説明

床パネルとこの床パネルを用いた床構造

【課題】遮音性能が高く、室内で暖房の均一化とともに暖房の効率化をはかり、しかも、施工およびメンテナンスを容易にする。
【解決手段】床構造2は、基盤床4に床パネル10多数敷設して構成される。床パネル10は、所定寸法にカットされた非通気性床材12とこの床材12の下面に接着されたクッション材11とを備えて構成される。クッション材11は、上下の網部に上下端が連結される支持糸を備え、支持糸を傾斜させて一定の方向に並べている。基盤床4に連続して敷設された床パネル10のクッション材全体の外周を塞ぎ、この外周閉塞部には、エア導入開口部とエア排出開口部とをそれぞれ設けてクッション材11内部にエアの流通路を形成している。空調ユニット30の空調エア吹き出し口31をエア導入開口部に接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基盤床に敷設される床パネルとこの床パネルを用いた床構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、戸建て住宅や集合住宅では、床を暖めて部屋を暖房する住宅が増えている。従来、暖房床では、ベースパネルに温水パイプを配設し、温水パイプからの放熱を均熱化させる均熱層を設け、その上面に仕上げ材を貼り付けるとともに、ベースパネル下面に緩衝シートを設けた床暖房パネルが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、上板と下板とを支持ボルトで連結して台座支持体を構成し、これら台座支持体を基盤床に配置し、台座支持体の上板に床パネルを配置して、二重床の構造とし、床パネルと基盤床との間に空気の流通経路を形成し、この空気流通経路に空調機の吹き出し口を連通させるとともに、床パネルには、床吹き出し口を設け、空調機のエアを室内に吹き出させるようにした床構造が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この二重床構造では、基盤床上に断熱材を敷設している。
【特許文献1】特開2001−221451号公報(第3頁、図2)
【特許文献2】特開平11−210205号公報(第3頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の温水パイプを設けた床暖房パネルでは、遮音性能を向上させるため、ベースパネル下面にスリットを形成するとともに、緩衝シートを設けているので、家具を配置した場所での沈み込みや歩行に伴う沈み込みが発生し、快適な歩行感覚が得られないという問題がある。また、均一な暖房は得られるものの、メンテナンス性に欠け、修理や補修が困難になるという問題がある。さらに、暖気を室内に吹き出させる二重床タイプの床構造では、沈み込みは発生しないものの、均一な暖房が得られないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、簡素な構成で快適な歩行感覚を得ることができ、しかも、十分な遮音性能を得ることができる床パネルを提供することを目的とするものである。また、本発明は、均一な暖房を得ることができるとともに、既存新築を問わず簡便に施工することができ、メンテナンスが容易な床構造を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に係る床パネルは、基盤床に敷設される床パネルであって、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成したものである。
【0007】
本発明の請求項1に係る床パネルでは、基盤床に敷設される床パネルであって、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成したことにより、基盤床に床パネルを敷設すると、基盤床と床材との間にクッション材の層が形成される。このクッション材の層は、上下の網部に連結された多数の支持糸により構成されているので、上方からの荷重は多数の支持糸により支持される。このため、荷重が全体に分散されるとともに、沈み込みの発生が抑えられる。従って、快適な歩行感覚が得られる。また、クッション材の層には多数の支持糸によりエアが自在に流通する通気空隙が形成されるので、遮音性能が向上する。
【0008】
本発明の請求項2に係る床パネルは、前記クッション材の上下の網部を網目をずらして配置したものである。
【0009】
本発明の請求項2に係る床パネルでは、前記クッション材の上下の網部を網目をずらして配置したことにより、多数の支持糸は、上下の網部に傾斜して連結され、傾斜する向きが上下の網部間を結ぶ方向に応じて変化する。このため、上下の網部に連結された多数の支持糸は、傾斜した状態で、かつ、網目のずれに応じて傾斜角度を異ならせて上方からの荷重を支持する。従って、耐圧強度が向上する。
【0010】
本発明の請求項3に係る床パネルは、前記クッション材の上下の網部は、網目の形状または大きさのうち少なくともいずれか一方が異なるようにしたものである。
【0011】
