説明

床化粧材およびこの床化粧材の敷設構造

【課題】 床化粧材が受ける風の影響を最小限に抑えて床化粧材が捲れ上がるのを防ぐとともに、雨水等の排水を可能にして、安全性および意匠性の高い優れた床化粧材を提供する。
【解決手段】 床化粧材1には、多数の開口が設けられた基材11とこの基材11を床面3に支持する複数本の脚部12…12とを備える床化粧材本体10に、風の流通を遮断する遮断部材15を備えられている。また、遮断部材15には、重量物17を保持する保持部材16が側面に沿って凹溝状に設けられて、この保持部材16に重量物17が添設されて床化粧材本体10の風による浮き上がりを防止するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベランダやバルコニー、屋上等の床面に敷設して使用する床化粧材およびその敷設構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ベランダやバルコニー、屋上等に床材を敷設してデッキを形成する技術には、従来、係止溝を備えた固定基板を根太上に複数個ねじ止めするとともに、バルコニー等の寸法に合わせて切断した長尺のデッキ材の裏面側の突条を固定基板の係止溝に圧入嵌合するなどの構造が提案されていた。
【0003】
これに対し、近年では、例えば特許文献1に記載されているように、コンクリート等のスラブ上に床材を敷設して床面を覆う構成の床化粧材として、硬質合成樹脂材料を矩形状に成形した部材で、裏面側とスラブ面との間に排水空間を形成するための複数本の脚が一体形成されてなる床化粧材が提案されており、上面に合成樹脂またはタイル等の表面材を接着固定または一体成形した構造のユニット式床化粧材も実用化されている。
【0004】
このようなユニット式床化粧材は、バルコニーやベランダ等の屋外に敷設した場合、床化粧材の下面側(裏面側)に風が吹き込むと、敷設した床化粧材の全体が捲れ上がってしまうことがあった。そこで、このような捲れ上がりを解消するために、例えば特許文献2に記載されているように、タイルユニットを敷設して床面を形成する際に、その床面周囲の少なくとも一部に透水性開口を有する合成樹脂製フロアマットを敷設して風の影響を軽減するという、タイルユニットの敷設構造も提案されている。
【0005】
前記従来の床化粧材の敷設構造は、立ち上がり壁で囲まれたバルコニー等の床面に、表面材がタイル等の比較的重い床化粧材を敷設する場合にはある程度有効な手法となる。しかし、立ち上がり壁ではなく、手すりだけが設けられたバルコニーや風の強い高層マンションのバルコニーに、このような床化粧材を敷設した場合には、手すりを通り抜けた風が床化粧材の下面側に入り込んで床化粧材の全体が捲れ上がるという吹き上がり現象を起こしてしまうおそれがあった。また、このような問題は、高さがそれほどないパラペットが配設された屋上などに床化粧材を敷設する場合にも発生する可能性があった。
【0006】
また、かかる床化粧材の敷設作業にあたっては、専門の施工業者が作業をする場合もあるが、住宅等の小規模の建物においては専門の施工業者ではなく個人で敷設作業をする場合も考えられるため、その施工性の良さや、メンテナンス、掃除の際の床化粧材の取り外し作業のしやすさ等も配慮する必要があった。
【0007】
そこで、このような問題点を解消するために、特許文献3に記載されたような床化粧材も提案されている。この床化粧材は、図8に示すように、縦断面形が略コ字形の横長の床部材101を床化粧材100の端部に嵌め込んで、床化粧材100の下面に風が吹き込むのを防止するようになっている。また、床部材101には、下部に排水孔102が設けられており、床化粧材100の下部に流入した雨水等を排水孔102から排出できるようになっている。
【特許文献1】実開平5−85929号公報
【特許文献2】実開平7−10191号公報
【特許文献3】特開平10−115074号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、前記床化粧材100は、床部材101に設けられた排水孔102の開口率や風の強さによっては、この排水孔102からも風が浸入しやすくなるおそれがあった。
【0009】
そこで、風の影響が強い場所では、床化粧材の下面側に風が入り込むおそれのあるこのような孔(開口)を床化粧材の側面にできるだけ設けず、なおかつその床化粧材が受ける風の影響を最小限に抑えて捲れ上がるのを防ぐことが求められていた。しかし、排水孔をできるだけ設けないようにしても、目地等の隙間から床化粧材下面に廻りこんだ空気が抜けずに床材表面と床材下部との間に気圧差が発生し、床化粧材全体の捲くれ上がりが起こった。
【0010】
