説明

床面の建造方法

【課題】床面の建造方法において、型枠を使用することに伴う種々の問題点を解決する。
【解決手段】第一の面101と第二の面102との段差103に沿ってコンクリート製のパネル枠110を配置した後、第一の面101及び第二の面102の下方の空間にコンクリートモルタルを注入する。コンクリートモルタルが固化した後であっても、パネル枠110は剥がすことなく、段差103をなす壁部としてそのまま使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は段差を有する床面の建造方法及びこの方法に用いるパネル枠に関する。
【背景技術】
【0002】
図13乃至図15は、段差を有する床面を建造する従来の方法を示す断面図である。
【0003】
図15に示すように、基準面1000から第一の高さにある第一の面1001と、基準面1000から、第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面1002とからなる床面を建造する場合を想定する。
【0004】
第一の面1001と第二の面1002との間には段差1003が形成されている。
【0005】
ここに、基準面1000とは、例えば、地表面である。
【0006】
まず、図13に示すように、第一の面1001の下方に内蔵される鉄筋1004と、第二の面1002の下方に内蔵される鉄筋1005とを構築する。
【0007】
次いで、図13に示すように、プレート状の型枠1006を段差1003が形成されるべき領域に沿って配置する。
【0008】
型枠1006は、通常、木材(例えば、ベニヤ板)または鉄(例えは、ステンレス)からなる。
【0009】
次いで、第一の面1001が形成されるべき空間及び第二の面1002が形成されるべき空間にコンクリートモルタル1007を注入する。
【0010】
コンクリートモルタル1007が固化すると、図14に示すように、第一の面1001及び第二の面1002が形成される。
【0011】
次いで、図15に示すように、段差1003から型枠1006を剥がす。
【0012】
以上の過程を経て、段差1003を有する第一の面1001及び第二の面1002からなる床面が形成される。
【特許文献1】なし
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図13乃至図15に示した従来の工法は、以下に述べるような第一乃至第三の問題点を有していた。
【0014】
型枠1006は他の工事において再使用されるため、図13乃至図15に示した従来の工法においては、型枠1006は第一の面1001及び第二の面1002が形成された後にそのつど剥がすことが必要であったが、型枠1006がコンクリート表面に強固に付着していることが多く、型枠1006を剥がす作業は時間及び手間がかかるものとなっていた(第一の問題点)。
【0015】
さらに、木材からなる型枠1006を使用した場合、型枠1006の表面にはコンクリート片が付着することがあり、この型枠1006を後に再使用するためには、コンクリート片を除去しなければならなかった(第二の問題点)。
【0016】
また、鉄板からなる型枠1006を使用した場合には、型枠1006の表面にコンクリート片が付着することはないが、型枠1006の表面に塗布されていた剥離剤(鉄板からなる型枠1006の表面には、型枠1006をコンクリート表面から容易に剥がせるように、予め剥離剤が塗布される)を拭き取り、あるいは、洗浄することが必要であった(第二の問題点)。
【0017】
このように、図13乃至図15に示した従来の工法においては、再使用に備えて、型枠1006を補修する作業が必須であった。
【0018】
また、型枠1006を使用した場合には、次のような問題点も生じていた。
【0019】
図16は、型枠1006を剥がした後の第一の面1001及び第二の面1002の状態を示す断面図である。
【0020】
例えば、第一の面1001が形成されるべき空間に注入されたコンクリートモルタル1007の量が必要量よりも多かったような場合、型枠1006の下端がコンクリートモルタル1007の中に潜ることになるため、図16に示すように、第一の面1001には、段差1003との境界において、型枠1006を剥がした後に、凹部1008が形成されることになる。
【0021】
あるいは、コンクリートモルタル1007の量が適正量であったような場合であっても、毛細管現象により、型枠1006の下端付近のコンクリートモルタル1007が型枠1006の付近において盛り上がり、その結果として、凹部1008が形成されることもあった。
【0022】
このような場合には、凹部1008をコンクリートで埋め込む追加の作業が必要となり、余計な時間及び手間をかけざるを得なかった(第三の問題点)。
【0023】
以上のような問題点は壁を建造するときに使用する立ち上がり基礎をつくるときにも同様に起こるものであった。
【0024】
図17及び図18は立ち上がり基礎を形成する従来の方法を示す断面図である。
【0025】
まず、図17に示すように、基準面1000上に、一対の型枠1006を間隔を開けて相互に対向させて立たせる。
【0026】
次いで、一対の型枠1006の間に形成されているスペースにコンクリートモルタル1007を注入する。
【0027】
次いで、コンクリートモルタル1007が固化した後、一対の型枠1006を剥がして除去する。
【0028】
これにより、図18に示すように、基準面1000上に立ち上がり基礎1009が形成される。
【0029】
このような立ち上がり基礎1009を形成する際にも、上述の第一乃至第三の問題点が同様に生じていた。
【0030】
本発明は、このような従来の工法における問題点に鑑みてなされたものであり、上述の第一乃至第三の問題点を解消することが可能な床面の建造方法、縦壁の構築方法並びにそれらの方法において使用するパネル枠を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0031】
以下に、「発明の実施の形態」において使用される参照符号を用いて、上述の課題を解決するための手段を説明する。これらの参照符号は、「特許請求の範囲」の記載と「発明の実施の形態」の記載との間の対応関係を明らかにするためにのみ付加されたものであり、「特許請求の範囲」に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いるべきものではない。
【0032】
