説明

広告配信プログラム及び広告配信装置

【課題】ROI(広告費用対効果)の向上と使い勝手のよいインターネット環境を両立させることができる広告配信プログラム及び広告配信装置を提供する。
【解決手段】本発明の広告配信装置にインストールされた広告配信プログラムは、ユーザ用通信端末機3を管理サーバ2に接続させる接続管理ステップと、ユーザ用通信端末機3に広告型リサーチサイトを限定表示させる表示管理ステップと、ユーザ用通信端末機2からリサーチ結果が送信されたときに広告型リサーチサイトの限定表示の解除及びユーザ所望のウェブサイトの表示を許可する許可管理ステップと、リサーチ結果を広告出稿者用通信端末機25に転送する送信管理ステップと、をコンピュータに実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広告配信プログラム及び広告配信装置に係り、特に、インターネットを経由して通信端末機に配信される広告を行う際に好適に利用できる広告配信プログラム及び広告配信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、パーソナル・コンピュータ(PC)や携帯電話機などのユーザ用通信端末機に配信される従来型のインターネット広告は、広告商品や広告サービスの購入予定者や将来の購入予定者だけでなく、絶対に購入しない消費者にも配信されていた。そのため、広告主は、絶対に購入しない消費者にも広告費用を投資していることになる。
【0003】
したがって、従来においては、一例として、ターゲットに効果的に広告を配信するため、(1)検索サイトに検索連動型広告を表示したり(周知技術)、(2)ユーザ用通信端末機の電源投入後かつOS(オペレーションシステム)起動前にユーザが関心を示す広告を配信優先順に表示したり(特許文献1の段落0046〜0051等及び特許文献2の段落0008等を参照)、(3)ユーザ用通信端末機がインターネット接続した際にユーザの嗜好を反映した広告内容の一部をクイズ形式又はカラオケ形式により回答させてその広告内容を強く印象付けたり(特許文献3の段落0009〜0010等を参照)するなど、ROI(Return On Investment:広告費用対効果)を向上させる種々の広告配信技術(1)〜(3)が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−015210号公報
【特許文献2】特開2008−102174号公報
【特許文献3】特開2002−20051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の広告配信技術(1)〜(3)では、以下の理由により、ROIを向上させるのには不十分で、広告出稿者の信頼を得ることが容易でないという問題があった。
【0006】
上記広告配信技術(1)については、その主目的が広告の視聴ではなく、検索結果や他の主目的に付随して広告が配信されているため、ユーザが広告を確実に視聴することを広告出稿者に保証することができなかった。
【0007】
上記広告配信技術(2)については、OS起動前にインターネットの接続が可能となる特殊なアプリケーションを作成し、そのソフトウェアをユーザの端末にダウンロードさせなければならないし、広告を見るためにダウンロードしてくれるユーザはいない。また、ユーザがインターネット接続をしない場合であってもユーザ用通信端末機の電源投入後に常に広告を視聴しなければならない。これは、ユーザにとって非常に煩わしく、広告配信システムとしての実用性に欠けていた。また、上記広告配信技術(2)については、広告を表示するだけなので、広告内容に関心のあるユーザであっても広告を必ず見てくれるとは限らなかった。
【0008】
上記広告配信技術(3)については、ユーザが広告の一部をクイズ形式等の内容にした問いかけに回答したとしても、ユーザに広告内容を一方的に伝達したにすぎない。また、広告出稿者はユーザからリアクションがあってもその回答内容から広告出稿者にとって有益なデータを得ることはできない。
【0009】
また、インターネット接続を希望するユーザは、何かを検索したり、メールを確認したり、データのやり取りをするなど、即座に接続してほしいという要望がある。そのため、ユーザの関心を損ねることなく短時間で閲覧して貰える広告配信技術でなければ、どんなに優れた広告配信技術であってもユーザから敬遠され、広告出稿者は広告の出稿を見送る要因となる。その一方でほとんどのユーザは、楽しかったり、話題になったりしている広告に対して何らかの期待感を持っているため、広告を完全に排除する意思は余りない。
【0010】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ROI(広告費用対効果)の向上と使い勝手のよいインターネット環境を両立させることができる広告配信プログラム及び広告配信装置を提供することを本発明の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明の広告配信プログラムは、その第1の態様として、ユーザ用通信端末機によるインターネット接続開始動作及びユーザを特定するユーザIDを検知し、ユーザIDが管理対象IDであると管理サーバが判断したとき、インターネットを介してユーザ用通信端末機を管理サーバに接続させる接続管理ステップと、管理サーバに接続したユーザ用通信端末機に、ユーザが関心を示す特定広告の広告出稿者が所望するマーケティングリサーチにより構成された広告型リサーチサイトのみを限定表示させる表示管理ステップと、広告型リサーチサイトに係るリサーチ結果がユーザ用通信端末機から送信されたとき、管理サーバは、ユーザ用通信端末機に対して、広告型リサーチサイトのみの限定表示を解除すると共に、管理サーバを介してインターネット・プロバイダ・サーバをインターネット接続させることによりユーザが所望するポータルサイトの表示を許可する許可管理ステップと、管理サーバに送信されたリサーチ結果を管理サーバが広告出稿者用通信端末機に送信する送信管理ステップとをコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0012】