また、特許文献2のように透水性開口を有する合成樹脂製フロアマットを敷設した場合、敷設幅が小さいと隣接する床化粧材下面に入り込む風の割合が多くなり効果が無い。そのために、広い敷設幅が必要になり、外観上の見栄えが悪くなったり、経時的にごみや汚れが入り込みやすくなった。
【0011】
また、床化粧材の敷設作業にあたっては、専門の施工業者が作業をする場合もあるが、住宅等の小規模の建物においては専門の施工業者ではなく個人で敷設作業をする場合も考えられるため、その施工性のよさや、メンテナンスあるいは掃除の際の床化粧材の取り外し作業のしやすさ等も配慮する必要があった。
【0012】
そこで本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、バルコニーやベランダ等の床面をユニット式の床化粧材を敷設して形成するにあたり、床化粧材が受ける風の影響を最小限に抑えて捲れ上がるのを防ぎ、安全性、施工性および意匠性のいずれにも優れた床化粧材を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の課題を達成するため、本発明は、床面に複数枚の床化粧材本体を敷設して床を構成する床化粧材において、床化粧材本体は、多数の開口が設けられた基材とこの基材を床面に支持する複数本の脚部とを備えるとともに、当該床化粧材本体における基材の下部空間に配設されて風の流通を遮断する遮断部材を備えたことを特徴としている。
【0014】
より具体的には、前記遮断部材は、帯板状の部材として形成され、床化粧材本体の長手方向に沿って少なくとも1枚以上配設されていることを特徴としている。
【0015】
かかる特徴的構成を有する床化粧材によって、床化粧材本体の下面側へ流入した風は開口から上方へ抜け、また床化粧材本体の側部方向へは流通しないようにすることができるので、風により床化粧材に作用する浮力の発生を抑え、風の影響を軽減することができる。また、かかる床化粧材は、基材の開口から床面に雨水等を排水することができ、排水性も兼ね備えている。
【0016】
また、前記遮断部材は、隣接して敷設される床化粧材本体から少なくとも10mm以上離れた位置に配設されていることが好ましい。
【0017】
これにより、床化粧材本体の下面に入り込んだ風を逃がすことが可能であり、風による影響を効果的に抑制することができる。
【0018】
さらに、本発明は、前記構成の床化粧材において、床化粧材本体の外縁部に配設された遮断部材には、床化粧材本体の風による浮き上がりを防止する重量物を保持する保持部材が側面に沿って設けられて、この保持部材に重量物が添設されて床化粧材本体に重量が付加されたことを特徴としている。
【0019】
かかる保持部材は、前記遮断部材と一体の凹溝状に形成されていても、あるいは鉤形状に形成されて遮断部材の側面の複数箇所に一体に設けられていてもよい。
【0020】
このような構成により、床化粧材を敷設した床面を安定的に保持するとともに、最小限の部材でもって風による吹き上がり現象を抑えることが可能になる。
【0021】
また、本発明は、床面に複数枚の床化粧材本体を敷きつめて床を構成する床化粧材の敷設構造であって、前記床の外周縁部に配置される床化粧材本体は、多数の開口が設けられた基材とこの基材を床面に支持する複数本の脚部とを備えるとともに、当該床化粧材本体における基材の下部空間に配設されて風の流通を遮断する遮断部材を備えており、前記床の外周縁部からの風の流入を防止するように構成されたことを特徴としている。
【0022】
これにより、構成された床の外周縁部に遮断部材が連続的に配設されて、床を取り囲むことができ、風が吹き付けても床の側面が塞がれているので、側面から風が吹き込むのを防止できる。また、床の下部空間に流入した風は、床化粧材本体の開口から上方へ逃がされ、床化粧材の捲れ上がりを防止する。また、この開口から床の外部へ雨水等を排水することが可能である。したがって、長期間にわたって安定した床化粧材の敷設構造を維持することができ、風雨による影響を効果的に防止することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
上述のように構成される本発明の床化粧材およびその敷設構造によれば、床化粧材を敷設することによって形成した床における風の影響を最小限に抑えて、床化粧材が捲れ上がったり浮き上がったりするのを防ぎ、床化粧材を安定的に保持しつつ、下面側へ浸入した雨水等を排水することも可能となって、耐久性、安全性および意匠性のいずれにも優れたものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る床化粧材およびその敷設構造を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
