説明

広告配信装置及びその方法

【課題】事前手続きは不要だが来訪者数が制限されたイベントに関し、会場の収容能力の範囲で多くの人数を集められ得る広告配信装置及びその方法を提供する。
【解決手段】広告配信装置1は、予定情報が記憶されるカレンダーデータベース21と、イベントに参加可能な人数とイベント広告とが記憶されるイベントデータベース22と、端末2から受信した参加予定のイベントを予定情報としてカレンダーデータベース21に記憶する参加予定イベント記憶部13と、カレンダーデータベース21を繰り返し参照して上記イベントに参加する予定がカレンダーデータベース21に記憶されているユーザの数を集計する参加ユーザ数集計部14と、その集計されたユーザの数と上記イベントに参加可能な人数とを繰り返し比較し、上記イベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定部15と、この判定の結果に基づきイベント広告を配信する広告配信部16とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イベント広告を複数の端末に配信する広告配信装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来よりイベント広告を複数の端末に配信する広告配信装置が知られている。この分野においては、顧客のニーズに合致するイベントを円滑に提供するための種々の装置が提案されている。
【0003】
例えば、イベント情報配信要求信号を受信すると、この信号を送信したユーザ端末の表示部に、イベント情報登録者がユーザに対して訴求したい広告に該当するイベント情報と多数のユーザが興味を持っているイベント情報とを交互に表示させるためのイベント情報表示用データを作成して送信するイベント情報配信装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の発明よると、顧客のニーズに合致するイベントを円滑に提供することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−058854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、当該イベントが事前手続きを必要としないものである場合、そのイベントに来訪する人数を事前に把握することができず、会場の収容能力等のために来訪者数が制限されているにもかかわらず、その制限された数よりも多くの来訪者が訪れることが懸念される。特に、イベントの期間が短期間である場合、実際の来訪者数に基づいて後から広告配信数を制限しても制限された数を超える来訪者が訪れることになるため、できる限り事前に広告配信数を適正に制御する必要がある。
【0006】
本発明は、事前手続きを必要としないが、会場の収容能力等のために来訪者数が制限されているイベントに関して、会場の収容能力の範囲内でできるだけ多くの人数を集められ得る広告配信装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0008】
(1) ユーザの予定情報に基づいてイベント広告を複数の端末に配信する広告配信装置であって、ユーザの予定情報が前記ユーザを識別するユーザ識別情報に関連づけて記憶されるカレンダーデータベースと、イベントを識別するイベント識別情報に関連づけて、このイベントに参加可能な人数と前記イベントを宣伝するイベント広告とがイベント情報として記憶されるイベントデータベースと、前記ユーザの端末からの要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成して前記ユーザの端末に送信するカレンダー画面送信手段と、前記ユーザの端末に表示されたカレンダー上で前記予定情報の入力を受け付ける画面を前記ユーザの端末に送信する予定入力画面送信手段と、前記ユーザが参加する予定のイベントを示す参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を前記予定情報として前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶する参加予定イベント記憶手段と、前記カレンダーデータベースを繰り返し参照して、前記イベントデータベースに記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が、前記参加予定イベント識別情報として前記カレンダーデータベースに記憶されている前記ユーザの数を集計する参加ユーザ数集計手段と、前記参加ユーザ数集計手段により集計された前記ユーザの数と前記イベントデータベースに記憶されたイベントのうち前記参加ユーザ数集計手段による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝する前記イベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定手段と、前記広告配信判定手段による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を前記複数の端末に配信する広告配信手段とを有する広告配信装置。
【0009】
