説明

広域施設管理システムおよび広域施設管理方法

【課題】短時間に警報が多数発生した場合であっても、適切に対応する。
【解決手段】広域施設管理システムは、警報監視端末1と、広域施設管理装置2とを有する。警報監視端末1は、監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知する警報通知手段を備える。広域施設管理装置2は、警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定手段と、通知/非通知設定情報を記憶する記憶手段と、チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を警報監視端末1から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを通知/非通知設定情報に基づいて判定し、通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知する警報通知フィルタリング手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備機器の警報、状態を遠隔地の広域施設管理装置で一元管理する広域施設管理システムおよび広域施設管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の施設の設備機器の警報、状態を遠隔地のオペレーションセンターで一元管理する広域施設管理システムでは、管理対象の設備機器の情報を通信回線を介して収集し、一元管理するようにしている。このとき、管理対象の設備機器で警報が発生すると、オペレータは、あらかじめ顧客との間で取り決めた処置手順に従って一次対応を実施するようにしている。
【0003】
通常、警報の発生頻度は、オペレータが対応できる数である。しかしながら、例えば地震が発生した場合は、管理対象の施設内に設置されているタンク内の水が揺れることから、一時的に満減水警報などの警報が多発する状態(チャタリング)となる。このように、警報が一時的に多発した場合、オペレータは、本当に対応が必要な警報かどうかを判断し、対応が必要と判断した警報を優先して処理するようにしている(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3494932号公報
【特許文献2】特開2001−331571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の広域施設管理システムでは、発生した警報をリアルタイムで受信するため、例えば大規模な地震等により複数の施設で同時に警報が多発した場合、オペレータは対応が必要な警報かどうかを判断することが難しくなり、処置のし忘れや対応の遅れが発生してしまう可能性があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、短時間に警報が多数発生した場合であっても、適切に対応することができる広域施設管理システムおよび広域施設管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の広域施設管理システムは、設備機器の警報を監視する警報監視端末と、この警報監視端末から情報を収集して設備機器の状態を一元管理する広域施設管理装置とを有し、前記警報監視端末は、監視ポイントの警報を前記広域施設管理装置に通知する警報通知手段と、警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに、前記警報の通知/非通知判定処理を行うチャタリングモードをオンにし、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたときに、前記チャタリングモードをオフにする動作モード変更手段と、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された場合に、前記チャタリングモードがオンになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング開始通知手段と、前記チャタリングモードがオンからオフに変更された場合に、前記チャタリングモードがオフになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング終了通知手段とを備え、前記広域施設管理装置は、前記チャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定手段と、前記通知/非通知設定情報を記憶する記憶手段と、前記チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を前記警報監視端末から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを前記通知/非通知設定情報に基づいて判定し、前記通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知する警報通知フィルタリング手段とを備え、前記警報通知フィルタリング手段は、前記チャタリングモードがオンのときのみ、前記警報の通知/非通知判定処理を行うことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明の広域施設管理方法は、設備機器の警報を監視する警報監視端末が、監視ポイントの警報を広域施設管理装置に通知する警報通知手順と、前記広域施設管理装置が、警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定手順と、前記広域施設管理装置が、前記チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を前記警報監視端末から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを前記通知/非通知設定情報に基づいて判定し、前記通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知する警報通知フィルタリング手順と、前記警報監視端末が、前記チャタリングが発生したときに、