上記の目的を達成するため、本発明は、基準面(100)から第一の高さにある第一の面(101)と、前記基準面(100)から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面(102)とからなる床面の建造方法であって、前記第一の面(101)に内蔵される鉄筋(104)を構築する第一の過程と、前記第二の面(102)に内蔵される鉄筋(105)を構築する第二の過程と、前記基準面(100)に対して任意の高さに配置可能であるパネル枠(110)を前記第一の面(101)と前記第二の面(102)との段差(103)に沿って鉛直面内に配置する第三の過程と、前記パネル枠(110)を前記第一の面(101)に内蔵される鉄筋(104)及び前記第二の面(102)に内蔵される鉄筋(105)の少なくとも何れか一方に対して固定する第四の過程と、前記第一の面(101)が形成されるべき空間及び前記第二の面(102)が形成されるべき空間にコンクリートモルタルを注入する第五の過程と、を備える床面の建造方法を提供する。
【0033】
前記パネル枠(110)は、例えば、コンクリートパネル(111)と、棒状部材(112)と、前記コンクリートパネル(111)が前記基準面(100)に対して任意の高さとなる位置において、前記棒状部材(112)を前記コンクリートパネル(111)に対して固定する固定手段(113)と、からなる。
【0034】
前記固定手段(113)は、軸線が鉛直方向を向くように、前記コンクリートパネル(111)に取り付けられた雌ネジ部材からなり、前記棒状部材(112)は前記雌ネジ部材に螺合可能な棒状の雄ネジ部材からなるものであることが好ましい。
【0035】
前記パネル枠(200)は、例えば、コンクリートパネル(210)と、位置決め部材(220)と、前記位置決め部材(220)を前記コンクリートパネル(210)に固定する固定手段(230)と、からなり、前記コンクリートパネル(210)には、鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔(212)と、前記貫通孔(212)を外部に開放する鉛直方向に延びるスリット(213)と、が形成されており、前記位置決め部材(220)は、前記貫通孔(212)に挿入可能な棒部材(221)と、前記棒部材(221)の一端において、前記棒部材(221)の長手方向と直角に延び、前記スリット(213)に挿入可能なプレート部材(222)、からなる。
【0036】
前記棒部材(221)は棒状の雄ネジ部材からなり、前記固定手段(230)は前記雄ネジ部材に螺合するナット部材からなるものであることが好ましい。
【0037】
前記コンクリートパネル(210)には、前記コンクリートパネル(210)の一方の面から外向きに突出する突出部(211)が形成されており、前記貫通孔(212)及び前記スリット(213)は前記突出部(211)において形成されていることが好ましい。
【0038】
前記プレート部材(222)には、その上縁において、半円状の切り欠き(223)が形成されていることが好ましい。
【0039】
本発明は、さらに、縦壁を構築する方法であって、基準面(100)上に一対のコンクリートパネル(210)を間隔を開けて相互に対向させて立てる第一の過程と、前記一対のコンクリートパネル(210)の各々には鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔(212)と、前記貫通孔(212)を外部に開放する鉛直方向に延びるスリット(213)とが形成されており、前記貫通孔(212)に棒状部材(305)を挿入する第二の過程と、前記一対のコンクリートパネル(210)の各々の貫通孔(212)に挿入された棒状部材(305)を相互に連結する連結具(306)を前記貫通孔(212)及び前記スリット(213)を介して前記棒状部材(305)に嵌め込む第三の過程と、前記一対のコンクリートパネル(210)の間に形成されたスペースにコンクリートモルタルを注入する第四の過程と、を備える縦壁の構築方法を提供する。
【0040】
前記第一の過程において、第一の面(301)と、前記第一の面(301)の一端において前記第一の面(301)と直交する方向に延びる第二の面(302)と、前記第一の面(301)の他端において前記第二の面(302)と同一方向に延びる第三の面(303)とを備える固定具(300)を用いることができる。この場合、前記第一の面(301)を前記基準面(100)に固定し、前記第二の面(302)及び前記第三の面(303)の各々に前記一対のコンクリートパネル(210)の各々を沿わせて前記一対のコンクリートパネル(210)を対向させて立てる。
【0041】
本発明は、さらに、縦壁を構築する方法であって、基準面(100)上に鉄筋を構築する第一の過程と、鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔(212)と、前記貫通孔(212)を外部に開放する鉛直方向に延びるスリット(213)とが形成されている一対のコンクリートパネル(210)の前記貫通孔(212)に棒状部材(401)を挿入する第二の過程と、前記棒状部材(401)を相互に連結する連結具(306)を前記貫通孔(212)及び前記スリット(213)を介して前記棒状部材(401)に嵌め込む第三の過程と、前記基準面(100)に対して任意の高さにおいて前記一対のコンクリートパネル(210)を間隔を開けて相互に対向させて立てる第四の過程と、前記棒状部材(401)の一端を前記基準面(100)に接触させた状態において前記一対のコンクリートパネル(210)の各々を前記棒状部材(401)に対して固定させる第五の過程と、前記基準面(100)と前記一対のコンクリートパネル(210)の下端との間のスペース及び前記一対のコンクリートパネル(210)の間に形成されているスペースにコンクリートモルタルを注入する第六の過程と、を備える縦壁の構築方法を提供する。
【0042】
前記棒状部材(401)は棒状の雄ネジ部材からなり、前記第五の過程において、前記一対のコンクリートパネル(210)の下端において前記棒状部材(401)に雌ネジ部材(402)を螺合させることにより、前記一対のコンクリートパネル(210)の各々を前記棒状部材(401)に対して固定させることが好ましい。
【0043】
前記棒状部材(401)に前記雌ネジ部材(402)を螺合させる前に、二つの貫通孔(404)が形成されている板部材(403)の前記二つの貫通孔(404)の各々に前記棒状部材(401)を通すことが好ましい。
【0044】