(1)に記載の発明によれば、参加ユーザ数集計手段は、カレンダーデータベースを繰り返し参照して、イベントデータベースに記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が参加予定イベント識別情報としてカレンダーデータベースに記憶されているユーザの数を集計し、広告配信判定手段は、この参加ユーザ数集計手段により集計されたユーザの数とイベントデータベースに記憶されたイベントのうち参加ユーザ数集計手段による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝するイベント広告の配信の制限又は終了を判定する。そして、広告配信手段は、広告配信判定手段による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を複数の端末に配信する。このようにすることで、広告配信判定手段は、参加ユーザ数集計手段により集計された数と参加ユーザ数集計手段による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数との比較の結果によって、上記集計の対象となったイベントを宣伝するイベント広告を配信するか否かの判定結果を変えるため、イベントに関して、会場の収容能力の範囲内で受け入れ可能と見込まれる場合にはイベント広告を配信し、会場の収容能力の限界に達すると見込まれる場合には当該広告の配信を制限することが可能である。その結果、上記イベントが事前手続きを必要としないが、会場の収容能力等のために来訪者数が制限されている場合であっても、会場の収容能力の範囲内でできるだけ多くの人数を集められ得る広告配信装置を提供することができる。
【0010】
(2) (1)に記載の広告配信装置であって、前記イベントデータベースには、前記イベントを開催する時間が前記イベントを開催する日ごとに前記イベント識別情報に関連付けて記憶され、前記カレンダーデータベースには、前記ユーザが参加する予定の日付及び時間が前記参加予定イベント識別情報に関連付けて記憶され、前記広告配信判定手段は、前記参加ユーザ数集計手段により集計された前記ユーザの数と前記参加可能人数との比較を、所定の時間ごとに区切って行う広告配信装置。
【0011】
(2)に記載の発明によれば、時間による来訪者数のばらつきを抑えることができるので、会場の収容能力の範囲内でさらに多くの人数を集められ得る広告配信装置を提供することができる。
【0012】
(3) 広告配信装置が、ユーザの予定情報に基づいてイベント広告を複数の端末に配信する広告配信方法であって、前記広告配信装置は、予定情報を入力したユーザの端末に当該予定情報をカレンダー表示させるために、前記予定情報が前記ユーザを識別するユーザ識別情報に関連づけて記憶されるカレンダーデータベースと、イベントを識別するイベント識別情報に関連づけて、このイベントに参加可能な人数と前記イベントを宣伝するイベント広告とがイベント情報として記憶されるイベントデータベースと、を有し、前記ユーザの端末からの要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成して前記ユーザの端末に送信するカレンダー画面送信工程と、前記ユーザの端末に表示されたカレンダー上で前記予定情報の入力を受け付ける画面を前記ユーザの端末に送信する予定入力画面送信工程と、前記ユーザの端末から前記ユーザが参加する予定のイベントを示す参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を前記予定情報として前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶する参加予定イベント記憶工程と、前記カレンダーデータベースを繰り返し参照して、前記イベントデータベースに記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が、前記参加予定イベント識別情報として前記カレンダーデータベースに記憶されている前記ユーザの数を集計する参加ユーザ数集計工程と、前記参加ユーザ数集計工程で集計した前記ユーザの数と前記イベントデータベースに記憶されたイベントのうち前記参加ユーザ数集計工程での集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝する前記イベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定工程と、前記広告配信判定工程での判定の結果にしたがって、そのイベント広告を前記複数の端末に配信する広告配信工程とを実行する方法。
【0013】
(3)に記載の方法によれば、当該方法に係る発明を実施することにより、(1)と同様の効果が期待できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、事前手続きを必要としないが、会場の収容能力等のために来訪者数が制限されているイベントに関して、会場の収容能力の範囲内でできるだけ多くの人数を集められ得る広告配信装置及びその方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る広告配信装置1を説明するための全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るカレンダーデータベース21を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るイベントデータベース22を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る必要設備データベース23を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る広告配信装置1による広告配信タスクのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[全体構成]
本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る広告配信装置1を説明するための全体構成を示す図である。広告配信装置1は、この広告配信装置1に係る各機能を統括的に制御する制御部10と、この制御部10の動作に必要な情報等が記憶される記憶部20とを備え、イベント広告を複数の端末2に配信する。
【0017】
まず、記憶部20の構成について説明する。記憶部20は、カレンダーデータベース21とイベントデータベース22とを備える。カレンダーデータベース21には、予定情報を入力したユーザの端末2に当該予定情報をカレンダー表示させるために、予定情報がユーザを識別するユーザ識別情報に関連づけて記憶される。イベントデータベース22には、イベントを識別するイベント識別情報に関連づけて、このイベントに参加可能な人数と、イベントを宣伝するイベント広告とがイベント情報として記憶される。
