68を備える。
【0151】
重要度制御部68は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されているレコードに含まれる重要度を、車載端末1から受信した車両の現在位置および現在時刻に基づいて変更(制御)する。ユーザ興味判定部51は、重要度制御部68による変更処理後の重要度に基づいて、興味指標値を導出する。
【0152】
重要度制御部68は、車載端末1からユーザIDとともに、車両の現在位置、現在時刻等の情報を受信すると、そのユーザIDに対応する各目的地候補のレコードをサーバ側目的地候補記憶部32から読み込み、各レコードに含まれる重要度を車両の現在位置と現在時刻とに基づいて制御する。
【0153】
重要度制御部68は、レコードから、ユーザがウェブページを最後に閲覧した最終閲覧時刻を抽出し、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間を計算する。そして、重要度制御部68は、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間が短いほど、値が大きくなるように目的地候補のレコードに含まれる重要度を制御する。例えば、経過時間が短いほど値が大きくなるように係数を予め定めておき、重要度制御部68は、経過時間に応じた係数を重要度に乗じることによって、重要度を調整すればよい。なお、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間に基づく重要度の制御は、車載端末1が送信する情報に現在時刻が含まれる場合に行えばよく、車載端末1が送信する情報に現在時刻が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0154】
また、重要度制御部68は、レコードから、目的地候補の位置情報を抽出し、その目的地候補の位置と車両の現在位置との距離を計算する。そして、重要度制御部68は、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離が小さいほど、値が大きくなるように目的地候補のレコードに含まれる重要度を制御する。なお、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離に基づく重要度の制御は、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置が含まれる場合に行えばよく、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0155】
また、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置と現在時刻の両方が含まれる場合、重要度制御部68は、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間に基づいて重要度を制御し、さらに、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離に基づいて重要度を制御すればよい。この処理順序は逆でもよい。
【0156】
重要度制御部68は、例えば、広告配信プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、重要度制御部68は、他の構成要素とは別のハードウェアで実現されてもよい。
【0157】
次に、第3の実施形態における処理経過について説明する。第3の実施形態では、広告配信調整部31bは、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信した後に、処理を開始する。車載端末1から各情報を受信した後、まず、広告配信調整部31bの重要度制御部68は、上記のように、ユーザIDに対応する各目的地候補のレコードをサーバ側目的地候補記憶部32から読み込み、各レコードに含まれる重要度を車両の現在位置と現在時刻とに基づいて変更する。
【0158】
その後、ユーザ興味判定部51が、ステップS21,S22(図7参照)と同様の処理を行い、続いて、広告配信判定部53が、ステップS23(図7参照)と同様の処理を行う。
【0159】
続いて、広告配信タイミング制御部52が、ステップS25〜S29(図7参照)と同様の処理を行い、広告配信判定部53が、ステップS30(図7参照)と同様の処理を行う。
【0160】
他の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0161】
ウェブページの最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間が短かったり、車両の現在位置と目的地候補との距離が小さい場合には、目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性が高いと考えられる。本実施形態では、そのような目的地候補の重要度を増加させるように制御した上で、重要度に基づいて興味指標値を定める。従って、そのような目的地候補の広告を配信しやすくするように調整できる。なお、この場合でも、目的地候補は、目的地として確定しているわけではないので、第1の実施形態と同様に、高い広告効果が得られる。
【0162】
なお、第3の実施形態において、車載端末1で重要度の制御を行ってもよい。この場合、広告配信サーバ3bは、車載端末1からユーザIDを受信し、そのユーザIDに対応する各目的地候補のレコードを車載端末1に送信する。そして、車載端末1が、重要度制御部68と同様に、そのレコード内の重要度を変更し、重要度を変更した後のレコードを広告配信サーバ3bに送り返せばよい。その後、広告配信サーバ3bが、そのレコードの重要度を用いて、興味指標値を求めればよい。
【0163】
また、本発明による広告配信システムは、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた構成であってもよい。
【0164】
また、目的地候補のレコードに含まれるウェブページの最終閲覧時刻は、重要度制御手段68がレコード内の重要度を変更するために用いられる。従って、重要度制御手段68が設けられない第1の実施形態や第2の実施形態では、ユーザ端末2の情報解析部22は、閲覧時刻計測部42(図4参照)を備えず、ステップS8(図6参照)を行わなくてもよい。
【0165】
また、第1から第3までの各実施形態において、広告配信サーバ3,3bは、日時情報に基づいて、配信する広告の内容を選択する構成であってもよい。例えば、広告配信サーバ3,3bは、美術館等の施設に関して、イベント期間に応じた広告を選択してもよい。また、スーパーマーケット等の店舗であれば、タイムセールを開催する時間帯に応じて、広告を選択してもよい。
【0166】
同様に、広告配信サーバ3,3bは、ユーザが使用している車両の価格帯や、車両の属性(例えば、「スポーツカー」、「ファミリーカー」等の種別)に応じて、配信する広告の内容を選択してもよい。車両の価格帯や、車両の属性は、車載端末1が、広告配信サーバに通知すればよい。
【0167】
次に、本発明の広告配信システム、広告配信装置の最小構成の例を示す。図14は、本発明の広告配信システムの最小構成の例を示すブロック図である。図15は、本発明の広告配信装置の最小構成の例を示すブロック図である。
【0168】
本発明による広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末85と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末81と、案内端末81に広告を配信する広告配信装置90とを備える。
【0169】
ユーザ端末85は、情報取得手段86と、情報解析部87と、目的地候補情報送信手段88とを備える。情報取得手段86は、ウェブページを取得する。情報解析部87は、そのウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する。目的地候補情報送信手段88は、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置90に送信する。
【0170】
広告配信装置90は、広告記憶手段91と、目的地候補情報記憶手段92と、広告配信調整手段93とを備える。広告記憶手段91は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する。目的地候補情報記憶手段92は、ユーザ端末85から受信した目的地候補情報を記憶する。広告配信調整手段93は、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段91が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末80に配信する広告を決定し、その広告を案内端末80に送信する。
【0171】
案内端末80は、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段81を備える。
【0172】
そのような構成により、ユーザによって確定された目的地の情報ではなく、目的地候補に対して定められた目的地候補指標値によって広告を決定するので、高い広告効果が得られる。また、希望する広告種別を選択する操作をユーザに行わせずに済む。
【0173】
また、上記の各実施形態には、以下の(1)〜(6)に示すような広告配信システムの特徴的構成が示されている。
【0174】
(1)本発明の広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末(例えば、ユーザ端末2)と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末(例えば、案内端末1)と、案内端末に広告を配信する広告配信装置(例えば、広告配信サーバ3,3a,3b)とを備え、ユーザ端末が、ウェブページを取得する情報取得手段(例えば、情報取得部21)と、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワード(例えば、分類キーワード)を抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値(例えば、重要度)を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段(例えば、情報解析部22)と、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報(例えば、レコード)を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段(例えば、通信部24)とを含み、広告配信装置が、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段(例えば、広告記憶部50)と、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段(例えば、サーバ側目的地候補記憶部32,32b)と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末に配信する広告を決定し、その広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含むことを特徴とする。
【0175】
(2)広告配信調整手段が、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、そのキーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段(例えば、ジャンル一致判定部62)と、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段(例えば、施設名称一致判定部61)と、検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段(例えば、広告配信判定部53)とを有する構成であってもよい。
【0176】
(3)案内端末が、ユーザの車両に搭載される車載端末であり、案内端末が、車両に関する情報を計測し、計測した車両に関する情報を広告配信装置に送信する車両計測手段(例えば、車両計測部11)を備え、広告配信調整手段が、案内端末から受信した車両に関する情報を用いて、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である配信タイミング判定用指標値を広告毎に決定する配信タイミング判定用指標値決定手段(例えば、広告配信タイミング制御部52)を有し、広告配信判定手段が、配信タイミング判定用指標値決定手段に決定された配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えたときに、広告を案内端末に送信する構成であってもよい。そのような構成によれば、高い広告効果が得られるタイミングで広告を配信することができる。
【0177】
(4)車両計測手段が、広告配信装置に対して、少なくとも、車両の現在位置、目的地までの経路、車両の速度、現在時刻のうちの一部を送信し、広告記憶手段が、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、少なくとも、当該施設の位置情報と当該施設の利用時間帯のいずれか一方あるいは両方を記憶し、広告配信調整手段が、車両の現在位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である広告配信判定用指標値を増加させる現在位置近接判定手段(例えば、現在位置近接判定部63)、目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した車両の位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測位置近接判定手段(例えば、予測位置近接判定部64)、現在時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる現在時刻状況判定手段(例えば、現在時刻状況判定部65)、目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した位置に車両が訪れる時刻を予測し、予測した時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測時刻状況判定手段(例えば、予測時刻状況判定部66)、および、車両の速度に基づいて、ユーザに広告を提示するのに適した状況か否かを判定し、ユーザに広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、広告配信判定用指標値を増加させるユーザ状況判定手段(例えば、ユーザ運転状況判定67)のうちの少なくとも一つを有する構成であってもよい。
【0178】
(5)広告記憶手段が、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、当該施設の位置情報と、ユーザが当該施設に訪問した回数である施設訪問回数を記憶し、広告配信判定手段が、広告とともに、当該広告に対応する施設の位置情報を案内端末に送信し、車両計測手段が、広告配信装置から広告とともに受信した施設の位置情報を参照して、ユーザが施設を訪問したか否かを判定し、ユーザが施設を訪問したと判定したときに、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信装置に送信し、広告配信装置が、案内端末から、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信したときに、案内端末に送信した広告に対応する施設訪問回数に1を加算する訪問回数更新手段(例えば、訪問回数更新部34)を含む構成であってもよい。そのような構成によれば、施設訪問回数により、広告効果の実績を知ることができるので、広告主が、広告効果の実績に応じた広告料を支払えるようにすることができる。
