説明

床用伸縮継手装置

【課題】 隣り合う2つの建物の各躯体間の距離が変化した場合であっても、容易にパネル本体を構築することができる床用伸縮継手装置を提供すること。
【解決手段】 床用伸縮継手装置1を、第1縁材10と、第2縁材11と、第1嵌合部21および第2嵌合部22を有する中間パネル部材12と、第3嵌合部24および基端側係合部25を有する基端側パネル部材13と、補助カバー部27および第4嵌合部28を有する遊端側パネル部材14とによって構成する。そして基端側パネル部材13を第2縁材11に角変位自在に係合させるとともに、補助カバー部27を回動自在に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣り合う2つの建物の躯体間に空隙として存在する目地空間を塞いだ状態で維持する床用伸縮継手装置に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な従来技術は、たとえば特許文献1にアルミニウム製中空パネル連結装置として開示されている。この従来技術では、相互に嵌合可能な嵌合構造を有する嵌合凸部と嵌合凹部とが、中空の基部の幅方向両側部にそれぞれ設けられる複数のパネル部材が提案されている。
【0003】
前記嵌合凸部は、前記基部の幅方向一側部から突出する一対の第1の接続脚を有する。各第1の接続脚には、先端部に係止爪が形成される。
【0004】
嵌合凹部は、前記基部の幅方向他側部から突出し、一対の第2の接続脚と、係止突起とを有する。一対の第2の接続脚は、前記第1の接続脚よりも厚み方向の外側で、前記基部から幅方向他方側に突出する。係止突起は、各第2の接続脚の基端部から、基部の厚み方向の内側に向けて突出する。
【0005】
隣接する2つのパネル部材が互いに連結された状態では、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌合し、第1の接続脚の先端部に設けられる各係止爪が、隣接するパネル部材の第2の接続脚の基端部に形成される各係止突起に内側から係合して係止される。これによって、複数のパネル部材が幅方向に平行に整列した状態で、隣接する嵌合凸部と嵌合凹部とが互いに嵌合して抜け止めされた状態となり、幅方向に所定の長さを有する平坦なパネル本体を構築する。
【0006】
またこのような従来技術に類似する他の従来技術は、たとえば特許文献2に開示されている。この従来技術では、パネル部材を幅方向に連結した状態で、互いに嵌合した嵌合凸部と嵌合凹部との間のがたつきを防止するために、第1の接続脚の先端部に設けられる係止爪には、幅方向に垂直または幅方向に対して垂直に近い角度を成す係止面を形成し、第2の接続脚の基端部に設けられる係止突起には、幅方向に垂直または幅方向に対して垂直に近い角度を成す急斜面が形成される。
【0007】
前記係止爪における係止面は、およそ幅方向一方に臨み、係止突起に形成される急斜面は、およそ幅方向他方に臨み、急斜面と係止面とは、互いに対向する。これによってこの従来技術では、各パネル部材間の嵌合状態のがたつきを防止し、パネルの縦方向および横方向の動きを完全に阻止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実公昭61−2141号公報
【特許文献2】実公平2−4171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記特許文献1,2に記載の各従来技術では、各パネル部材の第1方向である縦方向および第2方向である横方向のがたつきが阻止され、各パネル部材は互いに緊結されるので、このようなパネル部材によって、隣り合う2つの建物の各躯体間に空隙として存在する目地空間を塞ぐ床用伸縮継手装置のパネル本体を構築するパネル部材として用いることが考えられるが、各パネル部材の長さは目地空間を介して対向する各躯体間の距離に、各躯体に固定される縁材に乗載される長さを加算した長さを必要とする。そのため、各躯体間の距離が異なれば、長さの異なるパネル部材を製造しなければならず、各躯体間の距離に応じた長さのパネル部材を必要とする。
【0010】
したがって、前記特許文献1,2に記載のパネル部材を床用伸縮継手装置のパネル本体を構成するパネル部材として用いるには、各パネル部材を各躯体間に設置するのに適した長さに現場または工場で切断加工する必要が生じ、容易にパネル本体を構築することができないという問題がある。
【0011】
本発明の目的は、隣り合う2つの建物の各躯体間の距離が変化した場合であっても、容易にパネル本体を構築することができる床用伸縮継手装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、水平な第1方向に目地空間をあけて隣り合う2つの建物のいずれか一方の建物の躯体に固定され、前記第1方向に垂直でかつ水平な第2方向に延びる第1縁材と、
前記2つの建物のいずれか他方の建物の躯体に、前記第1縁材と平行に固定され、前記第2方向に延びる第2縁材と、
