床カバー材設置のためのシステムおよび方法
隣接するモジュール型床カバー材ユニットを接合するためのコネクタである。コネクタの実施形態は、フィルム、および前記フィルムの一方の面にコーティングされた接着剤層を含む。コネクタは、隣接するタイル間で電気的導通が維持されることを可能にする導電性部品を有することができる。さらに別の実施形態において、コネクタは、無線周波トランスポンダを含むことにより、無線周波識別タグとして配備されることができる。コネクタを用いてタイルを設置するために、第1のタイルが床上に配置され、そして、コネクタは、接着剤層が上側を向き且つ床に接触しないように配置される。コネクタは、典型的には、接着剤層の一部のみがタイルの裏面に接着して、コネクタの残りの部分はタイル裏面から延在したままであるように配置される。次いで、一つまたはそれより多くのタイルが前記第1のタイルに隣接して配置されるので、その結果、コネクタの一部はその隣接するタイルに接着している。このようにして、コネクタは、隣接するタイルの縁に掛け渡される。タイルは、タイルの下にある床面の上に、タイルを床面に固着する必要なく組み立てられる。むしろ、タイルはコネクタを用いて互いに連結されて、その結果、タイルは、その下の床面に「浮く(float)」床カバー材を創生する。さらに、タイルは、床面に直接設置される必要がない。むしろ、フィルムまたはクッションまたはクッション複合材などの下敷きが、タイルの設置前に、床面に配置され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2007年3月27日に出願された米国仮出願第60/920,368号の優先権を主張し、この出願の内容を参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
本発明の実施形態は、床カバー材設置システムおよび方法に関し、特に、カーペットタイルおよび他のモジュール型床カバー材を含む床カバー材の設置システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
床カバー材は有史以前より用いられてきた。最初のかかる床カバー材の材料は、疑いなく、動物の皮、または、葉もしくは茎などの植物性の材料であった。後に、床カバー材は、サイザル麻およびウールを含む、天然に存在する様々な繊維を織るかまたは結ぶことなどによって製造された。20世紀初頭に、このような繊維表面を有する(fiber-faced)床カバー材が、人工繊維からも製造され始めた。
【0004】
最初の床カバー材は、その寸法が動物の皮の寸法に制限されていたが、後に、床カバー材は拡大して、部屋の床全体を覆った。「広幅織り」の床カバー材のこのような「床一面(ウォール・トゥ・ウォール)」設置は、20世紀に広く普及して用いられるようになった。このような材料の模範的設置例は、一つまたは少数の広幅織りカーペットを使用して、部屋の床全体を覆う。このタイプの床一面の床カバー材は、一般に、いくつかの方法で床に貼り付けられる。
【0005】
後に、モジュール型の床カバー材には、より小さな、均一の寸法のモジュールまたはタイルが、ビニルタイルなどの固体表面の床カバー材、および、表面が繊維の(textile faced)床カバー材の両方に用いられ、これらは通常はカーペットタイルと称されている。2003年8月11日に出願された「再構成可能なモジュール型床カバー材」の特許文献1(参照により援用して本文の記載の一部とする)で説明されるように、タイルは、床面の全体を覆わないエリアラグ(部屋の一部に敷かれる敷物)として設置され得る。しかし、大多数のタイルは床一面の設置のために用いられている。タイルは、伝統的に、各タイルの縁が隣接するタイルの縁と位置合わせされた状態で、行および列が位置合わせされて設置されてきた(「従来知られたカーペットタイルの設置方法」)。従来知られたカーペットタイルは、歴史的に、広幅織りカーペットの外観を模倣しようとし、また、製品がモジュール型である事実を隠すかまたは、少なくとも強調しないようにした製品であった。この結果を達成するには、カーペットタイルまたはモジュールが、1つの床設置体において、モジュールの製造時に有していた配向と同一の配向で(すなわち、モノリシックに)配置されることが最小限必要であった。しかし、近年においては、繊維面を有するモジュール型床材の設計者は、床材がモジュール型であることを隠そうとするのではなく、むしろ賞賛する床材および床材設置の設計を開始している。例えば、モジュールは、今でも位置合わせされた行および列で設置されてはいるが、モジュールは、各タイルの位置が隣接する各タイルに対して90°回転された「4分の1回転式で」(“quarter-turned”)設置される。さらに、特許文献2に記載されているように、位置または回転配向に関係なく、「ランダムに」設置されることができるカーペットタイルが開発されており、参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0006】
しかし、モジュールは必ずしも位置合わせされた行および列で設置されるとは限らない。例えば、タイルは、タイルの列が隣接するタイルの列に対して上にシフトまたは下にシフトして見えるように、列においては位置合わせされても、位置合わせされたモジュールの行は形成されずに設置されることもある(「切石設置法」“ashlar installation method”)。他の設置では、タイルは、行においては位置合わせされても、位置合わせされた列は形成されずに、むしろ互い違いにずれた列で設置される(「レンガ積み設置法」“brick-laid installation”)。
【0007】
床カバー材モジュールは一般に比較的大きな寸法および重量であると、床カバー材が組立てられる際に、モジュールが位置付けされる位置にモジュールを維持することが容易であるが、モジュールの移動にさらに抵抗するための手段を設けることが望ましい。これは、伝統的には、モジュールを、その下にある床面に様々な方法で付着させることにより達成されてきた。
【0008】
モジュールは、多くの場合、最初にモジュールの下にある床面に接着剤の層を塗布し、次いでタイルを接着剤の上部に配置することにより床に接着される。この方法を用いると、接着剤は、典型的に、床材モジュールの裏面の表面積全体に接触するので、これにより材料コストが増大し、また、タイルが不正確に位置付けられた場合にそれらを位置付けし直すことが困難になることが多い。これは、継目で整合されなければならないパターン付き(patterned)モジュールを設置する際に特に問題である。さらに、タイルを最終的に取り外す時に、接着剤が床面に残留し、その接着剤が、取り外されたタイルの一部を保持してしまう場合がある。この接着剤(および接着剤により保持されているいずれの床材の材料)は、新しいタイルを設置する前に、滑らかな表面を創生するために床から除去されなければならない。このことは、設置プロセスの費用も時間も増大させる。
【0009】
また、モジュールは、接着剤をモジュールの裏面全体(または任意の部分)に予め塗布することによって設置してもよい。例えば、接着剤を、各モジュールの裏面を横断する比較的幅狭の帯状で塗布し、モジュール設置前には、プラスチックフィルムまたは紙細片で覆い、モジュールが配置される直前にプラスチックフィルムまたは紙細片を剥離してもよい。しかし、この方法もまた、モジュールを床に直接貼り付けることを含んでおり、結果的に上述した欠点をもたらす可能性がある。
【0010】
また、モジュールは、両面接着テープを用いても設置されてきた。この方法によれば、テープの一方の面がモジュールの裏面に配置され、テープの他方の面が床上に配置され、それによりモジュールを床に固定する。両面テープもまた、隣接するカーペットおよびカーペットタイルの縁の間、並びに、それらの全体に沿って配置されていた。しかし、接着剤と同様に、両面テープは、タイルを位置付けし直すことができないことがあり、タイルを取り外す際に床に残留物を残すこともある。さらに、テープは低い引張り強度を有し、且つ、比較的非弾性であり、その結果、延伸しやすく元の形状に戻らない傾向がある。これによって、隣接するタイル間に間隙が形成されることがある。
【0011】
床に直接取り付けることに加えて、モジュールは、機械的な留め具または接着剤で覆われたパッドを用いるなど、その下にある床面に間接的にも取り付けられてきた。例えば、マジックテープ(フックアンドループファスナ)が使用され、それによりフックまたはループのいずれか一方のシートが床に固定され、フックまたはループの他方がモジュールの裏面に設けられる。モジュール上のフックまたはループは、床上のフックまたはループと係合して、モジュールを床に固定する。接着剤で覆われたパッドもまた用いられてきた。例えば、剥離可能な接着剤で両面が予めコーティングされた発泡パッドが用いられてきた。設置中に、剥離紙がパッドの両面から取り外されて接着剤を露出させ、パッドが床に貼り付けられる。次いで、カーペットタイルがパッドの上部に配置されて、接着剤によって適所に保持される。これらのシステムおよび方法は、設置者がタイルを再度配置する能力を向上し得るが、設置の材料コストを著しく増大させる。さらに、これらの設置方法を用いると、タイルが互いに対してより移動し易くなり、それにより設置体に間隙を生じさせる。
【0012】
タイルを床に直接的にも間接的にも付着させない他の設置方法がある。例えば、ダクトテープなどの片面接着テープが、隣接するタイルを互いに固定するために用いられてきた。タイルは、表側を下に向けて配置され、テープが、タイルの隣接する縁全体に沿って固定される。タイルの摩耗面を露出させるために、隣接するタイル間の連結を壊すことなく、タイルを注意深く裏返さなければならない。この方法は、テープをタイル上に配置するためのかなり多くの時間、並びに、継ぎ目全体に沿って、隣接するタイルの縁同士をテープで張り合わせるための多額の材料投資を必要とする。さらに、このような接着テープは比較的脆いため、テープをタイルの裏面に所望通りに配置することが困難である。また、両面接着テープと同様に、引っ張り強度および弾力性が低いため、圧力が加えられると恒久的に延伸しやすく、それによって隣接するタイル間に恒久的な間隙を生じやすい。
【0013】
設置方法に関係なく、タイルが、不注意にも、高含水率および高pHを有する表面に設置されることもしばしばある。カーペットタイルが高含水率を有する床の上に直接設置される場合、床面とタイルとの間に捕えられた水分により、望ましくない匂いが発生することがある。伝統的には、この問題を解決するために、タイルを床に接着する前に床面にシーラントが塗布されてきた。
【0014】
また、カーペットタイルは、快適さにとって望ましいクッション裏地層を有して製造されてきた。伝統的に、クッション層は、カーペットタイルに直接取り付けられており、従って、後にカーペットタイルを除去するかまたは交換する場合には、クッションは必然的にタイルと共に除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開公報第2004/0258870号
【特許文献2】米国特許第6908656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
床カバー材設置法はいくつか存在するが、安定した床カバー材になるようにモジュールを設置するのに必要な時間および材料コストの両方を削減する、システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施形態は、床カバー材を設置するために必要な時間および材料コストを削減するシステムおよび方法を提供することにより、従来のモジュール型床材設置方法の問題に対処する。隣接する床カバー材ユニットを接合するためにコネクタが用いられる。コネクタは、モジュール型の床カバー材ユニット(「タイル」)の設置において特に有用である。一実施形態において、コネクタは、フィルム、およびフィルムの一方の面にコーティングされた接着剤層を含む。コネクタを用いてタイルを設置するために、第1のタイルを床上に、従来知られたタイル設置方法により決定される位置にて配置する。コネクタを、接着剤層が上側を向き且つ床に接触しないように位置付ける。コネクタは、典型的には、接着剤層の一部のみがタイルの裏面に接着し、コネクタの残りの部分がタイルの裏面から延在しているように位置付けられる。次いで、複数のタイルを第1のタイルに隣接して位置付ける。これは、コネクタの一部がこれらの隣接するタイルに接着するように行われる。このようにして、コネクタは、隣接するタイルの隣り合う縁に掛け渡される。タイルは、その下にある床面に、タイルをその床面に固着させる必要なく組み立てられる。むしろ、タイルはコネクタを用いて互いに連結され、これにより、タイルは、その下にある床面に「浮く(float)」床カバー材を創生する。
【0018】
コネクタは、設置体において、隣接するタイル縁の全体に沿って位置付けられる必要はなく、また、全ての隣接するタイル縁に掛け渡される必要もない。むしろ、コネクは、設置体に位置付けられる時に、隣接する縁の全長に沿って延在しないような寸法を有する。また、任意の数のコネクタを、隣接するタイル間の任意の数の位置に使用し得るが、本発明の利点は、コネクタを、組立体内の戦略的な位置に(例えば、4枚のタイルが接する角部の幾つかに)配置することによって十分に実現され得る。これは、設置体における全ての隣接するタイル縁を安定化させるために、隣接するタイル縁の全体に沿って安定化材料を配置することを必要とした従来の設置方法とは対照的である。
【0019】
タイル設置体を安定化させるために必要なコネクタの寸法が比較的小さく個数が少ないことより、材料コストを従来のタイル設置方法よりも大幅に削減することができる。さらに、コネクタの使用により、設置に先立って床を前処理する必要がなくなることで、タイル設置時間が大幅に短縮される。設置者は、接着剤層を床に塗布し、次いでこの接着剤層上にタイルを位置付けるために、塗布時の自分の歩みを再びなぞる代わりに、コネクタを用いれば、設置者は、自分が進むときにタイルを位置付け且つ固定できる。さらに、剥離可能な接着剤がコネクタに用いられ、且つ、コネクタに接触するタイルの表面積が限定されていれば、タイルは、必要に応じて容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルはその下の床と相互作用しないため、床から容易に取り外されることができ、そのような取り外し時に、タイルの下の床には接着剤がほとんど又は全く残留されない。従って、床は、別の床カバー材で再び覆われる前に再仕上げされる必要がない。
【0020】
さらに、コネクタは、導電するように適合されることができる。導電性コネクタがタイルに固定されると、電気的導通が、隣接するタイルを通じて維持される。これは、タイルを通じての導電を、セキュリティシステム、音声およびデータ伝送、電子機械的膜、追跡および位置監視、ウェイファインディング(例えば、人間が床上を歩くとき、床が何らかの方法で照明され、それにより人間が歩く道を見つけることを補助する)、並びに他の多くの代替物と共に用いることを可能にする。
【0021】
設置は、ディスペンサを用いることにより迅速に行われることができる。ディスペンサはコネクタを保持する。また、ディスペンサが、個々のコネクタを、すぐ掴めるような形でもたらすことも好ましい。ディスペンサは、剥離層または他のコネクタからコネクタを引き離すための機構を有し得る。ディスペンサは、設置者のベルトおよび脚に固定されてもよく、例としては、ロール状に巻かれたコネクタ、剥離材料のロールの上のコネクタ、扇状に折り畳まれた剥離材料上のコネクタ、または個別のコネクタを含んでもよい。ディスペンサは詰め替え可能であるかまたは使い捨て用に設計されてもよい。
【0022】
好ましくは、ディスペンサは、コネクタを担持しているストリップ状の剥離材料のためのハウジングを有し、コネクタは、ストリップの長さに沿って、間隔をあけて連続的に担持されている。ディスペンサは、ユーザにコネクタを差し出すための開口部も有し、また、コネクタの剥離およびこの開口部を通したコネクタのユーザへの供給を制御するためのアクチュエータを有してもよい。また、ディスペンサは、例えばベルトループまたはレッグストラップなどの、ディスペンサをユーザに固定するための一つまたはそれより多くの装着部材を有してもよい。カーペットの設置中に、ディスペンサがカーペット設置者に装着部材を用いて固定され、これにより、設置者は、部屋内を動き回って、ディスペンスされたコネクタを使用してカーペットタイルを設置し得る。コネクタを得るために、カーペットタイル設置者は、アクチュエータを動かしてコネクタを剥離材料から剥離させて、設置者がコネクタを容易に掴み得る開口部を通してコネクタを差し出させる。次いでコネクタは、1つまたはそれより多くのカーペットタイルに貼り付けられ得る。別の実施形態においては、コネクタが出てくるための開口部を有するハウジング、および、ユーザの手の第1の位置から第2の位置までの移動により作動されるアクチュエータを備えたディスペンサが提供される。前記第2の位置は前記第1の位置よりも床面の所望の位置に近く、且つ、前記第1の位置よりも前記開口部に近い。ユーザの手の第1の部分が前記開口部に接触することができると同時に、ユーザの手の第2の部分が前記第2位置におけるアクチュエータに接触するように、ディスペンサの開口部は、アクチュエータの前記第2の位置からユーザの手が届く範囲内にあってよい。これによりユーザは、アクチュエータを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させた後に、前記開口部から差し出されるコネクタを容易に掴むことができる。
【0023】
本発明の別の実施形態において、各々が一方の面に接着剤を有するコネクタの束が、互いに結合(接着)されるかまたは他の方法で互いに付着される。コネクタの束における個々のコネクタは、様々な方法で互いに接着または付着され得る。例えば、1つのコネクタの接着面側の接着剤は、隣接するコネクタの、前記接着面に対向する面に剥離可能に付着され得る。この対向面は、接着剤が恒久的なまたは取り外し困難な接着を形成することを防止するための剥離コーティングでコーティングされ得る。一般に、束における隣接するコネクタは、同じ方向に向けられ且つ位置合わせされている。別の例として、第1のコネクタの接着剤層が剥離材料に付着され、且つ、第2のコネクタの対向面も剥離材料に付着されている場合、剥離層が隣接するコネクタを分離し得る。さらに別の例として、コネクタの束は、1枚の剥離材料のストリップの上に貼り付けられた連続するコネクタであってよく、前記ストリップは、その上にある隣接するコネクタが束状に互いに重なり合うように折り畳まれている(すなわち、扇状に折り畳まれた剥離材料)。また、コネクタの束は、個々のコネクタをコネクタの束から取り外す時にユーザを補助するディスペンサ内に含まれ得る。カーペット設置中に、カーペット設置者は、コネクタの束から個々のコネクタを取り外してそのコネクタをカーペット縁の裏面に付着することによって、コネクタの束を用いてもよい。
【0024】
本発明の別の実施形態は、水性接着剤層または合成ポリマーを基材とした接着剤層を一方の面に備えたフィルムを有するコネクタを提供する。接着剤は、揮発性有機化合物含有量が少ないかまたはそれを全く有さなくてもよく、且つ、可塑剤に耐性を有してもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態は、連結されたタイルとその下にある床面との間に中間基材を設ける。例えば、フィルムおよび/またはクッションが、タイルを設置する前に床上に配置され得る。フィルムおよび/またはクッションは、好ましくは耐水性であり、現存の床中に存在する水分がタイルに接触することを防止するためのバリアとして機能する。従って、フィルムおよび/またはクッションは、伝統的なシーラントおよびバリアコーティングの必要をなくす。クッションは、さらに、足元の快適さをもたらすので、クッション裏地付のカーペットタイルを使用する必要をなくす。むしろ、望ましいクッション特性を与えるために、ハードバックカーペットタイル(硬質の裏地層を有するカーペットタイル)がクッションの上に設置され得る。タイルが汚れるかまたは摩耗した場合には、クッションを取り外さずにタイルを取り外すことができる。このように、クッションは、床上にそのまま残されて再使用されることができる。
【0026】
中間基材のさらに別の実施形態は、新しいカーペットタイルが現存のカーペットタイルの上部に配置されるカーペット・オン・カーペット設置、またはウォール・トゥ・ウォールカーペット設置に好適なクッション複合材を提供する。新しいタイルは、上述のコネクタを用いて設置されることができる。この実施形態は、現在敷かれているタイルまたはカーペットを、新しいカーペットタイルの設置前に除去する必要がないため、カーペットの一時的交換または永久交換を、コストを削減して提供する。さらに、新しいタイルは、既存のタイルまたはウォール・トゥ・ウォールカーペットに損傷を与えずに取り外されることができる。
【0027】
一実施形態において、使用される中間基材(用いられるならば)のタイプに関係なく、中間基材上に配置されるタイルの全てが、本件で開示されるコネクタを用いて互いに連結される。この方法においては、設置体におけるどの層も、設置体における他のいずれの層と連結されない(例えば、中間基材は床と連結されず、また、カーペットまたはタイルは中間基材と連結されない)。このようにして、これらの床材は、その後に床カバー材を設置する前の清掃および準備を必要とせずに、容易に取り外され得る。
【0028】
コネクタは、カーペットタイルの設置を容易にするための位置合わせ印を有してもよい。このような印は、マーキング、色、および物体(例えば、十字線、線、点、ブロック)、並びに、多色で区切られた部分および四分円を含む。
【0029】
本発明の別の実施形態は、一方の面に接着剤を有するコネクタを用いたカーペットタイル設置方法を提供する。設置者は、カーペットタイルを、床面の所望の設置位置またはその付近に、タイルの裏面が床面に載るように配置する。設置者は、一方の手を使って、タイルの縁、角部、または他の部分を持ち上げる。そして、他方の手を使って、コネクタの接着面を上にして、コネクタの露出された部分がタイルの縁を超えて延在するように、タイルの一部の裏面の縁または他の部分に貼り付ける。次いで、設置者は、第2のタイルを第1のタイルに隣接して配置し、第2のタイルの裏面をコネクタの露出部分に貼り付ける。ディスペンサは、コネクタを前記接着面が上を向いた状態で設置者に供給し、且つ、コネクタが貼り付けられるカーペットタイルの部分に好都合な位置で供給し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のコネクタおよび剥離層の一実施形態を示す斜視図である。
【図1A】導電性コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のコネクタおよび剥離層の別の実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のコネクタのさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図4】本発明のコネクタディスペンサの一実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に従うタイル設置を示す底面図である。
【図6】図5に示したタイルのサブセットを示す底面図である。
【図7】本発明に従う別のタイル設置を示す底面図である。
【図8】図7に示したタイルのサブセットを示す底面図である。
【図9】タイルの縁に取り付けられた本発明のコネクタの一実施形態を示す側面斜視図である。
【図10】コネクタディスペンサの斜視図である。
【図11】図10のコネクタディスペンサの分解斜視図である。
【図12】図10のコネクタディスペンサの側面図である。
【図13】図10のコネクタディスペンサのハウジングのフロントカバーが取り外されている状態の側面図である。
【図14】図10のコネクタディスペンサの駆動部品群の側面図である。
【図15】図10のコネクタディスペンサの駆動部品群の正面図である。
【図16】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたフィルムの一実施形態の断面図である。
【図17】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたフィルムおよびクッションの一実施形態の断面図である。
【図18】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたクッションの一実施形態の断面図である。
【図19】本発明のクッション複合材の一実施形態の断面図である。
【図20】図19のクッション複合材が、既存のカーペットまたはタイルと新しいカーペットまたはタイルとの間に位置付けられている状態の断面図である。
【図21】コネクタの無線周波トランスポンダの実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態は、床カバー材の設置システムおよび方法に関する。当業者は、ここに記載されたシステムおよび方法が、様々な床カバー材設置体に用いられ得ることを理解するであろう。しかし、本発明の出願人は、ここに記載されるコネクタが、特に、モジュール型の床カバー材ユニット(本文以下「タイル」と称する)の任意のタイプの設置(床一面設置、および、エリアラグ設置(部屋の一部に敷く設置)を含む)に有用であることを見出した。タイルは、寸法および形状の範囲において、様々な色および質感(テクスチャ)を有し得る。例えば、個々のタイルは、六角形、正方形、長方形、三角形および他の形状を含むがこれらに限定されない木材板またはセラミックの形状および他のタイルを模造する形状であってもよい。さらに、タイルは様々な質感を有して提供され得る。本発明のタイルは、典型的には、繊維面(タフトされた面、溶着された面、および印刷された面を含むがこれらに限定されない)を有する従来知られたカーペットタイルであり得るが、織られた及び織られていない繊維床材、硬いビニル、セラミック、革、又は他の任意の好適な材料を含む、他のモジュール型材料であってもよい。タイルは、合板、積層体、リノリウム、ビニルタイル、堅木、およびコンクリートを含むがこれらに限定されない一般的に滑らかな表面に設置されるのが好ましい。しかし、以下に論じるように、タイルを、タイルとタイル下の床との間に配置される中間基板(パッドおよび広幅カーペットを含む)の上に設置してもよい。
【0032】
図1は、本発明のコネクタ20の一実施形態を示す。コネクタ20は、フィルム22およびフィルム22の一方の面にコーティングされた接着剤層24を含む。剥離層26が接着剤層24の上部に配置され、剥離層26の下の接着剤を保護する。使用時に、剥離層26は、接着剤層24を露出させるためにコネクタ20から取り外される。以下にさらに詳細に説明するように、コネクタ20は、接着剤層24が隣接するタイルの裏面に接触するように配置され、タイルの隣接する縁に掛け渡される。それによりタイルが互いに連結して、床カバー材を形成する。このように、タイルを床面に固着する必要なく、タイルはその下の床面に組み立てられるので、タイルは、その下の床面に「浮く(float)」床カバー材を創生する。
【0033】
フィルム22は任意の好適な材料であってよいが、本発明に従って迅速な床材設置を容易にするために、タイルの裏面に部分的に接触して配置されたコネクタが、タイルの裏面とほぼ同一の面でタイルの縁を超えて突き出るように、比較的剛い材料からつくられることが好ましい。これによって、突き出たコネクタ部分を適切に配置して、隣接するタイルに適切に接触させることが容易になる。このフィルムは、典型的には、接着テープの長さの一部(全部ではない)が貼り付けられたタイルの裏面から大きく丸まるかまたは垂れ下がるであろうほとんどの接着テープよりも、高い剛性を有する。同時に、本発明のコネクタを形成するフィルム22は、必要に応じて巻かれたコネクタの扱いを容易にし、また、コネクタを床またはタイルの凹凸に適合させるのに、十分に柔軟性を有するべきである。