本発明の請求項3に係る床パネルでは、前記クッション材の上下の網部は、網目の形状または大きさのうち少なくともいずれか一方が異なるようにしたことにより、上下の網部に連結された支持糸の傾斜の度合いや傾斜角度の変化を多様に設定することができ、所望の耐圧強度や遮音性能に応じた床パネルを製造することができ、設計の自由度が増す。
【0012】
本発明の請求項4に係る床パネルは、前記クッション材には、支持糸を一定の方向に並べ、並ぶ方向にエアが流通しやすい通気路を形成したものである。
【0013】
本発明の請求項4に係る床パネルでは、前記クッション材には、支持糸を一定の方向に並べ、並ぶ方向にエアが流通しやすい通気路を形成したことにより、支持糸の並ぶ方向にエアが流通しやすい通気路が形成されているので、床が衝撃を受け衝撃音が発生しても、衝撃による振動波を伝えるエアは支持糸間の通気空隙を通過するだけでなく、通気路を通じて全体に拡散するので、衝撃音を減衰させることができ、防音性が向上する。
【0014】
本発明の請求項5に係る床パネルは、前記クッション材は、一定方向に並んだ支持糸を、隣り合う列の支持糸と逆方向に傾斜させて連結したものである。
【0015】
本発明の請求項5に係る床パネルでは、前記クッション材は、一定方向に並んだ支持糸を、隣り合う列の支持糸と逆方向に傾斜させて連結したことにより、床パネルにかかる上からの鉛直荷重は、上下の網部を水平部材とし、支持糸を斜材としてこれら両者を組み合わせた組立材の構造により支持されるので、耐圧強度が向上する。このため、クッション材の厚さを薄くしたり、クッション材の材料を軽量の素材とすることができる。
【0016】
本発明の請求項6に係る床パネルは、クッション材を、有機繊維、無機繊維、これら有機繊維と無機繊維との混合または混紡繊維のうちいずれか1により構成したものである。
【0017】
本発明の請求項6に係る床パネルでは、クッション材を、有機繊維、無機繊維、これら有機繊維と無機繊維との混合または混紡繊維のうちいずれか1により構成したことにより、求められる耐圧強度と遮音性能に応じてクッション材の材質を選択することができ、設計の自由度が増す。
【0018】
本発明の請求項7に係る床パネルは、クッション材を、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ガラスファイバーまたはカーボンファイバーのうちいずれか1により構成したものである。
【0019】
本発明の請求項8に係る床パネルは、床材を、下部の下地材と上部の仕上げ材とにより構成し、下地材には、遠赤外線放射体が含まれるようにしたものである。
【0020】
本発明の請求項8に係る床パネルでは、床材を、下部の下地材と上部の仕上げ材とにより構成し、下地材には、遠赤外線放射体が含まれるようにしたことにより、基盤床に床パネルを敷設して形成されたクッション材の層に、暖気を流すと、遠赤外線放射による輻射暖房により、暖房効率が向上する。
【0021】
本発明の請求項9に係る床パネルは、下地材を、遠赤外線放射体をシート状に形成し、このシートを積層したボードにより構成した床材である。
【0022】
本発明の請求項10に係る床パネルは、下地材を、木質系ボード、窯業セメント系ボード、または、これら木質系ボードと窯業セメント系ボードとの複合ボードのうちいずれか1により構成したものである。
【0023】
本発明の請求項11に係る床構造は、床パネルを、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成し、この床パネルを基盤床に敷設するとともに、クッション材の通気空隙を空調ユニットの空調エア吹き出し口に連通させたものである。
【0024】
本発明の請求項11に係る床構造では、床パネルを、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成し、この床パネルを基盤床に敷設するとともに、クッション材の通気空隙を空調ユニットの空調エア吹き出し口に連通させたことにより、空調ユニットからクッション材に暖気が吹き込まれると、暖気はクッション材の通気空隙を通過して床材を暖める。このため、床全体が暖房される。床パネルは所定寸法にカットされているので、基盤床に応じて容易に施工することができる。また、修理や回収の際、対象個所の床パネルのみを交換することができ、メンテナンス性が向上する。歩行時のタッピング音はクッション材に吸収されるので、遮音性能が向上する。
【0025】
本発明の請求項12に係る床構造は、基盤床に連続して敷設された床パネルのクッション材全体の外周を塞ぎ、この外周閉塞部には、エア導入開口部とエア排出開口部とをそれぞれ設けるとともに、クッション材には、エアが流通しやすい通気路を形成し、敷設された床パネルのクッション材全体に上記通気路を接続して床パネルのほぼ全面を通過するエアの流通路を形成し、空調ユニットの空調エア吹き出し口をエア導入開口部に接続したものである。
【0026】