前記第1縁材と前記第2縁材との間に配置される中間パネル部材であって、前記第2方向に延びる第1基部と、前記第1基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びる第1嵌合部と、前記第1基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びる第2嵌合部とを有する中間パネル部材と、
前記第1縁材に取付けられる基端側パネル部材であって、前記第2方向に延びる第2基部と、前記第2基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記中間パネル部材の第2嵌合部に着脱自在に嵌合する第3嵌合部と、前記第2基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記第1縁材に、前記第2方向に平行な軸線まわりに角変位可能に係合する基端側係合部とを有する基端側パネル部材と、
前記第2縁材に取付けられる遊端側パネル部材であって、前記第2方向に延びる第3基部と、前記第3基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記第2方向に平行な回動軸線まわりに回動自在に設けられる補助カバー部と、前記第3基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記中間パネル部材の前記第1嵌合部に着脱自在に嵌合する第4嵌合部とを有する遊端側パネル部材とを含むことを特徴とする床用伸縮継手装置である。
【0013】
また本発明は、前記第2縁材は、仮想水平面に対して傾斜する第1案内面部と、前記第1案内面部よりも緩やかに傾斜する第2案内面部とを有することを特徴とする。
【0014】
また本発明は、前記基端側係合部は、第1縁材に、第2方向にスライド移動可能に係合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、基端側パネル部材は、第1縁材に第2方向に平行な軸線まわりに角変位可能に係合され、遊端側パネル部材の補助カバー部は、第2方向に延びかつ前記第2方向に平行な回動軸線まわりに回動自在に設けられるので、床用伸縮継手装置は、隣り合う2つの建物の各躯体間の目地空間の第1方向に平行な離間距離が変化した場合であっても、前記離間距離の変化を許容することができる第1方向長さとなるように、基端側パネル部材と遊端側パネル部材との間に中間パネル部材を組込めばよく、容易に目地空間の第1方向に平行な離間距離に適合した床用伸縮継手装置を実現することができる。
【0016】
また床用伸縮継手装置は、第1縁材および第2縁材を各躯体にそれぞれ設け、中間パネル部材と、基端側パネル部材と、遊端側パネル部材とを連結することによって構成されるので、目地空間の第1方向に平行な離間距離が異なる施工現場であっても、中間パネル部材の取付枚数を調整することによって、前記第1方向の離間距離に応じた幅寸法の連結パネルを容易に構築することができる。
【0017】
また本発明によれば、各建物の各躯体が急激な地震などによって第1方向に平行な近接方向に相対変位しても、第2縁材の第1案内面部と第2案内面部とによって、遊端側パネル部材が第2縁材上へ案内され、遊端側パネル部材、中間パネル部材および基端側パネル部材によって構成される連結パネルによって目地空間を塞いだ状態に維持し、各躯体の第1方向への相対変位を円滑に許容することができる。
【0018】
また本発明によれば、第1縁材と基端部側パネル部材とが第2方向に関してスライド移動可能に設けられるので、各建物の各躯体が急激な地震などによって第2方向に平行な方向に相対変位しても、基端側パネル部材が第1縁材をスライド移動することにより目地空間を塞いだ状態に維持し、各躯体の第2方向への相対変位を円滑に許容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の床用伸縮継手装置1の平面図である。
【図2】図1の切断面線II−IIから見た断面図である。
【図3】図1の切断面線III−IIIから見た断面図である。
【図4】床用伸縮継手装置1の中間パネル部材12付近を示す拡大断面図である。
【図5】床用伸縮継手装置1の第1縁材10近傍を示す拡大断面図である。
【図6】床用伸縮継手装置1の第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【図7】目地空間4の離間距離L1が大きくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【図8】目地空間4の離間距離L1がさらに大きくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【図9】目地空間4の離間距離L1が小さくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【図10】目地空間4の離間距離L1がさらに小さくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の一実施形態の床用伸縮継手装置1の平面図であり、図2は、図1の切断面線II−IIから見た断面図であり、図3は、図1の切断面線III−IIIから見た断面図である。