本発明において、床化粧材1は住宅のベランダ、バルコニー、テラス、あるいは屋上スラブなどのように、屋外に設けられている床面3に敷設して床2を構成するのに用いられるものである。この床化粧材1には、風の影響による吹き上がり現象を防止するために、遮断部材15が設けられている。かかる構成の床化粧材1および遮断部材15の形態には多数のバリエーションがあるが、そのうちのいくつかについて以下の実施例で示す。
【実施例1】
【0026】
本発明に係る床化粧材1の実施例1について図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る床化粧材1の一形態を示す斜視図、図2は本発明に係る床化粧材1の敷設構造を示す平面図、図3,4は床化粧材1の変形例を示す斜視図である。
【0027】
床化粧材1は床化粧材本体10を有し、多数の開口が設けられた基材11と、この基材11を床面3に支持する複数本の脚部12…12を備えている。
【0028】
例示の形態では、基材11は、上面視縦長矩形状に形成され、周囲の枠組を構成する矩形のフレーム13と、フレーム13の内側に格子状あるいはクロスメッシュ状に形成された通気部14を有し、多数の開口141が設けられている。この開口141により、基材11の内外で、空気の流通および雨水等の排水が可能となっている。また、この基材11の裏面側には、複数本の脚部12…12が均等配置されて、基材11に対して一体的に備えられ、基材11を床面3に支持している。
【0029】
さらに、床化粧材本体10は、基材11の下部空間に、風の流通を遮断する遮断部材15を備えている。遮断部材15は、基材11の裏面から床面3までの高さを有する帯板状部材で、基材11および脚部12…12と一体に形成されている。
【0030】
なお、この帯板状の遮断部材15は、前記のように基材11の裏面から床面3までの高さを有するように形成されるだけでなく、その排水性を考慮して、床面3との間に若干隙間を設けられるように形成されてもよい。
【0031】
図1に例示する床化粧材1においては、この遮断部材15は、基材11の裏面にあって、床化粧材本体10の長手方向に沿うように配設されている。また、遮断部材15は、床化粧材本体10の幅方向に対しては、隣り合う脚部12、12間に均等間隔で配設され、脚部12を兼ねる位置に配設されている。この場合、基材11の中央に配設された中央フレーム13aと、遮断部材15とが一体に形成されて、通気部14を幅方向に二分するような形態となっている。また、遮断部材15は、隣接して敷設される床化粧材9から少なくとも10mm以上離れた位置に配設されていることが好ましい。
【0032】
かかる床化粧材本体10は、成形容易性、耐久性等を備えたプラスチック、ゴム、FRP等の合成樹脂系材料により形成されてもよいが、適度な重量を有することでより風の影響を軽減することが可能となるので、例えばステンレス、スチール等の金属を用いても、また合成樹脂成形品と金属あるいは合成樹脂成形品と無機質系材料とを一体成形したものを用いてもよい。
【0033】
図2に示すように、このような構成の床化粧材1は、床面3に複数枚の床化粧材1、9を敷きつめて床2を構成するにあたり、床2の外周縁部に配置される敷設構造をとることが好ましい。
【0034】
この場合、外周縁部を床化粧材1で取り囲み、側部からの風の流出入を遮るようにした床2では、その内側に配設される床化粧材9は、硬質合成樹脂を矩形状に成形した床材や、その上面に化粧面材を一体的に形成したものを用いることができる。
【0035】
例えば、床化粧材9は、合成樹脂製の30cm角の基材の上面に表面化粧材を一体にした部材で形成され、表面化粧材については、合成樹脂材による約10cm角の連続模様で基材と一体に成形されたり、基材の上面に木質化粧材、レンガ、磁器タイル等の表面材を接着したりして形成されるなど、どのような形態のものであってもよい。また、これらの床化粧材1、9はそれぞれ適宜の雌雄連結部を備えて隣接する床化粧材1同士あるいは床化粧材9同士、または床化粧材1と床化粧材9とが互いに連結されて一体的に敷設されている。
【0036】
このような敷設構造において、前記のように、床化粧材1には、遮断部材15が設けられているので、この遮断部材15が床2の外周縁部を取り囲むように連続的に配列されることになる。したがって、床2の側面から風が下部空間に入るのを防ぐ。また、床化粧材9において、床2の下部空間に風が入り込んだとしても、床化粧材1が配設された外周縁部において、遮断部材15と通気部14の作用により、開口141を通して風を上方へ逃がすので、床2に浮力を生じさせることがなく、床2の捲れ上がりを効果的に防止することができる。なお、床化粧材本体10の幅(短辺方向の長さ)は、50mm〜250mm程度で形成され、さらに好ましくは75mm〜150mm程度で形成されていることにより、捲れ上がり防止効果を十分に発揮することができ、また意匠的にも優れたものとすることができる。
【0037】