【0018】
なお、時間による来訪者数のばらつきを抑えるため、カレンダーデータベース21には、ユーザが参加する予定の日付及び時間が参加予定イベント識別情報に関連付けて記憶され、イベントデータベース22には、イベントを開催する時間がイベントを開催する日ごとにイベント識別情報に関連付けて記憶されることが好ましい。
【0019】
カレンダーデータベース21は、図2に例示される。カレンダーデータベース21には、例えばYahoo!カレンダーを初めとした、インターネットサービス提供会社が提供する予定入力サービスを利用した端末2から送信される種々の情報が記憶される。カレンダーデータベース21は、予定を入力した端末2のユーザを識別する「ユーザID」フィールドと、ユーザが予定として登録した日時を示す「日時」フィールドと、この日時における行動を示す「行動」フィールドと、その行動の詳細を示す「詳細」フィールドとを有する。
【0020】
イベントデータベース22は、図3に例示される。イベントデータベース22は、イベントを識別するための「イベント」フィールドと、そのイベントの開催日を示す「開催日」フィールドと、この開催日での開催時刻を示す「開催時刻」フィールドと、このイベントに参加可能な人数を示す「参加可能人数」フィールドと、このイベントに関連する単語を示す「イベント関連ワード」フィールドと、このイベントを宣伝する「イベント広告」フィールドと、このイベントの会場を示す「会場」フィールドと、この会場での設備を示す「会場設備」フィールドとを有する。
【0021】
図1に戻り、制御部10は、ユーザの端末2からの要求を受け付けたことに応じて、ユーザIDに関連付けてカレンダーデータベース21に記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成してユーザの端末2に送信するカレンダー画面送信部11を備える。カレンダー画面送信部11は、カレンダー画面送信手段として機能する。
【0022】
また制御部10は、ユーザの端末2に表示されたカレンダー上で予定情報の入力を受け付ける画面をユーザの端末2に送信する予定入力画面送信部12を備える。予定入力画面送信部12は、予定入力画面送信手段として機能する。
【0023】
また、制御部10は、ユーザの端末2から、ユーザが参加する予定のイベントを示す参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を予定情報としてユーザ識別情報に関連付けてカレンダーデータベース21に記憶する参加予定イベント記憶部13を備える。この参加予定イベント記憶部13は、参加予定イベント記憶手段として機能する。
【0024】
また、制御部10は、カレンダーデータベース21を繰り返し参照して、イベントデータベース22に記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が、参加予定イベント識別情報としてカレンダーデータベース21に記憶されているユーザの数を集計する参加ユーザ数集計部14を備える。この参加ユーザ数集計部14は、参加ユーザ数集計手段として機能する。
【0025】
参加ユーザ数集計部14は、まず、イベントデータベース22に記憶されたイベント識別情報が示すイベントを順次抽出する。図3の場合を例にすると、参加ユーザ数集計部14は、まず、イベントデータベース22に記憶されたイベント識別情報が示すイベントとして「大つけ麺展」を抽出する。そして、参加ユーザ数集計部14は、カレンダーデータベース21を繰り返し参照して、イベント「大つけ麺展」に参加する予定が参加予定イベント識別情報としてカレンダーデータベース21に記憶されているユーザの数を集計する。図2及び図3の場合を例にすると、参加ユーザ数集計部14は、カレンダーデータベース21を参照し、「行動」フィールド及び「詳細」フィールドに入力された文字列のうち、イベントデータベース22のイベント関連ワード「大つけ麺展 虎ノ門シティ ○○軒 ××庵・・・」のいずれかを含む文字列を検索し、この文字列を入力したユーザの数を集計する。図2及び図3の場合、ユーザID「001」に対応するユーザは、「行動」フィールドに「大つけ麺展」と入力し、ユーザID「002」に対応するユーザは、「詳細」フィールドに「大つけ麺展」と入力している。そのため、参加ユーザ数集計部14は、これらのユーザID「001」及び「002」に対応するユーザを含めてユーザの数を集計する。以下では、イベント「大つけ麺展」に参加するユーザの数として参加ユーザ数集計部14が「7,000」と集計したものとして説明する。
【0026】
また、制御部10は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数と、イベントデータベース22に記憶されたイベントのうち参加ユーザ数集計部14による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝するイベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定部15を備える。この広告配信判定部15は、広告配信判定手段として機能する。
【0027】
イベント「大つけ麺展」について説明すると、イベント「大つけ麺展」に参加するユーザの数として参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数は「7,000」である。また、イベント「大つけ麺展」の開催日時が3月10日11:00〜18:00の場合についてみると、イベントデータベース22に記憶されたイベントのうち参加ユーザ数集計部14による集計の対象となったイベント「大つけ麺展」に参加可能な参加可能人数は、「10,000」である。この場合、広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数「7,000」と、当該イベントに参加可能な参加可能人数「10,000」とを比較して、当該イベントを宣伝するイベント広告の配信の制限又は終了を判定する。