【0021】
本実施形態の床用伸縮継手装置1は、隣り合う2つの建物の躯体2,3間に空隙として存在する目地空間4を塞いだ状態に維持するために、各躯体2,3間にわたって設けられる。2つの躯体2,3間の離間距離L1は、たとえば100mm〜350mmである。これらの躯体2,3は、目地空間4に臨んで並設され、相互に対向している。各躯体2,3は、コンクリート構造体から成り、図1〜図3では本実施形態の床用伸縮継手装置1の設置位置で互いに対向する対向壁部およびその近傍だけが示されている。
【0022】
以下の説明において、各躯体2,3が互いに近接/離反する方向を「第1方向X」と称し、第1方向Xを含む仮想水平面において、第1方向Xに垂直な方向を「第2方向Y」と称し、第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な方向を「第3方向Z」と称する。
【0023】
床用伸縮継手装置1は、第1縁材10と、第2縁材11と、中間パネル部材12と、基端側パネル部材13と、遊端側パネル部材14とを含んで構成される。
【0024】
第1縁材10は、躯体3の第1方向一方X1側の端部に固定され、第2方向Yに延びる長尺材である。第1縁材10は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの押出し成形材によって実現される。
【0025】
第2縁材11は、躯体2の第1方向他方X2側の端部に固定され、第2方向Yに延びる長尺材である。第2縁材11は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの押出し成形材によって実現される。第1縁材10および第2縁材11の詳細については後述する。
【0026】
図4は、床用伸縮継手装置1の中間パネル部材12付近を示す拡大断面図である。
中間パネル部材12は、第1基部20と、第1嵌合部21と、第2嵌合部22とを含んで構成される。第1基部20は、第2方向Yに延び、断面略四角筒状に形成される。第1基部20の第1方向X中間部には、第2方向Yに延びかつ第3方向Zに延びる隔壁部70が形成される。第1基部20の第1方向他方X2側の側部には、第2方向Yに延び、前記隔壁部70に臨む蟻溝71が形成される。
【0027】
第1嵌合部21は、第1基部20の第2縁材11側(本実施形態では第1方向一方X1側)に配置される一側部に、第1基部20に連なって設けられる。第1嵌合部21は、一対の外側リブ80a,80bと、外側リブ80aと外側リブ80bとの間に設けられる一対の差込み片81a,81bと、を有する。
【0028】
各外側リブ80a,80bは、第1基部20の一側部から第1方向Xに突出し、第2方向Yに延びてそれぞれ形成される。各差込み片81a,81bは、第1基部20の一側部から第1方向Xに突出し、第2方向Yに延びてそれぞれ形成される。差込み片81a,81bの基端部には、差込み片81aと差込み片81bとを連結する連結部82が形成される。各差込み片81a,81bの先端には係合部83がそれぞれ形成される。設置状態で下方に配置される一方の差込み片81bには、第2方向Yに関して等間隔にビス止めするためのねじ持ち用肉盛り部が形成される。
【0029】
第2嵌合部22は、第1基部20の第1縁材10側(本実施形態では第1方向他方X2側)に配置される他側部に、第1基部20に連なって設けられる。第2嵌合部22は、一対の差込み片90a,90bを有する。各差込み片90a,90bは、第2方向Yに延びて形成される。
【0030】
各差込み片90a,90bの基端部近傍には、隣り合う中間パネル部材12の係合部83が係合する内向き突起91a,91bが形成される。差込み片90bの先端部と内向き突起91bとの間の中間部には、差込み片81bのビス孔に対応するねじ持ち用肉盛り部が形成される。
【0031】
図5は、床用伸縮継手装置1の第1縁材10近傍を示す拡大断面図である。
基端側パネル部材13は、第2基部23と、第3嵌合部24と、基端側係合部25とを有する。第2基部23は、第2方向Yに延び、断面略四角筒状に形成される。第2基部23の第1方向X中間部には、第2方向Yに延びかつ第3方向Zに延びて上下の板状壁部を連結する隔壁部72が形成される。隔壁部72には、断面略C字状の蟻溝73が形成される。第2基部23の第1方向他方X2側の一側部には、第2方向Yに延び、前記隔壁部72側に突出する蟻溝74が形成される。
【0032】
第3嵌合部24は、第2基部23の第2縁材11側(本実施形態では第1方向一方X1側)に配置される一側部に、第2基部23に連なって設けられる。第3嵌合部24は、一対の外側リブ84a,84bと、外側リブ84aと外側リブ84bとの間に設けられる一対の差込み片85a,85bと、を有する。