【0179】
(6)情報解析手段が、ウェブページからユーザの目的地候補の位置を抽出し、目的地候補の位置と、ユーザがウェブページを閲覧した時刻であるウェブページ閲覧時刻とを目的地候補情報に含め、車両計測手段が、広告配信装置に送信する情報に、ユーザの車両の現在位置と現在時刻のいずれか一方または両方を含め、広告配信装置が、案内端末から受信した車両の現在位置と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の位置との距離が近いほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させ、現在時刻と、目的地候補情報に含まれるウェブページ閲覧時刻との差が小さいほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させる目的地候補指標値制御手段(例えば、重要度制御部68)を含む構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に広告を配信する広告配信システムに好適に適用される。
【0181】
(付記1)ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、ウェブページを取得し、前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、
前記広告配信装置が、前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、前記案内端末に対して前記広告を送信し、前記案内端末が、前記広告配信装置から受信した広告をユーザに提示することを特徴とする広告配信方法。
【0182】
(付記2)広告配信装置が、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定め、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出し、前記興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する付記1に記載の広告配信方法。
【0183】
(付記3)少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、前記コンピュータに、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調処理を実行させるための広告配信プログラム。
【0184】
(付記4)コンピュータに、広告配信調処理で、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定処理、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定処理、および、検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定処理を実行させる付記3に記載の広告配信プログラム。
【符号の説明】
【0185】
1 車載端末(案内端末)
2 ユーザ端末
3,3b 広告配信サーバ
11 車両計測部
12 広告提示部
13 目的地設定部
21 情報取得部
22 情報解析部
23 ユーザ端末側目的地候補記憶部
31,31b 広告配信調整部
32 サーバ側目的地候補記憶部
34 訪問回数更新部
41 テキスト解析部
42 閲覧時刻計測部
43 閲覧時間計測部
44 閲覧回数計測部
45 URL解析部
46 操作履歴解析部
47 重要度判定部
50 広告記憶部
51 ユーザ興味判定部
52 広告配信タイミング制御部
61 施設名称一致判定部
62 ジャンル一致判定部
63 現在位置近接判定部
64 予測位置近接判定部
65 現在時刻状況判定部
66 予測時刻状況判定部
67 ユーザ運転状況判定部
68 重要度制御部
411 名称抽出部
412 位置情報抽出部
413 分類キーワード検出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地までの経路をユーザに提示する端末に広告を配信する広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法および広告配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)等を利用して現在位置を測定し、ユーザが目的地を設定すると、その目的地までの経路を案内するカーナビゲーションシステムが知られている。さらに、ユーザの属性情報、ユーザの現在位置情報、目的地情報等を利用して、このようなカーナビゲーションシステムに対して広告主が広告を配信する広告配信システムが種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載された広告提供システムは、ユーザによる携帯電話装置の使用状況に関する履歴、またはユーザの行動に関する履歴を取得し、各履歴に基づいて、ユーザの属性情報を生成する。また、移動体に搭載されたナビゲーション装置から移動体の位置情報を取得する。そして、ユーザの属性情報と移動体の位置情報とに基づいて、利用者に対応する広告情報を選定し、その広告情報をナビゲーション装置に送信する。特許文献1に記載された広告提供システムは、携帯電話装置の使用状況に関する履歴やユーザの行動に関する履歴として、例えば、Webサイトの検索履歴、閲覧履歴、携帯電話装置に内蔵されるカメラ等の使用履歴等を用いる。また、携帯電話装置に電子マネー機能が具備されている場合には購入履歴を用いてもよいことが記載されている。また、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いてもよいことも、特許文献1に記載されている。
【0004】
また、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、広告の配信装置が、車載装置から受信したユーザ設定情報に基づいて、広告データベースに記憶されている広告情報リストの中から、ユーザが希望する広告種別に該当する広告情報を選択する。そして、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、選択した広告情報の中から、車載装置から受信した経路情報に基づいて、車両の通過点と広告施設との距離が予め設定された距離内であるという条件や、広告施設の位置に最も近い通過点を車両が通過する予想通過時刻、道路属性、移動の目的により規定される各種条件により、広告情報を絞り込み、絞り込んだ広告情報を車載装置に配信する。また、特許文献2に記載された広告情報配信システムは、広告情報の施設のうちユーザが利用した施設に対する評価を表す広告評価情報を収集し、車載装置からの要求に応じて広告評価情報を車載装置に送信する。
【0005】
また、特許文献3には、インターネット上に存在するWebページから施設情報等を収集し、ユーザのニーズに応じて情報の分析等を行い、その情報を車両用ナビゲーション装置に提供する装置が記載されている。そして、特許文献3には、施設のトップページから施設名を抽出することや、施設の位置を特定することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−80733号公報(段落0022−0066等)
【特許文献2】特開2009−80337号公報(段落0099−0126、図11−13等)
【特許文献3】特開2009−19976号公報(段落0079,0080)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された広告提供システムは、ユーザの属性情報を生成し、その属性情報と移動体の位置情報とに基づいて広告情報を選定する。そして、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いてもよいことも、特許文献1に記載されている。しかし、利用者の位置情報として、目的地の情報を用いた場合、ユーザが既に設定した目的地に関して広告することになる場合もある。その場合、ユーザが行こうとしている目的地そのものについて広告することになり、高い広告効果があるとは言えない。すなわち、ユーザは、広告しようとしている施設等を既に目的地としているので、広告によってユーザを呼び寄せたことにはならず、高い広告効果があるとは言えない。
【0008】
また、特許文献2に記載された広告情報配信システムでは、ユーザが、希望する広告種別を選択しなければならない。そのような操作は、ユーザにとっては面倒な操作である。よって、そのような操作を行わなくても、高い広告効果が得られるように広告主がユーザに広告情報を配信できるようにすることが好ましい。
【0009】
そこで、本発明は、希望する広告種別を選択する操作をユーザが行っていなくても、高い広告効果が得られるように広告をユーザの端末に対して配信することができる広告配信システム、広告配信装置、広告配信方法および広告配信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末と、案内端末に広告を配信する広告配信装置とを備え、ユーザ端末が、ウェブページを取得する情報取得手段と、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段と、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段とを含み、広告配信装置が、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末に配信する広告を決定し、その広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明による広告配信装置は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明による広告配信方法は、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、ウェブページを取得し、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、
目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、広告配信装置が、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、案内端末に対してその広告を送信し、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示することを特徴とする。
【0013】
また、本発明による広告配信プログラムは、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、コンピュータに、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を案内端末に送信する広告配信調処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、希望する広告種別を選択する操作をユーザが行っていなくても、高い広告効果が得られるように広告を選択して、その広告をユーザの端末に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態の例を示すブロック図である。
【図2】車載端末の例を示すブロック図である。
【図3】目的地候補データベースの例を示す説明図である。
【図4】情報解析部の例を示すブロック図である。
【図5】広告配信調整部の構成例を示すブロック図である。
【図6】ユーザ端末が目的地候補の情報を広告配信サーバに送信するまでの処理経過の例を示すフローチャートである。
【図7】広告配信サーバ3が広告を決定して送信する処理経過の例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2の実施形態の例を示すブロック図である。
【図9】車載端末の例を示すブロック図である。
【図10】車載端末の他の例を示すブロック図である。
【図11】第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態の例を示すブロック図である。
【図13】第3の実施形態における広告配信調整部の構成例を示すブロック図である。
【図14】本発明の広告配信システムの最小構成の例を示すブロック図である。
【図15】本発明の広告配信装置の最小構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
実施形態1.
図1は、本発明の広告配信システムの第1の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ(広告配信装置)3とを備える。案内端末1は、ユーザ5に対して目的地までの経路を提示する端末であり、例えばカーナビゲーションシステムにおける車載端末によって実現される。ただし、案内端末1は、車載端末に限定されず、例えば、ユーザ5に携帯される携帯端末であってもよい。以下の説明では、案内端末1が、カーナビゲーションシステムにおける車載端末である場合を例にして説明し、案内端末1を車載端末と記す。また、ユーザ端末2は、車載端末1とは別にユーザ5に使用される端末であり、ユーザ5の操作に応じてウェブページを表示する。ユーザ端末2は、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末である。広告配信サーバ3は、通信ネットワーク4を介して車載端末1およびユーザ端末2と通信し、車載端末1に広告を配信する。
【0018】
ユーザ端末2および車載端末1は、通信ネットワーク4を介して広告配信サーバ3に接続される。ユーザ端末2と車載端末1とが同一の装置で実現されていてもよい。また、後述する広告配信サーバ3の機能のうちの一部の機能が、ユーザ端末2や車載端末1で実現されていてもよい。
【0019】
ユーザ端末2は、ユーザ5が行こうとする目的地の候補である目的地候補の位置情報および名称等をウェブページから抽出し、ユーザ5のウェブページ閲覧履歴に基づいて目的地候補指標値を導出する。目的地候補指標値は、ウェブページから抽出した位置情報および名称が、実際のユーザ5の目的地に該当する可能性の程度を示す値である。目的地候補指標値は、目的地候補としての重要度(目的地に該当する可能性の高さ)を表しているということもでき、以下、目的地候補指標値を重要度と記す。重要度は、広告配信サーバ3が車載端末1に配信する広告を決定する際に用いられる。
【0020】
ユーザ端末2は、情報取得部21と、情報解析部22と、ユーザ端末側目的地候補記憶部23と、通信部24とを備える。
【0021】
情報取得部21は、ユーザ5に指定されたウェブページを通信ネットワーク4(例えば、インターネット。)を介して取得し、そのウェブページをユーザ端末のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。また、情報取得部21は、取得したウェブページを情報解析部22に入力する。具体的には、情報取得部21は、取得したウェブページのHTML(HyperText Markup Language )形式のテキスト情報を情報解析部22に入力する。