【0034】
また、フィルム22は、隣接するタイルの捩れをもたらす可能性のある収縮に対して耐収縮性を有し、且つ、歩行者の通行および転動荷重の下での延伸に抵抗するための比較的高い引張り強度を呈するべきである。例えば、機械加工方向(machine direction)で160〜270メガパスカル(“MPa”)の引張り強度を示し、且つ、機械加工方向に交差する方向(cross-machine direction)で165〜210MPaの引張り強度を示す材料が、この用途に特に好適であることが分かった。さらに、材料が壊れる前に伸長または延伸し得るパーセンテージも、引張応力が加えられた時にコネクタの破損および不具合を防止するように、比較的高くなければならない。例えば、用いられる材料が、壊れる前に、機械加工方向の寸法の120〜200%延伸可能であり、且つ、機械加工方向に交差する方向の寸法の150〜170%延伸可能であることが、必須ではないが好ましい。
【0035】
好適に剛く、薄く、強く、耐水性があって、安価な繊維および金属を含む、ポリマー材料、板紙、および他の材料もまた、フィルム22に用いてもよい。しかし、フィルム22は、ポリオレフィン、ポリアミド、又はポリエステルなどの合成ポリマー材料であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)ポリエステルであることがさらに好ましい。これらの材料は比較的安価であり、使用時にフィルムの下の床に適合し、また、耐腐食性を有するであろう。フィルム材料がリサイクル可能であることが、必須ではないが好ましい。
【0036】
フィルム22は、好ましくは、0.0005インチ〜0.015インチ(約0.0013cm〜0.038cm)を含むそれらの間の厚さを有し、さらに好ましくは、0.003インチ〜0.01インチ(約0.0076cm〜0.025cm)を含むそれらの間の厚さを有し、よりさらに好ましくは、0.005インチ(約0.013cm)の厚さを有する。また、フィルム22は、必須ではないが、アクリルのコーティングなどの下塗りコーティング(図示せず)を有し得る。このコーティングは、フィルム22と接着剤層24との接着を促すために、接着剤層24が塗布される面と同じ側の面に塗布される。フィルム22は、その片面または両面がコロナ処理され得る。これは、表面張力を増大させ、且つ、フィルム22と接着剤24との接着を、接着促進コーティングを用いずに促進させるためである。
【0037】
フィルム22は、円形または正方形もしくは三角形などの任意の直線で構成された形状を含むがこれらに限定されない任意の形状であってもよい。正方形はほとんどの設置に好適である。また、フィルム22の寸法は、設置されるタイルの寸法に応じて決定されることができる。しかし原則として、フィルム22の表面積は、コネクタを取り付けようとしているタイルの表面積の1%まで小さくすることができ、好ましくは2〜5%の範囲にすることができる。9平方インチ(約58cm2)を超えるコネクタの表面積は、18インチ(約45.7cm)四方または50cm四方のタイルの設置の安定性のために有意に貢献しないことが分かっている。従って、材料を節約して費用を抑えるために、コネクタ20は、約3×3インチ四方(約7.6×7.6cm四方)以下であることが、必須ではないが望ましい。
【0038】
接着剤層24は、本発明での使用に望ましいある特性を示す任意の接着剤とすることができ、コネクタに用いられる接着剤の特定のタイプまたは量は、多くの場合、コネクタ20と共に使用されることが意図されるタイルに応じて決定してよい。いくつかのカーペットタイルは、裏地層を有しており、裏地層は、その柔軟性を増加しおよび/または他の特性を変化させる可塑剤を含有する。可塑剤は移動する傾向を有し、あるコネクタの接着剤の中に移動し得る。このような移動がコネクタの接着特性を弱めて有効性を低下させることがある。揮発性有機化合物(「VOC」)をほとんど有さないかまたは全く有さない水性接着剤(溶媒系接着剤ではない)は、可塑剤耐性を有し得るので、従って一般的には、可塑剤の移動に対する耐性が所望される場合に(すなわち、可塑剤を含有するカーペットタイルの設置において)好ましい。識別番号9465、6032、6035、及び6038、並びに特に9465(主にアクリレートターポリマー)及び6032(粘着性が付与されたアクリレートコポリマー)で3Mより販売されているものを含むアクリル接着剤が好適である。さらに、接着剤24は、水および典型的なカーペット洗剤に対して耐性を有することが、必須ではないが好ましい。また、剥離可能な接着剤を用いることも好ましい。
【0039】
全てのコネクタ20の接着剤層24は、タイルの裏面に良好に接着すべきである。しかし必要であれば、タイルへの接着が、コネクタ20に対するタイルの取り外し及び位置付けし直すことを妨げる程に強くあるべきではない。タイルと接着剤との間の結合強度(すなわち、接着剤層24をタイルの裏地層から引き離すのに必要な力の量であり、ASTM
D−3330テスト(一般に「90度剥離試験」と称される)を用いて測定することができる)が強すぎる場合、接着剤層24はフィルムから剥がれてタイルに残留し、それによりコネクタを破損するであろう。従って、接着剤層24とタイルとの間の結合強度は、接着剤層24とフィルム24との間の結合強度よりも強くあってはならない。
【0040】
結合強度は、好ましくは、室温で5〜100オンス/インチ(約5.6〜112kg/m)を含むそれらの間の範囲である。好ましい結合強度は、タイルの裏地層に応じて決定し得る。例えば、接着剤とハードバック(硬裏地)タイル(例えば、PVC、ポリウレタン、又はポリオレフィンからつくられたものなど)との間の結合強度は、好ましくは約50〜70オンス/インチ(約56〜78kg/m)である。接着剤と繊維の裏地層(例えば、織られたポリプロピレン又はフェルトの裏地層など)を有するタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜60オンス/インチ(約11〜67kg/m)である。さらに、接着剤とクッション裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約40〜60オンス/インチ(約45〜67kg/m)であり、接着剤とビチューメン裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜20オンス/インチ(約11〜22kg/m)である。高温でのタイルと接着剤との間の結合強度は、室温での結合強度の±15%内に留まることが好ましい。
【0041】
各コネクタ20に施される接着剤の量(すなわち接着剤層の厚さ)は、コネクタ20と共に用いられるタイルに応じてだけでなく、コネクタ20の寸法に応じて決定することができる。しかし、接着剤の量は、上述の結合強度を達成するために、コネクタがタイルの裏面に十分に接触及び係合することを可能にすべきではあるが、接着剤がコネクタ20及びタイルの界面を超えて移動して、その下の床に接触するほど多くないことが好ましい。このように、床カバー材設置体は、その下の床に固定されない状態を保つので、モジュール型ユニットの最終的な取り外しを容易にする。約0.0005〜0.010インチ(約0.0013〜0.025cm)の厚さの接着剤、より好ましくは、約0.002〜0.008インチ(約0.005〜0.020cm)の厚さの接着剤を有するコネクタ20が、多くの用途に好適であることが分かっている。
【0042】
織られるかまたは編まれた繊維の裏地層を有するタイルの場合、裏地層に形成された空隙(穴)に接着剤を浸透させ、それによってタイルと接着剤の間に十分な界面接触をもたらすために、典型的にはより多くの接着剤が必要であろう。繊維の裏地層を有するタイルに対しては、約0.005〜0.008インチ(約0.013〜0.020cm)の厚さの接着剤層24を有するコネクタが好ましい。ハードバックタイルなどの比較的平坦であるかまたは浅くエンボス加工された裏地面を有するタイルには、より少ない接着剤、好ましくは0.002〜0.003インチ(約0.005〜0.008cm)の範囲内の厚さを有する接着剤を使用してもよい。
【0043】
コネクタに用いられることが意図される全ての接着剤は、タイルがコネクタに対して移動するかまたはタイルが互いに移動することで、床カバー材設置後の隣接するタイル間に間隙が創生されることを防止するための、十分な剪断強度も有するべきである。
【0044】
図面には示されていないが、コネクタ20に、ロゴ又は他のデザイン要素を設けることが可能である。例えば、接着剤が塗布されるフィルムの側にロゴをインクで付けてもよい。この様に、典型的には高いVOC含有量を有するインクは、フィルムと接着剤との間に閉じ込められ、インクからの望ましくない放出を防ぐ。さらに、コネクタを剥離紙上に位置付ける時に、ロゴもフィルムにより保護される。これにより、ロゴがコネクタから偶発的に引っかき落とされるか取り外されることが防がれる。
【0045】
タイルの設置を容易にするために、位置合わせ用の印(図面に示さず)をコネクタに、印刷または他の手段により設けることが有用であり得る。従って設置者にとって必要なことは、タイルの縁(またはタイルの他の部分)を印と整合して、隣接するタイル間でコネクタを最適に配置することを確実にするだけとなる。タイルがコネクタのどこに配置されるべきかを設置者に伝える印は、任意のものを使用できる。例えば、コネクタには、十字形、コネクタの縁に平行且つ横断する分割線、点、ブロック等を設けることができる。さらに、コネクタの異なる部分に色を付けること(コネクタを4分の1に分割して、各4分の1に異なる色を付けることなど)で、適切なカーペットタイルの位置付けを示すことができる。
【0046】
化学センサをコネクタ20に配置して、床カバー材の下にある床の含水率を監視し得る。含水率が所定のレベルを超えて上昇するならば、センサは無線信号を送信する。このようにして、床の含水率を監視することができ、この問題に特定的に対処する改善手段を講じることができる。
【0047】
さらに、圧力センサもコネクタ20に関連付けることができる。例えば、誰かが床上で転倒した場合、圧力センサは、床の所与の面積に加えられた圧力が所定レベルを超えたことを、(例えば無線信号を介して)制御システムに警告する。従って、センサは、上昇した圧力の正確な位置へのガイドとして機能する。このような技術は、介護者が、担当する被介護者が安全である(すなわち、転倒して起き上がれない状態になっていない)ことを常に確認する必要がある高齢者用ホームまたは病院において、特に有用であり得る。
【0048】
さらに別の実施形態において、コネクタは、無線周波トランスポンダを含むことによって、無線周波識別(「RFID」)タグとして配備されることができる。無線周波トランスポンダは、無線周波数信号を受信したときに作動される任意の種類の無線送信機および/または受信機である。トランスポンダは、任意の方法で、コネクタ内に組み込まれるかまたは、コネクタに取り付けられることができる。一つまたはそれより多くのトランスポンダを、設置に用いられる一つまたはそれより多くのコネクタにインプリントすることができる。例として、トランスポンダを、フィルムの両側、またはコネクタのフィルムに取り付けられたインレイにインプリントすることが可能である。しかし、1つの設置体における全てのコネクタにトランスポンダを設ける必要はない。図面に示す構造を含む、種々の構造が用いられ得る。
【0049】
図21は、コネクタ320の無線周波トランスポンダの実施形態の上面図である。コネクタ320は、接着剤層を有するフィルムを含むことができる。該フィルムは、シート322を組み込むかまたは、シート322に他の方法で付着する。シート322は、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを含むかまたは、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを他の方法で有する。あるいは、トランスポンダ構成要素は、コネクタフィルムに直接組み込まれるかまたは、他の方法で取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、無線周波トランスポンダは、コネクタフィルムに取り付けられる。すなわち、無線周波トランスポンダは、直接または間接的に(例えば、シート322の一部として、または他の任意の中間部品を通して)コネクタフィルムに連結されるかまたは、コネクタフィルムに隣接して配置される。シート322は、さらに、接着剤層または接着剤層を有する面(紙もしくはポリマー)を含み得る。無線周波トランスポンダは、ICチップ328に結合されるかまたは他の方法でICチップ328と共に用いられる、カップリング要素324を含む。カップリング要素324は、コイルとして形成された、或いはアンテナとして機能する、銅またはアルミニウムなどの導電材料を含み得る。また、無線周波トランスポンダは、カップリング要素324の端部同士を接続してループを完成させて回路を形成するブリッジ326も含み得る。ICチップ328は、読み取り可能および/または書き込み可能であり得る電子マイクロチップである。
【0050】
図21は、コネクタ320に組み込まれた高周波(「HF」)トランスポンダを示しているが、極超短波(「UHF」)トランスポンダ、または他の任意のタイプのトランスポンダを高周波トランスポンダの代わりに用いることも可能である。例えば、コネクタ320は、単一層の導電性材料を有するトランスポンダ、すなわち、互いの鏡像である形状を形成するようにICチップの両側から延在するトランスポンダを含み得る。無線周波トランスポンダ構成要素は、嵌め込まれるか、プリントされるか、または任意の他の方法で、コネクタの一部として組み込まれ得る。無線周波トランスポンダは、パッシブ、MEMパッシブ、セミアクティブ、アクティブであるかまたは、他の任意の情報技術を用いてもよい。トランスポンダ構成要素は、有効性を制御するために、電池および/またはソフトウェアを含んでも含まなくてもよい。無線周波トランスポンダ構成要素の一つまたはそれより多くが、金属、有機ポリマー、または他の任意の材料を含み得る。無線周波トランスポンダ構成要素は、エイリアンテクノロジ社(Alien Technology Corporation)、エイブリィ・デニソン社(Avery Dennison Corporation)、テキサスインスツルメンツ社(Texas Instruments incorporated)、オムロン社(Omron Corporation)、およびUPMラフラタック社(UPM raflatac)により製造されるRFID部品を特に含み得るが、これらの製品に限定されない。
【0051】
位置合わせ印330(十字形、線、点、ブロック、及び多色で区切られた部分並びに四分円を含むがこれらの形状に限定されない)をコネクタ320上に設けて、コネクタ320をカーペットタイルの角部または縁に配置しようとする設置者に指示を与えてもよい。コネクタは、タイルの角部に、タイルの縁に、または、単にタイルの裏面に位置付けされ得る。マルチタイル設置(multi-tile installation)においては、隣接するタイルの縁に掛け渡すコネクタもあれば、単にタイル裏面に配置される(すなわち、各々が1枚のタイルに取り付けられる)コネクタもあってよい。
【0052】
無線周波トランスポンダを含むコネクタはRFID機能をもたらし、床面に設置されるときに任意の配列で位置付けされ得る。コネクタは、互いに規則的に間隔を有して埋め込まれた構成要素を有するインテリジェント床カバー材を創生するように位置付けされ得る。例えば、コネクタは、図5,図6,図7および図8に示すように、タイルの隣り合うタイル角部に規則的な間隔で配置され得る。幾つかの実施形態の1つの利点は、規則的な間隔で配置された無線周波トランスポンダのアレイの創生である。このトランスポンダアレイは、タイルを固定するためのコネクタの使用に既に必要であるもの以外に追加の設置物を何も必要とせずに、情報を、送信、記憶および/または受信することができる。このようなアレイを用いて、規則的に配列された構成要素から成るx−y格子または他のマップを創生し得る。例えば、ロボット装置をこの格子上で移動して、タグの相対位置を互いに識別し得る。これらの相対位置は、アレイにおけるトランスポンダの位置を特定するために用いられ得る。また、マップは、コネクタが不規則に配置される場合にも創生され得る。マップは、例えば、自己位置推定と地図製作を同時に行う(「SLAM」)技術を用いて作成され得る。いずれの場合にも、このようなマップは、フロアプランおよび/またはマッピングプログラムと共に用いられるかまたはこれらを組み込むことができ、その結果、無線周波トランスポンダマッピングを用いて、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダリーダの物理的位置を特定することができる。無線周波トランスポンダリーダが動き回ると、無線周波トランスポンダリーダは、無線周波トランスポンダリーダが読み取る無線周波トランスポンダのシーケンスを記録して、この情報を、この装置のリアルタイム位置を監視している追跡ステーション、または、リーダを保持している人間に、例えばワイヤレス伝送を介して送信することができる。マルチコネクタ設置体においては、異なるコネクタの無線周波トランスポンダが、同一または異なる周波数で動作し得る。例えば、一実施形態において、1つの設置体におけるトランスポンダの周波数は、低周波数から高周波数の範囲にわたる。情報は異なるチャネルで送信されてもよく、各々の情報は、特定の無線周波トランスポンダの要素に関連づけられている。さらに無線周波リーダは、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダに記録される情報を送信するライタ(書き込み装置)を含んでもよい。例えば、ライタは、電気掃除機による掃除が行われたこと、または、電気掃除機による掃除が行われた日付を識別する情報を送信することができる。別の例として、ライタは、情報を受信しているトランスポンダの相対位置、すなわちマップ位置に関する位置情報(例えば、x,y座標、またはx,y,z座標)を送信することができる。この情報は、トランスポンダが他の読み取り装置により読み取られたときに提供されることができる。
【0053】
一般に、無線周波トランスポンダが備えられたコネクタは、追跡、検証、探知、位置特定および認証を含む多数の広範な機能を容易にすることができる。一例に過ぎないが、RFID技術を備えたコネクタを用いて、人間、物品、または装置の位置を特定することができ、例えば、消防士または消火装置の位置を追跡することができる。また、RFID技術を備えたコネクタを用いて、人間もしくは装置の通行パターンを追跡するかまたは、装置を、特定の機能を実行するための正確な配置へガイドすることもできる。
【0054】
一用途において、無線周波トランスポンダは、無線周波成分リーダが備えられた装置をガイドするためのマッピング機能を果たす。例えば、リーダを、電気掃除機または他の清掃装置に設置することができる。リーダは、部屋内のコネクタに付された固有のトランスポンダ番号のシーケンス(順序)を用いてプログラミングされ得る。ロボット掃除機がこのようにプログラムを与えられて作動される場合、部屋内のコネクタに付された無線周波トランスポンダは、ロボット掃除機のリーダにより読み取られることができ、コネクタのトランスポンダ番号がプログラムされたシーケンス中に現れる順で、掃除機をコネクタの方へガイドするために用いられ得る。こうして、フロア全体が自動的に清掃されるかまたは、他の方法でメンテナンスされることができる。通行量がより多い領域に配置されたコネクタのトランスポンダ番号は、これらの領域がより入念に清掃されることを確実にするために、シーケンス中により頻繁に現れることになろう。APSX有限責任会社(APSX, LLC)(商標)、およびスカイテック社(Skytec, Inc)(商標)により提供されているリーダを含む、種々の無線周波トランスポンダリーダが用いられ得る。
【0055】
別の実施形態において、他のタイプのロボットにリーダが装備される。トランスポンダ番号のシーケンスを用いてリーダをプログラミングして、ロボットを様々な位置に導くことができる。例えば、指定された経路に沿ってロボットをガイドするように、病院のロボットに付されたリーダをプログラミングすると、その結果、ロボットは、薬剤を部屋に配送するかまたは、他の業務を行うことができる。ロボットが所望の位置に到達するために従うことができるマップを提供する無線周波トランスポンダが備えられたコネクタに加えて、コネクタは、ロボット(または他の非手動式駆動装置)を正確に位置付けることを補助することができる。例えば、ロボットが電力供給源で再充電することが必要である場合、トランスポンダを有するコネクタを電力供給源のすぐ近くに位置付けることが可能である。こうして、コネクタは、ロボットを、再充電のために電力供給源へとガイドし、且つ、電力供給源に対して適切に位置付ける。
【0056】
別の実施形態において、ショッピングカートにリーダが備えられ得る。買物客が所望の製品を示すと、コネクタ上の無線周波トランスポンダが、カートを店内の所望の位置に導き得る。読み取り装置は、ショッピングモール、ミュージアム、病院、娯楽場を含むがこれらに限定されない、他の様々な状況で用いられることができ、全地球位置測定システム(GPS)と協働するかまたは、別の方法で全地球位置測定システムを容易にするように用いられることができる。
【0057】
また、トランスポンダを用いて、装置の位置および/または移動を監視することもできる。一実施形態において、病院の装置にリーダが備えられる。病院内の各装置の位置は、装置のリーダが、その他のコネクタのトランスポンダ番号とは異なる1つのコネクタトランスポンダ番号を読み取るときに決定されることができる。別の実施形態において、例えば掃除機など装置の移動を監視して、ある領域が清掃されたかどうかを決定することができる。例えば、掃除機(手動駆動式またはロボット駆動式)のリーダが、リーダが部屋内で読み取ったコネクタトランスポンダ番号を(後にダウンロードされるように)記憶することができるかまたは、制御システムに(無線通信を介して)伝送することができる。部屋内のあるコネクタに付されたトランスポンダ番号が読み取られていない場合、掃除機がそのコネクタの付近を清掃しなかったことは明らかである。こうして、部屋の清掃履歴に関する情報が記録されることができる。
【0058】
同様にして、コネクタ上のトランスポンダ、並びに、ショッピングカートおよび/または買物バスケットのトランスポンダリーダを用いて、店内の通行の流れに関する情報を収集することができる。こうして、人々が店内のどこに行くか、人々がどのくらいの時間にわたり特定の領域に留まるかなどに関する情報が収集されて、様々な目的(店内のレイアウトを、通行の流れおよび顧客の需要に、より良く適応できるように設計することを含む)のために用いられることができる。同様に、リーダが備えられたショッピングカートは、広告および他の情報を、買物客がいるエリア、買物客が行ったエリア、および/または、買物客が長居していたエリアに基づいて、買物客に提示するディスプレイを含むことができる。
【0059】
無線周波トランスポンダが備えられた床面は、種々の潜在的利点をもたらす。このような床面は、メンテナンス監視、設備および人々の位置特定、並びにロボットナビゲーションを容易にすることに加えて、本文中に記載される中でも特に、家庭、仕事場、または他の施設において、さらなる安全性及びセキュリティに関する利益をもたらすために用いられ得る。
【0060】
無線周波トランスポンダおよび/または他のRFID部品は、モジュール型タイルに直接、または、モジュール型タイルの一部としてインプリントし得る。例えば、金属、ポリマー、有機ポリマーまたは他の任意の材料からつくられたRFID部品を、モジュール型タイルまたは他の任意の部品材料の裏面に、直接プリントすることが可能である。一実施形態において、無線周波トランスポンダは、一つまたはそれより多くのモジュール型タイルに、各タイルの縁または角部付近にてインプリントされる。タイルが設置されるとき、コネクタは、無線周波トランスポンダを覆うかまたは他の方法で保護する位置で、モジュール型タイルに接着するように位置付けされ得る。
【0061】
床カバー材設置体に、例えば化学センサまたは圧力センサなどのセンサと、無線周波トランスポンダとの両方を装備してもよい。センサは情報を無線周波トランスポンダに記録することができ、その情報は、無線周波トランスポンダ読み取り装置によって、例えば、メンテナンスプログラムの一部として取り込まれ得る。例えば、センサが含水率情報を検知し、この情報を、センサ付近の無線周波トランスポンダで記録し得る。一つのコネクタが、一つまたはそれより多くのセンサおよび/または一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダ構成要素を含むことができる。
【0062】
図1Aは、導電特性を有するコネクタ(本文以下、「導電性コネクタ」“conductive connector”と称する)の一実施形態を示す。この開示の全体が、コネクタ20だけでなく導電性コネクタ150にも適用されることが理解されよう。
【0063】
先に記載したコネクタ20と同様に、導電性コネクタ150は、フィルム156、およびフィルム156の一方の面に設けられた接着剤層154を含む。導電性コネクタ150は、さらに、フィルム15に固定された導電性部品152を含む。例えば、導電性部品152は、フィルム15に接着剤により固定され得る。或いは、導電性部品152は、貼り合わせ、成形、超音波溶接などを含むがこれらに限定されない任意の加工プロセスを用いて、フィルム15に固定され得る。この特定の実施形態において、導電性部品152は、導電性コネクタ150の幅を横切って延在する、例えば銅箔などの導電性材料からなる矩形の細片(例えば、幅が1インチ(約2.54cm))である。この実施形態は、導電性コネクタ150の中央に配置された、銅箔からなる矩形の導電性部品152を示しているが、当業者は、隣接するタイルを連結するように配置するときに、隣接するタイル間にて電気的導通が維持されることができるのであれば、導電性部品が任意の導電性材料からつくられることができ、任意の形状及び寸法を有することができ、且つ、コネクタ上のいずれの位置にも配置されることができることを理解するであろう。さらに、導電性部品は、図面に示すように、フィルム156の接着剤面154に配置されることができるかまたは、(タイルの裏面と導電性要素との間の導電性を保証するための手段が設けられるならば)接着剤面とは反対の側に配置されることができる。
【0064】
導電性コネクタ150は、上述のように、隣接するタイルを互いに連結させるために用いられることができる。多くのカーペットタイルが、炭素、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのような、無機フィラーなどの導電性材料を含む。従って、導電性コネクタ150を用いて、導電性部品152が両方のタイルに接触するように互いに隣接するタイルを固定するとき、隣接するカーペットタイルを通って電気を伝送させることができる経路が設けられて、導電面を形成する。導電面の形成により、電気が床を通って伝送されることが可能になる。この電気は様々な用途に利用されることができる。
【0065】
例えば、一実施形態において、導電性コネクタ150は、圧力が加えられたときに(すなわち、誰かがタイル上を歩行しているときに)電荷を発生する圧電材料からつくられた電気機械フィルムであり得る。次いで、装置が、発信された信号を受信および処理して、この装置を監視している人々に、人間がタイル上を歩いているという警告を提供することができる。このタイプの装置はセキュリティ保護のために重要であり、また、例えば、入室が制限されている部屋へのアクセスを監視することを可能にする。ある人間がカーペットタイルを踏んだときに発生される信号に基づいて、誰がカーペット上を歩行しているのかを、その人間のゲートに基づいて特定することが可能である。そして、このシステムは、その人間が立入り制限領域へのアクセス権を有するかどうか、或いはその人間が侵入者であるかどうかを決定することができる。さらに、カーペットタイル上を歩くことにより電気が発生するため、このような電気を利用および使用して、ビルのエネルギー需要を満たすことができることが考えられる。この技術を用いて、ビルが最終的にエネルギー需要に関して自立し得ることが考えられる。