本発明は、さらに、基準面(100)から第一の高さにある第一の面(101)と、前記基準面(100)から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面(102)とからなる床面の建造方法において、前記第一の面(101)と前記第二の面(102)との段差(103)に沿って鉛直面内に配置されるパネル枠(110)であって、コンクリートパネル(111)と、棒状部材(112)と、前記コンクリートパネル(111)が前記基準面(100)に対して任意の高さとなる位置において、前記棒状部材(112)を前記コンクリートパネル(111)に対して固定する固定手段(113)と、からなるものであるパネル枠を提供する。
【0045】
本発明に係るパネル枠においては、前記固定手段(113)は、軸線が鉛直方向を向くように、前記コンクリートパネル(111)に取り付けられた雌ネジ部材からなり、前記棒状部材(112)は前記雌ネジ部材に螺合可能な棒状の雄ネジ部材からなるものであることが好ましい。
【0046】
本発明は、さらに、基準面(100)から第一の高さにある第一の面(101)と、前記基準面(100)から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面(102)とからなる床面の建造方法において、前記第一の面(101)と前記第二の面(102)との段差(103)に沿って鉛直面内に配置されるパネル枠であって、コンクリートパネル(210)と、位置決め部材(220)と、前記位置決め部材(220)を前記コンクリートパネル(210)に固定する固定手段(230)と、からなり、前記コンクリートパネル(210)には、鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔(212)と、前記貫通孔(212)を外部に開放する鉛直方向に延びるスリット(213)と、が形成されており、前記位置決め部材(220)は、前記貫通孔(212)に挿入可能な棒部材(221)と、前記棒部材(221)の一端において、前記棒部材(221)の長手方向と直角に延びるプレート部材(222)と、からなるものであるパネル枠を提供する。
【0047】
本発明に係るパネル枠においては、前記棒部材(221)は棒状の雄ネジ部材からなり、前記固定手段(2300)は前記雄ネジ部材に螺合するナット部材からなるものであることが好ましい。
【0048】
本発明に係るパネル枠においては、前記コンクリートパネル(210)には、前記コンクリートパネル(210)の一方の面から外向きに突出する突出部(211)が形成されており、前記貫通孔(212)及び前記スリット(213)は前記突出部(211)において形成されていることが好ましい。
【0049】
本発明に係るパネル枠においては、前記プレート部材(222)には、その上縁において、半円状の切り欠き(223)が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0050】
本発明に係る床面の建造方法、縦壁の構築方法並びにそれらの方法において使用するパネル枠によれば、以下の効果を得ることができる。
【0051】
図13乃至図15に示した従来の工法においては、型枠1006は再使用されるため、第一の面1001及び第二の面1002から型枠1006を剥がすことが必要であった。
【0052】
これに対して、本発明に係る床面の建造方法または縦壁の構築方法においては、パネル枠は床面の一部として、具体的には、段差をなす面として、そのまま使用される。このため、本発明に係る床面の建造方法または縦壁の構築方法によれば、型枠1006を剥がす作業は不要となり、その分、作業時間及び作業量を減らすことが可能である。
【0053】
また、本発明に係る床面の建造方法または縦壁の構築方法においては、パネル枠はそのまま床面の一部として使用されるため、剥がした型枠1006の補修は必要ではなく、その分、作業時間及び作業量を減らすことが可能である。
【0054】
また、図13乃至図15に示した従来の工法においては、第一の面1001に型枠1006の跡である凹部1008が形成されるため、凹部1008を補修する作業を行うことを必要とした。
【0055】
これに対して、本発明に係る床面の建造方法または縦壁の構築方法においては、パネル枠はそのまま床面の一部として使用されるため、床面に凹部が形成されることはなく、凹部1008の補修作業に費やしていた作業時間及び作業量を削減することができる。
【0056】
さらに、本発明に係る床面の建造方法または縦壁の構築方法によれば、基準面に対するパネル枠の高さを所望の高さに調節することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0057】
(第一の実施形態)
図1は、本発明の第一の実施形態に係る床面の建造方法により建造される床面の概略的な断面図である。
【0058】
本実施形態に係る床面の建造方法は、基準面100から第一の高さH1にある第一の面101と、基準面100から、第一の高さH1よりも高い第二の高さH2にある第二の面102とからなる床面を建造する方法である。
【0059】
第一の面101と第二の面102との間には段差103が形成されている。段差103の高さH3は第二の高さH2と第一の高さH1との差である。
【0060】
H3=H2−H1
ここに、基準面100とは、例えば、地表面あるいは既に形成されているコンクリート面である。
【0061】
図2(A)は本実施形態に係る床面の建造方法において使用するパネル枠110の側面図、図2(B)はパネル枠110の正面図である。
【0062】
パネル枠110は、矩形状のコンクリートパネル111と、棒状部材112と、棒状部材112をコンクリートパネル111に対して固定する固定手段113と、から構成されている。
【0063】
固定手段113は、軸線が鉛直方向を向くように、コンクリートパネル111に取り付けられた雌ネジ部材からなる。すなわち、固定手段113は長手のナット部材からなり、鉄板114を間に挟んだ状態でコンクリートパネル111の表面に取り付けられている。
【0064】
図2(B)に示すように、コンクリートパネル111には2個の固定手段113が並列に取り付けられており、各固定手段113はその下端がコンクリートパネル111の下端と同一面上にあるように配置されている。
【0065】
棒状部材112は、雌ネジ部材からなる固定手段113に螺合可能な棒状の雄ネジ部材からなる。
【0066】
本実施形態に係る床面の建造方法は以下のような工程を有する。
【0067】
まず、第一の面101の下方に内蔵される鉄筋104を構築する。
【0068】
次いで、第二の面102の下方に内蔵される鉄筋105を構築する。
【0069】
鉄筋104と鉄筋105の構築順序は特に限定されない。鉄筋104と鉄筋105とを同時に構築することも可能であり、鉄筋104と鉄筋105とを一体のものとして構築することも可能である。
【0070】