【0022】
情報解析部22は、ウェブページから、ユーザ5が行こうとする目的地の候補である目的地候補の位置情報および名称を抽出し、抽出した位置情報および名称がユーザ5の目的地に該当する可能性の程度を示す重要度(目的地候補指標値)を導出する。情報解析部22は、その位置情報、名称、重要度等をユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。
【0023】
なお、以下の説明では、ウェブページから位置情報、名称を抽出する場合を例にして説明するが、ユーザ端末2が受信した電子メールを、目的地候補の位置情報、名称等の抽出対象としてもよい。
【0024】
ユーザ端末側目的地候補記憶部23は、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等を記憶する記憶装置である。目的地候補毎の位置情報、名称、重要度等の集合は、目的地候補データベースということができる。
【0025】
通信部24は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されている各目的地候補の位置情報、名称、重要度等をサーバに送信する。このとき、通信部24は、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等とともに、ユーザ端末2を使用するユーザ5のユーザ識別情報(以下、ユーザIDと記す。)も送信する。
【0026】
ユーザ端末2の通信部24と、後述の広告配信サーバ3の通信部33は、それぞれインターネット等の通信ネットワーク4を介して通信を行う。ここでは、通信ネットワーク4の例としてインターネットを例示したが、通信ネットワーク4は、例えば、無線LAN(Local Area Network)や、携帯電話等の電話網であってもよく、ユーザ端末2の通信部24と、後述の広告配信サーバ3の通信部33とが、そのような通信ネットワークを介して通信を行ってもよい。
【0027】
広告配信サーバ3は、広告配信調整部31と、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33から構成される。
【0028】
サーバ側目的地候補記憶部32は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23と同様に、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等を記憶する記憶装置である。
【0029】
広告配信サーバ3の通信部33は、ユーザ端末2から、各目的地候補の位置情報、名称、重要度等の情報、およびユーザ5のユーザIDを受信する。各目的地候補の位置情報、名称、重要度等の情報は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶された情報である。広告配信サーバ3の通信部33は、ユーザ端末2からこれらの情報を受信すると、その情報(各目的地候補の位置情報、名称、重要度等、およびユーザID)をサーバ側目的地候補記憶部32に記憶させる。また、広告配信サーバ3の通信部33は、車載端末1から、車載端末1が搭載されている車両(以下、単に車両と記す。)の現在位置や、車載端末1において現在設定されている目的地までの経路等の車両に関する情報等、およびユーザ5のユーザIDを受信する。また、広告配信サーバ3の通信部33は、広告配信調整部31に決定された広告を車載端末1に送信する。
【0030】
広告配信サーバ3の広告配信調整部31は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補の重要度をもとにユーザの興味を推定し、さらに車載端末1から受信した車両に関する情報等を利用して、配信する広告の決定およびその広告の配信タイミング判断を行う。広告配信調整部31は、配信する広告として決定した広告を、好ましいと判断した配信タイミングで車載端末1に配信する。このとき、広告配信調整部31は、通信部33を介して車載端末1に広告を配信する。
【0031】
車載端末1は、車両の現在位置から後述の目的地設定部13に設定された目的地までの経路を特定し、その経路をユーザに提示する。例えば、車載端末1は、車載端末1のディスプレイ装置(図示略)に経路を表示する。ユーザは、提示された経路を参照することで、目的地までの経路を把握することができる。
【0032】
車載端末1は、車両計測部11と、広告提示部12と、目的地設定部13と、通信部14とを備える。
【0033】
車載端末1の通信部14は、通信ネットワーク4を介して、車両に関する情報等を、広告配信サーバ3に送信する。
【0034】
車両計測部11は、車両に関する情報を計測し、その情報を、通信部14を介して広告配信サーバ3に送信する。車両計測部11は、車両に関する情報として、例えば、車両の現在位置、速度、進行方向等を計測する。これらの計測対象は例示であり、車両計測部11が車両に関する情報として計測する情報の種類は、特に限定されない。車両計測部11は、現在位置を計測する場合、例えば、GPS衛星からGPS信号を受信し、そのGPS信号に基づいて車載端末1の現在位置を計測すればよい。また、車両計測部11は、目的地設定部13に特定された目的地までの経路の情報を、車両に関する情報に含めてもよい。また、車両計測部11は、タイマにより現在時刻を取得し、現在時刻の情報も、広告配信サーバ3に送信する情報に含めてもよい。この場合、車載端末1は、図2に示すように、時刻を計時するタイマを備えていればよい。
【0035】
車両計測部11は、例えば、定期的に、車両に関する情報を広告配信サーバ3に送信すればよいが、他の送信態様で車両に関する情報を送信してもよい。また、車両計測部11は、車両に関する情報を送信する際、車載端末1を使用するユーザ5のユーザIDも合わせて広告配信サーバ3に送信する。
【0036】
以下に示す説明では、車両に関する情報等として車両計測部11が広告配信サーバに送信する情報に、車両の現在位置、車両の進行方向、目的地設定部13に特定された目的地までの経路の情報、現在時刻、車両の速度が含まれている場合を例にして説明する。
【0037】
広告提示部12は、通信部14を介して広告配信サーバ3から広告を受信し、その広告をユーザに提示する。
【0038】
目的地設定部13は、ユーザ5の操作に従って、目的地を設定し、現在位置からその目的地までの経路を特定する。現在位置から目的地までの経路を特定する方法は、特に限定されない。
【0039】
次に、ユーザ端末側目的地候補記憶部23やサーバ側目的地候補記憶部32に記憶される目的地候補データベースについて説明する。図3は、目的地候補データベースの例を示す説明図である。図3では、目的地候補データベースをXML(Extensible Markup Language)形式で表現した場合の例を示している。目的地候補データベースは、目的地候補のレコードを複数含む。図3に示す例では、目的地候補タグに囲まれた範囲が目的地候補の1レコードである。図3では、1つの目的地候補のレコードに、目的地候補の位置情報、名称、URL、最終閲覧時間、閲覧回数、重要度、キーワードを含む場合を例示している。
【0040】
図3に示す例において、位置タグに囲まれた範囲が位置情報に該当する。図3では、位置情報として、緯度、経度および住所を含む場合を示している。緯度、経度および住所は、それぞれ緯度タグ、経度タグ、住所タグとともに記述される。
【0041】
図3に示す例において、名称タグに囲まれた範囲が目的地候補の名称に該当する。
【0042】
図3に示す例において、URLタグに囲まれた範囲は、位置情報および名称等が抽出されたウェブページのURL(Uniform Resource Locator)である。目的地候補の位置情報は、一つのウェブページだけに記載されているとは限らず、複数のウェブページに記載されている場合もある。既に位置情報が抽出済みのウェブページ以外のウェブページであって、共通する位置情報を含むウェブページをユーザが閲覧した場合、そのウェブページのURLも追加される。例えば、図3に示す位置情報と共通の位置情報を含むウェブページが閲覧された場合、そのウェブページのURLも、図3に例示するレコードに追加される。
【0043】
図3に示す例において、最終閲覧時間タグに囲まれた範囲は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが最後に閲覧した時刻を表す。同様に、閲覧回数タグに囲まれた範囲は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが閲覧した回数を表す。閲覧時間は、名称等が抽出されたウェブページをユーザが閲覧していた時間の長さを表す。重要度点数タグに囲まれた範囲は、目的地候補に対する重要度を表す。キーワードタグに囲まれた範囲は、予め定められた分類キーワードのうち、名称等が抽出されたウェブページに記載されていた分類キーワードを表す。分類キーワードは、目的地候補をジャンル等で分類するために用いられる。
【0044】
なお、レコード内で、タグとともに記載された各データをテーブルと呼ぶ場合がある。
【0045】
図3はレコードの例示であり、図3に示すテーブルの一部がレコードに含まれていなくてもよい。また、他のテーブルがレコードに含まれていてもよい。
【0046】
ユーザ端末の情報解析部22は、情報取得部21がウェブページを取得してユーザに提示したとき(すなわち、ディスプレイ装置(図示略)に表示させたとき)、図3に例示する目的地候補のレコードを生成し、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。情報解析部22の例を以下に示す。
【0047】
図4は、情報解析部22の例を示すブロック図である。情報解析部22は、テキスト解析部41と、閲覧時刻計測部42と、閲覧時間計測部43と、閲覧回数計測部44と、URL解析部45と、操作履歴解析部46と、重要度判定部47とを備える。テキスト解析部41は、名称抽出部411と、位置情報抽出部412と、分類キーワード検出部413とを備える。
【0048】
位置情報抽出部412は、ウェブページのHTML形式のテキスト情報から、位置情報を抽出する。位置情報抽出部412は、郵便番号を表す数字の文字列や都道府県名に該当する文字列をキーにして住所を表す文字列を抽出したり、あるいは、住所を表す住所タグとともに記載された文字列を住所として抽出したりすればよい。また、外部の地図情報サーバから提供される地図情報がウェブページに貼付される場合には、緯度経度情報がウェブページに記載されている。位置情報抽出部412は、そのように目的地候補の地図が貼付されたウェブページから、位置経度情報を抽出する。
【0049】
また、ウェブページに住所や電話番号が記載されているが緯度および経度が記載されていない場合もある。そのような場合には、予め種々の住所または電話番号と緯度および経度とを対応付けて記憶し、指定された住所または電話番号に対応する緯度および経度の情報を提供するサーバ(緯度経度提供サーバ。図示略。)に、緯度および経度を問い合わせればよい。すなわち、位置情報抽出部412は、ウェブページから住所や電話番号を抽出し、その住所や電話番号を指定して、対応する緯度および経度を緯度経度提供サーバに問い合わせ、緯度経度提供サーバから緯度および経度の情報を受信してもよい。
【0050】
名称抽出部411は、ウェブページのHTML形式のテキスト情報から、名称を抽出する。名称抽出部411は、例えば、ウェブページのタイトルを名称として抽出してもよい。また、施設名やレストラン名等に関するタグのように、目的地候補の名称となり得る語句とともに用いられるタグをキーにして名称を抽出してもよい。また、目的地候補となる場所は略称や愛称で呼ばれる場合もあり、ウェブページに複数種類の名称が記載されることもある。そのような場合、名称抽出部411は、複数の名称を抽出してもよい。
【0051】
分類キーワード検出部413は、予め定められた分類キーワードに合致する文字列が、ウェブページ内に記載されている場合、その分類キーワードをウェブページから検出する。分類キーワードは、目的地候補を分類するためのキーワードである。分類キーワードは、目的地候補のジャンルを表しているということができる。分類キーワードの例として、例えば、「レストラン」、「ガソリンスタンド」、「ラーメン」、「駐車場」等が挙げられるが、分類キーワードは、これらに限定されない。
【0052】
また、分類キーワードとは別に、ユーザがウェブページに記載された場所を詳しく知ろうとしていると判断可能な単語(以下、重要単語と記す。)が定められていてもよい。分類キーワード検出部413は、予め定められた重要単語に合致する文字列が、ウェブページ内に記載されている場合、その重要単語をウェブページから検出する。例えば、「案内図」、「アクセスマップ」等の重要単語が予め定められている場合、分類キーワード検出部413は、それらの重要単語をウェブページから検出する。「案内図」、「アクセスマップ」等の単語が含まれているウェブページは、目的地とされやすい場所の情報を記載したウェブページであるということができる。そして、ユーザがそのようなウェブページを閲覧したということは、ユーザは、そのウェブページに記載された場所を詳しく知ろうとしていると言える。
【0053】
閲覧時刻計測部42は、ユーザがウェブページを閲覧した時刻を計測する。ユーザがウェブページを閲覧したか否かは、情報取得部21がウェブページをユーザに提示したか否かによって判定すればよい。従って、閲覧時刻計測部42は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させた時刻を、ウェブページの閲覧時刻として計測すればよい。
【0054】
閲覧時間計測部43は、ユーザがウェブページを閲覧した時間を計測する。閲覧時間計測部43は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させていた時間を計測すればよい。
【0055】
閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページの閲覧回数を計測する。閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた回数を計測すればよい。
【0056】
URL解析部45は、ユーザによって閲覧され位置情報および名称が抽出されたウェブページのURLの階層を判定する。ユーザが、階層のより深いウェブページを閲覧しているということは、ユーザがそれだけ詳しい情報を知ろうとしているということができる。
【0057】
また、URL解析部45は、ユーザに既に閲覧され位置情報および名称が抽出されたウェブページとは別のウェブページがユーザに閲覧され、そのウェブページから共通の位置情報が抽出されている場合に、そのウェブページのURLをレコードに追加する。
【0058】
操作履歴解析部46は、位置情報および名称が抽出されたウェブページに対するブックマーク登録操作および印刷操作を検出する。ブックマーク登録操作は、表示中のウェブページをブックマーク登録する操作であり、印刷操作は、表示中のウェブページを印刷する操作である。ブックマーク登録操作が行われたり、印刷操作の回数が多いということは、ユーザがそれだけ詳しい情報を知ろうとしているということができる。
【0059】