【0066】
別の実施形態において、導電性コネクタ150は、音声およびデータ通信のために、電気が床をわたって伝送されることを可能にする。床面の全体が導電接続される場合、導電性コネクタは、情報を伝達するかまたは受信するためのアンテナとして機能することができる。或いは、導電性コネクタは、漂遊無線信号が、ある領域に出入りすることを防止するためのシールドとして機能することができる。
【0067】
図1を再び参照する。剥離層26は、接着剤がコネクタから剥がれることを防ぐために、剥離層26が接着剤に接着しないように接着剤に適合可能な任意の材料にし得る。例えばポリマーコーティング(例えば高分子シリコーン)などの低エネルギーコーティングを、少なくとも片面に有するクラフトペーパーが、この用途に特に好適であることが分かっている。しかし、本発明での使用に好適な剥離材料は、3M社などから広く市販されており、当業者に容易に知られている。
【0068】
コネクタ20は、好ましくは、設置に用いられるための所望の形状および寸法に、全体にまたは部分的に既に切り分けられた個々のユニットとして、設置場所に提供される。各コネクタ20は別々に製造されてもよいが、製造の経済的意義は、意図されているコネクタ寸法よりも大きいフィルム22、接着剤層24、剥離層26のサンドイッチ構造を最初に製造し、次いでそのサンドイッチ構造からコネクタ20を切り取ることにより達成され得る。接着剤層24は所望のフィルム22上にコーティングされることができ、その後、剥離層26が、サンドイッチ構造を形成するように接着剤層24に接触して配置される。別の製造実施形態においては、接着剤層24が最初に剥離層26に塗布されて、その後、フィルム22が剥離層26上に配置されてサンドイッチ構造を形成する。
【0069】
次いで、得られたサンドイッチ構造が、所望の形状および寸法のコネクタ20に切り分けられ得ることは明らかである。しかし、多数のコネクタ20が1つの剥離層26上に設けられることが好ましい。例えば、予めカットされるかまたはミシン目が施された多数のコネクタ20が、剥離層26のストリップに沿って連続して配置され得る。取扱いと保存を容易にするために、コネクタがロールの外側(図2を参照)または内側に位置付けられるか、あるいは連続したコネクタ20がアコーディオン状に折りたたまれるように、このストリップを巻き取ることができる。また、多数のコネクタ20を、剥離層26のシートに設けてもよい。フィルム22はミシン目28を施されることができる(図3を参照)かまたは、設置中に剥離層26(図示せず)からの取り外しを容易にするために、所望のコネクタの形状および寸法に完全に切り分けられてもよい。剥離材料のストリップまたはシートに設けられるコネクタ20の理想的な個数は、設置規模に応じて変化することは明らかであろう。
【0070】
剥離材料のストリップまたはシートにコネクタ20を設けることは、剥離層26からコネクタ20を取り外すことを容易にし、従って設置時間を短縮することが分かっている。剥離材料のストリップに設けられたコネクタ20(図2に示す)に関して、設置は、コネクタディスペンサの使用によっても迅速に行われることができる。このディスペンサは、少なくとも一つの巻かれた、またはアコーディオン状に折り畳まれたコネクタ20のストリップを保持し、好ましくは、剥離層26からコネクタ20を分離させる仕組みをもたらす。このディスペンサは、例えばバックパックとして作られるか、あるいは設置者のベルトに取り付けられるように形造られてよく、好ましくは、少なくとも1つの(及び、好ましくはさらに多い)コネクタ20のロールを支持する構造を含む。
【0071】
このようなディスペンサの一実施形態(図4を参照)において、コネクタ20を担持している剥離材料のロールは、例えば、プラスチック、金属、またはボール紙などの十分に剛い任意の材料から作られた箱30に収容される。箱は、好ましくは3つの開口部32,34,36を含み、これらの開口部を通して剥離材料のストリップが送り出される。剥離材料のストリップは、突起部38が配置されている第1の開口部32を通って送られる。次いで、剥離材料は、第2の開口部34を通して箱30の内部に送り戻され、第3の開口部36から出ていく。使用時に、設置者は、第3開口部36から延在している剥離材料ストリップを引っ張る。これによって、コネクタ20を担持する剥離層26のロールの部分を前進させる。剥離層26が突起部38を超えて延在するとき、比較的剛いコネクタ20は、突起部38の形状に適合できず、突起部38を超えて進むことができない。その代わりに、コネクタの前進端が剥離層26から外れると、その後、設置者は外れた前進端を容易に掴んで、コネクタ20を剥離層26から完全に取り外すことができる。ディスペンサが支持できるコネクタの個数が多いほど、設置者が設置中にディスペンサを再装填しなければならない回数はより少なくなることは明らかである。これは大規模な設置において特に有益であり得る。
【0072】
このようなディスペンサの別の実施形態(図10〜図13を参照)において、ディスペンサ70は、剥離材料のロール74上でコネクタを保持するハウジング72を含む。アクチュエータ76は、上位置すなわち開始位置からスロット78の経路に沿って下方に動かされて、ハウジングにおいて剥離材料のロール74から単一のコネクタの剥離を引き起こす。ディスペンサ70は、ユーザのコネクタの接着剤側への接触を制限するように、剥離材料からコネクタを引き離して、個別のコネクタをすぐに掴めるような形でもたらす。詳細には、ハウジング72は、スロット78に沿ってアクチュエータ76が動かされた後に、コネクタをユーザの手の最終的な位置に近い位置で差し出してコネクタの剥離を引き起こすための開口部80を有する。このように、アクチュエータ76を、開始位置からスロット78の線状の経路に沿って最終位置まで動かすと、個々のコネクタが剥離材料から剥離(または部分的に剥離)されて、開口部80を通って、ユーザの手が掴むのに便利な位置でユーザへ差し出される。ユーザがアクチュエータ76から手を離したならば、アクチュエータ76はスロット78の上部の開始位置に戻る。アクチュエータ76の開始位置は、ユーザにとって便利な位置であることが好ましい。すなわち、ディスペンサ70がユーザの身体に取り付けられる時に、アクチュエータ76がユーザの手に便利な位置に配置され、ユーザがアクチュエータ76を掴んで動かすのに必要な動きの量が制限されることが好ましい。
【0073】
ディスペンサ70は、ベルトループ82を用いて設置者のベルトに固定されてもよく、且つ、ストラップ(図示せず)を用いてハウジング72に取り付けられたレッグマウント(脚への取付け部)86の開口部84を通して、設置者の脚に固定されてもよい。レッグマウント86は曲線形状を有し、比較的柔軟な材料(例えばゴム)で形成されているので、開口部84を通ったストラップで設置者の足の周りを堅く締めると、レッグマウント86は、脚とハウジング72の間に脚の形状に適合するクッションを形成する。或いは、レッグマウント86およびハウジング72は、一体の部品として形成されてもよい。ディスペンサは、ディスペンサをユーザに固定するための種々の取付け部材(例えば、ベルトループ、ストラップの開口部、ストラップ、クリップ等)を有してもよい。
【0074】
図11は、コネクタディスペンサ70の分解斜視図である。回転チェーン90を有する駆動部品群88は、巻き取りローラ96を駆動する駆動部材(図14〜図15に示す)、及び、メータローラ98を駆動する駆動部材(同様に図14〜図15に示す)に取り付けられる。これらのローラ96、98もまた、それぞれ、巻き取りロッド92及びメータローラロッド94に取り付けられて、それぞれのロッド上で回転する。これらのロッドの一方または両方が、ラチェットスリップクラッチを使用して、ロッドの一方が他方に対してオーバードライブされることを可能にしてもよい。組立時および使用時に、アクチュエータ76がスロット78に沿って移動すると、駆動部品群88の回転チェーン90が回転して、巻き取りローラ96及びメータローラ98の両方を回転させる。これによって剥離層104がピン116の周りを進むので、比較的柔軟な剥離材料はピン116の曲線の周りで曲がるようになり、比較的剛いコネクタは剥離材料から剥離されて、開口部80を通って突き出される。張力装置又はキャプスタン組立体(アセンブリ)102は、組立て時に、メータローラ98に隣接して嵌め込まれる。張力装置102は、メータローラ98に押し付けられるように設計された1対のばね荷重ローラであり、使用時には、剥離材料104がメーターローラ98に対してぴんと張るように保つ。
【0075】
剥離材料のロール74は、剥離材料104が先端部108まで延在している状態でスピンドルまたはペグ106上に取り付けられる。ディスペンサを組み立てる時、剥離材料のロール74は、ロール74をペグ106上に差し込んで、剥離材料104を、ディスペンサ70内の適切な経路を通して送り出し、最後に先端108を巻き取りローラ96に取り付けることにより装填される。先端108は、先端108を巻き取りローラ96のスロット110に差し込むことにより、若しくは、先端108上の接着剤を用いて先端108を巻き取りローラ96の周囲に接着することにより、又は、他の任意の好適な技術により、巻き取りローラ96に取り付けられ得る。
【0076】
ロール74がディスペンサ70内に適切に嵌め込まれると、ロール74上の最初のコネクタは、差し出される準備ができているであろう。先端108が巻き取りローラ96のスロット110に差し込まれた時に最初のコネクタが適切な位置にあるように、最初のコネクタは、先端108から所定の距離だけ間隔をおいて配置され得る。言い換えれば、最初のコネクタは、先端引き出し部分および所定の長さの先端部110に続いて、剥離材料に位置付けられる。その後に続くコネクタは、ロール74の残りの部分にわたって剥離材料104に沿って間隔をおいて配置される。多くの場合、コネクタ間の剥離材料のストリップに沿った距離は、コネクタの間で比較的一定であろう。
【0077】
アクチュエータ74が最初のコネクタを開口部80から差し出させた後、剥離材料104は、次のコネクタが差し出される準備ができているように前進している。このように、アクチュエータ74を動かすことが、通常、1つのコネクタの長さよりもわずかに長い長さだけ剥離材料104を前進させて、次のコネクタが適切な位置に差し出されるように、次のコネクタを押し出すであろうという理由で、ディスペンサ70は自動位置合わせをしている。調整ねじ112により、ユーザがアクチュエータの最初の位置を微調整するかまたは他の方法で調整して、アクチュエータが動かされる距離を長くするかまたは短くすることが可能である。この変化は、アクチュエータが最初の位置から最終位置へと動かされた時の、剥離材料104の経路に沿う移動量の変化に反映される。
【0078】
図13は、カバーが取り外された状態のコネクタディスペンサ70の側面図であり、さらに、剥離材料104の経路を示す。図示されているように、剥離材料104の経路はロール74において始まり、曲面部分114に沿って、開口部80付近に位置付けられた自由回転ロッド116周囲の急カーブ部へと延在して、メータローラ98と張力装置102との間に延在して、巻き取りローラ96の周囲に至る。使用時に、アクチュエータ76を動かすことにより、巻き取りローラ96及びメータローラ98の両方が、所定量回転する。この回転により、剥離材料104が、上述の経路に沿って所定の距離を進む。一般に、剥離材料は十分な距離を前進して、剥離材料104上のコネクタが、剥離材料104から外れるかまたは部分的に外れて、ユーザが掴んで使用するために開口部80から突き出ることを可能にするであろう。
【0079】
図12は、カバーが付けられた状態のコネクタディスペンサ74の側面図である。一般に、ディスペンサのハウジングは、剥離材料上のコネクタのロールを装填するかまたは取り出すために、ハウジングを開けることを可能にする2つの部分を有するであろう。2つの部分はヒンジによって互いに連結されてよく、且つ、クラムシェル式に開いてよい。ラッチ118が、ハウジング72の2つの部分を互いに固定して、必要な時に、ユーザがディスペンサ70を迅速かつ容易に再充填することを可能にしている。また、ラッチを位置付けることにより、ユーザが、ユーザの身体上の位置からディスペンサ70を取り外すことなく、ディスペンサ70を再充填することも可能にする。
【0080】
図14及び図15は、コネクタディスペンサ70の駆動部品群88を示す。ディスペンサの76のアクチュエータは、アクチュエータの経路78に沿ったアクチュエータ76の動きが、チェーン90を、駆動部品群88内のその経路に沿って回転させるように、駆動部品群88内のチェーン90の連結部に取り付けられる。チェーン90を回転することにより、メータローラ駆動部材118及び巻き上げロール駆動部材120の回転が引き起こされる。上述したように、これらの駆動部材118、120およびそれらと関連する駆動ローラ96、98の回転は、ディスペンサ70内の剥離材料104の動きを引き起こす。駆動部材の一方または両方は、ラチェットする部材を利用して、駆動部材が一方向のみに、すなわちディスペンサ70内の剥離材料104のその経路に沿った前方への動きに対応する方向のみに、確実に回転するようにする。駆動部材118、120は、任意の好適な方法で、ローラ96、98にそれぞれ取り付けられてもよい。例えば、駆動部材は、ローラ上の12ポイントの六角形のソケットと噛み合う6ポイントの六角形の外形を有し得る。この6ポイントから12ポイントへの連結は、組み立て中に、または、再充填後にディスペンサ70のカバーを位置付けし直す際に、これらの部品を互いに位置合わせすることを容易にする。
【0081】
また、アクチュエータの動きと共にチェーンが動くと、ばね駆動部材122が回転して、ばねケーシング100内部のばね(図示せず)を巻回させ、エネルギーを保持する。ユーザがアクチュエータ76をその開始位置から終止位置まで移動させて、アクチュエータから手を離すと、ばねが伸びてチェーン90を反対方向に回転させ、これにより、取り付けられたアクチュエータ76は、経路78に沿って開始位置に戻される。張力装置124は、チェーン90を駆動部品群88内のその経路に固定している。ケーシング126は、駆動部品群88の内部部品を内包している。
【0082】
いくつかの代替的なディスペンサの設計が可能である。例えば、ディスペンサは、様々な位置に取り付けるために変更を加えてもよい。ユーザのベルト及び脚に固定することに加えて、ディスペンサをユーザの膝の間にストラップで取り付けてもよく、ユーザの腕又は手首に取り付けてもよく、バックパックとして装着してもよく、ユーザの肩にかけてもよく、あるいは、ユーザの身体の任意の好適な部分に取り付け、固定し、吊るし、または接触させてもよい。典型的には、ディスペンサは、ディスペンスされるコネクタに、ユーザがアクセスするのに便利な位置におかれるであろう。
【0083】
或いは、ディスペンサをユーザの身体から離して使用してもよい。例えば、ディスペンサを床の上に載せてもよく、又は、ユーザが膝をつく膝つき台に取り付けてもよい。ディスペンサを天井または壁から吊り下げてもよく、或いはジップラインに取り付けてもよい。また、ディスペンサは、ディスペンサが出荷されるパッケージの一部であってよく、または、そのパッケージの幾つかまたは全てを含んでもよい。他の代替案として、ディスペンサは、1つより多くのコネクタを同時にディスペンスしてもよく、または、連結されたディスペンサの格子(グリッド)をディスペンスしてもよい。
【0084】
剥離材料からのコネクタの剥離は、先に記載した手段とは別の代替手段によっても達成され得る。剥離材料を急カーブの周囲を通過させることによって剥離させることに加えて、他の様々なメカニズムが考えられる。例えば、ユーザがコネクタを掴んで剥離材料からコネクタを取り外すことにより剥離してもよい。このような場合、ディスペンサは、コネクタがユーザにより取り外されるように張り付けられた状態で剥離材料をディスペンスしてもよい。例えば、ディスペンサは、扇状に折りたたまれた剥離材料の束であって、折り曲げられた部分の各々に一つのコネクタを有する剥離材料の束を含んでもよい。このようなディスペンサの開口部は、ユーザが、コネクタを含む剥離材料を掴んで取り出し、次いでコネクタを取り外して剥離材料を捨てることを可能にする。
【0085】
別の例として、ディスペンサは、剥離材料がないコネクタの連続ロールを有してもよい。そのようなディスペンサは、開口部の近くに切り取り(カッティング)部材を有してもよく、個別のコネクタとして使用するために、コネクタロールのうち所定量またはユーザが決めた量を切り取る。裏地層としての剥離材料なしにロール状に巻かれたコネクタロールの裏地層は、剥離コーティングを有してもよい。
【0086】
別の例として、各コネクタがその接着面の全部または一部を覆う剥離材料を有し、これによって、束において各コネクタが他のコネクタに貼り付くことがないように、コネクタはディスペンサ内に個々に積み重ねられてもよい。剥離材料はその上に弱粘着性接着剤を有してもよく、これによって、束における隣接するコネクタが束状にまとめられる(すなわち、弱粘着性接着剤が、隣接するタイルの非接着面に取り外し可能に貼り付く)。
【0087】
さらに別の方法として、各コネクタの接着面が隣接するコネクタに付着するように、コネクタはディスペンサ内に束として積み重ねられてもよい。例えば、アクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどのシリコーン処理または高分子フロリン処理された剥離コーティングを、各タイルの非接着面に施して、隣接するタイルの接着面が非接着面に取り外し可能に付着されてもよい。
【0088】
コネクタの束は、ディスペンサを用いても用いなくても使用され得る。場合によっては、設置者が単にコネクタの束を抱えて、使用時に1つずつコネクタを取り外すことも便利かも知れない。束におけるコネクタは、上述したような様々な方法で付着され得る。
【0089】
また、本発明のディスペンサは、ユーザがコネクタに触れることなく、カーペットタイルに直接コネクタをディスペンスするように構成されてもよい。例えば、ディスペンサは、カーペットタイルの角部が差し込まれ得る角部を有してもよい。カーペットタイルが適切な位置に配置されたならば、タイルの角部にコネクタをディスペンスするために、ディスペンサは、ユーザにより駆動されるか、あるいはタイルの存在を検知することによって自動的に駆動される。同様の設計を用いて、コネクタをカーペットタイルの縁(角部ではなく)に直接付着してもよい。あるいは、ディスペンサは、カーペットタイルが床上に載置されると、カーペットタイルの角部の下で回転するように設計されてもよい。カーペットタイルが適切な位置に配置されたならば、ディスペンサはコネクタをカーペットタイル上に直接ディスペンスする。この回転動作もディスペンサにコネクタを送り出させる可能性がある。
【0090】
本発明のディスペンサはまた、コネクタを保持する剥離材料を様々な方法で前進させるようにも構成され得る。剥離材料の前進は、ユーザが制御するアクチュエータに加えて、ユーザが剥離材料を引っ張ること、ユーザがコネクタを引っ張ること、電気モータ、ユーザの動作(例えば、ユーザが膝つき台上で左右にゆれること)、または他の任意の好適な技術もしくは装置により制御され得る。
【0091】
本発明に従うディスペンサは、常にではないが典型的に、ユーザまたはカーペットタイルの設置者にとって便利な向きで、コネクタをディスペンスするであろう。好ましくは、ユーザがコネクタを貼り付けるかまたは位置付ける前に、コネクタを裏返すかまたは回転させる必要がないように、コネクタは、コネクタの接着面を上側に向けてディスペンスされるであろう。また、ディスペンサは、剥離材料上に残っているコネクタの数を追跡し表示するためのカウンタおよびディスプレイを有してもよい。ディスペンサは、ディスペンサ内部に保持されている残りのコネクタをユーザが見ることができるように、開口部を有してもよい。
【0092】
本発明の別の実施形態において、剥離材料26は完全に省かれてもよい。むしろ、コネクタ20は、1つのコネクタ20の接着剤層24が、束においてそのコネクタの上に位置付けられたコネクタ20のフィルム22に接触している状態で、互いの上に積み重ねられることができる。この場合、設置者は、設置中に束からコネクタ20を剥がすだけである。
【0093】
コネクタを用いるタイルの一設置法において、第1のタイルを、従来知られたタイル設置方法によって決められた位置で床の上に配置する。コネクタ20を剥離層26から(またはコネクタ20の束から)剥がして、接着剤層24がその下の床から見て上向きになるように配置する。コネクタ20を、接着剤層24の一部のみがタイルの裏面に接着するように位置付けて、コネクタ20の残りの部分がタイルの裏面から延在するようにしておく。次いで、一枚のタイルまたは複数枚のタイルを、第1のタイルに隣接して位置付けると、その結果、コネクタ20の一部分が隣接するタイルに接着する。このようにして、コネクタは、隣接する1つまたは複数のタイルの隣接する縁に掛け渡される。
【0094】
隣接するタイルを結合するために、任意の数のコネクタ20を設置体において使用してもよい。しかしながら、安定した床カバー材を創生するために、コネクタを隣接するタイルの縁全体に沿って位置付ける必要はなく、また、隣接するタイルの全ての縁に掛け渡す必要もない。むしろ、隣接するタイルを互いに固定するために、隣接するタイルの縁全体に沿って用いられてきた接着テープとは異なり、本発明のコネクタ20は、隣接する縁の非常に限定された長さに沿って延在するだけでよい。例えば、隣接するタイルの縁の5%〜10%のみがコネクタ20で固定される床カバー材設置体のタイルは、歩行者の通行、回転通行、並びにクリーニングおよびメンテナンス中に加えられる圧力を受けたときに、設置時の相対的な位置を保持する能力だけでなく、平面安定性(タイルの凹みおよび/または丸まりにより測定される)、および寸法安定性(タイルの歪曲により測定される)も示すことが見出された。
【0095】
図5は、タイルの従来知られた設置(すなわち、行及び列が位置合わせされる)の一実施形態を示す。説明を簡潔にするために、コネクタの位置付けを、図6に配置されて示されているような、4枚のタイル41〜44からなる基本ユニット40に関連して述べる。タイル41〜44は、好ましくは、これらが交差する角で中央コネクタ46を用いて連結される。さらに、中央コネクタ46から対角線上にある各タイルの角部も、コネクタ20を用いて隣接するタイルに連結される。このように、4枚のタイル41〜44からなる基本ユニット40を設置するために、合計で2枚のタイルコネクタのみ(中央コネクタ46と、その対角線上の4枚の各タイル角部におけるコネクタの4分の1を合わせて)を用いるだけでよい。これをさらに分解すると、各4枚のタイル41〜44は、平均して、1つのコネクタの表面積の2分の1のみからその安定性を得る。
【0096】
図7はレンガ積みのタイル設置(または、図7を90度回転させると切石設置になる)における可能なコネクタ配置を示す。説明を簡潔にするために、コネクタ20の好ましい位置付けを、図8に配置されて示されているような、4枚のタイル61〜64からなる基本ユニット60について述べる。タイル41〜44と同様に、4枚のタイル61〜64からなる基本ユニット60の設置に用いられるのに必要なのは、全部で2枚のタイルコネクタ(各タイルにつき1/2のコネクタ)のみである。
【0097】
図5〜図8は、タイルを設置するための無数にある可能なコネクタ配置のいくつかを例示しているに過ぎない。コネクタ20は、隣接するタイル間の任意の位置に位置付けしてもよい。従って、設置体における任意のタイルは、タイルの寸法およびコネクタ20の寸法に応じて、わずかに1つのコネクタの一部、および可能な限り多くのコネクタに接触し得る。交差しているタイルの角部での配置に加えて、コネクタ20は、2枚のみのタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられてもよい。さらに、異なる形状または寸法のコネクタ20が、1つの設置体で有用であり得る。例えば、図5に示した矩形のコネクタに加えて、三角形のコネクタは、設置体の境界、例えばタイルが壁に接する箇所などで有用であり得る。
【0098】
コネクタ20を現場で配置することに加えて、タイルの製造中にコネクタ20をタイル上の所望の位置に予め位置付けることも可能である。例えば、コネクタ20の剥離材料26にミシン目を入れてもよい。これにより、製造中に、剥離材料26の一部分を、接着剤層24の一部を露出させるためにミシン目に沿って除去することができる。次いで、コネクタ20の、剥離材料が除去された部分を、上述したようにタイル50の縁の裏面に接着させることができる(図9を参照)。コネクタ20の残りの部分の接着剤は、残りの剥離材料26により引き続き保護される。タイル50から延在するコネクタ20が、出荷のためのタイル50の包装の妨げにならないように、コネクタ20をミシン目の裏面に沿って(方向Aに)曲げて、コネクタ20の裏面がそれ自身と同一平面上に重なるようにすることが好ましい。設置中に、設置者は、タイル50の縁からコネクタ20を延ばし、残りの剥離層26を取り外して、上述のようにタイル50を設置するだけでよい。
【0099】
タイルは床に固着されないため、タイルをその下の床面に直接配置する必要はない。むしろ、本発明のコネクタ20は、タイルと床との間に位置付けられる中間基材上に位置付けられるタイルと同等に良好に機能する。このような中間基材は、例えば、タイルの継目を通り抜けるタイル上に漏出した液体により生じ得る損傷から、床を保護するように機能を果たすことができる。さらに、中間基材は、現存の床に存在する水分に対するバリアとして機能し、これにより、シーラントおよびバリアコーティングが必要なくなる。中間基材は床面に接着される必要がないため、最小限の清掃コストおよび交換コストで着脱可能である。
【0100】
中間基材の一実施形態は、シートまたはフィルム202である。シートまたはフィルム202は、タイル設置に先立って床206上に位置付けられ、従って、図16に示されているように、床206とタイル200の間に位置付けられ得る。フィルム202は任意の好適な材料からつくられることができ、必須でないが、無孔で且つ水分不透過性であることが好ましい。さらに、フィルム202は、高アルカリ状態に対して反応しないことが好ましく、また、350マイクログラム/cm2を超える揮発性有機化合物を放出しないことが好ましい。フィルム202は、必須でないが、床206の凹凸に適合するように柔軟であるのが好ましい。フィルム202は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などのポリマー材料を含むいくつもの材料からつくられることができる。また好適なフィルム202は、いくつかのポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、およびセルロースを基材としたポリマーも、これらの材料に限定せずに含むことができる。
【0101】
フィルム202は、任意の厚さを有することができるが、一実施形態において、この厚さは、約1/1000インチ(約0.0025cm)〜約40/1000インチ(約0.10cm)であり、より好ましくは、約2/1000インチ(約0.005cm)〜約10/1000インチ(約0.025cm)である。必須でないが、タイルの下に敷かれる(下敷き)フィルムは、天然の状態で抗菌性を有するのが好ましい。しかし、そうでない場合、必須ではないが、フィルムを抗菌化学剤で処理して、バクテリアまたは他の微生物の成長を防止することができる。さらに、下敷きフィルムの可燃性が、タイルの可燃性および発煙率に悪影響を及ぼさないことが好ましい。