【0033】
各外側リブ84a,84bは、第2基部23の他側部から第1方向一方X1に突出し、第2方向Yに延びてそれぞれ形成される。各差込み片85a,85bは、第2基部23の他側部から第1方向一方X1に突出し、第2方向Yに延びてそれぞれ形成される。差込み片85a,85bの基端部には、差込み片85aと差込み片85bとを連結する連結部86が形成される。各差込み片85a,85bの先端には、係合部87がそれぞれ形成される。設置状態で下方に配置される一方の差込み片85bには、第2方向Yに関して等間隔にねじ持ち用肉盛り部が形成されている。第3嵌合部24は、中間パネル部材12の第2嵌合部22に着脱自在に嵌合する。
【0034】
基端側係合部25は、第2基部23の第1縁材10側(本実施形態では、第1方向他方X2側)に配置される他側部に、第2基部23に連なって設けられる。
【0035】
基端側係合部25は、第2基部23の他側部の上端に連なって形成される断面略L字状の見切り片92と、第2基部23の他側部の下端に連なって形成される断面略L字状の係合片93と、係合片93の基端部から第1方向他方X2に突出して形成される隙間調節片94と、を含んで構成される。
【0036】
見切り片92は、第2方向Yに延び、一様に形成される。係合片93は、第2方向Yに延び、一様に形成される。隙間調節片94は、第2方向Yに延び、一様に形成される。
【0037】
第1縁材10は、本体部40と、本体部40に取付けられる固定カバー41とを含んで構成される長尺材である。本体部40は、第2方向Yに延び、一方の躯体3の上面に水平に設置される板状部42と、板状部42の目地空間4側の幅方向一端部から第3方向他方Z2に屈曲して連なる係合部43と、板状部42の幅方向他端部から第3方向他方Z2に屈曲して連なる支持部44と、係合部43と支持部44との間に設けられ、板状部42から第3方向他方Z2に屈曲して連なる支持片45とを有する。
【0038】
係合部43は、板状部42から第3方向他方Z2に屈曲して連なる立上がり部43aと、立上がり部43aの先端から第1方向他方X2に屈曲して連なる平坦部43bとから成る。平坦部43bの上面には、帯状の合成樹脂シートから成る滑り材46が設けられる。
【0039】
支持部44は、板状部42から第3方向他方Z2に屈曲して連なる側壁部44aと、側壁部44aの先端から第1方向一方X1に突出する受座部44bとから成る。受座部44bは、固定カバー41の幅方向一端部と当接し、固定カバー41を支持する。
【0040】
支持片45は、板状部42から第3方向他方Z2に屈曲して連なる立上がり部45aと、立上がり部45aの先端から第1方向一方X1に突出する支持部45bとから成る。支持部45bには、長手方向に等間隔をあけて複数のビス孔が形成される。
【0041】
固定カバー41は、断面略逆L字状に形成される長尺材である。固定カバー41は、略平坦な板状の板状部41aと、板状部41aの幅方向一端部に第3方向一方Z1へ屈曲して連なる側壁部41bと、側壁部41bから第1方向一方X1へ突出する隙間調節突部41cと、側壁部41bから第3方向他方Z2へ突出する見切り片41dとから成る。
【0042】
固定カバー41は、幅方向一端部が、本体部40の板状部42の上面に当接し、中間部が立上がり部45の支持部45bに支持されて設けられ、幅方向他端部が、本体部40の受座部44bに支持される。板状部41aには、本体部40の支持部45bに形成されるビス孔に対応する複数のビス孔が形成される。本体部40と固定カバー41とは、ビスによって結合され、これによって第1縁材10を構成する。
【0043】
第1縁材10は、アンカーによって躯体3に固定される。基端側パネル部材13は、係合片93が第1縁材10の係合部43が規定する内部空間に、第3方向Zに関して隙間をあけて嵌まり込んだ状態で、第1縁材10に支持されて設けられる。このとき、隙間調節突部41cと隙間調節片94との間の距離L2は、0mm〜5mm程度に設定される。本実施形態では、L2は3mmに設定される。
【0044】
このようにして基端側パネル部材13は第1縁材10に設置されるので、基端側パネル部材13は、第2方向Yに平行な軸線まわりに角変位可能に第1縁材10に係合する。
【0045】
また、基端側パネル部材13は、第1縁材10に対して第2方向Yに、摺動可能である。したがって、たとえば地震などによって、2つの建物が第2方向Yに相対変位したとき、床用伸縮継手装置1は、第2方向Yに関する変位を基端側パネル部材13の摺動によって許容することができる。
【0046】
図6は、床用伸縮継手装置1の第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
遊端側パネル部材14は、第3基部26と、補助カバー部27と、第4嵌合部28とを有する。第3基部26は、第2方向Yに延び、断面略四角筒状に形成される。第3基部26の第1方向X中間部には、第2方向Yに延びかつ第3方向Zに延びる隔壁部75が形成される。