なお、情報解析部22は、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46に関しては、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46のうち少なくとも一つを備えていればよい。また、分類キーワード検出部413は、少なくとも、ウェブページに分類キーワードが記載されているか否かを判定し、ウェブページに分類キーワードが記載されている場合には、分類キーワードを検出する。分類キーワード検出部413は、重要単語に関しては検出を行わなくてもよい。
【0060】
重要度判定部47は、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46、分類キーワード検出部413による各種計測結果、検出結果、判定結果に基づいて、ウェブページから位置情報および名称が抽出された目的地候補の重要度を導出する。具体的には、以下のように重要度を導出する。
【0061】
重要度判定部47は、閲覧時間計測部43によって計測されたユーザのウェブページ閲覧時間が長いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページ閲覧時間が長いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、閲覧時間計測部43が備えられている場合に行えばよく、閲覧時間計測部43が備えられていない場合には、ウェブページ閲覧時間は考慮しない。
【0062】
また、重要度判定部47は、閲覧回数計測部44が計測したユーザのウェブページ閲覧回数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページ閲覧回数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、閲覧回数計測部44が備えられている場合に行えばよく、閲覧回数計測部44が備えられていない場合には、ウェブページ閲覧回数は考慮しない。
【0063】
また、重要度判定部47は、URL解析部45によって判定されたウェブページのURLの階層が深いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ウェブページのURLの階層が深いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、URL解析部45が備えられている場合に行えばよく、URL解析部45が備えられていない場合には、ウェブページのURLの階層は考慮しない。
【0064】
また、共通の位置情報が抽出されているウェブページのURLが、URL解析部45によってレコードに追加されている。重要度判定部47は、このURLの数が多いほど、重要度の値を増加させてもよい。
【0065】
また、重要度判定部47は、操作履歴解析部46によって検出されたブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、操作履歴解析部46が備えられている場合に行えばよく、操作履歴解析部46が備えられていない場合には、ブックマーク登録操作や印刷操作の回数は考慮しない。また、操作履歴解析部46がブックマーク登録操作と印刷操作のいずれか一方のみを検出し、ブックマーク登録操作と印刷操作のいずれか一方のみに着目して、操作回数が多いほど重要度の値を増加させてもよい。
【0066】
また、重要度判定部47は、分類キーワード検出部413によって検出された重要単語の数が多いほど、値が大きくなるように重要度の値を制御する。例えば、重要単語の数が多いほど、重要度の値を増加させる。ただし、この処理は、分類キーワード検出部413が重要単語を検出する場合に行えばよく、分類キーワード検出部413が重要単語を検出しない場合には、重要単語の数は考慮しない。
【0067】
以下の説明では、情報解析部22が、名称抽出部411および位置情報抽出部412の他に、分類キーワード検出部413、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、および操作履歴解析部46を備えている場合を例にして説明する。
【0068】
情報解析部22は、ウェブページから抽出した位置情報および名称や、計測、検出等した各データ、および重要度を、図3に例示する目的地候補のレコードとしてユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる。
【0069】
次に、広告配信サーバ3の広告配信調整部31について説明する。図5は、広告配信調整部31の構成例を示すブロック図である。広告配信調整部31は、広告記憶部50と、ユーザ興味判定部51と、広告配信タイミング制御部52と、広告配信判定部53とを備える。
【0070】
広告記憶部50は、広告と、広告の識別情報(以下、広告IDと記す。)と、広告する施設の名称と、広告する施設の分類キーワードとを対応付けて記憶する記憶装置である。広告記憶部50には、これらの広告、広告ID、施設の名称および施設の分類キーワードが予め登録される。また、広告記憶部50は、他の情報も広告に対応付けて記憶していてもよい。例えば、広告記憶部50は、広告に対応付けて、施設の名称および施設の分類キーワードの他に、その施設の位置情報あるいはその施設の利用時間帯等を記憶していてもよい。広告記憶部50は、施設の位置情報および利用時間帯の両方を記憶してもよい。施設の利用時間帯の例については後述する。
【0071】
なお、図5では、広告配信調整部31が広告記憶部50を備える場合を示しているが、広告記憶部50は、広告配信調整部31とは別に設けられていてもよい。
【0072】
ユーザ興味判定部51は、サーバ側目的地候補記憶部32が記憶する目的地候補の重要度を利用して、広告に対するユーザの興味の指標値を導出する。以下、この興味の指標値を、単に、興味指標値と記す。ユーザ興味判定部51は、施設名称一致判定部61と、ジャンル一致判定部62とを備える。
【0073】
ジャンル一致判定部62は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補のレコード毎に、レコード内に含まれる重要度に基づいて、各広告に対するユーザの興味指標値を定める。ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して、広告に対応付けられた分類キーワードを用いて、以下の処理を行う。
【0074】
ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の分類キーワードが、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されている目的地候補の分類キーワードと一致するか否かを判定し、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードがある場合には、そのレコードと同一のユーザIDに対応付けられるレコードのうち、その分類キーワードを含む目的地候補のレコードの数をカウントする。そして、ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードの重要度に基づいて、興味指標値を定める。具体的には、ジャンル一致判定部62は、広告記憶部50に記憶された分類キーワードと一致する分類キーワードを含む目的地候補のレコードの重要度が、予め定められた重要度制御用閾値を超えている場合、その分類キーワードに関してカウントしたレコード数が多いほど、その重要度の値を増加させた値を求め、その値を着目している広告に関するユーザの興味指標値とする。また、ジャンル一致判定部62は、着目している広告の分類キーワードを含まない目的地候補のレコードに関しては、そのレコードに含まれている重要度を、その広告に関するユーザの興味指標値とすればよい。
【0075】
ジャンル一致判定部62は、上記の処理を、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して行うことにより、目的地候補のレコード毎に、各広告に対するユーザの興味指標値を定める。
【0076】
施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている個々の広告に関して、広告に対応付けられた施設の名称を用いて、以下の処理を行う。
【0077】
施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の名称が、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された目的地候補の名称と一致するか否かを判定する。広告記憶部50に記憶された施設の名称と一致する目的地候補の名称を含む目的地候補のレコードがあるならば、施設名称一致判定部61は、そのレコードに関して、着目している広告に対して定められたユーザの興味指標値と、その広告の広告IDと、そのレコードに対応するユーザIDとを、広告配信判定部53に入力する。
【0078】
施設名称一致判定部61およびジャンル一致判定部62は、あるユーザの車載端末に配信する広告を決定するための興味指標値を抽出する場合、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶された目的地候補のレコードに着目して、上記の処理を行えばよく、他のユーザIDに対応付けて記憶されたレコードに関しては用いなくてもよい。あるいは、より多くの人が興味を持つ施設の広告を配信しやすくする場合には、ジャンル一致判定部62は、分類キーワードを含む目的地候補のレコード数をカウントする際、他のユーザのレコードもカウント対象に含めてもよい。
【0079】
広告配信タイミング制御部52は、広告を配信しようとする車両の状況に応じて広告を配信するタイミングを判定するための指標値を計算する。以下、この指標値を、配信タイミング判定用指標値と記す。広告配信タイミング制御部52は、例えば、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信したときに、そのユーザIDに関して、広告毎にそれぞれ配信タイミング判定用指標値を定める。
【0080】
広告配信タイミング制御部52は、現在位置近接判定部63と、予測位置近接判定部64と、現在時刻状況判定部65と、予測時刻状況判定部66と、ユーザ運転状況判定部67とを備える。
【0081】
また、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、配信タイミング判定用指標値を初期値から制御(増減)する処理を順次行うことによって、配信タイミング判定用指標値を定める。現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信したときに、そのユーザIDに着目し、受信した情報を用いて、各広告に関してそれぞれ、配信タイミング判定用指標値を増加等させる処理を行うことによって、着目しているユーザIDに関して、広告毎に配信タイミング判定用指標値を定める。以下、配信タイミング判定用指標値を定めようとしている広告を、着目している広告と記す。また、着目しているユーザIDによって定まる車両を、着目している車両と記す。
【0082】
なお、広告配信タイミング制御部52は、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67のうち少なくとも一つを備えていればよい。
【0083】
なお、以下の説明において、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、予測時刻状況判定部66が用いる閾値は、それぞれ別々に定められていてよい。
【0084】
現在位置近接判定部63は、着目している広告によって紹介される施設が、着目している車両の現在位置の近辺にある場合に、着目している車両および広告に関する配信タイミング判定用指標値を増加させる。現在位置近接判定部63は、施設の位置と車両の現在位置との距離を計算し、その距離が、予め定めた閾値以下であれば、施設が車両の現在位置の近辺にあると判定し、距離が、その閾値を超えていれば、施設が車両の現在位置の近辺にないと判定すればよい。現在位置近接判定部63は、施設の位置と車両の現在位置との距離が小さいほど、配信タイミング判定用指標値の増加量を増やしてもよい。なお、施設の位置は、広告に対応付けて、予め広告記憶部30に記憶させておけばよい。現在位置近接判定部63による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両に関する情報に車両の現在位置が含まれる場合に行えばよく、車両に関する情報に車両の現在位置が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0085】
また、現在位置近接判定部63は、着目している広告によって紹介される施設の位置が、着目している車両の進行方向にあることを条件に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。ただし、この制御は、車両に関する情報に車両の進行方向の情報が含まれる場合に行えばよく、車両に関する情報に車両の進行方向の情報が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0086】
予測位置近接判定部64は、車載端末1がユーザを目的地に誘導している場合に、将来の位置として予測される車両(着目している車両)の位置を判定する。例えば、予測位置近接判定部64は、目的地までの経路の情報に基づいて、現在位置から目的地までの経路上の各位置を、将来の位置として予測される車両の位置と判定してもよい。そして、予測位置近接判定部64は、着目している広告によって紹介される施設が、将来の位置として予測した車両の位置の近辺にある場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。予測位置近接判定部64は、施設の位置と車両の予測位置との距離を計算し、その距離が、予め定めた閾値以下であれば、施設が車両の予測位置の近辺にあると判定し、距離が、その閾値を超えていれば、施設が車両の予測位置の近辺にないと判定すればよい。ただし、予測位置近接判定部64による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両の予測位置を判定するための情報(上記の例では、目的地までの経路の情報)が、車両に関する情報に含まれる場合に行えばよく、車両の予測位置を判定するための情報が車両に関する情報に含まれない場合には、行わなくてよい。
【0087】
現在時刻状況判定部65は、着目している広告によって紹介される施設の利用時間帯に現在時刻が属している場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。広告によって紹介される施設の利用時間帯は、例えば、広告に対応付けて、予め広告記憶部30に記憶させておけばよい。また、施設の利用時間帯の定め方は、特に限定されず、例えば、その施設の利用者数が多くなる時間帯等を施設の利用時間帯として定めてもよい。例えば、広告によって紹介される施設がレストランであるならば、その利用時間として昼食時の時間帯等を定めておけばよい。
【0088】
また、ユーザが各ジャンルの施設を過去に利用した時間帯をジャンル毎に広告記憶部30に記憶させておいてもよい。そして、現在時刻状況判定部65は、着目している広告によって紹介される施設の利用時間帯として、その施設と同じジャンルの施設をユーザが過去に訪れた時間帯を用いてもよい。各ユーザが各ジャンルの施設を過去に利用した時間帯に関する情報を予め収集し、記憶する方法は、特に限定されない。