【0102】
フィルム202の少なくとも一方の面における摩擦係数を増大して、フィルム202に滑り止め特性を与えることが望ましいであろう。必須ではないが、フィルム202の少なくとも一方の面の摩擦係数が0.55より大きいことが好ましい。例えば、フィルム202の一方の面は、粘着性の表面特性を有する樹脂材料から製造され得る。例えば、フィルム202は、比較的滑らかな面(図16の面208)、および、より高い摩擦係数を有する反対側の面(図16の面206)を有することができる。フィルム202は、面206が床204に向かうように位置付けられることができる。このように配置される場合、床204とフィルム202の面206との間の摩擦は、フィルム202(従って、フィルム202上に位置付けられたカーペットまたはカーペットタイル)が、床204に対して移動することを、フィルム202上に位置付けられたタイルにおける歩行量またはその他の移動量が多い場合でも防止する。面208にも、摩擦係数を増大するための表面特性を設け得るが、面208は、フィルム202がタイル200またはその他の下敷き材に粘着することを防止するために比較的滑らかであることが好ましい。
【0103】
別の実施形態において、タイルと床の間の中間基材は、タイル設置前に床上に位置付けられるクッションまたは発泡パッドである。クッションは足元の快適さをもたらし、また、クッション裏地付きカーペットタイルを用いる必要性をなくすことができる。むしろ、ハードバック(硬裏地)タイルを、タイルの下のクッションパッドの上に簡単に設置することができる。また、クッションは、現存の床中に存在する水分に対するバリアとして機能する。
【0104】
クッションは、緩衝効果をもたらす任意の天然材料もしくは合成材料、またはこれらの材料の混合物(例えば、圧縮弾性複合材料)からつくられることができる。例えば、クッションは、発泡材、ゴム、コルク、並びに、織布、フェルト布、及び不織布からつくられることができる。クッションは、未使用または再利用されるポリマー材料からつくられることができ、必須ではないが、100%再生材料からつくられることが好ましい。クッション下敷き材が発泡材料である場合、発泡体は、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体であってよく、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、およびポリオレフィンを含むがこれらに限定されない任意の好適なポリマーからつくられることができる。織布クッション、不織布クッション、またはフェルトクッションは、天然材料または合成材料(羊毛、綿、亜麻、麻、ケナフ、サトウキビ、および他の自然発生セルロース誘導体、または、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、並びにこれらの混合物を含むがこれらの材料に限定されない)からつくられてもよい。クッションが不織布である場合、接着剤を用いるかまたは用いずにニードルパンチングによって、或いは、スパンボンドプロセスにより形成されることができる。クッションが織布である場合、製織、編成などを介して形成されることができる。クッションは、寸法安定性および引裂強度の増大のために、繊維(例えばガラス繊維)により補強されることができる。必須ではないが、クッションは、フィルム202と同じ特性(例えば、耐水性、低VOC含有、床への適合など)を有するのが好ましい。
【0105】
クッションの耐水特性に応じて、フィルム202を有するクッションを設置することが望ましいであろう。図17の実施形態において、フィルム202が、床面204上に直接配置される。次いで、クッション210がフィルム202の上部に配置され、そして、タイル200がクッション210の上部に配置される。隣接するタイルは、コネクタ20を用いて適切な位置に保持されることができる。コネクタは、随意に、上述したような導電性コネクタ150であってよい。
【0106】
図18に示した別の実施形態において、クッション210はフィルム202を用いずに使用される。この実施形態において、クッション210は、床面204上に直接配置される。次いで、タイル200がクッション210の上部に配置される。次いで、隣接するタイルを、先に説明したように、コネクタ20または導電性コネクタ150を用いて互いに固定することができる。フィルム202と同様に、より高い摩擦係数をクッション210の少なくとも一方の面に与えることが、クッションとフィルムとの間の(図17を参照)、またはクッションと床との間の(図18を参照)相対的移動を防止するために望ましいであろう。
【0107】
クッション210は任意の厚さであってよい。しかし、タイルが圧迫されたときに、クッションが、つまずきの危険性を生じるように、タイル裏地層より下に圧縮されないように、クッションの厚さがタイル裏地層の厚さを超えないことが好ましい。
【0108】
一実施形態において、使用される中間基材(用いられるならば)のタイプに関係なく、中間基材上に配置されるタイルの全てが、本件に開示されるコネクタを用いて互いに連結される。この方法においては、設置体におけるどの層も、設置体における他のいずれの層と連結されない(例えば、中間基材は床と連結されず、また、カーペットまたはタイルは中間基材と連結されない)。このようにして、これらの床材は容易に取り外されることができ、その後に床カバー材を設置する前の清掃および準備を必要としない。
【0109】
中間基材のさらに別の実施形態は、新しいカーペットまたはカーペットタイルを、既存のウォール・トゥ・ウォールタイプのカーペットまたはカーペットタイルの上に、既存のカーペットまたはカーペットタイルを取り外す必要なく設置するのに特に好適なクッション複合材である。
【0110】
クッション複合材216の一実施形態が図19に示されている。図19に示されている実施形態において、クッション複合材216は、クッション226に取り付けられた半硬質層220を含む。「半硬質」(“semi-rigid”)とは、或る程度まで曲がることができる幾らかの柔軟性を有する任意の構造を意味する。クッション226は、必須ではないが、クッション210に関して先に開示した特性と類似の特性を有してもよい。半硬質層220は任意の材料からつくられ得る。例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどの合成ポリマー材料が、この用途に特に好適であり得る。
【0111】
半硬質層220は、第1の面222および第2の面224を有する。第2の面224には、例えば、第2の面224から突出している歯部218などのグリップ部品が設けられている。歯部218は半硬質層220と一体的に形成されているように開示されているが、そのように形成される必要はない。むしろ、グリップ部品は、半硬質層220の第2の面224に、任意の方法で(例えば、接着剤、固定具、クリップ、又は、他の任意の化学的若しくは機械的固定手段を用いて)固定され得る。
【0112】
第1の面222はクッション226に取り付けられる。クッション226が予備成形される場合、半硬質層220は、予備成形されたクッション226上に成形されることができる。或いは、発泡材料を用いてクッション226を形成する場合、発泡材は、予備成形された半硬質層220の第1の面222の上に直接配置されることができる。或いは、クッション226および半硬質層220が各々予備成形され、次いで互いに接着されるかまたは、他の方法で互いに貼り付けられてもよい。
【0113】
図20の実施形態に示されているように、クッション複合材216は、既存のカーペットまたはタイル212の上部に配置されることができる。クッション複合材216は、グリップ部品218が既存のカーペットまたはタイル212の一部に入り込むように配置されて、クッション複合材216と既存のカーペットまたはタイル212の間の相対移動を防止するのが好ましい。次いで、新しいカーペットまたはカーペットタイル214がクッション226の上部に配置される。
【0114】
クッション複合材216を用いることにより、既存のカーペットまたはタイルを最初に除去することなく、新しいカーペットまたはカーペットタイルを既存のカーペットまたはタイルの上に、配置することが可能になる。そして、新しいカーペットタイルは、上述のように、コネクタ20または導電性コネクタ150を用いて互いに固定されることができる。図20に示した実施形態において、どの層(すなわち、既存のカーペットまたはタイル212、クッション複合材216、および新しいカーペットまたはカーペットタイル214)も、互いに貼り付けられない。従って、新しいタイルの設置は恒久的である必要はなく、むしろ、タイルは容易に取り外されることができる。さらに、グリップ部品218は、既存のカーペットまたはタイルの表面を損傷しないように設計されることが、必須ではないが好ましい。すると、既存のカーペットまたはタイルの外観または有用性を変えることなく、設置した新しいタイルを取り外すことができる。
【0115】
本発明のコネクタは、現行のタイル設置システムおよび方法を改良している。コネクタは、伝統的な設置システムよりも少ない材料および安価な材料を用いる。さらに、コネクタの使用によって、設置に先立って床を前処理する必要がなくなることで、タイル設置時間が大幅に(接着システムでかかる時間の60%も)短縮される。コネクタを用いれば、設置者が接着剤層を床に塗布し、次いで、タイルを接着剤層上に位置付けるために、塗布時の自分の歩みを再びなぞらずに、設置者は、自分が進むときに、タイルを位置付け固定できる。さらに、剥離可能な接着剤がコネクタに用いられ、且つ、コネクタに接触するタイルの表面積が限定されていれば、タイルは、必要に応じて容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルはその下の床と相互作用しないため、床から容易に取り外されることができ、そのような取り外し時に、タイルの下の床を初期状態のままにする。従って、床は、別の床カバー材で再び覆われる前に、再仕上げされる必要がない。
【0116】
上述の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。図面に例示されている構造および上述の材料の多くの変形が可能であり、そのような変型は、請求項に定義されている本発明の範囲内である。
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照:本出願は、2007年3月27日に出願された米国仮出願第60/920,368号の優先権を主張し、この出願の内容を参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0002】
本発明の実施形態は、床カバー材設置システムおよび方法に関し、特に、カーペットタイルおよび他のモジュール型床カバー材を含む床カバー材の設置システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
床カバー材は有史以前より用いられてきた。最初のかかる床カバー材の材料は、疑いなく、動物の皮、または、葉もしくは茎などの植物性の材料であった。後に、床カバー材は、サイザル麻およびウールを含む、天然に存在する様々な繊維を織るかまたは結ぶことなどによって製造された。20世紀初頭に、このような繊維表面を有する(fiber-faced)床カバー材が、人工繊維からも製造され始めた。
【0004】
最初の床カバー材は、その寸法が動物の皮の寸法に制限されていたが、後に、床カバー材は拡大して、部屋の床全体を覆った。「広幅織り」の床カバー材のこのような「床一面(ウォール・トゥ・ウォール)」設置は、20世紀に広く普及して用いられるようになった。このような材料の模範的設置例は、一つまたは少数の広幅織りカーペットを使用して、部屋の床全体を覆う。このタイプの床一面の床カバー材は、一般に、いくつかの方法で床に貼り付けられる。
【0005】
後に、モジュール型の床カバー材には、より小さな、均一の寸法のモジュールまたはタイルが、ビニルタイルなどの固体表面の床カバー材、および、表面が繊維の(textile faced)床カバー材の両方に用いられ、これらは通常はカーペットタイルと称されている。2003年8月11日に出願された「再構成可能なモジュール型床カバー材」の特許文献1(参照により援用して本文の記載の一部とする)で説明されるように、タイルは、床面の全体を覆わないエリアラグ(部屋の一部に敷かれる敷物)として設置され得る。しかし、大多数のタイルは床一面の設置のために用いられている。タイルは、伝統的に、各タイルの縁が隣接するタイルの縁と位置合わせされた状態で、行および列が位置合わせされて設置されてきた(「従来知られたカーペットタイルの設置方法」)。従来知られたカーペットタイルは、歴史的に、広幅織りカーペットの外観を模倣しようとし、また、製品がモジュール型である事実を隠すかまたは、少なくとも強調しないようにした製品であった。この結果を達成するには、カーペットタイルまたはモジュールが、1つの床設置体において、モジュールの製造時に有していた配向と同一の配向で(すなわち、モノリシックに)配置されることが最小限必要であった。しかし、近年においては、繊維面を有するモジュール型床材の設計者は、床材がモジュール型であることを隠そうとするのではなく、むしろ賞賛する床材および床材設置の設計を開始している。例えば、モジュールは、今でも位置合わせされた行および列で設置されてはいるが、モジュールは、各タイルの位置が隣接する各タイルに対して90°回転された「4分の1回転式で」(“quarter-turned”)設置される。さらに、特許文献2に記載されているように、位置または回転配向に関係なく、「ランダムに」設置されることができるカーペットタイルが開発されており、参照により援用して本文の記載の一部とする。
【0006】
しかし、モジュールは必ずしも位置合わせされた行および列で設置されるとは限らない。例えば、タイルは、タイルの列が隣接するタイルの列に対して上にシフトまたは下にシフトして見えるように、列においては位置合わせされても、位置合わせされたモジュールの行は形成されずに設置されることもある(「切石設置法」“ashlar installation method”)。他の設置では、タイルは、行においては位置合わせされても、位置合わせされた列は形成されずに、むしろ互い違いにずれた列で設置される(「レンガ積み設置法」“brick-laid installation”)。
【0007】
床カバー材モジュールは一般に比較的大きな寸法および重量であると、床カバー材が組立てられる際に、モジュールが位置付けされる位置にモジュールを維持することが容易であるが、モジュールの移動にさらに抵抗するための手段を設けることが望ましい。これは、伝統的には、モジュールを、その下にある床面に様々な方法で付着させることにより達成されてきた。
【0008】
モジュールは、多くの場合、最初にモジュールの下にある床面に接着剤の層を塗布し、次いでタイルを接着剤の上部に配置することにより床に接着される。この方法を用いると、接着剤は、典型的に、床材モジュールの裏面の表面積全体に接触するので、これにより材料コストが増大し、また、タイルが不正確に位置付けられた場合にそれらを位置付けし直すことが困難になることが多い。これは、継目で整合されなければならないパターン付き(patterned)モジュールを設置する際に特に問題である。さらに、タイルを最終的に取り外す時に、接着剤が床面に残留し、その接着剤が、取り外されたタイルの一部を保持してしまう場合がある。この接着剤(および接着剤により保持されているいずれの床材の材料)は、新しいタイルを設置する前に、滑らかな表面を創生するために床から除去されなければならない。このことは、設置プロセスの費用も時間も増大させる。
【0009】
また、モジュールは、接着剤をモジュールの裏面全体(または任意の部分)に予め塗布することによって設置してもよい。例えば、接着剤を、各モジュールの裏面を横断する比較的幅狭の帯状で塗布し、モジュール設置前には、プラスチックフィルムまたは紙細片で覆い、モジュールが配置される直前にプラスチックフィルムまたは紙細片を剥離してもよい。しかし、この方法もまた、モジュールを床に直接貼り付けることを含んでおり、結果的に上述した欠点をもたらす可能性がある。
【0010】
また、モジュールは、両面接着テープを用いても設置されてきた。この方法によれば、テープの一方の面がモジュールの裏面に配置され、テープの他方の面が床上に配置され、それによりモジュールを床に固定する。両面テープもまた、隣接するカーペットおよびカーペットタイルの縁の間、並びに、それらの全体に沿って配置されていた。しかし、接着剤と同様に、両面テープは、タイルを位置付けし直すことができないことがあり、タイルを取り外す際に床に残留物を残すこともある。さらに、テープは低い引張り強度を有し、且つ、比較的非弾性であり、その結果、延伸しやすく元の形状に戻らない傾向がある。これによって、隣接するタイル間に間隙が形成されることがある。
【0011】
床に直接取り付けることに加えて、モジュールは、機械的な留め具または接着剤で覆われたパッドを用いるなど、その下にある床面に間接的にも取り付けられてきた。例えば、マジックテープ(フックアンドループファスナ)が使用され、それによりフックまたはループのいずれか一方のシートが床に固定され、フックまたはループの他方がモジュールの裏面に設けられる。モジュール上のフックまたはループは、床上のフックまたはループと係合して、モジュールを床に固定する。接着剤で覆われたパッドもまた用いられてきた。例えば、剥離可能な接着剤で両面が予めコーティングされた発泡パッドが用いられてきた。設置中に、剥離紙がパッドの両面から取り外されて接着剤を露出させ、パッドが床に貼り付けられる。次いで、カーペットタイルがパッドの上部に配置されて、接着剤によって適所に保持される。これらのシステムおよび方法は、設置者がタイルを再度配置する能力を向上し得るが、設置の材料コストを著しく増大させる。さらに、これらの設置方法を用いると、タイルが互いに対してより移動し易くなり、それにより設置体に間隙を生じさせる。
【0012】
タイルを床に直接的にも間接的にも付着させない他の設置方法がある。例えば、ダクトテープなどの片面接着テープが、隣接するタイルを互いに固定するために用いられてきた。タイルは、表側を下に向けて配置され、テープが、タイルの隣接する縁全体に沿って固定される。タイルの摩耗面を露出させるために、隣接するタイル間の連結を壊すことなく、タイルを注意深く裏返さなければならない。この方法は、テープをタイル上に配置するためのかなり多くの時間、並びに、継ぎ目全体に沿って、隣接するタイルの縁同士をテープで張り合わせるための多額の材料投資を必要とする。さらに、このような接着テープは比較的脆いため、テープをタイルの裏面に所望通りに配置することが困難である。また、両面接着テープと同様に、引っ張り強度および弾力性が低いため、圧力が加えられると恒久的に延伸しやすく、それによって隣接するタイル間に恒久的な間隙を生じやすい。
【0013】
設置方法に関係なく、タイルが、不注意にも、高含水率および高pHを有する表面に設置されることもしばしばある。カーペットタイルが高含水率を有する床の上に直接設置される場合、床面とタイルとの間に捕えられた水分により、望ましくない匂いが発生することがある。伝統的には、この問題を解決するために、タイルを床に接着する前に床面にシーラントが塗布されてきた。
【0014】
また、カーペットタイルは、快適さにとって望ましいクッション裏地層を有して製造されてきた。伝統的に、クッション層は、カーペットタイルに直接取り付けられており、従って、後にカーペットタイルを除去するかまたは交換する場合には、クッションは必然的にタイルと共に除去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許出願公開公報第2004/0258870号
【特許文献2】米国特許第6908656号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
床カバー材設置法はいくつか存在するが、安定した床カバー材になるようにモジュールを設置するのに必要な時間および材料コストの両方を削減する、システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の実施形態は、床カバー材を設置するために必要な時間および材料コストを削減するシステムおよび方法を提供することにより、従来のモジュール型床材設置方法の問題に対処する。隣接する床カバー材ユニットを接合するためにコネクタが用いられる。コネクタは、モジュール型の床カバー材ユニット(「タイル」)の設置において特に有用である。一実施形態において、コネクタは、フィルム、およびフィルムの一方の面にコーティングされた接着剤層を含む。コネクタを用いてタイルを設置するために、第1のタイルを床上に、従来知られたタイル設置方法により決定される位置にて配置する。コネクタを、接着剤層が上側を向き且つ床に接触しないように位置付ける。コネクタは、典型的には、接着剤層の一部のみがタイルの裏面に接着し、コネクタの残りの部分がタイルの裏面から延在しているように位置付けられる。次いで、複数のタイルを第1のタイルに隣接して位置付ける。これは、コネクタの一部がこれらの隣接するタイルに接着するように行われる。このようにして、コネクタは、隣接するタイルの隣り合う縁に掛け渡される。タイルは、その下にある床面に、タイルをその床面に固着させる必要なく組み立てられる。むしろ、タイルはコネクタを用いて互いに連結され、これにより、タイルは、その下にある床面に「浮く(float)」床カバー材を創生する。
【0018】
コネクタは、設置体において、隣接するタイル縁の全体に沿って位置付けられる必要はなく、また、全ての隣接するタイル縁に掛け渡される必要もない。むしろ、コネクは、設置体に位置付けられる時に、隣接する縁の全長に沿って延在しないような寸法を有する。また、任意の数のコネクタを、隣接するタイル間の任意の数の位置に使用し得るが、本発明の利点は、コネクタを、組立体内の戦略的な位置に(例えば、4枚のタイルが接する角部の幾つかに)配置することによって十分に実現され得る。これは、設置体における全ての隣接するタイル縁を安定化させるために、隣接するタイル縁の全体に沿って安定化材料を配置することを必要とした従来の設置方法とは対照的である。
【0019】
タイル設置体を安定化させるために必要なコネクタの寸法が比較的小さく個数が少ないことより、材料コストを従来のタイル設置方法よりも大幅に削減することができる。さらに、コネクタの使用により、設置に先立って床を前処理する必要がなくなることで、タイル設置時間が大幅に短縮される。設置者は、接着剤層を床に塗布し、次いでこの接着剤層上にタイルを位置付けるために、塗布時の自分の歩みを再びなぞる代わりに、コネクタを用いれば、設置者は、自分が進むときにタイルを位置付け且つ固定できる。さらに、剥離可能な接着剤がコネクタに用いられ、且つ、コネクタに接触するタイルの表面積が限定されていれば、タイルは、必要に応じて容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルはその下の床と相互作用しないため、床から容易に取り外されることができ、そのような取り外し時に、タイルの下の床には接着剤がほとんど又は全く残留されない。従って、床は、別の床カバー材で再び覆われる前に再仕上げされる必要がない。
【0020】
さらに、コネクタは、導電するように適合されることができる。導電性コネクタがタイルに固定されると、電気的導通が、隣接するタイルを通じて維持される。これは、タイルを通じての導電を、セキュリティシステム、音声およびデータ伝送、電子機械的膜、追跡および位置監視、ウェイファインディング(例えば、人間が床上を歩くとき、床が何らかの方法で照明され、それにより人間が歩く道を見つけることを補助する)、並びに他の多くの代替物と共に用いることを可能にする。
【0021】
設置は、ディスペンサを用いることにより迅速に行われることができる。ディスペンサはコネクタを保持する。また、ディスペンサが、個々のコネクタを、すぐ掴めるような形でもたらすことも好ましい。ディスペンサは、剥離層または他のコネクタからコネクタを引き離すための機構を有し得る。ディスペンサは、設置者のベルトおよび脚に固定されてもよく、例としては、ロール状に巻かれたコネクタ、剥離材料のロールの上のコネクタ、扇状に折り畳まれた剥離材料上のコネクタ、または個別のコネクタを含んでもよい。ディスペンサは詰め替え可能であるかまたは使い捨て用に設計されてもよい。
【0022】
好ましくは、ディスペンサは、コネクタを担持しているストリップ状の剥離材料のためのハウジングを有し、コネクタは、ストリップの長さに沿って、間隔をあけて連続的に担持されている。ディスペンサは、ユーザにコネクタを差し出すための開口部も有し、また、コネクタの剥離およびこの開口部を通したコネクタのユーザへの供給を制御するためのアクチュエータを有してもよい。また、ディスペンサは、例えばベルトループまたはレッグストラップなどの、ディスペンサをユーザに固定するための一つまたはそれより多くの装着部材を有してもよい。カーペットの設置中に、ディスペンサがカーペット設置者に装着部材を用いて固定され、これにより、設置者は、部屋内を動き回って、ディスペンスされたコネクタを使用してカーペットタイルを設置し得る。コネクタを得るために、カーペットタイル設置者は、アクチュエータを動かしてコネクタを剥離材料から剥離させて、設置者がコネクタを容易に掴み得る開口部を通してコネクタを差し出させる。次いでコネクタは、1つまたはそれより多くのカーペットタイルに貼り付けられ得る。別の実施形態においては、コネクタが出てくるための開口部を有するハウジング、および、ユーザの手の第1の位置から第2の位置までの移動により作動されるアクチュエータを備えたディスペンサが提供される。前記第2の位置は前記第1の位置よりも床面の所望の位置に近く、且つ、前記第1の位置よりも前記開口部に近い。ユーザの手の第1の部分が前記開口部に接触することができると同時に、ユーザの手の第2の部分が前記第2位置におけるアクチュエータに接触するように、ディスペンサの開口部は、アクチュエータの前記第2の位置からユーザの手が届く範囲内にあってよい。これによりユーザは、アクチュエータを前記第1の位置から前記第2の位置まで移動させた後に、前記開口部から差し出されるコネクタを容易に掴むことができる。
【0023】
本発明の別の実施形態において、各々が一方の面に接着剤を有するコネクタの束が、互いに結合(接着)されるかまたは他の方法で互いに付着される。コネクタの束における個々のコネクタは、様々な方法で互いに接着または付着され得る。例えば、1つのコネクタの接着面側の接着剤は、隣接するコネクタの、前記接着面に対向する面に剥離可能に付着され得る。この対向面は、接着剤が恒久的なまたは取り外し困難な接着を形成することを防止するための剥離コーティングでコーティングされ得る。一般に、束における隣接するコネクタは、同じ方向に向けられ且つ位置合わせされている。別の例として、第1のコネクタの接着剤層が剥離材料に付着され、且つ、第2のコネクタの対向面も剥離材料に付着されている場合、剥離層が隣接するコネクタを分離し得る。さらに別の例として、コネクタの束は、1枚の剥離材料のストリップの上に貼り付けられた連続するコネクタであってよく、前記ストリップは、その上にある隣接するコネクタが束状に互いに重なり合うように折り畳まれている(すなわち、扇状に折り畳まれた剥離材料)。また、コネクタの束は、個々のコネクタをコネクタの束から取り外す時にユーザを補助するディスペンサ内に含まれ得る。カーペット設置中に、カーペット設置者は、コネクタの束から個々のコネクタを取り外してそのコネクタをカーペット縁の裏面に付着することによって、コネクタの束を用いてもよい。
【0024】