【0047】
第3基部26の第1方向一方X1側の側部には、第2方向Yに延び、前記隔壁部75に臨む蟻溝76が形成される。第3基部26の第1方向他方X2側の側部には、第2方向Yに延び、前記隔壁部75に臨む蟻溝77が形成される。また第3基部26の第1方向一方X1側の側部には、第2方向Yに延び、前記側部から第1方向一方X1に突出して形成される断面略C字状の軸受部78が形成される。また第3基部26の第1方向一方X1側の側部には、第2方向Yに延び、前記側部から第3方向他方Z2に突出して形成される見切り部79が形成される。また、軸受部78の下方には、底部から上面に近接する方向に傾斜する傾斜面である案内面部78aが形成される。
【0048】
補助カバー部27は、板状部27aと係合部27bとから成る。板状部27aは、第2方向Yに延び、板状に形成される。係合部27bは、板状部27aから屈曲して連なり、その先端にピン部27cを有する。補助カバー部27は、ピン部27cを軸受部78に係合させることによって、第3基部26に対して、第2方向Yに平行な回動軸線まわりに回動自在に設けられる。
【0049】
第4嵌合部28は、第3基部26の第1縁材10側(本実施形態では第1方向他方X2側)に配置される側部に、第3基部26に連なって設けられる。第4嵌合部28は、一対の差込み片95a,95bを有する。各差込み片95a,95bは、第2方向Yに延びて形成される。
【0050】
各差込み片95a,95bの基端部近傍には、隣り合う中間パネル部材12の係合部83が係合する内向き突起96a,96bが形成される。差込み片95bの先端部と内向き突起96bとの間の中間部には、差込み片81bのビス孔に対応するビス孔が形成される。
【0051】
中間パネル部材12の差込み片81a,81bを遊端側パネル部材14の第4嵌合部28に差込み、係合部83を内向き突起96a,96bに係合させ、差込み片81bと内向き突起96bとをビス止めすることによって、中間パネル部材12と遊端側パネル部材14とが連結される。
【0052】
基端側パネル部材13の差込み片85a,85bを中間パネル部材12の第2嵌合部22に差込み、係合部87を内向き突起91a,91bに係合させ、差込み片85bと内向き突起91bとをビス止めすることによって、中間パネル部材12と基端側パネル部材13とが連結される。以下、中間パネル部材12、基端側パネル部材13および遊端側パネル部材14の連結体を「連結パネル5」という場合がある。
【0053】
中間パネル部材12の第1嵌合部21と第2嵌合部22とは、嵌合可能に形成されるので、目地空間4の離間距離に合せて、複数の中間パネル部材12を連結することによって、連結パネル5の幅方向の寸法を設定することができる。
【0054】
第2縁材11は、断面が台形状の第1基部50と、断面が四角形状の第2基部51と、第1基部50に一体に形成される第1フランジ部52と、第2基部51に一体に形成される第2フランジ部53とを含んで構成される。
【0055】
第1基部50は、第2方向Yに延び、一対の側壁54,55と、第1案内面部56と、第2案内面部57とを有する。側壁54は、底部から第3方向他方Z2に立ち上がって形成され、その先端部において第1案内面部56と連結される。側壁55は、底部から第3方向他方Z2に立ち上がって形成され、その先端部において第2案内面部57と連結される。
【0056】
第1案内面部56は、仮想水平面S1に対して角度θ1傾斜して形成され、遊端側パネル部材14の補助カバー部27を案内する案内面部である。第1案内面部56は、一端部が第2案内面部57の他端部に連なり、他端部が側壁54の先端に連なる。角度θ1は30°〜45°の範囲に選ばれ、本実施形態では41°に設定されている。
【0057】
第2案内面部57は、仮想水平面S2に対して角度θ2傾斜して形成され、遊端側パネル部材14の補助カバー部27を案内する案内面部である。第2案内面部57は、一端部が側壁55の先端に連なり、他端部が第1案内面部56の一端部に連なる。角度θ2は3°〜10°の範囲に選ばれ、本実施形態では8°に設定されている。第2案内面部57の内部空間に臨む表面部には、蟻溝60が形成される。
【0058】
第1案内面部56の傾斜角度θ1は、第2案内面部57の傾斜角度θ2よりも大きく形成される。このように、第1案内面部56の傾斜角度θ1を大きくし、第2案内面部57の傾斜角度θ2を小さく設定することによって、遊端側パネル部材14の補助カバー部27の先端部と床面との間の段差を小さくすることができる。これによって、床用伸縮継手装置1は、ほぼ段差のない状態で目地空間4を覆うことができる。
【0059】
第2基部51は、第1基部50の第1方向他方X2側に連なって形成される。第2基部51は、一対の側壁54,58と、底部と、支持面部59とを有する。第2基部51は、一方の側壁54を第1基部50と共有する。側壁58は、底部から立ち上がって形成され、その先端部において支持面部59と連結される。