次いで、パネル枠110を段差103に沿って鉛直面内に配置する。
【0071】
段差113の長さ(図1の紙面と垂直な方向における長さ)に応じて、複数個のパネル枠110が水平方向(図2(B)の左右方向)に並べた状態で配置される。
【0072】
パネル枠110の高さは段差103の高さと等しくなるように設定されている。
【0073】
各パネル枠110を段差103に沿って配置する際には、棒状部材112の一端(図1の上端)を固定手段113に螺合させた状態において、他端(図1の下端)を基準面100上に接触させる。
【0074】
すなわち、棒状部材112を固定手段113に対して正転または逆転させることにより、基準面100に対するパネル枠110の高さを調節することが可能である。このため、パネル枠110を段差103に沿うような高さに維持することが可能になる。
【0075】
なお、棒状部材112が意図しない回転を行わないように、固定手段113の直下において締め付け用ナットを棒状部材112に対して螺合させておくことも可能である。
【0076】
パネル枠110を段差103に沿って配置した後、棒状部材112を鉄筋104及び鉄筋105の一方または双方に対して固定する。
【0077】
例えば、1本または複数本の鉄筋を棒状部材112と鉄筋104とに掛け渡し、その鉄筋を棒状部材112及び鉄筋104の双方に対して、例えば、溶接により、固定する。
【0078】
次いで、第一の面101が形成されるべき空間(鉄筋104が形成されている空間)及び第二の面102が形成されるべき空間(鉄筋105が形成されている空間)にコンクリートモルタルを注入する。
【0079】
コンクリートモルタルが固化すると、図1に示すように、第一の面101及び第二の面102が形成される。
【0080】
図13乃至図15に示した従来の工法においては、第一の面1001及び第二の面1002が形成された後、型枠1006を剥がすことが必要であったが、本実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠110は剥がすことなく、そのまま、第一の面101と第二の面102との間の段差として使用される。
【0081】
本実施形態に係る床面の建造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
【0082】
図13乃至図15に示した従来の工法においては、型枠1006は再使用されるため、第一の面1001及び第二の面1002から型枠1006を剥がすことが必要であったが、本実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠110はそのまま床面の一部として使用される。このため、本実施形態に係る床面の建造方法によれば、型枠1006を剥がす作業は不要となり、その分、作業時間及び作業量を減らすことが可能である。
【0083】
また、本実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠110はそのまま床面の一部として使用されるため、剥がした型枠1006の補修は必要ではなく、その分、作業時間及び作業量を減らすことが可能である。
【0084】
また、図13乃至図15に示した従来の工法においては、第一の面1001に型枠1006の跡である凹部1008が形成されるため、凹部1008の補修作業が必要であったが、本実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠110はそのまま床面の一部として使用されるため、第一の面101に凹部が形成されることはなく、凹部1008の補修作業に費やしていた作業時間及び作業量を削減することができる。
【0085】
さらに、本実施形態に係る床面の建造方法によれば、棒状部材112を固定手段113に対して正転または逆転させることにより、基準面100に対するパネル枠110の高さを所望の高さに調節することが可能である。
【0086】
なお、本実施形態に係る床面の建造方法において使用されるパネル枠110は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0087】
例えば、本実施形態におけるパネル枠110においては、2対の棒状部材112及び固定手段113が設けられているが、棒状部材112及び固定手段113の対の数は2には限定されない。1以上の任意の数を選択することが可能である。
【0088】
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠110に代えて、以下に示すパネル枠200を使用する。この点を除いて、本実施形態に係る床面の建造方法は第一の実施形態に係る床面の建造方法と同一の内容を有している。
【0089】
本実施形態に係る床面の建造方法において使用されるパネル枠200は、コンクリートパネル210と、位置決め部材220と、位置決め部材220をコンクリートパネル210に固定する固定手段230と、からなる。
【0090】
図3はコンクリートパネル210を上方から見た場合の平面図である。
【0091】
コンクリートパネル210は、正面の方向(図3のA方向)から見て、長方形をなしている。
【0092】
コンクリートパネル210には、一方の面から外向きに突出する3個の突出部211が等間隔に形成されている。
【0093】
各突出部211には、鉛直方向に延びる貫通孔212と、貫通孔212を外部に開放する鉛直方向に延びるスリット213と、が形成されている。
【0094】
図4(A)は位置決め部材220を上方から見た場合の平面図、図4(B)は位置決め部材220の側面図である。
【0095】
位置決め部材220は、外周に雄ネジが形成されている棒部材221と、棒部材221の一端(図4(B)においては上端)において、棒部材221の長手方向と直角に延びるプレート部材222と、から構成されている。
【0096】
棒部材221はコンクリートパネル210の貫通孔212に挿入可能な直径を有しており、プレート部材222はコンクリートパネル210のスリット213に挿入可能な厚みを有している。
【0097】
図5は、コンクリートパネル210の各貫通孔212に棒部材221を、各スリット213にプレート部材222を嵌め込んだ状態を示す、図3と同様の平面図である。
【0098】
図5に示すように、コンクリートパネル210の各貫通孔212に棒部材221を嵌め込むと、プレート部材222がスリット213を介して外部に突出した状態になる。
【0099】
図6は本実施形態に係る床面の建造方法により製造される床面の概略的な断面図であり、図7はパネル枠200を配置した状態を示す正面図である。
【0100】