【0028】
この判定は、任意の態様で行うことができる。例えば、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数が参加可能人数を超えた場合にイベント広告の配信を終了させてもよいし、全てのユーザが予定入力サービスを利用するとは限らないことを踏まえ、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数が、参加可能人数に所定の割合(例えば、75%)を乗じた数を超えた場合にイベント広告の配信を終了させるようにしてもよい。また、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数が、参加可能人数に特定の割合(例えば、50%)を乗じた数を超えた場合は、予め登録されたユーザ情報(住所、嗜好等)に基づいてイベント広告を配信する対象を制限し、参加可能人数に所定の割合(例えば、75%)を乗じた数を超えた場合は、イベント広告の配信を終了するようにしてもよい。以下では、イベント「大つけ麺展」に参加するユーザの数として参加ユーザ数集計部14が集計した数「7,000」は、参加可能人数「10,000」に所定の割合である75%を乗じた数を超えていないことから、広告配信判定部15は、イベント広告の配信を終了しないと判定したものとして説明する。
【0029】
また、制御部10は、広告配信判定部15による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を複数の端末2に配信する広告配信部16を備える。この広告配信部16は、広告配信手段として機能する。
【0030】
イベント「大つけ麺展」に関し、広告配信判定部15は、イベント広告の配信を終了しないと判定している。この場合、広告配信部16は、イベントデータベース22の「イベント広告」フィールドに関連づけられた「大つけ麺展広告画像」を複数の端末2に配信する。
【0031】
なお、時間による来訪者数のばらつきを抑えるため、上記の広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数と参加可能人数との比較を、所定の時間ごとに区切って行うことが好ましい。例えば、イベント「大つけ麺展」を例にすると、3月10日の11:00〜13:00、13:00〜15:00等、同じ開催日であっても、それをさらに一定時間ごとに区切ることが好ましい。
【0032】
また、イベントに多数の来場者が訪れそうな場合に、イベントの会場となる場所の設備では不足すると見込まれる設備を予め補充するため、記憶部20は、当該イベントにおいて必要となる設備の種類及び数がそのイベントに参加する人数に応じて必要設備情報として記憶される必要設備データベース23をさらに備え、制御部10は、会場設備情報と、必要設備データベース23に記憶される必要設備情報とを比較し、イベント会場では不足する設備の種類及び数を、広告配信装置1と通信ネットワークを介して接続された管理端末3に表示させる不足設備表示部17を備えることが好ましい。
【0033】
必要設備データベース23は、図4に例示される。必要設備データベース23には、イベントを識別する「イベント」フィールドと、このイベントに参加する人数を示す「参加人数」フィールドと、この参加人数でイベントを開催する場合に必要となる設備を示す「必要設備」フィールドとを有する。
【0034】
イベント「大つけ麺展」について説明すると、不足設備表示部17は、イベントデータベース22の「会場設備」フィールドに記憶された会場設備情報である「椅子5,000、テーブル1,500、男トイレ70、女トイレ70」と、必要設備データベース23の「必要設備」フィールドに記憶される、イベント「大つけ麺展」の参加人数「5,000〜7,500」の場合に対応する「椅子8,000、テーブル2,500、男トイレ80、女トイレ80」とを比較する。そして、不足設備表示部17は、イベント会場では不足すると予想される椅子3000脚、テーブル1,000台及び仮設トイレ20器を管理端末3に表示させる。なお、不足設備表示部17が必要設備データベース23を参照する際、全てのユーザが予定入力サービスを利用するとは限らないことを踏まえ、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数に所定の割合(例えば、30%)を上乗せした数を必要設備データベース23の「参加人数」フィールドに当て嵌めるようにしてもよい。
【0035】
[本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成]
本実施形態のハードウェア及びソフトウェアの構成について説明する。広告配信装置1のハードウェアには、制御装置(制御部)としてのCPUの他、記憶装置(記憶部)、通信装置(通信部)、表示装置(表示部)及び入力装置(入力部)が含まれる。記憶装置(記憶部)としては、例えば、メモリ(RAM、ROM等)、ハードディスクドライブ(HDD)又は光ディスク(CD、DVD等)ドライブ等が挙げられる。通信装置(通信部)としては、例えば、各種有線又は無線インターフェース装置等が挙げられる。表示装置(表示部)としては、例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の各種ディスプレイが挙げられる。入力装置(入力部)としては、例えば、キーボード、ポインティング・デバイス(マウス等)又はリモコン装置等が挙げられる。
【0036】
広告配信装置1のソフトウェアには、上記ハードウェアを制御するプログラムやデータが含まれる。プログラムやデータは、記憶装置(記憶部)により記憶され、制御装置(制御部)により適宜実行、参照される。また、コンピュータ・プログラムやデータは、電磁的方法により配布することも可能であり、CD−ROM等のコンピュータ可読媒体に記録して配布することも可能である。