本発明の請求項12に係る床構造では、基盤床に連続して敷設された床パネルのクッション材全体の外周を塞ぎ、この外周閉塞部には、エア導入開口部とエア排出開口部とをそれぞれ設けるとともに、クッション材には、エアが流通しやすい通気路を形成し、敷設された床パネルのクッション材全体に上記通気路を接続して床パネルのほぼ全面を通過するエアの流通路を形成し、空調ユニットの空調エア吹き出し口をエア導入開口部に接続したことにより、空調ユニットから外周閉塞部のエア導入開口部に、暖気が吹き込まれると、暖気はクッション材の通気路と通気空隙とを通過してエア排出開口部から排出される。このため、床全体に暖気が行き渡り均一に暖房される。
【0027】
本発明の請求項13に係る床構造は、空調エア吹き出し口には、排気孔の穿設されたパイプが接続され、このパイプを通じてクッション材に空調エアが導かれるとともに、クッション材のエア排出開口部を、家屋の外断熱通気層に接続したものである。
【0028】
本発明の請求項13に係る床構造では、空調エア吹き出し口には、排気孔の穿設されたパイプが接続され、このパイプを通じてクッション材に空調エアが導かれるとともに、クッション材のエア排出開口部を、家屋の外断熱通気層に接続したことにより、暖気が床の一側部から床下全面を通過して外断熱通気層に排出されるので、床全面が均一に暖房されるとともに、床暖房効率が向上する。また家屋壁部から屋根の通気層に導かれると、排出前の暖気の熱が融雪に利用される。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る床パネルは、基盤床に敷設される床パネルであって、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成しているので、快適な歩行感覚が得られるとともに、遮音性能が向上する。
【0030】
本発明に係る床パネルを用いた床構造は、床パネルを、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成し、この床パネルを基盤床に敷設するとともに、クッション材の通気空隙を空調ユニットの空調エア吹き出し口に連通させているので、均一な暖房を得ることができるとともに、既存新築を問わず簡便に施工することができ、メンテナンスを容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
室内での暖房均一化と効率化、そして、十分な遮音性能の確保と耐圧強度の向上、および施工の容易性向上を図るという目的を、床パネルを、所定寸法にカットされた非通気性床材と、この床材の下面に接着されたクッション材とを備えて構成し、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される支持糸とを備えて構成し、この床パネルを基盤床に敷設するとともに、敷設された床パネルのクッション材を空調ユニットの空調エア吹き出し口に連通させるようにしたことにより実現した。
【実施例1】
【0032】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は、本発明の一実施例に係る床構造を備えた住宅を示す断面図、図2は図1の床構造の一部を構成する床パネルの斜視図である。本実施例に係る床構造は、戸建て住宅及び集合住宅のいずれにも用いることができるが、本実施例では、戸建て住宅に用いた場合で説明する。本実施例に係る床構造2は、図1の(A)に示すように、戸建て住宅3Aの基盤床4に設けられる。戸建て住宅3Aは、例えば、家屋の壁部内側と屋根内側に通気層5が形成された外断熱タイプの住宅である。(図1の(B)は、集合住宅3Bに本実施例の床構造2を適用した例を示す。)基盤床4は、地面側に図示しない断熱材が配置されたコンクリート床となっている。この基盤床4上面には、多数の床パネル10が敷設される。基盤床4と床パネル10とで、二重の構造となっている。床パネル10は、図2に示すように、所定寸法にカットされた床材12と、この床材12の下面に接着され通気空隙Sが全面に形成されたクッション材11とを備えている。
【0033】
クッション材11は、図3および図4に示すように、上下の網部20、21と、これら網部20、21に上下端がぞれぞれ連結された多数の支持糸22とを備えている。これら網部20、21および支持糸22は線条材により構成される。上側網部20と下側網部21とは、それぞれ網目の形状を異ならせて形成される。すなわち、上下の網部20、21は、図4に示すように、上側網部20の網目は菱形状に、下側網部21の形状は六角形状にそれぞれ形成され、上下の網部20、21の網目が合致して重ならないようになっている。連結糸としての支持糸22は、図4および図5に示すように、上端が上側網部20に、下端が下側網部21に編み込まれ一定の方向D1に並んで連結される。すなわち、支持糸22は、図3に示すように、通気空隙Sを有して並び連なる列22Fが隣り合う列に対して逆方向に傾斜されて上下端が連結されるとともに、図5の(A)および(B)に示すように、その列22Fの傾斜の向きは進行するに従って徐々に変化し、傾斜のない直立状態を経て、すなわち、上下の網部20、21が重なる位置では、両網部20、21に対して支持糸22が直角に連結され(図5の(C)参照)、再び元の傾斜の向きに復帰するようなっている(図5の(D)参照)。こうして、列22Fの進行に伴って傾斜の向きの変化が規則的に繰り返される。