【0060】
支持面部59は、側壁54から側壁58にわたって形成される水平な支持面部であり、遊端側パネル部材14の一端部を支持する。支持面部59の他端部と側壁58の先端とが交差する内部空間には、蟻溝61が形成される。支持面部59の外表面部には、滑り材46が設けられる。これによって、連結パネル5との摩擦抵抗が軽減され、連結パネル5は、支持面部59の外表面部を円滑に摺動することができる。
【0061】
第1フランジ部52は、底部と側壁55との交差部から第1方向一方X1に突出して形成される。第1フランジ部52には、アンカーボルトを挿通するためのボルト孔が第2方向Yに間隔をあけて複数形成される。
【0062】
第2フランジ部53は、底部と側壁58との交差部から第1方向他方X2に突出して形成される。第2フランジ部53には、アンカーボルトを挿通するためのボルト孔が第2方向Yに間隔をあけて複数形成される。
【0063】
再び図1を参照して、第2縁材11は、第2方向Yに延びて設置される。第2縁材11は、第1および第2フランジのボルト孔にアンカーボルトの軸部を挿通して、躯体2に固定される。
【0064】
第2縁材11には、複数の第1補強材100が第2方向Yに並んで連結される。第1補強材100は、第1方向Xに延び、5角形の板状体である連結部材110を介して、第2縁材11に連結される。第1補強材100は、断面四角筒状の本体部と本体部から外方に突出するフランジ部とを有する。第1補強材100は、第1方向一方X1側端部のフランジ部と連結部材110とがビス止めされて固定される。連結部材110は、第2縁材11の第2フランジ部53にビス止めされて固定される。このようにして、連結部材110を介して、各第1補強材100と第2縁材11とが連結される。
【0065】
そして、第1補強材100は、アンカーボルトによって躯体2に固定される。各第1補強材100の外表面部には、滑り材46が設けられる。これによって、連結パネル5との摩擦抵抗が軽減され、連結パネル5は、第1補強材100の外表面部を円滑に摺動することができる。
【0066】
再び図3を参照して、各第2縁材11のうち、最も第2方向一方Y1側の第2縁材11には、側部補強材101aが設けられ、各第2縁材11のうち、最も第2方向他方Y2側の第2縁材11には、側部補強材101bが設けられる。
【0067】
側部補強材101a,101bは、断面略h字状の長尺材であり、第1補強材100に平行に延びて設けられる。側部補強材101a,101bは、第1方向一方X1側端部が連結部材110を介して第2縁材11にビス止めされて連結され、第1方向他方X2側端部が連結部材110を介して、後述する第1補強材102にビス止めされて連結される。また、側部補強材101a,101bは、アンカーボルトによって躯体2に固定される。
【0068】
躯体2の第1方向他方X2側端部には、第2補強材102が設けられる。第2補強材102は、フランジ部102aを有する。図1および図2に示すように、第2補強材102は、第1方向一方X1側の側壁が第1補強材100の第1方向他方X2側端面と当接した状態で、第1補強材100のフランジ部と第2補強材102のフランジ部102aとが連結部材110にビス止めされて連結され、さらにフランジ部102aがアンカーボルトによって躯体2に固定される。第2補強材102の外表面部には、滑り材46が設けられる。これによって、連結パネル5との摩擦抵抗が軽減され、連結パネル5は、第2補強材102の外表面部を円滑に摺動することができる。
【0069】
第2縁材11および第2補強材102を横枠とし、第1補強材100および側部補強材101a,101bを縦枠として、躯体2の表面部には枠体6が形成される。
【0070】
連結パネル5の第2方向Y両端部には、一対の見切り部材105a,105bが設けられる。見切り部材105a,105bは、連結パネル5の側部に差込まれてビス止めされ、連結パネル5に固定される。
【0071】
連結パネル5、第1縁材10の上面部には、化粧材106が取付けられる。化粧材106は、たとえば矩形状の大理石、レンガ、タイル、合成樹脂製の化粧シートなどによって実現される。化粧材106を取付けることによって、床用伸縮継手装置1の美感を向上することができる。
【0072】
図7は、目地空間4の離間距離L1が大きくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図であり、図8は、目地空間4の離間距離L1がさらに大きくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【0073】
地震などによって2つの建物が相対変位し、目地空間4の離間距離L1が大きくなると、図7に示すように、補助カバー部27は、自重によって回動しつつ、先端部が第2案内面部57に案内されて第1方向他方X2側に移動する。
【0074】