本実施形態に係る床面の建造方法は以下のような工程を有する。
【0101】
まず、第一の面101の下方に内蔵される鉄筋104を構築する。
【0102】
次いで、第二の面102の下方に内蔵される鉄筋105を構築する。
【0103】
鉄筋104と鉄筋105の構築順序は特に限定されない。鉄筋104と鉄筋105とを同時に構築することも可能であり、鉄筋104と鉄筋105とを一体のものとして構築することも可能である。
【0104】
次いで、パネル枠200を段差103に沿って鉛直面内に配置する。
【0105】
段差113の長さ(図6の紙面と垂直な方向における長さ)に応じて、複数個のパネル枠200が水平方向(図6の紙面と垂直な方向における水平方向)に並べた状態で配置される。
【0106】
パネル枠200の高さは段差103の高さと等しくなるように設定されている。
【0107】
各パネル枠200を段差103に沿って配置する際には、棒部材221をコンクリートパネル210の貫通孔212に、プレート部材222をコンクリートパネル210のスリット213にそれぞれ通し、図6に示すように、棒部材221の下端を基準面100上に接触させる。
【0108】
固定部材230は、図6に示すように、棒部材221に螺合可能な雌ネジ部材からなる。例えば、固定部材230はナット部材からなる。
【0109】
次いで、固定部材230を棒部材221に下端から螺合させ、コンクリートパネル210の直下において固定部材230をコンクリートパネル210に対して締め付ける。これにより、棒部材221はコンクリートパネル210に対して固定されるともに、基準面100に対するコンクリートパネル210の位置(基準面100からの高さ)が決定される。
【0110】
パネル枠200を段差103に沿って配置した後、図6に示すように、棒部材221及びプレート部材222を鉄筋104及び鉄筋105の一方または双方に対して固定する。
【0111】
例えば、図6に示すように、プレート部材222は鉄筋105Aを介して鉄筋105に固定されている。具体的には、鉄筋105Aの一端をプレート部材222に溶接し、他端を鉄筋105に溶接することにより、プレート部材222は鉄筋105に対して固定されている。また、図6に示すように、棒部材221は鉄筋105Bを介して鉄筋105に固定されている。具体的には、鉄筋105Bの一端を棒部材221に溶接し、他端を鉄筋105Aに溶接することにより、棒部材221は鉄筋105に対して固定されている。
【0112】
次いで、第一の面101が形成されるべき空間(鉄筋104が形成されている空間)及び第二の面102が形成されるべき空間(鉄筋105が形成されている空間)にコンクリートモルタルを注入する。
【0113】
コンクリートモルタルが固化すると、段差103を伴う第一の面101及び第二の面102が形成される。
【0114】
図13乃至図15に示した従来の工法においては、第一の面1001及び第二の面1002が形成された後、型枠1006を剥がすことが必要であったが、本実施形態に係る床面の建造方法においては、パネル枠200は剥がすことなく、そのまま、第一の面101と第二の面102との間の段差として使用される。
【0115】
本実施形態に係る床面の建造方法によっても、第一の実施形態に係る床面の建造方法と同様の効果を得ることができる。
【0116】
なお、本実施形態に係る床面の建造方法において使用されるパネル枠200は上記の構造に限定されるものではなく、種々の改変が可能である。
【0117】
本実施形態において使用されるパネル枠200においては、コンクリートパネル210に突出部211が形成されているが、突出部211を形成することは必ずしも必要ではない。突出部211を有しないコンクリートパネル210を形成することも可能である。
【0118】
ただし、突出部211を形成することにより、貫通孔212を形成することによるコンクリートパネル210の厚みの減少を回避することが可能になるため、コンクリートパネル210の強度の低下を防止することが可能である。
【0119】
また、本実施形態においては、コンクリートパネル210に3個の突出部211が形成されているが、突出部211の数は3には限定されない。必要に応じて、1以上の任意の数を選択することが可能である。
【0120】
また、本実施形態において使用される位置決め部材220の構造に対しても種々の改変が可能である。
【0121】
図8(A)は位置決め部材220の変形例である位置決め部材220Aを上方から見た場合の平面図、図8(B)は位置決め部材220Aの側面図である。
【0122】
図8(A)及び図8(B)に示す位置決め部材220Aは、位置決め部材220と比較して、プレート部材222の形状が異なっている。
【0123】
すなわち、位置決め部材220Aにおけるプレート部材222Aには、その上縁において、半円状の切り欠き223が形成されている。
【0124】
この切り欠き223には丸棒224が掛け渡される。すなわち、複数個(例えば、本実施形態においては3個)のプレート部材222A上に一本の丸棒224が掛け渡される。
【0125】
必要に応じて、丸棒224は各プレート部材222Aに対して、例えば、溶接により、固定される。これにより、各プレート部材222Aひいては各位置決め部材220Aが相互に連結することなり、各位置決め部材220Aひいてはコンクリートパネル210の安定性を向上させることが可能になる。
【0126】
(第三の実施形態)
図9は本発明の第三の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法を説明する断面図である。
【0127】
本実施形態に係る方法は、図18に示すような立ち上がり基礎1009を形成するための方法である。
【0128】
本実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法は以下のような工程を有する。
【0129】
まず、基準面100上に一対のコンクリートパネル210(図3参照)を間隔を開けて相互に対向させて立てる。
【0130】
ここに、基準面100とは、例えば、予め形成されているコンクリート面を指す。
【0131】
一対のコンクリートパネル210を基準面100上に立てる際には、図9に示すように、固定具300を使用する。
【0132】
固定具300は、第一の面301と、第一の面301の一端において第一の面301と直交する方向に延びる第二の面302と、第一の面301の他端において第二の面302と同一方向に延びる第三の面303とを備えている。
【0133】
すなわち、固定具300はほぼ「コ」の字型をなしており、第二の面302と第三の面303とは同一の長さを有している。
【0134】