このように、支持糸20は、図3に示すように、上下網部20、21の網目が重ならない部位では、並び方向D1に対して直角方向の縦断面が、V字状を横に繰り返す形状となっている。そして、その列22Fは一定の方向D1に進むようになっている。このため、支持糸20は、上下の網部20、21のずれた網目の位置に応じて、順次傾斜の向きを変えて一定の方向D1に並び、並ぶ方向D1にエアが流れやすい空隙である通気路Pが形成されるようになっている。支持糸22は、複列に並ん連結される。支持糸22の糸径、両端寸法、植立密度は、このクッション材11の耐圧強度が少なくとも500kgf/m以上となるように設定することが好ましく、本実施例では、2,500kgf/mとなるように設定している。クッション材11は、床材12の寸法に合致させ予め縦横が所定の寸法(例えば、300mm×300mm、600mm×600mm等)にカットされる。
【0034】
クッション材11における網部20、21と支持糸22の材質は、有機繊維、無機繊維、これら有機繊維と無機繊維との混合または混紡繊維のうちいずれか1により構成される。好ましくは、クッション材11は、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ガラスファイバーまたはカーボンファイバーのうちいずれか1により構成される。本実施例では、耐熱性、強度、コストの点から、ポリエステルまたはナイロンを用いている。また、軽量および硬度の点から、ポリプロピレンを用いてもよい。クッション材11は、側面がカットにより不斉となる場合、加熱処理して溶融後硬化させるようにしてもよい。また、クッション材11下面の網部21を加熱処理して硬化させるようにしてもよい。
【0035】
支持糸22は、図示しないダブルラッシェル編機により両網部20、21に編み込まれて接続される。このため、クッション材11は、網構造を有する表裏2面の網部20、21とこれら両面20、21を連結する支持糸22とにより構成される立体構造を有する繊維構造体(ダブルラッシェル立体編み物)となっている。本実施例では、高い支持性能を有し構造的にも安定し、通気抵抗も低い立体構造とするため、図3ないし図5に示すように、複列で所定ピッチ毎に連続して編み込まれる支持糸22を、隣り合う列22F、22Fに並ぶ支持糸22と逆の方向に傾斜させるトラス構造としている。クッション材11の編み込みは、ダブルラッシェル編機(図示せず)により経編編成され、鎖編糸と挿入糸により編成された網部20、21を、向きを変化させた支持糸22により連結するようになっている。こうして製造されたクッション材11は、全体としてトラス構造を形成しているので、厚み方向に荷重をかけたとき、逆方向の傾斜部分が突っ張り合って、支持糸22の倒れを相互に規制するように作用する。このため、網部20、21の形状および立体構造が安定したものになる。この結果、素材にもよるが、クッション材11の厚み方向の耐圧強度は厚さ1cmで2,500kgf/mとの耐圧強度が得られ、優れた保形性と弾力性が実現できた。このように、高荷重に耐え、弾力性を備えたクッション材11を用いた床パネル10は、タッピング音などの軽量衝撃音や重量落下物などの重量衝撃音が床に発生しても、衝撃音のエネルギーを瞬時に減衰分散する作用があり、防音床として優れた性能を発揮する。また、クッション材11の通気性については、風速5m/secでも100Pa以下と通気負荷が低く、クッション材11全面にわたる温風の均等分散が可能で、厚みが余り無い低床高にも拘わらず、良好な送風性を確保することができる。クッション材11の厚さは、設計プランに応じて1〜3cmの厚さとすることができる。さらに、支持糸22を高密度で編み込み、しかも、編み込み方向に通気空隙が十分に確保されているため、遮音性能も向上する。
【0036】
非通気性の床材12は、クッション材11と同一寸法にカットされ、この床材12の裏面には、クッション材11が接着される。床材12は、下部の下地材25と上部の仕上げ材26とを貼り合わせて構成される。下地材25は、カーボンファイバーまたはガラスファイバーのネットをモルタルで塗り固めて硬化させた剛性パネルが用いられる。これらの剛性パネル25は数ミリ(3〜4mm)の厚さでも強力な支持性能を発揮するようになっている。カーボンファイバーを用いた下地材25の場合は、カーボンファイバーが遠赤外線放射機能を有しており、クッション材11に導かれた暖気により室内に遠赤外線効果をもたらすようになっている。なお、下地材25は、上記剛性パネルに限られるものではなく、木質系ボードまたは窯業セメント系ボードの下面に、遠赤外線放射機能を有する素材(例えば、アルミナ、カーボン、ハイドロタルサイト、ゼオライト、カーボンファイバー等の波長4ないし1000μmの遠赤外線機能を有する素材)をコーティングするか、遠赤外線放射機能を有する素材を配合したシートを形成し、これらシートを木質系ボードまたは窯業セメント系ボードの下面に、積層するようにしてもよい。仕上げ材26は、木質系フロア材、窯業系タイルまたはカーペット等、設計プランに応じて適宜選択して用いられる。床パネル10の厚さは、100mm以下に設定し、30mm以下とすることが好ましい。
【0037】