本発明の第1の態様の広告配信プログラムによれば、インターネット接続開始時に限定して広告出稿者が伝えたい特定広告及びマーケティングリサーチの内容(広告型リサーチサイト)をユーザに必ず視聴させることができる(ゲート機能)。
【0013】
また、本発明の第1の態様の広告配信プログラムによれば、広告出稿者は、広告内容に興味を示すユーザ(現在又は将来の顧客)のみに特定広告とマーケットリサーチの両方を同時展開することができるので(同時展開機能)、強い興味や関心だけでなく、強い購買動機を現在又は将来の顧客にのみピンポイントで与えることができる。
【0014】
また、本発明の第1の態様の広告配信プログラムによれば、特定広告を視聴した見込み客(将来の顧客)を現在の顧客に昇華させる可能性を高めることができると共に、広告出稿者は現在又は将来の顧客のみからリサーチ結果をリアルタイムに得ることを選択することができる(リサーチ機能)。
【0015】
本発明の第2の態様の広告配信プログラムは、第1の態様の広告配信プログラムにおいて、インターネット接続開始動作の有無は、管理サーバのみにインターネット接続させる管理サーバ接続専用携帯無線モデムがユーザ用通信端末機に接続されたか否かをユーザ用通信端末機が検知することにより判断されることを特徴とする。
【0016】
本発明の第2の態様の広告配信プログラムによれば、管理サーバ接続専用携帯無線モデムを使用する際にはその接続動作を必ず行うため、ユーザはインターネット接続開始動作を意識的に行う必要がなくなる。そのため、インターネット接続開始動作の要求によりユーザに与えるストレスを軽減することができる。また、管理サーバ接続専用携帯無線モデムの製品IDをユーザIDの1つとした場合、ユーザが複数のユーザ用通信端末機を使用しても同一のユーザであるとの特定を容易に行うことができる。
【0017】
本発明の第3の態様の広告配信プログラムは、第1又は第2の態様の広告配信プログラムにおいて、広告型リサーチサイトに係るマーケティングリサーチは、1つの質問及び複数の回答肢により構成されており、リサーチ結果の回答動作は、複数の選択肢に対する1回のみの選択動作であることを特徴とする。
【0018】
本発明の第3の態様の広告配信プログラムによれば、複数の質問に回答しなければならないユーザの煩わしさを除去してユーザに与えるストレスを軽減することができる。
【0019】
本発明の第4の態様の広告配信プログラムは、第1から第3のいずれか1の態様に記載の広告配信プログラムにおいて、許可管理ステップにおいて、リサーチ結果の送信後からポータルサイトの表示前までの間に、広告型リサーチサイトに関する広告サイトに誘導する誘導サイトを、所定の時間だけユーザ用通信端末機に表示することを特徴とする。
【0020】
本発明の第4の態様の広告配信プログラムによれば、広告型リサーチサイトに関する広告内容に興味を示すユーザを広告サイトに誘導することができる。また、誘導サイトの表示を所定の時間に限定することにより、ユーザが感じる煩わしさを軽減することができる。
【0021】
本発明の第5の態様の広告配信プログラムは、第1から第4のいずれか1の態様に記載の広告配信プログラムにおいて、管理サーバは、リサーチ結果を広告管理者用通信端末機に送信し、広告管理者用通信端末機は、リサーチ結果を集計及び分析して得たリサーチ集計結果を広告出稿者用通信端末機に送信することを特徴とする。
【0022】
本発明の第5の態様の広告配信プログラムによれば、広告出稿者は即座にリサーチ結果を得られるだけでなく、任意の期間でのリサーチ結果の傾向も入手することができる。
【0023】
本発明の第6の態様の広告配信プログラムは、第1から第5のいずれか1の態様の広告配信プログラムにおいて、ユーザIDは、ユーザ用通信端末機に付与されたユーザ用固定IPアドレス又はそれを含んだものであり、管理サーバは、管理サーバに付与された管理サーバ用固定IPアドレスにユーザ用通信端末機がアクセスしたことによりインターネット接続開始動作及びユーザ用固定IPアドレスを検知すると共に、ユーザ用固定IPアドレスが管理サーバへのアクセスを許可されたIPアドレスであるか否かにより、管理対象IDか否かを判断することを特徴としている。
【0024】
本発明の第6の態様の広告配信プログラムによれば、接続管理ステップにおける検知手段及び判断手段を有しない既存の通信ソフトに対しても本発明を利用することができる。
【0025】
本発明の第7の態様の広告配信プログラムは、第6の態様の広告配信プログラムにおいて、ユーザ用固定IPアドレス及び管理サーバ用固定IPアドレスは、ユーザ用通信端末機の管理下で実行するデータ通信用ユーティリティソフトの設定機能に基づき、ユーザ用通信端末機に設定されていることを特徴としている。
【0026】
本発明の第7の態様の広告配信プログラムによれば、IPアドレスの設定知識を有しない者でも本発明を利用することができると共に、IPアドレスの設定知識を悪用する者に対してIPアドレスの改ざん等を防止することができる。
【0027】
本発明の第8の態様の広告配信プログラムは、第1から第7のいずれか1の態様の広告配信プログラムにおいて、前記管理サーバは、前記ユーザ用通信端末機に表示させた前記所望のポータルサイトを特定する情報をサイト視聴行動データとして収集するインターネット・オーディエンス測定を行うことを特徴としている。
【0028】
本発明の第8の態様の広告配信プログラムによれば、インターネット・プロバイダ・サーバとユーザ用通信端末機にとの間に接続された管理サーバがインターネット・オーディエンス測定を行うので、ユーザ用通信端末機にインターネット・オーディエンス測定用ソフトをインストールすることなく、全てのユーザ用通信端末機に対してインターネット・オーディエンス測定を行うことができる。そして、ユーザ特性とサイト視聴行動データとの関連性を見出すことにより、広告出稿者や広告管理者が特定広告に関する事項を選定することを容易にすることができる。