前記警報の通知/非通知判定処理を行うチャタリングモードをオンにし、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたときに、前記チャタリングモードをオフにする動作モード変更手順と、前記警報監視端末が、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された場合に、前記チャタリングモードがオンになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング開始通知手順と、前記警報監視端末が、前記チャタリングモードがオンからオフに変更された場合に、前記チャタリングモードがオフになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング終了通知手順とを含み、前記警報通知フィルタリング手順は、前記チャタリングモードがオンのときのみ、前記警報の通知/非通知判定処理を行うことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、チャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に広域施設管理装置に予め設定しておき、チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を警報監視端末から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを通知/非通知設定情報に基づいて判定し、通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知するようにしたので、オペレータへの警報通知を削減することができるので、広域施設管理装置のオペレータにとっては、大量の警報の中から本当に対応が必要な警報を選別する手間を削減することができ、対応が必要な警報についての処置を迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の参考例に係る広域施設管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の参考例に係る広域施設管理システムの警報監視端末の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の参考例に係る広域施設管理システムの広域施設管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の参考例に係る広域施設管理システムの警報監視端末の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の参考例に係る広域施設管理システムの広域施設管理装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の参考例におけるチャタリングポイント設定画面の例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る広域施設管理システムの警報監視端末の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る広域施設管理システムの広域施設管理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る広域施設管理システムの警報監視端末の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態に係る広域施設管理システムの広域施設管理装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[参考例]
以下、本発明の参考例について図面を参照して説明する。図1は本発明の参考例に係る広域施設管理システムの構成を示すブロック図である。
広域施設管理システムは、施設毎に設置され、施設内の設備機器4の警報を監視する警報監視端末1と、各警報監視端末1から情報を収集して各施設の設備機器4の状態を遠隔地で一元管理する広域施設管理装置2と、警報監視端末1と広域施設管理装置2とを接続するネットワーク3とから構成される。
【0012】
図2は警報監視端末1の構成を示すブロック図、図3は広域施設管理装置2の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、警報監視端末1は、管理対象の施設内の設備機器4から状態情報や警報等の情報を収集する情報収集部10と、記憶部11と、警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定部12と、チャタリングの発生を検知するチャタリング発生検知部13と、チャタリングが発生したときに、警報の通知/非通知判定処理を行うチャタリングモードをオンにし、チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたときに、チャタリングモードをオフにする動作モード変更部14と、広域施設管理装置2に警報を通知する警報通知部15と、チャタリングモードがオフからオンに変更された場合に、チャタリングモードがオンになったことを広域施設管理装置2に通知するチャタリング開始通知部16と、チャタリングモードがオンからオフに変更された場合に、チャタリングモードがオフになったことを広域施設管理装置2に通知するチャタリング終了通知部17と、液晶ディスプレイ等の表示部18と、マウスやキーボード等の入力部19とを有する。警報通知部15は、警報通知フィルタリング手段を構成している。
【0013】
図3に示すように、広域施設管理装置2は、ネットワーク3を介して警報監視端末1からの情報を受信する受信部20と、ネットワーク3を介して警報監視端末1へ情報を送信する送信部21と、記憶部22と、広域施設管理装置全体を制御する制御部23と、液晶ディスプレイ等の表示部24と、マウスやキーボード等の入力部25とを有する。制御部23は、警報通知手段を構成している。
【0014】
以下、本参考例の広域施設管理システムの動作について説明する。図4は警報監視端末1の動作を示すフローチャート、図5は広域施設管理装置2の動作を示すフローチャートである。