また、床化粧材本体10を幅方向に二分するように遮断部材15が配設されるのに加えて、図3に示すように、この遮断部材15と並行に、床化粧材本体10の長手方向の外側面に沿ってさらに遮断部材15が設けられていてもよい。この外側面の遮断部材15も、基材11の裏面から床面3までの高さを有する帯板状部材で、基材11および脚部12と一体に形成されている。
【0038】
さらに複数枚の遮断部材15が設けられる構成であってもよい。複数枚の遮断部材15を配設する場合には、排水孔を千鳥状に設けるようにすることが好ましい。
【0039】
また、図4に示すように、床化粧材本体10の幅方向の外側面にも遮断部材15を一体に形成されてもよい。この場合、床化粧材本体10の幅方向の外側面の約半部を覆うように遮断部材15が設けられて、床化粧材本体1の隅角部に沿って配設されている。もちろん、床化粧材本体10の幅方向の外側面の全体を覆うように遮断部材15が設けられていてもよい。
【0040】
上記いずれの形態の遮断部材15を備えた床化粧材1であっても、前記のような敷設構造により外周縁部が遮断部材15で塞がれることになるので、風が吹き付けても床2の側面から風が吹き込むことがなくなる。また、床2の下部空間に風が流入しても、遮断部材15が風を上方へ導くとともに開口141から風を逃がして、床2の捲れ上がりを防止することができる。さらに、かかる床化粧材1を配設することにより、床2に降った雨水等を床面3に排水することができる。
【0041】
したがって、床化粧材1が捲れ上がったり浮き上がったりするのを防止することができるとともに、排水性も確保することができ、床化粧材1を長期間にわたって安定した敷設状態で維持することが可能となる。
【実施例2】
【0042】
次に、本発明に係る床化粧材の実施例2について図面を参照しつつ説明する。図5〜7は本発明の実施例2に係る床化粧材をそれぞれ示す斜視図である。
【0043】
なお、以下に説明する実施例2の形態に係る床化粧材1は、床化粧材本体10の基本構成が前記実施例1とほぼ同様であり、遮断部材15に特徴を有するものであるので、この遮断部材15の構成について詳細に説明し、他の部分については上記実施例1と共通の符号を用いて説明を省略する。
【0044】
この遮断部材15には、側面に沿って保持部材16が設けられている。この保持部材16は、床化粧材本体10の風による浮き上がりを防止する重量物17を、床化粧材本体10に添設するのに用いる。
【0045】
図5に示す床化粧材1では、保持部材16は、床化粧材本体10の側面に配設された遮断部材15に形成されている。この場合、保持部材16は、遮断部材15と一体の凹溝状に形成されており、溝部161に重量物17を嵌め込むことができるように構成されている。これにより、床化粧材本体10には外側面に沿って重量物17を添設でき、重量物17の重量が付加されることで、風の影響をさらに軽減することが可能となっている。
【0046】
例示の重量物17は、無機質系材料からなるブロック体(無機質ブロック体)、あるいは無機質系材料からなる充填材(無機質充填材)をセメントや石膏または合成樹脂に練り混ぜて固めた複合成形体で構成されている。
【0047】
より具体的には、無機質系材料としては、鉄、アルミニウム、銅、鉛などの金属あるいはその酸化物や、石膏、または粘土等を含むことが好ましい。また、無機質充填材としては、前記の金属またはその酸化物や、砂、ガラス等であることが好ましく、かかる充填材をセメントや石膏または熱硬化性樹脂等の合成樹脂で成形して複合成形体を形成することが好ましい。また、無機質充填材の形状は粒状や棒状などいかなる形状でもかまわない。重量物17の嵩比重は、概ね1.5g/cm3以上で、重ければ重いほど風による影響を軽減し、飛び防止および吹き上がり現象の防止効果を大きくすることができる。
【0048】
また、図6に示すように、保持部材16が鉤形状に形成されていてもよい。この場合、重量物17の長さに対応できるように、保持部材16は床化粧材本体10の側面に沿って、長手方向に複数個、所定間隔で配設されて、遮断部材15の側面に一体に設けられている。さらに、図7に示すように、鉤形状の保持部材16が、床化粧材本体10の中央に配設された遮断部材15に対して設けられていてもよい。
【0049】
このように鉤形状の保持部材16を遮断部材15の側面に一体に形成した場合にも、重量物17を、複数個の保持部材16に架け渡して嵌め込むことにより、床化粧材本体10に重量物17を容易に添設することができ、簡単な作業で風の影響をさらに軽減することが可能となる。
【0050】