【0029】
また、本発明の第9の態様の広告配信装置は、第1から第8のいずれか1の態様に記載の広告配信プログラムに基づいて、管理サーバからユーザ用通信端末機及び広告管理者用通信端末機に対してインターネットを介して広告配信サービス及びマーケティングリサーチサービスを提供することを特徴としている。
【発明の効果】
【0030】
本発明の広告配信プログラム及び広告配信装置によれば、ROI(広告費用対効果)の向上と使い勝手のよいインターネット環境を両立させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の広告配信装置の一実施形態を示す概念図
【図2】本実施形態の広告配信装置の一実施形態を示すブロック図
【図3】本実施形態の広告配信プログラムによる処理を示すフロー
【図4】本実施形態の広告配信プログラムに係る表示画面及び広告型リサーチサイト専用ウィンドウの一例を示す平面図
【図5】本実施形態の広告型リサーチサイトの一例を示す平面図
【図6】本実施形態の広告型リサーチサイトの次に表示される誘導サイトの一例を示す平面図
【図7】本実施形態の誘導サイトの次に表示されるポータルサイトの一例を示す平面図
【図8】他の実施形態の広告配信プログラムに係るユーザ属性入力画面の一例を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態を説明する。
【0033】
[広告配信装置1の全体構成]
本実施形態の広告配信装置1は、ユーザが本実施形態の広告型リサーチサイト(インターネット広告の一種)の内容に回答することを条件に、ユーザのインターネット接続費用の全て又は一部を無料にする本実施形態の広告配信サービスを提供する際に用いられる。
【0034】
この広告配信装置1は、図1に示すように、コンピュータ・ネットワークCNに接続されたインターネット・プロバイダ・サーバ20を介して相互に接続された管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4により構成されている。また、この広告配信装置1は、本実施形態の広告配信プログラムに基づいて、管理サーバ2からユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4に対してインターネットを介して広告配信サービスを提供する。
【0035】
本実施形態においては、ユーザが複数のユーザ用通信端末機3を所有又は使用しており、その内の1台以上が携帯可能な場合を想定しているため、管理サーバ2とユーザ用通信端末機3との接続には、USB型データ通信カードなどの管理サーバ接続専用携帯無線モデム21を用いている。
【0036】
また、本実施形態の広告配信サービスの提供を希望しない場合、インターネット・プロバイダ・サーバ20と他のユーザ用通信端末機22との間に、管理サーバ2は接続されない。
【0037】
管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4は、コンピュータの機能を個々に発揮するため、中央処理装置、記憶装置、入出力装置及び通信装置などのコンピュータとしての一般的な構成要素をそれぞれ有している。管理サーバ2としては、例えば、インターネットサーバが挙げられる。ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4の具体例としては、デスクトップ型コンピュータ、ラップトップ型コンピュータ、タブレット型コンピュータ、スマートフォン等のインターネット対応携帯電話機、インターネット対応TV受信機などが挙げられる。
【0038】
また、本実施形態の広告配信装置1は、管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4の構成要素及び機能に基づき、以下の各手段を備えている。すなわち、本実施形態の広告配信装置1は、図2に示すように、接続管理手段9、ユーザ属性記憶手段5、広告記憶手段6、特定広告選択手段7、特定広告配信手段8、広告出力手段11、広告時入力制限手段10、回答入力手段18及び送信管理手段12を備えている。
【0039】
[広告配信プログラムの全体構成]
本実施形態の広告配信プログラムは、上記の管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4の管理下で実行可能な状態で記憶又は格納されている。例えば、広告配信プログラムは、上記の管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4の内部記憶装置にインストールされた状態で記憶されていてもよい。また、上記の内部記憶装置に広告配信プログラムをインストールせず、上記の管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25又は広告管理者用通信端末機4に接続させたフラッシュメモリやCD−ROMなどの外部記憶媒体23に広告配信プログラムを実行可能な状態で格納させておいてもよい。本実施形態においては、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21を利用するため、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21及び外部記憶媒体23の両機能を発揮する通信装置24を利用している。
【0040】
また、本実施形態の広告配信プログラムは、図3に示すように、本実施形態の広告配信装置1を構成する各コンピュータ(管理サーバ2、ユーザ用通信端末機3、広告出稿者用通信端末機25及び広告管理者用通信端末機4)に対し、接続管理ステップ、表示管理ステップ、送信管理ステップ及び許可管理ステップをそれぞれ実行させるように構成されている。
【0041】
[接続管理ステップ]