【0089】
現在時刻状況判定部65による配信タイミング判定用指標値の制御は、車両計測部11から受信する情報に現在時刻の情報が含まれる場合に行えばよく、車両計測部11から受信する情報に現在時刻の情報が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0090】
予測時刻状況判定部66は、将来の位置として予測される車両(着目している車両)の位置であって、着目している広告によって紹介される施設の近辺となる位置を特定する。予測時刻状況判定部66は、例えば、予測位置近接判定手段64と同様に、目的地までの経路の情報に基づいて、車両の予測位置を判定し、その予測位置のうち、施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下となる位置を抽出すればよい。さらに、予測時刻状況判定部66は、その施設の近辺となる車両の予測位置に車両が訪れる時刻を推定する。例えば、予測時刻状況判定部66は、現在位置からその予測位置までの距離を計算し、その距離と、車両の速度の情報とに基づいて、その予測位置に車両が訪れる時刻を推定すればよい。予測時刻状況判定部66は、その推定時刻が、広告によって紹介される施設の利用時間帯に属している場合に、その広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。ただし、予測時刻状況判定部66による配信タイミング判定用指標値の制御は、施設近辺を車両が訪れる時刻を推定するための情報(上記の例では、目的地までの経路の情報および車両の速度)が、車両に関する情報に含まれる場合に行えばよく、施設近辺を車両が訪れる時刻を推定するための情報が車両に関する情報に含まれない場合には、行わなくてよい。
【0091】
ユーザ運転状況判定部67は、着目している車両が、ユーザに広告を提示するのに適した状況であるか否かを判定し、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、着目している広告の配信タイミング判定用指標値を増加させる。例えば、ユーザ運転状況判定部67は、車両の現在位置が休憩所(サービスエリア、パーキングエリア等)に該当する場合に、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定し、配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。車両の現在位置と照合するための休憩所の位置情報は、例えば、広告記憶部30に記憶させておけばよい。また、例えば、ユーザ運転状況判定部67は、車両が停止している場合(換言すれば、車両の速度が0である場合)に、車両が、広告を提示するのに適した状況であると判定し、配信タイミング判定用指標値を増加させてもよい。車両が停止しているということは、車両が信号待ち等の状態となっていると考えられるので、広告を提示するのに適した状況であると言える。
【0092】
現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67は、それぞれ、配信タイミング判定用指標値を増加させる条件が満たされなくなった場合には、配信タイミング判定用指標値を減少させてもよい。
【0093】
広告配信タイミング制御部52は、着目しているユーザIDに関して、広告毎に配信タイミング判定用指標値を決定したならば、そのユーザIDおよび、広告毎の配信タイミング判定用指標値を広告配信判定部35に入力する。
【0094】
広告配信判定部53は、ユーザ興味判定部51から入力される興味指標値、広告ID、ユーザIDに基づいて、そのユーザIDにより特定される車載端末に配信する広告を決定する。広告配信判定部53は、入力された興味指標値が、予め定められた配信広告決定用閾値を超えている否かを判定し、その興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている場合に、入力された広告IDが示す広告を、ユーザIDが示す車載端末に配信すると決定する。入力された興味指標値が配信広告決定用閾値以下である場合、広告配信判定部53は、入力された広告IDが示す広告を配信しないと決定する。
【0095】
また、広告配信判定部53は、広告を配信すると決定した車載端末のユーザIDと同一のユーザIDとともに、各広告に関する配信タイミング判定用指標値が広告配信タイミング制御部52から入力されると、そのユーザIDの車載端末に対して配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値を参照し、その配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えているならば、その広告を、車載端末に対して送信する。このとき、広告配信判定部53は、通信部33(図1参照)を介して広告を送信する。また、配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値以下であるならば、まだ広告を送信しない状態のまま待機する。
【0096】
広告配信サーバ3において、ユーザ興味判定部51(施設名称一致判定部61およびジャンル一致判定部62)、広告配信タイミング制御部52(現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67)、広告配信判定部53を含む広告配信調整部31と、広告配信サーバ3の通信部33とは、例えば、プログラム(広告配信プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムが広告配信サーバ3のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、広告配信調整部31および通信部33として動作すればよい。なお、広告配信サーバ3の通信部33は、上記のようなCPUと、通信インタフェースとによって実現される。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0097】
テキスト解析部41(名称抽出部411、位置情報抽出部412、および分類キーワード検出部413)、閲覧時刻計測部42、閲覧時間計測部43、閲覧回数計測部44、URL解析部45、操作履歴解析部46、および重要度判定部47を含む情報解析部22と、情報取得部21と、ユーザ端末2の通信部24とは、例えば、プログラム(情報収集プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムがユーザ端末のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、情報解析部22、情報取得部21および通信部24として動作すればよい。なお、ユーザ端末2の通信部24は、上記のようなCPUと、通信インタフェースとによって実現される。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。
【0098】
車載端末1の車両計測部11、広告提示部12および目的地設置部13は、例えば、プログラム(車載端末用プログラム)に従って動作するコンピュータのCPUによって実現される。この場合、プログラムが車載端末のプログラム記憶装置(図示略)に予め記憶され、CPUがそのプログラムに従って、車両計測部11、広告提示部12および目的地設置部13として動作すればよい。また、各構成要素がそれぞれ別々のハードウェアによって実現されていてもよい。また、車載端末1の通信部14は、例えば、通信インタフェースによって実現される。
【0099】
次に、本発明の動作について説明する。まず、ユーザ端末2が目的地候補の情報を広告配信サーバ3に送信し、広告配信サーバ3がその情報を記憶するまでの動作を説明する。図6は、ユーザ端末2が目的地候補の情報を広告配信サーバ3に送信するまでの処理経過の例を示すフローチャートである。ユーザ端末2(図1参照)の情報取得部21は、ユーザに指定されたウェブページを取得し、そのウェブページをユーザ端末2のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。そして、情報取得部21は、そのウェブページのHTML形式のテキスト情報を情報解析部22に入力する(ステップS1)。
【0100】
すると、情報解析部22において、位置情報抽出部412が、ウェブページのHTML形式のテキスト情報(以下、単にウェブページと記す。)から、住所と緯度および経度とを位置情報として抽出し、名称抽出部411がウェブページから名称を抽出する(ステップS2)。なお、位置情報抽出部411は、抽出した住所を指定して緯度経度提供サーバ(図示せず。)に緯度および経度を問い合わせ、緯度経度提供サーバから緯度および経度を取得してもよい。
【0101】
ステップS2で位置情報および名称が抽出されなかった場合、ステップS2で処理を終了する。
【0102】
続いて、位置情報抽出部412は、抽出した位置情報と一致する位置情報を含むレコードがユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されているか否かを判定する(ステップS3)。位置情報が一致するレコードが記憶されていなければ(ステップS3におけるNo)、位置情報抽出部412は、ステップS2で抽出された位置情報および名称を含む新規レコードを作成する(ステップS4)。一方、位置情報が一致するレコードが記憶済みであれば、位置情報抽出部412は、そのレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込む(ステップS5)。
【0103】
また、位置情報が一致するレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込んだ場合、そのレコードに含まれている名称と、ステップS2で抽出した名称とが一致していなければ、例えば名称抽出部411が、ステップS2で抽出した名称のテーブルをそのレコードに追加する(ステップS6)。
【0104】
新たに作成したレコード、またはユーザ端末側目的地候補記憶部23から読み込んだレコードに対して以下の処理を行う。
【0105】
分類キーワード検出部413は、分類キーワードとして予め定められたキーワードをウェブページから検出して、その分類キーワードをレコードに含める(ステップS7)。また、分類キーワード検出部413は、予め定められた重要単語をウェブページから検出し、その検出数をカウントする。そして、レコードに含まれている重要単語検出数に、カウントした重要単語検出数を加算してもよい。重要単語検出数がレコードに含まれていない場合には、カウントした重要単語検出数をそのままレコードに追加すればよい。なお、図3では、分類キーワードを含むが、重要単語検出数を含まない場合のレコードを例示している。
【0106】
閲覧時刻計測部42は、情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)にウェブページを表示させたときに、その時刻をユーザのウェブページ閲覧時刻として計測しておく。そして、閲覧時刻計測部42は、計測したユーザのウェブページ閲覧時刻で、レコードにおけるウェブページ閲覧時刻を更新する(ステップS8)。ウェブページ閲覧時刻がレコードに含まれていなければ、計測したウェブページ閲覧時刻をレコードに追加する。ステップS8で更新された閲覧時刻は、ユーザがウェブページを最後に閲覧したときの時刻である。図3に示す例では、「最終閲覧時間」が、ユーザのウェブページ閲覧時刻に該当する。
【0107】
閲覧回数計測部44は、抽出される位置情報が共通するウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた回数を、ユーザによるウェブページの閲覧回数としてカウントし、そのウェブページ閲覧回数で、レコードにおけるウェブページ閲覧回数を更新する(ステップS9)。ウェブページ閲覧回数がレコードに含まれていなければ、ウェブページ閲覧回数をレコードに追加すればよい。
【0108】
閲覧時間計測部43は、ウェブページを情報取得部21がディスプレイ装置(図示略)に表示させた時間を、ユーザのウェブページ閲覧時間として計測し、そのウェブページ閲覧時間を、レコードにおけるウェブページ閲覧時間に加算する(ステップS10)。ウェブページ閲覧時間がレコードに含まれていなければ、計測したウェブページ閲覧時間をそのままレコードに含めればよい。
【0109】
また、URL解析部45は、ステップS101で情報取得部21から入力されたウェブページのURLの階層の深さを判定する(ステップS11)。そして、ウェブページのURLの階層の深さを示す数値を、レコードに含まれているウェブページのURLの階層の深さに加算する(ステップS11)。ウェブページのURLの階層の深さがレコードに含まれていなければ、判定した深さを示す数値をそのままレコードに含めればよい。なお、図3では、URLの階層の深さを示す数値を含んでいないレコードを例示している。
【0110】
また、URL解析部45は、ステップS1で情報取得部21から入力されたウェブページのURLをレコードに追加する。このとき、ステップS5で読み込んだレコードに含まれているURLと、ステップS1で入力されたウェブページのURLとが異なっていれば、レコード内の既存のURLに新たなURLテーブルが追加されることになる。
【0111】
操作履歴解析部46は、情報取得部21がユーザに提示したウェブページに対するブックマーク登録操作および印刷操作を検出し、その操作回数をカウントする。そして、操作履歴解析部46は、レコードに含まれているブックマーク登録操作および印刷操作の回数に、カウントした回数を加算する(ステップS12)。ブックマーク登録操作および印刷操作の回数がレコードに含まれていなければ、カウントした回数をそのままレコードに追加する。図3では、この回数を含んでいないレコードを例示している。
【0112】
次に、重要度判定部47は、レコードの重要度(換言すれば目的地候補の重要度)を導出する(ステップS13)。重要度判定部47は、ステップS13の時点でレコードに含まれている重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数に基づいて重要度を計算する。重要度判定部47は、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数が多いほど、レコードの重要度の値を増加させる。同様に、ウェブページのURLの階層の深さが深いほど、重要度の値を増加させ、また、ユーザのウェブページ閲覧時間が長いほど、重要度の値を増加させる。また、レコード内に記載されたURL(図3参照)の数が多いほど、重要度の値を増加させてもよい。
【0113】
重要度判定部47による重要度導出の具体例を示す。例えば、重要度判定部47は、重要単語については検出数1あたり、10点を加算する。ウェブページ閲覧回数に関しては、1回あたり1点を加算する。ウェブページの閲覧時間に関しては、1分あたり1点を加算する。また、レコード内に含まれるURLテーブルの数に関しては、1個あたり10点を加算する。ブックマーク登録操作および印刷操作の回数に関しては、操作1回あたり10点を加算する。ウェブページのURLの階層の深さに関しても、単位当たりの点数を決めておき、深さに応じた点数を加算する。このような加算を行うことにより、重要度判定部47は重要度を計算すればよい。
【0114】