【0037】
[フローチャート]
図5は、本実施形態に係る広告配信装置1による広告配信タスクのフローチャートである。
【0038】
広告配信タスクの前段階として、カレンダー画面送信部11はカレンダー画面送信処理を実行し、予定入力画面送信部12は予定入力画面送信処理を実行し、参加予定イベント記憶部13は参加予定イベント記憶処理を実行する。カレンダー画面送信処理では、カレンダー画面送信部11は、ユーザの端末2からの要求を受け付けたことに応じて、ユーザIDに関連付けてカレンダーデータベース21に記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成してユーザの端末2に送信する処理を実行する。予定入力画面送信処理では、予定入力画面送信部12は、ユーザの端末2に表示されたカレンダー上で予定情報の入力を受け付ける画面をユーザの端末2に送信する。また、参加予定イベント記憶処理では、参加予定イベント記憶部13は、ユーザの端末2から上記参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を予定情報としてユーザ識別情報に関連付けてカレンダーデータベース21に記憶する処理を実行する。
【0039】
続いて、広告配信タスクについて説明すると、まず、参加ユーザ数集計部14は、参加ユーザ数集計処理を実行する(S1)。この処理では、参加ユーザ数集計部14は、カレンダーデータベース21を繰り返し参照して、イベントデータベース22に記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が参加予定イベント識別情報としてカレンダーデータベース21に記憶されているユーザの数を集計する。
【0040】
次に、広告配信判定部15は、広告配信判定処理を実行する(S2)。この処理では、広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数とイベントデータベース22に記憶されたイベントのうち参加ユーザ数集計部14による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝するイベント広告の配信の制限又は終了を判定する。なお、時間による来訪者数のばらつきを抑えるため、広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数と参加可能人数との比較を、所定の時間ごとに区切って行うことが好ましい。
【0041】
次に、広告配信部16は、広告配信処理を実行する(S3)。この処理では、広告配信判定部15による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を複数の端末2に配信する。
【0042】
上記の処理を終えると、制御部10は、一連の処理を終了する。
【0043】
なお、イベントに多数の来場者が訪れそうな場合に、イベントの会場となる場所の設備では不足すると見込まれる設備を予め補充するため、広告配信タスクとは別に不足設備表示タスクも実行することが好ましい。このタスクでは、不足設備表示部17は、イベントデータベース22の「会場設備」フィールドに関連づけられた会場設備情報と、必要設備データベース23の「必要設備」フィールドに関連づけられた必要設備情報とを比較し、イベントの会場では不足する設備の種類及び数を、広告配信装置1と通信ネットワークを介して接続された管理端末3に表示させる処理を実行する。
【0044】
本実施形態に記載の発明によると、参加ユーザ数集計部14は、カレンダーデータベース21を繰り返し参照して、イベントデータベース22に記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が参加予定イベント識別情報としてカレンダーデータベース21に記憶されているユーザの数を集計し、広告配信判定部15は、この参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数とイベントデータベース22に記憶されたイベントのうち参加ユーザ数集計部14による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝するイベント広告の配信の制限又は終了を判定する。そして、広告配信部16は、広告配信判定部15による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を複数の端末2に配信する。このようにすることで、広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計された数と、参加ユーザ数集計部14による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数との比較の結果によって、上記集計の対象となったイベントを宣伝するイベント広告を配信するか否かの判定結果を変えるため、イベントに関して、会場の収容能力の範囲内で受け入れ可能と見込まれる場合にはイベント広告を配信し、会場の収容能力の限界に達すると見込まれる場合には当該広告の配信を制限することが可能である。その結果、上記イベントが事前手続きを必要としないが、会場の収容能力等のために来訪者数が制限されている場合であっても、会場の収容能力の範囲内でできるだけ多くの人数を集められ得る広告配信装置1を提供することができる。
【0045】
また、本実施形態に記載の発明によると、カレンダーデータベース21には、ユーザが参加する予定の日付及び時間が参加予定イベント識別情報に関連付けて記憶され、イベントデータベース22には、イベントを開催する時間がイベントを開催する日ごとにイベント識別情報に関連付けて記憶され、広告配信判定部15は、参加ユーザ数集計部14により集計されたユーザの数と参加可能人数との比較を、所定の時間ごとに区切って行う。そのため、時間による来訪者数のばらつきを抑えることができるので、会場の収容能力の範囲内でさらに多くの人数を集められ得る広告配信装置1を提供することができる。