本発明の別の実施形態は、水性接着剤層または合成ポリマーを基材とした接着剤層を一方の面に備えたフィルムを有するコネクタを提供する。接着剤は、揮発性有機化合物含有量が少ないかまたはそれを全く有さなくてもよく、且つ、可塑剤に耐性を有してもよい。
【0025】
本発明の別の実施形態は、連結されたタイルとその下にある床面との間に中間基材を設ける。例えば、フィルムおよび/またはクッションが、タイルを設置する前に床上に配置され得る。フィルムおよび/またはクッションは、好ましくは耐水性であり、現存の床中に存在する水分がタイルに接触することを防止するためのバリアとして機能する。従って、フィルムおよび/またはクッションは、伝統的なシーラントおよびバリアコーティングの必要をなくす。クッションは、さらに、足元の快適さをもたらすので、クッション裏地付のカーペットタイルを使用する必要をなくす。むしろ、望ましいクッション特性を与えるために、ハードバックカーペットタイル(硬質の裏地層を有するカーペットタイル)がクッションの上に設置され得る。タイルが汚れるかまたは摩耗した場合には、クッションを取り外さずにタイルを取り外すことができる。このように、クッションは、床上にそのまま残されて再使用されることができる。
【0026】
中間基材のさらに別の実施形態は、新しいカーペットタイルが現存のカーペットタイルの上部に配置されるカーペット・オン・カーペット設置、またはウォール・トゥ・ウォールカーペット設置に好適なクッション複合材を提供する。新しいタイルは、上述のコネクタを用いて設置されることができる。この実施形態は、現在敷かれているタイルまたはカーペットを、新しいカーペットタイルの設置前に除去する必要がないため、カーペットの一時的交換または永久交換を、コストを削減して提供する。さらに、新しいタイルは、既存のタイルまたはウォール・トゥ・ウォールカーペットに損傷を与えずに取り外されることができる。
【0027】
一実施形態において、使用される中間基材(用いられるならば)のタイプに関係なく、中間基材上に配置されるタイルの全てが、本件で開示されるコネクタを用いて互いに連結される。この方法においては、設置体におけるどの層も、設置体における他のいずれの層と連結されない(例えば、中間基材は床と連結されず、また、カーペットまたはタイルは中間基材と連結されない)。このようにして、これらの床材は、その後に床カバー材を設置する前の清掃および準備を必要とせずに、容易に取り外され得る。
【0028】
コネクタは、カーペットタイルの設置を容易にするための位置合わせ印を有してもよい。このような印は、マーキング、色、および物体(例えば、十字線、線、点、ブロック)、並びに、多色で区切られた部分および四分円を含む。
【0029】
本発明の別の実施形態は、一方の面に接着剤を有するコネクタを用いたカーペットタイル設置方法を提供する。設置者は、カーペットタイルを、床面の所望の設置位置またはその付近に、タイルの裏面が床面に載るように配置する。設置者は、一方の手を使って、タイルの縁、角部、または他の部分を持ち上げる。そして、他方の手を使って、コネクタの接着面を上にして、コネクタの露出された部分がタイルの縁を超えて延在するように、タイルの一部の裏面の縁または他の部分に貼り付ける。次いで、設置者は、第2のタイルを第1のタイルに隣接して配置し、第2のタイルの裏面をコネクタの露出部分に貼り付ける。ディスペンサは、コネクタを前記接着面が上を向いた状態で設置者に供給し、且つ、コネクタが貼り付けられるカーペットタイルの部分に好都合な位置で供給し得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明のコネクタおよび剥離層の一実施形態を示す斜視図である。
【図1A】導電性コネクタの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明のコネクタおよび剥離層の別の実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明のコネクタのさらに別の実施形態を示す上面図である。
【図4】本発明のコネクタディスペンサの一実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に従うタイル設置を示す底面図である。
【図6】図5に示したタイルのサブセットを示す底面図である。
【図7】本発明に従う別のタイル設置を示す底面図である。
【図8】図7に示したタイルのサブセットを示す底面図である。
【図9】タイルの縁に取り付けられた本発明のコネクタの一実施形態を示す側面斜視図である。
【図10】コネクタディスペンサの斜視図である。
【図11】図10のコネクタディスペンサの分解斜視図である。
【図12】図10のコネクタディスペンサの側面図である。
【図13】図10のコネクタディスペンサのハウジングのフロントカバーが取り外されている状態の側面図である。
【図14】図10のコネクタディスペンサの駆動部品群の側面図である。
【図15】図10のコネクタディスペンサの駆動部品群の正面図である。
【図16】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたフィルムの一実施形態の断面図である。
【図17】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたフィルムおよびクッションの一実施形態の断面図である。
【図18】カーペットタイルと床面との間に位置付けられたクッションの一実施形態の断面図である。
【図19】本発明のクッション複合材の一実施形態の断面図である。
【図20】図19のクッション複合材が、既存のカーペットまたはタイルと新しいカーペットまたはタイルとの間に位置付けられている状態の断面図である。
【図21】コネクタの無線周波トランスポンダの実施形態の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態は、床カバー材の設置システムおよび方法に関する。当業者は、ここに記載されたシステムおよび方法が、様々な床カバー材設置体に用いられ得ることを理解するであろう。しかし、本発明の出願人は、ここに記載されるコネクタが、特に、モジュール型の床カバー材ユニット(本文以下「タイル」と称する)の任意のタイプの設置(床一面設置、および、エリアラグ設置(部屋の一部に敷く設置)を含む)に有用であることを見出した。タイルは、寸法および形状の範囲において、様々な色および質感(テクスチャ)を有し得る。例えば、個々のタイルは、六角形、正方形、長方形、三角形および他の形状を含むがこれらに限定されない木材板またはセラミックの形状および他のタイルを模造する形状であってもよい。さらに、タイルは様々な質感を有して提供され得る。本発明のタイルは、典型的には、繊維面(タフトされた面、溶着された面、および印刷された面を含むがこれらに限定されない)を有する従来知られたカーペットタイルであり得るが、織られた及び織られていない繊維床材、硬いビニル、セラミック、革、又は他の任意の好適な材料を含む、他のモジュール型材料であってもよい。タイルは、合板、積層体、リノリウム、ビニルタイル、堅木、およびコンクリートを含むがこれらに限定されない一般的に滑らかな表面に設置されるのが好ましい。しかし、以下に論じるように、タイルを、タイルとタイル下の床との間に配置される中間基板(パッドおよび広幅カーペットを含む)の上に設置してもよい。
【0032】
図1は、本発明のコネクタ20の一実施形態を示す。コネクタ20は、フィルム22およびフィルム22の一方の面にコーティングされた接着剤層24を含む。剥離層26が接着剤層24の上部に配置され、剥離層26の下の接着剤を保護する。使用時に、剥離層26は、接着剤層24を露出させるためにコネクタ20から取り外される。以下にさらに詳細に説明するように、コネクタ20は、接着剤層24が隣接するタイルの裏面に接触するように配置され、タイルの隣接する縁に掛け渡される。それによりタイルが互いに連結して、床カバー材を形成する。このように、タイルを床面に固着する必要なく、タイルはその下の床面に組み立てられるので、タイルは、その下の床面に「浮く(float)」床カバー材を創生する。
【0033】
フィルム22は任意の好適な材料であってよいが、本発明に従って迅速な床材設置を容易にするために、タイルの裏面に部分的に接触して配置されたコネクタが、タイルの裏面とほぼ同一の面でタイルの縁を超えて突き出るように、比較的剛い材料からつくられることが好ましい。これによって、突き出たコネクタ部分を適切に配置して、隣接するタイルに適切に接触させることが容易になる。このフィルムは、典型的には、接着テープの長さの一部(全部ではない)が貼り付けられたタイルの裏面から大きく丸まるかまたは垂れ下がるであろうほとんどの接着テープよりも、高い剛性を有する。同時に、本発明のコネクタを形成するフィルム22は、必要に応じて巻かれたコネクタの扱いを容易にし、また、コネクタを床またはタイルの凹凸に適合させるのに、十分に柔軟性を有するべきである。
【0034】
また、フィルム22は、隣接するタイルの捩れをもたらす可能性のある収縮に対して耐収縮性を有し、且つ、歩行者の通行および転動荷重の下での延伸に抵抗するための比較的高い引張り強度を呈するべきである。例えば、機械加工方向(machine direction)で160〜270メガパスカル(“MPa”)の引張り強度を示し、且つ、機械加工方向に交差する方向(cross-machine direction)で165〜210MPaの引張り強度を示す材料が、この用途に特に好適であることが分かった。さらに、材料が壊れる前に伸長または延伸し得るパーセンテージも、引張応力が加えられた時にコネクタの破損および不具合を防止するように、比較的高くなければならない。例えば、用いられる材料が、壊れる前に、機械加工方向の寸法の120〜200%延伸可能であり、且つ、機械加工方向に交差する方向の寸法の150〜170%延伸可能であることが、必須ではないが好ましい。
【0035】
好適に剛く、薄く、強く、耐水性があって、安価な繊維および金属を含む、ポリマー材料、板紙、および他の材料もまた、フィルム22に用いてもよい。しかし、フィルム22は、ポリオレフィン、ポリアミド、又はポリエステルなどの合成ポリマー材料であることが好ましく、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)ポリエステルであることがさらに好ましい。これらの材料は比較的安価であり、使用時にフィルムの下の床に適合し、また、耐腐食性を有するであろう。フィルム材料がリサイクル可能であることが、必須ではないが好ましい。
【0036】
フィルム22は、好ましくは、0.0005インチ〜0.015インチ(約0.0013cm〜0.038cm)を含むそれらの間の厚さを有し、さらに好ましくは、0.003インチ〜0.01インチ(約0.0076cm〜0.025cm)を含むそれらの間の厚さを有し、よりさらに好ましくは、0.005インチ(約0.013cm)の厚さを有する。また、フィルム22は、必須ではないが、アクリルのコーティングなどの下塗りコーティング(図示せず)を有し得る。このコーティングは、フィルム22と接着剤層24との接着を促すために、接着剤層24が塗布される面と同じ側の面に塗布される。フィルム22は、その片面または両面がコロナ処理され得る。これは、表面張力を増大させ、且つ、フィルム22と接着剤24との接着を、接着促進コーティングを用いずに促進させるためである。
【0037】
フィルム22は、円形または正方形もしくは三角形などの任意の直線で構成された形状を含むがこれらに限定されない任意の形状であってもよい。正方形はほとんどの設置に好適である。また、フィルム22の寸法は、設置されるタイルの寸法に応じて決定されることができる。しかし原則として、フィルム22の表面積は、コネクタを取り付けようとしているタイルの表面積の1%まで小さくすることができ、好ましくは2〜5%の範囲にすることができる。9平方インチ(約58cm2)を超えるコネクタの表面積は、18インチ(約45.7cm)四方または50cm四方のタイルの設置の安定性のために有意に貢献しないことが分かっている。従って、材料を節約して費用を抑えるために、コネクタ20は、約3×3インチ四方(約7.6×7.6cm四方)以下であることが、必須ではないが望ましい。
【0038】
接着剤層24は、本発明での使用に望ましいある特性を示す任意の接着剤とすることができ、コネクタに用いられる接着剤の特定のタイプまたは量は、多くの場合、コネクタ20と共に使用されることが意図されるタイルに応じて決定してよい。いくつかのカーペットタイルは、裏地層を有しており、裏地層は、その柔軟性を増加しおよび/または他の特性を変化させる可塑剤を含有する。可塑剤は移動する傾向を有し、あるコネクタの接着剤の中に移動し得る。このような移動がコネクタの接着特性を弱めて有効性を低下させることがある。揮発性有機化合物(「VOC」)をほとんど有さないかまたは全く有さない水性接着剤(溶媒系接着剤ではない)は、可塑剤耐性を有し得るので、従って一般的には、可塑剤の移動に対する耐性が所望される場合に(すなわち、可塑剤を含有するカーペットタイルの設置において)好ましい。識別番号9465、6032、6035、及び6038、並びに特に9465(主にアクリレートターポリマー)及び6032(粘着性が付与されたアクリレートコポリマー)で3Mより販売されているものを含むアクリル接着剤が好適である。さらに、接着剤24は、水および典型的なカーペット洗剤に対して耐性を有することが、必須ではないが好ましい。また、剥離可能な接着剤を用いることも好ましい。
【0039】
全てのコネクタ20の接着剤層24は、タイルの裏面に良好に接着すべきである。しかし必要であれば、タイルへの接着が、コネクタ20に対するタイルの取り外し及び位置付けし直すことを妨げる程に強くあるべきではない。タイルと接着剤との間の結合強度(すなわち、接着剤層24をタイルの裏地層から引き離すのに必要な力の量であり、ASTM
D−3330テスト(一般に「90度剥離試験」と称される)を用いて測定することができる)が強すぎる場合、接着剤層24はフィルムから剥がれてタイルに残留し、それによりコネクタを破損するであろう。従って、接着剤層24とタイルとの間の結合強度は、接着剤層24とフィルム24との間の結合強度よりも強くあってはならない。
【0040】
結合強度は、好ましくは、室温で5〜100オンス/インチ(約5.6〜112kg/m)を含むそれらの間の範囲である。好ましい結合強度は、タイルの裏地層に応じて決定し得る。例えば、接着剤とハードバック(硬裏地)タイル(例えば、PVC、ポリウレタン、又はポリオレフィンからつくられたものなど)との間の結合強度は、好ましくは約50〜70オンス/インチ(約56〜78kg/m)である。接着剤と繊維の裏地層(例えば、織られたポリプロピレン又はフェルトの裏地層など)を有するタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜60オンス/インチ(約11〜67kg/m)である。さらに、接着剤とクッション裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約40〜60オンス/インチ(約45〜67kg/m)であり、接着剤とビチューメン裏地のタイルとの間の結合強度は、好ましくは約10〜20オンス/インチ(約11〜22kg/m)である。高温でのタイルと接着剤との間の結合強度は、室温での結合強度の±15%内に留まることが好ましい。
【0041】
各コネクタ20に施される接着剤の量(すなわち接着剤層の厚さ)は、コネクタ20と共に用いられるタイルに応じてだけでなく、コネクタ20の寸法に応じて決定することができる。しかし、接着剤の量は、上述の結合強度を達成するために、コネクタがタイルの裏面に十分に接触及び係合することを可能にすべきではあるが、接着剤がコネクタ20及びタイルの界面を超えて移動して、その下の床に接触するほど多くないことが好ましい。このように、床カバー材設置体は、その下の床に固定されない状態を保つので、モジュール型ユニットの最終的な取り外しを容易にする。約0.0005〜0.010インチ(約0.0013〜0.025cm)の厚さの接着剤、より好ましくは、約0.002〜0.008インチ(約0.005〜0.020cm)の厚さの接着剤を有するコネクタ20が、多くの用途に好適であることが分かっている。
【0042】
織られるかまたは編まれた繊維の裏地層を有するタイルの場合、裏地層に形成された空隙(穴)に接着剤を浸透させ、それによってタイルと接着剤の間に十分な界面接触をもたらすために、典型的にはより多くの接着剤が必要であろう。繊維の裏地層を有するタイルに対しては、約0.005〜0.008インチ(約0.013〜0.020cm)の厚さの接着剤層24を有するコネクタが好ましい。ハードバックタイルなどの比較的平坦であるかまたは浅くエンボス加工された裏地面を有するタイルには、より少ない接着剤、好ましくは0.002〜0.003インチ(約0.005〜0.008cm)の範囲内の厚さを有する接着剤を使用してもよい。
【0043】
コネクタに用いられることが意図される全ての接着剤は、タイルがコネクタに対して移動するかまたはタイルが互いに移動することで、床カバー材設置後の隣接するタイル間に間隙が創生されることを防止するための、十分な剪断強度も有するべきである。
【0044】
図面には示されていないが、コネクタ20に、ロゴ又は他のデザイン要素を設けることが可能である。例えば、接着剤が塗布されるフィルムの側にロゴをインクで付けてもよい。この様に、典型的には高いVOC含有量を有するインクは、フィルムと接着剤との間に閉じ込められ、インクからの望ましくない放出を防ぐ。さらに、コネクタを剥離紙上に位置付ける時に、ロゴもフィルムにより保護される。これにより、ロゴがコネクタから偶発的に引っかき落とされるか取り外されることが防がれる。
【0045】
タイルの設置を容易にするために、位置合わせ用の印(図面に示さず)をコネクタに、印刷または他の手段により設けることが有用であり得る。従って設置者にとって必要なことは、タイルの縁(またはタイルの他の部分)を印と整合して、隣接するタイル間でコネクタを最適に配置することを確実にするだけとなる。タイルがコネクタのどこに配置されるべきかを設置者に伝える印は、任意のものを使用できる。例えば、コネクタには、十字形、コネクタの縁に平行且つ横断する分割線、点、ブロック等を設けることができる。さらに、コネクタの異なる部分に色を付けること(コネクタを4分の1に分割して、各4分の1に異なる色を付けることなど)で、適切なカーペットタイルの位置付けを示すことができる。
【0046】
化学センサをコネクタ20に配置して、床カバー材の下にある床の含水率を監視し得る。含水率が所定のレベルを超えて上昇するならば、センサは無線信号を送信する。このようにして、床の含水率を監視することができ、この問題に特定的に対処する改善手段を講じることができる。
【0047】
さらに、圧力センサもコネクタ20に関連付けることができる。例えば、誰かが床上で転倒した場合、圧力センサは、床の所与の面積に加えられた圧力が所定レベルを超えたことを、(例えば無線信号を介して)制御システムに警告する。従って、センサは、上昇した圧力の正確な位置へのガイドとして機能する。このような技術は、介護者が、担当する被介護者が安全である(すなわち、転倒して起き上がれない状態になっていない)ことを常に確認する必要がある高齢者用ホームまたは病院において、特に有用であり得る。
【0048】
さらに別の実施形態において、コネクタは、無線周波トランスポンダを含むことによって、無線周波識別(「RFID」)タグとして配備されることができる。無線周波トランスポンダは、無線周波数信号を受信したときに作動される任意の種類の無線送信機および/または受信機である。トランスポンダは、任意の方法で、コネクタ内に組み込まれるかまたは、コネクタに取り付けられることができる。一つまたはそれより多くのトランスポンダを、設置に用いられる一つまたはそれより多くのコネクタにインプリントすることができる。例として、トランスポンダを、フィルムの両側、またはコネクタのフィルムに取り付けられたインレイにインプリントすることが可能である。しかし、1つの設置体における全てのコネクタにトランスポンダを設ける必要はない。図面に示す構造を含む、種々の構造が用いられ得る。
【0049】
図21は、コネクタ320の無線周波トランスポンダの実施形態の上面図である。コネクタ320は、接着剤層を有するフィルムを含むことができる。該フィルムは、シート322を組み込むかまたは、シート322に他の方法で付着する。シート322は、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを含むかまたは、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを他の方法で有する。あるいは、トランスポンダ構成要素は、コネクタフィルムに直接組み込まれるかまたは、他の方法で取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、無線周波トランスポンダは、コネクタフィルムに取り付けられる。すなわち、無線周波トランスポンダは、直接または間接的に(例えば、シート322の一部として、または他の任意の中間部品を通して)コネクタフィルムに連結されるかまたは、コネクタフィルムに隣接して配置される。シート322は、さらに、接着剤層または接着剤層を有する面(紙もしくはポリマー)を含み得る。無線周波トランスポンダは、ICチップ328に結合されるかまたは他の方法でICチップ328と共に用いられる、カップリング要素324を含む。カップリング要素324は、コイルとして形成された、或いはアンテナとして機能する、銅またはアルミニウムなどの導電材料を含み得る。また、無線周波トランスポンダは、カップリング要素324の端部同士を接続してループを完成させて回路を形成するブリッジ326も含み得る。ICチップ328は、読み取り可能および/または書き込み可能であり得る電子マイクロチップである。
【0050】
図21は、コネクタ320に組み込まれた高周波(「HF」)トランスポンダを示しているが、極超短波(「UHF」)トランスポンダ、または他の任意のタイプのトランスポンダを高周波トランスポンダの代わりに用いることも可能である。例えば、コネクタ320は、単一層の導電性材料を有するトランスポンダ、すなわち、互いの鏡像である形状を形成するようにICチップの両側から延在するトランスポンダを含み得る。無線周波トランスポンダ構成要素は、嵌め込まれるか、プリントされるか、または任意の他の方法で、コネクタの一部として組み込まれ得る。無線周波トランスポンダは、パッシブ、MEMパッシブ、セミアクティブ、アクティブであるかまたは、他の任意の情報技術を用いてもよい。トランスポンダ構成要素は、有効性を制御するために、電池および/またはソフトウェアを含んでも含まなくてもよい。無線周波トランスポンダ構成要素の一つまたはそれより多くが、金属、有機ポリマー、または他の任意の材料を含み得る。無線周波トランスポンダ構成要素は、エイリアンテクノロジ社(Alien Technology Corporation)、エイブリィ・デニソン社(Avery Dennison Corporation)、テキサスインスツルメンツ社(Texas Instruments incorporated)、オムロン社(Omron Corporation)、およびUPMラフラタック社(UPM raflatac)により製造されるRFID部品を特に含み得るが、これらの製品に限定されない。
【0051】
位置合わせ印330(十字形、線、点、ブロック、及び多色で区切られた部分並びに四分円を含むがこれらの形状に限定されない)をコネクタ320上に設けて、コネクタ320をカーペットタイルの角部または縁に配置しようとする設置者に指示を与えてもよい。コネクタは、タイルの角部に、タイルの縁に、または、単にタイルの裏面に位置付けされ得る。マルチタイル設置(multi-tile installation)においては、隣接するタイルの縁に掛け渡すコネクタもあれば、単にタイル裏面に配置される(すなわち、各々が1枚のタイルに取り付けられる)コネクタもあってよい。
【0052】
無線周波トランスポンダを含むコネクタはRFID機能をもたらし、床面に設置されるときに任意の配列で位置付けされ得る。コネクタは、互いに規則的に間隔を有して埋め込まれた構成要素を有するインテリジェント床カバー材を創生するように位置付けされ得る。例えば、コネクタは、図5,図6,図7および図8に示すように、タイルの隣り合うタイル角部に規則的な間隔で配置され得る。幾つかの実施形態の1つの利点は、規則的な間隔で配置された無線周波トランスポンダのアレイの創生である。このトランスポンダアレイは、タイルを固定するためのコネクタの使用に既に必要であるもの以外に追加の設置物を何も必要とせずに、情報を、送信、記憶および/または受信することができる。このようなアレイを用いて、規則的に配列された構成要素から成るx−y格子または他のマップを創生し得る。例えば、ロボット装置をこの格子上で移動して、タグの相対位置を互いに識別し得る。これらの相対位置は、アレイにおけるトランスポンダの位置を特定するために用いられ得る。また、マップは、コネクタが不規則に配置される場合にも創生され得る。マップは、例えば、自己位置推定と地図製作を同時に行う(「SLAM」)技術を用いて作成され得る。いずれの場合にも、このようなマップは、フロアプランおよび/またはマッピングプログラムと共に用いられるかまたはこれらを組み込むことができ、その結果、無線周波トランスポンダマッピングを用いて、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダリーダの物理的位置を特定することができる。無線周波トランスポンダリーダが動き回ると、無線周波トランスポンダリーダは、無線周波トランスポンダリーダが読み取る無線周波トランスポンダのシーケンスを記録して、この情報を、この装置のリアルタイム位置を監視している追跡ステーション、または、リーダを保持している人間に、例えばワイヤレス伝送を介して送信することができる。マルチコネクタ設置体においては、異なるコネクタの無線周波トランスポンダが、同一または異なる周波数で動作し得る。例えば、一実施形態において、1つの設置体におけるトランスポンダの周波数は、低周波数から高周波数の範囲にわたる。情報は異なるチャネルで送信されてもよく、各々の情報は、特定の無線周波トランスポンダの要素に関連づけられている。さらに無線周波リーダは、一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダに記録される情報を送信するライタ(書き込み装置)を含んでもよい。例えば、ライタは、電気掃除機による掃除が行われたこと、または、電気掃除機による掃除が行われた日付を識別する情報を送信することができる。別の例として、ライタは、情報を受信しているトランスポンダの相対位置、すなわちマップ位置に関する位置情報(例えば、x,y座標、またはx,y,z座標)を送信することができる。この情報は、トランスポンダが他の読み取り装置により読み取られたときに提供されることができる。
【0053】
一般に、無線周波トランスポンダが備えられたコネクタは、追跡、検証、探知、位置特定および認証を含む多数の広範な機能を容易にすることができる。一例に過ぎないが、RFID技術を備えたコネクタを用いて、人間、物品、または装置の位置を特定することができ、例えば、消防士または消火装置の位置を追跡することができる。また、RFID技術を備えたコネクタを用いて、人間もしくは装置の通行パターンを追跡するかまたは、装置を、特定の機能を実行するための正確な配置へガイドすることもできる。
【0054】