目地空間4の離間距離L1がさらに大きくなると、図8に示すように、連結パネル5は、第1補強材100および側部補強材101a,側部補強材101bの上面を摺動して第1方向他方X2側に移動する。このとき、補助カバー部27は、自重によってさらに回動し、第1補強材100の上面に当接する。
【0075】
このように、目地空間4の離間距離L1が大きくなった場合に、補助カバー部27は、連結パネル5の移動に伴って回動し、常に第2縁材11の外表面部あるいは、第1補強材100および側部補強材101a,101bに当接した状態に維持される。
【0076】
これによって、目地空間4の離間距離L1が大きくなった場合であっても、床面と床用伸縮継手装置1の表面部との間の段差を緩和することができ、歩行または車椅子等による通行者の円滑な通行を可能とすることができる。
【0077】
図9は、目地空間4の離間距離L1が小さくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図であり、図10は、目地空間4の離間距離L1がさらに小さくなった状態における第2縁材11近傍を示す拡大断面図である。
【0078】
地震などによって2つの建物が相対変位し、目地空間4の離間距離L1が小さくなると、図9に示すように、補助カバー部27は、第2案内面部57に案内されて上方へ回動し、連結パネル5は、案内面部78aが第1案内面部56に当接し、案内面部78aが第1案内面部56の斜面に沿って滑らかに摺動するとともに、底部が第2縁材11の支持面部59上を摺動して第1方向一方X1側に移動する。
【0079】
このように、遊端側パネル部材14には、案内面部78aが形成されるので、地震などによって2つの建物が相対変位し、目地空間4の離間距離L1が小さくなり、連結パネル5が第1方向一方X1側に移動する際、第2縁材11の第1案内面部56上を滑らかに摺動することができ、円滑に第1方向一方X1側に移動することができる。
【0080】
目地空間4の離間距離L1がさらに小さくなると、図10に示すように、連結パネル5は、第1補強材100および側部補強材101a,側部補強材101bの上面を摺動して第1方向一方X1側に移動する。さらに、第1案内面部56および第2案内面部57に案内されて、躯体2の床面上まで移動する。このとき、補助カバー部27は、自重によって下方に回動し、床面に当接する。
【0081】
本実施形態では、第2縁材11には、第1案内面部56および第2案内面部57が形成されるので、地震などによって2つの建物が相対変位し、目地空間4の離間距離L1が小さくなった場合であっても、床用伸縮継手装置1を円滑に床面上に案内することができる。
【0082】
これによって、目地空間4の離間距離L1が小さくなった場合であっても、床用伸縮継手装置1に大きな押圧力が付与されることを防止することができ、床用伸縮継手装置1が破損することを防ぐことができる。したがって、目地空間4を長期間にわたり安定して塞いだ状態に維持することができる。
【0083】
また、図5に示すように、基端側パネル部材13と第1縁材10との間には、間隔L2をあけて隙間が形成されるので、2つの建物が近接する方向に、すなわち目地空間4の離間距離L1が小さくなるように変位したとき、基端側パネル部材13は、係合部43を回動中心軸として、上方に角変位することができる。
【0084】
これによって、連結パネル5の遊端側端部を、第1案内面部56および第2案内面部57に案内させて、円滑に床面の上面に移動させることができる。
【0085】
本実施形態によれば、床用伸縮継手装置1は、水平な第1方向Xに目地空間4をあけて隣り合う2つの建物のうち、一方の建物の躯体3に固定され、前記第1方向Xに垂直でかつ水平な第2方向Yに延びる第1縁材10と、前記2つの建物のうち、他方の建物の躯体2に、前記第1縁材10と平行に固定され、前記第2方向Yに延びる第2縁材11と、前記第2方向Xに延びる第1基部20と、前記第1基部20の前記第2縁材11側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向Yに延びる第1嵌合部21と、前記第1基部20の前記第1縁材10側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向Yに延びる第2嵌合部22とを有する中間パネル部材12と、前記第2方向Yに延びる第2基部23と、前記第2基部23の前記第2縁材11側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向Yに延びかつ前記中間パネル部材12の第2嵌合部22に着脱自在に嵌合する第3嵌合部24と、前記第2基部23の前記第1縁材10側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向Yに延びかつ前記第1縁材10に、前記第2方向Yに平行な軸線まわりに角変位可能に係合する基端側係合部25とを有する基端側パネル部材13と、前記第2方向Yに延びる第3基部26と、前記第3基部26の前記第2縁材11側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向Yに延びかつ前記第2方向Yに平行な回動軸線まわりに回動自在に設けられる補助カバー部27と、前記第3基部26の前記第1縁材10側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向Yに延びかつ前記中間パネル部材12の前記第1嵌合部21に着脱自在に嵌合する第4嵌合部28と、を有する遊端側パネル部材14と、を含んで構成される。