なお、重要度判定部47は、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数、URLテーブルの数等の項目毎に計算した点数に項目毎の重み係数を乗算し、その項目毎の乗算結果の合計を重要度としてもよい。このように重要度を求めることで、項目毎の点数の重みを調整することができる。この場合、項目毎の重み係数が広告配信システムの設計者によって予め設定されていてもよい。あるいは、ユーザから各重み係数が入力される構成であってもよい。
【0115】
また、広告配信システムを運用する過程で、重要単語検出数、ユーザのウェブページ閲覧回数、閲覧時間、ウェブページのURLの階層の深さ、ブックマーク登録操作および印刷操作の回数、URLテーブルの数等の項目毎に計算した点数と、ユーザが実際に選択した目的地候補との相関性が特定された場合、相関性の高い項目について重み係数を増加するように、重み係数を変化させる構成であってもよい。
【0116】
ステップS13において、重要度判定部47は、導出した重要度をレコードに含める。その後、重要度判定部47は、そのレコードをユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶させる(ステップS14)。
【0117】
次に、ユーザ端末2の通信部24は、ユーザ端末側目的地候補記憶部23に記憶されている各目的地候補のレコードと、ユーザ端末2の使用者のユーザIDとを広告配信サーバ3に送信する(ステップS15)。ユーザ端末2の通信部24が、レコードおよびユーザIDを送信するタイミングの定め方は、特に限定されない。例えば、ユーザ端末2の通信部24は、ユーザによって送信を指示する操作が行われたときに、各目的地候補のレコードおよびユーザIDを広告配信サーバ3に送信してもよい。
【0118】
また、広告配信サーバ3の通信部3は、ユーザ端末2から各目的地候補のレコードおよびユーザIDを受信すると、そのレコード群とユーザIDとを対応付けて、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶させる。
【0119】
次に、広告配信サーバ3が、ユーザ端末2に対して送信する広告を決定し、その広告を送信する処理経過について説明する。図7は、広告配信サーバ3が広告を決定して送信する処理経過の例を示すフローチャートである。
【0120】
ジャンル一致判定部62は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された各目的地候補のレコード毎に、レコード内に含まれる重要度に基づいて、各広告に対するユーザの興味指標値を定める(ステップS21)。この各目的地候補のレコードは、ステップS15でユーザ端末2から送信されたレコード群であり、ジャンル一致判定部62は、そのレコード群とともに送信されたユーザIDによって特定されるユーザの興味指標値を定める。レコード毎に興味指標値を定める動作に関しては、既に説明したので説明を省略する。
【0121】
ステップS21に続いて、施設名称一致判定部61は、広告記憶部50に記憶されている広告する施設の名称が、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶された目的地候補の名称と一致するか否かを判定する。広告記憶部50に記憶された施設の名称と一致する目的地候補の名称を含む目的地候補のレコードがあるならば、施設名称一致判定部61は、そのレコードに関して、着目している広告に対して定められたユーザの興味指標値と、その広告の広告IDと、そのレコードに対応するユーザIDとを、広告配信判定部53に入力する。この処理を、各広告に関して行う(ステップS22)。
【0122】
広告配信判定部53は、施設名称一致判定部61から入力された興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている否かを判定する。そして、広告配信判定部53は、興味指標値が配信広告決定用閾値を超えている場合に、入力された広告IDが示す広告を、ユーザIDが示す車載端末に配信すると決定する(ステップS23)。
【0123】
また、広告配信タイミング制御部52は、車両に関する情報、現在時刻、ユーザIDを車載端末1から受信したか否かを判定する(ステップS24)。受信していなければ(ステップS24におけるNo)、受信するまで待機する。
【0124】
また、車両に関する情報、現在時刻、ユーザIDを車載端末1から受信したならば(ステップS24におけるYes)、そのユーザIDに関し、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66およびユーザ運転状況判定部67が、広告毎に配信タイミング判定用指標値を初期値から順次制御していくことにより、広告毎の配信タイミング判定用指標値を定める(ステップS25〜S29)。図7に示す例では、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66、ユーザ運転状況判定部67の順に、配信タイミング判定用指標値を補正する場合を示しているが、この順序は特に限定されない。なお、現在位置近接判定部63、予測位置近接判定部64、現在時刻状況判定部65、予測時刻状況判定部66、ユーザ運転状況判定部67による配信タイミング判定用指標値の制御については既に説明したので説明を省略する。
【0125】
最後に配信タイミング判定用指標値の制御を行う構成要素(本例では、ステップS29を行うユーザ運転状況判定部67)は、制御の結果得られた広告毎の配信タイミング判定用指標値を、ステップS24で受信したユーザIDとともに、広告配信判定部53に入力する。
【0126】
広告配信判定部53は、広告毎の配信タイミング判定用指標値ともに入力されたユーザIDが、広告を配信すると決定した車載端末のユーザIDと一致するならば、配信すると決定した広告に関する配信タイミング判定用指標値を参照し、その配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えているか否かを判定する。配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えているならば、広告配信判定部53は、配信すると決定した広告を、配信先の車載端末に送信する(ステップS30)。配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えていなければ、広告を配信しない。以降、ステップS24以降の処理を繰り返す。
【0127】
また、車載端末1の広告提示部12は、ステップS30で広告配信サーバ3が送信した広告を、通信部14を介して受信すると、その広告をユーザに提示する。例えば、広告提示部12は、受信した広告を車載端末1のディスプレイ装置(図示略)に表示させる。あるいは、広告が音声形式の情報である場合、広告提示部12は、広告を車載端末1のスピーカ(図示略)から音声として出力してもよい。また、広告提示部12は、車載端末1のディスプレイ装置に地図とともに広告対象の施設のアイコンを表示し、ユーザがアイコンをタッチしたりカーソル等を移動させたりしたときに広告の詳細情報を提示する構成としてもよい。これらは、広告提示部12による広告提示の例であり、広告提示部12は、上記以外の態様で広告を提示してもよい。
【0128】
本実施形態によれば、ユーザが閲覧したウェブページから推定された目的地候補の重要度に基づいて、広告配信調整部31が、そのユーザの車載端末1に配信する広告を決定する。目的地候補は、車載端末1で実際にユーザに設定された目的地ではなく、推定された候補である。従って、そのような目的地候補は、目的地として確定されていないので、ユーザの行き先ではない場合もあり、そのような目的地候補に関する広告を配信することで、高い広告効果を得ることができる。また、広告配信調整部31は、目的地候補の重要度に基づいて興味指標値を決定し、興味指標値が配信広告決定用閾値を超える場合に広告を配信すると決定する。このことにより、目的地として確定していないがユーザの興味が高いと考えられる施設の広告を配信することができ、高い広告効果を得ることができる。また、ユーザが所望の広告種別を選択する操作を行わなくても、高い広告効果が得られるように、広告を配信することができる。
【0129】
また、広告タイミング制御部52が、ユーザの車両に関する状況から、そのユーザに関する配信タイミング判定用指標値を定める。そして、広告配信判定部53は、配信タイミング判定用指標値が配信タイミング判定用閾値を超えていることを条件に、広告を車載端末に送信する。従って、高い広告効果が得られるタイミングで、広告を配信することができる。
【0130】
また、本発明において、目的地候補の重要度は、興味指標値を定める場合の他に、車載端末でユーザが目的地を設定する場合に用いられてもよい。例えば、広告配信サーバ3が、ユーザの車載端末1に対して、そのユーザのユーザIDに対応付けて記憶された各目的地候補のレコードを送信してもよい。この送信は、広告の送信とは別個に行ってもよい。そして、車載端末1の目的地設定部13は、各レコードを参照し、例えば、重要度が高い順に所定数の目的地候補を提示して、目的地の選択を促し、ユーザに選択された目的地候補を目的地として設定し、その目的地までの経路を特定してもよい。なお、目的地設定部13が重要度に基づいて目的地候補をユーザに提示する態様は、特に限定されない。
【0131】
実施形態2.
図8は、本発明の第2の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同様の符号を付し、説明を省略する。第2の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ3aとを備える。広告配信サーバ3aは、広告配信調整部31と、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33と、訪問回数更新部34とを備える。広告配信調整部31の構成は、第1の実施形態と同様である(図5参照)。
【0132】
ただし、第2の実施形態では、広告記憶部50(図5参照)は、少なくとも、広告と、広告IDと、広告する施設の名称と、広告する施設の分類キーワードと、広告する施設の位置情報と、その広告を見たユーザが施設を訪問した回数とを記憶する。広告記憶部50は、初期状態では、ユーザの施設訪問回数を0として記憶する。ユーザの施設訪問回数は、訪問回数更新部34によって更新される。
【0133】
また、広告配信判定部53は、ステップS30(図7参照)で、広告を車載端末に送信するときに、その広告に対応する施設の位置情報も広告記憶部50から読み込み、広告とともに施設の位置情報も車載端末に送信する。
【0134】
広告配信調整部31に関する他の点は、第1の実施形態と同様である。
【0135】
訪問回数更新部34は、広告と施設の位置情報とを配信した車載装置から、その車載装置のユーザがその施設を訪問した旨の情報を受信すると、広告記憶部50においてその広告とともに記憶されている施設訪問回数に1を加算する。したがって、広告を見て実際に施設を訪問したユーザの数が多いほど、施設訪問回数は加算されていく。
【0136】
訪問回数更新部34は、例えば、広告配信プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、訪問回数更新部34は、他の構成要素とは別のハードウェアで実現されてもよい。
【0137】
第2の実施形態における車載端末1の構成は、第1の実施形態と同様である(図1参照)。ただし、車両計測部11は、広告配信サーバ3から広告とともに配信される施設の位置情報を用いて、広告された施設をユーザが訪問したか否かを判定する。そして、ユーザが施設を訪問したと判定した場合、車両計測部11は、その旨を広告配信サーバ3aに送信する。
【0138】
車両計測部11は、ユーザが、広告された施設を訪問したことを、例えば、以下のように判断すればよい。車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致し、そのまま、現在位置が変化しない状態が一定時間継続したときに、ユーザが施設を訪問したと判定すればよい。すなわち、施設の位置で車載端末1が移動せずに一定時間以上留まっていることを検出した場合に、ユーザが施設を訪問したと判定すればよい。
【0139】
あるいは、車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致した状態で、車両のイグニションキーがオフになったと判定したときに、ユーザが施設を訪問したと判定してもよい。この場合、車載端末1は、図9に示すように、車両のイグニションキーがオンであるかオフであるかを検出し、検出結果を車両計測部11に通知するキー状態検出部72を備えていればよい。車両計測部11は、キー状態検出部72からの通知により、イグニションキーがオフになったか否かを判定すればよい。
【0140】
あるいは、車両計測部11は、計測した現在位置が、広告とともに受信した施設の位置情報に合致した状態で、車両のドアの開閉があり、車内に人がいなくなったと判定したときに、ユーザが施設を訪問したと判定してもよい。この場合、車載端末1は、図10に示すように、ドアの開閉を検出し、ドアの開閉状態を車両計測部11に通知するドア状態検出部73と、車内の人の有無を検出し、車内に人がいるかいないかを車両計測部11に通知する人検出部74とを備えていればよい。車両計測部11は、ドア状態検出部73からの通知により、車両のドアの開閉があったか否かを判定し、人検出部74からの通知により、車内に人がいるかいないかを判定すればよい。
【0141】
あるいは、車両計測部11は、上記以外の方法で、ユーザが施設を訪問したことを判定してもよい。
【0142】
次に、動作について説明する。図11は、第2の実施形態の処理経過の例を示すフローチャートである。図11に示すステップS30は、図7におけるステップS30に相当する。広告配信判定部53(図5参照)は、ステップS30において、広告を配信するタイミングであると判定した場合、配信する広告とともに、その広告に対応する施設の位置情報を、車載端末1に送信する。
【0143】
車載端末1の車両計測部11は、広告とともに配信された施設の位置情報とを受信すると、車載端末1を使用するユーザがその施設を訪問したか否かを判定する。そして、ユーザが施設を訪問したと判定したならば、車載端末1の車両計測部11は、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信サーバ3aに送信する(ステップS40)。
【0144】
広告配信サーバ3aの訪問回数更新部34は、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信すると、ステップS30で送信した広告に対応するユーザの施設訪問回数に1を加算して、広告記憶部50に記憶された施設訪問回数を更新する(ステップS41)。
【0145】
他の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0146】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られる。また、本実施形態では、広告記憶部50に、広告とともに、その広告で案内した施設にユーザが実際に訪問した回数が記録される。広告配信サーバ3aを管理する広告配信業者は、この回数が多いほど、広告主から高い広告料を徴収してもよい。ユーザの施設訪問回数は、広告の効果を表しているということができる。従って、本実施形態では、広告主が、広告効果の実績に応じた広告料を支払えるようにすることができる。
【0147】
実施形態3.