一用途において、無線周波トランスポンダは、無線周波成分リーダが備えられた装置をガイドするためのマッピング機能を果たす。例えば、リーダを、電気掃除機または他の清掃装置に設置することができる。リーダは、部屋内のコネクタに付された固有のトランスポンダ番号のシーケンス(順序)を用いてプログラミングされ得る。ロボット掃除機がこのようにプログラムを与えられて作動される場合、部屋内のコネクタに付された無線周波トランスポンダは、ロボット掃除機のリーダにより読み取られることができ、コネクタのトランスポンダ番号がプログラムされたシーケンス中に現れる順で、掃除機をコネクタの方へガイドするために用いられ得る。こうして、フロア全体が自動的に清掃されるかまたは、他の方法でメンテナンスされることができる。通行量がより多い領域に配置されたコネクタのトランスポンダ番号は、これらの領域がより入念に清掃されることを確実にするために、シーケンス中により頻繁に現れることになろう。APSX有限責任会社(APSX, LLC)(商標)、およびスカイテック社(Skytec, Inc)(商標)により提供されているリーダを含む、種々の無線周波トランスポンダリーダが用いられ得る。
【0055】
別の実施形態において、他のタイプのロボットにリーダが装備される。トランスポンダ番号のシーケンスを用いてリーダをプログラミングして、ロボットを様々な位置に導くことができる。例えば、指定された経路に沿ってロボットをガイドするように、病院のロボットに付されたリーダをプログラミングすると、その結果、ロボットは、薬剤を部屋に配送するかまたは、他の業務を行うことができる。ロボットが所望の位置に到達するために従うことができるマップを提供する無線周波トランスポンダが備えられたコネクタに加えて、コネクタは、ロボット(または他の非手動式駆動装置)を正確に位置付けることを補助することができる。例えば、ロボットが電力供給源で再充電することが必要である場合、トランスポンダを有するコネクタを電力供給源のすぐ近くに位置付けることが可能である。こうして、コネクタは、ロボットを、再充電のために電力供給源へとガイドし、且つ、電力供給源に対して適切に位置付ける。
【0056】
別の実施形態において、ショッピングカートにリーダが備えられ得る。買物客が所望の製品を示すと、コネクタ上の無線周波トランスポンダが、カートを店内の所望の位置に導き得る。読み取り装置は、ショッピングモール、ミュージアム、病院、娯楽場を含むがこれらに限定されない、他の様々な状況で用いられることができ、全地球位置測定システム(GPS)と協働するかまたは、別の方法で全地球位置測定システムを容易にするように用いられることができる。
【0057】
また、トランスポンダを用いて、装置の位置および/または移動を監視することもできる。一実施形態において、病院の装置にリーダが備えられる。病院内の各装置の位置は、装置のリーダが、その他のコネクタのトランスポンダ番号とは異なる1つのコネクタトランスポンダ番号を読み取るときに決定されることができる。別の実施形態において、例えば掃除機など装置の移動を監視して、ある領域が清掃されたかどうかを決定することができる。例えば、掃除機(手動駆動式またはロボット駆動式)のリーダが、リーダが部屋内で読み取ったコネクタトランスポンダ番号を(後にダウンロードされるように)記憶することができるかまたは、制御システムに(無線通信を介して)伝送することができる。部屋内のあるコネクタに付されたトランスポンダ番号が読み取られていない場合、掃除機がそのコネクタの付近を清掃しなかったことは明らかである。こうして、部屋の清掃履歴に関する情報が記録されることができる。
【0058】
同様にして、コネクタ上のトランスポンダ、並びに、ショッピングカートおよび/または買物バスケットのトランスポンダリーダを用いて、店内の通行の流れに関する情報を収集することができる。こうして、人々が店内のどこに行くか、人々がどのくらいの時間にわたり特定の領域に留まるかなどに関する情報が収集されて、様々な目的(店内のレイアウトを、通行の流れおよび顧客の需要に、より良く適応できるように設計することを含む)のために用いられることができる。同様に、リーダが備えられたショッピングカートは、広告および他の情報を、買物客がいるエリア、買物客が行ったエリア、および/または、買物客が長居していたエリアに基づいて、買物客に提示するディスプレイを含むことができる。
【0059】
無線周波トランスポンダが備えられた床面は、種々の潜在的利点をもたらす。このような床面は、メンテナンス監視、設備および人々の位置特定、並びにロボットナビゲーションを容易にすることに加えて、本文中に記載される中でも特に、家庭、仕事場、または他の施設において、さらなる安全性及びセキュリティに関する利益をもたらすために用いられ得る。
【0060】
無線周波トランスポンダおよび/または他のRFID部品は、モジュール型タイルに直接、または、モジュール型タイルの一部としてインプリントし得る。例えば、金属、ポリマー、有機ポリマーまたは他の任意の材料からつくられたRFID部品を、モジュール型タイルまたは他の任意の部品材料の裏面に、直接プリントすることが可能である。一実施形態において、無線周波トランスポンダは、一つまたはそれより多くのモジュール型タイルに、各タイルの縁または角部付近にてインプリントされる。タイルが設置されるとき、コネクタは、無線周波トランスポンダを覆うかまたは他の方法で保護する位置で、モジュール型タイルに接着するように位置付けされ得る。
【0061】
床カバー材設置体に、例えば化学センサまたは圧力センサなどのセンサと、無線周波トランスポンダとの両方を装備してもよい。センサは情報を無線周波トランスポンダに記録することができ、その情報は、無線周波トランスポンダ読み取り装置によって、例えば、メンテナンスプログラムの一部として取り込まれ得る。例えば、センサが含水率情報を検知し、この情報を、センサ付近の無線周波トランスポンダで記録し得る。一つのコネクタが、一つまたはそれより多くのセンサおよび/または一つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダ構成要素を含むことができる。
【0062】
図1Aは、導電特性を有するコネクタ(本文以下、「導電性コネクタ」“conductive connector”と称する)の一実施形態を示す。この開示の全体が、コネクタ20だけでなく導電性コネクタ150にも適用されることが理解されよう。
【0063】
先に記載したコネクタ20と同様に、導電性コネクタ150は、フィルム156、およびフィルム156の一方の面に設けられた接着剤層154を含む。導電性コネクタ150は、さらに、フィルム15に固定された導電性部品152を含む。例えば、導電性部品152は、フィルム15に接着剤により固定され得る。或いは、導電性部品152は、貼り合わせ、成形、超音波溶接などを含むがこれらに限定されない任意の加工プロセスを用いて、フィルム15に固定され得る。この特定の実施形態において、導電性部品152は、導電性コネクタ150の幅を横切って延在する、例えば銅箔などの導電性材料からなる矩形の細片(例えば、幅が1インチ(約2.54cm))である。この実施形態は、導電性コネクタ150の中央に配置された、銅箔からなる矩形の導電性部品152を示しているが、当業者は、隣接するタイルを連結するように配置するときに、隣接するタイル間にて電気的導通が維持されることができるのであれば、導電性部品が任意の導電性材料からつくられることができ、任意の形状及び寸法を有することができ、且つ、コネクタ上のいずれの位置にも配置されることができることを理解するであろう。さらに、導電性部品は、図面に示すように、フィルム156の接着剤面154に配置されることができるかまたは、(タイルの裏面と導電性要素との間の導電性を保証するための手段が設けられるならば)接着剤面とは反対の側に配置されることができる。
【0064】
導電性コネクタ150は、上述のように、隣接するタイルを互いに連結させるために用いられることができる。多くのカーペットタイルが、炭素、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどのような、無機フィラーなどの導電性材料を含む。従って、導電性コネクタ150を用いて、導電性部品152が両方のタイルに接触するように互いに隣接するタイルを固定するとき、隣接するカーペットタイルを通って電気を伝送させることができる経路が設けられて、導電面を形成する。導電面の形成により、電気が床を通って伝送されることが可能になる。この電気は様々な用途に利用されることができる。
【0065】
例えば、一実施形態において、導電性コネクタ150は、圧力が加えられたときに(すなわち、誰かがタイル上を歩行しているときに)電荷を発生する圧電材料からつくられた電気機械フィルムであり得る。次いで、装置が、発信された信号を受信および処理して、この装置を監視している人々に、人間がタイル上を歩いているという警告を提供することができる。このタイプの装置はセキュリティ保護のために重要であり、また、例えば、入室が制限されている部屋へのアクセスを監視することを可能にする。ある人間がカーペットタイルを踏んだときに発生される信号に基づいて、誰がカーペット上を歩行しているのかを、その人間のゲートに基づいて特定することが可能である。そして、このシステムは、その人間が立入り制限領域へのアクセス権を有するかどうか、或いはその人間が侵入者であるかどうかを決定することができる。さらに、カーペットタイル上を歩くことにより電気が発生するため、このような電気を利用および使用して、ビルのエネルギー需要を満たすことができることが考えられる。この技術を用いて、ビルが最終的にエネルギー需要に関して自立し得ることが考えられる。
【0066】
別の実施形態において、導電性コネクタ150は、音声およびデータ通信のために、電気が床をわたって伝送されることを可能にする。床面の全体が導電接続される場合、導電性コネクタは、情報を伝達するかまたは受信するためのアンテナとして機能することができる。或いは、導電性コネクタは、漂遊無線信号が、ある領域に出入りすることを防止するためのシールドとして機能することができる。
【0067】
図1を再び参照する。剥離層26は、接着剤がコネクタから剥がれることを防ぐために、剥離層26が接着剤に接着しないように接着剤に適合可能な任意の材料にし得る。例えばポリマーコーティング(例えば高分子シリコーン)などの低エネルギーコーティングを、少なくとも片面に有するクラフトペーパーが、この用途に特に好適であることが分かっている。しかし、本発明での使用に好適な剥離材料は、3M社などから広く市販されており、当業者に容易に知られている。
【0068】
コネクタ20は、好ましくは、設置に用いられるための所望の形状および寸法に、全体にまたは部分的に既に切り分けられた個々のユニットとして、設置場所に提供される。各コネクタ20は別々に製造されてもよいが、製造の経済的意義は、意図されているコネクタ寸法よりも大きいフィルム22、接着剤層24、剥離層26のサンドイッチ構造を最初に製造し、次いでそのサンドイッチ構造からコネクタ20を切り取ることにより達成され得る。接着剤層24は所望のフィルム22上にコーティングされることができ、その後、剥離層26が、サンドイッチ構造を形成するように接着剤層24に接触して配置される。別の製造実施形態においては、接着剤層24が最初に剥離層26に塗布されて、その後、フィルム22が剥離層26上に配置されてサンドイッチ構造を形成する。
【0069】
次いで、得られたサンドイッチ構造が、所望の形状および寸法のコネクタ20に切り分けられ得ることは明らかである。しかし、多数のコネクタ20が1つの剥離層26上に設けられることが好ましい。例えば、予めカットされるかまたはミシン目が施された多数のコネクタ20が、剥離層26のストリップに沿って連続して配置され得る。取扱いと保存を容易にするために、コネクタがロールの外側(図2を参照)または内側に位置付けられるか、あるいは連続したコネクタ20がアコーディオン状に折りたたまれるように、このストリップを巻き取ることができる。また、多数のコネクタ20を、剥離層26のシートに設けてもよい。フィルム22はミシン目28を施されることができる(図3を参照)かまたは、設置中に剥離層26(図示せず)からの取り外しを容易にするために、所望のコネクタの形状および寸法に完全に切り分けられてもよい。剥離材料のストリップまたはシートに設けられるコネクタ20の理想的な個数は、設置規模に応じて変化することは明らかであろう。
【0070】
剥離材料のストリップまたはシートにコネクタ20を設けることは、剥離層26からコネクタ20を取り外すことを容易にし、従って設置時間を短縮することが分かっている。剥離材料のストリップに設けられたコネクタ20(図2に示す)に関して、設置は、コネクタディスペンサの使用によっても迅速に行われることができる。このディスペンサは、少なくとも一つの巻かれた、またはアコーディオン状に折り畳まれたコネクタ20のストリップを保持し、好ましくは、剥離層26からコネクタ20を分離させる仕組みをもたらす。このディスペンサは、例えばバックパックとして作られるか、あるいは設置者のベルトに取り付けられるように形造られてよく、好ましくは、少なくとも1つの(及び、好ましくはさらに多い)コネクタ20のロールを支持する構造を含む。
【0071】
このようなディスペンサの一実施形態(図4を参照)において、コネクタ20を担持している剥離材料のロールは、例えば、プラスチック、金属、またはボール紙などの十分に剛い任意の材料から作られた箱30に収容される。箱は、好ましくは3つの開口部32,34,36を含み、これらの開口部を通して剥離材料のストリップが送り出される。剥離材料のストリップは、突起部38が配置されている第1の開口部32を通って送られる。次いで、剥離材料は、第2の開口部34を通して箱30の内部に送り戻され、第3の開口部36から出ていく。使用時に、設置者は、第3開口部36から延在している剥離材料ストリップを引っ張る。これによって、コネクタ20を担持する剥離層26のロールの部分を前進させる。剥離層26が突起部38を超えて延在するとき、比較的剛いコネクタ20は、突起部38の形状に適合できず、突起部38を超えて進むことができない。その代わりに、コネクタの前進端が剥離層26から外れると、その後、設置者は外れた前進端を容易に掴んで、コネクタ20を剥離層26から完全に取り外すことができる。ディスペンサが支持できるコネクタの個数が多いほど、設置者が設置中にディスペンサを再装填しなければならない回数はより少なくなることは明らかである。これは大規模な設置において特に有益であり得る。
【0072】
このようなディスペンサの別の実施形態(図10〜図13を参照)において、ディスペンサ70は、剥離材料のロール74上でコネクタを保持するハウジング72を含む。アクチュエータ76は、上位置すなわち開始位置からスロット78の経路に沿って下方に動かされて、ハウジングにおいて剥離材料のロール74から単一のコネクタの剥離を引き起こす。ディスペンサ70は、ユーザのコネクタの接着剤側への接触を制限するように、剥離材料からコネクタを引き離して、個別のコネクタをすぐに掴めるような形でもたらす。詳細には、ハウジング72は、スロット78に沿ってアクチュエータ76が動かされた後に、コネクタをユーザの手の最終的な位置に近い位置で差し出してコネクタの剥離を引き起こすための開口部80を有する。このように、アクチュエータ76を、開始位置からスロット78の線状の経路に沿って最終位置まで動かすと、個々のコネクタが剥離材料から剥離(または部分的に剥離)されて、開口部80を通って、ユーザの手が掴むのに便利な位置でユーザへ差し出される。ユーザがアクチュエータ76から手を離したならば、アクチュエータ76はスロット78の上部の開始位置に戻る。アクチュエータ76の開始位置は、ユーザにとって便利な位置であることが好ましい。すなわち、ディスペンサ70がユーザの身体に取り付けられる時に、アクチュエータ76がユーザの手に便利な位置に配置され、ユーザがアクチュエータ76を掴んで動かすのに必要な動きの量が制限されることが好ましい。
【0073】
ディスペンサ70は、ベルトループ82を用いて設置者のベルトに固定されてもよく、且つ、ストラップ(図示せず)を用いてハウジング72に取り付けられたレッグマウント(脚への取付け部)86の開口部84を通して、設置者の脚に固定されてもよい。レッグマウント86は曲線形状を有し、比較的柔軟な材料(例えばゴム)で形成されているので、開口部84を通ったストラップで設置者の足の周りを堅く締めると、レッグマウント86は、脚とハウジング72の間に脚の形状に適合するクッションを形成する。或いは、レッグマウント86およびハウジング72は、一体の部品として形成されてもよい。ディスペンサは、ディスペンサをユーザに固定するための種々の取付け部材(例えば、ベルトループ、ストラップの開口部、ストラップ、クリップ等)を有してもよい。
【0074】
図11は、コネクタディスペンサ70の分解斜視図である。回転チェーン90を有する駆動部品群88は、巻き取りローラ96を駆動する駆動部材(図14〜図15に示す)、及び、メータローラ98を駆動する駆動部材(同様に図14〜図15に示す)に取り付けられる。これらのローラ96、98もまた、それぞれ、巻き取りロッド92及びメータローラロッド94に取り付けられて、それぞれのロッド上で回転する。これらのロッドの一方または両方が、ラチェットスリップクラッチを使用して、ロッドの一方が他方に対してオーバードライブされることを可能にしてもよい。組立時および使用時に、アクチュエータ76がスロット78に沿って移動すると、駆動部品群88の回転チェーン90が回転して、巻き取りローラ96及びメータローラ98の両方を回転させる。これによって剥離層104がピン116の周りを進むので、比較的柔軟な剥離材料はピン116の曲線の周りで曲がるようになり、比較的剛いコネクタは剥離材料から剥離されて、開口部80を通って突き出される。張力装置又はキャプスタン組立体(アセンブリ)102は、組立て時に、メータローラ98に隣接して嵌め込まれる。張力装置102は、メータローラ98に押し付けられるように設計された1対のばね荷重ローラであり、使用時には、剥離材料104がメーターローラ98に対してぴんと張るように保つ。
【0075】
剥離材料のロール74は、剥離材料104が先端部108まで延在している状態でスピンドルまたはペグ106上に取り付けられる。ディスペンサを組み立てる時、剥離材料のロール74は、ロール74をペグ106上に差し込んで、剥離材料104を、ディスペンサ70内の適切な経路を通して送り出し、最後に先端108を巻き取りローラ96に取り付けることにより装填される。先端108は、先端108を巻き取りローラ96のスロット110に差し込むことにより、若しくは、先端108上の接着剤を用いて先端108を巻き取りローラ96の周囲に接着することにより、又は、他の任意の好適な技術により、巻き取りローラ96に取り付けられ得る。
【0076】
ロール74がディスペンサ70内に適切に嵌め込まれると、ロール74上の最初のコネクタは、差し出される準備ができているであろう。先端108が巻き取りローラ96のスロット110に差し込まれた時に最初のコネクタが適切な位置にあるように、最初のコネクタは、先端108から所定の距離だけ間隔をおいて配置され得る。言い換えれば、最初のコネクタは、先端引き出し部分および所定の長さの先端部110に続いて、剥離材料に位置付けられる。その後に続くコネクタは、ロール74の残りの部分にわたって剥離材料104に沿って間隔をおいて配置される。多くの場合、コネクタ間の剥離材料のストリップに沿った距離は、コネクタの間で比較的一定であろう。
【0077】
アクチュエータ74が最初のコネクタを開口部80から差し出させた後、剥離材料104は、次のコネクタが差し出される準備ができているように前進している。このように、アクチュエータ74を動かすことが、通常、1つのコネクタの長さよりもわずかに長い長さだけ剥離材料104を前進させて、次のコネクタが適切な位置に差し出されるように、次のコネクタを押し出すであろうという理由で、ディスペンサ70は自動位置合わせをしている。調整ねじ112により、ユーザがアクチュエータの最初の位置を微調整するかまたは他の方法で調整して、アクチュエータが動かされる距離を長くするかまたは短くすることが可能である。この変化は、アクチュエータが最初の位置から最終位置へと動かされた時の、剥離材料104の経路に沿う移動量の変化に反映される。
【0078】
図13は、カバーが取り外された状態のコネクタディスペンサ70の側面図であり、さらに、剥離材料104の経路を示す。図示されているように、剥離材料104の経路はロール74において始まり、曲面部分114に沿って、開口部80付近に位置付けられた自由回転ロッド116周囲の急カーブ部へと延在して、メータローラ98と張力装置102との間に延在して、巻き取りローラ96の周囲に至る。使用時に、アクチュエータ76を動かすことにより、巻き取りローラ96及びメータローラ98の両方が、所定量回転する。この回転により、剥離材料104が、上述の経路に沿って所定の距離を進む。一般に、剥離材料は十分な距離を前進して、剥離材料104上のコネクタが、剥離材料104から外れるかまたは部分的に外れて、ユーザが掴んで使用するために開口部80から突き出ることを可能にするであろう。
【0079】
図12は、カバーが付けられた状態のコネクタディスペンサ74の側面図である。一般に、ディスペンサのハウジングは、剥離材料上のコネクタのロールを装填するかまたは取り出すために、ハウジングを開けることを可能にする2つの部分を有するであろう。2つの部分はヒンジによって互いに連結されてよく、且つ、クラムシェル式に開いてよい。ラッチ118が、ハウジング72の2つの部分を互いに固定して、必要な時に、ユーザがディスペンサ70を迅速かつ容易に再充填することを可能にしている。また、ラッチを位置付けることにより、ユーザが、ユーザの身体上の位置からディスペンサ70を取り外すことなく、ディスペンサ70を再充填することも可能にする。
【0080】
図14及び図15は、コネクタディスペンサ70の駆動部品群88を示す。ディスペンサの76のアクチュエータは、アクチュエータの経路78に沿ったアクチュエータ76の動きが、チェーン90を、駆動部品群88内のその経路に沿って回転させるように、駆動部品群88内のチェーン90の連結部に取り付けられる。チェーン90を回転することにより、メータローラ駆動部材118及び巻き上げロール駆動部材120の回転が引き起こされる。上述したように、これらの駆動部材118、120およびそれらと関連する駆動ローラ96、98の回転は、ディスペンサ70内の剥離材料104の動きを引き起こす。駆動部材の一方または両方は、ラチェットする部材を利用して、駆動部材が一方向のみに、すなわちディスペンサ70内の剥離材料104のその経路に沿った前方への動きに対応する方向のみに、確実に回転するようにする。駆動部材118、120は、任意の好適な方法で、ローラ96、98にそれぞれ取り付けられてもよい。例えば、駆動部材は、ローラ上の12ポイントの六角形のソケットと噛み合う6ポイントの六角形の外形を有し得る。この6ポイントから12ポイントへの連結は、組み立て中に、または、再充填後にディスペンサ70のカバーを位置付けし直す際に、これらの部品を互いに位置合わせすることを容易にする。
【0081】
また、アクチュエータの動きと共にチェーンが動くと、ばね駆動部材122が回転して、ばねケーシング100内部のばね(図示せず)を巻回させ、エネルギーを保持する。ユーザがアクチュエータ76をその開始位置から終止位置まで移動させて、アクチュエータから手を離すと、ばねが伸びてチェーン90を反対方向に回転させ、これにより、取り付けられたアクチュエータ76は、経路78に沿って開始位置に戻される。張力装置124は、チェーン90を駆動部品群88内のその経路に固定している。ケーシング126は、駆動部品群88の内部部品を内包している。
【0082】
いくつかの代替的なディスペンサの設計が可能である。例えば、ディスペンサは、様々な位置に取り付けるために変更を加えてもよい。ユーザのベルト及び脚に固定することに加えて、ディスペンサをユーザの膝の間にストラップで取り付けてもよく、ユーザの腕又は手首に取り付けてもよく、バックパックとして装着してもよく、ユーザの肩にかけてもよく、あるいは、ユーザの身体の任意の好適な部分に取り付け、固定し、吊るし、または接触させてもよい。典型的には、ディスペンサは、ディスペンスされるコネクタに、ユーザがアクセスするのに便利な位置におかれるであろう。
【0083】
或いは、ディスペンサをユーザの身体から離して使用してもよい。例えば、ディスペンサを床の上に載せてもよく、又は、ユーザが膝をつく膝つき台に取り付けてもよい。ディスペンサを天井または壁から吊り下げてもよく、或いはジップラインに取り付けてもよい。また、ディスペンサは、ディスペンサが出荷されるパッケージの一部であってよく、または、そのパッケージの幾つかまたは全てを含んでもよい。他の代替案として、ディスペンサは、1つより多くのコネクタを同時にディスペンスしてもよく、または、連結されたディスペンサの格子(グリッド)をディスペンスしてもよい。
【0084】
剥離材料からのコネクタの剥離は、先に記載した手段とは別の代替手段によっても達成され得る。剥離材料を急カーブの周囲を通過させることによって剥離させることに加えて、他の様々なメカニズムが考えられる。例えば、ユーザがコネクタを掴んで剥離材料からコネクタを取り外すことにより剥離してもよい。このような場合、ディスペンサは、コネクタがユーザにより取り外されるように張り付けられた状態で剥離材料をディスペンスしてもよい。例えば、ディスペンサは、扇状に折りたたまれた剥離材料の束であって、折り曲げられた部分の各々に一つのコネクタを有する剥離材料の束を含んでもよい。このようなディスペンサの開口部は、ユーザが、コネクタを含む剥離材料を掴んで取り出し、次いでコネクタを取り外して剥離材料を捨てることを可能にする。
【0085】
別の例として、ディスペンサは、剥離材料がないコネクタの連続ロールを有してもよい。そのようなディスペンサは、開口部の近くに切り取り(カッティング)部材を有してもよく、個別のコネクタとして使用するために、コネクタロールのうち所定量またはユーザが決めた量を切り取る。裏地層としての剥離材料なしにロール状に巻かれたコネクタロールの裏地層は、剥離コーティングを有してもよい。
【0086】
別の例として、各コネクタがその接着面の全部または一部を覆う剥離材料を有し、これによって、束において各コネクタが他のコネクタに貼り付くことがないように、コネクタはディスペンサ内に個々に積み重ねられてもよい。剥離材料はその上に弱粘着性接着剤を有してもよく、これによって、束における隣接するコネクタが束状にまとめられる(すなわち、弱粘着性接着剤が、隣接するタイルの非接着面に取り外し可能に貼り付く)。
【0087】
さらに別の方法として、各コネクタの接着面が隣接するコネクタに付着するように、コネクタはディスペンサ内に束として積み重ねられてもよい。例えば、アクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどのシリコーン処理または高分子フロリン処理された剥離コーティングを、各タイルの非接着面に施して、隣接するタイルの接着面が非接着面に取り外し可能に付着されてもよい。
【0088】
コネクタの束は、ディスペンサを用いても用いなくても使用され得る。場合によっては、設置者が単にコネクタの束を抱えて、使用時に1つずつコネクタを取り外すことも便利かも知れない。束におけるコネクタは、上述したような様々な方法で付着され得る。
【0089】
また、本発明のディスペンサは、ユーザがコネクタに触れることなく、カーペットタイルに直接コネクタをディスペンスするように構成されてもよい。例えば、ディスペンサは、カーペットタイルの角部が差し込まれ得る角部を有してもよい。カーペットタイルが適切な位置に配置されたならば、タイルの角部にコネクタをディスペンスするために、ディスペンサは、ユーザにより駆動されるか、あるいはタイルの存在を検知することによって自動的に駆動される。同様の設計を用いて、コネクタをカーペットタイルの縁(角部ではなく)に直接付着してもよい。あるいは、ディスペンサは、カーペットタイルが床上に載置されると、カーペットタイルの角部の下で回転するように設計されてもよい。カーペットタイルが適切な位置に配置されたならば、ディスペンサはコネクタをカーペットタイル上に直接ディスペンスする。この回転動作もディスペンサにコネクタを送り出させる可能性がある。
【0090】