接続管理ステップにおいては、ユーザ用通信端末機3及び管理サーバ2に係る接続管理手段9により制御される。ユーザ用通信端末機3はそのOS起動後からOS終了までにユーザ用通信端末機3がインターネット接続開始動作を行ったか否かの監視を行っている(SS→S01→S02→S01又はSF)。ユーザ用通信端末機3からインターネット接続開始動作がない限り、ユーザ用通信端末機3に広告型リサーチサイトは表示されず、かつ、ユーザ用通信端末機3の機能に対していかなる制限も課されない。
【0042】
ユーザ用通信端末機3がインターネット接続開始動作を検知したとき(S01→S03)、ユーザ用通信端末機3によるインターネット接続開始動作及びユーザを特定するユーザIDを検知する(S03)。
【0043】
インターネット接続開始動作とは、ユーザ用通信端末機3の管理下でデータ通信用ユーティリティソフトを使用する場合、データ通信用ユーティリティソフトの起動がインターネット接続開始動作となる。また、データ通信用ユーティリティソフトを使用しない場合、インターネット・ウェブ・ブラウザや電子メール送受信用アプリケーションソフトなどのインターネット接続を前提とするアプリケーションソフトの起動がインターネット接続開始動作となる。
【0044】
本実施形態においては、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21及び外部記憶媒体23の両機能を発揮する通信装置24にデータ通信用ユーティリティソフトが格納されており、ユーザ用通信端末機3にその通信装置24が接続された際にそのデータ通信用ユーティリティソフトが自動的に起動する設定になっている。たとえば、USB型データ通信カード(通信装置24)をPC(ユーザ用通信端末機3)に接続するだけでデータ通信用ユーティリティソフトがPC(ユーザ用通信端末機3)上で自動的に起動するような設定がこれに該当する。つまり、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21の接続動作は、データ通信用ユーティリティソフトの起動を引き起こすため、インターネット接続開始動作と同一視される。
【0045】
上記のインターネット接続開始動作の検知後にユーザIDが管理対象IDであると管理サーバ2に係る接続管理手段9が判断した場合(S03)、ユーザIDに基づいて管理サーバ2の特定広告選択手段9がユーザ属性記憶手段5に記憶されたユーザ属性を確認する(S04)。
【0046】
上記のユーザIDとは、ユーザ用通信端末機3、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21、通信装置24、データ通信用ユーティリティソフトなどに個別に付された製品IDやIPアドレスなどのインターネット経由にて確認可能なIDである。ユーザIDとしてはその全てから選択可能である。
【0047】
本実施形態のユーザIDは、ユーザ用通信端末機3に付与されたユーザ用固定IPアドレス又はそれを含んだものであることが好ましい。また、管理サーバ2にも管理サーバ用固定IPアドレスが付与されることが好ましい。この場合、管理サーバ2は、ユーザ用通信端末機3が管理サーバ用固定IPアドレスにアクセスしたことに基づいて、インターネット接続開始動作及びユーザ用固定IPアドレスを検知する。また、ユーザ用固定IPアドレスが管理サーバ2へのアクセスを許可されたIPアドレスであるか否かにより、管理対象IDか否かを判断する。
【0048】
ユーザ用固定IPアドレス及び管理サーバ用固定IPアドレスは、ユーザ用通信端末機3の管理下で実行するデータ通信用ユーティリティソフトのウィザード機能や自動設定機能に基づき、ユーザ用通信端末機3に設定されることが好ましい。なお、データ通信用ユーティリティソフトは、ユーザ用通信端末機3にインストールされていてもよい。
【0049】
また、管理サーバ2が確認するユーザ属性とは、ユーザ属性記憶手段5に予め記憶されたユーザの年齢や性別、居住地域、活動地域その他のユーザの個人情報や、ユーザが積極的に配信を希望する特定広告に関するキーワードやジャンルその他の広告選択条件情報により構成される。
【0050】
次に、管理サーバ2の表示回数管理手段13が、例えば1ヶ月の間(所定の期間内)に10回(所定の回数)以上、広告型リサーチサイトをユーザ用通信端末機3に表示させたか否かを計測する(S05)。広告型リサーチサイトの表示回数は、ユーザのインターネット接続費用の全て又は一部を無料にするための表示ノルマを超えたか否かを確認するための情報となる。
【0051】
広告型リサーチサイトの表示回数が表示ノルマを超えた場合、その後に広告型リサーチサイトを表示させるか否かは広告管理者の任意の設定で決定される。本実施形態においては、広告型リサーチサイトの表示回数が表示ノルマを超えても、広告型リサーチサイトはユーザ用通信端末機3に表示される設定になっている。
【0052】
[表示管理ステップ]
表示管理ステップにおいては、はじめに、管理サーバ2の特定広告選択手段7が、広告記憶手段6に記憶された多数の広告型リサーチサイトの中からユーザ属性に合致した特定広告に関する広告型リサーチサイトを選定する(S06)。また、管理サーバ2の特定広告配信手段8は、選定された広告型リサーチサイトを配信する(S07)。
【0053】
次に、図4に示すように、ユーザ用通信端末機3の広告出力手段11に基づき、ユーザ用通信端末機3のディスプレイ50に表示された専用ウィンドウ51内に、広告型リサーチサイトのみを限定表示させる(S08)。広告型リサーチサイトのみの限定表示とは、他のインターネットサイトを表示させず、広告型リサーチサイトのみを表示させることである。
【0054】
ここで、広告型リサーチサイトは、特定広告に関するマーケティングリサーチにより構成される。特定広告とは、ユーザが興味を示す広告である。この特定広告は、広告配信サービスの契約時に予め聞き取り調査した性別、年齢、居住地域、活動地域その他のユーザに関する情報により構成されたユーザ属性に基づき、広告出稿者又は広告管理者により決められている。