図12は、本発明の第3の実施形態の例を示すブロック図である。第1の実施形態と同様の構成要素については、図1と同様の符号を付し、説明を省略する。第3の実施形態の広告配信システムは、案内端末1と、ユーザ端末2と、広告配信サーバ3bとを備える。
【0148】
第3の実施形態における車載端末1の構成は、第1の実施形態と同様である。ただし、車両計測部11は、車両に関する情報等を広告配信サーバ3bに送信する際、少なくとも、車両に関する情報に車両の現在位置を含めるか、あるいは、車両に関する情報とともに現在時刻も送信する。車両計測部11は、現在位置と現在時刻の両方を広告配信サーバ3bに送信してもよい。なお、図12では図示を省略しているが、車両計測部11が現在時刻を送信する場合、車載端末1は、図2に示すようにタイマ71を備えていればよい。なお、車両に関する情報として、車両の現在位置以外の情報が含まれていてもよい。
【0149】
広告配信サーバ3bは、広告配信調整部31bと、サーバ側目的地候補記憶部32と、通信部33とを備える。広告配信調整部31bは、第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の動作を行うが、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されたレコードに含まれる重要度を変更する処理も行う。
【0150】
図13は、第3の実施形態における広告配信調整部31bの構成例を示すブロック図である。第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の構成要素については、図5と同様の符号を付し、説明を省略する。広告配信調整部31bは、第1の実施形態における広告配信調整部31と同様の構成要素に加えて、重要度制御部68を備える。
【0151】
重要度制御部68は、サーバ側目的地候補記憶部32に記憶されているレコードに含まれる重要度を、車載端末1から受信した車両の現在位置および現在時刻に基づいて変更(制御)する。ユーザ興味判定部51は、重要度制御部68による変更処理後の重要度に基づいて、興味指標値を導出する。
【0152】
重要度制御部68は、車載端末1からユーザIDとともに、車両の現在位置、現在時刻等の情報を受信すると、そのユーザIDに対応する各目的地候補のレコードをサーバ側目的地候補記憶部32から読み込み、各レコードに含まれる重要度を車両の現在位置と現在時刻とに基づいて制御する。
【0153】
重要度制御部68は、レコードから、ユーザがウェブページを最後に閲覧した最終閲覧時刻を抽出し、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間を計算する。そして、重要度制御部68は、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間が短いほど、値が大きくなるように目的地候補のレコードに含まれる重要度を制御する。例えば、経過時間が短いほど値が大きくなるように係数を予め定めておき、重要度制御部68は、経過時間に応じた係数を重要度に乗じることによって、重要度を調整すればよい。なお、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間に基づく重要度の制御は、車載端末1が送信する情報に現在時刻が含まれる場合に行えばよく、車載端末1が送信する情報に現在時刻が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0154】
また、重要度制御部68は、レコードから、目的地候補の位置情報を抽出し、その目的地候補の位置と車両の現在位置との距離を計算する。そして、重要度制御部68は、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離が小さいほど、値が大きくなるように目的地候補のレコードに含まれる重要度を制御する。なお、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離に基づく重要度の制御は、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置が含まれる場合に行えばよく、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置が含まれない場合には、行わなくてよい。
【0155】
また、車載端末1が送信する情報に車両の現在位置と現在時刻の両方が含まれる場合、重要度制御部68は、最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間に基づいて重要度を制御し、さらに、目的地候補の位置と車両の現在位置との距離に基づいて重要度を制御すればよい。この処理順序は逆でもよい。
【0156】
重要度制御部68は、例えば、広告配信プログラムに従って動作するCPUによって実現される。あるいは、重要度制御部68は、他の構成要素とは別のハードウェアで実現されてもよい。
【0157】
次に、第3の実施形態における処理経過について説明する。第3の実施形態では、広告配信調整部31bは、車載端末1から車両に関する情報、現在時刻およびユーザIDを受信した後に、処理を開始する。車載端末1から各情報を受信した後、まず、広告配信調整部31bの重要度制御部68は、上記のように、ユーザIDに対応する各目的地候補のレコードをサーバ側目的地候補記憶部32から読み込み、各レコードに含まれる重要度を車両の現在位置と現在時刻とに基づいて変更する。
【0158】
その後、ユーザ興味判定部51が、ステップS21,S22(図7参照)と同様の処理を行い、続いて、広告配信判定部53が、ステップS23(図7参照)と同様の処理を行う。
【0159】
続いて、広告配信タイミング制御部52が、ステップS25〜S29(図7参照)と同様の処理を行い、広告配信判定部53が、ステップS30(図7参照)と同様の処理を行う。
【0160】
他の動作は、第1の実施形態と同様である。
【0161】
ウェブページの最終閲覧時刻から現在時刻までの経過時間が短かったり、車両の現在位置と目的地候補との距離が小さい場合には、目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性が高いと考えられる。本実施形態では、そのような目的地候補の重要度を増加させるように制御した上で、重要度に基づいて興味指標値を定める。従って、そのような目的地候補の広告を配信しやすくするように調整できる。なお、この場合でも、目的地候補は、目的地として確定しているわけではないので、第1の実施形態と同様に、高い広告効果が得られる。
【0162】
なお、第3の実施形態において、車載端末1で重要度の制御を行ってもよい。この場合、広告配信サーバ3bは、車載端末1からユーザIDを受信し、そのユーザIDに対応する各目的地候補のレコードを車載端末1に送信する。そして、車載端末1が、重要度制御部68と同様に、そのレコード内の重要度を変更し、重要度を変更した後のレコードを広告配信サーバ3bに送り返せばよい。その後、広告配信サーバ3bが、そのレコードの重要度を用いて、興味指標値を求めればよい。
【0163】
また、本発明による広告配信システムは、第2の実施形態と第3の実施形態とを組み合わせた構成であってもよい。
【0164】
また、目的地候補のレコードに含まれるウェブページの最終閲覧時刻は、重要度制御手段68がレコード内の重要度を変更するために用いられる。従って、重要度制御手段68が設けられない第1の実施形態や第2の実施形態では、ユーザ端末2の情報解析部22は、閲覧時刻計測部42(図4参照)を備えず、ステップS8(図6参照)を行わなくてもよい。
【0165】
また、第1から第3までの各実施形態において、広告配信サーバ3,3bは、日時情報に基づいて、配信する広告の内容を選択する構成であってもよい。例えば、広告配信サーバ3,3bは、美術館等の施設に関して、イベント期間に応じた広告を選択してもよい。また、スーパーマーケット等の店舗であれば、タイムセールを開催する時間帯に応じて、広告を選択してもよい。
【0166】
同様に、広告配信サーバ3,3bは、ユーザが使用している車両の価格帯や、車両の属性(例えば、「スポーツカー」、「ファミリーカー」等の種別)に応じて、配信する広告の内容を選択してもよい。車両の価格帯や、車両の属性は、車載端末1が、広告配信サーバに通知すればよい。
【0167】
次に、本発明の広告配信システム、広告配信装置の最小構成の例を示す。図14は、本発明の広告配信システムの最小構成の例を示すブロック図である。図15は、本発明の広告配信装置の最小構成の例を示すブロック図である。
【0168】
本発明による広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末85と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末81と、案内端末81に広告を配信する広告配信装置90とを備える。
【0169】
ユーザ端末85は、情報取得手段86と、情報解析部87と、目的地候補情報送信手段88とを備える。情報取得手段86は、ウェブページを取得する。情報解析部87は、そのウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する。目的地候補情報送信手段88は、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置90に送信する。
【0170】
広告配信装置90は、広告記憶手段91と、目的地候補情報記憶手段92と、広告配信調整手段93とを備える。広告記憶手段91は、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する。目的地候補情報記憶手段92は、ユーザ端末85から受信した目的地候補情報を記憶する。広告配信調整手段93は、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段91が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末80に配信する広告を決定し、その広告を案内端末80に送信する。
【0171】
案内端末80は、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段81を備える。
【0172】
そのような構成により、ユーザによって確定された目的地の情報ではなく、目的地候補に対して定められた目的地候補指標値によって広告を決定するので、高い広告効果が得られる。また、希望する広告種別を選択する操作をユーザに行わせずに済む。
【0173】
また、上記の各実施形態には、以下の(1)〜(6)に示すような広告配信システムの特徴的構成が示されている。
【0174】
(1)本発明の広告配信システムは、ユーザにウェブページを提示するユーザ端末(例えば、ユーザ端末2)と、ユーザの目的地までの経路をユーザに提示する案内端末(例えば、案内端末1)と、案内端末に広告を配信する広告配信装置(例えば、広告配信サーバ3,3a,3b)とを備え、ユーザ端末が、ウェブページを取得する情報取得手段(例えば、情報取得部21)と、ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワード(例えば、分類キーワード)を抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値(例えば、重要度)を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段(例えば、情報解析部22)と、目的地候補の名称、キーワードおよび目的地候補指標値を含む目的地候補情報(例えば、レコード)を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段(例えば、通信部24)とを含み、広告配信装置が、少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段(例えば、広告記憶部50)と、ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段(例えば、サーバ側目的地候補記憶部32,32b)と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、案内端末に配信する広告を決定し、その広告を案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、案内端末が、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含むことを特徴とする。
【0175】
(2)広告配信調整手段が、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、そのキーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段(例えば、ジャンル一致判定部62)と、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段(例えば、施設名称一致判定部61)と、検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段(例えば、広告配信判定部53)とを有する構成であってもよい。
【0176】
(3)案内端末が、ユーザの車両に搭載される車載端末であり、案内端末が、車両に関する情報を計測し、計測した車両に関する情報を広告配信装置に送信する車両計測手段(例えば、車両計測部11)を備え、広告配信調整手段が、案内端末から受信した車両に関する情報を用いて、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である配信タイミング判定用指標値を広告毎に決定する配信タイミング判定用指標値決定手段(例えば、広告配信タイミング制御部52)を有し、広告配信判定手段が、配信タイミング判定用指標値決定手段に決定された配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えたときに、広告を案内端末に送信する構成であってもよい。そのような構成によれば、高い広告効果が得られるタイミングで広告を配信することができる。
【0177】
(4)車両計測手段が、広告配信装置に対して、少なくとも、車両の現在位置、目的地までの経路、車両の速度、現在時刻のうちの一部を送信し、広告記憶手段が、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、少なくとも、当該施設の位置情報と当該施設の利用時間帯のいずれか一方あるいは両方を記憶し、広告配信調整手段が、車両の現在位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である広告配信判定用指標値を増加させる現在位置近接判定手段(例えば、現在位置近接判定部63)、目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した車両の位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測位置近接判定手段(例えば、予測位置近接判定部64)、現在時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる現在時刻状況判定手段(例えば、現在時刻状況判定部65)、目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した位置に車両が訪れる時刻を予測し、予測した時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測時刻状況判定手段(例えば、予測時刻状況判定部66)、および、車両の速度に基づいて、ユーザに広告を提示するのに適した状況か否かを判定し、ユーザに広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、広告配信判定用指標値を増加させるユーザ状況判定手段(例えば、ユーザ運転状況判定67)のうちの少なくとも一つを有する構成であってもよい。
【0178】
(5)広告記憶手段が、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、当該施設の位置情報と、ユーザが当該施設に訪問した回数である施設訪問回数を記憶し、広告配信判定手段が、広告とともに、当該広告に対応する施設の位置情報を案内端末に送信し、車両計測手段が、広告配信装置から広告とともに受信した施設の位置情報を参照して、ユーザが施設を訪問したか否かを判定し、ユーザが施設を訪問したと判定したときに、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信装置に送信し、広告配信装置が、案内端末から、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信したときに、案内端末に送信した広告に対応する施設訪問回数に1を加算する訪問回数更新手段(例えば、訪問回数更新部34)を含む構成であってもよい。そのような構成によれば、施設訪問回数により、広告効果の実績を知ることができるので、広告主が、広告効果の実績に応じた広告料を支払えるようにすることができる。
【0179】
(6)情報解析手段が、ウェブページからユーザの目的地候補の位置を抽出し、目的地候補の位置と、ユーザがウェブページを閲覧した時刻であるウェブページ閲覧時刻とを目的地候補情報に含め、車両計測手段が、広告配信装置に送信する情報に、ユーザの車両の現在位置と現在時刻のいずれか一方または両方を含め、広告配信装置が、案内端末から受信した車両の現在位置と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の位置との距離が近いほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させ、現在時刻と、目的地候補情報に含まれるウェブページ閲覧時刻との差が小さいほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させる目的地候補指標値制御手段(例えば、重要度制御部68)を含む構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0180】
本発明は、目的地までの経路をユーザに提示する案内端末に広告を配信する広告配信システムに好適に適用される。
【0181】
(付記1)ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、ウェブページを取得し、前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、
前記広告配信装置が、前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、前記案内端末に対して前記広告を送信し、前記案内端末が、前記広告配信装置から受信した広告をユーザに提示することを特徴とする広告配信方法。
【0182】
(付記2)広告配信装置が、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定め、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出し、前記興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する付記1に記載の広告配信方法。
【0183】
(付記3)少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、前記コンピュータに、ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調処理を実行させるための広告配信プログラム。