本実施例に係る床構造2を持つ住宅では、図1の(A)、(B)および図6に示すように、空調ユニット30が接続される。空調ユニット30は、空調されたエアを室内に導くようになっている。空調ユニット30の空調エア吹き出し口31には、排気パイプ32の一端が接続される。排気パイプ32は、基盤床4の一側部4Aに配設され、多数の排気孔33が穿設されるとともに、他端34が閉塞されている。空調ユニット30の空調エア吹き出し口31から排気パイプ32に空調エアが導かれると、排気孔33から基盤床4の上面に沿って空調エアが排気されるようになっている。このため、基盤床4上面に、床パネル10を、クッション材11を下側にして通気路Pを排気孔33の排気方向に合致させて敷き詰めると、通気路Pに空調エアが導かれようになっている。つまり、床パネル10は、クッション材11の通気路Pのエア流通方向D1を排気孔33からのエア放出方向と合致させて敷き詰められるようになっている。基盤床4の一側部4Aに隣り合う両側部4B、4Cに面するクッション材11の側面(外周面)には、シール材(外周閉塞部)35が接着され、基盤床4の側部4B、4Cから空調エアを室内に漏出させないようになっている。基盤床4の一側部4Aに向き排気パイプ32に面するクッション材11の側面は、開口されたまま、エア導入開口部11Aを構成している。基盤床4の一側部4Aに向き合う側部4Dに面するクッション材11の側面は、開口されたまま、外断熱家屋の壁部通気層5に連通し、エア排出開口部11Bを構成している。このため、空調ユニット30からの空調エアは、空調エア吹き出し口31から排気パイプ32を経由してクッション材11に導かれ、クッション材11の通気路Pを通気方向D1に沿って流れ、エア排出開口部11Bから壁部通気層5に排出されるようになっている。このため、空調エアは、敷き詰められた床パネル10全面に亘って均一に流れるようになっている。
【0038】
次に、上記実施例に係る床パネル10とこの床パネル10を用いた床構造2の作用について説明する。上記実施例に係る床パネル10では、基盤床4に床パネル10を敷設すると、基盤床4と床材12との間にクッション材11の層が形成される。このクッション材11の層は、上下の網部20、21に連結された支持糸22を、順次傾斜する向きを変えて一定の方向D1に並び連ねるようにしているので、上方からの荷重は多数の支持糸22により異なる向きで支持される。このため、荷重が全体に分散されるとともに、沈み込みの発生が抑えられる。従って、快適な歩行感覚が得られる。また、クッション材11の層には多数の支持糸22が存在するので、遮音性能が向上する。また、支持糸22は、網目をずらせて配置された上下の網部20、21に連結されているので、支持糸22の並ぶ方向D1にエアが流通する通気路Pが形成される。このため、床が衝撃を受け衝撃音が発生しても、衝撃による振動波を伝えるエアは支持糸間の通気空隙Sを通過するだけでなく、通気路Pを通じて全体に拡散するので、衝撃音を減衰させることができ、防音性が向上する。さらに、支持糸22の傾斜は網目のずれにより向きが小刻みに変化し、しかも、隣り合う列22F、22Fと傾斜方向が逆になっているので、耐圧強度が向上する。つまり、床パネル10にかかる上からの鉛直荷重は、上下の網部20、21を水平部材とし、支持糸の列22Fを斜材としてこれら両者を組み合わせた組立材の構造により支持されるので、耐圧強度が向上するようになっている。従って、クッション材11の厚さを薄くできるだけでなく、クッション材11の材料を軽量の素材とすることができる。
【0039】
次に、上記実施例に係る床パネル10を用いた床構造2の作用について説明する。上記実施例に係る床構造2では、空調ユニット30から送出される空調エアの暖気が、空調エア吹き出し口31から排気パイプ32に導かれると、排気パイプ32の排気孔33から、クッション材11のエア導入開口部11Aに導かれる。暖気は、さらに、敷き詰められたクッション材11の通気路Pを主にして通気空隙Sをも通過して、エア排出開口部11Bから壁部通気層5に排出され、さらに、屋根部通気層を経由して外部に排出される。このとき、空調エアの暖気は、敷き詰められた床パネル10の全面に亘って均一に流れるので、部屋は均一に暖房される。しかも、床パネル10の床材12のうち下地材25は、カーボンファイバーとゼオライト骨材で塗り固めて硬化させた剛性パネルにより構成されているので、カーボンファイバーとゼオライトにより遠赤外線放射効果がもたらされ、暖房効率が向上し、部屋全体の暖房の均一化に寄与する。さらに、クッション材11は耐圧強度を2,500kgf/mに設定しているので、家具を配置しても沈み込むことがなく、まして床パネル10上を歩行する際にも、沈み込みが発生することがなく、快適な歩行感覚が得られる。また、歩行時のタッピング音や物が落下した際の衝撃音は、クッション材11に吸収されるので、従来のように床パネルの裏面に溝を設けたり、柔軟性を有する発泡樹脂シートを敷設した場合に比較して遮音性能が向上する。さらに、修理や回収の際、対象個所の床パネル10のみを交換することができるので、メンテナンス性が向上する。また、施工時、従来のように、基盤床に床パネルを設置する際、支持脚や支持柱を配設する必要がなく、床パネル10を基盤床4に敷き詰めるだけで施工が完了するので、作業の効率化とコストダウンを図ることができる。さらに、空調エアを屋根部通気層を経由して外部に排出させるようにしているので、降雪地帯では、屋根の融雪にも寄与する。