施設内の各設備機器4には、それぞれ複数の監視ポイントが存在する。例えば、設備機器4が空調装置の場合には、監視ポイントとして室温、風量などがある。
【0015】
警報監視端末1のオペレータは、管理対象の施設内の各設備機器4の監視ポイントについて、チャタリングが発生した場合に監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知するかどうかを監視ポイント毎にあらかじめ設定できるようになっている。
【0016】
チャタリングポイント設定画面の例を図6に示す。警報監視端末1の表示部18に表示されたチャタリングポイント設定画面60において、オペレータは、ポイントアドレス欄61に監視ポイントのアドレスを入力し、ビル名称欄62に施設の名称を入力し、登録者欄63に自身の名前を入力し、「メッセージを通知しない」と記載されたチェックボックス64にチェックを入れた上で、登録ボタン65を入力部19のマウスでクリックすると、当該監視ポイントを警報発生・復帰非通知ポイントとして設定することができる。
【0017】
フィルタポイント設定部12は、監視ポイントアドレスと、施設名称と、登録者名と、監視ポイントにチャタリングが発生した場合に監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知するか否かを示す通知/非通知設定情報とを対応付けて記憶部11に格納する。オペレータがチェックボックス64にチェックを入れた場合には、通知/非通知設定情報は、「非通知」を示す値に設定される。なお、初期状態では、各監視ポイント毎の通知/非通知設定情報は、「通知」を示す値に設定されている。
【0018】
警報監視端末1の情報収集部10は、管理対象の施設内の各設備機器4から状態情報や警報等の情報を収集する。情報収集部10が収集した情報は、記憶部11に格納される。
チャタリング発生検知部13は、情報収集部10が収集した情報に基づき、各設備機器4の監視ポイントにチャタリングが発生したかどうかを判定する(図4ステップS100)。
【0019】
チャタリング発生検知部13は、ある監視ポイントについて、一定時間内に所定回数以上の警報が発生した場合、この監視ポイントにチャタリングが発生したと判定する。
動作モード変更部14は、監視ポイントにチャタリングが発生したと判定された場合(ステップS100においてYES)、チャタリングモードを変更する(ステップS101)。初期状態では、チャタリングモードはオフになっている。そこで、動作モード変更部14は、チャタリングモードをオフからオンに変更する。
【0020】
チャタリング開始通知部16は、チャタリングモードがオフからオンに変更された場合(ステップS102)、チャタリングモードがオンになったことを広域施設管理装置2に通知するチャタリング開始通知を行い(ステップS103)、また警報監視端末1の表示部18にチャタリングモードがオンになったことを表示させる(ステップS104)。そして、チャタリング開始通知部16は、チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間の測定を開始する(ステップS105)。
【0021】
広域施設管理装置2の制御部23は、受信部20が警報監視端末1からのチャタリング開始通知を受信すると(図5ステップS200においてYES)、チャタリング開始通知を受信したことを送信部21を通じて警報監視端末1に知らせる(ステップS201)。警報監視端末1のチャタリング開始通知部16は、この広域施設管理装置2からの応答を受信する。また、制御部23は、広域施設管理装置2の表示部24にチャタリングモードがオンになったことを表示させる(ステップS202)。
【0022】
警報監視端末1の警報通知部15は、チャタリングモードがオンになった場合、記憶部11の通知/非通知設定情報を参照し、チャタリングが発生した監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知すべきか否かを判定する(図4ステップS106)。警報通知部15は、チャタリングが発生した監視ポイントの通知/非通知設定情報が「通知」を示す値に設定されている場合、当該監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知する(ステップS107)。警報通知部15から送られる警報情報には、施設名、設備機器名、監視ポイント名、監視ポイントアドレス、警報発生時刻などの情報が含まれる。
【0023】
広域施設管理装置2の制御部23は、受信部20が警報監視端末1からの警報情報を受信すると(図5ステップS203においてYES)、広域施設管理装置2の表示部24に警報情報を表示させる(ステップS204)。
【0024】
また、警報監視端末1の警報通知部15は、チャタリングが発生した監視ポイントの通知/非通知設定情報が「非通知」を示す値に設定されている場合、当該監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知しない(ステップS108)。
次に、チャタリング開始通知部16は、チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたかどうかを判定する(ステップS109)。チャタリング監視時間は、オペレータによる入力部19からの入力に従って監視ポイント毎にあらかじめ設定することができる。チャタリング開始時間は、地震の発生を想定しているときには例えば5分に設定し、設備の点検中は例えば60分に設定しておけばよい。このチャタリング監視時間は、記憶部11に記憶されている。
【0025】
チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間がチャタリング監視時間を超えていない場合は(ステップS109においてNO)、ステップS106に戻る。こうして、チャタリングモードがオンの間は、通知/非通知設定情報に応じた警報のフィルタリング処理が行われる。
【0026】
チャタリング開始通知部16は、チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間がチャタリング監視時間を超えた場合(ステップS109においてYES)、チャタリング監視時間が経過したことを動作モード変更部14に通知する。