【0184】
(付記4)コンピュータに、広告配信調処理で、広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定処理、広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定処理、および、検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定処理を実行させる付記3に記載の広告配信プログラム。
【符号の説明】
【0185】
1 車載端末(案内端末)
2 ユーザ端末
3,3b 広告配信サーバ
11 車両計測部
12 広告提示部
13 目的地設定部
21 情報取得部
22 情報解析部
23 ユーザ端末側目的地候補記憶部
31,31b 広告配信調整部
32 サーバ側目的地候補記憶部
34 訪問回数更新部
41 テキスト解析部
42 閲覧時刻計測部
43 閲覧時間計測部
44 閲覧回数計測部
45 URL解析部
46 操作履歴解析部
47 重要度判定部
50 広告記憶部
51 ユーザ興味判定部
52 広告配信タイミング制御部
61 施設名称一致判定部
62 ジャンル一致判定部
63 現在位置近接判定部
64 予測位置近接判定部
65 現在時刻状況判定部
66 予測時刻状況判定部
67 ユーザ運転状況判定部
68 重要度制御部
411 名称抽出部
412 位置情報抽出部
413 分類キーワード検出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザにウェブページを提示するユーザ端末と、
前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末と、
前記案内端末に広告を配信する広告配信装置とを備え、
前記ユーザ端末は、
ウェブページを取得する情報取得手段と、
前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段と、
前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段とを含み、
前記広告配信装置は、
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、
前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記案内端末に配信する広告を決定し、前記広告を前記案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、
案内端末は、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含む
ことを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
広告配信調整手段は、
広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段と、
広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段と、
検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段とを有する
請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
案内端末は、ユーザの車両に搭載される車載端末であり、
案内端末は、前記車両に関する情報を計測し、計測した車両に関する情報を広告配信装置に送信する車両計測手段を備え、
広告配信調整手段は、
案内端末から受信した車両に関する情報を用いて、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である配信タイミング判定用指標値を広告毎に決定する配信タイミング判定用指標値決定手段を有し、
広告配信判定手段は、前記配信タイミング判定用指標値決定手段に決定された配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えたときに、広告を案内端末に送信する
請求項2に記載の広告配信システム。
【請求項4】
車両計測手段は、広告配信装置に対して、少なくとも、車両の現在位置、目的地までの経路、車両の速度、現在時刻のうちの一部を送信し、
広告記憶手段は、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、少なくとも、当該施設の位置情報と当該施設の利用時間帯のいずれか一方あるいは両方を記憶し、
広告配信調整手段は、
車両の現在位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である広告配信判定用指標値を増加させる現在位置近接判定手段、
目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した車両の位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測位置近接判定手段、
現在時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる現在時刻状況判定手段、
目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した位置に車両が訪れる時刻を予測し、予測した時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測時刻状況判定手段、および、
車両の速度に基づいて、ユーザに広告を提示するのに適した状況か否かを判定し、ユーザに広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、広告配信判定用指標値を増加させるユーザ状況判定手段
のうちの少なくとも一つを有する
請求項3に記載の広告配信システム。
【請求項5】
広告記憶手段は、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、当該施設の位置情報と、ユーザが当該施設に訪問した回数である施設訪問回数を記憶し、
広告配信判定手段は、広告とともに、当該広告に対応する施設の位置情報を案内端末に送信し、
車両計測手段は、広告配信装置から広告とともに受信した施設の位置情報を参照して、ユーザが施設を訪問したか否かを判定し、ユーザが施設を訪問したと判定したときに、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信装置に送信し、
広告配信装置は、
案内端末から、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信したときに、前記案内端末に送信した広告に対応する施設訪問回数に1を加算する訪問回数更新手段を含む
請求項3または請求項4に記載の広告配信システム。
【請求項6】
情報解析手段は、ウェブページからユーザの目的地候補の位置を抽出し、前記目的地候補の位置と、ユーザが前記ウェブページを閲覧した時刻であるウェブページ閲覧時刻とを目的地候補情報に含め、
車両計測手段は、広告配信装置に送信する情報に、ユーザの車両の現在位置と現在時刻のいずれか一方または両方を含め、
広告配信装置は、
案内端末から受信した車両の現在位置と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の位置との距離が近いほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させ、現在時刻と、目的地候補情報に含まれるウェブページ閲覧時刻との差が小さいほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させる目的地候補指標値制御手段を含む
請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の広告配信システム。
【請求項7】
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、
ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調整手段とを備える
ことを特徴とする広告配信装置。
【請求項8】
広告配信調整手段は、
広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段と、
広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段と、
検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段とを含む
請求項7に記載の広告配信装置。
【請求項9】
ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、
ウェブページを取得し、
前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、
前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、
前記広告配信装置が、
前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、前記案内端末に対して前記広告を送信し、
前記案内端末が、
前記広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する
ことを特徴とする広告配信方法。
【請求項10】
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調処理
を実行させるための広告配信プログラム。
【請求項1】
ユーザにウェブページを提示するユーザ端末と、
前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末と、
前記案内端末に広告を配信する広告配信装置とを備え、
前記ユーザ端末は、
ウェブページを取得する情報取得手段と、
前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出する情報解析手段と、
前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信する目的地候補情報送信手段とを含み、
前記広告配信装置は、
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、
前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記案内端末に配信する広告を決定し、前記広告を前記案内端末に送信する広告配信調整手段とを含み、
案内端末は、広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する広告提示手段を含む
ことを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
広告配信調整手段は、
広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段と、
広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段と、
検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段とを有する
請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
案内端末は、ユーザの車両に搭載される車載端末であり、
案内端末は、前記車両に関する情報を計測し、計測した車両に関する情報を広告配信装置に送信する車両計測手段を備え、
広告配信調整手段は、
案内端末から受信した車両に関する情報を用いて、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である配信タイミング判定用指標値を広告毎に決定する配信タイミング判定用指標値決定手段を有し、
広告配信判定手段は、前記配信タイミング判定用指標値決定手段に決定された配信タイミング判定用指標値が、予め定められた配信タイミング判定用閾値を超えたときに、広告を案内端末に送信する
請求項2に記載の広告配信システム。
【請求項4】
車両計測手段は、広告配信装置に対して、少なくとも、車両の現在位置、目的地までの経路、車両の速度、現在時刻のうちの一部を送信し、
広告記憶手段は、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、少なくとも、当該施設の位置情報と当該施設の利用時間帯のいずれか一方あるいは両方を記憶し、
広告配信調整手段は、
車両の現在位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告を配信するタイミングを判定するための指標値である広告配信判定用指標値を増加させる現在位置近接判定手段、
目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した車両の位置と施設の位置との距離が、予め定められた閾値以下である場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測位置近接判定手段、
現在時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる現在時刻状況判定手段、
目的地までの経路に基づいて車両の将来の位置を予測し、予測した位置に車両が訪れる時刻を予測し、予測した時刻が施設の利用時間帯に属している場合に、広告配信判定用指標値を増加させる予測時刻状況判定手段、および、
車両の速度に基づいて、ユーザに広告を提示するのに適した状況か否かを判定し、ユーザに広告を提示するのに適した状況であると判定した場合に、広告配信判定用指標値を増加させるユーザ状況判定手段
のうちの少なくとも一つを有する
請求項3に記載の広告配信システム。
【請求項5】
広告記憶手段は、広告、広告する施設の名称、当該施設のジャンルを表すキーワードの他に、当該施設の位置情報と、ユーザが当該施設に訪問した回数である施設訪問回数を記憶し、
広告配信判定手段は、広告とともに、当該広告に対応する施設の位置情報を案内端末に送信し、
車両計測手段は、広告配信装置から広告とともに受信した施設の位置情報を参照して、ユーザが施設を訪問したか否かを判定し、ユーザが施設を訪問したと判定したときに、ユーザが施設を訪問した旨の情報を広告配信装置に送信し、
広告配信装置は、
案内端末から、ユーザが施設を訪問した旨の情報を受信したときに、前記案内端末に送信した広告に対応する施設訪問回数に1を加算する訪問回数更新手段を含む
請求項3または請求項4に記載の広告配信システム。
【請求項6】
情報解析手段は、ウェブページからユーザの目的地候補の位置を抽出し、前記目的地候補の位置と、ユーザが前記ウェブページを閲覧した時刻であるウェブページ閲覧時刻とを目的地候補情報に含め、
車両計測手段は、広告配信装置に送信する情報に、ユーザの車両の現在位置と現在時刻のいずれか一方または両方を含め、
広告配信装置は、
案内端末から受信した車両の現在位置と、目的地候補情報に含まれる目的地候補の位置との距離が近いほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させ、現在時刻と、目的地候補情報に含まれるウェブページ閲覧時刻との差が小さいほど、当該目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値の値を増加させる目的地候補指標値制御手段を含む
請求項3から請求項5のうちのいずれか1項に記載の広告配信システム。
【請求項7】
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段と、
ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する目的地候補情報記憶手段と、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調整手段とを備える
ことを特徴とする広告配信装置。
【請求項8】
広告配信調整手段は、
広告記憶手段に記憶されたキーワードと同一のキーワードを含む目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値を、前記キーワードを含む目的地候補情報の数に応じて増加させた値を、広告に対するユーザの興味の指標値である興味指標値として定めるキーワード一致判定手段と、
広告記憶手段に記憶された施設の名称と目的地候補情報に含まれる名称とが一致するか否かを判定し、広告記憶手段に記憶された施設の名称と一致する名称を含む目的地候補情報に対して定められた興味指標値を検出する名称一致判定手段と、
検出された興味指標値に基づいて、興味指標値の検出に用いた施設の名称に対応する広告を配信するか否かを決定し、配信すると決定した広告をユーザの案内端末に送信する広告配信判定手段とを含む
請求項7に記載の広告配信装置。
【請求項9】
ユーザにウェブページを提示するユーザ端末が、
ウェブページを取得し、
前記ウェブページからユーザの目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードを抽出し、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値を当該ウェブページの閲覧履歴に基づいて導出し、
前記目的地候補の名称、前記キーワードおよび前記目的地候補指標値を含む目的地候補情報を広告配信装置に送信し、
前記広告配信装置が、
前記ユーザ端末から受信した目的地候補情報を記憶し、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、広告を記憶する広告記憶手段に予め広告に対応付けて記憶された広告する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、前記案内端末に対して前記広告を送信し、
前記案内端末が、
前記広告配信装置から受信した広告をユーザに提示する
ことを特徴とする広告配信方法。
【請求項10】
少なくとも、広告と、広告する施設の名称と、当該施設のジャンルを表すキーワードとを記憶する広告記憶手段を備えるコンピュータに搭載される広告配信プログラムであって、
前記コンピュータに、
ユーザの目的地候補の名称と、当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、当該目的地候補がユーザの目的地に該当する可能性の程度を表す目的地候補指標値とを含む目的地候補情報であって、前記ユーザによって使用されるユーザ端末から受信する目的地候補情報を記憶する処理、および、
目的地候補情報に含まれる目的地候補の名称および当該目的地候補のジャンルを表すキーワードと、前記広告記憶手段が記憶する施設の名称および当該施設のジャンルを表すキーワードと、目的地候補情報に含まれる目的地候補指標値とに基づいて、前記ユーザの目的地までの経路を前記ユーザに提示する案内端末に対して配信する広告を決定し、当該広告を前記案内端末に送信する広告配信調処理
を実行させるための広告配信プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−150462(P2011−150462A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9926(P2010−9926)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]