この実施例の場合、重量物17は、保持部材16にあらかじめ嵌め込んで床化粧材本体10に添設されていても、また施工現場にて必要数の床化粧材本体10の側面に重量物17を嵌め込むようにしてもよく、構成する床2の大きさや、内側に配設される床化粧材9の風耐力等に応じて、材質や重量を適宜選択することができる。風耐力に応じて重量を増減したいときには、板状物の挿入枚数によって増減させてもよい。また、施工現場にて重量物17を保持部材16に嵌め込むようにすれば、施工現場までの床化粧材1の運搬も容易であり、汎用性が高められてより好ましいものとなる。
【0051】
これにより、外周縁部に床化粧材1を配置して床2を構成することで、図2に示したように床2の外周縁部を遮断部材15で取り囲んで連続的に塞いだ敷設構造をとることができ、床化粧材1の下面側に風が吹き込むことがなくなり、さらに重量物17を添設しているので、その重量で床2の捲れ上がりを防止できる。また、風が床化粧材1の下面側に入り込むことがあっても、基材11の開口141から上方へ風を逃がすので、床化粧材1が捲れ上がったり浮き上がったりするのを確実に防止することができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、住宅等の建物におけるバルコニーやベランダ等の風の影響を受けやすい床面に敷設して好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る床化粧材の実施例1を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る床化粧材の敷設構造を示す平面図である。
【図3】実施例1の床化粧材の変形例を示す斜視図である。
【図4】実施例1の床化粧材のさらに変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る床化粧材の実施例2を示す斜視図である。
【図6】実施例2の床化粧材の変形例を示す斜視図である。
【図7】実施例2の床化粧材のさらに変形例を示す斜視図である。
【図8】従来例の床化粧材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 床化粧材
10 床化粧材本体
11 基材
12 脚部
13 フレーム
14 通気部
141 開口
15 遮断部材
16 保持部材
17 重量物
2 床
3 床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に複数枚の床化粧材本体を敷設して床を構成する床化粧材において、床化粧材本体は多数の開口が設けられた基材とこの基材を床面に支持する複数本の脚部とを備えるとともに、当該床化粧材本体における基材の下部空間に配設されて風の流通を遮断する遮断部材を備えていることを特徴とする床化粧材。
【請求項2】
請求項1に記載の床化粧材において、
前記遮断部材は、帯板状の部材が、床化粧材本体の長手方向に沿って少なくとも1枚以上配設されて形成されていることを特徴とする床化粧材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の床化粧材において、
前記遮断部材は、隣接して敷設される床化粧材本体から少なくとも10mm以上離れた位置に配設されていることを特徴とする床化粧材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の床化粧材において、
前記床化粧材本体の外縁部に配設された遮断部材には、床化粧材本体の風による浮き上がりを防止する重量物を保持する保持部材が側面に沿って設けられて、この保持部材に重量物が添設されて床化粧材本体に重量が付加されていることを特徴とする床化粧材。
【請求項5】
請求項4に記載の床化粧材において、
前記保持部材は、遮断部材と一体の凹溝状に形成されていることを特徴とする床化粧材。
【請求項6】
請求項4に記載の床化粧材において、
前記保持部材は、鉤形状に形成されて遮断部材の側面の複数箇所に一体に設けられていることを特徴とする床化粧材。
【請求項7】
床面に複数枚の床化粧材本体を敷きつめて床を構成する床化粧材の敷設構造であって、前記床の外周縁部に配置される床化粧材本体は、多数の開口が設けられた基材とこの基材を床面に支持する複数本の脚部とを備えるとともに、当該床化粧材本体における基材の下部空間に配設されて風の流通を遮断する遮断部材を備えており、前記床の外周縁部からの風の流入を防止するように構成されたことを特徴とする床化粧材の敷設構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−102803(P2009−102803A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−272777(P2007−272777)
【出願日】平成19年10月19日(2007.10.19)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)
【Fターム(参考)】