【0046】
なお、本実施形態に記載された効果は、いずれも、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0047】
1 広告配信装置
2 端末
10 制御部
11 カレンダー画面送信部
12 予定入力画面送信部
13 参加予定イベント記憶部
14 参加ユーザ数集計部
15 広告配信判定部
16 広告配信部
20 記憶部
21 カレンダーデータベース
22 イベントデータベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの予定情報に基づいてイベント広告を複数の端末に配信する広告配信装置であって、
ユーザの予定情報が前記ユーザを識別するユーザ識別情報に関連づけて記憶されるカレンダーデータベースと、
イベントを識別するイベント識別情報に関連づけて、このイベントに参加可能な人数と前記イベントを宣伝するイベント広告とがイベント情報として記憶されるイベントデータベースと、
前記ユーザの端末からの要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成して前記ユーザの端末に送信するカレンダー画面送信手段と、
前記ユーザの端末に表示されたカレンダー上で前記予定情報の入力を受け付ける画面を前記ユーザの端末に送信する予定入力画面送信手段と、
前記ユーザの端末から、前記ユーザが参加する予定のイベントを示す参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を前記予定情報として前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶する参加予定イベント記憶手段と、
前記カレンダーデータベースを繰り返し参照して、前記イベントデータベースに記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が、前記参加予定イベント識別情報として前記カレンダーデータベースに記憶されている前記ユーザの数を集計する参加ユーザ数集計手段と、
前記参加ユーザ数集計手段により集計された前記ユーザの数と前記イベントデータベースに記憶されたイベントのうち前記参加ユーザ数集計手段による集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝する前記イベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定手段と、
前記広告配信判定手段による判定の結果にしたがって、そのイベント広告を前記複数の端末に配信する広告配信手段とを有する広告配信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の広告配信装置であって、
前記イベントデータベースには、前記イベントを開催する時間が前記イベントを開催する日ごとに前記イベント識別情報に関連付けて記憶され、
前記カレンダーデータベースには、前記ユーザが参加する予定の日付及び時間が前記参加予定イベント識別情報に関連付けて記憶され、
前記広告配信判定手段は、前記参加ユーザ数集計手段により集計された前記ユーザの数と前記参加可能人数との比較を、所定の時間ごとに区切って行う広告配信装置。
【請求項3】
広告配信装置が、ユーザの予定情報に基づいてイベント広告を複数の端末に配信する広告配信方法であって、
前記広告配信装置は、
ユーザの予定情報が前記ユーザを識別するユーザ識別情報に関連づけて記憶されるカレンダーデータベースと、
イベントを識別するイベント識別情報に関連づけて、このイベントに参加可能な人数と前記イベントを宣伝するイベント広告とがイベント情報として記憶されるイベントデータベースと、を有し、
前記ユーザの端末からの要求を受け付けたことに応じて、前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶された予定情報を読み出して、読み出した当該予定情報に基づいてカレンダー画面を生成して前記ユーザの端末に送信するカレンダー画面送信工程と、
前記ユーザの端末に表示されたカレンダー上で前記予定情報の入力を受け付ける画面を前記ユーザの端末に送信する予定入力画面送信工程と、
前記ユーザの端末から前記ユーザが参加する予定のイベントを示す参加予定イベント識別情報を受信したことに応じて、当該参加予定イベント識別情報を前記予定情報として前記ユーザ識別情報に関連付けて前記カレンダーデータベースに記憶する参加予定イベント記憶工程と、
前記カレンダーデータベースを繰り返し参照して、前記イベントデータベースに記憶されたイベント識別情報が示すイベントに参加する予定が、前記参加予定イベント識別情報として前記カレンダーデータベースに記憶されている前記ユーザの数を集計する参加ユーザ数集計工程と、
前記参加ユーザ数集計工程で集計した前記ユーザの数と前記イベントデータベースに記憶されたイベントのうち前記参加ユーザ数集計工程での集計の対象となったイベントに参加可能な参加可能人数とを繰り返し比較することにより、当該イベントを宣伝する前記イベント広告の配信の制限又は終了を判定する広告配信判定工程と、
前記広告配信判定工程での判定の結果にしたがって、そのイベント広告を前記複数の端末に配信する広告配信工程とを実行する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−198665(P2012−198665A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61403(P2011−61403)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)