【0055】
また、マーケティングリサーチの内容としては、特定広告に関する商品やサービスの認知度、同一商品内での好みの色など、広告の出稿を広告管理者に依頼した広告出稿者が特定広告に関する商品やサービスの企画又は営業の戦略上ユーザにマーケティングリサーチしたい内容を広告出稿者の要望で決めることができる。例えば、新作セータのデザインで最も好まれる色が何かを広告出稿者が知りたい場合、図5に示すように、新作セータの色を広告出稿者の要望に応じてリサーチする。
【0056】
マーケティングリサーチのリサーチ手法は、ユーザが飽きることなく素早く回答可能な選択型アンケートであることが好ましい。特に、リサーチ結果の回答動作は、広告型リサーチサイトにおいて表示された複数の選択肢に対する1回のみの選択動作であることが好ましい。
【0057】
例えば、図5に示すように、新作セータの好みの色を調査するための5個の選択肢52A〜52Eが表示され、ユーザの好みの色が最も左側の選択肢52Aにあった場合、例えばマウス(ユーザ用通信端末機3の回答入力手段18)でカーソル53をその選択肢52Aまで移動させて1回だけクリックする。この「最も左側の選択肢52Aを1クリックで選択する回答動作」が、上記の「1回のみの選択動作」に該当する。
【0058】
そして、広告型リサーチサイトにおいてユーザがマーケティングリサーチに回答した場合(S09)、ユーザ用通信端末機3から管理サーバ2にリサーチ結果が送信される(S09→S10)。
【0059】
[送信管理ステップ]
送信管理ステップにおいては、管理サーバ2の送信管理手段12により、リサーチ結果がユーザ用通信端末機3から管理サーバ2に送信された時に、即座に、そのリサーチ結果を広告出稿者用通信端末機25に転送する(S09→S10→S12)。
【0060】
また、送信管理ステップにおいては、管理サーバ2の送信管理手段12により、リサーチ結果がユーザ用通信端末機3から管理サーバ2に送信された時に、そのリサーチ結果を広告管理者用通信端末機4に転送することが好ましい(S09→S10→S11)。この場合、広告管理者用通信端末機4は、広告管理者用通信端末機4に転送されたリサーチ結果に基づき自動的に集計及び分析したリサーチ集計結果を、広告出稿者用通信端末機25に送信する(S11→S12)。広告出稿者用通信端末機25は、それに記憶された商品開発DB(データベース)にリサーチ結果やリサーチ集計結果を反映することにより(S12)、特定広告に係る商品又はサービスの開発に利用することができる。
【0061】
なお、リサーチ集計結果について報告書が必要な場合、広告管理者用通信端末機4は、リサーチ集計結果に基づく報告書を集計結果として併せて作成することが好ましい。
【0062】
リサーチ結果は、少なくとも、ユーザに関連する年齢、性別及び地域などのユーザ属性、並びに、広告型リサーチサイトにより表示された商品又はサービスにおける複数のバリエーションを選択肢としてユーザが選択した選択肢、を含んでいることが好ましい。年齢、性別及び地域などのユーザ属性については、広告配信サービスの契約時に入手した情報を用いる。
【0063】
また、リサーチ集計結果は、リサーチに不真面目に回答しているとアンケートの構造上又は回答履歴上明らかなものを除いた上で、任意の期間においてリサーチ結果を集計及び分析した結果であることが好ましい。
【0064】
[許可管理ステップ]
許可管理ステップにおいては、広告型リサーチサイトを介してユーザ用通信端末機3の回答入力手段18からリサーチ結果が入力された場合(S09)、管理サーバ2の広告時入力制限手段10が、ユーザ用通信端末機3に対し、広告型リサーチサイトのみの限定表示を解除する(S10→S13)。
【0065】
ここで、本実施形態においては、リサーチ結果の入力後(S09)からポータルサイトの表示前(S17)までの間に、図6に示すように、誘導サイト(S14)や、リサーチ結果(又はリサーチ集計結果)に関するコメントを表示するコメント欄54(S15)を、所定の時間だけ(S16)、ユーザ用通信端末機に表示されたウィンドウ51内において広告型リサーチサイトの次に表示するようになっている(S13→S14→S15→S16)。
【0066】
誘導サイトは、広告型リサーチサイトに関する広告サイトに誘導するサイトである。誘導サイトのデザインは、図5に示した広告型リサーチサイトのデザインに対して図6に示す広告サイトにリンクする広告サイトリンクボタン55を付け加えた小変更程度のデザインであることがユーザの広告視聴の負担軽減の観点から好ましい。
【0067】
また、リサーチ結果(又はリサーチ集計結果)に関するコメントについては、図5に示した最も左側の選択肢52Aの色のセータを選んだ人の割合(例えば「20%」などの割合)や、最も左側の選択肢52Aの色のセータを選ぶ人の傾向に関するコメント(例えば、「いいセンスされています。」)などが該当する。
【0068】
なお、図6に示すように、リサーチ集計結果及びリサーチ結果に関するコメントを表示するコメント欄54は、広告サイトにリンクする広告サイトリンクボタン55と共に、ウィンドウ51内に表示された誘導サイト内に同時表示されることが好ましい。また、即座にポータルサイトに移動可能なポータルサイトリンクボタン56も誘導サイト内に同時表示されることが好ましい。
【0069】
誘導サイト(S14)やリサーチ結果(又はリサーチ集計結果)に関するコメントを表示するコメント欄54(S15)が表示される所定の時間は、広告管理者により設定されている。この所定の時間があまりにも長いとユーザが飽きてしまう。そのため、誘導サイト(S14)や、リサーチ集計結果又はリサーチ結果に関するコメントを表示するコメント欄54(S15)が表示される所定の時間は、数秒間程度(例えば2秒間)が好ましい。
【0070】