【実施例2】
【0040】
当出願人等は、クッション材11として、ポリエチレンテレフタレート繊維糸条からなる経編、編成される立体トラス構造を有する試験体(三次元立体ネット)Iを実際に製造し、その耐圧強度、圧縮弾性係数を、JISK6385−2001に準拠して測定評価した。
【0041】
試験体Iは、厚み10mm、製品目付665g/m 、試験体サイズ100(l)×100(W)×10(t)mmに設定した。測定評価の結果は、耐圧強度2540kgf/m、沈み変形量1.1mm(一般的に、100〜500kgf/mの荷重で沈み変形が3mm以内といわれ、1mm前後で好ましい歩行感覚が得られる。)、圧縮弾性係数(最大荷重/変位)4.95kgf/cmと沈み変形がほとんどなく、高耐圧強度と弾力性を有することを示した。
【0042】
また、三次元立体ネットの通気抵抗をJISB9908に準拠して測定評価した。試験体IIは、三次元立体ネットを層状に積層した。試験体IIのサイズは19×19×20cmで、測定評価の結果、風速5m/secでの圧力損失35Paと、通気負荷が低いことが判明した。
【実施例3】
【0043】
床材12の下地材25として3層構造のボードで構成した試験体IIIを製作した。この試験体IIIでは、、中央のコア層ボードの配合組成を、早強セメント55wt%、パーライト20wt%、表面処理カーボンチョップドファイバー3wt%、合成ゼオライト20wt%、セメント混和剤2wt%とし、上下層ボードの配合組成を、早強セメント65wt%、合成ゼオライト30wt%、表面処理カーボンチョップドファイバー3wt%、セメント混和剤2wt%とした原料を水で混練し、上層:コア層:下層=1:2:1の割合で成形し、厚み20mmの窯業セメントボードを製作した。測定の結果、2週間後のボードの曲げ強度350kgf/cm(35N/mm)、圧縮強度800kgf/cm(80N/mm)、また、原料粉体の分光光度計による波長4〜1000μmでの放射率(黒体比較)は、70〜90%で、遠赤外線放射能を有することを示した。
【実施例4】
【0044】
床材12の下地材25として塩化ビニル樹脂系床材シートの試験体IVを製作した。この試験体IVでは、塩化ビニル樹脂44wt%、DOP可塑剤15wt%、合成ゼオライト35wt%、エポキシ大豆油5wt%、安定剤1wt%からなる組成物を、混練ミキサーで150〜160℃の温度で、20〜30分混練し、ついで170℃の加熱圧延ローラで厚み3mmの塩ビ系床材シートを製作した。JISK7204に準拠した測定評価は、テーバー試験機(1000g、1000回転)による摩耗量420mgであった。JISA5705(70℃で24時間処理)による寸法安定性0.07mm、放射率70〜90%の遠赤外線放射能を有することを示した。
【実施例5】
【0045】
床材12の下地材25として市販フローリング材の裏面に窯業セメント系ボードをコーティングした試験体Vを製作した。この試験体Vでは、早強セメント63wt%、表面処理カーボンチョップドファイバー5wt%、合成ゼオライト30wt%、セメント混和剤2wt%を水で混練した組成物を、厚み12.3mmの市販フローリング材の裏面に、3mmコーティング後乾燥した。裏面コート層の遠赤外線放射率は70〜90%であった。
【実施例6】
【0046】
次に、床構造2の防音性能および暖房性能を評価するため、以下の3タイプの床構造を実際に施工して実験を行った。
(1)タイプAの床構造
コンクリート基盤床(スラブ厚み150mm)に、上記実施例2で述べた試験体Iで用いた厚み10mmのクッション材を2枚貼りあわせて、厚み20mmの三次元立体ネットを床面積2.5×2.5mで敷設した(クッション材の寸法、2,500(l)×2,500(W)×20(t)mm)。次に、上記実施例3で述べた試験体IIIの厚み20mmの窯業セメントボードを下地材25として上記クッション材の上面に配し、さらに、仕上げ材26として市販されている厚み7mmのナイロンパイル型タイルカーペットを、上記窯業セメントボードの上面に配し、床高47.0mmの床構造とした。
(2)タイプBの床構造
コンクリート基盤床(スラブ厚み150mm)に、上記実施例2で述べた試験体Iで用いた厚み10mmのクッション材を2枚貼りあわせて、厚み20mmの三次元立体ネットを床面積2.5×2.5mで敷設した(クッション材の寸法、2,500(l)×2,500(W)×20(t)mm)。次に、下地材25として上記実施例4で述べた試験体IVの厚み3mmの塩ビ系床材シートを、市販されている厚み12.3mmの木質フローリング材に裏打ちした。この張り合わされた下地材25を上記クッション材の上面に配し、さらに、仕上げ材26として市販されている厚み7mmのナイロンパイル型タイルカーペットを、上記張り合わされた木質フローリング材の上面に配し、床高42.3mmの床構造とした。
(3)タイプCの床構造