第一の面301の中央には貫通孔が形成されており、この貫通孔にアンカーボルト304を通し、第一の面100を基準面100上に固定することにより、固定具300を基準面100上に固定する。
【0135】
次いで、第二の面302及び第三の面303の各々に一対のコンクリートパネル210の各々を沿わせ、一対のコンクリートパネル210を対向させて立てる。
【0136】
次いで、各コンクリートパネル210の貫通孔212に棒状部材305を挿入する。
【0137】
棒状部材305はコンクリートパネル210の高さよりも短いものを用いる。
【0138】
なお、構築する縦壁の高さに応じて、複数個のコンクリートパネル210を上下方向に重ねて使用することが可能である。この場合には、その高さに応じた棒状部材305を使用する。例えば、図9においては、2個のコンクリートパネル210を上下方向に重ねて使用しており、上方に乗せられているコンクリートパネル210は縦壁の高さに合わせて切断されている。このように、複数個のコンクリートパネル210を上下方向に重ねて使用する場合には、合計高さよりも短い棒状部材305を使用する。
【0139】
各コンクリートパネル210の貫通孔212に棒状部材305を挿入した後、コンクリートパネル210の各々の貫通孔212に挿入された棒状部材305を相互に連結する連結具306を貫通孔212及びスリット213を介して棒状部材305に嵌め込む。
【0140】
図10(A)は連結具306を上方から見た場合の平面図、図10(B)は棒状部材305に嵌め込んだ状態における連結具306の側面図である。
【0141】
図10(A)に示すように、連結具306は、二つの環状部材307と、二つの円筒状の環状部材307を各環状部材307の軸線が平行になるように相互に連結するプレート部材308と、から構成されている。
【0142】
二つの環状部材307の各々は棒状部材305に嵌め込むことが可能な内径及びコンクリートパネル210の貫通孔212に嵌まることが可能な外径を有しており、プレート部材308はコンクリートパネル210のスリット213を通過可能な厚みを有している。
【0143】
例えば、図10(B)に示すように、棒状部材305の上端付近と下端付近にそれぞれ連結具306を嵌め込む。
【0144】
なお、予め連結具306を各棒状部材305に嵌め込んでから、各棒状部材305をコンクリートパネル210の貫通孔212に嵌め込むことも可能である。
【0145】
次いで、一対のコンクリートパネル210に挟まれた空間内にコンクリートモルタルを注入する。
【0146】
コンクリートモルタルが乾燥して固化すると、図18に示したような立ち上がり基礎1009が形成される。
【0147】
図17及び図18に示した従来の工法においては、コンクリートモルタルが固化して立ち上がり基礎1009が形成された後に型枠1006を剥がす必要があったが、本実施形態に係る方法においては、コンクリートパネル210は縦壁(立ち上がり基礎)の一部としてそのまま使用される。
【0148】
すなわち、本実施形態に係る方法によれば、図17及び図18に示した従来の工法とは異なり、型枠1006を剥がす必要はない。
【0149】
以上のように、本実施形態に係る方法によれば、第一の実施形態に係る床面の建造方法と同様の効果を得ることができる。
【0150】
(第四の実施形態)
図11は本発明の第四の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法を説明する断面図である。
【0151】
本実施形態に係る方法は、第三の実施形態に係る方法と同様に、図18に示すような立ち上がり基礎1009を形成するための方法である。
【0152】
第三の実施形態に係る方法においては、基準面100(例えば、コンクリート面)上に立ち上がり基礎1009が形成された。これに対して、本実施形態に係る方法においては、基準面100から所定の高さの位置にある第一の面101上に立ち上がり基礎1009が形成される(基準面100から第一の面101までの空間にはまだコンクリートは打たれていない)。
【0153】
本実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法は以下のような工程を有する。
【0154】
まず、基準面100と第一の面101との間の空間内に鉄筋(図示せず)を構築する。
【0155】
次いで、コンクリートパネル210(図3参照)の貫通孔212に、外周に雄ネジが形成されている雄ネジ部材401を挿入する。
【0156】
次いで、雄ネジ部材401の下端を基準面100に接触させ、コンクリートパネル210の下端が第一の面101と同一面に位置するように、レベル調整ナット402をコンクリートパネル210の下端において雄ネジ部材401に対して締め付ける。
【0157】
次いで、基準面100上に一対のコンクリートパネル210を間隔を開けて相互に対向させて立てる。この状態においては、雄ネジ部材401の下端は基準面100上にあり、コンクリートパネル210は第一の面101上に位置している。
【0158】
なお、一対のコンクリートパネル210を間隔を開けて相互に対向させるために、位置決め用プレート403を用いることができる。
【0159】
図12は位置決め用プレート403の平面図である。
【0160】
位置決め用プレート403は、例えば、鉄板からなり、二つの円形の貫通孔404が形成されている。
【0161】
二つの貫通孔404の中心間の距離は、二つのコンクリートパネル210の貫通孔212の中心間の距離に等しく設定されている。
【0162】
レベル調整ナット402を雄ネジ部材401に螺合させる前に、二つの雄ネジ部材401を二つの貫通孔404の各々に通し、その後に、レベル調整ナット402を雄ネジ部材401に締め付ける。これにより、二つのコンクリートパネル210間の距離を所望の距離に設定することが可能である。
【0163】
次いで、連結具306(図10(A)及び図10(B)参照)を貫通孔212及びスリット213を介して雄ネジ部材401に嵌め込む。
【0164】
次いで、一対のコンクリートパネル210に挟まれた空間内にコンクリートモルタルを注入する。
【0165】
コンクリートモルタルが乾燥して固化すると、図18に示したような立ち上がり基礎1009が形成される。
【0166】
図17及び図18に示した従来の工法においては、コンクリートモルタルが固化して立ち上がり基礎1009が形成された後に型枠1006を剥がす必要があったが、本実施形態に係る方法においては、コンクリートパネル210は縦壁(立ち上がり基礎)の一部としてそのまま使用される。
【0167】