この通知に応じて、動作モード変更部14は、チャタリングモードを変更する(ステップS101)。ここでは、チャタリングモードはオンになっている。そこで、動作モード変更部14は、チャタリングモードをオンからオフに変更する。
【0027】
チャタリング終了通知部17は、チャタリングモードがオンからオフに変更された場合(ステップS102)、チャタリングモードがオフになったことを広域施設管理装置2に通知するチャタリング終了通知を行い(ステップS110)、また警報監視端末1の表示部18にチャタリングモードがオフになったことを表示させる(ステップS111)。そして、チャタリング終了通知部17は、経過時間の測定を終了する(ステップS112)。
【0028】
広域施設管理装置2の制御部23は、受信部20が警報監視端末1からのチャタリング終了通知を受信すると(図5ステップS205においてYES)、チャタリング終了通知を受信したことを送信部21を通じて警報監視端末1に知らせる(ステップS206)。警報監視端末1のチャタリング終了通知部17は、この広域施設管理装置2からの応答を受信する。また、制御部23は、広域施設管理装置2の表示部24にチャタリングモードがオフになったことを表示させる(ステップS207)。
【0029】
以上、説明したように、本参考例では、チャタリングが発生したときに監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に警報監視端末1に予め設定しておき、チャタリングが発生した監視ポイントの警報を広域施設管理装置2に通知すべきか否かを通知/非通知設定情報に基づいて判定し、通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報を警報監視端末1から広域施設管理装置2に通知するようにしたので、広域施設管理装置2への警報通知を削減することができる。これにより、広域施設管理装置2のオペレータにとっては、大量の警報の中から本当に対応が必要な警報を選別する手間を削減することができ、対応が必要な警報についての処置を迅速に行うことが可能となる。
【0030】
[実施の形態]
参考例では、警報監視端末側で警報のフィルタリング処理を行っていたが、広域施設管理装置側で警報のフィルタリング処理を行うようにしてもよい。本実施の形態においても、広域施設管理システムの全体構成は参考例と同様であるので、図1の符号を用いて説明する。
【0031】
図7は本実施の形態の警報監視端末1の構成を示すブロック図、図8は本実施の形態の広域施設管理装置2の構成を示すブロック図である。
図7に示すように、警報監視端末1は、情報収集部10と、記憶部11と、チャタリング発生検知部13と、動作モード変更部14と、警報通知部15aと、チャタリング開始通知部16と、チャタリング終了通知部17と、表示部18と、入力部19とを有する。
【0032】
図8に示すように、広域施設管理装置2は、受信部20と、送信部21と、記憶部22と、制御部23aと、表示部24と、入力部25と、フィルタポイント設定部26と、警報フィルタリング処理部27とを有する。制御部23aと警報フィルタリング処理部27とは、警報通知フィルタリング手段を構成している。
【0033】
以下、本実施の形態の広域施設管理システムの動作について説明する。図9は警報監視端末1の動作を示すフローチャート、図10は広域施設管理装置2の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態では、広域施設管理装置2のオペレータは、各警報監視端末1が管理対象とする施設内の各設備機器4の監視ポイントについて、チャタリングが発生した場合に監視ポイントの警報をオペレータに通知するかどうかを監視ポイント毎にあらかじめ設定できるようになっている。
【0034】
広域施設管理装置2のフィルタポイント設定部26は、参考例のフィルタポイント設定部12と同様に、チャタリングポイント設定画面上で広域施設管理装置2のオペレータが入力した内容に基づいて、監視ポイントアドレスと、施設名称と、登録者名と、監視ポイントにチャタリングが発生した場合に監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報とを対応付けて記憶部22に格納する。
【0035】
図9のステップS100〜S105,S109〜S112の処理は、参考例と同じなので、説明は省略する。
本実施の形態の警報監視端末1の警報通知部15aは、監視ポイントの警報が発生した場合、チャタリングモードがオンかオフかに関係なく無条件で、警報を広域施設管理装置2に通知する(図9ステップS113)。
【0036】
図10のステップS200〜S202,S205〜S207の処理は、参考例と同じなので、説明は省略する。
広域施設管理装置2の警報フィルタリング処理部27は、受信部20が警報監視端末1からの警報情報を受信すると(図10ステップS203においてYES)、チャタリングモードがオンかどうかを判定する(ステップS208)。
【0037】
警報フィルタリング処理部27は、チャタリングモードがオンの場合、記憶部22の通知/非通知設定情報を参照し、受信した警報をオペレータに通知すべきか否かを判定する(ステップS209)。警報フィルタリング処理部27は、警報が発生した監視ポイントの通知/非通知設定情報が「通知」を示す値に設定されている場合、当該監視ポイントの警報をオペレータに通知すべきと判定する。この判定に応じて、広域施設管理装置2の制御部23aは、表示部24に警報情報を表示させる(ステップS210)。
【0038】
また、警報フィルタリング処理部27は、警報が発生した監視ポイントの通知/非通知設定情報が「非通知」を示す値に設定されている場合、当該監視ポイントの警報をオペレータに通知すべきでないと判定する。この判定により、制御部23aは、警報情報を表示しない(ステップS211)。
【0039】
また、警報フィルタリング処理部27は、ステップS208においてチャタリングモードがオフと判定した場合、警報のフィルタリング処理を実行しない。これにより、制御部23aは、監視ポイントの警報が発生する度に、警報情報を表示部24に表示させる(ステップS212)。
以上のようにして、本実施の形態では、参考例と同様の効果を得ることができる。