【0086】
このような構成を採用することによって、床用伸縮継手装置1は、隣り合う2つの建物の各躯体2,3間の目地空間4の第1方向Xに平行な離間距離L1が変化した場合であっても、連結パネル5の遊端側端部を床面上に案内し、あるいは連結パネル5の遊端側端部を躯体2の上面で移動させて、前記離間距離L1の変化を許容することができる第1方向長さとなるように、基端側パネル部材13と遊端側パネル部材14との間に必要な数の中間パネル部材12を組込めばよく、容易に目地空間4の第1方向Xに平行な離間距離L1に適合した床用伸縮継手装置1を実現することができる。
【0087】
床用伸縮継手装置1は、中間パネル部材12、基端側パネル部材13および遊端側パネル部材14を連結して連結パネル5とし、これを第1縁材10、第2縁材11間に掛け渡すことによって構築することができるので、目地空間4の第1方向Xに平行な離間距離L1が異なる施工現場であっても、中間パネル部材12の取付枚数を調整することによって、前記第1方向Xの離間距離L1に応じた幅寸法の連結パネル5を施工現場で容易に構築することができる。
【0088】
床用伸縮継手装置1は、中間パネル部材12を複数連結することによって、幅方向の寸法を調整することができるので、目地空間4の離間距離L1が異なる施工現場であっても、容易に構築することができる。これによって、床用伸縮継手装置1の製造コストを下げることができる。
【0089】
また本実施形態によれば、連結パネル5と当接する支持面部59、第1補強材100の上面部、側部補強材101a,101bの上面部、第2補強材102の上面部および係合部43の平坦部43bには、滑り材46が取付けられるので、連結パネル5の摩擦抵抗を低減して、第1方向Xおよび第2方向Yに関して、連結パネル5を円滑に移動させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平な第1方向に目地空間をあけて隣り合う2つの建物のいずれか一方の建物の躯体に固定され、前記第1方向に垂直でかつ水平な第2方向に延びる第1縁材と、
前記2つの建物のいずれか他方の建物の躯体に、前記第1縁材と平行に固定され、前記第2方向に延びる第2縁材と、
前記第1縁材と前記第2縁材との間に配置される中間パネル部材であって、前記第2方向に延びる第1基部と、前記第1基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びる第1嵌合部と、前記第1基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びる第2嵌合部とを有する中間パネル部材と、
前記第1縁材に取付けられる基端側パネル部材であって、前記第2方向に延びる第2基部と、前記第2基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記中間パネル部材の第2嵌合部に着脱自在に嵌合する第3嵌合部と、前記第2基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記第1縁材に、前記第2方向に平行な軸線まわりに角変位可能に係合する基端側係合部とを有する基端側パネル部材と、
前記第2縁材に取付けられる遊端側パネル部材であって、前記第2方向に延びる第3基部と、前記第3基部の前記第2縁材側に配置される一側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記第2方向に平行な回動軸線まわりに回動自在に設けられる補助カバー部と、前記第3基部の前記第1縁材側に配置される他側部に設けられ、前記第2方向に延びかつ前記中間パネル部材の前記第1嵌合部に着脱自在に嵌合する第4嵌合部とを有する遊端側パネル部材とを含むことを特徴とする床用伸縮継手装置。
【請求項2】
前記第2縁材は、仮想水平面に対して傾斜する第1案内面部と、前記第1案内面部よりも緩やかに傾斜する第2案内面部とを有することを特徴とする請求項1記載の床用伸縮継手装置。
【請求項3】
前記基端側係合部は、第1縁材に、第2方向にスライド移動可能に係合することを特徴とする請求項1または2記載の床用伸縮継手装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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