すなわち、本実施形態に係る方法によれば、図17及び図18に示した従来の工法とは異なり、型枠1006を剥がす必要はない。
【0168】
以上のように、本実施形態に係る方法によれば、第一の実施形態に係る床面の建造方法と同様の効果を得ることができる。
【0169】
なお、本実施形態に係る方法においては、以下の工程の実施順序は特に限定されず、任意の順序に従って実施することが可能である。
【0170】
(1)雄ネジ部材401をコンクリートパネル210の貫通孔212に挿入する工程
(2)連結具306を雄ネジ部材401に嵌め込む工程
(3)レベル調整ナット402を雄ネジ部材401に締め付ける工程
(4)一対のコンクリートパネル210を相互に対向した状態で立てる工程
【図面の簡単な説明】
【0171】
【図1】図1は、本発明の第一の実施形態に係る床面の建造方法により建造される床面の概略的な断面図である。
【図2】図2(A)は本発明の第一の実施形態に係る床面の建造方法において使用するパネル枠の側面図、図2(B)はパネル枠の正面図である。
【図3】図3は、本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法において使用されるコンクリートパネルを上方から見た場合の平面図である。
【図4】図4(A)は、本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法において使用される位置決め部材を上方から見た場合の平面図、図4(B)は位置決め部材の側面図である。
【図5】図5は、本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法において、コンクリートパネルの各貫通孔に棒部材を、各スリットにプレート部材を嵌め込んだ状態を示す平面図である。
【図6】図6は本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法により製造される床面の概略的な断面図である。
【図7】図7は、本発明の第二の実施形態に係る床面の建造方法において、パネル枠を配置した状態を示す正面図である。
【図8】図8(A)は位置決め部材の変形例を上方から見た場合の平面図、図8(B)は位置決め部材の変形例の側面図である。
【図9】図9は本発明の第三の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法を説明する断面図である。
【図10】図10(A)は、本発明の第三の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法において使用される連結具を上方から見た場合の平面図、図10(B)は棒状部材に嵌め込んだ状態における連結具の側面図である。
【図11】図11は本発明の第四の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法を説明する断面図である。
【図12】図12は、本発明の第四の実施形態に係る縦壁を基準面上に構築する方法において使用される位置決め用プレートの平面図である。
【図13】図13は、段差を有する床面を建造する従来の方法を示す断面図である。
【図14】図14は、段差を有する床面を建造する従来の方法を示す断面図である。
【図15】図15は、段差を有する床面を建造する従来の方法を示す断面図である。
【図16】図16は、型枠を剥がした後の第一の面及び第二の面の状態を示す断面図である。
【図17】図17は立ち上がり基礎を形成する従来の方法を示す断面図である。
【図18】図18は立ち上がり基礎を形成する従来の方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0172】
100 基準面
101 第一の面
102 第二の面
103 段差
104、105 鉄筋
110 パネル枠
111 コンクリートパネル
112 棒状部材
113 固定手段
114 鉄板
200 パネル枠
210 コンクリートパネル
211 突出部
212 貫通孔
213 スリット
220 位置決め部材
221 棒部材
222 プレート部材
223 切り欠き
224 丸棒
230 固定手段
300 固定具
304 アンカーボルト
305 棒状部材
306 連結具
401 雄ネジ部材
402 レベル調整ナット
403 位置決め用プレート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準面から第一の高さにある第一の面と、前記基準面から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面とからなる床面の建造方法であって、
前記第一の面に内蔵される鉄筋を構築する第一の過程と、
前記第二の面に内蔵される鉄筋を構築する第二の過程と、
前記基準面に対して任意の高さに配置可能であるパネル枠を前記第一の面と前記第二の面との段差に沿って鉛直面内に配置する第三の過程と、
前記パネル枠を前記第一の面に内蔵される鉄筋及び前記第二の面に内蔵される鉄筋の少なくとも何れか一方に対して固定する第四の過程と、
前記第一の面が形成されるべき空間及び前記第二の面が形成されるべき空間にコンクリートモルタルを注入する第五の過程と、
を備える床面の建造方法。
【請求項2】
前記パネル枠は、
コンクリートパネルと、
棒状部材と、
前記コンクリートパネルが前記基準面に対して任意の高さとなる位置において、前記棒状部材を前記コンクリートパネルに対して固定する固定手段と、
からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の床面の建造方法。
【請求項3】
前記固定手段は、軸線が鉛直方向を向くように、前記コンクリートパネルに取り付けられた雌ネジ部材からなり、
前記棒状部材は前記雌ネジ部材に螺合可能な棒状の雄ネジ部材からなることを特徴とする請求項2に記載の床面の建造方法。
【請求項4】
前記パネル枠は、
コンクリートパネルと、
位置決め部材と、
前記位置決め部材を前記コンクリートパネルに固定する固定手段と、
からなり、
前記コンクリートパネルには、鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔と、前記貫通孔を外部に開放する鉛直方向に延びるスリットと、が形成されており、
前記位置決め部材は、前記貫通孔に挿入可能な棒部材と、前記棒部材の一端において、前記棒部材の長手方向と直角に延び、前記スリットに挿入可能なプレート部材と、からなるものである特徴とする請求項1に記載の床面の建造方法。
【請求項5】
前記棒部材は棒状の雄ネジ部材からなり、
前記固定手段は前記雄ネジ部材に螺合するナット部材からなるものであることを特徴とする請求項4に記載の床面の建造方法。