コンクリート基盤床(スラブ厚み150mm)に、上記実施例2で述べた試験体Iで用いた厚み10mmのクッション材を2枚貼りあわせて、厚み20mmの三次元立体ネットを床面積2.5×2.5mで敷設した(クッション材の寸法、2,500(l)×2,500(W)×20(t)mm)。次に、上記実施例5で述べた試験体Vの厚み15.3mmの、裏面に窯業セメント系ボードをコーティングしたフローリング材を、下地材25として上記クッション材の上面に配し、さらに、仕上げ材26として市販されている厚み7mmのナイロンパイル型タイルカーペットを、裏面がコーティングされたフローリング材の上面に配し、床高42.3mmの床構造とした。
タイプA〜Bの防音性能は、タッピングマシン、バングマシンで床面に衝撃を加え、階下の対応する室で減衰した衝撃音を測定評価した。測定法は、JISA1418(建築物の現場における床衝撃音レベルの測定)に準拠して実施した。また、家具等による床沈み試験および歩行感の性能も評価した。得られた結果を表1に示す。
【0047】
【表1】

【0048】
表1の結果から、タイプAないしCのいずれについても床軽量衝撃および床重量衝撃に対する遮音効果が高いことが明らかになった。また、タイプAおよびBについて家具重量が500Kgの荷重に達しても、沈み込み量が0.5〜1.0mmの範囲で、深い沈み込みは見られなかった。歩行感についてもタイプAないしCのいずれについても快適であることが明らかになった。
【実施例7】
【0049】
次に、上記タイプAないしCの床構造と、タイプCの床構造に対し、フローリング材の裏面に窯業セメント系ボードをコーティングしないタイプDの床構造とについて、温風を送風した実験を行った。タイプDの床構造は、以下のものである。
(4)タイプDの床構造
既存のコンクリート基盤床(スラブ厚み150mm)に、上記実施例2で述べた試験体Iで用いた厚み10mmのクッション材を2枚貼りあわせて、厚み20mmの三次元立体ネットを床面積2.5×2.5mで敷設した(クッション材の寸法、2,500(l)×2,500(W)×20(t)mm)。次に、市販のフローリング材を、下地材25として上記クッション材の上面に配し、さらに、仕上げ材26として市販されている厚み7mmのナイロンパイル型タイルカーペットを、裏面になにもコーティングされていないフローリング材の上面に配し、床高27.0mmの床構造とした。すなわち、タイプDの床構造では、遠赤外線放射体が含まれていない。
温風送風実験は、空調ユニットの送風機のケーシング吐出部にダクトを接続し、このダクトからタイプAないしDの床構造について、クッション材に70℃の温風を送風した。床面より高さ80cmの位置の温度を、K熱電対とグローブ型温度計をデータロガに接続し、温度を連続して測定し、記録した。定常状態で得られた結果を表2に示す。
【0050】
【表2】

【0051】
表2の結果から、床パネル10の下地材25に遠赤外線放射体を有しているタイプAないしCの床構造については、熱電対測定温度が25.1ないし25.5℃の範囲にあるのに対し、遠赤外線放射体を有していないタイプDでは、23.8℃と、1℃以上の差がでた。グローブ型温度計では、遠赤外線放射体を有しているタイプAないしCの床構造については、23.4ないし23.5℃の範囲にあるのに対し、遠赤外線放射体を有していないタイプDでは、23.2℃と、0.2または0.3℃の差が出た。このことから、遠赤外線による輻射熱の効果が認められた。
【0052】
なお、上記実施例では、外断熱戸建て住宅について述べたがこれに限られるものではなく、外断熱集合住宅についても適用可能であるのはいうまでもない。また、外断熱の住宅に限られるものではなく、内断熱の住宅についても適用可能である。内断熱の住宅の場合、上記実施例では、床材を非通気性としているのに対し、敷き詰められた床パネルのうち、一部の床パネルの床材の一部に通気部を形成し、外断熱家屋の通気層へ空調エアを排出する代わりに、床パネル内を通過した空調エアを部屋に導くとよい。さらに、床パネルを、クッション材11および床材12を貼り合わせて構成しているがこれに限られるものではなく、貼り合わせないで、クッション材11と床材12とをそれぞれ別工程で施工するようにしてもよい。床材12とクッション材11とを一体化する方法のひとつとして両者を接着することが好ましい。また、上記実施例では、クッション材11は、上側網部20の網目は菱形状に、下側網部21の形状は六角形状にそれぞれ形成し、上下の網部20、21の形状を異ならせているがこれに限られるものではなく、同一の網目に形成してもよいし、形状を同一とし、大きさを異ならせてもよいことはいうまでもない。さらに、上記実施例では、上下の網部20、21の網目が重ならないようにしているがこれに限られるものではなく、上下の網部間で支持糸を順次向きを変えて一定の方向に並べ連ねることができれば、上下の網部の網目が重なるように配置してもよいことはいうまでもない。さらに、上記実施例では、支持糸の、網部との連結部が隣り合う列の一方の連結部との間隔を狭く、他方の列の間隔を広くし、断面V字状を横に繰り返す形状となっているが、これに限られるものではなく、複数の列を同一方向に傾斜させ、隣り合う複数の列を逆方向に傾斜させるようにしてもよい。また、クッション材11は上下に網部20、21を配置するようにしているが、網状部材に限られるものではなく、支持糸の上下両端が連結される上下材として、目の粗い繊維布や多数の小孔が形成された布状材を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】(A)、(B)はそれぞれ、本発明の一実施例に係る床構造を備えた戸建て住宅と集合住宅とをそれぞれ示す断面図である。(実施例1)