本発明のディスペンサはまた、コネクタを保持する剥離材料を様々な方法で前進させるようにも構成され得る。剥離材料の前進は、ユーザが制御するアクチュエータに加えて、ユーザが剥離材料を引っ張ること、ユーザがコネクタを引っ張ること、電気モータ、ユーザの動作(例えば、ユーザが膝つき台上で左右にゆれること)、または他の任意の好適な技術もしくは装置により制御され得る。
【0091】
本発明に従うディスペンサは、常にではないが典型的に、ユーザまたはカーペットタイルの設置者にとって便利な向きで、コネクタをディスペンスするであろう。好ましくは、ユーザがコネクタを貼り付けるかまたは位置付ける前に、コネクタを裏返すかまたは回転させる必要がないように、コネクタは、コネクタの接着面を上側に向けてディスペンスされるであろう。また、ディスペンサは、剥離材料上に残っているコネクタの数を追跡し表示するためのカウンタおよびディスプレイを有してもよい。ディスペンサは、ディスペンサ内部に保持されている残りのコネクタをユーザが見ることができるように、開口部を有してもよい。
【0092】
本発明の別の実施形態において、剥離材料26は完全に省かれてもよい。むしろ、コネクタ20は、1つのコネクタ20の接着剤層24が、束においてそのコネクタの上に位置付けられたコネクタ20のフィルム22に接触している状態で、互いの上に積み重ねられることができる。この場合、設置者は、設置中に束からコネクタ20を剥がすだけである。
【0093】
コネクタを用いるタイルの一設置法において、第1のタイルを、従来知られたタイル設置方法によって決められた位置で床の上に配置する。コネクタ20を剥離層26から(またはコネクタ20の束から)剥がして、接着剤層24がその下の床から見て上向きになるように配置する。コネクタ20を、接着剤層24の一部のみがタイルの裏面に接着するように位置付けて、コネクタ20の残りの部分がタイルの裏面から延在するようにしておく。次いで、一枚のタイルまたは複数枚のタイルを、第1のタイルに隣接して位置付けると、その結果、コネクタ20の一部分が隣接するタイルに接着する。このようにして、コネクタは、隣接する1つまたは複数のタイルの隣接する縁に掛け渡される。
【0094】
隣接するタイルを結合するために、任意の数のコネクタ20を設置体において使用してもよい。しかしながら、安定した床カバー材を創生するために、コネクタを隣接するタイルの縁全体に沿って位置付ける必要はなく、また、隣接するタイルの全ての縁に掛け渡す必要もない。むしろ、隣接するタイルを互いに固定するために、隣接するタイルの縁全体に沿って用いられてきた接着テープとは異なり、本発明のコネクタ20は、隣接する縁の非常に限定された長さに沿って延在するだけでよい。例えば、隣接するタイルの縁の5%〜10%のみがコネクタ20で固定される床カバー材設置体のタイルは、歩行者の通行、回転通行、並びにクリーニングおよびメンテナンス中に加えられる圧力を受けたときに、設置時の相対的な位置を保持する能力だけでなく、平面安定性(タイルの凹みおよび/または丸まりにより測定される)、および寸法安定性(タイルの歪曲により測定される)も示すことが見出された。
【0095】
図5は、タイルの従来知られた設置(すなわち、行及び列が位置合わせされる)の一実施形態を示す。説明を簡潔にするために、コネクタの位置付けを、図6に配置されて示されているような、4枚のタイル41〜44からなる基本ユニット40に関連して述べる。タイル41〜44は、好ましくは、これらが交差する角で中央コネクタ46を用いて連結される。さらに、中央コネクタ46から対角線上にある各タイルの角部も、コネクタ20を用いて隣接するタイルに連結される。このように、4枚のタイル41〜44からなる基本ユニット40を設置するために、合計で2枚のタイルコネクタのみ(中央コネクタ46と、その対角線上の4枚の各タイル角部におけるコネクタの4分の1を合わせて)を用いるだけでよい。これをさらに分解すると、各4枚のタイル41〜44は、平均して、1つのコネクタの表面積の2分の1のみからその安定性を得る。
【0096】
図7はレンガ積みのタイル設置(または、図7を90度回転させると切石設置になる)における可能なコネクタ配置を示す。説明を簡潔にするために、コネクタ20の好ましい位置付けを、図8に配置されて示されているような、4枚のタイル61〜64からなる基本ユニット60について述べる。タイル41〜44と同様に、4枚のタイル61〜64からなる基本ユニット60の設置に用いられるのに必要なのは、全部で2枚のタイルコネクタ(各タイルにつき1/2のコネクタ)のみである。
【0097】
図5〜図8は、タイルを設置するための無数にある可能なコネクタ配置のいくつかを例示しているに過ぎない。コネクタ20は、隣接するタイル間の任意の位置に位置付けしてもよい。従って、設置体における任意のタイルは、タイルの寸法およびコネクタ20の寸法に応じて、わずかに1つのコネクタの一部、および可能な限り多くのコネクタに接触し得る。交差しているタイルの角部での配置に加えて、コネクタ20は、2枚のみのタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられてもよい。さらに、異なる形状または寸法のコネクタ20が、1つの設置体で有用であり得る。例えば、図5に示した矩形のコネクタに加えて、三角形のコネクタは、設置体の境界、例えばタイルが壁に接する箇所などで有用であり得る。
【0098】
コネクタ20を現場で配置することに加えて、タイルの製造中にコネクタ20をタイル上の所望の位置に予め位置付けることも可能である。例えば、コネクタ20の剥離材料26にミシン目を入れてもよい。これにより、製造中に、剥離材料26の一部分を、接着剤層24の一部を露出させるためにミシン目に沿って除去することができる。次いで、コネクタ20の、剥離材料が除去された部分を、上述したようにタイル50の縁の裏面に接着させることができる(図9を参照)。コネクタ20の残りの部分の接着剤は、残りの剥離材料26により引き続き保護される。タイル50から延在するコネクタ20が、出荷のためのタイル50の包装の妨げにならないように、コネクタ20をミシン目の裏面に沿って(方向Aに)曲げて、コネクタ20の裏面がそれ自身と同一平面上に重なるようにすることが好ましい。設置中に、設置者は、タイル50の縁からコネクタ20を延ばし、残りの剥離層26を取り外して、上述のようにタイル50を設置するだけでよい。
【0099】
タイルは床に固着されないため、タイルをその下の床面に直接配置する必要はない。むしろ、本発明のコネクタ20は、タイルと床との間に位置付けられる中間基材上に位置付けられるタイルと同等に良好に機能する。このような中間基材は、例えば、タイルの継目を通り抜けるタイル上に漏出した液体により生じ得る損傷から、床を保護するように機能を果たすことができる。さらに、中間基材は、現存の床に存在する水分に対するバリアとして機能し、これにより、シーラントおよびバリアコーティングが必要なくなる。中間基材は床面に接着される必要がないため、最小限の清掃コストおよび交換コストで着脱可能である。
【0100】
中間基材の一実施形態は、シートまたはフィルム202である。シートまたはフィルム202は、タイル設置に先立って床206上に位置付けられ、従って、図16に示されているように、床206とタイル200の間に位置付けられ得る。フィルム202は任意の好適な材料からつくられることができ、必須でないが、無孔で且つ水分不透過性であることが好ましい。さらに、フィルム202は、高アルカリ状態に対して反応しないことが好ましく、また、350マイクログラム/cm2を超える揮発性有機化合物を放出しないことが好ましい。フィルム202は、必須でないが、床206の凹凸に適合するように柔軟であるのが好ましい。フィルム202は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などのポリマー材料を含むいくつもの材料からつくられることができる。また好適なフィルム202は、いくつかのポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、およびセルロースを基材としたポリマーも、これらの材料に限定せずに含むことができる。
【0101】
フィルム202は、任意の厚さを有することができるが、一実施形態において、この厚さは、約1/1000インチ(約0.0025cm)〜約40/1000インチ(約0.10cm)であり、より好ましくは、約2/1000インチ(約0.005cm)〜約10/1000インチ(約0.025cm)である。必須でないが、タイルの下に敷かれる(下敷き)フィルムは、天然の状態で抗菌性を有するのが好ましい。しかし、そうでない場合、必須ではないが、フィルムを抗菌化学剤で処理して、バクテリアまたは他の微生物の成長を防止することができる。さらに、下敷きフィルムの可燃性が、タイルの可燃性および発煙率に悪影響を及ぼさないことが好ましい。
【0102】
フィルム202の少なくとも一方の面における摩擦係数を増大して、フィルム202に滑り止め特性を与えることが望ましいであろう。必須ではないが、フィルム202の少なくとも一方の面の摩擦係数が0.55より大きいことが好ましい。例えば、フィルム202の一方の面は、粘着性の表面特性を有する樹脂材料から製造され得る。例えば、フィルム202は、比較的滑らかな面(図16の面208)、および、より高い摩擦係数を有する反対側の面(図16の面206)を有することができる。フィルム202は、面206が床204に向かうように位置付けられることができる。このように配置される場合、床204とフィルム202の面206との間の摩擦は、フィルム202(従って、フィルム202上に位置付けられたカーペットまたはカーペットタイル)が、床204に対して移動することを、フィルム202上に位置付けられたタイルにおける歩行量またはその他の移動量が多い場合でも防止する。面208にも、摩擦係数を増大するための表面特性を設け得るが、面208は、フィルム202がタイル200またはその他の下敷き材に粘着することを防止するために比較的滑らかであることが好ましい。
【0103】
別の実施形態において、タイルと床の間の中間基材は、タイル設置前に床上に位置付けられるクッションまたは発泡パッドである。クッションは足元の快適さをもたらし、また、クッション裏地付きカーペットタイルを用いる必要性をなくすことができる。むしろ、ハードバック(硬裏地)タイルを、タイルの下のクッションパッドの上に簡単に設置することができる。また、クッションは、現存の床中に存在する水分に対するバリアとして機能する。
【0104】
クッションは、緩衝効果をもたらす任意の天然材料もしくは合成材料、またはこれらの材料の混合物(例えば、圧縮弾性複合材料)からつくられることができる。例えば、クッションは、発泡材、ゴム、コルク、並びに、織布、フェルト布、及び不織布からつくられることができる。クッションは、未使用または再利用されるポリマー材料からつくられることができ、必須ではないが、100%再生材料からつくられることが好ましい。クッション下敷き材が発泡材料である場合、発泡体は、連続気泡発泡体または独立気泡発泡体であってよく、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、およびポリオレフィンを含むがこれらに限定されない任意の好適なポリマーからつくられることができる。織布クッション、不織布クッション、またはフェルトクッションは、天然材料または合成材料(羊毛、綿、亜麻、麻、ケナフ、サトウキビ、および他の自然発生セルロース誘導体、または、ポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィン、並びにこれらの混合物を含むがこれらの材料に限定されない)からつくられてもよい。クッションが不織布である場合、接着剤を用いるかまたは用いずにニードルパンチングによって、或いは、スパンボンドプロセスにより形成されることができる。クッションが織布である場合、製織、編成などを介して形成されることができる。クッションは、寸法安定性および引裂強度の増大のために、繊維(例えばガラス繊維)により補強されることができる。必須ではないが、クッションは、フィルム202と同じ特性(例えば、耐水性、低VOC含有、床への適合など)を有するのが好ましい。
【0105】
クッションの耐水特性に応じて、フィルム202を有するクッションを設置することが望ましいであろう。図17の実施形態において、フィルム202が、床面204上に直接配置される。次いで、クッション210がフィルム202の上部に配置され、そして、タイル200がクッション210の上部に配置される。隣接するタイルは、コネクタ20を用いて適切な位置に保持されることができる。コネクタは、随意に、上述したような導電性コネクタ150であってよい。
【0106】
図18に示した別の実施形態において、クッション210はフィルム202を用いずに使用される。この実施形態において、クッション210は、床面204上に直接配置される。次いで、タイル200がクッション210の上部に配置される。次いで、隣接するタイルを、先に説明したように、コネクタ20または導電性コネクタ150を用いて互いに固定することができる。フィルム202と同様に、より高い摩擦係数をクッション210の少なくとも一方の面に与えることが、クッションとフィルムとの間の(図17を参照)、またはクッションと床との間の(図18を参照)相対的移動を防止するために望ましいであろう。
【0107】
クッション210は任意の厚さであってよい。しかし、タイルが圧迫されたときに、クッションが、つまずきの危険性を生じるように、タイル裏地層より下に圧縮されないように、クッションの厚さがタイル裏地層の厚さを超えないことが好ましい。
【0108】
一実施形態において、使用される中間基材(用いられるならば)のタイプに関係なく、中間基材上に配置されるタイルの全てが、本件に開示されるコネクタを用いて互いに連結される。この方法においては、設置体におけるどの層も、設置体における他のいずれの層と連結されない(例えば、中間基材は床と連結されず、また、カーペットまたはタイルは中間基材と連結されない)。このようにして、これらの床材は容易に取り外されることができ、その後に床カバー材を設置する前の清掃および準備を必要としない。
【0109】
中間基材のさらに別の実施形態は、新しいカーペットまたはカーペットタイルを、既存のウォール・トゥ・ウォールタイプのカーペットまたはカーペットタイルの上に、既存のカーペットまたはカーペットタイルを取り外す必要なく設置するのに特に好適なクッション複合材である。
【0110】
クッション複合材216の一実施形態が図19に示されている。図19に示されている実施形態において、クッション複合材216は、クッション226に取り付けられた半硬質層220を含む。「半硬質」(“semi-rigid”)とは、或る程度まで曲がることができる幾らかの柔軟性を有する任意の構造を意味する。クッション226は、必須ではないが、クッション210に関して先に開示した特性と類似の特性を有してもよい。半硬質層220は任意の材料からつくられ得る。例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、またはポリエステルなどの合成ポリマー材料が、この用途に特に好適であり得る。
【0111】
半硬質層220は、第1の面222および第2の面224を有する。第2の面224には、例えば、第2の面224から突出している歯部218などのグリップ部品が設けられている。歯部218は半硬質層220と一体的に形成されているように開示されているが、そのように形成される必要はない。むしろ、グリップ部品は、半硬質層220の第2の面224に、任意の方法で(例えば、接着剤、固定具、クリップ、又は、他の任意の化学的若しくは機械的固定手段を用いて)固定され得る。
【0112】
第1の面222はクッション226に取り付けられる。クッション226が予備成形される場合、半硬質層220は、予備成形されたクッション226上に成形されることができる。或いは、発泡材料を用いてクッション226を形成する場合、発泡材は、予備成形された半硬質層220の第1の面222の上に直接配置されることができる。或いは、クッション226および半硬質層220が各々予備成形され、次いで互いに接着されるかまたは、他の方法で互いに貼り付けられてもよい。
【0113】
図20の実施形態に示されているように、クッション複合材216は、既存のカーペットまたはタイル212の上部に配置されることができる。クッション複合材216は、グリップ部品218が既存のカーペットまたはタイル212の一部に入り込むように配置されて、クッション複合材216と既存のカーペットまたはタイル212の間の相対移動を防止するのが好ましい。次いで、新しいカーペットまたはカーペットタイル214がクッション226の上部に配置される。
【0114】
クッション複合材216を用いることにより、既存のカーペットまたはタイルを最初に除去することなく、新しいカーペットまたはカーペットタイルを既存のカーペットまたはタイルの上に、配置することが可能になる。そして、新しいカーペットタイルは、上述のように、コネクタ20または導電性コネクタ150を用いて互いに固定されることができる。図20に示した実施形態において、どの層(すなわち、既存のカーペットまたはタイル212、クッション複合材216、および新しいカーペットまたはカーペットタイル214)も、互いに貼り付けられない。従って、新しいタイルの設置は恒久的である必要はなく、むしろ、タイルは容易に取り外されることができる。さらに、グリップ部品218は、既存のカーペットまたはタイルの表面を損傷しないように設計されることが、必須ではないが好ましい。すると、既存のカーペットまたはタイルの外観または有用性を変えることなく、設置した新しいタイルを取り外すことができる。
【0115】
本発明のコネクタは、現行のタイル設置システムおよび方法を改良している。コネクタは、伝統的な設置システムよりも少ない材料および安価な材料を用いる。さらに、コネクタの使用によって、設置に先立って床を前処理する必要がなくなることで、タイル設置時間が大幅に(接着システムでかかる時間の60%も)短縮される。コネクタを用いれば、設置者が接着剤層を床に塗布し、次いで、タイルを接着剤層上に位置付けるために、塗布時の自分の歩みを再びなぞらずに、設置者は、自分が進むときに、タイルを位置付け固定できる。さらに、剥離可能な接着剤がコネクタに用いられ、且つ、コネクタに接触するタイルの表面積が限定されていれば、タイルは、必要に応じて容易に位置付けし直すことができる。またさらに、タイルはその下の床と相互作用しないため、床から容易に取り外されることができ、そのような取り外し時に、タイルの下の床を初期状態のままにする。従って、床は、別の床カバー材で再び覆われる前に、再仕上げされる必要がない。
【0116】
上述の実施形態は例示的なものであり、限定的なものではない。図面に例示されている構造および上述の材料の多くの変形が可能であり、そのような変型は、請求項に定義されている本発明の範囲内である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.前記フィルム上に位置付けられた導電性部品とを含むコネクタ。
【請求項2】
前記導電性部品が、前記フィルムの接着剤層と同じ側に位置付けられる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記導電性部品が銅を含む請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられ、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.フィルムと、
ii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤と、
iii.前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する導電性部品とを含む床カバー材設置体。
【請求項5】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられるが前記床面に連結されない中間基材と、
b.前記中間基材の上部に位置付けられるが前記中間基材に連結されない、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
c.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.コネクタフィルムと、
ii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含む床カバー材設置体。
【請求項6】
前記中間基材が下敷きフィルムを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項7】
前記下敷きフィルムがポリマー材料を含む請求項6に記載の床システム。
【請求項8】
前記下敷きフィルムが水分不透過性である請求項6に記載の床システム。
【請求項9】
前記下敷きフィルムが、各々が摩擦係数を有する第1の面および第2の面を含み、前記第1の面の摩擦係数が前記第2の面の摩擦係数よりも大きい請求項6に記載の床システム。
【請求項10】
前記タイルが前記下敷きフィルムの前記第2の面の上部に位置付けられる請求項9に記載の床システム。
【請求項11】
前記下敷きフィルムが、約1/1000インチ(約0.0025cm)〜約40/1000インチ(約0.10cm)の厚さを有する請求項6に記載の床システム。
【請求項12】
前記中間基材がクッションを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項13】
前記クッションが、発泡材、ゴム、コルク、織布、不織布、およびフェルト布のうちの少なくとも1つを含む請求項12に記載の床システム。
【請求項14】
前記クッションが水分不透過性である請求項12に記載の床システム。
【請求項15】
前記中間基材が、前記床面に位置付けられた下敷きフィルム、および前記下敷きフィルムの上部に位置付けられたクッションを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項16】
前記下敷きフィルムおよび前記クッションの少なくとも一方が水分不透過性である請求項15に記載の床システム。
【請求項17】
前記中間基材が、第2の層に取り付けられた第1の層を含むクッション複合材を含み、前記第1の層がクッションを含み、且つ、前記第2の層が前記第1の層よりも硬質である請求項5に記載の床システム。
【請求項18】
少なくとも1つのグリップ部品が前記第2の層側から突出している請求項17に記載の床システム。
【請求項19】
前記床面がカーペットが敷かれる面を含み、前記クッション複合材が、前記カーペットが敷かれる面の上部に、前記少なくとも1つのグリップ部品が前記カーペットが敷かれる面と係合するように位置付けられる、請求項18に記載の床システム。
【請求項20】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
c.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤とを含むコネクタ。
【請求項21】
前記無線周波トランスポンダが前記フィルムにインプリントされている請求項20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記無線周波トランスポンダが前記フィルムに嵌め込まれている請求項20に記載のコネクタ。
【請求項23】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられ、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.フィルムと、
ii.前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
iii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含む床カバー材設置体。
【請求項24】
前記コネクタの1つが、2枚またはそれより多くのタイルの隣接する角部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項25】
前記コネクタの1つが、4枚のタイルの隣接する角部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項26】
前記コネクタの1つが、4枚の隣接するタイルの角部が接する全ての交差部よりも少ない交差部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項27】
前記コネクタの1つが、4枚の隣接するタイルの角部が接する各々の交差部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項28】
少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられた前記コネクタが、規則的間隔を有する列を形成するように互いに間隔を有して配置されている、請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項29】
床をカバーする方法であって、
a.各々が裏面および縁を有する複数のタイルを、互いに隣接するように床面に位置付けることと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に、(i)フィルムと、(ii)前記フィルムに隣接する無線周波トランスポンダと、(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含むコネクタを、掛け渡すように位置付けることとを含む方法。
【請求項30】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、2枚またはそれより多くのタイルの隣接する角部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項31】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚のタイルの隣接する角部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項32】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚の隣接するタイルの角部が接する幾つかの各交差部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項33】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚の隣接するタイルの角部が接する各交差部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項34】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、格子を形成するように互いに間隔をあけて配置することを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項35】
前記コネクタのうちの1つの無線周波トランスポンダが、別のコネクタの無線周波トランスポンダとは異なる周波数を用いて動作する請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記各コネクタが、異なる周波数で動作する複数の無線周波トランスポンダを含む請求項29に記載の方法。
【請求項37】
床カバー材に無線周波トランスポンダを用いる方法であって、
(a)各々が裏面および縁を有する複数のタイルを互いに隣接するように床面に位置付けることと、(b)少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に、各々が(i)フィルム、(ii)無線周波トランスポンダ、および(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤を含むコネクタを、掛け渡すように位置付けることにより床カバー材を形成することと、