上記の所定時間が経過した場合(又はポータルサイトリンクボタン56が選択された場合)、管理サーバ2は、広告型リサーチサイトのみの限定表示の解除に基づき(S13)、図7に示すようなユーザが所望するポータルサイトの表示を許可する(S16→S17)。その後は、ユーザが所望するインターネットサイトに自由にアクセスすることが可能である。
【0071】
ユーザが所望するインターネットサイトにユーザ用通信端末機3が自由にアクセスしている間、管理サーバ2は、インターネット・オーディエンス測定を行う。インターネット・オーディエンス測定とは、ユーザ用通信端末機3に表示させた前記所望のポータルサイトを特定する情報をサイト視聴行動データとして収集する行為である。
【0072】
本実施形態においては、インターネット・プロバイダ・サーバ20とユーザ用通信端末機3との間に管理サーバ2が接続されており、ユーザ所望のポータルサイトを特定する情報が管理サーバ2を必ず経由する。そのため、管理サーバ2がインターネット・オーディエンス測定を行うことが可能になる。
【0073】
そして、インターネット接続を終了したか否かを監視し(S18)、インターネット接続を終了したと検知した場合には、インターネット接続開始動作の有無を再度監視する(S18→S01)。
【0074】
次に、本実施形態の効果を説明する。
【0075】
(1)本実施形態の広告配信プログラムは、上記の接続管理ステップと、表示管理ステップと、許可管理ステップと、送信管理ステップと、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0076】
上記特徴(1)によれば、インターネット接続開始時に限定してユーザに広告型リサーチサイトを必ず視聴させることができる(ゲート機能)。
【0077】
また、上記特徴(1)によれば、広告出稿者は、広告管理者を介して広告商品やサービスに興味を示すユーザ(現在又は将来の顧客)のみに特定広告とマーケットリサーチの両方を同時展開することができるので(同時展開機能)、強い興味や関心だけでなく、強い印象やマーケット参画意識を現在又は将来の顧客のみにピンポイントで与えることができる。
【0078】
また、上記特徴(1)によれば、特定広告を視聴したユーザを広告商品の購入者又は広告サービスの提供を受ける者に昇華させる可能性を高めることができると共に、広告出稿者は現在又は将来の顧客のみからリサーチ結果をリアルタイムに得ることを選択することができる(リサーチ機能)。広告出稿者は得られたリサーチ結果やリサーチ集計結果を特定広告に関する商品等の開発や営業戦略の参考にすることができるので、現行商品や現行サービスの売れ筋予測や、次世代商品や次世代サービスの開発データとして有効活用することができる。
【0079】
(2)本実施形態の広告配信プログラムにおいて、インターネット接続開始動作の有無は、管理サーバ2のみにインターネット接続させる管理サーバ接続専用携帯無線モデム21がユーザ用通信端末機3に接続されたか否かをユーザ用通信端末機3が検知することにより判断されることを特徴としている。例えば、USB型データ通信カード(管理サーバ接続専用携帯無線モデム21)がユーザのラップトップ型又はデスクトップ型のコンピュータ(ユーザ用通信端末機3)にUSB接続されたときに、USB型データ通信カード21のインターネット自動接続機能により、インターネット接続開始動作があったとユーザ用通信端末機3を介して管理サーバ2が判断する。
【0080】
上記特徴(2)によれば、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21を使用する際にはその接続動作を必ず行うため、ユーザはインターネット接続開始動作を意識的に行う必要がなくなる。そのため、インターネット接続開始動作の条件を満たすためにユーザに与えるストレスを軽減することができる。
【0081】
また、上記特徴(2)によれば、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21の製品ID又はそれに付与された固定IPアドレスなど、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21を識別する情報をユーザIDの1つとした場合、ユーザが複数のユーザ用通信端末機3を交代に使用しても、同一の管理サーバ接続専用携帯無線モデム21を使用してさえいれば、同一のユーザであると推定することができるので、リサーチ結果の信頼度を向上させることができる。
【0082】
(3)本実施形態の広告配信プログラムにおいて、リサーチ結果の回答動作は、広告型リサーチサイトにおいて表示された複数の選択肢に対する1回のみの選択動作であることを特徴としている。例えば、上記の通り、広告型リサーチサイトにおいて広告商品に係るユーザの好みの色や種類等を調査する際に4個の選択肢のうちの好みの選択肢を1クリックのみで選択する動作が、リサーチ結果の回答動作における1回のみの選択動作となる。
【0083】
上記特徴(3)によれば、リサーチ結果の回答動作が簡単かつ迅速に終了するため、ユーザに与えるストレスを軽減することができる。
【0084】
(4)本実施形態の広告配信プログラムの許可管理ステップにおいて、リサーチ結果の入力後からポータルサイトの表示前までの間に、広告型リサーチサイトに関する広告サイトに誘導する誘導サイトを、所定の時間だけユーザ用通信端末機3に表示することを特徴としている。
【0085】
上記特徴(4)によれば、広告型リサーチサイトに関する広告内容に興味を示すユーザを広告サイトに誘導することができる。また、誘導サイトの表示を所定の時間に限定することにより、ユーザが感じる煩わしさを軽減することができる。
【0086】
(5)管理サーバは、リサーチ結果を広告管理者用通信端末機に送信し、広告管理者用通信端末機は、リサーチ結果を集計及び分析して得たリサーチ集計結果を広告出稿者用通信端末機に送信することが好ましい。
【0087】
上記特徴(5)によれば、広告出稿者は即座にリサーチ結果を得られるだけでなく、任意の期間でのリサーチ結果の傾向も入手することができる。
【0088】