【図2】図1の床構造と床パネル示す説明図である。
【図3】図2の床パネルのクッション材を示す要部拡大縦断面図である。
【図4】図2の床パネルのクッション材の平面図である。
【図5】(A)ないし(D)はそれぞれ、図4のクッション材のI−I線断面図、II−II線断面図、III−III線断面図およびIV−IV線断面図を示す。
【図6】図1の床構造のうち、クッション材が露出された状態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0054】
4 基盤床
10 床パネル
11 クッション材
12 床材
20、21 網部
22 支持糸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基盤床に敷設される床パネルであって、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、
このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成したことを特徴とする床パネル。
【請求項2】
前記クッション材の上下の網部を網目をずらして配置したことを特徴とする請求項1に記載の床パネル。
【請求項3】
前記クッション材の上下の網部は、網目の形状または大きさのうち少なくともいずれか一方が異なることを特徴とする請求項1に記載の床パネル。
【請求項4】
前記クッション材には、支持糸を一定の方向に並べ、並ぶ方向にエアが流通しやすい通気路を形成したことを特徴とする請求項2または3に記載の床パネル。
【請求項5】
前記クッション材は、一定方向に並んだ支持糸を、隣り合う列の支持糸と逆方向に傾斜させて連結したことを特徴とする請求項4に記載の床パネル。
【請求項6】
クッション材を、有機繊維、無機繊維、これら有機繊維と無機繊維との混合または混紡繊維のうちいずれか1により構成したことを特徴とする請求項1ないし5のうちいずれか1に記載の床パネル。
【請求項7】
クッション材を、ポリエチレン、ポリプロピレン、レーヨン、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド、ガラスファイバーまたはカーボンファイバーのうちいずれか1により構成したことを特徴とする請求項6に記載の床構造。
【請求項8】
床材を、下部の下地材と上部の仕上げ材とにより構成し、下地材には、遠赤外線放射体が含まれることを特徴とする請求項1に記載の床パネル。
【請求項9】
下地材を、遠赤外線放射体をシート状に形成し、このシートを積層したボードにより構成した床材であることを特徴とする請求項8に記載の床パネル。
【請求項10】
下地材を、木質系ボード、窯業セメント系ボード、または、これら木質系ボードと窯業セメント系ボードとの複合ボードのうちいずれか1により構成したことを特徴とする請求項8に記載の床パネル。
【請求項11】
床パネルを、所定寸法にカットされた非通気性床材とこの床材の下面に配置されて、一体化されたクッション材とを備え、このクッション材を、上下の網部とこれら上下の網部に上下端が連結される多数の支持糸とを備えて構成し、
この床パネルを基盤床に敷設するとともに、クッション材の通気空隙を空調ユニットの空調エア吹き出し口に連通させたことを特徴とする床構造。
【請求項12】
基盤床に連続して敷設された床パネルのクッション材全体の外周を塞ぎ、この外周閉塞部には、エア導入開口部とエア排出開口部とをそれぞれ設けるとともに、クッション材には、エアが流通しやすい通気路を形成し、敷設された床パネルのクッション材全体に上記通気路を接続して床パネルのほぼ全面を通過するエアの流通路を形成し、空調ユニットの空調エア吹き出し口をエア導入開口部に接続したことを特徴とする請求項11に記載の床構造。
【請求項13】
空調エア吹き出し口には、排気孔の穿設されたパイプが接続され、このパイプを通じてクッション材に空調エアが導かれるとともに、クッション材のエア排出開口部を、家屋の外断熱通気層に接続したことを特徴とする請求項12に記載の床構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−95431(P2008−95431A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−280331(P2006−280331)
【出願日】平成18年10月13日(2006.10.13)
【出願人】(000003975)日東紡績株式会社 (251)
【出願人】(597129023)エレホン・化成工業株式会社 (4)
【出願人】(504442067)有限会社中林工業 (7)
【Fターム(参考)】