無線周波リーダを用いて1つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを読み取ることとを含む方法。
【請求項38】
さらに、各無線周波トランスポンダの位置を特定することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
さらに、無線周波トランスポンダマップを決定することを含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記コネクタが格子を形成する請求項37に記載の方法。
【請求項41】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置の位置を決定することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置の移動を追跡することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置をある位置にガイドすることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記無線周波リーダが掃除機に配置される請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記無線周波リーダが、無線周波トランスポンダ番号のシーケンスによりプログラミングされ、且つ、前記シーケンスに従って前記掃除機をガイドするように用いられる請求項44に記載の方法。
【請求項46】
通行量がより多い位置に対応する前記無線周波トランスポンダ番号が、前記シーケンスにおいて、通行量がより少ない位置に対応する前記無線周波トランスポンダ番号よりも頻繁に現れる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記無線周波リーダが、設備の位置特定またはナビゲーションのために用いられるロボットに配置される請求項37に記載の方法。
【請求項48】
さらに、前記無線周波リーダによって読み取られた無線周波トランスポンダを記録することにより、前記無線周波リーダに関する位置履歴情報を記録することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記無線周波リーダが清掃装置と共に用いられ、前記位置履歴情報が清掃履歴情報を含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記位置履歴が、後に制御システムにダウンロードされるために前記無線周波リーダに保存(記憶)される請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記無線周波リーダが、制御システムに、前記無線周波リーダが読み取った前記コネクタの無線周波トランスポンダを送信する請求項48に記載の方法。
【請求項52】
さらに、前記無線周波リーダに関する位置情報および時間情報を記録することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項53】
さらに、通行流量に関する情報を決定するために、前記位置情報および時間情報を用いることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
さらに、前記無線周波リーダが、ある領域にどのくらいいたかを決定するために、前記位置情報および時間情報を用いることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項55】
ビル内に無線周波トランスポンダを設置するための方法であって、
(a)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(b)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に、
(i)フィルムと、
(ii)前記フィルムに隣接する無線周波トランスポンダと、
(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む方法。
【請求項56】
規則的に間隔をあけて配置された無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置するための方法であって、
(a)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(b)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に且つ規則的な間隔で近接するように、
(i)フィルムと、
(ii)前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む方法。
【請求項57】
前記無線周波トランスポンダ組立体が、4つの隣り合う角部を有する位置全てに近接して位置付けられる請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記無線周波トランスポンダ組立体が、4つの隣り合う角部を有する位置全てよりも少ない位置に近接して位置付けられる請求項56に記載の方法。
【請求項59】
無線周波トランスポンダのアレイをビル内の知られた位置に設置するための方法であって、
(a)規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置することと、
(b)前記規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダのアレイを、無線周波リーダと交差させて、前記無線周波トランスポンダに関する識別情報と、前記ビル内の前記無線周波トランスポンダの位置とを相互関連させるデータ収集を行うこととを含み、
上記(a)における規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置することは、
(i)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(ii)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に且つ規則的な間隔で近接するように、
(1)フィルムと、
(2)前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
(3)前記フィルムの片面上の接着剤であって、前記タイル角部の裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む、
無線周波トランスポンダのアレイをビル内の知られた位置に設置するための方法。
【請求項60】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.タイルの下の床の含水率を監視するための化学センサとを含むコネクタ。
【請求項61】
前記化学センサが無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記化学センサが、含水率が予め決められたレベルを超えた場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項60に記載の方法。
【請求項63】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.圧力センサとを含むコネクタ。
【請求項64】
前記圧力センサが、無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記圧力センサが、圧力が予め決められたレベルを超えた場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項63に記載の方法。
【請求項66】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.圧力、湿度、pH、および温度のうちの1つまたはそれより多くを検知することができるセンサとを含むコネクタ。
【請求項67】
前記センサが無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記センサが、その信号が予め決められたレベルを超えるかまたは、予め決められたレベルに満たない場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項66に記載の方法。
【請求項1】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.前記フィルム上に位置付けられた導電性部品とを含むコネクタ。
【請求項2】
前記導電性部品が、前記フィルムの接着剤層と同じ側に位置付けられる請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記導電性部品が銅を含む請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられ、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.フィルムと、
ii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤と、
iii.前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する導電性部品とを含む床カバー材設置体。
【請求項5】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられるが前記床面に連結されない中間基材と、
b.前記中間基材の上部に位置付けられるが前記中間基材に連結されない、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
c.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.コネクタフィルムと、
ii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含む床カバー材設置体。
【請求項6】
前記中間基材が下敷きフィルムを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項7】
前記下敷きフィルムがポリマー材料を含む請求項6に記載の床システム。
【請求項8】
前記下敷きフィルムが水分不透過性である請求項6に記載の床システム。
【請求項9】
前記下敷きフィルムが、各々が摩擦係数を有する第1の面および第2の面を含み、前記第1の面の摩擦係数が前記第2の面の摩擦係数よりも大きい請求項6に記載の床システム。
【請求項10】
前記タイルが前記下敷きフィルムの前記第2の面の上部に位置付けられる請求項9に記載の床システム。
【請求項11】
前記下敷きフィルムが、約1/1000インチ(約0.0025cm)〜約40/1000インチ(約0.10cm)の厚さを有する請求項6に記載の床システム。
【請求項12】
前記中間基材がクッションを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項13】
前記クッションが、発泡材、ゴム、コルク、織布、不織布、およびフェルト布のうちの少なくとも1つを含む請求項12に記載の床システム。
【請求項14】
前記クッションが水分不透過性である請求項12に記載の床システム。
【請求項15】
前記中間基材が、前記床面に位置付けられた下敷きフィルム、および前記下敷きフィルムの上部に位置付けられたクッションを含む請求項5に記載の床システム。
【請求項16】
前記下敷きフィルムおよび前記クッションの少なくとも一方が水分不透過性である請求項15に記載の床システム。
【請求項17】
前記中間基材が、第2の層に取り付けられた第1の層を含むクッション複合材を含み、前記第1の層がクッションを含み、且つ、前記第2の層が前記第1の層よりも硬質である請求項5に記載の床システム。
【請求項18】
少なくとも1つのグリップ部品が前記第2の層側から突出している請求項17に記載の床システム。
【請求項19】
前記床面がカーペットが敷かれる面を含み、前記クッション複合材が、前記カーペットが敷かれる面の上部に、前記少なくとも1つのグリップ部品が前記カーペットが敷かれる面と係合するように位置付けられる、請求項18に記載の床システム。
【請求項20】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
c.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤とを含むコネクタ。
【請求項21】
前記無線周波トランスポンダが前記フィルムにインプリントされている請求項20に記載のコネクタ。
【請求項22】
前記無線周波トランスポンダが前記フィルムに嵌め込まれている請求項20に記載のコネクタ。
【請求項23】
床カバー材設置体であって、
a.床面に位置付けられ、各々が裏面および縁を有する複数のタイルと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられたコネクタとを備え、前記コネクタが、
i.フィルムと、
ii.前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
iii.フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含む床カバー材設置体。
【請求項24】
前記コネクタの1つが、2枚またはそれより多くのタイルの隣接する角部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項25】
前記コネクタの1つが、4枚のタイルの隣接する角部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項26】
前記コネクタの1つが、4枚の隣接するタイルの角部が接する全ての交差部よりも少ない交差部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項27】
前記コネクタの1つが、4枚の隣接するタイルの角部が接する各々の交差部に掛け渡される請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項28】
少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるように位置付けられた前記コネクタが、規則的間隔を有する列を形成するように互いに間隔を有して配置されている、請求項23に記載の床カバー材設置体。
【請求項29】
床をカバーする方法であって、
a.各々が裏面および縁を有する複数のタイルを、互いに隣接するように床面に位置付けることと、
b.少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に、(i)フィルムと、(ii)前記フィルムに隣接する無線周波トランスポンダと、(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤とを含むコネクタを、掛け渡すように位置付けることとを含む方法。
【請求項30】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、2枚またはそれより多くのタイルの隣接する角部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項31】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚のタイルの隣接する角部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項32】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚の隣接するタイルの角部が接する幾つかの各交差部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項33】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、4枚の隣接するタイルの角部が接する各交差部に掛け渡すように位置付けることを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項34】
コネクタを、少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡すように位置付けることが、さらに、前記コネクタの少なくとも幾つかを、格子を形成するように互いに間隔をあけて配置することを含む、請求項29に記載の床をカバーする方法。
【請求項35】
前記コネクタのうちの1つの無線周波トランスポンダが、別のコネクタの無線周波トランスポンダとは異なる周波数を用いて動作する請求項29に記載の方法。
【請求項36】
前記各コネクタが、異なる周波数で動作する複数の無線周波トランスポンダを含む請求項29に記載の方法。
【請求項37】
床カバー材に無線周波トランスポンダを用いる方法であって、
(a)各々が裏面および縁を有する複数のタイルを互いに隣接するように床面に位置付けることと、(b)少なくとも幾つかの隣接するタイルの隣接する縁に、各々が(i)フィルム、(ii)無線周波トランスポンダ、および(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面に接触する接着剤を含むコネクタを、掛け渡すように位置付けることにより床カバー材を形成することと、
無線周波リーダを用いて1つまたはそれより多くの無線周波トランスポンダを読み取ることとを含む方法。
【請求項38】
さらに、各無線周波トランスポンダの位置を特定することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
さらに、無線周波トランスポンダマップを決定することを含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記コネクタが格子を形成する請求項37に記載の方法。
【請求項41】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置の位置を決定することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置の移動を追跡することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
さらに、前記無線周波リーダを用いて、人間または装置をある位置にガイドすることを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記無線周波リーダが掃除機に配置される請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記無線周波リーダが、無線周波トランスポンダ番号のシーケンスによりプログラミングされ、且つ、前記シーケンスに従って前記掃除機をガイドするように用いられる請求項44に記載の方法。
【請求項46】
通行量がより多い位置に対応する前記無線周波トランスポンダ番号が、前記シーケンスにおいて、通行量がより少ない位置に対応する前記無線周波トランスポンダ番号よりも頻繁に現れる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記無線周波リーダが、設備の位置特定またはナビゲーションのために用いられるロボットに配置される請求項37に記載の方法。
【請求項48】
さらに、前記無線周波リーダによって読み取られた無線周波トランスポンダを記録することにより、前記無線周波リーダに関する位置履歴情報を記録することを含む、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
前記無線周波リーダが清掃装置と共に用いられ、前記位置履歴情報が清掃履歴情報を含む請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記位置履歴が、後に制御システムにダウンロードされるために前記無線周波リーダに保存(記憶)される請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記無線周波リーダが、制御システムに、前記無線周波リーダが読み取った前記コネクタの無線周波トランスポンダを送信する請求項48に記載の方法。
【請求項52】
さらに、前記無線周波リーダに関する位置情報および時間情報を記録することを含む請求項37に記載の方法。
【請求項53】
さらに、通行流量に関する情報を決定するために、前記位置情報および時間情報を用いることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項54】
さらに、前記無線周波リーダが、ある領域にどのくらいいたかを決定するために、前記位置情報および時間情報を用いることを含む請求項52に記載の方法。
【請求項55】
ビル内に無線周波トランスポンダを設置するための方法であって、
(a)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(b)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に、
(i)フィルムと、
(ii)前記フィルムに隣接する無線周波トランスポンダと、
(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む方法。
【請求項56】
規則的に間隔をあけて配置された無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置するための方法であって、
(a)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(b)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に且つ規則的な間隔で近接するように、
(i)フィルムと、
(ii)前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
(iii)フィルムの片面上の接着剤であって、前記少なくとも幾つかの隣接するタイルの裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む方法。
【請求項57】
前記無線周波トランスポンダ組立体が、4つの隣り合う角部を有する位置全てに近接して位置付けられる請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記無線周波トランスポンダ組立体が、4つの隣り合う角部を有する位置全てよりも少ない位置に近接して位置付けられる請求項56に記載の方法。
【請求項59】
無線周波トランスポンダのアレイをビル内の知られた位置に設置するための方法であって、
(a)規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置することと、
(b)前記規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダのアレイを、無線周波リーダと交差させて、前記無線周波トランスポンダに関する識別情報と、前記ビル内の前記無線周波トランスポンダの位置とを相互関連させるデータ収集を行うこととを含み、
上記(a)における規則的に間隔を有する無線周波トランスポンダの平面アレイをビル内に設置することは、
(i)各々が、裏面、縁、および角部を有する複数の床カバータイルを、前記ビル内の床面に互いに隣接させて位置付けることと、
(ii)前記タイルの隣り合うタイル角部の下に且つ規則的な間隔で近接するように、
(1)フィルムと、
(2)前記フィルムに取り付けられた無線周波トランスポンダと、
(3)前記フィルムの片面上の接着剤であって、前記タイル角部の裏面と接触する接着剤とを含む無線周波トランスポンダ組立体を位置付けることとを含む、
無線周波トランスポンダのアレイをビル内の知られた位置に設置するための方法。
【請求項60】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.タイルの下の床の含水率を監視するための化学センサとを含むコネクタ。
【請求項61】
前記化学センサが無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記化学センサが、含水率が予め決められたレベルを超えた場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項60に記載の方法。
【請求項63】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.圧力センサとを含むコネクタ。
【請求項64】
前記圧力センサが、無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記圧力センサが、圧力が予め決められたレベルを超えた場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項63に記載の方法。
【請求項66】
各々が裏面を有するモジュール型タイルを連結するためのコネクタであって、
a.フィルムと、
b.フィルムの片面上の接着剤であって、前記接着剤が隣接するタイルの裏面と接触するようにコネクタが前記隣接するタイルの隣接する縁に掛け渡されるときに、前記隣接するタイル間の相対移動を防止するように前記タイルの裏面との結合を形成することができる接着剤と、
c.圧力、湿度、pH、および温度のうちの1つまたはそれより多くを検知することができるセンサとを含むコネクタ。
【請求項67】
前記センサが無線周波トランスポンダに情報を提供するように構成されている請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記センサが、その信号が予め決められたレベルを超えるかまたは、予め決められたレベルに満たない場合に、無線信号を伝送するように構成されている請求項66に記載の方法。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
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【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公表番号】特表2010−523841(P2010−523841A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501209(P2010−501209)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/058361
【国際公開番号】WO2008/119003
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(500174395)インターフェイス,インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/058361
【国際公開番号】WO2008/119003
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(500174395)インターフェイス,インコーポレイテッド (9)
【Fターム(参考)】
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