(6)本実施形態の広告配信プログラムにおいては、上記の通り、固定IPアドレスの利用に基づいて、インターネット接続開始動作及びユーザIDを検知すると共に、管理対象IDか否かを判断することを特徴としている。
【0089】
上記特徴(6)によれば、特別な検知手段や判断手段を有しない既存のデータ通信ソフトに対しても本実施形態の広告配信プログラムを適用することができる。
【0090】
(7)本実施形態の広告配信プログラムにおいては、データ通信用ユーティリティソフトの設定機能に基づき、固定IPアドレスを設定することを特徴としている。
【0091】
上記特徴(7)によれば、IPアドレスの設定知識を有しない者でも本実施形態の広告配信プログラムの利益を享受することができると共に、IPアドレスの設定知識を悪用する者に対してIPアドレスの改ざん等を防止することができる。
【0092】
(8)本実施形態の広告配信プログラムの許可管理ステップにおいて、リサーチ結果の入力後からポータルサイトの表示前までの間に、リサーチ集計結果又はリサーチ結果に関するコメントをユーザ用通信端末機3に表示することを特徴としている。例えば、ユーザが4個の選択肢の中から1番目の選択肢を選択した場合に、1番目の選択肢を選んだ割合(例えば「20%」などの割合)や、1番目の選択肢を選ぶ人の傾向に関するコメント(例えば、「いいセンスされています。」などのコメント)がリサーチ集計結果又はリサーチ結果に関するコメントに該当する。
【0093】
上記特徴(8)によれば、ユーザ自身のリサーチ結果と他人のリサーチ結果との違いをユーザが即座に確認することや、リサーチ結果に対するコメントを得ることができるので、ユーザに対して特定広告に関する強い関心と印象を与えることができる。
【0094】
(9)本実施形態の広告配信プログラムの許可管理ステップにおいて、前記管理サーバは、前記ユーザ用通信端末機に表示させた前記所望のポータルサイトを特定する情報をサイト視聴行動データとして収集するインターネット・オーディエンス測定を行うことを特徴としている。
【0095】
従来であれば、インターネット・オーディエンス測定に協力してくれるユーザを募集し、そのユーザ用通信端末機3にインターネット・オーディエンス測定用ソフトをインストールしてもらわなければならないのでその手続が煩雑であった。また、その協力に対して所定の謝礼を支払う必要があった。
【0096】
しかし、上記特徴(9)によれば、インターネット・プロバイダ・サーバとユーザ用通信端末機にとの間に接続された管理サーバがインターネット・オーディエンス測定を行うので、ユーザ用通信端末機にインターネット・オーディエンス測定用ソフトをインストールすることなく、全てのユーザ用通信端末機に対してインターネット・オーディエンス測定を行うことができる。
【0097】
また、全てのユーザのアクセス状況を同一指標により比較することができると共に、ユーザ属性に応じたサイト視聴行動データを把握することができるので、特定広告を選定する上で様々なメリットをもたらす。つまり、ユーザ特性とサイト視聴行動データとの関連性を見出すことにより、広告出稿者や広告管理者が特定広告に関する事項を選定することを容易にすることができる。
【0098】
すなわち、本実施形態の広告配信プログラム及び広告配信装置によれば、ROI(広告費用対効果)の向上と使い勝手のよいインターネット環境を両立させることができるという効果を奏する。
【0099】
なお、本発明は、前述した実施形態などに限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0100】
[広告配信装置1の全体構成]
例えば、他の実施形態の広告配信装置においては、少なくともインターネット接続環境を有するユーザの利用が可能なクラウドコンピューティングシステムを適宜採用することもできる。
【0101】
[接続管理ステップ]
また、他の実施形態においては、管理サーバ接続専用携帯無線モデム21の代わりにユーザ用通信端末機3に内蔵された無線通信機を用いると共に、データ通信用ユーティリティソフトを管理サーバ2からダウンロードした上でユーザ用通信端末機3にインストールさせてもよい。管理サーバ2及びユーザ用通信端末機3には管理サーバ用固定IPアドレス又はユーザ用固定IPアドレスがそれぞれ付与されているため、管理サーバ2以外のインターネット・プロバイダ・サーバ20にユーザ用通信端末機3を接続させることなく、データ通信用ユーティリティソフトを管理サーバ2からユーザ用通信端末機3にダウンロードさせることが可能である。
【0102】
[表示管理ステップ]
また、他の実施形態において、特定広告を決定するため、ユーザは、図8に示すように、ユーザ属性をユーザ用通信端末機3のユーザ属性記憶手段5に記憶させてもよい。その際、ウィンドウ57内のユーザ属性変更サイトに表示されたジャンル欄53、キーワード欄54、ユーザの個人情報の変更希望ボタン55、条件入力終了ボタン58などを入力又は操作することにより、ユーザ属性をユーザ用通信端末機3のユーザ属性記憶手段5に記憶させる。例えば、ジャンル欄53で「紳士服」を選択し、キーワード欄54に「新作」及び「セータ」を入力する。また、個人情報の変更希望ボタン55により、広告配信サービスの契約時と現時点とで変更になった情報を入力又は選択する。入力及び選択が終了したら、条件入力終了ボタン58を選択する。
【0103】
さらに、ユーザ用通信端末機3が管理サーバ2に接続した際には、管理サーバ2のユーザ属性記憶手段5にもユーザ属性を自動同期により記憶させておくことが好ましい。
【0104】
その際、管理サーバ2の広告記憶手段6に記憶された複数の広告型リサーチサイトの内容には、タギングされた複数の付随情報が付与されていることが好ましい。付随情報の具体例としては、その広告に関連するジャンルやキーワードの他に、特定広告に関するマーケティングリサーチの内容、広告IDや更新日時といった情報などが挙げられる。これら付随情報は、広告記憶手段6に記憶された広告情報テーブルに入力されている。例えば、この広告情報テーブルは、広告ID、広告内容、ジャンル、キーワードなどの付随情報の他に、広告配信の優先度も合わせて入力されている。
