説明

床用タイルユニツト

【目的】 現場作業が容易でかつ良好なタイル床面を形成し得る床用タイルユニットの提供を目的とする。
【構成】 通水性の不織布等の布材22上に複数のタイル23を所定パターンで接着してなる床用タイルユニット21であり、布材22表面にはタイルの存在しない重ね代部22aが形成されており、この重ね代部22a上に別のタイルユニット21を載置させて次々と敷設することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、公園,道路等にタイル床面を形成するための床用タイルユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、公園,道路にタイルを敷設する場合、モルタルを路盤上に塗り、その上にタイルを次々と突き合わせ状に貼着してタイル面が形成されており、従来では現場でモルタルの塗布作業が必要であり、又、個々のタイルを1個ずつ突き合わせて貼り付けしていくために、作業性が非常に悪いという問題点があり、特に複数のタイルにより模様を形成させる場合には作業が極めて困難となるという問題点があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は上記従来の問題点に鑑み案出したものであって、現場での作業が容易でかつ良好なタイル面を形成し得る床用タイルユニットを提供せんことを目的とし、その要旨は、通水性の不織布等の布材上に複数のタイルを所定パターンで接着してなる床用タイルユニットであって、前記布材表面には、別のタイルユニットが載置されるタイルの存在しない重ね代部分が形成されていることである。
【0004】
【作用】タイルユニットは、布材の表面に複数のタイルが接着されて、複数のタイルにより模様パターンが形成されており、しかも布材の表面にはタイルの存在しない重ね代部分が形成されているため、この重ね代部分に別のタイルユニットを載置させてゆき、タイルユニットを絨毯のように次々と敷設することでタイル床面を良好に形成することができる。
【0005】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は第1実施例のタイルユニットの平面構成図であり、このタイルユニット1は長方形状に形成された不織布の布材2の表面に接着剤を介し複数の方形状のタイル3,3,3が貼着されており、タイル3,3の貼着面の下部に布材2の露出した重ね代部2aが形成されたものである。
【0006】布材2を構成する不織布は、例えばポリプロピレン系,ポリスチレン系,ナイロン系の不織布であり、相当の引っ張り強さを有するもので構成されており、通水性が付与されている。又、タイル3を貼着する接着剤はセメント系又はエポキシ系の接着剤が用いられ、又はモルタルが用いられることもある。尚、布材2は不織布に限らず織布であっても通水性があるものであれば良い。
【0007】このような図1に平面図で、図2に側面図で示すタイルユニット1を、図3に概略で示すように次々と敷設してタイル床面を形成することができる。即ち、公園,道路にタイルユニット1を敷設する際に、路床Bの表面に予め砂下地Sを形成させ、砂を転圧し砂下地Sの表面を平滑面としておき、その表面に前記タイルユニット1を敷設し、このタイルユニット1の重ね代部2a上に次のタイルユニット1を載置し、次々と重ね代部2a上に別のタイルユニット1を載置させて図3のようにタイル面を形成させ、その後に各タイルユニット1,1間に砂又は砂の分量の多い空モルタルを充填させて目地Mが形成される。尚、この目地Mは砂等を詰める場合と詰めなくてそのままの状態とされる場合がある。
【0008】このようにタイルユニット1を砂下地S上に次々と重ね合わせて絨毯のように敷設し良好なタイル床面を得ることができ、重ね代部2aの上面には別の布材2とタイル3が載置されるため、その重みにより重ね代部2aは砂下地Sの表面に押し付けられて、全体としては形成されるタイル床面は平滑なものとなる。
【0009】又、従来のように現場でのモルタル使用がないために現場作業が極めて容易なものとなり、砂下地Sさえ形成させればその表面に次々と絨毯のようにタイルユニット1を敷設して工事が完了される。尚、布材2は通水性を有するため、雨等の水は砂下地Sを通り路床Bに浸透し、砂下地Sは上方に浮き上がることがなく、凹凸のできにくいタイル床面となる。又、重ね代部2aは布材2と布材2の重ね合わせとなるためズレることがなく、良好なタイル模様を有するタイル床面を得ることができる。
【0010】次に、図4は第2実施例のタイルユニットの平面図であり、このタイルユニット11は布材12の図示右角部の表面に複数のタイル13,13,13を接着して形成したものであり、下部及び左部位にはタイルの存在しない重ね代部12aが形成されたものとなっている。このようなタイルユニット11の重ね代部12aの表面に別のタイルユニット11を重ね合わせて、図5に示すように次々とタイルユニット1を敷設してタイル面を形成することができる。
【0011】次に、図6は第3実施例のタイルユニットの平面図であり、このタイルユニット21は布材22が湾曲扇状に形成されたものであり、この布材22の右上方部位に複数のタイル23,23が所定の模様パターンで接着されたものである。本例においても重ね代部22aが形成されており、この重ね代部22a上に別のタイルユニット21を次々と敷設して、図7に概略図で示すようにタイルユニット21を重ね合わせ、良好な模様のタイル床面を形成することができる。
【0012】このようにタイルを布材上に所定パターンで接着してタイルユニットを形成しておけば、現場へこのタイルユニットを運んで現場にてタイルユニットを次々と重ね合わせて敷設することにより、タイル床面を容易に形成することができる。尚、各タイルユニット1には布材が存在するため運搬時等に重ね合わせても、この布材がクッション材となり輸送,梱包が容易なものとなる。
【0013】
【発明の効果】本発明は、通水性の不織布等の布材上に複数のタイルを所定パターンで接着してなる床用タイルユニットであって、前記布材表面には、別のタイルユニットが載置されるタイルの存在しない重ね代部分が形成されていることにより、現場にて絨毯のように次々と重ね合わせて敷設することで良好なタイル床面を形成することができ、作業性が極めて良好なものとなる。又、従来のように現場でモルタルを使用する必要がないため、より施工が簡略化できる。又、タイルユニットのタイルを適宜パターン化して接着させておけば、敷くだけで良好な模様を呈するタイル床面が形成される。又、布材は通水性を有するため雨水等は下方側へ良好に浸透することができるとともに、下地の砂等が表面に浮き上がることがない。又、現場で切断等が容易であり、現合作業が容易なものとなる。さらに布材が梱包,輸送時のクッション材となり、輸送等が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のタイルユニットの平面構成図である。
【図2】図1の側面構成図である。
【図3】タイルユニットを敷設した状態の断面概略構成図である。
【図4】第2実施例のタイルユニットの平面構成図である。
【図5】図4のタイルユニットを複数枚敷設した状態の平面構成図である。
【図6】第3実施例のタイルユニットの平面構成図である。
【図7】第3実施例のタイルユニットを複数枚敷設した状態の平面概略構成図である。
【符号の説明】
1,11,21 タイルユニット
2,12,22 布材
2a,12a,22a 重ね代部
3,13,23 タイル
S 砂下地

【特許請求の範囲】
【請求項1】 通水性の不織布等の布材上に複数のタイルを所定パターンで接着してなる床用タイルユニットであって、前記布材表面には、別のタイルユニットが載置されるタイルの存在しない重ね代部分が形成されていることを特徴とする床用タイルユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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