【0040】
なお、参考例および実施の形態の警報監視端末1と広域施設管理装置2の各々は、それぞれCPU、記憶装置および外部とのインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。このようなコンピュータにおいて、本発明の広域施設管理方法を実現させるためのプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供される。各々の装置のCPUは、記録媒体から読み込んだプログラムを記憶装置に書き込み、プログラムに従って参考例および実施の形態で説明した処理を実行する。
【0041】
また、参考例および実施の形態では、警報発生のみフィルタリング処理しているが、警報復帰についても同様にフィルタリング処理できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、設備機器の警報、状態を遠隔地の広域施設管理装置で一元管理する技術に適用することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…警報監視端末、2…広域施設管理装置、3…ネットワーク、4…設備機器、10…情報収集部、11…記憶部、12…フィルタポイント設定部、13…チャタリング発生検知部、14…動作モード変更部、15,15a…警報通知部、16…チャタリング開始通知部、17…チャタリング終了通知部、18…表示部、19…入力部、20…受信部、21…送信部、22…記憶部、23,23a…制御部、24…表示部、25…入力部、26…フィルタポイント設定部、27…警報フィルタリング処理部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備機器の警報を監視する警報監視端末と、
この警報監視端末から情報を収集して設備機器の状態を一元管理する広域施設管理装置とを有し、
前記警報監視端末は、
監視ポイントの警報を前記広域施設管理装置に通知する警報通知手段と、
警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに、前記警報の通知/非通知判定処理を行うチャタリングモードをオンにし、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたときに、前記チャタリングモードをオフにする動作モード変更手段と、
前記チャタリングモードがオフからオンに変更された場合に、前記チャタリングモードがオンになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング開始通知手段と、
前記チャタリングモードがオンからオフに変更された場合に、前記チャタリングモードがオフになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング終了通知手段とを備え、
前記広域施設管理装置は、
前記チャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定手段と、
前記通知/非通知設定情報を記憶する記憶手段と、
前記チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を前記警報監視端末から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを前記通知/非通知設定情報に基づいて判定し、前記通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知する警報通知フィルタリング手段とを備え、
前記警報通知フィルタリング手段は、前記チャタリングモードがオンのときのみ、前記警報の通知/非通知判定処理を行うことを特徴とする広域施設管理システム。
【請求項2】
設備機器の警報を監視する警報監視端末が、監視ポイントの警報を広域施設管理装置に通知する警報通知手順と、
前記広域施設管理装置が、警報が多発する状態であるチャタリングが発生したときに監視ポイントの警報をオペレータに通知するか否かを示す通知/非通知設定情報を、監視ポイント毎に予め設定するフィルタポイント設定手順と、
前記広域施設管理装置が、前記チャタリングが発生した監視ポイントの警報通知を前記警報監視端末から受けたときに、オペレータに通知すべきか否かを前記通知/非通知設定情報に基づいて判定し、前記通知/非通知設定情報が通知設定されている場合のみ警報発生をオペレータに通知する警報通知フィルタリング手順と、
前記警報監視端末が、前記チャタリングが発生したときに、前記警報の通知/非通知判定処理を行うチャタリングモードをオンにし、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された時点からの経過時間が所定のチャタリング監視時間を超えたときに、前記チャタリングモードをオフにする動作モード変更手順と、
前記警報監視端末が、前記チャタリングモードがオフからオンに変更された場合に、前記チャタリングモードがオンになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング開始通知手順と、
前記警報監視端末が、前記チャタリングモードがオンからオフに変更された場合に、前記チャタリングモードがオフになったことを前記広域施設管理装置に通知するチャタリング終了通知手順とを含み、
前記警報通知フィルタリング手順は、前記チャタリングモードがオンのときのみ、前記警報の通知/非通知判定処理を行うことを特徴とする広域施設管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−110751(P2013−110751A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−287279(P2012−287279)
【出願日】平成24年12月28日(2012.12.28)
【分割の表示】特願2009−73476(P2009−73476)の分割
【原出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000006666)アズビル株式会社 (1,808)
【Fターム(参考)】