【0105】
また、広告配信の優先度が設定されている場合、高い優先度を有する特定広告から順に、管理サーバ2が2以上の広告型リサーチサイトの内容を配信することが好ましい。付随情報の情報量や優先度の高さは、広告を出稿する広告出稿者から広告料情報として管理サーバ2に入力された広告料の高い順に決定されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0106】
1 広告配信装置
2 管理サーバ
3 ユーザ用通信端末機
4 広告管理者用通信端末機
5 ユーザ属性記憶手段
6 広告記憶手段
7 特定広告選択手段
8 特定広告配信手段
9 接続管理手段
10 広告時入力制限手段
11 広告出力手段
12 送信管理手段
13 表示回数管理手段
20 インターネット・プロバイダ・サーバ
21 管理サーバ接続専用携帯無線モデム
23 外部記憶媒体
24 通信装置
51 広告専用ウィンドウ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ用通信端末機によるインターネット接続開始動作及びユーザを特定するユーザIDを検知し、前記ユーザIDが管理対象IDであると管理サーバが判断したとき、インターネットを介して前記ユーザ用通信端末機を前記管理サーバに接続させる接続管理ステップと、
前記管理サーバに接続した前記ユーザ用通信端末機に、前記ユーザが関心を示す特定広告の広告出稿者が所望するマーケティングリサーチにより構成された広告型リサーチサイトのみを限定表示させる表示管理ステップと、
前記広告型リサーチサイトに係るリサーチ結果が前記ユーザ用通信端末機から送信されたとき、前記管理サーバは、前記ユーザ用通信端末機に対して、前記広告型リサーチサイトのみの限定表示を解除すると共に、前記管理サーバを介してインターネット・プロバイダ・サーバをインターネット接続させることによりユーザが所望するポータルサイトの表示を許可する許可管理ステップと、
前記管理サーバに送信された前記リサーチ結果を前記管理サーバが広告出稿者用通信端末機に送信する送信管理ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする広告配信プログラム。
【請求項2】
前記インターネット接続開始動作の有無は、前記管理サーバのみにインターネット接続させる管理サーバ接続専用携帯無線モデムが前記ユーザ用通信端末機に接続されたか否かを前記ユーザ用通信端末機が検知することにより判断される
ことを特徴とする請求項1に記載の広告配信プログラム。
【請求項3】
前記広告型リサーチサイトに係る前記マーケティングリサーチは、1つの質問及び複数の回答肢により構成されており、
前記リサーチ結果の回答動作は、前記複数の回答肢に対する1回のみの選択動作である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の広告配信プログラム。
【請求項4】
前記許可管理ステップにおいて、前記リサーチ結果の送信後から前記ポータルサイトの表示前までの間に、前記広告型リサーチサイトに関する広告サイトに誘導する誘導サイトを、所定の時間だけ前記ユーザ用通信端末機に表示する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の広告配信プログラム。
【請求項5】
前記管理サーバは、前記リサーチ結果を広告管理者用通信端末機に送信し、
前記広告管理者用通信端末機は、前記リサーチ結果を集計及び分析して得たリサーチ集計結果を広告出稿者用通信端末機に送信する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の広告配信プログラム。
【請求項6】
前記ユーザIDは、前記ユーザ用通信端末機に付与されたユーザ用固定IPアドレス又はそれを含んだものであり、
前記管理サーバは、前記管理サーバに付与された管理サーバ用固定IPアドレスに前記ユーザ用通信端末機がアクセスしたことにより前記インターネット接続開始動作及び前記ユーザ用固定IPアドレスを検知すると共に、前記ユーザ用固定IPアドレスが前記管理サーバへのアクセスを許可されたIPアドレスであるか否かにより、前記管理対象IDか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の広告配信プログラム。
【請求項7】
前記ユーザ用固定IPアドレス及び前記管理サーバ用固定IPアドレスは、前記ユーザ用通信端末機の管理下で実行するデータ通信用ユーティリティソフトの設定機能に基づき、前記ユーザ用通信端末機に設定されている
ことを特徴とする請求項6に記載の広告配信プログラム。
【請求項8】
前記管理サーバは、前記ユーザ用通信端末機に表示させた前記所望のポータルサイトを特定する情報をサイト視聴行動データとして収集するインターネット・オーディエンス測定を行う
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の広告配信プログラム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の広告配信プログラムに基づいて、管理サーバからユーザ用通信端末機及び広告管理者用通信端末機に対してインターネットを介して広告配信サービス及びマーケティングリサーチサービスを提供する
ことを特徴とする広告配信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−97077(P2013−97077A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−238083(P2011−238083)
【出願日】平成23年10月30日(2011.10.30)
【出願人】(511263758)有限会社ドット・プランニング (1)