【請求項6】
前記コンクリートパネルには、前記コンクリートパネルの一方の面から外向きに突出する突出部が形成されており、前記貫通孔及び前記スリットは前記突出部において形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の床面の建造方法。
【請求項7】
前記プレート部材には、その上縁において、半円状の切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項4乃至6の何れか一項に記載の床面の建造方法。
【請求項8】
縦壁を構築する方法であって、
基準面上に一対のコンクリートパネルを間隔を開けて相互に対向させて立てる第一の過程と、
前記一対のコンクリートパネルの各々には鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔と、前記貫通孔を外部に開放する鉛直方向に延びるスリットとが形成されており、前記貫通孔に棒状部材を挿入する第二の過程と、
前記一対のコンクリートパネルの各々の貫通孔に挿入された棒状部材を相互に連結する連結具を前記貫通孔及び前記スリットを介して前記棒状部材に嵌め込む第三の過程と、
前記一対のコンクリートパネルの間に形成されたスペースにコンクリートモルタルを注入する第四の過程と、
を備える縦壁の構築方法。
【請求項9】
前記第一の過程において、第一の面と、前記第一の面の一端において前記第一の面と直交する方向に延びる第二の面と、前記第一の面の他端において前記第二の面と同一方向に延びる第三の面とを備える固定具を用い、前記第一の面を前記基準面に固定し、前記第二の面及び前記第三の面の各々に前記一対のコンクリートパネルの各々を沿わせて前記一対のコンクリートパネルを対向させて立てることを特徴とする請求項8に記載の縦壁の構築方法。
【請求項10】
縦壁を構築する方法であって、
基準面上に鉄筋を構築する第一の過程と、
鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔と、前記貫通孔を外部に開放する鉛直方向に延びるスリットとが形成されている一対のコンクリートパネルの前記貫通孔に棒状部材を挿入する第二の過程と、
前記棒状部材を相互に連結する連結具を前記貫通孔及び前記スリットを介して前記棒状部材に嵌め込む第三の過程と、
前記基準面に対して任意の高さにおいて前記一対のコンクリートパネルを間隔を開けて相互に対向させて立てる第四の過程と、
前記棒状部材の一端を前記基準面に接触させた状態において前記一対のコンクリートパネルの各々を前記棒状部材に対して固定させる第五の過程と、
前記基準面と前記一対のコンクリートパネルの下端との間のスペース及び前記一対のコンクリートパネルの間に形成されているスペースにコンクリートモルタルを注入する第六の過程と、
を備える縦壁の構築方法。
【請求項11】
前記棒状部材は棒状の雄ネジ部材からなり、前記第五の過程において、前記一対のコンクリートパネルの下端において前記棒状部材に雌ネジ部材を螺合させることにより、前記一対のコンクリートパネルの各々を前記棒状部材に対して固定させることを特徴とする請求項10に記載の縦壁の構築方法。
【請求項12】
前記棒状部材に前記雌ネジ部材を螺合させる前に、二つの貫通孔が形成されている板部材の前記二つの貫通孔の各々に前記棒状部材を通すことを特徴とする請求項11に記載の縦壁の構築方法。
【請求項13】
前記コンクリートパネルには、前記コンクリートパネルの一方の面から外向きに突出する突出部が形成されており、前記貫通孔及び前記スリットは前記突出部において形成されていることを特徴とする請求項8乃至12の何れか一項に記載の縦壁の構築方法。
【請求項14】
基準面から第一の高さにある第一の面と、前記基準面から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面とからなる床面の建造方法において、前記第一の面と前記第二の面との段差に沿って鉛直面内に配置されるパネル枠であって、
コンクリートパネルと、
棒状部材と、
前記コンクリートパネルが前記基準面に対して任意の高さとなる位置において、前記棒状部材を前記コンクリートパネルに対して固定する固定手段と、
からなるものであるパネル枠。
【請求項15】
前記固定手段は、軸線が鉛直方向を向くように、前記コンクリートパネルに取り付けられた雌ネジ部材からなり、
前記棒状部材は前記雌ネジ部材に螺合可能な棒状の雄ネジ部材からなることを特徴とする請求項14に記載のパネル枠。
【請求項16】
基準面から第一の高さにある第一の面と、前記基準面から、前記第一の高さよりも高い第二の高さにある第二の面とからなる床面の建造方法において、前記第一の面と前記第二の面との段差に沿って鉛直面内に配置されるパネル枠であって、
コンクリートパネルと、
位置決め部材と、
前記位置決め部材を前記コンクリートパネルに固定する固定手段と、
からなり、
前記コンクリートパネルには、鉛直方向に延びる少なくとも一つの貫通孔と、前記貫通孔を外部に開放する鉛直方向に延びるスリットと、が形成されており、
前記位置決め部材は、前記貫通孔に挿入可能な棒部材と、前記棒部材の一端において、前記棒部材の長手方向と直角に延びるプレート部材と、からなるものであるパネル枠。
【請求項17】
前記棒部材は棒状の雄ネジ部材からなり、
前記固定手段は前記雄ネジ部材に螺合するナット部材からなるものであることを特徴とする請求項16に記載のパネル枠。
【請求項18】
前記コンクリートパネルには、前記コンクリートパネルの一方の面から外向きに突出する突出部が形成されており、前記貫通孔及び前記スリットは前記突出部において形成されていることを特徴とする請求項16または17に記載のパネル枠。
【請求項19】
前記プレート部材には、その上縁において、半円状の切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項16乃至18の何れか一項に記載のパネル枠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−90613(P2010−90613A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−261586(P2008−261586)
【出願日】平成20年10月8日(2008.10.8)
【特許番号】特許第4294719号(P4294719)
【特許公報発行日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(505399384)
【Fターム(参考)】